JP7830833B2 - 蓄電装置用外装材及びこれを用いた蓄電装置 - Google Patents
蓄電装置用外装材及びこれを用いた蓄電装置Info
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Description
図1は、本開示の蓄電装置用外装材の一実施形態を模式的に表す断面図である。図1に示すように、本実施形態の外装材(蓄電装置用外装材)10は、基材層11と、該基材層11の一方の面側に設けられた外層接着剤層12aと、該外層接着剤層12aの基材層11とは反対側に設けられた、両面に第1及び第2の腐食防止処理層14a,14bを有するバリア層13と、該バリア層13の外層接着剤層12aとは反対側に設けられた内層接着剤層12bと、該内層接着剤層12bのバリア層13とは反対側に設けられたシーラント層16と、が積層された積層体である。ここで、第1の腐食防止処理層14aはバリア層13の基材層11側の面に、第2の腐食防止処理層14bはバリア層13のシーラント層16側の面に、それぞれ設けられている。外装材10において、基材層11が最外層、シーラント層16が最内層である。すなわち、外装材10は、基材層11を蓄電装置の外部側、シーラント層16を蓄電装置の内部側に向けて使用される。
基材層11は、外装材10に成型性と絶縁性を付与する役割を果たす。また、基材層11は、蓄電装置を製造する際のシール工程における耐熱性を付与し、成型加工や流通の際に起こりうるピンホールの発生を抑制する役割を果たす。特に大型用途の蓄電装置の外装材の場合等は、耐擦傷性、耐薬品性、絶縁性等も付与できる。
外層接着剤層12aは、基材層11とバリア層13とを接着する層である。外層接着剤層12aを構成する材料としては、具体的には、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カーボネートポリオールなどの主剤に対し、2官能以上のイソシアネート化合物(多官能イソシアネート化合物)を作用させたポリウレタン樹脂等が挙げられる。また、ポリウレタン樹脂の中でも、高温環境下での剥離強度の低下をより抑制しやすいことから、ポリエステルポリオールと2官能以上のイソシアネート化合物とを用いたポリエステルウレタン樹脂が好ましい。
バリア層13は、水分が蓄電装置の内部に浸入することを防止する水蒸気バリア性を有する。また、バリア層13は、深絞り成型をするために延展性を有していてもよい。バリア層13としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の各種金属箔、あるいは、金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、炭素含有無機酸化物蒸着膜、これらの蒸着膜を設けたフィルムなどを用いることができる。蒸着膜を設けたフィルムとしては、例えば、アルミニウム蒸着フィルム、無機酸化物蒸着フィルムを使用することができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。バリア層13としては、質量(比重)、防湿性、加工性及びコストの面から、金属箔が好ましく、アルミニウム箔がより好ましい。
第1及び第2の腐食防止処理層14a,14bは、バリア層13を構成する金属箔(金属箔層)等の腐食を防止するために設けられる層である。また、第1の腐食防止処理層14aは、バリア層13と外層接着剤層12aとの密着力を高める役割を果たす。また、第2の腐食防止処理層14bは、バリア層13と内層接着剤層12bとの密着力を高める役割を果たす。第1の腐食防止処理層14a及び第2の腐食防止処理層14bは、同一の構成の層であってもよく、異なる構成の層であってもよい。第1及び第2の腐食防止処理層14a,14b(以下、単に「腐食防止処理層14a,14b」とも言う)としては、例えば、脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理、あるいはこれらの処理の組み合わせにより形成される。
内層接着剤層12bは、第2の腐食防止処理層14bが形成されたバリア層13とシーラント層16とを接着する層である。内層接着剤層12bには、バリア層とシーラント層とを接着するための一般的な接着剤を用いることができ、例えば、上述した外層接着剤層12aと同様の接着剤を用いることができる。
シーラント層16は、外装材10にヒートシールによる封止性を付与する層である。シーラント層16としては、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。これらのシーラント層16を構成する樹脂(以下、「ベース樹脂」とも言う)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
接着性樹脂層15は、主成分となる接着性樹脂組成物と必要に応じて添加剤成分とを含んで概略構成されている。接着性樹脂組成物は、特に制限されないが、変性ポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。
次に、図1に示す外装材10の製造方法の一例について説明する。なお、外装材10の製造方法は以下の方法に限定されない。
本工程は、バリア層13に対して、腐食防止処理層14a,14bを形成する工程である。その方法としては、上述したように、バリア層13に脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理を施したり、腐食防止性能を有するコーティング剤を塗布したりする方法などが挙げられる。
本工程は、腐食防止処理層14a,14bを設けたバリア層13と、基材層11とを、外層接着剤層12aを介して貼り合わせる工程である。貼り合わせの方法としては、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウエットラミネーションなどの手法を用い、上述した外層接着剤層12aを構成する材料にて両者を貼り合わせる。外層接着剤層12aは、ドライ塗布量として1~10g/m2の範囲、より好ましくは2~7g/m2の範囲で設ける。
本工程は、バリア層13の第2の腐食防止処理層14b側に、内層接着剤層12bを介してシーラント層16を貼り合わせる工程である。貼り合わせの方法としては、ウェットプロセス、ドライラミネーション等が挙げられる。
本工程は、積層体をエージング(養生)処理する工程である。積層体をエージング処理することで、バリア層13/第2の腐食防止処理層14b/内層接着剤層12b/シーラント層16間の接着を促進させることができる。エージング処理は、室温~100℃の範囲で行うことができる。エージング時間は、例えば、1~10日である。
本工程は、先の工程により形成された第2の腐食防止処理層14b上に、接着性樹脂層15及びシーラント層16を形成する工程である。その方法としては、押出ラミネート機を用いて接着性樹脂層15をシーラント層16とともにサンドラミネーションする方法が挙げられる。さらには、接着性樹脂層15とシーラント層16とを押出すタンデムラミネート法、共押出法でも積層可能である。接着性樹脂層15及びシーラント層16の形成では、例えば、上述した接着性樹脂層15及びシーラント層16の構成を満たすように、各成分が配合される。シーラント層16の形成には、上述したシーラント層形成用樹脂組成物が用いられる。
本工程は、積層体を熱処理する工程である。積層体を熱処理することで、バリア層13/第2の腐食防止処理層14b/接着性樹脂層15/シーラント層16間での密着性を向上させることができる。熱処理の方法としては、少なくとも接着性樹脂層15の融点以上の温度で処理することが好ましい。
図3は、上述した外装材を用いて作製した蓄電装置の一実施形態を示す斜視図である。図3に示されるように、蓄電装置50は、電池要素(蓄電装置本体)52と、電池要素52から電流を外部に取り出すための2つの金属端子(電流取出し端子)53と、電池要素52を気密状態で包含する外装材10とを含んで構成される。外装材10は、上述した本実施形態に係る外装材10である。外装材10では、基材層11が最外層であり、シーラント層16が最内層である。すなわち、外装材10は、基材層11を蓄電装置50の外部側、シーラント層16を蓄電装置50の内部側となるように、1つのラミネートフィルムを2つ折りにして熱融着することにより、又は、2つのラミネートフィルムを重ねて熱融着することにより、内部に電池要素52を包含した構成となる。なお、蓄電装置50では、外装材10に代えて外装材20を用いてもよい。
実施例及び比較例で使用した材料を以下に示す。
半芳香族ポリアミド:表1に示す製膜方法により作製された、同表に示す厚さ及びTgを有する半芳香族ポリアミドフィルム
PET:表1に示す製膜方法により作製された、同表に示す厚さ及びTgを有するポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、商品名:ルミラー#25、#50)
PBT:表1に示す製膜方法により作製された、同表に示す厚さ及びTgを有するポリブチレンテレフタレートフィルム(興人フィルム&ケミカルズ社製、商品名:ボブレット)
ナイロン6:表1に示す製膜方法により作製された、同表に示す厚さ及びTgを有するナイロン6フィルム(ユニチカ社製、商品名:ON-U)
ポリエステルウレタン:ポリエステルポリオール(東洋モートン社製、商品名:TMK-55)とイソシアネート(TDI-アダクト、東洋モートン社製、商品名:CAT-10L)とを配合し、溶媒で希釈したポリエステルウレタン系接着剤を用いた。
PO系:日本製紙社製のアウローレン350S(商品名)と東洋モートン社製のDYNAGRAND CR-410B(商品名)とを配合し、溶媒で希釈したポリオレフィン系接着剤を用いた。
(CL-1):溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度10質量%に調整した「ポリリン酸ナトリウム安定化酸化セリウムゾル」を用いた。なお、ポリリン酸ナトリウム安定化酸化セリウムゾルは、酸化セリウム100質量部に対して、リン酸のNa塩を10質量部配合して得た。
(CL-2):溶媒として蒸留水を用い固形分濃度5質量%に調整した「ポリアリルアミン(日東紡社製)」90質量%と、「ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製)」10質量%からなる組成物を用いた。
焼鈍脱脂処理した軟質アルミニウム箔(東洋アルミニウム社製、「8079材」)を用いた。
接着性樹脂として、ランダムポリプロピレン(PP)ベースの酸変性ポリプロピレン樹脂組成物(三井化学社製)を用いた。
ポリプロピレン-ポリエチレンランダム共重合体(プライムポリマー社製、商品名:F744NP)を、シーラント層形成用樹脂組成物として用いた。
(実施例1)
まず、バリア層に、第1及び第2の腐食防止処理層を以下の手順で設けた。すなわち、バリア層の両方の面に(CL-1)を、ドライ塗布量として70mg/m2となるようにダイレクトグラビアコートにより塗布し、乾燥ユニットにおいて200℃で焼き付け処理を施した。次いで、得られた層上に(CL-2)を、ドライ塗布量として20mg/m2となるようにダイレクトグラビアコートにより塗布することで、(CL-1)と(CL-2)からなる複合層を第1及び第2の腐食防止処理層として形成した。この複合層は、(CL-1)と(CL-2)の2種を複合化させることで腐食防止性能を発現させたものである。
基材層及び/又は外層接着剤層を表1に示す構成に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2~3及び比較例1~5の外装材(基材層/外層接着剤層/第1の腐食防止処理層/バリア層/第2の腐食防止処理層/接着性樹脂層/シーラント層の積層体)を作製した。なお、外層接着剤層として「PO系」を用いた場合、バリア層と基材層との積層時の条件は、100℃で30秒乾燥、及び、40℃で120時間エージングに変更した。
実施例及び比較例で用いた基材層の体積抵抗率を、JIS K 6911に準拠し、温度23℃、相対湿度20%RH以下、又は、温度150℃で、電圧100Vの条件にて測定した。また、23℃環境下での体積抵抗率、及び、150℃環境下の体積抵抗率から、抵抗変化比(23℃環境下での体積抵抗率/150℃環境下での体積抵抗率)を求めた。これらの結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた外装材を100mm×100mmサイズに切断して試験片とした。この試験片の表面に垂直な方向の絶縁破壊電圧(交流、50Hz)をJIS C2110-1に準拠して測定した。試験条件の詳細は以下の通りである。測定された絶縁破壊電圧が8kV以上である場合を「A」、7kV以上8kV未満である場合を「B」、7kV未満である場合を「C」と判定した。結果を表1に示す。
(試験条件)
試験片数:3個
試験温度:150℃
周囲媒質:油中
電極形状:直径25mm円柱/直径25mm円柱
昇圧方式:短時間試験
昇圧速度:0.5kV/sec
実施例及び比較例で得られた外装材を、TD方向120mm×MD方向200mmの矩形状に切り取り、シーラント層が上方を向くように成型装置内に配置した。成型装置の成型深さを5.0mmに設定し、抑え圧を0.8MPaとし、室温23℃、露点温度-35℃の環境下で、冷間成型を行った。パンチ金型には、80mm×70mmの長方形の横断面を有し、底面に1mmのパンチラジアス(RP)を有し、側面に1mmのパンチコーナーラジアス(RCP)を有するものを使用した。また、ダイ金型には、開口部上面に1mmのダイラジアス(RD)を有するものを使用した。パンチ金型とダイ金型との間のクリアランスは170μmとした。成型エリアは、切り取った外装材の長手方向(MD方向)の略中央で分けた半面の略中央とし、パンチ金型の長手方向が外装材のTD方向に沿うようにした。
(a)ピンホール及びクラックの発生の有無
A:全てのサンプルでピンホール及びクラックがない
B:80%以上100%未満のサンプルでピンホール及びクラックがない
C:ピンホール及びクラックがないサンプルが80%未満
(b)成型後のカールの有無
A:未成型部がカールしない、又は、カールしても未成型部の先端部分の旋回が1周しない
C:未成型部の先端部分の旋回が1周以上となるようにカールしている
上記(a)及び(b)の評価結果に基づいて、外装材の成型性を以下の基準で判定した。結果を表1に示す。
A:上記(a)及び(b)の評価結果がいずれも「A」判定
B:上記(a)の評価結果が「B」判定で、上記(b)の評価結果が「A」判定
C:上記(a)及び(b)の評価結果の少なくとも一方が「C」判定
実施例及び比較例で得られた外装材を、幅15mm、長さ100mmのサイズに切断して試験片とした。この試験片について、150℃環境下での基材層とバリア層間の剥離強度を測定した。測定は、引張速度50mm/minの条件にて、引張試験機(株式会社島津製作所社製)を用いたT字剥離試験により行った。得られた結果から、下記評価基準に基づいて150℃環境下での剥離強度を評価した。結果を表1に示す。
A:剥離強度が1N/15mm以上
C:剥離強度が1N/15mm未満
Claims (10)
- 少なくとも基材層、外層接着剤層、バリア層、シーラント層がこの順で積層された構造を有する蓄電装置用外装材であって、
前記基材層の、23℃環境下での体積抵抗率と150℃環境下の体積抵抗率との比(23℃環境下での体積抵抗率/150℃環境下での体積抵抗率)が、1×100~1×103であり、
前記基材層が、ガラス転移温度が110℃以上の半芳香族ポリアミドフィルムである、蓄電装置用外装材。 - 前記基材層の23℃環境下での体積抵抗率が1×1013Ω・m以上である、請求項1に記載の蓄電装置用外装材。
- 前記基材層の150℃環境下での体積抵抗率が1×1012Ω・m以上である、請求項1又は2に記載の蓄電装置用外装材。
- 前記基材層の厚さが35μm以下であり、
前記基材層の150℃環境下での体積抵抗率と前記基材層の厚さとを乗じた値が、5×1013(Ω・m×μm)以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電装置用外装材。 - 前記基材層が二軸延伸されたフィルムである、請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置用外装材。
- 前記外層接着剤層がポリエステルウレタン系接着剤を用いて形成された層である、請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置用外装材。
- 全固体電池用である、請求項1~6のいずれか一項に記載の蓄電装置用外装材。
- 前記基材層の、23℃環境下での体積抵抗率と150℃環境下の体積抵抗率との比(23℃環境下での体積抵抗率/150℃環境下での体積抵抗率)が、1×100~1×102である、請求項1~7のいずれか一項に記載の蓄電装置用外装材。
- 蓄電装置本体と、
前記蓄電装置本体から延在する電流取出し端子と、
前記電流取出し端子を挟持し且つ前記蓄電装置本体を収容する、請求項1~8のいずれか一項に記載の蓄電装置用外装材と、
を備える蓄電装置。 - 全固体電池である、請求項9に記載の蓄電装置。
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