JP7811124B2 - 水性インクジェットインク、印刷物の製造方法、及びインクセット - Google Patents
水性インクジェットインク、印刷物の製造方法、及びインクセットInfo
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Description
特許文献1には、樹脂粒子を含有するクリアインクを、顔料インクによる画像の上にインクジェットプリンタで付与する方法が記載されている。
また、特許文献2には、インク中に扁平粒子を含むバインダ樹脂を使用することで、インク膜表面の凹凸を軽減し、印刷物に光沢を付与する方法が記載されている。
本発明の一実施形態は、光沢を有し、かつ、発色性に優れた画像を形成することが可能であるとともに、画像形成部分の白色下地印刷に用いた場合、白色下地の上に形成された画像を、光沢を有し、かつ、高画質なものとすることが可能な、水性インクジェットインクを提供することを課題とする。
本発明の他の実施形態は、上記の一実施形態の水性インクジェットインクを基材にインクジェット法により付与する工程、及び前記水性インクジェットインクが付与された前記基材に、水及び非白色の色材を含む水性インクジェットインクをインクジェット法により付与する工程を含む、印刷物の製造方法に関する。
本発明の他の実施形態は、上記の一実施形態の水性インクジェットインク、並びに、水及び非白色の色材を含む水性インクジェットインクを含むインクセットに関する。
一実施形態による水性インクジェットインクは、外面に凹部を有する中空樹脂粒子A、水、及び中実樹脂粒子Bを含み、中空樹脂粒子Aの含有量は、インク全量に対して5質量%以上20質量%未満である、水性インクジェットインク(以下、「ホワイトインク」と称することがある。)である。
このホワイトインクを用いた場合、光沢を有し、かつ、発色性に優れた画像を形成することが可能である。また、このホワイトインクを白色下地印刷に用いた場合、白色下地の上に形成された画像を、光沢を有し、かつ、高画質なものとすることが可能である。
中空樹脂粒子Aは、中空であり、内部に空孔を有する。液体中では中空樹脂粒子Aの内部の空孔に水等の溶媒が入り込んでいるため、ホワイトインクが基材に塗布された直後は良好に白発色しない。ホワイトインクが基材に付与された後、中空樹脂粒子Aの内部の空孔の溶媒が基材に浸透及び/又は揮発して空気で置換されると、中空樹脂粒子Aの粒子内部と粒子の外殻樹脂の屈折率差によって、光の屈折及び散乱が生じ、白発色する。中空樹脂粒子Aは、中空であることに加え、外面に凹部を有するため、散乱がより細かく起こり、優れた白発色性を発揮することができる。
中空樹脂粒子Aは、ホワイトインク中では、樹脂粒子として分散状態で含まれることが好ましい。中空樹脂粒子Aは、粒子表面に分散性をもつ官能基をもつことで、水性溶媒中で分散するものであっても良いし、分散剤等により分散するものであってもよい。中空樹脂粒子Aは、ホワイトインク中では、中空の中に溶媒が含まれていることが好ましい。
中空樹脂粒子Aは、ホワイトインクの製造に際して、樹脂エマルションとして配合することができる。
中実樹脂粒子Bは、中空ではない粒子であり、中空樹脂粒子Aと異なり、内部に空洞を有しない。
中実樹脂粒子Bは、中空樹脂粒子Aを基材に定着させるためのバインダ樹脂として機能することができる。中空樹脂粒子Aは、印刷面の耐久性、柔軟性の観点から選択することが好ましい。
中実樹脂粒子Bの種類としては、透明の塗膜を形成する樹脂を用いることが好ましい。
中実樹脂粒子Bは、ホワイトインク中では、樹脂粒子として分散状態で含まれることが好ましい。中実樹脂粒子Bは、ホワイトインクの製造に際し、樹脂エマルションとして配合することができる。
中実樹脂粒子Bは、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、または両性の水分散性樹脂のいずれであってもよい。
スチレン-ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等の共役ジエン系樹脂;
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体、またはこれらとスチレン等との共重合体等のアクリル系樹脂;
エチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、
あるいはこれらの各種樹脂のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性樹脂;
メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキッド樹脂等、の水性樹脂が挙げられる。これらの単独樹脂の樹脂粒子であってもよく、ハイブリッド型の樹脂粒子でもよい。
ポリウレタン樹脂としては、エーテル型ポリウレタン、エステル型ポリウレタン、エステル・エーテル型ポリウレタン、カーボネート型ポリウレタン等が挙げられる。
これらの中でも、柔軟性及び透明性の観点から、中実樹脂粒子Bは、ガラス転移点(Tg)が比較的低いアクリル系樹脂粒子を含むことが好ましい。
アクリル系樹脂粒子のガラス転移点は、80℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましく、10℃以下がさらに好ましく、0℃以下がさらに好ましい。アクリル系樹脂粒子のガラス転移点は、-50℃以上が好ましく、-35℃以上がより好ましい。アクリル系樹脂粒子のガラス転移点は、例えば、-50~80℃が好ましく、-35~20℃がより好ましく、-35~10℃がさらに好ましく、-35~0℃がさらに好ましい。
ホワイトインク層の上にカラー印刷を行う場合のインクの良好な画像形成の観点から、ホワイトインク中の中実樹脂粒子Bの含有量(固形分)は、中空樹脂粒子Aの含有量(固形分)より少ないことが好ましい。中空樹脂粒子Aに対する中実樹脂粒子Bの質量比(中実樹脂粒子B/中空樹脂粒子A)(いずれも固形分)は、1.0未満が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.75以下がさらに好ましい。
一方、良好な光沢性を付与する観点と、中空樹脂粒子Aの基材への定着の観点から、中空樹脂粒子Aに対する中実樹脂粒子Bの質量比(中実樹脂粒子B/中空樹脂粒子A)(いずれも固形分)は、0.1以上が好ましく、0.25以上がより好ましく、0.4以上がさらに好ましい。
中空樹脂粒子Aに対する中実樹脂粒子Bの質量比(中実樹脂粒子B/中空樹脂粒子A)(いずれも固形分)は、例えば、0.1以上1.0未満が好ましく、0.25以上0.8以下がより好ましく、0.4以上0.75以下がさらに好ましい。
水としては、特に制限されないが、イオン成分をできる限り含まないものが好ましい。
特に、インクの貯蔵安定性の観点から、カルシウム等の多価金属イオンの含有量が少ないことが好ましい。水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、超純水等を用いるとよい。
水は、インク粘度の調整の観点から、ホワイトインク全量に対して20~90質量%で含まれることが好ましく、30~80質量%で含まれることがより好ましく、40~70質量%で含まれることがさらに好ましい。
水溶性有機溶剤のホワイトインク中の含有量は、インク全量に対して、5~50質量%であることが好ましく、10~35質量%であることがより好ましい。
界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはこれらの組合せを好ましく用いることができ、非イオン性界面活性剤がより好ましい。また、低分子系界面活性剤、高分子系界面活性剤のいずれを用いてもよい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、アセチレン基を有するグリコールであって、好ましくはアセチレン基が中央に位置して左右対称の構造を備えるグリコールであり、アセチレングリコールにエチレンオキサイドを付加した構造を備えてもよい。
アセチレン系界面活性剤の市販品としては、例えば、エボニックインダストリーズ社製サーフィノールシリーズ「サーフィノール104E」、「サーフィノール104H」、「サーフィノール420」、「サーフィノール440」、「サーフィノール465」、「サーフィノール485」等、日信化学工業株式会社製オルフィンシリーズ「オルフィンE1004」、「オルフィンE1010」、「オルフィンE1020」等を挙げることができる(いずれも商品名)。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、日信化学工業株式会社製の「シルフェイスSAG002」、「シルフェイス503A」、「シルフェイスSAG008」等が挙げられる(いずれも商品名)。
また、その他の非イオン性界面活性剤として、例えば、花王株式会社製エマルゲンシリーズ「エマルゲン102KG」、「エマルゲン103」、「エマルゲン104P」、「エマルゲン105」、「エマルゲン106」、「エマルゲン108」、「エマルゲン120」、「エマルゲン147」、「エマルゲン150」、「エマルゲン220」、「エマルゲン350」、「エマルゲン404」、「エマルゲン420」、「エマルゲン705」、「エマルゲン707」、「エマルゲン709」、「エマルゲン1108」、「エマルゲン4085」、「エマルゲン2025G」等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤等が挙げられる(いずれも商品名)。
上記した界面活性剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホワイトインクに用いる界面活性剤は、アセチレングリコール系界面活性剤等のアセチレン系界面活性剤が好ましく、アセチレングリコール系界面活性剤がより好ましい。
ここで、HLB値は、界面活性剤の性質を示す尺度の一つであり、分子中の親水基と親油基とのバランスを数値化したものである。HLB値は、いくつかの算出方法によって提唱されているが、本明細書において、グリフィン法によって算出される値であり、下記式(1)によって算出される。
HLB値=20×(親水部の式量)/(界面活性剤の分子量)・・・式(1)
ここで、「親水部」は、界面活性剤の分子構造中に含まれている親水性の部分を示し、好ましくは、ポリオキシアルキレン基、水酸基に対する主鎖の炭素数が3以下のアルコール基、又はこれらの組み合わせである。界面活性剤に複数の親水性の部分が含まれる場合は、上記式(1)において親水部の式量はこれらの合計量とする。
ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基(ポリエチレンオキサイド;EO:-(CH2CH2O)n-)、ポリオキシプロピレン基(ポリプロピレンオキサイド;PO:-(CH2CH(CH3)O)n-)等が挙げられる。
また、アルコール基としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、スクロース(ショ糖)、マンニット、グリコール類等に由来する基(例えばエタノールであれば-CH2CH2OH)が挙げられる。
「疎水部」は、界面活性剤の分子構造中に含まれている疎水性の部分を示し、例えば、水酸基に対する主鎖の炭素数が4以上の脂肪族アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸等に由来する脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基;有機シロキサン、ハロゲン化アルキル等に由来する基;又はこれらの組み合わせである。
ホワイトインクが基材に濡れる速度を上げ、中空樹脂粒子Aが基材に残りやすくする観点から、ホワイトインクは、HLB10.0以下のアセチレン系界面活性剤を含むことが好ましく、HLB10.0以下のアセチレングリコール系界面活性剤を含むことがより好ましい。
ホワイトインクは、水性ホワイトインクジェットインクとして好ましく使用することができる。
ここで、普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等が形成されていない紙である。普通紙の一例としては、上質紙、中質紙、PPC用紙、更紙、再生紙等を挙げることができる。
一実施形態の印刷物の製造方法は、外面に凹部を有する中空樹脂粒子A、水、及び中実樹脂粒子Bを含み、中空樹脂粒子Aの含有量は、インク全量に対して5質量%以上20質量%未満である、水性インクジェットインクを基材にインクジェット法により付与する工程、及び、この水性インクジェットインクを付与した基材に、水及び非白色の色材を含む水性インクジェットインク(以下、「カラーインク」と称することがある。)をインクジェット法により付与する工程を含むことができる。外面に凹部を有する中空樹脂粒子A、水、及び中実樹脂粒子Bを含み、中空樹脂粒子Aの含有量は、インク全量に対して5質量%以上20質量%未満である、水性インクジェットインクとしては、上記した一実施形態によるホワイトインクを用いることができる。また、基材としては、例えば、上記した一実施形態のホワイトインクを用いることができる基材として説明した基材を用いることができる。以下の、印刷物の製造方法の説明においても、外面に凹部を有する中空樹脂粒子A、水、及び中実樹脂粒子Bを含み、中空樹脂粒子Aの含有量は、インク全量に対して5質量%以上20質量%未満である、水性インクジェットインクを「ホワイトインク」と称することがある。
カラーインクは、非白色の色材として、顔料、染料、又はこれらの組み合わせを含むことができ、顔料を含むことがより好ましい。
非白色の顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、多環式顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料、及び、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料を用いることができる。アゾ顔料としては、溶性アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、金属フタロシアニン顔料及び無金属フタロシアニン顔料等が挙げられる。多環式顔料としては、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料及びジケトピロロピロール(DPP)等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
顔料として、顔料を樹脂で被覆したマイクロカプセル化顔料を用いてもよい。
高分子分散剤としては、例えば、市販品として、EVONIK社製のTEGOディスパースシリーズ「TEGOディスパース740W」、「TEGOディスパース750W」、「TEGOディスパース755W」、「TEGOディスパース757W」、「TEGOディスパース760W」等、日本ルーブリゾール株式会社製のソルスパースシリーズ「ソルスパース20000」、「ソルスパース27000」、「ソルスパース41000」、「ソルスパース41090」、「ソルスパース43000」、「ソルスパース44000」、「ソルスパース46000」等、BASFジャパン株式会社製のジョンクリルシリーズ「ジョンクリル57」、「ジョンクリル60」、「ジョンクリル62」、「ジョンクリル63」、「ジョンクリル71」、「ジョンクリル501」等、ビックケミージャパン株式会社製の「DISPERBYK-102」、「DISPERBYK-180」、「DISPERBYK-185」、「DISPERBYK-190」、「DISPERBYK-193」、「DISPERBYK-199」等、第一工業製薬株式会社製の「ポリビニルピロリドンK-30」、「ポリビニルピロリドンK-90」等が挙げられる(いずれも商品名)。
界面活性剤型分散剤としては、例えば、花王株式会社製デモールシリーズ「デモールP」、「デモールEP」、「デモールN」、「デモールRN」、「デモールNL」、「デモールRNL」、「デモールT-45」等のアニオン性界面活性剤、花王株式会社製エマルゲンシリーズ「エマルゲンA-60」、「エマルゲンA-90」、「エマルゲンA-500」、「エマルゲンB-40」、「エマルゲンL-40」、「エマルゲン420」等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる(いずれも商品名)。
顔料分散剤を使用する場合のインク中の配合量は、その種類によって異なり特に限定はされないが、一般に、有効成分(顔料濃度)の質量比で顔料1に対し、0.01~1.0が好ましい。
水としては、特に制限されないが、イオン成分をできる限り含まないものが好ましい。
特に、インクの貯蔵安定性の観点から、カルシウム等の多価金属イオンの含有量が少ないことが好ましい。水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、超純水等を用いるとよい。
水は、インク粘度の調整の観点から、カラーインク全量に対して20~90質量%で含まれることが好ましく、30~80質量%で含まれることがより好ましい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、上記したホワイトインクで説明したものから選択して用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、上記したホワイトインクで説明したものから選択して用いることができる。
水分散性樹脂は、水分散性を示し、水中で水に溶解することなく分散して水中油(O/W)型エマルションを形成できる。水分散性樹脂は、カラーインク中では、樹脂粒子として分散状態で含まれることが好ましい。水分散性樹脂は、カラーインクの製造に際し、樹脂エマルションとして配合することが可能である。
水分散性樹脂の種類としては、透明の塗膜を形成する樹脂を用いることが好ましい。
水分散性樹脂は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、又は両性の水分散性樹脂のいずれであってもよい。水分散性樹脂はアニオン性、非イオン性又はこれらの組合せが好ましい。
スチレン-ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等の共役ジエン系樹脂;
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体、またはこれらとスチレン等との共重合体等のアクリル系樹脂;
エチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、
あるいはこれらの各種樹脂のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性樹脂;
メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。これらの単独樹脂の樹脂エマルションを用いてもよく、ハイブリッド型の樹脂エマルションでもよい。
カラーインクの作製方法は、特に限定されないが、各成分を適宜混合することで所望のインクを得ることができる。例えば、顔料の分散性を高めるためにビーズミル等の分散機を用いてもよい。また、得られた組成物をフィルター等を用いてろ過してもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。
カラーインクは、水性カラーインクジェットインクとして好ましく使用することができる。
インクジェット方式は特に限定されず、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式などのいずれの方式であってもよい。インクジェット印刷装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドからインクの液滴を吐出させ、吐出された液滴を基材に付着させるようにすることが好ましい。
ホワイトインクを付与する領域は、例えば、カラーインクによる画像と同一の形状の領域であってもよいし、カラーインクによる画像の形状を含む広めの領域であってもよいし、カラーインクによる画像の一部のみであってもよいし、カラーインクによる画像の一部とそれ以外の部分を含む領域であってもよい。ホワイトインクを付与する領域は、例えば、基材の全面であってもよい。
ホワイトインクの付与領域と、カラーインクの付与領域とは、少なくとも部分的に重なることが好ましい。
カラーインクを付与する領域は、例えば、ホワイトインクによる画像と同一の形状の領域であってもよいし、ホワイトインクによる画像の形状を含む広めの領域であってもよいし、ホワイトインクによる画像の一部のみであってもよいし、ホワイトインクによる画像の一部とそれ以外の部分を含む領域であってもよい。カラーインクを付与する領域は、例えば、基材の全面であってもよい。
カラーインクの付与領域と、ホワイトインクの付与領域とは、少なくとも部分的に重なることが好ましい。
例えば、ホワイトインクを基材にインクジェット法により付与する工程と、ホワイトインクが付与された基材に、カラーインクを、インクジェット法により付与する工程との間に、基材を乾燥させる工程を含んでもよい。基材を乾燥させる方法は特に限定されないが、例えば、基材を、室温で一定時間放置して乾燥させる方法等が挙げられ、放置時間としては、例えば、1分~24時間が好ましい。
印刷物の製造方法は、例えば、ホワイトインクが付与された基材に、カラーインクをインクジェット法により付与する工程の後に、基材を熱処理する工程を含むことが好ましい。熱処理温度は、例えば、30~250℃が好ましく、35~200℃がより好ましい。加熱装置は、特に制限されないが、例えば、ドライヤー、オーブン、赤外線ヒーター等を用いることができる。加熱処理時間は、例えば、30秒~10分が好ましく、1分~5分がより好ましい。
以下の説明において、特に説明のない箇所では、「%」は「質量%」を示す。各表に示す含有量は、溶液又は分散体として配合される原材料はその全体量で示し、不揮発分又は有効成分等の割合を併記する。
表1に、中空シリカ粒子分散体(分散体C)、酸化チタン粒子分散体(分散体D)、扁平マイカ粒子分散体(分散体E)の処方を示す。表1に示す材料を、表1に示す割合で、総量が300gになるようにビーカーに測りとり、プレミックスした後、超音波分散機で5分間分散し、分散体C~Eを得た製造した。
酸化チタン粒子:「A-100」(商品名)、石原産業株式会社製、酸化チタン粒子(中実)、平均粒子径0.15μm
扁平マイカ粒子:「パールグレイズMM-100R」(商品名)、日本光研工業株式会社製、中実扁平マイカ粒子、平均粒子径15μm未満
高分子分散剤:「DISPERBYK-180」(商品名)、ビックケミージャパン株式会社製、不揮発分81.0質量%
表2~5に、ホワイトインク1~14の処方を示す。表2~5に記載の各材料を表2~5に示す割合で混合し、その後孔径5μmのメンブレンフィルターで濾過し、ホワイトインク1~14を得た。なお、ホワイトインク14については、粒子径が大きいためメンブレンフィルターは通過させなかった。なお、表2~5及び7~9において、Wインク1~14は、ホワイトインク1~14を示す。
分散体A:「FUJI SP WHITE 1185」(商品名)、冨士色素株式会社製、外面に凹部を有する中空樹脂粒子Aの分散体、アクリル系樹脂、平均粒子径0.45μm、不揮発分29.6質量%
分散体B:「SANSUI A-170」(商品名)、三水株式会社製、球状中空樹脂粒子分散体、不揮発分17.0質量%、平均粒子径1μm
分散体C:上記で製造、中空シリカ粒子分散体、不揮発分20.0質量%
分散体D:上記で製造、酸化チタン粒子分散体、不揮発分20.0質量%
分散体E:上記で製造、扁平マイカ粒子分散体、不揮発分20.0質量%
サンプル:粒子濃度が0.5質量%になるように水で希釈して用意した。
分散媒屈折率:1.333。
試料屈折率:1.600。
演算条件:多分散・ナロー。
温度:25℃。
「ジョンクリル7100」(商品名):BASFジャパン株式会社製、アクリル系樹脂エマルション、ガラス転移点(Tg)=-10℃、不揮発分48.0質量%
「モビニール966A」(商品名):ジャパンコーティングレジン株式会社製、アクリル系樹脂エマルション、ガラス転移点(Tg)=-32℃、不揮発分45.0質量%
「タケラックW-635」(商品名):三井化学株式会社製、カーボネート系ポリウレタン樹脂エマルション、ガラス転移点(Tg)=70℃、不揮発分35.0質量%
グリセリン:富士フイルム和光純薬株式会社製
エチレングリコール:富士フイルム和光純薬株式会社製
ジエチレングリコールモノエチルエーテル:富士フイルム和光純薬株式会社製
トリメチロールプロパン:東京化成工業株式会社製
「サーフィノール440」(商品名):日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤、HLB=8.1、有効成分100質量%
「サーフィノール485」(商品名):日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤、HLB=17.1、有効成分100質量%
「シルフェイスSAG008」(商品名):日信化学工業株式会社製、シリコーン系界面活性剤、HLB=7、有効成分100質量%
表6に、非白色の色材を含む水性インクジェットインクである4種のカラーインク(インクK、インクC、インクM、及びインクY)の処方を示す。表6に記載の各材料を表6に示す割合でプレミックスし、その後、ホモジナイザーで1分間分散し、その後、孔径3μmのメンブレンフィルターで濾過し、インクK、インクC、インクM、及びインクYの4種のカラーインクを得た。インクK、インクC、インクM、及びインクYを含むインクセットを、水性インクセット1とした。
(顔料分散体)
「CAB-O-JET 300」(商品名):キャボット社製、水系自己分散性カーボンブラック分散体、顔料15.0質量%
「CAB-O-JET 450C」(商品名):キャボット社製、水系自己分散性顔料(シアン)分散体、顔料15.0質量%
「CAB-O-JET 465M」(商品名):キャボット社製、水系自己分散性顔料(マゼンタ)分散体、顔料24.0質量%
「CAB-O-JET 470Y」(商品名):キャボット社製、水系自己分散性顔料(イエロー)分散体、顔料15.0質量%
「スーパーフレックス470」(商品名):第一工業製薬株式会社製、水系ポリウレタン樹脂エマルション、不揮発分38.0質量%
「サーフィノール485」(商品名):日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤
グリセリン:富士フイルム和光純薬株式会社製
エチレングリコール:富士フイルム和光純薬株式会社製
(対象基材)
以下では、白印刷物の作製には、基材として、市販の黒上質紙(A4サイズ)を用いた。また、カラー印刷物の作製には、基材としてケイ酸カルシウム板(A4サイズ)を使用した。
表7~9に、各実施例及び比較例の白印刷物の作製に用いたホワイトインク及びホワイトインクの塗布量(WET塗布量)を示す。
表7~9に記載のホワイトインクを用いて、黒上質紙を基材として用い、以下のようにして、各実施例及び比較例の白印刷物を作製した。
ホワイトインク14を用いた比較例6については、ホワイトインク14のインクジェットヘッドでの吐出が不可能であったため、基材に3cm×3cm角のマスキングをし、ワグナー社製ハンディスプレー「WAGNER W550」(商品名)を用いて、塗布量50g/m2となるように、3cm×3cm角の白ベタ画像を印刷し、1時間放置乾燥して、白ベタ画像が印刷された白印刷物を得た。
各実施例及び比較例のカラー印刷物の作製においては、上記の白印刷物の作製で用いたのと同じホワイトインクが用いられた。表7~9に、各実施例及び比較例のカラー印刷物の作製に用いたホワイトインクの塗布量(WET塗布量)、及びカラーインクの塗布量(WET塗布量)を示す。表7~9に記載のホワイトインク、及び、インクセット1を用いて、ケイ酸カルシウム板を基材として用い、以下のようにして、各実施例及び比較例のカラー印刷物を作製した。
なお、比較例6については、カラーインクベタ画像のみのカラー印刷物を作製した。
上記のようにして作製したホワイトインク、白印刷物、及びカラー印刷物を用いて、以下の評価を行った。結果を表7~9に示す。
作製したホワイトインク(ホワイトインク1~14)をインクジェットヘッド(エスアイアイ・プリンテック株式会社製プリントヘッド「RC1536M」(商品名)に導入し、インクジェットヘッドの全ノズルを1分間吐出し続けたあと、1分間静置後にノズルチェックを行い、吐出できなかったノズルの数を計測した。評価基準を下記に示す。
X:吐出できなかったノズルが5本未満
Y:吐出できなかったノズルが5本以上
ホワイトインク1~12は、いずれも、評価結果はXであったが、ホワイトインク13及び14の評価結果はそれぞれYであった。
(ホワイトインク画像の発色性)
黒上質紙を基材として用いて作製した白印刷物の白ベタ画像の発色を目視で評価した。評価基準を下記に示す。
AA:白ベタ画像の白色がはっきりしており下地の色が見えない
A:白ベタ画像の白色がやや暗いが、はっきりしている。
B:白ベタ画像の白色がはっきりせず、グレーに見える。
C:白ベタ画像の白色がはっきりせず、うっすらしか見えない。
黒上質紙を基材として用いて作製した白印刷物について、白ベタ画像、及びホワイトインクが印刷されていない非印刷部それぞれの60°光沢度を測定し、下記の式により、白ベタ画像の60°光沢度と非印刷部の60°光沢度との差(以下、「光沢度の差」と称することもある)を算出した。60°光沢度の測定には、日本電色工業株式会社製光沢計「VG7000」(商品名)を用いた。
光沢度の差=(白ベタ画像の60°光沢度)-(ホワイトインクが印刷されていない非印刷部の60°光沢度)
AA:光沢度の差が、+15以上である
A:光沢度の差が、+10以上+15未満である
AB:光沢度の差が、+5以上+10未満である
B:光沢度の差が、0以上+5未満である
(カラーインク画像の画質)
上記で得られたカラー印刷物について、ホワイトインク印刷部に印刷されたカラーインクベタ画像WC、ホワイトインク印刷部に印刷されたカラーインクグラデーション画像WC、及びホワイトインク印刷部に印刷されたカラーインク文字WCの鮮明性を目視で評価した。
AA:色彩が鮮やかで、文字がはっきり見え、グラデーションが鮮明である
A:色彩がやや素地の色(つまり基材自体の色)と混ざった色であるが、自然に発色しており文字がはっきり見え、グラデーションが鮮明である。
B:色が暗めになり、ムラがある。文字がやや見えにくく、グラデーションに基材の色が混ざりはっきりしない。
C:カラーインク印刷部の画像が見えにくい。
上記で得られたカラー印刷物について、ホワイトインク印刷部に印刷されたカラーインクベタ画像WC、及び、ホワイトインクが印刷されていない非印刷部に印刷されたカラーインクベタ画像Cそれぞれの60°光沢度を測定し、下記の式により、ホワイトインク印刷部に印刷されたカラーインクベタ画像WCの60°光沢度と、ホワイトインクが印刷されていない非印刷部に印刷されたカラーインクベタ画像Cの60°光沢度との差(以下及、「カラーインクベタ画像の光沢度の差」と称することがある。)を算出した。測定には、日本電色工業株式会社製光沢計「VG7000」(商品名)を用いた。
カラーインクベタ画像の光沢度の差=(ホワイトインク印刷部に印刷されたカラーインクベタ画像WCの60°光沢度)-(ホワイトインクが印刷されていない非印刷部に印刷されたカラーインクベタ画像Cの60°光沢度)
AA:カラーインクベタ画像の光沢度の差が+15以上である
A:カラーインクベタ画像の光沢度の差が、+10以上+15未満である
B:カラーインクベタ画像の光沢度の差が、+5以上+10未満である
C:カラーインクベタ画像の光沢度の差が、0以上+5未満である
比較例6では、扁平マイカ粒子を含むホワイトインク14が使用されたが、扁平マイカ粒子の粒子径が大きくインクジェットヘッドで吐出できなかった。そのため、スプレーで塗布し、その上にカラー印刷をしたが、良好な画像が形成できなかった。
Claims (6)
- 外面に凹部を有する中空樹脂粒子A、水、及び中実樹脂粒子Bを含み、
前記中空樹脂粒子Aは、球状又は略球状ではなく、1つの方向からみたとき中央部に凹部を有する形状を有し、前記中空樹脂粒子Aの含有量は、インク全量に対して5質量%以上20質量%未満であり、
水性ホワイトインクジェットインクである、水性インクジェットインク。 - 前記中実樹脂粒子Bが、ガラス転移点が20℃以下のアクリル系樹脂粒子を含む、請求項1に記載の水性インクジェットインク。
- 前記中空樹脂粒子Aが、平均粒子径が250nm以上1μm以下である、請求項1又は2に記載の水性インクジェットインク。
- HLBが10.0以下であるアセチレングリコール系界面活性剤をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の水性インクジェットインク。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の水性インクジェットインクを基材にインクジェット法により付与する工程、及び
前記水性インクジェットインクが付与された基材に、水及び非白色の色材を含む水性インクジェットインクをインクジェット法により付与する工程を含む、印刷物の製造方法。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載の水性インクジェットインク、並びに、水及び非白色の色材を含む水性インクジェットインクを含むインクセット。
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