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JP7832588B2 - 気体分離複合膜、車両用エンジンシステム、車両用空調システム及び気体分離複合膜の製造方法 - Google Patents
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JP7832588B2 - 気体分離複合膜、車両用エンジンシステム、車両用空調システム及び気体分離複合膜の製造方法 - Google Patents

気体分離複合膜、車両用エンジンシステム、車両用空調システム及び気体分離複合膜の製造方法

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Description

本発明は、気体分離複合膜、車両用エンジンシステム、車両用空調システム及び気体分離複合膜の製造方法に係り、さらに詳細には、車両への搭載に適しており、気体選択性を有すると共に優れた気体透過性を有する気体分離複合膜、これを備えた車両用エンジンシステム及び車両用空調システム、並びに気体分離複合膜の製造方法に関する。
従来、優れたガス透過性と共に優れたガス分離選択性を示し、高温、高圧且つ高湿条件下で使用してもガス分離性能に優れ、さらに天然ガス中に存在するトルエン等の不純物成分の影響も受けにくいガス分離膜が提案されている(特許文献1参照)。このガス分離膜は、架橋セルロース樹脂を含有してなるガス分離層を有するガス分離膜であって、架橋構造中に所定の連結構造を有し、ガス分離層が所定量の有機溶媒を含有している。
国際公開第2016/136294号
しかしながら、特許文献1のガス分離膜においては、多孔質膜にセルロース樹脂と架橋剤とを含む溶液(ドープ液)を塗布して架橋セルロース樹脂を含有してなるガス分離層を形成しているので、ドープ液の一部が多孔質膜の空隙に浸み込んだ状態となっている。そのため、このガス分離膜の二酸化炭素(CO)透過性は100GPU未満であり、その値から酸素(O)透過性は10GPU未満であると想定される。このように、高い気体透過性が達成できていないという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであって、車両への搭載に適しており、気体選択性を有すると共に優れた気体透過性を有する気体分離複合膜、これを備えた車両用エンジンシステム及び車両用空調システム、並びに気体分離複合膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、特定の2種類の塗工方法を適切な順序で組み合わせて多孔質支持体に所定の気体分離層を形成することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の気体分離複合膜は、気体分離層と、気体分離層を支持する多孔質支持体を具備する。さらに、この気体分離層は、多孔質支持体上に形成された堆積部と非堆積部を有する中間層と、中間層上に形成された表面層を備えた積層構造を有する。さらに、この表面層は、非堆積部に充填された充填部を有し、堆積部、非堆積部及び充填部が同一の気体分離層材料を含む。
また、本発明の車両用エンジンシステムは、上記本発明の第1の気体分離複合膜又は第2の気体分離複合膜を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明の車両用空調システムは、上記本発明の第1の気体分離複合膜又は第2の気体分離複合膜を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明の気体分離複合膜の製造方法は、上記本発明の気体分離複合膜を製造する方法である。この製造方法は、下記の第1塗工工程と、乾燥工程と、第2塗工工程を含む。第1塗工工程は、気体分離層材料と有機溶媒を含有する塗工液を、多孔質支持体の一方の表面に塗工する工程である。乾燥工程は、多孔質支持体に塗工された塗工液から有機溶媒を乾燥によって除去し、得られる気体分離複合膜の中間層における前記非堆積部に対応した未完成部を有する気体分離層を多孔質支持体の表面に形成する工程である。第2塗工工程は、気体分離層材料と有機溶媒を含有する塗工液を、未完成部を有する気体分離層上に塗工する工程である。
この製造方法では、第1塗工工程において、多孔質支持体に塗工液を塗工する際に多孔質支持体に塗工された塗工液を加圧しない第1塗工手段としてグラビアロールを用いる。グラビアロールは凹状供給部と土手とが交互に形成された周面を有し、この構造に基づいて塗工液が供給され、乾燥工程において前記未完成部が形成される。また、第2塗工工程において、未完成部を有する気体分離層の少なくとも一部に配置された過剰量の塗工液を加圧して塗工液を未完成部を有する気体分離層に塗工すると共に過剰量の塗工液から余剰量の塗工液を除去する第2塗工手段を用いる。
本発明によれば、特定の2種類の塗工方法を適切な順序で組み合わせて多孔質支持体に所定の気体分離層を形成することなどにより、車両への搭載に適しており、気体選択性を有すると共に優れた気体透過性を有する気体分離複合膜、これを備えた車両用エンジンシステム及び車両用空調システム、並びに気体分離複合膜の製造方法を提供できる。
本発明の第1の気体分離複合膜の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図1に示す気体分離複合膜をII-II線に沿って切った断面図である。 本発明の第2の気体分離複合膜の一実施形態を示す断面図である。 本発明の第1又は第2の気体分離複合膜の製造方法の一実施形態を模式的に示す説明図である。 本発明の車両用エンジンシステムの一実施形態の要部を模式的に示す説明図である。 本発明の車両用空調システムの一実施形態の要部を模式的に示す説明図である。 気体分離複合膜の評価を行うために用いたステンレス製の気体分離複合膜モジュールの様子を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の気体分離複合膜、車両用エンジンシステム、車両用空調システム及び気体分離複合膜の製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で引用する図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
[第1の気体分離複合膜]
図1に示すように、本発明の第1の気体分離複合膜の一実施形態である気体分離複合膜1は、気体分離層10と、気体分離層10を支持する多孔質支持体20を具備している。詳細には、図2に示すように、気体分離層10は、多孔質支持体20上で横方向に交互に形成された堆積部111と非堆積部113を有する中間層11と、中間層11上に形成された表面層13を備えた積層構造を有している。さらに、表面層13は、非堆積部113に充填された充填部131を有している。なお、図示例は、典型的には中間層11を形成する材料の材質又は組成と表面層13を形成する材料の材質又は組成とが異なる場合を示している。
ここで、気体分離層10は、2種以上の成分を含む混合ガスから1種以上の成分を含むガスを分離する層である。気体分離層は、例えば、OとNを含む空気からOを分離する層や、COや水蒸気(HO)を含む空気からCO又は水蒸気(HO)を分離する層として適用することができる。
また、本発明の気体分離複合膜において、多孔質支持体20は、気体分離層10を支持し、気体分離層10で分離された気体の透過性を担保できれば、その構造は特に限定されない。本実施形態の気体分離複合膜1においては、多孔質支持体20は、複数の細孔20Aの各々が気体分離層10側の表面20Bとその反対側の裏面20Cとを直接連通する長孔を形成することによって、多孔質支持体20の気体透過性を担保している(図2参照)。
なお、図示しないが、本発明の気体分離複合膜においては、例えば、多孔質支持体20の気体透過性は、複数の細孔20Aを有する多孔質支持体20において、細孔20Aが他の細孔20Aと連通し、多数の分岐・合流部を有したり、曲がりくねったりして、表面20Bと裏面20Cとを連通する連通孔を形成することによっても担保できる。
次に、本実施形態の利点について説明する。
本実施形態の気体分離複合膜1によれば、気体分離層10を多孔質支持体20上に薄く形成する際に中間層11に意図的に又は不可避的に形成された非堆積部113に充填部131が充填されるように表面層13を形成した。これによって、良好な車両搭載性、気体選択性と共に優れた気体透過性を実現できると考えられる。特に、多孔質支持体20の細孔20A内に気体分離層10が進入した状態で形成されていないことが好ましく、換言すれば、多孔質支持体20内には多孔質支持体20を形成する材料のみが存在する状態であることが好ましい。
以下、本実施形態の気体分離複合膜における構成要素の材質等について説明する。
(気体分離層)
気体分離層10を形成する材料としては、固有ミクロ多孔性重合体(polymers of intrinsic microporosity:PIM)、ポリトリメチルシリルプロピン(PTMSP)、ポリイミド、シリコーン等の有機高分子材料を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その中でも、芳香族ポリイミド、フッ素含有ポリイミド等のポリイミド、PIM-1等の固有ミクロ多孔性重合体を用いることが好ましく、PIM-1を用いることがより好ましい。なお、PIM-1は、例えば、下記の式(I)で表わされる構成単位を有している。
上記の式(I)中、Rは、水素原子又は直鎖若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基であり、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基、又はシアノ基であり、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基、又はシアノ基である。同一の構成単位中の複数のR、R及びRは、それぞれ同一であっても異なってもよい。
式(I)で示すように、PIM-1は剛直な梯子型構造及び折れ曲がり骨格を有し、層内部に微細孔を形成することができる高分子である。そのため、PIM-1を含む気体分離層10は、優れた気体透過性を有する。
気体分離層10を形成する材料としては、上記各種有機高分子材料に、粒子径が1nm以上20nm以下である粒子を更に含ませた複合材料を挙げることができる。このような粒子を形成する材料としては、無機材料、典型的にはシリカ、ゼオライト等のセラミック材料を好適例として挙げることができる。このような粒子としては、公知の製造方法で生産、上市される各種粒子を適用できるが、シリカ粒子の場合、(1)四塩化ケイ素等のケイ素を含む原料を、酸素と水素の火炎中で燃焼させて加水分解させる気相法(乾式法)で合成されたヒュームドシリカナノ粒子や、(2)ケイ酸ナトリウムをイオン交換してナトリウムを除去した後加熱熟成する水ガラス法や、テトラエトキシシラン等のアルコキシドをアルコール溶媒中で加水分解、重縮合するアルコキシド加水分解法に代表される液相法(湿式法)で合成されたコロイダルシリカナノ粒子を例示できる。
上述した粒子間や、粒子と有機高分子材料との間等に微細な孔を形成することによって、気体透過性や気体選択性がより優れた気体分離層10を形成し得る観点からは、粒子の粒子径は1nm以上20nm以下であることが好ましく、1nm以上10nm以下であることがより好ましく、1nm以上5nm以下であることが更に好ましい。
本発明において、上記粒子の粒子径は、次の要領で、測定・算出できる。まず、気体分離複合膜の任意の位置において、気体分離複合膜を厚さ方向に沿って切断する。次いで、得られた切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等で観察し、必要に応じて、更にエネルギー分散型X線分析(EDS)やX線光電子分光法(XPS)で観察し、4個の粒子について輪郭線上の任意の2点間の距離をうち、最大の距離を測定する。しかる後、4個の粒子の最大の距離の平均値を算出して、粒子の粒子径とする。
立体障害になる修飾基を有する粒子と有機高分子材料との間に微細な孔を形成することによって、気体透過性や気体選択性が優れた気体分離層10を形成し得る観点からは、粒子は、その表面に修飾基を有していることが好ましい。このような修飾基を有する粒子は、例えば、粒子をシランカップリング剤により表面修飾処理して得ることができる。
気体分離層10としては、気体透過性や気体選択性の向上の観点からは、有機高分子材料と上述した粒子とを含んでいることが好ましい。気体分離層10における上述の粒子の含有割合は、気体透過性や気体選択性の向上の観点からは、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、20質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、気体分離層における粒子の含有割合は、次の要領で、測定・算出できる。まず、一定量(1g)の気体分離層を分取し、質量を測定する。次いで、気体分離層から燃焼等により有機高分子材料を消失させ、残渣である粒子の質量を測定する。しかる後、気体分離層の質量に対する粒子の質量の比を算出して、気体分離層における粒子の含有割合とする。
上記気体分離層10の厚さは、気体透過性の向上の観点からは、500nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましい。また、気体分離層10の厚さは、気体分離層の機械的強度の観点からは、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
本発明において、気体分離層の厚さは、多孔質支持体20の表面20Bのうちの細孔20Aが開口していない部分と接している面(部分)から、気体分離層10の表面10Aまでの距離とする(図2参照)。
本発明において、気体分離層の厚さは、次の要領で、測定・算出できる。まず、気体分離複合膜の任意の位置において、気体分離複合膜を厚さ方向に沿って切断する。次いで、得られた切断面をSEMやTEM等で観察し、必要に応じて、更にEDS、XPS又はFT-IRで観察し、多孔質支持体の表面のうちの孔が開口していない部分と接している部分から、気体分離層の表面までの距離を4カ所測定する。しかる後、その4カ所の距離の平均値を算出して、気体分離層の厚さとする。
(多孔質支持体)
多孔質支持体20を形成する材料は、有機材料、無機材料のいずれであってもよいが、有機材料であることが好ましい。有機材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の各種樹脂材料を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。多孔質支持体20を形成する好適材料としては、PTFE、PPを挙げることができる。
多孔質支持体20の厚さは、機械的強度及び高い気体透過性の付与の観点からは、1μm以上3000μm以下であることが好ましく、5μm以上500μm以下であることがより好ましく、5μm以上150μm以下であることが更に好ましい。
本発明において、多孔質支持体の厚さは、次の要領で、測定・算出できる。まず、気体分離複合膜の任意の位置において、気体分離複合膜を厚さ方向に沿って切断する。次いで、得られた切断面をSEMやTEM等で観察し、必要に応じて、更にEDS、XPS又はFT-IRで観察し、多孔質支持体20の表面20Bから裏面20Cまでの距離を4カ所測定する。しかる後、その4カ所の距離の平均値を算出して、多孔質支持体の厚さとする。
多孔質支持体20においては、多孔質支持体20が十分な気体透過性を有していれば特に限定されないが、多孔質支持体の細孔径、典型的には平均細孔直径が0.01μm以上0.5μm以下である細孔を含み、多孔質支持体20の空孔率が40%以上80%以下であることが好ましい。
本発明において、平均細孔直径は、次の要領で、測定・算出できる。多孔質支持体の細孔の形状が長孔又は連通孔であるかに応じて、SEMやTEM等でそれぞれ多孔質支持体の表面又は断面を観察し、多孔質支持体の細孔(観察面)の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離を測定する。そして、数~数十視野中に観察される細孔の平均値を算出して、平均細孔直径とする。
本発明において、空孔率は、一般的な浸漬法を用いて測定することができる。また、多孔質支持体の重量と嵩密度より全体体積を求め、この値と実際の体積との差から空孔体積を求め、空孔率を算出する方法や、エタノールや水等の溶媒を多孔質支持体に含浸させて、含浸したエタノールの重量を体積に換算し、これを空孔体積として空孔率を求める方法がある。
[第2の気体分離複合膜]
以下の実施形態では、以上に説明した第1の気体分離複合膜の実施形態と同一の構成要素に同一符号を付して、詳細な説明を省略する。図3は、本発明の第2の気体分離複合膜の一実施形態を図1に示すII-II線と同様の線に沿って切った断面図である。なお、本発明の第2の気体分離複合膜の一実施形態を模式的に示す斜視図は図1と同様である。
図3に示すように、本発明の第2の気体分離複合膜の一実施形態である気体分離複合膜2は、上記気体分離複合膜1において、典型的には、上述した中間層11を形成する材料の材質及び組成と表面層13を形成する材料の材質及び組成とが同じ場合の気体分離複合膜に相当する。具体的には、本実施形態の気体分離複合膜2は、気体分離層10が上述した中間層11と表面層13を備えた積層構造を必須の構成要素としておらず、図示しないが、以下の構造・特性(1)~(3)を必須の構成要素としていること以外は、本発明の第1の気体分離複合膜の一実施形態である気体分離複合膜1と同様の構成を有する。
(1)気体分離層10の厚さが500nm以下である。
(2)気体分離層10のO透過性が100GPU以上である。
(3)気体分離層10のO/N選択性が1.20以上である。
次に、本実施形態の利点について説明する。
本実施形態の気体分離複合膜2によっても、良好な車両搭載性、気体選択性と共に優れた気体透過性を実現できる。特に、所期の性能を有する気体分離層を形成するためには、気体分離層を形成する材料と詳しくは後述する有機溶媒とを含む塗工液の選択が重要であり、気体選択性や気体透過性を向上させ易いという観点からは、中間層11を形成する材料の材質及び組成と表面層13を形成する材料の材質及び組成とが同じであることが好ましく、それらと共に用いられる有機溶媒も同じものであることが好ましい。
以下、本実施形態の気体分離複合膜における構成要素の構造・特性について説明する。
本実施形態の気体分離複合膜2においては、気体透過性向上の観点からは、気体分離層10の厚さが400nm以下であることが好ましい。また、本実施形態の気体分離複合膜2においては、気体分離層の機械的強度からは、気体分離層10の厚さが5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
本実施形態の気体分離複合膜2においては、気体分離層10のO透過性が300GPU以上であることが好ましく、1000GPU以上であることがより好ましく、4000GPU以上であることが更に好ましい。また、本実施形態の気体分離複合膜2においては、気体選択性向上の観点からは、気体分離層10のO透過性が9000GPU以下であることが好ましく、7000GPU以下であることがより好ましい。
本実施形態の気体分離複合膜2においては、気体分離層10のO/N選択性が1.25以上であることが好ましく、1.30以上であることがより好ましく、1.50以上であることが更に好ましい。また、本実施形態の気体分離複合膜2においては、気体透過性向上の観点からは、気体分離層10のO/N選択性が2.00以下であることが好ましい。
[気体分離複合膜の製造方法]
図4に示すように、本発明の気体分離複合膜の製造方法の一実施形態は、上述した第1又は第2の気体分離複合膜を製造する方法の一例であって、下記の第1塗工工程と、第1乾燥工程と、第2塗工工程と、第2乾燥工程を含む。
図4(A)に示すように、第1塗工工程は、塗工液31を、多孔質支持体20の一方の表面20Bに塗工する工程である。そして、この第1塗工工程においては、多孔質支持体20に塗工液31を塗工する際に多孔質支持体20に塗工された塗工液31を加圧しない第1塗工手段41を用いる。この塗工液31は、図示しない気体分離層材料と有機溶媒を含有する。
ここで、本発明において、塗工する際とは、塗工液を実際に塗工をしている時又は塗工液を多孔質支持体に塗工した後から多孔質支持体に塗工された塗工液が多孔質支持体に浸み込まない程度まで乾燥するまでの間を意味する。
上記塗工液31においては、上記気体分離層材料として、上述した有機高分子材料と、必要に応じて添加される上述した粒子を用いることができる。
さらに、上記塗工液31においては、上記有機溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、N-メチル-2-ピロリドン、トルエン、イソプロピルアルコール、テトラリンを用いることができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。例えば、PIM-1やポリイミドに適用する有機溶媒としては、PIM-1やポリイミドの溶解性が高い観点からは、テトラヒドロフラン(THF)が好適である。
また、上記第1塗工手段41として、例えば、図4(A)に示すように、矢印Zで示す方向に回転するグラビアコーターのグラビアロールを用いることができる。このとき、塗工対象である多孔質支持体20もグラビアロール41の回転速度と同じ送り速度で矢印Yで示す方向に供給される。なお、図示しないが、本発明においては、上記第1塗工手段41として、例えば、ダイコーターを用いることもできる。
図4(B)に示すように、第1乾燥工程は、多孔質支持体20に塗工された塗工液31から有機溶媒を乾燥によって除去し、未完成部33を有する気体分離層10を多孔質支持体20の表面20Bに形成する工程である。ここで、未完成部33は典型的には通気可能な非堆積部113であり、気体分離層10は典型的には堆積部111である。この乾燥工程においては、意図的に又は不可避的に形成された未完成部33(非堆積部113)を有する気体分離層10(堆積部111)が多孔質支持体20の表面20Bに形成されればよい。この第1乾燥工程においては、例えば、大気雰囲気中、10℃以上40℃以下で1時間以上8時間以下乾燥すればよい。
図4(C)に示すように、第2塗工工程は、塗工液31を、未完成部33(非堆積部113)を有する気体分離層10(堆積部111)上に塗工する工程である。この第2塗工工程においては、未完成部33(非堆積部113)を有する気体分離層10(堆積部111)の少なくとも一部に配置された過剰量の塗工液を加圧して塗工液31を未完成部33(非堆積部113)を有する気体分離層10(堆積部111)に塗工すると共に過剰量の塗工液から余剰量の塗工液を除去する第2塗工手段43を用いる。
第2塗工工程における塗工液31としては、第1塗工工程における塗工液31と成分や組成等が同じ塗工液を用いてもよく、異なる塗工液を用いてもよい。また、上記第2塗工手段43として、例えば図4(C)に示すように、矢印Xで示す方向に移動するバーコーターを用いることができる。
図4(D)に示すように、第2乾燥工程は、未完成部33(非堆積部113)を有する気体分離層10(堆積部111)に塗工された塗工液31から有機溶媒を乾燥によって除去し、気体分離層10を多孔質支持体20の表面20Bに形成して、気体分離複合膜を得る工程である。
次に、本実施形態の利点について説明する。
本実施形態の気体分離複合膜の製造方法によれば、意図的に又は不可避的に形成された未完成部33(非堆積部113)を有する気体分離層10(堆積部111)を形成し、更に、未完成部33(非堆積部113)に塗工液31が充填されるように塗工することにより、塗工液が多孔質支持体に浸み込むことが抑制ないし防止される。これにより、車両への搭載に適しており、気体選択性を有すると共に優れた気体透過性を有する気体分離複合膜を得ることができる。
本実施形態の気体分離複合膜の製造方法においては、上記第1塗工手段41としてのグラビアロール41の凹状供給部(セル)411と土手413とが交互に形成された周面41Aにおける塗工液31の凹状供給部(セル)411の存在割合が80%以上99%以下、好ましくは85%以上99%以下、より好ましくは85%以上90%以下であり、凹状供給部(セル)411における塗工液31の液量が4.7cm/m以上28.3cm/m以下であることが好ましい(図4(A)参照)。
なお、図4(A)中のWcはセル幅、Wbは土手幅、Ccはセル周期を示す。また、凹状供給部(セル)の存在割合は、(セル幅(Wb))/(セル幅(Wb)+土手幅(Wb))×100により算出される。このような製造方法とすることにより、より優れた気体選択性及び気体透過性を有する上述した気体分離複合膜を歩留まり良く作製することができる。
上述の気体分離複合膜を適用した気体分離膜モジュールは、混合ガスから所定のガスを分離し、所定のガスのガス濃度を高めたり低減したりすることができる。さらに、上述の気体分離複合膜は、良好な車両搭載性、気体選択性と共に優れた気体透過性を有する。従って、このような気体分離膜モジュールは、例えば、車両用エンジンシステムや車両用空調システムに好適に用いることができる。
[車両用エンジンシステム]
排気中の窒素酸化物(NOx)は、燃料と混合した燃焼用空気中のNとOとが高温状態で反応して生成し、燃焼領域でのO濃度が高いほど多く発生する。車両用エンジンシステムの吸気系に気体分離膜モジュールを適用することにより、O濃度を低減し、N濃度を相対的に高めた窒素富化空気を用いて燃料を燃焼させることができる。その結果、燃焼領域でのO濃度が低くなり、排気中のNOxを低減させることができる。
図5に本発明の車両用エンジンシステムの一実施形態を示す。車両用エンジンシステム50は、エンジン51の吸気系流路に設けられた気体分離膜モジュール52を具備している。そして、この気体分離膜モジュール52は、上述した気体分離膜1,2を備えている。図5に示すように、気体分離膜モジュール52に空気が供給されると、気体分離膜1,2において窒素富化空気と酸素含有ガスに分離される。この窒素富化空気がエンジン51に供給されると、エンジン51において図示しない燃料をリーン燃焼させることができ、エンジン51からの排気におけるNOxを低減させることができる。
[車両用空調システム]
車室内においては運転者や同乗者が存在することにより、車室内空気中のO濃度が徐々に低下し、CO濃度や水蒸気(HO)濃度が徐々に高くなる。車両用空調システムに気体分離膜モジュールを適用することにより、O濃度を高め、CO濃度や水蒸気(HO)濃度を低減させることができる。その結果、簡易な構成で車室内の空気組成を適度に改質できる。
図6に本発明の車両用空調システムの一実施形態を示す。車両用空調システム60は、車室61のダクトに設けられた気体分離膜モジュール62,62を具備している。これらの気体分離膜モジュール62,62は、上述した気体分離膜1,2を備えている。気体分離膜モジュール62,62の一方の側には車室61のダクトにより車室61の内気が循環しており、気体分離膜モジュール62,62の他方の側には他のダクトにより外気が吸排気されている。図6に示すように、気体分離膜モジュール62,62に内気及び外気が供給されると、気体分離膜1,2において外気からOが分離され、内気からCOや水蒸気(HO)が分離され、内気のO濃度を高め、CO濃度や水蒸気(HO)濃度を低減させることができ、簡易な構成で車室内の空気組成を一定に保つことができる。
以下、本発明を若干の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、各実施例及び比較例は、特に限定しない限り、大気圧雰囲気下、室温(25℃)、相対湿度50%RHで行った。
(実施例1)
第1塗工工程において、多孔質支持体(材質:PTFE、厚さ:500μm、細孔径:0.1μm、空孔率:60%)に、第1塗工液(気体分離層材料(材質;PIM-1(式(I)中のRはメチル基、Rはシアノ基、Rは水素原子である。)、重量平均分子量(Mw)=3.1×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=5.4)、有機溶媒(材質:THF)、有機高分子材料の濃度:4質量%)をグラビアロールを備えた第1グラビアコーター(版・線数:200L/inch、セル周期:127μm、セル幅:113μm、土手幅:14μm、セル存在割合:89%、塗工液量:7.5cm/m)を用いて塗工した。
次いで、ドラフト内で、室温(25℃)下で4時間乾燥させて、多孔質支持体に塗工された第1塗工液から有機溶媒を除去し、未完成部を有する気体分離層を多孔質支持体の表面に形成した。
さらに、第2塗工工程において、未完成部を有する気体分離層に、第1塗工液をバーコーターを用いて塗工した。
しかる後、ドラフト内で、室温(25℃)下で4時間乾燥させて、未完成部を有する気体分離層に塗工された第1塗工液から有機溶媒を除去し、気体分離層を形成して、本例の気体分離複合膜を得た。
(実施例2)
上記第1塗工液を第2塗工液(気体分離層材料(材質;PIM-1(式(I)中のRはメチル基、Rはシアノ基、Rは水素原子である。)、重量平均分子量(Mw)=3.1×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=5.4)+粒子(材質:シリカ、粒子径:5nm、表面修飾基:ビニル基)、PIM-1:シリカ粒子=40質量部:60質量部、有機溶媒(材質:THF)、有機高分子材料の濃度:4質量%、シリカ粒子の濃度:40質量%)に替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。
(実施例3)
上記多孔質支持体を多孔質支持体(材質:PTFE、厚さ:500μm、細孔径:0.05μm、空孔率:60%)に替え、更に、上記第1塗工工程において上記第1グラビアコーターをダイコーターに替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。
(実施例4)
上記多孔質支持体を多孔質支持体(材質:PP、厚さ:500μm、細孔径:0.1μm、空孔率:60%)に替え、更に、上記第1グラビアコーターをダイコーターに替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。
(実施例5)
上記第1塗工液を第3塗工液(気体分離層材料(材質;ポリイミド(6FDA-3MPA、数平均分子量(Mn)2.5×10、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=1.7)、有機溶媒(材質:THF)、有機高分子材料の濃度:4質量%)に替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。
(実施例6)
上記第1塗工工程において上記第1グラビアコーターをグラビアロールを備えた第2グラビアコーター(版・線数:100L/inch、セル周期:254μm、セル幅:221μm、土手幅:33μm、セル存在割合:87%、塗工液量:17.3cm/m)に替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。
(実施例7)
上記第1塗工工程において上記第1グラビアコーターをグラビアロールを備えた第3グラビアコーター(版・線数:150L/inch、セル周期:169μm、セル幅:137μm、土手幅:32μm、セル存在割合:81%、塗工液量:15.7cm/m)に替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。
(実施例8)
上記第1塗工工程において上記第1グラビアコーターをグラビアロールを備えた第4グラビアコーター(版・線数:300L/inch、セル周期:85μm、セル幅:70μm、土手幅:15μm、セル存在割合:82%、塗工液量:4.7cm/m)に替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。
(比較例1)
上記第1塗工工程において上記第1グラビアコーターを上記バーコーターに替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。
(比較例2)
上記第1塗工工程において上記第1グラビアコーターを上記バーコーターに替え、更に、上記第2塗工工程において上記バーコーターを上記第1グラビアコーターに替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。
(比較例3)
上記第1塗工液を上記第2塗工液に替え、上記第2塗工工程において上記バーコーターを上記第1グラビアコーターに替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。
(比較例4)
上記第1塗工液を上記第3塗工液に替え、上記第1塗工工程において上記第1グラビアコーターを上記バーコーターに替えたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の気体分離複合膜を得た。上記各例の仕様の一部を表1及び表2に示す。
表1及び表2中の「気体分離層の厚さ」は、次の要領で、測定・算出した。まず、気体分離複合膜の任意の位置において、気体分離複合膜の厚さ方向に沿って切断した。次いで、得られた切断面をSEMやTEM等で観察し、必要に応じて、更にEDS、XPS又はFT-IRで観察し、多孔質支持体の表面のうちの孔が開口していない部分と接している部分から、気体分離層の表面までの距離を4カ所測定した。しかる後、その4カ所の距離の平均値を算出して、気体分離層の厚さとした。
表1及び表2中の「O透過性」及び「O/N選択性」は、次の要領で、測定・算出した。具体的には、図7(A)及び(B)に示すステンレス製の気体分離膜モジュール71を用いて気体分離複合膜の評価を行った。より具体的には、図7(A)に示すように、実施例及び比較例で作製した気体分離複合膜から切り出したサンプル73を、気体分離膜モジュール71のガスの供給側75と透過側77との間に固定した。その後、図7(A)に示すように、ガスの供給側75の入口75Aを閉じ、透過側77の出口77Aを真空装置に接続して真空引きして、気体分離膜モジュール71内を真空とした。その後、図7(B)に示すように、入口75Aから供給側75に(所定量の)ガス(N、O及びその混合ガス)を供給し、(ガス供給後、入口75A及び出口77Aを閉じた状態で)透過側77との圧力差が無くなるまでの時間を測定することで、N、Oの透過速度及び透過性(透過係数)を算出した。選択性=(Oの透過係数)/(Nの透過係数)から選択性(無単位(-))を算出し、気体の透過係数を透過性(単位(GPU):1GPU=3.35×10-10mol・m-2・s-1・Pa-1)とした。
なお、混合ガスの成分組成は、通常の空気と同じであり、N:79体積%、O:21体積%である。また、供給側と透過側の圧力(又は圧力差)は、供給側55と透過側57の内部に設けた圧力計で継続的に測定した。さらに、真空と判定する際の内圧は、0.1MPa(以下)とした。
より具体的には、下記の式(1)~(3)を用いて、N、Oの透過速度及び透過性(透過係数)とこれに基づく選択性を算出した。
透過側の時間経過による圧力差は下記の式(1)により求められる。
圧力差:dP/dt=(Pe-Ps)/t ・・・(1)
ここで、式(1)中のPeは透過側の0kPa到達時の圧力、Psは透過側の測定開始時の圧力、tは0kPa到達時間を示す。
ガスの透過速度は、下記の式(2)により求められる。
透過速度:q=V/RT・dP/dt ・・・(2)
ここで、式(2)中のVは透過体積、Rはモル気体定数、Tは実験中の絶対温度、dP/dtは式(1)で求めた圧力差を示す。なお、実験中の温度は25℃である。
透過係数は、下記の式(3)により求められる。
透過係数:P/δ=q/Ph/A ・・・(3)
ここで、式(3)中のqは透過速度、Phは供給側のガス供給時の圧力、Aは気体分離層の有効面積、Pは透過係数(Pa)、δは気体分離層の厚み(μm)を示す。
表1及び表2より、本発明の範囲に属する実施例1~8は、本発明外の比較例1~4よりも優れた気体透過性及び気体選択性を有することが分かる。具体的には、実施例1~8のO透過性は、特許文献1のガス分離膜において想定されるO透過性(10GPU未満)よりも10倍以上向上することが分かる。特に、実施例1、2、6~8のO透過性は、特許文献1のガス分離膜において想定されるO透過性(10GPU未満)よりも100倍以上向上することが分かる。また、気体分離複合膜は、気体分離層を支持する多孔質支持体を具備しているため車両への搭載に適している。
本発明の気体分離複合膜においては、特定の2種類の塗工方法を適切な順序で組み合わせて多孔質支持体に上述した構造又は、構造及び特性を有する気体分離層を形成したため、上述した効果が得られたと考えられる。
さらに、表1及び表2より、多孔質支持体に上述した有機高分子材料を含む気体分離層を形成したため、上述した効果が得られたと考えられる。
さらに、表1より、多孔質支持体に上述した粒子を含む気体分離層を形成したため、上述した効果が得られたと考えられる。
さらに、表1及び表2より、上述した多孔質支持体を用いたため、上述した効果が得られたと考えられる。
さらに、表2より、第1塗工工程において上述したグラビアロールを用いたため、上述した効果が得られたと考えられる。
現時点においては、優れた気体透過性及び気体選択性を有するという観点から、実施例1が最も良好な結果をもたらすものと思われる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1、2:気体分離複合膜、10:気体分離層、10A:表面、11:中間層、111:堆積部、113:非堆積部、13:表面層、131:充填部、20:多孔質支持体、20A:細孔、20B:表面、20C:裏面、31:塗工液、33:未完成部、41:第1塗工手段(グラビアロール)、41A:周面、411:凹状供給部(セル):413:土手、43:第2塗工手段(バーコータ)、50:車両用エンジンシステム、51:エンジン、52:気体分離膜モジュール、60:車両用空調システム、61:車室、62:気体分離膜モジュール、71:ステンレス製の気体分離膜モジュール、73:気体分離複合膜のサンプル、75:気体の供給側、75A:気体の供給側の入口、77:気体の透過側、77A:気体の透過側の出口

Claims (10)

  1. 気体分離層と、前記気体分離層を支持する多孔質支持体を具備した気体分離複合膜であって、
    前記気体分離層は、前記多孔質支持体上に形成された堆積部と非堆積部を有する中間層と、前記中間層上に形成された表面層を備えた積層構造を有し、
    前記表面層は、前記非堆積部に充填された充填部を有し、
    前記堆積部と前記充填部が同一の気体分離層材料を含む
    ことを特徴とする気体分離複合膜。
  2. 前記気体分離層が、次の式(I)
    (式(I)中、R は、水素原子又は直鎖若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基であり、R は、水素原子、直鎖若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基、又はシアノ基であり、R は、水素原子、直鎖若しくは分岐状の炭素数1~4のアルキル基、又はシアノ基である。同一の構成単位中の複数のR 、R 及びR は、それぞれ同一であっても異なってもよい。)で表される構成単位を有する固有ミクロ多孔性重合体、ポリトリメチルシリルプロピン、ポリイミド及びシリコーンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の気体分離複合膜。
  3. 前記気体分離層が、粒子径が1nm以上20nm以下である粒子を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の気体分離複合膜。
  4. 前記多孔質支持体が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つの項に記載の気体分離複合膜。
  5. 前記多孔質支持体が、細孔径が0.01μm以上0.5μm以下である細孔を含み、
    前記多孔質支持体の空孔率が、40%以上80%以下である
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つの項に記載の気体分離複合膜。
  6. 請求項1~5のいずれか1つの項に記載の気体分離複合膜を備えたことを特徴とする車両用エンジンシステム。
  7. 請求項1~5のいずれか1つの項に記載の気体分離複合膜を備えたことを特徴とする車両用空調システム。
  8. 請求項1~5のいずれか1つの項に記載の気体分離複合膜の製造方法であって、
    気体分離層材料と有機溶媒を含有する塗工液を、前記多孔質支持体の一方の表面に塗工する第1塗工工程と、
    前記多孔質支持体に塗工された前記塗工液から前記有機溶媒を乾燥によって除去し、得られる気体分離複合膜の中間層における前記非堆積部に対応した未完成部を有する気体分離層を前記多孔質支持体の表面に形成する乾燥工程と、
    気体分離層材料と有機溶媒を含有する塗工液を、前記未完成部を有する気体分離層上に塗工する第2塗工工程と、を含み、
    前記第1塗工工程において、前記多孔質支持体に前記塗工液を塗工する際に前記多孔質支持体に塗工された前記塗工液を加圧しない第1塗工手段としてグラビアロールを用い、
    前記グラビアロールは凹状供給部と土手とが交互に形成された周面を有し、この構造に基づいて前記塗工液が供給され、前記乾燥工程において前記未完成部が形成され、
    前記第2塗工工程において、前記未完成部を有する気体分離層の少なくとも一部に配置された過剰量の塗工液を加圧して前記塗工液を前記未完成部を有する気体分離層に塗工すると共に前記過剰量の塗工液から余剰量の塗工液を除去する第2塗工手段を用いる
    ことを特徴とする気体分離複合膜の製造方法。
  9. 前記第1塗工手段が、グラビアロールであり、
    前記グラビアロールの周面における前記塗工液の凹状供給部の存在割合が、80%以上であり、
    前記凹状供給部における前記塗工液の液量が、4.7cm/m以上28.3cm/m以下である
    ことを特徴とする請求項8に記載の気体分離複合膜の製造方法。
  10. 前記凹状供給部の存在割合が、85%以上であることを特徴とする請求項9に記載の気体分離複合膜の製造方法。
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