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JP7828476B2 - ウェハ検査装置 - Google Patents
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JP7828476B2 - ウェハ検査装置 - Google Patents

ウェハ検査装置

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Description

本発明は、ウェハを検査する検査装置に関する。
半導体の製造工程においては、半導体ウェハ等の基板上に異物が存在すると、配線の絶縁不良や短絡等の不良の原因となる。これらの異物には、搬送装置等の可動部から発生したもの、人体から発生したもの、プロセスガスにより処理装置内で反応生成されたもの、及び薬品や材料に混入していたもの等、様々な種類がある。
そこで、ウェハ検査装置を用いてウェハ表面の異物を検出して管理することにより、各製造装置の発塵状況や各工程の清浄度等を監視・制御し、製品の品質向上や歩留り向上等を図っている。異物検査の方法は、ウェハ表面にレーザ光等の光を照射し、異物からの散乱光を検知することで、異物の大きさと付着位置等を検出し、各ウェハの固有情報として取得するものである。
ウェハは、検査時には保持装置に固定される。ウェハの固定方法には、大別して裏面吸着式と裏面非接触式がある。裏面吸着式は、平坦なテーブルに設けられたエア吸込み口により、ウェハの裏面を吸着する方式である。よって、ウェハの裏面は、テーブルに接触して固定される。一方、裏面非接触式は、ウェハの外周近傍のみを保持してテーブルに固定する方式である。裏面吸着式は、主にパターンを形成したウェハに対し用いられる。裏面非接触式は、パターンを形成する前のウェハ、すなわちベアウェハに対し用いられる。特に裏面非接触式のウェハ検査装置は、製造メーカでのウェハの出荷検査やプロセスメーカでのウェハの受入検査等に用いられることから、ウェハへの異物の付着抑制はもとより、異物検出の再現性と精度の向上が求められている。
ウェハの異物の検出精度を向上させる方法の1つに、ウェハの平坦度を向上させる方法がある。ウェハが検査装置に平坦に固定されると、ウェハに大きな変形(例えば、反り)が生じていないので、異物の検出精度を向上させることができる。ウェハの平坦度を向上させる従来の技術の例は、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載された検査装置は、ウェハの形状に沿ったリング状のリムを有してウェハを載置するチャックと、チャックの表面に配設されたリング状のエアーギャップ形成部を備え、ウェハ、チャック、及びリムに囲まれた内部空間内が、内部空間内へ供給されたガスにより所定の圧力分布に保たれ、エアーギャップ形成部とウェハとの間に所定量のエアーギャップが常時形成されて、ウェハの撓みや反りを補正する。特許文献1の検査装置は、さらに、高さ位置制御部を備え、高さ位置制御部が、補正されたウェハの検査箇所近傍の高さ情報を検出し、補正しきれなかった検査箇所の上下動位置を昇降駆動機構を駆動して制御し、ウェハの検査面を所定の高さ位置に制御する。
特開2009-168479号公報
従来のウェハ検査装置では、簡易な構成でウェハを平坦に保持することについて、必ずしも十分にユーザを満足させるに至っていない。例えば、特許文献1に記載された検査装置では、ウェハの裏面にガスの圧力を加え、かつ動的にウェハ面を制御することで、ウェハの平坦度を確保する。このような制御は、検査中の高速回転しているウェハに対してリアルタイムで行うため、制御回路が大規模になる。また、ウェハの反りの偏差をゼロに補正しようとすると、回転の2次成分と3次成分の反りにも対応する必要があり、複雑な制御が必要になるとともに、補正の駆動周波数とウェハの固有振動数が近くなることによってウェハの自励振動が発生し、ウェハの平坦度が悪化する場合もある。
本発明の目的は、簡易な構成でウェハを平坦に保持できるウェハ検査装置を提供することである。
本発明によるウェハ検査装置は、回転可能であってウェハを載置可能なウェハチャックを備える。前記ウェハチャックは、エアを前記ウェハの裏面に供給するエア供給口と、前記エアを排出するエア排出口と、前記ウェハを保持するクランプ機構と、上方に突出した複数の円環状突起を備える。前記ウェハチャックは、前記円環状突起を備えないとしたときで、前記ウェハチャックが回転したときの、前記ウェハチャックの半径方向での前記ウェハとの間の圧力の分布が、前記半径方向の位置の高次関数で表されている。前記円環状突起は、前記ウェハチャックが回転して前記エアが供給されたときの、前記円環状突起によって生じた圧力損失の値が、前記圧力損失の値を与えた前記半径方向の位置と同じ位置での、前記高次関数で表された前記圧力の分布における前記圧力の値以上となるような形状である。
本発明によると、簡易な構成でウェハを平坦に保持できるウェハ検査装置を提供することができる。
本発明の実施例1によるウェハ検査装置の構成を示す模式図である。 ウェハチャックを示す斜視図である。 図2AにおけるA-A断面において、ウェハチャックの中央部を拡大して示す図である。 図2AにおけるA-A断面において、クランプ機構とその近傍を拡大して示す図である。 ウェハを載置したウェハチャックをウェハの上方から見た図である。 図3AにおけるB-B断面を示す図である。 補正圧力の考え方を示す図である。 ウェハチャックに複数のリブを配置する場合の、補正圧力による補正方法を説明する図である。 ウェハとリブとの間隔を変化させたときの、リブによって生じた圧力損失の変化を示すグラフである。 ウェハがウェハチャックに載置された直後における、ウェハチャックと光学系の位置関係を示す図である。 ウェハチャックの直線移動により、高さセンサの測定位置がウェハの中心と一致した状態を示す図である。 ウェハチャックの回転中心が光学測定部の幾何中心と一致する位置まで移動したウェハチャックを示す図である。 実施例2でのウェハ検査装置の動作を示すフローチャートである。 実施例1で説明したウェハチャックを用いた場合の補正エアの圧力分布と、従来のウェハチャックを用いた場合の補正エアの圧力分布を模式的に示す図である。 ウェハの半径方向の各位置における、ウェハの周方向の平均の高さの測定結果を示す図である。 実施例1のウェハチャックに、下凸変形ウェハを載置した場合における、補正エア量に対するウェハの半径方向の平坦度の変化を、流体-構造連成解析で検討した解析結果を示す図である。 実施例1のウェハチャックに、上凸変形ウェハを載置した場合における、補正エア量に対するウェハの半径方向の平坦度の変化を、流体-構造連成解析で検討した解析結果を示す図である。 下凸変形ウェハについて、流体-構造連成解析で得られたウェハの半径方向の形状を、変形を矯正する前の形状と比較した結果を示す図である。 上凸変形ウェハについて、流体-構造連成解析で得られたウェハの半径方向の形状を、変形を矯正する前の形状と比較した結果を示す図である。
本発明によるウェハ検査装置は、エアをウェハの裏面(下面)に吐出して圧力を発生させ、この圧力によりウェハの変形(又は平坦度)を補正することで、ウェハを平坦に保持する。本発明によるウェハ検査装置では、ウェハを載置するウェハチャックがウェハの変形(又は平坦度)を補正する円環状突起を備え、エアによってウェハとウェハチャックの間に発生させた補正圧力の適正な分布に基づいて円環状突起の形状が定められているので、ウェハを簡易な構成で効率的に平坦に保持することができる。
なお、本発明において、ウェハの平坦度は、ウェハが平坦であることを示す指標である。ウェハの平坦度は、例えば、ウェハ検査装置に載置されたウェハに対し、反り等により変形したウェハの最上部の位置と最下部の位置との高さ方向の距離で表される。ウェハが平坦であるとは、ウェハの平坦度が、予め定めた所定の範囲に収まっているということである。
以下、本発明の実施例によるウェハ検査装置を、図面を参照して説明する。
本発明の実施例1によるウェハ検査装置を説明する。本実施例によるウェハ検査装置では、ウェハチャックの半径方向の補正圧力の適正な分布に基づいて、ウェハの変形(又は平坦度)を補正する円環状突起(以降、「リブ」称する)の形状が定められている。なお、リブの形状には、リブの大きさ(例えば、突出高さや、半径方向の長さである幅)が含まれている。
図1は、本実施例によるウェハ検査装置10の構成を示す模式図である。ウェハ検査装置10は、主要な構成要素として、ウェハ205を外部から導入するウェハ導入部11、ウェハ205を搬送する搬送機構12、ウェハ205を検査する検査室13、及びウェハ検査装置10の全体を制御する制御部14を備える。ウェハ検査装置10は、ウェハ205へ異物を付着させないように、清浄度が保たれた空間に設置される。
検査室13は、ウェハ205の異物を光学的に測定する光学測定部131、ウェハ205を載置するウェハチャック200、ウェハチャック200を回転させるモータ132、及びモータ132とウェハチャック200を直線移動させる直動移動部133を備える。光学測定部131は、位置が固定されている。このため、ウェハチャック200に載置されたウェハ205は、ウェハチャック200の回転により回転し、ウェハチャック200の直線移動により位置を変えて、表面に存在する異物の位置と大きさが光学測定部131によって測定される。
以下では、ウェハチャック200に載置されたウェハ205の表面(ウェハ面)に沿う方向をXY方向又は水平方向、ウェハ面に垂直な方向をZ方向又は垂直方向と呼ぶ。モータ132の回転軸はZ方向を向いている。ウェハチャック200とウェハチャック200に載置されたウェハ205は、Z方向(垂直方向)を回転軸として回転し、XY方向(水平方向)に直線移動する。また、半径方向と周方向とは、ウェハチャック200(又はウェハチャック200に載置されたウェハ205)についての半径方向と周方向である。半径方向の内側(中央側)を、内周側と呼び、半径方向の外側を、外周側と呼ぶ。外周部とは、半径方向の外側の部分である。
ウェハ205は、図示していないカセットに収納された状態で、ウェハ導入部11に装填される。この後、ウェハ205は、搬送機構12によりカセットから取り出されて、検査室13に移動する。搬送機構12によって検査室13に移動したウェハ205は、ウェハチャック200に載置される。
図2Aは、ウェハチャック200を示す斜視図である。図2Aでは、ウェハチャック200に載置されたウェハ205は、ウェハチャック200から離し、ウェハチャック200を透過させて描いている。
ウェハ205は、ウェハチャック200の上部に配置される。すなわち、ウェハ205は、ウェハチャック200に対して、重力が作用する方向(重力方向)と反対方向の位置に配置される。
ウェハチャック200は、ウェハチャックベース201と、ウェハ支持部202と、エア供給口204と、エア排出口203と、クランプ機構206と、複数のリブ2011を備える。ウェハチャック200は、ウェハ205を載置可能であり、Z方向(垂直方向)を回転軸として回転可能である。ウェハチャック200は、複数のクランプ機構206を備えることができる。
ウェハチャックベース201は、ウェハチャック200の本体(ベース)である。
ウェハ支持部202は、リング状であり、ウェハ205の外周部の面を垂直方向に支持する。後述するように、ウェハ支持部202は、ウェハ205が接触する部位である複数の接触部202aと、ウェハ205が接触せずウェハ205との間隙を有する複数の非接触部202bを備える。
エア供給口204は、ウェハ205の変形(又は平坦度)を補正するためのエア(補正エア)をウェハ205の裏面(下面)に供給する開口部であり、ウェハチャック200の中央部に設けられている。
エア排出口203は、非接触部202bで構成され、ウェハ205の裏面に供給された補正エアをウェハチャック200の外部へ排出する。
クランプ機構206は、ウェハ205を保持する機構である。
リブ2011は、ウェハチャック200のウェハ205への対向面に設けられた円環状突起であり、ウェハチャックベース201から上方に突出している。複数のリブ2011は、ウェハチャック200の回転軸を中心として同心円状に配置されている。
ウェハチャック200に載置されたウェハ205は、ウェハチャック200から脱落しないように、クランプ機構206により保持される。また、ウェハチャック200に載置されたウェハ205は、重力の作用により部分的に自重沈下し、反り等の変形が生じて平坦でなくなる(すなわち、平坦度が低下する)。そこで、本実施例によるウェハ検査装置10では、エア供給口204からウェハ205の裏面に吐出されたエア(補正エア)により圧力を発生させることで、ウェハ205の自重沈下を防止し、ウェハ205の変形(又は平坦度)を補正する。ウェハ205の平坦度の補正については、後で説明する。
以上のようにして平坦度が改善されたウェハ205を保持したウェハチャック200は、光学測定部131がウェハ205の表面に存在する異物を測定するために、モータ132により回転するとともに、直動移動部133によりモータ132の回転軸と垂直方向に直線移動する。
制御部14は、ウェハ205を保持したウェハチャック200に対して上記のように回転と移動をさせ、ウェハ205の全面について異物の大きさと位置等のマッピングを行い、このマッピングで得られたデータをウェハ205の異物データとして記録する。
異物の測定が終了したウェハ205は、クランプ機構206から保持を解かれ、搬送機構12によりウェハチャック200からウェハ導入部11に移送されて、カセットに収容される。
ウェハ検査装置10は、以上の動作を繰り返し、ウェハ導入部11のカセットに収容された全てのウェハ205に対して異物を検査する。
次に、クランプ機構206と、クランプ機構206がウェハ205を保持する動作について説明する。
図2Bは、図2AにおけるA-A断面において、ウェハチャック200の中央部を拡大して示す図である。図2Cは、図2AにおけるA-A断面において、クランプ機構206とその近傍を拡大して示す図である。図2Bと図2Cにおいて、黒の矢印と白の矢印の向きは、各部品の移動方向を示している。黒の矢印は、クランプ機構206がウェハ205を保持するときの部品の移動方向を示す。白の矢印は、クランプ機構206がウェハ205の保持を解くときの部品の移動方向を示す。
クランプ機構206は、ウェハ205を回転駆動するウェハチャック200に設けられており、カム211、ベアリング213、ベアリング保持部214、圧縮ばね215、ロッド216、リンク217、保持部218、及び保持爪219を備える。
カム211は、ウェハチャックベース201の中央部に設置されており、垂直方向(Z方向)に移動するエアシリンダ212に装着されており、垂直方向に移動する。
ベアリング213は、カム211と接触し、カム211の垂直方向の動きを半径方向(XY方向)の動きに変換する。
ベアリング保持部214は、ベアリング213保持するとともに、圧縮ばね215に接続されている。
圧縮ばね215は、ベアリング保持部214とロッド216に接続され、半径方向に伸縮可能である。
ロッド216は、圧縮ばね215に接続され、圧縮ばね215の伸縮によってベアリング保持部214に対して半径方向に相対移動可能である。
リンク217は、ロッド216と保持部218に接続しており、ロッド216が半径方向に移動すると、保持部218を周方向に変位させる。
保持部218は、図2Cの一点鎖線を中心として回転可能であり、保持爪219を保持する。保持部218の回転軸の方向は、Z方向(ウェハ205の面に垂直な方向)である。保持部218には、リンク217と保持爪219が回転軸を中心に対称な位置に取り付けられている。
保持爪219は、保持部218に設置されており、保持部218が回転することにより移動して、ウェハ205と接触することができる。保持爪219の移動方向は、XY方向(ウェハ205の面に沿う方向)である。クランプ機構206は、保持爪219がウェハ205と接触することでウェハ205を保持し、保持爪219がウェハ205と接触しなくなることでウェハ205の保持を解く。また、保持爪219は、保持部218に対して回転可能であるのが好ましい。保持爪219の回転軸の方向は、例えばZ方向とすることができる。すなわち、保持爪219は、側方回転(回転方向がウェハ205面に沿う回転)を行うとすることができる。
クランプ機構206は、エアシリンダ212に供給されたエアの動きにより動作する。例えば、エアシリンダ212がエアにより動作しカム211が上方に移動すると、保持爪219は、半径方向に移動してウェハ205から離れ、ウェハ205と接触しなくなる。クランプ機構206では、エアシリンダ212とカム211を除く機構が、ウェハチャック200の中心軸に対して対称に配置されている。エアシリンダ212とカム211を除くクランプ機構206の数は、クランプ機構206が発生する保持力と、クランプ機構206に必要とされる保持力を考慮して決定される。
クランプ機構206の動作を以下に説明する。
搬送機構12によってウェハ205が検査室13に搬送された後、図2Bに示すように、エアシリンダ212にエアが供給され、カム211が上方に移動してロッド216が内周側に移動する(図2Bの白の矢印の方向)。ロッド216が内周側に移動すると、図2Cに示すように、リンク217は、ロッド216の動きに従動して内周側に変位する。すると、保持部218が回転し、回転軸を中心にリンク217と対称な位置にある保持爪219は、外周側に変位する(図2Cの白の矢印の方向)。保持爪219は、この変位によって、ウェハ205の外周端部よりも外周側に移動する。ウェハチャック200は、このようにして保持爪219が外側に開き、ウェハ205を載置する準備が完了する。
この後、搬送機構12は、ウェハチャック200に配置されたウェハ支持部202にウェハ205を載置する。搬送機構12は、ウェハ205の載置が完了したら、検査室13から退出する。
搬送機構12が退出した後、クランプ機構206では、エアシリンダ212へのエアの供給が停止する。すると、カム211が下方に移動して、ロッド216が外周側に移動する(図2Bの黒の矢印の方向)。ロッド216が外周側に移動すると、保持部218が回転し、保持爪219が内周側に変位する(図2Cの黒の矢印の方向)。保持爪219は、この変位によって、ウェハ205の外周端部に当接し、保持力を発生する。このような動作において、ベアリング保持部214、圧縮ばね215、及びロッド216は、保持爪219がウェハ205の外周端部に当接するまで一体となって外周側に移動する。
保持爪219がウェハ205に当接した後、ロッド216は移動を停止するが、ベアリング保持部214は、カム211の移動が終了するまで外周部に向かって移動し続ける。ベアリング保持部214のこの移動によってベアリング保持部214とロッド216の相対距離が小さくなることにより、圧縮ばね215が縮む。すると、圧縮ばね215が反力によるばね力を発生させ、この力が保持爪219に伝播する。
このようにして、圧縮ばね215のばね力は、保持爪219がウェハ205をXY方向(ウェハ205の面に沿う方向)に保持する保持力となる。なお、圧縮ばね215のばね力は、保持部218の回転中心(支点)からリンク217とロッド216との接合部(力点)までの距離と、この回転中心から保持爪219(作用点)までの距離との比で決まる。ウェハチャック200は、このようにして保持爪219がウェハ205に接触し、ウェハ205を保持する。
保持爪219は、保持部218に対し脱着可能であるのが好ましい。保持爪219が脱着可能であると、保持爪219が摩耗した場合には、保持爪219のウェハ205に当接する面が今までと変わるように(新たな面となるように)保持爪219を保持部218に付け直すことができる。このようにすると、摩耗した保持爪219の再利用が可能であるため、保持爪219の長寿命化を図ることができる。
保持爪219の形状は、任意に定めることができ、例えば、円筒形や矩形とすることができる。保持爪219は、例えば保持部218に嵌合されている。保持爪219が円筒形状であると、保持爪219のウェハ205に当接する面を任意に設定できるので、保持爪219の寿命をさらに長くすることができる。保持爪219が矩形であると、保持爪219が保持部218との嵌合部で回転するのを防止でき、クランプ機構206がウェハ205をより確実に保持できるという利点がある。保持爪219の形状は、例えば、保持爪219と保持部218との嵌合の強度を考慮して決定することができる。
なお、本実施例では、保持爪219が側方回転(回転軸の方向がZ方向の回転)を行うとして説明したが、保持爪219は、縦回転(回転軸の方向がZ方向に垂直な方向の回転)を行ってもよい。
クランプ機構206の保持力について説明する。クランプ機構206がウェハ205を保持するときに求められる機能は、主に、ウェハ205の載置時の調芯機能、回転開始時のスリップ防止機能、及び定常回転時のウェハ205の偏心に起因する遠心力に抗する機能である。ウェハ205の載置時の調心機能は、静的な保持力によって賄う。これは、クランプ機構206の圧縮ばね215が発生する保持力である。スリップ防止機能と遠心力に抗する機能については、クランプ機構206の各部品が発生する遠心力が保持力に加算されるため、このような遠心力も考慮する。回転開始時には、ウェハ205の静止しようとする慣性力以上の保持力が要求される。定常回転時には、ウェハ205の偏心量、質量、及び回転数を積算して算出した遠心力以上の保持力が要求される。これらの力に抗する保持力は、ベアリング213、ベアリング保持部214、ロッド216、及びリンク217等の部品の形状や質量で調整することができる。
ウェハチャック200が備える複数のリブ2011について説明する。リブ2011は、ウェハ205の変形(又は平坦度)を補正する円環状突起である。
図3Aは、ウェハ205を載置したウェハチャック200をウェハ205の上方(+Z方向)から見た図である。図3Bは、図3AにおけるB-B断面を示す図である。図3Bでは、補正エア(ウェハ205の変形(又は平坦度)を補正するためのエア)の流れを矢印で示している。
ウェハ205を載置したウェハチャック200は、先に述べたように、補正エアをエア供給口204からウェハ205の裏面(下面)に与えて、ウェハ205の変形を補正し、ウェハ205を平坦に保持する。既に述べたように、ウェハ205は、クランプ機構206の保持爪219の保持力により、ウェハチャック200に保持される。
図3Aに示すように、ウェハチャック200のウェハ支持部202は、実際にウェハ205が接触する部位である接触部202aと、ウェハ205が接触せずウェハ205との間に隙間を有する非接触部202bを備える。
図3Bに示すように、補正エアは、エア供給口204からウェハチャック200に流入し、ウェハ205の裏面とウェハチャックベース201との間の隙間を半径方向の外側に流れ、ウェハ支持部202の非接触部202b(エア排出口203)からウェハチャック200の外部へ排出される。補正エアによってウェハ205の変形の補正と平坦度の確保を効率的に行うため、ウェハチャック200は、ウェハ205への対向面に複数のリブ2011を備える。リブ2011は、上述したように円環状突起であり、ウェハチャック200の回転軸を中心として同心円状にウェハチャックベース201に設置されている。
ここで、補正エアがウェハ205に与える圧力によってウェハ205の変形(又は平坦度)を補正する考え方を説明する。以下では、補正エアがウェハ205の変形を補正するためにウェハ205に与える圧力を、補正圧力と呼ぶ。補正圧力は、補正エアによってウェハ205とウェハチャック200の間に発生させた圧力である。
図4Aは、補正圧力の考え方を示す図である。図4Aには、ウェハチャック200が回転したときの、半径方向におけるウェハ205とウェハチャック200の間の圧力の分布を、模式的に3種類示している。図4Aの左部には、リブ2011を備えず補正エアが供給されていないとしたウェハチャック200における圧力の分布(リブの無い圧力分布)を示している。図4Aの中央部には、リブ2011によって生成した補正圧力の分布(リブによる圧力分布)を示している。図4Aの右部には、リブの無い圧力分布とリブによる圧力分布を互いに合成した圧力分布(トータルの圧力分布)を示している。トータルの圧力分布は、リブ2011を備えて補正エアが供給されたウェハチャック200における圧力の分布である。図4Aの左部の図と中央部の図の間にある十字は、圧力分布の合成を表している。
ウェハ205に与える補正圧力の考え方は、図4Aに示すように、リブの無い圧力分布に対して、リブ2011によって補正圧力(リブ2011による圧力)を生成して、両者を合成することで得られたトータルの圧力分布をウェハ205に与えるというものである。すなわち、リブの無い圧力分布を、リブによる圧力分布により補正し、トータルの圧力分布とするというものである。
リブ2011を備えないウェハチャック200がウェハ205を載置して回転すると、ウェハ205とウェハチャック200との間の空間には、回転の遠心力により空間内のエアが排出される力が発生する。このため、ウェハチャック200の中央部での圧力が最大の負圧(大気圧より低い圧力)となり、ウェハチャック200の最外周部での圧力が大気圧となる圧力分布が生じる(図4Aのリブの無い圧力分布)。すなわち、リブの無い圧力分布では、ウェハチャック200の中央部から外周部に向かって(ウェハチャック200の半径方向の位置rが大きくなるにつれて)、圧力が大きくなる。
リブの無い圧力分布は、基本的に、圧力がウェハチャック200の半径方向の位置rの2乗で表される分布である(ウェハチャック200の半径方向の位置rは、ウェハチャック200の回転軸の位置を原点とする)。但し、ウェハチャック200の中央部に補正エアが供給されることを考慮すると、この圧力分布は、圧力がウェハチャック200の半径方向の位置rの3乗の関数で近似できる分布になる。さらに高次の関数を用いると、より正確に圧力分布を表すことができる。
本実施例では、予め流体解析を用いてウェハチャック200が回転したときのリブの無い圧力分布を取得し、この圧力分布を表す近似曲線を用意する。リブの無い圧力分布を表す近似曲線は、ウェハチャック200の半径方向の位置rの高次関数で表された曲線であり、ウェハチャック200に補正エアが供給されておらず、ウェハチャック200がリブ2011を備えないという条件で、ウェハ205を載置したウェハチャック200のモデルに流体解析を実施することで得られる。流体解析には、既存の任意の手法を用いることができる。
本実施例では、このようにして得られた近似曲線、すなわち、ウェハチャック200の半径方向の位置rの高次関数で表された曲線を、リブの無い圧力分布として扱う。
本実施例では、ウェハチャック200が回転して補正エアが供給されたときに、リブ2011によって生じた圧力損失によって、リブの無い圧力分布での圧力を打ち消すことができるように、リブ2011の形状を定める。具体的には、リブ2011の形状は、半径方向において、補正エアが供給されてリブ2011によって生じた圧力損失の分布の形状が、リブの無い圧力分布(図4A)の形状と略一致するような形状である。すなわち、半径方向において、リブによる圧力分布(図4A)での圧力損失の増加(圧力減少量の増加)が、リブの無い圧力分布での圧力の増加と略一致するように、リブ2011の形状を定める。
図4Aの左部の図に示すように、リブの無い圧力分布では、ウェハチャック200の中央部から外周部に向かって(ウェハチャック200の半径方向の位置rが大きくなるにつれて)、圧力が大きくなる。また、図4Aの中央部の図に示すように、リブによる圧力分布では、ウェハチャック200の中央部から外周部に向かって、リブ2011によって生じた圧力損失が大きくなる。リブ2011によって生じた圧力損失は、ウェハ205の変形を補正するための圧力である。リブ2011の形状は、リブによる圧力分布が、リブの無い圧力分布を打ち消す分布となるように決定される。
上述したように、リブ2011の形状は、ウェハチャック200の半径方向の圧力分布において、リブ2011によって生じた圧力損失が、リブ2011を備えないウェハチャック200における圧力と略等しくなるような形状である。但し、リブ2011の形状は、ウェハチャック200の半径方向の圧力分布において、リブ2011によって生じた圧力損失の大きさが、リブ2011を備えないウェハチャック200における圧力以上となるような形状であってもよい。すなわち、リブ2011の形状は、リブ2011によって生じた圧力損失の値(大きさ)が、この圧力損失の値を与えた半径方向の位置と同じ位置での、リブ2011を備えないウェハチャック200における圧力の値以上(半径方向の位置rの高次関数で表された圧力分布での圧力の値以上)となるような形状であってもよい。リブ2011によって生じた圧力損失が、リブ2011を備えないウェハチャック200における圧力以上であると、ウェハ205の自重沈下をより効果的に防止できる。
まず、1つのリブ2011について、形状と圧力損失について説明する。リブ2011によって生じた圧力損失ΔPは、公知の式(1)~式(3)によって表される。
ここで、ξは圧力損失係数、lはリブ2011の幅、hはウェハ205とリブ2011との間隔、ρは補正エアの密度、v:ウェハ205とリブ2011との間での補正エアの流速、Reはレイノルズ数、νは補正エアの動粘性係数である。リブ2011の幅とは、リブ2011の半径方向の長さである。
式1に示すように、ウェハチャック200とウェハ205との間に狭小部、すなわちリブ2011を設けると、圧力損失ΔPがリブ2011によって発生する。式(1)~式(3)に示した関係から、レイノルズ数Reが小さい、すなわちウェハ205とリブ2011との間隔hが小さい、又は補正エアの流速vが小さいほど、リブ2011によって生じた圧力損失ΔPが大きくなる。さらに、式(1)から、リブ2011の幅lが大きいほどと、圧力損失ΔPが大きくなる。したがって、ウェハ205とリブ2011との間隔h、ウェハ205とリブ2011との間での補正エアの流速v、及びリブ2011の幅lが、圧力損失ΔPの大きさを決めるパラメータである。
図5は、ウェハ205とリブ2011との間隔hを変化させたときの、リブ2011によって生じた圧力損失ΔPの変化を示すグラフである。図5のグラフは、式(1)~式(3)から得ることができる。
圧力損失ΔPは、式(2)からも分かるように、レイノルズ数Reが2000となる間隔hを境に大きく変化する。すなわち、レイノルズ数Reが2000以下で補正エアが層流となるように間隔hを設定することで、リブ2011による圧力損失ΔP、すなわちウェハ205の変形を補正するための圧力を効果的に発生させることができる。図5から分かるように、間隔hが予め定めた所定の値h0以下であると、圧力損失ΔPを大きくすることができる。すなわち、リブ2011の突出高さが予め定めた所定の値より大きいと、圧力損失ΔPを大きくすることができる。
また、補正エアは、ウェハ205とリブ2011との間では層流であるので、ウェハチャック200と一緒に回転し、エア供給口204から流入する補正エアの圧力に応じた速度で半径方向に流れる。このため、補正エアは、ウェハチャック200の回転による遠心力の影響を受けない。したがって、リブ2011が設置されている場所では、負圧を考慮する必要がない。
圧力損失ΔPと間隔hの関係を詳細に検討した結果について説明する。ウェハ205の半径が150mmで回転数が50Hzであるとして、レイノルズ数Reが2000以下になる間隔hを求めた。圧力損失ΔPと間隔hの関係は、図5に示すようになり、間隔hが0.5mm以下であると、ウェハ205の全領域で補正エアが層流となる、すなわち、レイノルズ数Reが2000以下となる間隔h(所定の値h0)は、0.5mm以下であることが分かった。一方で、ウェハ205がリブ2011に接触するのを防ぐため、間隔hは、最小値が0.1mmである必要がある。以上から、ウェハ205とリブ2011との間隔hは、0.1mm以上で0.5mm以下であるのが好ましい。
次に、ウェハチャック200が複数のリブ2011を備える場合について、ウェハ205とリブ2011との間隔hの考え方について説明する。
ウェハ205は、外周部がウェハ支持部202に支持されてウェハチャック200に保持される。このため、ウェハ205は、ウェハチャック200に載置された初期状態では、中央部で自重沈下し、中央部が凹むように変形して載置されている。このため、リブ2011は、ウェハ205と接触しないような形状にする必要がある。ウェハ205の自重沈下は、ウェハ205の中央部で最大値をとり、0.1mm程度である。ウェハ205の変形のばらつきを考慮すると、ウェハ205の中央部では、間隔hが0.5mm程度であるのが望ましい。
リブ2011による圧力損失ΔPを効率的に得るためには、ウェハチャック200の中央部よりも外周部で間隔hが小さい、すなわち、複数のリブ2011の突出高さは、互いに異なり、ウェハチャック200の中央部よりも外周部で大きいのが望ましい。さらに、ウェハチャック200の中央部から外周部に向かって間隔hが小さくなっていく、すなわち、リブ2011の突出高さは、ウェハチャック200の中央部から外周部に向かって大きくなっていくのがより望ましい。
補正する圧力分布(図4Aに示したリブの無い圧力分布)は、ウェハチャック200の中央部での圧力が最大の負圧であり、ウェハチャック200の最外周部での圧力が大気圧となる分布であって、ウェハチャック200の半径方向の位置rの高次関数で表された曲線である。そこで、リブによる圧力分布(図4)が、リブの無い圧力分布を打ち消す分布となる(すなわち、リブ2011によって生じた圧力損失の値(大きさ)が、この圧力損失の値を与えた半径方向の位置と同じ位置での、リブ2011を備えないウェハチャック200における圧力の値以上となる)ためには、ウェハチャック200の中央部よりも外周部で圧力損失が大きい必要がある。このため、リブ2011の突出高さは、ウェハチャック200の中央部よりも外周部で大きいのが望ましく、さらに、ウェハチャック200の中央部から外周部に向かって、リブ2011の突出高さが大きくなっていくのがより望ましい。
なお、リブ2011の突出高さは、ウェハチャック200の中央部から外周部に向かって、単調に増加しなくてもよい。すなわち、半径方向に設置された複数のリブ2011のなかには、内周側と外周側で隣り合った2つのリブ2011よりも突出高さが大きいリブ2011が存在してもよい。もちろん、リブ2011の突出高さは、リブ2011がウェハ205に接触しないような高さである。
ウェハ205とリブ2011との間での補正エアの流速vは、リブ2011の半径方向の中央での流速とする。補正エアの流量(エア供給口204の面積と流速vの積)は一定である。そこで、補正エアの流量を予め求めて定数とし、リブ2011の半径方向の中央における補正エアの通過面積を間隔hから求めると、流速vを求めることができる。
次に、ウェハチャック200に複数のリブ2011を配置する場合の、圧力分布の設定方法について説明する。
図4Bは、ウェハチャック200に複数のリブ2011を配置する場合の、補正圧力による補正方法を説明する図である。図4Bには、ウェハチャック200の半径方向における、リブの無い圧力分布と、補正圧力の分布(リブによる圧力分布)を示している。リブの無い圧力分布は、一例として、半径方向の位置rの3次関数で表されている。
リブ2011の数をMとし、それぞれのリブ2011を外周部から中央部に向かって増える添え字n(n=1~M)で特定する。それぞれのリブ2011による圧力損失値をΔPxnとし、外周部から数えてn番目にあるリブ2011の半径方向の位置xnでの圧力損失値をP(xn)とする。
ウェハチャック200において、複数のリブ2011を配置すると、注目している半径方向の位置xnでは、この位置xnよりも外周側に存在するリブ2011による圧力損失の合算分だけ、圧力が上昇する。すなわち、補正圧力の分布は、式(4)で表される。
ここで、P(xN)は、外周部から数えてN番目にあるリブ2011の半径方向の位置xNでの圧力損失値であり、Nは、外周部から数えたリブ2011の順番である。
ウェハ205とリブ2011との間隔hをある程度規定した後、ウェハチャック200の最外周部にリブ2011を配置して圧力損失ΔPx1を決定する。この後、順次、外周部から中央部に向かって各リブ2011の圧力損失ΔPxnを、各リブ2011の半径方向の位置xnを変えて調整する。この後、各リブ2011の幅lとリブ2011の数を調整して、補正圧力の分布(リブ2011によって生じた圧力損失の分布)の形状が、リブの無い圧力分布の形状と略一致するようにする。これらの形状が十分に一致しない場合には、ウェハ205とリブ2011との間隔hを調整する。このようにウェハチャック200の外周部から中央部に向かってリブ2011を調整し、リブ2011による圧力損失を合算していくことで、補正圧力の分布を得ることができる。
このようにして得られた補正圧力の分布を用いて、リブ無しの圧力分布を補正する。この調整ルーチンの間、リブ無しの圧力曲線と補正圧力の曲線がおおむね一致するように、補正圧力の分布を常に参照する必要がある。このようにして構成されたウェハチャック200は、ウェハ205を載置した後、最終的には補正エアでウェハ205の平坦度が調整される。
以上説明したように、本実施例によるウェハ検査装置10は、簡易な構成でウェハ205を平坦に保持することができ、ウェハ205の表面に存在する異物の検出精度を高めることができる。
本発明の実施例2について説明する。本実施例では、実施例1によるウェハ検査装置10を用いて、ウェハ205の平坦度をセンサで測定し、測定した平坦度を基に補正エアを供給することで、ウェハ205を平坦に保持することができる。
図6Aは、ウェハ205がウェハチャック200に載置された直後における、ウェハチャック200と光学系の位置関係を示す図である。ウェハチャック200の位置は、ウェハ受取位置である。
ウェハ検査装置10は、高さセンサ301と、アンプ302と、データ処理部303と、エア制御部304を備える。
高さセンサ301は、ウェハチャック200に載置されたウェハ205の高さ方向の位置を測定する。以下では、ウェハ205の高さ方向の位置を、ウェハ205の高さと呼ぶ。高さセンサ301の設置位置は、搬送機構12がウェハ205をウェハチャック200に載置したときに(すなわち、ウェハチャック200の位置がウェハ受取位置であるときに)、ウェハ205の中心を通ってウェハチャック200の直線移動の方向に延伸する線の直上であって、ウェハ205の外周部の直上である。
アンプ302は、高さセンサ301が出力した信号を増幅する。
データ処理部303は、高さセンサ301が出力した信号をアンプ302から入力し、この信号(高さセンサ301の測定値)を処理し、処理した結果をエア制御部304に出力する。データ処理部303は、このような処理により、エア制御部304を用いて補正エアをウェハチャック200に供給する。
エア制御部304は、ウェハチャック200に設けられており、データ処理部303からの指示に基づいて、ウェハチャック200に補正エアを供給する。
本実施例でのウェハ検査装置10の動作を説明する。
図7は、本実施例でのウェハ検査装置10の動作を示すフローチャートである。
ステップS71で、ウェハチャック200は、ウェハ受取位置でウェハ205が載置されて、クランプ機構206でウェハ205を保持する(図6A)。
ステップS72で、ウェハチャック200は、回転を始める。このとき、図6Aに示すように、ウェハ205の異物を光学的に測定する光学測定部131の幾何中心は、ウェハチャック200の回転中心から離れている。
ステップS73で、高さセンサ301は、ウェハ205が1回転する間に、ウェハ205の外周部の高さを測定する。データ処理部303は、ウェハ205が1回転する間に高さセンサ301が測定したウェハ205の外周部の高さを平均し、ウェハ205の外周部の高さの平均値を算出する。この平均値が基準値となる。
ステップS74で、ウェハチャック200は、ウェハ205を回転させながら、ウェハチャック200の回転中心が光学測定部131の幾何中心と一致する位置まで、直線移動する。この直線移動の間に、高さセンサ301の測定位置がウェハ205の中心と一致する。
図6Bは、ウェハチャック200の直線移動により、高さセンサ301の測定位置がウェハ205の中心と一致した状態を示す図である。
図7のステップS75で、高さセンサ301は、ウェハチャック200の移動中に高さセンサ301の測定位置がウェハ205の中心と一致したときに、ウェハ205の高さを測定する。すなわち、高さセンサ301は、ウェハ205の回転中に、ウェハ205の中心の高さを測定する。
ステップS76で、データ処理部303は、ウェハ205の外周部の高さの平均値である基準値と、ウェハ205の中心の高さの差分を算出する。
ステップS77で、データ処理部303は、算出した高さの差分に応じた量の補正エアを、エア制御部304によってウェハチャック200に供給する。具体的には、データ処理部303は、高さの差分が小さくなるような量(好ましくはゼロになるような量)の補正エアをウェハチャック200に供給し、ウェハ205が平坦に保持されるようにする。データ処理部303は、例えばフィードバック処理により、高さの差分が小さくなる(又はゼロになる)ような補正エアの量を求めることができる。
ステップS73からステップS77までの動作は、ウェハ検査装置10がウェハ205の検査を開始する前で、ウェハチャック200が回転している間に行う。補正エアを供給するときの応答遅れは1秒に満たないため、ステップS77での補正エアの供給は、ステップS75でのウェハ205の高さの測定から時間をおかずにほぼ即時に実施できる。
ステップS78で、ウェハ検査装置10は、光学測定部131を用いてウェハ205の表面の検査を開始する。ステップS77での補正エアの供給が終了し、ウェハチャック200の回転中心が光学測定部131の幾何中心と一致する位置までウェハチャック200が直線移動したら、ウェハ検査装置10は、ウェハ205の表面の検査を開始する。
図6Cは、ウェハチャック200の回転中心が光学測定部131の幾何中心と一致する位置まで移動したウェハチャック200を示す図である。図6Cに示す状態で、ウェハ検査装置10は、ウェハ205の表面を検査する。
図7に示したフローチャートでの動作では、ウェハ検査装置10は、ウェハチャック200の回転中に、ウェハ205の外周部の高さの平均値とウェハ205の中心の高さという2つの値の差分を用いて、補正エアの供給量を決定する。このため、データ処理部303の構成を簡便にできるとともに、応答速度が速くスループットに影響させずにウェハ205を平坦に保持することができる。
また、補正エアの量と、ウェハ205の外周部の高さと中心の高さの差分との関係を、実験などで求めて予めテーブルに記録しておくこともできる。データ処理部303は、このテーブルを保存することができ、図7のステップS77で、高さの差分が小さくなる(又はゼロとなる)補正エアの量をこのテーブルから求めることができる。データ処理部303は、テーブルから求めた量の補正エアをウェハチャック200に供給する。このようなテーブルを用いると、より高速にウェハ205を平坦に保持することができる。
次に、ウェハ205の高さを測定して補正エアを供給する方法の妥当性を評価するため、本方法によって手動で補正エアを供給し、ウェハ205の半径方向の平坦度を評価した。実施例1で説明したウェハチャック200を用いた場合と、従来のウェハチャックを用いた場合について、ウェハ205の平坦度を比較した。なお、従来のウェハチャックでは、リブの突出高さ(ウェハ205とリブとの間隔h)とリブの幅lが一定である。
図8は、実施例1で説明したウェハチャック200を用いた場合の補正エアの圧力分布(実施例の圧力分布)と、従来のウェハチャックを用いた場合の補正エアの圧力分布(従来の圧力分布)を模式的に示す図である。図8の左図が、実施例の圧力分布を示し、図8の右図が、従来の圧力分布を示す。補正エアの圧力分布は、図4Aの右部に示したトータルの圧力分布に相当する。
従来の圧力分布では、半径方向の中央部の位置で圧力が低下している。実施例の圧力分布では、従来の圧力分布で見られた、半径方向の中央部の位置での圧力低下が解消されており、リブ2011によって圧力分布を改善する効果を確認できる。
なお、ウェハチャックの事前調整として、ウェハ支持部202の複数の接触部202aの高さのばらつきが8μm程度となり、ウェハ205の最外周部の周方向の平坦度(ウェハ205の最上部の位置と最下部の位置との距離)が11μmとなるように調整した。このように調整したウェハチャックに、実施例1で説明したリブ2011を配置して実施例1で説明したウェハチャック200とし、従来のリブを配置して従来のウェハチャックとした。また、補正エアの調整は、図7に示したフローチャートに従って実施した。すなわち、ウェハ205の外周部の高さを測定してこの平均値を算出した後、ウェハ205の中心の高さを測定し、これらの値の差が小さくなってできるだけゼロに近くなるように、手動で補正エアの量を調整した。
図9は、ウェハ205の半径方向の各位置における、ウェハ205の周方向の平均の高さ(高さ方向の変位)の測定結果を示す図である。図9には、実施例1で説明したウェハチャック200を用いた場合(実施例)と従来のウェハチャックを用いた場合(従来)についての測定結果を示している。
図9の測定結果で得られた曲線は、半径方向のウェハ205の高さを表す曲線、すなわちウェハ205の変形を表す曲線であり、リブ2011の構造が影響している。これらの曲線は、実施例と従来とで全体的な傾向は変わらない。しかし、ウェハ205の平坦度を示す高さの最大の差分は、従来では25.5μmであり、実施例では12.5μmである。すなわち、実施例では、ウェハ205の平坦度が改善して従来の約半分になった。
また、手動による補正エアの調整時間は、1分にも満たなかった。実施例1で説明したように補正エアの調整を自動で行うと、ウェハチャック200の回転を立ち上げる時間(概ね数秒)内には、補正エアの調整を終了することができる。
図9に示した測定結果により、実施例でのリブ2011の構造によってウェハ205の平坦度が改善することを確認でき、ウェハ205を効率的に保持できることが分かった。
実施例1で説明したウェハチャック200では、補正エアの圧力分布は、ウェハチャック200の回転軸に対して軸対称である。このため、実施例1のウェハチャック200では、軸対称に変形したウェハ205、例えば、検査前から中央部が凹状又は凸状に変形したウェハ205に対しても、ウェハチャック200で保持したときに、平坦度の改善が期待できる。
そこで、流体と構造の連成解析を行って、変形したウェハ205の平坦度の改善(矯正)を検討した。検討に用いたウェハ205の変形は、中央部で変形が最大となる自重沈下による変形を模しており、最大変形量が中央部で73μmである。このように変形したウェハ205は、下に向かって凸形状である。このウェハ205のモデルを上下逆にして、上に向かって凸形状のウェハ205のモデルも作成した。すなわち、下に向かって凸形状と上に向かって凸形状という、2種類の変形したウェハ205のモデルを作成した。
これらのウェハ205がウェハチャック200に載置された解析体系に対し、まず流体解析により補正エアによるウェハ205の裏面の圧力を得、この圧力を構造解析の境界条件に反映して、ウェハ205の半径方向の形状を構造解析で求め、半径方向におけるウェハ205の変形の最大値(最上部の位置と最下部の位置との距離)を平坦度として評価した。
以下では、下に向かって凸形状に変形したウェハ205を、下凸変形ウェハと呼び、上に向かって凸形状に変形したウェハ205を、上凸変形ウェハと呼ぶ。
図10Aと図10Bは、実施例1のウェハチャック200に、下凸変形ウェハを載置した場合と、上凸変形ウェハを載置した場合における、補正エア量に対するウェハの半径方向の平坦度の変化を、流体-構造連成解析で検討した解析結果を示す図である。図10Aには下凸変形ウェハについての結果を、図10Bには上凸変形ウェハについての結果を示している。
下凸変形ウェハと上凸変形ウェハは、補正エア量によって平坦度が変化し、それぞれの平坦度の極小値が得られた。最小の変形量(平坦度)は、下凸変形ウェハが10μmで、上凸変形ウェハが5μmであり、どちらの変形ウェハでも変形を矯正できることが分かった。
図10Cと図10Dは、流体-構造連成解析で得られたウェハの半径方向の形状を、変形を矯正する前(補正エアを供給する前)の形状と比較した結果を示す図である。図10Cには下凸変形ウェハについての結果を、図10Dには上凸変形ウェハについての結果を示している。図10Cと図10Dでは、ウェハの半径方向の位置に対するウェハの高さ(高さ方向の位置)を、ウェハの半径方向の形状として示しており、流体-構造連成解析で得られたウェハの高さを実線で示し、変形を矯正する前のウェハの高さを破線で示している。
流体-構造連成解析で得られた結果では、下凸変形ウェハと上凸変形ウェハの両方とも、ウェハの高さは、ウェハの中央部(半径が0mmの位置)と外周部(半径が150mmの位置)とで互いに略等しい。これは、本実施例におけるウェハの高さの調整方法によりウェハが平坦になったので、この方法が妥当であることを示している。
以上より、ウェハ205の変形が軸対象であれば、実施例1で説明したウェハチャック200を用いることにより、例えば検査前から変形していたウェハ205に対しても、平坦度をある程度確保できることが分かる。以上より、本実施例によるウェハ検査装置10は、実施例1でも説明したように、簡易な構成でウェハ205を平坦に保持することができるとともに、ウェハ205の表面に存在する異物の検出精度を高めることができる。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
10…ウェハ検査装置、11…ウェハ導入部、12…搬送機構、13…検査室、14…制御部、131…光学測定部、132…モータ、133…直動移動部、200…ウェハチャック、201…ウェハチャックベース、202…ウェハ支持部、202a…接触部、202b…非接触部、203…エア排出口、204…エア供給口、205…ウェハ、206…クランプ機構、211…カム、212…エアシリンダ、213…ベアリング、214…ベアリング保持部、215…圧縮ばね、216…ロッド、217…リンク、218…保持部、219…保持爪、301…高さセンサ、302…アンプ、303…データ処理部、304…エア制御部、2011…リブ。

Claims (6)

  1. 回転可能であってウェハを載置可能なウェハチャックを備え、
    前記ウェハチャックは、エアを前記ウェハの裏面に供給するエア供給口と、前記エアを排出するエア排出口と、前記ウェハを保持するクランプ機構と、上方に突出した複数の円環状突起を備え、
    前記ウェハチャックは、前記円環状突起を備えないとしたときで、前記ウェハチャックが回転したときの、前記ウェハチャックの半径方向での前記ウェハとの間の圧力の分布が、前記半径方向の位置の高次関数で表されており、
    前記円環状突起は、前記ウェハチャックが回転して前記エアが供給されたときの、前記円環状突起によって生じた圧力損失の値が、前記圧力損失の値を与えた前記半径方向の位置と同じ位置での、前記高次関数で表された前記圧力の分布における前記圧力の値以上となるような形状である、
    ことを特徴とするウェハ検査装置。
  2. 複数の前記円環状突起は、高さが互いに異なる、
    請求項1に記載のウェハ検査装置。
  3. 複数の前記円環状突起は、高さが前記ウェハチャックの中央部から外周部に向かって大きくなっていく、
    請求項1に記載のウェハ検査装置。
  4. 複数の前記円環状突起には、前記半径方向の両方向に隣り合った前記円環状突起よりも高さが大きい前記円環状突起が含まれる、
    請求項1に記載のウェハ検査装置。
  5. 前記ウェハチャックに載置された前記ウェハの高さ方向の位置を測定する高さセンサと、
    データ処理部と、
    前記ウェハチャックに前記エアを供給するエア制御部を備え、
    前記高さセンサは、前記ウェハが1回転する間に前記ウェハの外周部の高さを測定するとともに、前記ウェハの回転中に前記ウェハの中心の高さを測定し、
    前記データ処理部は、前記高さセンサが測定した前記ウェハの外周部の高さを平均して平均値を算出し、前記平均値と、前記高さセンサが測定した前記ウェハの中心の高さとの差分を算出し、
    前記データ処理部は、前記差分に応じた量の前記エアを、前記エア制御部によって前記ウェハチャックに供給する、
    請求項1に記載のウェハ検査装置。
  6. 前記データ処理部は、前記ウェハチャックに供給する前記エアの量と、前記ウェハの外周部の高さと中心の高さの差分との関係を記録したテーブルを保存しており、前記平均値と前記ウェハの中心の高さとの前記差分が小さくなる前記エアの量を前記テーブルから求め、求めた量の前記エアを前記ウェハチャックに供給する、
    請求項5に記載のウェハ検査装置。
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