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JP7816538B2 - X線位相イメージングシステムおよびx線位相イメージング方法 - Google Patents
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JP7816538B2 - X線位相イメージングシステムおよびx線位相イメージング方法 - Google Patents

X線位相イメージングシステムおよびx線位相イメージング方法

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Description

本発明は、X線位相イメージングシステムおよびX線位相イメージング方法に関し、特に、被写体と撮像系とを相対回転させながら被写体を撮像するX線位相イメージングシステムおよびX線位相イメージング方法に関する。
従来、被写体と撮像系とを相対回転させながら被写体を撮像するX線位相イメージングシステムが知られている。このようなX線位相イメージングシステムは、たとえば、特開2019-45394号公報に開示されている。
特開2019-45394号公報には、X線源と、X線検出器と、X線源とX線検出器との間に配置された複数の格子と、回転機構と、を備えたX線イメージング装置が開示されている。回転機構は、被写体を、X線の照射軸線と直交する方向に延びる軸線周りに回転させるように構成されている。すなわち、特開2019-45394号公報に開示されているX線イメージング装置は、3次元の画像を生成するように構成されている。また、特開2019-45394号公報では、X線イメージング装置は、被写体として、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を撮像するように構成されている。
特開2019-45394号公報
ここで、炭素繊維を含むCFRPは、繊維が延びる方向に対する機械的強度(たとえば、引張強度)が高く、繊維が延びる方向と交差する方向の機械的強度(引張強度)が低いことが知られている。そこで、CFRPは、所定の方向に対する機械的強度(引張強度)を高めるために、炭素繊維を所定の方向に向けた状態で成型される場合がある。CFRPは、樹脂母材と炭素繊維とによって構成されており、成型過程において、炭素繊維が所定の方向とは異なる方向に向く場合がある。たとえば、CFRP(被写体)の成型過程において、被写体の所定の面内における引張強度を向上させるために被写体の面内に沿った方向に向けた炭素繊維が、被写体の面と交差する方向に向く場合がある。この場合、被写体の面内における引張強度が低下する。したがって、CFRP(被写体)における炭素繊維(繊維)の方向によっては、被写体の面内における機械的強度が低下する場合がある。しかしながら、特開2019-45394号公報に開示されているX線イメージング装置(X線位相イメージングシステム)は、被写体の3次元画像は生成するが、繊維を含む被写体の所定の面内における被写体の機械的強度が低下している位置をユーザが容易に把握することが可能な画像を生成するようには構成されていない。この場合、繊維を含む被写体の所定の面内における被写体の機械的強度が低下している位置を、ユーザが把握することが困難である。そこで、ユーザが所望する面内において、繊維を含む被写体の機械的強度が低下している位置を容易に把握することが可能なX線位相イメージングシステムが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ユーザが所望する面内において、繊維を含む被写体の機械的強度が低下している位置を容易に把握することが可能なX線位相イメージングシステムおよびX線位相イメージング方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるX線位相イメージングシステムは、被写体に含まれる繊維を抽出するX線位相イメージングシステムであって、X線を照射するX線源とX線源から照射されたX線を検出するX線検出器とX線源とX線検出器との間に配置された複数の格子とを含む撮像系と、被写体と撮像系とを、X線の照射軸線と直交する方向周りの回転方向に相対回転させる第1回転機構と、被写体と撮像系とを第1回転機構により相対回転させながら複数の撮像角度において撮像することにより、X線検出器によって検出されたX線の強度分布に基づいて、3次元の暗視野像を含む3次元のX線位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、暗視野像の所定の断面に対して、被写体に含まれる所定の方向に沿って延びる線状部分を抽出するフィルタを用いたフィルタ処理を、所定の断面におけるフィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して行うフィルタ処理部と、フィルタ処理部によって抽出された、繊維に対応する複数の線状部分に基づいて、線状部分画像を生成する線状部分画像生成部と、を備える。
また、この発明の第2の局面におけるX線位相イメージング方法は、被写体に含まれる繊維を抽出するX線位相イメージング方法であって、被写体と、X線を照射するX線源とX線源から照射されたX線を検出するX線検出器とX線源とX線検出器との間に配置された複数の格子とを含む撮像系とを、X線の照射軸線と直交する方向周りの回転方向に相対回転させながら複数の撮像角度において撮像するステップと、複数の撮像角度においてX線検出器により検出されたX線の強度分布に基づいて、3次元の暗視野像を含む3次元のX線位相コントラスト画像を生成するステップと、暗視野像の所定の断面に対して、被写体に含まれる所定の方向に沿って延びる線状部分を抽出するフィルタを用いたフィルタ処理を、所定の断面におけるフィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して行うステップと、抽出された、繊維に対応する複数の線状部分に基づいて、線状部分画像を生成するステップと、を備える。
上記第1の局面におけるX線位相イメージングシステム、および、上記第2の局面におけるX線位相イメージング方法では、上記のように、フィルタ処理によって抽出された繊維に対応する複数の線状部分に基づいて、線状部分画像が生成される。これにより、ユーザは、被写体の所定の断面における繊維に対応する線状部分を画像化した線状部分画像によって、所定の断面における繊維の分布を把握することができる。したがって、ユーザは、繊維を含む被写体のうちの、所定の断面と直交する面内において、機械的強度が低下している位置を把握することができる。その結果、ユーザは、被写体の所定の断面における線状部分画像を確認することにより、ユーザが所望する面内において、繊維を含む被写体の機械的強度が低下している位置を容易に把握することができる。
一実施形態によるX線位相イメージングシステムの全体構成を示した模式図である。 一実施形態によるX線位相イメージングシステムの第1回転機構および第2回転機構の構成を説明するための模式図である。 一実施形態によるX線位相イメージングシステムの格子位置調整機構の構成を説明するための模式図である。 X線位相コントラスト画像を生成する構成を説明するための模式図である。 一実施形態によるX線位相イメージングシステムが生成する、3次元の吸収像、3次元の位相微分像、および、3次元の暗視野像を説明するための模式図である。 被写体の形状および厚み方向断面を説明するための模式図である。 厚み方向断面における繊維のうねりを説明するための模式図である。 被写体の厚み方向に沿った断面の暗視野像の模式図である。 一実施形態によるフィルタ処理部が、線状部分の角度を取得する構成を説明するための模式図である。 一実施形態による線状部分画像生成部が、線状部分画像を生成する構成を説明するための模式図である。 複数の格子に対する被写体の角度を変更して撮像した複数の暗視野像を説明するための模式図である。 複数の線状部分画像から合成抽出画像を生成する構成を説明するための模式図である。 一実施形態による投影画像生成部が生成する第1投影画像のうち、ベクトル平均投影によって生成される第1投影画像を説明するための模式図である。 一実施形態による投影画像生成部が生成する第1投影画像のうち、最大値投影によって生成される第1投影画像を説明するための模式図である。 一実施形態による投影画像生成部が生成する第2投影画像を説明するための模式図である。 一実施形態によるX線位相イメージングシステムが、暗視野像、第1投影画像、および、第2投影画像を表示する構成を説明するための模式図である。 一実施形態によるX線位相イメージングシステムが、投影画像を表示する処理を説明するためのフローチャートである。 変形例によるX線位相イメージングシステムが生成する繊維方向強調画像を説明するための模式図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態によるX線位相イメージングシステム100の全体構成について説明する。
図1に示すように、X線位相イメージングシステム100は、タルボ(Talbot)効果を利用して、被写体90の内部を画像化する装置である。本実施形態では、X線位相イメージングシステム100は、被写体90に含まれる繊維90b(図7参照)を抽出するように構成されている。被写体90は、たとえば、繊維90bを含む繊維複合材料である。被写体90は、たとえば、CFRPである。
X線位相イメージングシステム100は、撮像系6と、第1回転機構7と、コンピュータ8と、を備えている。また、本実施形態では、X線位相イメージングシステム100は、第2回転機構9と、表示部10と、入力受付部11と、格子位置調整機構12と、を備えている。
撮像系6は、X線源1と、X線検出器2と、複数の格子とを含む。複数の格子は、X線源1とX線検出器2との間に配置されている。複数の格子は、第1格子3と、第2格子4と、第3格子5とを含む。なお、本明細書では、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。また、X線源1からX線検出器2に向かう方向をX方向とし、一方側をX1方向、他方側をX2方向とする。また、Z方向およびX方向と直交する方向をY方向とし、一方側をY1方向、他方側をY2方向とする。すなわち、図1は、X線位相イメージングシステム100を、Z1方向から見た模式図である。
X線位相イメージングシステム100では、X線源1と、第3格子5と、第1格子3と、第2格子4と、X線検出器2とが、X線の照射軸線50方向に、この順に並んで配置されている。すなわち、第3格子5、第1格子3、および、第2格子4、は、X線源1とX線検出器2との間に配置されている。
X線源1は、被写体90にX線を照射するように構成されている。具体的には、X線源1は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させるように構成されている。
X線検出器2は、X線源1から照射されたX線を検出するように構成されている。また、X線検出器2は、検出されたX線を電気信号に変換するように構成されている。X線検出器2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。X線検出器2は、複数の変換素子(図示せず)と複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、Y方向およびZ方向に並んで配置されている。X線検出器2の検出信号(画像信号)は、後述する画像処理部81に送られる。
第1格子3は、X線源1とX線検出器2との間に配置され、X線源1からX線が照射される。第1格子3は、Y方向に所定の周期(格子ピッチ)3cで配列されるスリット3aおよびX線位相変化部3bを有している。各スリット3aおよびX線位相変化部3bは、Z方向に直線状に延びるように形成されている。第1格子3は、いわゆる位相格子である。第1格子3は、X線源1と第2格子4との間に配置されており、X線源1から照射されたX線により(タルボ効果によって)自己像を形成するために設けられている。なお、タルボ効果は、可干渉性を有するX線が、スリットが形成された格子を通過すると、格子から所定の距離(タルボ距離)離れた位置に、格子の像(自己像)が形成されることを意味する。
第2格子4は、第1格子3からのX線が照射される。第2格子4は、Y方向に所定の周期(格子ピッチ)4cで配列される複数のX線透過部4aおよびX線吸収部4bを有している。各X線透過部4aおよびX線吸収部4bは、Z方向に直線状に延びるように形成されている。第2格子4は、いわゆる、吸収格子である。第2格子4は、第1格子3とX線検出器2との間に配置されており、第1格子3により形成された自己像に干渉するように構成されている。第2格子4は、自己像と第2格子4とを干渉させるために、第1格子3からタルボ距離だけ離れた位置に配置されている。
第3格子5は、X線源1と第1格子3との間に配置される。第3格子5は、Y方向に所定の周期(ピッチ)5cで配列される複数のスリット5aおよびX線吸収部5bを有している。各スリット5aおよびX線吸収部5bはそれぞれ、Z方向に直線状に延びるように形成されている。また、各スリット5aおよびX線吸収部5bはそれぞれ、平行に延びるように形成されている。第3格子5は、X線源1と第1格子3との間に配置されており、X線源1からX線が照射される。第3格子5は、各スリット5aを通過したX線を、各スリット5aの位置に対応する線光源とするように構成されている。
なお、本実施形態では、第1格子3、第2格子4、および、第3格子5の各々は、格子パターンがZ方向に延びる向きに配置される。なお、格子パターンとは、スリット3a、X線位相変化部3b、X線透過部4a、X線吸収部4b、スリット5a、および、X線吸収部5bなどである。
第1回転機構7は、被写体90と撮像系6とを、X線の照射軸線50と直交する方向周りの回転方向に相対回転させるように構成されている。具体的には、第1回転機構7は、X線の照射軸線50と直交する第1軸線51(図2参照)周りの第1回転方向に被写体90を回転させることにより、被写体90と撮像系6とを相対回転させるように構成されている。また、本実施形態では、第1回転機構7は、第2回転機構9を保持している。すなわち、第1回転機構7は、第2回転機構9を第1軸線51周りの第1回転方向に回転させることにより、被写体90を第1回転方向に回転させる。なお、第1回転機構7の詳細な構成については、後述する。
コンピュータ8は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)や画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)、回路(Circuitry)などのプロセッサ8aと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリとを含む。また、コンピュータ8は、記憶部8bを含む。
プロセッサ8aは、制御部80と、画像処理部81と、フィルタ処理部82と、線状部分画像生成部83と、投影画像生成部84と、を含む。制御部80は、X線源1、第1回転機構7、第2回転機構9、および、格子位置調整機構12、などの制御を行うように構成されている。制御部80、画像処理部81、フィルタ処理部82、線状部分画像生成部83、および、投影画像生成部84は、プロセッサ8aが各種プログラムを実行することにより実現される機能ブロックとしてソフトウェア的に構成される。制御部80、画像処理部81、フィルタ処理部82、線状部分画像生成部83、および、投影画像生成部84は、専用のプロセッサ(処理回路)を設けてハードウェアにより構成されていてもよい。
画像処理部81は、被写体90と撮像系6とを第1回転機構7により相対回転させながら複数の撮像角度において撮像することにより、X線検出器2によって検出されたX線の強度分布に基づいて、3次元の暗視野像43(図5参照)を含む3次元のX線位相コントラスト画像40を生成するように構成されている。画像処理部81がX線位相コントラスト画像40を生成する構成の詳細については、後述する。
フィルタ処理部82は、暗視野像43の所定の断面に対して、後述するフィルタを用いたフィルタ処理を行うように構成されている。フィルタ処理部82が行うフィルタ処理の詳細については、後述する。
線状部分画像生成部83は、後述する線状部分画像45(図10参照)を生成するように構成されている。線状部分画像生成部83が線状部分画像45を生成する処理の詳細については、後述する。
投影画像生成部84は、線状部分画像45を被写体90の厚み方向(C方向(図5参照))に投影した2次元の第1投影画像47(図13参照)を生成するように構成されている。また、本実施形態では、3次元の暗視野像43を被写体90の面内方向に投影した2次元の第2投影画像48(図15参照)を生成するように構成されている。投影画像生成部84が第1投影画像47および第2投影画像48を生成する処理の詳細については、後述する。
記憶部8bは、画像処理部81が生成したX線位相コントラスト画像40、線状部分画像生成部83が生成した線状部分画像45、投影画像生成部84が生成した第1投影画像47および第2投影画像48、および、プロセッサ8aが実行する各種プログラムを記憶するように構成されている。記憶部8bは、HDD(Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置を含む。
第2回転機構9は、被写体90と複数の格子とを、X線の照射軸線50周りの回転方向に相対回転させるように構成されている。具体的には、第2回転機構9は、被写体90をX線の照射軸線50周りの回転方向に回転させることにより、被写体90と複数の格子とを相対回転させる。なお、第2回転機構9は、X線源1と正対した状態において、X線の照射軸線50と同一直線上であり、後述する被写体載置部9a(図2参照)の中心を通る第2軸線52周りの第2回転方向に被写体90を回転させる。なお、第2回転機構9は、第1回転機構7によって、第1軸線51周りの第1回転方向に回転させられる。そのため、第1回転機構7によって第2回転機構9が回転された際の角度によって、第2軸線52が延びる方向は変化し得る。
表示部10は、画像処理部81が生成したX線位相コントラスト画像40を表示する。また、本実施形態では、表示部10は、第1投影画像47(図13参照)と、第2投影画像48(図15参照)とを表示するように構成されている。表示部10は、たとえば、液晶モニタを含む。
入力受付部11は、操作者の操作入力を受け付けるように構成されている。入力受付部11は、たとえば、キーボードやマウスなどの入力デバイスを含む。
格子位置調整機構12は、第1格子3を、X方向、Y方向、Z方向、Z方向の軸線周りの回転方向Rz(図3参照)、X方向の軸線周りの回転方向Rx(図3参照)、および、Y方向の軸線周りの回転方向Ry(図3参照)に移動可能に構成されている。
(第1回転機構および第2回転機構)
次に、図2を参照して、本実施形態による第1回転機構7、および、第2回転機構9の構成について説明する。
第1回転機構7は、載置部7aと、載置部7aを第1軸線51の周りに回転させる駆動部7bと、載置部7aを回転させる際の原点を検知する原点センサ(図示せず)とを備える。載置部7aは、上面視において、円形形状を有する。また、載置部7aのZ1方向側には、第2回転機構9が載置される載置面7cが設けられている。本実施形態では、第1回転機構7は、載置部7a(載置面7c)に、第2回転機構9が載置されることにより、第2回転機構9を保持する。なお、図2に示す例では、第1軸線51は、Z方向に延びる軸線である。
本実施形態では、第1回転機構7は、第2回転機構9を着脱可能に保持するように構成されている。また、載置面7cには、後述する第2回転機構9の係合部9eと係合する凹部7dが設けられている。凹部7dは、載置面7cの回転中心となる位置に設けられている。
図2に示すように、第2回転機構9は、被写体載置部9aと、駆動部9bと、駆動力伝達部材9cと、支持部材9dと、を備える。
被写体載置部9aは、被写体90(図1参照)が載置される。本実施形態では、被写体載置部9aは、X線の透過率が金属よりも大きく、X線の散乱度合いが金属よりも小さい樹脂材料により形成されている。なお、被写体90が載置されるとは、被写体90が被写体載置部9a上に置かれることのみならず、被写体載置部9aに張り付けることなどにより固定されることを含む。
被写体載置部9aは、駆動力伝達部材9cを介して駆動部9bと接続されている。また、被写体載置部9aは、駆動部9bの回転が駆動力伝達部材9cを介して伝達されることにより回転される。
駆動部9bは、被写体載置部9aを回転させる駆動力を付与するように構成されている。駆動部9bは、被写体載置部9aから離間し、かつ、X線の照射範囲外となる位置に設けられている。具体的には、図2に示すように、駆動部9bは、被写体載置部9aからZ2方向側に離間した位置に設けられている。駆動部9bは、駆動力を発生させるモータと、プーリーとを含む。
駆動力伝達部材9cは、駆動部9bから付与された駆動力によって被写体載置部9aを回転させるように構成されている。駆動力伝達部材9cは、ゴム材料により形成されている。
支持部材9dは、樹脂材料により形成されている。また、支持部材9dは、一方側において被写体載置部9aを回転可能に支持するように構成されている。支持部材9dは、Z1方向側において、被写体載置部9aを回転可能に保持している。
また、本実施形態では、支持部材9dには、第2回転機構9が第1回転機構7に保持された際に、被写体載置部9aの表面上であり、かつ、被写体載置部9aの回転中心を通る鉛直線と、第1軸線51とが、同一直線状となるように第1回転機構7と係合する係合部9eが設けられている。
(格子位置調整機構)
図3に示すように、格子位置調整機構12は、X方向直動機構12aと、Z方向直動機構12bと、Y方向直動機構12cと、直動機構接続部12dと、ステージ支持部駆動部12eと、ステージ支持部12fと、ステージ駆動部12gと、ステージ12hと、を含む。
X方向直動機構12a、Z方向直動機構12b、および、Y方向直動機構12cは、それぞれ、X方向、Z方向、および、Y方向に移動可能に構成されている。X方向直動機構12a、Z方向直動機構12b、および、Y方向直動機構12cは、たとえば、ステッピングモータなどを含む。格子位置調整機構12は、X方向直動機構12a、Z方向直動機構12b、および、Y方向直動機構12cの動作により、それぞれ、第1格子3を、X方向、Z方向、および、Y方向に移動させるように構成されている。
ステージ支持部12fは、第1格子3を載置させるためのステージ12hを図3の下方(Z2方向)から支持している。ステージ駆動部12gは、ステージ12hをX方向に往復移動させるように構成されている。ステージ12hは、底部がステージ支持部12fに向けて凸曲面状に形成されており、X方向に往復移動されることにより、Y方向の軸線周り(Ry方向)に回動するように構成されている。また、ステージ支持部駆動部12eは、ステージ支持部12fをY方向に往復移動させるように構成されている。また、ステージ支持部12fは底部が直動機構接続部12dに向けて凸曲面状に形成されており、Y方向に往復移動されることにより、X方向の軸線周り(Rx方向)に回動するように構成されている。また、直動機構接続部12dは、Z方向の軸線周り(Rz方向)に回動可能にY方向直動機構12cに設けられている。上記の構成により、格子位置調整機構12では、Y方向直動機構12cの動作により、第1格子3をY方向に縞走査させることができる。
(X線位相コントラスト画像を生成する構成)
次に、図4を参照して、画像処理部81(図1参照)がX線位相コントラスト画像40(図1参照)を生成する構成について説明する。画像処理部81は、X線検出器2(図1参照)によって検出されたX線の強度分布に基づいて取得された強度信号曲線20および強度信号曲線21を用いて、X線位相コントラスト画像40を生成する。X線位相コントラスト画像40は、吸収像、位相微分像、および、暗視野像を含む。また、強度信号曲線20は、被写体90を配置した状態で撮像することにより得られるX線の強度の分布を示す曲線である。また、強度信号曲線21は、被写体90を配置していない状態で撮像することにより得られるX線の強度の分布を示す曲線である。
図4に示すように、吸収像は、被写体90(図1参照)を配置して撮像した際のX線の平均強度Csと、被写体90を配置せずに撮像した際のX線の平均強度Crとの比によって生成することができる。また、位相微分像は、被写体90を配置した状態で撮像して取得した強度信号曲線20と、被写体90を配置しない状態で撮像して取得した強度信号曲線21との位相差Δφに対して、所定の算出によって求められた数を乗算することにより生成することができる。また、暗視野像は、被写体90を配置せずに撮像した際のVisibility(Vr)と被写体90を配置して撮像した際のVisibility(Vs)との比によって生成することができる。Vrは、強度信号曲線20の振幅Arと平均強度Crとの比によって求めることができる。また、Vsは、強度信号曲線21の振幅Asと平均強度Csとの比によって求めることができる。
(3次元の吸収像、位相微分像、および、暗視野像)
本実施形態では、X線位相イメージングシステム100(図1参照)は、第1回転機構7(図1参照)によって、被写体90を第1軸線51(図2参照)周りの第1回転方向に回転させながら撮像する。したがって、本実施形態では、画像処理部81は、図5に示すように、3次元の吸収像41と、3次元の位相微分像42と、3次元の暗視野像43とを生成する。すなわち、X線位相コントラスト画像40は、3次元の吸収像41と、3次元の位相微分像42と、3次元の暗視野像43とを含む。
(被写体の形状および繊維のうねり)
次に、図6および図7を参照して、被写体90の形状、および、被写体90に含まれる繊維90bのうねりについて説明する。
図6に示すように、繊維90b(図7参照)を含む被写体90は、板状形状を有している。図6に示す例では、被写体90は、正面視において矩形形状を有する。本実施形態において、被写体90の幅方向をA方向とする。また、被写体90の高さ方向をB方向とする。また、被写体90の厚み方向をC方向とする。なお、被写体90の高さ方向とは、被写体90のうちの最も長い辺が延びる方向である。また、被写体90の厚み方向とは、被写体90のうちの最も短い辺が延びる方向である。また、被写体90の幅方向とは、被写体90の高さ方向および厚み方向の各々と、互いに直交する方向である。
本実施形態では、たとえば、被写体90は、A方向における機械的強度(引張強度)を向上させるために、平面的なシート状の繊維織布を、A方向に沿った向きに配置して、かつ、C方向に複数積層し、樹脂で固めたものである。したがって、繊維90b(図7参照)は、A方向に沿った向きに配置される。
ここで、被写体90のうち、所定の高さにおけるAC断面を、被写体90の厚み方向断面90aとする。
図7に示す繊維90bは、被写体90に含まれる繊維のうちの、被写体90の厚み方向においてうねっている繊維を表している。図7に示すように、厚み方向断面90aにおいて、繊維90bがうねっている場合、被写体90の幅方向(A方向)における引張強度が低下する。なお、本明細書において、繊維90bのうねりとは、被写体90の厚み方向において、繊維90bがサイン波状(S字状)にうねること、および、被写体90の厚み方向に繊維90bが向くことを意味する。なお、図7では、便宜的に、被写体90に含まれる繊維90bを1本だけ図示しているが、実際には、被写体90には、複数の繊維が含まれる。
図8に示す暗視野像43は、被写体90(図6参照)の厚み方向に沿った方向の厚み方向断面90a(図6参照)を画像化した像である。なお、図8に示す暗視野像43は、厚み方向断面90aの暗視野像のうち、一部の領域を拡大した暗視野像である。
被写体90の厚み方向断面90aにおいて繊維90bがうねっている場合、暗視野像43aの矩形60で囲んだ領域に示すように、被写体90(図1参照)の中央部分に、サイン波状にうねった白い部分が写る。この場合、被写体90のAB面内における機械的強度(A方向における引張強度)が低下する。
そこで、本実施形態では、X線位相イメージングシステム100(図1参照)は、被写体90に含まれる繊維のうち、被写体90の厚み方向に向く繊維90bを抽出するように構成されている。
(フィルタ処理)
具体的には、フィルタ処理部82(図1参照)が、暗視野像43に対してフィルタ処理を行うことにより、被写体90に含まれる繊維のうち、被写体90の厚み方向に向く繊維90bを抽出する。具体的には、フィルタ処理部82は、ユーザによって選択された断面が写る暗視野像43に対してフィルタ処理を行う。したがって、ユーザは、所望する断面の画像を選択することにより、所望する断面における繊維90bを抽出することができる。本実施形態では、ユーザが、厚み方向断面90aが写る暗視野像43を選択した場合の例を示す。
図9に示すように、フィルタ処理部82は、暗視野像43(図8参照)の所定の断面に対して、被写体90に含まれる所定の方向に沿って延びる線状部分44(図10参照)を抽出するフィルタを用いたフィルタ処理を、所定の断面におけるフィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して行うように構成されている。本実施形態では、フィルタ処理部82は、所定の断面としての被写体90の厚み方向に沿った方向の厚み方向断面90a(図6参照)における線状部分44を抽出するように構成されている。具体的には、フィルタ処理部82は、厚み方向断面90aにおける、被写体90の厚み方向を含む所定の角度範囲内において、フィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して、フィルタ処理を行うように構成されている。なお、フィルタの角度とは、ガボールフィルタによって抽出する線状部分44を決定するためのパラメータである。図9に示す例では、フィルタの角度を、矩形30に示される直線部分31によって図示している。本実施形態では、直線部分31が縦向きの場合を、0(ゼロ)度とし、反時計回りの方向をプラスの回転角度、時計回りの回転方向をマイナスの回転角度とする。
本実施形態では、フィルタ処理部82は、フィルタとして、たとえば、ガボールフィルタを用いたフィルタ処理を行うように構成されている。ガボールフィルタとは、画像に含まれる線状部分のうち、フィルタの角度に沿った方向の線状部分を抽出するフィルタである。
図9に示すグラフ61は、暗視野像43(図8参照)に対してフィルタ処理を行った際の、所定の画素における画素値の変化を示すグラフである。グラフ61は、横軸がフィルタの角度であり、縦軸が画素値である。
図9に示す例では、フィルタの角度を、-67.5度、-45度、-22.5度、0度、22.5度、45度、67.5度、および、90度に変化させた場合の画素値を取得した。グラフ61に示す第1プロット62aは、フィルタの角度が-67.5度の場合の画素値を示している。また、第2プロット62bは、フィルタの角度が-45度の場合の画素値を示している。また、第3プロット62cは、フィルタの角度が-22.5度の場合の画素値を示している。また、第4プロット62dは、フィルタの角度が0度の場合の画素値を示している。また、第5プロット62eは、フィルタの角度が22.5度の場合の画素値を示している。また、第6プロット62fは、フィルタの角度が45度の場合の画素値を示している。また、第7プロット62gは、フィルタの角度が67.5度の場合の画素値を示している。また、第8プロット62hは、フィルタの角度が90度の場合の画素値を示している。
図9に示すように、フィルタの角度を異ならせた場合、被写体90の繊維90b(図7参照)の方向に応じて、画素値が変化する。具体的には、被写体90の繊維90bが向く方向とフィルタの角度との差異が小さくなるにつれて、画素値が大きくなる。図9に示す例では、フィルタの角度が-67.5度付近の画素値が最も大きくなっている。
グラフ61に示す曲線63は、第1プロット62a~第8プロット62hをサイン関数でフィッティングすることにより得られる曲線である。グラフ61に示す曲線63の最大値が、その画素における被写体90に含まれる線状部分44が向いている方向(角度)である。したがって、フィッティングにより得られた曲線63に基づいて、線状部分44が向いている角度を取得することができる。フィルタ処理部82は、暗視野像43(図8参照)の各画素に対して、同様のフィルタ処理を行い、被写体90に含まれる線状部分44の方向(角度)を取得する。
(線状部分画像)
本実施形態では、図10に示すように、フィルタ処理部82(図1参照)は、暗視野像43に対してフィルタの角度を異ならせてフィルタ処理を行うことにより、複数の線状部分44を取得する。具体的には、1つの暗視野像43に対して、フィルタの角度を異ならせて、複数回のフィルタ処理を行うことにより、複数の線状部分44を取得する。
第1線状部分44aは、暗視野像43に対して、角度が-45度のフィルタによってフィルタ処理することにより得られる線状部分44である。すなわち、第1線状部分44aは、暗視野像43に写る線状部分44のうち、-45度の方向に沿って延びる部分である。
第2線状部分44bは、暗視野像43に対して、角度が-22.5度のフィルタによってフィルタ処理することにより得られる線状部分44である。すなわち、第2線状部分44bは、暗視野像43に写る線状部分44のうち、-22.5度の方向に沿って延びる部分である。
第3線状部分44cは、暗視野像43に対して、角度が0度のフィルタによってフィルタ処理することにより得られる線状部分44である。すなわち、第3線状部分44cは、暗視野像43に写る線状部分44のうち、0度の方向に沿って延びる部分である。
なお、図10に示す例では、便宜的に、フィルタの角度が-45度、-22.5度、および、0度の場合の線状部分44(第1線状部分44a~第3線状部分44c)を図示している。実際には、フィルタ処理部82は、フィルタの角度が0度を中心として、所定の角度範囲において角度を異ならせフィルタによってフィルタ処理を行う。たとえば、フィルタ処理部82は、暗視野像43に対して、-45度、-22.5度、0度、22.5度、および、45度の角度のフィルタを適用し、線状部分44を取得する。
図10に示すように、線状部分画像生成部83(図1参照)は、フィルタ処理部82によって抽出された、繊維90b(図7参照)に対応する複数の線状部分44に基づいて、線状部分画像45を生成するように構成されている。具体的には、線状部分画像生成部83は、フィルタ処理部82によって抽出された複数の線状部分44を積算することにより、線状部分画像45を生成するように構成されている。なお、本実施形態では、線状部分画像生成部83は、積算処理として、複数の線状部分44の対応する位置の画素において、最も高い画素値を、線状部分画像45の画素値とする処理を行うように構成されている。線状部分画像生成部83は、線状部分44の全ての画素に対して同様の処理を行うことにより、線状部分画像45を生成する。
(角度に応じた重み付け)
ここで、上記のような積算処理を行った場合、複数の線状部分44のうちの最も画素値が高い値を線状部分画像45の画素値とするため、線状部分画像45において、線状部分44の角度の情報が失われる。したがって、ユーザが線状部分画像45を確認したとしても、被写体90(図1参照)のAB面内の機械的強度が低下している部分を一見して容易に把握することが困難である。そこで、本実施形態では、線状部分画像生成部83は、被写体90の厚み方向の重みが最も大きくなるように、線状部分44に対して重み付けを行うように構成されている。具体的には、線状部分画像生成部83は、互いに異なる角度のフィルタを用いた処理によって得られる線状部分44の信号値(画素値)に対して、角度に応じた重み付けを行うとともに、被写体90の厚み方向の角度の重み付けが最も大きくなるように重み付けを行うように構成されている。本実施形態では、線状部分画像生成部83は、被写体90の厚み方向の重みを最も大きくするため、複数の線状部分44の各々に対して、角度に応じた余弦(コサイン)の値によって、線状部分44の信号値の重み付けを行う。そして、線状部分画像生成部83は、角度に応じた余弦の値によって重み付けした後の複数の線状部分に対して積算処理を行うことにより、線状部分画像45を生成する。これにより、線状部分画像45において、被写体90の厚み方向に向く繊維90bが強調される。すなわち、線状部分画像45は、被写体90の厚み方向に向く繊維90bが強調された画像である。
(複数の暗視野像)
本実施形態によるX線位相イメージングシステム100(図1参照)が撮像する暗視野像43(図5参照)は、被写体90(図1参照)に含まれる繊維のうち、複数の格子が延びる方向と交差する方向に延びる繊維90b(図7参照)が画像化されたものである。したがって、被写体90の向きによっては、暗視野像43において画像化されない繊維が生じ得る。
そこで、本実施形態では、画像処理部81(図1参照)は、第2回転機構9(図1参照)によって、第1軸線51(図2参照)周りの第1回転方向に複数の格子に対する被写体90の向きを変更して取得した複数の暗視野像43を生成するように構成されている。
図11に示す例は、被写体90の角度を、0度、45度、および、90度に変更して撮像することにより生成された、第1暗視野像43b~第3暗視野像43dである。なお、被写体90の角度とは、複数の格子の格子方向に対する被写体90の相対的な角度である。本実施形態では、被写体90の角度は、Z1方向に沿う方向を基準(0度)とし、反時計回りの方向をプラスの回転角度、時計回りの方向をマイナスの回転角度とした角度である。なお、図11に示す例では、便宜的に、第2暗視野像43cおよび第3暗視野像43dの向きを、第1暗視野像43bの向きと揃うように、各画像を回転させた状態で図示している。また、図11に示す例では、便宜的に、被写体90の角度を0度、45度、および、90に変更した例を示している。しかしながら、被写体90の繊維90b(図7参照)の分布を詳細に確認したい場合には、被写体90の角度を、0度、22.5度、45度、67.5度、90度、-67.5度、-45度、および、-22.5度に変更して撮像することが好ましい。
第1暗視野像43bは、被写体90の角度が0度の場合の暗視野像43である。また、第2暗視野像43cは、被写体90の角度が45度の場合の暗視野像43である。また、第3暗視野像43dは、被写体90の角度が90度の場合の暗視野像43である。
図11に示すように、被写体90の角度に応じて、各暗視野像43において画像化される繊維が異なる。
(合成抽出画像)
そこで、本実施形態では、図12に示すように、フィルタ処理部82(図1参照)は、複数の暗視野像43(図11参照)の各々に対して、ガボールフィルタを用いたフィルタ処理を行うように構成されている。フィルタ処理部82は、第1暗視野像43b~第3暗視野像43dの各々に対して、フィルタの角度を異ならせてフィルタ処理を行い、また、角度に応じた余弦の値で重み付けを行うことにより、第1線状部分画像45a~第3線状部分画像45cを取得する。なお、図12に示す例では、便宜的に、第2線状部分画像45b、および、第3線状部分画像45cの向きを、第1線状部分画像45aの向きと揃うように、各画像を回転させた状態で図示している。
第1線状部分画像45aは、第1暗視野像43bに対してフィルタ処理を行って得られた線状部分画像45である。また、第2線状部分画像45bは、第2暗視野像43cに対してフィルタ処理を行って得られた線状部分画像45である。また、第3線状部分画像45cは、第3暗視野像43dに対してフィルタ処理を行って得られた線状部分画像45である。
本実施形態では、図12に示すように、線状部分画像生成部83(図1参照)は、フィルタ処理部82(図1参照)が複数の暗視野像43の各々に対してフィルタを用いたフィルタ処理を行うことにより得られた複数の線状部分44に基づいて生成された複数の線状部分画像45を合成した合成抽出画像46を生成するように構成されている。本実施形態では、線状部分画像生成部83は、複数の線状部分画像45を積算することにより、合成抽出画像46を生成するように構成されている。
(第1投影画像および第2投影画像)
ここで、暗視野像43(図8参照)は、被写体90(図1参照)の厚み方向断面90a(図6参照)を画像化した断面図である。そのため、被写体90の厚みが小さい場合などには、被写体90の厚み方向に延びる繊維90b(図7参照)の状態を一見して把握することが困難である。
そこで、本実施形態では、図13に示すように、投影画像生成部84(図1参照)は、被写体90の厚み方向(C方向)に沿った方向に暗視野像43を投影した第1投影画像47を生成するように構成されている。第1投影画像47は、被写体90の厚み方向に沿った方向における線状部分44の分布を表した画像である。投影画像生成部84は、線状部分画像45を、被写体90の厚み方向(C方向)と、被写体90の面内方向(A方向)とに投影することにより、第1投影画像47を生成するように構成されている。
(ベクトル平均投影画像)
図13に示す第1投影画像47は、被写体90(図1参照)の厚み方向に沿った方向に延びる線状部分44(図10参照)の角度と、合成抽出画像46(図12参照)の画素値とに基づくベクトルを平均してC方向に投影したベクトル平均投影画像47aである。ベクトル平均投影画像47aは、被写体90(図1参照)に含まれる線状部分44を、凡例70に示すように、角度に応じて表示態様を異ならせた画像である。凡例70は、角度が0度~90度の範囲において、赤色、紫色、青色、および、水色となるように段階的に色が変化する。また、90度~180度の範囲において、水色、緑色、黄色、および、赤色となるように、段階的に色が変化する。
図13に示すベクトル平均投影画像47aは、全体的に赤色の画像であるが、領域64においては、緑色の線状部分44が含まれる。したがって、領域64には、被写体90の厚み方向(C方向)に沿った方向に向く線状部分44が存在していることがわかる。
したがって、ユーザは、ベクトル平均投影画像47aを確認することにより、X線源1から被写体90を見た場合の、被写体90に含まれる繊維のうち、被写体90の厚み方向に沿った方向の繊維90bの分布(位置および角度)を容易に把握することができる。
(最大値投影画像)
図14に示す第1投影画像47は、合成抽出画像46(図12参照)の画素値の最大値を、C方向投影した最大値投影画像47bである。凡例71に示すように、最大値投影画像47bは、白色に近づくにつれて線状部分44(図10参照)の配向が大きくなり黒色に近づくにつれて線状部分44の配向が小さくなる。なお、本実施形態では、線状部分44の配向とは、被写体90の厚み方向に沿った方向に向いているか否かを意味している。すなわち、線状部分44が被写体90の厚み方向に沿った方向に向くほど、線状部分44の配向が大きくなる。また、線状部分44が被写体90の厚み方向と直交する方向に向くほど、線状部分44の配向が小さくなる。
図14に示す最大値投影画像47bのうち、領域65においては、白色の線状部分44が含まれる。したがって、領域65には、被写体90の厚み方向(C方向)に沿った方向に向く線状部分44が存在していることがわかる。
したがって、ユーザは、最大値投影画像47bを確認することにより、被写体90の厚み方向に沿った方向に向く繊維90bを容易に把握することができる。
(第2投影画像)
本実施形態では、図15に示すように、線状部分画像生成部83(図1参照)は、3次元の暗視野像43(図5参照)の被写体90(図1参照)の面内方向における線状部分44(図10参照)を抽出し、被写体90の面内方向に投影した2次元の第2投影画像48を生成するように構成されている。
図15に示す第2投影画像48は、被写体90の厚み方向(C方向)と直交する面内(AB面内)における線状部分44の角度と、被写体90の厚み方向断面90aを画像化した暗視野像43に対してフィルタ処理を行った後の複数の線状部分画像に基づいて生成される合成抽出画像の画素値とに基づくベクトル平均を、B方向に投影した画像である。第2投影画像48は、被写体90(図1参照)に含まれる線状部分44を、凡例70に示すように、角度に応じて表示態様を異ならせた画像である。凡例70は、角度が0度~90度の範囲において、赤色、紫色、青色、および、水色となるように段階的に色が変化する。また、90度~180度の範囲において、水色、緑色、黄色、および、赤色となるように、段階的に色が変化する。
図15に示す第2投影画像48は、全体的に赤色の画像であるが、領域66には、青色の線状部分44が含まれる。したがって、領域66には、被写体90の厚み方向と直交する方向(B方向)に向く線状部分44が存在していることがわかる。
したがって、ユーザは、第2投影画像48を確認することにより、X線源1から被写体90を見た場合の、被写体90に含まれる繊維のうちの、被写体90のAB面内における繊維90bの分布(位置および角度)を容易に把握することができる。
(暗視野像、第1投影画像、および、第2投影画像の表示)
図16に示すように、表示部10は、吸収像41(図5参照)と、位相微分像42(図5参照)と、暗視野像43とのうち、少なくともいずれかの画像と、第1投影画像47(図13参照)と、第2投影画像48とを表示するように構成されている。本実施形態では、表示部10は、暗視野像43と、第1投影画像47と、第2投影画像48とを、並べて表示するように構成されている。また、図16に示す例では、表示部10は、第1投影画像47として、ベクトル平均投影画像47aと、最大値投影画像47bとを表示している。なお、表示部10は、制御部80(図1参照)の制御に基づいて、暗視野像43と、第1投影画像47(ベクトル平均投影画像47aおよび最大値投影画像47b)と、第2投影画像48とを表示するように構成されている。
(投影画像表示処理)
次に、図17を参照して、本実施形態によるX線位相イメージングシステム100(図1参照)が、暗視野像43(図16参照)、ベクトル平均投影画像47a(図16参照)、最大値投影画像47b(図16参照)、および、第2投影画像48(図16参照)を表示部10(図16参照)に表示する処理について説明する。
ステップ101において、制御部80(図1参照)は、X線源1(図1参照)および第1回転機構7(図1参照)を制御することにより、被写体90(図1参照)と、X線を照射するX線源1とX線源1から照射されたX線を検出するX線検出器2とX線源1とX線検出器2(図1参照)との間に配置された複数の格子とを含む撮像系6とを、X線の照射軸線50(図1参照)と直交する方向周りの回転方向に相対回転させながら複数の撮像角度において撮像する。
ステップ102において、画像処理部81(図1参照)は、複数の撮像角度においてX線検出器2により検出されたX線の強度分布に基づいて、3次元の暗視野像43(図4参照)を含む3次元のX線位相コントラスト画像40(図1参照)を生成する。
ステップ103において、フィルタ処理部82(図1参照)は、暗視野像43の所定の断面(厚み方向断面90a(図6参照))に対して、被写体90に含まれる所定の方向に沿って延びる線状部分44を抽出するフィルタを用いたフィルタ処理を、所定の断面におけるフィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して行う。
ステップ104において、線状部分画像生成部83(図1参照)は、抽出された、繊維90bに対応する複数の線状部分44(図10参照)に基づいて、線状部分画像45(図10参照)を生成する。
ステップ105において、制御部80は、格子に対する被写体90の角度について、予め設定された所定の角度の全てで撮像を行ったか否かを判定する。予め設定された所定の角度の全てで撮像を行っていない場合、処理は、ステップ106へ進む。予め設定された所定の角度の全てで撮像を行った場合、処理は、ステップ107へ進む。
ステップ106において、制御部80は、第2回転機構9(図1参照)を制御することにより、被写体90を回転させる。この際、制御部80は、予め設定された角度分、被写体90を回転させる。本実施形態では、制御部80は、被写体90を22.5度回転させる。その後、処理は、ステップ101へ進む。
また、ステップ105からステップ107へ処理が進んだ場合、ステップ107において、線状部分画像生成部83(図1参照)は、複数の線状部分画像45(図12参照)を合成し、合成抽出画像46(図12参照)を生成する。
ステップ108において、投影画像生成部84(図1参照)は、第1投影画像47(図13参照)を生成する。本実施形態では、投影画像生成部84は、ベクトル平均投影画像47a(図13参照)、および、最大値投影画像47b(図14参照)を生成する。
ステップ109において、投影画像生成部84は、第2投影画像48(図15参照)を生成する。
ステップ110において、制御部80は、表示部10を制御することにより、第1投影画像47(ベクトル平均投影画像47aおよび最大値投影画像47b)と、第2投影画像48と、暗視野像43とを表示する。その後、処理は、終了する。
なお、上記ステップ108の処理と、ステップ109の処理とは、どちらが先に実行されてもよい。また、上記ステップ103の処理、および、ステップ104の処理は、ステップ105の処理の後に、まとめて行ってもよい。また、ステップ101における第1軸線51周りの角度毎に、ステップ106の全ての角度での撮像を順次行ってもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、X線位相イメージングシステム100は、被写体90に含まれる繊維を抽出するX線位相イメージングシステムであって、X線を照射するX線源1と、X線源1から照射されたX線を検出するX線検出器2と、X線源1とX線検出器2との間に配置された複数の格子と、を含む撮像系6と、被写体90と撮像系6とを、X線の照射軸線50と直交する方向周りの回転方向に相対回転させる第1回転機構7と、被写体90と撮像系6とを第1回転機構7により相対回転させながら複数の撮像角度において撮像することにより、X線検出器2によって検出されたX線の強度分布に基づいて、3次元の暗視野像43を含む3次元のX線位相コントラスト画像40を生成する画像処理部81と、暗視野像43の所定の断面に対して、被写体90に含まれる所定の方向に沿って延びる線状部分44を抽出するフィルタを用いたフィルタ処理を、所定の断面におけるフィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して行うフィルタ処理部82と、フィルタ処理部82によって抽出された、繊維90bに対応する複数の線状部分44に基づいて、線状部分画像45を生成する線状部分画像生成部83と、を備える。
これにより、ユーザは、被写体90の所定の断面における繊維90bに対応する線状部分44を画像化した線状部分画像45によって、所定の断面における繊維90bの分布を把握することができる。したがって、ユーザは、繊維を含む被写体90のうちの、所定の断面と直交する面内において、機械的強度が低下している位置を把握することができる。その結果、ユーザは、被写体90の所定の断面における線状部分画像45を確認することにより、ユーザが所望する面内において、繊維を含む被写体90の機械的強度が低下している位置を容易に把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、X線位相イメージング方法は、被写体90に含まれる繊維を抽出するX線位相イメージング方法であって、被写体90と、X線を照射するX線源1と、X線源1から照射されたX線を検出するX線検出器2と、X線源1とX線検出器2との間に配置された複数の格子と、を含む撮像系6とを、X線の照射軸線50と直交する方向周りの回転方向に相対回転させながら複数の撮像角度において撮像するステップと、複数の撮像角度においてX線検出器2により検出されたX線の強度分布に基づいて、3次元の暗視野像43を含む3次元のX線位相コントラスト画像40を生成するステップと、暗視野像43の所定の断面に対して、被写体90に含まれる所定の方向に沿って延びる線状部分44を抽出するフィルタを用いたフィルタ処理を、所定の断面におけるフィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して行うステップと、抽出された、繊維90bに対応する複数の線状部分44に基づいて、線状部分画像45を生成するステップと、を備える。
これにより、上記X線位相イメージングシステム100と同様に、ユーザが所望する面内において、繊維を含む被写体90の機械的強度が低下している位置を容易に把握することが可能なX線位相イメージング方法を提供することができる。
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
すなわち、本実施形態では、上記のように、繊維を含む被写体90は、板状形状を有しており、フィルタ処理部82は、所定の断面としての被写体90の厚み方向に沿った方向の厚み方向断面90aにおける線状部分44を抽出するように構成されている。ここで、被写体90の厚み方向に向く繊維90bが分布している場所は、被写体90の面内方向における機械的強度が低下する。そこで、上記のように構成することにより、被写体90に含まれる繊維のうち、被写体90の厚み方向に向く繊維90bを抽出することができる。その結果、被写体90の厚み方向に向く繊維90bの分布をユーザが把握することが可能となるので、被写体90の面内方向における機械的強度が低下している位置をユーザが把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、フィルタ処理部82は、厚み方向断面90aにおける、被写体90の厚み方向を含む所定の角度範囲内において、フィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して、フィルタ処理を行うように構成されている。これにより、被写体90の厚み方向を含む所定の角度範囲内に向いている繊維90bを抽出することができる。その結果、繊維90bを含む被写体90の面内方向における機械的強度が低下している位置を容易に抽出することができる。
また、本実施形態では、上記のように、線状部分画像生成部83は、被写体90の厚み方向の重みが最も大きくなるように、線状部分44に対して重み付けを行うように構成されている。これにより、被写体90の面内方向における機械的強度が低下している位置の重み付けを最も大きくすることができる。その結果、ユーザは、繊維90bを含む被写体90の面内方向における機械的強度が低下している位置を、より容易に把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、線状部分画像生成部83は、互いに異なる角度のフィルタを用いた処理によって得られる線状部分44の信号値に対して、角度に応じた重み付けを行うとともに、被写体90の厚み方向の角度の重み付けが最も大きくなるように重み付けを行うように構成されている。これにより、線状部分画像45において、被写体90の厚み方向に向く繊維90bが分布している位置の信号値の重み付けを容易に大きくすることができる。その結果、線状部分画像45において、被写体90の厚み方向に向く繊維90bが分布している位置の信号値(画素値)が大きくなるので、線状部分画像45における被写体90の面内方向における機械的強度が低下している位置を、ユーザが容易に把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、線状部分画像生成部83は、フィルタ処理部82によって抽出された複数の線状部分44を積算することにより、線状部分画像45を生成するように構成されている。これにより、たとえば、1つの線状部分44に基づいて線状部分画像45を生成する構成とは異なり、様々な方向の線状部分44を含む線状部分画像45を生成することができる。その結果、ユーザは、線状部分画像45を確認することにより、被写体90の面内方向における機械的強度が低下している位置を詳細に把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、線状部分画像45を被写体90の厚み方向に投影した2次元の第1投影画像47を生成する投影画像生成部84をさらに備える。ここで、線状部分画像45は、被写体90を正面(被写体90の厚み方向)から見た場合の画像である。そのため、被写体90の厚みが小さい場合には、被写体90の厚み方向に沿った方向において繊維90bが延びる方向、および、角度を、詳細に把握することが困難である。一方、第1投影画像47は、線状部分画像45を被写体90の厚み方向に投影した画像であるため、被写体90の厚みが小さい場合でも、被写体90の厚み方向に沿った方向において繊維90bが延びる方向、および、角度の把握が容易である。そこで、上記のように、線状部分画像45を被写体90の厚み方向に投影した2次元の第1投影画像47を生成することにより、ユーザは、第1投影画像47を確認することによって、被写体90の厚み方向に沿った方向において繊維90bが延びる方向、および、角度の詳細を、容易に把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1投影画像47は、被写体90の厚み方向に沿った方向における線状部分44の分布を表した画像であり、投影画像生成部84は、線状部分画像45を、被写体90の厚み方向と、被写体90の面内方向とに投影することにより、第1投影画像47を生成するように構成されている。これにより、ユーザは、第1投影画像47において、被写体90の厚み方向に沿った方向における線状部分44の分布を容易に確認することができる。その結果、ユーザは、第1投影画像47において、被写体90の厚み方向に沿った方向の繊維90bの分布を、容易に把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、被写体90と複数の格子とを、X線の照射軸線50周りの回転方向に相対回転させる第2回転機構9をさらに備え、画像処理部81は、第2回転機構9によって複数の格子に対する被写体90の向きを変更して取得した複数の暗視野像43を生成するように構成されており、フィルタ処理部82は、複数の暗視野像43の各々に対して、フィルタを用いたフィルタ処理を行うように構成されている。ここで、暗視野像43では、被写体90の繊維のうち、複数の格子に沿った方向に延びる繊維90bが画像化される。したがって、被写体90と複数の格子との相対角度によっては、画像化されない繊維が生じる。そこで、上記のように構成することにより、第2回転機構9によって、被写体90と複数の格子との相対角度を変更して取得された複数の暗視野像43に基づいて、被写体90に含まれる繊維を、繊維が延びる方向によらずに抽出することができる。その結果、被写体90に含まれる、様々な方向に向く繊維を抽出することが可能となるので、被写体90の機械的強度が低下している位置を精度よく抽出することができる。
また、本実施形態では、上記のように、線状部分画像生成部83は、フィルタ処理部82が複数の暗視野像43の各々に対してフィルタを用いたフィルタ処理を行うことにより得られた複数の線状部分44に基づいて生成された複数の線状部分画像45を合成した合成抽出画像46を生成するように構成されている。これにより、被写体90に含まれる、様々な方向に向く繊維を画像化した複数の線状部分画像45に基づいて、合成抽出画像46が生成されるので、様々な方向に向く繊維を画像化した合成抽出画像46を生成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、線状部分画像生成部83は、3次元の暗視野像43の被写体90の面内方向における線状部分44を抽出し、被写体90の面内方向に投影した2次元の第2投影画像48を生成するように構成されており、第1投影画像47と、第2投影画像48とを表示する表示部10をさらに備える。これにより、ユーザは、第1投影画像47により、被写体90の厚み方向に沿った方向に向く繊維90bの分布を確認することが可能であるとともに、第2投影画像48によって、被写体90の面内方向における繊維の分布を確認することができる。その結果、ユーザは、被写体90に含まれる繊維の3次元的な分布を把握することが可能となるので、被写体90の機械的強度が低下している位置を、3次元的に把握することができる。
また、本実施形態では、上記のように、X線位相コントラスト画像40は、3次元の吸収像41と、3次元の位相微分像42とをさらに含み、表示部10は、吸収像41と、位相微分像42と、暗視野像43とのうち、少なくともいずれかの画像と、第1投影画像47と、第2投影画像48とを表示するように構成されている。これにより、ユーザは、吸収像41と、位相微分像42と、暗視野像43とのうちのいずれかの画像と、第1投影画像47と、第2投影画像48とを、比較しながら確認することができる。したがって、ユーザは、第1投影画像47および第2投影画像48によって、被写体90における繊維の分布を確認することが可能であるとともに、吸収像41と、位相微分像42と、暗視野像43とのうちのいずれかの画像によって、被写体90の外形などを確認することができる。その結果、ユーザの利便性(ユーザビリティ)を向上させることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、X線位相イメージングシステム100が、X線位相コントラスト画像40、線状部分画像45、合成抽出画像46、第1投影画像47、および、第2投影画像48を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。X線位相イメージングシステム100は、少なくとも、X線位相コントラスト画像40と、線状部分画像45とを生成すればよい。
また、上記実施形態では、線状部分画像45を投影した第1投影画像47および第2投影画像48を表示部10に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図18に示すように、暗視野像43における繊維90cを強調した繊維方向強調画像49を表示部10に表示するように構成されていてもよい。繊維方向強調画像49は、凡例72に示すように、線状部分画像45に基づいて、暗視野像43に写る繊維90cの角度に応じて、繊維90cを強調表示した画像である。なお、凡例72は、上記実施形態における凡例70(図13参照)と同様に、角度が0度~90度の範囲において、赤色、紫色、青色、および、水色となるように段階的に色が変化する。また、90度~180度の範囲において、水色、緑色、黄色、および、赤色となるように、段階的に色が変化する。
繊維方向強調画像49に含まれる繊維90cは、大部分が赤色で表示されるが、領域67に含まれる繊維90bは、緑色および水色で表示される。すなわち、領域67に含まれる繊維90cは、被写体90の厚み方向(C方向)に沿った方向に向いている。繊維方向強調画像49を表示部10に表示することによっても、ユーザは、被写体90に含まれる繊維のうち、被写体90の厚み方向に沿った方向の繊維90cの分布(位置および角度)を容易に把握することができる。
また、上記実施形態では、被写体90が板状形状を有し、フィルタ処理部82が、被写体90の厚み方向断面90aに対してフィルタ処理を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。被写体90は、板状形状以外の形状を有していてもよい。また、フィルタ処理部82は、被写体90の厚み方向断面90a以外の断面に対してフィルタ処理を行ってもよい。
また、上記実施形態では、線状部分画像生成部83が、被写体90の厚み方向の重みが最も大きくなるように、線状部分44に対して重み付けを行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。線状部分画像生成部83は、線状部分44に対して重み付けを行わなくてもよい。
また、上記実施形態では、線状部分画像生成部83が、積算処理として、複数の線状部分44の対応する画素において、最も高い画素値を、線状部分画像45の画素値とする処理を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、線状部分画像生成部83は、複数の線状部分44の対応する画素の画素値を加算することにより、線状部分画像45を生成するように構成されていてもよい。また、線状部分画像生成部83は、複数の線状部分44の対応する画素の画素値の平均値によって、線状部分画像45を生成するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、X線位相イメージングシステム100が、投影画像生成部84を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、X線位相イメージングシステム100は、投影画像生成部84を備えていなくてもよい。X線位相イメージングシステム100が投影画像生成部84を備えていない場合、たとえば、制御部80は、線状部分画像45、合成抽出画像46、または、図18に示す繊維方向強調画像49のいずれかを、暗視野像43とともに表示部10に表示すればよい。
また、上記実施形態では、投影画像生成部84が、第1投影画像47として、ベクトル平均投影画像47aおよび最大値投影画像47bの両方を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、投影画像生成部84は、ベクトル平均投影画像47aおよび最大値投影画像47bのいずれかを生成するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、制御部80が、第1投影画像47として、ベクトル平均投影画像47aおよび最大値投影画像47bの両方を、表示部10に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部80は、ベクトル平均投影画像47aおよび最大値投影画像47bのいずれかを、表示部10に表示するように構成されていてもよい。また、制御部80は、ユーザの選択に基づいて、ベクトル平均投影画像47aおよび最大値投影画像47bのいずれかを、表示部10に表示するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、制御部80が、暗視野像43と、第1投影画像47と、第2投影画像48とを表示部10に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部80は、少なくとも、暗視野像43と第1投影画像47とを表示部10に表示すればよく、第2投影画像48を表示部10に表示しないように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、投影画像生成部84が、第2投影画像48を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、投影画像生成部84は、第2投影画像48を生成しなくてもよい。
また、上記実施形態では、X線位相イメージングシステム100が第2回転機構9を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、X線位相イメージングシステム100は、第2回転機構9を備えていなくてもよい。しかしながら、X線位相イメージングシステム100が第2回転機構9を備えていない場合、被写体90と複数の格子との角度によっては、暗視野像43において画像化されない繊維が生じる可能性がある。したがって、X線位相イメージングシステム100は、第2回転機構9を備えていることが好ましい。
また、上記実施形態では、線状部分画像生成部83が、複数の線状部分画像45を合成した合成抽出画像46を生成する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、線状部分画像生成部83は、合成抽出画像46を生成しなくてもよい。この場合、たとえば、制御部80は、複数の線状部分画像45を、暗視野像43とともに表示部10に表示するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、制御部80が、X線位相コントラスト画像40のうち、暗視野像43を表示部10に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部80は、X線位相コントラスト画像40のうち、吸収像41と、位相微分像42と、暗視野像43とを、任意の組み合わせで表示するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、フィルタ処理部82が、暗視野像43に対して、-45度、-22.5度、0度、22.5度、および、45度の角度のフィルタを適用し、線状部分44を取得する。構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。フィルタ処理部82によるフィルタ処理の際のフィルタの角度は、任意に設定し得る。また、フィルタ処理部82によるフィルタ処理の際の、フィルタの角度の個数は、任意の個数に設定し得る。
また、上記実施形態では、制御部80が、第2回転機構9を制御することにより、被写体90の角度を、0度、45度、および、90度に変更して撮像する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。制御部80による複数の格子に対する被写体90の角度は、任意に設定し得る。また、制御部80による複数の格子に対する被写体90の角度の個数は、任意の個数に設定し得る。
また、上記実施形態では、第1回転機構7が、被写体90を回転させることにより、被写体90と撮像系6とを相対回転させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1回転機構7は、撮像系6を回転させることにより、被写体90と撮像系6とを相対回転させるように構成されていてもよい。しかしながら、第1回転機構7が撮像系6を回転させる構成の場合、第1回転機構7が大型化する。したがって、第1回転機構7は、被写体90を回転させるように構成されることが好ましい。
また、上記実施形態では、図2に示すように、第2回転機構9が、被写体載置部9aと、駆動部9bと、駆動力伝達部材9cと、支持部材9dと、を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。被写体90を第2軸線52周りの第2回転方向に回転可能であれば、第2回転機構9の構成は問わない。
また、上記実施形態では、第2回転機構9が、被写体90を回転させることにより、被写体90と複数の格子とを相対回転させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2回転機構9が、複数の格子を回転させることにより、被写体90と複数の格子とを相対回転させるように構成されていてもよい。この場合、第2回転機構9は、1つの回転機構によって複数の格子を回転させるように構成されていてもよい。また、第2回転機構9は、1つの回転機構によって1つの格子を回転させるように構成されていてもよい。この場合、第2回転機構9は、各格子に設ければよい。
また、上記実施形態では、フィルタ処理部82が、ガボールフィルタを用いる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。フィルタ処理部82は、ガボールフィルタ以外のフィルタを用いたフィルタ処理を行うように構成されていてもよい。たとえば、フィルタ処理部82は、暗視野像43のA方向およびB方向の各々の方向に沿って、各画素の画素値のプロファイルを取得し、線状部分44を取得するようなフィルタ処理を行うように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、X線位相イメージングシステム100が、被写体90として、CFRPを撮像する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、X線位相イメージングシステム100は、被写体として、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を撮像するように構成されていてもよい。繊維複合材料であれば、どのような被写体を撮像してもよい。
また、上記実施形態では、格子位置調整機構12が、第1格子3を、X方向、Y方向、Z方向、回転方向Rz、回転方向Rxおよび回転方向Ryに移動可能に構成される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、格子位置調整機構12は、X方向、Y方向、Z方向、回転方向Rz、回転方向Rxおよび回転方向Ryの内、いずれか1つまたは複数の方向のみに移動可能に構成されていてもよい。また、格子位置調整機構12は、第2格子4または第3格子5を移動可能に構成されていてもよい。なお、縞走査を行う場合は、格子位置調整機構12を、縞走査を行う方向に格子を移動可能に構成する必要がある。
また、上記実施形態では、複数の格子は、X線源1から照射されたX線の可干渉性を高めるための第3格子5を含むように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。X線源1から照射されるX線の可干渉性が高ければ、第3格子5を含まない構成としてもよい。
また、上記実施形態では、タルボ効果による自己像を形成するために、第1格子3を位相格子とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、自己像は縞模様であればよいので、位相格子の代わりに吸収格子を用いてもよい。吸収格子を用いると、距離などの光学条件により単純に縞模様が発生する領域(非干渉計)と、タルボ効果による自己像が生じる領域(干渉計)とが生じる。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
被写体に含まれる繊維を抽出するX線位相イメージングシステムであって、
X線を照射するX線源と、前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置された複数の格子と、を含む撮像系と、
前記被写体と前記撮像系とを、X線の照射軸線と直交する方向周りの回転方向に相対回転させる第1回転機構と、
前記被写体と前記撮像系とを前記第1回転機構により相対回転させながら複数の撮像角度において撮像することにより、前記X線検出器によって検出されたX線の強度分布に基づいて、3次元の暗視野像を含む3次元のX線位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、
前記暗視野像の所定の断面に対して、前記被写体に含まれる所定の方向に沿って延びる線状部分を抽出するフィルタを用いたフィルタ処理を、前記所定の断面における前記フィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して行うフィルタ処理部と、
前記フィルタ処理部によって抽出された、前記繊維に対応する複数の前記線状部分に基づいて、線状部分画像を生成する線状部分画像生成部と、を備える、X線位相イメージングシステム。
(項目2)
前記繊維を含む前記被写体は、板状形状を有しており、
前記フィルタ処理部は、前記所定の断面としての前記被写体の厚み方向に沿った方向の厚み方向断面における前記線状部分を抽出するように構成されている、項目1に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目3)
前記フィルタ処理部は、前記厚み方向断面における、前記被写体の厚み方向を含む所定の角度範囲内において、前記フィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して、前記フィルタ処理を行うように構成されている、項目2に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目4)
前記線状部分画像生成部は、前記被写体の厚み方向の重みが最も大きくなるように、前記線状部分に対して重み付けを行うように構成されている、項目2または3に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目5)
前記線状部分画像生成部は、互いに異なる角度の前記フィルタを用いた処理によって得られる前記線状部分の信号値に対して、角度に応じた重み付けを行うとともに、前記被写体の厚み方向の角度の重み付けが最も大きくなるように重み付けを行うように構成されている、項目4に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目6)
前記線状部分画像生成部は、前記フィルタ処理部によって抽出された複数の前記線状部分を積算することにより、前記線状部分画像を生成するように構成されている、項目2~5のいずれか1項に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目7)
前記線状部分画像を前記被写体の厚み方向に投影した2次元の第1投影画像を生成する投影画像生成部をさらに備える、項目6に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目8)
前記第1投影画像は、前記被写体の厚み方向に沿った方向における前記線状部分の分布を表した画像であり、
前記投影画像生成部は、前記線状部分画像を、前記被写体の厚み方向と、前記被写体の面内方向とに投影することにより、前記第1投影画像を生成するように構成されている、項目7に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目9)
前記被写体と前記複数の格子とを、X線の照射軸線周りの回転方向に相対回転させる第2回転機構をさらに備え、
前記画像処理部は、前記第2回転機構によって前記複数の格子に対する前記被写体の向きを変更して取得した複数の前記暗視野像を生成するように構成されており、
前記フィルタ処理部は、前記複数の暗視野像の各々に対して、前記フィルタを用いた前記フィルタ処理を行うように構成されている、項目2~8のいずれか1項に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目10)
前記線状部分画像生成部は、前記フィルタ処理部が前記複数の暗視野像の各々に対して前記フィルタを用いた前記フィルタ処理を行うことにより得られた前記複数の線状部分に基づいて生成された前記複数の線状部分画像を合成した合成抽出画像を生成するように構成されている、項目9に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目11)
前記線状部分画像生成部は、前記3次元の暗視野像の前記被写体の面内方向における前記線状部分を抽出し、前記被写体の面内方向に投影した2次元の第2投影画像を生成するように構成されており、
前記第1投影画像と、前記第2投影画像とを表示する表示部をさらに備える、項目7に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目12)
前記X線位相コントラスト画像は、3次元の吸収像と、3次元の位相微分像とをさらに含み、
前記表示部は、前記吸収像と、前記位相微分像と、前記暗視野像とのうち、少なくともいずれかの画像と、前記第1投影画像と、前記第2投影画像とを表示するように構成されている、項目11に記載のX線位相イメージングシステム。
(項目13)
被写体に含まれる繊維を抽出するX線位相イメージング方法であって、
前記被写体と、X線を照射するX線源と、前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置された複数の格子と、を含む撮像系とを、X線の照射軸線と直交する方向周りの回転方向に相対回転させながら複数の撮像角度において撮像するステップと、
複数の撮像角度において前記X線検出器により検出されたX線の強度分布に基づいて、3次元の暗視野像を含む3次元のX線位相コントラスト画像を生成するステップと、
前記暗視野像の所定の断面に対して、前記被写体に含まれる所定の方向に沿って延びる線状部分を抽出するフィルタを用いたフィルタ処理を、前記所定の断面における前記フィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して行うステップと、
抽出された、前記繊維に対応する複数の前記線状部分に基づいて、線状部分画像を生成するステップと、を備える、X線位相イメージング方法。
1 X線源
2 X線検出器
6 撮像系
7 第1回転機構
9 第2回転機構
10 表示部
40 X線位相コントラスト画像
41 吸収像
42 位相微分像
43 暗視野像
44 線状部分
45 線状部分画像
46 合成抽出画像
47 第1投影画像
48 第2投影画像
50 X線の照射軸
81 画像処理部
82 フィルタ処理部
83 線状部分画像生成部
84 投影画像生成部
90 被写体
90a 厚み方向断面
90b 繊維(被写体の厚み方向に向く繊維)
100 X線イメージング装置

Claims (13)

  1. 被写体に含まれる繊維を抽出するX線位相イメージングシステムであって、
    X線を照射するX線源と、前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置された複数の格子と、を含む撮像系と、
    前記被写体と前記撮像系とを、X線の照射軸線と直交する方向周りの回転方向に相対回転させる第1回転機構と、
    前記被写体と前記撮像系とを前記第1回転機構により相対回転させながら複数の撮像角度において撮像することにより、前記X線検出器によって検出されたX線の強度分布に基づいて、3次元の暗視野像を含む3次元のX線位相コントラスト画像を生成する画像処理部と、
    前記暗視野像の所定の断面に対して、前記被写体に含まれる所定の方向に沿って延びる線状部分を抽出するフィルタを用いたフィルタ処理を、前記所定の断面における前記フィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して行うフィルタ処理部と、
    前記フィルタ処理部によって抽出された、前記繊維に対応する複数の前記線状部分に基づいて、線状部分画像を生成する線状部分画像生成部と、を備える、X線位相イメージングシステム。
  2. 前記繊維を含む前記被写体は、板状形状を有しており、
    前記フィルタ処理部は、前記所定の断面としての前記被写体の厚み方向に沿った方向の厚み方向断面における前記線状部分を抽出するように構成されている、請求項1に記載のX線位相イメージングシステム。
  3. 前記フィルタ処理部は、前記厚み方向断面における、前記被写体の厚み方向を含む所定の角度範囲内において、前記フィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して、前記フィルタ処理を行うように構成されている、請求項2に記載のX線位相イメージングシステム。
  4. 前記線状部分画像生成部は、前記被写体の厚み方向の重みが最も大きくなるように、前記線状部分に対して重み付けを行うように構成されている、請求項3に記載のX線位相イメージングシステム。
  5. 前記線状部分画像生成部は、互いに異なる角度の前記フィルタを用いた処理によって得られる前記線状部分の信号値に対して、角度に応じた重み付けを行うとともに、前記被写体の厚み方向の角度の重み付けが最も大きくなるように重み付けを行うように構成されている、請求項4に記載のX線位相イメージングシステム。
  6. 前記線状部分画像生成部は、前記フィルタ処理部によって抽出された複数の前記線状部分を積算することにより、前記線状部分画像を生成するように構成されている、請求項2に記載のX線位相イメージングシステム。
  7. 前記線状部分画像を前記被写体の厚み方向に投影した2次元の第1投影画像を生成する投影画像生成部をさらに備える、請求項6に記載のX線位相イメージングシステム。
  8. 前記第1投影画像は、前記被写体の厚み方向に沿った方向における前記線状部分の分布を表した画像であり、
    前記投影画像生成部は、前記線状部分画像を、前記被写体の厚み方向と、前記被写体の面内方向とに投影することにより、前記第1投影画像を生成するように構成されている、請求項7に記載のX線位相イメージングシステム。
  9. 前記被写体と前記複数の格子とを、X線の照射軸線周りの回転方向に相対回転させる第2回転機構をさらに備え、
    前記画像処理部は、前記第2回転機構によって前記複数の格子に対する前記被写体の向きを変更して取得した複数の前記暗視野像を生成するように構成されており、
    前記フィルタ処理部は、前記複数の暗視野像の各々に対して、前記フィルタを用いた前記フィルタ処理を行うように構成されている、請求項2に記載のX線位相イメージングシステム。
  10. 前記線状部分画像生成部は、前記フィルタ処理部が前記複数の暗視野像の各々に対して前記フィルタを用いた前記フィルタ処理を行うことにより得られた前記複数の線状部分に基づいて生成された前記複数の線状部分画像を合成した合成抽出画像を生成するように構成されている、請求項9に記載のX線位相イメージングシステム。
  11. 前記線状部分画像生成部は、前記3次元の暗視野像の前記被写体の面内方向における前記線状部分を抽出し、前記被写体の面内方向に投影した2次元の第2投影画像を生成するように構成されており、
    前記第1投影画像と、前記第2投影画像とを表示する表示部をさらに備える、請求項7に記載のX線位相イメージングシステム。
  12. 前記X線位相コントラスト画像は、3次元の吸収像と、3次元の位相微分像とをさらに含み、
    前記表示部は、前記吸収像と、前記位相微分像と、前記暗視野像とのうち、少なくともいずれかの画像と、前記第1投影画像と、前記第2投影画像とを表示するように構成されている、請求項11に記載のX線位相イメージングシステム。
  13. 被写体に含まれる繊維を抽出するX線位相イメージング方法であって、
    前記被写体と、X線を照射するX線源と、前記X線源から照射されたX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置された複数の格子と、を含む撮像系とを、X線の照射軸線と直交する方向周りの回転方向に相対回転させながら複数の撮像角度において撮像するステップと、
    複数の撮像角度において前記X線検出器により検出されたX線の強度分布に基づいて、3次元の暗視野像を含む3次元のX線位相コントラスト画像を生成するステップと、
    前記暗視野像の所定の断面に対して、前記被写体に含まれる所定の方向に沿って延びる線状部分を抽出するフィルタを用いたフィルタ処理を、前記所定の断面における前記フィルタの角度を異ならせた複数の角度に対して行うステップと、
    抽出された、前記繊維に対応する複数の前記線状部分に基づいて、線状部分画像を生成するステップと、を備える、X線位相イメージング方法。
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