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JP7819901B2 - ひきこもりのバイオマーカー、ひきこもり識別支援方法 - Google Patents
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JP7819901B2 - ひきこもりのバイオマーカー、ひきこもり識別支援方法 - Google Patents

ひきこもりのバイオマーカー、ひきこもり識別支援方法

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JP7819901B2 JP2021180622A JP2021180622A JP7819901B2 JP 7819901 B2 JP7819901 B2 JP 7819901B2 JP 2021180622 A JP2021180622 A JP 2021180622A JP 2021180622 A JP2021180622 A JP 2021180622A JP 7819901 B2 JP7819901 B2 JP 7819901B2
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Description

本発明は、ひきこもりのバイオマーカー、及びそれを用いたひきこもり識別支援方法に関する。
「ひきこもり」とは、様々な要因の結果として社会参加活動を回避し、6か月以上にわたって自宅等にとどまり続けている状態を指す。日本国内のひきこもり者数は100万人を超え、今後さらに増加することが予想される。また、世界的にもひきこもり者の増大傾向がみられ、世界規模の対策が望まれている。ひきこもりは、様々な精神疾患及び身体疾患との関連が示唆されているが、詳細はほとんど解明されていない。
近年、精神疾患に関連する血中バイオマーカーの発見により、精神疾患の病態生理の解明が進んできており、例えばうつ病のバイオマーカーが報告されている(特許引用文献1、2)。このような状況から、ひきこもりのバイオマーカーの発見が望まれていた。
これまで、ひきこもりのバイオマーカーに関して非特許文献1における報告がされているが、こちらは臨床検査の生化学分析項目のみを検討したものであり、血中代謝物まで含めて広く検討されたものではない。
国際公開第2011/019072号公報 国際公開第2017/082103号公報
Sci. Rep. 2018, 8:2884.
本発明の課題は、ひきこもりのバイオマーカー、及びそれを用いたひきこもり識別支援方法を提供することである。
上記課題を解決すべく、発明者らは鋭意研究を重ねた結果、非ひきこもり者と比較した場合に、ひきこもり者の血液試料において複数の成分で有意差を有することを見出した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものであり、以下に示す広い態様の発明を含むものである。
[項1]
オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも3種を含む、ひきこもり識別用バイオマーカー。
[項2]
オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも4種を含む、ひきこもり識別用バイオマーカー。
[項3]
前記アシルカルニチンが、長鎖アシルカルニチンである、項1又は2に記載のひきこもり識別用バイオマーカー。
[項4]
オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも2種を含む血中成分を、被験者のひきこもり状態の有無を識別するための指標とする方法。
[項5]
オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも2種を含む血中成分を、被験者のひきこもり状態の重症度を判定するための指標とする方法。
[項6]
尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも1種を含む血中成分を、被験者を非ひきこもり者層、うつ傾向を有するひきこもり者層及びその他のひきこもり者層に層別化するための指標とする方法。
[項7]
複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中の、項1~3のいずれか一項に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
前記含有量をひきこもりであるか否かの識別結果に対応付けて、教師データを生成する工程と、
前記教師データを用いて機械学習を行うことにより、前記含有量を入力すると、ひきこもりであるか否かを出力するひきこもり識別支援用モデルを生成する工程と、
を有する、ひきこもり識別支援用モデルの生成方法。
[項8]
複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中の、項1~3のいずれか一項に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
前記含有量をひきこもりの重症度の判定結果に対応付けて、教師データを生成する工程と、
前記教師データを用いて機械学習を行うことにより、前記含有量を入力すると、ひきこもりの重症度を出力するひきこもりの重症度予測支援用モデルを生成する工程と、
を有する、ひきこもりの重症度予測支援用モデルの生成方法。
[項9]
前記ひきこもり識別用バイオマーカーは、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも2種を含む、項7又は8に記載の生成方法。
[項10]
複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中の、項1~3のいずれか一項に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
前記含有量をひきこもりのクラスタリング分類の判定結果に対応付けて、教師データを生成する工程と、
前記教師データを用いて機械学習を行うことにより、前記含有量を入力すると、ひきこもりのクラスタリング分類を出力するひきこもりの層別化支援用モデルを生成する工程と、
を有する、ひきこもりの層別化支援用モデルの生成方法。
[項11]
前記ひきこもり識別用バイオマーカーは、尿酸、コレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、項10に記載の生成方法。
[項12]
前記機械学習は、ランダムフォレストによる機械学習である、項7又は9に記載の生成方法。
[項13]
前記機械学習は、部分的最小二乗回帰による機械学習である、項8又は9に記載の生成方法。
[項14]
被験者の血液試料中の、項1~3のいずれか一項に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
前記被験者の前記含有量を、項7,9及び12のいずれか一項に記載の生成方法によって生成されたひきこもり識別支援用モデルに入力することにより、前記被験者がひきこもりであるかを予測する工程と、
を有するひきこもり識別支援方法。
[項15]
被験者の血液試料中の、項1~3のいずれか一項に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
前記被験者の前記含有量を、項8,9及び13のいずれか一項に記載の生成方法によって生成されたひきこもりの重症度予測支援用モデルに入力することにより、前記被験者のひきこもりの重症度を予測する工程と、
を有するひきこもりの重症度予測支援方法。
[項16]
被験者の血液試料中の、項1~3のいずれか一項に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
前記被験者の前記含有量を、項10又は11に記載の生成方法によって生成されたひきこもりの層別化支援用モデルに入力することにより、前記被験者のひきこもりのクラスタリング分類を予測する工程と、
を有するひきこもりの層別化支援方法。
本発明によれば、ひきこもりの識別、重症度評価、層別化評価が可能であって、臨床上有用なバイオマーカーを提供することができる。また、本発明によれば、ひきこもりのバイオマーカーを用いたひきこもりの識別、重症度評価、層別化評価を提供することができる。
本発明の概略図である。 ひきこもり識別支援用モデル生成システム1の概略構成を示すブロック図である。 ひきこもり識別支援用モデルの生成方法の処理手順を示すフローチャートである。 ひきこもり識別支援方法を実施するための装置である支援装置5の概略構成を示すブロック図である。 ひきこもり識別支援方法の処理手順を示すフローチャートである。 ひきこもり重症度予測支援用モデル生成システム1’の概略構成を示すブロック図である。 ひきこもり重症度予測支援用モデルの生成方法の処理手順を示すフローチャートである。 ひきこもり重症度予測支援方法を実施するための装置である支援装置5’の概略構成を示すブロック図である。 ひきこもり重症度予測支援方法の処理手順を示すフローチャートである。 ひきこもり層別化支援用モデル生成システム1”の概略構成を示すブロック図である。 ひきこもり層別化支援用モデルの生成方法の処理手順を示すフローチャートである。 本実施形態のひきこもり層別化支援方法を実施するための装置である支援装置5”の概略構成を示すブロック図である。 ひきこもり層別化支援方法の処理手順を示すフローチャートである。 ひきこもり者(Hikikomori)及び非ひきこもり者(HC)の血中成分の相違を示す。A:血中成分に関する散布図。図中横方向の点線は、p=0.03を示す。図中縦方向の点線は、-0.25及び0.25をそれぞれ示す。ACはアシルカルニチンを示し、アンダーバーの後ろ部分は脂肪酸の炭素数と二重結合0.001、****:p<0.0001。 実施例1におけるひきこもりの有無を識別する機械学習モデル。A:血液成分127種の結果に基づくランダムフォレストモデルの作成法。B:実施例1において作成されたランダムフォレストモデルの性能評価結果。C:実施例1において作成されたランダムフォレストモデルの性能評価結果のROC曲線。AUCは0.854(95% CI = 0.648-1.00, p <0.01))という結果となった。D:実施例1において作成されたランダムフォレストモデルへの寄与の大きい成分を示す。 実施例2における血中アルギナーゼに関する図である。A:アルギナーゼの酵素反応を示す。B:血中アルギナーゼの測定に関する解析結果を示す。C:男性における血中アルギナーゼのひきこもり者(Hikikomori)及び非ひきこもり者(HC)の比較図である。*:p < 0.05。D:男性における血中アルギニンと血中オルニチンの相関関係を示す。点線は線形回帰における95%信頼区間を示す。 実施例3におけるひきこもり状態の重症度を予測する機械学習モデル。A:HQ-25に基づく重症度を予測する部分最小二乗法モデル。実際のHQ-25の結果を横軸に、機械学習モデルによる予測結果を縦軸に示す。B:実施例3において作成された部分最小二乗法モデルへの寄与の大きい成分を示す。C:ヘキサデカノイルカルニチン(AC_C16:0)とHQ-25の相関関係をスピアマンの順位相関係数で分析した結果である。点線は線形回帰における95%信頼区間を示す。D:アルギニンとHQ-25の相関関係をスピアマンの順位相関係数で分析した結果である。点線は線形回帰における95%信頼区間を示す。 実施例4におけるひきこもり者の層別化に関する。A:ひきこもり者(Hikikomori)及び非ひきこもり者(HC)を精神医学試験データに基づき主成分分析した結果である。B:Aの主成分分析に用いた精神医学試験データについて、各クラスターごとの結果を示した図である。 実施例4におけるひきこもり者の層別化に関する、クラスター分析結果と相関関係が特にみられる25成分を示す。 実施例4におけるひきこもり者の層別化に関する、クラスター分析結果と相関関係が強くみられた成分について、クラスターごとの分布を示す。UA:尿酸、CE:コレステロールエステル。
本発明において、用語『ひきこもり』とは、週4日以上自宅から外出せず、社会参加活動を6か月以上継続して行わず、それにより機能障害や苦痛を感じている状態を意味する。
また、本発明において、血液試料中のバイオマーカーの『含有量』とは、血液試料中におけるバイオマーカーの絶対濃度が好ましいが、バイオマーカーの絶対濃度と相関して各個体の絶対濃度の比較ができる値であれば限定されず、相対濃度や、単位体積辺りの重量や、絶対濃度を知るために測定した生データ(例えば、LC/MS測定によって得られるグラフのピーク面積を標準化して得られる値)から得られる血漿レベル等でも良い。
1.ひきこもり識別用バイオマーカー
本発明は、ひきこもり識別用バイオマーカーを提供する。本発明のひきこもり識別用バイオマーカーは、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも3種を含み、好ましくはオルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも4種を含む。また、本発明のバイオマーカーには、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸、コレステロールエステル以外のものをさらに含んでもよい。
本発明のバイオマーカーによれば、被験者のひきこもり状態を簡便に識別することができる。
本発明のバイオマーカーに含まれる成分について、以下に説明する。
<アシルカルニチン>
アシルカルニチンは、カルニチンの水酸基に脂肪酸由来のアシル基が結合した構造であり、その脂肪酸部分の炭素鎖長、不飽和結合の有無と数、炭素鎖に結合する水素原子の酸素原子又はヒドロキシ基への置換等により、多様な構造を有するが、本明細書においてはそれらを総称してアシルカルニチンと記載する。
本発明におけるアシルカルニチンとしては、長鎖アシルカルニチンが好ましい。本明細書において、『長鎖アシルカルニチン』とは、脂肪酸における炭素数が12~20個であるアシルカルニチンを意味する。長鎖アシルカルニチンとしては例えば、ドデカノイルカルニチン(AC_C12:0)、ドデセノイルカルニチン(AC_C12:1)、テトラデカノイルカルニチン(AC_C14:0)、テトラデセノイルカルニチン(AC_C14:1)、テトラデカジエノイルカルニチン(AC_C14:2)、3-ヒドロキシテトラデカノイルカルニチン(AC_C14OH)、ヘキサデカノイルカルニチン(AC_C16:0)、ヘキサデセノイルカルニチン(AC_C16:1)、3-ヒドロキシヘキサデカノイルカルニチン(AC_C16OH)、3-ヒドロキシヘキサデセノイルカルニチン(AC_C16:1OH)、オクタデカノイルカルニチン(AC_C18:0)、オクタデセノイルカルニチン(AC_C18:1)、オクタデカジエノイルカルニチン(AC_C18:2)、3-ヒドロキシオクタデカノイルカルニチン(AC_C18OH)、3-ヒドロキシオクタデセノイルカルニチン(AC_C18:1OH)、3-ヒドロキシオクタデカジエノイルカルニチン(AC_C18:2OH)が挙げられる。この中でも、テトラデカノイルカルニチン(AC_C14:0)、テトラデセノイルカルニチン(AC_C14:1)、テトラデカジエノイルカルニチン(AC_C14:2)、ヘキサデカノイルカルニチン(AC_C16:0)、ヘキサデセノイルカルニチン(AC_C16:1)、オクタデセノイルカルニチン(AC_C18:1)、オクタデカジエノイルカルニチン(AC_C18:2)、3-ヒドロキシオクタデセノイルカルニチン(AC_C18:1OH)、3-ヒドロキシオクタデカジエノイルカルニチン(AC_C18:2OH)が好ましい。本発明のバイオマーカーとして用いられるアシルカルニチンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい(例えば、2種以上、10種以上、20種以上、30種以上を組み合わせて用いることができる)。また、本発明のバイオマーカーとして用いられるアシルカルニチンの種類数に特に上限はないが、例えば、50種以下、40種以下が挙げられる。
なお、本明細書中において、アシルカルニチンを略号で記載することがあるが、例えば、AC_C2:0は、アシルカルニチンの脂肪酸炭素数2、二重結合数0を示す。例えば、AC_C3:DCは、アシルカルニチンの脂肪酸炭素数3、二重結合数0で脂肪酸部分にカルボキシル基を有することを示す。例えば、AC_C4:OHは、アシルカルニチンの脂肪酸炭素数2、二重結合数0で脂肪酸部分に水酸基を有することを示す。例えば、AC_16:1OHは、アシルカルニチンの脂肪酸炭素数16、二重結合数1で、脂肪酸部分に水酸基を有することを示す。
被験者の血液試料中のアシルカルニチンの含有量が、ひきこもり者において、非ひきこもり者と比較して高い結果が得られることから、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーとして好ましく用いられる。
<ビリルビン>
ビリルビンは、血液等の生体試料中において、抱合型ビリルビン、非抱合型ビリルビン、及びデルタ型ビリルビンの3種類が存在し、これらの総和が総ビリルビンと称される。抱合型ビリルビンはグルクロン酸抱合を受けているビリルビンであり、直接型ビリルビンとも称される。非抱合型ビリルビンはグルクロン酸抱合を受けていないビリルビンであり、間接型ビリルビンとも称される。本発明のバイオマーカーに用いられるビリルビンとしては、好ましくは、総ビリルビン(T-Bil)、直接型ビリルビン(D-Bil)、直接型ビリルビン/間接型ビリルビン比(R-Bil)が用いられる。本発明のバイオマーカーとして用いられるビリルビンは、総ビリルビン(T-Bil)、直接型ビリルビン(D-Bil)、間接型ビリルビンに対する直接型ビリルビンの比(R-Bil)について、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
被験者の血液試料中の総ビリルビンの含有量、直接型ビリルビンの含有量、直接型ビリルビン/間接型ビリルビン比のいずれもが、ひきこもり者において、非ひきこもり者と比較して低い結果が得られることから、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーとして好ましく用いられる。特に、男性のひきこもり者において、非ひきこもり者と比較してより低い結果が得られることから、男性のひきこもり者を特徴づける指標として有用である。
<アルギニン、オルニチン、アルギナーゼ>
アルギナーゼは、アルギニンからオルニチンを生成する反応を制御する酵素である。被験者の血液試料中のアルギニンの含有量は、ひきこもり者において、非ひきこもり者と比較して低い結果が得られる。また、被験者の血液試料中のオルニチンの含有量は、ひきこもり者において、非ひきこもり者と比較して高い結果が得られる。さらにまた、被験者の血液試料中のアルギナーゼの含有量は、ひきこもり者において、非ひきこもり者と比較して高い結果が得られる。これにより、アルギニン、オルニチン、アルギナーゼはそれぞれ、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーとして好ましく用いられる。なお、アルギナーゼは特に男性のひきこもり者を特徴づける指標として有用である。
<尿酸>
尿酸は、核酸及びATP構成成分の一つであるプリン体の最終代謝産物である。被験者の血液試料における尿酸値をひきこもり識別用の指標として用いることができる。特に、被験者を抑うつ傾向の程度でクラスタリングする際の指標として好ましく用いることができる。
<コレステロールエステル>
コレステロールエステルは、コレステロールの脂肪酸エステルであり、その脂肪酸部分の炭素鎖長、不飽和結合の有無と数、等により、多様な構造を有するが、本明細書においてはそれらを総称してコレステロールエステルと記載する。
本発明におけるコレステロールエステルとしては、長鎖脂肪酸を有するコレステロールエステルが好ましく、脂肪酸の炭素数が12~20個であるコレステロールエステルがより好ましく、脂肪酸の炭素数が16~18個であるコレステロールエステルが特に好ましい。
長鎖脂肪酸を有するコレステロールエステルとしては例えば、ヘプタデカン酸コレステロールエステル(CE_17:0)、オクタデカン酸コレステロールエステル(CE_18:0)、オクタデセン酸コレステロールエステル(CE_18:1)、オクタデカジエン酸コレステロールエステル(CE_18:2)、オクタデカトリエン酸コレステロールエステル(CE_18:3)、エイコサン酸コレステロールエステル(CE_20:0)、エイコセン酸コレステロールエステル(CE_20:1)、エイコサジエン酸コレステロールエステル(CE_20:2)が挙げられる。本発明のバイオマーカーとして用いられるコレステロールエステルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい(例えば、2種以上、3種以上、5種以上を組み合わせて用いることができる)。また、本発明のバイオマーカーとして用いられるコレステロールエステルの種類数に特に上限はないが、例えば、20種以下、10種以下が挙げられる。
なお、本明細書中において、コレステロールエステルを略号で記載することがあるが、例えば、CE_17:0は、コレステロールエステルの脂肪酸炭素数17、二重結合数0を示す。
被験者の血液試料におけるコレステロールエステルの含有量をひきこもり識別用の指標として用いることができる。特に、被験者を抑うつ傾向の程度でクラスタリングする際の指標として好ましく用いることができる。被験者を抑うつ傾向の程度でクラスタリングする際の指標としては、オクタデカトリエン酸コレステロールエステル(CE_18:3)、エイコセン酸コレステロールエステル(CE_20:1)、エイコサジエン酸コレステロールエステル(CE_20:2)をより好ましく用いることができる。
<その他>
オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸、コレステロールエステル以外の、本発明のバイオマーカーに含まれるものとしては、例えば以下のものが挙げられるが、これに限定されない。オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸、コレステロールエステル以外の、本発明のバイオマーカーに含まれる以下の成分は、1種でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・生化学検査項目
HDLコレステロール(HDL.C)、LDLコレステロール(LDL.C)、総コレステロール(Total.C)、フィブリノーゲン(FIB)、フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)、高感度C反応性蛋白質(hsCRP)等。
・アミノ酸等
アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シトルリン、クレアチン、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、ヒドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等。
・リソホスファチジルコリン
リソホスファチジルコリンを構成する脂肪酸の炭素鎖長が12以上22以下のもの等。例えば、パルミトイルリソホスファチジルコリン(LPC_16:0)、オレオイルリソホスファチジルコリン(LPC_18:1)、リノレイルリソホスファチジルコリン(LPC_18:2)等が挙げられる。なお、本明細書中において、リソホスファチジルコリンを略号で記載することがあるが、例えば、LPC_16:0は、リソホスファチジルコリンの脂肪酸炭素数16、二重結合数0を示す。
・ホスファチジルコリン
ホスファチジルコリンを構成する脂肪酸の炭素鎖長が12以上22以下のもの等。例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン(PC_32:0)、ジオレオイルホスファチジルコリン(PC_36:2)、ジリノレイルホスファチジルコリン(PC_36:4)等が挙げられる。なお、本明細書中において、ホスファチジルコリンを略号で記載することがあるが、例えば、PC_36:2は、ホスファチジルコリンの脂肪酸炭素数の合計が36、二重結合数2を示す。
・ホスファチジルエタノールアミン
ホスファチジルエタノールアミンを構成する脂肪酸の炭素鎖長が12以上22以下のもの等。例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(PE_36:2)、ジリノレイルホスファチジルエタノールアミン(PE_36:4)等が挙げられる。なお、本明細書中において、ホスファチジルエタノールアミンを略号で記載することがあるが、例えば、PE_36:2は、ホスファチジルエタノールアミンの脂肪酸炭素数の合計が36、二重結合数2を示す。
・トリグリセリド
トリグリセリドを構成する脂肪酸の炭素鎖長が12以上22以下のもの等。例えば、パルミトイルジオレオイルグリセロール(TG_52:2)、パルミトイルステアロイルリノレオイルグリセロール(TG_52:3)等が挙げられる。なお、本明細書中において、トリグリセリドを略号で記載することがあるが、例えば、TG_52:2は、トリグリセリドの脂肪酸炭素数の合計が52、二重結合数2を示す。
2.ひきこもりの識別方法
2.1 ひきこもり状態の有無の識別
本発明の別の実施形態において、被験者の血中成分を、被験者のひきこもり状態の有無を識別するための指標とする方法を提供する。前記血中成分としては、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーを用いることができ、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも2種を含む血中成分が挙げられる。
本実施形態において、被験者の血液試料中の、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、取得した前記含有量とあらかじめ設定されたカットオフ値を比較しひきこもり状態の有無を判定する工程と、を有する、ひきこもり状態の有無の識別方法を提供する。
本実施形態の識別方法によれば、被験者の年齢に制限はなく、例えば、若年被験者、具体的には30歳以下の被験者であってもよく、高齢被験者、具体的には65歳以上の被験者であってもよい。また、被験者の性別に制限はなく、男性の被験者であってもよく、女性の被験者であってもよい。さらに、被験者はひきこもり等の精神疾患に対する投薬等の治療介入がなされていても良く、なされていなくても良いが、治療介入がなされていないことが好ましい。
<血液試料中のバイオマーカーの含有量の測定方法>
被験者の血液試料中の本発明のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程について、以下に記載する。
本実施形態において用いられる血液試料は、被検者から採取された血液だけでなく、それを処理して得られるものも含む。前記血液を処理して得られるものとしては、例えば、血清、血漿等が挙げられる。血清及び血漿は、例えば、血液を静置、又は遠心分離することにより得られる。本明細書においては、血液、血清、及び血漿を総称して、「血液試料」と記載する。
血液試料は、そのままバイオマーカーの含有量の測定に用いてもよいが、必要に応じて適宜前処理を行った後にバイオマーカーの含有量の測定に用いてもよい。前処理としては、例えば、血液試料中の酵素反応の停止、脂溶性物質の除去、タンパク質の除去等が挙げられる。これらの前処理は、公知の方法を用いて行うことができる。また、血液試料は、適宜、希釈又は濃縮して用いてもよい。
バイオマーカーの含有量の測定方法としては、各種バイオマーカーの種類に応じて、適宜公知の方法を選択すればよい。例えば、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)、キャピラリー電気泳動質量分析法(CE-MS)、又はキャピラリー電気泳動飛行時間型質量分析法(CE-TOFMS)等を用いて、含有量を測定することができる。 また、例えば、核磁気共鳴法(NMR)による定量、酸アルカリ中和滴定による定量、アミノ酸分析計による定量、酵素法による定量、核酸アプタマーやペプチドアプタマー等のアプタマーを利用した定量、比色定量等から測定対象のマーカーに応じた定量法によっても、含有量を測定することができる。これらの方法を単独で使用してバイオマーカーの含有量を測定しても良いが、2種以上の方法を組み合わせて使用して測定しても良い。
本発明のバイオマーカーに適した測定法としては、例えば、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)が挙げられる。
<ひきこもり状態の有無の判定>
取得した含有量とあらかじめ設定されたカットオフ値を比較しひきこもり状態の有無を判定する工程について、以下に記載する。
ひきこもり識別用バイオマーカーの含有量について、それぞれカットオフ値と比較して、それぞれの項目についてひきこもり状態の有無を判定する。その後、それらの結果を総合し、過半数の項目について、ひきこもり状態を有する可能性が高いと判定された場合に、当該被験者はひきこもり状態を有する、と判定することができる。また、ひきこもり状態を有する可能性が高いと判定された項目の数が半数以下であった場合には、当該被験者はひきこもり状態で無い、と判定することができる。各項目ごとのひきこもり状態の有無の判定について以下に記載する。
なお、本実施形態において用いられるひきこもり識別用バイオマーカーとしては、「1.ひきこもり識別用バイオマーカー」の項において記載したものが用いられ、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも2種を含み、好ましくは、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも2種を含む。
血液試料中のオルニチンの含有量については、あらかじめ設定されたカットオフ値以上である場合に、ひきこもり状態を有する可能性が高いと判定することができる。
血液試料中のアシルカルニチンの含有量については、あらかじめ設定されたカットオフ値以上である場合に、ひきこもり状態を有する可能性が高いと判定することができる。
血液試料中のビリルビンの含有量については、あらかじめ設定されたカットオフ値以下である場合に、ひきこもり状態を有する可能性が高いと判定することができる。
血液試料中のアルギニンの含有量については、あらかじめ設定されたカットオフ値以下である場合に、ひきこもり状態を有する可能性が高いと判定することができる。
血液試料中のアルギナーゼの含有量については、あらかじめ設定されたカットオフ値以上である場合に、ひきこもり状態を有する可能性が高いと判定することができる。なお、アルギナーゼは特に男性のひきこもり者を特徴づける指標として有用である。
オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ以外のその他の成分の含有量についても、それぞれの成分ごとに応じてあらかじめ設定されたカットオフ値と比較し、大小いずれかの側をひきこもり状態を有する可能性が高いと設定し、それに基づいて判定することができる。
なお、前記あらかじめ設定されたカットオフ値は、被験者の性別及び年齢、血液試料の種類、測定方法、並びにバイオマーカーの種類等の諸条件に応じて、当業者が適宜設定すればよい、カットオフ値の設定方法は特に限定されず、公知の方法に従って設定することができる。
カットオフ値は、ひきこもり者においてバイオマーカーを測定した結果のみに基づいて設定しても良く、非ひきこもり者においてバイオマーカーを測定した結果のみに基づいて設定しても良いが、ひきこもり者と非ひきこもり者の両方のバイオマーカーを測定し、その両方の結果に基づいて設定することが好ましい。非ひきこもり者は、ひきこもり状態で無い限り、疾患等に罹患していても良く、疾患等に罹患していなくとも良いが、測定されるバイオマーカーと相関する疾患には罹患していないことが好ましい。
例えば、ひきこもり者においてバイオマーカーを測定した結果のみに基づいてカットオフ値を設定する場合には、複数人のひきこもり者におけるバイオマーカーの測定結果の分布において、ひきこもり者が所定の割合含まれるようにカットオフ値を設定しても良い。上記記載は、非ひきこもり者においてバイオマーカーを測定した結果のみに基づいてカットオフ値を設定する場合にも準用できる。
また、ひきこもり者と非ひきこもり者の両方のバイオマーカーを測定し、その両方の結果に基づいて設定する場合には、例えば、正常値の範囲に非ひきこもり者が所定の割合含まれ、且つ、異常値の範囲にひきこもり者が所定の割合含まれるようにカットオフ値を決定してもよい。具体的には、例えば、測定値がカットオフ値以上である場合にひきこもりの可能性が高いバイオマーカーの場合は、ひきこもり者がカットオフ値以上に所定の割合含まれ、且つ、非ひきこもり者がカットオフ値未満に所定の割合含まれるようにカットオフ値を決定することができる。また、測定値がカットオフ値以下である場合にひきこもりの可能性が高いバイオマーカーの場合は、ひきこもり者がカットオフ値以下に所定の割合含まれ、且つ、非ひきこもり者がカットオフ値を超える範囲に所定の割合含まれるようにカットオフ値を決定することができる。
上記において、所定の割合とは、例えば、70% 以上であり、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、100%であることが特に好ましい。
また、被験者のひきこもり状態の有無を評価する際に、上記のひきこもり状態の有無の判定結果と、他のひきこもりの検査とを組み合わせて、ひきこもり状態の有無を評価してもよい。他のひきこもりの検査としては、構造化面接に基づく病的ひきこもり評価や自記式のHQ-25(25-item Hikikomori Questionnaire)等の検査が挙げられる。
本発明のバイオマーカーを、被験者のひきこもり状態の有無を識別するための指標とする方法を提供する、他の1つの実施形態において、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中の本発明のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、前記含有量をひきこもりであるか否かの識別結果に対応付けて、教師データを生成する工程と、前記教師データを用いて機械学習を行うことにより、前記含有量を入力すると、ひきこもりであるか否かを出力するひきこもり識別支援用モデルを生成する工程と、を有する、ひきこもり識別支援用モデルの生成方法を提供する。さらに、被験者における血液試料中の本発明のバイオマーカーの含有量を取得する工程と、前記被験者の前記含有量を、前記ひきこもり識別支援用モデルの生成方法によって生成されたひきこもり識別支援用モデルに入力することにより、前記被験者がひきこもりであるかを予測する工程と、を含む、被験者のひきこもり状態の有無を識別する方法を提供する。
本実施形態の方法によれば、被験者のひきこもり状態の有無を簡便且つ正確に評価することができる。
本実施形態の識別方法によれば、被験者の年齢に制限はなく、例えば、若年被験者、具体的には30歳以下の被験者であってもよく、高齢被験者、具体的には65歳以上の被験者であってもよい。また、被験者の性別に制限はなく、男性の被験者であってもよく、女性の被験者であってもよい。さらに、被験者はひきこもり等の精神疾患に対する投薬等の治療介入がなされていても良く、なされていなくても良いが、治療介入がなされていないことが好ましい。
<ひきこもり識別支援用モデル>
図2は、本実施形態のひきこもり識別支援用モデル生成システム1の概略構成を示すブロック図である。ひきこもり識別支援用モデル生成システム1は、本実施形態のひきこもり識別支援用モデルの生成方法を実施するためのシステムであり、被験者における血液試料中の含有量測定器2と、教師データ生成装置3と、機械学習装置4とを備えている。
含有量測定器2は、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を測定する。測定方法としては、上記「<血液試料中のバイオマーカーの含有量の測定方法>」の項において記載した方法が好ましく用いられる。本実施形態では、前記ひきこもり識別用バイオマーカーは、「1.ひきこもり識別用バイオマーカー」の項において記載したものが用いられ、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも2種を含み、好ましくは、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも3種を含み、より好ましくは、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも2種を含む。前記ひきこもり識別用バイオマーカーとして、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも3種を含むことがさらに好ましく、オルニチン、アシルカルニチンからなる群より選択される少なくとも3種、ビリルビン、アルギニン、及びアルギナーゼを含むことが特に好ましく、オルニチン、ノナノイルカルニチン(AC_C9:0)、3-ヒドロキシデカノイルカルニチン(AC_C10:OH)、テトラデカノイルカルニチン(AC_C14:0)、テトラデセノイルカルニチン(AC_C14:1)、テトラデカジエノイルカルニチン(AC_C14:2)、ヘキサデカノイルカルニチン(AC_C16:0)、ヘキサデセノイルカルニチン(AC_C16:1)、オクタデセノイルカルニチン(AC_C18:1)、オクタデカジエノイルカルニチン(AC_C18:2)、ホスファチジルエタノールアミンエステル(PE_34:2)、ホスファチジルコリンエステル(PC_36:5)、アラニン、セリン、ビリルビン、アルギニン、及びアルギナーゼを含むことが最も好ましい。複数のバイオマーカーの測定結果を組み合わせることで、被験者のひきこもり状態の有無の識別の精度を向上することができる。測定された血液試料中の含有量のデータは、測定対象者のID等とともに教師データ生成装置3に送信される。
教師データ生成装置3は、汎用のコンピュータで構成することができ、ハードウェア構成として、CPUやGPU等のプロセッサ、DRAMやSRAM等の主記憶装置(図示省略)、及び、HDDやSSD等の補助記憶装置30を備えている。補助記憶装置30には、含有量測定器2による各測定対象者のひきこもりであるか否かの識別結果データベースD1や、教師データ生成装置3を動作させるための各種プログラムが格納されている。
教師データ生成装置3は、機能ブロックとして、取得部31と、教師データ生成部32とを備えている。本実施形態において、これらの各部は、教師データ生成装置3のプロセッサが所定のプログラムを主記憶装置に読み出して実行することによってソフトウェア的に実現される。
取得部31は、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する機能ブロックである。本実施形態では、取得部31は、通信回線や記録媒体を介して、含有量測定器2から血液試料中の含有量を取得するが、血液試料中の含有量をあらかじめ補助記憶装置30に保存しておき、当該含有量を補助記憶装置30から読み出すことにより取得してもよい。
教師データ生成部32は、前記含有量をひきこもりであるか否かの識別結果に対応付けて、教師データD2を生成する機能ブロックである。具体的には、教師データ生成部32は、取得部31から含有量を受け取ると、当該含有量の測定対象者がひきこもりであるか否かの識別結果を、ID等を参照することにより識別結果データベースD1から読み出し、当該含有量と読み出した識別結果とを対応付けることにより、教師データD2を生成する。さらに、教師データ生成部32は、生成した教師データD2を補助記憶装置30に保存する。
なお、識別結果データベースD1が補助記憶装置30に格納されていない場合や、測定対象者の識別結果が識別結果データベースD1に含まれていない場合は、教師データ生成部32は、識別結果を外部から別途取得し、含有量と対応付けてもよい。
機械学習装置4は、汎用のコンピュータで構成することができ、教師データ生成装置3と同様に、CPUやGPU等のプロセッサ、DRAMやSRAM等の主記憶装置(図示省略)、及び、HDDやSSD等の補助記憶装置40を備えている。補助記憶装置40には、教師データ生成装置3から転送された教師データD2や、機械学習装置4を動作させるための各種プログラム等が格納されている。
なお、本実施形態では、機械学習装置4はクラウド上に設けられているが、教師データ生成装置3と同じ場所に設置してもよいし、あるいは、教師データ生成装置3と機械学習装置4とを一体的に構成してもよい。
機械学習装置4は、機能ブロックとして学習部41を備えている。学習部41は、教師データD2に基づいて機械学習を行うことにより、血液試料中の含有量を入力すると、ひきこもりであるか否かを出力するひきこもり識別支援用モデルM1を生成する。学習部41による機械学習の学習法は特に限定されないが、本実施形態では、ランダムフォレストによる機械学習である。生成されたひきこもり識別支援用モデルM1は、補助記憶装置40に格納され、その後、ひきこもり識別支援のために用いられる。
図3は、本実施形態のひきこもり識別支援用モデルの生成方法の処理手順を示すフローチャートである。
工程S1では、教師データ生成装置3の取得部31が、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を含有量測定器2から取得する。工程S2では、教師データ生成部32が、前記含有量をひきこもりであるか否かの識別結果に対応付けて、教師データD2を生成する。
その後、測定対象者を代えながら工程S1及びS2を繰り返し、機械学習に必要十分な所定量の教師データD2が蓄積した場合(工程S3においてYES)、教師データD2を機械学習装置4に転送する。
続いて、工程S4では、学習部41が、教師データD2を用いて機械学習を行う。これにより、学習部41は、含有量を入力すると、ひきこもりであるか否かを出力するひきこもり識別支援用モデルM1を生成する(工程S5)。
<ひきこもり状態の有無の予測>
図4は、本実施形態の支援装置5の概略構成を示すブロック図である。支援装置5は、本実施形態のひきこもり識別支援方法を実施するための装置である。
支援装置5は、汎用のコンピュータで構成することができ、ハードウェア構成として、CPUやGPU等のプロセッサ、DRAMやSRAM等の主記憶装置(図示省略)、及び、HDDやSSD等の補助記憶装置50を備えている。補助記憶装置50には、上述のひきこもり識別支援用モデルの生成方法によって生成されたひきこもり識別支援用モデルM1や、支援装置5を動作させるための各種プログラムが格納されている。
支援装置5は、機能ブロックとして、取得部51と、予測部52とを備えている。本実施形態において、これらの各部は、支援装置5のプロセッサが所定のプログラムを主記憶装置に読み出して実行することによってソフトウェア的に実現される。
取得部51は、被験者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する機能ブロックである。本実施形態では、取得部51は、通信回線や記録媒体を介して、含有量測定器2から含有量を取得するが、含有量をあらかじめ補助記憶装置50に保存しておき、当該含有量を補助記憶装置50から読み出すことにより取得してもよい。なお、取得部51が取得する含有量の種類は、ひきこもり識別支援用モデルM1の生成時に図2に示す取得部51が取得した含有量の種類と同じである。
予測部52は、被験者の血液試料中の含有量を、ひきこもり識別支援用モデルM1に入力することにより、前記被験者がひきこもりであるかを予測する機能ブロックである。具体的には、予測部52は、取得部51から含有量を受け取ると、当該含有量をひきこもり識別支援用モデルM1に入力し、これに応じてひきこもり識別支援用モデルM1から出力された、ひきこもりであるか否かの予測結果を受け取る。
さらに、予測部52は、予測結果を表示装置6に出力する。なお、当該予測結果を印刷する等の方法により出力してもよい。
図5は、本実施形態のひきこもり識別支援方法の処理手順を示すフローチャートである。
工程S6では、支援装置5の取得部51が、被験者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を含有量測定器2から取得する。工程S7では、予測部52が、被験者の血液試料中の含有量を、ひきこもり識別支援用モデルM1に入力することにより、前記被験者がひきこもりであるかを予測する。工程8では、予測部52が、予測結果を表示装置6等に出力する。
以上のように、ひきこもり識別支援用モデルM1を用いて、被験者のひきこもり状態の有無を予測することができる。
なお、被験者のひきこもり状態の有無を評価する際に、ひきこもり識別支援用モデルの予測結果と、他のひきこもりの検査とを組み合わせて、ひきこもり状態の有無を評価してもよい。他のひきこもりの検査としては、構造化面接に基づく病的ひきこもり評価や自記式のHQ-25(25-item Hikikomori Questionnaire)等の検査が挙げられる。
2.2 ひきこもりの重症度の判定
ひきこもり状態の重症度は、構造化面接に基づく病的ひきこもり評価や自記式のHQ-25(25-item Hikikomori Questionnaire)等の検査手法により、ある程度評価可能であるが、患者の主観的な訴えや態度に依拠していることから、より客観的な評価方法が求められている。
本発明の別の実施形態において、被験者の血中成分を、被験者のひきこもり状態の重症度を判定するための指標とする方法を提供する。前記血中成分としては、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーを用いることができ、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも2種を含む血中成分が挙げられる。
本実施形態において、被験者の血液試料中の、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、取得した前記含有量とあらかじめ設定されたカットオフ値を比較しひきこもり状態の重症度を判定する工程と、を有する、ひきこもり状態の重症度の判定方法を提供する。
本実施形態の識別方法によれば、被験者の年齢に制限はなく、例えば、若年被験者、具体的には30歳以下の被験者であってもよく、高齢被験者、具体的には65歳以上の被験者であってもよい。また、被験者の性別に制限はなく、男性の被験者であってもよく、女性の被験者であってもよい。さらに、被験者はひきこもり等の精神疾患に対する投薬等の治療介入がなされていても良く、なされていなくても良いが、治療介入がなされていないことが好ましい。
<ひきこもり状態の重症度の判定>
本実施形態において、被験者の血液試料中の本発明のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程については、上記「<血液試料中のバイオマーカーの含有量の測定方法>」の項に記載した方法が好ましく用いられる。
取得した含有量とあらかじめ設定されたカットオフ値を比較しひきこもり状態の重症度を判定する工程について、以下に記載する。
ひきこもり識別用バイオマーカーの含有量について、それぞれカットオフ値と比較して、それぞれの項目についてひきこもり状態の重症度を判定する。その後、それらの結果を総合し、過半数の項目について、ひきこもり状態の重症度が高い可能性が高い、と判定された場合に、当該被験者はひきこもり状態の重症度が高い、と判定することができる。
なお、それぞれの項目についてのひきこもり状態の重症度を判定に関しては、バイオマーカーの血液試料中の含有量がカットオフ値以上である場合に「ひきこもり状態を有する可能性が高い」と判定されるバイオマーカーの場合、当該バイオマーカーの血液試料中の含有量がカットオフ値よりも大きいほどひきこもり状態の重症度が高い可能性が高いと判定することができ、一方、当該バイオマーカーの血液試料中の含有量がカットオフ値に近いほどひきこもり状態の重症度が低い可能性が高いと判定することができる。また、バイオマーカーの血液試料中の含有量がカットオフ値以下である場合に「ひきこもり状態を有する可能性が高い」と判定されるバイオマーカーの場合、当該バイオマーカーの血液試料中の含有量がカットオフ値よりも小さいほどひきこもり状態の重症度が高い可能性が高いと判定することができ、一方、当該バイオマーカーの血液試料中の含有量がカットオフ値に近いほどひきこもり状態の重症度が低い可能性が高いと判定することができる。
また、本実施形態において用いられるひきこもり識別用バイオマーカーとしては、「1.ひきこもり識別用バイオマーカー」の項において記載したものが用いられ、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも2種を含み、好ましくは、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも2種を含む。
血液試料中のオルニチンの含有量については、あらかじめ設定されたカットオフ値より大きいほど、ひきこもり状態の重症度が高い可能性が高いと判定することができる。
血液試料中のアシルカルニチンの含有量については、あらかじめ設定されたカットオフ値より大きいほど、ひきこもり状態の重症度が高い可能性が高いと判定することができる。
血液試料中のビリルビンの含有量については、あらかじめ設定されたカットオフ値より小さいほど、ひきこもり状態の重症度が高い可能性が高いと判定することができる。
血液試料中のアルギニンの含有量については、あらかじめ設定されたカットオフ値より小さいほど、ひきこもり状態の重症度が高い可能性が高いと判定することができる。
血液試料中のアルギナーゼの含有量については、あらかじめ設定されたカットオフ値より大きいほど、ひきこもり状態の重症度が高い可能性が高いと判定することができる。なお、アルギナーゼは特に男性のひきこもり者を特徴づける指標として有用である。
オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ以外のその他の成分の含有量についても、それぞれの成分ごとに応じてあらかじめ設定されたカットオフ値と比較し、大小いずれかの側をひきこもり状態を有する可能性が高いと設定し、それに基づいて判定することができる。
なお、前記あらかじめ設定されたカットオフ値は、被験者の性別及び年齢、血液試料の種類、測定方法、並びにバイオマーカーの種類等の諸条件に応じて、当業者が適宜設定すればよい、カットオフ値の設定方法は特に限定されず、公知の方法に従って設定することができる。
カットオフ値は、ひきこもり者においてバイオマーカーを測定した結果のみに基づいて設定しても良く、非ひきこもり者においてバイオマーカーを測定した結果のみに基づいて設定しても良いが、ひきこもり者と非ひきこもり者の両方のバイオマーカーを測定し、その両方の結果に基づいて設定することが好ましい。非ひきこもり者は、ひきこもり状態で無い限り、疾患等に罹患していても良く、疾患等に罹患していなくとも良いが、測定されるバイオマーカーと相関する疾患には罹患していないことが好ましい。
例えば、ひきこもり者においてバイオマーカーを測定した結果のみに基づいてカットオフ値を設定する場合には、複数人のひきこもり者におけるバイオマーカーの測定結果の分布において、ひきこもり者が所定の割合含まれるようにカットオフ値を設定しても良い。上記記載は、非ひきこもり者においてバイオマーカーを測定した結果のみに基づいてカットオフ値を設定する場合にも準用できる。
また、ひきこもり者と非ひきこもり者の両方のバイオマーカーを測定し、その両方の結果に基づいて設定する場合には、例えば、正常値の範囲に非ひきこもり者が所定の割合含まれ、且つ、異常値の範囲にひきこもり者が所定の割合含まれるようにカットオフ値を決定してもよい。具体的には、例えば、測定値がカットオフ値以上である場合にひきこもりの可能性が高いバイオマーカーの場合は、ひきこもり者がカットオフ値以上に所定の割合含まれ、且つ、非ひきこもり者がカットオフ値未満に所定の割合含まれるようにカットオフ値を決定することができる。また、測定値がカットオフ値以下である場合にひきこもりの可能性が高いバイオマーカーの場合は、ひきこもり者がカットオフ値以下に所定の割合含まれ、且つ、非ひきこもり者がカットオフ値を超える範囲に所定の割合含まれるようにカットオフ値を決定することができる。
上記において、所定の割合とは、例えば、70% 以上であり、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、100%であることが特に好ましい。
また、被験者のひきこもり状態の重症度を評価する際に、上記のひきこもり状態の重症度の判定結果と、他のひきこもりの検査とを組み合わせて、ひきこもり状態の重症度を評価してもよい。他のひきこもりの検査としては、構造化面接に基づく病的ひきこもり評価や自記式のHQ-25(25-item Hikikomori Questionnaire)等の検査が挙げられる。
本発明のバイオマーカーを、被験者のひきこもり状態の重症度を判定するための指標とする方法を提供する、他の1つの実施形態において、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中の本発明のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、前記含有量をひきこもりの重症度の判定結果に対応付けて、教師データを生成する工程と、前記教師データを用いて機械学習を行うことにより、前記含有量を入力すると、ひきこもりの重症度を出力するひきこもりの重症度予測支援用モデルを生成する工程と、を有する、ひきこもりの重症度予測支援用モデルの生成方法を提供する。さらに、被験者における血液試料中の本発明のバイオマーカーの含有量を取得する工程と、前記被験者の前記含有量を、前記ひきこもり重症度予測支援用モデルの生成方法によって生成されたひきこもりの重症度予測支援用モデルに入力することにより、前記被験者のひきこもりの重症度を予測する工程と、を含む、被験者のひきこもりの重症度を予測する方法を提供する。
本実施形態の方法によれば、被験者のひきこもり状態の重症度を簡便且つ正確に評価することができる。
本実施形態の識別方法によれば、被験者の年齢に制限はなく、例えば、若年被験者、具体的には30歳以下の被験者であってもよく、高齢被験者、具体的には65歳以上の被験者であってもよい。また、被験者の性別に制限はなく、男性の被験者であってもよく、女性の被験者であってもよい。さらに、被験者はひきこもり等の精神疾患に対する投薬等の治療介入がなされていても良く、なされていなくても良いが、治療介入がなされていないことが好ましい。
<ひきこもり重症度予測支援用モデル>
図6は、本発明の一実施形態のひきこもり重症度予測支援用モデル生成システム1’の概略構成を示すブロック図である。ひきこもり重症度予測支援用モデル生成システム1’は、本発明の一実施形態のひきこもり重症度予測支援用モデルの生成方法を実施するためのシステムであり、含有量測定器2と、教師データ生成装置3’と、機械学習装置4’とを備えている。なお、図6では、図2におけるものと同一の機能を有する部材は、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
含有量測定器2は、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を測定する。測定方法としては、上記「<血液試料中のバイオマーカーの含有量の測定方法>」の項において記載した方法が好ましく用いられる。本実施形態では、前記ひきこもり識別用バイオマーカーは、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも2種を含み、好ましくはオルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも3種を含み、より好ましくはオルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも2種を含む。前記ひきこもり識別用バイオマーカーとして、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも3種を含むことがさらに好ましく、オルニチン、アシルカルニチンからなる群より選択される少なくとも3種、ビリルビン、アルギニン、及びアルギナーゼを含むことが特に好ましく、オルニチン、オクタノイルカルニチン(AC_C8:0)、テトラデカノイルカルニチン(AC_C14:0)、ヘキサデカノイルカルニチン(AC_C16:0)、ヘキサデセノイルカルニチン(AC_C16:1)、オクタデセノイルカルニチン(AC_C18:1)、オクタデカジエノイルカルニチン(AC_C18:2)、3-ヒドロキシオクタデセノイルカルニチン(AC_C18:1OH)、3-ヒドロキシオクタデカジエノイルカルニチン(AC_C18:2OH)、ヘキサデセノイルリソホスファチジルコリン(LPC_16:1)、総ビリルビン、直接型ビリルビン、直接型ビリルビン/間接型ビリルビン比、LDLコレステロール、アルギニン、及びアルギナーゼのすべてを含むことが最も好ましい。複数のバイオマーカーの測定結果を組み合わせることで、被験者のひきこもり状態の有無の識別の精度を向上することができる。測定された含有量のデータは、測定対象者のID等とともに教師データ生成装置3’に送信される。
教師データ生成装置3’のハードウェア構成は、図2に示す教師データ生成装置3と同一である。補助記憶装置30には、含有量測定器2による各測定対象者のひきこもりの重症度判定結果データベースD3や、教師データ生成装置3’を動作させるための各種プログラムが格納されている。なお、測定対象者のひきこもりの重症度判定結果は、構造化面接に基づく病的ひきこもり評価や自記式のHQ-25(25-item Hikikomori Questionnaire)等の公知の方法により取得することができる。
教師データ生成装置3’は、機能ブロックとして、取得部31と、教師データ生成部32’とを備えている。本実施形態において、これらの各部は、教師データ生成装置3’のプロセッサが所定のプログラムを主記憶装置に読み出して実行することによってソフトウェア的に実現される。
取得部31は、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を含有量測定器2から取得する。
教師データ生成部32’は、前記含有量をひきこもりの重症度の判定結果に対応付けて、教師データD4を生成する機能ブロックである。具体的には、教師データ生成部32’は、取得部31から含有量を受け取ると、当該含有量の測定対象者のひきこもりの重症度の判定結果を、ID等を参照することにより重症度判定結果データベースD3から読み出し、当該含有量と読み出した判定結果とを対応付けることにより、教師データD4を生成する。さらに、教師データ生成部32’は、生成した教師データD4を補助記憶装置30に保存する。
なお、重症度判定結果データベースD3が補助記憶装置30に格納されていない場合や、測定対象者の判定結果が重症度判定結果データベースD3に含まれていない場合は、教師データ生成部32’は、判定結果を外部から別途取得し、含有量と対応付けてもよい。
機械学習装置4’のハードウェア構成は、図2に示す機械学習装置4と同一である。補助記憶装置40には、教師データ生成装置3’から転送された教師データD4や、機械学習装置4’を動作させるための各種プログラム等が格納されている。
機械学習装置4’は、機能ブロックとして学習部41’を備えている。学習部41’は、教師データD4に基づいて機械学習を行うことにより、含有量を入力すると、ひきこもりの重症度を出力するひきこもり重症度予測支援用モデルM2を生成する。学習部41’による機械学習の学習法は特に限定されないが、本実施形態では、部分的最小二乗回帰による機械学習である。生成されたひきこもり重症度予測支援用モデルM2は、補助記憶装置40に格納され、その後、ひきこもり重症度予測支援のために用いられる。
図7は、本実施形態のひきこもり重症度予測支援用モデルの生成方法の処理手順を示すフローチャートである。
工程S11では、教師データ生成装置3’の取得部31が、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を含有量測定器2から取得する。工程S12では、教師データ生成部32’が、前記含有量をひきこもりの重症度の判定結果に対応付けて、教師データD4を生成する。
その後、測定対象者を代えながら工程S11及びS12を繰り返し、機械学習に必要十分な所定量の教師データD4が蓄積した場合(工程S13においてYES)、教師データD4を機械学習装置4’に転送する。
続いて、工程S14では、学習部41’が、教師データD4を用いて機械学習を行う。これにより、学習部41’は、含有量を入力すると、ひきこもりの重症度を出力するひきこもりの重症度予測支援用モデルM2を生成する(工程S15)。
<ひきこもりの重症度の予測>
図8は、本実施形態の支援装置5’の概略構成を示すブロック図である。支援装置5’は、本実施形態のひきこもり重症度予測支援方法を実施するための装置である。
支援装置5’のハードウェア構成は、図4に示す支援装置5と同一である。補助記憶装置50には、上述のひきこもり重症度予測支援用モデルの生成方法によって生成されたひきこもり重症度予測支援用モデルM2や、支援装置5’を動作させるための各種プログラムが格納されている。
支援装置5’は、取得部51と、予測部52’とを備えている。本実施形態において、これらの各部は、支援装置5’のプロセッサが所定のプログラムを主記憶装置に読み出して実行することによってソフトウェア的に実現される。
取得部51は、被験者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を含有量測定器2から取得する。取得部51が取得する含有量の種類は、ひきこもり重症度予測支援用モデルM2の生成時に図6に示す取得部31が取得した含有量の種類と同じである。
予測部52’は、被験者の血液試料中の含有量を、ひきこもり重症度予測支援用モデルM2に入力することにより、前記被験者のひきこもりの重症度を予測する機能ブロックである。具体的には、予測部52’は、取得部51から含有量を受け取ると、当該含有量をひきこもり重症度予測支援用モデルM2に入力し、これに応じてひきこもり重症度予測支援用モデルM2から出力された、ひきこもりの重症度の予測結果を受け取る。さらに、予測部52’は、予測結果を表示装置6に出力する。
図9は、本実施形態のひきこもり重症度予測支援方法の処理手順を示すフローチャートである。
工程S16では、支援装置5’の取得部51が、被験者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を含有量測定器2から取得する。工程S17では、予測部52’が、被験者の血液試料中の含有量を、ひきこもり重症度予測支援用モデルM2に入力することにより、前記被験者がひきこもりの重症度を予測する。工程18では、予測部52’が、予測結果を表示装置6等に出力する。
以上のように、ひきこもり重症度予測支援用モデルM2を用いて、被験者のひきこもりの重症度を予測することができる。
なお、被験者のひきこもり状態の重症度を評価する際に、ひきこもりの重症度予測支援用モデルの予測結果と、他のひきこもりの検査とを組み合わせて、ひきこもり状態の重症度を評価してもよい。他のひきこもりの検査としては、構造化面接に基づく病的ひきこもり評価や自記式のHQ-25(25-item Hikikomori Questionnaire)等の検査が挙げられる。
2.3 ひきこもり者の層別化
ひきこもり状態となる原因として、環境要因、性格、こころの病気等様々な事柄が考えられており、ひきこもり者をその背景で層別化することが可能である。本明細書において、『層別化』とは、ひきこもり状態をその背景に応じてサブタイプに分類し、そのサブタイプごとのひきこもり者のクラスタリング分類を定義することを意味する。ひきこもりの背景としては、例えばうつ病、社交不安障害、発達障害、統合失調症の傾向等が挙げられる。ひきこもり者を例えばうつ傾向の有無で層別化した場合には、うつ傾向があるひきこもり者層には、ひきこもり状態の解消にうつ病の治療法が有効であると判断することができ、うつ傾向がないひきこもり者層には、ひきこもり状態の解消にうつ病の治療法が有効でないと判断することができる。
本発明の別の実施形態において、被験者の血中成分を、被験者を層別化するための指標とする方法を提供する。層別化の内容としては特に限定されないが、好ましくは、非ひきこもり者層、うつ傾向を有するひきこもり者層、及びその他のひきこもり者層に層別化することが挙げられる。前記血中成分としては、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーを用いることができ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも1種を含む血中成分が挙げられる。
本実施形態において、被験者の血液試料中の本発明のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、取得した含有量とあらかじめ設定された基準値を比較しひきこもりのクラスタリング分類を判定する工程と、を有する、ひきこもりの層別化支援方法を提供する。
本実施形態の識別方法によれば、被験者の年齢に制限はなく、例えば、若年被験者、具体的には30歳以下の被験者であってもよく、高齢被験者、具体的には65歳以上の被験者であってもよい。また、被験者の性別に制限はなく、男性の被験者であってもよく、女性の被験者であってもよい。さらに、被験者はひきこもり等の精神疾患に対する投薬等の治療介入がなされていても良く、なされていなくても良いが、治療介入がなされていないことが好ましい。
<ひきこもりのクラスタリング分類の判定>
本実施形態において、被験者の血液試料中の本発明のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程については、上記「<血液試料中のバイオマーカーの含有量の測定方法>」の項に記載した方法が好ましく用いられる。
取得した含有量とあらかじめ設定された基準値を比較しひきこもりのクラスタリング分類を判定する工程について、以下に記載する。
ひきこもり識別用バイオマーカーの含有量について、それぞれ基準値と比較して、それぞれの項目についてひきこもりのクラスタリング分類を判定する。その後、それらの結果を総合し、最大多数の項目において判定されたクラスタリング分類が、当該被験者におけるひきこもりのクラスタリング分類であると判定することができる。
なお、本実施形態において用いられるひきこもり識別用バイオマーカーとしては、「1.ひきこもり識別用バイオマーカー」の項において記載したものが用いられ、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも2種を含み、好ましくは、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも1種を含む。
血液試料中の尿酸の含有量については、基準値以上である場合に、うつ傾向を有するひきこもり者層に該当する可能性が高いと判定することができる。
血液試料中のコレステロールエステルの含有量については、基準値以上である場合に、うつ傾向を有するひきこもり者層に該当する可能性が高いと判定することができる。
なお、前記あらかじめ設定された基準値は、被験者の性別及び年齢、血液試料の種類、測定方法、並びにバイオマーカーの種類等の諸条件に応じて、当業者が適宜設定すればよい、基準値の設定方法は特に限定されず、公知の方法に従って設定することができる。
基準値は、一つのクラスタリング分類において被験者のバイオマーカーを測定した結果のみに基づいて設定しても良いが、複数のクラスタリング分類において被験者のバイオマーカーを測定し、その結果を総合して設定することが好ましい。
例えば、一つのクラスタリング分類において被験者のバイオマーカーを測定した結果のみに基づいて基準値を設定する場合には、複数人の被験者におけるバイオマーカーの測定結果の分布において、当該被験者が所定の割合含まれるように基準値を設定しても良い。
また、複数のクラスタリング分類において被験者のバイオマーカーを測定し、その結果を総合して設定する場合には、例えば、各クラスタリング分類に該当する被験者が所定の割合含まれるように基準値を決定してもよい。具体的には、例えば、測定値が基準値以上である場合にうつ傾向を有するひきこもり者層に該当する可能性が高いバイオマーカーの場合は、うつ傾向を有するひきこもり者層に該当する被験者が基準値以上に所定の割合含まれ、且つ、それ以外の層に該当する被験者が基準値未満に所定の割合含まれるように基準値を決定することができる。また、例えば、測定値が基準値以下である場合にうつ傾向を有するひきこもり者層に該当する可能性が高いバイオマーカーの場合は、うつ傾向を有するひきこもり者層に該当する被験者が基準値以下に所定の割合含まれ、且つ、それ以外の層に該当する被験者が基準値を超える範囲に所定の割合含まれるように基準値を決定することができる。
上記において、所定の割合とは、例えば、70% 以上であり、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、100%であることが特に好ましい。
また、被験者のひきこもりのクラスタリング分類を判定する際に、上記のクラスタリング分類の判定結果と、他のひきこもりの検査とを組み合わせて、クラスタリング分類を判定してもよい。他のひきこもりの検査としては、構造化面接に基づく病的ひきこもり評価や自記式のHQ-25(25-item Hikikomori Questionnaire)等の検査が挙げられる。
本発明のバイオマーカーを、被験者を層別化するための指標とする方法を提供する、他の1つの実施形態において、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中の本発明のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、前記含有量をひきこもりのクラスタリング分類の判定結果に対応付けて、教師データを生成する工程と、前記教師データを用いて機械学習を行うことにより、前記含有量を入力すると、ひきこもりのクラスタリング分類を出力するひきこもりの層別化支援用モデルを生成する工程と、を有する、ひきこもりの層別化支援用モデルの生成方法を提供する。さらに、被験者における血液試料中の本発明のバイオマーカーの含有量を取得する工程と、前記被験者の前記含有量を、前記ひきこもりの層別化支援用モデルの生成方法によって生成されたひきこもりの層別化支援用モデルに入力することにより、前記被験者のひきこもりのクラスタリング分類を予測する工程と、を含む、被験者のひきこもりの層別化支援方法を提供する。層別化の内容としては特に限定されないが、好まくは、非ひきこもり者層、うつ傾向を有するひきこもり者層、及びその他のひきこもり者層に層別することが挙げられる。
本実施形態の方法によれば、被験者のひきこもり状態の重症度を簡便且つ正確に評価することができる。
本実施形態の識別方法によれば、被験者の年齢に制限はなく、例えば、若年被験者、具体的には30歳以下の被験者であってもよく、高齢被験者、具体的には65歳以上の被験者であってもよい。また、被験者の性別に制限はなく、男性の被験者であってもよく、女性の被験者であってもよい。さらに、被験者はひきこもり等の精神疾患に対する投薬等の治療介入がなされていても良く、なされていなくても良いが、治療介入がなされていないことが好ましい。
<ひきこもり層別化支援用モデル>
図10は、本実施形態のひきこもり層別化支援用モデル生成システム1”の概略構成を示すブロック図である。ひきこもり層別化支援用モデル生成システム1”は、本実施形態のひきこもり層別化支援用モデルの生成方法を実施するためのシステムであり、含有量測定器2と、教師データ生成装置3”と、機械学習装置4”とを備えている。なお、図10では、図2及び図6におけるものと同一の機能を有する部材は、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
含有量測定器2は、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を測定する。測定方法としては、上記「<血液試料中のバイオマーカーの含有量の測定方法>」の項において記載した方法が好ましく用いられる。本実施形態では、前記ひきこもり識別用バイオマーカーは、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも2種を含み、好ましくはオルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも3種を含み、より好ましくは尿酸、コレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも1種を含む。前記ひきこもり識別用バイオマーカーとして、コレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも2種、及び尿酸を含むことがさらに好ましく、コレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも3種、及び尿酸を含むことが特に好ましく、尿酸、ヘプタデカン酸コレステロールエステル(CE_17:0)、オクタデカジエン酸コレステロールエステル(CE_18:2)、オクタデカトリエン酸コレステロールエステル(CE_18:3)、エイコセン酸コレステロールエステル(CE_20:1)、エイコサジエン酸コレステロールエステル(CE_20:2)、3-ヒドロキシオクタデセノイルカルニチン(AC_C18:1OH)、3-ヒドロキシオクタデカジエノイルカルニチン(AC_C18:2OH)、エイコサテトラエノイルリソホスファチジルコリン(LPC_20:4)、トリグリセリド(TG_46:2)、トリグリセリド(TG_46:3)、トリグリセリド(TG_48:3)、トリグリセリド(TG_50:2)、トリグリセリド(TG_50:3)、トリグリセリド(TG_52:2)、トリグリセリド(TG_52:3)、ホスファチジルコリンエステル(PC_32:0)、ホスファチジルコリンエステル(PC_32:1)、ホスファチジルコリンエステル(PC_38:3)、ホスファチジルコリンエステル(PC_40:4)、ホスファチジルコリンエステル(PC_40:5)、ホスファチジルコリンエステル(PC_40:6)、プロリン、アラニン、及びバリンのすべてを含むことが最も好ましい。複数のバイオマーカーの測定結果を組み合わせることで、被験者のひきこもり状態の有無の識別の精度を向上することができる。測定された含有量のデータは、測定対象者のID等とともに教師データ生成装置3”に送信される。
教師データ生成装置3”のハードウェア構成は、図2に示す教師データ生成装置3及び図6に示す教師データ生成装置3’と同一である。補助記憶装置30には、含有量測定器2による各測定対象者のひきこもりのクラスタリング分類判定結果データベースD5や、教師データ生成装置3”を動作させるための各種プログラムが格納されている。クラスタリング分類判定結果データベースD5では、主成分クラスタリング法によって判定された各測定対象者のひきこもりのクラスタリング分類の判定結果が記録されている。
教師データ生成装置3”は、機能ブロックとして、取得部31と、教師データ生成部32”とを備えている。本実施形態において、これらの各部は、教師データ生成装置3”のプロセッサが所定のプログラムを主記憶装置に読み出して実行することによってソフトウェア的に実現される。
取得部31は、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を含有量測定器2から取得する。
教師データ生成部32”は、前記含有量をひきこもりのクラスタリング分類の判定結果に対応付けて、教師データD6生成する機能ブロックである。具体的には、教師データ生成部32”は、取得部31から含有量を受け取ると、当該含有量の測定対象者がひきこもりのクラスタリング分類の判定結果を、ID等を参照することによりクラスタリング分類判定結果データベースD5から読み出し、当該含有量と読み出した判定結果とを対応付けることにより、教師データD6を生成する。さらに、教師データ生成部32”は、生成した教師データD6を補助記憶装置30に保存する。
なお、クラスタリング分類判定結果データベースD5が補助記憶装置30に格納されていない場合や、測定対象者の判定結果がクラスタリング分類判定結果データベースD5に含まれていない場合は、教師データ生成部32’は、判定結果を外部から別途取得し、含有量と対応付けてもよい。
機械学習装置4”のハードウェア構成は、図2に示す機械学習装置4及び図6に示す機械学習装置4’と同一である。補助記憶装置40には、教師データ生成装置3”から転送された教師データD6や、機械学習装置4”を動作させるための各種プログラム等が格納されている。
機械学習装置4”は、機能ブロックとして学習部41”を備えている。学習部41”は、教師データD6に基づいて機械学習を行うことにより、含有量を入力すると、ひきこもりのクラスタリング分類を出力するひきこもり層別化支援用モデルM3を生成する。学習部41”による機械学習の学習法は特に限定されないが、本実施形態では、ランダムフォレスト又は部分的最小二乗回帰による機械学習である。生成されたひきこもり層別化支援用モデルM3は、補助記憶装置40に格納され、その後、ひきこもり層別化支援のために用いられる。
図11は、本実施形態のひきこもり層別化支援用モデルの生成方法の処理手順を示すフローチャートである。
工程S21では、教師データ生成装置3”の取得部31が、複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を含有量測定器2から取得する。工程S22では、教師データ生成部32”が、前記含有量をひきこもりのクラスタリングの判定結果に対応付けて、教師データD6を生成する。
その後、測定対象者を代えながら工程S21及びS22を繰り返し、機械学習に必要十分な所定量の教師データD6が蓄積した場合(工程S23においてYES)、教師データD6を機械学習装置4”に転送する。
続いて、工程S24では、学習部41”が、教師データD6を用いて機械学習を行う。これにより、学習部41”は、含有量を入力すると、ひきこもりのクラスタリング分類を出力するひきこもりの層別化支援用モデルM3を生成する(工程S25)。
<ひきこもりの層別化の予測>
図12は、本実施形態の支援装置5”の概略構成を示すブロック図である。支援装置5”は、本実施形態のひきこもり層別化支援方法を実施するための装置である。
支援装置5”のハードウェア構成は、図4に示す支援装置5及び図8に示す支援装置5’と同一である。補助記憶装置50には、上述のひきこもり層別化支援用モデルの生成方法によって生成されたひきこもり層別化支援用モデルM3や、支援装置5”を動作させるための各種プログラムが格納されている。
支援装置5”は、取得部51と、予測部52”とを備えている。本実施形態において、これらの各部は、支援装置5”のプロセッサが所定のプログラムを主記憶装置に読み出して実行することによってソフトウェア的に実現される。
取得部51は、被験者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を含有量測定器2から取得する。取得部51が取得する含有量の種類は、ひきこもり層別化支援用モデルM3の生成時に図10に示す取得部31が取得した含有量の種類と同じである。
予測部52”は、被験者の血液試料中の含有量を、ひきこもり層別化支援用モデルM3に入力することにより、前記被験者のひきこもりのクラスタリング分類を予測する機能ブロックである。具体的には、予測部52”は、取得部51から含有量を受け取ると、当該含有量をひきこもり層別化支援用モデルM3に入力し、これに応じてひきこもり層別化支援用モデルM3から出力された、ひきこもりのクラスタリング分類の予測結果を受け取る。さらに、予測部52”は、予測結果を表示装置6に出力する。
図13は、本実施形態のひきこもり層別化支援方法の処理手順を示すフローチャートである。
工程S26では、支援装置5”の取得部51が、被験者の血液試料中のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を含有量測定器2から取得する。工程S27では、予測部52”が、被験者の血液試料中の含有量を、ひきこもり層別化支援用モデルM3に入力することにより、前記被験者がひきこもりのクラスタリング分類を予測する。工程28では、予測部52”が、予測結果を表示装置6等に出力する。
以上のように、ひきこもり層別化支援用モデルM3を用いて、被験者のひきこもりのクラスタリング分類を予測することができる。
なお、被験者のひきこもり状態のクラスタリング分類を判定する際に、ひきこもりの重症度予測支援用モデルの予測結果と、他のひきこもりの検査とを組み合わせて、ひきこもり状態のクラスタリング分類を判定してもよい。他のひきこもりの検査としては、構造化面接に基づく病的ひきこもり評価や自記式のHQ-25(25-item Hikikomori Questionnaire)等の検査が挙げられる。
3.ひきこもり識別用バイオマーカの利用用途
本実施形態において、ひきこもり識別用バイオマーカーは、ひきこもり者の識別、重症度予測、層別化以外に以下に示す用途に使用できる。
<ひきこもり状態解消のための介入の効果の判定>
一般に、介入の効果には個人差がみられることから、各個人における介入の効果を調べることは非常に有益であり、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーを用いれば容易に介入の効果を調べることができる。
例えば、ひきこもり者に対して何らかの介入を行う前後で、ひきこもり者から血液を採取し、その血液試料に含まれるひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を測定して、介入前後のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を比較する。そして、介入後に、ひきこもり識別用バイオマーカーの含有量が「ひきこもり状態で無い」と判定される範囲に近づけば、当該介入は効果があると判定できる。
<予防的介入>
また、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーをひきこもり状態の予防や早期介入のために使用することもできる。
例えば、「週4日以上自宅から外出せず、社会参加活動を6か月以上継続して行わず、それにより機能障害や苦痛を感じている状態」というひきこもりの定義に該当しない非ひきこもり者であっても、本発明のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量が「ひきこもり状態である」と判定される範囲である場合には、今後ひきこもり状態となる可能性が高いと判定して、ひきこもり状態の予防を行うことができる。また、ひきこもり状態となった早期の段階で、介入を始めることも可能となる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、以下の実施例においてはすべて、常温常圧下で実施した。
また、本実施例における分析に使用したバイオマーカーを以下の表1に示す。
上記表中、例えば、AC_C2:0は、アシルカルニチンの脂肪酸炭素数2、二重結合数0を示す。例えば、LPC_16:0は、リソホスファチジルコリンの脂肪酸炭素数16、二重結合数0を示す。例えば、PE_34:1は、ホスファチジルエタノールアミンの脂肪酸炭素数の合計が34、二重結合数1を示す。例えば、CE_17:0は、コレステロールエステルの脂肪酸炭素数17、二重結合数0を示す。例えば、TG_46:2は、トリグリセリドの脂肪酸炭素数の合計が46、二重結合数2を示す。例えば、PC_28:1は、ホスファチジルコリンの脂肪酸炭素数の合計が28、二重結合数1を示す。
[実施例1]ひきこもり識別支援用モデル
[1]被験者の選定及び血漿サンプルの収集
本実施例における被験者(ひきこもり者及び非ひきこもり者)のデータは、九州大学において、すべての被験者に書面によるインフォームドコンセントを得て使用した。被験者の選定方法について以下に示す。また、被験者に関するデータを表2に示す。
(1)ひきこもり者
ひきこもりの基準として、以下の3項目を満たす者をひきこもり者と定義し、薬物治療が行われていないひきこもり者42名(平均年齢30.2歳、SD=8.2)について血液試料を集めた。
(a)週4日以上自宅から外出していない
(b)社会参加活動を6か月以上継続しておこなっていない
(c)それにより機能障害や苦痛を感じている
(2)非ひきこもり者
上記3項目を満たさず、ひきこもり状態となっていない者を非ひきこもり者とし、非ひきこもり者41名について血液試料を集めた。
(3)血液試料の収集
血液試料の収集は、静脈穿刺による末梢血液採取により行った。
[2]メタボローム解析
(1)血液試料の前処理
血液試料中の血中代謝物を抽出するため、血漿10μLに対し、氷冷メタノール250μLを添加し、ボルテックスミキサーで撹拌した後、遠心分離を行った(14,000×g、4℃、15分)。その後、上清を1.5mLのエッペンドルフマイクロチューブに採取し、同量の水で希釈した後、以下の各種化合物の分析に使用した。
(2)アミノ酸を含む水溶性化合物のLC/MS分析
[2](1)において得られた上清について、25μLの上清を0.1%ギ酸溶液で3倍希釈した後、LC/MS分析を行った。LC/MS分析には、LCMS-8060(島津製作所製)を使用した。多様な水溶性化合物を分析するため、HS-F5-3カラム(150×2.1mm、3μm particle size、シグマアルドリッチ製)を用い、溶媒A(0.1%ギ酸水溶液)と溶媒B(0.1%ギ酸アセトニトリル溶液)からなる移動相で実施した。カラムオーブンの温度は40℃設定で行った。移動相のグラジエントは、以下の条件で行った。
・流速0.25ml/min。0-2 min, 0%B; 2-5min, 0-25%B; 5-11min, 25-35%B; 11-15min, 35-95%B; 15-25min, 95%B; 25.1-30min, 0%B。
また、質量分析はエレクトロスプレーイオン化法(ESI)のnegative/positiveイオンモードで多重反応モニタリングモードで実施した。ESIの条件は、以下の通りである。
・ドライガス流量10L/min、ネブライザーガス流量3L/min、ヒートガス流量10L/min、インターフェース温度300℃、DL温度250℃、ヒートブロック温度400℃、CIDガス圧270kPa。
(3)アシルカルニチンのLC/MS分析
[2](1)において得られた上清について、30μLの上清に270μLの氷冷メタノールを添加し、ボルテックスミキサーで撹拌した後、遠心分離を行った(14,000×g、4℃、15分)後、上清を採取した。採取した上清について、LC/MS分析を行った。LC/MS分析には、LCMS-8060(島津製作所製)を使用した。カラムはLuna HILIC column 200A (150 mm×2.0mm、3 μm、フェノメネックス製)を使用し、溶媒A(10mMギ酸アンモニウム)と溶媒B(アセトニトリル/10mMギ酸アンモニウム(9/1、v/v))からなる移動相で実施した。カラムオーブンの温度は40℃設定で行った。移動相のグラジエントは、以下の条件で行った。
・流速0.3mL/min。0-2.5 min, 100%B; 2.5-4 min, 100-50%B; 4-7.5 min, 50-5%B; 7.5-10 min, 5%B; 10,1-12.5 min, 100%B。
また、アシルカルニチンの検出は、ESI Positiveモードでm/z 85.5のプリカーサイオンスキャンを、脂肪酸鎖長に応じて衝突エネルギー(CE)を調整して実施した。
・短鎖アシルカルニチン(C0-8):20eV
・中鎖アシルカルニチン(C9-12):35eV
・長鎖アシルカルニチン(C12-18):45eV
(4)リン脂質のLC/MS分析
[2](1)において得られた上清について、5μLの上清を0.1%ギ酸の20%アセトニトリル溶液で200倍希釈した後、LC/MS分析を行った。LC/MS分析には、LCMS-8060(島津製作所製)を使用した。カラムは、Kinetex C8カラム(150×2.1 mm、 2.6 μm particle size、フェノメネックス製)を使用し、溶媒A(20mMギ酸アンモニウム)と溶媒B(アセトニトリル/イソプロパノール(1/1、v/v))からなる移動相で実施した。カラムオーブンの温度は45℃設定で行った。移動相のグラジエントは、以下の条件で行った。
・流速0.3mL/min。0-1min, 20%B; 1-2 min, 40%B; 2-25 min, 92.5%B; 25.1-35 min, 100%B; 35.1-38 min,20%B。
質量分析はエレクトロスプレーイオン化法(ESI)のpositiveイオンモードで多重反応モニタリングモードで実施した。
[3]代謝物のデータ処理
LC-MSのデータ解析は、Lab Solutions LC-MS software program(島津製作所製)を使用した。合計で127成分(生化学検査項目10成分、血中代謝物117成分)の情報が得られ、ひきこもり者と非ひきこもり者でそれらのデータを比較した。その結果を表3、図14に示す。なお、統計解析には、GraphPad Prism8を使用し、散布図の作成には、EnhancedVolcano R package(ver.1.6.0)を使用した。ひきこもり者と非ひきこもり者で最も差がみられたのは、直接型ビリルビン/間接型ビリルビン比(R-Bil)であり、ひきこもり者において低い結果となった。長鎖アシルカルニチン(AC_16:0、AC_16:1、AC_18:1、AC_18:2)では、ひきこもり者において非ひきこもり者より高い結果となった。アルギニンではひきこもり者において非ひきこもり者より低い結果となり、オルニチンにおいてはひきこもり者において非ひきこもり者より高い結果となった。
[4]被験者のひきこもり状態の有無を予測可能なひきこもり識別支援用モデルの作成
これら127成分のデータを用いて、ひきこもり者と非ひきこもり者を識別するランダムフォレストモデルを作成した。なお、ランダムフォレストの作成には、randomForest R package (ver.4.6-14)の「ランダムフォレスト」機能を用い、「mrty」パラメータにcaret Rpackage (ver. 6.0-88)の「train」機能を用いて実施した。全データを無作為に6等分し、6分の5を教師データとしてモデルを作成し、6分の1をモデル確認用のデータとして用いた(図15A)。このような無作為抽出操作を5回行い、モデルを作成した(ntree=500;mtry=5)。得られた識別モデルは、カッパ係数が0.7以上と良好な識別精度を有しており、実用的な精度であるといえる(図15B)。また、AUC(area under the receiver operating characteristic (ROC))が0.854(CI=0.648-1.000)であった(図15C)。なお、予測結果の性能評価には、pROC R package (ver.1.17.0.1)の「auc」機能、又はcaret R packageの「confusionMatrix」機能を用いた。
さらに、当該モデルへの寄与が大きい成分を図15Dに示す。オルニチン、アルギニン、長鎖アシルカルニチンが上位5成分に該当した。
[実施例2]男性ひきこもり者における血中アルギナーゼ
ひきこもり者において、アルギニンが低下しオルニチンが上昇すること、及びアルギナーゼを介してアルギニンからオルニチンが生成することから、アルギナーゼもひきこもりの指標となりうると考えられたが、ひきこもり者と非ひきこもり者の比較では、血中アルギナーゼは有意差がみられなかった。しかし、性別とひきこもりの有無で4つのグループに分けて解析したところ、男性のひきこもり者において血中アルギナーゼが高いことが明らかとなった(図16C)。そのため、男性において、アルギニンとオルニチンに負の相関がみられた(図16D)。
[実施例3]ひきこもりの重症度予測
[1]ひきこもりの重症度の判定
被験者のひきこもりの重症度を、HQ-25(25-item Hikikomori Questionnaire)を使用して評価した。
[2]被験者のひきこもり状態の重症度を予測可能な重症度予測支援用モデルの作成
実施例1の[1]~[3]の工程で得られた127成分のデータを用い、被験者のひきこもりの重症度をHQ-25で予測する部分最小二乗法モデルを作成した(図17A)。なお、部分最小二乗法(PLS)モデルは、pls Rpackage (ver. 2.7-3)の「plsr」又は「mvr」機能を用いて作成した。当該モデルの自乗平均誤差(RMSE)は18.5であり、平均絶対誤差(MAR)は15.5であった。さらに、相関係数は平均で0.8であった。なお、自乗平均誤差(RMSE)と平均絶対誤差(MAR)は予測結果とHQ-25の実際の結果を、以下の数式に当てはめて算出した。
当該モデルへの寄与が大きい成分を図17Bに示す。長鎖アシルカルニチン、アルギニン等が上位成分である。長鎖アシルカルニチン(AC_C16:0)はHQ-25と正の相関を示し、アルギニンはHQ-25と負の相関を示していた。これらの結果からも、血液成分の情報からひきこもり重症度を予測可能であるといえる。
[実施例4]被験者の層別化
すべての被験者の精神医学試験データ(表1の23項目のデータ)を用いて、主成分クラスタリング分析を行った(図18A、B)。その結果、被験者を3つのクラスターに分類することができた。
・クラスター1:ほぼ非ひきこもり者からなる群。
・クラスター2:ひきこもり者と非ひきこもり者が半分ずつの群。
・クラスター3:ほぼひきこもり者からなる群。
クラスター3では、抑うつの指標であるHAMD-17、PHQ-9、BDI-IIがクラスター2より高い結果となった。クラスター3においては、抑うつ傾向の高い人が分類されていると考えられる。
この結果を基に、血液成分中で上記クラスターを特徴づける成分がないか探索した結果、尿酸値(UA)及びコレステロールエステル(CE_20:1、CE_18:3、CE_20:2)がそれぞれのクラスター間で差を有することが分かった(図19、20)。なお、ひきこもり者の層別化、主成分分析に基づくひきこもり者のクラスタリング、ヒートマップの作成には、MetaboAnalyst 5.0 platform (https://www.metaboanalyst.ca/home.xhtml)を使用した。
1 識別支援用モデル生成システム
1’ 重症度予測支援用モデル生成システム
1” 層別化支援用モデル生成システム
2 含有量測定器
3 教師データ生成装置
3’ 教師データ生成装置
3” 教師データ生成装置
30 補助記憶装置
31 取得部
32 教師データ生成部
32’ 教師データ生成部
32” 教師データ生成部
4 機械学習装置
4’ 機械学習装置
4” 機械学習装置
40 補助記憶装置
41 学習部
41’ 学習部
41” 学習部
5 支援装置
5’ 支援装置
5” 支援装置
50 補助記憶装置
51 取得部
52 予測部
52’ 予測部
52” 予測部
6 表示装置
D1 識別結果データベース
D2 教師データ
D3 重症度判定結果データベース
D4 教師データ
D5 クラスタリング分類判定結果データベース
D6 教師データ
M1 識別支援用モデル
M2 重症度予測支援用モデル
M3 層別化支援用モデル

Claims (15)

  1. 長鎖アシルカルニチン並びに
    オルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも2種を含む、ひきこもり識別用バイオマーカー。
  2. 長鎖アシルカルニチン並びに
    オルニチン、ビリルビン、アルギニン、アルギナーゼ、尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも3種を含む、ひきこもり識別用バイオマーカー。
  3. 長鎖アシルカルニチン並びに
    オルニチン、ビリルビン、アルギニン及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも1種を含む血中成分を、被験者のひきこもり状態の有無を識別するための指標とする方法。
  4. 長鎖アシルカルニチン並びに
    オルニチン、ビリルビン、アルギニン及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも1種を含む血中成分を、被験者のひきこもり状態の重症度を判定するための指標とする方法。
  5. 尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも1種を含む血中成分を、被験者を非ひきこもり者層、うつ傾向を有するひきこもり者層及びその他のひきこもり者層に層別化するための指標とする方法であって、
    血液試料中の尿酸及びコレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも1種の含有量が基準値以上である場合に、うつ傾向を有するひきこもり者層に該当する可能性が高いことを示す、方法。
  6. 複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中の、請求項1又は2に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
    前記含有量をひきこもりであるか否かの識別結果に対応付けて、教師データを生成する工程と、
    前記教師データを用いて機械学習を行うことにより、前記含有量を入力すると、ひきこもりであるか否かを出力するひきこもり識別支援用モデルを生成する工程と、
    を有する、ひきこもり識別支援用モデルの生成方法。
  7. 複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中の、請求項1又は2に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
    前記含有量をひきこもりの重症度の判定結果に対応付けて、教師データを生成する工程と、
    前記教師データを用いて機械学習を行うことにより、前記含有量を入力すると、ひきこもりの重症度を出力するひきこもりの重症度予測支援用モデルを生成する工程と、
    を有する、ひきこもりの重症度予測支援用モデルの生成方法。
  8. 前記ひきこもり識別用バイオマーカーは、オルニチン、アシルカルニチン、ビリルビン、アルギニン及びアルギナーゼからなる群より選択される少なくとも2種を含む、請求項6又は7に記載の生成方法。
  9. 複数のひきこもり者及び非ひきこもり者の血液試料中の、請求項1又は2に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
    前記含有量をひきこもりのクラスタリング分類の判定結果に対応付けて、教師データを生成する工程と、
    前記教師データを用いて機械学習を行うことにより、前記含有量を入力すると、ひきこもりのクラスタリング分類を出力するひきこもりの層別化支援用モデルを生成する工程と、を有する、ひきこもりの層別化支援用モデルの生成方法。
  10. 前記ひきこもり識別用バイオマーカーは、尿酸、コレステロールエステルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項9に記載の生成方法。
  11. 前記機械学習は、ランダムフォレストによる機械学習である、請求項6又は8に記載の生成方法。
  12. 前記機械学習は、部分的最小二乗回帰による機械学習である、請求項7又は8に記載の生成方法。
  13. 被験者の血液試料中の、請求項1又は2に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
    前記被験者の前記含有量を、請求項6,8及び11のいずれか一項に記載の生成方法によって生成されたひきこもり識別支援用モデルに入力することにより、前記被験者がひきこもりであるかを予測する工程と、
    を有するひきこもり識別支援方法。
  14. 被験者の血液試料中の、請求項1又は2に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
    前記被験者の前記含有量を、請求項7,8及び12のいずれか一項に記載の生成方法によって生成されたひきこもりの重症度予測支援用モデルに入力することにより、前記被験者のひきこもりの重症度を予測する工程と、
    を有するひきこもりの重症度予測支援方法。
  15. 被験者の血液試料中の、請求項1又は2に記載のひきこもり識別用バイオマーカーの含有量を取得する工程と、
    前記被験者の前記含有量を、請求項9又は10に記載の生成方法によって生成されたひきこもりの層別化支援用モデルに入力することにより、前記被験者のひきこもりのクラスタリング分類を予測する工程と、を有するひきこもりの層別化支援方法。
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