JP7819682B2 - エレクトロクロミックシートおよびエレクトロクロミック装置 - Google Patents
エレクトロクロミックシートおよびエレクトロクロミック装置Info
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Description
一方、近年のエレクトロクロミック素子への関心や技術水準の高まりに伴い、エレクトロクロミック素子を利用したアイウエア等のレンズは所望の色味に高精度に設計できること等が求められる。
そして、かかる反射光を制御すべく新たな指標を考案し、当該指標を満たすようにエレクトロクロミックシートを設計することで、かかる課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
前記支持体層上に設けられた電解質層と、
前記電解質層の少なくとも一方の面に設けられたエレクトロクロミック層と、
前記支持体層上であって、前記電解質層および前記エレクトロミック層を挟むように位置する一対の透明電極層と、
を備えるエレクトロクロミックシートであって、以下の条件1を満たすように構成された、エレクトロクロミックシート。
(条件1)
当該エレクトロクロミックシートの前記支持体層側の面に対し、D65光源による光を入射角90°で照射して得られる反射光を視野角10°で分光光度計を用いて測定したときの、当該反射光のCIE1976L*a*b*色度座標におけるa*が-15~15であり、b*が-20~10である。
[2] [1]に記載のエレクトロクロミックシートであって、
さらに以下の条件2を満たすように構成された、エレクトロクロミックシート。
(条件2)
当該エレクトロクロミックシートの前記支持体層側の面に対し、D65光源による光を入射角90°で照射して得られる反射光を視野角10°で分光光度計を用いて測定したときの、当該反射光のCIE1976L*a*b*色度座標におけるL*が20~50である。
[3] [1]または[2]に記載のエレクトロクロミックシートであって、
さらに以下の条件3を満たすように構成された、エレクトロクロミックシート。
(条件3)
当該エレクトロクロミックシートの前記支持体層側の面に対し、D65光源による光を入射角90°で照射して得られる透過光を視野角10°で分光光度計を用いて測定したときの、透過率が70~99%である。
[4] [1]乃至[3]いずれか一つに記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記支持体層上であって、前記電解質層および前記エレクトロミック層の側面を覆う封止材をさらに有し、
さらに以下の条件4を満たすように構成された、エレクトロクロミックシート。
(条件4)
当該エレクトロクロミックシートを用いて、前記電解質層を中央部とし、前記封止材を外縁とする試験片(最大長さが20mm以上)を作製し、当該試験片の両端をチャッキング部でチャッキングして、当該試験片の中央部を30Nで30秒間押圧し、押圧前の当該試験片の中央部と、押圧後の当該試験片の中央部との深さの差を変形量(mm)とする。当該変形量が0.01mm~0.09mmである。
[5] [1]乃至[4]いずれか一つに記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記透明電極層の厚みが、40~200nmである、エレクトロクロミックシート。
[6] [1]乃至[5]いずれか一つに記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記一対の前記透明電極層の少なくとも一方が多層構造である、エレクトロクロミックシート。
[7] [1]乃至[6]いずれか一つに記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記透明電極層が、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、銀(Ag)および銀合金、ならびにポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p-フェニレン)、ポリフルオレンおよびそれらの誘導体の中から選ばれる1種または2種以上を含有する、エレクトロクロミックシート。
[8] [1]乃至[6]いずれか一つに記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記透明電極層が、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、および銀(Ag)、銀合金、ならびにポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p-フェニレン)、ポリフルオレンおよびそれらの誘導体の中から選ばれるいずれかの材料を用いてなる層を備える、単層または多層構造である、エレクトロクロミックシート。
[9] [1]乃至[8]いずれか一つに記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記一対の透明電極層を構成する材料が互い異なる、エレクトロクロミックシート。
[10] [1]乃至[8]いずれか一つに記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記一対の透明電極層を構成する材料が同一である、エレクトロクロミックシート。
[11] [1]乃至[10]いずれか一つに記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記支持体層は、エピスルフィド系樹脂、チオウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ノルボルネン系樹脂、およびシリコーン系樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含む、エレクトロクロミックシート。
[12] [1]乃至[11]いずれか一つに記載のエレクトロクロミックシートを用いた、エレクトロクロミック装置。
煩雑さを避けるため、同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合がある。すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比等は、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
図1は、エレクトロクロミックシート100の実施形態の一例を示す模式断面図である。
図1に示すように、エレクトロクロミックシート100は、電解質層4、第1エレクトロクロミック層3および第2エレクトロクロミック層5が順に積層した積層体(以下、「エレクトロクロミック素子10」ともいう)と、エレクトロクロミック素子10の側面を覆う封止材8と、エレクトロクロミック素子10と封止材8の上下面を挟む一対の支持体層(第1透明基材層1、および第2透明基材層7)と、を備える。
換言すると、エレクトロクロミックシート100は、第1透明基材層1上に、順次積層された第1エレクトロクロミック層3、電解質層4、第2エレクトロクロミック層5、および第2透明基材層7を備え、第1エレクトロクロミック層3、電解質層4および第2エレクトロクロミック層5の側面がそれぞれ封止材8により覆われている。
換言すると、エレクトロクロミックシート100は、第1透明基材層1(支持体層)上であって、エレクトロミック層3、電解質層およびエレクトロミック層5を挟むように位置する一対の電極層(第1透明電極層2および第2透明電極層6)を備える。本実施形態において、第1透明電極層2および第2透明電極層6は透明である。
なお、透明とは、D65光源による光を入射角90°で照射して得られた透過光の透過率が65%以上であって、かつヘイズが3.0以下であることを意図する。
また、第1の柱状導電部22は、封止材8を貫通し、第1透明電極層2上に設けられた第1の補助電極層21から、第2透明基材層7まで到達している。同様に、第2の柱状導電部62は、封止材8を貫通し、第2透明電極層6上に設けられた第2の補助電極層61から、第1透明基材層1まで到達している。
さらに、本実施形態のエレクトロクロミックシート100によれば、加工性(機械的強度)を良好にできる。
エレクトロクロミックシート100の第1透明基材層1(支持体層)側の面に対し、D65光源による光を入射角90°で照射して得られる反射光を視野角10°で分光光度計を用いて測定したときの、当該反射光のCIE1976L*a*b*色度座標におけるa*が-15~15であり、b*が-20~10である。
条件1において、b*は-20~10であり、好ましくは-15~5であり、より好ましくは-10~0である。
エレクトロクロミックシート100の第1透明基材層1(支持体層)の面に対し、D65光源による光を入射角90°で照射して得られる反射光を視野角10°で分光光度計を用いて測定したときの、当該反射光のCIE1976L*a*b*色度座標におけるL*が20~50である。
エレクトロクロミックシート100の第1透明基材層1(支持体層)側の面に対し、D65光源による光を入射角90°で照射して得られる透過光を視野角10°で分光光度計を用いて測定したときの、透過率が70~99%である。
エレクトロクロミックシート100を用いて、電解質層4を中央部とし、封止材8を外縁とする試験片(最大長さが20mm以上)を作製し、当該試験片の両端をチャッキング部でチャッキングして、当該試験片の中央部を30Nで30秒間押圧し、押圧前の当該試験片の中央部と、押圧後の当該試験片の中央部との深さの差を変形量(mm)とする。当該変形量が0.01mm~0.09mmである。
例えば、第1透明電極層2および第2透明電極層6の構成材料や層構成、厚み、第1透明電極層2および第2透明電極層6の組み合わせ、封止材9の材料の選択、電解質層4の材料や作製手順、エレクトロクロミックシート100の製造手順、製造条件等を調整することにより実現できる。具体的には、第1透明電極層2および第2透明電極層6の構成材料としてITO以外のものを用いたり、多層構造とすること等が挙げられる。
本実施形態において、第1透明電極層2と第2透明電極層6は、第1エレクトロクロミック層3、電解質層4および第2エレクトロクロミック層5を挟む一対の電極層である。
第1透明電極層2は第1エレクトロクロミック層3の電解質層4側とは反対側の面上に設けられている。第2透明電極層6は第2エレクトロクロミック層5の電解質層4側とは反対側の面上に設けられている。
また、第1透明電極層2および第2透明電極層6の層構造は互いに同一であってもよく、異なっていてもよく、また、電解層4を中心に対称構造であってもよい。
第1透明電極層2および第2透明電極層6の厚みが、40~200nmであることが好ましく、70~175nmであることがより好ましく、100~150nmであることがさらに好ましい。
第1透明電極層2および第2透明電極層6の厚みを上記下限値以上とすることにより、抵抗値が上がり過ぎることを防ぎ、エレクトロクロミックシートとしての性能を維持することができる。一方、第1透明電極層2および第2透明電極層6の厚みを上記上限値以下とすることにより、透過率が下がり過ぎることを防ぎ、外観の設計の自由度を向上させることができる。また、第1透明電極層2および第2透明電極層6の厚みを上記下限値以上、上限値以下の範囲に収めることで、反射光の色合いを透明に保ち、レンズの設計の自由度を向上させることができる。
電解質層4は、第1エレクトロクロミック層3と第2エレクトロクロミック層5との間に配置され、イオン電導性を有する電解質を含有するものである。
まず、組成物溶液を作製し、作製した組成物溶液を型やフィルムに挟んで重合させるキャスト重合法等を用いた重合反応により製造することができる。前記組成物溶液は、前記イオン液体あるいは固体電解質を溶媒と混合した電解液と、重合性材料とウレタンアクリレートモノマー、及び必要に応じて、PEO鎖を有するアクリレートモノマー、及び必要に応じて、PMMA鎖を有するアクリレートモノマーを所望比率で混合し、必要に応じて、前記重合開始剤、及びその他の成分を混合することができる。
その他の作製方法としては、重合前の組成物溶液を、一方のエレクトロクロミック層上に塗布し、紫外線照射や加熱によって重合させる方法も用いることができる。また、前記エレクトロクロミック層を形成した前記支持体を5μm以上150μm以下のギャップを保持した状態で対向させ、組成物溶液を充填した後で紫外線照射や加熱によって重合させる方法も用いることができる。
第1エレクトロクロミック層3および第2エレクトロクロミック層5は、エレクトロクロミック材料を含む層であり、電解質層4の上下面において電解質層4を挟むように配置される。
金属ナノ粒子は、優れた導電性をし、エレクトロクロミック材料を通電することができる。
金属ナノ粒子としては、導電性を有する金属粒子であればよく、具体的には、例えば酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン(V)、酸化ジルコニウム、および酸化イットリウムの中から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。なかでも、酸化錫、酸化チタンが好ましい。
粒径を上記下限値以上とすることで良好な発消色性能を得ることができる。一方、粒径を上記上限値以下とすることで、第2エレクトロクロミック層5の透明性を保持したり、比表面積を高めることでエレクトロクロミック材料の担持量を増加させることができる。
エレクトロクロミック材料は、電圧により、酸化還元反応を生じ、発色および消色を可逆的に行うことができるエレクトロクロミック化合物により構成されるものである。
第1エレクトロクロミック層3と第2エレクトロクロミック層5には、これらエレクトロクロミック材料から適宜選択することが可能であるが、一方が酸化発色性を有するエレクトロクロミック材料を用いた場合には、他方は還元発色性を有するエレクトロクロミック材料を用いることが好ましい。
酸化発色性を有するエレクトロクロミック材料としては、ラジカル重合性化合物を含む酸化発色性エレクトロクロミック組成物を重合した重合物が好ましく、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物を含有するエレクトロクロミック組成物が特に好ましい。
第1エレクトロクロミック層3は、酸化反応によって着色を呈するエレクトロクロミック材料を主材料として含有し、これにより、着色がなされる層である。
第2エレクトロクロミック層5は、還元反応によって透明から着色を呈するエレクトロクロミック材料を主材料として含有し、これにより、着色がなされる層である。
第1透明基材層1および第2透明基材層7は、第1透明電極層2、第1エレクトロクロミック層3、電解質層4、第2エレクトロクロミック層5、第2透明電極層6、および封止材8を支持する機能を有する。
第2透明基材層7の波長295nmにおける吸光度は、好ましくは1以下であり、より好ましくは0.8以下である。
また、本実施形態において、第2透明基材層7は紫外線吸収剤を含まないものとしてもよい。この場合、本実施形態のエレクトロクロミックシート100を用いたアイウエア等において、紫外線カット機能を付与することができる。
一方、本実施形態において、第1透明基材層1は、公知の紫外線吸収剤を含んでもよい。
第1透明基材層1および第2透明基材層7は、光透過性を有していれば、さらに着色剤を含んでもよく、その色は、無色であっても、赤色、青色、黄色等、如何なる色であってもよい。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
第1透明基材層1および第2透明基材層7の平均厚さがかかる範囲内に設定されることで、エレクトロクロミックシート100の薄型化を図りつつ、エレクトロクロミックシート100に撓みが生じるのを的確に抑制または防止することができる。
封止材8は、電解質層4の側面と、第1エレクトロクロミック層3および第2エレクトロクロミック層5の側面とを一体に覆い、外部からエレクトロクロミック素子10への水分や酸素ガスの侵入を防ぐとともに、第1透明基材層1および第2透明基材層7と接着しエレクトロクロミック素子10との剥離を防ぐために用いられる。また、対向する第1透明電極層2および第2透明電極層6の間に形成された第1エレクトロクロミック層3および第2エレクトロクロミック層5の位置がずれると、動作時に発色品質が低下してしまうため、これを抑止するために用いられる。
本実施形態の封止材料としては、絶縁性材料であれば、特に限定されないが、硬化性樹脂を含むことが好ましい。
硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、シアネート樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂の中から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。紫外線反応性官能基、および熱反応性官能基の少なくとも一方を有するものが好ましく、(メタ)アクリロイル基および/またはエポキシ基を有するものがより好ましい。硬化性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等の中から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
本実施形態の封止材料は、上記硬化性樹脂、無機粒子の他、有機粒子、重合開始剤、熱硬化剤等を含んでもよい。
上記光カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸またはルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、イオン性光酸発生タイプのものであってもよいし、非イオン性光酸発生タイプであってもよい。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類、鉄-アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール-アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。
上記重合開始剤の含有量が上記下限値以上であることにより、封止材料が硬化性により優れるものとなる。一方、上記重合開始剤の含有量が上記上限値以下であることにより、封止材料が保存安定性により優れるものとなる。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記重合開始剤の含有量が上記下限値以上であることにより、封止材料が硬化性により優れるものとなる。一方、上記重合開始剤の含有量が上記上限値以下であることにより、封止材料の塗布性がより優れるものとなる。
本実施形態の封止材料を製造する方法としては、例えば、混合機を用いて、硬化性樹脂と、必要に応じて添加する、無機粒子と、重合開始剤および/または熱硬化剤やシランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
上記混合機としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール、自転公転式ミキサー等が挙げられる。
第1の柱状導電部22は、配線として、エレクトロクロミック素子10から延伸して設けられた第1透明電極層2に、平面視で重なり、封止材8を貫通して設けられている(図1参照)。そして、第1の柱状導電部22は、第1の補助電極層21を介して、第1透明電極層2に、電気的に接続されている。
第2の柱状導電部62も、第1の柱状導電部22と同様に、エレクトロクロミックシート100をメガネレンズに適用するためエレクトロクロミックシート100の外形をメガネレンズ形状となるように加工した際、メガネレンズの端部に露出するものである。これにより、第2の柱状導電部62を介して、エレクトロクロミック素子10に外部から通電することができる。
この場合、メガネレンズのブリッジ側に第1の柱状導電部22が位置し、メガネレンズのテンプル側(ブリッジ側とは反対側)に第2の柱状導電部62を位置することができる。
第1の補助電極層21は、配線として、第1透明電極層2の第1透明基材層1とは反対側の表面において積層して設けられ、第1の柱状導電部22に、電気的に接続されている。
同様に、第2の補助電極層61は、配線として、第2透明電極層6の第2透明基材層7とは反対側の表面において積層して設けられ、かつ、第2の柱状導電部62に、電気的に接続されている。
本実施形態のエレクトロクロミックシート100の総厚は、特に限定されないが、0.1mm以上10.0mm以下であるのが好ましく、0.3mm以上5.0mm以下であるのがより好ましい。
エレクトロクロミックシート100の総厚を上記下限値以上とすることにより、強度を保持しつつ、層厚を上記上限値以下とすることで、エレクトロクロミックシート100を切断したり、湾曲させる等の加工性を良好にすることができる。
エレクトロクロミックシート100の製造方法は、以下の工程を有する。
第1透明基材層1上に第1透明電極層2を形成し、第1透明電極層2上に第1エレクトロクロミック層3を積層する工程と、
第2透明基材層7上に第2透明電極層6を形成し、第2透明電極層6上に、第2エレクトロクロミック層5を形成する工程と、
第1エレクトロクロミック層3の外縁を囲うように第1透明電極層2上に封止材料を塗布する、または、第2エレクトロクロミック層5の外縁を囲うように第2透明電極層6上に封止材料を塗布する工程と、
電解質層4を準備し、電解質層4が介在するように第1エレクトロクロミック層3および第2エレクトロクロミック層5を対向させて、第1透明基材層1および第2透明基材層2を貼り合わせる工程と、
前記封止材料を硬化させて封止材8を形成する工程と、
を有し、
前記貼り合わせる工程において、前記封止材料を押し広げることによって、第1エレクトロクロミック層3および第2エレクトロクロミック層5が当該封止材料によって覆われるものである。
これにより、エレクトロクロミックシート100が得られる。
次に、本実施形態のエレクトロクロミックシート100を曲形状とした湾曲シート120を備えるレンズ30の製造方法の各工程を詳述する。
図2は、本実施形態のエレクトロクロミックシートを用いてレンズを製造する方法を示す模式図である。図2の上側を「上」、図2の下側を「下」として、以下、説明する。図2に示すように、エレクトロクロミックシート110は、複数のエレクトロクロミック素子10と、これを囲う封止材8とを有する、換言すると封止材8により区画された複数のエレクトロクロミック素子10を有する。
まず、エレクトロクロミックシート110の両面に、保護フィルム50(マスキングテープ)を貼付することで、エレクトロクロミックシート110の両面に保護フィルム50が貼付された連結シート積層体210を得る(図2(a)参照)。
次に、図2(b)に示すように、連結シート積層体210を、各エレクトロクロミック素子10に対応するようにして、その厚さ方向に打ち抜くことで、連結シート積層体210が平面視で略長方形形状をなすものに個片化された、素子積層体250を得る。すなわち、両面に保護フィルム50を貼付した状態をなして、各エレクトロクロミック素子10およびこの外縁を覆う封止材9に対応して、略長方形形状に個片化されたエレクトロクロミックシート100を得る(図1参照)。
次に、図2(c)に示すように、個片化された素子積層体250に対して、加熱下で熱曲げ加工を施すことで、素子積層体250を、一方の面側が湾曲凹面とされ、他方の面側が湾曲凸面とされた湾曲形状をなす湾曲素子積層体220とする。これにより、平板状をなすエレクトロクロミックシート100を、両面に保護フィルム50が貼付された状態で、湾曲形状をなす湾曲シート120とすることができる。
この際の素子積層体250(エレクトロクロミックシート100)の加熱温度(成形温度)は、好ましくは110℃以上170℃以下程度、より好ましくは130℃以上160℃以下程度に設定される。加熱温度をかかる範囲内に設定することにより、エレクトロクロミックシート100の変質・劣化を防止しつつ、エレクトロクロミックシート100を軟化または溶融状態として、エレクトロクロミックシート100を確実に熱曲げして、湾曲形状をなす湾曲シート120とすることができる。
次に、熱曲げがなされた湾曲シート120から、保護フィルム50を剥離させる。その後、図2(d)に示すように、湾曲形状とされた湾曲凹面を備える金型40に、金型40の湾曲凹面と湾曲シート120の湾曲凸面とが当接するようにして、湾曲シート120を吸着させた状態で、例えば、インサート射出成形法等を用いて、この湾曲シート120の湾曲凹面に、樹脂材料を主材料として構成される樹脂層35(成形層)を射出成形する。より詳細には、湾曲シート120を下型42に吸着させた状態で、上型41を取り付け、例えば、インサート射出成形法等を用いて、下型42と上型41とにより形成された空間であるキャビティ43に、樹脂材料を主材料として構成される樹脂層35を成形する。
すなわち、溶融状態とされた樹脂層35の構成材料を、湾曲シート120の湾曲凹面に、接触させた状態で冷却して固化させることにより、湾曲シート120の湾曲凹面に、接着剤層等を介することなく、樹脂層35を、直接、接触させた状態で成形する。これにより、熱曲げがなされた湾曲シート120と、樹脂層35とを備える素レンズ30が製造される。
本実施形態のエレクトロクロミックレンズは、上記のエレクトロクロミックシート100を用いて得られる。
本実施形態のエレクトロクロミック装置は、上記のエレクトロクロミックレンズを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。その他の手段としては、特に制限はなく、用途に応じて適宜選択することができ、例えば、電源、固定手段、制御手段などが挙げられる。
エレクトロクロミック装置としては、例えば、アイウエア、調光眼鏡、双眼鏡、オペラグラス、自転車用ゴーグル、時計、電子ペーパー、電子アルバム、電子広告板、自動車用防眩ミラーなどが挙げられる。
以下の封止材料を準備した。
・封止材料1;エポキシアクリレート樹脂(「フォトレックS-WF17」積水マテリアルソリューションズ株式会社製)、加熱処理なし
<実施例1>
図1に示すようなエレクトロクロミックシートを以下の手順で作製した。
-第1透明電極層の形成-
第1の支持体として厚み0.5mmのポリカーボネート樹脂基板(ポリカエース、荷重たわみ温度140℃、住友ベークライト社製)を準備した。
前記第1の支持体上に、ITO膜をスパッタ法により厚み約50nmに製膜し、その上に銀合金を5nm、その上に再度ITO膜を50nm積層して多層(IAI)とし、第1透明電極層を形成した。
別途、酸化チタン(石原産業株式会社製、ST-21)3g、アセチルアセトン0.2g、界面活性剤(和光純薬工業株式会社製、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)0.3gを、水5.5g、エタノール1.0gと共に12時間ビーズミル処理した。得られた分散液にポリエチレングリコール(#20,000、日油株式会社製)1.2gを加えてペーストを作製した。
第1透明電極層上に、得られたペーストを、厚みが2μmになるようにスクリーン印刷法によって塗布し、80℃で乾燥させた後、UVオゾン処理90℃で20分間実施し、多孔質酸化チタン粒子膜からなる電子輸送層を形成した。
続いて、以下の化学式で示される還元発色性のエレクトロクロミック化合物Iを1.5質量%含む2,2,3,3-テトラフロロプロパノール溶液をスピンコート法により塗布した後、80℃で10分間アニール処理を行うことにより、上記の多孔質酸化チタン粒子膜に担持(吸着)させて、第1エレクトロクロミック層を形成した。
第2の支持体として上記の第1の支持体と同形状及び同厚みのポリカーボネート樹脂基板を準備した。第2の支持体上に、第1透明電極と同様に、ITO膜をスパッタ法により厚み約50nmに製膜し、その上に銀合金を5nm、その上に再度ITO膜を50nm積層して多層(IAI)とし、第2透明電極層を形成した。
第2透明電極層上に、ポリエチレングリコールジアクリレート(日本化薬株式会社製、PEG400DA)と、光開始剤(BASF社製、IRGACURE 184)
と、酸化発色性のエレクトロクロミック材料として、以下の式で示されるトリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物IIと、2-ブタノンとを質量比(57:3:140:800)で混合した溶液を調製した。その後、調製した溶液をITOガラス基板上にスピンコート法により塗布した。
離型処理したPETフィルム(NP75C、パナック株式会社製)表面に、重合性材料(V3877、大同化成工業株式会社製)と、電解質(1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(EMIMTCB))とを質量比(20:80)で混合し、光重合開始剤(irgacure184、日本化薬株式会社製)を前記重合性材料に対して0.5質量%混合した溶液を塗布し、離型処理したPETフィルム(NP75A、パナック株式会社製)と貼り合わせて、紫外線(UV)硬化させてゲル電解質を作製した。
作製したゲル電解質について、離型フィルムを剥離し、第1エレクトロクロミック層の表面に貼合処理した。
続いて、準備した封止材料1を、第1エレクトロクロミック層の側面周辺を囲うように、ディスペンサ方式により塗布した。
その後、第2の支持体の第2のエレクトロミック層とゲル電解質の表面とを合わせて貼合し、封止材料を押し広げることで、第1のエレクトロミック層および第2のエレクトロミック層の側面を封止材料によって覆い、紫外線を3J/cm2照射(仮硬化)し、100℃で1時間の熱硬化処理(本硬化)を行い、封止材料を硬化させて封止部を形成し、エレクトロクロミックシートを作製した。
実施例1の第1透明電極層を、ITO膜をスパッタ法により厚み約100nmに製膜して形成した以外は、実施例1と同様にしてエレクトロクロミックシートを作製した。
実施例1の第1透明電極層及び第2透明電極層を、ITO膜をスパッタ法により厚み約130nmに製膜して形成した以外は、実施例1と同様にしてエレクトロクロミックシートを作製した。
実施例1の第1透明電極層及び第2透明電極層を、ITO膜をスパッタ法により厚み約100nmに製膜して形成した以外は、実施例1と同様にしてエレクトロクロミックシートを作製した。
次に、得られたエレクトロクロミックシートについて、以下の測定・評価を行った。結果を表1に示した。
得られた各エレクトロクロミックシートの第1の支持体層側の面に対し、D65光源による光を入射角90°で照射して得られた反射光を視野角10°で分光光度計を用いて測定したときの、反射率(%)および当該反射光のCIE1976L*a*b*色度座標におけるL*値a*値b*値をそれぞれ求めた。
同様に、各エレクトロクロミックシートの第1の支持体層側の面に対し、D65光源による光を入射角90°で照射して得られた透過光を視野角10°で分光光度計を用いて測定したときの、透過率(%)および当該反射光のCIE1976L*a*b*色度座標におけるL*値a*値b*値をそれぞれ求めた。
・分光光度計「V-670」日本分光社製
得られた各エレクトロクロミックシートを用いて、電解質層を中央部とし、封止材を外縁とする試験片(最大長さが20mm以上)を作製し、当該試験片の両端をチャッキング部でチャッキングして、当該試験片の中央部を30Nで30秒間押圧し、押圧前の当該試験片の中央部と、押圧後の当該試験片の中央部との深さの差を求め、変形量(mm)とした。
晴天の太陽光の下で、熟練した技術者が得られた各エレクトロクロミックシートを手に取り透かしてみたときに感じられるエレクトロクロミックシートの「反射色色味」「透明度」それぞれについて、以下の基準に従い評価した。
A:非常に良い。メガネレンズとして違和感がない。
B:やや違和感があるがメガネレンズとして問題ない。
C:メガネレンズとして明らかに違和感がある
2 第1透明電極層
3 第1エレクトロクロミック層
4 電解質層
5 第2エレクトロクロミック層
6 第2透明電極層
7 第2透明基材層
8 封止材
10 エレクトロクロミック素子
21 補助電極層
22 柱状導電部
30 素レンズ
35 樹脂層
40 金型
41 上金型
42 下金型
50 保護フィルム
61 補助電極層
62 柱状導電部
100 エレクトロクロミックシート
110 エレクトロクロミックシート
120 湾曲シート
210 連結シート積層体
220 湾曲素子積層体
250 素子積層体
Claims (13)
- 支持体層と、
前記支持体層上に設けられた電解質層と、
前記電解質層の少なくとも一方の面に設けられたエレクトロクロミック層と、
前記支持体層上であって、前記電解質層および前記エレクトロクロミック層を挟むように位置する一対の透明電極層と、
を備えるエレクトロクロミックシートであって、以下の条件1を満たすように構成された、アイウエアに用いられるエレクトロクロミックシート。
(条件1)
当該エレクトロクロミックシートの前記支持体層側の面に対し、D65光源による光を入射角90°で照射して得られる反射光を視野角10°で分光光度計を用いて測定したときの、当該反射光のCIE1976L*a*b*色度座標におけるL * が36.7以上42.3以下であり、a*が2.1以上12.6以下であり、b*が-13.2以上6.9以下である。 - 請求項1に記載のエレクトロクロミックシートであって、
さらに以下の条件3を満たすように構成された、エレクトロクロミックシート。
(条件3)
当該エレクトロクロミックシートの前記支持体層側の面に対し、D65光源による光を入射角90°で照射して得られる透過光を視野角10°で分光光度計を用いて測定したときの、透過率が70~99%である。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記支持体層上であって、前記電解質層および前記エレクトロクロミック層の側面を覆う封止材をさらに有し、
さらに以下の条件4を満たすように構成された、エレクトロクロミックシート。
(条件4)
当該エレクトロクロミックシートを用いて、前記電解質層を中央部とし、前記封止材を外縁とする試験片(最大長さが20mm以上)を作製し、当該試験片の両端をチャッキング部でチャッキングして、当該試験片の中央部を30Nで30秒間押圧し、押圧前の当該試験片の中央部と、押圧後の当該試験片の中央部との深さの差を変形量(mm)とする。当該変形量が0.01mm~0.09mmである。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記透明電極層の厚みが、40~200nmである、エレクトロクロミックシート。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記一対の前記透明電極層の少なくとも一方が多層構造である、エレクトロクロミックシート。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記透明電極層が、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、銀(Ag)および銀合金、ならびにポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p-フェニレン)、ポリフルオレンおよびそれらの誘導体の中から選ばれる1種または2種以上を含有する、エレクトロクロミックシート。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記透明電極層が、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、および銀(Ag)、銀合金、ならびにポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p-フェニレン)、ポリフルオレンおよびそれらの誘導体の中から選ばれるいずれかの材料を用いてなる層を備える、単層または多層構造である、エレクトロクロミックシート。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記一対の透明電極層を構成する材料が互い異なる、エレクトロクロミックシート。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記一対の透明電極層を構成する材料が同一である、エレクトロクロミックシート。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記支持体層は、エピスルフィド系樹脂、チオウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ノルボルネン系樹脂、およびシリコーン系樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含む、エレクトロクロミックシート。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記透明電極層の厚みが、100~200nmである、エレクトロクロミックシート。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートであって、
前記透明電極層が、スズドープ酸化インジウム(ITO)と、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、銀(Ag)および銀合金、ならびにポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p-フェニレン)、ポリフルオレンおよびそれらの誘導体の中から選ばれる1種または2種以上と、を含有する、エレクトロクロミックシート。 - 請求項1または2に記載のエレクトロクロミックシートを用いた、エレクトロクロミック装置。
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