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JP7828544B2 - 防音構造体及びその製造方法 - Google Patents
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JP7828544B2 - 防音構造体及びその製造方法 - Google Patents

防音構造体及びその製造方法

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本発明は、例えば、自動車の車体パネル等に用いられる防音構造体およびその製造方法に関するものである。
従来の防音構造体としては、特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載の防音構造体は、弾性を有するシートと、このシートを支持するとともに同シートを区画する支持部とを備えている。支持部は、多数の筒状セルを配列したハニカム構造体である。この防音構造体は、2000Hz以下の周波数域の広い範囲にわたって高い防音性能を発揮する。
特許第6879369号公報
しかしながら、上記したような従来の防音構造体は、優れた防音性能を有する一方で、比較的高価であり、製造コストの低減が難しいという問題点があることから、このような問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、優れた防音性能を有すると共に、製造コストの低減を実現することができる防音構造体及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係わる防音構造体は、弾性を有するシートと、シートを支持するとともにシートを面状の区画部に区画する支持部材と、シートと支持部材の間に介在する充填部材とを備えている。そして、防音構造体は、支持部材が、縦横の桟部により区画された複数の開口部を有し、充填部材が、弾性材料から成るとともにシートと桟部との隙間を埋めた状態でシート及び桟部に固定してあり、前記シートの最大撓み位置が、開口部内に存在することを特徴としている。
本発明に係わる防音構造体の製造方法は、上記の防音構造体を製造する方法であって、支持部材の片面に、経時により固化する液体状の充填部材用材料を塗布する工程と、平坦なフィルムに、支持部材における充填部材用材料の塗布面を接触させた状態にして、充填部材用材料を経時により固化させて充填部材を形成する工程と、フィルムを剥離した後に、支持部材における充填部材側の面にシートを固定する工程とを備えたことを特徴としている。
上記の防音構造体において、弾性を有するシートの材料には、例えば、ゴム等が挙げられる。また、支持部材の材料には、例えば、エキスパンドメタル若しくはエキスパンドメタル状の網状部材や、金網若しくは金網状の網状部材等が挙げられる。また、充填部材の材料には、例えば、ゴム等が挙げられる。つまり、シート、支持部材及び充填部材には、比較的安価な材料を用いることができる。
さらに、上記の防音構造体は、支持部材としてエキスパンドメタルや金網等の網状部材を用いる場合、これらには厚さ方向の凹凸があるので、その凹凸によりシートとの間に非接触部分が生じる。そこで、上記の防音構造体は、非接触部分を充填部材で埋めた状態にし、シートと支持部材とを実質的に密着状態にしてシートの面剛性を確保する。これにより、防音構造体は、シートの厚さ方向に等分布圧力が加わった状態において、シートの面状区画部の最大たわみの位置を、面状区画部を構成する支持部材と充填部材の内部(開口部内)に存在させて防音性能を確保する。
本発明に係わる防音構造体は、上記構成を採用したことにより、優れた防音性能を有すると共に、製造コストの低減を実現することができる。また、防音構造体の製造方法は、優れた防音性能を有する防音構造体を安価に提供することができる。
本発明に係わる防音構造体の第1実施形態を示す断面図(A)、及び分解状態で示す斜視図(B)である。 防音構造体の遮音作用を示す実施形態の説明図(A)、比較例の説明図(B)、及び面共振の説明図(C)である。 防音構造体の遮音性能を示すグラフである。 防音構造体の製造方法を工程順に説明する各々斜視図(A)~(D)である。 本発明に係わる防音構造体の第2実施形態を示す断面図である。
〈第1実施形態〉
図1に示す防音構造体1は、弾性を有するシート2と、このシート2を支持するとともに同シート2を面状の区画部2Aに区画する支持部材3と、シート2と支持部材3との間に介在する充填部材4とを備えている。そして、防音構造体1は、支持部材3が、縦横の桟部3Aにより区画された複数の開口部Hを有し、充填部材3が、シート2と桟部3Aとの隙間を埋めた状態でシート2及び桟部3Aに固定してある構造を有する。
シート2は、例えば、合成ゴムを含むゴム製の平坦な膜状部材である。支持部材3は、エキスパンドメタル若しくはエキスパンドメタル状の網状部材である。この支持部材3は、平板状の素材に切り込みを形成しながら、その切り込みを広げる周知のエキスパンド装置により製造したものである。上記のシート2や支持部材3は、一般的に、大量生産が可能であって、比較的安価である。
支持部材3は、シート2の曲げ剛性よりも大きい曲げ剛性を有している。また、支持部材3は、シート2よりも大きい曲げ剛性を有するものであれば、金属製に限らず、加熱を伴うエキスパンド工法で製造可能であるプラスチック製であっても良い。
上記の支持部材3は、その構造上、厚さ方向に不可避的な凹凸が生じる。このため、支持部材3は、平坦なシート2に直接固定すると、凹凸により桟部3Aとシート2との間に非接触部分が生じて防音性能が損なわれる。なお、図1(A)では、理解し易くする都合上、支持部材3の凹凸を誇張して示している。
そこで、上記の防音構造体1は、シート2と支持部材3の桟部3Aとの間に充填部材4を介在させ、上記凹凸によるシート2と支持部材3の桟部3Aとの非接触部分を埋めた状態にする。充填部材4は、例えば、合成ゴムを含むゴム製であり、主に支持部材3の桟部3Aとシート2との間に介在しているので、防音構造体1の全体において、支持部材3の密度(質量)よりも小さい密度(質量)である。これにより、防音構造体1は、シート2と支持部材3の桟部3Aとを実質的に密着状態にしてシート2の面剛性を確保する。
このようにして、上記の防音構造体1は、図2(A)に示すように、シート2の厚さ方向に等分布圧力が加わった場合、シート2の面剛性の確保に伴って面状区画部2Aを維持することで、面状区画部2Aの最大たわみDの位置を、支持部材3の桟部3Aと充填部材4の内部(開口部H内)に存在させて遮音性を確保する。
図2(B)は、スポンジ等のように縦弾性係数が小さい材料から成る充填部材4を用いると共に、充填部材4の断面積が小さい場合を示している。この場合には、上記の防音構造体1に比べてシート2の面剛性が下がるので、面状区画部2Aの維持が困難になると共に、最大たわみDが大きくなり、結果として遮音性が低下する。
また、上記の防音構造体1は、シート2の曲げ剛性よりも支持部材3の曲げ剛性が大きいので、図2(C)に示すように、音響波により支持部材3の面で共振が生じ、支持部材3に接しているシート2も面共振振動が生じるので、これにより、共振周波数近傍で遮音性能が向上する。
図3は、防音構造体の遮音性能として周波数と挿入損失との関係を示すグラフである。図3中の実線は、実施例の防音構造体1のデータであり、一例として、面密度が0.751kg/mである。図3中の太い点線は、比較例の防音構造体のデータである。比較例の防音構造体は、シートに支持部材を接着したもので、充填部材が無い構造であり、一例として、面密度が0.588kg/mである。
図3に示すように、実施例の防音構造体1は、シート2と支持部材3との間に充填部材4を介装しているので、材料の遮音性能が質量側を上回り、比較例の防音構造体に比べて遮音性能が明らかに向上することが判る。
図4は、上記防音構造体の製造方法を説明する図である。この実施形態の製造方法は、図4(A)に示すように、支持部材3としてエキスパンドメタルを用い、図4(B)に示すように、支持部材3の片面に、経時により固化する液体状の充填部材用材料4Mを塗布する。このとき、充填部材用材料4Mは、液状のゴムであり、支持部材3に刷毛等で塗布しても良いし、容器に収容して支持部材3を浸漬させても良い。支持部材3を浸漬する場合には、充填部材用材料4Mの粘度や、引き上げ速度などを調整して、充填部材用材料4Mを均一に付着させることが望ましい。
次に、上記の製造方法は、図4(C)に示すように、平坦なフィルムFに、支持部材3における充填部材用材料4Mの塗布面を接触させた状態にして、充填部材用材料4Mを経時により固化させて充填部材4を形成する。フィルムFは、一例としてポリエチレン製である。この工程により、充填部材4は、フィルムF側の表面が、全体として同一面状を成すように(面一に)形成される。
その後、上記の製造方法は、図1(B)及び図4(D)に示すように、フィルムFを剥離して、支持部材3における充填部材4側の面にシート2を貼り合わせて固定する。これにより、上記の防音構造体1,すなわち、シート2と桟部3Aとの隙間を充填部材3で埋めた構造を有する防音構造体1が得られる。
上記実施形態で説明した防音構造体1は、シート2、支持部材3及び充填部材4を備えると共に、充填部材3が、シート2と支持部材3の桟部3Aとの隙間を埋めた構造である。これにより、防音構造体1は、支持部材3に比較的安価な部材を用いたうえで、優れた防音性能を得ることができ、製造コストの低減を実現することができる。
また、上記の防音構造体1は、先述したように、シート2の曲げ剛性よりも支持部材3の曲げ剛性を大きくすることにより共振周波数近傍で遮音性能が向上する。さらに、防音構造体1は、全体における充填部材4の密度を支持部材3の密度よりも小さくすることで、シート2における区画部2Aの形成、区画部2A内のシート2の共振周波数の向上に、充填部材4の機能を特化させる。
これにより、防音構造体1は、充填部材4に、支持部材3ほどの強度や剛性を持たせる必要がないので、低密度で軽量な弾性材料から成る充填部材3を用いて上記機能を発揮させることができ、全体の質量軽減を実現することができる。
さらに、上記の防音構造体1は、支持部材3として、エキスパンドメタル若しくはエキスパンドメタル状の網状部材を用いることで、その開口部Hによりシート2に区画部2Aを容易に形成することができ、支持部材3の開口部の断面比率を大きくすることが可能であるから、全体の質量低減に貢献することができる。
さらに、上記の防音構造体1は、自動車用防音部材に用いることができ、より具体的には、自動車のフロア内に配置することにより、車室における走行音の遮断にきわめて有効である。
さらに、上記防音構造体1の製造方法は、支持部材3の片面に、経時により固化する液体状の充填部材用材料4Mを塗布する工程と、平坦なフィルムFに、支持部材3における先の塗布面を接触させた状態にして、充填部材用材料4Mを経時により固化させて充填部材4を形成する工程と、フィルムFを剥離した後に、支持部材3における充填部材4側の面にシート2を固定する工程とを備えている。これにより、上記の製造方法によれば、優れた防音性能を有する防音構造体を安価に得ることができる。
〈第2実施形態〉
図5は、本発明に係わる防音構造体の第2実施形態を説明する図である。この実施形態では、第1実施形態と同じ部位に同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図示の防音構造体1は、支持部材3が、金網若しくは金網状の網状部材である。支持部材3は、縦横に織り込んだ線材が桟部3Aに相当すると共に、線材同士の間が開口部Hであり、厚さ方向に凹凸を有する。この支持部材3は、シート2の曲げ剛性よりも大きい曲げ剛性を有しており、シート2よりも大きい曲げ剛性を有するものであれば、金属製に限らず、プラスチック製であっても良い。
そして、上記の防音構造体1は、充填部材4が、シート2と支持部材3の桟部3Aとの隙間を埋めた状態でシート2及び桟部3Aに固定してある。このような防音構造体1にあっても、第1実施形態と同様に、支持部材3に比較的安価な部材を用いたうえで、優れた防音性能を得ることができ、製造コストの低減を実現することができる。
また、上記の防音構造体1は、支持部材3として、金網若しくは金網状の網状部材を用いることで、その開口部Hによりシート2に区画部2Aを容易に形成することができ、支持部材3の開口部の断面比率を大きくすることが可能であるから、全体の質量低減に貢献することができる。
本発明に係わる防音構造体は、その構成が上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、各実施形態の防音構造体は、シートの片面に支持部材を配置した構造としたが、シートの両面に支持部材を配置したり、開口部の大きさや位置が異なる支持部材をシートの両面に配置したりすることも可能である。
1 防音構造体
2 シート
2A 区画部
3 支持部材
3A 桟部部
3H 開口部
4 充填部材
4M 充填部材用材料
F フィルム

Claims (8)

  1. 弾性を有するシートと、前記シートを支持するとともに前記シートを面状の区画部に区画する支持部材と、前記シートと前記支持部材の間に介在する充填部材とを備え、
    前記支持部材が、縦横の桟部により区画された複数の開口部を有し、
    前記充填部材が、弾性材料から成るとともに前記シートと前記桟部との隙間を埋めた状態で前記シート及び前記桟部に固定してあり、
    前記シートの最大撓み位置が、前記開口部内に存在することを特徴とする防音構造体。
  2. 前記支持部材の曲げ剛性が、前記シートの曲げ剛性よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の防音構造体。
  3. 前記充填部材の密度が、前記支持部材の密度よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の防音構造体。
  4. 前記支持部材が、エキスパンドメタル若しくはエキスパンドメタル状の網状部材であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の防音構造体。
  5. 前記支持部材が、金網若しくは金網状の網状部材であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の防音構造体。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の防音構造体を備えたことを特徴とする自動車用防音部材。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の防音構造体を製造する方法であって、
    前記支持部材の片面に、経時により固化する液体状の充填部材用材料を塗布する工程と、
    平坦なフィルムに、前記支持部材における前記充填部材用材料の塗布面を接触させた状態にして、前記充填部材用材料を経時により固化させて前記充填部材を形成する工程と、
    前記フィルムを剥離した後に、前記支持部材における前記充填部材側の面に前記シートを固定する工程とを備えたことを特徴とする防音構造体の製造方法。
  8. 弾性を有するシートと、前記シートを支持するとともに前記シートを面状の区画部に区画する支持部材と、前記シートと前記支持部材の間に介在する充填部材とを備え、前記支持部材が、縦横の桟部により区画された複数の開口部を有し、前記充填部材が、前記シートと前記桟部との隙間を埋めた状態で前記シート及び前記桟部に固定してある防音構造体を製造する方法であって、
    前記支持部材の片面に、経時により固化する液体状の充填部材用材料を塗布する工程と、
    平坦なフィルムに、前記支持部材における前記充填部材用材料の塗布面を接触させた状態にして、前記充填部材用材料を経時により固化させて前記充填部材を形成する工程と、
    前記フィルムを剥離した後に、前記支持部材における前記充填部材側の面に前記シートを固定する工程とを備えたことを特徴とする防音構造体の製造方法。
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