本開示において、「電子機器」とは、電力により駆動する機器としてよい。一実施形態に係る電子機器は、送信アンテナ及び受信アンテナの少なくとも一方を備えてよい。一実施形態に係る電子機器は、送信アンテナから送信波として電磁波を送信する。例えば一実施形態に係る電子機器の周囲に所定の物体が存在する場合、当該電子機器から送信された送信波の少なくとも一部は、当該物体によって反射されて反射波となる。そして、このような反射波を当該電子機器の受信アンテナによって受信することにより、当該電子機器は、当該物体を検出することができる。例えば、一実施形態に係る電子機器は、所定の物体との間の距離を測定することができる。また、一実施形態に係る電子機器は、所定の物体との相対速度も測定することができる。さらに、一実施形態に係る電子機器は、所定の物体からの反射波が、当該電子機器に到来する方向(到来角)も測定することができる。
一実施形態に係る電子機器は、例えば自動車などのような乗り物(移動体)の運行状況を監視する路側機などに設置されることで、当該路側機の周囲に存在する移動体などの所定の物体を検出することができる。また、一実施形態に係る電子機器は、例えば信号機などの任意の機器に設置されることで、当該機器の周囲に存在する移動体などの所定の物体を検出することができる。
一実施形態に係る電子機器は、典型的には、電波を送受信するレーダ(RADAR(Radio Detecting and Ranging))センサとしてよい。しかしながら、一実施形態に係る電子機器は、レーダセンサに限定されない。これらのようなセンサは、例えばパッチアンテナなどを含んで構成することができる。RADARのような技術は既に知られているため、詳細な説明は、適宜、簡略化又は省略することがある。一実施形態に係る電子機器は、光源として、例えばLED又はレーザなどを採用してよい。一実施形態に係る電子機器は、受光素子として、例えばフォトダイオードなどを採用してよい。一実施形態に係る電子機器は、指向性の制御のために、例えばレンズなどを使用してよい。
レーダの技術において、例えばアレイアンテナ(アンテナアレイ)のような複数のアンテナによって受信した電波の位相差から、電波の到来方向(DOA(direction of arrival))を推定する方法が知られている。このような到来方向推定の方法として、例えば、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法、及びESPRIT(Estimation of Signal Parameter via Rotational Invariance Techniques)法などが知られている。電波の到来方向は、少なくとも2本のアンテナがあれば、推定することができる。一方、到来方向推定の角度分解能を上げる(アレイ自由度(アンテナ本数をNとするとN-1)を大きくする)ために、複数の受信アンテナは、全て同形のアレイアンテナで構成されてもよい。
レーダによって検出可能な距離を延ばすために、アンテナ利得を増大させる必要がある。また、アンテナ利得を増大させるために、アンテナ素子を規則的に配列させたアレイアンテナを構成してよい。例えば車載用コーナレーダの場合、アレイアンテナを縦方向に並べて配置することにより、ビーム幅が水平方向に広く垂直方向に狭い指向性を有するアンテナを構成することができる。例えば前方検出用のレーダの場合、縦横方向にアンテナを並べて、水平垂直方向のビームを絞ることにより、高利得なアンテナを構成することができる。
従来、複数のアンテナ素子による電波の送信又は受信を合成することにより、高利得でビーム幅の狭いアンテナ指向性を持つアレイアンテナが用いられている。このようなアレイアンテナにおいて、アンテナの素子数、アンテナ素子の間隔、及びアンテナ素子間の位相差などを制御することにより、最大利得、指向性の向き、及びビーム幅などを調整することができる。アレイアンテナの特性として、レーダの検出距離を延ばすためには、利得を増大させる必要がある。一方、利得を増大させると、アンテナのビーム幅が狭くなるため、検出範囲は狭くなる。また、一般的に、異なる方向の指向性が合成されると、アンテナ素子間における干渉が生じ得る。このようなアンテナにおいては、アンテナ特性を単純な足し合わせによって求めることができない。したがって、このようなアンテナの設計は複雑になり得る。
送信アンテナにおいては、複数のポートをそれぞれ異なる利得、指向性、及びビーム幅とすることで、アンテナ特性を分けることが可能である。一方、受信アンテナにおいては、到来方向の推定を高精度で行うためには、限られたポート数の中で、アンテナ特性を全てのポートで同じにする必要がある。上述のように、少なくとも2ポートの受信アンテナがあれば、電波の到来方向の推定は可能である。しかしながら、2ポートの受信アンテナによって、良好な精度で到来方向の推定を行うことは困難である。
また、例えば、信号機又は信号機が設置されるポールなどのような比較的高い場所(例えば2.5m以上など)に設置されたミリ波レーダによって、遠距離及び近距離の両方の物体(例えば自動車及び歩行者など)を検出するような使用態様も想定される。このような場合、遠距離に存在する物体の検出には、正面方向に指向性を有するようにし、近距離に存在する物体の検出には、下方向又は斜め下方向に指向性を有するようにすることが望ましい。
しかしながら、位相制御によって指向性を下向きにすると、正面方向の利得は下がってしまう。このため、1系統のアンテナによって2方向のアンテナ利得を確保するのは困難である。このような場合、例えば、受信アンテナをスイッチによって切り替えることにより対処し得るようにも思われる。しかしながら、79GHz帯に対応したRFスイッチは、入手が容易でない。また、受信アンテナをスイッチによって切り替えると、雑音指数(Noise Figure(NF))が劣化する。したがって、このような受信アンテナは、受信感度が劣化する要因となる。さらに、複数のアンテナを配置する場合、アンテナ間の干渉も課題となる。
一実施形態に係る電子機器は、上述のような使用態様にも対応し得る。以下、一実施形態に係る電子機器を説明するに際し、まず、一実施形態の比較例に係る電子機器について説明する。
図24及び図25は、一実施形態の比較例に係る電子機器の構成を示す図である。図24は、一実施形態の比較例に係る電子機器を所定の方向から見た図である。図25は、一実施形態の比較例に係る電子機器を、図24における所定の方向とは反対の方向から見た図である。
図24及び図25において、X軸方向を横方向又は左右方向としてよい。図24及び図25において、Y軸方向を縦方向又は上下方向としてよい。特に、図24及び図25において、Y軸正方向を上方向とし、Y軸負方向を下方向としてよい。図24及び図25において、Z軸方向を前後方向としてよい。特に、図24及び図25において、Z軸正方向を前方向又は正面(前面)方向とし、Z軸負方向を後方向又は背面方向としてよい。
図24及び図25に示すように、一実施形態の比較例に係る電子機器100は、基板10’を備えてよい。基板10’は、通常の電気回路又は電子回路に用いられる回路基板としてよい。図24に示す基板10’の面(すなわち基板10’のZ軸正方向の面)は、便宜的に、表側の面又は表面とも記す。また、図25に示す基板10’の面(すなわち基板10’のZ軸負方向の面)は、便宜的に、裏側の面又は裏面とも記す。図24及び図25は、電子機器100の送信系及び受信系の機能部を示してある。
図24に示すように、電子機器100は、基板10’の表面において、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’を備えている。図24に示すように、電子機器100は、基板10’の表面において、受信アンテナ20’を備えている。第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、第3送信アンテナ13’、及び受信アンテナ20’は、ミリ波レーダに一般的に用いられる平面アンテナ(パッチアンテナ)としてよい。
図24に示すように、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’は、それぞれ複数の放射素子を含む。これらの各放射素子は、例えば銅などの金属材料で構成してよい。図24に示す例においては、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’は、それぞれ、上側に7個及び下側に7個の計14個の放射素子を含んでいる。第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’のそれぞれにおいて、上側の7個の放射素子は縦方向に電気的に直列接続され、下側の7個の放射素子も縦方向に電気的に直列接続されている。
図24に示すように、第1送信アンテナ11’において、上側の7個の直列接続された放射素子の下端と、下側の7個の直列接続された放射素子の上端とは、それぞれ給電点31’に電気的に接続される。給電点31’は、第1送信アンテナ11’を構成する複数の放射素子に給電する。第1送信アンテナ12’において、上側の7個の直列接続された放射素子の下端と、下側の7個の直列接続された放射素子の上端とは、それぞれ給電点32’に電気的に接続される。給電点32’は、第2送信アンテナ12’を構成する複数の放射素子に給電する。第1送信アンテナ13’において、上側の7個の直列接続された放射素子の下端と、下側の7個の直列接続された放射素子の上端とは、それぞれ給電点33’に電気的に接続される。給電点33’は、第3送信アンテナ13’を構成する複数の放射素子に給電する。第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’の各々において、上側の7個の直列接続された放射素子と、下側の7個の直列接続された放射素子とは、図24に示すように、ほぼ同一直線上に配置されてよい。このように、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’は、アレイアンテナを構成してよい。
給電点31’、給電点32’、及び給電点33’は、それぞれ、図25に示す基板10’の裏側の面から、図24に示す基板10’の表側の面に電力を供給する。このため、給電点31’、給電点32’、及び給電点33’は、それぞれ、基板10’を厚さ方向に貫通する導体などを含んで構成されてよい。給電点31’、給電点32’、及び給電点33’は、それぞれ、基板10’の表面に配置される第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第1送信アンテナ13’に、基板10’の裏面側から電力を給電する。
また、図24に示すように、受信アンテナ20’は、受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’、及び受信アンテナ20D’を含む。図24に示すように、受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’、及び受信アンテナ20D’は、それぞれ複数の放射素子を含む。これらの各放射素子は、例えば銅などの金属材料で構成してよい。図24に示す例においては、受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’、及び受信アンテナ20D’は、それぞれ、上側に2個及び下側に2個の計4個の放射素子を含んでいる。受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’、及び受信アンテナ20D’のそれぞれにおいて、上側の2個の放射素子は縦方向に電気的に直列接続され、下側の2個の放射素子も縦方向に電気的に直列接続されている。
図24に示すように、受信アンテナ20A’において、上側の2個の直列接続された放射素子の下端と、下側の2個の直列接続された放射素子の上端とは、それぞれ給電点40A’に電気的に接続される。給電点40A’は、受信アンテナ20A’を構成する複数の放射素子に給電する。受信アンテナ20B’において、上側の2個の直列接続された放射素子の下端と、下側の2個の直列接続された放射素子の上端とは、それぞれ給電点40B’に電気的に接続される。給電点40B’は、受信アンテナ20B’を構成する複数の放射素子に給電する。受信アンテナ20C’において、上側の2個の直列接続された放射素子の下端と、下側の2個の直列接続された放射素子の上端とは、それぞれ給電点40C’に電気的に接続される。給電点40C’は、受信アンテナ20C’を構成する複数の放射素子に給電する。受信アンテナ20D’において、上側の2個の直列接続された放射素子の下端と、下側の2個の直列接続された放射素子の上端とは、それぞれ給電点40D’に電気的に接続される。給電点40D’は、受信アンテナ20D’を構成する複数の放射素子に給電する。受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’及び受信アンテナ20D’の各々において、上側の2個の直列接続された放射素子と、下側の2個の直列接続された放射素子とは、図24に示すように、ほぼ同一直線上に配置されてよい。このように、受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’及び受信アンテナ20D’は、アレイアンテナを構成してよい。
給電点40A’、給電点40B’、給電点40C’、及び給電点40D’は、それぞれ、図25に示す基板10’の裏側の面から、図24に示す基板10’の表側の面に電力を供給する。このため、給電点40A’、給電点40B’、給電点40C’、及び給電点40D’は、それぞれ、基板10’を厚さ方向に貫通する導体などを含んで構成されてよい。給電点40A’、給電点40B’、給電点40C’、及び給電点40D’は、それぞれ、基板10’の表面に配置される受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’、及び受信アンテナ20D’に、基板10’の裏側の面から電力を給電する。
第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’のそれぞれにおいて、上側の7個の放射素子を結線するそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を直列接続する配線)は、同じ長さとしてよい。第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’のそれぞれにおいて、下側の7個の放射素子を結線するそれぞれの配線も、同じ長さとしてよい。このようなそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を接続する配線)は、例えば第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’から送信される送信波の波長λと同じ長さにしてよい。隣接する放射素子同士を接続する配線の長さを、送信波の波長λと同じ長さにすることで、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’から送信される送信波の位相を揃えることができる。もっとも、配線の長さは波長λの長さとしてよいが、伝送線路の場合、基板を構成する誘電体の比誘電率で決まる波長短縮率1/√εr=(εr)^(-0.5)が乗算される。つまり、伝送線路上の送信波の波長は、真空中の波長λ0より短くなるものとしてよい。本開示において、真空中の電磁波の波長をλ0とし、比誘電率εrの媒質中の波長をλとする。そして、λ=λ0(εr)^(-0.5)が成立するとする。
また、受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’、及び受信アンテナ20D’のそれぞれにおいて、上側の2個の放射素子を結線するそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を直列接続する配線)は、同じ長さとしてよい。受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’、及び受信アンテナ20D’のそれぞれにおいて、下側の2個の放射素子を結線するそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を直列接続する配線)は、同じ長さとしてよい。このようなそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を接続する配線)は、例えば送信波の波長λと同じ長さにしてよい。隣接する放射素子同士を接続する配線の長さを、送信波の波長λと同じ長さにすることで、受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’、及び受信アンテナ20D’から受信される反射波の位相を揃えることができる。もっとも、配線の長さは波長λ0の長さとしてよいが、伝送線路の場合、基板を構成する誘電体の比誘電率で決まる波長短縮率(εr)^(-0.5)が乗算される。つまり、伝送線路上の受信波の波長は、真空中の波長λ0より短くなるものとしてよい。
給電点31’、給電点32’、及び給電点33’と、その上下に配置される放射素子とを結線する配線は、例えば送信波の波長λと同じ長さにしてよい。このような構成により、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’から送信される送信波の位相を揃えることができる。また、給電点40A’、給電点40B’、給電点40C’、及び給電点40D’と、その上下に配置される放射素子とを結線する配線は、例えば送信波の波長λと同じ長さにしてよい。
図25に示すように、電子機器100は、基板10’の裏面において、制御部50’を備えている。また、電子機器100は、基板10’の裏面において、給電点31’、給電点32’、給電点33’、給電点40A’、給電点40B’、給電点40C’、及び給電点40D’を備えている。
制御部50’は、電子機器100を構成する各機能部の制御をはじめとして、電子機器100全体の動作の制御を行うことができる。制御部50’は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、例えばCPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)のような、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。制御部50’は、まとめて1つのプロセッサで実現してもよいし、いくつかのプロセッサで実現してもよいし、それぞれ個別のプロセッサで実現してもよい。プロセッサは、単一の集積回路として実現されてよい。集積回路は、IC(Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。一実施形態において、制御部50’は、例えばCPU及び当該CPUで実行されるプログラムとして構成してよい。また、制御部50’は、任意のSoC(System-on-a-chip)などとして構成されてもよい。制御部50’は、任意のメモリを適宜含んでもよい。一実施形態において、任意のメモリは、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’の少なくともいずれかから送信する送信波を規定するための各種パラメータを記憶してよい。
図25に示す給電点40A’乃至給電点40D’、及び給電点31’乃至給電点33’は、それぞれ、図24に示した給電点40A’乃至給電点40D’、及び給電点31’乃至給電点33’に対応する。図25に示す給電点40A’乃至給電点40D’、及び給電点31’乃至給電点33’は、それぞれ、図24に示した給電点40A’乃至給電点40D’、及び給電点31’乃至給電点33’に電気的に接続される。これらの対応する給電点同士は、それぞれは、例えば基板10’に穿設されたスルーホールを経るなどして、例えば導体などによって電気的に接続されてよい。
図25に示すように、給電点31’は、配線によって送信ポート61’に電気的に接続されてよい。給電点32’は、配線によって送信ポート62’に電気的に接続されてよい。給電点33’は、配線によって送信ポート63’に電気的に接続されてよい。送信ポート61’、送信ポート62’、及び送信ポート63’は、それぞれ、制御部50’の送信RF(Radio Frequency)ポートとしてよい。給電点31’と送信ポート61’とを接続する配線、給電点32’と送信ポート62’とを接続する配線、及び給電点33’と送信ポート63’とを接続する配線は、互いに同じ長さとしてよい。このような構成により、制御部50’の送信ポート61’、送信ポート62’、及び送信ポート63’から同時に同じ位相の送信波を出力すれば、給電点31’、給電点32’、及び給電点33’に供給される送信信号の位相を揃えることができる。
また、図25に示すように、給電点40A’は、配線によって受信ポート70A’に電気的に接続されてよい。給電点40B’は、配線によって受信ポート70B’に電気的に接続されてよい。給電点40C’は、配線によって受信ポート70C’に電気的に接続されてよい。給電点40D’は、配線によって受信ポート70D’に電気的に接続されてよい。受信ポート70A’、受信ポート70B’、受信ポート70C’、及び受信ポート70D’は、それぞれ、制御部50’の受信RFポートとしてよい。給電点40A’と受信ポート70A’とを接続する配線、給電点40B’と受信ポート70B’とを接続する配線、給電点40C’と受信ポート70C’とを接続する配線、及び給電点40D’と送信ポート70D’とを接続する配線は、互いに同じ長さとしてよい。このような構成により、給電点40A’乃至給電点40D’のそれぞれから、同じ位相で同時に制御部50’の受信ポート70A’乃至受信ポート70D’まで供給される受信信号の位相を揃えることができる。
上述のように、隣り合う放射素子を接続する配線、及び、放射素子と給電点とを接続する配線を全て同じ長さにするのは、送信波を同時に(同じタイミングで)送信する場合の設計としてよい。例えば、送信波を同時に(同じタイミングで)送信しない場合、隣り合う放射素子を接続する配線、及び/又は、放射素子と給電点とを接続する配線を同じ長さにしなくてもよい。
電子機器100の第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’は、ミリ波(30GHz以上)又は準ミリ波(例えば20GHz~30GHz付近)などのような周波数帯の電波を送信してよい。例えば、電子機器100の第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’は、77GHz~81GHzのように、4GHzの周波数帯域幅を有する電波を送信してもよい。電子機器100において、これらのような送信波を送信するための送信信号は、例えば制御部50’によって生成されてよい。
ミリ波方式のレーダによって距離などを測定する際、周波数変調連続波レーダ(以下、FMCWレーダ(Frequency Modulated Continuous Wave radar)と記す)が用いられることが多い。FMCWレーダは、送信する電波の周波数を掃引して送信信号が生成される。したがって、例えば79GHzの周波数帯の電波を用いるミリ波方式のFMCWレーダにおいて、使用する電波の周波数は、例えば77GHz~81GHzのように、4GHzの周波数帯域幅を持つものとなる。79GHzの周波数帯のレーダは、例えば24GHz、60GHz、76GHzの周波数帯などの他のミリ波/準ミリ波レーダよりも、使用可能な周波数帯域幅が広いという特徴がある。
以上説明した構成により、電子機器100の第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’は、物体を検出するための電磁波(送信波)を送信することができる。また、電子機器100の受信アンテナ20A’、受信アンテナ20B’、受信アンテナ20C’、及び受信アンテナ20D’は、送信波が物体に反射した反射波を受信することができる。
ここで、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’のいずれか1つのみから送信波を送信する場合について検討する。例えば、制御部50’が、第1送信アンテナ11’のみから送信波を送信するように制御する場合について説明する。前述のように、第1送信アンテナ11’を構成する複数の放射素子のそれぞれから、給電点31’までの給電経路は、送信波の波長λの整数倍となる。したがって、前述のように、第1送信アンテナ11’を構成する複数の放射素子からそれぞれ送信され送信波は、位相が揃うことになる。このため、第1送信アンテナ11’全体としては、図24に示すZ軸の正方向、すなわち電子機器100(基板10’)の正面方向に指向性を有し、送信波のビームを形成する。図26は、電子機器100のアンテナの指向性を説明する図である。図26に示すように、第1送信アンテナ11’全体としては、図26に示すZ軸の正方向、すなわち方向d1に指向性を有し、図26に示すような送信波のビームを形成する。
また、例えば、制御部50’が、第2送信アンテナ12’又は第3送信アンテナ13’のいずれか一方のみから送信波を送信するように制御する場合も同様になる。このため、第2送信アンテナ12’又は第3送信アンテナ13’全体としては、図24に示すZ軸の正方向、すなわち電子機器100(基板10’)の正面方向に指向性を有し、送信波のビームを形成する。図26に示すように、第2送信アンテナ12’又は第3送信アンテナ13’全体としては、図26に示すZ軸の正方向、すなわち方向d1に指向性を有し、図26に示すような送信波のビームを形成する。
次に、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’の全てから送信波を送信する場合について検討する。上述のように、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’は、互いに同位相で接続される。したがって、第1送信アンテナ11’から送信される送信波と、第2送信アンテナ12’から送信される送信波と、第3送信アンテナ13’から送信される送信波とは、それぞれ同位相で合成される。また、第1送信アンテナ11’乃至第3送信アンテナ13’は、いずれもZ軸正方向すなわち正面方向に指向性を有する。このため、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’の全てから送信される送信波の合成(合成波)は、Z軸正方向すなわち正面方向に指向性を有し、Z軸正方向すなわち正面方向に合成波のビームを形成する(図26参照)。
このように、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’から送信される合成波は、Z軸正方向すなわち基板10’の面に対してメインローブが正面方向(X軸方向及びY軸方向とも0°の方向)を向いている。また、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’から送信される合成波は、これらのいずれか1つのみから送信される送信波よりも、大きな利得を有する。したがって、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び第3送信アンテナ13’から送信される合成波は、これらのいずれか1つのみから送信される送信波よりも、検出距離を伸ばすことができる。一方、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、及び/又は第3送信アンテナ13’から送信される送信波の正面方向(X軸方向及びY軸方向とも0°の方向)の指向性は、後述するように、放射素子の数が多いほど鋭く(狭く)なる。このため、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、又は第3送信アンテナ13’のように、それぞれ14個の放射素子から送信される送信波の指向性は、比較的鋭い(狭い)ものとなる。ここでは送信アンテナの指向性について説明したが、受信アンテナの指向性についても、送信アンテナの指向性と同様の特性となる。
ミリ波レーダのような技術によって、比較的遠距離に存在する物体を検出するには、利得の高いアンテナが必要になる。このような場合、所要の利得に応じた複数のアンテナ素子を配置し、同位相で合成することにより、指向性を所望の方向へ向けることができる。この場合、アンテナを高利得に設計するほど、素子の数を多くする必要があり、指向性が狭くなる。
特定のユースケースにおいては、以上説明したような電子機器100が有用である。一方で、電子機器100では実現が困難な機能が望まれるようなユースケースも想定される。例えば、上述した路側機若しくは信号機又はこれらの付近に設置されて道路を走行する自動車などを検出するレーダ装置のように、いくつかのユースケースに応じて適宜切り替え可能な機能が望まれることもある。例えば、路側機若しくは信号機又はこれらの付近などのように、比較的高い位置に設置された装置によって、道路を走行する自動車及び歩行者などを検出するようなユースケースも想定される。このようなユースケースにおいて、当該装置の下方における比較的近い距離の自動車などを検出する機能が望まれることがある。また、前述のようなユースケースにおいて、当該装置から比較的遠く離れた位置の自動車などを検出することが望まれることもある。
このような要望に応じようとしても、電子機器100は、指向性の方向を変更することができない。このため、電子機器100は、当該電子機器100から比較的遠く離れた水平方向に指向性を向ける一方、当該電子機器100から比較的近くの下方に指向性を向けるような切り替えはできない。ここで、制御部50’が各放射素子から送信される送信波の位相を制御することにより、送信波の指向性を変更することも考えられる(ビームフォーミング)。しかしながら、このようなビームフォーミングを行ったとしても、第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、又は第3送信アンテナ13’のような比較的多数の放射素子から送信される送信波の指向性は、比較的鋭い(狭い)ものとなる。第1送信アンテナ11’、第2送信アンテナ12’、又は第3送信アンテナ13’のビームフォーミングを行った送信波によっても、ヌル点などの存在により、所望の検出精度が得られないことも想定される。上述のように、路側機若しくは信号機などのように比較的高い場所へ設置したミリ波レーダが、近距離の物体を検出するには、下方向に対して高いアンテナ利得が必要である。しかしながら、同位相で合成されたアンテナの指向性は、比較的狭くなるため、物体を検知するだけの利得が不足することも想定される。図24に示す電子機器100は、放射素子を縦方向のみに並べている。このため、電子機器100において、アンテナ1本あたりの水平方向の指向性は、比較的広くなる(半値幅40~50°)。よって、図24に示す電子機器100によれば、3本のアンテナによるビームフォーミングをしても、それなりにステアリング角度が得られる。一方、後述する図1に示す電子機器1は、放射素子を横方向にも並べている。このため、図1に示す電子機器1において、ビームフォーミングをしたとしても、ステリング角度は比較的狭くなる。
そこで、一実施形態に係る電子機器は、送信波又は受信波のビームの方向とともに、指向性の広狭を切り替え可能にすることにより、特定の使用態様において利便性を高める。以下、このような電子機器について、さらに説明する。
図1及び図2は、一実施形態に係る電子機器の構成を示す図である。図1は、一実施形態に係る電子機器を所定の方向から見た図である。図1における所定の方向とは、図24において言及した所定の方向と同じとしてよい。図2は、一実施形態に係る電子機器を、図1における所定の方向とは反対の方向から見た図である。
図1及び図2において、X軸方向を横方向又は左右方向としてよい。図1及び図2において、Y軸方向を縦方向又は上下方向としてよい。特に、図1及び図2において、Y軸正方向を上方向とし、Y軸負方向を下方向としてよい。図1及び図2において、Z軸方向を前後方向としてよい。特に、図1及び図2において、Z軸正方向を前方向又は正面(前面)方向とし、Z軸負方向を後方向又は背面方向としてよい。
図1及び図2に示すように、一実施形態に係る電子機器1は、基板10を備えてよい。基板10は、通常の電気回路又は電子回路に用いられる回路基板としてよい。図1に示す基板10の面(すなわち基板10のZ軸正方向の面)は、便宜的に、表側の面又は表面とも記す。また、図2に示す基板10の面(すなわち基板10のZ軸負方向の面)は、便宜的に、裏側の面又は裏面とも記す。図1及び図2は、電子機器1の送信系及び受信系の機能部を示してある。
図1に示すように、電子機器1は、基板10の表面において、第1送信アンテナ11、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13を備えている。図1に示すように、電子機器1は、基板10の表面において、第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22を備えている。第1送信アンテナ11、第2送信アンテナ12、第3送信アンテナ13、第1受信アンテナ21、及び第2受信アンテナ22は、ミリ波レーダに一般的に用いられる平面アンテナ(パッチアンテナ)としてよい。
図1に示すように、第1送信アンテナ11は、図1において電子機器1の右側の送信パッチアンテナとして構成され、第2送信アンテナ12は、図1において電子機器1の左側の送信パッチアンテナとして構成されてよい。図1に示すように、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12は、基板10の中央から上側において、左右に隣り合うように配置されてよい。第3送信アンテナ12は、基板10の下側において、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12の左右方向の中央よりも、第1送信アンテナ11寄りの位置に配置されてよい。
図1に示すように、第1送信アンテナ11は、送信アンテナ11A、送信アンテナ11B、送信アンテナ11C、及び送信アンテナ11Dを含んでよい。また、第2送信アンテナ12は、送信アンテナ12A、送信アンテナ12B、送信アンテナ12C、及び送信アンテナ12Dを含んでよい。また、第3送信アンテナ13は、送信アンテナ13Aを含んでよい。図1に示すように、第1送信アンテナ11、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13は、それぞれ複数の放射素子を含んでよい。これらの各放射素子は、例えば銅などの金属材料で構成してよい。
図1に示す例においては、第1送信アンテナ11A乃至第1送信アンテナ11D、及び、第2送信アンテナ12A乃至第2送信アンテナ12Dは、それぞれ、上側に4個及び下側に4個の計8個の放射素子を含んでいる。図1に示すように、第1送信アンテナ11A乃至第1送信アンテナ11D、及び、第2送信アンテナ12A乃至第2送信アンテナ12Dにおいて、これらを構成する各放射素子は、横方向に給電されてよい。第1送信アンテナ11A乃至第1送信アンテナ11D、及び、第2送信アンテナ12A乃至第2送信アンテナ12Dのそれぞれにおいて、上側の4個の放射素子は、縦方向に配列され、横方向に給電されるように電気的に接続される。また、第1送信アンテナ11A乃至第1送信アンテナ11D、及び、第2送信アンテナ12A乃至第2送信アンテナ12Dのそれぞれにおいて、下側の4個の放射素子も、縦方向に配列され、横方向に給電されるように電気的に接続される。
また、第3送信アンテナ13は、4個の放射素子を含んでいる。図1に示すように、第3送信アンテナ13において、これを構成する各放射素子は、縦方向に給電されてよい。第3送信アンテナ13において、4個の放射素子は、縦方向に配列され、縦方向に給電されるように電気的に直列接続される。
図1に示すように、第1送信アンテナ11A乃至第1送信アンテナ11Dにおいて、上側の4個の接続された放射素子の下端と、下側の4個の接続された放射素子の上端とは、それぞれ給電点31A乃至給電点31Dに電気的に接続される。給電点31A乃至給電点31Dは、第1送信アンテナ11A乃至第1送信アンテナ11Dをそれぞれ構成する複数の放射素子に給電する。第2送信アンテナ12A乃至第2送信アンテナ12Dにおいて、上側の4個の接続された放射素子の下端と、下側の4個の接続された放射素子の上端とは、それぞれ給電点32A乃至給電点32Dに電気的に接続される。給電点32A乃至給電点32Dは、第2送信アンテナ12A乃至第2送信アンテナ12Dをそれぞれ構成する複数の放射素子に給電する。第3送信アンテナ13(第3送信アンテナ13A)において、4個の直列接続された放射素子の上端は、給電点33に電気的に接続される。給電点33は、第3送信アンテナ13(第3送信アンテナ13A)を構成する複数の放射素子に給電する。
第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12において、上側の4個の接続された放射素子と、下側の4個の接続された放射素子とは、図1に示すように、縦方向に配置され、横方向に給電されてよい。また、第3送信アンテナ13において、4個の直列接続された放射素子は、図1に示すように、縦方向に配置され、縦方向に給電されてよい。このように、第1送信アンテナ11、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13は、アレイアンテナを構成してよい。
給電点31A乃至給電点31D、給電点32A乃至給電点32D、及び給電点33は、、それぞれ、図2に示す基板10の裏側の面から、図1に示す基板10の表側の面に電力を供給する。このため、給電点31A乃至給電点31D、給電点32A乃至給電点32D、及び給電点33は、それぞれ、基板10を厚さ方向に貫通する導体などを含んで構成されてよい。給電点31A乃至給電点31Dは、それぞれ、基板10の表面に配置される第1送信アンテナ11A乃至第1送信アンテナ11Dに、基板10の裏面側から電力を給電する。給電点32A乃至給電点32Dは、それぞれ、基板10の表面に配置される第2送信アンテナ12A乃至第2送信アンテナ12Dに、基板10の裏面側から電力を給電する。給電点33は、基板10の表面に配置される第3送信アンテナ13(第3送信アンテナ13A)に、基板10の裏面側から電力を給電する。
また、図1に示すように、電子機器1の受信アンテナは、基板10の表面において、受信アンテナ20A、受信アンテナ20B、受信アンテナ20C、及び受信アンテナ20Dを含んでよい。図1に示すように、受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dは、それぞれ複数の放射素子を含んでよい。これらの各放射素子は、例えば銅などの金属材料で構成してよい。
図1に示す例においては、受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dは、それぞれ、上側に4個及び下側に4個の計8個の放射素子を含んでいる。図1に示すように、受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dのそれぞれを構成する放射素子のうち上側の4つは、それぞれ横方向に給電されてよい。受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dのそれぞれの上側の4個の放射素子は、縦方向に配列され、横方向に給電されるように電気的に接続されてよい。一方、受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dのそれぞれを構成する放射素子のうち下側の4つは、それぞれ縦方向に給電されてよい。受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dのそれぞれの下側の4個の放射素子は、縦方向に配列され、縦方向に給電されるように電気的に接続されてよい。この結果、本実施形態の電子機器1は、水平偏波と垂直偏波とを、送信及び/又は受信することができる。また、本実施形態の電子機器1は、図1に示される配置にすることにより、アンテナ素子の干渉が抑制され、特に水平偏波と垂直偏波の干渉も抑制されており、利得の減少を抑制するなど設計通りの所望な特性を得ることができる。本実施形態の電子機器1の構造において、給電分岐部から上下にアンテナ素子を直線的に配列していることが重要である。本実施形態の電子機器1は、後述の図3に示す指向性の説明から明らかなように、正面及び下向きのピームを送信する例となっている。本実施形態の電子機器1では、光路としての重なりが少ないことが、利得の減少を抑制するなど設計通りの所望な特性を得られる一つの理由としてよい。
本実施形態の電子機器1において、送信アンテナ11及び送信アンテナ12を構成する各放射素子は第1方向に給電され、送信アンテナ13を構成する各放射素子は第1方向とは異なる第2方向に給電されてもよい。ここで、第1方向及び第2方向は、互いに垂直でもよいし、垂直以外の角度をなす方向でもよい。また、第1方向及び第2方向は、図1に示されるX軸又はY軸に平行であってもよいし、平行でなくてもよい。本実施形態の電子機器においては、受信アンテナ21を構成する各放射素子は第3方向に給電され、受信アンテナ22を構成する各放射素子は第3方向とは異なる第4方向に給電されてもよい。ここで、第3方向及び第4方向は、互いに垂直でもよいし、垂直以外の角度をなす方向でもよい。また、第3方向及び第4方向は、図1に示されるX軸又はY軸に平行であってもよいし、平行でなくてもよい。本開示において、放射素子が給電される方向とは、放射素子に接続される給電配線が接続される方向であるとしてよい。
図1に示すように、受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dにおいて、上側の4個の接続された放射素子の下端と、下側の4個の接続された放射素子の上端とは、それぞれ給電点40A乃至給電点40Dに電気的に接続される。給電点40A乃至給電点40Dは、受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dをそれぞれ構成する複数の放射素子に給電する。
受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dにおいて、上側の4個の接続された放射素子は、図1に示すように、縦方向に配置され、横方向に給電されてよい。図1に示すように、受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dにおいて、上側の4個の接続された放射素子は、第1受信アンテナ21として機能してよい。受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dにおいて、下側の4個の接続された放射素子は、図1に示すように、縦方向に配置され、縦方向に給電されてよい。図1に示すように、受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dにおいて、下側の4個の接続された放射素子は、第2受信アンテナ22として機能してよい。このように、受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20D、又は第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22は、アレイアンテナを構成してよい。
給電点40A乃至給電点40Dは、それぞれ、図2に示す基板10の裏側の面から、図1に示す基板10の表側の面に電力を供給する。このため、給電点40A乃至給電点40Dは、それぞれ、基板10を厚さ方向に貫通する導体などを含んで構成されてよい。給電点40A、給電点40B、給電点40C、及び給電点40Dは、それぞれ、基板10の表面に配置される受信アンテナ20A、受信アンテナ20B、受信アンテナ20C、及び受信アンテナ20Dに、基板10の裏側の面から電力を給電する。本開示においては、第1受信アンテナ21と第2受信アンテナ22とが、切替スイッチなどの機構無しで、水平指向性方向(図3のd1)と、下向き指向性方向(図3のd2)との同時受信が可能となっている。
第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12において、上側の4個の放射素子を結線するそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を直列接続する配線)は、同じ長さとしてよい。第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12において、下側の4個の放射素子を結線するそれぞれの配線も、同じ長さとしてよい。第3送信アンテナ13において、4個の放射素子を結線するそれぞれの配線も、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12の上側の4個の放射素子を結線するそれぞれの配線よりも長く、かつ、同じ長さとしてよい。このように、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12において、それぞれの配線(隣接する放射素子同士を接続する配線)は、例えば第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12から送信される送信波の波長λと同じ長さにしてもよい。
第3送信アンテナ13において、それぞれの配線(隣接する放射素子同士を接続する配線)は、第3送信アンテナ13から送信される送信波の波長λよりも長くしてもよい。隣接する放射素子同士を接続する配線の長さを、送信波の波長λと同じ長さにすることで、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12から送信される送信波の位相を揃えることができる。また、第3送信アンテナ13において、それぞれの配線(隣接する放射素子同士を接続する配線)は、第3送信アンテナ13から送信される送信波の波長λよりも長くすることで、第3送信アンテナ13の指向性を下向きにすることができる。第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12において、上側の4個の放射素子を結線するそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を直列接続する配線)は、例えば第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12から送信される送信波の波長λと同じ長さでなくてもよい。
第1送信アンテナ11、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13おいて、放射素子を結線するそれぞれの配線は、波長短縮率を含む波長λの長さになる。つまり、本開示において、配線長は波長λの長さとしてよい。さらに、本開示において、伝送線路の場合、伝送線路上の信号の波長は、基板を構成する誘電体の比誘電率で決まる波長短縮率(εr)^(-0.5)が乗算されるものとしてよい。つまり、本開示において、伝送線路上の信号の波長は、真空中の波長λ0より短くなるものとしてよい。このように、本開示の電子機器1は、第1送信アンテナ11、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13において放射素子を結線するそれぞれの配線の長さを調節することにより、送信する電波の指向性を調整することができる。
また、受信アンテナ20A、受信アンテナ20B、受信アンテナ20C、及び受信アンテナ20Dのそれぞれにおいて、上側の4個の放射素子を結線するそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を直列接続する配線)は、同じ長さとしてよい。受信アンテナ20A、受信アンテナ20B、受信アンテナ20C、及び受信アンテナ20Dのそれぞれにおいて、下側の4個の放射素子を結線するそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を直列接続する配線)は、同じ長さとしてよい。また、本開示において、前述の上側の4個の放射素子を結線するそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を接続する配線)は、例えば送信波の波長λと同じ長さにしてもよい。この場合、前述の下側の4個の放射素子を結線するそれぞれの配線は、例えば送信波の波長λよりも長くしてもよい。隣接する放射素子同士を接続する配線の長さを同じ長さにすることで、受信アンテナ20A、受信アンテナ20B、受信アンテナ20C、及び受信アンテナ20Dから受信される反射波の位相を揃えることができる。また、このような配置により、第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22から受信される反射波の位相を揃えることができる。
また、本開示において、このようなそれぞれの配線(隣接する放射素子同士を接続する配線)は、例えば送信波の波長λと同じ長さにしてよい。隣接する放射素子同士を接続する配線の長さを、送信波の波長λと同じ長さにすることで、受信アンテナ20A、受信アンテナ20B、受信アンテナ20C、及び受信アンテナ20Dから受信される反射波の位相を揃えることができる。また、このような配置により、第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22から受信される反射波の位相を揃えることができる。
さらに、本開示において、伝送線路の場合、伝送線路上の信号の波長は、基板を構成する誘電体の比誘電率で決まる波長短縮率(εr)^(-0.5)が乗算されるものとしてよい。つまり、本開示において、伝送線路上の信号の波長は真空中の波長λ0より短くなるものとしてよい。このように、本開示の電子機器1では、第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22において、放射素子を結線するそれぞれの配線の長さを調節することにより受信電波の指向性を調整することができる。また、一実施形態に係る電子機器1(受信装置)は、第1受信アンテナ21と、第2受信アンテナ22とを備えてよい。第1受信アンテナ21は、第1方向d1に指向性を有する。第2受信アンテナ22は、第2方向d2に指向性を有する。ここで、第2方向d2は、第1方向d1とは異なる方向としてよい。本開示において、第1方向d1が水平方向(z軸に水平方向)、第2方向d2が下方向(z軸に対して所定角度θ方向))としてもよい。また、本開示において、第2方向d2が水平方向(z軸に水平方向)、第1方向d1が下方向(z軸に対して所定角度θ方向))としてもよい。第1受信アンテナ21は、第1受信アンテナ21によって受信される電波が第1偏波方向に偏波(水平偏波)している際に受信の利得が最大になるものとしてよい。第2受信アンテナ22は、第2受信アンテナ22によって受信される電波が第2偏波方向に偏波(垂直偏波)している際に受信の利得が最大になるものとしてよい。また、第2偏波方向は、第1偏波方向とは異なる方向としてもよい。また、本開示では、第1受信アンテナ21は、第1受信アンテナ21によって受信される電波の偏波方向が第1偏波方向に近づくほど受信の利得が増加するものとしてよい。第2受信アンテナ22は、第2受信アンテナ22によって受信される電波の偏波方向が第1偏波方向と異なる第2偏波方向に近づくほど受信の利得が増加するものとしてよい。また、第2偏波方向は、第1偏波方向とは異なる方向としてもよい。また、第1偏波方向と第2偏波方向とは互いに垂直であっもてよいし、垂直でなくともよい。
給電点31A乃至給電点31D及び給電点32A乃至給電点32Dと、その上下に配置される放射素子とを結線する配線は、それぞれ、例えば送信波の波長λと同じ長さにしてよい。また、給電点33と、その下に配置される放射素子とを結線する配線は、例えば送信波の波長λよりも長くしてよい。このような構成により、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12から送信される送信波の位相を揃えることができ、第3送信アンテナ13から送信される送信波の指向性を例えば下向き(Y軸負方向)とすることができる。また、給電点40A乃至及び給電点40Dと、その上側に配置される放射素子とを結線する配線は、例えば送信波の波長λと同じ長さにしてもよい。この場合、電点40A乃至及び給電点40Dと、その下側に配置される放射素子とを結線する配線は、例えば送信波の波長λよりも長くしてもよい。
本開示の電子機器1において、給電点40A乃至及び給電点40Dと、その下側に配置される放射素子とを結線する配線は、例えば送信波の波長λよりも長くしてもよい。この場合、電点40A乃至及び給電点40Dと、その下側に配置される放射素子とを結線する配線は、例えば送信波の波長λと同じ長さとしてもよい。このように、放射素子を結線する配線を送信波の波長λと同じ長さにすることにより、Z軸に平行な方向の指向性を持たせたりしてもよい。また、放射素子を結線する配線を送信波の波長λと異なる長さにすることにより、Z軸に平行でない方向の指向性を持たせたりしてもよい。本開示において、放射素子を結線する配線を送信波又は受信波の波長λよりも長くする場合に代えて、放射素子を結線する配線を送信波又は受信波の波長λよりも短くしてもよい。給電点から上側に配置される第1受信アンテナ21などのアンテナは、素子間隔を長くすると、指向性が上向きになる。給電点から上側に配置される第1受信アンテナ21などのアンテナは、素子間隔を短くすると、指向性が下向きになる。給電点から下側に配置される第3送信アンテナ13及び/又は第2受信アンテナ22などのアンテナは、素子間隔を長くすると、指向性が下向きになる。給電点から下側に配置される第3送信アンテナ13及び/又は第2受信アンテナ22などのアンテナは、素子間隔を短くすると、指向性が上向きになる。
図2に示すように、電子機器1は、基板10の裏面において、制御部50を備えている。また、電子機器1は、基板10の裏面において、給電点31A乃至給電点31D、給電点32A乃至給電点32D、給電点33、給電点40A乃至給電点40Dを備えている。
制御部50は、電子機器1を構成する各機能部の制御をはじめとして、電子機器1全体の動作の制御を行うことができる。制御部50は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、例えばCPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)のような、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。制御部50は、まとめて1つのプロセッサで実現してもよいし、いくつかのプロセッサで実現してもよいし、それぞれ個別のプロセッサで実現してもよい。プロセッサは、単一の集積回路として実現されてよい。集積回路は、IC(Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。一実施形態において、制御部50は、例えばCPU及び当該CPUで実行されるプログラムとして構成してよい。また、制御部50は、任意のSoC(System-on-a-chip)などとして構成されてもよい。制御部50は、任意のメモリを適宜含んでもよい。一実施形態において、任意のメモリは、第1送信アンテナ11、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13の少なくともいずれかから送信する送信波を規定するための各種パラメータを記憶してよい。
図2に示す給電点31A乃至給電点31D、給電点32A乃至給電点32D、及び給電点33は、それぞれ、図1に示した給電点31A乃至給電点31D、給電点32A乃至給電点32D、及び給電点33に対応する。図2に示す給電点40A乃至給電点40Dは、それぞれ、図1に示した給電点40A乃至給電点40Dに対応する。これらの対応する給電点同士は、それぞれは、例えば基板10に穿設されたスルーホールを経るなどして、例えば導体などによって電気的に接続されてよい。
図2に示すように、給電点31A乃至給電点31Dは、配線によって送信ポート61に電気的に接続されてよい。給電点32A乃至給電点32Dは、配線によって送信ポート62に電気的に接続されてよい。給電点33は、配線によって送信ポート63に電気的に接続されてよい。送信ポート61、送信ポート62、及び送信ポート63は、それぞれ、制御部50の送信RF(Radio Frequency)ポートとしてよい。給電点31A乃至給電点31Dと送信ポート61とを接続する配線、及び、給電点32A乃至給電点32Dと送信ポート62とを接続する配線は、同じ長さとしてよい。このような構成により、制御部50の送信ポート61及び送信ポート62から同時に同じ位相の送信波を出力すれば、給電点31及び給電点32に供給される送信信号の位相を揃えることができる。
また、図2に示すように、給電点40A乃至給電点40Dは、それぞれ、配線によって受信ポート70A乃至受信ポート70Dに電気的に接続されてよい。受信ポート70A乃至受信ポート70Dは、それぞれ、制御部50の受信RFポートとしてよい。給電点40A乃至給電点40Dと、受信ポート70A乃至受信ポート70Dとを接続する配線は、それぞれ互いに同じ長さとしてよい。このような構成により、給電点40A乃至給電点40Dのそれぞれから、同じ位相で同時に制御部50の受信ポート70A乃至受信ポート70Dまで供給される受信信号の位相を揃えることができる。
上述のように、隣り合う放射素子を接続する配線、及び、放射素子と給電点とを接続する配線を全て同じ長さにするのは、送信波を同時に(同じタイミングで)送信する場合の設計としてよい。例えば、送信波を同時に(同じタイミングで)送信しない場合、隣り合う放射素子を接続する配線、及び/又は、放射素子と給電点とを接続する配線を同じ長さにしなくてもよい。
電子機器1の第1送信アンテナ11、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13は、ミリ波(30GHz以上)又は準ミリ波(例えば20GHz~30GHz付近)などのような周波数帯の電波を送信してよい。例えば、電子機器1の第1送信アンテナ11、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13は、77GHz~81GHzのように、4GHzの周波数帯域幅を有する電波を送信してもよい。電子機器1において、これらのような送信波を送信するための送信信号は、例えば制御部50によって生成されてよい。
以上説明した構成により、電子機器1の第1送信アンテナ11、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13は、物体を検出するための電磁波(送信波)を送信することができる。また、電子機器1の第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22は、送信波が物体に反射した反射波を受信することができる。
図2に示すように、電子機器1において、基板10の裏面には制御部50が実装されている。制御部50の2つの送信ポート61及び送信ポート62は、それぞれ給電点31A乃至給電点31D及び給電点32A乃至給電点32Dに等長配線されている。したがって、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12は、それぞれ制御部50と等しい長さの経路で接続される。送信ポート61及び送信ポート62に接続される配線は、図2に示すように、それぞれ4分配されて、基板10の表面における給電点31A乃至給電点31D及び給電点32A乃至給電点32Dに接続される。制御部50の4つの受信ポート70A乃至受信ポート70Dは、それぞれ対応する給電点40A乃至給電点40Dに等長配線されている。したがって、受信アンテナ20A、受信アンテナ20B、受信アンテナ20C、及び受信アンテナ20Dは、それぞれ制御部50と等しい長さの経路で接続される。
電子機器1において、送信アンテナ及び/又は受信アンテナのそれぞれを構成する放射素子の数と、制御部50の送信ポート及び/又は受信ポートから給電点まで配線を分配する数は、システム設計によって、種々のものとしてよい。例えば、一実施形態に係る電子機器1において、送信アンテナ及び/又は受信アンテナのそれぞれを構成する放射素子の数は、1列8素子ではなく、1列16素子などとしてもよい。また、例えば、一実施形態に係る電子機器1において、制御部50の1つの送信ポートから給電点まで接続される配線は、4分配されるのではなく、8分配などとされてもよい。また、電子機器1は、第1受信アンテナ21と第2受信アンテナ22の給電点から信号を分波する分波回路などを、適宜備えてもよい。
図3は、電子機器1の指向性を説明する図である。図3に示す電子機器1は、図1及び図2に示した電子機器1を側方から見た様子を示す図である。図3において、電子機器1は、基板10並びに第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22のみを示し、その他の機能部の図示は省略してある。
図1示したように、第1受信アンテナ21に含まれる各放射素子は、それぞれの放射素子の右側から給電される。したがって、第1受信アンテナ21に含まれる放射素子の直線偏波の偏波面は、地面に対して水平(X軸に平行)、すなわち水平偏波となる。また、第1受信アンテナ21に含まれる各放射素子の間隔は、各入力が同位相になるように接続される。このため、第1受信アンテナ21に含まれる各放射素子の指向性は、図3に示す方向d1のように、基板10について正面方向(Z軸正方向)を向く。図3は、第1受信アンテナ21の指向性が方向d1を向く様子を示し、この方向にビームを形成している様子を示している。
一方、図1示したように、第2受信アンテナ22に含まれる各放射素子は、それぞれの放射素子の上側から給電される。したがって、第2受信アンテナ22に含まれる放射素子の直線偏波の偏波面は、地面に対して垂直(X軸に垂直)、すなわち垂直偏波となる。また、第2受信アンテナ22に含まれる各放射素子の間隔は、指向性が下方向の成分を含む(すなわち斜め下)ような位相差となる間隔で配置している。このため、第2受信アンテナ22に含まれる各放射素子の指向性は、図3に示す方向d2のように、基板10について斜め下方向(Y軸負方向成分を含む方向)を向く。図3は、第2受信アンテナ22の指向性が方向d2を向く様子を示し、この方向にビームを形成している様子を示している。
アレイアンテナを構成する放射素子において、放射素子の給電位置により、水平方向と垂直方向の指向性が若干異なる。これは、給電により電磁界の対称性が崩れるためである。一実施形態に係る電子機器1は、水平偏波を第1受信アンテナへ適用し、垂直偏波を第2受信アンテナへ適用することで、レーダとしてのエリアが広がる効果がある。この点について、図4、図5、及び図6を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る電子機器1のアンテナの上面図である。図5は、本実施形態の電子機器の利得の3次元極座標プロットの上面図である。図6は、本実施形態に係る電子機器1の利得のプロットを示すグラフである。
図4において、アンテナ面に平行な鉛直下方をX軸方向とし、アンテナ面に平行な水平方向をY軸方向とし、アンテナ面に垂直で電波が入射する方向と逆方向をZ軸方向としている。図4において、X軸方向は、E面(電界面)で、X軸方向偏波のゲインを示す方向である。Y軸方向は、H面(磁界面)で、Y軸方向偏波のゲインを示す方向である。図5及び図6に示されるように、本開示の実施形態では、Z軸方向からみた3D放射パターンとして、X軸方向のPhi0°での利得の値に対して、Y軸方向のPhi90°での利得の値が小さくなっている。図6のX軸方向偏波のゲインのグラフは、本開示による縦方向の偏波に対応し、Y軸方向偏波のゲインのグラフは、横方向の偏波に対応する。したがって、本開示では、X軸方向偏波のゲイン(垂直方向)の方がY軸方向偏波のゲイン(水平方向)よりも指向性が広いこととなる。したがって、本開示では、アレイアンテナの素子において、給電位置により、水平方向と垂直方向の指向性が若干異なる点を利用して、所望の方向の指向性を広くしたり狭くしたりするような調整を行うことができる。また、図5において、角度θは、z軸となす角を示し、角度φはxy平面におけるx軸とのなす角を示す。
上述のように、一実施形態に係る電子機器1は、第1受信アンテナ21の偏波面と第2受信アンテナ22の偏波面を90°ずらすことにより、直交性を持たせる。このような構成により、一実施形態に係る電子機器1は、アンテナ間の干渉を低減させることができる。また、一実施形態に係る電子器1において、第1受信アンテナ21と、第2受信アンテナ22は、異なる周波数の電波(信号)を受信してもよいし、同じ周波数の信号を受信してもよい。本開示の電子機器1では、第1受信アンテナ21の偏波面と、第2受信アンテナ22の偏波面を、90°以外の任意の角度でずらしてもよい。
ここで、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12に含まれる各放射素子は、それぞれの放射素子の右側から給電される。したがって、電子機器1において、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12に含まれる放射素子の偏波面と、第1受信アンテナ21に含まれる放射素子の偏波面とは、一致する設計となっている。また、第3送信アンテナ13に含まれる各放射素子は、それぞれの放射素子の上側から給電される。したがって、電子機器1において、第3送信アンテナ13に含まれる放射素子の偏波面と、第2受信アンテナ22に含まれる放射素子の偏波面とは、一致する設計となっている。
上述のように、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12において、隣り合う放射素子を接続する配線、及び、放射素子と給電点とを接続する配線を全て同じ長さにするのは、送信波を同時に(同じタイミングで)送信する場合の設計としてよい。例えば、送信波を同時に(同じタイミングで)送信しない場合、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12において、隣り合う放射素子を接続する配線、及び/又は、放射素子と給電点とを接続する配線を同じ長さにしなくてもよい。
上述の説明においては、第1受信アンテナ21、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13に含まれる各放射素子の偏波は、直線偏波であることを想定して説明した。しかしながら、一実施形態に係る電子機器1の第1受信アンテナ21、第2送信アンテナ12、及び第3送信アンテナ13に含まれる各放射素子の偏波は、直線偏波に限定されず、例えば円偏波、又は楕円偏波などとしてもよい。このように、一実施形態に係る電子機器1における偏波は、直線偏波、楕円偏波、及び円偏波のいずれかであってもよい。例えば、一実施形態に係る電子機器1において、水平偏波及び垂直偏波の少なくとも一方は、直線偏波、楕円偏波、及び円偏波のいずれかであってもよい。
図1に示す電子機器1において、第3送信アンテナ13は、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12の下側に配置されている。このような配置により、一実施形態に係る電子機器1は、後述するレドーム90を備える際に、有利な効果を得ることができる。また、上述のように、第3送信アンテナ13は、基板10の下側において、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12の左右方向の中央よりも、第1送信アンテナ11寄りの位置に配置されている。このような配置により、制御部50からの伝送線路のロスを低減することができる。
一方、一実施形態に係る電子機器1が、後述するレドーム90を備えない場合、例えば、第3送信アンテナ13は、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12と横方向に並べて配置してもよい。この場合、第3送信アンテナ13の伝送線路を長くする必要があるため、ロスは大きくなる。その一方、第3送信アンテナ13を、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12の下側に配置する必要がなくなる。したがって、このような配置によれば、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12(並びに第3送信アンテナ13)を構成する放射素子の数を増大させることができる。
以上説明したように、一実施形態に係る電子機器1によれば、例えばRFスイッチのような機能部を用いることなく、受信アンテナの指向性を、例えば正面方向及び斜め下方向に向けることができる。したがって、一実施形態に係る電子機器1によれば、例えばミリ波レーダのような物体検出技術において、利便性を高めることができる。
以上のような構成によって、電子機器1は、例えば下方向(斜め下方向)に指向性を有することにより、送信波が物体に反射した反射波を受信することができる。また、以上のような構成によって、電子機器1は、例えば正面方向(前方向)に指向性を有することにより、送信波が物体に反射した反射波を受信することができる。
一実施形態に係る電子機器1によれば、例えば、路側機若しくは信号機又はこれらの付近に設置されて道路を走行する自動車及び歩行者などを検出する装置としてのユースケースに対応することができる。すなわち、電子機器1によれば、当該機器の下方における比較的近い距離の自動車などを検出する機能が実現される。また、電子機器1によれば、当該機器の水平方向に近い方向における当該機器から比較的遠く離れた位置の自動車などを検出する機能も実現される。
このように、一実施形態に係る電子機器1によれば、指向性の方向を変更することができる。したがって、一実施形態に係る電子機器1は、送信波又は受信波のビームの方向とともに、指向性の広狭を切り替え可能にすることにより、特定の使用態様において利便性を高めることができる。
以下、一実施形態に係る電子機器1による効果の例について、さらに説明する。
図7は、受信アンテナ20A乃至受信アンテナ20Dにおいて放射素子が縦方向に配列される構成の効果の例を示す図である。図7は、図1に示した構成において、受信アンテナの縦方向に配列される放射素子の数を変更した構成を示している。以下、このような構成による動作をシミュレートした結果について説明する。
本シミュレーションにおいては、図7に示すように、縦方向に12の放射素子を配列した構成を採用した。図7に示すように、縦方向に12個配列された放射素子のうち、上側の6個は水平偏波のアレイアンテナであるものとし、下側の6個は垂直偏波のアレイアンテナであるものとする。また、本シミュレーションにおいて、図7に示す放射素子は、79GHzにマッチングさせた。また、本シミュレーションにおいては、各放射素子に給電点を設け、それぞれ個別に送信波の振幅及び位相を変更できるものとした。
図7に示す水平偏波の上側の6個の放射素子は同位相で合成し、メインローブは基板10の面から正面方向(Z軸正方向)を向いている。また、図7に示す垂直偏波の下側の6個の放射素子については位相差を与え、メインローブは基板10の面に対して斜め下方向(Z軸正方向成分及びY軸負方向成分を有する)を向いている。
図8は、図7に示した放射素子による各偏波ごとの利得をプロットしたグラフを示す図である。図8は、図7に示した放射素子による偏波の利得と、YZ平面に平行な平面における角度との関係について示している。図8に示す円グラフの半径方向は、利得の大きさ(dBi)を示す。図8に示す円グラフの円周方向は、YZ平面に平行な平面における角度(°)を示す。図8に示す円グラフの円周方向において、90°は、Z軸正方向、すなわち図7に示す放射素子の正面方向を示す。図8に示す円グラフの円周方向において、0°は、Y軸正方向、すなわち図7に示す放射素子の上方向を示す。図8に示す円グラフの円周方向において、180°(-180°)は、Y軸負方向、すなわち図7に示す放射素子の下方向を示す。
図8に示す曲線のうち、実線で示す曲線は、図7に示した上側の6個の放射素子による水平偏波の利得を示している。また、一点鎖線で示す曲線は、図7に示した下側の6個の放射素子による垂直偏波の利得を示している。さらに、破線で示す曲線は、図7に示した上側の6個の放射素子及び下側の6個の放射素子による、水平偏波及び垂直偏波を合成した利得を示している。
図8に示すように、実線で示す水平偏波は、メインローブが正面方向(90°)を向いている(利得10.7dBi)。また、図8に示すように、一点鎖線で示す垂直偏波は、メインローブが斜め下45°方向(135°)を向いている(利得9.8dBi)。図8から、それぞれ偏波ごとに異なる角度おいて、メインローブのピークが存在することが分かる。
図9は、図8に示した利得を3Dプロットした例を示す図である。図9においては、図8にて破線で示した利得の曲線、すなわち図7に示した上側の6個の放射素子及び下側の6個の放射素子による、水平偏波及び垂直偏波を合成した利得を3Dプロットした例を示している。図9においては、グレースケールの色が濃いところほど利得が高いことを示している。図9に示すように、水平偏波は正面方向にピークを有し、垂直偏波は斜め下方向にピークを有することが分かる。
次に、他の構成によるシミュレーション結果を示す。図10は、図7に示した構成において、下側の放射素子の数を1つのみに変更した構成を示している。以下、このような構成による動作をシミュレートした結果について説明する。また、以下において、上述したシミュレーションの説明と重複する説明は、適宜、簡略化又は省略する。
図11は、図10に示した放射素子による各偏波ごとの利得をプロットしたグラフを示す図である。図11に示す曲線のうち、実線で示す曲線は、図10に示した上側の6個の放射素子による水平偏波の利得を示している。また、一点鎖線で示す曲線は、図10に示した下側の1個の放射素子による垂直偏波の2利得を示している。さらに、破線で示す曲線は、図10に示した上側の6個の放射素子及び下側の1個の放射素子による、水平偏波及び垂直偏波を合成した利得を示している。
上述のように、図10に示した構成は、図7に示した構成において下側の放射素子の数を1つのみにしたものである。このため、図11に示すように、一点鎖線で示す曲線、すなわち垂直偏波の利得は、斜め下45°方向(135°)において、図8に示した結果に比べてピークが下がっている。一方、図11に示すように、一点鎖線で示す曲線、すなわち垂直偏波の利得は、ヌル点が存在しないことが分かる。したがって、図7に示した構成においては、垂直偏波による検出のロバスト性を高めることができる。図12は、図11に示した利得を3Dプロットした例を示す図である。図10に示した構成によれば、装置のコストダウンを図ることができる。
次に、他の構成によるシミュレーション結果を示す。図13は、図10に示した構成において、下側の放射素子の数を2個に変更した構成を示している。以下、このような構成による動作をシミュレートした結果について説明する。また、以下において、上述したシミュレーションの説明と重複する説明は、適宜、簡略化又は省略する。
図14は、図13に示した放射素子による各偏波ごとの利得をプロットしたグラフを示す図である。図14に示す曲線のうち、実線で示す曲線は、図13に示した上側の6個の放射素子による水平偏波の利得を示している。また、一点鎖線で示す曲線は、図13に示した下側の2個の放射素子による垂直偏波の利得を示している。さらに、破線で示す曲線は、図13に示した上側の6個の放射素子及び下側の2個の放射素子による、水平偏波及び垂直偏波を合成した利得を示している。
上述のように、図13に示した構成は、図10に示した構成において下側の放射素子の数を2個にしたものである。この構成によれば、図14に示すように、一点鎖線で示す曲線、すなわち垂直偏波のメインローブがピークになる方向を、図11に示した例と比べて変化させることができる。また、この構成によれば、図14に示すように、一点鎖線で示す曲線、すなわち垂直偏波の利得を、斜め下45°方向(135°)において、図11に示した結果に比べて高めることができる。一方、図14に示すように、一点鎖線で示す曲線、すなわち垂直偏波の利得は、正面方向(90°)以外にヌル点が存在しないことが分かる。したがって、図13に示した構成においても、垂直偏波による検出のロバスト性を高めることができる。図15は、図14に示した利得を3Dプロットした例を示す図である。
次に、他の構成によるシミュレーション結果を示す。図16は、図13に示した構成において、上側の放射素子の数を12個に変更した構成を示している。以下、このような構成による動作をシミュレートした結果について説明する。また、以下において、上述したシミュレーションの説明と重複する説明は、適宜、簡略化又は省略する。
図17は、図16に示した放射素子による各偏波ごとの利得をプロットしたグラフを示す図である。図17に示す曲線のうち、実線で示す曲線は、図16に示した上側の12個の放射素子による水平偏波の利得を示している。また、一点鎖線で示す曲線は、図16に示した下側の2個の放射素子による垂直偏波の利得を示している。さらに、破線で示す曲線は、図16に示した上側の12個の放射素子及び下側の2個の放射素子による、水平偏波及び垂直偏波を合成した利得を示している。
図1に示したように、一実施形態に係る電子機器1は、第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22として、上下に2分岐された受信アンテナを備えている。このため、上側に配置される第1受信アンテナ21の利得は、第1受信アンテナ21単独で動作させる場合に比べて、約半分になる。例えば、図7に示した構成において、下側の6個の放射素子に給電しない場合、水平偏波の最大利得は、図8に示した結果に比べて+3dB上がる(13.7dBi)というシミュレーション結果が得られる。上側に配置される第1受信アンテナ21の利得が半分にならないように、本来の6個の放射素子による最大利得に相当する利得を得るためには、6個の倍である12個の放射素子を配置すればよいことが分かる。図17において実線で示す曲線は、図16に示した上側の12個の放射素子による水平偏波の利得を示している。図17において実線で示す曲線の正面方向(90°)の利得は、13.4dBi程度になっている。ただし、この場合、放射素子の数を増やしたため、図17において実線で示す曲線の正面方向(90°)のビームの幅は狭くなる。図18は、図17に示した利得を3Dプロットした例を示す図である。
次に、さらに他の構成によるシミュレーション結果を示す。上述した電子機器1において、第1受信アンテナ21の偏波面と、第2受信アンテナ22の偏波面とは、直交するものとして説明した。以下、図7に示した構成において、上側の放射素子の偏波面と、下側の放射素子の偏波面とが、直交せずに同じ(平行)とした構成による動作をシミュレートした結果について説明する。また、以下において、上述したシミュレーションの説明と重 複する説明は、適宜、簡略化又は省略する。
図19は、図16に示した放射素子による各偏波ごとの利得をプロットしたグラフを示す図である。図19に示す曲線のうち、実線で示す曲線は、上側の6個の放射素子による偏波の利得を示している。また、一点鎖線で示す曲線は、下側の6個の放射素子による偏波の利得を示している。図19に示すように、このような構成においても、下側の6個の放射素子による偏波の斜め下45°方向(135°)における利得そのものは比較的良好に得られる結果となった。図20は、図19に示した利得を3Dプロットした例を示す図である。
図21は、図19に示したシミュレーションにおいて、放射素子の数を変更した構成による各偏波ごとの利得をプロットしたグラフを示す図である。図21は、図19に示したシミュレーションにおいて、上側の放射素子は6個のままとし、下側の放射素子を1個のみとする構成による動作をシミュレートした結果を示す図である。実線で示す曲線は、上側の6個の放射素子による偏波の利得を示している。また、一点鎖線で示す曲線は、下側の1個の放射素子による偏波の利得を示している。図21に示すように、このような構成においても、下側の1個の放射素子による偏波の斜め下45°方向(135°)における利得そのものは比較的良好に得られる結果となった。ただし、図21に示すように、このような構成においては、角度によって、利得が若干落ち込むところが見受けられた。
図22は、図19に示したシミュレーションにおいて、放射素子の数を変更した構成による各偏波ごとの利得をプロットしたグラフを示す図である。図22は、図19に示したシミュレーションにおいて、上側の放射素子は6個のままとし、下側の放射素子を2個とする構成による動作をシミュレートした結果を示す図である。実線で示す曲線は、上側の6個の放射素子による偏波の利得を示している。また、一点鎖線で示す曲線は、下側の2個の放射素子による偏波の利得を示している。図21に示すように、このような構成においても、下側の2個の放射素子による偏波の斜め下45°方向(135°)における利得そのものは比較的良好に得られる結果となった。ただし、図22に示すように、このような構成においては、角度によって、利得が若干落ち込むところが見受けられた。
以上説明したように、一実施形態に係る電子機器1(受信装置)は、第1受信アンテナ21と、第2受信アンテナ22とを備えてよい。第1受信アンテナ21は、第1方向d1に指向性を有する。第2受信アンテナ22は、第2方向d2に指向性を有する。ここで、第2方向d2は、第1方向d1とは異なる方向としてよい。第1受信アンテナ21は、第1受信アンテナ21によって受信される電波が第1偏波方向に偏波(水平偏波)している際に受信の利得が最大になるものとしてよい。第2受信アンテナ22は、第2受信アンテナ22によって受信される電波が第2偏波方向に偏波(垂直偏波)している際に受信の利得が最大になるものとしてよい。また、第2偏波方向は、第1偏波方向とは異なる方向としてもよい。本開示において、第1受信アンテナ21は、第1受信アンテナ21によって受信される電波が第1偏波方向に近づくほど際に受信の利得が増加するものとしてよい。第2受信アンテナ22は、第2受信アンテナ22によって受信される電波が第2偏波方向に近づくほど受信の利得が増加するものとしてよい。また、第2偏波方向は、第1偏波方向とは異なる方向としてもよい。
第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22の少なくとも一方は、基板10上の給電点(給電点40A乃至給電点40d)から給電されてもよい。
また、第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22は、パッチアンテナを含んで構成されてもよい。この場合、第1受信アンテナ21のパッチアンテナは、水平方向から給電されてもよい。また、第2受信アンテナ22のパッチアンテナは、鉛直上方向から鉛直下方向に給電されてもよい。第1受信アンテナ21の指向性の第1方向d1は、略水平方向としてもよい。第2受信アンテナ22の指向性の第2方向d2は、水平方向に対して鉛直下方向の成分を含む方向としてもよい。
一実施形態に係る電子機器1によれば、RFスイッチなどを使用することなく、受信アンテナの指向性を、正面方向及び斜め下方向に向けることができる。また、一実施形態に係る電子機器1によれば、正面方向及び斜め下方向に受信アンテナの指向性を向ける際に、一方をビーム幅の狭い高利得な受信アンテナとして、他方をビーム幅の広い低利得な受信アンテナとして、異なる特性を使い分けることができる。一実施形態に係る電子機器1によれば、例えば正面方向及び斜め下方向のように、2つの方向でアンテナの偏波を変化させることにより、異なる向きの指向性を合成した際の素子間の干渉は抑制される。これにより、一実施形態に係る電子機器1は、設計の自由度及び設計の容易性を向上させることができる。特に、一実施形態に係る電子機器1によれば、給電回路を、正面方向のアンテナ素子の部分と下方向のアンテナ素子の部分とで2分岐させることで、個別のアレイアンテナとして取り扱うことができる。したがって、一実施形態に係る電子機器1によれば、指向性の設計が容易となる。また、一実施形態に係る電子機器1によれば、正面方向及び斜め下方向への給電電力の分配も容易であり、利得の設計も容易となる。一実施形態に係る電子機器1によれば、2分岐されたアンテナの位置として、正面方向に指向性を有するアンテナを地面に対して上側に配置し、斜め下方向に指向性を有するアンテナを地面に対して下側に配置することができる。このような構成により、一実施形態に係る電子機器1によれば、レドームを含めたときの素子間の干渉が抑制され、設計を容易化することができる。以上のように、一実施形態に係る電子機器1によれば、アンテナ指向性の設計性を向上させることができる。
次に、一実施形態に係る電子機器1に好適なレドームについて説明する。図23は、一実施形態に係る電子機器1に実装可能なレドームの構成例を示す図である。
図1に示したように、一実施形態に係る電子機器1において、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12は左右方向に隣り合うように配置され、その下側に第3送信アンテナ13が配置されてよい。この場合、一実施形態に係る電子機器1は、図23に示すようなレドーム90を備えてもよい。図23は、一実施形態に係る電子機器1が、基板10を含め、レドーム90で覆われた状態を示す図である。図23は、一実施形態に係る電子機器1を側方から見た様子を示す図である。図23に示す方向d1及び方向d2は、図3に示した方向d1及び方向d2に対応するものとしてよい。
図23に示すように、一実施形態に係る電子機器1に好適なレドーム90の正面(Z軸正方向を向く面)は、下方向(Y軸負方向)に進むにつれてRを有する形状としてよい。レドーム90をこのような形状とすることで、レドーム90に内蔵されたアンテナからレドーム90までの距離がλ0/2となり、レドーム90の厚みがλ0/2・(εr)^(-0.5)となる関係を満たす形状に近付けることができる。このような配置により、一実施形態に係る電子機器1は、図23に示すようなレドーム90を備えることにより、有利な効果を得ることができる。
このように、一実施形態に係る電子機器1は、第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22の少なくとも一方を覆うレドーム90を備えてもよい。レドーム90は、第1方向d1及び第2方向d2において電波の通過損失が低減される形状を有してもよい。また、レドーム90は、第1受信アンテナ11及び第2受信アンテナの少なくとも一方からレドーム90までの距離がλ/2となり、レドーム90の厚さがλ/2・(εr)^(-0.5)となる形状を有してもよい。ここで、λは、第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22の少なくとも一方が受信する受信信号の波長をとする。また、εは、レドーム90の誘電率とする。εrは、レドーム90の誘電率と真空の誘電率ε0との比率の、比誘電率(ε/ε0)である。本開示において、εrは、電磁波が存在する媒体の誘電率εと真空の誘電率ε0との比率の、比誘電率(ε/ε0)である。なお本開示において、真空の誘電率ε0に代えて、空気中の誘電率ε0’を用いるとしてもよい。
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能である。複数の機能部等は、1つに組み合わせられたり、分割されたりしてよい。上述した本開示に係る各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施され得る。つまり、本開示の内容は、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことができる。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれる。例えば、各実施形態において、各機能部、各手段、各ステップなどは論理的に矛盾しないように他の実施形態に追加し、若しくは、他の実施形態の各機能部、各手段、各ステップなどと置き換えることが可能である。また、各実施形態において、複数の各機能部、各手段、各ステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本開示の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施することもできる。
例えば、上述した実施形態に係る電子機器1は、第1受信アンテナ21及び第2受信アンテナ22を備える受信装置のような機器を想定して説明した。しかしながら、一実施形態に係る電子機器は、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12並びに第3送信アンテナ13を備える送信装置のような機器として実施してもよい。この場合、第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12は、第1方向d1に指向性を有する電波を第1偏波で送信してよい。また、第3送信アンテナ13は、第1方向d1とは異なる第2方向d2に指向性を有する電波を第2偏波で送信してよい。第1送信アンテナ11及び第2送信アンテナ12は、第1の給電配置(例えば水平方向に給電)により第1偏波(例えば水平偏波)方向の信号を送信してよい。第3送信アンテナ13は、第2の給電配置(例えば垂直方向に給電)により第2偏波(例えば垂直偏波)方向の信号を送信してよい。
また、上述した実施形態は、送信アンテナを備える送信装置、及び、受信アンテナを備える受信装置を含む送受信システムとして実施してもよい。この場合、送信装置は、第1方向に指向性を有する電波を第1偏波で送信する第1送信アンテナと、第1方向とは異なる第2方向に指向性を有する電波を第2偏波で送信する第2送信アンテナと、を備えてよい。受信装置は、第1方向に指向性を有する第1受信アンテナと、第2方向に指向性を有する第2受信アンテナと、を備えてよい。第1受信アンテナは、第1受信アンテナによって受信される電波が第1偏波方向に偏波している際に受信の利得が最大になるものとしてよい。第2受信アンテナは、第2受信アンテナによって受信される電波が第2偏波方向に偏波している際に受信の利得が最大になるものとしてよい。
また、上述した実施形態は、電子機器1又は送受信システムとしての実施のみに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態は、電子機器1又は送受信システムのような機器の制御方法として実施してもよい。さらに、例えば、上述した実施形態は、電子機器1又は送受信システムのような機器の制御プログラムとして実施してもよい。さらに、上述した実施形態は、例えば、電子機器1又は送受信システムのような機器において実行されるプログラムを記録した記録媒体、すなわちコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実施してもよい。