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JP7820137B2 - ディスクブレーキパッド - Google Patents
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JP7820137B2 - ディスクブレーキパッド - Google Patents

ディスクブレーキパッド

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Description

本発明は、ディスクブレーキパッドに関する。
近年、自動車の環境対応化及び低燃費化の進行に伴い、自動車の各部品の軽量化が検討及び実施されている。通常、自動車における原材料の構成は、金属材が半分以上を占めているが、車体の軽量化のため、その使用量は年々低下傾向にある。また、車体の軽量化にあたっては、近年、素材としてアルミニウム(アルミニウム合金又はアルミニウム複合材)又は樹脂の使用が増加傾向にある。このような軽量化への動きの中、車両においては、ボディ、フレームのみならず、車両を構成する各要素に対しても軽量化の要求が大きくなってきている。
このような車体軽量化の要求は、車両の制動に用いられるブレーキシステムの構成要素の一つであるディスクブレーキパッドにおいても同様に大きくなってきている。従来、ディスクブレーキパッドには鋼製の板材からなるバックプレートが用いられているが、近年では軽量素材であるアルミニウム、マグネシウム等の金属、それらの合金、樹脂等を主原料とするバックプレートが提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
特開2000-46078号公報 特開2013-60974号公報 特開2015-135177号公報
しかしながら、アルミニウム、マグネシウム等の金属、それらの合金、樹脂等の軽量素材は、鋼材と比較して耐久性に劣る傾向にあり、鋼材は、アルミニウム、マグネシウム等の金属、それらの合金、樹脂等の軽量素材と比較して軽量化が難しいという課題があった。したがって、更なる軽量化と耐久性とを両立するバックプレートを備えるディスクブレーキパッドの実現が望まれていた。
本発明は、上記課題の存在に鑑みてなされたものであり、軽量化を図るとともに、耐久性を向上させたバックプレートを備えるディスクブレーキパッドを提供することを課題とする。
本発明者らは、以下の構成を採用することにより、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、下記[1]~[9]に関する。
[1] ブレーキ操作時に、車両の車輪とともに回転するディスクロータに対して摩擦接触する摩擦材と、前記摩擦材と固着されるバックプレートと、を備えるディスクブレーキパッドであって、前記バックプレートは、バックプレート本体部と、前記バックプレート本体部の両側に配置される一対の耳部と、前記摩擦材が固着された面とは反対側に厚肉化された厚肉部と、を備え、前記厚肉部は、前記一対の耳部を厚肉化した一対の第一厚肉部と、前記第一厚肉部に隣接するとともに前記バックプレート本体部の両側部を厚肉化した一対の第二厚肉部と、からなり、前記第二厚肉部は、前記バックプレート本体部のディスクロータ内周側に配置される内周側第二厚肉部と、前記内周側第二厚肉部に隣接するとともに前記バックプレート本体部のディスクロータ外周側に配置される外周側第二厚肉部と、を備え、背面視において、前記耳部の反バックプレート本体部側部から前記内周側第二厚肉部までの最大の距離が、前記耳部の反バックプレート本体部側部から前記外周側第二厚肉部までのディスクロータ最大の距離よりも大きい、ディスクブレーキパッド。
[2] 前記耳部は、前記バックプレート本体部に隣接して曲線形状を有して接続する一対の付根部を備え、前記内周側第二厚肉部は、前記バックプレート本体部の側部に沿って配置される内周側第二厚肉部側部を備え、前記内周側第二厚肉部側部は、内周側の前記付根部の内周側端部まで伸びるとともに、前記外周側第二厚肉部は、外周側の前記付根部の外周側端部まで伸びる、上記[1]に記載のディスクブレーキパッド。
[3] 前記内周側第二厚肉部は、前記内周側第二厚肉部側部からディスクロータ径方向に対して傾斜して配置される筋交部を備える、上記[2]に記載のディスクブレーキパッド。
[4] 前記内周側第二厚肉部側部と前記筋交部とが一体となっている、上記[3]に記載のディスクブレーキパッド。
[5] 前記筋交部が曲線形状を有さない、上記[3]又は[4]に記載のディスクブレーキパッド。
[6] 前記筋交部が少なくとも一部に曲線形状を有する、上記[3]又は[4]に記載のディスクブレーキパッド。
[7] 前記バックプレート本体部及び前記耳部の板厚方向の厚みがいずれも15mm以下であり、かつ、前記厚肉部の板厚方向の厚みが0.1mm以上である、上記[1]~[6]のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
[8] 前記バックプレートの材質が、鉄合金、アルミニウム合金、アルミニウム複合材及びマグネシウム合金からなる群より選択される少なくとも1種である、上記[1]~[7]のいずれかに記載のディスクブレーキパッド。
[9] 前記バックプレートの材質が、アルミニウム合金又はアルミニウム複合材であり、前記アルミニウム合金又は前記アルミニウム複合材のCu成分が1%以下であり、かつ、Mg成分が3%以下であり、高力アルミニウム合金に属さない、上記[8]に記載のディスクブレーキパッド。
本発明によれば、軽量化を図るとともに、耐久性を向上させたバックプレートを備えるディスクブレーキパッドが提供される。
本実施形態に係るディスクブレーキパッドを例示する外観正面図であり、取付け時において車輪側を向く面を示している。 本実施形態に係るバックプレートを例示する外観背面図である。 本実施形態に係るバックプレートを例示する外観概略底面図である。 本実施形態に係るディスクブレーキパッドがトルク受部材に取り付けられた状態を例示する外観背面図である。 変形例に係るバックプレートを例示する外観背面図である。 変形例に係るバックプレートを例示する外観背面図である。 変形例に係るバックプレートを例示する外観背面図である。 変形例に係るバックプレートを例示する外観背面図である。 変形例に係るバックプレートを例示する外観背面図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須なものではない。
数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、本明細書における記載事項を任意に組み合わせた態様も本発明に含まれる。
なお、本明細書中、「略」とは、特に記載がない限り、同一性を失わない程度の差や変形を含む概念をいう。本明細書中、「反X部」とは、X部とは反対側に位置することをいう。
本実施形態に係るディスクブレーキパッド100について、図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るディスクブレーキパッドを例示する外観正面図であり、取付け時において車輪側を向く面を示している。図2は、本実施形態に係るバックプレートを例示する外観背面図であり、図3は、本実施形態に係るバックプレートを例示する外観概略底面図である。図4は、本実施形態に係るディスクブレーキパッドがトルク受部材に取り付けられた状態を例示する外観背面図である。
[ディスクブレーキパッド100]
図1乃至図4に示すように、本実施形態に係るディスクブレーキパッド100は、ブレーキ操作時に、車両の車輪とともに回転するディスクロータ20に対して摩擦接触する摩擦材10と、摩擦材10と固着されるバックプレート30と、を備えるディスクブレーキパッドであって、バックプレート30は、バックプレート本体部31と、バックプレート本体部31の両側に配置される一対の耳部33,33と、摩擦材10が固着された面とは反対側に厚肉化された厚肉部40と、を備え、厚肉部40は、一対の耳部33,33を厚肉化した一対の第一厚肉部41,41と、第一厚肉部41に隣接するとともにバックプレート本体部31の両側部を厚肉化した一対の第二厚肉部43,43と、からなり、第二厚肉部43は、バックプレート本体部31のディスクロータ内周側に配置される内周側第二厚肉部45と、内周側第二厚肉部45に隣接するとともにバックプレート本体部31のディスクロータ外周側に配置される外周側第二厚肉部47と、を備え、耳部33の反バックプレート本体部側部37から内周側第二厚肉部45までのディスクロータ周方向における最大の距離D2が、耳部33の反バックプレート本体部側部37から外周側第二厚肉部47までのディスクロータ周方向における最大の距離D1よりも大きい。
ディスクブレーキパッド100には、耐腐食性向上と外観品質の安定化のため、表面塗装を施すことができる。表面塗装手法としては、例えば、静電噴霧を用いた粉体塗装、スプレーを用いた溶剤塗装等を用いることができる。
<摩擦材10>
図1、図2及び図4に示すように、摩擦材10は、ブレーキ操作時に、ディスクブレーキパッド100を押圧する押圧部材(不図示)により押圧され、車両の車輪とともに回転するディスクロータ20に対して摩擦接触して、発生した摩擦力により、ディスクロータ20と結合されて一体回転する車輪の回転を制動する。摩擦材10は、後述するバックプレート30の耳部33を除く部分と固着されていればよく、摩擦材10の形状は、後述するバックプレート30のバックプレート本体部31と略同一形状を有していてもよいし、異なる形状を有していてもよい。摩擦材10とバックプレート30との固着方法は、特に限定されず、例えば、公知の接着剤を使用して固着することができる。
摩擦材10としては、特に制限されるものではなく、公知の摩擦材を使用することができる。例えば、結合材、有機充填材、無機充填材及び繊維基材を含有する摩擦材組成物から形成された摩擦材が好ましい一態様である。摩擦材10は、例えば、摩擦材組成物又は摩擦材組成物の予備成形体をバックプレート30と重ね合わせて熱圧成形し、次いで加熱処理して結合材である熱硬化性樹脂を硬化させることで形成できる。また、摩擦材10は、上張り材と下張り材の2種類の摩擦材組成物を組み合わせて構成してもよい。このとき、ディスクブレーキパッド100は、バックプレート30上に下張り材を介して上張り材が摩擦摺動面に位置するように設けられた形態を有することができる。前記摩擦材10が上張り材となり、また、前記下張り材は主に剪断強度及び耐クラック性等に優れる層として機能し、公知の下張り材を使用することができる。
摩擦材10の厚さは、特に限定されないが、耐久性の観点から、4mm以上15mm以下とすることができ、6mm以上15mm以下とすることができ、7mm以上13mm以下とすることができる。
<バックプレート30>
図1乃至図4に示すように、本実施形態に係るバックプレート30は、バックプレート本体部31と、バックプレート本体部31の両側に配置される一対の耳部33,33と、厚肉部40と、を備える。
本実施形態に係るバックプレート30は、バックプレート本体部31と一対の耳部33,33とを一体成形することができる。バックプレート本体部31と一対の耳部33,33とが一体成形されることにより、耐久性が向上する傾向にある。バックプレート本体部31と一対の耳部33,33とは同じ材質で構成されていてもよいし、異なる材質で構成されてもよい。
バックプレート本体部31及び耳部33の板厚方向の厚みは、バックプレートに使用される材料の比重等に応じて適宜変更可能であり、特に限定されないが、いずれも2mm以上15mm以下とすることができ、3mm以上11mm以下とすることができ、4mm以上10mm以下とすることができる。本実施形態に係るバックプレート30は、バックプレート本体部31及び耳部33よりも板厚方向の厚みが大きい厚肉部40を備えているため、特にバックプレート本体部31の厚さを薄くして軽量化を図りながら、耐久性を向上できる。バックプレート本体部31と耳部33の板厚方向の厚みは、略同一であってもよく、異なっていてもよい。バックプレート本体部31と耳部33の板厚方向の厚みが略同一であると、製造効率を向上できる傾向にある。
バックプレート本体部31の板厚方向の厚みの測定位置は、厚肉部40が形成されている部分にかぶらないように、ブレーキ操作時にディスクブレーキパッド100を押圧する押圧部材(不図示)により押圧される押圧面から見て(図2及び図4の紙面上において)、バックプレート本体部31の中央部、右下部、及び左上部の3点を測定し、その平均値をバックプレート本体部31の板厚方向の厚みとすることができる。この時、バックプレート本体部31に追加工として刻印、穴加工もしくはスリット加工及びそれらに準ずる加工が施されている場合、厚肉部40が形成されている部分にかぶらない位置であって、該追加工から2mm以上離れた位置で測定を行うことが好ましい。
図1に示すように、本実施形態に係るバックプレート本体部31は、面取り加工が施された略矩形形状を有して構成されているが、バックプレート本体部31の形状はこれに限定されず、面取り加工が施されない略矩形形状を有していてもよい。また、バックプレート本体部31には、例えば、摩擦材10の脱落を防止するための摩擦材脱落防止孔を設けたり、ディスクロータ20からのトルクを受けにくい箇所に軽量化のための軽量化穴を設けたり、刻印したりしてもよい。
図1、図2及び図4に示すように、一対の耳部33,33は、バックプレート本体部31のディスクロータ周方向の両側に突出して配置される耳状の部分である。図4に示すように、一対の耳部33,33は、ブレーキ操作時に、不図示の押圧部材によりディスクブレーキパッド100が押圧されて生じる摩擦力の反力として作用するディスクロータ20からのトルクを受けるトルク受部材70に保持される。本実施形態に係る一対の耳部33,33は、ディスクロータ径方向におけるバックプレート本体部31の両側部の略中央に配置されているが、耳部33の配置位置は、特に限定されない。なお、「ディスクロータ径方向におけるバックプレート本体部31の両側部の略中央」とは、ディスクロータ径方向におけるバックプレート本体部31の両側部の長さの1/3~2/3の位置のことをいう。トルク受部材70は、耳部33を保持する耳部保持部71が、耳部33に対応する形状を有していると、ディスクブレーキパッド100のトルク受部材70への設置が容易になる傾向がある。
図1、図2及び図4に示すように、耳部33は、バックプレート本体部31に隣接して曲線形状を有して接続する付根部35を備えることとすることができる。より詳しくは、曲線形状を有する付根部35(35A,35B)において、バックプレート本体部31側で曲線形状が終了する部分である付根部端部とバックプレート本体部31の端部とが接続するように構成することができる。耳部33が曲線形状を有する付根部35(35A,35B)を介してバックプレート本体部31と接続されることにより、バックプレート本体部31と耳部33との接続部分の耐久性をより向上させることができる。本実施形態に係る付根部35は、ディスクロータ外周側の付根部35A(以下、単に外周側の付根部35Aともいう)と、ディスクロータ内周側の付根部35B(以下、単に内周側の付根部35Bともいう)とからなるが、ディスクロータ外周側の付根部35Aのみを有して構成されていてもよいし、ディスクロータ内周側の付根部35Bのみを有して構成されていてもよいし、付根部35を有していなくてもよい。
図2及び図4に示すように、厚肉部40は、摩擦材10が固着された面とは反対側において、バックプレート本体部31や一対の耳部33,33が厚肉化されたとみなすことができる部分であり、図3に示すように、バックプレート本体部31及び耳部33を含まない。換言すれば、厚肉部40は、バックプレート本体部31や一対の耳部33,33よりも板厚方向の厚みが大きい部分である。厚肉部40は、一対の耳部33,33を厚肉化した一対の第一厚肉部41,41と、バックプレート本体部31の両側部を厚肉化した一対の第二厚肉部43,43とからなる。
厚肉部40は、特に限定されないが、バックプレート本体部31及び一対の耳部33,33とともに一体成形することにより形成されてもよいし、バックプレート本体部31及び耳部33に厚肉部40を接着等することにより形成されてもよいし、バックプレート30において厚肉化されない部分に切削加工等を施すことにより形成されてもよい。
厚肉部40の板厚方向の厚みは、特に限定されないが、軽量化と耐久性とを両立させる観点から、0.1mm以上5.0mm以下とすることができる。
第一厚肉部41は、耳部33と同一形状を有することとすることができる。第一厚肉部41が耳部33と同一形状を有することにより、バックプレート30の製造が容易になる傾向にある。しかし、例えば耳部33の一部が厚肉化されず、第一厚肉部41と耳部33とが異なる形状を有していてもよい。また、耳部33よりも板厚方向の厚みが大きいとともに第一厚肉部41よりも板厚方向の厚みが小さい薄肉部を有していてもよい。なお、本発明において、耳部33が厚肉化され、耳部33よりも板厚方向の厚みが大きい部分が第一厚肉部41であり、上記薄肉部は第一厚肉部41に含まれる。
図2及び図4に示すように、第二厚肉部43は、バックプレート本体部31のディスクロータ周方向の両側部を厚肉化した部分である。換言すれば、第二厚肉部43は、バックプレート本体部31の両側部において、バックプレート本体部31よりも板厚方向の厚みが大きい部分である。第二厚肉部43は、バックプレート本体部31のディスクロータ内周側に配置される内周側第二厚肉部45と、内周側第二厚肉部45に隣接するとともにバックプレート本体部31のディスクロータ外周側に配置される外周側第二厚肉部47と、を備え、耳部33の反バックプレート本体部側部37から内周側第二厚肉部45までのディスクロータ周方向における最大の距離D2が、耳部33の反バックプレート本体部側部37から外周側第二厚肉部47までのディスクロータ周方向における最大の距離D1よりも大きくなるように構成される。
内周側第二厚肉部45は、バックプレート本体部31の、ディスクロータ周方向の側部であってディスクロータ内周側に配置され、厚肉化された部分である。本実施形態に係る内周側第二厚肉部45は、略台形状を有して構成されているが、内周側第二厚肉部45の形状はこれに限定されず、例えば、図5に示すように、ディスクロータ20からのトルクを受けにくい箇所に軽量化のために、バックプレート本体部31の側部であってディスクロータ内周側に、バックプレート本体部31に厚肉化が施されていない部分である非厚肉部39を有していてもよい。また、軽量化のために、内周側第二厚肉部45よりも板厚方向の厚みが小さいとともにバックプレート本体部31よりは板厚方向の厚みが大きい薄肉部を有していてもよい。厚肉化が施されないバックプレート本体部31の非厚肉部39及び薄肉部の形状に特に制限はない。なお、上述した場合と同様に、上記薄肉部は、内周側第二厚肉部45に含まれる。また、図5に示すように、本実施形態において、バックプレート30が、ディスクロータ周方向の側部であってディスクロータ内周側に非厚肉部39を有する場合であっても、耳部33の反バックプレート本体部側部37から内周側第二厚肉部45までのディスクロータ周方向における最大の距離D2は、非厚肉部39を有さない場合と変わらない。
外周側第二厚肉部47は、内周側第二厚肉部45に隣接するとともにバックプレート本体部31のディスクロータ外周側に配置され、バックプレート本体部31が厚肉化された部分である。外周側第二厚肉部47は、内周側第二厚肉部45からバックプレート本体部31の側端部に沿って、耳部33のディスクロータ外周側の付根部35Aとバックプレート本体部31とが接続する接続部分のディスクロータ外周側端部まで伸びるように構成することができる。すなわち、外周側第二厚肉部47は、内周側第二厚肉部45からディスクロータ外周側の付根部35Aの外周側端部まで伸びるように構成することができる。このような構成により、バックプレート本体部31と耳部33との接続部分の耐久性を向上させることができる傾向にある。なお、外周側第二厚肉部47は、少なくとも、ディスクロータ外周側の付根部35Aの外周側端部まで伸びるように構成されることとすることができ、外周側の付根部35Aのディスクロータ外周側端部を超えて伸びるように構成されていてもよい。また、本実施形態に係る外周側第二厚肉部47は、略矩形状を有して構成されているが、外周側第二厚肉部47の形状はこれに限定されない。例えば、外周側第二厚肉部47は、ディスクロータ外周側の角部等が面取りされた面取り形状を有していてもよいし、三角形状、台形状、多角形状等の形状を有していてもよい。また、内周側第二厚肉部45と同様に、軽量化のために、バックプレート本体部31の端部であってディスクロータ外周側に、バックプレート本体部31に厚肉化が施されない部分である非厚肉部39を有していてもよい。また、外周側第二厚肉部47よりも板厚方向の厚みが小さいとともにバックプレート本体部31よりも板厚方向の厚みが大きい薄肉部を有していてもよい。厚肉化が施されないバックプレート本体部31の非厚肉部39及び薄肉部の形状に特に制限はない。なお、上述した場合と同様に、上記薄肉部は外周側第二厚肉部47に含まれる。
上述したように、本実施形態に係るディスクブレーキパッド100は、耳部33の反バックプレート本体部側部37から内周側第二厚肉部45までのディスクロータ周方向における最大の距離D2が、耳部33の反バックプレート本体部側部37から外周側第二厚肉部47までのディスクロータ周方向における最大の距離D1よりも大きくなるように構成される。このような構成により、ブレーキ操作時に発生するディスクロータ20からのトルク等によるバックプレート30の変形等を防ぐことができ、バックプレート30の耐久性を向上させることができる。
より詳しくは、図2に示すように、本実施形態に係る外周側第二厚肉部47は、略矩形状を有して構成されているので、耳部33において、バックプレート本体部31とは反対側に位置する反バックプレート本体部側部37から、ディスクロータ周方向における外周側第二厚肉部47までの最大の距離D1は、外周側第二厚肉部47のいずれの位置でも略同一となっている。一方、本実施形態に係る内周側第二厚肉部45は、略台形状を有して構成されているので、耳部33の反バックプレート本体部側部37から、ディスクロータ周方向における内周側第二厚肉部45までの最大の距離D2は、耳部33の反バックプレート本体部側部37から内周側第二厚肉部45の台形状の底辺部分までの距離となっている。なお、図2においては、説明の便宜上、耳部33の反バックプレート本体部側部37に沿った延長線を引き、内周側第二厚肉部45の台形状の底辺部分からも延長線を引き、耳部33の反バックプレート本体部側部37からディスクロータ周方向における内周側第二厚肉部45までの最大の距離D2を示している。
また、図2に示すように、内周側第二厚肉部45及び外周側第二厚肉部47は、内周側第二厚肉部45と外周側第二厚肉部47とが接続する接続点の延長線ELが、ディスクロータ径方向における耳部33の略中央を通るように配置することができる。ここで、「ディスクロータ径方向における耳部33の略中央」とは、ディスクロータ径方向における耳部33の長さの1/3~2/3の位置のことをいう。このような構成により、耐久性と軽量化を両立しやすい。
内周側第二厚肉部45と外周側第二厚肉部47とが接続する接続点の延長線は、耐久性の観点から、耳部33のディスクロータ内周側端部を基準として、ディスクロータ径方向における耳部33の長さの1/3~2/3を通るように配置でき、ディスクロータ径方向における耳部33の長さの2/5~4/5を通るように配置でき、ディスクロータ径方向における耳部33の長さの1/2~4/5を通るように配置できる。
バックプレート30の材質(バックプレート本体部31、耳部33及び厚肉部40それぞれの材質のことであり、以下同様。)については、特に限定されないが、鉄合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、樹脂、又はこれらのうちの少なくとも2種以上からなる複合材料を用いることができる。また、バックプレート30には、例えば、表面塗装を施す場合の表面塗装の密着性向上と耐食性向上のために、表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、ジルコニウム処理、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、ベーマイト処理、アルマイト処理、シランカップリング処理、電解ニッケルめっき処理、無電解ニッケルめっき処理、ジオメット処理等を好適に実施することができる。
バックプレート30の素材としては、例えば、Cu成分が1%以下であるアルミニウム合金又は該アルミニウム合金を用いたアルミニウム複合材料を用いることができる。アルミニウム合金中のCu成分の比率を1%以下にすることで、耐腐食性が良好となる傾向にある。
また、バックプレート30の素材としては、例えば、Cu成分が1%以下であり、かつ、Mg成分が3%以下であり、高力アルミニウム合金に属さないいずれかのアルミニウム合金又は該アルミニウム合金を用いたアルミニウム複合材料を用いることができる。上記素材を用いることにより、応力腐食割れの発生を回避し易い傾向にある。ここで、応力腐食割れとは、結晶粒界に腐食が発生した粒界腐食先端部に応力が発生することで結晶粒界に沿って亀裂が生じることをいう。アルミニウム合金中のMg成分を3%以下とすることで、結晶粒界内にAl-Mg合金が析出することを効果的に抑制でき、粒界腐食が発生し難くなる傾向がある。また、低強度であるほど亀裂の進行による割れが発生し難い傾向がある。そのため、バックプレート30の材質としては、耐応力腐食割れ性を有する上記合金を好適に用いることができる。
バックプレート30の素材として、アルミニウム合金又はアルミニウム複合材料の展伸材を用いる場合、特に限定されないが、ディスクロータ20からのトルク及び押圧部材の押圧力に対する強度の観点から、2000系(Al-Cu系)、4000系(Al-Si系)、5000系(Al-Mg系)、6000系(Al-Mg-Si系)、7000系(Al-Zn-Mn系)等のアルミニウム合金を好適に用いることできる。
バックプレート30の材質として、アルミニウム合金又はアルミニウム複合材料の展伸材を用いる場合、特に限定されないが、100℃及び250℃の高温環境においても材料強度、耐力の低下が少ない材料であることが好ましい。これは、制動中のバックプレート30の温度上昇で材料強度が低下しないことが望まれるためであり、高温環境での材料強度低下の小さいアルミニウム合金としては、例えば、A5454が挙げられる。
前記アルミニウム複合材料は、前記アルミニウム合金中にセラミックス粒子を分散させるか、セラミックスの多孔質成形体に前記アルミニウム合金を含浸させることで製造することにより、前記アルミニウム合金に比してヤング率が高くなるため、バックプレート30の素材として用いると、より剛性を高くすることができる。前記セラミックスとしては、例えば、Al、TiO、SiO、ZrO等の酸化物系セラミックス、SiC、TiC等の炭化物系セラミックス、TiN等の窒化物系セラミックスを用いることができる。
以上、本実施形態に係るディスクブレーキパッド100について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載された範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。なお、以下の説明において、上述した実施形態と同一又は類似する構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
例えば、上述した実施形態では、摩擦材10が固着された面と反対側に厚肉化された厚肉部40を備えているが、摩擦材10が固着された面に厚肉化された厚肉部を有していてもよい。
また、上述した実施形態では、摩擦材10とバックプレート30とが直接固着されているが、例えば、摩擦材10とバックプレート30とが、下張材を介して固着されてもよい。下張材としては、例えば、結合材、有機充填材、無機充填材及び繊維基材を含有する摩擦材組成物から形成された摩擦材が好ましい一態様である。下張材を介して摩擦材10をバックプレート30に固着する場合、摩擦材組成物及び下張材の組成物あるいは摩擦材組成物及び下張材の組成物の予備成形体をバックプレート30と重ね合わせて熱圧成形し、次いで加熱処理して結合材である熱硬化樹脂を硬化させて形成することができる。摩擦材10とバックプレート30との間に下張材を備える場合、下張材の厚さは、摩擦材10とバックプレート30との間の断熱効果を上げ、バックプレート30のクラック及び割れを効果的に抑制する観点から、1mm以上5mm以下とすることができ、1mm以上3mm以下とすることができ、1mm以上2mm以下とすることができる。
さらに、上述した実施形態では、内周側第二厚肉部45が略台形状を有し、かつ、外周側第二厚肉部47が略矩形状を有して構成されているが、例えば、図6に示すように、バックプレート30(30A,30B)の厚肉部40(40A,40B)の内周側第二厚肉部45(45A,45B)の形状を変更することができる。図6中の分図(a)及び図6中の分図(b)に示すように、内周側第二厚肉部45(45A,45B)は、ディスクロータ内周側に向かって末広がりに円弧形状又は曲線形状を有し、すなわち、ディスクロータ外周側に向かって窄まって円弧形状又は曲線形状を有して構成されていてもよい。また、内周側第二厚肉部45(45A,45B)が円弧形状を有する場合、円弧の中心が、図6中の分図(a)に示すように、バックプレート30Aの外側となるように構成してもよいし、図6中の分図(b)に示すように、バックプレート30Bの内側となるように構成してもよい。
また、例えば、図7に示すように、バックプレート30(30C,30D)の厚肉部40(40C,40D)の内周側第二厚肉部45(45C,45D)の形状を変更することができる。例えば、図7中の分図(a)に示すように、内周側第二厚肉部45Cは、略円形状又は略楕円形状を有していてもよいし、図7中の分図(b)に示すように、内周側第二厚肉部45Dは、略矩形状を有していてもよいし、五角形以上の多角形状を有していてもよい。
さらに、例えば、図8中の分図(a)に示すように、バックプレート30Eの外周側第二厚肉部47Aが、ディスクロータ外周側に向かって末広がりとなる、すなわち、ディスクロータ内周側に向かって窄まるように構成されていてもよい。また、例えば、図8中の分図(b)に示すように、バックプレート30Fの外周側第二厚肉部47Bが、ディスクロータ内周側に向かって末広がりとなるように構成されていてもよい。さらに、ディスクロータ内周側に向かって末広がりとなるように構成された外周側第二厚肉部47Bと、内周側第二厚肉部45’とを括れを設けることなく、直線形状を有するように接続してもよい。
また、例えば、図9に示すように、内周側第二厚肉部45Gが、バックプレート本体部の側部に沿って配置される内周側第二厚肉部側部49と、内周側第二厚肉部側部49からディスクロータ径方向に対して傾斜する筋交部51とを備え、内周側第二厚肉部側部49は、ディスクロータ内周側の付根部35Bの内周側端部まで伸びるように構成されてもよい。内周側第二厚肉部側部49が、ディスクロータ内周側の付根部35Bの端部まで伸びることにより、バックプレート本体部31と耳部33との接続部分の耐久性の向上と軽量化とを両立しやすい。なお、内周側第二厚肉部側部49は、少なくともディスクロータ内周側の付根部35Bの内周側端部まで伸びるように構成されていればよく、内周側の付根部35Bの内周側端部を超えて伸びるように構成されていてもよい。
上述した実施形態では、内周側第二厚肉部側部49と筋交部51とが一体となって構成されているが、図9に示すように、内周側第二厚肉部側部49と筋交部51とが別途設けられることにより、バックプレート30Gの耐久性を維持しつつより軽量化できる。本変形例に係るバックプレート30Gでは、筋交部51は、略矩形状を有して形成されており、曲線形状を有していないが、筋交部51の少なくとも一部に曲線形状を有していてもよい。すなわち、筋交部51は、例えば鉤状に曲がって構成されていてもよい。また、内周側第二厚肉部側部49と筋交部51とが略U字形状を有するように構成されてもよい。
なお、内周側第二厚肉部45が、筋交部51を有する場合、耳部33の反バックプレート本体部側部37から内周側第二厚肉部47までのディスクロータ周方向における最大の距離D2は、図9に示すように、耳部33の反バックプレート本体部側部37から筋交部51のバックプレート本体部31の中央側の端部までの距離である。
上記の様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
100:ディスクブレーキパッド、
10:摩擦材、
20:ディスクロータ、
30(30A,30B,30C,30D,30E,30F):バックプレート、31:バックプレート本体部、33:耳部、35(35A,35B):付根部、37:反バックプレート本体部側部、39:非厚肉部
40(40A,40B,40C,40D,40E,40F,40G):厚肉部、41:第一厚肉部、43(43A,43B,43C,43D,43E,43F,43G):第二厚肉部、45(45A,45B,45C,45D,45’,45G):内周側第二厚肉部、47(47A,47B):外周側第二厚肉部、49:内周側第二厚肉部側部、51:筋交部、
70:トルク受部材、71:耳部保持部、
D1:距離、D2:距離、EL:内周側第二厚肉部と外周側第二厚肉部との接続点の延長線

Claims (9)

  1. ブレーキ操作時に、車両の車輪とともに回転するディスクロータに対して摩擦接触する摩擦材と、
    前記摩擦材と固着されるバックプレートと、
    を備えるディスクブレーキパッドであって、
    前記バックプレートは、
    バックプレート本体部と、
    前記バックプレート本体部の両側に配置される一対の耳部と、
    前記摩擦材が固着された面と反対側に厚肉化された厚肉部と、を備え、
    前記厚肉部は、
    前記一対の耳部を厚肉化した一対の第一厚肉部と、
    前記第一厚肉部に隣接するとともに前記バックプレート本体部の両側部を厚肉化した一対の第二厚肉部と、からなり、
    前記第二厚肉部は、
    前記バックプレート本体部のディスクロータ内周側に配置される内周側第二厚肉部と、
    前記内周側第二厚肉部に隣接するとともに前記バックプレート本体部の両側部を厚肉化した外周側第二厚肉部と、
    を備え、
    前記耳部は、前記バックプレート本体部に隣接して曲線形状を有して接続する一対の付根部を備え、
    背面視において、前記耳部の反バックプレート本体部側部から前記内周側第二厚肉部までのディスクロータ周方向における最大の距離が、前記耳部の反バックプレート本体部側部から前記外周側第二厚肉部までのディスクロータ周方向における最大の距離よりも大きい、ディスクブレーキパッド。
  2. 前記耳部は、前記バックプレート本体部に隣接して曲線形状を有して接続する一対の付根部を備え、
    前記内周側第二厚肉部は、前記バックプレート本体部の側部に沿って配置される内周側第二厚肉部側部を備え、
    前記内周側第二厚肉部側部は、内周側の前記付根部の内周側端部まで伸びるとともに、前記外周側第二厚肉部は、外周側の前記付根部の外周側端部まで伸びる、請求項1に記載のディスクブレーキパッド。
  3. 前記内周側第二厚肉部が、前記内周側第二厚肉部側部からディスクロータ径方向に対して傾斜する筋交部を備える、請求項2に記載のディスクブレーキパッド。
  4. 前記内周側第二厚肉部側部と前記筋交部とが一体となっている、請求項3に記載のディスクブレーキパッド。
  5. 前記筋交部が曲線形状を有さない、請求項3又は4に記載のディスクブレーキパッド。
  6. 前記筋交部が少なくとも一部に曲線形状を有する、請求項3又は4に記載のディスクブレーキパッド。
  7. 前記バックプレート本体部及び前記耳部の板厚方向の厚みがいずれも15mm以下であり、かつ、前記厚肉部の板厚方向の厚みが0.1mm以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載のディスクブレーキパッド。
  8. 前記バックプレートの材質が、鉄合金、アルミニウム合金、アルミニウム複合材及びマグネシウム合金からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~7のいずれか1項に記載のディスクブレーキパッド。
  9. 前記バックプレートの材質が、アルミニウム合金又はアルミニウム複合材であり、前記アルミニウム合金又は前記アルミニウム複合材のCu成分が1%以下であり、かつ、Mg成分が3%以下であり、高力アルミニウム合金に属さない、請求項8に記載のディスクブレーキパッド。
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