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JP7828652B2 - 照明器具設置用支柱及びその設計方法 - Google Patents
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JP7828652B2 - 照明器具設置用支柱及びその設計方法 - Google Patents

照明器具設置用支柱及びその設計方法

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Description

本発明は、照明器具設置用支柱及びその設計方法に関するものであり、より詳細には、シンプルな構成にして十分な強度性能を有する、主に競技場やサッカー場等における照明器具設置に用いられる支柱及びその設計方法に関するものである。
陸上競技場、サッカー場、野球場等には照明設備が不可欠である。その場合の個々の照明器具はかなり重量の嵩むものであるので、それを設置するための支柱にも、それ相応の強度が要求される。一般的な照明器具設置用支柱は、支柱全体又は継手部分がテーパー鋼管で構成された特殊形状のものであるため、その製造には、それ専用の製造装置が必要となり、また、製造業者が限られることもあって、コストが嵩み、また、納期も長期に亘る傾向にある。
一般に、照明器具設置用支柱は、高さが15mを越えるものであるが、この高さの支柱は、建築基準法第88条第1項、建築基準法施行令(政令)第138条第1項第二号に基づく工作物(鉄筋コンクリート造の柱等)に該当し、その規制を受ける。この種支柱は全長に亘って同じ径ではなく、下部の部材が上部の部材よりも太径にされるが、上記規制において、その接合部における溶接の目違い(溶接を行う母材間の基準面同士のくい違い)は、5mm以下とされている。
角型鋼管柱の接合を通しダイアフラムを用いて行うことは一般的な方法ではあるが、それは主に、角型鋼管柱に対して梁となるH型鋼を接合する場合の方法であって、角形鋼管柱同士を上下に接合するための設計法ではない(特開2023-23809号公報等)。また、異径鉄骨柱の継手構造に関する提案もあるが(特開2000-8482号公報)、その継手構造は、ダイアフラムに相当する特殊形状のコラムコアを用いるものであり、一般的ではない。
特開2023-23809号公報 特開2000-8482号公報
上述したように、従来の一般的照明器具設置用支柱の場合は、その製造に専用の製造装置が必要となり、また、製造業者が限られることもあって、コストが嵩み、また、納期も長期に亘るという問題があった。本発明は、このような従来技術における問題に鑑みてなされたもので、照明器具設置に対応する十分な強度を有していて、専用の製造装置を要せずに比較的容易に製造でき、また、上記政令の要請にも応え得る照明器具設置用支柱及びその設計方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、それぞれ異径の複数の鋼管柱を、下段のものほど大径となるように通しダイアフラムを介して垂直に溶接接合して製造する照明器具を設置するための支柱の設計方法であって、
前記通しダイアフラムの板厚、それに発生する面外応力が短期許容応力度以下となるように設定することを特徴とし、
前記通しダイアフラムに発生する面外応力が短期許容応力度以下であることを、下記式(1)により確認する照明器具設置用支柱の設計方法である。
ここにおいて
iMy:i点におけるy軸回りの面外曲げモーメント(単位 Nmm)
jMz:j点におけるz軸回りの面外曲げモーメント(単位 Nmm)
iZy:i点におけるy軸方向断面の断面係数(単位 mm )
jZz:j点におけるz軸方向断面の断面係数(単位 mm )
iQz:i点におけるZ軸方向の面外せん断力(単位 N)
jQy:j点におけるy軸方向の面外せん断力(単位 N)
iAy:i点におけるy軸方向断面の断面積(単位 mm )
jAz:j点におけるz軸方向断面の断面積(単位 mm )
i :ダイアフラム中心からz軸方向への任意の距離(圧縮側フランジ方向を正とする)(単位 mm)
j:ダイアフラム中心からy軸方向への任意の距離(絶対値を取る)(単位 mm)
y軸:照明柱の照明灯最大受風方向と直交する方向
z軸:照明柱の照明灯最大受風方向
F:ダイアフラムの許容引張応力度(単位 N/mm )
本発明に係る照明器具設置用支柱及びその設計方法は上記のとおりであって、上下の鋼管柱を、上記式(1)を満足するように設定した通しダイアフラムを介して接合することにより、専用の製造装置を要せずに、照明器具設置に対応する十分な強度を有する照明器具設置用支柱となし得る効果がある。
本発明に係る照明器具設置用支柱の全体構成を示す斜視図である。 本発明に係る照明器具設置用支柱の通しダイアフラムの構成を示す斜視図である。 本発明に係る照明器具設置用支柱における角型鋼管柱の長尺化方法を示す斜視図である。 本発明に係る照明器具設置用支柱における上側鋼管の置換方法を示す図である。 置換プレートの分類を示す図である。 モデル化した通しダイアフラムを示す図である。 モデル化した通しダイアフラムに発生する応力を示す図である。 通しダイアフラムの面外曲げモーメントを示す図である。
本発明を実施するための形態につき、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明に係る照明器具設置用支柱は、それぞれ異径の複数の鋼管柱を、下段のものほど大径となるように垂直に接合して成るものであり、前記複数の鋼管柱はそれぞれ通しダイアフラムを介して溶接接合され、前記通しダイアフラムの板厚を、それに発生する面外応力が短期許容応力度以下となるように設定することにより、上側の鋼管柱とその下側の鋼管柱において最大片側50mmの目違いが許容されるようにしたことを特徴とするものである。ここにおいて最大片側50mmの目違いを許容としたのは、通しダイアフラムの板厚の上限値(100mm)を守るためには、最大片側50mmが最適であると考えられたからである。
図1は、本発明に係る照明器具設置用支柱1の全体構成図であり、複数段接合される鋼管柱のうち最上段の鋼管柱は、上端に照明器具2を設置するためのトッププレート3を備えた円形鋼管4であり、他の3本の鋼管柱は角型鋼管5,6,7である。図示した例における角型鋼管5,6,7は3段であるが、2段又は4段以上の場合もある。図示した例においては、角型鋼管柱6は、同径の2本の鋼管柱6a,6bを、スプライスプレート11及び高力ボルトで四側面を接合したものとされている(図3参照)。この構成は、支柱の製造及び運搬の便宜上支柱を分節し、設置現場において接合するような場合に採用される構成である。
各鋼管柱4~7の柱断面は、頂部からの距離に応じて有効細長比が200以下となるように変化させる。最下段の角型鋼管柱7の下端には、柱脚ベースプレート8が設置される。柱脚ベースプレート8及び後出の通しダイアフラム10は、建築用鋼材として規格化されている材料の中で最も強度に優れているSN490C、もしくは、それ相当のTMCP鋼製とされる。最下段を角型鋼管柱7としている一つの理由は、一般に基礎(柱脚ベースプレート8)は矩形であるので、その基礎の方向に向きを合わせやすくするためである。その上の角型鋼管5,6は、角型鋼管柱7に合わせたものである。また、照明の角度と基礎の角度が異なる場合があるため、照明器具2が取り付けられる最上段の鋼管は、円形鋼管4とする。
円形鋼管4と角型鋼管5、並びに、角型鋼管5,6,7間は、それぞれ通しダイアフラム10を介して溶接接合される。溶接は、完全溶け込み溶接による。上述したように、照明器具設置用支柱1は、高さが15mを越えるものであって、建築基準法施行令の規制を受け、その規制において、その接合部における溶接の目違い(溶接を行う母材間の基準面同士のくい違い)は、5mm以下とされている。
本発明に係る照明器具設置用支柱1は、頂部からの距離に応じて、有効細長比が200以下となるよう柱断面を変化させ、柱断面が変わる部分は、通しダイアフラム10を介して溶接接合し、通しダイアフラム10の上側と下側に接合する部材は、最大片側50mmの目違いを許容するものであるが、この目違いの許容範囲は、上記政令に抵触するので、上記政令の告示に規定されている但し書による安全性の確認が必要となる。
本発明者は、上記政令を遵守するため鋭意研究開発を進めた結果、通しダイアフラム10の板厚を、通しダイアフラム10に発生する面外応力が短期許容応力度以下となるように設定する設計法を採用することで、上記政令の告示に規定されている但し書、即ち、「仕口部の鋼材の長期に生ずる力及び短期に生ずる力に対する各許容応力度に基づき求めた当該部分の耐力以上の耐力を有するように適切な補強行った場合においては、この限りではない。」に該当するものとすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下に、その設計法について詳述する。本発明においては、目違いの補強は、通しダイアフラム10が面外応力に対して短期許容応力度以内であることを確認することにより行うものとし、その確認は、後出の式(1)により行い、通しダイアフラム10の各点において、式(1)を満足する板厚とする。通しダイアフラム10の設計手順は以下のとおりである。
1)円形鋼管4と角型鋼管5を、断面積と断面係数が等価な、4枚の同一プレートによる断面に変換する(図4参照)。
角型鋼管5の置換は、以下の条件を満足するb(4プレートの幅:mm)、uD(4プレートによりなる矩形のせい:mm)を求める。
円形鋼管4の置換は、以下の条件を満足するut(4プレート厚:mm)、b(4プレートの幅:mm)、uD(4プレートによりなる矩形のせい:mm)を求める。
2)荷重方向に対してプレートの厚さ方向が並行する2組のプレートをフランジにし、幅方向が並行する2組のプレートをウェブにする(図5参照)。
3)通しダイアフラム10を下側角型鋼管位置でピン支持された水平荷重方向、水平荷重直交方向の単純支持梁に等置する(図6参照)。
4)荷重方向単純梁には、上側部材を置換した4プレートのフランジに作用する軸方向力を外力として、荷重直交方向単純梁には、上側部材を置換した4プレートのウェブに作用する軸方向力を荷重として、それぞれ応力を求める。ウェブによる応力は、圧縮側と引張側で分割し、ダイアフラム有効幅1/2の幅から成る圧縮側ダイアフラム、引張側ダイアフラムにそれぞれ作用すると考える(図7参照)。
水平荷重方向及び直交方向の曲げ応力度とせん断応力度の組み合わせ応力度が、通しダイアフラム10の短期許容応力度以下であることを確認する必要があるが、その確認は、下記式(1)により行うことができる。通しダイアフラム10に発生する応力は、通しダイアフラム10の各点において、式(1)を満足する必要がある。
ここにおいて
iMy:i点におけるy軸回りの面外曲げモーメント(単位 Nmm)
jMz:j点におけるz軸回りの面外曲げモーメント(単位 Nmm)
iZy:i点におけるy軸方向断面の断面係数(単位 mm)
jZz:j点におけるz軸方向断面の断面係数(単位 mm)
iQz:i点におけるZ軸方向の面外せん断力(単位 N)
jQy:j点におけるy軸方向の面外せん断力(単位 N)
iAy:i点におけるy軸方向断面の断面積(単位 mm)
jAz:j点におけるz軸方向断面の断面積(単位 mm)
i :ダイアフラム中心からz軸方向への任意の距離(圧縮側フランジ方向を正とする)(単位 mm)
j:ダイアフラム中心からy軸方向への任意の距離(絶対値を取る)(単位 mm)
y軸:照明柱の照明灯最大受風方向と直交する方向
z軸:照明柱の照明灯最大受風方向
F:ダイアフラムの許容引張応力度(単位 N/mm)
上記iMy、jMz、iQz、jQyは、以下の式から求めることができる。
ここにおいて
uL:上側部材を等価な2軸対称配置した4枚一組の同一板材とした断面のせいuDから等価な板厚ut’を引いた値
uL=uD-ut’(単位 mm)
LL:下側角型鋼管のせいLDから板厚Ltを引いた値LL=LD-Lt (単
位 mm)
NL:検討高さにおける柱軸力(単位 N)
Nf:検討高さにおけるy軸回りの曲げモーメントによる上側部材フランジに作用する軸方向力(単位 N)
Nw:検討高さにおけるy軸回りの曲げモーメントによる上側部材ウェブに作用する軸方向力(単位 N)
上記式(1)により、通しダイアフラム10上の任意点(i,j)におけるy軸回り曲げモーメントiMy、z軸回り曲げモーメントjMz、z軸方向せん断力iQz、y軸方向せん断力jQyによる応力度の主軸方向の値が、ダイアフラムの許容引張応力度を超えないことを確認することができる。この点については、設計法の評価として構造性能評価を取得している(ERI-K22004)。
本発明に係る照明器具設置用支柱及びその設計方法は上記のとおりであって、上下の鋼管柱を、所定の式を満足するように設定した通しダイアフラムを介して接合することにより、専用の製造装置を要せずに、照明器具設置に対応する十分な強度を有する照明器具設置用支柱となし得る効果があり、その産業上の利用可能性は大である。
1 照明器具設置用支柱
2 照明器具
3 トッププレート
4 円形鋼管柱
5,6,7 角型鋼管柱
8 柱脚ベースプレート
10 通しダイアフラム

Claims (1)

  1. それぞれ異径の複数の鋼管柱を、下段のものほど大径となるように通しダイアフラムを介して垂直に溶接接合して製造する照明器具を設置するための支柱の設計方法であって、
    前記通しダイアフラムの板厚、それに発生する面外応力が短期許容応力度以下となるように設定することを特徴とし、
    前記通しダイアフラムに発生する面外応力が短期許容応力度以下であることを、下記式(1)により確認する照明器具設置用支柱の設計方法
    ここにおいて
    iMy:i点におけるy軸回りの面外曲げモーメント(単位 Nmm)
    jMz:j点におけるz軸回りの面外曲げモーメント(単位 Nmm)
    iZy:i点におけるy軸方向断面の断面係数(単位 mm )
    jZz:j点におけるz軸方向断面の断面係数(単位 mm )
    iQz:i点におけるZ軸方向の面外せん断力(単位 N)
    jQy:j点におけるy軸方向の面外せん断力(単位 N)
    iAy:i点におけるy軸方向断面の断面積(単位 mm )
    jAz:j点におけるz軸方向断面の断面積(単位 mm )
    i :ダイアフラム中心からz軸方向への任意の距離(圧縮側フランジ方向を正とする)(単位 mm)
    j:ダイアフラム中心からy軸方向への任意の距離(絶対値を取る)(単位 mm)
    y軸:照明柱の照明灯最大受風方向と直交する方向
    z軸:照明柱の照明灯最大受風方向
    F:ダイアフラムの許容引張応力度(単位 N/mm )
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