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JP7822650B2 - 空気流殺菌装置 - Google Patents
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JP7822650B2 - 空気流殺菌装置 - Google Patents

空気流殺菌装置

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Description

本発明は、空気流殺菌装置に関する。
感染症対策が重要になってきている折から、医療現場からは、従来の部屋全体の空調管理に加えて、医療従事者や患者の身の回りにおける簡便にかつより完全に清浄な空気を確保したいとの需要がある。例えば、患者からの呼気が拡散しないうちに吸引して清浄化し、医療環境の安全を確保する需要、医療従事者身辺の比較的小さな空間に清浄空気を吹き出して清浄化することにより、医療者の安全と安心を確保する需要である。これらの用途を室内の空調に例えると、従来の空気殺菌装置が部屋全体の空調システムであるのに対し、これらは、各医療者の身辺小空間の殺菌(除菌を含む)や、個々の患者の呼気の殺菌をおこなう空調システムである。空調分野で近年注目されている「パーソナル空調」に相当する「パーソナル殺菌」ということができる。
なお、本願における「殺菌」の語は、微生物、ウイルス等の殺滅の他、それらの不活性化も含めた意味で用いる。
このような需要に応えるためには、殺菌効率が高い小型の空気流殺菌装置が必要である。そのような装置として、例えば特許文献1に開示される装置が提案されている。この特許文献1では、中央部の流速が速いポワズイユ分布状の流れ(ポワズイユ流れ)をつくり、中央付近における紫外光強度が高い強度分布の発光素子で流体を紫外線照射する小型で効率のよい紫外線照射装置とすることを提案している。
特開2019-188127号公報
ポワズイユ流れは、層流のうち、長い円管を流れるときに流速分布が2次曲線状になったものをいう。中心速度は平均速度の2倍になる。ポワズイユ流れをつくるには長い円管が必要であり、小型化は困難であるため、特許文献1では開口孔(6a)の開口率を工夫した板(6)を用いることにより短区間でポワズイユ分布状の流れを実現し得るとしている。しかし、当該文献の図9(流速分布)では高速となっているのは中心の狭い部分であり、他方図8(光量分布)の光量分布は半径方向にむしろフラットに近く、両者は相互に逆比例の関係にあるとはいえず、敢えてポワズイユ流れ状を目指すような複雑な装置にした効果が意図通りに現れているとはいえない。
そこで、本発明は、殺菌効率が高く、小型でシンプルな構造の空気流殺菌装置を提供することを目的とする。
[1]本発明の空気流殺菌装置は、空気の流れる主軸方向に延びる殺菌室を構成する筒状殺菌部と、前記殺菌室内に設けられ、前記殺菌室を流れる空気流に向けて紫外線を照射可能な発光素子と、前記筒状殺菌部の一方側に設けられ前記殺菌室へ空気を流入させる空気流入部と、前記筒状殺菌部の他方側に設けられ前記殺菌室から空気を流出させる空気流出部と、を備え、前記空気流入部は、前記主軸方向に延びる同心円状の複数の縦空隙層と、前記各縦空隙層に連通し前記主軸に対し直角をなす副軸方向に広がる裾空隙層と、を主要構成要素とする層状に形成された複数の空隙層を有し、前記複数の空隙層は、前記裾空隙層の空気が前記縦空隙層を通って前記殺菌室に等速で流入するように構成されていることを特徴とする。
本発明の空気流殺菌装置によれば、当該装置は、筒状殺菌部(殺菌室を構成)と、発光素子(殺菌室内に設けられ、紫外線を照射可能)と、空気流入部(殺菌室へ空気を流入)と、空気流出部(殺菌室から空気を流出)とを備える。空気流入部は、層状に形成された複数の空隙層を有し、複数の空隙層は、縦空隙層(主軸方向に延びる。同心円状)と、裾空隙層(副軸方向に広がる)と、を主要構成要素とし、各裾空隙層の空気が各縦空隙層を通って殺菌室にほぼ同じ方向及び等速で流入するように構成されている。かかる構成により、殺菌室内の空気の流れは、副軸方向の断面でみたときに、断面上のどの箇所でも主軸方向に流れる空気流の流速及び方向がほぼ同じ流れ(以下、「一様流」という場合がある。)となり、同じ場所を空気が循環するいわば死水領域の発生を殆ど防止できる。殺菌室に流入した空気は滞留することなく発光素子から照射される紫外線で殺菌され流出する。
そのため、殺菌室の容積を小さくでき、空気の滞留(死水領域)も殆どないことから、殺菌効率が高く、小型でシンプルな構造の空気流殺菌装置を提供することが可能となる。
[13]本発明の空気流殺菌装置は、空気の流れる主軸方向に延びる殺菌室を構成する筒状殺菌部と、前記殺菌室内に設けられ、前記殺菌室を流れる空気流に向けて紫外線を照射可能な発光素子と、前記筒状殺菌部の一方側に設けられ前記殺菌室へ空気を流入させる空気流入部と、前記筒状殺菌部の他方側に設けられ前記殺菌室から空気を流出させる空気流出部と、を備え、前記空気流入部は、前記主軸方向に延びる縦空隙層と、前記各縦空隙層に連通し前記主軸に対し直角をなす副軸方向に広がる裾空隙層と、を主要構成要素とする空隙層を有し、前記空隙層は、前記裾空隙層の空気が前記縦空隙層を通って前記殺菌室に流入するように構成され、前記殺菌室は、前記副軸方向断面積が、前記空気流入部から前記空気流出部方向に向かって徐々に小さくなる、ように構成され、前記殺菌室の前記一方側中央に、前記他方側の方向に頂点がある錐状部材が設けられていることを特徴とする。
本発明の空気流殺菌装置によれば、空気流入部の裾空隙層に流入した空気は錐状部材によって殺菌室の方へ方向を変え、縦空隙層を通って殺菌室に案内され、副軸方向断面積が徐々に小さくなるように構成された殺菌室の中を空気流出部の方へ流れるため、殺菌室の中で滞留(死水領域)を殆ど生じさせることなく、発光素子から照射される紫外線で殺菌される。
そのため、殺菌効率が高く、小型でシンプルな構造の空気流殺菌装置を提供することが可能となる。
[18]本発明の空気流殺菌装置は、空気の流れる主軸方向に延びる殺菌室を構成する筒状殺菌部と、前記殺菌室内に設けられ、前記殺菌室を流れる空気流に向けて紫外線を照射可能な発光素子と、前記筒状殺菌部の一方側に設けられ前記殺菌室へ空気を流入させる空気流入部と、前記筒状殺菌部の他方側に設けられ前記殺菌室から空気を流出させる空気流出部と、を備え、前記空気流入部は、前記主軸方向に延びる縦空隙層と、前記各縦空隙層に連通し前記主軸に対し直角をなす副軸方向に広がる裾空隙層と、を主要構成要素とする空隙層を有し、前記空隙層は、前記裾空隙層の空気が前記縦空隙層を通って前記殺菌室に流入するように構成されていることを特徴とする。
当該空気流殺菌装置によれば、当該装置は、筒状殺菌部と、発光素子と、空気流入部と、空気流出部とを備え、空気流入部は、縦空隙層と裾空隙層とを主要構成要素とする空隙層を有し、当該空隙層は、裾空隙層の空気が縦空隙層を通って殺菌室に流入するように構成されているため、空気は、殺菌室の中で滞留(死水領域)を殆ど生じさせることなく、発光素子から照射される紫外線で殺菌される。
そのため、殺菌効率が高く、小型でシンプルな構造の空気流殺菌装置を提供することが可能となる。
本発明の空気流殺菌装置の基本コンセプトを説明するために示す図。 実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aの概要を説明するために示す図。 実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおける空気airの流れを説明するために示す図。 実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aの空気流入部2を説明するために示す図。 実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aで筒状殺菌部3内における空気流のシュミレーションを説明するために示す図。 実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aの殺菌試験(実験)を説明するために示す図。 実施形態2に係る空気流殺菌装置1Bを説明するために示す図。 実施形態3に係る空気流殺菌装置1Cを説明するために示す図。 実施形態4に係る空気流殺菌装置1Dを説明するために示す図。 実施形態5に係る空気流殺菌装置1Eを説明するために示す図。 実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fを説明するために示す図。 実施形態7に係る空気流殺菌装置1Gを説明するために示す図。 実施形態7に係る空気流殺菌装置1Gの変形例を説明するために示す図。 実施形態8に係る空気流殺菌装置1Hの変形例を説明するために示す図。 実施形態9に係る空気流殺菌装置1Iを説明するために示す図。
以下、本発明の空気流殺菌装置について、図を用いて説明する。各図面は模式図であり、必ずしも実際の構造や構成を厳密に反映するものではない。各実施形態は、特許請求の範囲を限定するものではない。各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明に必須であるとは限らない。実質的に同等とみなせる構成要素に関しては実施形態をまたいで同じ符号を用い、再度の説明を省略する場合がある。
なお、特許文献1の説明では当該文献中の符号をそのまま使用したため、本発明の説明で使用する符号と一部重複する場合がある。両者を区別するため、特許文献1の説明で使用した符号は「(符号)」のように括弧で囲って使用した。本発明の説明で使用する符号は括弧で囲わずに使用する。
[基本コンセプト]
図1は、本発明の空気流殺菌装置の基本コンセプトを説明するために示す図である。図1(a)は本発明の空気流殺菌装置に用いる殺菌室35(容器、縦×横×高さがa×b×h)における空気の流れを説明するために示す図で、図1(b)は比較例の殺菌室35における空気の流れを説明するために示す図である。
図1(a)では、空気は、入り口131から流入した空気は直線流となって出口132から流出する。これに対し、図1(b)では、隔壁135があるため、入り口131から流入した空気は、上側に向かった後、上面の壁で下側に向きを変え、底面の壁で上側に向きを変える蛇行流となって出口132から流出する。符号134は仮想的な流管を示す。
図1(a)では死水領域がないが、図1(b)では死水領域136が生ずる。
この説明をする。なお、「死水領域」とは、粘性のある実存流体の物体後流や角をまわる流れにおいて、流れが固体壁から剥がれて渦領域を形成し、時間的平均値をとればほぼ静止した領域のことである(参考:「流体力学(前編)」今井功著、裳華房、1973年)。図1(b)中では、死水領域について、その形状、発生位置、数等を例示的に示している。
[説明]
空気流が受ける照射光量(J/m2)は、照射光束(W/m2)×照射容器(殺菌室35)内通過時間(sec)であるため、目標とする空気流量Q0(m3/sec)に対して、できる限り通過時間を長くしようとする試みがなされてきた。例えば、殺菌室35(容器)内をいくつかの隔壁に区切って流れを蛇行させたり、殺菌室35(容器)内でラセン流を発生させる等である。
一般に、照射容器(殺菌室35)の容積がV0(m3)で空気流の流量がQ0(m3/sec)であるとき、空気流の平均通過時間τ(sec)は、
τ=V0/Q0 ・・・(1)
となることが知られている。(W. Kowalski, ”Ultraviolet Germicidal Irradiation Handbook”, Chapter 8, “Airstream Disinfection”、Springer,(2009))。
これについての例として、矩形の容器(殺菌室35)の流れに光を照射する場合を考える(図1(a)、(b)参照)。流れは非圧縮性で定常流であるとする。内部に隔壁などのない場合(図1(a))と次に内部に光を通過させうる平板の隔壁135があって内部の流路を蛇行させている場合(図1(b))を比較する。図1(a)、(b)いずれの場合も流量はQ0(m3/分)であるとする。以下では、容器内の流れ場の影響を検討するために、発光体から照射される直接光の光束(W/m)分布は容器内で一様であるとする。
図1(a)の場合、流路の断面積はS1=abであるから、流れ方向の流速v1は、v1=Q0/abである。したがってこのときの空気流の通過時間(τ)は、τ=h/v1=abh/ Q0=V0/Q0、すなわち式(1)に等しいことは明白である。
次に図1(b)の解析の準備として、流れ場をn個の「流管134」に分割する(「流管134」とは流れ場の中に小さな閉曲線をとってこの閉曲線上の各点を通る流線群によりつくられる管のことで、この流管134を横切る流線は存在しない)(引用:「流体力学」、日野幹夫著、朝倉書店、1992年)。i番目の流管134の流量をqiとすると、この流量は流管134の定義から流れ方向に一定であり、流管134の入口端を容器(殺菌室35)入口面(下面)に隙間なく配置すると、Σiqi =Q0である。この流管134を流れ方向にも微小区間に分解し、j番目の微小区間の長さをΔhi,j、流路面積をΔSi,jとすると、この部分における流速vi,jはvi,j=qi/ΔSi,jである。したがって微小区間Δhi,jの通過時間は、
Δτi,j=Δhi,j/ vi,j=Δhi,j×ΔSi,j/qi=ΔVi,j/qi ・・・(2)
となる(ΔVi,jはこの微小区間の体積)。
次にこの通過時間をこの流管iについて入口から出口まで足し合わせると、この流管i全体の通過時間は、
τi=ΣjΔτi,j=ΣjΔVi,j/qi=Vi/qi ・・・(3)
となる(Viはこの流管iの体積)。
ここで、全体の平均通過時間<τ>を各流管134の通過時間の流量qiについての加重平均として導入すると、
<τ>=Σiτi×qi /Q0=(ΣiVi)/Q0 ・・・(4)
となって、ΣiΔVi=V0であることから、式(1)と同じ関係を得る。
次に図1(b)のように容器(殺菌室35)内がいくつかの隔壁135に区切られていて流れが蛇行している場合を考える。図1(b)では、空気流は左下から流入し右上に出る。この場合にも、式(4)の関係が得られるが、流れが直線的でない場合には、通常は容器(殺菌室35)の角部や隔壁135の端部などに図1(b)に示すような死水領域が発生する。そのため流管134で満たされない部分が発生し、(ΣiΔVi)<V0となる。すなわち通過時間が単純容器に比して減少することが避けられない。一方ラセン流のように急激な角部がない流れの場合に、死水領域136をなくして(ΣiΔVi)=V0のようにすることができたとしても、与えられた容積と流量に対しては、その平均通過時間はやはり式(1)に帰着し、図1(a)の直線流以上の通過時間は得られない。
以上のことから、本願においては、照射容器(殺菌室35)内には撹拌板やラセン流路等を入れず単純な形状とし、他方今回新たに考案した空気流入部2(図2参照)を設けることにより、照射部(殺菌室35)の入口においてすでにできる限り断面内に一様な流速を実現し、これを照射容器(殺菌室35)内に通過させることにより、与えられた容積と流量に対してできる限り大きな通過時間、すなわち大きな照射時間を実現しようとするものである。
[実施形態1]
図2は、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aの概要を説明するために示す図である。図2(a)は空気流殺菌装置1Aの外観斜視図であり、図2(b)は断面斜視図である。
図3は、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおける空気air(「空気」の符号「air」は空気の英語綴りと同じ。)の流れを説明するために示す図であり、空気流殺菌装置1Aの断面を示す図である。わかりやすくするため、矢印を使って一部を抜き出したり拡大したりして図示している。
図4は、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aの空気流入部2を説明するために示す図である。図4(a)は空気流入部2の外観斜視図であり、図4(b)は平面図であり、図4(c)は断面図である。なお、空気流入部2は、「整流部」と記載する場合がある。
図3では、説明上、図2に対し、空気流入部2を筒状殺菌部3に対して大きく描いている(後述の図7、図8でも同様)。
図3、図4の一部については、空隙層21を見やすくするため、空気流入部構成材21z該当箇所に斜線を付している(後述の図7、図8でも同様)。
[空気流殺菌装置1Aの全体構成]
図2~図4に示すように、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aは、空気の流れる主軸方向(空気流入部2と空気流出部4とを結ぶ方向)に延びる殺菌室35を構成する筒状殺菌部3と、殺菌室35内に設けられ、殺菌室35を流れる空気air(空気流)に向けて紫外線を照射可能な発光素子5と、筒状殺菌部3の一方側に設けられ殺菌室35へ空気airを流入させる空気流入部2と、筒状殺菌部3の他方側に設けられ殺菌室35から空気airを流出させる空気流出部4と、を備え、空気流入部2は、主軸方向に延びる同心円状の複数の縦空隙層21aと、各縦空隙層21aに連通し主軸に対し直角をなす副軸方向に広がる裾空隙層21bと、を主要構成要素とする層状に形成された複数の空隙層21を有し、複数の空隙層21は、裾空隙層21bの空気airが縦空隙層21aを通って殺菌室35に等速で流入するように構成されている。
「等速」とは、副軸方向断面におけるどの箇所でも速度が等しい趣旨である。厳密に等速である場合の他に、ほぼ等速である場合を含む。また、どの箇所でも空気airの方向はほぼ主軸方向である。
なお、筒状殺菌部3は円筒形状をしている。
[空気流入部2]
空気流入部2は、筒状殺菌部3(殺菌室35)の一方側(図2では下部)に設けられ殺菌室35へ空気airを流入させる。殺菌室35に流入した空気airは、発光素子5から照射される紫外線で殺菌される。空気流出部4は、筒状殺菌部3の他方側(図2では上部)に設けられ、殺菌室35で殺菌された空気airを外部に流出させる。
空気流入部2は、縦空隙層21aと、各縦空隙層21aに連通する裾空隙層21bとを主要構成要素とする層状の空隙層21を有する。複数の縦空隙層21aは、それぞれが主軸方向に延び、平面的に見たときに同心円状に形成されている(図4参照)。副軸方向に広がる各裾空隙層21bは、連通部21cで、各縦空隙層21aに連通している。空気流入部2は、いわば、径が異なる、天井のないカンカン帽を複数重ねて層状にして、その間隙を空隙層21としたような構造(つば箇所の間隙を裾空隙層21b、円筒形のクラウン箇所を縦空隙層21aとしたような構造)をしている。
そして、各裾空隙層21bに入った空気airが各縦空隙層21aを通って筒状殺菌部3(殺菌室35)に等速で流入するように構成されている。
なお、本明細書では、殺菌室35の(主軸方向)中央に位置したときの空気流出部4側を上側、上部、上方向、上方、上等と記載し、空気流入部2側を下側、下部、下方向、下方、下等と記載する場合がある。
空気流殺菌装置1Aの周囲の空気airは、裾空隙層21bに吸い込まれ、副軸方向を同心円の中心に向かって進み、縦空隙層21aで主軸方向に方向転換して殺菌室35内に流入する。殺菌室35に等速で流入した空気airは殺菌室35内を一様流となって進み、直線状の発光素子5からの紫外線が照射されて殺菌される。殺菌された空気airは空気流出部4に進み外部に排出される。
同心円状の縦空隙層出口21fは、殺菌室35の下部面(複数の縦空隙層出口21fがある面。副軸方向の面)のほぼ全面にわたるように構成することが好ましい。実施形態1では、図3に示すように、同心円状の縦空隙層出口21fのうちの最外郭の縦空隙層出口21f(その外壁)が、殺菌室35の内壁と同じ面(主軸方向で段差の内面)となるように構成されている。なお、両者の径が異なる場合(それにより段差が生じる場合)、最外郭の縦空隙層出口21fの外壁の径が、殺菌室35の内壁の径より小さい方が好ましい。また、最外郭の縦空隙層出口21f(の外壁)で囲われた面積(副軸方向の平面の面積)は、殺菌室35の内壁で囲われた面積の90%以上であることが好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、空気流入部2の裾空隙層21bのある箇所の副軸方向断面の外径L1が、殺菌室35の空気流入部2から空気airが流入する箇所の副軸方向断面の内径L2より大きいように構成されていることが好ましい(図3参照)。
空気流入部2を構成する複数の空隙層21が、単純な形状(例えば、同心円状の縦空隙層21aだけで構成され、裾空隙層21bがないような形状)であれば、各空隙層21から殺菌室35に流入する空気airの速度を同じにするには、各空隙層21の入口面積/出口面積(比)が同じように構成すればよい。しかし、空気流入部2には裾空隙層21bがあり、全体としてカンカン帽のような形状をしていること、小さな立体中に複数の空隙層21を形成すること、等によって、空隙層21中の空気airは、複雑な流れを生ずる。
各空隙層21から殺菌室35に流入する空気airの速度をほぼ同じにするには、各空隙層内の空気流の加速による圧力損失がほぼ等しくなるように、各空隙層21の入口の面積(21S1)/出口の面積(21S2)の比を1.0より大きい所定範囲になるように構成することにより、達成される。
そのため、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、複数の空隙層21は、各空隙層21の、裾空隙層入口21eの面積21S1と、縦空隙層出口21fの面積21S2と、の比(21S1/21S2)が所定範囲内である(所定範囲内に収まる)ように構成されていることが好ましい(図3参照)。
裾空隙層入口21eの面積21S1は、裾空隙層入口21eの間隙幅wと、裾空隙層入口21eの周辺長さと、の積で算出できる。縦空隙層出口21fの面積21S2は、縦空隙層出口21fの間隙幅wと、縦空隙層出口21fの周辺長さと、の積で算出できる。
面積比(21S1/21S2)の範囲は、例えば、1.05~7.0、好ましくは1.05~6.0である。また、この面積比は、最上層(最外郭層。図3,図4等参照。)が最も小さく、最下層方向に向かうにつれて次第に大きくしてもよい。
ここで、最下層及び最下層近傍の層については、面積比について例外的に扱ってもよい(除外して扱ってもよい)。これらの層では、出口の面積21S2が他の層(例えば最上層)に比べて小さいからである。例えば、最下層を下第1層とし、最下層に隣接する層を下第2層とし、これら2つの層を除外し、その他の層について面積比(21S1/21S2)の範囲を、1.05~7.0、好ましくは1.05~6.0、更に好ましくは1.05~5.0、更に好ましくは1.05~4.0、更に好ましくは1.05~3.0、更に好ましくは1.05~2.0のようにしてもよい。
なお、入口の面積21S1>出口の面積21S2であることが更に好ましい。
例えば、空隙層21を6層で構成する場合、面積比(21S1/21S2)を一定範囲内とする際に、下の2つの層を除外して考える。そして、面積比(21S1/21S2)を、最上層から順に、例えば、約1.1、1.2、1.5、1.7とする。すると、これらの層の面積比は約1.1~2.0の範囲内に収まる。なお、除外した下2層については、上から順に、例えば、2.8、5.0としてもよい。
ところで、最下層(又は最下層及び最下層近傍の層)の出口の面積21S2は、他の層(最上層等)に比べて小さく、風量が少ない。そのため、殺菌室35内の風速は他の層の風速の影響を受け、その風速に倣った風速になりやすい。
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、裾空隙層21bは、裾空隙層入口21eから、裾空隙層21bと縦空隙層21aとの連通部21cに向かってその間隙幅w(換言すると断面積)が一定又は徐々に狭くなるように構成されていることが好ましい(図3参照)。
なお、間隙幅wを変えるには、例えば、空気流入部2を構成する空気流入部構成材21z(プラスチック樹脂、金属等)の厚さを変えればよい。
また、間隙幅wが徐々に狭くなるようにせず変えない(間隙幅wを一定に保つ)ようにしてもよい。
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、縦空隙層21aはその間隙幅w(換言すると断面積)が変わらないように構成されている(図3参照)。
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、裾空隙層入口21eから連通部21cに向かって間隙幅wが一定又は徐々に狭くなり、その狭くなった間隙幅wは、縦空隙層21aではそのまま変わらないように構成されている。
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、同心円状の中央の空隙層21には、連通部21cに、縦空隙層出口21f方向に頂点がある錐状部材21d(円錐状部材、錐状突起、円錐状突起)が設けられていることが好ましい(図3参照)。
錐状部材21d(円錐状部材)の錐形状は円錐、更には、直円錐が好ましい。また、錐状(例えば、円錐)の側面が、凹形状、例えば、なだらかな山裾のように、側面の傾斜が、頂点近くで急で、底面方向にいくにつれて緩やかになるような形状であってもよい。
[スペーサー21g]
図4(a)、(b)に示すように、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aでは、複数の空隙層21の間隙幅wを保つため、空隙層21の中にスペーサー21gを設置している。実施形態1では、縦空隙層21aと裾空隙層21bの双方にスペーサー21gを設置しているが、縦空隙層21aだけに設置したり、裾空隙層21bだけに設置してもよい。なお、スペーサー21gは必須ではなく、例えば、空気流入部2を構成する空気流入部構成材21zが形状が崩れない堅固な樹脂、金属等である場合には、スペーサー21gを設けなくてもよい。
[空気流入部2の製造]
空気流入部2は、例えば、3次元CAD(Computer Aided Design)や3次元CG(Computer Graphics)等の3次元ソフトウエアで作成した3次元データを基に断面形状を積層して立体造形し製造する。なお、それぞれ所定形状に加工した部品を積層させることによって複数の空隙層21を含む空気流入部2を製造するようにしてもよい。
[筒状殺菌部3]
図2等に示す筒状殺菌部3は、空気流入部2(筒状殺菌部3の主軸方向の一方の側)と空気流出部4(筒状殺菌部3の主軸方向の他方の側)との間に設けられている。円筒形の筒30内側が殺菌室35を構成する。筒状殺菌部3(筒30)は主軸方向に延びており、それに沿って殺菌室35が設けられている。殺菌室35内には、発光素子5が設けられている(配置されている)。空気流入部2から殺菌室35へ空気airが流入し、発光素子5から殺菌室35を流れる空気air(空気流)に向けて紫外線が照射され空気air中の殺菌をする。
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、殺菌室35は、副軸方向断面積が、主軸方向で変わらない、又は空気流入部2から空気流出部4方向に向かって徐々に小さくなる、ように構成されていることが好ましい。
実施形態1では、殺菌室35は、副軸方向断面積が、主軸方向で変わらない、ように構成されている(図2、図3参照)。つまり、図3に示す殺菌室35の内径L2が主軸方向で変わらない(したがって、副軸方向断面積が変わらない)。
副軸方向断面積が、空気流入部2から空気流出部4方向に向かって徐々に小さくなるように構成される例については後述する。
[光反射部31]
図2等に示すように、殺菌室35の壁(側壁)には光反射部31が形成されている。光反射部31は、(ア)殺菌室35を構成する壁(筒30、内壁)とは別の光反射板(例えば、表面を光反射加工したアルミ板、ステンレス板等)を設置する、(イ)当該壁(筒30の内面)に銀、アルミニウム、銅等の粉末を含む透明塗料、透明接着剤等をスプレー塗布、ハケ塗、銀、アルミ等のスパッタリング等して光反射層を形成する、(ウ)殺菌室35を構成する壁(筒30)をアルミニウム板、銅板、ステンレス板等で構成し、壁側を光反射表面処理(金属表面加工)する、等によって形成する。光反射は、例えば、鏡面反射又は散乱反射にする。
光反射部31は必須ではないが、光反射部31があると、殺菌室35の空気airには発光素子から直接照射される紫外線等に加えて、光反射部31で反射された紫外線も照射されるため、殺菌効率を更に上げることが可能となる。空気流殺菌装置1Aの更なる小型化、又は構造のシンプル化も可能である。
なお、殺菌室35の壁に光反射部31を形成した場合、又は反射するように構成された多孔板6を設けた場合、発光素子5からの直接光と反射光との比率を例えば概1:1となるようにしてもよい。
[多孔板6]
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、殺菌室35の空気流入部2の近傍又は空気流出部4の近傍に配置される多孔板6を更に備え、この多孔板6は、少なくとも殺菌室35の内部に向かう面が反射するように構成されていることが好ましい。
図面を用いて説明すると、図2等に示すように、多孔板6を、殺菌室35の下側(図2参照、空気流入部2の側)、又は上側(図2参照、空気流出部4の側)、に配置してもよい。多孔板6は多数の孔が形成された板である。発光素子5(殺菌室35の内側)に向いた面が光反射加工(鏡面反射加工又は散乱反射加工)されている。例えば、表面が光反射加工されたステンレス、アルミニウム、銅、プラスチック樹脂等で、多数の孔が形成された板である。
開孔率(開孔部分の全体面積に占める割合)は、例えば10~60%、好ましくは15~50%、更に好ましくは20~40%である。なお、開孔率が小さい程、光の反射割合は大きくなるが、空気流の圧力損失は大きくなる。
多孔板6には多数の孔を形成し、その開口率及びファン43の送風力とを調整し、空気流入部2(縦空隙層出口21f)から殺菌室35に流入する空気airの流れが妨げられないようにする。
多孔板6が下側にある場合は、空気流入部2に逃げる紫外線が反射され、殺菌室35の空気airに照射される。多孔板6が上側にある場合は、空気流出部4に逃げる紫外線が反射され、殺菌室35の空気airに照射される。
多孔板6を設ける場合、下側及び上側の双方に設ける、上側だけに設ける、下側だけに設ける、の態様がある。
多孔板6が下側及び上側の双方にあり、殺菌室35の壁(側壁)にも光反射部31がある場合には、発光素子5の紫外線を殺菌室35内に閉じ込め、殺菌室35の空気airを紫外線で一層照射できる。
多孔板6が、上側だけにあり下側にない場合には、上側で紫外線で反射される。その一方、殺菌される前の空気airにある細菌、ウイルス等が下側の多孔板6に付着することがない。
多孔板6は必須ではないが、多孔板6があると、殺菌室35の空気airには発光素子から直接照射される紫外線に加えて、多孔板6で反射された紫外線も照射されるため、更に、殺菌効率が高く、小型でシンプルな構造の空気流殺菌装置1Aとしやすい。
[発光素子5]
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、発光素子5は、直線状又は環状の形状を有することが好ましい。
図面を用いて説明すると、図2等に示す発光素子5は直線状の形状(直線形状)をしている。「直線状」とは、発光素子5を全体的に見たときの形状であり、発光素子5の形状が細長い円筒のような場合(実施形態1)の他、所謂U字管であるが全体的に見ると直線状になっているような場合を含む。発光素子5が環状の形状を有する場合については後述する。
発光素子5は、殺菌室35を流れる空気air(空気流)に向けて紫外線照射可能である。紫外線照射強度は直線状の発光部(殺菌室35内にある直線状の発光部)で一様である。「一様」とは、発光照度が発光箇所によらず厳密に同じである意味ではなく、およそ同じ、の意味である。例えば、殺菌室35内にある直線状の発光部全体の平均照射強度を100としたとき任意の発光箇所(殺菌室35内)の照射強度が70~130(更に好ましくは80~120、更に好ましくは90~110)の範囲内にある意味である。発光素子5としては、紫外線を発生する水銀灯(低圧水銀灯他)、パルスドキセノン管、エキシマランプ、発光ダイオード(複数のLED素子を直線状又は平面状に並べたもの)等がある。なお、パルスドキセノン管を用いると、短時間にパルス状の強力な光線を照射でき、発光管長さ当たりの発光出力も大きいため、装置の小型化に適する。
[発光素子5の配置(設置)]
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、発光素子5は、その形状が直線状である場合にその直線方向が、又はその形状が環状である場合にその環で囲まれた面の法線方向が、主軸方向、副軸方向、又はそれらの中間方向となるように(殺菌室35内に)配置されることが好ましい(図2参照)。
図2には、発光素子5が、その形状が直線状である場合にその直線方向が、副軸方向となるように配置される様子が示されている。
発光素子5が、その形状が直線状である場合にその直線方向が、主軸方向、又は主軸方向と副軸方向の中間方向となるように配置する場合や、その形状が環状である場合の配置については、他の実施形態で説明する。
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、発光素子5として、複数の直線状の発光素子5を用い、これらの複数の発光素子5は主軸方向からみたとき、交差する(例えば十字形となる)ように配置されている。
図2(b)を用いて説明すると、殺菌室35内に、直線状の発光素子5が2つ配置されている。1つは直線方向が図上で右下から左上に向かう副軸方向に沿って配置され、もう1つは図上で右上から左下に向かう副軸方向に沿って配置されている。両者の設置高さ位置(主軸方向の設置位置)を異ならせ、両者間の衝突を回避している。両者を主軸方向から見ると(平面的に見ると)交差する(例えば十字形となる)ように配置されている。
なお、直線状の発光素子5を3つ以上用いる場合、(1)それら全てが互いに交差するように配置する、又は(2)それらのいくつかは同じ方向に配置する、のいずれでもよい。例えば、直線状の発光素子5を3つ用いる場合、(1)3つの発光素子5の直線方向を60度ずつずらして配置する、又は(2)2本は同じ方向に配置し、残りの1つは、90度ずらして配置する、のような配置である。同じ方向に配置する場合、同じ高さ位置に平行に配置する、又は異なる高さ位置に配置する、のどちらでもよい。4つ以上の場合も同様である。
[電気接続具51]
図2(a)、(b)に符号51で示すのは発光素子5の電気接続具である。例えば、水銀灯、エキシマランプ等の発光素子5の電極を電源に接続するためのソケット、プラグ、コネクタ等である。電気接続具51は筒状殺菌部3の外側に設置するのが好ましい。殺菌室35内にあると、死水領域が発生しやすい、紫外線照射の妨げになる、等の理由による。
また、発光素子5の駆動回路を、電気接続具51の一部としたり、あるいは電気接続具51に付随させたりしてもよい(例えば、電気接続具51内に内蔵させる)。
[空気流出部4]
図2等に示す空気流出部4は、排気筒41と、排気筒41内に設置されたファン43と、を主要構成要素とする。ファン43は、ファン取付具43kで排気筒41に取り付けられている。排気筒41は、筒状殺菌部3側が筒状殺菌部3と同じ形をしており、排気筒41内面と殺菌室35内面とが滑らかに繋がっている。排気筒41の、筒状殺菌部3と反対側は、径が徐々に小さくなる円錐形状をしていて、その先が径の小さな円筒となっている。これによって空気流を安定化させる機能を兼ねている。径の小さな円筒箇所にファン43が設置されている。ファン43は、殺菌室35の空気airを排気筒41の外に排気する。
[フレーム71]
図2(a)に符号71で示すのは、フレーム(フレームの一部)である。主として、空気流入部2の強度を確保するためのものである。ステンレス板、エポキシ樹脂等の強度が大きな材料からなる。フレーム71は、空気流入部2の外側に、その周囲を囲むように設けられている。フレーム71には、空気流通用に複数の空気口が形成されている。図面上ではこれらの空気口は円周方向に延びるように形成されているが、上下方向に延びるように形成してもよい。フレーム71は、裾空隙層入口21eに密着させ、又は裾空隙層入口との間に間隙をあけて設置する。なお、フレーム71は、例えば空気流入部2が堅固な場合には、必ずしも必要ではない。
[シュミレーション]
図5は、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aで筒状殺菌部3内における空気流のシュミレーションを説明するために示す図であり、図5(a)は副軸方向から見たシュミレーション図で、図5(b)は副軸方向の断面シュミレーション図である。ベクトルの方向は、空気流(空気)の方向を示す。空気流の速度は原図ではカラーによって色分けされているが、特許の図面上では白黒表示となっている。原図では殺菌室35内で速度はほぼ同じ色(一色)であり均一である(ベクトルの方向の意味や、原図がカラーであることについては、後述の図12(c)及び図14(b)でも同様)。
図5(a)に示すように、空気airは殺菌室35内のどの場所でも、主軸方向にほぼ均一な流速で流れていることが分る。
また、図5(b)に示すように、空気流入部2側、空気流出部4、及びその中間のいずれの箇所も、断面で見たときに、断面のどの箇所でも空気airの速度(及びその方向)がほぼ同じことが分かる。
[殺菌試験(実験)]
図6は、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aの殺菌試験(実験)を説明するために示す図(図表)である。つまり、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aを試験品として、その殺菌性能を測定した結果を示す。試験菌としては、黄色ブドウ球菌を使用した。左側に試験条件(1)~(4)(4種類)を示し、右側に試験結果を示す。左側の試験条件では光源や風量(殺菌室35内の風量)を変えている。光源(発光素子5)としては、直線状の低圧水銀灯(岩崎電気製、UGL15-2)を用いた。この低圧水銀灯を、円筒形の殺菌室35内に、副軸方向に(ほぼ主軸芯の近傍を通るように)2本平行に配置すると共に、主軸方向からみたときにそれらと直交して十字形となるように更に1本配置した(計3本配置した)。殺菌室35内の風量は図6に記載通りである。
殺菌室35は、内径(直径)約30cm、高さ約40cmの円筒形状をしている。空気流入部2は、外径(直径)約40cm、高さ約20cmの円筒形状をしている。空隙層21は6層である。
試験条件(1)は光源オフの場合であり、殺菌室35での殺菌はおこなわれない。(2)は平行に配置した1本だけ発光させ、殺菌室35内の空気流に紫外線照射した場合である。(3)は平行に配置した2本中の1本と、それと直交配置された1本(計2本)を発光させた場合である。(4)は3本全てを発光させた場合である。殺菌室35内の風量は図6に記載通りである。
図6の右側には、それぞれの試験条件で3回ずつ試験した結果の平均値を記載している。浮遊菌数欄の「CFU」はColony forming unit(コロニー形成単位)の略で、生菌数(生きている菌の数)を表す単位である。「CFU/30 L-air」とは30リットルの空気中のCFUである。それぞれの場合、生菌が検出できなかったとき、生菌数が3以下であるとし、「<3」と記載している。右端の減少率欄には、殺菌によって浮遊菌数がどの程度減少したかを示している。CFUが小数点以下3桁まで9の続く試験結果となったことを示す。
この試験結果から明らかなように、優れた殺菌効果が得られた。
なお、黄色ブドウ球菌(細菌)の代わりにバクテリオファージMS2(ウイルス)を試験対象として光源の本数や風量を変えて同様な試験をしたところ、黄色ブドウ球菌の場合と同様に優れた殺菌効果が得られた。
[実施形態1の効果]
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aによれば、同心円状の空隙層21が複数設けられた空気流入部2から殺菌室35に空気airが流入するが、空気流入部2は、同心円状の複数の縦空隙層21aと、各縦空隙層21aに連通し副軸方向に広がる裾空隙層21bと、を主要構成要素とする層状に形成された複数の空隙層21を有し、複数の空隙層21は、裾空隙層21bの空気airが縦空隙層21aを通って筒状殺菌部3に主軸方向に等速で流入するように構成されているため、殺菌室35内に死水領域が殆どなく殺菌室35内を一様流となって流れる空気air(空気流)が、直線状の発光素子によって紫外線照射される。
そのため、殺菌室35に流入した空気の殺菌効率が高い。また、殺菌室35内の流れに死水領域が殆どないため、小型でシンプルな構造の空気流殺菌装置1Aを提供することが可能となる。例えば、可搬型、又は容易に移動可能な装置とすることも可能である。
また、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、空気流入部2の裾空隙層21bのある箇所の副軸方向断面の外径L1が、殺菌室35の空気流入部2から空気airが流入する箇所の副軸方向断面の内径L2より大きいように構成されているため、裾空隙層入口21e・連通部21c間の裾空隙層21bの長さを長くできる。そのため、裾空隙層21bで空気airが一層加速され、一層安定した速度で殺菌室35内に流入させることが可能となる。
また、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aによれば、複数の空隙層21が、各空隙層21の、裾空隙層入口21eの面積21S1と、縦空隙層出口21fの面積21S2と、の比が所定範囲内であるように構成されているため、各空隙層21の縦空隙層出口21fから筒状殺菌部3に流入する空気airの速度を、更に一層等速にすることが可能となる。
また、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aによれば、裾空隙層21bは、裾空隙層入口21eから、裾空隙層21bと縦空隙層21aとの連通部21cに向かってその間隙幅wが一定又は徐々に狭くなるように構成されているため、裾空隙層入口21eから入った空気airが加速されて縦空隙層21aに向かう。そのため、縦空隙層21aを通って縦空隙層出口21fからでる空気airを、所定速度で安定的に筒状殺菌部3に流入させることが一層可能となる。
また、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aによれば、縦空隙層21aは間隙幅wが縦方向で変わらないように構成されているため、裾空隙層21bから縦空隙層21aに所定速度で入った空気airが、その速度を落とすことなく、主軸方向に向きを変えて、縦空隙層出口21fから筒状殺菌部3に流入させることが一層可能となる。
また、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aによれば、同心円状の中央の縦空隙層21aには、裾空隙層21bとの連通部21cに、縦空隙層出口21f方向に頂点があるようにした錐状部材21d(円錐状部材)が設けられているため、裾空隙層21bの中央部(同心円の中心)に向かう空気airが、中央部で反対方向から来た空気airと衝突して速度が相殺されることなく、向きを主軸方向に変えて殺菌室35方向に進むことが一層可能となる。
また、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aによれば、殺菌室35は、副軸方向断面積が、主軸方向で変わらない、又は空気流入部2から空気流出部4方向に向かって徐々に小さくなる、ように構成されているため、殺菌室35で、空気airはその速度や方向を一層一定に保ちやすい。なお、副軸方向断面積が主軸方向で変わらないようにすると、殺菌室35の構造を一層シンプルにすることが一層可能となる。
また、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aによれば、殺菌室35の空気流入部2近傍又は空気流出部4近傍に配置される多孔板6を更に備え、この多孔板6は、少なくとも殺菌室35の内部に向かう面が反射するように構成されているため、紫外線UVが、空気流入部2又は空気流出部4から逃げるのを抑制することが一層可能になる。
また、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aによれば、発光素子5の形状が直線状又は環状であると、特殊形状でないため、市販品を入手したり、製造することが一層容易である。
また、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aによれば、発光素子5は、その形状が直線状である場合にその直線方向が、又はその形状が環状である場合にその環で囲まれた面の法線方向が、主軸方向、副軸方向、又はそれらの中間方向となるように配置されるため、発光素子5の長さ、筒状殺菌部3(殺菌室35)の大きさ等に応じ、柔軟な構造、大きさ等の装置を提供することが一層可能になる。例えば、直線方向が、副軸方向となるように配置すると、発光素子5の長さと筒状殺菌部3の長さ(殺菌室35の主軸方向の長さ)とを独立した関係にすることができるため、筒状殺菌部3の長さ(殺菌室35の主軸方向の長さ)を発光素子5の長さに合わせる必要がない。
実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aにおいては、発光素子5として、複数の直線状の発光素子5を用い、これらの複数の発光素子5が主軸方向からみたとき、交差する(例えば十字形となる)ように配置されると、交差しない配置の場合に発光素子5から遠い場所の空気(例えば、直線状の発光素子5の中央・主軸位置から副軸方向にある殺菌室35壁際の空気)も発光素子5に近くなり、殺菌効率を一層上げることが可能となる。
[実施形態2]
図7は、実施形態2に係る空気流殺菌装置1Bを説明するために示す図である。直線状の発光素子5を、殺菌室35内で、発光素子5の直線方向が筒状殺菌部3(殺菌室35)の主軸方向となるように配置したことを示す図で、図7(a)は細長い直線状の発光素子5を用いた場合を示し、図7(b)はU字形であるが全体としては直線状の発光素子5を用いた場合を示し、図7(c)は直線状の発光素子5を吊り下げた場合を示す。
実施形態2に係る空気流殺菌装置1Bは、基本的には、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aと同様であるが、殺菌室35内で、直線状の発光素子5を、その直線方向が筒状殺菌部3(殺菌室35)の主軸方向となるように配置した点が異なる(実施形態1では副軸方向に配置)。
図7(a)に示す例では、発光素子5を、殺菌室35の副軸方向断面(円)の中心に、直線方向が上下方向(主軸方向)になるように配置している。電気接続具51は、直線状の発光素子5の両方向に配置する。一方の電気接続具51は空気流入部2の下側外部に配置し、他方は空気流出部4の排気筒41内部に配置する。空気流入部2の同心円中央部の空隙層21(縦空隙層21a)箇所は発光素子5の通過配置路となっている。
図7(b)に示す例では、電気接続具51は、直線状(U字形)の発光素子5の一方に配置する。空気流入部2の下側外部である。図7(a)と異なり、もう一方の電気接続具51は不要である。その他の点は、図7(a)とほぼ同様であり、説明を省略する。
図7(c)に示す例では、発光管、LED素子を複数搭載したもの等の、直線状の発光素子5を吊り下げることによって、直線方向が主軸方向となるように配置している。発光素子5は、把持具53で把持され、固定部材54によって固定アンカー55に繋がれ、吊り下げられている。発光素子5・電気接続具51間は配線52で繋がれ、当該配線52によって、例えば、電気接続具51内の駆動回路の駆動信号を発光素子5に伝える。
上記以外の点については、実施形態2においても実施形態1で説明した態様をそのまま適用する。
[実施形態2の効果]
実施形態2に係る空気流殺菌装置1Bによれば、直線状の発光素子5が、その直線方向が筒状殺菌部3(殺菌室35)の主軸方向となるように配置されるため、空気airは殺菌室35内を下から上に移動する間中、(殺菌室35の副軸方向断面の)同心円中央部の発光部を中心とする照射強度の強い紫外線で殺菌される。
なお、実施形態2に係る空気流殺菌装置1Bは、直線状の発光素子5の配置以外の点については実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aと同様であるため、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aが有する効果のうち、該当する効果を有する。
[実施形態3]
図8は、実施形態3に係る空気流殺菌装置1Cを説明するために示す図である。
実施形態3に係る空気流殺菌装置1Cは、基本的には、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aと同様であるが、殺菌室35内で、直線状の発光素子5を、その直線方向が筒状殺菌部3(殺菌室35)の主軸方向と副軸方向の中間方向となるように配置した点が異なる(実施形態1では副軸方向に配置)。
図8に示す例では、発光素子5を、直線方向が上下方向(主軸方向)と左右方向(副軸方向)の中間方向になるように配置している。副軸方向から見て斜めの方向である。電気接続具51は、直線状の発光素子5の両方向に配置する。一方の電気接続具51は筒30の下側外部に配置し、他方は対向する側の筒30の上側外部に配置している。
上記以外の点については、実施形態2においても実施形態1で説明した態様をそのまま適用する。
[実施形態3の効果]
実施形態3に係る空気流殺菌装置1Cによれば、直線状の発光素子5が、その直線方向が筒状殺菌部3(殺菌室35)の主軸方向と副軸方向の中間方向となるように配置されるため、殺菌室35(筒30)の形状又は大きさが同じ場合、一層長い発光素子5を殺菌室35内に配置することが可能となる。そして、殺菌室35内の空気airが、長い発光素子5による照射強度の強い紫外線で殺菌されるため、一層効率のよい殺菌が可能となる。
なお、実施形態3に係る空気流殺菌装置1Cは、直線状の発光素子5の斜め配置以外の点については実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aと同様であるため、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aが有する効果のうち、該当する効果を有する。
[実施形態4]
図9は、実施形態4に係る空気流殺菌装置1Dを説明するために示す図である。
実施形態4に係る空気流殺菌装置1Dは、基本的には、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aと同様であるが、実施形態1では直線状の形状を有する発光素子5を用いたのに対し、実施形態4では環状の形状を有する発光素子5を用いた点が異なる。
図9に示す例では、環状の発光素子5は、その環で囲まれた面の法線方向が主軸方向となるように配置されており(換言すると、環で囲まれた面が副軸方向となるように配置されており)、環で囲まれた面内を主軸が通るように配置されている。環状の発光素子5は、把持具53で把持され、固定部材54によって固定アンカー55に繋がれ、固定されている。発光素子5・電気接続具51間は配線52で繋がれている。
なお、環で囲まれた面の法線方向が、副軸方向、又は主軸方向と副軸方向の中間方向、となるように配置してもよい(図示省略)。
上記以外の点については、実施形態4においても実施形態1で説明した態様をそのまま適用する。
[実施形態4の効果]
実施形態4に係る空気流殺菌装置1Dによれば、発光素子5が環状の形状を有するため、殺菌室35を流れる空気airに対してムラなく照射することが一層容易になる。
なお、実施形態4に係る空気流殺菌装置1Dは、発光素子5の形状が環状であること、及びその配置以外の点については実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aと同様であるため、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aが有する効果のうち、該当する効果を有する。
[実施形態5]
図10は、実施形態5に係る空気流殺菌装置1Eを説明するために示す図であり、空気流殺菌装置1Eの断面を示す。
実施形態5に係る空気流殺菌装置1Eは、基本的には、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aと同様であるが、実施形態1では殺菌室35は副軸方向断面積が主軸方向で変わらなかったのに対し、実施形態5では空気流入部2から空気流出部4方向に向かって徐々に小さくなる、ように構成されている点が異なる。
図を用いて説明する。図10の空気流殺菌装置1Eでは、殺菌室35は、内径が、空気流入部2から空気流出部4方向に向かって徐々に小さくなるような円筒形状をしている(断面が台形状になっている)。つまり、殺菌室35の空気流入部2近傍の内径L2>空気流出部4近傍の内径L3となっている。そして、それに伴って、副軸方向断面積が徐々に小さくなっている。殺菌室35の内壁近傍の空気airは内壁に沿うように空気流出部4方向に向かって流れる。符号57は外側にできたスペースに設置された制御装置を示す。
上記以外の点については、実施形態5においても実施形態1で説明した態様をそのまま適用する。
[実施形態5の効果]
実施形態5に係る空気流殺菌装置1Eによれば、殺菌室35内を流れる空気airの流れを一層安定化させることが可能となる。
なお、実施形態5に係る空気流殺菌装置1Eは、殺菌室35の副軸方向断面積が空気流入部2から空気流出部4方向に向かって徐々に小さくなる、ように構成されている以外の点については実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aと同様であるため、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aが有する効果のうち、該当する効果を有する。
[実施形態6]
図11は、実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fを説明するために示す図である。図11(a)は空気流殺菌装置1Fの断面正面図であり、図11(b)は断面斜視図である。
実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fは、基本的には、実施形態5に係る空気流殺菌装置1E(図10参照)と同様であるが、実施形態5では空気流入部2を構成する空隙層21が複数であるのに対し、実施形態6では空隙層21が1つ(いわば、空気流入部2を、図10に示す複数の空隙層21の中の最下層で構成したようなもの)である点が異なる。
実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fは、図11に示すように、空気の流れる主軸方向に延びる殺菌室35を構成する筒状殺菌部3と、殺菌室内に設けられ、殺菌室35を流れる空気airに向けて紫外線を照射可能な発光素子5と、筒状殺菌部3の一方側に設けられ殺菌室35へ空気を流入させる空気流入部2と、筒状殺菌部3の他方側に設けられ殺菌室35から空気を流出させる空気流出部4と、を備え、空気流入部2は、主軸方向に延びる縦空隙層21aと、各縦空隙層21aに連通し主軸に対し直角をなす副軸方向に広がる裾空隙層21bと、前記他方側の方向に頂点があるように中央部に設けられた錐状部材21dと、を主要構成要素とする空隙層21を有し、裾空隙層21bの空気が錐状部材21dによって案内され縦空隙層21aを通って殺菌室35に流入するように構成され、殺菌室35は、副軸方向断面積が、空気流入部2から空気流出部4の方向に向かって徐々に小さくなるように構成されている。
殺菌室35は円筒形状をしており、その副軸方向断面積(内径)が、徐々に小さくなるように構成されている(図11(a)、(b)参照)。
図11(b)で符号72で示すのは、筒状殺菌部3を支える補強柱である。筒状殺菌部3を囲むように、筒状殺菌部3の周囲に1つ又は複数設けられる。補強柱72は必須の構成部材ではない。
[錐状部材21d]
錐状部材21dは円錐形状をしている。錐状部材21dは、空気流入部2の中央に、その頂点が、下側の多孔板6の近く(多孔板6より少し下、又は多孔板6に接する所)に位置するように構成されている。換言すると、錐状部材21dはその頂点が殺菌室35に入らないように構成されている。
(なお、後述するように、錐状部材21dの頂点が殺菌室35に入らないように構成しても、殺菌室35に入るように構成してもよい。)
[R形成部21r]
実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fにおいては、空隙層21と殺菌室35との接続部近傍(接続部を含む周辺部)で、空隙層21の外側内壁21iと殺菌室内壁35iとが、副軸方向から主軸方向になだらかに方向を変えるように構成されている。つまり、当該接続部近傍に角に丸みがついたR形成部21r(角に丸みがついた丸まった面)が設けられている。
[発光素子5(LED素子使用)]
実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fにおいては、発光素子5としてLED素子が使用され、当該LED素子は殺菌室内壁35iに沿って配置されている(本明細書では、「用い」ると、「使用」するとは、ほぼ同意語として使っている)。
複数の発光素子5(LED素子)は、細長いフレキシブル基板よりなるLED搭載基板56に搭載されている。当該LED搭載基板56は、LED素子配置方向(LED搭載基板56の長手方向)を主軸方向にして、殺菌室内壁35iに貼り付け、ビス止め等で設置されている。そのため、複数の発光素子5(LED素子)は主軸方向に沿って配置され(以下、「縦配置」という場合がある)、発光素子5から殺菌室35の内側に向けて紫外線が照射される。
発光素子5を搭載したLED搭載基板56は、2以上設けることが好ましい。例えば、2つの場合は、殺菌室内壁35iの、主軸を挟んだ対向位置に設置する。3つ以上の場合は、主軸を中心とする円周(殺菌室内壁35i)の等分割した角度位置に設置する。図11(a)、(b)では、LED搭載基板56を1つだけ図示して、その他のLED搭載基板56は図示を省略している。
LED素子(発光素子5)のLED搭載基板56への実装は、例えば、チップLED(表面実装型LED)を、配線が施されたフレキシブル基板上に載せ、フレキシブル基板の配線と、チップLEDの電極(アノード電極、カソード電極)とを半田付けによりおこなう。チップLEDは、LEDとして機能する部品単位のLEDである。小さな基板の上にLED素子を載せ絶縁性樹脂コーティングしたLEDパッケージである。
なお、半田付けの代わりに、導電接着剤による接着、ワイヤーボンディング等を用いてもよい。
また、チップLEDの代わりに、所謂、砲弾型LED、FluxLED、又はCOB(チップオンボード)LEDを使用してもよい。又は、LEDが形成されたシリコン基板を使用してもよい。
また、発光素子5(LED素子)を搭載したLED搭載基板56の発光素子搭載面に絶縁性樹脂をコーティングしてもよい。殺菌室内壁35iのLED搭載基板56の設置個所に、LED搭載基板56とその周辺の殺菌室内壁35iとが覆われるように絶縁性樹脂でコーティングしてもよい。LED搭載基板56が設置された殺菌室内壁35iの全体を絶縁性樹脂でコーティングしてもよい。
このようにすると絶縁性が向上する。また、発光素子5の配置や、LED搭載基板56の設置は、殺菌室35の中の空気の流れに殆ど影響を与えないが、発光素子5(LED素子)の配置やLED搭載基板56の設置による凹凸の影響を一層低減できる。
(後述する図12(b)の空気流殺菌装置1Gにも[発光素子5(LED素子使用)]欄の説明が適用される。)
[実施形態6の効果]
実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fによれば、空気流入部2の裾空隙層21bに流入した空気airは、錐状部材21dによって殺菌室35の方へ方向を変え、縦空隙層21aを通って殺菌室35に案内され、副軸方向断面積が徐々に小さくなるように構成された殺菌室35の中を空気流出部4の方へ流れるため、殺菌室35の中で滞留(死水領域)を殆ど生じさせることなく、発光素子5から照射される紫外線で殺菌される。
そのため、殺菌効率が高く、小型でシンプルな構造の空気流殺菌装置1Fにすることが可能である。
また、実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fによれば、空隙層21と殺菌室35との接続部近傍にR形成部21rが設けられているため、当該箇所でも空気は滞りなく流れ、滞留(死水領域)の発生を一層抑制することが可能となる。
また、実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fによれば、発光素子5としてLED素子が用いられているため、小さな発光素子5を使用することができ、発光素子5の存在による空気の流れへの影響を殆どなくすことが可能である。
また、例えば、水銀を用いないことで当該環境問題を回避することが可能となる。
また、当該LED素子(発光素子5)が殺菌室内壁35iに沿って配置されていると、殺菌室35の中を流れる空気に周りから紫外線を照射して殺菌することが可能である。
なお、実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fは、空隙層21を一層にした(空気流入部2をシンプルにした)点以外の点については実施形態5に係る空気流殺菌装置1Eと同様であるため、実施形態5に係る空気流殺菌装置1Eが有する効果のうち、該当する効果を有する。
なお、実施形態6は、次のようにとらえることも可能である。
実施形態1(~4)のように複層の空隙層21で構成すると、殺菌室35の中で滞留(死水領域)を殆ど生じさせない流れを生じさせることが可能となるが、実施形態6では、その代わりに、空気流入部2を、最下層の空隙層21で構成する(言い換えると、最下層の空隙層21を空気流入部2に対して相対的に拡大して構成する)簡素化した構造としたものである。簡素化に伴い、中心の錐状部材21dの、空隙層21に対する相対的な大きさも増大させている。
更に、実施形態1(~4)と同様に、殺菌室35の中で滞留(死水領域)を殆ど生じさせない流れを生じさせるため、殺菌室35は、副軸方向断面積が、空気流入部2から空気流出部4の方向に向かって徐々に小さくなるように構成している。
このようにすることで、空気流入部2を簡素化したにもかかわらず、複層の空隙層21で構成した場合と同様に、滞留(死水領域)を殆ど生じさせない流れをつくりだすことを可能とする。
ところで、副軸方向断面積が、空気流出部4の方向に向かって徐々に小さくなるようにすると、そのようにしない場合に比べて、空気流出部4の方向に向かって流速が速くなり、照射を受ける時間が短くなる。殺菌率はやや低下する程度であるが、これを補うには、例えば、発光素子5からの光量を増加させる、ファン43の送風力を下げて流速を遅くする、等すればよい。
[実施形態7]
図12は、実施形態7に係る空気流殺菌装置1Gを説明するために示す図である。図12(a)は空気流殺菌装置1Gの断面正面図であり、図12(b)は断面斜視図であり、図12(c)は空気流のシュミレーションを説明するために示す図である。
実施形態7に係る空気流殺菌装置1Gは、基本的には、実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fと同様であるが、実施形態6では錐状部材21d(円錐形状)はその頂点が殺菌室35の近くに位置するように構成されているのに対し、実施形態7では錐状部材21dの頂点が殺菌室35の内部に位置するように殺菌室35の内部に突き出して構成されている点が異なる(図12(a)、(b)参照)。
円錐形状をした錐状部材21dは、空気流入部2の中央に、その頂点が、下側の多孔板6より上に位置するように構成されている。換言すると、錐状部材21dはその頂点が殺菌室35の内部に突き出るように構成されている。多孔板6は、錐状部材21dが殺菌室35の内部に突き出る箇所に穴が形成されている。
図12(c)は、空気流殺菌装置1Gで筒状殺菌部3内における空気流のシュミレーションを説明するために示す図である。図12(c)に示すように、空気airは殺菌室35内のどの場所でも、主軸方向にほぼ均一な流速で流れていることが分る。
[空気流殺菌装置1Gの変形例]
図13(a)、(b)は、それぞれ、実施形態7に係る空気流殺菌装置1Gの変形例を説明するために示す図である。これらは、基本的には図12に示す空気流殺菌装置1Gと同様であるが、発光素子5であるLED素子の配置が異なる。
発光素子5等に関する実施形態6の[発光素子5(LED素子使用)]欄の説明は、発光素子5の配置以外の点については、基本的に、図13(a)、(b)の空気流殺菌装置1Gにも同様に適用される。
図13(a)の空気流殺菌装置1Gでは、複数の発光素子5(LED素子)を、殺菌室内壁35iに環状(主軸を取り巻くような環状)に配置(以下、「環状配置」という場合がある)している。
複数のLED素子(発光素子5)は、細長いLED搭載基板56に搭載され、当該LED搭載基板56が主軸を取り巻く環状となるように、殺菌室内壁35iに設置されている。
殺菌室35の中を主軸方向に流れる空気は、主軸を取り巻く環状となるように配置された複数のLED素子(発光素子5)から主軸方向に照射される紫外線で殺菌される。
なお、図13(a)には、発光素子5を搭載したLED搭載基板56を1つだけ図示しているが、複数のLED搭載基板56を主軸方向に沿った位置を異ならせて配置してもよい。
図13(b)の空気流殺菌装置1Gでは、複数の発光素子5(LED素子)は、細い柱状のLED搭載基板56の上に配置され、殺菌室35の中心(主軸に沿った中心)に配置(以下、「中心配置」という場合がある。)されている。LED搭載基板56は細い柱状をしており、錐状部材21dの上に被せられている。この例では、図示されるように、LED搭載基板56は、円柱状で、円柱の外径が主軸方向でほぼ変わらず、空気流出部4に近い箇所で外径が徐々に小さくなっている。細い柱状にするには、大きな渦が発生するリスクを避けるためである。細い柱状の頂点位置(主軸方向位置)は、錐状部材21dの頂点位置より、空気流出部4側にある。発光素子5は、細い柱状のLED搭載基板56の上に、主軸方向に直線状に配置(縦配置)する、主軸を囲むように環状に配置する(環状配置)、全面に配置する、等で配置する。
細い柱状に形成されたLED搭載基板56は、例えば、基板材料としてフレキシブル基板を用い、平らな状態でLED素子を半田付け等して搭載し、その後、細い柱状にする。又は、予め細い柱状にしたLED搭載基板56にLED素子を半田付け等で搭載する。
なお、細い柱状に形成されたLED搭載基板56は、錐状部材21dの上に取り換え可能に設置してもよい。取り換え可能にすると、細い柱状の形状が異なるもの、発光素子5の配置を変えたもの、等と交換することが容易である。
殺菌室35の内部の空気は、空気流入部2の側から空気流出部4の側に流れる間に、細い柱状のLED搭載基板56の外側に搭載されたLED素子(中心配置)から照射される紫外線で殺菌される。
図13(a)の空気流殺菌装置1Gでの空気の流れは、当然、図12(c)に示すシュミレーション図と同様である。
図13(b)の空気流殺菌装置1Gでの空気の流れも、図12(c)に示すシュミレーション図とほぼ同様である。これは、殺菌室35の中心に設置するLED搭載基板56が細いため、滞留(死水領域)が殆ど発生しないからである(図14を用いて後述する実施形態8に係る空気流殺菌装置1Hでも同様)。そのため、殺菌室35の中央に主軸方向に延びる細い柱状のLED搭載基板56があっても、その影響は殆どない。
[実施形態7の効果]
実施形態7に係る空気流殺菌装置1Gによれば、錐状部材21dの頂点を殺菌室35の内部に位置するように殺菌室35の内部に突き出して構成すれば、空隙層21に流入した空気が錐状部材21dによって殺菌室35の内部までより滑らかに案内される故に、滞留(死水領域)を一層生じさせ難い。
なお、複数の発光素子5(LED素子)を殺菌室内壁35iに螺旋状(主軸方向に沿って、空気流入部2から空気流出部4の方向に向けた螺旋状)に配置(以下、「螺旋配置」という場合がある。)してもよい(図示省略)。
実施形態7に係る空気流殺菌装置1Gは、錐状部材21dの頂点が殺菌室35の内部に位置するように殺菌室35の内部に突き出して構成されている点以外の点については実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fと同様であるため、実施形態6に係る空気流殺菌装置1Fが有する効果のうち、該当する効果を有する。
[実施形態8]
図14は、実施形態8に係る空気流殺菌装置1Hを説明するために示す図である。図14(a)は空気流殺菌装置1Hの断面正面図であり、図14(b)は空気流のシュミレーションを説明するために示す図である。
実施形態8に係る空気流殺菌装置1Hは、基本的には、実施形態7に係る空気流殺菌装置1Gと同様であるが、実施形態7では発光素子5としてLED素子を用いるのに対し、実施形態8では直線状の発光素子5を用いる点が異なる。直線状の発光素子5は、所定の径を有する蛍光管のような管である。
つまり、実施形態8に係る空気流殺菌装置1Hでは、発光素子5として直線状の発光素子が用いられ、当該直線状の発光素子は前記主軸方向に沿って配置(以下、「直線状中心配置」という場合がある。)されている。
図14(a)に示すように、発光素子5として直管(一本でまっすぐなもの)を2本げ(所謂2本ブリッジにしたもの、ツイン蛍光灯と同様なもの)で、全体を見たときに直線状の(形状の)発光素子5(換言すると、主軸方向に直線状に延びる発光素子5)が用いられている。当該直線状の発光素子は殺菌室35の中央に主軸方向に沿って配置されている。発光素子5は蛍光管のような管形状をしている。発光素子5は全体として主軸方向に延びる直線状の形状をしている。
発光素子5の空気流入部2の側には口金が設けられ、電極端子がその下側に突き出ている(図示省略)。口金の下部(根元)は錐状部材21dの上に置かれ、口金の側面が錐状部材21dの傾斜面と滑らかに繋がっている。発光素子5の口金の外側に突き出た電極端子(雄)は、錐状部材21dの上部に埋め込まれた電力供給用のソケット(雌)に着脱可能に装着されている(図示省略)。
なお、上述したように、殺菌室35の中で、主軸方向に沿って配置された発光素子5(主軸方向に沿って直線状に延びる発光素子5)は、殺菌室35の空気の流れに殆ど影響を与えない。
また、必要に応じて、図14(a)に示した、先端をブリッジで繋いだ発光素子5を複数用いてもよい(設置してもよい)。
図14(b)の空気流のシュミレーション図に示すように、空気airは殺菌室35内のどの場所でも、主軸方向にほぼ均一な流速で流れていることが分る。
[実施形態8の効果]
実施形態8に係る空気流殺菌装置1Hによれば、発光素子5として直線状の発光素子が用いられ、前記直線状の発光素子は主軸方向に沿って配置されているため、殺菌室35の中を移動する空気を、中央(主軸側)から放射状に紫外線照射することによって、効率的に殺菌することが可能となる。
なお、直線状の発光素子5として蛍光管のような管形状のものを用いると、当該形状のものは様々な種類のものが市販されているため入手しやすい。また、広い管面積を利用して照射光量を増やし、殺菌力を高めることも可能である。
なお、実施形態8に係る空気流殺菌装置1Hは、発光素子5として直線状の発光素子5(蛍光管型)を用いる以外の点については実施形態7に係る空気流殺菌装置1Gと同様であるため、実施形態7に係る空気流殺菌装置1Gが有する効果のうち、該当する効果を有する。
なお、実施形態1~5(図2~図10)でも、発光素子5として、実施形態6~7(図11~図13)で説明したLED素子を使用してもよい。その場合のLED素子の配置等については、実施形態6~7の説明を援用する。また、配置の組み合わせ等については、[発光素子5の配置の組み合わせ等]などの説明を援用する。
また、実施形態1~5(図2~図10)でも、発光素子5として、実施形態8(図14)で説明したツイン蛍光灯と同様な直管を用いてもよい。
また、実施形態1~5(図2~図10)でも、実施形態6~7(図11~図13)と同様に、空気流入部2を、最下層の空隙層21(一つの層)で構成し、中央に錐状部材21d(錐状突起)を設けるようにしてもよい。
[発光素子5の配置の組み合わせ等]
また、発光素子5の配置については、実施形態7~8(図12~図14参照)の配置を組み合わせてもよい。
例えば、発光素子5としてLED素子を使用し、発光素子5の配置を、縦配置と中心配置とを組合せた配置、環状配置と中心配置とを組合せた配置、又は螺旋配置と中心配置とを組合せた配置にする。その場合、発光素子5の配置を、双方とも縦配置にする、環状配置にする、一方を縦配置にして他方を環状配置にする、等の配置としてもよい。
または、発光素子5として、LED素子と直線状の発光素子5(実施形態8,図14参照)とを使用し、直線状中心配置と縦配置とを組合せた配置、直線状中心配置と環状配置とを組合せた配置、又は直線状中心配置と螺旋配置とを組合せた配置にしてもよい。
なお、[実施形態7]以降、本文の前までの説明は、錐状部材21dの頂点位置が異なる実施形態6にも、適用することができる。その場合、錐状部材21dは、その頂点位置が図11に示すように低いとして、それ以外の説明はそのまま適用する。
以上説明した実施形態で共通する構成をまとめると、本発明の空気流殺菌装置(1A~1H)は、空気の流れる主軸方向に延びる殺菌室35を構成する筒状殺菌部3と、前記殺菌室内に設けられ、前記殺菌室35を流れる空気airに向けて紫外線を照射可能な発光素子5と、前記筒状殺菌部3の一方側に設けられ前記殺菌室35へ空気を流入させる空気流入部2と、前記筒状殺菌部3の他方側に設けられ前記殺菌室35から空気を流出させる空気流出部4と、を備え、前記空気流入部2は、前記主軸方向に延びる縦空隙層21aと、前記各縦空隙層21aに連通し前記主軸に対し直角をなす副軸方向に広がる裾空隙層21bと、を主要構成要素とする空隙層21を有し、前記空隙層21は、前記裾空隙層21bの空気が前記縦空隙層21aを通って前記殺菌室35に流入するように構成されている、と述べることができる。
当該空気流殺菌装置(1A~1H)によれば、当該装置は、筒状殺菌部3と、発光素子5と、空気流入部2と、空気流出部4とを備え、空気流入部2は、縦空隙層21aと裾空隙層21bとを主要構成要素とする空隙層21を有し、当該空隙層21は、裾空隙層21bの空気airが縦空隙層21aを通って殺菌室35に流入するように構成されているため、空気airは、殺菌室35の中で滞留(死水領域)を殆ど生じさせることなく、発光素子5から照射される紫外線で殺菌される。
そのため、殺菌効率が高く、小型でシンプルな構造の空気流殺菌装置(1A~1H)にすることが可能である。
なお、当該空気流殺菌装置が、更に、錐状部材21d(錐状突起)を備え、かつ必要に応じて、殺菌室35の副軸方向断面積を空気流入部2から空気流出部4の方向に向かって徐々に小さくなるように構成すると、一層小型でシンプルな構造にすることが可能となる。
[実施形態9]
図15は、実施形態9に係る空気流殺菌装置1Iを説明するために示す図である。
実施形態9に係る空気流殺菌装置1Iは、基本的には、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aと同様であるが、多孔板6が複数積層され、積層された複数の多孔板6は、少なくとも一部の開口部65と非開口部66とがオーバーラップする(重なる)ように構成されている点が異なる。
図を用いて説明する。図15の空気流殺菌装置1Iでは2つの多孔板(61、62)を用いている。それぞれ、開口部65と非開口部66とを有する(開口部65は円形)。多孔板61、62では、共に、開口部65の径L65(開口径)が、隣接する開口部65間の距離L67(非開口部66)より小さく形成されている。上から見ると多孔板61の開口部65の下には多孔板62の非開口部66が見えるように、多孔板61の開口部65と多孔板62の非開口部66とがオーバーラップする(上下方向で重なる)ように配置されている。また、空気airが下方から上方に通過できるように、多孔板61・62間には間隙67が設けられている。多孔板61、62の少なくとも上側の面は、反射加工されている。
多孔板61の上側は殺菌室35であり、発光素子5が配置され、発光素子5からは紫外線が照射される。発光素子5から照射された紫外線は、多孔板61の非開口部66で反射される。多孔板61の開口部65に入った紫外線は、多孔板62の非開口部66で反射される。
なお、図15を用い、多孔板(61、62)を殺菌室35の空気流入部2側に設けた場合を説明したが、多孔板(61、62)を殺菌室35の空気流出部4側に設けた場合も同様である。また、開口部65は円形に限られるものではなく、正方形、長方形、三角形、5角形、6角形等であってもよい。両多孔板61、62の開口部65(非開口部66)の形状が異なっていてもよい。多孔板61の開口部65と多孔板62の非開口部66とのオーバーラップは、完全なオーバーラップではなく、一部のオーバーラップでもよい。多孔板(61、62)の数は2に限られず、3以上であってもよい。多孔板6を積層する場合、空気の流れを考慮すると、2~3が好ましい。また、複数の多孔板(61、62)は、径L65(開口径)や隣接する開口部65間の距離L67が同じものであってもよいが、それらが異なるものでもよい。
上記以外の点については、実施形態9においても実施形態1で説明した態様をそのまま適用する。
[実施形態9の効果]
実施形態9に係る空気流殺菌装置1Iによれば、多孔板6が複数積層され、積層された複数の多孔板6は、少なくとも一部の開口部65と非開口部66とがオーバーラップする(重なる)ように構成されているため、ある多孔板の開口部65に入った紫外線は、他の多孔板の非開口部66で反射される。そのため、開口部65から紫外線が逃げるのを抑制した効率の良い殺菌をすることが一層可能となる。
なお、実施形態9に係る空気流殺菌装置1Iは、複数の多孔板をオーバーラップして配置する以外の点については実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aと同様であるため、実施形態1に係る空気流殺菌装置1Aが有する効果のうち、該当する効果を有する。
[実施形態10]
実施形態10は、空気流殺菌装置1Aを用いた空気殺菌システムの実施形態である(図示省略)。空気殺菌システムは、空気流殺菌装置1Aと、空気流殺菌装置1Aから流出する殺菌された空気を案内する空気案内とを備える。空気流殺菌装置1Aは、例えば、円形、四角形等の食事テーブル、会議テーブル、医師と患者が向かい合う机、それらの近傍の床面等に設置される。空気流殺菌装置1Aは、図2に示す姿勢で設置してもよいが、横置きに設置してもよい。空気流殺菌装置1Aの空気流出部4から上方に出る殺菌された空気airは、下に凹面を向けたガイド面を有するパラソル、傘、殺菌された空気airを吹き出す空気ダクト等の空気案内によって、目的の場所に吹き付けられる。
[実施形態10の効果]
上記空気殺菌システムによれば、例えば、病人から出た呼気は、空気流殺菌装置1Aの空気流入部2から吸引され、殺菌室35で殺菌され、空気流出部4から上方に殺菌されて放出されるが、空気案内によって所定の場所に案内される。そのため、例えば(1)複数人と一緒に食事する場合に清潔な環境下で食事でき感染リスクを低減できる、(2)会議をする場合に、感染リスクを低減できる、(3)医療現場では診療時に医師(医療従事者)と患者は対面状態になるが、患者などから放出される菌やウイルスをその場で吸引して殺菌すること、また殺菌された清浄な空気を医師周辺に連続的に吹き出して、医師の安全を確保することができる。といった(1)~(3)の少なくとも1つが可能となる。
以上、本発明を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態1においては、筒30(筒状殺菌部3、殺菌室35)を筒形の形状(副軸方向の断面が真円の円筒)としたが、筒30の形状はこのような筒形に限定されない。例えば、副軸方向の断面が楕円、正方形、長方形、三角形、五角形、六角形等の多角形等の筒形であってもよい。
(2)上記実施形態1においては、裾空隙層入口21eを筒状(円筒形状)の空気流入部2の側面に設けたが、裾空隙層入口21eを設ける箇所は側面に限定されるものではない。例えば、裾空隙層入口21eを側面及び底面に分散して設けてもよい。
(3)上記実施形態1においては、空気流入部2について、径の大きさが上下方向でほぼ同じ円筒形状をした側面に、複数の層状の裾空隙層入口21eを設けた(図4等参照)が、当該円筒形状は、径の大きさが、例えば、下部で大きく上部にいくにつれて次第に小さくなる、下部で小さく上部にいくにつれて次第に大きくなる、のように変わる円筒形状であり、その側面に複数の層状の裾空隙層入口21eを設けるようにしてもよい。
(4)上記実施形態1において、多孔板6の果たす一定の整流作用(複数の縦空隙層出口21fから殺菌室35に出る空気airの速度を平均化する作用)の代替えとして、ポーラス材(例えばスポンジのようなもの)を用いてもよい。
(5)上記実施形態1においては、複数の直線状の発光素子5を交差するように配置したが、直線状の発光素子5を1つだけ副軸方向に配置してもよい。
また、複数の直線状の発光素子5を同じ方向に配置してもよい。この場合、異なる設置高さ位置に配置する、又は同じ設置高さ位置に配置する(例えば平行に配置する)ようにしてもよい。
(6)上記実施形態1~6においては、発光素子5の形状は直線状又は環状であったが、その形状が螺旋状であってもよい。しかし、螺旋状の形状は、通常、直線状、環状、直線状兼環状のいずれかに分類できる。
(7)上記実施形態1~9の空気流殺菌装置(1A~1I)は、それ自体を単独で使用してもよいが、例えば、空調装置に組み込む、家屋の壁、床、天井、窓等に組み込む等するモジュール又は殺菌ユニットとして使用してもよい。
また、図2に示す姿勢で使用してもよいが、上下を逆にした姿勢や、横にした姿勢で使用してもよい。
(8)上記実施形態1~9の空気流殺菌装置(1A~1I)においては、「空気」(の語)の代わりに、「気体」(の語)を用いてもよい。この「気体」とは、空気、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素等の一般的な気体である。又は、「空気」(の語)の代わりに、「液体」(の語)を用いてもよい。この「液体」とは、水、油等の一般的な液体である。又は、「空気」(の語)の代わりに、「流体」(の語)を用いてもよい。この「流体」とは、上記「気体」及び「液体」を含む一般的な流体である。
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I…空気流殺菌装置、2…空気流入部、3…筒状殺菌部、4…空気流出部、5…発光素子、6,61,62…多孔板、21…空隙層、21a…縦空隙層、21b…裾空隙層、21c…連通部、21d…錐状部材、21e…裾空隙層入口、21f…縦空隙層出口、21g…スペーサー、21i…空隙層の外側内壁、21r…R形成部、w…間隙幅、121S1…裾空隙層入口面積、21S2…縦空隙層出口面積、21z…空気流入部構成材、30…筒、31…光反射部、35…殺菌室、35i…殺菌室内壁、131…入口、132…出口、134…流管、135…隔壁、136…死水領域、41…排気筒、43…ファン、43k…ファン取付具、51…電気接続具、52…配線、53…把持具、54…固定部材、55…固定アンカー、56…LED搭載基板、57…制御装置、6…多孔板、65…開口部、66…非開口部、71…フレーム、72…補強柱、air…空気、UV…紫外線、L1…空気流入部外径、L2,L3…殺菌室内径

Claims (18)

  1. 空気の流れる主軸方向に延びる殺菌室を構成する筒状殺菌部と、
    前記殺菌室内に設けられ、前記殺菌室を流れる空気流に向けて紫外線を照射可能な発光素子と、
    前記筒状殺菌部の一方側に設けられ前記殺菌室へ空気を流入させる空気流入部と、
    前記筒状殺菌部の他方側に設けられ前記殺菌室から空気を流出させる空気流出部と、
    を備え、
    前記空気流入部は、
    前記主軸方向に延びる同心円状の複数の縦空隙層と、前記各縦空隙層に連通し前記主軸に対し直角をなす副軸方向に広がる裾空隙層と、を主要構成要素とする層状に形成された複数の空隙層を有し、前記複数の空隙層は、前記裾空隙層の空気が前記縦空隙層を通って前記殺菌室に等速で流入するように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  2. 請求項1の空気流殺菌装置において、
    前記空気流入部の前記裾空隙層のある箇所の前記副軸方向断面の外径が、
    前記殺菌室の前記空気流入部から前記空気が流入する箇所の前記副軸方向断面の内径より大きいように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  3. 請求項1の空気流殺菌装置において、
    前記複数の空隙層は、裾空隙層入口の面積と、縦空隙層出口の面積と、の比が所定範囲内であるように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  4. 請求項の空気流殺菌装置において、
    前記裾空隙層は、前記裾空隙層入口から、前記裾空隙層と前記縦空隙層との連通部に向かってその間隙幅が一定又は徐々に狭くなるように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  5. 請求項1の空気流殺菌装置において、
    前記縦空隙層はその間隙幅が変わらないように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  6. 請求項の空気流殺菌装置において、
    同心円状の中央の前記空隙層には、前記連通部に、前記縦空隙層出口の方向に頂点がある錐状部材が設けられている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  7. 請求項1の空気流殺菌装置において、
    前記殺菌室は、前記副軸方向断面積が、前記主軸方向で変わらない、又は前記空気流入部から前記空気流出部方向に向かって徐々に小さくなる、ように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  8. 請求項1の空気流殺菌装置において、
    前記殺菌室の前記空気流入部近傍又は前記空気流出部近傍に配置される多孔板を更に備え、
    前記多孔板は、少なくとも前記殺菌室の内部に向かう面が反射するように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  9. 請求項8の空気流殺菌装置において、
    前記多孔板が複数積層され、前記積層された複数の多孔板は、少なくとも一部の開口部と非開口部とがオーバーラップするように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  10. 請求項1の空気流殺菌装置において、
    前記発光素子は、直線状又は環状の形状を有する
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  11. 請求項10の空気流殺菌装置において、
    前記発光素子は、その形状が直線状である場合にその直線方向が、又はその形状が環状である場合にその環で囲まれた面の法線方向が、前記主軸方向、前記副軸方向、又はそれらの中間方向となるように配置される
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  12. 請求項10の空気流殺菌装置において、
    前記発光素子として、複数の直線状の発光素子を用い、前記複数の発光素子は前記主軸方向からみたとき交差するように配置される
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  13. 空気の流れる主軸方向に延びる殺菌室を構成する筒状殺菌部と、
    前記殺菌室内に設けられ、前記殺菌室を流れる空気流に向けて紫外線を照射可能な発光素子と、
    前記筒状殺菌部の一方側に設けられ前記殺菌室へ空気を流入させる空気流入部と、
    前記筒状殺菌部の他方側に設けられ前記殺菌室から空気を流出させる空気流出部と、
    を備え、
    前記空気流入部は、
    前記主軸方向に延びる縦空隙層と、前記各縦空隙層に連通し前記主軸に対し直角をなす副軸方向に広がる裾空隙層と、前記他方側の方向に頂点があるように中央部に設けられた錐状部材と、を主要構成要素とする空隙層を有し、前記裾空隙層の空気が前記錐状部材によって案内され前記縦空隙層を通って前記殺菌室に流入するように構成され、
    前記殺菌室は、前記副軸方向断面積が、前記空気流入部から前記空気流出部方向に向かって徐々に小さくなるように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  14. 請求項13の空気流殺菌装置において、
    前記空隙層と前記殺菌室との接続部近傍で、前記空隙層の外側内壁と前記殺菌室内壁とが、前記副軸方向から前記主軸方向になだらかに方向を変えるように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  15. 請求項13の空気流殺菌装置において、
    前記錐状部材は、前記頂点が前記殺菌室の内部に位置するように前記殺菌室の内部に突き出して構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  16. 請求項13の空気流殺菌装置において、
    前記発光素子としてLED素子が用いられ、前記LED素子は前記殺菌室の内壁に沿って配置されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  17. 請求項13の空気流殺菌装置において、
    前記発光素子として直線状の発光素子が用いられ、前記直線状の発光素子は前記主軸方向に沿って配置されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
  18. 空気の流れる主軸方向に延びる殺菌室を構成する筒状殺菌部と、
    前記殺菌室内に設けられ、前記殺菌室を流れる空気流に向けて紫外線を照射可能な発光素子と、
    前記筒状殺菌部の一方側に設けられ前記殺菌室へ空気を流入させる空気流入部と、
    前記筒状殺菌部の他方側に設けられ前記殺菌室から空気を流出させる空気流出部と、
    を備え、
    前記空気流入部は、
    前記主軸方向に延びる縦空隙層と、前記各縦空隙層に連通し前記主軸に対し直角をなす副軸方向に広がる裾空隙層と、を主要構成要素とする空隙層を有し、前記空隙層は、前記裾空隙層の空気が前記縦空隙層を通って前記殺菌室に流入するように構成されている
    ことを特徴とする空気流殺菌装置。
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