以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る静電チャックを模式的に表す斜視図である。
図2(a)及び図2(b)は、実施形態に係る静電チャックの一部を模式的に表す断面図である。
図1では、説明の便宜上、静電チャックの一部において断面図を表している。
図2(a)は、図1に示したA1-A1線による断面図である。
図2(b)は、図2(a)に示した領域B2の拡大図である。なお、図2(b)では、処理対象物Wを省略している。
図1、図2(a)、及び図2(b)に表したように、実施形態に係る静電チャック10は、セラミック誘電体基板100と、ヒータ部200と、ベースプレート300と、を備える。
セラミック誘電体基板100は、例えば多結晶セラミック焼結体による平板状の基材であり、半導体ウェーハ等の処理対象物Wを載置する第1主面101(載置面)と、第1主面101とは反対側の第2主面102と、を有する。
本願明細書では、第1主面101に対して垂直な方向をZ方向とする。Z方向は、換言すれば、第1主面101と第2主面102とを結ぶ方向である。Z方向は、換言すれば、ベースプレート300からセラミック誘電体基板100に向かう積層方向である。また、Z方向と直交する方向の1つをX方向、Z方向及びX方向に直交する方向をY方向とする。本願明細書において、「面内」とは、例えばX-Y平面内である。また、本願明細書において、「平面視」とは、Z方向に沿って見た状態を示す。
セラミック誘電体基板100に含まれる結晶の材料としては、例えばAl2O3、AlN、SiC、Y2O3及びYAGなどが挙げられる。このような材料を用いることで、セラミック誘電体基板100における赤外線透過性、熱伝導性、絶縁耐性及びプラズマ耐久性を高めることができる。
セラミック誘電体基板100の内部には、電極層111が設けられている。電極層111は、第1主面101と、第2主面102と、の間に介設されている。すなわち、電極層111は、セラミック誘電体基板100の中に挿入されるように形成されている。電極層111は、セラミック誘電体基板100に一体焼結されている。
なお、電極層111は、第1主面101と、第2主面102と、の間に介設されていることに限定されず、第2主面102に付設されていてもよい。
静電チャック10は、電極層111に吸着保持用電圧を印加することによって、電極層111の第1主面101側に電荷を発生させ、静電力によって処理対象物Wを吸着保持する。
電極層111は、第1主面101及び第2主面102に沿って設けられている。電極層111は、処理対象物Wを吸着保持するための吸着電極である。電極層111は、単極型でも双極型でもよい。また、電極層111は、三極型やその他の多極型であってもよい。電極層111の数や電極層111の配置は、適宜選択される。
ベースプレート300は、セラミック誘電体基板100の第2主面102側に設けられ、セラミック誘電体基板100を支持する。図2(a)に表したように、ベースプレート300は、セラミック誘電体基板100側の上面302と、上面302とは反対側の下面303と、を有する。ベースプレート300は、上面302と下面303との間に設けられた連通路301(冷媒流路)を含む。つまり、連通路301は、ベースプレート300の内部に設けられている。ベースプレート300の材料としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金が挙げられる。
ベースプレート300は、セラミック誘電体基板100の温度調整を行う役目を果たす。例えば、セラミック誘電体基板100を冷却する場合には、連通路301へ冷却媒体を流入し、連通路301を通過させ、連通路301から冷却媒体を流出させる。これにより、冷却媒体によってベースプレート300の熱を吸収し、その上に取り付けられたセラミック誘電体基板100を冷却することができる。すなわち、連通路301は、冷媒が通過可能な冷媒流路として機能する。
また、セラミック誘電体基板100の第1主面101側には、必要に応じて凸部113が設けられている。互いに隣り合う凸部113の間には、溝115が設けられている。溝115は、互いに連通している。静電チャック10に搭載された処理対象物Wの裏面と、溝115と、の間には、空間が形成される。
溝115には、ベースプレート300及びセラミック誘電体基板100を貫通する導入路321が接続されている。処理対象物Wを吸着保持した状態で導入路321からヘリウム(He)等の伝達ガスを導入すると、処理対象物Wと溝115との間に設けられた空間に伝達ガスが流れ、処理対象物Wを伝達ガスによって直接加熱もしくは冷却することができるようになる。
ヒータ部200は、セラミック誘電体基板100を加熱する。ヒータ部200は、セラミック誘電体基板100を加熱することで、セラミック誘電体基板100を介して処理対象物Wを加熱する。この例では、ヒータ部200は、第1主面101と、第2主面102と、の間に設けられている。すなわち、ヒータ部200は、セラミック誘電体基板100の内部に設けられている。ヒータ部200は、セラミック誘電体基板100の中に挿入されるように形成されている。言い換えれば、ヒータ部200は、セラミック誘電体基板100に内蔵されている。
ヒータ部200には、後述する給電端子280(サブ給電端子281又はメイン給電端子282)が設けられる。図2(a)に表したように、給電端子280は、例えば導電部21(配線、プローブ、ソケット、または端子など)を介して、電源20と電気的に接続される。電源20から導電部21及び給電端子280を介して、ヒータ部200のヒータラインに電流を流すことで、ヒータラインが発熱する。
ベースプレート300には、給電端子280及び導電部21の少なくともいずれかを配置するための端子孔300pが設けられる。端子孔300pは、給電端子280の位置に応じて配置されている。例えば、端子孔300pは、Z方向において給電端子280と重なりZ方向に延びる部分を含む。端子孔300pの一部は、X-Y平面内において連通路301と並ぶ。端子孔300pは、例えばベースプレート300の上面302から下面303まで延びて、ベースプレート300を貫通する。
後述するように給電端子280は、複数設けられる。そのため、例えば、複数の給電端子280のそれぞれに対応して、複数の端子孔300pが設けられる。例えば、複数の端子孔300pのそれぞれに、給電端子280及び導電部21の少なくともいずれかが配置される。
なお、ヒータ部200は、セラミック誘電体基板100と別体でもよい。この場合、セラミック誘電体基板100とベースプレート300との間に設けられる。例えば、ベースプレート300とヒータ部200との間には、接着層が設けられる。ヒータ部200とセラミック誘電体基板100との間には、接着層が設けられる。接着層の材料としては、比較的高い熱伝導性を有するシリコーン等の耐熱性樹脂が挙げられる。
ヒータ部200は、後述する第1ヒータエレメント231と、第2ヒータエレメント232と、を含む。
図3は、実施形態に係る第2ヒータエレメントを模式的に表す平面図である。
図3は、第2ヒータエレメント232をZ方向に垂直な平面に投影した図である。図3に表したように、第2ヒータエレメント232は、少なくとも径方向Drに分割された複数のメインゾーン600(第2ゾーン)を有する。言い換えれば、複数のメインゾーン600は、少なくとも径方向Drに並ぶ。第2ヒータエレメント232では、各メインゾーン600において、独立した温度制御が行われる。
本願明細書において、「径方向Dr」とは、ヒータエレメント(例えば第1ヒータエレメント231)の中心から半径に沿って外周に向かう方向である。「周方向Dc」とは、ヒータエレメント(例えば第1ヒータエレメント231)の外周に沿う方向である。径方向Drは、セラミック誘電体基板100またはベースプレート300の径方向でもよい。周方向Dcは、セラミック誘電体基板100またはベースプレート300の周方向でもよい。
この例では、複数のメインゾーン600は、径方向Drに並ぶ3つのメインゾーン601~603を有する。つまり、第2ヒータエレメント232は、径方向Drにおいて3つに分割されている。各メインゾーン600は、第2ヒータエレメント232の中心CT2から径方向Drの外側に向かってメインゾーン601、メインゾーン602、メインゾーン603の順に配置されている。
この例では、メインゾーン601は、平面視において、中心CT2を中心とする円形状である。メインゾーン602は、平面視において、メインゾーン601の外側に位置し中心CT2を中心とする環状である。メインゾーン603は、平面視において、メインゾーン602の外側に位置し中心CT2を中心とする環状である。
この例では、メインゾーン601の径方向Drの幅LM1、メインゾーン602の径方向Drの幅LM2、及びメインゾーン603の径方向Drの幅LM3は、互いに同じである。幅LM1~LM3は、それぞれ異なっていてもよい。
なお、メインゾーン600の数やメインゾーン600の平面視における形状は、任意でよい。また、メインゾーン600は、周方向Dcに分割されていてもよいし、周方向Dc及び径方向Drに分割されていてもよい。各メインゾーン600内の構成については、後述する。
なお、図3では便宜上、各メインゾーン600の径方向Drの端部同士を接して記載しているが、実際にはこれらの間には隙間(すなわち、メインヒータライン232cが設けられていない部分)が存在しており、隣接するメインゾーンの径方向Drの端部同士が接することはない。以降の図も同じである。
図4は、実施形態に係る第2ヒータエレメントのメインゾーンの一部を模式的に表す平面図である。
メインゾーン600は、第2ヒータライン(メインヒータライン232c)と、一対の第2給電部(第1メイン給電部232a及び第2メイン給電部232b)と、を有する。メインヒータライン232cは、第1メイン給電部232aと第2メイン給電部232bとに電気的に接続されている。第1メイン給電部232aは、メインヒータライン232cの一端に設けられており、第2メイン給電部232bは、メインヒータライン232cの他端に設けられている。第1メイン給電部232a及び第2メイン給電部232bのそれぞれは、例えばメインヒータライン232cよりも幅が広い導電部(金属膜、金属箔)である。メインヒータライン232cは、例えば比較的幅の狭い導電部(金属膜、金属箔)である。メインヒータライン232cは、電流が流れることにより発熱する。第1メイン給電部232a及び第2メイン給電部232bは、メインヒータライン232cに給電する。1つのメインゾーン600は、1つの第1メイン給電部232aと、1つの第2メイン給電部232bと、1つのメインヒータライン232cと、を有する。メインゾーン600は、第1メイン給電部232aと第2メイン給電部232bとを繋ぐ連続するメインヒータライン232cで構成される領域である。
各メインゾーン600を構成するメインヒータライン232cは、互いに独立している。これにより、各メインゾーン600(メインヒータライン232c)ごとに異なる電圧を印加することができる。したがって、各メインゾーン600ごとに出力(生成する熱量)を独立して制御することができる。言い換えれば、各メインゾーン600は、互いに独立した温度制御を行うことができるヒータユニットであり、第2ヒータエレメント232は、このヒータユニットを複数有するヒータユニットの集合体である。
図5は、実施形態に係る第1ヒータエレメントを模式的に表す平面図である。
図5は、第1ヒータエレメント231をZ方向に垂直な平面に投影した図である。図5に表したように、この例では、第1ヒータエレメント231は、径方向Dr及び周方向Dcに分割された複数のサブゾーン700(第1ゾーン)を有する。言い換えれば、複数のサブゾーン700は、径方向Dr及び周方向Dcに並ぶ。第1ヒータエレメント231では、各サブゾーン700において、独立した温度制御が行われる。
この例では、複数のサブゾーン700は、サブゾーン701aからなる第1領域701と、周方向Dcに並ぶサブゾーン702a~702hからなる第2領域702と、周方向Dcに並ぶサブゾーン703a~703hからなる第3領域703と、周方向Dcに並ぶサブゾーン704a~704hからなる第4領域704と、周方向Dcに並ぶサブゾーン705a~705hからなる第5領域705と、を有する。つまり、第1ヒータエレメント231は、径方向Drにおいて5つに分割されている。さらに、第2領域702~第5領域705は、それぞれ、周方向Dcにおいて8つに分割されている。第1領域701~第5領域705は、第1ヒータエレメント231の中心CT1から径方向Drの外側に向かって第1領域701、第2領域702、第3領域703、第4領域704、第5領域705の順に配置されている。
第1領域701(サブゾーン701a)は、平面視において、中心CT1を中心とする円形状である。第2領域702~第5領域705のそれぞれは、平面視において、中心CT1を中心とする環状である。平面視において、第2領域702は第1領域701の外側に位置し、第3領域703は第2領域702の外側に位置し、第4領域704は第3領域703の外側に位置し、第5領域705は第4領域704の外側に位置する。
第2領域702は、複数のサブゾーン700のうちの一部のサブゾーン700(サブゾーン702a~サブゾーン702h)を有する。サブゾーン702a~サブゾーン702hは、周方向Dcに並ぶ。具体的には、第2領域702において、サブゾーン702a~702hは、時計回りにサブゾーン702a、サブゾーン702b、サブゾーン702c、サブゾーン702d、サブゾーン702e、サブゾーン702f、サブゾーン702g、サブゾーン702hの順に配置されている。また、この例では、サブゾーン702a~702hは、それぞれ、サブゾーン701aの外側に位置する。サブゾーン702a~702hは、それぞれ、環状の第2領域702の一部を構成している。以下の説明において、第2領域702を、第4環状ゾーン領域Z14と称する場合がある。
第3領域703は、複数のサブゾーン700のうちの一部のサブゾーン700(サブゾーン703a~サブゾーン703h)を有する。サブゾーン703a~サブゾーン703hは、周方向Dcに並ぶ。具体的には、第3領域703において、サブゾーン703a~703hは、時計回りにサブゾーン703a、サブゾーン703b、サブゾーン703c、サブゾーン703d、サブゾーン703e、サブゾーン703f、サブゾーン703g、サブゾーン703hの順に配置されている。また、この例では、サブゾーン703aは、サブゾーン702aの外側に位置する。サブゾーン703bは、サブゾーン702bの外側に位置する。サブゾーン703cは、サブゾーン702cの外側に位置する。サブゾーン703dは、サブゾーン702dの外側に位置する。サブゾーン703eは、サブゾーン702eの外側に位置する。サブゾーン703fは、サブゾーン702fの外側に位置する。サブゾーン703gは、サブゾーン702gの外側に位置する。サブゾーン703hは、サブゾーン702hの外側に位置する。サブゾーン703a~703hは、それぞれ、環状の第3領域703の一部を構成している。以下の説明において、第3領域703を、第3環状ゾーン領域Z13と称する場合がある。
第4領域704は、複数のサブゾーン700のうちの一部のサブゾーン700(サブゾーン704a~サブゾーン704h)を有する。サブゾーン704a~サブゾーン704hは、周方向Dcに並ぶ。具体的には、第4領域704において、サブゾーン704a~704hは、時計回りにサブゾーン704a、サブゾーン704b、サブゾーン704c、サブゾーン704d、サブゾーン704e、サブゾーン704f、サブゾーン704g、サブゾーン704hの順に配置されている。また、この例では、サブゾーン704aは、サブゾーン703aの外側に位置する。サブゾーン704bは、サブゾーン703bの外側に位置する。サブゾーン704cは、サブゾーン703cの外側に位置する。サブゾーン704dは、サブゾーン703dの外側に位置する。サブゾーン704eは、サブゾーン703eの外側に位置する。サブゾーン704fは、サブゾーン703fの外側に位置する。サブゾーン704gは、サブゾーン703gの外側に位置する。サブゾーン704hは、サブゾーン703hの外側に位置する。サブゾーン704a~704hは、それぞれ、環状の第4領域704の一部を構成している。以下の説明において、第4領域704を、第2環状ゾーン領域Z12と称する場合がある。
第5領域705は、複数のサブゾーン700のうちの一部のサブゾーン700(サブゾーン705a~サブゾーン705h)を有する。サブゾーン705a~サブゾーン705hは、周方向Dcに並ぶ。具体的には、第5領域705において、サブゾーン705a~705hは、時計回りにサブゾーン705a、サブゾーン705b、サブゾーン705c、サブゾーン705d、サブゾーン705e、サブゾーン705f、サブゾーン705g、サブゾーン705hの順に配置されている。また、この例では、サブゾーン705aは、サブゾーン704aの外側に位置する。サブゾーン705bは、サブゾーン704bの外側に位置する。サブゾーン705cは、サブゾーン704cの外側に位置する。サブゾーン705dは、サブゾーン704dの外側に位置する。サブゾーン705eは、サブゾーン704eの外側に位置する。サブゾーン705fは、サブゾーン704fの外側に位置する。サブゾーン705gは、サブゾーン704gの外側に位置する。サブゾーン705hは、サブゾーン704hの外側に位置する。サブゾーン705a~705hは、それぞれ、環状の第5領域705の一部を構成している。以下の説明において、第5領域705を、第1環状ゾーン領域Z11と称する場合がある。
この例では、第1領域701の径方向Drの幅LS1(半径)、第2領域702の径方向Drの幅LS2、第3領域703の径方向Drの幅LS3、第4領域704の径方向Drの幅LS4、及び、第5領域705の径方向Drの幅LS5は、互いに同じである。幅LS1~LS5は、互いに異なっていてもよい。
複数のサブゾーン700の数は、複数のメインゾーン600の数よりも大きい。つまり、第1ヒータエレメント231は、第2ヒータエレメント232よりも多くのゾーンに分割されている。例えば、複数のサブゾーン700の数は、20以上である。この例では、複数のサブゾーン700の数は、33であり、複数のメインゾーン600の数は、3である。複数のサブゾーン700の数の上限は、特に限定されないが、例えば200程度である。
第1ヒータエレメント231に含まれる複数のサブゾーン700の数を、第2ヒータエレメント232に含まれる複数のメインゾーン600の数よりも多くすることで、第1ヒータエレメント231によって、第2ヒータエレメント232よりも狭い領域の温度調整を行うことができる。これにより、第1ヒータエレメント231によってより細かい温度の微調整が可能となり、処理対象物Wの面内の温度分布の均一性を向上させることができる。サブゾーン700の数やサブゾーン700の平面視における形状は、任意でよい。
なお、図5では便宜上、各サブゾーン700の径方向Drの端部同士を接して記載しているが、実際にはこれらの間には隙間(すなわち、サブヒータライン231cが設けられていない部分)が存在しており、隣接するサブゾーン700の径方向Drの端部同士が接することはない。以降の図も同じである。
図6は、実施形態に係る第1ヒータエレメントのサブゾーンの一部を模式的に表す平面図である。
サブゾーン700は、第1ヒータライン(サブヒータライン231c)と、一対の第1給電部(第1サブ給電部231a及び第2サブ給電部231b)と、を有する。サブヒータライン231cは、第1サブ給電部231aと第2サブ給電部231bとに電気的に接続されている。第1サブ給電部231aは、サブヒータライン231cの一端に設けられており、第2サブ給電部231bは、サブヒータライン231cの他端に設けられている。第1サブ給電部231a及び第2サブ給電部231bのそれぞれは、例えばサブヒータライン231cよりも幅が広い導電部(金属膜)である。サブヒータライン231cは、例えば比較的幅の狭い導電部(金属膜)である。サブヒータライン231cは、電流が流れることにより発熱する。第1サブ給電部231a及び第2サブ給電部231bは、サブヒータライン231cに給電する。1つのサブゾーン700は、1つの第1サブ給電部231aと、1つの第2サブ給電部231bと、1つのサブヒータライン231cと、を有する。サブゾーン700は、第1サブ給電部231aと第2サブ給電部231bとを繋ぐ連続するサブヒータライン231cで構成される領域である。
各サブゾーン700を構成するサブヒータライン231cは、互いに独立している。これにより、各サブゾーン700(サブヒータライン231c)ごとに異なる電圧を印加することができる。したがって、各サブゾーン700ごとに出力(生成する熱量)を独立して制御することができる。言い換えれば、各サブゾーン700は、互いに独立した温度制御を行うことができるヒータユニットであり、第1ヒータエレメント231は、このヒータユニットを複数有するヒータユニットの集合体である。
図7は、実施形態に係る第1ヒータエレメント及び第2ヒータエレメントを模式的に表す平面図である。
図7は、図3に関して説明した第2ヒータエレメント232、及び、図5に関して説明した第1ヒータエレメント231を、Z方向に垂直な平面に投影した図である。
第1ヒータエレメント231と第2ヒータエレメント232とは、例えば、第1ヒータエレメント231の中心CT1と第2ヒータエレメント232の中心CT2とがZ方向において重なるように配置される。また、このとき、第1ヒータエレメント231の外周縁231eと第2ヒータエレメント232の外周縁232eとは、例えば、Z方向において重なる。例えば、第1領域701の外周縁701β及び第2領域702の内周縁702αは、それぞれ、Z方向においてメインゾーン601と重なる。例えば、第2領域702の外周縁702β及び第3領域703の内周縁703αは、それぞれ、Z方向においてメインゾーン601またはメインゾーン602と重なる。例えば、第3領域703の外周縁703β及び第4領域704の内周縁704αは、それぞれ、Z方向においてメインゾーン602と重なる。例えば、第4領域704の外周縁704β及び第5領域705の内周縁705αは、それぞれ、Z方向においてメインゾーン603と重なる。
図8は、実施形態に係るヒータ部を模式的に表す分解断面図である。
図8は、図7に示した線L1における断面に対応する。なお、図8では、図2のように、ヒータ部200をセラミック誘電体基板100の第1主面101と第2主面102との間に設ける場合を例として説明する。この例では、ヒータ部200は、第1絶縁層220と、第1ヒータエレメント231と、第2絶縁層240と、第2ヒータエレメント232と、第3絶縁層245と、バイパス層250と、第4絶縁層260と、給電端子280と、を有する。
なお、ヒータ部200をセラミック誘電体基板100とベースプレート300との間に設けた場合には、ヒータ部200は、第4絶縁層260の下に位置する支持板と、第1絶縁層220の上に位置する支持板と、を備えていてもよい。支持板は、第1絶縁層220と、第1ヒータエレメント231と、第2絶縁層240と、第2ヒータエレメント232と、第3絶縁層245と、バイパス層250と、第4絶縁層260と、を挟み、これらを支持する。支持板は、均熱板として機能してもよい。
第1ヒータエレメント231は、第1絶縁層220と、第4絶縁層260と、の間に設けられている。ヒータ部200をセラミック誘電体基板100に内蔵する場合には、セラミック誘電体基板100が第1絶縁層220を兼ねてもよい。
第2絶縁層240は、第1ヒータエレメント231と、第4絶縁層260と、の間に設けられている。第2ヒータエレメント232は、第2絶縁層240と、第4絶縁層260と、の間に設けられている。このように、第2ヒータエレメント232は、第1ヒータエレメント231が設けられた層とは、異なる層に設けられる。第2ヒータエレメント232の少なくとも一部は、Z方向において、第1ヒータエレメント231と重なる。第3絶縁層245は、第2ヒータエレメント232と、第4絶縁層260と、の間に設けられている。バイパス層250は、第3絶縁層245と、第4絶縁層260と、の間に設けられている。
第1ヒータエレメント231は、換言すれば、第1絶縁層220と第2絶縁層240との間に設けられる。第2ヒータエレメント232は、換言すれば、第2絶縁層240と第3絶縁層245との間に設けられる。バイパス層250は、換言すれば、第3絶縁層245と第4絶縁層260との間に設けられる。
第1ヒータエレメント231は、例えば、第1絶縁層220及び第2絶縁層240のそれぞれに接触する。第2ヒータエレメント232は、例えば、第2絶縁層240及び第3絶縁層245のそれぞれに接触する。バイパス層250は、例えば、第3絶縁層245及び第4絶縁層260のそれぞれに接触する。
なお、バイパス層250及び第4絶縁層260は、必要に応じて設けられ、省略可能である。以下では、ヒータ部200がバイパス層250及び第4絶縁層260を有する場合を例に挙げて説明する。
第1絶縁層220の材料としては、例えば、樹脂やセラミックなどの絶縁性材料を用いることができる。第1絶縁層220が樹脂の場合の例として、ポリイミドやポリアミドイミドなどが挙げられる。第1絶縁層220がセラミックの場合の例として、Al2O3、AlN、SiC、Y2O3及びYAGなどが挙げられる。第1絶縁層220の厚さ(Z方向の長さ)は、例えば約0.01mm以上、0.20mm以下程度である。第1絶縁層220は、セラミック誘電体基板100と第1ヒータエレメント231との間を電気的に絶縁する。このように、第1絶縁層220は、電気絶縁の機能を有する。なお、第1絶縁層220は、例えば、熱伝導機能、拡散防止機能などの他の機能を有していてもよい。
第2絶縁層240の材料及び厚さは、第1絶縁層220の材料及び厚さとそれぞれ同程度である。第3絶縁層245の材料及び厚さは、第1絶縁層220の材料及び厚さとそれぞれ同程度である。第4絶縁層260の材料及び厚さは、第1絶縁層220の材料及び厚さとそれぞれ同程度である。
第2絶縁層240は、第1ヒータエレメント231と第2ヒータエレメント232との間を電気的に絶縁する。このように、第2絶縁層240は、電気絶縁の機能を有する。なお、第2絶縁層240は、例えば、熱伝導機能、拡散防止機能などの他の機能を有していてもよい。
第3絶縁層245は、第2ヒータエレメント232とバイパス層250との間を電気的に絶縁する。このように、第3絶縁層245は、電気絶縁の機能を有する。なお、第3絶縁層245は、例えば、熱伝導機能、拡散防止機能などの他の機能を有していてもよい。
第4絶縁層260は、バイパス層250とセラミック誘電体基板100との間を電気的に絶縁する。このように、第4絶縁層260は、電気絶縁の機能を有する。なお、第4絶縁層260は、例えば、熱伝導機能、拡散防止機能などの他の機能を有していてもよい。
第1ヒータエレメント231がセラミック誘電体基板100に内蔵される場合、第1ヒータエレメント231の材料としては、例えばチタン、クロム、ニッケル、銅、アルミニウム、モリブデン、タングステン、パラジウム、白金、銀、タンタル、モリブデンカーバイド、及びタングステンカーバイドの少なくともいずれかを含む金属などが挙げられる。なお第1ヒータエレメント231の材料は上記金属とセラミックス材料とを含むことが好ましい。セラミックス材料としては、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG_Y3Al5O12)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)等が挙げられる。第1ヒータエレメント231に含まれるセラミックス材料はセラミック誘電体基板100の成分と同じであることが好ましい。第1ヒータエレメント231がセラミック誘電体基板100と別体の場合、第1ヒータエレメント231の材料としては、例えば、ステンレス、チタン、クロム、ニッケル、銅、アルミニウム、インコネル(登録商標)、モリブデン、タングステン、パラジウム、白金、銀、タンタル、モリブデンカーバイド、及びタングステンカーバイドの少なくともいずれかを含む金属などが挙げられる。第1ヒータエレメント231の厚さ(Z方向の長さ)は、例えば約0.01mm以上、0.20mm以下程度である。第2ヒータエレメント232の材料及び厚さは、第1ヒータエレメント231の材料及び厚さとそれぞれ同様である。例えば、第2ヒータエレメント232がセラミック誘電体基板100に内部に設けられる場合の第2ヒータエレメント232の材料としては、第1ヒータエレメント231がセラミック誘電体基板100の内部に設けられる場合の第1ヒータエレメント231の材料と同じものが挙げられる。例えば、第2ヒータエレメント232がセラミック誘電体基板100に外部に設けられる場合の第2ヒータエレメント232の材料としては、第1ヒータエレメント231がセラミック誘電体基板100の外部に設けられる場合の第1ヒータエレメント231の材料と同じものが挙げられる。第2ヒータエレメント232の材料及び厚さは、第1ヒータエレメント231の材料及び厚さと異なっていてもよい。第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232は、例えば、それぞれ、バイパス層250と電気的に接続されている。一方で、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232は、それぞれ、セラミック誘電体基板100とは電気的に絶縁されている。
第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232は、それぞれ、電流が流れると発熱する。第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232は、発熱することで、セラミック誘電体基板100を加熱する。第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232は、例えば、セラミック誘電体基板100を介して処理対象物Wを加熱することで、処理対象物Wの面内の温度分布を均一にする。あるいは、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232は、例えば、セラミック誘電体基板100を介して処理対象物Wを加熱することで、処理対象物Wの面内の温度に意図的に差をつけることもできる。
バイパス層250は、例えば、板状を呈し、導電性を有する。バイパス層250は、例えば、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232と電気的に接続されている。バイパス層250は、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232の給電経路である。一方で、バイパス層250は、例えば、セラミック誘電体基板100とは絶縁層により電気的に絶縁されている。
バイパス層250は、複数のバイパス部251を有する。例えば、1つのメインゾーン600に対して2つのバイパス部251が電気的に接続され、1つのサブゾーン700に対して2つのバイパス部251が電気的に接続される。2つのバイパス部251は、電流の流入側(電圧のプラス側)、及び、電流の流出側(電圧のマイナス側)に対応する。この場合、複数のバイパス部251の数は、複数のメインゾーン600の数と、複数のサブゾーン700の数と、の合計の2倍と同じ、または当該合計の2倍よりも少ない。ただし、バイパス部251の数は、上記に限定されない。1つのバイパス部251が、複数のメインゾーン600、または、複数のサブゾーン700と、電気的に接続されてもよい。
バイパス層250の厚さ(Z方向の長さ)は、例えば約0.03mm以上、0.30mm以下程度である。バイパス層250の厚さは、第1絶縁層220の厚さよりも厚い。バイパス層250の厚さは、第2絶縁層240の厚さよりも厚い。バイパス層250の厚さは、第3絶縁層245の厚さよりも厚い。バイパス層250の厚さは、第4絶縁層260の厚さよりも厚い。
例えば、バイパス層250がセラミック誘電体基板100の外に設けられる場合、バイパス層250の材料としては、ステンレス、チタン、クロム、ニッケル、銅、アルミニウム、インコネル(登録商標)、モリブデン、タングステン、パラジウム、白金、銀、タンタル、モリブデンカーバイド、及びタングステンカーバイドの少なくともいずれかを含む金属などが挙げられる。例えば、ヒータ部200(バイパス層250、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232)がセラミック誘電体基板100に内蔵される場合、バイパス層250の材料は、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232の材料と同じである。一方で、バイパス層250の厚さは、第1ヒータエレメント231の厚さよりも厚く、第2ヒータエレメント232の厚さよりも厚い。そのため、バイパス層250の電気抵抗は、第1ヒータエレメント231の電気抵抗よりも低く、第2ヒータエレメント232の電気抵抗よりも低い。これにより、バイパス層250の材料が第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232の材料と同じ場合でも、バイパス層250が第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232のように発熱することを抑えることができる。つまり、バイパス層250の電気抵抗を抑え、バイパス層250の発熱量を抑えることができる。
なお、バイパス層250の電気抵抗を抑え、バイパス層250の発熱量を抑える手段は、バイパス層250の厚さではなく、体積抵抗率が比較的低い材料を用いることで実現されてもよい。すなわち、バイパス層250の材料は、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232の材料と異なってもよい。バイパス層250の材料としては、例えばステンレス、チタン、クロム、ニッケル、銅、アルミニウム、インコネル(登録商標)、モリブデン、タングステン、パラジウム、白金、銀、タンタル、モリブデンカーバイド、及びタングステンカーバイドの少なくともいずれかを含む金属などが挙げられる。
例えば、バイパス層250がセラミック誘電体基板100に内部に設けられる場合のバイパス層250の材料としては、第1ヒータエレメント231がセラミック誘電体基板100の内部に設けられる場合の第1ヒータエレメント231の材料と同じものが挙げられる。例えば、バイパス層250がセラミック誘電体基板100に外部に設けられる場合のバイパス層250の材料としては、第1ヒータエレメント231がセラミック誘電体基板100の外部に設けられる場合の第1ヒータエレメント231の材料と同じものが挙げられる。
ヒータ部200は、複数の給電端子280を有する。給電端子280は、バイパス層250と電気的に接続されている。ヒータ部200がセラミック誘電体基板100に内蔵された状態において、給電端子280は、ヒータ部200からベースプレート300へ向かって設けられている。給電端子280は、静電チャック10の外部から供給された電力をバイパス層250を介して第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232に供給する。給電端子280は、例えば、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232に直接的に接続されてもよい。これにより、バイパス層250が省略可能となる。なお、給電端子280の形状は、特に限定されず、給電端子280は、直接的または間接的に第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232の少なくともいずれかと電気的に接続される導電部であればよい。
一方、第1ヒータエレメント231及び/または第2ヒータエレメント232が、例えば20以上、または50以上、あるいは100以上の多数のゾーンを有する場合、各ゾーンに対応する給電端子280を配置することが困難となることがある。バイパス層250を設けることで、ゾーン毎に配置した場合と比較して給電端子280の配置自由度が向上する。
例えば、1つの給電端子280は、1つのバイパス部251と電気的に接続されている。例えば、給電端子280の数は、バイパス部251の数と同じである。
第1ヒータエレメント231は、第1サブ給電部231a及び第2サブ給電部231bにおいてバイパス層250と電気的に接続されている。
複数の給電端子280は、複数のサブゾーン700に給電するための複数のサブ給電端子281(第1給電端子)を含む。例えば、2つのサブ給電端子281が、バイパス層250を介して、1つのサブゾーン700と電気的に接続される。当該2つのサブ給電端子281の一方は、1つのサブゾーン700に含まれる第1サブ給電部231aと電気的に接続され、当該2つのサブ給電端子281の他方は、当該1つのサブゾーン700に含まれる第2サブ給電部231bと電気的に接続される。
外部からの電流は、当該2つのサブ給電端子281のうちの一方のサブ給電端子281から、バイパス部251を経由して、1つのサブゾーン700内(第1サブ給電部231aからサブヒータライン231cを通って第2サブ給電部231bまで)を流れる。当該1つのサブゾーン700内を流れた電流は、別のバイパス部251を経由して、当該2つのサブ給電端子281のうちの他方のサブ給電端子281を通って外部へ流れる。
このように、1つのサブゾーン700に含まれる一対の第1給電部(第1サブ給電部231a及び第2サブ給電部231b)の1つは、複数のサブ給電端子281の1つと電気的に接続される。つまり、一対の第1給電部のそれぞれは、複数のサブ給電端子281のうちの2つのサブ給電端子281のそれぞれと電気的に接続される。複数の第1給電部のそれぞれは、複数のサブ給電端子281のそれぞれと電気的に接続される。例えば、複数のサブ給電端子281の数は、サブゾーン700の数以上である。一例として、複数のサブ給電端子281の数は、サブゾーン700の数の2倍である。
ただし、1つのサブ給電端子281は、バイパス層250を介して、互いに異なるサブゾーン700に属する複数の第1給電部と電気的に接続されてもよい。この場合、複数のサブ給電端子281の数は、サブゾーン700の数の2倍以下でもよい。
第2ヒータエレメント232は、第1メイン給電部232a及び第2メイン給電部232bにおいてバイパス層250と電気的に接続されている。
複数の給電端子280は、複数のメインゾーン600に給電するための複数のメイン給電端子282(第2給電端子)を含む。例えば、2つのメイン給電端子282が、バイパス層250を介して、1つのメインゾーン600と電気的に接続される。当該2つのメイン給電端子282の一方は、1つのメインゾーン600に含まれる第1メイン給電部232aと電気的に接続され、当該2つのメイン給電端子282の他方は、当該1つのメインゾーン600に含まれる第2メイン給電部232bと電気的に接続される。
外部からの電流は、当該2つのメイン給電端子282のうちの一方のメイン給電端子282から、バイパス部251を経由して、1つのメインゾーン600内(第1メイン給電部232aからメインヒータライン232cを通って第2メイン給電部232bまで)を流れる。当該1つのメインゾーン600内を流れた電流は、別のバイパス部251を経由して、当該2つのメイン給電端子282のうちの他方のメイン給電端子282を通って外部へ流れる。
このように、1つのメインゾーン600に含まれる一対の第2給電部(第1メイン給電部232a及び第2メイン給電部232b)の1つは、複数のメイン給電端子282の1つと電気的に接続される。つまり、一対の第2給電部のそれぞれは、複数のメイン給電端子282のうちの2つのメイン給電端子282のそれぞれと電気的に接続される。複数の第2給電部のそれぞれは、複数のメイン給電端子282のそれぞれと電気的に接続される。例えば、複数のメイン給電端子282の数は、メインゾーン600の数以下であり、一例としてメインゾーン600の数の2倍である。
ただし、1つのメイン給電端子282は、バイパス層250を介して、互いに異なるメインゾーン600に属する複数の第2給電部と電気的に接続されてもよい。この場合、複数のメイン給電端子282の数は、メインゾーン600の数の2倍以下でもよい。
例えば、第1ヒータエレメント231に流れる電流及び第2ヒータエレメント232に流れる電流は、別々に制御される。この例では、第1ヒータエレメント231(第1サブ給電部231a及び第2サブ給電部231b)に接続されるバイパス部251と、第2ヒータエレメント232(第1メイン給電部232a及び第2メイン給電部232b)に接続されるバイパス部251とは、互いに異なる。第1ヒータエレメント231(第1サブ給電部231a及び第2サブ給電部231b)に接続されるバイパス部251と、第2ヒータエレメント232(第1メイン給電部232a及び第2メイン給電部232b)に接続されるバイパス部251とは、互いに同じであってもよい。
第1ヒータエレメント231は、第2ヒータエレメント232よりも少ない熱量を生成する。すなわち、第1ヒータエレメント231は低出力のサブヒータであり、第2ヒータエレメント232は高出力のメインヒータである。
このように、第1ヒータエレメント231が第2ヒータエレメント232よりも少ない熱量を生成することで、第2ヒータエレメント232のパターンに起因する処理対象物Wの面内の温度ムラを、第1ヒータエレメント231によって抑制することができる。したがって、処理対象物Wの面内の温度分布の均一性を向上させることができる。
第1ヒータエレメント231の体積抵抗率は、例えば、第2ヒータエレメント232の体積抵抗率よりも高い。なお、第1ヒータエレメント231の体積抵抗率は、サブヒータライン231cの体積抵抗率である。つまり、第1ヒータエレメント231の体積抵抗率は、第1サブ給電部231aと、第2サブ給電部231bと、の間の体積抵抗率である。同様に、第2ヒータエレメント232の体積抵抗率は、メインヒータライン232cの体積抵抗率である。つまり、第2ヒータエレメント232の体積抵抗率は、第1メイン給電部232aと、第2メイン給電部232bと、の間の体積抵抗率である。
このように、第1ヒータエレメント231の体積抵抗率を第2ヒータエレメント232の体積抵抗率よりも高くすることで、第1ヒータエレメント231の出力(発熱量、消費電力)を、第2ヒータエレメント232の出力(発熱量、消費電力)よりも低くすることができる。これにより、第2ヒータエレメント232のパターンに起因する処理対象物の面内の温度ムラを、第1ヒータエレメント231によって抑制することができる。したがって、処理対象物の面内の温度分布の均一性を向上させることができる。
給電端子280の周辺は、温度の特異点(温度が周囲の領域と比較的大きく異なる点)となりやすい。これに対して、バイパス層250が設けられることで、給電端子280の配置の自由度を高くすることができる。例えば、温度の特異点となりやすい給電端子280を分散して配置することができ、特異点の周辺で熱が拡散しやすくなる。これにより、処理対象物Wの面内の温度分布の均一性を向上させることができる。
バイパス層250が設けられることで、熱容量が大きい給電端子280を第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232に直接接続させない構成とすることができる。これにより、処理対象物Wの面内の温度分布の均一性を向上させることができる。また、バイパス層250が設けられることで、比較的薄い第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232に給電端子280を直接接続させなくともよい。これにより、ヒータ部200の信頼性を向上させることができる。
前述したように、給電端子280は、ヒータ部200からベースプレート300へ向かって設けられている。ベースプレート300の下面303(図2(a)及び図2(b)参照)の側からソケットなどと呼ばれる部材を介して給電端子280に電力を供給することができる。これにより、静電チャック10が設置されるチャンバ内に給電端子280が露出することを抑えつつ、ヒータの配線が実現される。
この例では、第1ヒータエレメント231は、第2ヒータエレメント232よりも上方に位置している。換言すれば、第1ヒータエレメント231は、第2ヒータエレメント232と第1主面101との間に設けられている。第1ヒータエレメント231の位置と、第2ヒータエレメント232の位置と、は逆であってもよい。つまり、第2ヒータエレメント232は、第1ヒータエレメント231よりも上方に位置していてもよい。換言すれば、第2ヒータエレメント232は、第1主面101と第1ヒータエレメント231との間に設けられていてもよい。温度制御の観点から、第1ヒータエレメント231は、第2ヒータエレメント232よりも上方に位置していることが好ましい。
第1ヒータエレメント231が第2ヒータエレメント232よりも上方に位置する場合、第1ヒータエレメント231と処理対象物Wとの間の距離は、第2ヒータエレメント232と処理対象物Wとの間の距離よりも短い。第1ヒータエレメント231が処理対象物Wに比較的近いことにより、第1ヒータエレメント231によって処理対象物Wの温度を制御しやすくなる。すなわち、第2ヒータエレメント232のパターンに起因して生じる処理対象物Wの面内の温度ムラを、第1ヒータエレメント231によって抑制しやすくなる。したがって、処理対象物Wの面内の温度分布の均一性を向上させることができる。
一方、第2ヒータエレメント232が第1ヒータエレメント231よりも上方に位置する場合、高出力の第2ヒータエレメント232が処理対象物Wに比較的近い。これにより、処理対象物Wの温度の応答性(昇温速度・降温速度)を向上させることができる。
また、この例では、第2ヒータエレメント232は、Z方向において、バイパス層250と第1ヒータエレメント231との間に設けられている。つまり、バイパス層250は、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232よりも下方に位置している。
このように、第2ヒータエレメント232を、Z方向において、バイパス層250と第1ヒータエレメント231との間に設けることで、バイパス層250の一方側に第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232を配置することができる。これにより、バイパス層250に給電端子280を接続する際に、第1ヒータエレメント231や第2ヒータエレメント232とは反対側からバイパス層250に給電端子280を接続することができる。したがって、第1ヒータエレメント231や第2ヒータエレメント232に給電端子280を通すための孔部を設ける必要がなく、ヒータパターン上の温度特異点を減らすことができ、第1ヒータエレメント231や第2ヒータエレメント232の面内の温度分布の均一性を向上させることができる。
なお、バイパス層250は、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232よりも上方に位置していてもよい。また、バイパス層250は、第1ヒータエレメント231と第2ヒータエレメント232との間に位置していてもよい。
また、ヒータ部200が有するヒータエレメントの数は、「2」には限定されない。つまり、ヒータ部200は、第1ヒータエレメント231及び第2ヒータエレメント232とは異なる層に設けられた、別のヒータエレメントをさらに有していてもよい。
図9~図11は、実施形態に係るベースプレート及びヒータ部の一部を模式的に表す平面図である。
図9は、ベースプレート300の連通路301、複数のサブ給電端子281、および複数のサブゾーン700をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。
図10は、ベースプレート300の連通路301、複数のメイン給電端子282、および複数のメインゾーン600をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。
図11は、ベースプレート300の連通路301、複数のサブ給電端子281、及び複数のメイン給電端子282をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。
ベースプレート300の平面形状は、例えば円形である。なお、円形という範囲は、完全な円形のみならず、略円形を含む。連通路301の一端301cは、ベースプレート300の平面形状の中心300c付近に位置する。連通路301の他端301dは、ベースプレート300の平面形状の外周部に位置する。連通路301は、積層方向に沿って見た場合に、一端301cと他端301dとを接続する渦巻き状である。例えば、冷媒は、一端301cから連通路301内に流入し、渦巻き状の連通路301内を流れ、他端301dから連通路301外に流出する。
例えば、連通路301は、一筆書きの渦巻き状である。すなわち、連通路301は、積層方向に沿って見た場合に、中心300cの周りを周方向に沿って回りながら、中心300cから離れる形状である。ただし、「渦巻き状」の一部は、中心300cに近づくように延びていてもよい。「渦巻き状」の一部は、蛇行していてもよい。「渦巻き状」の一部は、直線状に延びていてもよい。
この例では、図9に表したように、1つのサブゾーン700は、当該1つのサブゾーン700に給電する2つのサブ給電端子281と、Z方向において重なる。
この例では、図10に表したように、1つのメインゾーン600は、当該1つのメインゾーン600に給電する2つのメイン給電端子282と、Z方向において重なる。
なお、例えば図11等の平面図においては、一部のメイン給電端子282が一部のサブ給電端子281と重なって表示されている。ただし、メイン給電端子282は、サブ給電端子281と、重ならなくてよい。各端子の大きさ等を適宜調整してもよい。
図12及び図13は、実施形態に係るヒータ部の一部を模式的に表す平面図である。
図12は、複数のサブ給電端子281、および複数のサブゾーン700をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。
図13は、複数のサブ給電端子281、複数のメイン給電端子282、複数のサブゾーン700及び複数のメインゾーン600をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。
複数のサブ給電端子281は、第1環状部分281Aと、第2環状部分282Bと、第3環状部分283Cと、第4環状部分282Dと、を含む。第1環状部分281A~第4環状部分281Dのそれぞれは、複数のサブ給電端子281のグループである。
第1環状部分281Aは、複数のサブ給電端子281のうちの、一部のサブ給電端子281を含む。第1環状部分281Aに含まれる当該一部のサブ給電端子281は、平面視において、第1仮想円IC1上に配置されている。すなわち、第1環状部分281Aに含まれるサブ給電端子281の一部は、Z方向において、第1仮想円IC1の一部と重なる。第1環状部分281Aに含まれる当該一部のサブ給電端子281の数は、少なくとも7であり、この例では、16である。
第2環状部分281Bは、複数のサブ給電端子281のうちの、第1環状部分281Aに含まれるサブ給電端子281とは別の一部のサブ給電端子281を含む。第2環状部分281Bに含まれる当該別の一部のサブ給電端子281は、平面視において、第2仮想円IC2上に配置されている。すなわち、第2環状部分281Bに含まれるサブ給電端子281の一部は、Z方向において、第2仮想円IC2の一部と重なる。第2環状部分281Bに含まれる当該別の一部のサブ給電端子281の数は、少なくとも7であり、この例では、12である。
第3環状部分281Cは、複数のサブ給電端子281のうちの、第1環状部分281A及び第2環状部分281Bに含まれるサブ給電端子281とは別の一部のサブ給電端子281を含む。第3環状部分281Cに含まれる当該別の一部のサブ給電端子281は、平面視において、第3仮想円IC3上に配置されている。すなわち、第3環状部分281Cに含まれるサブ給電端子281の一部は、Z方向において、第3仮想円IC3の一部と重なる。第3環状部分281Cに含まれる当該別の一部のサブ給電端子281の数は、少なくとも7であり、この例では、16である。
第4環状部分281Dは、複数のサブ給電端子281のうちの、第1環状部分281A、第2環状部分281B及び第3環状部分281Cに含まれるサブ給電端子281とは別の一部のサブ給電端子281を含む。第4環状部分281Dに含まれる当該別の一部のサブ給電端子281は、平面視において、第4仮想円IC4上に配置されている。すなわち、第4環状部分281Dに含まれるサブ給電端子281の一部は、Z方向において、第4仮想円IC4の一部と重なる。第4環状部分281Dに含まれる当該別の一部のサブ給電端子281の数は、少なくとも7であり、この例では、16である。
平面視において、第2仮想円IC2は第1仮想円IC1の内側に位置し、第3仮想円IC3は第2仮想円IC2の内側に位置し、第4仮想円IC4は第3仮想円IC3の内側に位置し、第1ヒータエレメント231の中心CT1は第4仮想円IC4の内側に位置する。
平面視において、第2環状部分281Bは、第1環状部分281Aの内側に位置する。すなわち、第2環状部分281Bに含まれるサブ給電端子281と中心CT1との間の距離は、第1環状部分281Aに含まれるサブ給電端子281と中心CT1との間の距離よりも短い。
平面視において、第3環状部分281Cは、第2環状部分281Bの内側に位置する。すなわち、第3環状部分281Cに含まれるサブ給電端子281と中心CT1との間の距離は、第2環状部分281Bに含まれるサブ給電端子281と中心CT1との間の距離よりも短い。
平面視において、第4環状部分281Dは、第3環状部分281Cの内側に位置する。すなわち、第4環状部分281Dに含まれるサブ給電端子281と中心CT1との間の距離は、第3環状部分281Cに含まれるサブ給電端子281と中心CT1との間の距離よりも短い。
この例では、第1仮想円IC1は、第5領域705とZ方向において重なる。例えば、第1環状部分281Aに含まれるサブ給電端子281は、第5領域705(第1環状ゾーン領域Z11)に含まれるサブゾーン700と電気的に接続され、第5領域705に含まれるサブゾーン700に給電する。
この例では、第2仮想円IC2は、第4領域704とZ方向において重なる。例えば、第2環状部分281Bに含まれるサブ給電端子281は、第4領域704(第2環状ゾーン領域Z12)に含まれるサブゾーン700と電気的に接続され、第4領域704に含まれるサブゾーン700に給電する。
この例では、第3仮想円IC3は、第3領域703とZ方向において重なる。例えば、第3環状部分281Cに含まれるサブ給電端子281は、第3領域703(第3環状ゾーン領域Z13)に含まれるサブゾーン700と電気的に接続され、第3領域703に含まれるサブゾーン700に給電する。
この例では、第4仮想円IC4は、第2領域702とZ方向において重なる。例えば、第4環状部分281Dに含まれるサブ給電端子281は、第2領域702(第4環状ゾーン領域Z14)に含まれるサブゾーン700と電気的に接続され、第2領域702に含まれるサブゾーン700に給電する。
図11に表したように、連通路301は、第1周回部分31と、第2周回部分32と、第3周回部分33と、を含む。第1周回部分31、第2周回部分32及び第3周回部分33のそれぞれは、平面視において円形(略円形)の流路である。ここで、「円形(略円形)」とは、閉じた環状ではなく、渦巻き状の一部である。
第1周回部分31は、Z方向に沿って見た場合(X-Y平面に投影した場合)に、第1仮想円IC1(第1環状部分281A)と、第2仮想円IC2(第2環状部分281B)との間に位置する。第1周回部分31は、Z方向に沿って見た場合に、第2仮想円IC2(第2環状部分281B)の周囲を囲む。つまり、第1周回部分31は、第2仮想円IC2(第2環状部分281B)の周りを略一周(例えば300~340°程度)する。第1周回部分31は、第2仮想円IC2の周りを一周以上(例えば2~3周)してもよい。
第2周回部分32は、Z方向に沿って見た場合に、第2仮想円IC2(第2環状部分281B)と、第3仮想円IC3(第3環状部分281C)との間に位置する。第2周回部分32は、Z方向に沿って見た場合に、第3仮想円IC3(第3環状部分281C)の周囲を囲む。つまり、第2周回部分32は、第3仮想円IC3(第3環状部分281C)の周りを略一周(例えば300~340°程度)する。第2周回部分32は、第3仮想円IC3の周りを1周以上(例えば2~3周)してもよい。
第3周回部分33は、Z方向に沿って見た場合に、第3仮想円IC3(第3環状部分281C)と、第4仮想円IC4(第4環状部分281D)との間に位置する。第3周回部分33は、Z方向に沿って見た場合に、第4仮想円IC4(第4環状部分281D)の周囲を囲む。つまり、第3周回部分33は、第4仮想円IC4(第4環状部分281D)の周りを略一周(例えば300~340°程度)する。第3周回部分33は、第4仮想円IC4の周りを1周以上(例えば2~3周)してもよい。
この例では、連通路301は、渦巻き状の外周部において、径方向Drにおいて蛇行しながら周方向Dcに延びている。そのため、第1周回部分31は、蛇行しながら周方向Dcに延びている。第1周回部分31、第2周回部分32及び第3周回部分33のそれぞれは、蛇行していてもよいし、蛇行していなくてもよい。
以上説明したように、ヒータ部200による加熱と、連通路301を流れる冷媒による冷却と、によって、処理対象物の温度を制御する。また、処理対象物Wには、例えばプラズマなどからの入熱が生じる場合がある。図2に関して上述したように、ベースプレート300には、給電端子280(または給電端子280に接続される配線等)を配置するために、給電端子280の位置に対応した端子孔300pが設けられる。ベースプレート300の連通路301(冷媒流路)は、この端子孔300pを避けて配置される。つまり、端子孔300pが設けられた部分には、冷媒流路が存在しない。そのため、セラミック誘電体基板100の載置面のうち端子孔300pの上方に位置する領域は冷却されにくく、他の領域と比べて温度が高いホットスポットになる場合がある。例えば、給電端子280が面内においてランダムに配置されると、ホットスポットがランダムに配置され、例えば周方向におけるホット/クールのばらつき(温度分布のばらつき)が生じる。その結果、処理対象物Wの面内の温度分布の均一性が低下する恐れがある。例えば、給電端子280の配置によっては、プラズマ分布のばらつきが大きくなる。
これに対して、実施形態においては、20以上のサブゾーン700が設けられ、複数のサブ給電端子281は、第1環状部分281Aと第2環状部分281Bとを含み、連通路301の第1周回部分31は、平面視において第1環状部分281Aと第2環状部分281Bとの間に配置されている。これにより、サブ給電端子281の位置に起因した、径方向及び周方向における温度ムラが抑制され、処理対象物の面内の温度分布の均一性を向上させることができる。例えば、第1環状部分281Aおよび第2環状部分281Bによって形成される温度ムラ(例えばホットスポット)の一部が、第1周回部分31によって形成される温度ムラ(例えばクールスポット)の一部と相殺される。その結果、温度分布を略均一に近づけることができ、プラズマ分布への悪影響を低減することができる。
例えば、第1環状ゾーン領域Z11(第5領域705)に含まれるサブゾーン700の数をN1とする。第1環状部分281Aに含まれるサブ給電端子281の数は、2×N1×0.6よりも大きく、2×N1以下である。これにより、例えば第1環状ゾーン領域Z11に含まれる複数のサブゾーン700に給電するサブ給電端子281のうちの60%よりも多くのサブ給電端子281が、第1環状部分281Aに含まれる。これにより、面内の温度分布の均一性をより向上させることができる。なお、この例においては、N1は、8であり、第1環状部分281Aに含まれるサブ給電端子281の数は、10以上16以下である。
例えば、第2環状ゾーン領域Z12(第4領域704)に含まれるサブゾーン700の数をN2とする。第2環状部分281Bに含まれるサブ給電端子281の数は、2×N2×0.6よりも大きく、2×N2以下である。
例えば、第3環状ゾーン領域Z13(第3領域703)に含まれるサブゾーン700の数をN3とする。第3環状部分281Cに含まれるサブ給電端子281の数は、2×N3×0.6よりも大きく、2×N3以下である。
例えば、第4環状ゾーン領域Z14(第2領域702)に含まれるサブゾーン700の数をN4とする。第4環状部分281Dに含まれるサブ給電端子281の数は、2×N4×0.6よりも大きく、2×N4以下である。
また、複数のメイン給電端子282の少なくとも一部は、Z方向に沿って見た場合に、第1仮想円IC1及び第2仮想円IC2の少なくともいずれかと重なる。これにより、メイン給電端子282の位置に起因した温度ムラが抑制され、面内の温度分布の均一性を向上させることができる。例えば、メイン給電端子282によって形成される温度分布(例えばホットスポット)の一部が、第1周回部分31によって形成される温度分布(例えばクールスポット)の一部と相殺される。具体的には、図11に表したように、メインゾーン603に給電する2つのメイン給電端子282は、第1仮想円IC1とZ方向において重なる。メインゾーン602に給電する2つのメイン給電端子282は、第3仮想円IC3とZ方向において重なる。メインゾーン601に給電する2つのメイン給電端子282は、第4仮想円IC4とZ方向において重なる。
また、上述したように、複数のサブゾーン700の数は、複数のメインゾーン600の数よりも大きい。サブゾーン700の数が比較的大きいため、例えばサブ給電端子281の数はメイン給電端子282の数よりも多い。この場合、サブ給電端子281による温度ムラの影響が、メイン給電端子282による温度ムラの影響よりも大きいことがある。これに対して、サブ給電端子281が第1環状部分281Aと第2環状部分281Bとを含み、冷媒流路の第1周回部分31は、平面視において第1環状部分281Aと第2環状部分281Bとの間に配置されている。これにより、サブ給電端子281の位置に起因した径方向及び周方向における温度ムラが抑制され、面内の温度分布の均一性をより向上させることができる。
ベースプレート300のうち、給電端子280に対応する位置には、ベースプレート300の上面302から下面303を貫通する複数の端子孔300pが設けられる。つまり、端子孔300pが設けられる部分には連通路301が設けられない。そのため、ベースプレート300のうち端子孔300pが設けられる箇所は連通路301が設けられる箇所と比べて温度が高くなる。第1環状部分と第2環状部分との間に、第2環状部分の周囲を囲む第1周回部分を配置することで、面内の温度分布の均一性を向上させることができる。
図14は、実施形態に係るヒータ部の一部を模式的に表す平面図である。
図14は、複数のサブゾーン700、及び第1~第4仮想円IC1~IC4をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。図14に表したように、第1環状ゾーン領域Z11のゾーン中心CZ11、第2環状ゾーン領域Z12のゾーン中心CZ12、第3環状ゾーン領域Z13のゾーン中心CZ13、及び第4環状ゾーン領域Z14のゾーン中心CZ14のそれぞれは、第1ヒータエレメント231の中心CT1と一致する。なお、中心(ゾーン中心)は、平面形状における重心でよい。
第1環状ゾーン領域Z11のゾーン中心CZ11は、第1仮想円IC1の中心C1(第1中心)及び第2仮想円IC2の中心C2(第2中心)の少なくとも一方と一致する。これにより、例えば、第1環状ゾーン領域Z11に含まれるサブゾーン700に対する、第1環状部分281A及び第2環状部分281Bの少なくとも一方に含まれるサブ給電端子281の位置の偏りを抑制することができる。これにより、面内の温度分布の均一性をより向上させることができる。
図14の例では、第1環状ゾーン領域Z11の中心CZ11は、第1仮想円IC1の中心C1と一致する。この場合は、例えば第1環状ゾーン領域Z11に含まれるサブゾーン700に対する、第1環状部分281Aに含まれるサブ給電端子281の位置の偏りを抑制することができる。第1環状部分281Aは、第2環状部分281Bよりも外側に位置する。そのため、例えば、載置面の外周側における温度分布の均一性をより向上させることができる。
図14の例では、第4仮想円IC4の中心C4は、第1ヒータエレメント231の中心CT1と一致する。第2仮想円IC2の中心C2及び第3仮想円IC3の中心C3は、第1ヒータエレメント231の中心CT1と一致しない。ただし、中心C2及び中心C3のそれぞれは、中心CT1と一致してもよい。
なお、「一致」とは、完全一致に限らず略一致でもよい。例えばプロセス条件のばらつき等に起因する程度の差異があっても「一致」に含まれる。
図15~図17は、実施形態の変形例に係るベースプレート及びヒータ部の一部を模式的に表す平面図である。
図15~図17は、ベースプレート300及びヒータ部200の変形例を表す。この変形例は、連通路301の形状、サブ給電端子281の配置、及びメイン給電端子282の配置において、上述の例と異なる。これ以外については、変形例には、上述の例と同様の説明を適用できる。
図15は、連通路301、複数のサブ給電端子281、および複数のサブゾーン700をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。
図16は、連通路301、複数のメイン給電端子282、および複数のメインゾーン600をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。
図17は、連通路301、複数のサブ給電端子281、複数のサブゾーン700、複数のメイン給電端子282、及び複数のメインゾーン600をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。
図15~図17に表したように、この例では、連通路301は、渦巻き状の外周部において、蛇行せずに周方向Dcに沿って延びている。
図18及び図19は、実施形態の変形例に係るヒータ部の一部を模式的に表す平面図である。
図18は、図17に表した複数のサブ給電端子281、および複数のサブゾーン700をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。
図19は、図17に表した複数のメイン給電端子282、および複数のメインゾーン600をZ方向に対して垂直な平面に投影した図である。
図18に表したように、変形例においても、複数のサブ給電端子281は、第1環状部分281A、第2環状部分281B、第3環状部分281C、および第4環状部分281Dを含む。第1環状部分281Aに含まれる複数のサブ給電端子281は、第1仮想円IC1上に配置され、第2環状部分281Bに含まれる複数のサブ給電端子281は、第2仮想円IC2上に配置され、第3環状部分281Cに含まれる複数のサブ給電端子281は、第3仮想円IC3上に配置され、第4環状部分281Dに含まれる複数のサブ給電端子281は、第4仮想円IC4上に配置されている。そして、図15に表したように、連通路301は、第1周回部分31と、第2周回部分32と、第3周回部分33と、を含む。
この例では、第1仮想円IC1、第2仮想円IC2、および第3仮想円IC3は、同心円状である。例えば、第1仮想円IC1の中心C1、第2仮想円IC2の中心C2、および第3仮想円IC3の中心C3のそれぞれは、第1ヒータエレメント231の中心CT1と一致する。
第1環状部分281Aに含まれるサブ給電端子281は、周方向Dcにおいて均等に配置されてもよい。すなわち、第1環状部分281Aに含まれるサブ給電端子281のうち周方向Dcにおいて隣合う2つのサブ給電端子281同士の周方向Dcに沿った距離LAは、一定でよい。これにより、周方向Dcにおける温度分布の均一性をより向上させることができる。
同様に、第2環状部分281Bに含まれるサブ給電端子281は、周方向Dcにおいて均等に配置されてもよい。すなわち、第2環状部分281Bに含まれるサブ給電端子281のうち周方向Dcにおいて隣合う2つのサブ給電端子281同士の周方向Dcに沿った距離LBは、一定でよい。
第3環状部分281Cに含まれるサブ給電端子281は、周方向Dcにおいて均等に配置されてもよい。すなわち、第3環状部分281Cに含まれるサブ給電端子281のうち周方向Dcにおいて隣合う2つのサブ給電端子281同士の周方向Dcに沿った距離LCは、一定でよい。
第4環状部分281Dに含まれるサブ給電端子281は、周方向Dcにおいて均等に配置されてもよい。すなわち、第4環状部分281Dに含まれるサブ給電端子281のうち周方向Dcにおいて隣合う2つのサブ給電端子281同士の周方向Dcに沿った距離LDは、一定でよい。これにより、周方向Dcにおける温度分布の均一性をより向上させることができる。
なお、「一定」とは、完全に変動しないことに限らず、略一定でもよい。例えばプロセス条件のばらつき等に起因する程度の差異があっても「一定」に含まれる。
例えば、第1環状部分281Aに含まれるサブ給電端子281と、第2環状部分281Bに含まれるサブ給電端子281と、第3環状部分281Cに含まれるサブ給電端子281と、第4環状部分281Dに含まれるサブ給電端子281とは、径方向Drにおいて並んでいる。
図19に表したように、平面視において、メインゾーン601に給電するメイン給電端子282は、第4仮想円IC4上に配置されてもよい。平面視において、メインゾーン602に給電するメイン給電端子282は、第3仮想円IC3上に配置されてもよい。平面視において、メインゾーン601に給電するメイン給電端子282は、第1仮想円IC1(又は第2仮想円IC2)上に配置されてもよい。これにより、メイン給電端子282に起因した温度ムラが抑制され、面内の温度分布の均一性をより向上させることができる。
図20は、静電チャックのセラミック誘電体基板の表面における温度分布のシミュレーションのモデルを表す模式図である。
平面視における給電端子280の配置パターンが異なる3つのモデルについて、シミュレーションを行った。各モデルには、3つの給電端子280が設けられている。図20中の上段は、上方から見たときの、給電端子280の平面視における配置を表す。図20中の下段は、下方(裏面)から見たときの、給電端子280と連通路301との平面視における配置を表す。Model2及びModel3の中段の四角の範囲は、下段の丸印の付近を拡大して表している。
各モデルにおいて、連通路301は、渦巻き状である。前述の図9や図15にも表されたように「渦巻き状」は、平面視において、直線状に延びる部分や、径が一定の円弧状に延びる部分を含んでもよく、全体として渦巻き状であればよい。すなわち、図20の例においても、連通路301の一端から他端までを巡る経路は、旋回方向に旋回しながら中心から離れる形状である。なお、既に述べたように、実施形態においては、連通路は、蛇行部分を含むものであってもよい。すなわち連通路は当該旋回方向に沿って中心から離れるように延びる部分と、当該旋回方向に沿って中心に近づくように延びる部分と、を含んでもよい。旋回方向は、時計回り及び反時計回りのいずれか一方である。
Model1(分散型)においては、3つの給電端子280が1つの仮想円IC上において、均等に分散して配置されている。すなわち、3つの給電端子は、同一の仮想円IC上に位置し、仮想円ICの中心Pcから見て約120°ごとに設けられている。すなわち、互いに隣り合う給電端子280間の中心Pcから見た角度θは、120°である。
連通路301は、周回部分33a及び周回部分32aを有する。平面視において、円弧状の周回部分32aは、円弧状の周回部分33aを囲む。平面視において、仮想円ICは、周回部分33aを囲み、周回部分32aに囲まれる。言い換えれば、仮想円ICは、周回部分32aと周回部分33aとの間に位置する。
Model2(半径方向並列型)においては、給電端子280が径方向Drにおいて並び、互いに近接して配置されている。3つの給電端子280は、平面視において、周回部分32aと周回部分33aとの間に位置する。3つのうち真ん中の給電端子280は、仮想円IC上に位置し、2つの給電端子280は、仮想円IC上に位置しない。
Model3(接線方向並列型)においては、3つの給電端子280が仮想円IC上において、互いに近接して配置されている。3つの給電端子280は、仮想円IC上に位置し、周方向Dcにおいて隣接している。
これらのModel1~3に関して、連通路301に冷媒を流しながら上方から所定の熱量(ワット)が与えられた場合における、セラミック誘電体基板100の表面の温度分布を解析した。
図21は、静電チャックのセラミック誘電体基板の表面における温度分布のシミュレーション結果を表す模式平面図である。
図22(a)及び図22(b)は、静電チャックのセラミック誘電体基板の表面における温度分布のシミュレーション結果を表すグラフ図である。
図21は、面内の温度分布を表している。図22(a)は、仮想円IC上の経路に沿った温度を表す。この経路は、図20に表した仮想円IC上の点P1を始点として反時計回りに一周する経路である。図22(a)の横軸は、中心Pcから見て、仮想円IC上を点Pから反時計回りに進んだ角度である。図22(b)は、図22(a)の点線で囲んだ範囲の拡大図である。
円周方向におけるピーク温度は、3つのモデルのうち、Model1において最も低い。このように、実施形態においては、給電端子280を同一円周上に分散して配置することが好ましい。これにより、例えば面内の温度分布をより均一に近づけることができる。
例えば、同一円周上の複数の給電端子280は、均等に分散することが好ましい。すなわち、仮想円IC上の互いに隣り合う給電端子280間の中心Pcから見た角度θは、一定の所定角度であることが好ましい。なお、この所定角度は、厳密に一定でなくてもよく、例えば±10%程度の範囲内で変動してもよい。
以上のように、実施形態によれば、処理対象物の面内の温度分布の均一性を向上させることができる静電チャックが提供される。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、静電チャックが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。