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JP7825720B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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JP7825720B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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Description

本願は、電力変換装置に関する。
直流送電システムにおいて用いられる自励式の電力変換装置として、モジュラーマルチレベル変換器が知られている。モジュラーマルチレベル変換器は、三相交流から直流への変換、またはその逆変換に用いられる。このモジュラーマルチレベル変換器は、コンデンサとスイッチング素子を有するセルが複数直列接続されたサブモジュールを複数備えている。モジュラーマルチレベル変換器が接続される交流電圧系統の電圧及び電流に高調波成分が多く含まれていると、コンデンサの電圧バランスが崩れ、合成される交流電圧の波形歪が大きくなるという問題がある。
これに対し、複数のセルの位相情報とセルの固有情報に基づき、各セル内のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するための搬送波を生成し、各サブモジュールを構成するセルのスイッチング素子は位相の異なる搬送波によりオンオフ動作を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された技術においては、セルが複数直列接続された1つのサブモジュール内のセルに対し、位相の異なる搬送波に基づいてオンオフ動作が行われるため、波形歪を小さくすることが可能である。また、位相をずらして搬送波を生成すればよいので、制御装置の構成が簡素化でき、装置の小型化に寄与する。
特開2019―75844号公報
一方、大容量の電力変換に対応するために、サブモジュール内部にさらにセルが直列接続したセルグループを有するようなモジュラーマルチレベル変換器が知られている。特許文献1においては、1つのサブモジュールのセルグループ毎に搬送波を生成し、1つのサブモジュール内の複数のセルグループに対し位相の異なる搬送波を送信するようにしている(特許文献1の実施の形態3参照)。セルグループ内の各セルの搬送波をすべて等しくすることで、データ量を削減しているが、1つサブモジュール内に位相の等しい搬送波が存在し、位相の等しい搬送波により動作するスイッチング素子により、高調波歪が増加してしまう虞がある。この問題を解決するために、サブモジュール内の各セルに対し位相をずらした搬送波を生成することが考えらえるが、搬送波のデータ量の増加及び演算量の増加等により制御装置が大型化してしまう、という課題があった。
本願は、上記の課題を解決するための技術を開示するものであり、大容量の電力変換に対応したモジュラーマルチレベル変換器を備えた電力変換装置であって、制御装置を大型化することなく、簡便な構成で、高調波歪の少ない電圧及び電流出力を可能とする電力変換装置を提供することを目的とする。
本願に開示される電力変換装置は、
複数の単位変換器を接続した単位変換器群を、複数直列接続したアームを複数個有する電力変換器と、前記電力変換器を制御する制御装置と、を備えた電力変換装置であって、
前記単位変換器は、2つのスイッチング素子が直列接続された直列体と、前記直列体と並列に接続されたコンデンサと、を有し、
前記単位変換器群は、前記単位変換器群内の複数の前記スイッチング素子のオンオフを制御するゲート信号を生成するゲート制御部を有し、
前記ゲート制御部は、前記単位変換器群内の前記単位変換器の数に対応する複数の搬送波を生成する搬送波生成部と、前記制御装置から受信した変調指令と前記搬送波生成部で生成された前記搬送波とを比較し、その結果に基づいてゲート信号を生成するゲート信号生成部と、を有し、
前記搬送波生成部で生成される複数の前記搬送波は、各々の位相が前記制御装置から受信した搬送波基準位相を基準に、前記搬送波の1周期を前記単位変換器群の前記単位変換器の数で等分した値である第1の位相シフト量でシフトされるとともに、前記アーム内の前記単位変換器群間においては前記制御装置から受信した前記搬送波基準位相を基準に、前記第1の位相シフト量を前記アーム内の前記単位変換器群の数で等分した値である第2の位相シフト量でシフトさせて生成される、ように構成されている。
本開示による電力変換装置によれば、制御装置を大型化することなく、簡便な構成で、高調波歪の少ない電圧及び電流出力が可能となる。
実施の形態1に係る電力変換装置の構成を示す概略図である。 実施の形態1に係る電力変換装置を構成する1つのアームの概略構成図である。 単位変換器の構成を示す図である。 アームを構成する単位変換器群の一例を示す構成図である。 アームを構成する単位変換器群の一例を示す別の構成図である。 アームを構成する単位変換器群の一例を示すさらに別の構成図である。 単位変換器群の具備するゲート制御部の構成を示す図である。 単位変換器群の具備するゲート制御部の別の構成を示す図である。 単位変換器群における搬送波の位相シフトを説明するための図である。 1つのアーム内において、単位変換器群間における搬送波の位相シフトを説明するための図である。 実施の形態2に係る電力変換装置における搬送波を説明するための図である。 実施の形態2に係るゲート制御部の構成を示す図である。 実施の形態2に係るアームを構成する単位変換器群の一例を示す構成図である。 各実施の形態に係る制御装置及びゲート制御部の一例であるハードウエア構成図である。
以下、本実施の形態について図を参照して説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または相当する部分を示すものとする。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について詳細に説明する。
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る電力変換装置について、図を用いて説明する。
<電力変換装置の構成>
図1は、実施の形態1に係るMMC(Modular Multilevel Converter:モジュラーマルチレベルコンバータ)と呼ばれる電力変換装置の概略構成を示す図である。図1において、電力変換装置は電力変換器10と電力変換器10を制御する制御装置20とを備え、交流と直流との間に相互に電力変換を行う。電力変換器10は、三相の交流系統である交流電源1と、直流系統である正側直流端子6P、負側直流端子6Nを介して直流電力が供給される電力機器、直流電源あるいは他の電力変換器等との間に接続されている。なお、直流電力が供給される電力機器、直流電源あるいは他の電力変換器等は図示していない。交流電源1と電力変換器10との間には電流センサ2、電圧センサ3及び変圧器4等が接続され、電流センサ2で検出された交流電流Iac及び電圧センサ3で検出された交流電圧Vacは制御装置20に出力される。また、直流系統には直流電圧Vdcを検出する電圧センサ14p、14nが設けられている。
電力変換器10は、三相交流のu相、v相、w相のそれぞれに対応した3つのレグ回路を有し、3つのレグ回路は正側直流端子6Pと負側直流端子6Nとの間に並列接続されている。
u相のレグ回路は、正側u相アーム12puと負側u相アーム12nuとが直列接続されて構成されている。正側u相アーム12puの一端は正側直流端子6Pに接続され、負側u相アーム12nuの一端は負側直流端子6Nに接続され、正側u相アーム12puと負側u相アーム12nuとの接続点uは変圧器4のu相端子に接続されている。
v相のレグ回路は、正側v相アーム12pvと負側v相アーム12nvとが直列接続されて構成されている。正側v相アーム12pvの一端は正側直流端子6Pに接続され、負側v相アーム12nvの一端は負側直流端子6Nに接続され、正側v相アーム12pvと負側v相アーム12nvとの接続点vは変圧器4のv相端子に接続されている。
w相のレグ回路は、正側w相アーム12pwと負側w相アーム12nwとが直列接続されて構成されている。正側w相アーム12pwの一端は正側直流端子6Pに接続され、負側w相アーム12nwの一端は負側直流端子6Nに接続され、正側w相アーム12pwと負側w相アーム12nwとの接続点wは変圧器4のw相端子に接続されている。
<アーム12の構成>
次に、電力変換器10の各アームの構成について図2を用いて説明する。
図2は、アーム12(アームを総称する場合またはいずれかのアームを例にして説明する場合、アーム12と称す。)の概略構成を示す図である。図において、アーム12は図1で示した6つのアームのいずれか1つである。
図2において、アーム12は直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の単位変換器群120_1,・・・,120_k,・・・120_N(単位変換器群を総称する場合は、単位変換器群120と称す。)、及びこれに直列に接続されたリアクトル12L、アーム内の電流iarmを検出する電流センサ12diを有する。アーム12が図1の正側u相アーム12puである場合、単位変換器群120_1の一端は正側直流端子6Pに接続され、他端は単位変換器群120_2接続される。また、単位変換器群120_Nの一端は、単位変換器群120_N―1に接続され、他端はリアクトル12L、アーム内の電流iarmを検出する電流センサ12diを介して接続点uに接続される。
単位変換器群120から制御装置20へは、後述する単位変換器群120を構成する単位変換器の具備するコンデンサの電圧値vcまたは単位変換器群120内の単位変換器の具備するコンデンサ電圧値の合計値Σvc、後述する単位変換器群120内に設けられたバイパススイッチの投入信号が送信される。
また、制御装置20から単位変換器群120へは、アーム変調指令kref、アーム内のコンデンサ電圧平均値vcarm、アーム電流検出値iarm、搬送波基準位相θc、搬送波周波数fcが送信される。
<単位変換器の構成>
次に、単位変換器群120の具備する単位変換器の構成について図3を用いて説明する。
図3は、単位変換器の構成の一例を示す回路図で、単位変換器はスイッチング素子として例えば半導体スイッチング素子SWp、SWnが直列に接続された直列体と、この直列体に並列接続されたエネルギー蓄積要素としての直流コンデンサとを有する。単位変換器には、図示していないが、後述する直流コンデンサの電圧vcを検出する電圧センサ、P側半導体スイッチング素子SWp及びN側半導体スイッチング素子SWnのオンオフを制御するゲートドライバをさらに備えている。
<単位変換器群120の構成>
次に、単位変換器群120の構成について図4から図6を用いて説明する。
図4から図6は、それぞれアームを構成する単位変換器群の例を示す構成図で、単位変換器群内の単位変換器の数M(Mは2以上の整数)がいずれも4の例である。
<1.単位変換器群120Aの構成>
図4において、単位変換器群120Aは、直列に接続された4つの単位変換器122_1、122_2、122_3、122_4(単位変換器を総称する場合は、単位変換器122と称す。)を有し、それぞれの単位変換器122はそれぞれが具備するコンデンサの電圧vci(iは1からMまでの整数、ここではMは4であり、vciはi番目の単位変換器が具備するコンデンサの電圧)を検出する電圧センサ124_1、124_2、124_3、124_4(電圧センサを総称する場合は、電圧センサ124と称す。)を備えている。また、単位変換器群120Aは各電圧センサ124で検出されたコンデンサの電圧vciが入力され、各単位変換器122の具備する半導体スイッチング素子SWpi、SWniを駆動するためのゲート信号を生成するゲート制御部126を備える。ゲート制御部126は単位変換器群毎に1つ設けられている。
単位変換器群120A内で一端に位置する単位変換器122_1のAC端子が単位変換器群120Aの一方の端子である。単位変換器122_1のN端子が単位変換器122_2のAC端子に接続され、単位変換器122_2のN端子が単位変換器122_3のAC端子に、単位変換器122_3のN端子が単位変換器122_4のAC端子に接続される。単位変換器群120A内で他端に位置する単位変換器122_4のN端子は単位変換器群120Aの他方の端子である。単位変換器群120Aの端子間、すなわち単位変換器122_1のAC端子と単位変換器122_4のN端子との間にはバイパススイッチ128が設けられている。単位変換器群120Aが故障した場合等、バイパススイッチ128を投入する(閉とする)ことで、単位変換器群120Aには電流が流れず、電力変換装置から切り離すことが可能となる。
単位変換器122_iの半導体スイッチング素子SWpi、SWniにはそれぞれゲートドライバGDpi、GDniが設けられており、ゲート制御部126から送信されるゲート信号giP、giNを受信し、半導体スイッチング素子SWpi、SWniのオンオフ制御を行う。オンオフ制御により、単位変換器122_iが出力する電圧はコンデンサ電圧vci、または0となる。
<2.単位変換器群120Bの構成>
図5において、個々の単位変換器の符号は省略しているが、図5においても4つの単位変換器122_1、122_2、122_3、122_4が直列に接続されている。図4の構成と異なる点は、単位変換器間の接続箇所である。図5では、単位変換器群120B内で一端に位置する単位変換器122_1のP端子が単位変換器群120Bの一方の端子である。単位変換器122_1のAC端子が単位変換器122_2のP端子に接続され、単位変換器122_2のAC端子が単位変換器122_3のP端子に、単位変換器122_3のAC端子が単位変換器122_4のP端子に接続される。単位変換器群120B内で他端に位置する単位変換器122_4のAC端子は単位変換器群120Bの他方の端子である。単位変換器群120Bの端子間、すなわち単位変換器122_1のP端子と単位変換器122_4のAC端子との間には図4と同様に、バイパススイッチ128が設けられている。
<3.単位変換器群120Cの構成>
図6において、図4、図5の構成と異なる点は、単位変換器間の接続箇所である。図6では、単位変換器群120C内で一端に位置する単位変換器122_1のAC端子が単位変換器群120Cの一方の端子である。単位変換器122_1のN端子が単位変換器122_2のP端子に接続され、単位変換器122_2のAC端子が単位変換器122_3のAC端子に、単位変換器122_3のN端子が単位変換器122_4のP端子に接続される。単位変換器群120C内で他端に位置する単位変換器122_4のAC端子は単位変換器群120Cの他方の端子である。単位変換器群120の端子間、すなわち単位変換器122_1のAC端子と単位変換器122_4のAC端子との間には図4、図5と同様に、バイパススイッチ128が設けられている。
図2で示したアーム12を構成する単位変換器群120_kは図4から図6で示した単位変換器群A、B、Cのいずれかで構成され、アーム12内及び電力変換装置内は同じ種類、同じ個数の単位変換器群で構成されるのが望ましい。
<ゲート制御部126の構成>
次に、単位変換器群120の具備するゲート制御部126について説明する。
図7は、実施の形態1に係るゲート制御部126の構成を示す機能ブロック図である。ゲート制御部126は、単位変換器群内のM個の単位変換器122のそれぞれに対応するゲート信号生成部1264(各ゲート信号生成部はゲート信号生成部1264_i、総称する場合はゲート信号生成部1264と称する。)及びゲート信号を発生させるための搬送波を生成する搬送波生成部1262(各搬送波生成部は搬送波生成部1262_i、総称する場合は搬送波生成部1262と称する。)を備える。第iゲート信号生成部1264_iはi番目の単位変換器122_iのゲートドライバGDpi,GDniのそれぞれに送信するゲート信号giP,giNを生成し、第i搬送波生成部1262_iは、第iゲート信号生成部1264_iに三角波搬送波kcariを送信する。
第i搬送波生成部1262_iは、制御装置20から受信した搬送波周波数fcと搬送波基準位相θcとに基づいて、三角波搬送波kcariを生成する。第2搬送波生成部1262_2から第M搬送波生成部1262_Mの前段には加算器1261がそれぞれ設けられている。第2搬送波生成部1262_2には、加算器1261_2により、搬送波基準位相θc+2π/Mの位相が入力されるので、第1搬送波生成部1262_1とは位相が2π/M遅れた位相で三角波搬送波kcar2を生成する。順次、位相が2π/Mずつずれた三角波搬送波kcariが生成されることになる。すなわち、単位変換器群120内のM個の単位変換器122にはすべて位相の異なる三角波搬送波kcariが送信されることになる。以下、位相が2π/Mずつずれた搬送波を生成することを位相シフトと呼ぶ。
第iゲート信号生成部1264_iは、制御装置20から受信したアーム変調指令krefと第i搬送波生成部1262_iから受信した三角波搬送波kcariとを比較し、アーム変調指令krefの方が大きいときはi番目の単位変換器122_iの出力する電圧がコンデンサ電圧vciとなるように、アーム変調指令krefの方が小さいときはi番目の単位変換器122_iの出力する電圧が0となるように、ゲートドライバGDpi、GDniのそれぞれにゲート信号giP、giNを出力する。
すなわち、図4で示した単位変換器群120Aの各単位変換器122_1、122_2、122_3、122_4、および図6で示した単位変換器群120Cの単位変換器122_1、122_3に対しては、第iゲート信号生成部1264_iは、制御装置20から受信したアーム変調指令krefと第i搬送波生成部1262_iから受信した三角波搬送波kcariとを比較し、アーム変調指令krefの方が大きいときはi番目の単位変換器122_iのP側半導体スイッチング素子をオンするようにゲートドライバGDpiにゲート信号giPを出力する。一方、アーム変調指令krefの方が小さいときはi番目の単位変換器122_iのN側半導体スイッチング素子をオンするようにゲートドライバGDniにゲート信号giNを出力する。
図5で示した単位変換器群120Bの各単位変換器122_1、122_2、122_3、122_4、および図6で示した単位変換器群120Cの単位変換器122_2、122_4に対しては、第iゲート信号生成部1264_iは、制御装置20から受信したアーム変調指令krefと第i搬送波生成部1262_iから受信した三角波搬送波kcariとを比較し、アーム変調指令krefの方が大きいときはi番目の単位変換器122_iのN側半導体スイッチング素子をオンするようにゲートドライバGDniにゲート信号giNを出力する。一方、アーム変調指令krefの方が小さいときはi番目の単位変換器122_iのP側半導体スイッチング素子をオンするようにゲートドライバGDpiにゲート信号giPを出力する。
なお、図7で示したゲート制御部126は、単位変換器群120が具備する各単位変換器122のコンデンサ電圧vciのばらつきが小さいことを前提としており、アーム変調指令krefを用いて生成したゲート信号を各単位変換器122に出力する。
単位変換器群120が具備する各単位変換器122のコンデンサ電圧vciがばらつく場合は、コンデンサ電圧vciがアーム内のコンデンサ電圧平均値vcarmに近づくように、コンデンサ電圧vciとアーム内のコンデンサ電圧平均値vcarmとの偏差及びアーム電流検出値iarmを用いてアーム変調指令krefを補正し、各単位変換器の変調指令krefiとして各ゲート信号生成部1264_iに出力するようにするのが望ましい。
図8は、実施の形態1に係る別のゲート制御部126の構成を示す機能ブロック図である。図8において、ゲート制御部126はさらにバランス制御部1266を備えている。第iバランス制御部1266_iには、制御装置20から送信されたアーム変調指令kref、アーム内のコンデンサ電圧平均値vcarm及びアーム電流検出値iarmが入力され、各単位変換器122_iから受信したコンデンサ電圧vciが入力される。そして、コンデンサ電圧vciがアーム内のコンデンサ電圧平均値vcarmに近づくように、それぞれ単位変換器に対応した変調指令バランス補正量を算出し、アーム変調指令krefに加算する。補正されたアーム変調指令は各単位変換器の変調指令krefiとして第iゲート信号生成部1264_iに送信される。ここで、単位変換器群120内の単位変換器122に対応して単位変換器122の数のバランス制御部1266を備えている。
図8において、第iゲート信号生成部1264_iは、第iバランス制御部1266_iから送信された変調指令krefiと第i搬送波生成部1262_iから送信された三角波搬送波kcariとを比較する。図7において説明したと同様に、アーム変調指令krefの方が大きいときはi番目の単位変換器122_iの出力する電圧がコンデンサ電圧vciとなるように、アーム変調指令krefの方が小さいときはi番目の単位変換器122_iの出力する電圧が0となるように、ゲートドライバGDpi、GDniのそれぞれにゲート信号giP、giNを出力する。
なお、単位変換器群120毎にゲート制御部126が設けられているので、制御装置20からアーム変調指令kref、アーム電流検出値iarm及びアーム内のコンデンサ電圧平均値vcarmのデータを単位変換器群120毎に送れば良いので、従来よりも送信データ量を削減可能となる。すなわち、各単位変換器のゲートドライバ毎に送信するよりもデータ量は大幅に削減できる。
<位相シフトによる動作説明>
次に、ゲート信号生成部1264に入力される搬送波の位相シフトについて説明する。単位変換器群120内の単位変換器数Mは予め決まっており、電力変換装置の運転途中で変化することがない。そのため、ゲート制御部126内に予め2π/M[rad]の値を保持しておき、制御装置20から受信した搬送波基準位相θcに基づいて各搬送波生成部1262は各搬送波の基準位相を生成することができる。2π/Mは搬送波の1周期(2π)を単位変換器群120内の単位変換器数Mで除した値、すなわち、π/Mは搬送波の1周期(2π)を単位変換器群120内の単位変換器数Mで等分した値である。
図9は、単位変換器群内における単位変換器数M=4の時の搬送波の位相シフトを説明するための三角波搬送波kcariの波形図である。図9において、各三角波搬送波kcariに対し、第1搬送波生成部1262_1で生成される三角波搬送波にはi=1と付し、順次i=4まで符号を付している。上述したように、第i搬送波生成部1262_iは、制御装置20から受信した搬送波周波数fcと搬送波基準位相θcとに基づいて、三角波搬送波kcariを生成し、各三角波搬送波kcariの位相差φaは2π/Mである。位相の異なる各三角波搬送波kcariは単位変換器群120内の単位変換器数Mに基づいて、予めゲート制御部126内に2π/M[rad]の値が記憶されているので、制御装置20から受信した搬送波基準位相θcに基づいて各搬送波生成部1262は各搬送波の基準位相を容易に生成することができる。そのため、制御装置20から送信されるデータ量を削減することが可能となる。
次に、アーム12内に単位変換器群120が3個ある場合(N=3)の時の搬送波の位相シフトについて、図10を用いて説明する。
図10は、アーム12内における単位変換器群数N=3の時の搬送波の位相シフトを説明するための三角波搬送波kcariの波形図で、各単位変換器群は図9と同様に単位変換器を4個有する。上から順に第1の単位変換器群120_1、第2の単位変換器群120_2、第3の単位変換器群120_3内の三角波搬送波kcariの波形図である。各単位変換器群の1番目の搬送波生成部で生成される三角波搬送波kcar1の波形に着目すると、単位変換器群間での位相差がφbである。この位相差φbは単位変換器群内の第1の位相シフト量φa(=2π/M[rad])をアーム内の単位変換器群の数Nで除した値であり、φaをNで等分した値である。すなわち、アーム内の搬送波生成部で生成される三角波搬送波kcariは360°(=2π)をアーム内の単位変換器の総数(M×N)で等分した位相差を有することになり、搬送波が同位相であることによる高調波の発生を抑制できる。
また、アーム内の単位変換器群数Nも予め決まっており、電力変換装置の運転途中で変化することがない。そのため、ゲート制御部126内に予め第1の位相シフト量φa(=2π/M[rad])の値とともに第2の位相シフト量φb(=φa/N[rad])を保持しておけば、制御装置20から受信した搬送波基準位相θcに基づいてアーム内の各搬送波生成部1262は各搬送波の基準位相を生成することができる。そのため、制御装置20から送信されるデータ量を削減することが可能となる。
さらに、単位変換器群120のいずれかに故障または異常が生じた場合、あるいは単位変換器群120内のいずれかの単位変換器122に故障または異常が生じたことにより、故障または異常が生じた単位変換器122を含む単位変換器群のバイパススイッチ128が投入された場合は、バイパススイッチ128が投入された単位変換器群の数を考慮して、単位変換器群間の位相シフト量を変更するだけで良い。すなわち、バイパススイッチ128が投入された単位変換器群の個数が1の場合は、新たなφbをφa/(N―1)で簡単に変更することができる。この時、単位変換器群内の第1の位相シフト量φaを変更しなくて良いので、変更すべきデータ量を少なくすることができる。
以上のように、本実施の形態1に係る電力変換装置によれば、複数(M個)の単位変換器122が接続された単位変換器群120毎にゲート制御部126を有し、複数(N個)の単位変換器群120が直列接続されたアームを複数備えた電力変換器10とそれを制御する制御装置20とを備えたMMCにおいて、単位変換器122の半導体スイッチング素子のオンオフを制御するゲート信号を生成する基準となる三角波搬送波kcariの位相を、アームを構成する複数の単位変換器122の半導体スイッチング素子に対し、全てずれるように生成するので、高調波歪の少ない電圧及び電流出力が可能となる。単位変換器群120内においては、制御装置20から受信した搬送波基準位相θcに基づいて、ゲート制御部126の各搬送波生成部1262が順次2π/Mずれた基準位相を容易に生成することができ、2π/Mずつ位相のシフトした三角波搬送波kcariが順次ゲート信号生成部1264に送信される。単位変換器群120間においては、2π/Mを単位変換器群の数Nで除算した位相でシフトした基準位相を生成する。そのため、制御装置20からはアーム毎に搬送波基準位相θcを送信すれば、それをもとに予め個数の決まっている単位変換器122の数M、単位変換器群120の数Nを用いれば、少ない信号数でアーム内の単位変換器に対して異なる位相の三角波搬送波を生成することができる。従って、制御装置20を大型化することなく、簡便な構成で、高調波歪の少ない電圧及び電流出力が可能となる。
なお、削減される信号数は搬送波基準位相θcに限るものではない。単位変換器群120毎にゲート制御部126が設けられているので、制御装置20からアーム変調指令kref、アーム電流検出値iarm及びアーム内のコンデンサ電圧平均値vcarmのデータを単位変換器群120毎に送れば良いので、従来よりも送信データ量を削減可能となる。すなわち、各単位変換器のゲートドライバ毎に送信するよりもデータ量は大幅に削減でき、データの遅延等の発生も低減できる。
さらに、単位変換器群120毎にゲート制御部126が設けられているので、単位変換器群120毎にメンテナンス及び試験を実施することが可能となる。
また、図9及び図10において、搬送波を三角波の例で説明したが、三角波に限るものではなく、鋸波等であってもよい。
実施の形態2.
以下、実施の形態2に係る電力変換装置について図を用いて説明する。
実施の形態2に係る電力変換装置は単位変換器群の有する単位変換器の数が2(M=2)の例について、実施の形態1とは異なる搬送波の生成方法及び単位変換器群の構成について説明する。
図11は、単位変換器群120内における単位変換器数M=2の時の搬送波の位相シフトを説明するための三角波搬送波kcariの波形図である。図11は、図9においてM=2とした図に相当する。単位変換器数M=2の場合は、2つの搬送波は位相が半周期である180°(π)ずれた三角波搬送波となる。そのため、三角波搬送波の頂点CarTopの値から第1の搬送波kcal1の値を減算することで、第2の搬送波kcar2を生成できる。
図12は、実施の形態2に係る電力変換装置における単位変換器群120内のゲート制御部126の構成を示す図である。図7及び図8と対比すると、図12においては単位変換器群内に単位変換器数Mと同じ2つの搬送波生成部を備えておらず、1つの搬送波生成部1262を備えていればよい。図12において、搬送波生成部1262は、制御装置20から送信された搬送波周波数fcと搬送波基準位相θcとに基づいて、三角波搬送波kcar1を生成する。生成された三角波搬送波kcar1は第1のゲート信号生成部1264_1に送信されるとともに、加算器1268に入力され、三角波搬送波の頂点CarTopの値から減算される。加算器1268から出力された三角波搬送波kcar2は三角波搬送波kcar1と位相が180°ずれており、第2のゲート信号生成部1264_2に送信される。
なお、本実施の形態2において、単位変換器群120各単位変換器122のコンデンサ電圧vciがばらつく場合は、コンデンサ電圧vciがアーム内のコンデンサ電圧平均値vcarmに近づくように、コンデンサ電圧vciとアーム内のコンデンサ電圧平均値vcarmとの偏差及びアーム電流検出値iarmを用いてアーム変調指令krefを補正し、各単位変換器の変調指令krefiとして各ゲート信号生成部1264_iに出力するようにするのが望ましい。すなわち、図12においても図8のようにバランス制御部1266を用いた構成とすればよい。
次に、単位変換器群の有する単位変換器の数が2(M=2)の例であり、実施の形態1で示したものと異なる単位変換器群の構成について図13を用いて説明する。
図13において、単位変換器群120Dは、破線の楕円箇所で示すように、単位変換器122_1のN端子が単位変換器122_2のP端子に接続されている。すなわち、AC端子でない部分で電位が共有化されるため、装置の小型化が可能となる。その他の構成は実施の形態1の図4から図6と同様であるので説明を省略する。
以上のように、実施の形態2に係る電力変換装置によれば、実施の形態1の効果に加え、単位変換器群120の有する単位変換器122の数が2の時は、各単位変換器群120のゲート制御部126が具備する搬送波生成部1262を単位変換器122と同数の2つ設ける必要がなく1つでよく、加算器1268による演算を行えばよいので、装置構成が簡略するとともに、演算量も減少する。
また、単位変換器群の有する単位変換器の数が2(M=2)の場合は、単位変換器群内の構成において、AC端子でない部分で電位が共有化可能となり、装置の小型化に一層寄与する。
従って、大容量の電力変換に対応したモジュラーマルチレベル変換器(MMC)を備えた電力変換装置であって、制御装置を大型化することなく、簡便な構成で、高調波歪の少ない電圧及び電流出力を可能とする電力変換装置を提供することが可能となる。
なお、上述の実施の形態1及び2における制御装置20のハードウエアの構成の一例を図14に示す。図14に示すように、制御装置20は例えば処理回路として、プロセッサ1000と記憶装置1100とを備えている。
プロセッサ1000として、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、プロセッサ1000として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置1100として、プロセッサ1000からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)、及びプロセッサ1000からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。プロセッサ1000は、ROM等の記憶装置1100から入力されたプログラムを実行する。
また、ゲート制御部126も制御装置20と同様に図14に示すハードウエアの構成を有し、ゲートを駆動制御する信号を生成するためのプログラムを実行する。
<その他の実施の形態>
(1)単位変換器122を構成するスイッチング素子として半導体スイッチング素子SWp、SWnであるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートトランジスタ)を例に説明したが、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)を用いてもよい。
(2)半導体スイッチング素子はSi(ケイ素)半導体で構成されるものに限らず、ワイドバンドギャップ型半導体である、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)等の半導体を用いてもよい。ワイドバンドギャップ型半導体は、より高速なスイッチングが可能、高温動作が可能、高絶縁破壊電界強度が高い等の特性から、MMCへの適用に好適である。
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1:交流電源、 2:電流センサ、 3:電圧センサ、 4:変圧器、 6P:正側直流端子、 6N:負側直流端子、 10:電力変換器、 12,12pu,12nu,12pv,12nv,12pw,12nw:アーム、 14p,14n:電圧センサ、 20:制御装置、 12L:リアクトル、 12di:電流センサ、 120,120_1,120_2,120_3,120_k,120_N,120A,120B,120C,120D:単位変換器群、 122,122_1,122_2,122_3,122_4,122_i:単位変換器、 124,124_1:電圧センサ、 126:ゲート制御部、 128:バイパススイッチ、 1261,1261_2,1268:加算器、 1262,1262_1,1262_2,1262_i,1262_M:搬送波生成部、 1264,1264_1,1264_2,1264_i:ゲート信号生成部、 1266,1266_i:バランス制御部、 1000:プロセッサ、 1100:記憶装置、 Vac:交流電圧、 Vdc:直流電圧、 Iac:交流電流、 vc:コンデンサの電圧値、 kref,krefi:アーム変調指令、 vcarm:アーム内のコンデンサ電圧平均値、 iarm:アーム電流検出値、 θc:搬送波基準位相、 fc:搬送波周波数、 kcar1,kcar2,kcari:三角波搬送波、 GDpi,GDni:ゲートドライバ、 giP,giN:ゲート信号、 SWp,SWpi,SWn,SWni:半導体スイッチング素子、 u,v,w:接続点、 φa:第1の位相シフト量,φb:第2の位相シフト量。

Claims (7)

  1. 複数の単位変換器を接続した単位変換器群を、複数直列接続したアームを複数個有する電力変換器と、前記電力変換器を制御する制御装置と、を備えた電力変換装置であって、
    前記単位変換器は、2つのスイッチング素子が直列接続された直列体と、前記直列体と並列に接続されたコンデンサと、を有し、
    前記単位変換器群は、前記単位変換器群内の複数の前記スイッチング素子のオンオフを制御するゲート信号を生成するゲート制御部を有し、
    前記ゲート制御部は、前記単位変換器群内の前記単位変換器の数に対応する複数の搬送波を生成する搬送波生成部と、前記制御装置から受信した変調指令と前記搬送波生成部で生成された前記搬送波とを比較し、その結果に基づいてゲート信号を生成するゲート信号生成部と、を有し、
    前記搬送波生成部で生成される複数の前記搬送波は、各々の位相が前記制御装置から受信した搬送波基準位相を基準に、前記搬送波の1周期を前記単位変換器群の前記単位変換器の数で等分した値である第1の位相シフト量でシフトされるとともに、前記アーム内の前記単位変換器群間においては前記制御装置から受信した前記搬送波基準位相を基準に、前記第1の位相シフト量を前記アーム内の前記単位変換器群の数で等分した値である第2の位相シフト量でシフトさせて生成される、電力変換装置。
  2. 前記単位変換器群はそれぞれ1つのバイパススイッチを有し、
    前記バイパススイッチは、前記単位変換器群内の一端に位置する前記単位変換器の端子と他端に位置する前記単位変換器の端子との間に接続され、
    前記単位変換器群内のいずれかの前記単位変換器に故障または異常が生じた場合、故障または異常が生じた前記単位変換器を含む前記単位変換器群の前記バイパススイッチを投入し、
    前記アーム内において、前記単位変換器群の数から前記バイパススイッチが投入された前記単位変換器群の数を減算した数を用いて前記第2の位相シフト量を算出する、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記単位変換器群は、2つの前記単位変換器を有し、
    前記搬送波生成部で生成される2つの前記搬送波のうち、一方の搬送波である第1の搬送波は、前記制御装置から受信した前記搬送波基準位相と搬送波周波数に基づいて生成された三角波であり、
    他方の搬送波である第2の搬送波は、前記第1の搬送波の頂点の値から前記第1の搬送波の値を減算して生成される、請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記単位変換器群は、2つの前記単位変換器を有し、
    前記搬送波生成部で生成される2つの前記搬送波のうち、一方の搬送波である第1の搬送波は、前記制御装置から受信した前記搬送波基準位相と搬送波周波数に基づいて生成された三角波であり、
    他方の搬送波である第2の搬送波は、前記第1の搬送波の頂点の値から前記第1の搬送波の値を減算して生成される、請求項2に記載の電力変換装置。
  5. 前記単位変換器群は、2つの前記単位変換器のうち一方の前記単位変換器のN端子と他方の前記単位変換器のP端子とが共通端子として接続されている、請求項3または4に記載の電力変換装置。
  6. 前記単位変換器は前記単位変換器の具備するコンデンサの電圧を検出する電圧センサを備え、
    前記ゲート制御部は前記単位変換器群に含まれる前記単位変換器の数に対応する数のバランス制御部をさらに備え、
    それぞれの前記バランス制御部は、
    前記単位変換器に対応して前記単位変換器の前記コンデンサの電圧と前記アーム内のコンデンサの電圧平均値とを比較して得られる変調指令バランス補正量を出力するとともに、前記制御装置から受信した前記変調指令に前記変調指令バランス補正量を加算して得られる補正変調指令を算出し、
    前記ゲート信号生成部は、前記補正変調指令と前記搬送波とを比較し、その結果に基づいて前記ゲート信号を出力する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記ゲート制御部は前記単位変換器群毎に1つ備えている、請求項1からのいずれか1項に記載の電力変換装置。
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