JP7807643B2 - 窒化物蛍光体、発光装置、灯具及び街路灯 - Google Patents
窒化物蛍光体、発光装置、灯具及び街路灯Info
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Description
本発明の一態様は、温度特性が良好である窒化物蛍光体及び発光装置を提供することを目的とする。
(BavSrwEux)2Si5N8-y (1)
(式(1)中、v、w、x、及びyは、それぞれ0.50≦v≦0.919、0.08≦w≦0.50、0.001≦x≦0.030、0.9<v+w+x≦1.0、0≦y≦0.5を満たす。)
(BavSrwEux)2Si5N8-y (1)
(式(1)中、v、w、x、及びyは、それぞれ0.50≦v≦0.919、0.08≦w≦0.50、0.001≦x≦0.030、0.9<v+w+x≦1.0、0≦y≦0.5を満たす。)
窒化物蛍光体の製造方法は、前記式(1)で表される組成式に含まれる各元素を有する化合物を原料とし、各化合物に含まれる元素が前記式(1)で表される組成式に含まれるように各化合物を計量して混合した原料混合物を得ることと、この原料混合物を第一熱処理して原料焼成物を得ることと、この原料焼成物と、各化合物に含まれる元素とが、前記式(1)で表される組成式に含まれるように、原料焼成物と各化合物を混合した混合物を得ることと、この混合物を第二熱処理して、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有する焼成物を得ること、を含むことが好ましい。本明細書において、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有する焼成物を含んでいない原料混合物の熱処理を第一熱処理という。本明細書において、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有する焼成物と、原料となる化合物とを含む混合物の熱処理を第二熱処理という。第二熱処理は複数回繰り返してもよい。窒化物蛍光体の製造方法の詳細は、例えば特開2021―46516号公報の開示を参照することもできる。
原料となる化合物は、例えば窒化物、フッ化物、水素化物、酸化物、炭酸塩、又は塩化物が挙げられる。原料となる化合物は、例えば、Ba3N2、BaF2、BaH2、EuN、EuF3、EuH3、Si3N4、SiO2、Si(NH)2、Si2N2NH、Si(NH2)4等が挙げられる。得られる窒化物蛍光体がSrを含む場合には、原料として、Sr2N、SrN、Sr3N2、SrF2、SrH2等が挙げられる。原料となる化合物は、少なくとも1種の化合物が窒化物であることがより好ましい。原料として窒化物を用いることにより、所望の組成以外の組成の原料焼成物の形成を抑制することが可能である。原料混合物は、フラックスを含んでいてもよい。原料混合物がフラックスを含むことで、原料である化合物間の反応がより促進され、さらに固相反応がより均一に進行するために粒径が大きく、発光特性により優れた蛍光体を得ることができる。フラックスは、蛍光体を得るための熱処理温度と、化合物の液相が形成されると温度が同等であるハロゲン化物を用いることが好ましい。
得られた原料混合物は、窒素を含む雰囲気中で第一熱処理して蛍光体となる原料焼成物が得られる。本明細書において、原料混合物を第一熱処理して得られた焼成物を原料焼成物という場合がある。熱処理温度は、好ましくは1300℃以上2100℃以下の範囲内であり、より好ましくは1500℃以上2000℃以下の範囲内であり、1600℃以上でもよく、1950℃以下でもよい。熱処理温度が1300℃以上2100℃以下の範囲内であれば、熱による分解が抑制され、目的とする組成を有する蛍光体を得るための原料焼成物が得られる。
窒素を含む雰囲気の圧力は、ゲージ圧で、0.1MPa以上200MPa以下の加圧雰囲気で行なうことが好ましい。加圧雰囲気にすることによって、結晶構造の分解が抑制され、発光強度の低下を抑制することができる。熱処理雰囲気の圧力は、ゲージ圧で、より好ましくは0.1MPa以上100MPa以下であり、さらに好ましくは0.5MPa以上10MPa以下であり、製造の容易さの点から、よりさらに好ましくは1.0MPa以下である。
熱処理時間は、熱処理温度、熱処理時の雰囲気の圧力によって適宜選択することができ、0.5時間以上20時間以内であることが好ましく、多段階の熱処理を行なう場合であっても、焼成物の分解を抑制するために、一回の熱処理時間は0.5時間以上20時間以内であることが好ましい。
熱処理して得られた原料焼成物は、粉砕、湿式分散、固液分離、乾燥、分級等の後処理を行ってもよい。固液分離は濾過、吸引濾過、加圧濾過、遠心分離、デカンテーション等の工業的に通常用いられる方法により行うことができる。乾燥は、真空乾燥機、熱風加熱乾燥機、コニカルドライヤー、ロータリーエバポレーター等の工業的に通常用いられる装置により行うことができる。分級は、沈降分級、機械的分級、水力分級、遠心分級等の湿式分級、ふるい分け分級等の工業的に通常用いられる方法により行うことができる。
混合物は、原料焼成物を含む前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有する焼成物と、前記式(1)で表される組成式に含まれる元素を含む化合物とを含む。本明細書において、原料焼成物を含む前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有する焼成物を、単に焼成物という場合がある。焼成物と、原料となる化合物とを含む混合物は、焼成物と各化合物に含まれる元素とが、前記式(1)で表される組成式に含まれるように、混合して得られる。混合物は、原料混合物と同様に、フラックスが含まれていてもよい。
得られた混合物は、第一熱処理とは別に、好ましくは第二熱処理することにより、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有する焼成物が得られる。第二熱処理の熱処理温度、雰囲気、圧力、及び時間は、第一熱処理と同様の範囲の熱処理温度、雰囲気、圧力、及び時間とすることができる。第二熱処理は、複数回行ってもよく、複数回行う場合は、以下「一回目の第二熱処理」、「二回目の第二熱処理」、「三回目の第二熱処理」等という場合がある。
第二熱処理して得られた焼成物は、第一熱処理によって得られた原料焼成物と同様に、粉砕、湿式分散、固液分離、乾燥、分級等の後処理を行ってもよい。
第2実施形態に係る発光装置は、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有し、前記1/10残光時間が2.49μs以上である窒化物蛍光体を含む波長変換部材と、350nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、を備え、波長変換部材を発光素子の上(光の出射側)に配置した発光装置である。
発光素子は、350nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する。発光素子の発光ピーク波長は、380nm以上490nm以下の範囲内にあることが好ましく、400nm以上480nm以下の範囲にあることがより好ましく、410nm以上470nm以下の範囲内にあることがさらに好ましく、420nm以上460nm以下の範囲内にあることがさらに好ましい。発光素子の発光スペクトルにおける発光ピーク波長を有する発光ピークの半値全幅は、好ましくは30nm以下、より好ましくは25nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。発光素子は、例えば、窒化物系半導体を用いた半導体発光素子を用いることが好ましい。これにより、高効率で入力に対する出力のリニアリティが高く、機械的衝撃にも強い安定した発光装置を得ることができる。
発光装置は、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有し、1/10残光時間が2.49μs以上である窒化物蛍光体を含む波長変換部材を備える。波長変換部材は、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有する窒化物蛍光体のみを含んでいてもよい。波長変換部材は、波長変換部材に含まれる蛍光体は、波長変換部材に含まれる蛍光体100質量%のうち、100質量%が前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有し、1/10残光時間が2.49μs以上である窒化物蛍光体であってもよい。窒化物蛍光体は、窒化物蛍光体の発光スペクトルにおいて585nm以上610nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する。発光装置は、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有し、1/10残光時間が2.49μs以上である窒化物蛍光体を含む波長変換部材を備えることによって、HIDランプが発する光と同様の発光色の光を発し、例えば屋外で使用される灯具の光源に用いた場合においても、照射物の色味が自然な光が発光装置から発せられる。
SrqCasAltSiuNv:Eu (2)
(式(2)中、q、s、t、u、vは、それぞれ0≦q<1、0<s≦1、q+s≦1、0.9≦t≦1.1、0.9≦u≦1.1、2.5≦v≦3.5を満たす。)
また、波長変換部材は、必要に応じて、例えば、下記式(3)で表される第1フッ化物蛍光体、及び下記式(3)とは組成が異なる下記式(4)で表される組成を有する第2フッ化物蛍光体からなる群から選択される少なくとも1種を含んでよい。
Ac[M2 1-bMn4+ bFd] (3)
(式(3)中、Aは、K+、Li+、Na+、Rb+、Cs+及びNH4 +から成る群から選択される少なくとも1種を含み、その中でもK+が好ましい。M2は、第4族元素及び第14族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含み、その中でもSi、Geが好ましい。bは、0<b<0.2を満たし、cは、[M2 1-bMn4+ bFd]イオンの電荷の絶対値であり、dは、5<d<7を満たす。)
A’c’[M2’1-b’Mn4+ b’Fd’] (4)
(式(4)中、A’は、K+、Li+、Na+、Rb+、Cs+及びNH4 +からなる群から選択される少なくとも1種を含み、その中でもK+が好ましい。M2’は、第4族元素、第13族元素及び第14族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含み、その中でもSi、Alが好ましい。b’は、0<b’<0.2を満たし、c’は、[M2’1-b’Mn4+ b’Fd’]イオンの電荷の絶対値であり、d’は、5<d’<7を満たす。)
第1構成例の発光装置の製造方法のを説明する。なお、詳細は、例えば特開2010-062272号公報の開示を参照することもできる。発光装置の製造方法は、成形体の準備工程と、発光素子の配置工程と、波長変換部材用組成物の配置工程と、樹脂パッケージ形成工程とを含むことが好ましい。成形体として、複数の凹部を有する集合成形体を用いる場合には、樹脂パッケージ形成工程後に、各単位領域の樹脂パッケージごとに分離する個片化工程を含んでいてもよい。
発光素子の配置工程において、成形体の凹部の底面に発光素子が配置され、発光素子の正負の電極が第1リード及び第2リードにワイヤにより接続される。
波長変換部材用組成物の配置工程において、成形体の凹部に波長変換部材用組成物が配置される。
樹脂パッケージ成形工程において、成形体の凹部に配置された波長変換部材用組成物を硬化させて、樹脂パッケージが形成され、発光装置が製造される。複数の凹部を含む集合体基体からなる成形体を用いた場合は、樹脂パッケージの形成工程後に、個片化工程において、複数の凹部を有する集合基体の各単位領域の樹脂パッケージごとに分離され、個々の発光装置が製造される。以上のようにして、図2に示す第1構成例の発光装置を製造することができる。
第2構成例の発光装置の製造方法の一例を説明する。第2構成例の発光装置の製造方法は、発光素子の配置工程と、波長変換部材の準備工程と、透光性部材及び透光性接合部材の形成工程と、光反射部材の配置工程と、封止部材の配置工程と、を含み、各単位領域ごとに分離する個片化工程を含んでいてもよい。
第3構成例の発光装置の製造方法の概略を説明する。第3構成例の発光装置の製造方法は、波長変換部材の準備工程と、透光性部材及び発光素子の配置工程と、透光性部材の形成工程と、被覆部材の形成工程と、を含み、被覆部材の形成工程後に、電極の露出工程を含んでいてもよく、各単位領域ごとに分離する個片化工程を含んでいてもよい。
灯具は、上述した発光装置の少なくとも1種を備えることができる。灯具は、上述した発光装置を備えて構成され、反射部材、保護部材、発光装置に電力を供給するための付属装置等をさらに備えていてもよい。灯具は複数の発光装置を備えていてもよい。灯具が複数の発光装置を備える場合、同一の発光装置を複数備えていてもよく、形態の異なる発光装置を複数備えていてもよい。また、複数の発光装置を個別に駆動して、個々の発光装置の明るさ等の調節が可能な駆動装置を備えていてもよい。灯具の使用形態としては、直付型、埋め込み型、吊り下げ型等のいずれであってもよい。灯具は、街路灯、港湾やトンネル等の屋外の設置を想定した灯具であってもよく、ヘッドライト、懐中電灯、又はLEDを使用した携帯用ランタンのような屋外での使用が想定される灯具であってもよく、屋内であっても窓際等の屋外に近い場所に設置される灯具であってもよい。
街路灯は、上述した発光装置の少なくとも1種を備えることができる。図7は、街路灯の一例を示す図である。街路灯1000は、歩道W又は車道Cに設置されるポールPと、発光装置Leの支持部Sとを備え、支持部Sには、発光装置Leの周囲を覆い、アクリル、ポリカーボネート、又はガラス等の発光装置Leが発した光の少なくとも一部を透過する光透過部Tを備えている。街路灯1000は、ポールPと一体となった支持部Sに設置された発光装置Leによって高所から低所を照らすことができる。街路灯は、図7に示す例に限定されない。
実施例1
第一熱処理
原料は、Baを含む化合物としてBa3N2、Srを含む化合物としてSrNu(uが2/3相当、Sr2NとSrNの混合物)、Euを含む化合物としてEuN、Siを含む化合物として、Si3N4を用いた。
原料は、第一熱処理で得られた原料焼成物と、Baを含む化合物としてBa3N2、Srを含む化合物としてSrNu(uが2/3相当、Sr2NとSrNの混合物)、Euを含む化合物としてEuN、Siを含む化合物として、Si3N4を用いた。
得られた第一混合物を坩堝に充填し、実質的に窒素100体積%を含む窒素雰囲気で、ガス圧力をゲージ圧で0.92MPa(絶対圧力が1.02MPa)とし、1770℃で5時間、一回目の第二熱処理し、第一焼成物を得た。得られた第一焼成物は、粒子が凝集している場合があるので、湿式分散し、沈降分級し、脱水し、乾燥し、さらに目開き15μm程度のふるいを用いてふるい分け分級を行って、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有する粉末状の第一焼成物を得た。
得られた第一焼成物を原料焼成物に置き換えて、目開き25μm程度のふるいを用いてふるい分け分級を行ったこと以外は、上述の一回目の第二熱処理と同様にして、二回目の第二熱処理を行い、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有する第二焼成物を得た。
得られた第二焼成物を原料焼成物に置き換えて、熱処理温度を1500℃で10時間とし、目開き35μm程度のふるいを用いてふるい分け分級を行ったこと以外は、上述の一回目の第二熱処理と同様にして三回目の第二熱処理を行い、前記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有する第三焼成物を得た。得られた第三焼成物を実施例1の窒化物蛍光体として得た。
第一熱処理を行う原料混合物の仕込み組成として、Ba:Sr:Eu:Siのモル比が1.58:0.40:0.02:5.00となるようにし、一回目から三回目の第二熱処理を行う混合物の仕込み組成を、原料混合物の仕込み組成と同じになるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の窒化物蛍光体を得た。
第一熱処理を行う原料混合物の仕込み組成として、Ba:Sr:Eu:Siのモル比が1.84:0.12:0.04:5.00となるようにし、一回目から三回目の第二熱処理を行う混合物の仕込み組成を、原料混合物の仕込み組成と同じになるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の窒化物蛍光体を得た。
実施例1及び2に係る窒化物蛍光体、並びに比較例1に係る窒化物蛍光体について、誘導結合プラズマ発光分析装置(Perkin Elmer(パーキンエルマー)社製)を用いて、ICP発光分析法により、組成分析を行ない、窒化物蛍光体の組成1モルにおける各元素のモル比を求めた。結果を表1に示す。表1に示すモル比の数値は、Siのモル比を5として分析結果から算出した値である。また、表1において、窒化物蛍光体の組成1モルにおける各元素のモル比から前記式(1)で表される組成式における、v、w、x及びyの値を合わせて記載した。
実施例1及び2に係る窒化物蛍光体、並びに比較例1に係る窒化物蛍光体について、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(MASTER SUZER(マスターサイザー)2000、MALVERN(マルバーン)社製)により、体積基準の累積頻度50%の体積平均粒径を測定した。
実施例1及び2に係る窒化物蛍光体、並びに比較例1に係る窒化物蛍光体について、量子効率測定装置(QE-2000、大塚電子株式会社製)を用いて、発光ピーク波長が450nmの励起光を各窒化物蛍光体に照射し、室温(25℃±5℃)における発光スペクトルを測定した。各窒化物蛍光体の発光スペクトルから、発光強度が最大となる発光ピーク波長(nm)と、半値全幅(FWHM)(nm)を求めた。また、各窒化物蛍光体の発光スペクトルから内部量子効率(%)を求めた。図8に、実施例1及び2に係る窒化物蛍光体、並びに比較例1に係る窒化物蛍光体の発光スペクトルを示す。
実施例1及び2に係る窒化物蛍光体、並びに比較例1に係る窒化物蛍光体について、25℃(室温)と300℃において、発光ピーク波長が450nmである励起光源からの光によって励起させた各発光スペクトルを、分光蛍光光度計(F-4500、株式会社日立ハイテクサイエンス製)で測定した。各窒化物蛍光体について、25℃で測定した発光スペクトルのエネルギー値を測定し、比較例1に係る窒化物蛍光体の発光エネルギーを100%として、実施例1及び2に係る窒化物蛍光体の発光エネルギーを相対発光エネルギー(%)として求めた。また、25℃で測定した各窒化物蛍光体の発光スペクトルの発光エネルギーの値を100%として、300℃で測定した各窒化物蛍光体の発光スペクトルの発光エネルギーの値を求め、温度変化における発光エネルギー維持率(%)として温度特性を評価した。なお、エネルギー値は、各温度において470nm以上730nm以下の波長範囲の発光スペクトルの積分値から求めた値である。
実施例1及び2に係る窒化物蛍光体、並びに比較例1に係る窒化物蛍光体について、発光ピーク波長が442nmの励起光を各窒化物蛍光体に照射し、照射した励起光を遮断した時点を基準時とし、励起光の照射を遮断した時点から各窒化物蛍光体の発光の発光強度の経時変化を小型蛍光寿命装置(Quantaurus-Tau、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて測定した。励起光の遮断時の発光強度を100%として、発光強度が励起光遮断時の1/10になる時間を1/10残光時間として測定した。図9に、実施例1及び2に係る窒化物蛍光体、並びに比較例1に係る窒化物蛍光体の発光エネルギー(%)と残光時間(μs)の関係を表すグラフを示す。
実施例1-1
上述の第2構成例の発光装置を製造した。第2構成例の発光装置は、図3及び図4を参照することができる。
支持体1は、窒化アルミニウムを材料とするセラミックス基板を用いた。発光素子10は、発光ピーク波長が450nmである窒化物系半導体層が積層された発光素子10を用いた。発光素子10の大きさは、平面形状が約1.0mm四方の略正方形であり、厚さが約0.11mmである。発光素子は、光出射面が封止部材側になるように配置し、Auからなる導電部材4を用いたバンプによってフリップチップ実装した。
波長変換部材22を構成する透光性材料としてシリコーン樹脂を用いた。第1蛍光体は、表1に示す実施例1に係る窒化物蛍光体を用いた。波長変換部材に含まれる蛍光体は、第1蛍光体のみを用いた。波長変換部材用組成物は、透光性材料100質量部に対して、発光素子10からの光と、第1蛍光体の光との混色光の相関色温度が1800K付近になるように、配合した。波長変換部材用組成物は、シリコーン樹脂100質量部に対してフィラーとして酸化アルミニウムを2質量部を配合した。次いで、準備した波長変換部材用組成物を180℃で2時間加熱してシート状に硬化させて、発光素子10の平面形状よりも縦横に約0.1mm大きい、平面形状が約1.6mm四方の略正方形であり、厚さが約150μmの個片化したシート状の波長変換部材22を準備した。
透光性の接着材である、フェニルシリコーン樹脂を発光素子10の上面に塗布し、波長変換部材22を接合させて、さらに発光素子10と波長変換部材22の界面に透光性の接着材を塗布し、150℃、4時間硬化させて、発光素子10の側面から波長変換部材22の周辺かけて延在するように、フィレット状をなして硬化された透光性部材30及び透光性接合部材32を形成した。
光反射部材用組成物として、ジメチルシリコーン樹脂と平均粒径(カタログ値)が0.28μmの酸化チタン粒子とを含み、ジメチルシリコーン樹脂100質量部に対して酸化チタン粒子を60質量部含む光反射部材用組成物を準備した。支持体1の上面において、波長変換部材22及び透光性部材30の側面を覆うように、白色の樹脂である光反射部材用組成物に配置して、硬化させ、光反射部材43を形成した。
最後に、フェニルシリコーン樹脂を硬化して形成された平面視で円形状で断面視で半円球状のレンズ部51と、レンズ部51の外周側に延出する鍔部52を備えた封止部材50を配置し、相関色温度が1800K付近になる光を発する、第2構成例の発光装置300を製造した。
第1蛍光体として、表1の実施例2に係る窒化物蛍光体を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして、第2構成例の発光装置を製造した。
第1蛍光体として、表1の比較例1に係る窒化物蛍光体を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして第2構成例の発光装置を製造した。
各発光装置について、分光測光装置(PMA-12、浜松ホトニクス株式会社製)と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて、発光スペクトルを測定した。
各発光装置の発光スペクトルから、CIE1931のCIE色度図上の色度座標(x、y)と、JIS Z8725に準拠して相関色温度(K)及び色偏差duvを測定した。光束は、比較例1-1に係る発光装置の光束を100%として、実施例1-1及び2-1に係る発光装置の光束を相対値(相対光束(%))として表した。
実施例1-1及び2-1に係る発光装置、並びに比較例1-1の各発光装置について、25℃(室温)と、150℃の各温度において、各発光装置を恒温槽(PG-2、エスペック(ESPEC)株式会社製)に1時間(恒温槽設定温度到達後1時間)保持し、分光測光装置(PMA-12 C10027-02、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、パルス幅0.05msec、パルス周期5msecで電圧を印加し、発光スペクトルを測定した。各発光装置について、25℃で測定した各発光装置の光束を100%として、150℃で測定した各発光装置の光束の値を求め、温度変化における発光装置の光束維持率(%)として温度特性を評価した。
Claims (9)
- 下記式(1)で表される組成式に含まれる組成を有し、350nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する光が照射されたときの発光スペクトルにおいて585nm以上610nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、照射された励起光を遮断したときの発光強度を基準強度とし、発光強度が前記基準強度の1/10となる残光時間が2.49μs以上である、窒化物蛍光体。
(BavSrwEux)2Si5N8-y (1)
(式(1)中、v、w、x、及びyは、それぞれ0.50≦v≦0.78、0.13≦w≦0.50、0.001≦x≦0.018、0.9<v+w+x≦1.0、0≦y≦0.5を満たす。) - 前記残光時間が2.91μs以下である、請求項1に記載の窒化物蛍光体。
- レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積平均粒径が10μm以上40μm以下の範囲内である、請求項1又は2に記載の窒化物蛍光体。
- 450nmの波長を含む光で励起されたときの内部量子効率が85%以上である、請求項1から3のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体。
- 前記請求項1から4のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体を含む波長変換部材と、350nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、を備え、前記発光素子の上に前記波長変換部材を配置した発光装置。
- CIE1931色度図のxy色度座標系において、色度座標(x、y)が、(x=0.510、y=0.400)を第一点とし、(x=0.510、y=0.440)を第二点とし、(x=0.600、y=0.400)を第三点とし、(x=0.600、y=0.360)を第四点とし、前記第一点と前記第二点を結ぶ第一直線と、前記第二点と前記第三点を結ぶ第二直線と、前記第三点と前記第四点を結ぶ第三直線と、前記第四点と前記第一点を結ぶ第四直線と、で画定された領域内の光を発する、請求項5に記載の発光装置。
- CIE1931色度図において、相関色温度が1200K以上2000K以下の範囲内であり、JIS Z8725に準拠して測定される黒体放射軌跡からの色偏差duvが-0.020以上0.020以下の範囲内である光を発する、請求項5に記載の発光装置。
- 請求項5から7のいずれか1項に記載の発光装置を備えた灯具。
- 請求項5から7のいずれか1項に記載の発光装置を備えた街路灯。
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