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JP7818962B2 - 負極活物質層 - Google Patents
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JP7818962B2 - 負極活物質層 - Google Patents

負極活物質層

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Description

本開示は、負極活物質層に関する。
固体電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に固体電解質層を有する電池であり、可燃性の有機溶媒を含む電解液を有する液系電池に比べて、安全装置の簡素化が図りやすいという利点を有する。
また、固体電池にチタン酸リチウムが用いられることが知られている。例えば、特許文献1には、LiTi12と、硫化物固体電解質を含有する、全固体電池用負極が開示されている。特許文献2には、正極活物質と、導電材と、チタン酸リチウムと、硫化物固体電解質とを含有する、全固体電池用正極が開示されている。特許文献3には、硫化物固体電解質およびシリコン系活物質と、Liをプレドープしたチタン酸リチウムと、を含有する、硫化物固体電池用負極が開示されている。また、特許文献4には、充放電時の体積変化率が1%以下であり、かつ、粉末の平均粒径が8μm以下であるLiTi12を負極活物質として用いた、硫化物全固体電池が開示されている。
特開2021-128885号公報 特開2021-072259号公報 特開2019-106352号公報 特許第5376412号
電池性能向上の観点から、入出力特性が良好な固体電池が求められている。固体電池の入出力特性を向上させるためには、例えば、負極活物質層の抵抗を低減することが有効である。本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、抵抗が低い負極活物質層を提供することを主目的とする。
本開示においては、固体電池に用いられる負極活物質層であって、チタン酸リチウムと、硫化物固体電解質と、繊維状炭素と、を含有し、上記硫化物固体電解質の平均粒径に対する上記チタン酸リチウムの平均粒径の比が、0.75以上である、負極活物質層を提供する。
本開示によれば、負極活物質層が、チタン酸リチウムと、硫化物固体電解質と、繊維状炭素とを含有し、硫化物固体電解質の平均粒径に対するチタン酸リチウムの平均粒径の比が所定の値以上であることから、抵抗が低い負極活物質層となる。
本開示においては、抵抗が低い負極活物質層を提供することができるという効果を奏する。
本開示における平均粒径の比について説明をする図である。 本開示における固体電池を例示する概略断面図である。 実施例および比較例における、平均粒径の比と直流抵抗比との関係を示すグラフである。
以下、本開示における負極活物質層について、詳細に説明する。
1.負極活物質層
本開示における負極活物質層は、固体電池に用いられ、チタン酸リチウムと、硫化物固体電解質と、繊維状炭素と、を含有し、上記硫化物固体電解質の平均粒径に対する上記チタン酸リチウムの平均粒径の比が、0.75以上である。なお、固体電池とは、固体電解質を含む電池を意味し、全固体電池とは、液系材料を含まない固体電池を意味するものとする。
本開示によれば、負極活物質層が、チタン酸リチウムと、硫化物固体電解質と、繊維状炭素とを含有し、硫化物固体電解質の平均粒径に対するチタン酸リチウムの平均粒径の比が所定の値以上であることから、抵抗が低い負極活物質層となる。
チタン酸リチウム(LTO)は、充電によりLiが挿入されることで、良好な電子伝導度が発現する。また、チタン酸リチウムは、充放電に伴う膨張収縮が生じない。また、チタン酸リチウムは、酸化物であることから化学的安定性が高い。これらのことから、チタン酸リチウムは、特にリチウムイオン電池における負極活物質として有用である。一方、LTOは、粒子内のイオン伝導性が低いため、粒子径を大きくすると電池の出力が低下する恐れがある。また、LTOの粒子径を小さくした場合には凝集しやすくなるため、硫化物固体電解質と粒子径の小さいLTOとを併用した場合、LTOと硫化物固体電解質との界面形成が不十分になり、LTOと硫化物固体電解質との界面で接触抵抗が大きくなり、イオン伝導性が低下する恐れがある。
これに対して、本開示における負極活物質層は、LTOおよび硫化物固体電解質に加え、繊維状炭素を含有するため、負極活物質層の抵抗を低減することができる。粒子状炭素を用いた場合には、LTO-LTO間の電子伝導パスは、点接触となる。一方、繊維状炭素を用いた場合には、LTO-LTO間を架橋して点および線で電子伝導パスを形成することができる。そのため、繊維状炭素を用いると、より良好な電子伝導パスを形成できるため、抵抗低減が図れると考えられる。また、粒子状炭素の比表面積は一般的に繊維状炭素よりも大きい(例えば、2倍以上)。そのため、例えば、負極活物質、硫化物固体電解質、導電材およびバインダーを含有するスラリーを用いて負極活物質層を形成する場合に導電材として粒子状炭素を用いると、粒子状炭素は、その表面にバインダーを吸着しやすく、その分、バインダーによる抵抗成分が増加して電子伝導性が低下すると考えられる。この点からも、繊維状炭素を用いた方が、抵抗低減が図れると考えられる。
また、本開示における負極活物質層では、硫化物固体電解質の平均粒径に対するLTOの平均粒径の比が所定の値以上であるため、負極活物質層の抵抗をより低減することができる。これは、上記比が所定の値以上であれば、LTO-SE(硫化物固体電解質)間およびLTO-LTO間で良好な界面を形成でき、それぞれでイオン伝導(SE-LTO間)と電子伝導(LTO-LTO間)の両方を向上でき、その結果、負極活物質層全体としての抵抗低減が可能となると考えられるからである。例えば、図1(a)は、SE粒子の最大断面積表面の周辺に接するように最大断面積のLTO粒子が配列し、かつLTO粒子同士が接することができた場合を示す、状態図である。図1(a)に示される状態となるのは、図1(b)に示すように、SEの粒子径(r1)に対するLTOの粒子径(r2)の比(r2/r1)が0.62の場合、すなわち、平均粒径比が0.62の場合である。0.62未満ではLTO同士の接触が形成されずLTO-LTO間の電子伝導は増大する傾向になり抵抗増大となる。一方、平均粒径比が0.62以上であれば、LTO粒子は平面上では重なりあい良好な界面形成が可能となる。しかしながら、3次元的な広がりおよび実際の粒子形状を考慮すると、SE-LTOおよびLTO-LTOの同時の界面形成には0.62以上の平均粒径比が最低限必要であると考えられる。本発明者等は、この値を基に、鋭意検討を重ねた結果、平均粒径比が0.75以上の場合において、抵抗低減効果が顕著に発現することを見出した。
このように、本開示における負極活物質層は、抵抗が低いため、これを用いた固体電池では、入出力特性が良好となる。
負極活物質層において、硫化物固体電解質の平均粒径に対するチタン酸リチウムの平均粒径の比は、通常0.75以上であり、0.80以上であってもよく、1.00以上であってもよく、1.20以上であってもよい。一方、硫化物固体電解質の平均粒径に対するチタン酸リチウムの平均粒径の比は、例えば2.00以下であり、1.80以下であってもよく、1.60以下であってもよい。ここで、硫化物固体電解質の平均粒径およびチタン酸リチウムの平均粒径は、それぞれD50として定義でき、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。硫化物固体電解質の平均粒径およびチタン酸リチウムの平均粒径の範囲については後述する。
(1)チタン酸リチウム
チタン酸リチウムは、負極活物質層において負極活物質として機能する。チタン酸リチウムは、Li元素、Ti元素およびO元素を少なくとも含有する化合物である。また、Li元素およびTi元素の少なくとも一方の一部が他の元素に置換されていてもよい。チタン酸リチウムとしては、例えばLiTiO、LiTi12およびLiTiが挙げられる。これらの中でも、特にLiTi12が好ましい。また、負極活物質層は、1種類のチタン酸リチウムのみを含有していてもよく、2種類以上のチタン酸リチウムを含有していてもよい。
チタン酸リチウムの平均粒径(D50)は、例えば0.5μm以上であり、0.7μm以上であってもよく、1μm以上であってもよい。一方、チタン酸リチウムの平均粒径(D50)は、例えば10μm以下であり、5μm以下であってもよく、2μm以下であってもよい。上述のように、LTOの平均粒径を大きくした場合には、粒子内イオン伝導度が低下し、LTOの平均粒径を小さくした場合には、硫化物固体電解質との界面における接触抵抗が増加する。一方、平均粒径の比が0.75以上とすることで、LTOの平均粒径に起因する負極活物質層の抵抗増加を抑制できる。そのため、本開示における負極活物質層では、LTOについて材料選択の幅を広くすることができる。
負極活物質層におけるチタン酸リチウムの割合は、例えば40重量%以上であり、50重量%以上であってもよく、60重量%以上であってもよい。一方、負極活物質層におけるチタン酸リチウムの割合は、例えば80重量%以下である。
(2)硫化物固体電解質
硫化物固体電解質は、負極活物質層において固体電解質として機能する。硫化物固体電解質としては、例えば、Li元素、X元素(Xは、P、As、Sb、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの少なくとも一種である)、および、S元素を含有する固体電解質が挙げられる。また、硫化物固体電解質は、O元素およびハロゲン元素の少なくとも一方をさらに含有していてもよい。ハロゲン元素としては、例えば、F元素、Cl元素、Br元素、I元素が挙げられる。
硫化物固体電解質は、Li元素、A元素(Aは、P、As、Sb、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)、およびS元素を含有するイオン伝導体を備えることが好ましい。さらに、上記イオン伝導体は、Li含量が高いことが好ましい。また、上記イオン伝導体は、オルト組成のアニオン構造(PS 3-構造、SiS 4-構造、GeS 4-構造、AlS 3-構造、BS 3-構造)をアニオンの主成分として有することが好ましい。化学安定性が高いからである。オルト組成のアニオン構造の割合は、イオン伝導体における全アニオン構造に対して、70mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい。オルト組成のアニオン構造の割合は、例えば、ラマン分光法、NMR、XPSにより決定することができる。
硫化物固体電解質は、上記イオン伝導体に加えて、ハロゲン化リチウムを含有していてもよい。ハロゲン化リチウムとしては、例えば、LiF、LiCl、LiBrおよびLiIが挙げられ、中でも、LiCl、LiBrおよびLiIが好ましい。
硫化物固体電解質の具体例としては、xLiS・(100-x)P(70≦x≦80)、yLiI・zLiBr・(100-y-z)LiPS(0≦y≦30、0≦z≦30)が挙げられる。
硫化物固体電解質は、ガラス系硫化物固体電解質であってもよく、ガラスセラミックス系硫化物固体電解質であってもよい。ガラス系硫化物固体電解質は、原料をガラス化することにより得ることができる。ガラスセラミックス系硫化物固体電解質は、例えば、上述したガラス系硫化物固体電解質を熱処理することにより得ることができる。
硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば0.5μm以上であり、0.7μm以上であってもよく、1μm以上であってもよい。一方、硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば10μm以下であり、5μm以下であってもよく、3μm以下であってもよく、2.5μm以下であってもよい。
負極活物質層における硫化物固体電解質の割合は、例えば10重量%以上であり、20重量%以上であってもよく、30重量%以上であってもよい。一方、負極活物質層におけるチタン酸リチウムの割合は、例えば50重量%以下である。
負極活物質層における硫化物固体電解質およびチタン酸リチウムの合計の割合は、例えば80重量%以上であり、90重量%以上であってもよく、95重量%以上であってもよい。負極活物質層において、硫化物固体電解質に対するチタン酸リチウムの重量割合は、例えば1.5以上であり、2.0以上であってもよく、2.5以上であってもよい。一方、硫化物固体電解質に対するチタン酸リチウムの重量割合は、例えば10以下であり、5.0以下であってもよい。
(3)繊維状炭素
繊維状炭素は、負極活物質層において導電材として機能する。繊維状炭素におけるアスペクト比(繊維長/繊維径)は、例えば2以上であり、5以上であってもよい。繊維状炭素におけるアスペクト比(繊維長/繊維径)は、例えば500以下である。繊維状炭素としては、例えば、気相成長法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)が挙げられる。
負極活物質層における繊維状炭素の割合は、例えば0.3重量%以上であり、0.5重量%以上であってもよい。一方、負極活物質層における繊維状炭素の割合は、例えば3重量%以下であり、2重量%以下であってもよい。
(4)負極活物質層
負極活物質層は、必要に応じてバインダーを含有していてもよい。バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン-ポリヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF-HFP)、フッ素ゴム等のフッ化物系バインダー;ブタジエンゴム、水素化ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素化スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等のゴム系バインダーが挙げられる。
負極活物質層におけるバインダーの割合は、例えば0.3重量%以上であり、0.5重量%以上であってもよい。一方、負極活物質層におけるバインダーの割合は、例えば5重量%以下であり、3重量%以下であってもよい。また、負極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。また、本開示における負極活物質層は、後述する全固体電池、その他固体電池に用いられる。
2.固体電池
以下、本開示の負極活物質層を含む固体電池について、「全固体電池」を一例として、詳細に説明する。図2は、本開示における全固体電池を例示する概略断面図である。図2に示す全固体電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に配置された固体電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、を有する。負極活物質層2が、上記「1.負極活物質層」に記載した層である。
本開示によれば、上述した負極活物質層を有することから、入出力特性が良好な固体電池となる。
(1)負極活物質層
本開示における負極活物質層については、上記「1.負極活物質層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
(2)正極活物質層
本開示における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。また、正極活物質層は、必要に応じて、導電材、固体電解質およびバインダーの少なくとも一つを含有していてもよい。
正極活物質としては、例えば、酸化物活物質が挙げられる。酸化物活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、LiTi12、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCoPO等のオリビン型活物質が挙げられる。
酸化物活物質の表面には、Liイオン伝導性酸化物を含有する保護層が形成されていてもよい。酸化物活物質と、固体電解質との反応を抑制できるからである。Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiNbOが挙げられる。保護層の厚さは、例えば、1nm以上30nm以下である。
正極活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。正極活物質の平均粒径(D50)は、特に限定されないが、例えば10nm以上であり、100nm以上であってもよい。一方、正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば50μm以下であり、20μm以下であってもよい。
導電材、固体電解質およびバインダーについては、上記「1.負極活物質層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。
(3)固体電解質層
本開示における固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に配置され、少なくとも固体電解質を含有する層である。固体電解質層は、固体電解質として硫化物固体電解質を含有することが好ましい。また、固体電解質層はバインダーを含有していてもよい。固体電解質およびバインダーについては、上記「1.負極活物質層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。
(4)その他の構成
本開示における固体電池は、通常、正極活物質層の集電を行う正極集電体と、負極活物質層の集電を行う負極集電体と、を有する。正極集電体および負極集電体の形状としては、例えば、箔状が挙げられる。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、カーボンが挙げられる。また、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケル、カーボンが挙げられる。
また、本開示における固体電池は、正極集電体、正極物質層、固体電解質層、負極活物質層および負極集電体を収納する外装体を備えていてもよい。外装体の種類は特に限定されないが、例えば、ラミネート外装体が挙げられる。
また、本開示における固体電池は、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層に対して、厚さ方向に沿って拘束圧を付与する拘束治具を有していてもよい。拘束圧は、例えば、0.1MPa以上、100MPa以下である。
(5)固体電池
本開示における固体電池は、典型的にはリチウムイオン二次電池である。リチウムイオン二次電池は、液系材料を含まない固体電池(全固体リチウムイオン二次電池)であってもよい。固体電池の用途は、特に限定されないが、例えば、ハイブリッド自動車(HEV)、プライグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(BEV)、ガソリン自動車、ディーゼル自動車等の車両の電源が挙げられる。また、本開示における固体電池は、車両以外の移動体(例えば、鉄道、船舶、航空機)の電源として用いられてもよく、情報処理装置等の電気製品の電源として用いられてもよい。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[比較例1]
(負極の作製)
負極活物質(LiTi12粒子、密度:3.5g/cc)3.0gと、導電材(アセチレンブラック、AB)0.033gと、バインダー(ブタジエンゴム系バインダー、密度:0.9g/cc)0.039gと、分散媒(テトラリン)3.71gとを秤量し、これらを、超音波ホモジナイザー(SMT社製UH-50)を用いて30分間混合した。混合後、硫化物固体電解質(LiI-LiBr-LiS-P系ガラスセラミック、組成:10LiI・15LiBr・75(0.75LiS・0.25P)、密度:2g/cc)1.0gを添加して、再度、超音波ホモジナイザー(SMT社製UH-50)を用いて30分間混合した。これにより、負極合剤ペーストを調製した。なお、レーザー回折散乱法による粒度分布測定装置を用いて測定した、負極活物質および硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、それぞれ、0.7μmおよび0.9μmであった。
アプリケーターを使用してブレード法にて、負極集電体(Ni箔、厚さ22μm)上に負極合剤ペーストを塗工し、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。これにより、負極集電体および負極活物質層を有する負極を得た。なお、正極の充電比容量185mAh/gとした時に対する負極の充電比容量が、1.1倍となるように負極目付を調整した。
(全固体電池の作製)
正極活物質(LiNi0.8Co0.15Al0.05、密度:4.65g/cc、平均粒径:5μm)の表面に、転動流動造粒コーティング装置を用いてLiNbOの保護層を設けた。これにより複合正極活物質を準備した。複合正極活物質4.0gと、導電材(VGCF)0.094gと、上記硫化物固体電解質1.024gと、バインダー(ブタジエンゴム系バインダー)0.017gと、分散媒(テトラリン)2.77gとを秤量し、これらを、超音波ホモジナイザー(SMT社製UH-50)を用いて混合した。これにより、正極合剤ペーストを調製した。アプリケーターを使用してブレード法にて、正極集電体(Al箔、厚さ15μm)上に正極合剤ペーストを塗工し、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。これにより、正極集電体および正極活物質層を有する正極を得た。
ポリプロピレン製容器に、ヘプタンと、ブタジエンゴム系バインダーを5質量%含んだヘプタン溶液と、硫化物固体電解質(LiI-LiBr-LiS-P系ガラスセラミック、平均粒子径2.5μm)を加え、超音波ホモジナイザー(SMT社製UH-50)を用いて、30秒間混合した。次に、上記容器を振とう器で3分間振とうさせて、固体電解質層用ペーストを得た。
上記正極を事前プレスした。プレス後の正極において、正極活物質層の表面に、ダイコーターにより固体電解質層用ペーストを塗工し、100℃のホットプレート上で、30分間乾燥させた。その後、2ton/cmの圧力でロールプレスを行った。これにより、正極活物質層の表面に固体電解質層を備える正極側積層体を得た。
上記負極を事前プレスした。プレス後の負極において、負極活物質層の表面に、ダイコーターにより固体電解質層用ペーストを塗工し、100℃のホットプレート上で、30分間乾燥させた。その後、2ton/cmの圧力でロールプレスを行った。これにより、負極活物質層の表面に固体電解質層を備える負極側積層体を得た。
正極側積層体と負極側積層体とをそれぞれ打ち抜き加工し、それぞれの固体電解質層同士を貼り合わせるようにして重ね合わせた。ここで、正極側積層体の固体電解質層と、負極側積層体の固体電解質層との間に、未プレスの固体電解質層(固体電解質層用ペースト)を転写した状態で重ね合わせた。その後、160℃にて、2ton/cmでプレスし、正極と固体電解質層と負極とをこの順に有する発電要素を得た。得られた発電要素をラミネート封入し、5MPaで拘束することで、評価用の全固体リチウムイオン二次電池を得た。
[比較例2~5]
負極活物質(LiTi12粒子)の平均粒径、硫化物固体電解質(LiI-LiBr-LiS-P系ガラスセラミック)の平均粒径の値を表1のように変更したこと以外は、比較例1と同様にして、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例1~7]
負極活物質層における導電材を粒子状炭素(アセチレンブラック)から繊維状炭素(気相成長法炭素繊維:VGCF)に変更し、負極活物質の平均粒径、硫化物固体電解質の平均粒径の値を表1のように変更したこと以外は、比較例1と同様にして、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例6~9]
負極活物質の平均粒径、硫化物固体電解質の平均粒径の値を表1のように変更したこと以外は、比較例1と同様にして、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
[評価]
(2秒直流抵抗測定)
まず、比較例1~9および実施例1~7で作製した全固体リチウムイオン二次電池に対して、以下の条件で充電と放電を2回繰り返した。2回目の放電容量を測定し、1C相当電流で2回目の放電容量の半分の容量となるように定電流充電した。これにより、各電池のSOCを50%状態に調整した。
充電:1C相当電流で定電流充電し、セル電圧2.7V到達後、定電圧充電し、充電電流が0.01C相当に到達した時点で終了した。
放電:1C相当電流で定電流放電し、1.5Vになった時点で終了した。
SOC50%状態に調整した各電池を、63C相当電流で定電流放電し、充電前電圧と2秒充電後電圧の差を63C相当電流で割ることで、直流抵抗値(Ω)を算出した。また、比較例1における抵抗値を1とした場合における、各比較例および実施例の抵抗比(DCIR比)求めた。結果を表1に示す。また、各比較例および各実施例における平均粒径の比(LTO/SE)とDCIR比との関係を図3に示す。
表1および図3に示すように、実施例2~4、7はそれぞれ比較例1~4よりも抵抗が小さくなっており、導電材を粒子状炭素(AB)から繊維状炭素(VGCF)に変更することで抵抗を小さくできることが確認された。また、実施例1~7および比較例6~9から、平均粒径比(LTO/SE)を0.75以上とすることで抵抗を小さくできることが確認された。これらのことから、導電材を繊維状炭素とし、平均粒径比(LTO/SE)を0.75以上とすることで、より相乗的に抵抗を小さくできることが確認された。
1 …正極活物質層
2 …負極活物質層
3 …固体電解質層
4 …正極集電体
5 …負極集電体
10 …全固体電池

Claims (1)

  1. 固体電池に用いられる負極活物質層であって、
    チタン酸リチウムと、硫化物固体電解質と、繊維状炭素と、を含有し、
    前記硫化物固体電解質の平均粒径に対する前記チタン酸リチウムの平均粒径の比が、0.75以上であり、
    前記硫化物固体電解質の平均粒径が、0.9μm以上、1.2μm以下であり、
    前記負極活物質層は、テトラリンを含有する、負極活物質層。
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