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JP7816006B2 - 電力変換装置及び電力変換装置の制御方法 - Google Patents
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JP7816006B2 - 電力変換装置及び電力変換装置の制御方法 - Google Patents

電力変換装置及び電力変換装置の制御方法

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JP7816006B2 JP2022094137A JP2022094137A JP7816006B2 JP 7816006 B2 JP7816006 B2 JP 7816006B2 JP 2022094137 A JP2022094137 A JP 2022094137A JP 2022094137 A JP2022094137 A JP 2022094137A JP 7816006 B2 JP7816006 B2 JP 7816006B2
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Description

この開示は、電力変換装置及び電力変換装置の制御方法に関する。
電力変換装置として、いわゆるDAB(Dual Active Bridge)方式と呼ばれるものが知られている。DAB方式の電力変換装置は双方向に電力変換ができる。DAB方式の電力変換装置ではさらに、いわゆるソフトスイッチングが可能であり、変圧比が低ければ効率的に電力変換ができる。
しかし、DAB方式の電力変換装置においては、変圧比が大きくなるとハードスイッチングとなりスイッチング損失が大きくなるという問題がある。
こうした問題を解決するための提案が特許文献1に開示されている。特許文献1は、5レベルの電圧を出力可能なDAB絶縁コンバータを開示している。5レベルとは、0、±V/2、及び±Vという電圧をいう。これら電圧の絶対値は3通りなので、3レベル絶縁コンバータとも呼ばれる。この明細書においては、こうした絶縁コンバータを3レベル絶縁コンバータと呼ぶ。
特表2014-508495
特許文献1に開示の技術により、広い範囲の変圧比に対してスイッチング損失を抑えることができるという効果がある。しかし、3レベルのDAB方式の絶縁コンバータにおいては、直流入出力端の中点電位が不平衡になることがよくあるという問題がある。
一方、最近は停電時に電気自動車の蓄電池の電力を家庭の電力ネットワークに供給するという需要も増えてきた。そのための電力変換装置は、普段は単相3線式の系統と連系運転しており、停電時などには電気自動車の電力を家庭用電力に変換し出力する。系統連系運転時には系統が中性点からの線間電圧を調整するため中性点からの線間電圧の不平衡は問題にならないが、自立運転時のように系統と切り離された状態においては中性点からの線間電圧の不平衡を調整できないという問題がある。
したがって、この開示は、3レベルのDAB方式の絶縁コンバータにおける直流入出力端の中間電位が不平衡を解決すると同時に、自立運転時にも中性点からの線間電圧の不平衡を調整できる電力変換装置及び電力変換装置の制御方法を提供することを目的とする。
この開示の第1の局面に係る電力変換装置は、単相3線式の交流電路に接続可能な電力変換装置であって、第1の端子対及び第2の端子対と、中点電位の出力端子とを持つ絶縁コンバータと、接続ノードを介して互いに直列接続された2つのコンデンサを含み、第2の端子対間に接続された中間コンデンサ部と、第2の端子対に接続された第1の端子対と交流電路に接続される第2の端子群とを持つインバータとを含み、絶縁コンバータの中点電位の出力端子及び交流電路の中性線は、ともに接続ノードに接続され、電力変換装置はさらに、絶縁コンバータ及びインバータのスイッチングを制御することにより、中間コンデンサ部と交流電路との間の電力伝送と、中点電位を第2の端子対の中間の電位とする中点制御とを行う制御部とを含む。
この開示の第2の局面に係る電力変換装置の制御方法は、単相3線式の交流電路に接続可能な電力変換装置の制御方法であって、電力変換装置は、第1の端子対及び第2の端子対と、中点電位の出力端子とを持つ絶縁コンバータと、接続ノードを介して、第2の端子対間に直列接続された2つのコンデンサを含む中間コンデンサ部と、第2の端子対に接続された第1の端子対と交流電路に接続される第2の端子群とを持つインバータとを含み、絶縁コンバータの中点電位の出力端子及び交流電路の中性線は、ともに接続ノードに接続され、電力変換装置はさらに、絶縁コンバータ及びインバータのスイッチングを制御することにより、中間コンデンサ部と交流電路との間の電力伝送と、中点電位を第2の端子対の中間の電位とする中点制御とを行う制御部とを含み、方法は、制御部が、交流電路の中性線が定電圧制御されていることに応答して、中点制御を停止するステップと、制御部が、電力変換装置が系統から遮断されて第1の端子対に接続された電源からの電力を自立出力していることに応答して、中点制御を開始するステップとを含む。
この開示の上記及び他の目的、特徴、局面及び利点は、添付の図面と関連して理解されるこの開示に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
以上のようにこの開示によると、自立運転時にも中間電位の不平衡を調整できる電力変換装置及び電力変換装置の制御方法を提供できる。
図1は、この開示の第1実施形態に係る電力変換装置の概略構成を示す回路ブロック図である。 図2は、図1に示す絶縁コンバータの構成を示す回路ブロック図である。 図3は、図1に示すインバータの構成を示す回路ブロック図である。 図4は、図1に示す制御部の構成の概略を示すブロック図である。 図5は、図1に示す絶縁コンバータのスイッチング素子の名称を説明する図である。 図6は、図5に示す絶縁コンバータのスイッチング素子の相補的関係を表形式により示す図である。 図7は、図5に示す絶縁コンバータの、系統連系運転時における各スイッチング素子のオン及びオフのタイミングを表形式により示す図である。 図8は、図7に示すタイミングを用いて各スイッチング素子を動作させたときの絶縁コンバータの各部における電圧と中間コンデンサへの電流の大きさとを示す図である。 図9は、図7に示すタイミングにより1次側インバータ120を動作させたときの電流を示す回路図である。 図10は、図7に示すタイミングにより1次側インバータ120を動作させたときの電流を示す回路図である。 図11は、図7に示すタイミングにより2次側3レベルインバータ122を動作させたときの電流を示す回路図である。 図12は、図7に示すタイミングにより2次側3レベルインバータ122を動作させたときの電流を示す回路図である。 図13は、図7に示すタイミングにより2次側3レベルインバータ122を動作させたときの電流を示す回路図である。 図14は、図7に示すタイミングにより2次側3レベルインバータ122を動作させたときの電流を示す回路図である。 図15は、図7に示すタイミングにより2次側3レベルインバータ122を動作させたときの電流を示す回路図である。 図16は、図7に示すタイミングにより2次側3レベルインバータ122を動作させたときの電流を示す回路図である。 図17は、図7に示すタイミングにより2次側3レベルインバータ122を動作させたときの電流を示す回路図である。 図18は、図7に示すタイミングにより2次側3レベルインバータ122を動作させたときの電流を示す回路図である。 図19は、図7に示すタイミングにより2次側3レベルインバータ122を動作させたときの電流を示す回路図である。 図20は、図7に示すタイミングにより2次側3レベルインバータ122を動作させたときの電流を示す回路図である。 図21は、図5に示す絶縁コンバータの、自立運転時における各スイッチング素子のオン及びオフのタイミングを表形式により示す図である。 図22は、3レベル制御による、トランスの2次側電圧と1次側インバータからトランスに流れる電流値との関係を示すタイミングチャートである。 図23は、中点電位の定電圧制御をするときの、トランスの2次側電圧と1次側インバータからトランスに流れる電流値との関係を示すタイミングチャートである。 図24は、シミュレーション時の絶縁コンバータの諸元を表形式により示す図である。 図25は、シミュレーション時のインバータの諸元を表形式により示す図である。 図26は、図1に示す電力変換装置を、中点電位制御なしで自立運転したシミュレーションにおける、電力変換装置の出力電圧の変化を示すグラフである。 図27は、図1に示す電力変換装置を、中点電位制御なしにより自立運転したシミュレーションにおける、中間コンデンサの両極間の電圧を示すグラフである。 図28は、図1に示す電力変換装置を、中点電位制御ありにより自立運転したシミュレーションにおける、電力変換装置の出力電圧の変化を示すグラフである。 図29は、図1に示す電力変換装置を、中点電位制御ありにより自立運転したシミュレーションにおける、中間コンデンサの両極間の電圧を示すグラフである。 図30は、図1に示す電力変換装置を、中点電位制御ありにより自立運転したシミュレーションにおける、トランスの1次側電圧及び2次側電圧の変化を示すグラフである。 図31は、この開示の第2実施形態に係る絶縁コンバータの構成を示す回路ブロック図である。 図32は、この開示の第3実施形態に係る絶縁コンバータの、1次側3レベルインバータ630構成を示す回路ブロック図である。 図33は、この開示の第4実施形態に係る絶縁コンバータの、1次側ハーフブリッジ650の構成を示す回路ブロック図である。 図34は、この開示の第5実施形態に係る絶縁コンバータの構成を示す回路ブロック図である。
[本開示の実施形態の説明]
以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照番号を付してある。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。なお、以下の1又は複数の任意の特徴を組み合わせてもよい。
(1) この開示の第1の局面に係る電力変換装置は、単相3線式の交流電路に接続可能な電力変換装置であって、第1の端子対及び第2の端子対と、中点電位の出力端子とを持つ絶縁コンバータと、接続ノードを介して互いに直列接続された2つのコンデンサを含み、第2の端子対間に接続された中間コンデンサ部と、第2の端子対に接続された第1の端子対と交流電路に接続される第2の端子群とを持つインバータとを含み、絶縁コンバータの中点電位の出力端子及び交流電路の中性線は、ともに接続ノードに接続され、電力変換装置はさらに、絶縁コンバータ及びインバータのスイッチングを制御することにより、中間コンデンサ部と交流電路との間の電力伝送と、中点電位を第2の端子対の中間の電位とする中点制御とを行う制御部とを含む。
上記構成によれば、絶縁コンバータの中点と交流電路の中性線とが接続される。電力変換装置が系統と切り離され自立運転をするときに、インバータの中点電位が絶縁コンバータにより制御される。その結果、自立運転時にも中点電位の不平衡が調整できる。
(2) 上記(1)において、絶縁コンバータは、1次巻線及び2次巻線を有するトランスと、1次巻線と絶縁コンバータの第1の端子対との間に接続される1次側インバータ回路と、2次巻線と絶縁コンバータの第2の端子対の間に接続される2次側3レベルインバータ回路とを含んでもよく、中点電位の出力端子は、2次側3レベルインバータ回路内の所定ノードに接続されてもよい。
絶縁コンバータが2次側3レベルインバータ回路を含む。そのため、スイッチング損失が生じない変圧比の範囲を広くとることができるという効果がある。またこの絶縁コンバータはDAB方式となり、電力変換装置による双方向の電力変換が可能になる。
(3) 上記(2)において、制御部は、絶縁コンバータのスイッチングを制御することにより、絶縁コンバータと中間コンデンサ部の間の電力伝送と、中点制御とを行う第1制御部と、インバータのスイッチングを制御することにより中間コンデンサ部と交流電路との間の電力伝送を行う第2制御部とを含んでもよい。
制御部が、絶縁コンバータのスイッチングを制御することにより電力伝送と中点制御との双方を行う。その結果、簡略な回路構成により自立運転時にも中性点からの線間電圧の不平衡を調整できる電力変換装置が提供できる。
(4) 上記(3)において、第1制御部は、1次側インバータ回路及び2次側3レベルインバータ回路を、所望の変圧比により定まる位相差をもってスイッチングするようフィードバック制御する位相差制御部と、2つのコンデンサの各々の両極間の電圧が均等となるように、2次側3レベルインバータ回路の中点電位を2つのコンデンサの各々の両極間の電圧を用いて制御する電圧制御部とを含んでもよい。
第1制御部は、変圧圧比により定まる位相差によるスイッチングにより所与の変圧比を実現できる。また電圧制御回路は、2つのコンデンサの両極間の電圧を用いて出力電圧を調整し中点電位を制御できる。
(5) 上記(4)において、2次側3レベルインバータ回路は、絶対値が0、第1電圧、第1電圧より高い第2電圧の3レベルに出力電圧を調整可能に構成されており、位相差制御部は、2次側3レベルインバータ回路の出力電圧がサイクルごとに正負を交代するように、かつ各サイクルにおいて出力電圧の絶対値が0、第1電圧、第2電圧、第1電圧、及び0という順番により変化するように2次側3レベルインバータ回路のスイッチングのタイミングを制御するタイミング制御部を含んでもよく、電圧制御部は、中点電位を定電圧制御するように、タイミング制御部が第1電圧を維持する位相を2つのコンデンサの各々の両極間の電圧を用いてフィードバック制御する位相フィードバック制御部を含んでもよい。
2次側3レベルインバータ回路のスイッチングのタイミングを制御することにより、広い変圧比範囲にわたりスイッチング損失を抑えることができる。さらに同じスイッチングのタイミングを変化させることにより、中点電位の制御も行える。変圧比範囲の拡大と中点電位の制御とを同じ回路により実現でき、制御を簡略にできるという効果がある。
(6) 上記(5)において、2つのコンデンサは第1のコンデンサ及び第2のコンデンサを含んでもよく、位相タイミング制御部は、2つのコンデンサの目標電圧の2乗と第1のコンデンサの両極間の電圧の2乗との差の絶対値である第1の値、及び2つのコンデンサの目標電圧の2乗と第2のコンデンサの両極間の電圧の2乗との差の絶対値である第2の値を算出する算出部と、第1の値及び第2の値のうちの最大値を選択する最大値選択部と、最大値選択部により選択された最大値が0となるように2次側3レベルインバータ回路のスイッチングのタイミングを決定するタイミング決定部とを含んでもよい。
コンデンサの両極間の電圧の2乗はコンデンサに蓄積されたエネルギの多寡を表す。目標電圧の2乗とコンデンサの両極間の電圧の2乗とを比較することにより、コンデンサの目標電圧により蓄積されるエネルギと実際のコンデンサに蓄積されたエネルギとの差の絶対値を表す値が2つのコンデンサの各々に対して得られる。この情報のうち、いずれか大きな値が0に近づくように2次側3レベルインバータ回路のスイッチングのタイミングを決定する。電圧の2乗を制御に用いることにより、電圧の正負の符号を考慮する必要がない。その結果、制御が簡単になるという効果がある。
(7) 上記(2)から(6)のいずれか1つにおいて、1次側インバータ回路は、1次側3レベルインバータ回路を含んでもよい。
1次側インバータ回路も3レベルを採用することにより、スイッチング損失なく昇降圧できる範囲がさらに広くなるという効果がある。
(8) 上記(1)から(7)のいずれか1つにおいて、電力変換装置は、中間コンデンサ部の両端に接続された太陽光発電用非絶縁コンバータをさらに含んでもよい。
この構成の結果、太陽光発電のためのいわゆるハイブリッドPCS(Power Conditioning System)にこの開示に係る電力変換装置を適用できるという効果がある。
(9) 上記(1)から(8)のいずれか1つにおいて、電力変換装置はさらに、絶縁コンバータ及びインバータのスイッチングを制御することにより、中間コンデンサ部と交流電路との間の電力伝送を行う電力伝送制御部と、インバータが交流電路に接続されているか否かに従って、電力変換制御部及び制御部のいずれかにより絶縁コンバータ部を制御させる選択部を含んでもよい。
電力変換装置が系統などに接続されているときには、中点電位は系統により調整されるので、電力変換装置が中点電位を制御する必要はない。したがってこの場合には電力伝送制御部により絶縁コンバータとインバータとを動作させればよい。電力変換装置が系統から切り離され、自立運転しているときには、選択部が制御部による制御に切り替える。その結果、電力変換装置に自立運転時と系統連系運転時との双方において適切な中点制御が行える。
(10) この開示の第2の局面に係る電力変換装置の制御方法は、単相3線式の交流電路に接続可能な電力変換装置の制御方法であって、電力変換装置は、第1の端子対及び第2の端子対と、中点電位の出力端子とを持つ絶縁コンバータと、接続ノードを介して、第2の端子対間に直列接続された2つのコンデンサを含む中間コンデンサ部と、第2の端子対に接続された第1の端子対と交流電路に接続される第2の端子群とを持つインバータとを含み、絶縁コンバータの中点電位の出力端子及び交流電路の中性線は、ともに接続ノードに接続され、電力変換装置はさらに、絶縁コンバータ及びインバータのスイッチングを制御することにより、中間コンデンサ部と交流電路との間の電力伝送と、中点電位を第2の端子対の中間の電位とする中点制御とを行う制御部とを含み、方法は、制御部が、交流電路の中性線が定電圧制御されていることに応答して、中点制御を停止するステップと、制御部が、電力変換装置が系統から遮断されて第1の端子対に接続された電源からの電力を自立出力していることに応答して、中点制御を開始するステップとを含む。
上記構成によれば、絶縁コンバータの中点と交流電路の中性線とが接続される。電力変換装置が系統に接続されているときには中点電位は系統により調整される。絶縁コンバータは中点制御を停止してもよい。一方、電力変換装置が系統と切り離され自立運転をするときには、絶縁コンバータがインバータの中点制御を開始する。その結果、自立運転時にも中性点からの線間電圧の不平衡が調整できるという効果がある。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る電力変換装置及び電力変換装置の制御方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内におけるすべての変更が含まれることが意図される。
第1 第1実施形態
1.構成
1A.全体
図1に、この開示の第1実施形態に係る電力変換装置50の全体の概略構成を示す。図1を参照して、電力変換装置50は、蓄電池60と単相3線の系統68とに接続される。電力変換装置50は、蓄電池60に接続される第1端子対と第2端子対及び後述する中点端子を持つ絶縁コンバータ62と、絶縁コンバータ62の第2端子と中点端子とに接続される中間コンデンサ部64とを含む。
電力変換装置50はさらに、中間コンデンサ部64と系統68とに接続されるインバータ66と、絶縁コンバータ62及びインバータ66に含まれる各スイッチを制御することにより、蓄電池60からの直流電力を単相3線交流電力に変換するための制御部72とを含む。電力変換装置50の出力と系統68との間には系統連系運転と自立運転とを切り替えるための2組のリレーが設けられる。その2組のリレーの間には負荷70が接続される。
なお、絶縁コンバータ62及びインバータ66は、後述するように複数の半導体スイッチを含む。この実施形態においては、これら半導体スイッチは全てMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)である。しかし半導体スイッチはMOSFETには限定されない。半導体スイッチはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のようなバイポーラ型トランジスタでもよい。
1B.絶縁コンバータ
図2を参照して、絶縁コンバータ62は、漏れインダクタンス126を持つトランス124と、1次側端子対128及びトランス124の一次側巻線に接続された1次側インバータ120と、トランス124の2次側巻線と2次側端子対130とに接続された2次側3レベルインバータ122とを含む。
1次側インバータ120は、1次側端子対128に両端が接続されたコンデンサ140と、1次側端子対128とトランス124の1次側巻線とに接続された1次側フルブリッジ142とを含む。
2次側3レベルインバータ122は、トランス124の2次側巻線及び2次側端子対130に接続された2次側フルブリッジ150とを含む。2次側3レベルインバータ122はさらに、トランス124の2次側巻線の第1端子と中点端子132との間、及びトランス124の2次側巻線の第2端子と中点端子132との間にそれぞれ2つずつ設けられた4つのスイッチからなる中点スイッチ152を含む。
1C.インバータ
図3を参照して、インバータ66は、図2に示す2次側端子対130に接続される入力端子対190と、中点端子132に接続されるノード188と、インバータ66側の端子群192とを持つ。端子群192は3線であり、中性線186は系統の中性線に接続される。なお系統の単相3線は、この実施形態においてはV相、O相及びW相とし、O相が中性線であるものとする。
インバータ66はさらに、入力端子対190に接続されるフルブリッジ180と、フルブリッジ180の第1レグの半導体スイッチの接続点と、トランス124(図2を参照)の1次側巻線の第1端子及び中性線186とに接続される平滑LC回路182と、フルブリッジ180の第2レグの半導体スイッチの接続点と、トランス124(図2を参照)の1次側巻線の第2端子及び中性線186とに接続された平滑LC回路184とを含む。
1D.制御部72
図4に制御部72の構成を示す。図5には、図4において参照する各半導体スイッチの参照名を示す。
図4を参照して、制御部72は、後述するように3レベル制御において使用されるパラメータαに関する指示値であるα指示値210と、図1に示す第1コンデンサ90及び中点94に蓄積されるエネルギ差の目標値Q*=0と、連系運転時の通常の電流の目標値I*と、自立運転時の電圧目標値V*とを受けて、フィードバック制御により図5に示す1次側インバータ120の各スイッチSa1からSa4、及び2次側3レベルインバータ122の各スイッチSb1からSb8にPWM(Pulse Width Modulation)制御信号を出力するためのPWM制御部218を含む。
PWM制御部218のフィードバック制御は、タイミング制御部212、電圧制御部214及び位相差制御部216からなる。位相差制御部216は、連系時制御部240と、自立運転制御部242と、電力変換装置50が系統に接続されているときには連系時制御部240を選択して電力変換装置50を制御させ、自立運転時には自立運転制御部242を選択して電力変換装置50を制御させるためのセレクタ244とを含む。これらについての詳細は、3レベル制御と関連するため、3レベル制御についての説明とともに後述する。
2.制御及び動作
2A.3レベル制御
図5に示す各スイッチを使用して、2次側3レベルインバータ122の3レベル制御をする構成について説明する。図6に1次側インバータ120及び2次側3レベルインバータ122の各スイッチの相補関係を表形式により示す。図7に、各スイッチをオン及びオフするタイミングをスイッチごとに示す。図7において使用するφ、α及びβの関係を図8に示す。なお、この実施形態において、これらは以下の関係を満たすものとする。αは所与の値であり、βは絶縁コンバータ62の動作時にフィードバックにより決定される。φ、βの決定方法(制御方法)については後述する。
-π/2<φ<π/2
0<α<β<π/2
図8を参照して、Vはトランス124の1次側に印加される1次側電圧波形300を示す。図8に示すように、トランス124の1次側には、半周期πにおいて電圧V及び-Vが交代的に印加される。図9及び図10には、それぞれ、位相θが0<θ<π、及びπ<θ<2πにおける1次側インバータ120内の電流経路を示す。
bはトランス124の2次側の電圧波形302を示す。1次側電圧は2次側電圧より位相差φだけ進んでいる。図8の波形302から分かるように、3レベル制御の場合、半周期πの間に、2次側の電圧の絶対値がV2/2となる期間と、V2となる期間とがある。すなわち、1次側の周期よりφだけ遅れたタイミングを基準として、さらに位相αだけ遅れた時点(φ+α)に電圧の絶対値がV2/2となる。基準となるタイミングから位相βだけ遅れた時点(φ+β、ただしα<β)においてさらに電圧の符号が同じで絶対値がV2となる。その後、位相がπ-βとなった時点において電圧の符号が同じで絶対値がV2/2となる。さらに位相がπ-αとなった時点において電圧が0となる。次の半周期においては、各位相がπだけ進み、電圧の符号が逆転することを除き同じ電圧変化が生じる。
図8には、図5のフルブリッジの各スイッチSb1及びSb2、Sb5及びSb6の電圧波形304、306、308及び310を示す。これらの波形の組み合わせによりVbの電圧波形302が生成される。
図11から図20には、それぞれ、図7の(1)及び(10)に示したタイミングにおける2次側3レベルインバータ122内の電流を示す。なお、以下の説明においては図1に示す第1コンデンサ90をCtopと呼び、第2コンデンサ92をCbottomと呼ぶ。
(1)及び(10)は0<θ<φ-βの期間である。この期間には電流はバス充電に用いられる。
(2)はφ-β<θ<φ-αであってかつ転流前には、Cbottomの充電が行われる。転流後にはCbottomから放電する。
(3)はφ-α<θ<φ+αの期間である。この期間には、電流は2次側3レベルインバータ122内を循環し、Ctop及びCbottomには変化はない。
(4)はφ+α<θ<φ+βの期間である。この期間には、Cbottomの充電が行われる。
(5)及び(6)はφ+β<θ<π+φ-βの期間である。この期間において、電流はバス充電に用いられる。
(7)はπ+φ-β<θ<π+φ-αの期間である。この期間には転流が生ずる。転流前には、Ctopの充電が行われる。転流後にはCtopから放電される。
(8)はπ+φ-α<θ<π+φ+αの期間である。この期間には、電流は2次側3レベルインバータ122を循環する。
(9)はπ+φ+α<θ<π+φ+βの期間である。この期間にはCtopの充電が行われる。
以上の電流の流れに応じて1次側インバータ120からトランス124に供給される電流の値も変化する。その変化を図8において電流波形312により示す。
以上の説明において、位相φの値については所与のものとして説明してきた。しかし、3レベル制御を行うためには、図1に示す絶縁コンバータ62においてこの位相φの値をフィードバック制御する必要がある。3レベル制御のための位相φフィードバック制御方法の概略について、図21以下を参照して説明する。
図21に、この実施形態におけるPWM制御部218によるフィードバック制御方法の概略について表形式により示す。図1に示す電力変換装置50は、上記したように系統連系運転と自立運転との2通りに動作する。
系統連系運転において、絶縁コンバータ62は、1次側の定電流制御又は定電力制御により動作する。インバータ66は中間コンデンサ部64の定電圧制御を行う。中点電位は系統により調整されるので、電力変換装置50において中点制御をする必要はない。
自立運転において、絶縁コンバータ62は、2次側、すなわち中間コンデンサ部64の定電圧制御と、中点94の定電圧制御を行う。インバータ66は、単相三線回路の2線(すなわち、UW間)の定電圧制御を行う。
絶縁コンバータ電力伝送のフィードバック制御において、図2に示したように、1次側が2レベルの1次側インバータ120、2次側が2次側3レベルインバータ122であるDAB方式の場合、1次側から2次側に伝送される電力P0は以下の式により表される。
系統連系運転時の制御構成を図4の連系時制御部240により示す。図4を参照して、連系時制御部240は、位相φに対する定電流制御を行う。すなわち、連系時制御部240は、通常の電流目標値I*を受け、出力電流I1に関し、電流目標値I*に対するPI制御により位相φをフィードバック制御する。
自立運転時の制御構成を図4の自立運転制御部242により示す。図4を参照して、自立運転制御部242は、位相φに対する定電圧制御を行う。すなわち、自立運転制御部242は、2次側3レベルインバータ122の出力電圧V2を使用して電圧目標値V*に対するPI制御により電流目標値I*を得る。2次側3レベルインバータ122はさらに、この電流目標値I*に基づいて、図4に示す電流フィードバック制御のマイナーループにより位相φをフィードバック制御する。
この結果得られる、トランス124の2次側電圧Vbと1次側インバータ120からトランス124に流れる電流値ILとの関係を図22に示す。
図22を参照して、位相θがφ-β<θ<φ-αを満たす期間は、図12及び図13を参照して説明したように転流が生じる。したがって、この期間の前半(転流前)には、図22のCbottom充電部400に示すように第2コンデンサ92が充電される。この期間の後半(転流後)には、図22のCbottom放電部404に示すように第2コンデンサ92から放電される。さらに、位相θがφ-α<θ<φ+αを満たす期間には第1コンデンサ90及び第2コンデンサ92の双方について、充電も放電も行われない(図14を参照)。位相θがφ+α<θ<φ+βを満たす期間には、図22のCbottom充電部402に示すように再び第2コンデンサ92が充電される(図15を参照)。その後、位相θがφ+β<θ<π+φ-βの期間(図16)の期間には第1コンデンサ90及び第2コンデンサ92の双方について、充電も放電も行われない。なお、この期間中においてθ=πとなるとILの値は減少に転じる。
位相θがπ+φ-β<θ<π+φ-αの期間には、図17及び図18に示すように転流が生じる。この期間の前半(転流前)には、図22のCtop充電部406に示すように第1コンデンサ90が充電される(図17を参照)。この期間の後半(転流後)には、図22のCtop充電部406に示すように第1コンデンサ90が放電される(図18を参照)。さらに位相θがπ+φ-α<θ<π+φ+αの期間には、第1コンデンサ90、第2コンデンサ92についての充電も放電も行われない(図19を参照)。さらに位相θがπ+φ+α<θ<π+φ+βの期間には、図22のCtop充電部408に示すように、第1コンデンサ90の充電が行われる(図20を参照)。
2B.中点制御
中点電位の定電圧制御は以下のように行われる。図22に示すように、1周期における第2コンデンサ92の充電量は、Cbottom充電部400及び402の面積の和からCbottom放電部404の面積を引いたものにより表される。また第1コンデンサ90の充電量は、Ctop充電部406及び408の面積の和からCtop放電部410の面積を引いたものにより表される。第1コンデンサ90の両端間の電圧をV2u、第1コンデンサ90の両端間の電圧をV2dとする。この実施形態における制御においては、V2u-V2d=0とすることが第1の目標となる。すなわち、第1コンデンサ90及び第2コンデンサ92の充電量を制御する必要がある。そのために、まず図22においてγにより示す量、すなわちγ=β-αを決定する。図22から分かるように、γを大きくすればコンデンサの充電量は減少し、ガンマを小さくすればコンデンサの充電量は増加する。
第1コンデンサ90及び第2コンデンサ92の静電容量をいずれもCとし、各コンデンサの両端間の電圧をVとする。第1コンデンサ90及び第2コンデンサ92の各々について、その保持するエネルギQは以下の式により表せる。
この式に従い第1コンデンサ90及び第2コンデンサ92のコンデンサエネルギQ2u及びQ2dを計算する。ここにおける目標はQ2u=Q2d=V2/2とすることである。このフィードバック制御は以下のように行う、目標電圧V2/2に対し、充放電が必要なエネルギが多い方のコンデンサに対してγをフィードバック制御する。ここでは、エネルギを基準としており、かつ第1コンデンサ90と第2コンデンサ92の静電容量はいずれもCであるため、電圧だけを考慮すればよい。したがって|(V2/2)―(V2u|と|(V2/2)―(V2d|の値を比較し、いずれか大きな方が選択される。目標値Q*=0と、選択された値との差分によるPI制御によりγをフィードバック制御する。この制御構造を図4のタイミング制御部212により示す。
図4を参照して、タイミング制御部212は、2次側3レベルインバータ122の出力電圧がサイクルごとに正負を交代するように、かつ各サイクルにおいて出力電圧の絶対値が0、V2/2、V2、V2/2、及び0という順番により変化するように2次側3レベルインバータ122のスイッチングのタイミングを制御するために、γ及びβをフィードバック制御する。そのためにタイミング制御部212は、コンデンサの目標電圧であるV2/2の2乗と第1コンデンサ90の電圧V2uの2乗との差の絶対値である第1の値を算出する第1算出部230と、V2/2の2乗と第2コンデンサ92の電圧V2dの2乗との差の絶対値である第2の値を算出する第2算出部232とを含む。タイミング制御部212はさらに、第1の値と第2の値とのいずれか最大となる値を選択する最大値選択部234と、第1コンデンサ90及び第2コンデンサ92の双方に蓄積されたエネルギの差の目標値Q*=0と最大値選択部の出力とを使用してPI制御することによりγを算出するγ算出部236と、算出されたγとαとを合計してベータを出力する加算回路238とを含む。
タイミング制御部212により、第1コンデンサ90と第2コンデンサ92の各々の両端間の電圧V2u及びV2dがいずれも目標電圧V2/2となるように制御できる。この場合、エネルギを計算に用いることにより、目標電圧と出力電圧との差分の符号を考慮する必要なくフィードバック制御できるという効果がある。もちろん、エネルギを用いずに電圧を使用し差分の符号を考慮した上でフィードバック制御してもよい。
こうしてγが得られたら、γ=β-αの関係からβを求めることができる。
次に、この実施形態においては中点電位の定電圧制御のために以下のような処理を行う。図23に示すように、Vbの電圧波形の中において、Vbの電圧の絶対値がV2/2である部分は動かさずに、Vbの電圧の絶対値がV2である部分を左右に移動させる。この移動分の位相の大きさをδとする。
図23を参照して、例えばδ>0として、2次側の電圧波形420を例にとると、電圧の絶対値がV2の部分について、その位相がδだけ進む。すなわち電圧波形420の上部に突出した凸部424が左側にδだけ移動する。その結果、2次側3レベルインバータ122の出力電流が図23において電流波形422により示すように変化する。そのため、第2コンデンサ92を充電する期間であるCbottom充電部440及び442の部分の面積が図22におけるCbottom充電部400及び402の面積より減少する。Cbottom放電部444の面積も図22のCbottom放電部404より減少するが、その減少分は例えばCbottom充電部402の減少分よりはるかに小さい。したがってこの場合には第2コンデンサ92への充電量が減少する。一方、図23のCtop充電部446及び448の面積は増大する。その結果、Ctop放電部450の減少分を考慮しても第1コンデンサ90の充電量は増加する。したがって、V2u=V2dとなるようにδの値を調整することにより第1コンデンサ90及び第2コンデンサ92の充電量を制御できる。
この制御構造を図4の電圧制御部214により示す。図4を参照して、電圧制御部214において、V2u及びV2dの差分を求める。この例においてはVbottom―Vtopを差分として求める。この差分と目標値V*=0との差分を用いたPI制御によりδをフィードバック制御する。
以上のようにこの実施形態によれば、電力変換装置50の自立運転において、中点が系統の中性点から切り離されても、絶縁コンバータ62がその電位を制御する。絶縁コンバータ62の中点端子132が中間コンデンサ部64の中点94に接続されているため、中間コンデンサ部64の中点電位がインバータ66により制御される。その結果、この実施形態によれば電力変換装置50の自立運転時にも中間コンデンサ部64の中点94に不平衡が生じることが防止できる。
3.シミュレーション結果
上記した図1に示す電力変換装置50についてシミュレーションし、その結果を確認した。
図24に、シミュレーションにおいて電力変換装置50の絶縁コンバータ62の諸元として設定した値を示す。図25に、シミュレーションにおいて電力変換装置50のインバータ66の諸元として設定した値を示す。シミュレーションは、上記したような中点電位制御を行うことなく電力変換装置50が自立運転を行った場合と、中点電位制御を行って電力変換装置50が自立運転を行った場合とについてのものである。
3A.中点制御なしのシミュレーション結果
図26に、中点制御なしのシミュレーションにおける交流電圧波形を示す。図26は、単相3線のU相O相間の電圧Vuoの出力波形500、O相W相間の電圧Vowの出力波形502、及びU相W相間の電圧Vuwの出力波形504を示す。図27には、1次側電圧V1の電圧波形524と、第1コンデンサ90の電圧V2uの電圧波形520と、第2コンデンサ92の電圧V2dの電圧波形522とを示す。
図26から分かるように、出力波形500と出力波形502との間にかなりの相違が生じている。出力波形500は目標よりもやや低く、出力波形502は目標よりもやや高い。
図27からは、第1コンデンサ90及び第2コンデンサ92のそれぞれの両端間の電圧が目標値と異なっており、中点94に不平衡が生じていることが分かる。第1コンデンサ90の電圧は目標より低く、第2コンデンサ92の電圧は目標より高い。
3B.中点制御ありのシミュレーション結果
図28に、中点制御ありのシミュレーションにおける交流電圧波形を示す。図28は、電圧Vuoの出力波形540、O相W相間の電圧Vowの出力波形542、及びU相W相間の電圧Vuwの出力波形544を示す。図29には、1次側電圧V1の電圧波形564と、第1コンデンサ90の電圧V2uの電圧波形560と、第2コンデンサ92の電圧V2dの電圧波形562とを示す。
図28を図26と比較すると、中点制御ありの場合には、出力波形540と出力波形542とがほぼ等しく制御されていることが分かる。また図29を図27と比較すると、第1コンデンサ90と第2コンデンサ92との双方について、両端の電圧が互いにほぼ等しく調整されていることが分かる。
図30に、このときのトランス124の1次側の電圧のトランス1次側電圧波形580と2次側の電圧のトランス2次側電圧波形582とを示す。トランス2次側電圧波形582から、2次側においては2次側3レベルインバータ122による中点電位制御のために、トランス2次側電圧波形582の波形の凸部(図23の凸部424)が、その下のV2/2の先頭部分付近まで移動している事がわかる。つまりこの例においてはβ―αはほぼ0、すなわちδ≒γとなっている。図23に関連して説明したとおり、δの値が小さくなると第2コンデンサ92の充電量が減少し、第1コンデンサ90の充電量が増加する。その結果、中点電位制御なしの場合に図27の電圧波形520に示すように第1コンデンサ90の両端間の電圧が低かったのに対し、中点電位制御を行うと第1コンデンサ90への充電量が増加し、第1コンデンサ90の両端間の電圧は図29に示すようにほぼ目標値と等しくなっていることが分かる。これは第2コンデンサ92の場合も同様である。第2コンデンサ92の場合、中点電位制御なしの場合には第2コンデンサ92の両端間の電圧が高かったのに対し、中点電位制御を行うと図29の電圧波形562に示すように電圧はほぼ目標値と等しくなっている。
3C.シミュレーション結果の評価
このように、シミュレーションによってもこの実施形態に係る中点電位制御が有効であることが確認できた。したがって、電力変換装置50によれば、電力変換装置50の自立運転時にも、中点94の電位(中点電位)が絶縁コンバータ62により正しく制御される。この結果、電力変換装置50の自立運転時に蓄電池60の電力により負荷を稼働させても、問題が生じる可能性を小さくできるという効果が得られる。
第2 第2実施形態
図31には、図1に示す絶縁コンバータ62に代えて使用できる絶縁コンバータ600の回路ブロック図を示す。絶縁コンバータ600が絶縁コンバータ62と異なるのは、図1及び図2に示す2次側3レベルインバータ122に代えて、2次側3レベルインバータ610を含む点である。
2次側3レベルインバータ610が図2に示す2次側3レベルインバータ122と異なるのは、図2に示す中点スイッチ152に含まれる各中点スイッチSb2及び3、Sb6及び7の位置が図31に示すように変更されている点である。2次側3レベルインバータ610はさらに、トランス124の2次側の巻線の第1端子と中点端子132との接続線とスイッチSb1及び2の接続ノードとに接続されたダイオードと、スイッチSb3とSb4の接続ノードとトランス124の2次側の巻線の第1端子と中点端子132との接続線とに接続されたダイオードとを含む点においても2次側3レベルインバータ122と異なる。2次側3レベルインバータ610はさらに、スイッチSb5及び6の接続ノードとトランス124の2次側の巻線の第2端子と中点端子132との接続線との間に接続されたダイオードと、スイッチSb7とSb8の接続ノードとトランス124の2次側の巻線の第1端子と中点端子132との接続線とに接続されたダイオードとを含む点においても2次側3レベルインバータ122と異なる。
2次側3レベルインバータ610は図2に示す2次側3レベルインバータ122と異なる構成ではあるが、図7に示す表にしたがって、かつ図4に示す制御部72を使用して動作させることにより、第1実施形態と全く同様に機能できる。その結果、この第2実施形態に係る2次側3レベルインバータ610を含む絶縁コンバータ600を使用した電力変換装置を自立運転させる際にも、中点電位制御を正しく行えるという効果がある。
第3 第3実施形態
図32には、図2に示す絶縁コンバータ62の1次側インバータ120に代えて使用できる1次側3レベルインバータ630の回路ブロック図を示す。図32を参照して、1次側3レベルインバータ630が絶縁コンバータ62と異なるのは、図2に示すコンデンサ140に代えて直流電源の双方の端子の間に直列に接続された2つのコンデンサ642及び644を含む点、及びこれら2つのコンデンサ642及び644の接続ノード646と、第1レグの2つのスイッチの接続ノード及び第2レグの2つのスイッチの接続点との間に設けられた中点スイッチ640を含む点である。
中点スイッチ640は、接続ノード646と、第1レグの2つのスイッチの接続ノードとの間に直列に接続された2つのスイッチと、接続ノード646と、第2レグの2つのスイッチの接続ノードとの間に直列に接続された2つのスイッチを含む。これら4つのスイッチの構成は、図2の中点スイッチ152と同様である。
この第3実施形態によれば、1次側3レベルインバータ630の側においても3レベル制御を行うことができる。その結果、1次側3レベルインバータ630においてもスイッチング損失の発生を防ぎながら電力変換装置において可能な変圧範囲をさらに広げることができる。
第4 第4実施形態
図33に、この開示の第4実施形態に係る1次側ハーフブリッジ650の回路ブロック図を示す。図33を参照して、1次側ハーフブリッジ650は、図32に示すものと同様、接続ノード646において互いに接続されたコンデンサ642及び644を含む。接続ノード646はトランス124の第1端子に接続される。1次側ハーフブリッジ650はさらに、図2に示す1次側インバータ120の1次側フルブリッジ142に代えて、ハーフブリッジ回路660を含む。ハーフブリッジ回路660を構成する2つのスイッチの接続点はトランス124の第2端子に接続される。
この1次側ハーフブリッジ650を、図2に示す1次側インバータ120に代えて絶縁コンバータ62に使用することにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。この実施形態においてはフルブリッジではなくハーフブリッジを用いることにより、電力変換装置が使用するスイッチの数を減らし、構成を簡素化できる。その結果、電力変換装置のコストを下げることができる。
第5 第5実施形態
図34に、図1に示す電力変換装置50において、太陽光発電用非絶縁コンバータ702をさらに追加可能とした絶縁コンバータ700の回路ブロック図を示す。太陽光発電用非絶縁コンバータ702には太陽光パネル704が接続されている。太陽光発電用非絶縁コンバータ702の端子対は中間コンデンサ部64とインバータ66との間、又は絶縁コンバータ62と中間コンデンサ部64との間において中間コンデンサ部64の両端子に接続される。
このように絶縁コンバータ700に太陽光発電用非絶縁コンバータ702を接続可能とすることにより、いわゆるハイブリッドPCSにもこの開示を適用でき、自立運転時の中点電位制御を行うことができる。
第6 変形例
図4に示す制御部72は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェア回路により実現することも、マイクロコンピュータなどの汎用の制御装置を適切にプログラミングすることにより実現することもできる。この場合、プログラムはファームウェアとしてマイクロコンピュータ内に固定することもできるし、書き換え可能な記憶装置に記憶させておき、適宜書き換えることもできる。さらに、制御部72の機能の一部をハードウェア回路により実現し、他の一部をソフトウェアにより実現することも可能である。
制御部72が制御に使用する情報は、回路内の適切な場所に設けられた電圧センサ及び電流センサの出力である。センサの出力がアナログ信号であれば、制御部72においてそれらをデジタル化する必要がある。センサの出力がデジタル値であれば、制御部72は直接それを読み込んでデータとして使用できる。
上記開示は3レベル制御により中点電位制御を行うものであった。しかし、この開示により示した思想は、3レベル制御だけではなく一般的なマルチレベル制御の装置に対しても適用できる。その制御も、上記実施形態において示した基本的な制御方法にもとづいて実現すればよい。
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1又は複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。上記処理回路は、上記1又は複数のプロセッサに加え、1又は複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等により構成されてもよい。上記1又は複数のメモリは、上記各処理を上記1又は複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1又は複数のプロセッサは、上記1又は複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータによる制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。例えば物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、及びインターネットを含むWAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態において流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
今回開示された実施の形態は全ての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、開示の詳細な説明の記載により示されるわけではなく、特許請求の範囲の各請求項によって示され、特許請求の範囲の文言と均等の意味及び範囲内における全ての変更が含まれることが意図される。
50 電力変換装置
60 蓄電池
62、600、700 絶縁コンバータ
64 中間コンデンサ部
66 インバータ
68 系統
70 負荷
72 制御部
90 第1コンデンサ
92 第2コンデンサ
94 中点
120 1次側インバータ
122、610 2次側3レベルインバータ
124 トランス
126 漏れインダクタンス
128 1次側端子対
130 2次側端子対
132 中点端子
140、642、644 コンデンサ
142 1次側フルブリッジ
150 2次側フルブリッジ
152、640 中点スイッチ
180 フルブリッジ
182、184 平滑LC回路
186 中性線
188 ノード
190 入力端子対
192 端子群
210 α指示値
212 タイミング制御部
214 電圧制御部
216 位相差制御部
218 PWM制御部
230 第1算出部
232 第2算出部
234 最大値選択部
236 γ算出部
238 加算回路
240 連系時制御部
242 自立運転制御部
244 セレクタ
300 1次側電圧波形
302、304、306、308、310、420、520、522、524、560、562、564 電圧波形
312、422 電流波形
400、402、440、442 Cbottom充電部
404、444 Cbottom放電部
406、408、446、448 Ctop充電部
410、450 Ctop放電部
424 凸部
500、502、504、540、542、544 出力波形
580 トランス1次側電圧波形
582 トランス2次側電圧波形
630 1次側3レベルインバータ
646 接続ノード
650 1次側ハーフブリッジ
660 ハーフブリッジ回路
702 太陽光発電用非絶縁コンバータ
704 太陽光パネル

Claims (7)

  1. 単相3線式の交流電路に接続可能で、前記交流電路と接続され、中点電位が系統により制御される系統連系運転と、前記交流電路と切断され、所定の負荷に電力を供給する自立運転とを切り換えて運転可能であり、前記自立運転時において前記中点電位に不平衡が生じることを防止する電力変換装置であって、
    第1の端子対及び第2の端子対と、前記中点電位の出力端子とを持つ絶縁コンバータと、
    接続ノードを介して互いに直列接続された第1及び第2のコンデンサを含み、前記第2の端子対間に接続された中間コンデンサ部と、
    前記第2の端子対に接続された第1の端子対と前記交流電路に接続される第2の端子群とを持つインバータとを含み、
    前記絶縁コンバータは、
    1次巻線及び2次巻線を有するトランスと、
    前記1次巻線と前記絶縁コンバータの前記第1の端子対との間に接続される1次側インバータ回路と、
    前記2次巻線と前記絶縁コンバータの前記第2の端子対の間に接続される2次側3レベルインバータ回路とを含み、
    前記2次側3レベルインバータ回路は、絶対値が0、第1電圧、及び前記第1電圧より高い第2電圧の5レベルに出力電圧を調整可能に構成された複数のスイッチを含み、
    前記絶縁コンバータの前記中点電位の出力端子及び前記交流電路の中性線は、ともに前記接続ノードに接続され、
    前記電力変換装置はさらに、前記絶縁コンバータ及び前記インバータのスイッチングを制御することにより、前記系統連系運転において、前記1次側インバータ回路の定電流制御又は定電力制御に従って、前記1次側インバータ回路と前記2次側3レベルインバータ回路との間の電力伝送を実行する連系時制御部と、前記自立運転において、前記中間コンデンサ部に関する定電圧制御に従った前記1次側インバータ回路と前記2次側3レベルインバータ回路との間の電力伝送を行う自立運転制御部とを含む制御部をみ、
    前記自立運転制御部は、前記電力変換装置の自立運転において、前記2次側3レベルインバータ回路内の前記複数のスイッチのスイッチングのタイミングを制御することによって、前記中点電位を前記第2の端子対の中間の電位とする前記中点電位の制御を行う、電力変換装置。
  2. 前記自立運転制御部は
    前記1次側インバータ回路及び前記2次側3レベルインバータ回路を、前記定電圧制御における前記2次側3レベルインバータ回路の出力の目標電圧により定まる位相差をもってスイッチングするようフィードバック制御する位相差制御部と、
    前記第1及び第2のコンデンサの各々の両極間の電圧が均等となるように、前記位相差制御部による前記2次側3レベルインバータ回路の前記出力電圧の印加時間をフィードバック制御する電圧制御部とを含む、請求項に記載の電力変換装置。
  3. 前記位相差制御部は、前記2次側3レベルインバータ回路の前記出力電圧がサイクルごとに正負を交代するように、かつ各サイクルにおいて前記出力電圧の絶対値が0、前記第1電圧、前記第2電圧、前記第1電圧、及び0という順番で変化するように前記2次側3レベルインバータ回路に含まれる前記複数のスイッチのスイッチングのタイミングを制御するタイミング制御部を含み、
    前記電圧制御部は、前記タイミング制御部が前記第電圧を維持する位相を前後に移動させることにより、前記第1及び第2のコンデンサの各々の充電量が均等となるように前記タイミング制御部の前記出力電圧の印加時間をフィードバック制御する位相フィードバック制御部を含、請求項に記載の電力変換装置。
  4. 前記タイミング制御部は、
    前記第1及び第2のコンデンサの目標電圧の2乗と前記第1のコンデンサの両極間の電圧の2乗との差の絶対値である第1の値、及び前記第1及び第2のコンデンサの目標電圧の2乗と前記第2のコンデンサの両極間の電圧の2乗との差の絶対値である第2の値を算出する算出部と、
    前記第1の値及び前記第2の値のうちの最大値を選択する最大値選択部と、
    前記最大値選択部により選択された前記最大値が0となるように前記2次側3レベルインバータ回路のスイッチングのタイミングを決定するタイミング決定部とを含む、請求項に記載の電力変換装置。
  5. 前記中間コンデンサ部の両端に接続された太陽光発電用非絶縁コンバータをさらに含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 記インバータが前記交流電路に接続されており、前記中点電位が系統により制御されていときは前記連系時制御部を選択し、前記インバータが前記交流電路に接続されておらず、中点制御が必要なときは前記自立運転制御部を、それぞれ選択して前記絶縁コンバータを制御させる選択部をさらに含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 相3線式の交流電路に接続可能で、前記交流電路と接続された系統連系運転と、前記交流電路と切断され、所定の負荷に電力を供給する自立運転とを切り換えて運転可能であり、前記自立運転時に前記電力変換装置の直流入出力端の中性点の電位である中点電位に不平衡が生じることを防止する電力変換装置の制御方法であって、
    前記系統連系運転時には、前記中点電位は系統により制御されるため前記中点電位の制御は不要であり、
    前記電力変換装置は、
    第1の端子対及び第2の端子対と、前記中点電位の出力端子とを持つ絶縁コンバータと、
    接続ノードを介して、前記第2の端子対間に直列接続された第1及び第2のコンデンサを含む中間コンデンサ部と、
    前記第2の端子対に接続された第1の端子対と前記交流電路に接続される第2の端子群とを持つインバータとを含み、
    前記絶縁コンバータは、
    1次巻線及び2次巻線を有するトランスと、
    前記1次巻線と前記絶縁コンバータの前記第1の端子対との間に接続される1次側インバータ回路と、
    前記2次巻線と前記絶縁コンバータの前記第2の端子対の間に接続された2次側3レベルインバータ回路とを含み、
    前記2次側3レベルインバータ回路は、絶対値が0、第1電圧、及び前記第1電圧より高い第2電圧の5レベルに出力電圧を調整可能に構成された複数のスイッチを含み、
    前記絶縁コンバータの前記中点電位の出力端子及び前記交流電路の中性線は、ともに前記接続ノードに接続され、
    前記電力変換装置はさらに、前記絶縁コンバータ及び前記インバータのスイッチングを制御することにより、前記系統連系運転において、前記交流電路との間の定電流制御又は定電力制御に従って、前記中間コンデンサ部と前記交流電路との間の電力伝送を実行する連系時制御部と、前記自立運転において、出力に関する定電圧制御に従った電力伝送と、前記中点電位を前記第2の端子対の中間の電位とする中点制御とを行う自立運転制御部とを含む制御部を含み、
    前記制御方法は、
    前記電力変換装置が前記自立運転から前記系統連系運転に切り替わったことに応答して、前記連系時制御部が前記1次側インバータ回路及び前記2次側3レベルインバータ回路を制御して前記電力変換装置の1次側と2次側との間の電力伝送を開始するステップと、
    前記電力変換装置が前記系統連系運転から前記自立運転に切り替わったことに応答して、前記自立運転制御部が、前記1次側インバータ回路及び前記2次側3レベルインバータ回路に含まれる前記複数のスイッチのスイッチングを制御することによって、前記中間コンデンサ部を定電圧制御することにより、前記絶縁コンバータの1次側と2次側との間の電力伝送と、前記中点制御とを開始するステップとを含む、電力変換装置の制御方法
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