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JP7822153B2 - ビフィズス菌の生残性改善方法、及び発酵飲食品の製造方法 - Google Patents
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JP7822153B2 - ビフィズス菌の生残性改善方法、及び発酵飲食品の製造方法 - Google Patents

ビフィズス菌の生残性改善方法、及び発酵飲食品の製造方法

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Description

本発明は、ビフィズス菌の生残性改善方法、飲食品中のビフィズス菌の生残性改善方法、及び発酵飲食品の製造方法に関する。
ビフィズス菌は病原菌からの感染防御など多くの生理機能が知られている有用な腸内細菌(「プロバイオティクス」とも呼ばれる)の代表であり、生きているビフィズス菌を含む食品への需要が高まっている。しかし、ビフィズス菌は乳性培地での増殖性が悪く、また、酸性下では生残性が悪いため、発酵乳中でビフィズス菌を生残させることは発酵乳製造における課題となっている。
かかる課題に対して、特許文献1の実施例には、ビフィズス菌(ビフィドバクテリウム・ブレーベ)を含む酸性溶液に、リン酸カルシウムを添加することによって、保存中のビフィズス菌の生残性が改善した例が記載されている。
特開2005-130804号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では必ずしも生残性が十分でなく、ビフィズス菌の生残性のさらなる改善が求められる。
本発明は、ビフィズス菌の生残性の改善を課題とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] ビフィズス菌の存在環境を、Ca換算のミルクカルシウム濃度15mg/100g以上とする、ビフィズス菌の生残性改善方法。
[2] ビフィズス菌を含む飲食品における、Ca換算のミルクカルシウム濃度を15mg/100g以上とする、飲食品中のビフィズス菌の生残性改善方法。
[3] 前記飲食品が、ビフィズス菌を含む発酵菌を含有する原料混合物を発酵させた発酵飲食品である、[2]の飲食品中のビフィズス菌の生残性改善方法。
[4] ビフィズス菌を含む発酵菌を含有する原料混合物を発酵させて発酵飲食品を製造する方法であって、前記発酵飲食品における、Ca換算のミルクカルシウム濃度が15mg/100g以上となるように、ミルクカルシウムを添加する工程を有する、発酵飲食品の製造方法。
[5] ビフィズス菌を含む発酵菌を含有する原料混合物を発酵させて発酵飲食品を製造する方法であって、前記発酵飲食品における、ミルクカルシウムの含有量が0.05質量%以上となるように、ミルクカルシウムを添加する工程を有する、発酵飲食品の製造方法。
[6] ビフィズス菌を含む発酵菌を含有する原料混合物を発酵させて発酵飲食品を製造する方法であって、前記発酵飲食品における、総カルシウム含有量が125mg/100g以上となるように、ミルクカルシウムを添加する工程を有する、発酵飲食品の製造方法。
本発明によれば、ビフィズス菌の生残性を改善できる。
本明細書において以下の定義が適用される。
「飲食品」は、喫食に用いられる製品形態に加工された組成物を意味する。本明細書における飲食品には、食品、飲料、及び飼料が含まれる。
「発酵飲食品」は、発酵菌を含有する原料混合物を発酵させる工程を経て得られた飲食品を意味する。
pHは、特に断りがない限り10℃における値である。
たんぱく質、脂質、炭水化物、灰分の含有量は、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)の別添「栄養成分等の分析方法等」に開示されている手順に従って測定した値である。
固形分の含有量は、固形分(質量%)=100-水分(質量%)で算出した値である。
水分含有量は、常圧加熱乾燥法(乾燥助剤添加法)により測定した値である。
カルシウム(Ca)の含有量は、誘導結合プラズマ発光分析法により測定した値である。
[ビフィズス菌]
ビフィズス菌は、ビフィドバクテリウム属に属する細菌であり、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)が例示できる。ビフィズス菌は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[ミルクカルシウム]
本発明は、ミルクカルシウムがビフィズス菌の生残性の改善に寄与することを見出したものである。
ミルクカルシウムは、乳中の脂肪、たんぱく質、乳糖等を分離除去してカルシウム濃度を高めた、乳由来の組成物である。ミルクカルシウムは、粉末状であっても、液状であってもよいが、粉末状であることが好ましい。
ミルクカルシウムは、乳中に存在するカルシウムを主成分とし、他にマグネシウム等のミネラルも含み得る。
ミルクカルシウムは、例えば特開平8-23880号公報、特許第3939505号公報、特許第4166339号公報等に記載されている公知の製法により製造できる。
ミルクカルシウムの一般的な組成は、たんぱく質2~20質量%、脂質0~2質量%、炭水化物2~60質量%、灰分20~85質量%、カルシウム(Ca)5~35質量%である。なお、たんぱく質、脂質、炭水化物、灰分の合計は100質量%を超えない。
本明細書において、ミルクカルシウムの濃度又は含有量を、カルシウム(Ca)の濃度又は含有量に換算した値(「Ca換算」とも記す)で表すことがある。
本発明において、ミルクカルシウムの有効濃度はCa換算で15mg/100g以上であり、30mg/100g以上が好ましく、43mg/100g以上がより好ましい。上限は特に限定されない。例えば、風味の点からは150mg/100g以下が好ましく、130mg/100g以下がより好ましい。
[生残性改善方法]
本実施形態のビフィズス菌の生残性改善方法は、ビフィズス菌の存在環境を、Ca換算のミルクカルシウム濃度15mg/100g以上とすることを特徴とする。該ミルクカルシウム濃度の好ましい範囲は、前記ミルクカルシウムの有効濃度の好ましい範囲と同じである。
例えば、ビフィズス菌の生菌が媒体中に存在する態様において、媒体にミルクカルシウムを添加して、媒体、ビフィズス菌及びミルクカルシウムの合計質量100gに対する、Ca換算のミルクカルシウム含有量を15mg以上とする。
前記媒体は、固体状、ゲル状、液状のいずれでもよい。
前記媒体は、例えば飲食品である。
ビフィズス菌の存在環境が酸性であるとビフィズス菌の生残性が悪くなりやすいため、本発明を適用することの効果が大きい。
この観点からは、前記媒体、ビフィズス菌及びミルクカルシウムの混合物のpHが4.0~5.0であることが好ましく、4.2~4.8であることがより好ましい。
[飲食品中のビフィズス菌の生残性改善方法]
本実施形態の、飲食品中のビフィズス菌の生残性改善方法は、ビフィズス菌を含む飲食品における、Ca換算のミルクカルシウム濃度を15mg/100g以上とすることを特徴とする。該ミルクカルシウム濃度の好ましい範囲は、前記ミルクカルシウムの有効濃度の好ましい範囲と同じである。
例えば、飲食品の総質量(ビフィズス菌及びミルクカルシウムを含む)100gに対して、Ca換算のミルクカルシウム含有量が15mg以上となるように、飲食品にミルクカルシウムを含有させる。
ミルクカルシウムを添加するタイミングは特に限定されない。例えば、飲食品の原料にミルクカルシウムを用いてもよく、飲食品の製造工程の途中でミルクカルシウムを添加してもよく、飲食品の保存開始後にミルクカルシウムを添加してもよい。
本実施形態における飲食品は、少なくとも製造直後に、ビフィズス菌の生菌を含む飲食品である。例えば、発酵飲食品、プロバイオティクスとしてビフィズス菌を含む飲食品等が例示できる。
発酵飲食品は、ビフィズス菌を含む発酵菌を用いて発酵させた発酵飲食品でもよく、ビフィズス菌を含まない発酵菌を用いて発酵させた後にビフィズス菌の生菌を添加した発酵飲食品でもよい。
ビフィズス菌を含む飲食品が酸性であるとビフィズス菌の生残性が悪くなりやすいため、本発明を適用することの効果が大きい。
この観点からは、飲食品(ビフィズス菌及びミルクカルシウムを含む)のpHが4.0~5.0であることが好ましく、4.2~4.8であることがより好ましい。
[発酵飲食品の製造方法]
本実施形態の発酵飲食品の製造方法は、ビフィズス菌を含む発酵菌を含有する原料混合物を発酵させて発酵飲食品を製造する方法であって、ミルクカルシウムを添加する工程を有することを特徴とする。
本実施形態において、原料混合物は発酵菌を含む。
発酵菌として、少なくともビフィズス菌を用いる。ビフィズス菌は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。加えて、ビフィズス菌以外の公知の発酵菌(例えば乳酸菌、酵母)の1種以上を用いてもよい。
ビフィズス菌以外の発酵菌として、乳酸菌の1種以上を用いることが好ましい。例えば、ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)、ラクトバチルス・ブルガリクス(L.bulgaricus)、ラクトコッカス・ラクチス(L.lactis)等が挙げられる。発酵乳の製造において公知の乳酸菌スターターを用いてもよい。
原料混合物は、ミルクカルシウム以外の乳原料(以下、単に「乳原料」という)を含むことが好ましい。
乳原料は乳由来の原料であり、発酵飲食品の製造において公知の乳原料を用いることができる。例えば、生乳、クリーム、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、乳たんぱく質濃縮物等が挙げられる。乳原料は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
原料混合物は水を含むことが好ましい。
原料混合物は、上述した発酵菌、乳原料、ミルクカルシウム及び水以外の、その他の原料を含んでもよい。その他の原料は、発酵飲食品の製造において公知の原料を用いることができる。例えば、糖類、植物性脂肪、安定剤(寒天、ゼラチン、ペクチン等)、香料、pH調整剤、果汁・果肉、甘味料(スクラロース等)等が挙げられる。
(原料混合物の調製工程)
本実施形態の発酵飲食品の製造方法では、まず原料混合物を調製する。
原料混合物の調製工程では、発酵菌以外の原料を混合し、好ましくは均質化処理を行い、加熱殺菌処理した後、発酵菌を添加(接種)して原料混合物とする。
均質化処理および加熱殺菌処理は常法により行うことができる。
(発酵工程)
発酵菌を添加(接種)した原料混合物を所定の発酵温度に保持して発酵させた後、冷却して発酵物を得る。発酵の進行に伴って原料混合物のpHが低下するため、所望の終点pHに達したら冷却する。終点pHは例えば4.0~5.0が好ましく、4.2~4.8がより好ましい。
本明細書において、発酵菌の添加開始の時点から冷却開始の直前までを発酵工程とする。
発酵工程は公知の方法により実施できる。
発酵工程を終えて得られた発酵物は、そのまま発酵飲食品としてもよく、さらに加工して発酵飲食品としてもよい。
例えば、発酵飲食品が静置型の発酵乳である場合は、原料混合物を製品容器(飲食用の容器)に充填し、発酵させてカード(発酵物)を形成し、そのまま容器入りの発酵飲食品とする。
また、発酵飲食品が撹拌型の発酵乳である場合は、原料混合物をタンク内で発酵させ、生じたカード(発酵物)を撹拌して粉砕し、必要に応じてカード以外の食品材料(例えば果肉、ソース、ゼリー等)を加えて混合し、製品容器(飲食用の容器)に充填して容器入りの発酵飲食品とする。撹拌型発酵乳はスプーン等ですくって食べる固形タイプでもよく、ドリンクタイプでもよい。
(ミルクカルシウムを添加する工程)
ミルクカルシウムを添加するタイミングは、(i)発酵工程前、(ii)発酵工程の途中、(iii)発酵工程の終了後、のいずしてもよい。前記(i)~(iii)のうちの2以上を組み合わせてもよい。
前記(i)では、発酵前の原料混合物、すなわち発酵菌を添加(接種)する前の原料混合物にミルクカルシウムを含有させる。好ましくは、発酵菌以外の原料を混合する際に、ミルクカルシウムを添加する。
前記(ii)では、発酵菌の添加開始の時点から冷却開始の直前までの原料混合物にミルクカルシウムを添加する。
前記(iii)では、冷却開始後の発酵物にミルクカルシウムを添加する。
本件発明の効果の点では前記(i)が好ましい。
本実施形態において、原料混合物の総質量と発酵飲食品の総質量とは同じである。
本実施形態の発酵飲食品の製造方法の第1の態様では、発酵飲食品における、Ca換算のミルクカルシウム濃度が15mg/100g以上となるように、ミルクカルシウムを添加する。
本態様において、発酵飲食品におけるCa換算のミルクカルシウム濃度、すなわち発酵飲食品の総質量に対するCa換算のミルクカルシウム含有量は15mg/100g以上である。該Ca換算のミルクカルシウムの含有量の好ましい範囲は、前記ミルクカルシウムの有効濃度の好ましい範囲と同じである。
本実施形態の発酵飲食品の製造方法の第2の態様では、発酵飲食品における、ミルクカルシウムの含有量が0.05質量%以上となるように、ミルクカルシウムを添加する。
本態様において、発酵飲食品におけるミルクカルシウムの含有量、すなわち発酵飲食品の総質量に対するミルクカルシウムの含有量は0.05質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましい。上記下限値以上であると、本発明の効果が得られやすい。
前記ミルクカルシウムの含有量の上限は特に限定されない。例えば、風味の点からは3.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましい。
本実施形態の発酵飲食品の製造方法の第3の態様では、発酵飲食品における、総カルシウム含有量が125mg/100g以上となるように、ミルクカルシウムを添加する。
本実施形態の発酵飲食品は、ミルクカルシウム以外の原料に由来するカルシウムを含んでもよい。
本態様において、発酵飲食品における総カルシウム含有量、すなわち発酵飲食品の総質量に対する総カルシウム含有量は125mg/100g以上であり、140mg/100g以上がより好ましく、150mg/100g以上がさらに好ましい。上記下限値以上であると、本発明の効果が得られやすい。
前記総カルシウム含有量の上限は特に限定されない。例えば、風味の点からは300mg/100g以下が好ましく、270mg/100g以下がより好ましく、240mg/100g以下がさらに好ましい。
本実施形態における発酵飲食品は、原料混合物が乳原料を含む発酵乳であることが好ましい。
発酵飲食品の総質量に対して、乳原料由来の無脂乳固形分は3.0~20.0質量%が好ましく、5.0~15.0質量%がより好ましく、8.0~12.0質量%がさらに好ましい。
本実施形態によれば、後述の実施例に示されるように、保存中のビフィズス菌の生残性を向上させることができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、含有割合を表す「%」は特に断りのない限り「質量%」である。
<測定方法>
[ビフィズス菌の生菌数の測定方法]
TOSプロピオン酸寒天培地(ヤクルト薬品工業社製)を用いてビフィズス菌の生菌数を測定した。
<使用原料>
[乳原料]
・脱脂粉乳:森永乳業社製、たんぱく質34.0質量%、脂質1.0質量%、無脂乳固形分95.2%、カルシウム含有量1.1%。
[乳酸菌]
・乳酸菌スターター(1):市販のストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)とラクトバチルス・ブルガリクス(L.bulgaricus)の混合培養物。
・ラクトコッカス・ラクティス(1):ビヒダスヨーグルト 加糖タイプ(商品名、森永乳業社製)から分離。
[ビフィズス菌]
・ビフィズス菌(1):森永乳業社製。Bifidobacterium longum BB536(NITE BP-02621株)菌培養物。
・ビフィズス菌(2):森永乳業社製。Bifidobacterium breve MCC1274(FERM BP-11175株)菌培養物。
[ミルクカルシウム]
・ミルクカルシウム粉末(1):森永乳業社製、製品名「ミルクCa-28EX」、たんぱく質3.1%、脂質0.1%、炭水化物15.8%、灰分77.0%、カルシウム30.0%。
[リン酸カルシウム(比較成分)]
・リン酸カルシウム粉末(1):太平化学産業社製、製品名「リン酸三カルシウム」、カルシム38.8%。
[その他の原料]
・グラニュー糖:三井製糖製、製品名「グラニュー糖」。
<実施例1~3>
[原料混合物の調製工程]
表1に示す配合で原料混合物を調製した。
具体的には、ミキサーを用いて、脱脂粉乳、グラニュー糖、ミルクカルシウム粉末(1)、および常温の水を混合し、70℃に加温して溶解した。次いでホモジナイザーを用いて15MPaの圧力で均質化した後、90℃で10分間の加熱殺菌を行い、38℃に冷却した。次いで乳酸菌スターター(1)及びビフィズス菌(1)を添加して原料混合物とした。
水の添加量は、原料混合物全体が100質量%となる量であり、表には「残部」と記す。
乳酸菌スターターの添加量は市販メーカー推奨の量であり、表には「適量」と記す。
[発酵工程]
続いて原料混合物の100gを紙カップに充填し、38℃に保持して発酵させてカードを形成した後、10℃以下まで冷却し、カップ入り発酵乳(静置型発酵乳)を得た。発酵の終点pH(38℃)は4.7とした。
得られたカップ入り発酵乳は10℃で保存し、製造日の翌日(D+1)、8日後(D+8)、及び14日後(D+14)に、上記の方法でビフィズス菌数を測定した。結果を表2に示す。
<比較例1>
表1に示すように、ミルクカルシウム粉末(1)を添加しないほかは、実施例1と同様にしてカップ入り発酵乳を製造し、保存中のビフィズス菌数を測定した。結果を表2に示す。
表1、2の結果に示されるように、発酵乳がミルクカルシウムを含む実施例1~3は、ミルクカルシウムを含まない比較例1に比べて、保存中のビフィズス菌の生残性が向上した。また実施例1~3を比較すると、ミルクカルシウムの含有量が多い方が、ビフィズス菌の生残性がより向上する傾向がみられた。
<実施例4~6、比較例2>
実施例4~6及び比較例2は、実施例1~3及び比較例1において、それぞれビフィズス菌(1)をビフィズス菌(2)に変更した例である。
すなわち、原料混合物の配合を表3に示すとおりに変更した。発酵の終点pH(38℃)は4.7とした。それ以外は、実施例1と同様にしてカップ入り発酵乳を製造した。
得られたカップ入り発酵乳は10℃で保存し、製造日の翌日(D+1)、8日後(D+8)、及び12日後(D+12)に、上記の方法でビフィズス菌数を測定した。結果を表4に示す。
表3、4の結果に示されるように、発酵乳がミルクカルシウムを含む実施例4~6は、ミルクカルシウムを含まない比較例2に比べて、保存中のビフィズス菌の生残性が向上した。また実施例4~6を比較すると、ミルクカルシウムの含有量が多い方が、ビフィズス菌の生残性がより向上する傾向がみられた。
<実施例7、比較例3>
原料混合物の配合を表5に示すとおりに変更した。発酵の終点pH(38℃)は4.8とした。それ以外は、実施例1と同様にしてカップ入り発酵乳を製造した。
得られたカップ入り発酵乳は10℃で保存し、製造日の翌日(D+1)、10日後(D+10)、及び14日後(D+14)に、上記の方法でビフィズス菌数を測定した。結果を表6に示す。
表5、6の結果に示されるように、発酵乳がミルクカルシウムを含む実施例7は、ミルクカルシウムを含まない比較例3に比べて、保存中のビフィズス菌の生残性が向上した。
<実施例8、比較例4、5>
実施例8は原料混合物にミルクカルシウムを添加した例、比較例5はミルクカルシウムの代わりにリン酸カルシウムを添加した例、比較例4はミルクカルシウム及びリン酸カルシウムのいずれも添加しなかった例である。
すなわち、原料混合物の配合を表7に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてカップ入り発酵乳を製造した。
得られたカップ入り発酵乳は10℃で保存し、製造日の翌日(D+1)、6日後(D+6)、及び10日後(D+10)に、上記の方法でビフィズス菌数を測定した。結果を表8に示す。
表7、8の結果に示されるように、ミルクカルシウムを含む実施例8は、総カルシウム含有量が同量となるようにリン酸カルシウムを含んだ比較例5に比べ、ビフィズス菌の生残性がより向上する傾向がみられた。
<実施例9、10、比較例6>
実施例9は、発酵後にミルクカルシウムを添加した参考例である。
(第1の工程)
表9に示す配合で原料混合物を調製した。
具体的には、ミキサーを用いて、脱脂粉乳、グラニュー糖、および常温の水を混合し、70℃に加温して溶解した。次いでホモジナイザーを用いて15MPaの圧力で均質化した後、90℃で10分間の加熱殺菌を行い、38℃に冷却した。続いて乳酸菌スターター及びビフィズス菌(1)を添加して原料混合物を得た。原料混合物を38℃に保持して発酵させてカードを形成した後、撹拌を行いながら10℃以下まで冷却し、中間発酵乳を得た。発酵の終点pH(38℃)は4.7とした。
(第2の工程)
表9に示す配合で、第1の工程で得られた中間発酵乳に、ミルクカルシウム粉末(1)の水溶液又は水を混合した。得られた混合物(発酵乳)の100gをカップに充填してカップ入り発酵乳(撹拌型発酵乳)を得た。
得られたカップ入り発酵乳は10℃で保存し、製造日の翌日(D+1)、6日後(D+6)、及び10日後(D+10)に、上記の方法でビフィズス菌数を測定した。結果を表10に示す。
表9、10の結果に示されるように、発酵乳がミルクカルシウムを含む実施例9、10は、ミルクカルシウムを含まない比較例6に比べて、保存中のビフィズス菌の生残性が向上した。また実施例9、10を比較すると、ミルクカルシウムを発酵前に添加した実施例10の方が、ミルクカルシウムを発酵後に添加した実施例9に比べて、ビフィズス菌の生残性がより向上する傾向がみられた。
<実施例11~13、比較例7>
原料混合物の配合を表11に示すとおりに変更した。発酵の終点pH(38℃)は4.8とした。それ以外は、実施例1と同様にしてカップ入り発酵乳を製造した。
得られたカップ入り発酵乳は10℃で保存し、製造日の翌日(D+1)、6日後(D+6)、及び10日後(D+10)に、上記の方法でビフィズス菌数を測定した。結果を表12に示す。
表11、12の結果に示されるように、発酵乳がミルクカルシウムを含む実施例11、12、13は、ミルクカルシウムを含まない比較例7に比べて、保存中のビフィズス菌の生残性が向上した。

Claims (4)

  1. ビフィズス菌を含む発酵菌を含有する原料混合物を発酵させた発酵飲食品中のビフィズス菌の生残性改善方法であって、
    前記発酵菌以外の原料を混合し、加熱殺菌処理した後、前記発酵菌を添加して前記原料混合物を調製する工程を有し、
    前記発酵飲食品における、Ca換算のミルクカルシウム濃度が15mg/100g以上となるように、前記発酵菌以外の原料を混合する際に、ミルクカルシウムを添加する、発酵飲食品中のビフィズス菌の生残性改善方法。
  2. ビフィズス菌を含む発酵菌を含有する原料混合物を発酵させて発酵飲食品を製造する方法であって、
    前記発酵菌以外の原料を混合し、加熱殺菌処理した後、前記発酵菌を添加して前記原料混合物を調製する工程を有し、
    前記発酵飲食品における、Ca換算のミルクカルシウム濃度が15mg/100g以上となるように、前記発酵菌以外の原料を混合する際に、ミルクカルシウムを添加する発酵飲食品の製造方法。
  3. ビフィズス菌を含む発酵菌を含有する原料混合物を発酵させて発酵飲食品を製造する方法であって、
    前記発酵菌以外の原料を混合し、加熱殺菌処理した後、前記発酵菌を添加して前記原料混合物を調製する工程を有し、
    前記発酵飲食品における、ミルクカルシウムの含有量が0.05質量%以上となるように、前記発酵菌以外の原料を混合する際に、ミルクカルシウムを添加する発酵飲食品の製造方法。
  4. ビフィズス菌を含む発酵菌を含有する原料混合物を発酵させて発酵飲食品を製造する方法であって、
    前記発酵菌以外の原料を混合し、加熱殺菌処理した後、前記発酵菌を添加して前記原料混合物を調製する工程を有し、
    前記発酵飲食品における、総カルシウム含有量が125mg/100g以上となるように、前記発酵菌以外の原料を混合する際に、ミルクカルシウムを添加する発酵飲食品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000050843A (ja) 1998-08-10 2000-02-22 Morinaga Milk Ind Co Ltd カルシウム剤、その製造方法、及びカルシウム剤を含 有する食品
JP2002186422A (ja) 2000-12-22 2002-07-02 Morinaga Milk Ind Co Ltd ラクトバシラス・ガッセリ及びビフィドバクテリウム属の菌を含有する非発酵食品

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