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JP7833737B2 - リンゴ酢を含有する飲料及びその製造方法、並びにリンゴ酢を含有する飲料に熟成味/香を付与する方法 - Google Patents
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JP7833737B2 - リンゴ酢を含有する飲料及びその製造方法、並びにリンゴ酢を含有する飲料に熟成味/香を付与する方法 - Google Patents

リンゴ酢を含有する飲料及びその製造方法、並びにリンゴ酢を含有する飲料に熟成味/香を付与する方法

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Description

本発明は、リンゴ酢を含有する飲料及びその製造方法、並びにリンゴ酢を含有する飲料に熟成味/香を付与する方法に関する。
食酢は食品に酸味を付与する代表的な調味料であるが、その特有の酸味から料理だけで大量に摂取するのは難しい。一方、その機能性成分である酢酸は、血圧降下や内脂肪の低下などの健康機能を有することが近年報告されており、調味料だけでなく食酢含有飲料として摂取する機会が増えている。
食酢含有飲料に使用される食酢としては、その口当たりの良さからリンゴ酢が最も広く用いられているが、リンゴ酢は比較的高濃度の酢酸を含有するところ、嗜好性の向上のため酢酸の喉刺激を緩和しつつ、さわやかな酢酸の酸味を十分に感じられる、嗜好性の高いリンゴ酢含有飲料の提供が求められていた。
例えば、特開2017-184696号公報(特許文献1)では、食酢とナトリウムを所定量含有させることで酢カド・塩カドがなく、嗜好性の高い飲料組成物を提供する方法が開示されている。
また、特開2009-240299号公報(特許文献2)では、酢酸を0.1~0.3質量%含有する加温販売用容器詰酢飲料において、飲料中の有機酸総含有量に対する酢酸含有量を0.9以下の質量比に調整することによって、酢酸に起因する酸味及び刺激臭を低減する方法が開示されている。
しかしながら、これらの従来技術によれば、何れも酢酸の喉刺激は緩和されるものの、さわやかな酢酸の風味が感じられるものではなく、嗜好性の面で改善の余地があった。
特開2017-184696号公報 特開2009-240299号公報
本発明は、リンゴ酢を含有する飲料において、酢酸に起因する喉刺激を緩和すると共にさわやかな酢酸の酸味が感じられ、かつリンゴの芳醇な熟成味/香を付与する技術を提供することを目的とする。
本発明者等は、様々な検討を行った結果、リンゴ酢を含む飲料において、2-メトキシ-4-エチルフェノール及びコハク酸ジエチルを特定の濃度範囲で含ませるという簡易な手段によって、酢酸に起因する喉刺激が緩和されると共にさわやかな酢酸の酸味が感じられ、かつリンゴの芳醇な熟成味/香が感じられる飲料の調製が可能となることを見出した。
なお、ここでいう「リンゴの芳醇な熟成味/香」とは、リンゴの芳醇な果実香とリンゴ酢特有の発酵に起因する多彩な成分の相乗作用による、熟成したリンゴ加工品(リンゴジャム、アップルパイなど)を想起させる味及び香りのことを意味する。また、「酢酸の喉刺激の抑制」とは、単に酢酸の喉刺激を緩和するだけでなく、リンゴ酢由来のさわやかな酢酸の酸味は十分に感じられる状態を意味する。
即ち、本発明の趣旨は、例えば以下に関する。
[1]
リンゴ酢を含む飲料であって、以下の(a)~(d)を満たす飲料。
(a)酢酸酸度(α)が0.20%(w/v)以上1.0%(w/v)以下。
(b)2-メトキシ-4-エチルフェノール含有量(x)が4μg/L以上50μg/L以下。
(c)コハク酸ジエチル含有量(y)が60μg/L以上500μg/L以下。
(d)y/xが1以上15以下。
[2]
さらにリンゴ果汁を含み、以下の(e)を満たす、項[1]に記載の飲料。
(e)リンゴ酢に対するリンゴ果汁の質量割合が1.0倍以上5.0倍以下。
[3]
さらに以下の(f)を満たす、項[1]又は[2]に記載の飲料。
(f)6-メチル-5-ヘプテン-2-オン含有量(z)が0.5μg/L以上10μg/L以下。
[4]
さらに以下の(g)を満たす、項[1]~[3]の何れか一項に記載に記載の飲料。
(g)x/(z×10)が0.1以上10以下。
[5]
さらに以下の(h)及び(i)を満たす、項[1]~[4]の何れか一項に記載の飲料。
(h)フルクトース、グルコース、及びスクロースの総含有量(β)が2.5g/100mL以上6.0g/100mL以下。
(i)β/αが5以上12以下。
[6]
さらに以下の(j)を満たす、項[1]~[5]の何れか一項に記載の飲料。
(j)非糖質系甘味料を含まない。
[7]
さらに以下の(k)を満たす、項[1]~[6]の何れか一項に記載の飲料。
(k)水、リンゴ酢、及びリンゴ果汁を除く成分の含有量が10%(w/v)以下。
[8]
さらに以下の(l)を満たす、項[1]~[7]の何れか一項に記載の飲料。
(l)波長660nmにおける濁度が0.1以上0.5以下。
[9]
さらに以下の(m)~(o)を満たす、項[1]~[8]の何れか一項に記載の飲料。
(m)飲料に含まれる粒子の積算10%粒子径(d10)が0.1μm以上10μm以下。
(n)飲料に含まれる粒子の積算90%粒子径(d90)が100μm以上300μm以下。
(o)d90/d10が20以上1000以下。
[10]
リンゴ酢を含む濃縮飲料であって、水性媒体で希釈することにより、項[1]~[9]の何れか一項に記載の飲料を生じる濃縮飲料。
[11]
2~15倍に希釈される、項[10]に記載の濃縮飲料。
[12]
項[1]~[9]の何れか一項に記載の飲料の製造方法であって、項[1]~[9]の何れか一項に記載の要件を満たすように、リンゴ酢を含む飲料の組成及び物性を調整することを含む方法。
[13]
リンゴ酢を含む飲料への熟成味/香の付与方法であって、項[1]~[9]の何れか一項に記載の要件を満たすように、リンゴ酢及びリンゴ果汁を含む飲料の組成及び物性を調整することを含む方法。
本発明によれば、比較的高濃度の酢酸を含有するリンゴ酢を含む飲料において、酢酸に起因する喉刺激が緩和されるだけでなく、リンゴの芳醇な熟成味/香と良好な酸味が感じられる飲料が提供される。
以下、本発明を具体的な実施の形態に即して詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施の形態に束縛されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、任意の形態で実施することが可能である。
[リンゴ酢]
本発明の飲料は、リンゴ酢を含有する。
本発明で使用するリンゴ酢の種類に制限はないが、酢酸発酵を経て製造されたリンゴ酢であることが好ましい。発酵法によるリンゴ酢の製造方法としては、その品質の一定性の観点で、British Standard BS EN 13188:2000 2.3.3に記載のcider vinegarの製造方法又は醸造酢の日本農林規格記載のリンゴ酢の製造方法に準拠した製造方法であることが好ましい。本発明で使用するリンゴ酢の原材料にも特に制限はなく、酢酸菌発酵の栄養源となるリン酸塩、アンモニウム塩などの無機塩や、ハチミツ、砂糖、液糖をはじめとした各種の糖分などを用いることができ、各種食品添加物も用いることができる。
本発明で使用するリンゴ酢は、通常行われる方法で製造することができる。発酵的手段を用いる場合、酢酸発酵法としては、例えば、木桶等を用いた表面発酵法、深部発酵法、充填塔発酵法のいずれでも製造することができる。合成的手段を用いる場合は、例えば化学合成した氷酢酸に対してリンゴ果汁を添加する方法をあげることができる。本発明においては、酢酸発酵に由来する多様な成分を含んでいる発酵的手段により製造されたリンゴ酢の方が、発酵由来の多様な成分を含有させられるため好ましい。なお、発酵後のリンゴ酢は、発酵に使用した酢酸菌を除去するろ過処理を行わず、酢酸菌を含有したままの状態で用いた方が、自然な白濁感を得られるため好ましい。
[リンゴ果汁]
本発明の飲料は、リンゴ酢に加えてリンゴ果汁を含むことが好ましい。
本発明の飲料がリンゴ果汁を含む場合、本発明の飲料におけるリンゴ酢に対するリンゴ果汁の質量割合は特に制限されないが、リンゴ由来の芳醇な風味を含有させる観点で、通常はリンゴ果汁の含有量がリンゴ酢の1.0倍以上が好ましく、1.2倍以上がさらに好ましい。また、リンゴ酢の酸味とリンゴの風味を調和させる観点で、通常はリンゴ果汁の含有量がリンゴ酢の5.0倍以下が好ましく、4.0倍以下がさらに好ましい。なお、上記の質量比を算出する際には、リンゴ果汁の濃縮率は考慮せず、リンゴ酢の質量とリンゴ果汁の質量との比率で算出を行う。
本発明で使用するリンゴ果汁に制限はなく、未濃縮ストレート果汁及び濃縮果汁のいずれでもよい。濃縮果汁を利用する場合は、果実飲料の日本農林規格に適合しているリンゴ果汁を使用することが好ましい。なお、本発明において、果汁の濃縮倍率は日本農林規格の濃縮りんご果汁の規程に準拠し、Brix10相当のリンゴ果汁を1倍として換算することとする。また、濃縮果汁を使用する場合、その種類には特に限定はないが、飲料の自然な濁りを与えるため、リンゴの食物繊維由来の不溶性固形分(以下「パルプ分」と記載することもある。)を含有する混濁果汁が含まれていることが望ましい。なお、濃縮果汁に含まれるパルプ分の含量(%(w/w))については、濃縮果汁1.0gを1.5mL容のエッペンドルフチューブに分注し、15000rpmで5分間遠心分離した後、上清を除いた残存物の湿質量を測定することによって算出する。
[酢酸酸度]
本発明の飲料は、酢酸酸度が所定範囲内であることが好ましい。具体的に、本発明の飲料の酢酸酸度は、0.20%(w/v)以上が好ましく、0.25%(w/v)以上がより好ましい。酢酸酸度が前記下限よりも少ないと、酢酸由来の良好な酸味が十分に感じられず甘みが後に残る場合がある。一方、本発明の飲料の酢酸酸度は、通常1.0%(w/v)以下が好ましく、0.80%(w/v)以下がより好ましい。酢酸酸度が前記上限よりも多いと、リンゴ由来の各種成分による酢酸の喉刺激の緩和が十分に機能しない場合がある。
なお、本発明において、酢酸酸度は、醸造酢の日本農林規格に準拠して測定する。具体的には、試料を水酸化ナトリウム溶液で滴定し、pH8.2となるまでに消費した水酸化ナトリウム溶液の量から、酢酸を換算値とし酸度を算出した値を用いる。滴定方法は、手動滴定でも自動滴定装置による方法のいずれでもよい。なお、本発明で規定する酢酸酸度は、上記方法によって算出されることから、クエン酸など酢酸以外の有機酸等を酢酸に換算した値も含むことに注意されたい。
[特定成分]
本発明の飲料は、リンゴ酢を含有し、所定の酢酸酸度を有する飲料において、2-メトキシ-4-エチルフェノール及びコハク酸ジエチルを各々所定の割合で含有することを特徴とする。更に、本発明の飲料は、6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを所定の割合で含んでいてもよい。なお、本明細書では、これらの2-メトキシ-4-エチルフェノール及びコハク酸ジエチル、並びに必要に応じて用いられる6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを総称して、「特定成分」と呼ぶ場合がある。
本発明の飲料における2-メトキシ-4-エチルフェノールの含有量は、4μg/L以上が好ましく、6μg/L以上がより好ましい。ここで2-メトキシ-4-エチルフェノールの含有量が前記下限よりも少ないと、酢酸の喉刺激が抑制しきれず熟成感も十分に付与されない場合がある。また、本発明の飲料における2-メトキシ-4-エチルフェノールの含有量は、50μg/L以下が好ましく、30μg/L以下がより好ましく、25μg/L以下が更に好ましい。2-メトキシ-4-エチルフェノールの含有量が前記上限を超えると、酢酸の喉刺激の抑制に加えリンゴの良好な風味も抑制してしまい、風味に違和感が生じる場合がある。
本発明の飲料におけるコハク酸ジエチルの含有量は、60μg/L以上が好ましく、65μg/L以上がより好ましい。ここでコハク酸ジエチルの含有量が前記下限よりも少ないと、酒精発酵感が十分に付与されない場合がある。また、本発明の飲料におけるコハク酸ジエチルの含有量は、500μg/L以下が好ましく、300μg/L以下がより好ましく、100μg/L以下が更に好ましい。コハク酸ジエチルの含有量が前記上限を超えると、喉刺激のみならず飲料の良好な酸味も抑制してしまい、風味に違和感が生じる場合がある。
本発明の飲料における2-メトキシ-4-エチルフェノールの含有量(x)とコハク酸ジエチルの含有量(y)の比(y/x)は、1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。前記比(y/x)の値が前記下限よりも小さいと、2-メトキシ-4-エチルフェノールの含有量に比べてコハク酸ジエチルの含有量が多すぎて、2-メトキシ-4-エチルフェノールによる熟成感付与の効果を打ち消してしまう場合がある。また、前記比(y/x)は、15以下が好ましく、11以下がより好ましい。前記比(y/x)の値が前記上限よりも大きいと、コハク酸ジエチルの含有量に比べて2-メトキシ-4-エチルフェノールの含有量が多すぎて、コハク酸ジエチルによる発酵感付与の効果を打ち消してしまう場合がある。
本発明の飲料が6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含む場合、その含有量は0.5μg/L以上が好ましく、0.6μg/L以上がより好ましい。ここで6-メチル-5-ヘプテン-2-オンの含有量が前記下限よりも少ないと、飲料の全体に呈する芳醇な果実風味が十分に付与されない場合がある。また、本発明の飲料が6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含む場合、その含有量は10μg/L以下が好ましく、5μg/L以下がより好ましい。6-メチル-5-ヘプテン-2-オンの含有量が前記上限を超えると、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン自体の香りが感じられるようになり、風味に違和感が生じる場合がある。
本発明の飲料が6-メチル-5-ヘプテン-2-オンを含む場合、2-メトキシ-4-エチルフェノールの含有量(x)及び6-メチル-5-ヘプテン-2-オンの含有量(z)は、以下の式1により求められる値が所定の範囲内となるような関係を満たすことが好ましい。
具体的に、式1の値は、0.1以上であることが好ましく、0.5以上であることがさらに好ましい。式1の値が前記下限よりも小さいと、2-メトキシ-4-エチルフェノールと比較して6-メチル-5-ヘプテン-2-オンが多すぎて、熟成感が十分に感じられない場合がある。一方、式1の値は、10以下であることが好ましく、5以下であることがさらに好ましい。式1の値が前記上限よりも大きいと、2-メトキシ-4-エチルフェノールと比較して6-メチル-5-ヘプテン-2-オンが少なすぎて、リンゴの自然な甘い風味が感じにくくなる場合がある。
本発明の飲料に、上記の特定成分(2-メトキシ-4-エチルフェノール及びコハク酸ジエチル、並びに必要に応じて用いられる6-メチル-5-ヘプテン-2-オン)を含有させる手法としては、これらの特定成分を直接、又はこれらの特定成分を含有する物質を飲料に添加する手法だけでなく、飲料の製造時に発酵を通じてこれらの特定成分を含有させる手法も挙げられる。
飲料に特定成分を含有させる方法としては、特定成分を単一物質として添加する方法を用いることもできるが、リンゴ酢、特に発酵的手段によって特定成分を産生させたリンゴ酢またはリンゴ果汁によって持ち込ませた方が、熟成感に関与する他の香気成分を同時に含有させることが可能となるため好ましい。
なお、本発明において、飲料における各特定成分の濃度は、スターバー抽出(SBSE)法により処理した検体を、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)装置を用いて測定するものとする。
[糖分]
本発明の飲料は、通常は糖分を含む。その種類及び含有量は任意であり、特に制限されるものではない。しかし、本発明の飲料は、フルクトース、グルコース、及びスクロースの総含有量が、所定範囲内であることが好ましい。なお、本明細書では、これらのフルクトース、グルコース、及びスクロースを総称して、「特定糖分」と呼ぶ場合がある。
具体的に、本発明の飲料における特定糖分の総含有量は、2.5g/100mL以上が好ましく、3.0g/100mL以上がより好ましい。特定糖分の総含有量が前記下限よりも少ないと、酢酸の喉刺激を十分に抑制することができない場合がある。一方、本発明の飲料における特定糖分の総含有量は、6.0g/100mL以下が好ましく、5.6g/100mL以下がより好ましい。特定糖分の総含有量が前記上限を超えると、甘味が強くべたつきが生じる場合がある。
本発明の飲料において、酢酸酸度(α)と特定糖分の総含有量(β)との比(β/α)の値は、制限されるものではないが、5以上が好ましく、5.5以上がより好ましい。前記β/αの値が前記下限より少ないと、酸味が強すぎて甘味とのバランスが崩れて、喉刺激が強くなる場合がある。一方、前記β/αの値は、12以下が好ましく、9以下がより好ましい。前記β/αの値が前記上限を超えると、甘味が強すぎて後味が悪くなる場合がある。
本発明の飲料における糖分は、リンゴ酢及び/又はリンゴ果汁に由来するものであってもよく、甘味料由来のものであってもよい。本発明の飲料が甘味料を含有する場合、使用する甘味料の種類に制限はなく、グルコース、フルクトース、スクロース、マルトースなどの糖質系甘味料、スクラロース、ステビア、サッカリン、アスパルテームなどの非糖質系甘味料のいずれも用いることができる。但し、リンゴ由来の自然な甘味を阻害するため、非糖質系甘味料はできるだけ使用しない方が好ましい。
本発明において、特定糖分(フルクトース、グルコース、及びスクロース)を含む各種糖分の測定は特に制限されず、各種糖分を個別に測定できる測定法であれば、任意の方法を用いることができる。斯かる測定法の例としては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等を挙げることができる。
[他の成分]
本発明の飲料には、上に挙げた原材料のほかにも、本効果を阻害しない範囲で他の成分を含有させることができる。斯かる他の成分としては、例えば、スパイス、ハーブなどの植物由来の原料や、フレーバー、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、有機酸系調味料、風味原料、旨味調味料、香辛料抽出物などの呈味・風味成分、粘度調整剤、安定剤、pH調整剤、着色料などの添加剤が挙げられる。本発明の飲料に、これらの成分を含有させる場合、その含有量は特に限定されず、用途に応じて適宜決定することができる。
但し、本発明の飲料は、上に挙げた原材料以外の他の成分の含有量が、所定範囲以下であることが好ましい。具体的には、本発明の飲料における、水、リンゴ酢、及びリンゴ果汁を除く成分の含有量が、通常10%(w/v)以下であることが好ましく、中でも5%(w/v)以下、更には1%(w/v)以下であることがより好ましい。前記成分の含有量を上記範囲内に調整することによって、リンゴの風味を十分に有した、良好な嗜好性を有する飲料を、より容易に製造することが可能となる。
[濁度]
本発明の飲料の濁度は、特に制限されるものではないが、所定範囲内であることが好ましい。具体的に、本発明の飲料の濁度は、0.10以上が好ましく、0.13以上がより好ましい。飲料の濁度が前記下限に満たないと、飲料の外観にリンゴ由来の自然な色調が感じられない場合がある。一方、本発明の飲料の濁度は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。飲料の濁度が前記上限を超えると、濁度が濃すぎて外観の嗜好性が低下する場合がある。
なお、本発明において、飲料の濁度とは、波長660nmの吸光度を意味し、一般的な紫外可視近赤外吸光度計で測定可能である。紫外可視近赤外吸光度計としては、例えばUV-1800(島津製作所)が挙げられる。
[粒度分布]
本発明の飲料の粒度分布は任意であり、特に制限されない。但し、下記の要件のうち少なくとも1つ、中でも2つ以上を満たすことが好ましい。下記何れかの要件を満たすように飲料の粒度分布を調整することで、リンゴ飲料らしい適切な外観と良好な喉越しとを有する飲料を、より効率的に得ることが可能となる。
即ち、本発明の飲料中に含まれる粒子の積算10%粒子径(d10)は、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましい。d10が前記下限よりも小さいと、粒子が舌に張り付き不快に感じられる場合がある。一方、d10は、10μm以下が好ましく、5.0μm以下がより好ましい。d10が前記上限よりも大きいと、飲用時の喉刺激の低減に悪影響を与える場合がある。
また、本発明の飲料中に含まれる粒子の積算90%粒子径(d90)は、100μm以上が好ましく、120μm以上がより好ましい。d90が前記下限よりも小さいと、自然な白濁感が得られない場合がある。一方、d90は、300μm以下が好ましく、250μm以下がより好ましい。d90が前記上限よりも大きいと、粒子が大きすぎて飲用時の喉越しに影響を与える場合がある。
また、本発明の飲料中に含まれる粒子の積算90%粒子径(d90)と積算10%粒子径(d10)との比(d90/d10)は、20以上が好ましく、25以上がより好ましい。d90/d10が前記下限よりも小さいと、全体の粒子が小さすぎて自然な白濁感が得られない場合がある。一方、d90/d10は、1000以下が好ましく、400以下がより好ましい。d90/d10が前記上限よりも大きいと、全体の粒子が大きすぎてざらざらした外観となる場合がある。
なお、積算10%粒子径(d10)及び積算90%粒子径(d90)とは、試料の粒度分布を体積基準で作成したときに、積算分布曲線の小粒子径側からそれぞれ10%及び90%に相当する粒子径を意味する。
なお、本発明において、粒度分布の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定する。測定時の溶媒は水で、超音波処理後の検体を測定する。レーザ回折式粒度分布測定装置は、例えばマイクロトラック・ベル社製のMicrotrac MT3300 EXIIシステムを使用することができる。また、測定アプリケーションソフトウェアとして、DMS2(Data Management System version2、マイクロトラック・ベル社製)を使用することができる。測定に際しては、測定アプリケーションソフトウェアの洗浄ボタンを押下して洗浄を実施したのち、同ソフトのSetzeroボタンを押下してゼロ合わせを実施し、サンプルローディングで適正濃度範囲に入るまでサンプルを直接投入できる。サンプル測定前に超音波処理を実施し、サンプル投入後にサンプルローディングにて適正濃度範囲に調整し、調整後同ソフトの超音波処理ボタンを押下して周波数40kHz出力40W、3分間の超音波処理を行い、3回の脱泡処理を行ったうえで、超音波処理後再度サンプルローディング処理を行い、濃度が適正範囲であることを確認した後、速やかに流速60%で10秒の測定時間でレーザ回折した結果を測定値とすることができる。測定条件としては、分布表示:体積、粒子屈折率:1.60、溶媒屈折率:1.333、測定上限(μm)=2000.00μm、測定下限(μm)=0.021μm、の条件で測定することができる。
[濃縮の有無]
本発明の飲料は、非濃縮飲料(ストレート飲料)であってもよく、濃縮飲料であってもよい。ここで非濃縮飲料とは、希釈せずそのまま(ストレートで)飲用に供する飲料を指し、濃縮飲料とは、水等の水性媒体で所定の倍率で希釈してから飲用に供する飲料を指す。本発明の飲料が非濃縮飲料である場合は、当該飲料自体が前記の各要件を満たす。一方、本発明の飲料が濃縮飲料である場合は、飲用に供される希釈後の状態において前記の各要件を満たすように、その組成を調整すればよい。本発明の飲料が濃縮飲料である場合、その濃縮倍率(飲用時に希釈すべき倍率)は制限されないが、通常は2倍以上であることが好ましい。濃縮倍率が前記下限未満の場合は、消費者が飲用時に希釈倍率を換算しにくく、希釈が困難となる場合がある。一方、濃縮倍率は、15倍以下が好ましく、12倍以下がより好ましい。濃縮率が前記上限を超えると、使用する濃縮リンゴ果汁の濃縮率が高すぎて、香気成分を含有させることが困難となる場合がある。
[飲料の製造方法]
本発明の飲料の製造方法は任意であり、特に制限されない。リンゴ酢、並びに必要に応じて使用されるその他の成分を適宜混合すると共に、前記特定成分(2-メトキシ-4-エチルフェノール及びコハク酸ジエチル、並びに任意により6-メチル-5-ヘプテン-2-オン)、及び任意により、前記特定糖分(フルクトース、グルコース、及びスクロース)を、それぞれ前記所定の範囲内となるように調整すればよい。また、任意により、前記の粒度分布に関する特徴を満たすように、前記混合物に対して微細化等の処理を施し、その物性を調整してもよい。なお、斯かる本発明の飲料の製造方法も、本発明の対象となる。
[飲料への熟成味/香の付与方法]
本発明の別の要旨は、リンゴ酢を含む飲料への熟成味/香の付与方法であって、前記の本発明の飲料の要件を満たすように、リンゴ酢を含む飲料の組成及び物性を調整することを含む方法に関する。その詳細は、上述したとおりである。
以下、本発明を実施例に則して更に詳細に説明するが、これらの実施例はあくまでも説明のために便宜的に示す例に過ぎず、本発明は如何なる意味でもこれらの実施例に限定されるものではない。
[飲料試料の調製]
リンゴ酢含有飲料の実施例としてa0~a13、比較例としてb1~b8の各試料を調製した。調製した実施例及び比較例の各飲料の組成を下記表1及び表2に示す。
実施例a0~a13及び比較例b1~b8の各飲料は、以下の方法で調製した。
・リンゴ酢・リンゴ果汁:
実施例a0~a13並びに比較例b3~b8の各飲料の調製には、以下のリンゴ酢及びリンゴ果汁を用いた。
(A)リンゴ酢:British Standard BS EN 13188:2000 2.3.3に記載のcider vinegarの規程に準拠した製法で製造した酢酸酸度10%(w/v)のリンゴ酢を用いた。発酵後はろ過せず、発酵に用いた酢酸菌体が残存した状態のまま用いた。
(B)リンゴ果汁:以下の2種類のリンゴ果汁を用いた。リンゴ果汁中のパルプ分は後述の方法で測定した。
(b1)清澄リンゴ果汁:濃縮、パルプ除去工程後にBrix70(7倍濃縮相当)に調製した果汁を用いた。本果汁中のパルプ量は後述の方法で測定したところ、0.1%(w/w)未満であった。
(b2)混濁リンゴ果汁:濃縮後に一部パルプ分を残存させた状態でBrix40(4倍濃縮相当)に調製した果汁を用いた。本果汁中のパルプ量は後述の方法で測定したところ、5%(w/w)であった。
(パルプ分の測定)
パルプ分の測定は、各濃縮果汁1.0gを1.5mL容のエッペンドルフチューブに分注し、遠心分離機(久保田商事社製Kubota 3700)とローター(久保田商事社製Kubota AF-2724)を用いて、常温で15000rpm、5分間遠心分離した後、上清を除いた残存物の湿重量質量を測定することによって算出した。
・実施例a0の試料の調製:
実施例a0の飲料としては、前述のリンゴ酢及びリンゴ果汁(清澄リンゴ果汁及び混濁リンゴ果汁)を、前記の表1に記載の比率で混合して用いた。
・比較例b1・b2の試料の調製:
比較例b1及びb2の飲料としては、それぞれ以下の市販品を用いた。
比較例b1:Organic Apple Cider Vinegar(Braggs社)
比較例b2:NATURAL UMBER ORGANIC APPLE CIDER VINEGAR, WITH MOTHER(NATURAL UMBER社)
・実施例a1~a13・比較例b3~b8の試料の調製:
実施例a1~a13並びに比較例b3~b8の各飲料は、上述の実施例a0の飲料をベースとして、検体ごとに特定成分(2-メトキシ-4-エチルフェノール、コハク酸ジエチル、及び6-メチル-5-ヘプテン-2-オン)、グルコース、酢酸、及び水を、前記の表1及び表2に記載の割合で配合して調製した。
特定成分の添加には、以下の標準物質を用い、各実施例及び比較例の原料配合比に影響しない程度の高濃度(溶媒の水を含めた重量質量が最大でも飲料全体の0.1%(w/v)未満)に水で希釈したものを添加した。
・2-メトキシ-4-エチルフェノール(東京化成工業製、CAS No. 2785-89-9)
・コハク酸ジエチル(和光純薬工業製、CAS No. 123-25-1)
・6-メチル-5-ヘプテン-2-オン(東京化成工業製、CAS No. 110-93-0)
飲料試料の分析
以下の手法で、実施例及び比較例の各飲料の組成及び物性を測定した。なお、濃縮率が1倍を超える飲料濃縮物は、水で1倍相当に希釈した状態での測定値を記載した。
・酢酸酸度の測定:
酢酸酸度の測定は、自動酸度滴定装置 COM-1600(平沼産業)を用い、0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液でサンプルを滴定し、pHが8.2となるまでに消費した水酸化ナトリウム溶液の量から、酢酸を換算値とし酸度を算出した値を用いた。
・濁度の測定:
濁度は、光路長10mmの角型セルに検体を分注し、紫外可視近赤外吸光度計としてUV-1800(島津製作所社製)を用いて、波長660nmの吸光度を測定することで測定した。ただし、飲料濃縮物を検体として用いる際は、1倍希釈相当になるように水で希釈した状態のものを用いた。
・グルコース、フルクトース、スクロースの分析:
各種糖分の分析は、検体中のグルコース、フルクトース、及びスクロース(特定糖分)のうち、最も高濃度で存在する糖分の含有量が、概ね1%(w/v)以下になるように水で希釈した試料を用いて、0.45μmフィルターでろ過したろ液をHPLCでの測定に供した。
HPLCシステムとしては、Prominence(島津製作所社製)を用いた。測定カラムとしては、HILICpak VG-50 4E HPLC(Shodex社製)を用い、移動相としては、80%アセトニトリルを用い、示唆屈折計(Shodex社製RI-201H)で検出を行った。
標準品としては、フルクトース、グルコース、及びスクロースの各標準品(何れもシグマアルドリッチ社製)を水で希釈したものを用いた。
得られた実測値を、試料の希釈率に応じて換算し、各試料における各糖分の含有量を算出した。
・特定成分の分析:
特定成分である2-メトキシ-4-エチルフェノール、コハク酸ジエチル、及び6-メチル-5-ヘプテン-2-オンの含有量の測定は、SBME法で処理した検体についてガスクロマトグラフィー/質量分析装置(GC/MS)を用いて以下の方法で実施した。
まず、実施例及び比較例の各試料に対し、以下の1~4の前処理を行って、測定検体を調製した。
1.実施例及び比較例の各試料から、10mLを測定試料として採取した。ただし、飲料濃縮物を検体に用いる際は、1倍希釈相当になるように水で希釈した状態のものを用いた。
2.バイアルに、PDMS Twister(ゲステル社製;膜厚0.5mm、長さ10mm)を入れ、60分間、攪拌して成分を吸着させた。
3.60分後、ろ液を取り除き、PDMS Twisterをイオン交換水ですすいだ。
4.すすぎ後、水分をキムワイプでふき取り、測定検体とした。
調製された測定検体を用い、ゲステル社1次元2次元切替GC/MS(GC部:HP7890 Series GC SystemにLTM series IIを連結(ともにAgilent社製)、注入口:TDU2/CIS4(ゲステル社)、オートサンプラー:MPS(ゲステル社))を用いて、特定成分の測定を行った。
なお、キャピラリーカラムとしては、一次元カラムとしてDB-WAX(長さ30m、内径250μm、膜厚0.25μm、LTM用)(Agilent社)、二次元カラムとしてDB-5(長さ10m、内径180μm、膜厚0.4μm、LTM用)(Agilent社)を使用した。キャリアガスとしてはヘリウムを用いた。
特定成分のうち、2-メトキシ-4-エチルフェノール及びコハク酸ジエチルの測定は一次元分析、6-メチル-5-ヘプテン-2-オンの測定は二次元分析で行った。
検体の注入は、上記前処理を行ったPDMS Twister各1個を用い、注入条件は何れも以下の条件で行った。
・CIS4:
10℃で0.5分保持、その後720℃/分で240℃まで昇温。
・TDU2:
30℃で0.2分保持、その後720℃/分で240℃まで昇温。
6-メチル-5-ヘプテン-2-オンの測定は、上記注入条件で一次元カラムに注入を行った後、保持時間が14.5分から17.5分までの間でバックフラッシュを行い、特定成分を二次元カラムに導入して分離を行い、SIM分析に供した。なお、DB-WAX(一次元カラム)及びDB-5(二次元カラム)のカラムオーブン条件はそれぞれ以下のとおりとした。
・DB-WAX(一次元カラム):
40℃で3分保持、その後5℃/分で昇温、測定開始から48分で打ち切り。
・DB-5(二次元カラム):
40℃で18分保持、その後10℃/分で240℃まで昇温、10分保持。
2-メトキシ-4-エチルフェノール、コハク酸ジエチルの測定は、上記注入条件で注入を行った後、一次元カラムで分離を行い、SIM分析に供した。なお、DB-WAX(一次元カラム)のカラムオーブン条件は以下のとおりとした。
・DB-WAX(一次元カラム):
40℃で3分保持、その後5℃/分で240℃まで昇温、7分保持。
各測定検体は、選択イオン検出(SIM)モードにより、下記表3に示す特定成分の標準物質の定量イオンの面積から測定検体の濃度を算出し、水での希釈を考慮して各試料に含まれる特定成分の含有濃度を算出した。
・粒度分布の測定:
実施例及び比較例の各試料の粒度分布の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置であるマイクロトラック・ベル社製のMicrotrac MT3300 EXIIシステムを用いて測定した。測定時の溶媒は、水で、超音波処理後の溶媒を測定した。また、測定アプリケーションソフトウェアとして、DMS2(Data Management System version2、マイクロトラック・ベル社製)を使用した。測定に際しては、測定アプリケーションソフトウェアの洗浄ボタンを押下して洗浄を実施したのち、同ソフトのSetzeroボタンを押下してゼロ合わせを実施し、サンプルローディングで適正濃度範囲に入るまでサンプルを直接投入した。サンプル測定前に超音波処理を実施し、サンプル投入後にサンプルローディングにて適正濃度範囲に調整し、調整後同ソフトの超音波処理ボタンを押下して周波数40kHz出力40W、3分間の超音波処理を行い、3回の脱泡処理を行ったうえで、超音波処理後再度サンプルローディング処理を行い、濃度が適正範囲であることを確認した後、速やかに流速60%で10秒の測定時間でレーザ回折した結果を測定値とした。また、サンプルが薄すぎて測定が完了しない場合は、エバポレーターで粒度分布に影響がないようにサンプルを濃縮してから分析を実施した。
測定条件としては、分布表示:体積、粒子屈折率:1.60、溶媒屈折率:1.333、測定上限(μm)=2000.00μm、測定下限(μm)=0.021μm、の条件で測定した。
積算10%粒子径(d10)及び積算90%粒子径(d90)は、下記の表4に記載した132個の測定チャンネルごとの粒子径を規格として用い、積算した粒子頻度が10%に到達したチャンネルの粒子径を積算10%粒子径(d10)、90%に到達したチャンネルの粒子頻度を積算90%粒子径(d90)と規定した。具体的には、各チャンネルに規定された粒子径以下で、かつ数字が一つ大きいチャンネルに規定された粒子径(測定範囲の最大チャンネルにおいては、測定下限粒子径)よりも大きい粒子の頻度をチャンネルごとに測定し、測定範囲内の全チャンネルの合計頻度を分母として、各チャンネルの粒子頻度%を求めた。
・分析結果:
以上の手順で分析した実施例及び比較例の各飲料の組成及び物性の測定結果を、以下の表5及び表6に示す。
[官能評価]
各サンプルの評価は以下の条件で行った。また、濃縮率が1倍を超える飲料濃縮物は、水で1倍相当に希釈してから官能評価を行った。各評価は以下の訓練を行った官能検査員4名で実施し、その平均点を評点として四捨五入した値を表7に記載した。
官能検査員は、下記A)及びB)の識別訓練を実施し、特に成績が優秀な者を選定した。
A)五味(甘味:砂糖の味、酸味:酒石酸の味、旨み:グルタミン酸ナトリウムの味、塩味:塩化ナトリウムの味、苦味:カフェインの味)について、各成分の閾値に近い濃度の水溶液を各1つずつ作製し、これに蒸留水2つを加えた計7つのサンプルから、それぞれの味のサンプルを正確に識別する味質識別試験。
B)濃度がわずかに異なる5種類の食塩水溶液、酢酸水溶液の濃度差を正確に識別する濃度差識別試験。
官能検査の項目は以下とした。
・熟成味/香:
5:芳醇な果実味/香と熟成感が強く感じられて好ましい。
4:芳醇な果実味/香と熟成感が感じられて好ましい。
3:芳醇な果実味/香と熟成感がやや感じられる。
2:芳醇な果実味/香と熟成感がほとんど感じられず好ましくない。
1:芳醇な果実味/香と熟成感が全く感じられず大変好ましくない。
・酢酸の喉刺激の抑制:
5:酢酸のさわやかな酸味は十分に感じられるが喉刺激が十分に抑制されており大変好ましい。
4:酢酸のさわやかな酸味は十分に感じられるが喉刺激が抑制されており好ましい。
3:酢酸のさわやかな酸味は十分に感じられるが喉刺激も感じられる。
2:酸味は感じられるが喉刺激が明らかに感じられ感じ好ましくない。
1:酸味は感じられるが喉刺激を強く感じ大変好ましくない。
官能検査の結果を下記表7に示す。表中の点数は、官能検査員4名の評点の平均を求め、小数第一位を四捨五入した値である。実施例は全般に渡って、評点が3点以上と基準値を満たしたが、比較例は全般に渡って2点以下となり基準値を満たさなかった。
本発明は、リンゴ酢を含有する飲料の分野に広く適用でき、その利用価値は極めて大きい。

Claims (15)

  1. リンゴ果汁を含む酢酸含有飲食品であって、以下の(a)~(d)及び(p)を満たす飲食品。
    (a)酢酸酸度(α)が0.20%(w/v)以上1.0%(w/v)以下。
    (b)2-メトキシ-4-エチルフェノール含有量(x)が4μg/L以上50μg/L以下。
    (c)コハク酸ジエチル含有量(y)が60μg/L以上500μg/L以下。
    (d)y/xが1以上15以下。
    (p)フルクトース、グルコース、及びスクロースの総含有量(β)が1.4g/100mL以上。
  2. さらに以下の(f)を満たす、請求項1に記載の飲食品。
    (f)6-メチル-5-ヘプテン-2-オン含有量(z)が0.5μg/L以上10μg/L以下。
  3. さらに以下の(g)を満たす、請求項2に記載の飲食品。
    (g)x/(z×10)が0.1以上10以下。
  4. さらに以下の(h)及び(i)を満たす、請求項1~3の何れか一項に記載の飲食品。
    (h)フルクトース、グルコース、及びスクロースの総含有量(β)が2.5g/100mL以上6.0g/100mL以下。
    (i)β/αが5以上12以下。
  5. さらに以下の(j)を満たす、請求項1~4の何れか一項に記載の飲食品。
    (j)非糖質系甘味料を含まない。
  6. さらに以下の(k)を満たす、請求項1~5の何れか一項に記載の飲食品。
    (k)水、リンゴ酢、及びリンゴ果汁を除く成分の含有量が10%(w/v)以下。
  7. さらに以下の(l)を満たす、請求項1~6の何れか一項に記載の飲食品。
    (l)波長660nmにおける濁度が0.1以上0.5以下。
  8. さらに以下の(m)~(o)を満たす、請求項1~7の何れか一項に記載の飲食品。
    (m)飲食品に含まれる粒子の積算10%粒子径(d10)が0.1μm以上10μm以下。
    (n)飲食品に含まれる粒子の積算90%粒子径(d90)が100μm以上300μm以下。
    (o)d90/d10が20以上1000以下。
  9. リンゴ果汁を含む酢酸含有濃縮飲食品であって、水性媒体で希釈することにより、請求項1~8の何れか一項に記載の飲食品を生じる濃縮飲食品。
  10. 2~15倍に希釈される、請求項9に記載の濃縮飲食品。
  11. 請求項1~8の何れか一項に記載の飲食品の製造方法であって、請求項1~の何れか一項に記載の飲食品の要件を満たすように、リンゴ果汁を含む酢酸含有飲食品の組成及び物性を調整することを含む方法。
  12. リンゴ果汁を含む酢酸含有飲食品への熟成味/香の付与方法であって、請求項1~10の何れか一項に記載の飲食品の要件を満たすように、リンゴ果汁を含む酢酸含有飲食品の組成及び物性を調整することを含む方法。
  13. リンゴ果汁を含む酢酸含有飲食品の喉刺激を抑制する方法であって、以下の(a)~(d)及び(p)を満たすよう、リンゴ果汁を含む酢酸含有飲食品の組成及び物性を調整することを含む方法。
    (a)酢酸酸度(α)が0.20%(w/v)以上1.0%(w/v)以下。
    (b)2-メトキシ-4-エチルフェノール含有量(x)が4μg/L以上50μg/L以下。
    (c)コハク酸ジエチル含有量(y)が60μg/L以上500μg/L以下。
    (d)y/xが1以上15以下。
    (p)フルクトース、グルコース、及びスクロースの総含有量(β)が1.4g/100mL以上。
  14. リンゴ果汁を含む酢酸含有飲食品への熟成味/香りの付与方法であって、以下の(a)~(d)及び(p)を満たすよう、リンゴ果汁を含む酢酸含有飲食品の組成及び物性を調整することを含む方法。
    (a)酢酸酸度(α)が0.20%(w/v)以上1.0%(w/v)以下。
    (b)2-メトキシ-4-エチルフェノール含有量(x)が4μg/L以上50μg/L以下。
    (c)コハク酸ジエチル含有量(y)が60μg/L以上500μg/L以下。
    (d)y/xが1以上15以下。
    (p)フルクトース、グルコース、及びスクロースの総含有量(β)が1.4g/100mL以上。
  15. リンゴ果汁を含む酢酸含有飲食品への芳醇な果実味/香りの付与方法であって、以下の(a)~(d)及び(p)を満たすよう、リンゴ果汁を含む酢酸含有飲食品の組成及び物性を調整することを含む方法。
    (a)酢酸酸度(α)が0.20%(w/v)以上1.0%(w/v)以下。
    (b)2-メトキシ-4-エチルフェノール含有量(x)が4μg/L以上50μg/L以下。
    (c)コハク酸ジエチル含有量(y)が60μg/L以上500μg/L以下。
    (d)y/xが1以上15以下。
    (p)フルクトース、グルコース、及びスクロースの総含有量(β)が1.4g/100mL以上。
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