以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1Aに示すように、本発明の第1実施形態に係るコイル装置10は、略直方体形状からなり、電源回路等に用いられる結合コイルとして機能する。コイル装置10のX軸方向幅は好ましくは3.0~20.0mmであり、Y軸方向幅は好ましくは3.0~20.0mmであり、Z軸方向幅は好ましくは3.0~20.0mmである。
図2に示すように、コイル装置10は、第1コア20aと、第2コア20bと、第1導体30と、第2導体40とを有する。第1導体30および第2導体40のいずれか一方は一次コイルとして機能し、他方は二次コイルとして機能する。導体30,40の詳細については後述する。
第1コア20aおよび第2コア20bは、それぞれ同一形状を有し、いわゆるE字形状からなる。第1コア20aと第2コア20bとは、Y軸方向に対向するように配置されており、接着剤等を用いて接合される。第1コア20aおよび第2コア20bは、磁性体で構成され、たとえば、比較的透磁率の高い磁性材料、例えばNi-Zn系フェライトや、Mn-Zn系フェライト、あるいは金属磁性体などで構成された磁性粉体を、成型および焼結することにより作製される。
第1コア20aは、第1ベース部21aと、一対の第1外脚部22a,22aと、一対の第1外脚部22a,22aの各々の間に配置される第1中脚部23aと、第1溝部24aと、第1側方溝部25a,25aとを有する。第1ベース部21aは、略平板形状(略直方体形状)からなる。
一対の第1外脚部22a,22aは、それぞれ第1ベース部21aのX軸方向の一方側および他方側の端部に、X軸方向に所定の間隔で形成されている。第1外脚部22a,22aは、それぞれ第1ベース部21aのY軸方向の一方側の面から、Y軸方向の一方側に向けて所定長だけ突出している。第1外脚部22a,22aは、それぞれZ軸方向に細長い形状を有し、第1ベース部21aのZ軸方向の上端から下端部にかけて延在している。
第1中脚部23aは、第1ベース部21aのX軸方向の略中心部に形成されている。第1中脚部23aは、第1ベース部21aのY軸方向の一方側の面から、Y軸方向の一方側に向けて所定長だけ突出している。第1中脚部23aは、Z軸方向に細長い形状を有し、第1ベース部21aのZ軸方向の上部から下端にかけて延在している。第1中脚部23aのY軸方向への突出幅は、第1外脚部22aのY軸方向の突出幅と略等しくなっている。図示の例では、第1中脚部23aのX軸方向幅は、第1外脚部22aのX軸方向幅よりも大きく、略2~3倍程度となっている。
図3に示すように、第1中脚部23aのうち実装基板の実装面50と対向する面には、絶縁コーティングが施されており、絶縁コーティング層26が形成されている。絶縁コーティング層26はエポキシ樹脂あるいはウレタン樹脂等の樹脂系材料で構成されている。絶縁コーティング層26の厚みは、好ましくは1~200μmである。なお、絶縁コーティング層26は、第2コア20bの第2中脚部23bの底面にも同様に形成されている。
図2に示すように、第1溝部24aは、第1導体30の形状に対応する形状(略U字形状)を有しており、第1中脚部23aの周囲に沿うように延在している。第1溝部24aの内部には、第1導体30および第2導体40を重ねて配置させることが可能となっている。第1溝部24aは、第1側方部241と、第2側方部242と、上方部243とを有する。
第1側方部241および第2側方部242は、それぞれZ軸方向に沿って略直線状に延在しており、第1ベース部21aのZ軸方向の上端部から下端部にかけて延在している。第1側方部241はX軸方向の一方側に位置する第1外脚部22aと第1中脚部23aとの間に形成されており、第2側方部242はX軸方向の他方側に位置する第1外脚部22aと第1中脚部23aとの間に形成されている。第1側方部241および第2側方部242の各々のX軸方向幅は、導体30,40の各々の厚み(板厚)の和よりも大きくなっている。後述するように、第1側方部241には導体30,40の導体側部31,41が配置され、第2側方部242には導体30,40の導体側部32,42が配置される。
上方部243は、第1ベース部21aの上方に形成されており、X軸方向に沿って延在している。上方部243は、第1側方部241の上端部と第2側方部242の上端部とを接続している。上方部243のZ軸方向幅は、導体30,40の各々の厚み(板厚)の和よりも大きくなっている。後述するように、上方部243には、導体30,40の導体上部33,43が配置される。
一対の第1側方溝部25a,25aは、それぞれX軸方向の一方側および他方側に位置する第1外脚部22a,22aの下方に形成されており、X軸方向に沿って、第1ベース部21aのX軸方向の一端側および他端側に向かって延びている。第1側方溝部25a,25aは、それぞれ側方部241,242の下端部に接続されており、側方部241,242と第1側方溝部25a,25aとで略L字状の溝部が形成されている。第1側方溝部25a,25aの各々のZ軸方向幅は、第1導体30の厚み(板厚)と同程度、あるいはそれよりも大きくなっている。後述するように、第1側方溝部25a,25aには、それぞれ第1導体30の実装部34,35が配置される。
第2コア20bは、第2ベース部21bと、一対の第2外脚部22b,22bと、一対の第2外脚部22b,22bの各々の間に配置される第2中脚部23b(図1B)と第2溝部24bと、第2側方溝部25b,25bとを有する。第2外脚部22b,22bは第1外脚部22a,22aに対向して配置され、第2中脚部23bは第1中脚部23aに対向して配置される。第2コア20bの形状は第1コア20aの形状と同様であるため、第2コア20bにおける上記各部の形状の説明については省略する。
図1Bに示すように、第1コア20aと第2コア20bとの組み合わせは、第1ベース部21aとはY軸方向の反対側に位置する第1コア20aの一方側の面と、第2ベース部21bとはY軸方向の反対側に位置する第2コア20bの一方側の面とを接着剤等(図示略)を介して接合することにより可能となっている。より詳細には、コア20a,20bの外脚部22a,22b同士および/または中脚部23a,23b同士が接合される。
第1コア20aと第2コア20bとをY軸方向に対向させつつ組み合わせると、第1コア20aと第2コア20bとの間に、外脚部22a,22bが形成された位置でY軸方向に所定幅を有するギャップG1,G2が形成され、中脚部23a,23bが形成された位置でY軸方向に所定幅を有するギャップG3が形成される。
ギャップG1は、X軸方向に所定の長さを有し、X軸方向の一方側に位置する第1外脚部22aおよび第2外脚部22bの各々の間に形成される。ギャップG2は、X軸方向に所定の長さを有し、X軸方向の他方側に位置する第1外脚部22aおよび第2外脚部22bの各々の間に形成される。ギャップG1,G2のX軸方向の長さは、外脚部22a,22bのX軸方向の長さと等しくなっている。また、ギャップG1,G2は、Z軸方向にも所定の長さを有し、その長さは外脚部22a,22bのZ軸方向の長さと等しくなっている。
ギャップG3は、X軸方向に所定の長さを有し、第1中脚部23aと第2中脚部23bとの間に形成される。ギャップG3のX軸方向の長さは、中脚部23a,23bのX軸方向の長さと等しくなっている。図示の例では、ギャップG3のX軸方向の長さは、ギャップG1,G2のX軸方向の長さよりも長くなっている。また、ギャップG3はZ軸方向にも所定の長さを有し、その長さは第1中脚部23a,23bのZ軸方向の長さと等しくなっている。ギャップG1~G3は、第1コア20aと第2コア20bとの境界部に沿って同一直線状に形成されている。
ギャップG1のY軸方向幅W1は、好ましくは0.1~1.0mmであり、さらに好ましくは0.1~0.5mmである。ギャップG2およびG3のY軸方向幅についても同様である。なお、ギャップG1~G3の各々のY軸方向幅は異なっていてもよい。
図2に示すように、第1導体30は、導体板からなり、湾曲形状(略U字形状)を有する。第1導体30は、第2導体40とともに、第1コア20aと第2コア20bとの間に配置される。第1導体30を構成する材料としては、例えば、銅および銅合金、銀、ニッケルなどの金属の良導体が挙げられるが、導体材料であれば特に限定されない。第1導体30は、例えば、金属の板材を機械加工して形成されるが、第1導体30の形成方法はこれに限定されるものではない。
図示の例では、第1導体30は全体として縦長形状を有しており、第1導体30のZ軸方向の高さは、そのX軸方向の幅よりも大きくなっている。第1導体30の延在方向に垂直な断面積は、第2導体40の延在方向に垂直な断面積よりも大きくなっている。また、第1導体30の厚み(板厚)は、第2導体40の厚み(板厚)よりも大きくなっている。第1導体30の厚みは好ましくは0.5~2.5mmであり、第2導体40の厚みは好ましくは0.1~1mmである。第1導体30のY軸方向の幅は、第2導体40のY軸方向の幅と略等しくなっていてもよい。
第1導体30の表面全体には、メッキ層が形成されている。メッキ層は、単層あるいは複層からなり、例えばCuメッキ、Niメッキ、Snメッキ、Ni-Snメッキ、Cu-Ni-Snメッキ、Ni-Auメッキ、Auメッキ等の金属メッキ層からなる。メッキ層は、第1導体30の表面に、たとえば電界メッキまたは無電界メッキを施すことにより形成される。メッキ層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1~30μmである。
第1導体30は、第1導体側部31と、第2導体側部32と、導体上部33と、第1実装部(外側実装部)34と、第2実装部(外側実装部)35とを有する。第1導体側部31および第2導体側部32は、それぞれZ軸方向に沿って延びている。第1導体30のうち、第1導体側部31が配置されている側が入力端子(あるいは、出力端子)として機能し、第2導体側部32が配置されている側が出力端子(あるいは、入力端子)として機能する。導体上部33は、X軸方向に沿って延びており、第1導体側部31および第2導体側部32の各々を接続している。
第1実装部34および第2実装部35は、それぞれ第1導体30の一端部および他端部、すなわち第1導体側部31および第2導体側部32の下端部に連続して(一体に)形成されている。実装部34,35は、導体側部31,32に対して略垂直方向に屈曲しており、X軸方向の外側に向かって延びている。これらの実装部34,35を介して、第1導体30を実装基板の実装面50(図3)に接続することが可能となっている。第1導体30の実装面50への接合は、例えばはんだや導電性接着剤等の接合部材を介して行われる。
図1Aに示すように、実装部34,35の端部(端面)は、第1コア20aおよび第2コア20bのX軸方向の側方から外部に露出している。また、図3に示すように、実装部34,35の下面は、第1コア20aおよび第2コア20bの下方から外部に露出している。このように実装部34,35を外部に露出させることにより、実装部34,35の周辺に生じる熱を効率的にコア20a,20bの外部に放熱することが可能となっている。
第1導体側部31と第1実装部34との境界付近には、X軸方向の外側(第2導体40が配置されている側とは反対側)に向けて屈曲する第1外側屈曲部38が形成されており、第2導体側部32と第2実装部35との境界付近には、X軸方向の外側に向けて屈曲する第2外側屈曲部39が形成されている。
図1Bおよび図2に示すように、第1導体30の外面には第1外側切り欠き部36および第2外側切り欠き部37が形成されている。第1外側切り欠き部36は、第1導体側部31および第1実装部34の表面に形成されており、第1導体側部31および第1実装部34の延在方向(長手方向)に沿って延びている。第1外側切り欠き部36は、凹溝からなり、その内側にはテーパ面が形成されている。第1外側切り欠き部36の形状は、第1導体側部31および第1実装部34が為す形状に等しく、略L字状となっている。第1外側切り欠き部36は、第1導体側部31および第1実装部34のY軸方向の略中心部に形成されており、第1導体側部31の上端から第1実装部34の端部まで連続的に延びている。
第2外側切り欠き部37は、第2導体側部32および第2実装部35の表面に形成されており、第2導体側部32および第2実装部35の延在方向(長手方向)に沿って延びている。第2外側切り欠き部37は、凹溝からなり、その内側にはテーパ面が形成されている。第2外側切り欠き部37の形状は、第2導体側部32および第2実装部35が為す形状に等しく、略L字状となっている。第2外側切り欠き部37は、第2導体側部32および第2実装部35のY軸方向の略中心部に形成されており、第2導体側部32の上端から第2実装部35の端部まで連続的に延びている。
外側切り欠き部36,37は、ギャップG1,G2に対応する位置(ギャップG1,G2に近接した位置)で、第1導体30に形成されている。より詳細には、外側切り欠き部36,37は、第1導体30に隣接する外脚部22a,22bの外脚縁部22a1,22b1に沿って、Z軸方向に延びるように、導体側部31,32に形成されている。また、外側切り欠き部36,37は、外脚部22a,22bの下端部に沿って、X軸方向に延びるように、実装部34,35に形成されている。
第1外側切り欠き部36はギャップG1のX軸方向の他端側と対向しており(面しており)、ギャップG1に対応する位置では、第1導体30の表面とギャップG1のX軸方向の他端側との距離は、第1外側切り欠き部36の深さDに応じた距離だけ離れている。第2外側切り欠き部37はギャップG2のX軸方向の一端側と対向しており(面しており)、ギャップG2に対応する位置では、第1導体30の表面とギャップG2のX軸方向の一端側との距離は、第2外側切り欠き部37の深さに応じた距離だけ離れている。
外側切り欠き部36,37のY軸方向幅は、ギャップG1,G2のY軸方向幅よりも大きくなっている。第1外側切り欠き部36のY軸方向幅W2とギャップG1のY軸方向幅W1との比W2/W1は、好ましくは0.5~10であり、さらに好ましくは1~7であり、特に好ましくは3~5である。第2外側切り欠き部37のY軸方向幅とギャップG2のY軸方向幅との比についても同様である。
第1外側切り欠き部36のY軸方向幅W2と、第1導体30のY軸方向幅W3との比W2/W3は、好ましくは0.2~0.8であり、さらに好ましくは0.3~0.5である。第2外側切り欠き部37のY軸方向幅と第1導体30のY軸方向幅との比についても同様である。
第1外側切り欠き部36の深さDと第1導体30の厚みT1との比D/T1は、好ましくは0.1~0.5であり、さらに好ましくは0.2~0.4である。第2外側切り欠き部37の深さと第1導体30の厚みT1との比についても同様である。
第1外側切り欠き部36の深さDとギャップG1のY軸方向幅W1との関係は、D>W1であることが好ましいが、これに限定されるものではない。上記深さDと上記幅W1との比D/W1は、好ましくは0.5~5であり、さらに好ましくは1~3である。第2外側切り欠き部37の深さとギャップG2のY軸方向幅との関係についても同様である。
本実施形態では、上記のようにW2/W1、W2/W3、D/T1またはD/W1の各値を決定し、あるいはD>W1とすることにより、ギャップG1,G2に対応する位置において、ギャップG1,G2で発生する漏れ磁束が、導体側部31,32および実装部34,35に当たることを防止することが可能となっている。
図2に示すように、第2導体40は、平角線からなり、湾曲形状(略U字形状)を有する。第2導体40は、第1導体30と同様の材料で構成することが可能である。第2導体40は、第1導体30とともに、コア20a,20bの内部(溝部24a,24bの内部)に配置される。溝部24a,24bの内部に導体30,40を配置させたとき、第1導体30の内側に第2導体40が所定の間隔をあけて配置され、第2導体40の内側に中脚部23a,23bが配置され、第1導体30の外側に外脚部22a,22bが配置される。
図示の例では、第2導体40は縦長形状を有しており、第2導体40のZ軸方向の高さは、そのX軸方向の長さよりも長くなっている。第2導体40は、第1導体30よりも小さく、その配置時において、第1導体30によって取り囲まれる。
第2導体40は、第1導体側部41と、第2導体側部42と、導体上部43と、第1実装部(内側実装部)44と、第2実装部(内側実装部)45とを有する。第1導体側部41および第2導体側部42は、それぞれZ軸方向に沿って延びており、X軸方向に対向して配置されている。第2導体40のうち、第1導体側部41が配置されている側が入力端子(あるいは、出力端子)として機能し、第2導体側部42が配置されている側が出力端子(あるいは、入力端子)として機能する。
第2導体40の第1導体側部41は、第1導体30の第1導体側部31に沿って略平行に延在しており、第2導体40の第2導体側部42は、第1導体30の第2導体側部32に沿って略平行に延在している。
導体上部43は、X軸方向に沿って延びており、第1導体側部41および第2導体側部42の各々の上端部を接続している。第2導体40の導体上部43は、第1導体30の導体上部33に沿って略平行に延在している。
第1実装部44および第2実装部45は、それぞれ第2導体40の一端部および他端部、すなわち第1導体側部41および第2導体側部42の下端部に連続して(一体に)形成されている。
実装部44,45は、導体側部41,42に対して略垂直方向に屈曲しており、X軸方向の内側に向かって延びている。図3に示すように、実装部44,45は中脚部23a,23bの底面に沿って延びており、実装部44,45の上面と中脚部23a,23bの底面との間には所定幅の隙間が形成されている。なお、上述したように、中脚部23a,23bの底面には絶縁コーティング層26が形成されているため、中脚部23a,23bと実装部44,45とは良好に絶縁されている。
第2導体40の第1実装部44の延在方向は、第1導体30の第1実装部34の延在方向とはX軸方向に関して逆向きになっている。また、第2導体40の第2実装部45の延在方向は、第1導体30の第2実装部35の延在方向とはX軸方向に関して逆向きになっている。
これらの実装部44,45を介して、第2導体40を実装基板の実装面50に接続することが可能となっている。第2導体40の実装面50への接合は、例えばはんだや導電性接着剤等の接合部材を介して行われる。
実装部44,45の下面は、第1コア20aおよび第2コア20bの下方から外部に露出している。このように実装部44,45を外部に露出させることにより、実装部44,45の周辺に生じる熱を効率的にコア20a,20bの外部に放熱することが可能となっている。
実装部44,45は、実装基板の実装面50に対向可能な実装対向面440,450を有する。実装対向面440,450は、実装面50に接続される面である。実装対向面440,450の詳細については後述する。
第1導体30と第2導体40との間には、絶縁層70が形成されている。絶縁層70は、第1導体30と第2導体40との間に介在しており、第1導体30と第2導体40とを良好に絶縁する役割を果たす。本実施形態における絶縁層70は、第2導体40の表面に形成された絶縁被膜で構成されており、第2導体40に対して一体的に形成されている。図示の例では、絶縁層70の表面(外面)は第1導体30の内面には接しておらず、絶縁層70の外面と第1導体30の内面との間には隙間が形成されている。
絶縁層70の態様としては種々考えられ、例えば第2導体40の表面に形成された絶縁被膜が融着してなる融着層で絶縁層70を構成してもよい。この場合、第1導体30の内面と第2導体40の外面とが融着層(絶縁層70)を介して接続され、第1導体30と第2導体40との間の隙間に絶縁層70を隙間なく充填させることが可能となり、第1導体30と第2導体40との間の絶縁を十分に確保することができる。また、第1導体30と第2導体40とを絶縁層70を介して接続することにより、第1導体30と第2導体40の間の磁気結合を高める効果が得られる。
融着層は第2導体40の表面に形成された絶縁被膜を加熱することにより形成することが可能である。なお、融着層は第2導体40の表面に形成された絶縁被膜とは別で構成されていてもよく、例えば第2導体40の表面に絶縁被膜と融着層とが二層で形成されていてもよい。
また、例えば絶縁層70は第2導体40とは別体で形成された樹脂体(樹脂スペーサのようなもの)で構成されてもよい。この場合、上記樹脂体の形状を、第1導体30と第2導体40との間の隙間の形状(略U字形状)に対応する屈曲形状とすることにより、第2導体40の外面および第1導体30の内面に沿うように絶縁層70を形成することが可能となる。
図2に示すように、絶縁層70は、第2導体40の表面全体を覆っている(ただし、後述する実装対向面440,450における接合可能面441,451を除く)。絶縁層70を形成する範囲は図示の範囲に限定されるものではなく、絶縁層70は、少なくとも第1導体30の内面と第2導体40の外面とが対向する位置に形成されていればよい。
図3に示すように、第1導体30の内面と第2導体40の外面との間の距離をLとしたとき、絶縁層70の厚みT3は、0<T3≦Lの範囲内で適宜決定される。例えば、絶縁層70を第2導体40の表面に形成された絶縁被膜で構成する場合、その厚みは、好ましくは1~200μmであり、さらに好ましくは1~100μmである。また、例えば、絶縁層70を上述した第2導体40とは別体で形成された樹脂体で構成する場合、絶縁層70の厚みを上記厚みより厚くしてもよい。
絶縁層70を構成する材料は、特に限定されるものではないが、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、エポキシ、エポキシ変性アクリル樹脂等が挙げられる。
絶縁層70は、導体側部41,42および導体上部43において、その外面と内面とこれらに直交する側面とを全体的に覆っている。導体側部41,42および導体上部43の内面に絶縁層70を形成することにより、第2導体40とコア20a,20bの中脚部23a,23bとを良好に絶縁することが可能となっている。
第2導体40とコア20a,20bの中脚部23a,23bとの間において、絶縁層70は、第2導体40に対して一体的に形成されており、第2導体40(導体側部41,42および導体上部43)の内面に沿って延在している。なお、第2導体40とコア20a,20bの中脚部23a,23bとの間に形成された絶縁層70の態様は、前述の第1導体30と第2導体40との間に形成された絶縁層70の態様と同様である。
また、絶縁層70は、実装部44,45において、その内面と側面と端面(第2導体40の各端面)とを全体的に覆っている一方で、その外面(実装対向面440,450)については部分的に覆っているのみである。
より詳細には、実装対向面440,450は、絶縁層70が形成されていない接合可能面441,451と、絶縁層70が形成されている非接合面442,452とを有する。接合可能面441,451には絶縁層70が形成されていないため、接合可能面441,451には導電性が付与されており、ハンダ等の接合部材を介して、接合可能面441,451と実装基板の実装面50とを接続することが可能となっている。
接合可能面441,451は、実装部44,45のX軸方向の略中央部から実装部44,45の先端部(第2導体40の各端部)にかけて形成されている。非接合面442,452は、実装部44,45の基端部(導体側部41,42との接続部)から実装部44,45のX軸方向の略中央部にかけて形成されている。それ故、本実施形態では、非接合面442,452は、接合可能面441,451よりも、第1導体30に近接して形成されることになる。
このように、本実施形態では、第2導体40の内面ではその長手方向に沿って全域に絶縁層70が形成されているのに対して、第2導体40の外面ではその長手方向の両端部にのみ絶縁層70が形成されていない領域が存在する。
図2に示すように、第1導体側部41と第1実装部44との境界付近には、X軸方向の内側(第1導体30が配置されている側とは反対側)に向けて屈曲する第1内側屈曲部46が形成されており、第2導体側部42と第2実装部45との境界付近には、X軸方向の内側に向けて屈曲する第2内側屈曲部47が形成されている。第2導体40の内側屈曲部46,47の外面の曲率半径は、第1導体30の外側屈曲部38,39の内面の曲率半径よりも小さくなっている。
コイル装置10の製造では、図2に示す第1コア20aと第2コア20bと第1導体30と第2導体40とを準備する。第2導体40としては、例えば、表面に絶縁被膜(絶縁層70)が形成された平角線を図2に示す形状に機械加工したものを準備する。なお、このような絶縁被膜付きの平角線は、例えば金属の板材を樹脂液に浸漬させることにより形成することができる。
第2導体40の実装対向面440,450には、絶縁層70が形成されていない接合可能面441,451を形成しておく。接合可能面441,451は、上述した平角線に対して、接合可能面441,451を形成すべき位置にレーザ照射等を施し、実装対向面440,450から絶縁層70を剥離することにより形成される。なお、絶縁層70の剥離は、やすり等で平角線の表面を削ることにより行ってもよい。好ましくは、はんだディップ等によって、絶縁層70の剥離部分にはんだを付着させる。これにより、接合可能面441,451におけるはんだ濡れ性を良好にすることが可能となる。なお、接合可能面441,451の形成は、平角線を図2に示す形状に加工する前に行ってもよく、あるいは加工した後に行ってもよい。
次いで、第1導体30と第2導体40とを第1コア20a(第2コア20b)の第1溝部24a(第2溝部24b)の内部に重ねて配置する。より詳細には、第2導体40を第1中脚部23a(第2中脚部23b)の周囲を取り囲むように配置し、その後、その第2導体40の周囲を取り囲むように、所定の間隔をあけて第1導体30を配置する。このとき、第1導体30および/または第2導体40を接着剤等によって第1コア20aに固定してもよい。
なお、予め第1導体30の内面と第2導体40の外面とを絶縁層70(融着層)を介して接合したものを、第1コア20a(第2コア20b)の第1溝部24a(第2溝部24b)の内部に配置してもよい。このように、第1導体30と第2導体40とを絶縁層70を介して一体化させておくことにより、第1コア20a(第2コア20b)の第1溝部24a(第2溝部24b)内部への配置が容易になる。
次いで、第2溝部24b(第1溝部24a)の内部に第1導体30および第2導体40が収まるように、第1コア20a(第2コア20b)に第2コア20b(第1コア20a)を組み合わせる。
このとき、図1Bに示すように、X軸方向の一方側に位置する第1外脚部22aおよび第2外脚部22bの各々の間にギャップG1が形成され、X軸方向の他方側に位置する第1外脚部22aおよび第2外脚部22bの各々の間にギャップG2が形成され、第1中脚部23aおよび第2中脚部23bの各々の間にギャップG3が形成されるように、Y軸方向に所定の間隔を設けた状態で、第1コア20aと第2コア20bとを組み合わせる。
これにより、外側切り欠き部36,37がギャップG1,G2と向かい合い、外側屈曲部38,39がギャップG3と向かい合うように配置される。その後、第1コア20aと第2コア20bとを接着剤等で接合することにより、図1Aに示すコイル装置10が得られる。
その後、図1Cに示すように、コア20a,20bの上面にテープ部材60を貼付し、テープ部材60の表面に製造番号等の文字(識別子/図示の例では「R15」という文字)を印字してもよい。あるいは、コア20a,20bの上面に、製造番号等の文字(識別子)を予め印字しておいたテープ部材60を貼付してもよい。テープ部材60は、例えばカプトンテープであり、コア20a,20bに跨るように貼付される。テープ部材60への文字の印字は、レーザ照射等によって行われる。なお、従来では、コアの上面にレーザ照射により文字を刻字し、その上から文字を覆うようにテープ部材を貼付していたが、この場合、コアの上面に刻字された文字が見え難くなるという問題があった。本実施形態のように、コアの上面に貼付したテープ部材に文字を印字することにより、あるいは文字が印字されたテープ部材をコアの上面に貼付することにより、文字を鮮明に視認することが可能となり、上述した問題を効果的に防止することができる。
以上、図2および図3に示すように、本実施形態におけるコイル装置10は、第1導体30と、第1導体30の内側に配置され、少なくとも一部(導体側部41,42および導体上部43)が第1導体30(導体側部31,32および導体上部33)に沿って延在する第2導体40とを有し、少なくとも第1導体30と第2導体40との間には絶縁層70が形成されている。この場合、第1導体30と第2導体40とは所定の間隔をあけて重ねて(二重に)配置されることになるが、このような配置の下では、第1導体30と第2導体40の間で、磁束を効率よく伝達させることが可能であり、第1導体30と第2導体40の間の磁気結合を十分に大きくすることができる。また、第1導体30と第2導体40とは、これらの間に介在する絶縁層70を介して十分に絶縁されるため、第1導体30と第2導体40との間でショート不良が発生することを防止することが可能であり、信頼性の高いコイル装置10を実現することができる。
また、本実施形態における第2導体40は平角線からなり、絶縁層70は当該第2導体40の表面に形成された絶縁被膜からなる。このように、絶縁被膜付きの平角線を第2導体40として用いることにより、第1導体30の内側に第2導体40を重ねて配置するだけで、第1導体30と第2導体40との間に絶縁層70を介在させることが可能となり、上述した効果を容易に得ることができる。
また、本実施形態では、絶縁層70が、コア20a,20bの中脚部23a,23bと第2導体40との間に形成されている。そのため、中脚部23a,23bと第2導体40とが、これらの間に介在する絶縁層70を介して十分に絶縁されるため、中脚部23a,23bと第2導体40との間でショート不良が発生することを防止することが可能であり、信頼性の高いコイル装置10を実現することができる。
また、本実施形態における第1導体30は、表面にめっき層が形成された導体板からなる。そのため、第1導体30の表面にハンダや導電性接着剤等の接合部材が付着しやすくなり、第1導体30を実装基板の実装面50に強固に接続することができる。特に、接合部材としてハンダを用いる場合、第1導体30の側面にハンダフィレットを容易に形成することが可能であり、これにより第1導体30と実装基板の実装面50との間の接続を強固なものとすることができる。
また、本実施形態では、実装対向面440,450が、絶縁層70が形成されていない接合可能面441,451と、絶縁層70が形成されている非接合面442,452とを有し、非接合面442,452は、接合可能面441,451に比べて、第1導体30に近接して形成されている。この場合、接合可能面441,451には上述した接合部材が付着しやすくなる一方で、非接合面442,452には接合部材が付着しにくくなる。そのため、接合可能面441,451に付着させた接合部材が第1導体30に向けてはみ出すことを非接合面442,452で阻止することが可能となり、第1導体30と第2導体40の間でハンダボール等に起因するショート不良が発生することを効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、外側屈曲部38,39の内面の曲率半径が、第2導体40の内側屈曲部46,47の外面の曲率半径よりも大きい。この場合、外側屈曲部38,39の内面の曲げ角度は、内側屈曲部46,47の外面の曲げ角度よりも小さくなる。そのため、内側屈曲部46,47の外面は、実装基板の実装面50の近傍で急激に屈曲するのに対して、外側屈曲部38,39の内面は、実装基板の実装面50から離れた位置から緩やかに屈曲する。それ故、外側屈曲部38,39の内面と内側屈曲部46,47の外面との間に比較的大きなスペースが形成され、実装面50の周囲において、第1導体30と第2導体40との間でショート不良が発生することを効果的に防止することができる。また、第2導体40の実装部44,45が接続される実装基板のランドパターンがX軸方向に幅広である場合であっても、第1導体30の実装部34,35と当該ランドパターンとの接触を防止することができる。
また、本実施形態では、第1導体30の延在方向に垂直な断面積は、第2導体40の延在方向に垂直な断面積よりも大きい。そのため、第1導体30の直流抵抗を第2導体40の直流抵抗に比べて小さくすることができる。
また、本実施形態では、コア20a,20bの中脚部23a,23bの底面に、絶縁コーティング層26が形成されている。そのため、絶縁コーティング層26を介して、中脚部23a,23bの底面と第2導体40との間の絶縁を十分に確保することができる。
第2実施形態
本発明の第2実施形態に係るコイル装置110は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第1実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。図面において、第1実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、重複する部分の説明については省略する。
図4Aおよび図5に示すように、コイル装置110は、第1コア120aと、第2コア120bと、第1導体130と、第2導体40とを有する。第1コア120aは、一対の第1外脚部122a,122aを有する一方で、図2に示す側方溝部25a,25bを具備していないという点において、第1実施形態における第1コア20aとは異なる。第1外脚部122a,122aのZ軸方向の長さは、側方溝部25a,25bを具備しない分だけ長くなっている。
第2コア120bは、平板形状からなるという点において、第1実施形態における第2コア20bとは異なる。第1コア120aと第2コア120bとを組み合わせたとき、いわゆるEI型のコアが形成される。
図4Bに示すように、X軸方向の一方側に位置する第1外脚部122aと第2コア120bとの間にはギャップG4が形成され、X軸方向の他方側に位置する第1外脚部122aと第2コア120bとの間にはギャップG5が形成されている。ギャップG4,G5の各々は、第1外脚部122aに沿って、Z軸方向およびX軸方向に延びている。
また、第1中脚部23aと第2コア120bとの間には、ギャップG6が形成されている。ギャップG6は、第1中脚部23aに沿って、Z軸方向およびX軸方向に延びている。
図5に示すように、第1導体130は、第1導体側部131と、第2導体側部132と、導体上部133と、第1実装部134と、第2実装部135とを有する。導体側部131,132の上端には段差部131a,132aが形成されており、導体側部131,132の下端には段差部131b,132bが形成されている。段差部131a,132aは、導体側部131,132の両側面(XZ平面に平行な面)に形成されており、段差部131b,132bは、導体側部131,132の内面(YZ平面に平行な面)に形成されている。
導体上部133のY軸方向の幅は、導体側部131,132の上端に段差部131a,132aが形成された分だけ、図2に示す第1導体30の導体上部33のY軸方向の幅よりも小さくなっている。
第1実装部134は、第1実装屈曲部340と第1実装接続部341と第1実装本体部342とを有する。第2実装部135は、第2実装屈曲部350と第2実装接続部351と第2実装本体部352とを有する。実装屈曲部340,350は、導体側部131,132の下端部に連続して(一体的に)形成されている。実装屈曲部340,350は、導体側部131,132に対して略垂直方向に屈曲しており、第1コア120aが配置されている側に向かってY軸方向に延びている。
実装接続部341,351は、実装屈曲部340,350の端部に連続して(一体的に)形成されており、実装屈曲部340,350と実装本体部342,352とを接続している。実装接続部341,351は、X軸方向の外側に向かって延びている。
実装本体部342,352は、実装接続部341,351の端部に連続して(一体的に)形成されており、第2コア120bが配置されている側に向かってY軸方向に延びている。実装本体部342,352を介して、第1導体130を実装基板の実装面(図示略)に接続することが可能となっている。実装本体部342,352の実装面への接合は、例えばはんだや導電性接着剤等の接合部材を介して行われる。
第1導体130の外面には、第1外側切り欠き部136および第2外側切り欠き部137が形成されている。外側切り欠き部136,137は、導体側部131,132および実装屈曲部340,350の延在方向(長手方向)に沿って連続的に延びている。外側切り欠き部136,137の一部(上端部)は、導体上部133のX軸方向の各端部にも形成されている。
図4Bおよび図5に示すように、第1外側切り欠き部136は、導体上部133と第1導体側部131と第1実装屈曲部340の各々のY軸方向の一方側の角部(導体上部133と第1導体側部131と第1実装屈曲部340の各々の外面と側面との間の角部)を面取りした面取部からなる。第2外側切り欠き部137は、導体上部133と第2導体側部132と第2実装屈曲部350の各々のY軸方向の一方側の角部(導体上部133と第2導体側部132と第2実装屈曲部350の各々の外面と側面との間の角部)を面取りした面取部からなる。外側切り欠き部136,137が形成された位置では、導体上部133と導体側部131,132と実装屈曲部340,350の各々には傾斜面(C面)が具備されている。
外側切り欠き部136,137は、ギャップG4,G5に対応する位置(ギャップG4,G5に近接した位置)で、導体130に形成されている。より詳細には、外側切り欠き部136,137は、導体130に隣接する外脚部122a,122aの外脚縁部122a1,122a1に沿って、Z軸方向に延びるように、導体130に形成されている。
第1外側切り欠き部136はギャップG4のX軸方向の他端側に対して斜め方向に面しており、ギャップG4に対応する位置では、導体130の表面とギャップG4のY軸方向の他端側との距離は、第1外側切り欠き部136のY軸方向幅W5あるいはX軸方向幅W6に応じた距離だけ離れている。第2外側切り欠き部137はギャップG5のX軸方向の一端側に対して斜め方向に面しており、ギャップG5に対応する位置では、導体130の表面とギャップG5のY軸方向の一端側との距離は、第2外側切り欠き部137のY軸方向幅あるいはX軸方向幅に応じた距離だけ離れている。
外側切り欠き部136,137のY軸方向幅は、ギャップG4,G5のY軸方向幅よりも大きいことが好ましいが、これに限定されるものではない。第1外側切り欠き部136のY軸方向幅W5とギャップG4のY軸方向幅W4との比W5/W4は、好ましくは0.5~6であり、さらに好ましくは1~5であり、特に好ましくは2~4である。第2外側切り欠き部137のY軸方向幅とギャップG5のZ軸方向幅との比についても同様である。
外側切り欠き部136,137のX軸方向幅は、ギャップG4,G5のY軸方向幅よりも大きいことが好ましいが、これに限定されるものではない。第1外側切り欠き部136のX軸方向幅W6とギャップG4のY軸方向幅W4との比W6/W4は、好ましくは0.5~6であり、さらに好ましくは1~5であり、特に好ましくは2~4である。第2外側切り欠き部137のX軸方向幅とギャップG5のY軸方向幅との比についても同様である。
第1外側切り欠き部136のY軸方向幅W5と、導体130のY軸方向幅W7との比W5/W7は、好ましくは0.1~0.5であり、さらに好ましくは0.2~0.3である。第2外側切り欠き部137のY軸方向幅と導体130のY軸方向幅W7との比についても同様である。
第1外側切り欠き部136のX軸方向幅W6と導体130の厚みT2(図5)との比W6/T2は、好ましくは0.1~0.9であり、さらに好ましくは0.3~0.7である。第2外側切り欠き部137のX軸方向幅と導体130の厚みT2との比についても同様である。
本実施形態では、上記のようにW5/W4、W6/W4、W5/W7またはW6/T2の各値を決定し、あるいはW5>W4またはW6>W4とすることにより、ギャップG4,G5に対応する位置において、ギャップG4,G5で発生する漏れ磁束が、導体上部133に当たることを防止することが可能となっている。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、実装部134,135のサイズ(特に、実装本体部342,352のサイズ)が第1実施形態における実装部34,35のサイズに比べて小さいため、コイル装置110の小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、図6に示すように、導体側部131,132に下端に段差部131b,132bが形成されているため、段差部131b,132bの段差幅の分だけ、第1導体130の実装部134,135(実装屈曲部340,350)と第2導体40の実装部44,45との間にスペースが形成され、実装基板の実装面(図示略)の周囲において、第1導体130と第2導体40との間でショート不良が発生することを効果的に防止することができる。
第3実施形態
本発明の第3実施形態に係るコイル装置210は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第1実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。図面において、第1実施形態および第2実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、重複する部分の説明については省略する。
図7に示すように、コイル装置210は、第1コア120aと、第2コア220bと、第1導体30と、第2導体240とを有する。第2コア220bは、第1コア120aと同様の形状を有する。
図8に示すように、第2導体240は、第1実装部244と第2実装部245とを有する。実装部244,245の端部(第2導体240の各端部)は、上方に立ち上げられている。図9に示すように、実装部244,245の端面は、コア120a,220bの中脚部23a,23bの底面に対してZ軸方向に所定の間隔をあけて配置されている。
第1実装部244は第1実装対向面440’を有し、第2実装部245は第2実装対向面450’を有する。第1実装対向面440’は実装基板の実装面(図示略)に対して立ち上げられる第1立上部443を有し、第2実装対向面450’は実装基板の実装面に対して立ち上げられる第2立上部453を有する。立上部443,453は、接合可能面441’,451’のX軸方向の途中位置において、実装基板の実装面に対して立ち上げられる。
本実施形態でも第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態では、実装対向面440’,450’が立上部443,453を有する。そのため、実装部244,245に対して、実装基板の実装面との対向面だけでなく、立上部443,453にも接合部材を付着させることが可能となる。そのため、接合部材としてハンダを用いる場合において、立上部443,453にハンダフィレットを形成することが可能となり、実装基板の実装面に第2導体240を強固に接続することができる。また、第2導体の実装部244,245に例えばハンダボールが形成されることに起因する実装部244,245間のショート不良の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、コア120a,220bの底面が、実装基板の実装面(図示略)から離間した位置に配置される。より詳細には、図7に示すように、コア120a,220bの底面は、実装基板の実装面に接続される実装部34,35の底面から、第1導体30の厚みと同程度だけ、あるいはこれよりも大きい距離だけ離間して配置されている。そのため、本実施形態では、コア120a,220bの底面と実装基板の実装面との間の絶縁を十分に確保することが可能となり、特にコア120a,220bを金属磁性体等で構成する場合において、コア120a,220bの底面と実装面との間でショート不良が発生することを効果的に防止することができる。
第4実施形態
本発明の第4実施形態に係るコイル装置310は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第1実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。図面において、第1実施形態~第3実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、重複する部分の説明については省略する。
図10に示すように、コイル装置310は、第1コア120aと、第2コア220bと、第1導体30と、第2導体40と、樹脂スペーサ80とを有する。樹脂スペーサ80は、コア120a,220bの下方に配置され、第1導体30および第2導体40に跨るように固定される。樹脂スペーサ80は、主として第1導体30と第2導体40との間の絶縁を良好に図る機能を有する。
図11および図12に示すように、樹脂スペーサ80は、ベース部81と、第1側方絶縁部82aと、第2側方絶縁部82bと、第1溝部83aと、第2溝部83bと、突出部84とを有する。
ベース部81は、平板形状を有し、第1実装部44および第2実装部45の各々の上方に配置され、第2導体40の第1導体側部41および第2導体側部42の各々の下端部の間に挟まれるように固定される。
ベース部81のX軸方向の略中央部には、Y軸方向に延びる突出部84が形成されている。突出部84は、第2導体40の実装部44,45の各々の間に形成された隙間に配置されている。突出部84の下方への突出幅は実装部44,45の厚み(板厚)と略等しくなっており、突出部84を介して第1実装部44と第2実装部45とをX軸方向に隔てることが可能となっている。突出部84は、第2導体40をハンダ等の接合部材を介して実装基板の実装面(図示略)に接続したときに、第1実装部44と第2実装部45とが接合部材(ハンダボール)を介して接続される現象(ハンダブリッジ)を防止するためのものである。
第1溝部83aはベース部81と第1側方絶縁部82aとの間に形成されており、第2溝部83bはベース部81と第2側方絶縁部82bとの間に形成されている。溝部83a,83bは、Y軸方向に沿って延在しており、溝部83a,83bのY軸方向の一端は閉塞されている一方で、Y軸方向の他端は開放されている。この溝部83a,83bのY軸方向の他端を通じて、第2導体40の導体側部41,42の下端部を溝部83a,83bの内部へ挿通させることが可能となっている。
第1側方絶縁部82aは、第1溝部83aを挟んで、ベース部81のX軸方向の一方側に配置されている。第2側方絶縁部82bは、第2溝部83bを挟んで、ベース部81のX軸方向の他方側に配置されている。側方絶縁部82a,82bは、Y軸方向に延びており、ベース部81と同様のY軸方向幅を有する。第1側方絶縁部82aの上面には第1傾斜部85aが形成されており、第2側方絶縁部82bの上面には第2傾斜部85bが形成されている。
第1側方絶縁部82aは、第1導体30の第1実装部34(図10)と第2導体40の第1導体側部41との間に配置される。このとき、第1導体30の第1外側屈曲部38の形状に沿うように、第1傾斜部85aが配置される。
第2側方絶縁部82bは、第1導体30の第2実装部35(図10)と第2導体40の第2導体側部42との間に配置される。このとき、第1導体30の第2外側屈曲部39の形状に沿うように、第2傾斜部85bが配置される。
側方絶縁部82a,82bは、導体30,40をハンダ等の接合部材を介して実装基板の実装面(図示略)に接続したときに、第1導体30の第1実装部34(第2実装部35)と第2導体40の第1実装部44(第2実装部45)とが接合部材を介して接続される現象(ハンダブリッジ)を防止するためのものである。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態では、第1導体30の実装部34,35と第2導体40の実装部44,45とが樹脂スペーサ80を介して絶縁されている。そのため、第1実装部34,35と第2実装部44,45との間でショート不良が発生することを効果的に防止することができる。
第5実施形態
本発明の第5実施形態に係るコイル装置410は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第4実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。図面において、第4実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、重複する部分の説明については省略する。
図13に示すように、コイル装置410は、第1コア420aと、第2コア420bと、樹脂スペーサ90とを有する。第2コア420bは、底面凹部27を有する。底面凹部27は、第2コア420bの第2ベース部21bの底面に形成されており、第2ベース部21bの底面からZ軸方向の上方に向けて凹んでいる。底面凹部27は、X軸方向に沿って所定の長さを有し、第2ベース部21bのX軸方向の一方側から他方側にかけて連続的に形成されている。詳細な図示は省略するが、第1コア420aの第1ベース部21aの底面にも同様に、底面凹部27が形成されている。底面凹部27は、コア420a,420bの各々の底面に樹脂スペーサ90を配置したときに、樹脂スペーサ90が干渉(接触)しないようにするために設けられたものである。したがって、底面凹部27のZ軸方向の深さは、樹脂スペーサ90のZ軸方向の厚みと同等以上であることが好ましい。
凹部27のX軸方向の一端には底面凸部27aが形成され、凹部27のX軸方向の他端には底面凸部27bが形成される。底面凸部27aおよび底面凸部27bの各々の底面は、第1導体30の第1実装部34および第2実装部35の各々の底面の位置よりも上方に位置し、第2導体40の第1実装部44および第2実装部45の各々の底面の位置よりも上方に位置する。なお、底面凸部27a,27bについては省略してもよい(図10参照)。
図14Aに示すように、樹脂スペーサ90は、内側絶縁部91と、第1側方絶縁部92aと、第2側方絶縁部92bと、第1溝部93aと、第2溝部93bと、突出部94と、接続部96とを有する。樹脂スペーサ90は、第2導体40の第1実装部44および第2実装部45の位置に取り付けられる。
内側絶縁部91は、略平板形状を有し、Y軸方向に沿って延在している。図15に示すように、内側絶縁部91は、第2導体40の第1実装部44および第2実装部45の各々の上方に配置され、第2導体40の第1導体側部41の下端部と第2導体側部42の下端部との間に挟まれるように固定される。より詳細には、内側絶縁部91は、第2導体40の一方の端部と他方の端部との間において、コア420a,420bの底面と第2導体40の第1実装部44との間に配置されるとともに、コア420a,420bの底面と第2導体40の第2実装部45との間に配置される。
内側絶縁部91は、主として、コア420a,420bと第2導体40の実装部44,45との間の絶縁を図るための機能を有する。すなわち、コア420a,420bの底面と第1実装部44との間に内側絶縁部91の一部を配置することにより、内側絶縁部91を介して、これらの間の絶縁距離を十分に確保することが可能となり、コア420a,420bの底面と第1実装部44とを十分に絶縁することができる。同様に、コア420a,420bの底面と第2実装部45との間に内側絶縁部91の一部を配置することにより、内側絶縁部91を介して、これらの間の絶縁距離を十分に確保することが可能となり、コア420a,420bの底面と第2実装部45とを十分に絶縁することができる。
また、コア420a,420bの底面と第2導体40の第1実装部44との間に内側絶縁部91の一部を配置し、これらの間の空間を内側絶縁部91の一部で埋めることにより、第1実装部44を実装基板のランドパターンに例えばはんだで接続するときに、はんだボールによって、第1実装部44とコア420a,420bの底面とが接続される問題(ショート不良の発生)を有効に防止することができる。同様に、コア420a,420bの底面と第2導体40の第2実装部45との間に内側絶縁部91の一部を配置し、これらの間の空間を内側絶縁部91の一部で埋めることにより、第2実装部45を実装基板のランドパターンに例えばはんだで接続するときに、はんだボールによって、第2実装部45とコア420a,420bの底面とが接続される問題(ショート不良の発生)を有効に防止することができる。
内側絶縁部91の上面とコア420a,420bの底面とは当接してはおらず、内側絶縁部91の上面とコア420a,420bの底面との間には隙間が形成されている。内側絶縁部91のX軸方向幅は、第2導体40の第1導体側部41と第2導体側部42の間の間隔よりも小さくなっており、これにより内側絶縁部91を第1導体側部41と第2導体側部42との間にY軸方向に沿ってスムーズに差し込む(配置する)ことが可能となっている。
図14Aに示すように、内側絶縁部91の上面には、外側傾斜部910aが形成されている。外側傾斜部910aは、テーパ面を有し、内側絶縁部91のY軸正方向側の端部において、Y軸方向の外側に向かって低くなるように傾斜している。外側傾斜部910aが具備されることにより、内側絶縁部91のZ軸方向の厚みは、Y軸方向の外側に向かに従って小さくなっている。図15に示すように、底面傾斜部910aは、コア420a,420bの底面からZ軸方向に離間するように傾斜している。底面傾斜部910aは、内側絶縁部91の上面にのみ形成されいてるが、内側絶縁部91の下面にも形成されてもよい。
内側絶縁部91の上面および下面の少なくとも一方に底面傾斜部910aを形成することにより、第2導体40に対する樹脂スペーサ90の取付時に、内側絶縁部91がコア420a,420bの底面等に干渉(接触)することを防止することが可能となり、樹脂スペーサ90の取付がスムーズになる。
図14Aに示すように、内側絶縁部91のX軸方向の一方側の側部には側面傾斜部912aが形成され、内側絶縁部91のX軸方向の他方側の側部には側面傾斜部912bが形成されている。側面傾斜部912a,912bは、テーパ面を有し、内側絶縁部91のY軸正方向側の端部の位置で、X軸方向の内側に向かって傾斜している。側面傾斜部912a,912bが具備されることにより、内側絶縁部91のX軸方向幅は、Y軸方向の外側に向かうにしたがって小さくなっている。図15に示すように、側面傾斜部912aは、第2導体40の第1導体側部41の下端部からX軸方向に離間するように傾斜している。また、側面傾斜部912bは、第2導体40の第2導体側部42の下端部からX軸方向に離間するように傾斜している。
内側絶縁部91に側面傾斜部912a,912bを形成することにより、第2導体40に対する樹脂スペーサ90の取付時に、樹脂スペーサ90のX軸方向の両端部が、第2導体40の第1導体側部41および第2導体側部42に干渉(接触)することを防止することが可能となり、樹脂スペーサ90の取付がスムーズになる。
図14Bに示すように、内側絶縁部91の下面(底面)には、突出部94が形成されている。突出部94は、内側絶縁部91の下面から突出しており、Y軸方向に沿って延在している。突出部94のX軸方向の一方側の側面には底面傾斜部94aが形成されており、突出部94のX軸方向の他方側の側面には底面傾斜部94bが形成されている。突出部94は、その突出方向に沿って先細となる形状を有し、突出部94の横断面形状(XZ平面に平行な断面形状)は略台形状となっている。突出部94のY軸方向の一端は接続部96に接続されており、突出部94のY軸方向の他端は内側絶縁部91のY軸方向の他端に位置している。
図15に示すように、突出部94の少なくとも一部(本実施形態では突出部94の全体)は、第2導体40の第1実装部44と第2実装部45との間に配置される。内側絶縁部91の下面に突出部94を形成することにより、突出部94を介して、第1実装部44の先端部44aと第2実装部45の先端部45aとを良好に絶縁することが可能となり、例えばハンダボール等によってこれらが接続される問題(ショート不良の発生)を防止することができる。なお、突出部94の下面(突出面)は、接続部96の下面と側方絶縁部92a,92bの下面と略面一となっている。
図14Bに示すように、内側絶縁部91の下面には、第1段差面911aと第2段差面912bとが形成されている。第1段差面911aは突出部94のX軸正方向側に形成されており、第2段差面911bは突出部94のX軸負方向側に形成されている。段差面911a,911bの段差高さは、突出部94の突出長に対応している。図15に示すように、第1段差面911aには第1実装部44の上面が当接し、第2段差面911bには第2実装部45の上面が当接する。これにより、第1段差面911aに第1実装部44が固定されるとともに、第2段差面911bに第2実装部45が固定されるため、樹脂スペーサ90を第2導体40に安定した状態で取り付けることができる。
第1段差面911aの段差高さは、第1実装部44の厚みよりも小さくなっている。そのため、第1段差面911aに第1実装部44の上面が当接した状態では、第1実装部44の下面は突出部94の先端部よりも下方に位置する(はみ出す)ことになる。同様に、第2段差面911bの段差高さは、第2実装部45の厚みよりも小さくなっている。そのため、第2段差面911bに第2実装部45の上面が当接した状態では、第2実装部45の下面は突出部94の先端部よりも下方に位置する(はみ出す)ことになる。
また、樹脂スペーサ90が第2導体40に取り付けられた状態では、第1実装部44の下面が、樹脂スペーサ90の第1側方絶縁部92aの下面よりも下方に位置するとともに、第2実装部45の下面が、樹脂スペーサ90の第2側方絶縁部92bの下面よりも下方に位置する。結果として、本実施形態では、樹脂スペーサ90の底面は、第2導体40の第1実装部44および第2実装部45の各々の下面よりも上方に配置されるとともに、第1導体30の第1実装部34および第2実装部35の各々の下面よりも上方に配置される。
このような構成とすることにより、樹脂スペーサ90を第2導体40に取り付けた状態でコイル装置410を実装基板に実装するときに、樹脂スペーサ90が実装基板に干渉(接触)することを防止することが可能となり、コイル装置410と実装基板との間の実装強度を十分に確保することができる。
図14Aに示すように、第1側方絶縁部92aは、内側絶縁部91のX軸正方向側に隣接して配置されており、Y軸方向に沿って所定の長さで直線的に延在している。また、第2側方絶縁部92bは、内側絶縁部91のX軸負方向側に隣接して配置されており、Y軸方向に沿って所定の長さで直線的に延在している。側方絶縁部92a,92bのY軸方向に沿う長さは、内側絶縁部91のY軸方向に沿う長さよりも短くなっている。これにより、側方絶縁部92a,92bのY軸方向に沿う長さが比較的短くなり、側方絶縁部92a,92bの耐久性を高め、側方絶縁部92a,92bの破損を防止することが可能となっている。
図15に示すように、側方絶縁部92a,92bのZ軸方向に沿う厚みは、内側絶縁部91のZ軸方向に沿う厚みよりも小さくなっており、側方絶縁部92a,92bの上面と内側絶縁部91の上面との間には段差が形成されている。
第1側方絶縁部92aは、第1導体30の第1実装部34と第2導体40の第1実装部44との間に配置される。これにより、第1側方絶縁部92aを介して、これらの間の絶縁距離を十分に確保することが可能となり、第1導体30の第1実装部34と第2導体40の第1実装部44とを十分に絶縁することができる。同様に、第2側方絶縁部92bは、第1導体30の第2実装部35と第2導体40の第2実装部45との間に配置される。これにより、第2側方絶縁部92bを介して、これらの間の絶縁距離を十分に確保することが可能となり、第1導体30の第2実装部35と第2導体40の第2実装部45とを十分に絶縁することができる。
図14Aに示すように、第1側方絶縁部92aの上面には第1傾斜部95aが形成されており、第2側方絶縁部92bの上面には第2傾斜部95bが形成されている。第1傾斜部95aは第1側方絶縁部92aの長手方向に沿って連続的に延在しており、第2傾斜部95bは第2側方絶縁部92bの長手方向に沿って連続的に延在している。
図15に示すように、第1傾斜部95aは、第1導体30の第1実装部34と向かい合う位置で、X軸正方向側に向かって低くなるように傾斜している。第2傾斜部95bは、第1導体30の第2実装部35と向かい合う位置で、X軸負方向側に向かって低くなるように傾斜している。
第1側方絶縁部92aに第1傾斜部95aを形成することにより、第1側方絶縁部92aを第1導体30の第1実装部34と第2導体40の第1実装部44との間に配置したときに、第1側方絶縁部92aが第1導体30の第1実装部34に干渉(接触)すること防止することができる。また、第2側方絶縁部92bに第2傾斜部95bを形成することにより、第2側方絶縁部92bを第1導体30の第2実装部35と第2導体40の第2実装部45との間に配置したときに、第2側方絶縁部92bが第1導体30の第2実装部35に干渉(接触)すること防止することができる。
図14Aに示すように、第1側方絶縁部92aと内側絶縁部91のX軸方向の一端との間には第1溝部(第1隙間)93aが形成されており、第2側方絶縁部92bと内側絶縁部91のX軸方向の他端との間には第2溝部(第2隙間)93bが形成されている。本実施形態では、第1溝部93aに第2導体40の一方の端部(第1導体側部41の下端部b)を嵌め込むとともに、第2溝部93bに第2導体40の他方の端部(第2導体側部42の下端部)を嵌め込むことにより、樹脂スペーサ90を第2導体40に取り付けることが可能であり、第2導体40に対する樹脂スペーサ90の取付が容易である。
第1側方絶縁部92aのY軸負方向側の端部と、第2側方絶縁部92bのY軸負方向側の端部と、内側絶縁部91のY軸負方向側の端部とは、接続部96によって接続されている。接続部96は、X軸方向に沿って延在している。第1側方絶縁部92aと第2側方絶縁部92bと内側絶縁部91とをX軸方向に沿って接続部96で接続することにより、接続部96を介してこれらを一体化させた樹脂スペーサ90を構成することが可能となり、これらを別体で構成する場合に比べて、第2導体40に対する樹脂スペーサ90の取付が容易になる。なお、第1側方絶縁部92aのY軸正方向側の端部と、第2側方絶縁部92bのY軸正方向側の端部と、内側絶縁部91のY軸正方向側の端部とは、接続部によって接続されてはおらず、第1溝部93aのY軸正方向側と第2溝部93bのY軸正方向側とは開放している。
接続部96の上面には、Y軸負方向側に向かって低くなるように傾斜する外側傾斜部960aが形成されている。外側傾斜部960aは、接続部96のX軸方向の一端から他端にかけて連続的に形成されている。また、図14Bに示すように、接続部96の下面には、Y軸負方向側に向かって低くなるように傾斜する外側傾斜部960bが形成されている。外側傾斜部960bは、接続部96のX軸方向の一端から他端にかけて連続的に形成されている。外側傾斜部960aと外側傾斜部960bとは対称な形状を有する。
後述するように、第2導体40に対して樹脂スペーサ90を取り付けた後、第1導体30および第2導体40の組立体をコア420a,420bに取り付ける処理が行われるが、接続部96に外側傾斜部960a,960bを形成しておくことにより、当該処理時に、接続部96がコア420a,420bの底面等に干渉(接触)することを防止することが可能となり、当該処理を容易に行うことができる。
接続部96のY軸負方向側の端部には、切欠部96aが形成されている。切欠部96aは、接続部96のY軸負方向側の端部からY軸正方向側に向けて凹む切欠からなる。切欠部96は、例えばCCDカメラ等の撮像装置で樹脂スペーサ90の表裏を識別しやすくするために設けられている。切欠部96は、接続部96のX軸方向の中央よりも負方向側に配置されているが、正方向側に配置されていてもよい。接続部96のX軸方向の一方側に切欠部96を配置することにより、樹脂スペーサ96の表裏の識別が容易になる。
次に、コイル装置410の製造方法について、第2導体40に対する樹脂スペーサ90の取付方法を中心に説明する。まず、第2導体40に対して樹脂スペーサ90を取り付けるが、第2導体40に対する樹脂スペーサ90の取付は、図16Aに示すような治具100を用いて行われる。治具100は、治具本体部160と、導体固定部120と、スペーサ挿入部180と、導体載置部140とを有する。
治具本体部160は、X軸方向に長手方向を有する略直方体形状を有する。治具本体部160のY軸正方向側の面には、複数(8つ)の導体固定部120がX軸方向に沿って一定の間隔で配置されている。導体固定部120は、略直方体形状を有し、Y軸正方向側に向かって突出している。導体固定部120の外側面には、略C字形状からなる第2導体40の内面を引っ掛けることが可能となっており、これにより、導体固定部120に第2導体40を固定することが可能となっている(図16B参照)。
導体固定部120のX軸方向幅は、第2導体40の第1導体側部41と第2導体側部42との間のX軸方向の間隔に対して、好ましくは同等以下であり、さらに好ましくは略等しくなっている。これにより、導体固定部120に第2導体40を確実にあるいは位置ずれさせることなく固定することができる。
治具本体部160のY軸正方向側の面には、複数(8つ)のスペーサ挿入部180がX軸方向に沿って一定の間隔で配置されている。複数のスペーサ挿入部180は、それぞれ複数の導体固定部120に対応する位置に形成されている。より詳細には、スペーサ挿入部180は、導体固定部120よりも下方に位置ずれした位置に形成されている。スペーサ挿入部180は、治具本体部160のY軸正方向側の面からY軸負方向側に向かって凹む凹形状を有し、その内部には樹脂スペーサ90の一部(図14Aに示す内側絶縁部91のY軸正方向側の端部および側方絶縁部92a,92bのY軸正方向側の端部)を配置することが可能となっている。
スペーサ挿入部180のX軸方向幅は、図14Aに示す樹脂スペーサ90のX軸方向幅に対して、好ましくは同等以上であり、さらに好ましくは略等しくなっている。これにより、スペーサ挿入部180の内部に樹脂スペーサ90の一部を配置したときに、樹脂スペーサ90のX軸方向への位置ずれを防止することができる。
導体載置部140は、X軸方向に長手方向を有する略直方体形状を有し、治具本体部160の下端部に接続されている。導体載置部140のX軸方向幅は、治具本体部160のX軸方向幅と略等しくなっている。導体載置部140は、治具本体部160のY軸正方向側の面よりも、Y軸正方向側に突出した形状を有する。
導体載置部140の上面には、第1導体30の実装部34,35および第2導体40の実装部44,45を載置することが可能となっている。導体載置部140のY軸方向幅(治具本体部160のY軸正方向側の面からの突出長)は、第1導体30の実装部34,35および第2導体40の実装部44,45のY軸方向幅よりも大きくなっていることが好ましい。これにより、導体載置部140の上面に、第1導体30の実装部34,35および第2導体40の実装部44,45を安定した状態で載置することができる。
第2導体40に対する樹脂スペーサ90の取付では、まず図16Aに示す治具100を準備し、図16Bに示すように、治具100の導体固定部120の外側面に第2導体40の内面が当接するように、導体固定部120に第2導体40を固定する。第2導体40の第1実装部44および第2実装部45については、導体載置部140の上面に載置しておく。図16Bでは、治具100に具備された1つの導体固定部120にのみ第2導体40が固定されているが、他の導体固定部120に他の第2導体40を固定してもよい。
次に、図16Cに示すように、第2導体40に樹脂スペーサ90を取り付ける。樹脂スペーサ90の取付では、第2導体40の第1導体側部41および第2導体側部42に、それぞれ樹脂スペーサ90の第1溝部93aおよび第2溝部93bが入り込むように、樹脂スペーサ90を第2導体40に向けてY軸方向にスライドさせつつ取り付ける。第1溝部93aの底付近に第1導体側部41が位置し、さらに第2溝部93bの底付近に第2導体側部42が位置するまで樹脂スペーサ90を第1導体側部41および第2導体側部42に向けて差し込むと、樹脂スペーサ90のY軸負方向側の端部がスペーサ挿入部180に挿入される。このように、樹脂スペーサ90のY軸負方向側の端部をスペーサ挿入部180に挿入しておくことにより、樹脂スペーサ90のY軸正方向側の端部が、Y軸正方向側に不要に突出した位置に配置されることを防止することができる。
次に、図16Dに示すように、樹脂スペーサ90を第2導体40の第1導体側部41および第2導体側部42に沿って下方にスライドし、樹脂スペーサ90を第2導体40の第1実装部44および第2実装部45の位置に配置させる。このとき、樹脂スペーサ90の内側絶縁部91の底面に形成された第1段差面911a(図14B)に第1実装部44の上面が当接し、第2段差面911b(図14B)に第2実装部45の上面が当接するまで、樹脂スペーサ90を第1導体側部41および第2導体側部42に沿って下方にスライドする。
第1実装部44および第2実装部45の各々の上面、あるいは内側絶縁部91の第1段差面911aおよび第2段差面911bには、予め接着剤を塗布しておく。これにより、第1段差面911aに第1実装部44の上面が当接したときに、これらを接着剤で接合することができる。また、第2段差面911bに第2実装部45の上面が当接したときに、これらを接着剤で接合することができる。接着剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂あるいはウレタン樹脂等を用いることができる。接着剤の硬化時には、段差面911a,911bと実装部44,45との間の接合を良好にするために、樹脂スペーサ90の上面を実装部44,45に向けて押圧し、これらの間の密着性を高めるようにすることが好ましい。
次に、第2導体40の外側に第1導体30を配置する。第1導体30の設置は、第1導体30の第1導体側部31が第2導体40の第1導体側部41に対向し、第1導体30の第2導体側部32が第2導体40の第2導体側部42に対向するようにして行う。第1導体30の第1実装部34および第2実装部35については、導体載置部140に載置しておく。次に、第1導体30の内面と第2導体40の外面との間に、接着剤を例えば局所的に数箇所だけ塗布し、硬化させる。これにより、第1導体30、第2導体40および樹脂スペーサ90からなる導体組立体が形成される。
次に、この導体組立体に図13に示す第1コア420aおよび第2コア420bを取り付ける。導体組立体のY軸負方向側の側面と第1コア420aとの間、導体組立体のY軸正方向側の側面と第2コア420bとの間、および第1コア420aと第2コア420bとの間は接着剤で接合する。導体組立体のY軸負方向側の側面と第1コア420aとについては、接着剤で例えば局所的に数箇所だけ接合すればよいが、接着剤による接合については省略してもよい。また、導体組立体のY軸正方向側の側面と第2コア420bとについては、接着剤で例えば局所的に数箇所だけ接合すればよいが、接着剤による接合については省略してもよい。第1コア420aと第2コア420bとについては、図1Bおよび図2に示す第1中脚部22aおよび第2中脚部22b同士を接着剤で接合するとともに、第1外脚部23aおよび第2外脚部23b同士を接着剤で接合すればよい。その後、接着剤を硬化させることにより、図13に示すコイル装置410を製造することができる。なお、第2導体40に対する樹脂スペーサ90の取付は、第1導体30および第2導体40にコア420a,420bを組み付けた後に行ってもよい。
本実施形態においても、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、本実施形態では、図14Aおよび図14Bに示すように、内側絶縁部91に外側傾斜部910aと側面傾斜部912a,912bとが具備され、接続部96に外側傾斜部960a,960bが具備されることにより、第2導体40に対する樹脂スペーサ90の取付時に、樹脂スペーサ90がコア420a,420b等に干渉(接触)することを防止することが可能となり、第2導体40に対する樹脂スペーサ90の取付が容易になる。
第6実施形態
本発明の第6実施形態に係るコイル装置510は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第5実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。図面において、第5実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、重複する部分の説明については省略する。
図17Aに示すように、コイル装置510は、樹脂スペーサ590を有する。図18に示すように、樹脂スペーサ590は、内側絶縁部91と第1側方絶縁部92aと第2側方絶縁部92bと接続部96とに加えて、接続部97を有する。接続部97は、第1側方絶縁部92aのY軸正方向側の端部と、内側絶縁部91のY軸正方向側の端部と、第2側方絶縁部92bのY軸正方向側の端部とを、X軸方向に沿って接続する。接続部97の形状は、接続部96の形状と同様である。
接続部96および接続部97には、図14Aおよび図14Bに示す外側傾斜部960aおよび外側傾斜部960bは形成されてはいない。また、樹脂スペーサ590の底面には、図14Bに示す第1段差面911aおよび第2段差面911bは形成されてはいない。すなわち、樹脂スペーサ590の上面および下面は平坦面からなる。
その一方で、樹脂スペーサ590の内側絶縁部91の下面には、X軸方向の中央部において、底面溝部98が形成されている。底面溝部98は、Y軸方向に沿って、内側絶縁部91のY軸方向の一端から他端にかけて延在している。内側絶縁部91の下面に底面溝部98を形成することにより、例えば、第2導体40の第1実装部44および第2実装部45を実装基板にはんだで接続するときに、溶融したはんだが、内側絶縁部91の下面を這うように、第1実装部44と第2実装部45との間で相互に流れ出すことを、底面溝部98によって遮断することができる。なお、内側絶縁部91の上面にも、X軸方向の中央部において、底面溝部98に対応する溝部をY軸方向に沿って形成してもよい。
第1溝部593aは、第1側方絶縁部92aと内側絶縁部91のX軸方向の一端と接続部96と接続部97とによって四方を囲まれている。また、第2溝部593bは、第2側方絶縁部92bと内側絶縁部91のX軸方向の他端と接続部96と接続部97とによって四方を囲まれている。図17Bに示すように、第1溝部593aの開口形状は、第2導体40の第1実装部44の底面形状に対応しており、第1溝部593aの内部には、第1実装部44を挿通させることが可能となっている。また、第2溝部593bの開口形状は、第2導体40の第2実装部45の底面形状に対応しており、第2溝部593bの内部には、第2実装部45を挿通させることが可能となっている。
図19に示すように、樹脂スペーサ590は、第1導体30および第2導体40(上述した第1導体30および第2導体40の組立体)にコア420a,420bを接着剤で(あるいは接着剤を用いることなく)取り付けた状態で、コア420a,420bの底面に装着される。樹脂スペーサ590は、第2導体40の一方の端部および端部を、それぞれ樹脂スペーサ590の第1溝部593aおよび第2溝部593bに差し込む(挿通させる)ことにより行われる。
樹脂スペーサ590の上面は、コア420a,420bの底面に接着剤によって例えば局所的に数箇所だけ接合される。コア420a,420bの底面に樹脂スペーサ590が取り付けられた状態では、第2導体40の実装部44,45の一部が溝部593a,593bの内部に収容される一方で、実装部44,45の残りの一部が溝部593a,593bの外部に露出する。すなわち、樹脂スペーサ590の底面は、実装部44,45の底面よりも上方に位置しており、これにより、樹脂スペーサ590によって妨げられることなく、実装部44,45を実装基板のランドパターンにはんだ等によって良好に接続することが可能となっている。
本実施形態においても、第5実施形態と同様の効果が得られる。特に、本実施形態では、第1溝部593aおよび第2溝部593bにそれぞれ第2導体40の第1実装部44および第2実装部45を挿通させ、樹脂スペーサ590の上面をコア420a,420bの底面に固定するのみで、樹脂スペーサ590をコイル装置510に具備させることが可能であり、樹脂スペーサ590の取付が容易である。
第7実施形態
本発明の第7実施形態に係るコイル装置610は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第6実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。図面において、第6実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、重複する部分の説明については省略する。
図20に示すように、コイル装置610は、第1コア620aと、第2コア620bと、樹脂スペーサ690とを有する。図21に示すように、第1コア620bは、第2ベース部621bを有し、第2ベース部621bの外側面には、側面凹部28が形成されている。側面凹部28は、第2ベース部621bの外側面の下端部に形成されており、側面凹部28の下端は底面凹部27に接続されている。なお、第1コア620aは第2コア620bと同様の形状を有するため、その詳細な説明については省略する。
側面凹部28は、アーム設置部28aと、係合凹部28bとを有する。アーム設置部28aは、第2ベース部621bの表面からY軸方向の内側に向かって凹む凹形状を有する。アーム設置部28aは、第2ベース部621bのX軸方向の略中心部に形成され、第2コア620bの底面凹部27からZ軸方向に沿って上方に向かって所定の長さで延在している。
係合凹部28bは、アーム設置部28aの上端部に形成されている。係合凹部28bは、第2ベース部621bの表面からY軸方向の内側に向かって凹む凹形状を有し、係合凹部28bのY軸方向に沿う深さは、アーム設置部28aのY軸方向に沿う深さよりも大きくなっている。係合凹部28bの底面には傾斜面が形成されており、係合凹部28bは底に向かうにしたがって幅が狭くなるように形成されている。
図22に示すように、樹脂スペーサ690は、アーム部99aおよびアーム部99bを有するという点において、図18に示す第6実施形態における樹脂スペーサ590とは異なっている。アーム部99aは、接続部96の上面からZ軸方向に沿って上方に向かって立ち上げられており、アーム部99bは、接続部97の上面からZ軸方向に沿って上方に向かって立ち上げられている。
アーム部99a,99bは、アーム本体部990a,990bと、凸部991a,991bとを有する。アーム本体部990a,990bは、Z軸方向に長手方向を有する柱状構造(略直方体形状)を有する。凸部991aは、アーム本体部990aの先端部に形成されており、Y軸正方向側(樹脂スペーサ690の中央)に向かって突出している。凸部991bは、アーム本体部990bの先端部に形成されており、Y負方向側(樹脂スペーサ690の内側)に向かって突出している。凸部991aと凸部991bとは、Y軸方向に沿って、向かい合って配置されている。凸部991a,991bには傾斜面が形成されており、その突出方向に向かうにしたがって先細となるように形成されている。凸部991bの凸形状は、図21に示す係合凹部28bの凹形状に対応している。
図21および図22に示すように、アーム本体部990bは、第2コア620bのアーム設置部28aに固定される。同様に、アーム本体部990aは、第1コア620aのアーム設置部(図示略)に固定される。凸部991bは、第2コア620bの係合凹部28bに係合し(図23参照)、凸部991bは、第2コア620aの係合凹部(図示略)に係合する。コア620a,620bに対するアーム部99a,99bの固定時において、アーム部99a,99bの表面は、コア620a,620bの外側面(表面)と略面一になっている。
凸部991bを第2コア620bの係合凹部28bに係合させることにより、アーム部99bを第2コア620bのY軸方向の外側面に固定することが可能となる。同様に、凸部991aを第2コア620aの係合凹部(図示略)に係合させることにより、アーム部99aを第1コア620aのY軸方向の外側面に固定することが可能となる。結果として、アーム部99a,99bを介して、樹脂スペーサ690をコア620a,620bに固定することが可能となり、接着剤を用いることなく、コア620a,620bに対する樹脂スペーサ690の取付を行うことができる。樹脂スペーサ690は、第1導体30および第2導体40(第1導体30および第2導体40の組立体)にコア620a,620bを接着剤で(あるいは接着剤を用いることなく)取り付けた状態で、コア620a,620bに装着される。なお、図23に示すように、樹脂スペーサ690がコア620a,620bに固定された状態において、樹脂スペーサ690(内側絶縁部91、接続部96,97、側方絶縁部92a,92b)の上面とコア620a,620bの底面との間には隙間が形成されており、これらは密着してはいない。
第8実施形態
本発明の第8実施形態に係るコイル装置710は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第6実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。図面において、第6実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、重複する部分の説明については省略する。
図24Aに示すように、コイル装置710は、樹脂スペーサ790を有する。図25に示すように、樹脂スペーサ790は、第1溝部793aと第2溝部793bとを有する。第1溝部793aのX軸方向幅は、図18に示す樹脂スペーサ590の第1溝部593aのX軸方向幅よりも小さくなっている。同様に、第2溝部793bのX軸方向幅は、図18に示す樹脂スペーサ590の第2溝部593bのX軸方向幅よりも小さくなっている。溝部793a,793bのX軸方向幅は、第2導体40の板厚と略等しくなっている。
本実施形態では、図26に示すように、第1溝部793aは、第2導体40の第1導体側部41の挿通路として機能し、第1溝部793aには、第2導体40の第1導体側部41の下端部が挿通する。また、第2溝部793bは、第2導体40の第2導体側部42の挿通路として機能し、第2溝部793bには、第2導体40の第2導体側部42の下端部が挿通する。すなわち、第1溝部793aには第2導体40の第1実装部44が配置される(挿通する)ことはなく、第2溝部793bには第2導体40の第2実装部45が配置される(挿通する)ことはない。
図25に示すように、接続部96のY軸負方向側の端部には、X軸方向に沿って延在する外側傾斜部960aが形成され、接続部97のY軸正方向側の端部には、X軸方向に沿って延在する外側傾斜部960bが形成されている。
図24Bに示すように、内側絶縁部91の下面には、スペーサ凹部913aがX軸正方向側に形成され、スペーサ凹部913bがX軸負方向側に形成されている。スペーサ凹部913aとスペーサ凹部913bとは、X軸方向に所定の間隔をあけて配置されており、その間隔は、第2導体40の第1実装部44と第2実装部45との間の間隔と同等以上となっている。
スペーサ凹部913aには第2導体40の第1実装部44が収容され、スペーサ凹部913aの底面には第1実装部44の上面が当接する。スペーサ凹部913bには第2導体40の第2実装部45が収容され、スペーサ凹部913bの底面には第2実装部45の上面が当接する。図26に示すように、スペーサ凹部913a,913bに実装部44,45が収容された態では、第2導体40の実装部44,45の一部がスペーサ凹部913a,913bの内部に収容される一方で、実装部44,45の残りの一部はスペーサ凹部913a,913bの外部に露出している。このように、実装部44,45の一部をスペーサ凹部913a,913bに収容することにより、第1実装部44と第2実装部45との間の絶縁を良好に図ることができる。
第2導体40に対する樹脂スペーサ790の取付時には、第1実装部44および第2実装部45の形状が付与される前の第2導体40、すなわち略C字形状を有する第2導体40を用意する。そして、当該第2導体40の一方の端部に第1溝部793aを挿通させ、他方の端部に第2溝部793bを挿通させる。その後、第2導体40の一方の端部を折り曲げ(すなわち、当該第2導体40に第1実装部44を付与し)、その上面がスペーサ凹部913aの底面に当接するように、当該端部をスペーサ凹部913aに収容する。また、第2導体40の他方の端部を折り曲げ(すなわち、当該第2導体40に第2実装部45を付与し)、その上面がスペーサ凹部913bの底面に当接するように、当該端部をスペーサ凹部913bに収容する。すなわち、略C字形状の第2導体40に樹脂スペーサ790を取り付けた後に、第2導体40に第1実装部44および第2実装部45の形状を付与するためのフォーミングを行う。なお、樹脂スペーサ790は、第1導体30および第2導体40(第1導体30および第2導体40の組立体)にコア420a,420bを接着剤で(あるいは接着剤を用いることなく)取り付けた状態で、第2導体40あるいはコア420a,420bの底面に装着される。
本実施形態においても、第6実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態では、図26に示すように、第2導体40に樹脂スペーサ790が取り付けられた状態において、樹脂スペーサ790(内側絶縁部91、接続部96,97および側方絶縁部92a,92b)の上面は、コア420a,420bの底面に当接する。したがって、内側絶縁部91等によって、第2導体40の実装部44,45とコア420a,420bの底面との間の絶縁を良好に確保することができる。
また、樹脂スペーサ790は、第1実装部44と第2実装部45とでZ軸方向の上方に向けて押さえつけられることにより、実装部44,45とコア420a,420bとの間に挟み込まれるように固定される。そのため、接着剤を用いることなく、樹脂スペーサ790の取付を行うことができる。
第9実施形態
本発明の第9実施形態に係るコイル装置810は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第8実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。図面において、第8実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、重複する部分の説明については省略する。
図27に示すように、コイル装置810は、第2導体840と、樹脂スペーサ890とを有する。第2導体840は、図26に示す第1実装部44および第2実装部45を具備しない一方で、第1側方屈曲部48および第2側方屈曲部49を有する。第1側方屈曲部48は、第2導体40の一方の端部に形成され、X軸方向の内側に向かって屈曲するとともに、Z軸方向の下方に向かって屈曲している。同様に、第2側方屈曲部49は、第2導体40の他方の端部に形成され、X軸方向の内側に向かって屈曲するとともに、Z軸方向の下方に向かって屈曲している。すなわち、第1側方屈曲部48と第2側方屈曲部49とは、X軸方向に関して互いに近づく方向に屈曲したのち、Z軸方向に沿って互いに平行に延在している。
図28に示すように、樹脂スペーサ890の第1側方絶縁部92aの上面には、Y軸方向に沿って延在する第1側方段差部920aが形成されている。また、第2側方絶縁部92bの上面には、Y軸方向に沿って延在する第2側方段差部920bが形成されている。第1側方段差部920aおよび第2側方段差部920bの各々の段差高さは、第2導体840の板厚と同等以上である。なお、側方絶縁部92a,92bの上面には、図25に示す傾斜部95a,95bは形成されておらず、接続部96,97には、図25に示す外側傾斜部960a,960bは形成されてはいない。また、内側絶縁部91の下面には、図24Bに示すスペーサ凹部913a,913bは形成されてはいない。
図27に示すように、第1側方段差部920aには第1側方屈曲部48(X軸方向に延在する部分)が配置され、第2側方段差部920bには第2導体840の第2側方屈曲部49(X軸方向に延在する部分)が配置される。また、第1側方屈曲部48は、第1溝部793aの内部を下方に向かって挿通し、第2側方屈曲部49は、第2溝部793bの内部を下方に向かって挿通する。すなわち、樹脂スペーサ890には、第1側方段差部920aと第1溝部793aとによって、第1側方屈曲部48が挿通する略L字形状の挿通路が形成されている。また、第2側方段差部920bと第2溝部793bとによって、第2側方屈曲部49が挿通する略L字形状の挿通路が形成されている。
樹脂スペーサ890の上面は、コア420a,420bの底面に接着剤等によって接合される。本実施形態においても、第8実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態では、第2導体840に第1実装部44および第2実装部45が形成されていないため、樹脂スペーサ890の溝部793a,793bに第2導体40の側方屈曲部48,49を挿通させた後に、第2導体840に対して第1実装部44および第2実装部45の各々の形状を付与するためのフォーミングを行う必要がない。そのため、コイル装置810の製造が容易になる。
第10実施形態
本発明の第10実施形態に係るコイル装置910は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第1実施形態と同様であり、同様な作用効果を奏する。図面において、第1実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、重複する部分の説明については省略する。
図29および図30に示すように、コイル装置910では、第1コア20aの第1中脚部23aと第2コア20bの第2中脚部23bとが、磁性樹脂層200で接続されている。磁性樹脂層200は、磁性粉体と、磁性粉体を含有する樹脂とからなる。磁性粉体としては、金属粉体(金属磁性体)やフェライト等が例示される。フェライトとしては、例えばNi-Zn系フェライトや、Mn-Zn系フェライト等が例示される。樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂あるいはウレタン樹脂等が例示される。磁性樹脂層200は、第1中脚部23aのY軸正方向側の面に密着するとともに、第1中脚部23bのY軸負方向側の面に密着している。
本実施形態では、磁性樹脂層200は、第1中脚部23aのY軸正方向側の面(および/または、第2中脚部23bのY軸負方向側の面)の全体にわたって形成(塗布)されている。ただし、磁性樹脂層200は、第1中脚部23aのY軸正方向側の面(および/または、第2中脚部23bのY軸負方向側の面)の一部にのみ形成されていてもよい。磁性樹脂層200は、好ましくは第1中脚部23aのY軸正方向側の面(あるいは、第2中脚部23bのY軸負方向側の面)の30%以上の領域に形成されており、さらに好ましくは50%以上の領域に形成されており、特に好ましくは75%以上の領域に形成されている。磁性樹脂層200が形成される領域の面積が大きいほど、第1コア20aおよび第2コア20bを通過する磁束のロスを低減することが可能となり、インダクタンス特性に優れたコイル装置910を実現することができる。
磁性樹脂層200のY軸方向幅は、図30に示すギャップG3のY軸方向幅に対応しており、好ましくは0.1~1.0mmであり、さらに好ましくは0.1~0.5mmである。ただし、磁性樹脂層200のY軸方向幅は、ギャップG3のY軸方向幅よりも小さくてもよい。磁性樹脂層200は、第1中脚部23aのY軸正方向側の面と、第2中脚部23bのY軸負方向側の面のいずれか一方にのみ形成されていてもよい。この場合、磁性樹脂層200のY軸方向幅は、ギャップG3のY軸方向幅よりも小さくなる。また、上記各面の両方に磁性樹脂層200が形成されている場合であっても、磁性樹脂層200が、第1中脚部23aのY軸正方向側の面と、第2中脚部23bのY軸負方向側の面とに跨るように形成されていない場合には、磁性樹脂層200のY軸方向幅は、ギャップG3のY軸方向幅よりも小さくなる。
磁性樹脂層200は、第1中脚部23aのY軸正方向側の面(あるいは、第2中脚部23bのY軸負方向側の面)に、複数箇所において、局所的(スポット状)に形成されていてもよい。あるいは、磁性樹脂層200は、第1中脚部23aのY軸正方向側の面(および/または、第2中脚部23bのY軸負方向側の面)の外縁にのみ、連続的にあるいは不連続に形成されていてもよい。この場合、磁性樹脂層200の形状を、第1中脚部23aのY軸正方向側の面(あるいは、第2中脚部23bのY軸負方向側の面)の外縁を囲むリング形状としてもよい。
詳細な図示は省略するが、コイル装置910において、第1コア20aの第1外脚部22aと第2コア20bの第2外脚部22bとが、磁性樹脂層200で接続されていてもよい。磁性樹脂層200は、一対の第1外脚部22a(および/または、一対の第2外脚部22b)の両方に形成されていてもよく、あるいは一対の第1外脚部22a(および/または、一対の第2外脚部22b)の一方にだけ形成されていてもよい。
この場合も、磁性樹脂層200は、第1外脚部22aのY軸正方向側の面(あるいは、第2中脚部22bのY軸負方向側の面)に、複数箇所において、局所的(スポット状)に形成されていてもよい。あるいは、磁性樹脂層200は、第1外脚部22aのY軸正方向側の面(および/または、第2中脚部22bのY軸負方向側の面)の外縁にのみ、連続的にあるいは不連続に形成されていてもよい。この場合、磁性樹脂層200の形状を、第1外脚部22aのY軸正方向側の面(あるいは、第2外脚部22bのY軸負方向側の面)の外縁を囲むリング形状としてもよい。
ただし、第1外脚部22aと第2外脚部22bとの間には磁性樹脂層200を形成しないで、第1中脚部22aと第2中脚部22bとの間にのみ磁性樹脂層200を形成した方が、第1コア20aおよび第2コア20bを通過する磁束のロスを効果的に低減することが可能となり、インダクタンス特性に優れたコイル装置910を実現することができる。
また、第1外脚部22aと第2外脚部22bとの間については磁性粉体が含まれていない樹脂層を形成し、第1中脚部22aと第2中脚部22bとの間にのみ磁性粉体が含まれている樹脂層(磁性樹脂層200)を形成した方が、第1コア20aおよび第2コア20bとを良好に(強固に)接続することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
上記第1実施形態では、第2導体40の表面に形成された絶縁層70によって、第1導体30と第2導体40との絶縁性を確保していたが、第1導体30の表面(特に、第1導体30の内面)に絶縁層70を形成することにより、第1導体30と第2導体40とを絶縁してもよい。また、第2導体40の表面と第1導体30の内面の両方に絶縁層70を形成してもよい。上記第2実施形態~第4実施形態についても同様である。
また、上記第1実施形態では、第2導体40の表面に形成された絶縁層70によって、第2導体40とコア20a,20bの中脚部23a,23bとの間の絶縁性を確保していたが、第1導体30の表面(特に、第1導体30の外面)に絶縁層70を形成することにより、第1導体30とコア20a,20bの外脚部22a,22bとを絶縁してもよい。あるいは、コア20a,20bの中脚部23a,23bの外周面に絶縁層70を形成する(中脚部23a,23bを絶縁コーティングする)ことにより、第2導体40とコア20a,20bの中脚部23a,23bとを絶縁してもよく、コア20a,20bの外脚部22a,22bの外周面に絶縁層70を形成する(外脚部22a,22bを絶縁コーティングする)ことにより、第1導体30とコア20a,20bの外脚部22a,22bとを絶縁してもよい。上記第2実施形態~第4実施形態についても同様である。
上記第1実施形態において、絶縁層70は第2導体40の外面または内面に沿って連続的に形成されていたが、断続的に形成されていてもよい。上記第2実施形態~第4実施形態についても同様である。
上記第1実施形態では、第1コア20aと第2コア20bとが、それぞれ別体で構成されていたが、これらを一体で構成してもよい。上記第2実施形態~第4実施形態についても同様である。
上記第1実施形態において、第2導体40の内側屈曲部46,47の外面の曲率半径は、第1導体30の外側屈曲部38,39の内面の曲率半径よりも小さくなっていたが、上記大小関係を逆にしてもよい。この場合も同様の効果が得られる。上記第2実施形態~第4実施形態についても同様である。
上記各実施形態において、絶縁層70は第2導体40の内面または外面に沿って連続的に延びていたが、断続的に延びていてもよい。
上記第1実施形態において、図3に示すように、絶縁コーティング層26は中脚部23a,23bの底面に形成されていたが、絶縁コーティング層26の形成位置はこれに限定されるものではない。例えば、コア20a,20bの全体に絶縁コーティング層26を形成してもよい。あるいは、外脚部22a,22bの底面に絶縁コーティング層26を形成してもよい。この場合、外脚部22a,22bの底面と第1導体30の実装部34,35との間の絶縁を良好に図ることができる。また、ベース部21a,21bの底面に絶縁コーティング層26を形成することにより、ベース部21a,21bの底面と実装基板の実装面との間の絶縁を良好に図ることができる。
図29に示すように、上記第2実施形態に上記第5実施形態を適用し、上記第2実施形態におけるコイル装置110(図4A)に、図14Aに示す樹脂スペーサ90または図32に示す樹脂スペーサ90’を具備させてもよい。図32に示す樹脂スペーサ90’は、側方絶縁部92a,92bに傾斜部95a,95bが形成されていないという点において、図14に示す樹脂スペーサ90とは異なっている。図31に示すように、側方絶縁部92a,92bのX軸方向の側方には、第1導体130の実装部134,135の実装屈曲部340,350が隣接して配置されるが、実装屈曲部340,350のX軸方向の内側の側面形状は垂直形状になっているため、側方絶縁部92a,92bから傾斜部95a,95bを省略しても、側方絶縁部92a,92bが実装屈曲部340,350に干渉(接触)することがないからである。
上記第9実施形態において、図27に示す第2導体840から側方屈曲部48,49を省略してもよい。この場合、図33Aに示すように、第2導体840’の導体側部41,42はZ軸方向に沿って直線的に延在する直線形状を有することになる。そのため、図33Bに示すように、樹脂スペーサ890’から、図28に示す側方段差部920a,920bを省略することができる。側方段差部920a,920bは、側方屈曲部48,49を配置するために設けられたものであるところ、図33Aに示す第2導体840’には、図27に示す第2導体840とは異なり、側方屈曲部48,49が具備されていないからである。図33Aに示すように、第2導体840’の導体側部41,42の下端は、樹脂スペーサ890’の下面から下方に向けて突出する。この導体側部41,42の突出部分を介して、第2導体840’の側方屈曲部48,49を実装基板のランドパターンにはんだ等で接続することができる。
上記第10実施形態を上記第2実施形態~上記第9実施形態に適用し、上記第2実施形態~上記第9実施形態におけるコイル装置にも、磁性樹脂層200を具備させてもよい。
上記第1実施形態において、図1Cに示すテープ部材60には製造番号等の文字(識別子)を予め印字されていたが、テープ部材60には当該文字等が印字されていない無地のテープ部材であってもよい。