本開示の目的は、従来技術の欠点を克服する、COVID-19感染症のための方法、作用物質、および処置、またはCOVID-19感染症に関連する症状の処置および/もしくは予防を提供することである。本明細書中記載される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、興味深い治療の選択肢であることが想定されている。
よって、本開示は、それを必要とする患者への移植(たとえば限定するものではないが注入または注射)に適したMSC集団(集団は、強力な細胞を含み、低いまたはさらには統計的に有意ではないバッチ間のばらつきを呈し、処置した患者において低い同種免疫および/または同種感作をもたらす)を使用することにより、COVID-19感染症の処置またはCOVID-19感染症に関連する処置および/もしくは予防を提供することを目的とする。本発明の目的は、本明細書中記載の選択アルゴリズムを使用する、本明細書中開示される方法により入手可能な単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の使用により達成される。
本明細書中使用される場合、用語「選択アルゴリズム」は、以下に定義される方法のステップ2~5を表し、言い換えると、培養または準備するステップおよび集めるステップを除き開示される全ての方法ステップを表す。さらなるステップが、本開示の範囲外となることなく選択アルゴリズムに追加され得ることが理解されるであろう。
COVID-19の状況下で、炎症誘発性微小環境の存在、たとえばウイルスRNAによる高いレベルのTNF-αおよびインターフェロン(IFN)-γ、ならびに/またはtoll様リガンド受容体3の刺激により、MSCは、制御性T細胞(Treg)および制御性樹状細胞の頻度を促進し得る抗炎症性シグナルとして作用する、プロスタグランジンE2(PGE2)、インドールアミン 2,3 ジオキシゲナーゼ(IDO)、およびトランスフォーミング増殖因子β1(TGFβ1)を放出する(Bernardo and Fibbe 2013; Cellstem Cell. 13(4):392-402により概説)。
よって、本開示の第1の態様では、COVID-19感染症の処置および/もしくは予防に使用するため、またはCOVID-19感染症に関連する症状の処置および/もしくは予防に使用するための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団であって、前記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、少なくとも3名の個々のドナーに由来するMSCを含み、いずれか1名のドナーに由来する細胞の数が、総細胞数の50%を超えず、MSCが、最大10回の継代に供されており、前記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、
前記少なくとも3名超の個々のドナーからMSCを培養または準備して、少なくとも3名超の個々のドナーに由来するMSC集団を得るステップと、
少なくとも3つのアッセイを使用して各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイして、前記各個々のドナーに由来するMSC集団の少なくとも3つのアッセイの結果を得るステップと、
各アッセイで、前記アッセイ結果に基づき個々のランキングスコアの値を前記各個々のドナー由来のMSC集団に割り当て、よって各個々のドナー由来のMSC集団の少なくとも3つの個々のランキングスコアの値を得るステップであって、高いランキングスコアの値が、より望ましいアッセイ結果を表すか、または低いランキングスコアの値が、より望ましいアッセイ結果を表す、ステップと、
前記少なくとも3つの個々のランキングスコアの値に基づき各個々のドナーに由来するMSC集団に総スコアの値を割り当てるステップであって、高いランキングスコアの値がより望ましいアッセイ結果を表す場合、高い総スコアの値がより望ましい集団特性を表すか、または低いランキングスコアの値がより望ましいアッセイ結果を表す場合、低い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す、ステップと、
それらの総スコアの値に基づき望ましい集団特性を有する個々のドナーに由来するMSC集団のサブセットを選択するステップと、
前記選択された個々のドナーに由来するMSC集団を集めて、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を得るステップと
を含み、
前記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも2つが、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;前記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ、および末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択され、
前記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも1つが、免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、単球に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、ならびにミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択される、
方法により、入手可能である、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が提供される。
少なくとも3名の個々のドナーからの細胞を含む本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を得るための本明細書中開示される方法において、いずれか1名のドナーに由来する細胞数は、総細胞数の50%を超えず、よって、集団が各ドナーに由来する有意な細胞数を含むこと、およびいずれか1名のドナーに由来する細胞が集団において優性ではないことが確保される。集団が、同様の数または同じ範囲の数の、異なる個々のドナーに由来する細胞を含むことが有用であるとされている。本発明者らは、本方法により得られる単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、低い免疫原性の特性を呈することを予測している。望ましい機能を有する細胞を選択するために、本明細書において選択アルゴリズムが使用される。さらに、選択アルゴリズムの基準と一致する複数のドナーから細胞を集めることは、バッチ間のばらつきを減らす。また本方法は、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、選択アルゴリズムが望ましい特性を有する細胞を選択するように機能するため、強力な細胞を含むことを確保している。さらに、本明細書中記載の方法は、集めるステップにより大きなバッチの細胞を得ることを可能にする。特に、細胞が少ない回数の継代に供されている大きなバッチの細胞を得ることが可能である。さらに、この産物を集めることは、最終的な薬物産物を得る製剤化ステップに限定されることが強調されており、よって、細胞のさらなる増殖、ならびに産物の効力および機能に及ぼす関連する上記プロセスの負の影響に遭遇しないことが確保される。たとえば、従来技術の文書国際特許公開公報第2016/193836号、同第2012/131618号は、細胞産物を集めることおよびその後の増殖が、免疫抑制および/または免疫調節の可能性の喪失、ならびに炎症性マーカーの増大をもたらし得ることを教示している。さらに、上記文書は、この作用が、集められたバッチ間で差次的であることを開示しており、よって、ドナーを混合する際のバッチ間のばらつきに関する負の影響が表されている。さらに、大きなバッチはまた、製造コストの低減を可能にする。対照的に、細胞が集められない場合、特に細胞を少ない数の継代に供する場合、大きなバッチの細胞を得ることは困難である。驚くべきことに、本発明者らからのデータは、実際に、細胞をさらに増殖することなく産物を集めることが、集められた産物を構成する単一のドナー細胞と比較して、高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性をもたらし得ることを示している。さらに、少ない継代の数は、MSCの高い効力に関連しており、よって、細胞は過度な回数の継代に曝露しないことが望ましい。明確にするため、継代培養は、一部または全ての細胞を以前の培養物から新鮮な増殖培地に移すことにより作製される新規の細胞または微生物の培養である。この行為は、継代培養または細胞の継代培養と呼ばれる。培養中の細胞の分裂のおおよその回数を記録するために、継代の回数が記録され得る。本明細書中使用される場合、用語「継代」は、細胞を以前の培養物から新鮮な増殖培地に移すことを表す。
よって、一実施形態では、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団であって、前記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団におけるMSCが、最大10回の継代、たとえば最大9回の継代、たとえば最大8回の継代、たとえば最大7回の継代、たとえば最大6回の継代、たとえば最大5回の継代、たとえば最大4回の継代、たとえば最大3回の継代、たとえば1回、2回、または3回の継代、たとえば2または3回の継代に供されている、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が提供される。継代の回数は培養物に存在する細胞数に関連することが予想される。よって、十分な数の望ましい特性を有する細胞を保持するために、細胞数と維持される効力との間の均衡を保持することが有用であり得る。よって、一部の実施形態では、上記MSCは、2~6、たとえば2~5、たとえば2~4、たとえば2~3回の継代に供されている。
間葉系幹細胞(MSC)は、表面マーカーCD73、CD90、およびCD105を発現し、CD14、CD34、およびCD45またはCD11b、CD79αまたはCD19およびHLA-DR表面分子の発現を欠いている、非造血性細胞である。in vitroでは、MSCは、標準的な組織培養条件下でプラスチックに接着し、骨芽細胞、脂肪細胞、および軟骨芽細胞へと分化する特性を有する。本明細書中使用される場合、用語「MSC」、「間葉系幹細胞」、「間葉系間質細胞」、および「骨髄間質細胞」は、上述の特性を有する細胞を表す。本開示は、ISCT(International Society for Cell and Gene Therapy)の基準によるMSCの定義を支持している。MSCは、骨髄、末梢血、脂肪組織、歯組織、胎盤、臍帯、羊水、臍帯血、ホウォートンゼリー、脱落膜、類軟骨膜(chondrion membrane)、および羊膜を含む組織に由来し得る。理論に限定されるものではないが、MSCは、直接的な細胞の置き換え、栄養性因子の送達、および免疫調節を含む自身の幅広い範囲の潜在的な治療応答により、複合疾患、たとえば炎症性疾患または病態、自己免疫疾患、移植拒絶反応、およびCNS障害(特にCNS障害)を処置することに良好に適しているとみなされている。一部の研究者は、前臨床試験において、ALSなどのCNS障害の処置において見込みのあるMSC機構についての洞察を提供している。これらの最も重要なALS処置の作用機構は、神経保護因子の分泌、神経炎症の低減、および運動ニューロンのアポトーシスの阻害を介した運動ニューロン近くへの保護環境の作製である可能性が最も高い。神経変性における間葉系幹細胞の有効性の潜在的な機構は、傍分泌作用および常在の神経細胞との細胞間での接触を介して達成され得る。サイトカイン、増殖因子、およびエキソソームを分泌するMSCの特性は、潜在的に、血管新生、シナプス形成、軸索の再ミエリン化、および神経発生を含む再生プロセスを誘導および支持し得る。自身の免疫調節特性のため、MSCは、樹状細胞の成熟および遊走、リンパ球の活性化および増殖の抑制により、およびグリオーシスを低減することにより、中枢神経系の炎症応答を減弱し得る。さらに、MSCは、抗アポトーシス特性を有し、アストロサイトの機能を調節することにより興奮毒性を限定し得る。さらに、他の種類の幹細胞(胚性幹細胞または人工多能性幹細胞)と比較して、MSCは、良好な生体安全性プロファイルを有し、発がん性のリスクが低い(Ra et al., (2011). Stem Cells Dev, 20, 1297-308)。
よって、一実施形態では、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団であって、前記MSCは、骨髄由来のMSC、末梢血由来のMSC、脂肪組織由来のMSC、歯組織由来のMSC、口腔粘膜由来のMSC、胎盤由来のMSC、臍帯由来のMSC、羊水由来のMSC、臍帯血由来のMSC、ホウォートンゼリー由来のMSC、脱落膜由来のMSC、類軟骨膜(chondrion membrane)由来のMSC、および羊膜由来のMSCからなる群から選択される、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が提供される。特定の実施形態では、上記MSCは、胎盤由来のMSC、臍帯由来のMSC、羊水由来のMSC、口腔粘膜由来のMSC、臍帯血由来のMSC、ホウォートンゼリー由来のMSC、脱落膜由来のMSC、類軟骨膜由来のMSC、歯髄および羊膜由来のMSC;たとえば胎盤由来のMSC、臍帯由来のMSC、羊水由来のMSC、臍帯血由来のMSC、ホウォートンゼリー由来のMSC、脱落膜由来のMSC、歯髄由来のMSC、および羊膜由来のMSC;たとえば胎盤由来のMSC、臍帯由来のMSC、羊水由来のMSC、臍帯血由来のMSC、ホウォートンゼリー由来のMSC、歯髄由来のMSC;たとえば胎盤由来のMSC、臍帯由来のMSC、臍帯血由来のMSC、およびホウォートンゼリー由来のMSC;たとえば臍帯由来のMSC、臍帯血由来のMSC、およびホウォートンゼリー由来のMSCからなる群から選択される。
MSCまたは細胞がMSCへと分化形質転換もしくは脱分化したMSCの特徴を呈する細胞は、自身の以前の運命のエピジェネティックな特徴(エピジェネティックメモリーとも呼ばれる)を有し、これは上記分化形質転換または脱分化したMSCの特性に影響し得る。理論により限定されるものではないが、たとえば、上記細胞の集団は、ネイティブなMSCの集団よりも低い度合いでMSCマーカーを発現し得、かつ/またはネイティブなMSCと比較して低い度合いで他の細胞集団に影響し得る。対照的に、限定するものではないが、ホウォートンゼリーを含む上記に列挙された細胞の供給源のいずれか1つに由来する、ネイティブなMSC供給源に由来するMSC(言い換えるとネイティブなMSC)は、自身の胚葉を除く細胞へと操作されておらず、よって、マーカー発現または機能性などの要因に及ぼす負の影響はない。よって、上記ネイティブなMSC供給源に由来するMSCは、高い度合いの望ましい特性を呈し得るとみなされている。
よって、本態様の一実施形態では、上記MSCは、ネイティブなMSC供給源に由来する。
本明細書中使用される場合、MSCの供給源に関連する用語「~に由来する」は、「~から単離された」と同じ意味を有することが理解される。これら用語は、本開示において互換可能に使用される。
本明細書中使用される場合、用語「ネイティブなMSC供給源」は、胎児および成年の臓器の中に存するMSCの供給源を表し、それからMSCを単離または派生させることは、特徴的なMSC表現型を誘導するために細胞の操作を全く必要としない。当業者は、この表現型が増殖したMSC供給源に関するISCTガイドラインの通りに定義されていること、および初代MSCがプラスチックと接触および増殖する前に異なる細胞表面マーカープロファイルを発現することを理解していることが想定されている。また、ネイティブな供給源からMSCを単離または派生させることは、分化転換および脱分化のステップを全く必要としない。
本明細書中使用される場合、用語「分化転換」は、1つの成熟細胞種が、異なる機能および/または表現型を有する別の成熟種へと移行するプロセスを説明するために使用される。このプロセスは、人工的に、たとえば系統のリプログラミングによるか、またはin vivoおよびex vivoでの両方で環境上の合図に応答して、起こり得る。
本明細書中使用される場合、用語「脱分化」は、細胞が特化した機能から幹細胞または前駆体細胞を連想させるより単純な状態へと退行するプロセスを表す。
近年、MSCは、組織再生における自身の多面的な機能により神経変性疾患の細胞療法において有望な候補として出現している。特に、MSCの免疫調節特性は、神経変性障害を含む炎症性疾患に関してそれらの治療において重要な役割を果たすことが同定されている。さらに、臍帯由来のMSCまたはホォートンゼリー由来のMSCは、非腫瘍形成性、抗腫瘍原性であり、固形腫瘍の増殖の亢進に関連するTAF表現型へと形質転換せず、造血性腫瘍の発達を抑制することが試験から表されている。よって、臍帯由来のMSCまたはホトンゼリー由来のMSC(本明細書中WJMSCとも呼ばれる)は、この状況で特に有用であり得る。よって、一実施形態では、上記MSCは、臍帯由来のMSCまたはホトンゼリー由来のMSC、たとえばホウォートンゼリー由来のMSCである。
WJMSCは、高い免疫調節能、ならびに良好な増殖および分化の可能性を有することが示されており、細胞供給源から容易に入手可能であり、よって、WJMSCは、重要な細胞療法の供給源であり得る。WJMSCは、免疫特権的な特徴を有することが知られており、アロジェニックな状況に好適であり得るBM-MSCおよび胎児MSCよりも免疫原性が低い。
前臨床試験は、MSCが、12の神経遺伝子および11の転写因子を発現することを示している(Blondheim, 2006, Stem Cells Dev. Apr;15(2):141-64.)。BM-MSCと比較して、WJ-MSCは、神経栄養の支援、神経の成熟((Drela et al, 2016 Cytotherapy. Apr;18(4):497-509、細胞接着、増殖、および免疫系の機能に関与する遺伝子を過剰発現することが示されており、適切な刺激の下、WJMSCは、in vitroでニューロン様細胞へと分化し得る(Donders, 2018, Stem Cells Dev. Jan 15;27(2):65-84; Ishii, Neurosci Lett;163:159-62)。よって、理論により拘束されるものではないが、WJMSCは、神経変性障害を含むCNS障害の細胞療法に適切であり得る。
本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の一部の実施形態では、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、いずれかのアロジェニックなヒト白血球抗原(HLA)の濃度が単一のドナー由来の細胞または数名のドナー由来の細胞を使用した場合よりも低いことを確かにするために、3名超のドナーに由来するMSCを含むことが有用であり得る。これは、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を投与した患者において抗HLA抗体(すなわちドナーに特異的な抗体、DSA)の産生のリスクを低減することが想定されている。本発明者らは、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団におけるいずれかの特異的なHLAのアレルの低い濃度が、上記細胞の単回および複数回の投与に関連する有害な作用のリスクを低減すると予想している。さらに、複数のドナー由来の細胞を使用することにより、バッチのばらつきを少なくし得る。製造のため認定されており、大きなスケールの臨床グレードの薬物産物への拡大におけるすべてのGMPの品質基準を通過したドナー間のばらつきは、全てのドナーからの結果を集めるために選択されたドナーからの結果と比較する場合、最大40%またはさらにはそれ以上、低減している。特異的なアッセイのばらつきの低減は、選択アルゴリズムに基づき、特定のバッチに関して評価される選択されるドナーと全てのドナーとの間に最大40%またはさらにはそれ以上の、全体的なばらつきの評価の低減をもたらすことが想定される。MSCのGMP生産は、ドナーのばらつきを顕著に低減し、選択アルゴリズムは、最大40%またはさらにはそれ以上、ばらつきをさらに低減し、統計的有意性を伴わないバッチ間のばらつきをもたらす。
よって、一実施形態では、上記本明細書中開示される使用のための集団は、少なくとも4名の個々のドナー、たとえば少なくとも5名の個々のドナー、たとえば少なくとも6名の個々のドナー、たとえば少なくとも7名の個々のドナー、たとえば少なくとも8名の個々のドナー、たとえば少なくとも9名のドナー、たとえば少なくとも10名の個々のドナーに由来するMSCを含む。別の実施形態では、使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、3~20の個々のドナー、たとえば3-15名の個々のドナー、たとえば3-10名の個々のドナー、たとえば4-8名の個々のドナー、たとえば5-7名の個々のドナー、たとえば5、6、または7名の個々のドナーに由来するMSCを含む。1つの特定の実施形態では、各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップは、集めるステップで集めた個々のドナーに由来するMSC集団の数よりも少なくとも1個多い、たとえば少なくとも2個多い、たとえば少なくとも3個多い、たとえば少なくとも4個多い、たとえば少なくとも5個多い、たとえば少なくとも6個多い、たとえば少なくとも7個多い、たとえば少なくとも8個多い、たとえば少なくとも9個多い、たとえば少なくとも10個多い、個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップを含む。1つの特定の実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップは、集めるステップで集めた個々のドナーに由来するMSC集団の数よりも少なくとも1~4倍、たとえば2~4倍、たとえば2~3または3~4倍多い個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップを含む。よって、たとえば、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、3名の個々のドナーに由来するMSC集団に由来するMSCを含む場合、各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップは、3~12、たとえば6~12、たとえば6~9または9~12の個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップを含む。この例では、3名のみの個々のドナーに由来するMSC集団が、集めるために選択され、残りの個々のドナーに由来するMSC集団は廃棄される。
本開示の一実施形態では、上記MSCを培養または準備するステップは、少なくとも4名の個々のドナーに由来するMSC集団、たとえば少なくとも5、たとえば少なくとも6、たとえば少なくとも7、たとえば少なくとも8、たとえば少なくとも9、たとえば少なくとも10、たとえば少なくとも11、たとえば少なくとも12、たとえば少なくとも13、たとえば少なくとも14、たとえば少なくとも15、たとえば少なくとも16、たとえば少なくとも17、たとえば少なくとも18、たとえば少なくとも19、たとえば少なくとも20の個々のドナーに由来するMSC集団を得るために少なくとも4名の個々のドナーからMSCを培養または準備するステップを含む。たとえば約3~約50の個々のドナーに由来するMSC集団、たとえば約4~約50、たとえば約5~約50、たとえば約6~約50、たとえば約6~約30、たとえば約6~約20、たとえば約6~約15、たとえば約8~約12の個々のドナーに由来するMSC集団が、準備または培養され得る。
本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の一部の実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップは、少なくとも3、たとえば少なくとも4、たとえば少なくとも5、たとえば少なくとも6、たとえば少なくとも7、たとえば少なくとも8、たとえば少なくとも9、たとえば少なくとも10、たとえば少なくとも11、たとえば少なくとも12、たとえば少なくとも13、たとえば少なくとも14、たとえば少なくとも15、たとえば少なくとも16、たとえば少なくとも17、たとえば少なくとも18、たとえば少なくとも19、たとえば少なくとも20の個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップを含む。別の実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップは、約3~50の個々のドナーに由来するMSC集団、たとえば約4~約50、たとえば約5~約50、たとえば約6~約50、たとえば約6~約30、たとえば約6~約20、たとえば約6~約15、たとえば約8~約12の個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップを含む。一実施形態では、約3~約20の個々のドナーに由来するMSC集団がアッセイされ、たとえば8、9、10、11、12、13、14の個々のドナーに由来するMSC集団がアッセイされ得る。本明細書中記載の方法の本ステップでアッセイされる個々のドナーに由来するMSC集団は、上記方法による培養または準備のステップで得られることを理解されたい。
本明細書中開示されるMSCの免疫抑制能は、治療での使用でのそれらの適合性に非常に重要であり得ることが理解される。本明細書中使用される場合、用語「免疫抑制能」は、免疫系の機能の活性化または有効性または調節の低減を誘発する特性を表す。当業者は、免疫抑制能が、アッセイにおいて直接または間接的に測定され得ることを理解している。
本明細書中記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、少なくとも3つのアッセイを使用して各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイして、前記各個々のドナーに由来するMSC集団の少なくとも3つのアッセイ結果を得るステップを含む方法により、入手可能である。本明細書中開示されるように、上記少なくとも3つのアッセイのちの2つは、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;および末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼすMSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択される。
免疫抑制の潜在力は、培養物の上清におけるトリプトファンおよびキヌレニンを測定することにより決定される、IDO活性の測定値として報告され得る。IDOは、ヒトにおいて、IDO1遺伝子によりコードされるヘム含有酵素である。IDO酵素は、L-トリプトファンを、T細胞を含む免疫細胞の増殖の阻害剤として作用する免疫抑制分子である、N-ホルミルキヌレニン(またはキヌレニン)に変換する。IDO活性は、キヌレニン/トリプトファンの比率として提示され得、たとえばELISAキットを使用して細胞培養物の上清に存在するトリプトファンおよびキヌレニンの量を計算することにより決定され得る。腫瘍壊死因子の存在下または不存在下でインターフェロンγ(IFNγ)を用いて刺激した場合、間葉系幹細胞/間質細胞(MSC)は、刺激しない場合よりも多くのIDOを分泌する。一実施形態では、上記IDO活性を測定するアッセイは、刺激したPBMCまたは精製したT細胞または活性化した単球/マクロファージまたはミクログリアと共培養したMSCの培養上清の中のIDO活性を測定するステップを含むかまたはからなる。一実施形態では、IDO活性を測定することは、上述のように行われ得る。誘導性IDO活性は、細胞が、本発明者らが本明細書中記載されるMSCの重要な品質特性を検討する、抗細菌性および抗ウイルス性の機能、免疫調節、および/または免疫抑制に関連した機能的な効力を有することを表している。上記アッセイは、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性、よって上記MSCの免疫抑制能を測定する。
さらに、MSCは、上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定するようにアッセイされ得る。プロスタグランジンE2(PGE2)は、酵素プロスタグランジンシンテターゼによりアラキドン酸から合成されるプロスタグランジンH2から、様々な細胞において形成される。PGE2は、血管拡張、抗炎症作用および炎症誘発性作用、睡眠/覚醒サイクルの調節、ならびにヒト免疫不全ウイルスの複製の促進を含む多くの生体作用を有する。PGE2は、炎症、免疫制御、発熱の発生、疼痛知覚、胃粘膜(gastric muscosa)の保護、妊孕性および分娩、ならびにナトリウムおよび水の保持において活性である。同様に、PGE2は、抗線維化機能を有する。PGE2は、in vivoで迅速に代謝され、循環系におけるPGE2の半減期は、約30秒であり、正常な血漿レベルは、3~12pg/mLである。PGE2は、異なる段階の免疫応答および異なる免疫のエフェクター機能の制御に関与している。MSCは、構成的にPGE2を産生し、それらの増殖は、cAMP依存性タンパク質キナーゼのアイソフォームの差次的な活性化を介してこのプロスタグランジンにより制御される。このPGE2の産生は、局所的な環境に感受性があり、ここで炎症性シグナルはその誘導を刺激する。免疫細胞、および/または(INFγと組み合わせるかまたは単独での)腫瘍壊死因子αと共培養する間、MSCによりPEG2の産生は、実質的に増大し、MSCの免疫調節作用に関与する。さらに、MSC誘導性免疫抑制効果におけるPGE2の役割は、Rasmussonら(Rasmusson et al., (2005) Exp.Cell.Res, 305 (1) (2005), pp. 33-41)により報告されているように、T細胞の刺激に応じて変化する。PGE2は、同種抗原よりもPHAにより活性化されるT細胞のMSC阻害に有効である。MSCは、リンパ球の活性化を予防し、COX1/COX2発現の調節を介したT細胞増殖、および最終的にPGE2の産生の阻害を誘導する。よって、免疫抑制能の測定値として、末梢血単核球(PBMC)およびMSCの共培養物からの細胞培養物の上清で見出されるPGE2の分泌の量を使用することが可能である。一実施形態では、上記MSCの免疫抑制能を測定する少なくとも1つのアッセイは、上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する。一実施形態では、上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する少なくとも1つのアッセイは、PBMC、たとえばPHAで刺激したPBMC、たとえばPHAで刺激したTリンパ球、活性化した単球/マクロファージおよび/またはミクログリアと共培養した際の、上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定するステップを含む。一実施形態では、上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイは、INFγおよび/または腫瘍壊死因子αと共培養したMSCにより分泌されるPGE2の分泌を測定するステップを含むかまたはからなる。
また、MSCが有する末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす免疫抑制作用を定量的に測定することが可能である。MSCは、Tリンパ球の増殖を抑制することが示されている。MSCとの混合リンパ球反応は、MSCの免疫抑制活性を示すために頻繁に使用されている。一実施形態では、前記MSCの免疫抑制能を測定する少なくとも1つのアッセイは、末梢血単核球(PBMC)、たとえばTリンパ球の増殖、たとえばTリンパ球の増殖、たとえばフィトヘマグルチニン(PHA)で刺激したTリンパ球の増殖に及ぼすMSCの効果を測定する。PHAは、Tリンパ球の増殖を活性化するマイトジェンとして使用される。よって、一実施形態では、上記PBMCの増殖は、Tリンパ球の増殖、たとえばPHAで刺激したTリンパ球の増殖である。MSCの免疫抑制活性は、PHAで刺激したTリンパ球の増殖の減少として定量化され得る。
上記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも2つは、独立して、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;および末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイから選択され得る。よって、上記少なくとも2つのアッセイは、IDO活性を測定する1つのアッセイおよびPGE2を測定する1つのアッセイ;またはIDO活性を測定する1つのアッセイおよびPBMCの増殖を測定する1つのアッセイ;またはPGE2を測定する1つのアッセイおよびPBMCの増殖を測定する1つのアッセイであり得る。上記少なくとも2つのアッセイはまた、上記3つのアッセイ全てを含み得る。
同様に、上記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも1つは、独立して、免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼすMSCの効果を測定する1つのアッセイ;樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、ならびにミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択され得る。しかしながら、上記少なくとも1つのアッセイは、上記アッセイのうちのいずれか2、または3、または4つ全てを含み得る。よって、上記少なくとも1つのアッセイは、免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼすMSCの効果を測定する1つのアッセイならびに樹状細胞の増殖および/もしくはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;または樹状細胞の増殖および/もしくはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイならびにミクログリア細胞および/もしくミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;または、免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼすMSCの効果を測定する1つのアッセイならびにミクログリア細胞および/もしくはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;または免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼすMSCの効果を測定する1つのアッセイならびに単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;または樹状細胞の増殖および/もしくはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイならびに単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;またはミクログリア細胞および/もしくはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイならびに単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイであり得る。一実施形態では、上記少なくとも1つのアッセイは、免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼすMSCの効果を測定する1つのアッセイ;樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、ならびにミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択される3つのアッセイのうちの1つのアッセイであり得る。また、上記少なくとも1つのアッセイはまた、4つ全てのアッセイを含み得る。
明確にするため、上記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも2つは、独立して、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;および末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択され得、これらは、独立して、免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼすMSCの効果を測定する1つのアッセイ;樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、ならびにミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択され得る少なくとも3つのアッセイのうちのいずれかの少なくとも1つと組み合わされてもよい。
T制御性(Treg)細胞は、免疫応答を抑制する特性を有するCD4+CD25+T細胞の下位集団として同定されている。この下位集団は、CD127の発現の欠損またはFoxP3の陽性発現によりさらに特徴づけられ得る。この細胞のフラクションは、T細胞が上記MSCに曝露する場合に増大すると予測されている。この作用は、たとえば、フローサイトメトリーにより分析され得る。よって、一実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも1つは、免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼす上記MSCの作用を測定するアッセイである。一実施形態では、上記免疫応答を抑制するT細胞の特性は、T細胞集団のT制御性細胞のフラクション、たとえばCD25+T細胞のフラクション、たとえば総CD4+T細胞集団のCD4+CD25+T細胞のフラクションとして測定される。一実施形態では、作用は、上記MSCおよびT細胞の共培養の間に測定される。一実施形態では、上記共培養は、刺激、たとえばPHAおよびリポ多糖(LPS)から選択される刺激の存在下にある。一実施形態では、Treg発現のフラクションの増加は、望ましい結果を表す。
Fms関連チロシンキナーゼ3-リガンド(FLT3L)は、造血における樹状細胞(DC)の関与の重要な制御因子であり、FLT3への結合を介して造血性細胞の増殖、分化、およびアポトーシスを制御する(Yuan et al (2019), Nature Communications volume 10, Article number: 2498)。MSCは、CD1c+DC上のFLT3に結合するFLT3Lを発現して免疫寛容原性CD1c+DCの増殖を促進し、アポトーシスを阻害する。MSCのFLT3Lの発現は、たとえばPHAまたはLPSで刺激するかまたは刺激せずに、PBMCとの共培養においてElISAにより測定され得る。
CD1c+である細胞のフラクションは、MSCが寛容性を誘導する際に上記MSCの存在下で増大することが予測される。この作用は、たとえばフローサイトメトリーにより分析され得る。
よって、一実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも1つは、樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす上記MCSの作用を測定するアッセイである。一実施形態では、上記作用は、上記MSCおよびDCの共培養の間に測定される。一実施形態では、上記共培養は、PHAおよびリポ多糖(LPS)から選択される刺激などの刺激の存在下にある。一実施形態では、CD1cを発現するDCのフラクションの増大は、望ましい結果を表す。
たとえば、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の一部の実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイは、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;および免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、またはインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;PBMCの増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;および免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、
または上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;PBMCの増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;および免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、
またはインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;および末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;および免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ
を含む。
たとえば、本明細書中開示される一部の実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイは、
インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;ならびに樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、
またはインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;PBMCの増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;ならびに樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、
または上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;PBMCの増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;ならびに樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、
またはインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;および末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;ならびに樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ
を含む。
本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を得るための方法はまた、さらなるアッセイを含み得ることを理解されたい。
ミクログリアは、脳および脊髄にわたり局在している神経膠細胞(グリア細胞)の一種である。ミクログリアは、脳の中で見出される全細胞の10~15%を構成しており、それらは、中枢神経系(CNS)において能動的な免疫防御の最初の主な形態として作用する。活性化後、ミクログリアは、異なる細胞表面および細胞内のマーカーを提示し、異なる因子を分泌し、かつ異なる機能を呈する多様な表現型を獲得することができる。さらに、この細胞は、炎症応答の間、異なる表現型の間、たとえばM1からM2への表現型へと移行することができる。M1ミクログリアは、通常、侵襲に対する最初のレスポンダーである。INFγおよびTNF-α(腫瘍壊死因子α)を含むアストロサイトおよびTh1細胞により放出されるサイトカイン、細菌由来産物、たとえばリポ多糖(LPS)、ならびに外傷により誘導される細胞のデブリは、M1表現型に向けてミクログリアを極性化する。M1ミクログリアは、炎症誘発性サイトカイン、ケモカイン、およびレドックスシグナリング分子を産生する。またこれらは、自身の細胞表面にスカベンジャー受容体、およびMHCクラスIIおよび共刺激分子を発現する。これら作用は、M1ミクログリアに、外来のデブリおよび細胞のデブリを殺滅および貪食させ、免疫応答に着手するためにT細胞を動員および分化させる。経時的に、炎症応答はより抗炎症性にシフトされ、これはM2ミクログリアにより促進される。ミクログリアは、通常Th2細胞から放出されるIL-4またはIL―13で刺激された後に、M2表現型へと極性化される。M2ミクログリアは、炎症応答の減弱および損傷した組織の修復を促進する抗炎症性サイトカインおよび増殖因子を分泌する。
たとえば、上記MSCが有するミクログリア細胞の増殖に及ぼす免疫抑制作用を定量的または定性的に測定するか、またはミクログリアの表現型に及ぼす上記MSCの作用をアッセイする1つまたは複数のアッセイが使用され得る。本明細書中使用される場合、これらアッセイは、「ミクログリアアッセイ」と呼ばれる。上記ミクログリアアッセイは、たとえばHMC3細胞またはCHME5細胞などの不死化細胞株を使用し得る。あるいは、生検由来の初代ミクログリア、または臍帯血から培養した初代ミクログリア様細胞、または不死化したミクログリア細胞、たとえばDUOC-01細胞が使用され得る。当業者は、ミクログリアアッセイでの使用に適切であり得る他の細胞株(不死化または初代)に精通している。
本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の一実施形態では、上記ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイは、ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞の増殖を測定する1つのアッセイ;ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞のM1表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイ;ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞のM2表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイ;ならびにミクログリア細胞またはミクログリア様細胞におけるM1ミクログリア表現型からM2ミクログリア表現型への移行を測定するアッセイからなる群から選択される。
MSCは、ミクログリアの増殖を抑制することが示されている。ミクログリアおよびMSCの共培養は、MSCの免疫抑制活性を示すために使用され得る。リポ多糖(LPS)は、ミクログリアの増殖を活性化するマイトジェンとして使用され得る。上記MSCの免疫抑制作用は、マイトジェンにより刺激、たとえばLPSにより刺激されたミクログリア細胞またはミクログリア様細胞の増殖の減少として定量化され得る。
一実施形態では、上記ミクログリアの増殖を測定する1つのアッセイは、上記個々のドナーに由来するMSC集団のミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞との共培養を含む。ミクログリアまたはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの免疫抑制作用を測定するアッセイは、共培養の条件下で行われ得るが、また、トランスウェルでの細胞培養の状況においてまたはMCS培養からの条件付け培地を使用しても行われ得ることが理解されるであろう。当業者は、使用され得る異なる異形および実験上の設定を認識している。
一実施形態では、上記ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞は、不死化細胞株、たとえばヒトミクログリアHMC3細胞株またはCHME-5細胞株;生検から得た初代ミクログリア;臍帯血から培養した初代ミクログリア様細胞;ならびに臍帯血由来の不死化したミクログリア様細胞、たとえばDUOC-01細胞株からなる群から選択される。一実施形態では、上記ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞は、不死化細胞株から選択される。一実施形態では、上記ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞は、HMC3細胞株、CHME-5細胞株、およびDUOC-01細胞株からなる群から選択される不死化細胞株からなる群から選択される。
一実施形態では、上記ミクログリアの増殖を測定する1つのアッセイは、ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞の増殖の減少が、マイトジェン、たとえばリポ多糖での刺激で起こるかどうかをアッセイするステップか、またはマイトジェン、たとえばリポ多糖での刺激の後にミクログリア細胞またはミクログリア様細胞の増殖の減少を定量化するステップを含む。上記増殖は、増殖のパーセンテージとして測定されてよく、増殖指数(proliferation index)として測定されてもよく、細胞を計測することにより測定されてもよく、または増殖指標(growth index)として測定されてもよく、たとえば増殖指標として測定されてもよい。
M1表現型のミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞は、以下のマーカー:CD183、CD11b、CD14、B7-2/CD86、インテグリンαVβ3、MFG-E8、NO、ROS、RNS、CCL2/MCP-1、CCL3/MIP-1α、CCL4/MIP-1β、CCL5/RANTES、CCL8/MCP-2、CCL11/エオタキシン、CCL12/MCP-5、CCL15/MIP-1δ、CCL19/MIP-3β、CCL20/MIP-3α、CXCL1/GROα/KC/CINC-1、CXCL9/MIG、CXCL10/IP--10、CXCL11/I-TAC、CXCL13/BLC/BCA-1、CX3CL1/フラクタルカイン、MMP-3、MMP-9、グルタマート、IL-1β/IL-1F2、IL-2、IL-6、IL-12、IL-15、IL-17/IL-17A、IL-18/IL-1F4、IL-23、IFNγ、TNF-α、FcγRIII/CD16、FcγRII/CD32、CD36/SR-B3、CD40、CD68/SR-D1、B7-1/CD80、MHCII、iNOS、およびCOX-2のうちの1つ以上の発現により特徴づけられる。
M2表現型のミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞は、以下のマーカー:CX3CR1、CD200R、CD206、IL-1Ra/IL-1F3、IL-4、IL-10、IL-13、TGF-β、CCL13/MCP-4、CCL14、CCL17/TARC、CCL18/PARC、CCL22/MDC、CCL23/MPIF-1、CCL24/エオタキシン-2/MPIF-2、CCL26/エオタキシン-3、FIZZ1/RELMα、YM1/キチナーゼ3-様3、CLEC10A/CD301、MMR/CD206、SR-AI/MSR、CD163、アルギナーゼ1/ARG1、トランスグルタミナーゼ2/TGM2、PPAR、およびγ/NR1C3のうちの1つ以上の発現により特徴づけられる。
上記マーカーのうちのいずれか1つ以上の発現を測定することにより、ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型の特徴が決定され得る。CX3CR1(フラクタルカイン受容体)は、M2表現型のミクログリアでアップレギュレートされる(望ましい)。またMSCは、CX3CL1(フラクタルカインのリガンド)の発現を増大していた。このリガンドは、メタロプロテイナーゼにより切断され、受容体に結合する。よって、活性M2表現型を反映するため、フラクタルカインリガンドの培地濃度は低い。CD200Rは、M2表現型のミクログリアでアップレギュレートされ、これは本発明の状況で望ましい。またMSCは、(CD200Rに結合するリガンドである)CD200の発現を増大させている。
この発現は、限定するものではないが、フローサイトメトリー、抗体染色、in situでのハイブリダイゼーションを含む当業者に知られているいずれかの方法により分析され得る。
よって、一実施形態では、上記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM1表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイは、CD183、CD11b、CD14、B7-2/CD86、インテグリンαVβ3、MFG-E8、NO、ROS、RNS、CCL2/MCP-1、CCL3/MIP-1α、CCL4/MIP-1β、CCL5/RANTES、CCL8/MCP-2、CCL11/エオタキシン、CCL12/MCP-5、CCL15/MIP-1δ、CCL19/MIP-3β、CCL20/MIP-3α、CXCL1/GROα/KC/CINC-1、CXCL9/MIG、CXCL10/IP-10、CXCL11/I-TAC、CXCL13/BLC/BCA-1、CX3CL1/フラクタルカイン、MMP-3、MMP-9、グルタメート、IL-1β/IL-1F2、IL-2、IL-6、IL-12、IL-15、IL-17/IL-17A、IL-18/IL-1F4、IL-23、IFNγ、TNF-α、FcγRIII/CD16、FcγRII/CD32、CD36/SR-B3、CD40、CD68/SR-D1、B7-1/CD80、MHCII、iNOS、およびCOX-2からなる群から選択される少なくとも1つのマーカー;たとえばCD183、CD11b、CD14、B7-2/CD86、CD40、およびB7-1/CD80からなる群から選択される少なくとも1つのマーカー;たとえばCD183、CD11b、およびCD14からなる群から選択される少なくとも1つのマーカーの発現を測定するステップを含む。特に、一実施形態では、上記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM1表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイは、少なくともCD183の発現を測定するステップを含む。
一実施形態では、発現が上記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM1表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイにより測定されるマーカーのうちの少なくとも1つの発現の減少が、望ましい結果を表す。
一実施形態では、上記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM2表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイは、CX3CR1、CD200R、CD206、IL-1Ra/IL-1F3、IL-4、IL-10、IL-13、TGF-β、CCL13/MCP-4、CCL14、CCL17/TARC、CCL18/PARC、CCL22/MDC、CCL23/MPIF-1、CCL24/エオタキシン-2/MPIF-2、CCL26/エオタキシン-3、FIZZ1/RELMα、YM1/キチナーゼ3-様3、CLEC10A/CD301、MMR/CD206、SR-AI/MSR、CD163、アルギナーゼ1/ARG1、トランスグルタミナーゼ2/TGM2、PPAR、およびγ/NR1C3からなる群から選択される少なくとも1つのマーカー;たとえばCX3CR1/フラクタルカイン受容体、CD200R、CD206、およびCD163からなる群から選択される少なくとも1つのマーカー;たとえばCX3CR1、CD200R、およびCD206からなる群から選択される少なくとも1つのマーカーの発現を測定するステップを含む。特に、一実施形態では、上記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM2表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイは、少なくともCD200Rの発現を測定するステップを含む。
一実施形態では、発現が上記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM2表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイにより測定されるマーカーのうちの少なくとも1つの発現の増大が、望ましい結果を表す。
さらに、M1表現型からM2表現型への移行は、上記マーカーのうちのいずれか1つ以上の発現の変化により測定され得る。たとえば、上記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞のM1表現型からM2表現型への移行は、M1マーカーのうちのいずれか1つ以上の発現レベルの減少およびM2マーカーのうちのいずれか1つ以上の発現レベルの増大に関連している。
よって、一実施形態では、上記M1ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型からM2ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型への移行は、上記に定義されるM1マーカーのうちのいずれか1つ以上の発現の減少および上記に定義されるM2マーカーのうちのいずれか1つ以上の発現の増大として測定される。特に、上記M1ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型からM2ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型への移行は、CD183、CD11b、CD14、B7-2/CD86、CD40、およびB7-1/CD80から選択されるマーカーのうちのいずれか1つ以上の発現の減少、ならびにCX3CR1/フラクタルカイン受容体、CD200R、CD206、およびCD163から選択されるマーカーのいずれか1つ以上の発現の増大として測定され、たとえば上記M1ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型からM2ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型への移行は、CD183、CD11b、およびCD14から選択されるマーカーのうちのいずれか1つ以上の発現の減少、ならびにCX3CR1、CD200R、およびCD206から選択されるマーカーのいずれか1つ以上の発現の増大として測定され、たとえば上記M1ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型からM2ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型への移行は、CD183の発現の減少およびCD200Rの発現の増大として測定される。一実施形態では、上記M1ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型からM2ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞の表現型への移行は、望ましい結果、たとえば上記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞における抗炎症性作用の誘導を表す。たとえば、移行スコアは、以下の一般式:
により計算され得る。
よって、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の一実施形態では、上記M1ミクログリアの表現型からM2ミクログリアの表現型への移行は、式1による移行スコアとして計算される。式1を使用する場合、移行スコアの値が高いと、M2表現型のミクログリア細胞またはミクログリア様細胞が多く存在する。
当業者は、移行スコアが、いずれかのM1マーカーおよびいずれかのM2の発現、たとえばCD200R発現の倍数増加およびCD183発現の抑制に基づき計算され得ることを理解している。
さらに、CX3CL1/FraktalineおよびCD200のアップレギュレーションは、ミクログリアまたはミクログリア様細胞のM2表現型への移行が起こる際に上記MSCで観察され得る。よって、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の一実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイは、上記MSCによるCX3CL1/FraktalineおよびCD200の発現を測定する少なくとも1つのアッセイをさらに含み得る。
一実施形態では、上記ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞は、不死化細胞株、たとえばヒトミクログリアHMC3細胞株またはCHME-5細胞株;生検から得た初代ミクログリア;臍帯血から培養した初代ミクログリア様細胞;および臍帯血由来の不死化したミクログリア様細胞、たとえばDUOC-01細胞株からなる群から選択される。一実施形態では、上記ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞は、不死化細胞株からなる群から選択され、たとえばHMC3細胞株、CHME-5細胞株、およびDUOC-01細胞株からなる群から選択される。
たとえば、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の一部の実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイは、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;ならびにミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ
またはインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;PBMCの増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;ならびにミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ
または上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;PBMCの増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;ならびにミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ
またはインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;および末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;ならびにミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ
を含む。
さらなるアッセイ、たとえば免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイならびに/または樹状細胞の増殖および/もしくはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイが含まれ得る。また、他のさらなるアッセイも含まれ得る。
単球は、骨髄において骨髄前駆体から生じ、これらは炎症の間CNSに進入する。従来より、単球はCD14を発現するが、CD16を発現しない(CD14++CD16-単球と呼ばれる)。これらの古典的な単球(classical monocyte)は、著しく可塑性であり、炎症を起こした組織に動員されると、これらは、マクロファージまたは樹状細胞へと変化し得る。非古典的な単球は、CD14および高レベルのCD16を発現し(CD14+CD16++単球と呼ばれる)、組織のホメオスタシスおよび局所的な再生に関与する。MSCは、古典的から非古典的へと単球の表現型を変更し得る。さらなる別のアッセイでは、上記MSCの存在下での単球の表現型の変化が測定され得る。上記MSCを伴う共培養物および上記MSCを伴わない共培養物における単球のCD16の増大する発現およびCD14++CD16-の減少するパーセンテージが比較され得る。CD16発現の最も高い倍数誘導およびCD14++CD16-の最も高い抑制をもたらすMSC集団が、最も望ましいとみなされる。
よって、各個々のドナーに由来するMSC集団は、単球の表現型の移行に及ぼすその作用の観点から評価され得る。よって一実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイは、たとえば上記MSCの存在下で、上記MSCに応答した古典的な単球の表現型から非古典的な単球の表現型(再生表現型とも呼ばれる)への移行を測定する少なくとも1つのアッセイをさらに含む。一実施形態では、上記少なくとも1つのアッセイは、再生表現型へ向かう単球の移行に及ぼす上記MSCの作用を測定する。一実施形態では、上記移行は、上記単球において、少なくともCD16発現、たとえばCD16およびCD14の発現をアッセイすることにより測定される。
たとえば、本明細書中開示される一部の実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイは、
インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;および単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;
またはインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;PBMCの増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;および単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;
または上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;PBMCの増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;および単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;
またはインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;および末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;および単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ
を含む。
さらなる別のアッセイでは、MSCにおけるHLA-G発現が測定され得る。HLA-Gは、天然に存在する寛容性誘導分子として同定されている。これは、生理的条件下で発現が制限されているが、たとえばIFNγ、IL-10、およびPHAに応答して、アップレギュレートされ得る。MSCは、低レベルの細胞内HLA-Gを有し、低レベルの可溶性HLA-G(sHLA-G)を発現するが、IFNγまたはIL-10での刺激は、高いレベルをもたらすことが予測される。PHAまたはGABAでの刺激は、可溶性HLA-Gレベルを増大させることが予測される。JEG-3は、胎盤由来細胞株であり、HLA-Gの高レベルの発現を有し、細胞内および可溶性の両方があり、アッセイにおいて陽性対照として使用され得る。この目的は、個々のドナーに由来するMSC集団の間の、たとえばフローサイトメトリー(FACS)分析による細胞内HLA-Gの発現およびたとえばELISAによるsHLA-Gの放出の両方を比較することであり得る。
よって、一実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイは、上記MSCにおけるHLA-G発現を測定する少なくとも1つのアッセイをさらに含み、たとえば上記少なくとも1つのアッセイは、IFNγ、アラム、IL-10、PHA、および/またはGABAに応答した、上記MSCにおけるHLA-G発現を測定し、たとえば上記少なくとも1つのアッセイは、IFNγ、IL-10、および/またはPHAに応答した、上記MSCにおけるHLA-G発現を測定する。一実施形態では、上記少なくとも1つのアッセイは、IFNγ、IL-10、PHA、およびGABAからなる群から選択される1つまたはいくつかに応答した上記MSCにおけるHLA-G発現を測定する。上記HLA-G発現は、可溶性HLA-Gの発現であり得る。
さらに、個々のドナーに由来するMSC集団は、望ましい特徴を有する集団を選択するためにタンパク質発現および/またはサイトカイン発現の観点から評価され得る。たとえば、上記集団におけるインターロイキン、増殖因子、インターフェロン、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子、およびリポタンパク質の発現を評価することが興味深い場合がある。よって、一実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイは、上記MSCによるタンパク質発現および/またはサイトカイン発現、たとえばインターロイキン、増殖因子、インターフェロン、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子、およびリポタンパク質からなる群から選択される1つまたはいくつかのタンパク質またはサイトカインの発現を測定する少なくとも1つのアッセイをさらに含む。別の実施形態では、上記タンパク質発現および/またはサイトカイン発現を測定する少なくとも1つのアッセイは、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL-12、IL-12/13、IL-17A、IL-21、IL-22、IL-29、IL-31、TGFβ、VEGF、FGF、GM-CSF(顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子)、IFNα、IFNγ、apoE、およびTNFαからなる群、たとえばIL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-12、IL-12/13、IL17A、IL-21、IL-22、IL-29、IL-31、TGFβ、VEGF、FGF、GM-CFS、IFNα、IFNγ、apoEおよびTNFαからなる群、たとえばIL-6、IL-8、GM-CSF、およびTGFβからなる群、たとえば少なくともIL-6からなる群から選択される1つまたはいくつかのタンパク質またはサイトカインの発現を測定する。
ACE2受容体は、コロナウイルススパイクタンパク質による感染症の標的細胞の表面上の進入地点である。標的細胞によるセリンプロテアーゼTMPRSS2の共発現は、コロナウイルススパイクタンパク質のプライミングを可能にする。一実施形態では、上記タンパク質発現および/またはサイトカイン発現を測定する少なくとも1つのアッセイは、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-12、IL-12/13、IL17A、IL-21、IL-22、IL-29、IL-31、TGFβ、VEGF、FGF、GM-CSF、IFNα、IFNγ、apoE、およびTNFαおよびACE2受容体およびTMPRSS2からなる群、たとえばIL-6、IL-8、GM-CSF、TGFβ、ACE2受容体、およびTMPRSS2からなる群、たとえば少なくともACE2受容体およびTMPRSS2からなる群から選択される1つまたはいくつかのタンパク質またはサイトカインを測定する。一実施形態では、タンパク質発現を測定する少なくとも1つのアッセイは、ACE2受容体の発現を測定する。一実施形態では、タンパク質発現を測定する少なくとも1つのアッセイは、TMPRSS2の発現を測定する。
また当業者は、同様にmRNA発現が、所定のタンパク質が細胞で発現されるかどうかを評価するために測定され得ることを理解している。よって一実施形態では、上記少なくとも1つのアッセイは、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-12、IL-12/13、IL17A、IL-21、IL-22、IL-29、IL-31、TGFβ、VEGF、FGF、GM-CSF、IFNα、IFNγ、apoE、およびTNFαおよびACE2受容体およびTMPRSS2からなる群、たとえばIL-6、IL-8、GM-CSF、TGFβ、ACE2受容体、およびTMPRSS2からなる群、たとえば少なくともACE2受容体およびTMPRSS2からなる群から選択される1つまたはいくつかのタンパク質またはサイトカインのmRNA発現を測定する。一実施形態では、少なくとも1つのアッセイは、ACE2受容体のmRNA発現を測定する。一実施形態では、少なくとも1つのアッセイは、TMPRSS2のmRNA発現を測定する。
一実施形態では、各個々のドナーに由来するMSC集団は、ACE受容体およびTMPRSS2の発現に対し陰性である。
一実施形態では、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、ACE受容体およびTMPRSS2の発現に対し陰性である。
1つの特定の実施形態では、上記タンパク質および/またはサイトカインのうち少なくとも2、たとえば少なくとも3、たとえば少なくとも4、たとえば少なくとも5、たとえば少なくとも6、たとえば少なくとも7、たとえば少なくとも8、たとえば少なくとも9、たとえば少なくとも10、たとえば少なくとも11、たとえば少なくとも12、たとえば少なくとも13、たとえば少なくとも14、たとえば少なくとも15、たとえば少なくとも16、たとえば少なくとも17、たとえば少なくとも18、たとえば19全ての発現が測定される。さらに、当業者は、上記タンパク質および/またはサイトカインの発現が、いずれの刺激も存在しない中および/または少なくとも1つの刺激の存在下で測定され得ることを理解している。一実施形態では、上記タンパク質および/またはサイトカインの発現は、少なくとも1つの刺激またはいくつかの刺激、たとえば2、3、4、またはそれ以上の刺激の存在下で測定される。一実施形態では、上記刺激は、免疫応答を改変する刺激である。上記免疫応答を改変する刺激の非限定的な例として、PBMC;刺激されたPBMC(たとえばPHA、IL10、γ-アミノ酪酸(GABA)、抗CD2、 抗-CD3、抗-CD28、アラム、および/またはインターフェロンγ(IFNγ)で刺激したPBMC);ならびに/またはその他が挙げられる。免疫応答を改変する刺激の他の非限定的な例として、GABA、Poly IC、レシキモド、およびIFNγ(PBMCの添加を伴わない)が挙げられる。よって、一実施形態では、上記免疫応答を改変する刺激は、PBMCおよび刺激されたPBMC、たとえばPHA、IL10、γ-アミノ酪酸(GABA)、抗CD2、抗-CD3、抗-CD28、アラム、および/またはインターフェロンγ(IFNγ)で刺激したPBMC、たとえばPHA、IL10、GABA、および/またはIFNγで刺激したPBMCからなる群から選択される。
一実施形態では、上記免疫応答を改変する刺激は、GABAおよび/またはINFγである。一実施形態では、方法により入手可能な本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団であって、刺激が、ポリイノシン/ポリシチジン酸(Poly I:C)、レシキモド(r848)、GABA、およびIFNγからなる群、たとえばPoly I:CおよびIFNγからなる群、またはGABAおよびIFNγからなる群から選択される、MSC集団が提供される。一実施形態では、上記刺激は、PBMC、たとえば刺激されたPBMCまたは刺激されていないPBMC、たとえばPHAで刺激されたPBMC、たとえばPHAで刺激されたTリンパ球である。一実施形態では、刺激は、PHAで刺激されたTリンパ球および/またはGABAである。
1つの特定の実施形態では、上記方法は、PHAで刺激されたTリンパ球および/またはGABAでの刺激に応答した上記MSCにおけるIL-10発現を測定するステップを含み得る。
1つの特定の実施形態では、上記方法は、上記MSCにおける腫瘍壊死因子α誘導性遺伝子/タンパク質6(TSG-6)の発現を測定するステップを含み得る。TSG-6は、グリア性瘢痕の低減に関与することが示されている。
当業者は、上記アッセイが、アッセイされるMSC集団の望ましい特性に応じて目的の特有のアッセイの組み合わせを得るために組み合わせられ得ることを理解している。アッセイは、互いに独立して選択され得る。
さらに、本明細書中開示される使用のためのものであり、上記方法により入手可能な単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を得るために集められた全てのMSCは、正常な細胞の細胞形態を有する細胞であることが重要である。MSC培養物は、通常低い前方散乱および低い側方散乱としてフローサイトメトリーにより同定される、迅速に自己再生している小さな丸い細胞の下位集団を含むことが知られている。高いコロニー形成能を有するドナーから単離したMSCは、小さな大きさの細胞の比率が有意に高いことが知られている。まとめると、データは、高い増殖能を有すると分類されたドナーMSCは、自己再生する能力が高く、高いCFU-F効率を有し、小さな大きさの細胞を高い比率で有することを示している。細胞は、増殖(培養)の間および回収の直前または回収と併せて肉眼で観察されてもよく、たとえば細胞の大きさ;核の大きさ;細胞の形状;および細胞の大きさと核の大きさとの間の比率に基づき評価され得る。よって、一実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイは、少なくとも1つの形態学的なアッセイを含む。一実施形態では、上記形態学的なアッセイは、細胞および/または細胞核の形態学的な特性をアッセイする。一実施形態では、細胞および/または細胞核の形態学的な特性は、細胞の大きさ、核の大きさ、細胞の形状、ならびに細胞および核の大きさの間の比率からなる群から選択される1つ以上の特性である。
本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、健常かつ望ましい形態、言い換えると正常な形態を呈する細胞を可能な限り多く含むことが重要である。よって、一実施形態では、個々のドナーに由来するMSC集団は、少なくとも90%、たとえば少なくとも91%、たとえば少なくとも92%、たとえば少なくとも93%、たとえば少なくとも94%、たとえば少なくとも95%、たとえば少なくとも96%、たとえば少なくとも97%、たとえば少なくとも98%、たとえば少なくとも99%、正常な細胞および/または核を呈する場合のみ、集めることに適格である。よって、上記個々のドナーに由来するMSC集団が、90%未満で正常な細胞を含む場合、上記集団は、集めることに不適格である。
上記少なくとも3つのアッセイを使用して各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップは、継代0(p0)~p8のうちのいずれかで行われ得ることが理解されるであろう。たとえば、上記アッセイは、上記個々のドナーに由来するMSC集団がその後関連する時点で望ましい特性を呈することを確保するために集められる際と同じ継代にある際に行われ得る。また、アッセイを、集められた時点の継代よりも早い継代で行うことが可能である。また、異なるアッセイが、異なる継代で行われ得ることを理解されたい。ただし、特定のアッセイは、各個々のドナーに由来するMSC集団で得たアッセイ結果が比較され得ることを確保するために同じ継代において、個々のドナーに由来するMSC集団で行われる。
よって、一実施形態では、少なくとも3つのアッセイを使用して各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップは、MSC集団が、継代0(p0)~継代8(p8)、たとえばp1~p5、たとえばp1~p4、たとえばp2~p4、またはp1~p4、たとえばp1、p2、および/またはp3、たとえばp2および/またはp3にある際に行われる。一実施形態では、少なくとも1つのアッセイ、たとえば少なくとも2つのアッセイ、たとえば少なくとも3つのアッセイ、たとえば全てのアッセイが、細胞が、集められた際と同じ継代にある場合に行われる。別の実施形態では、少なくとも2つのアッセイは、異なる継代で行われる。
一実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団は、少なくとも1つの形態アッセイによりアッセイされる。一実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団は、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する少なくとも1つのアッセイによりアッセイされる。一実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団は、PBMCの増殖に及ぼす上記MSCの作用を測定する少なくとも1つのアッセイによりアッセイされる。一実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団は、上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する少なくとも1つのアッセイによりアッセイされる。
一実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団は、少なくとも1つの形態アッセイ;IDO活性を測定するアッセイ;およびPBMCの増殖に及ぼす上記MSCの作用を測定するアッセイによりアッセイされる。一実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団は、少なくとも1つの形態アッセイ;IDO活性を測定するアッセイ;PBMCの増殖に及ぼす上記MSCの作用を測定するアッセイ;および上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定するアッセイによりアッセイされる。一実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団は、上記MSCにおけるHLA-G発現を測定するアッセイによりさらにアッセイされる。一実施形態では、方法により入手可能な、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団であって、各個々のドナーに由来するMSC集団は、IL-6、IL-8、GM-CSF、およびTGFβから選択される少なくとも1つ、たとえば2つ、たとえば3つ、たとえば4つ全ての因子の発現を測定する、少なくとも1つのアッセイ、たとえば少なくとも2つのアッセイ、たとえば少なくとも3つのアッセイ、たとえば少なくとも4つのアッセイによりさらにアッセイされる、アロジェニックなMSC集団が提供される。各アッセイは、IL-6、IL-8、GM-CSF、およびTGFβのうちの1つの発現を測定することが理解されるであろう。一実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団は、上記MSCにおけるHLA-G発現を測定するアッセイにより、ならびにIL-6、IL-8、GM-CSF、およびTGFβから選択される少なくとも1つ、たとえば2つ、たとえば3つ、たとえば4つ全ての因子の発現を測定する、少なくとも1つのアッセイ、たとえば少なくとも2つのアッセイ、たとえば少なくとも3つのアッセイ、たとえば少なくとも4つのアッセイにより、さらにアッセイされる。各アッセイは、IL-6、IL-8、GM-CSF、およびTGFβのうちの1つの発現を測定し得ることが理解されるであろう。
本発明の、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、総スコアの値を、各個々のドナーに由来するMSC集団に割り当てるステップを含む方法により入手可能である。このステップにおいて、総スコアの値は、上記少なくとも3つの個々のランキングスコアの値に基づき、各個々のドナーに由来するMSC集団に割り当てられる。高いランキングスコアがより望ましいアッセイ結果を表す場合、高い総スコアの値は、より望ましい集団特性を表す。あるいは、低いランキングスコアの値がより望ましいアッセイ結果を表す場合、低い総スコアの値は、より望ましい集団特性を表す。当業者は、ランキングスコアの値のシステムおよび/または総スコアの値のシステムが、本開示の範囲から逸脱することなく改変され得ることを理解している。ただし、上記システムは、望ましい特性の観点から個々のドナーに由来するMSC集団の間の比較を可能にする。一実施形態では、少なくとも1つのアッセイの個々のランキングスコアの値は、上記各個々のドナーに由来するMSC集団のアッセイ結果の、残りの個々のドナーに由来するMSC集団の結果との比較に基づき、上記各個々のドナーに由来するMSC集団に割り当てられる。よって、個々のランキングスコアの値は、分析される個々のドナーに由来するMSC集団の間の比較に基づき割り当てられ得る。一実施形態では、少なくとも1つのアッセイの個々のランキングスコアの値は、上記個々のドナーに由来するMSC集団で得られた絶対的なアッセイ結果に基づき上記各個々のドナーに由来するMSC集団に割り当てられる。よって、アッセイの望ましい閾値の値が選択され得る。一実施形態では、上記絶対的な結果が少なくとも所定の値または最大でも所定の値に対応する場合、アッセイ結果は望ましいとみなされ、得られた望ましい結果を反映する個々のランキングスコアが割り当てられる。
個々のランキングスコアの値を、上記少なくとも3つのアッセイのうちの1、2、3、またはそれ以上からの結果に割り当てるステップは、個々のランキングスコアの値がノンバイナリーである個々のランキングスコアを割り当てることを含むことを理解されたい。ノンバイナリースコアの値は、少なくとも3つのレベルから選択されるスコア値、言い換えると少なくとも3つの異なるスコアである。ノンバイナリーなスコア値の非限定的な例は、1、2、および3;0、1、および2;ならびに1、3、および5である。ノンバイナリーなランキングスコアの値は任意の3つの数X、Y、Zにより表され得る(上記X、Y、およびZは異なる数である)。ノンバイナリーなスコア値の割り当ては、バイナリースコアの値と比較してより高いアッセイ結果をランク付けする分解能を可能にする。よって、一実施形態では、アッセイ結果に基づく個々のランキングスコアの値の各個々のドナーに由来するMSC集団への割り当ては、少なくとも3つのランキングスコアの値、たとえば少なくとも4つのランキングスコアの値、たとえば少なくとも5つのランキングスコアの値から選択されるスコアの値を割り当てるステップを含む。たとえば、上記個々のランキングスコアの値は、5、6、7、8、9、10、またはさらにはそれ以上の見込みのあるスコア値から選択され得る。当業者は、ランキングスコアの値が、数字または非数字であり得ることを理解している。
総スコアの値は、各個々のドナーに由来するMSC集団のランキングスコアの値の追加により得られる追加のスコア値であり得る。あるいは、総スコアの値は、1)重みを、各アッセイ結果のランキングスコアの値に割り得て、2)個々のドナーに由来するMSC集団の重み付けされたランキングスコアの値を加算することにより得られる、重み付けした総スコアの値であり得る。この方法において、残りのアッセイ結果と比較して比較高い重み(または重要性)を、選択した1つまたはいくつかのアッセイ結果に割り当てることが可能である。当業者は、1つまたはいくつかのアッセイ結果が重み付けされてもよく、各アッセイ結果に割り当てられた重みは、独立して選択され得ることを理解している。よって、一実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団に割り当てられた総スコアの値は、各個々のドナーに由来するMSC集団のランキングスコアの値の加算により得られる追加の総スコアの値である。別の実施形態では、上記各個々のドナーに由来するMSC集団に割り当てられた総スコアの値は、1)重みを、各アッセイ結果のランキングスコアに割り当て、2)個々のドナーに由来するMSC集団の重み付けされたランキングスコアの値を加算することにより得られる、重み付けした総スコアの値である。
総スコアの値に基づき、望ましい集団特性を有する個々のドナーに由来するMSC集団のサブセットが選択される。このステップでは、少なくとも3、たとえば少なくとも4、たとえば少なくとも5、たとえば少なくとも6、たとえば少なくとも7、たとえば少なくとも8、たとえば少なくとも9、たとえば少なくとも10名の個々のドナーに由来するMSC集団が選択されることが想定される。本明細書中使用される場合、用語「サブセット」は、アッセイされる個々のドナーに由来するMSC集団の全てまたは全てよりも少ないものを表す。
一実施形態では、望ましい集団特性を有する個々のドナーに由来するMSC集団のサブセットを選択するステップが、高い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す場合に少なくとも1つの所定の総スコアの値に対応するか、または低い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す場合に最大で所定のスコアに対応する総スコアの値を有する個々のドナーに由来するMSC集団を選択するステップを含む方法により入手可能な、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が提供される。別の実施形態では、望ましい集団特性を有する個々のドナーに由来するMSC集団のサブセットを選択するステップは、所定の数の個々のドナーに由来するMSC集団を選択するステップを含み、ここで集団は、高い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す場合に残りの個々のドナーに由来するMSC集団と比較して高い総スコアの値を呈し、または集団は、低い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す場合に残りの個々のドナーに由来するMSC集団と比較して低い総スコアの値を呈する。
上記方法の次のステップでは、選択された個々のドナーに由来するMSC集団を集めて、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を得る。上記で説明されるように、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、1名のドナーに由来する細胞が上記集められた集団において有意に優性ではないように、同様の数または同じ範囲の数の、各個々のドナーに由来する細胞を含むことが有用であるとみなされている。よって、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の一実施形態では、いずれか1名のドナー由来の細胞の数は、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の総細胞数の約45%以下、たとえば約40%以下、たとえば約35%以下であり、上記集団は、少なくとも3名のドナーに由来するMSCを含み、
たとえば、いずれか1名のドナーに由来する細胞数は、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の総細胞数の、約40%以下、たとえば約35%以下、たとえば約30%以下であり、上記集団は、少なくとも4名のドナーに由来するMSCを含み;
たとえば、いずれか1名のドナー由来の細胞の数は、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の総細胞数の約35%以下、たとえば約30%以下、たとえば約25%以下であり、上記集団は、少なくとも5名のドナーに由来するMSCを含み;
たとえば、いずれか1名のドナーに由来する細胞数は、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の総細胞数の、約30%以下、たとえば約25%以下、たとえば約20%以下であり、上記集団は、少なくとも6名のドナーに由来するMSCを含み;
たとえば、いずれか1名のドナーに由来する細胞数は、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の総細胞数の、約25%以下、たとえば約22%以下、たとえば約20%以下であり、上記集団は、少なくとも7名のドナーに由来するMSCを含み;
たとえば、いずれか1名のドナーに由来する細胞数は、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の総細胞数の、約20%以下、たとえば約18%以下、たとえば約16%以下であり、上記集団は、少なくとも8名のドナーに由来するMSCを含み;
たとえば、いずれか1名のドナーに由来する細胞数は、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の総細胞数の、約18%以下、たとえば約15%以下、たとえば約13%以下であり、上記集団は、少なくとも9名のドナーに由来するMSCを含み;
たとえば、いずれか1名のドナーに由来する細胞数は、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の総細胞数の、約16%以下、たとえば約14%以下、たとえば約12%以下であり、上記集団は、少なくとも10名のドナーに由来するMSCを含む。
1つの特定の実施形態では、いずれか1名の個々のドナーに由来するMSCの数は、他のいずれかのドナーに由来する細胞数の約4倍以下、たとえば約3倍以下、たとえば約2倍以下である。
集団において個々のドナーに由来するMSCの望ましい分布を維持するために、MCSのさらなる培養が、個々のドナーに由来するMSC集団の選択されたサブセットを集めた後に行われることを理解されたい、理論により拘束されるものではないが、集められた集団における個々のドナーに由来するMSCの分布は、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を投与した患者においてHLA免疫がないかまたはこれが低いことを確実にすることが予測されるHLAミスマッチを得るために重要であることが想定される。よって、本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、一実施形態により集められた後にさらに培養されない。本態様の一実施形態では、単離され、集められたアロジェニックなMSC(allogenein MSC)集団は、集めるステップの後にさらに培養されない。
上述のように、上記少なくとも3つのアッセイによりアッセイされる際に望ましい必要条件を満たす個々のドナーに由来するMSC集団のみが、集めるステップで集めることに適格がある。よって、適格のない細胞は廃棄される。個々のドナーに由来するMSC集団で得たアッセイ結果、よって上記細胞の特性を、本方法によってより早期の集団を得た早期に得た単離され、集められたアロジェニックなMSC集団で得たアッセイ結果と比較することが可能である。よって、早期の集団は、本方法において内部のクオリティコントロールとして機能する。よって、一実施形態では、本方法は、個々のドナーに由来するMSC集団のアッセイ結果が、同じ方法により以前に得た集められたアロジェニックなMSC集団の対応するアッセイ結果よりも望ましくない場合、集めるステップから上記個々のドナーに由来するMSC集団を廃棄するステップをさらに含む。
重要なことに、本方法は、単離され、集められたアロジェニックなMCS集団の総合的な評価の変分の低減をもたらす。明確にするため、バッチの中の変分は、全てのドナーから集められたMSCを含むバッチと比較して低い。
例示するため、評価における変分は、以下の式:
により計算され得る(式中、最大値および最小値は、得られたアッセイ結果の最大値および最小値である)。
総合的な評価は、選択されたドナーのΔ選択アルゴリズムスコア、この例では6-3=3を、評価された全てのドナーのΔ選択アルゴリズムスコア、この例では6-1=5で除算することにより計算され得る。
よって、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の一実施形態では、バッチの中の総合的な評価の変分は、アッセイした全ての個々のドナーに由来するMSC集団および選択された個々のドナーに由来するMSC集団のサブセットを比較する場合に、少なくとも30%、たとえば少なくとも35%、たとえば少なくとも40%、たとえば少なくとも45%、たとえば少なくとも50%、たとえば少なくとも60%低下している。
本開示で詳細に説明されるように、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を入手可能な方法は、本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を得ることを可能にする。ここでバッチは、統計的に有意なバッチ間のばらつきを示さない。
別の実施形態では、上記方法は、炎症誘発性化合物、たとえばIFNγ、アラム、および/または腫瘍壊死因子αの存在下で、それを必要とする患者への投与の前の期間の間、たとえば少なくとも12時間かつ72時間以下、たとえば24~72時間、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を培養するステップをさらに含む。たとえば、上記培養ステップは、約12~約72時間の期間の間行われ得る。たとえば、上記期間は、約24時間、36時間、48時間、60時間、または約72時間であり得る。上記期間は、約12時間~約72時間のいずれかの期間であり得る。一実施形態では、培養ステップは、投与の直前に行われる。一部の実施形態では、本明細書中開示されるように、上記培養期間は、投与の約12時間前までに、たとえば11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1時間前に終了する。
上記で説明されるように、MSCを集めることは、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を得る製剤化ステップに限定され、よって細胞は、集めた後にいずれかの培養またはさらなる増殖に供されない。これにより細胞はさらに増殖せず、よって、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の効力および機能性に及ぼす当該増殖の関連する負の影響はないことが確保される。集めた後の培養は、負の影響、たとえば限定するものではないが、免疫抑制および/または免疫調節の可能性の喪失、ならびに炎症性マーカーの増大のリスクを上げる。さらに、細胞が集めた後に培養/増殖される場合、免疫抑制および/または免疫調節の可能性の喪失ならびに/または炎症性マーカーの増大の負の影響は、集められたバッチを通して差次的であり得、よって、バッチ間のばらつきに関する負の影響が表される。本発明者からのデータは、細胞をさらに増殖することなく本開示によりMSCを集めることは、集められた産物を構成する単一のドナー細胞と比較して、高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性をもたらし得ることを示す。よって、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、望ましい特性を呈する。よって、一実施形態では、上記本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団であって、上記集められた集団が、個々のドナーに由来するMSC集団と比較して高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性を呈する、集団が提供される。上記比較は、本発明の方法で定義されるようにアッセイした少なくとも3名の個々のドナーに由来するMSC集団、たとえばアッセイされた各個々のドナーに由来するMSC集団となされ得る。よって、上記集められた集団は、アッセイされた個々のドナーに由来するMSC集団の少なくとも約50%、たとえば約60%、たとえば約70%、たとえば約75%、たとえば約80%、たとえば約85%、たとえば約90%、たとえば約95%、たとえば約100%と比較して、高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性を呈し得る。あるいは、上記比較は、本発明の方法で定義されるように集めるために選択された個々のドナーに由来するMSC集団となされ得る。よって、上記集められた集団は、集めるために選択された個々のドナーに由来するMSC集団の少なくとも約50%、たとえば約60%、たとえば約70%、たとえば約75%、たとえば約80%、たとえば約85%、たとえば約90%、たとえば約95%、たとえば約100%と比較して、高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性を呈し得る。
一実施形態では、本明細書中開示される使用のための集められた集団は、アッセイされた個々のドナーに由来するMSC集団と比較して高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性を呈し、ここで上記亢進は、少なくとも約5%、たとえば少なくとも約7.5%、たとえば少なくとも約10%、たとえば少なくとも約12.5%、たとえば少なくとも約15%、たとえば少なくとも約17.5%、たとえば少なくとも約20%、たとえば少なくとも約22.5%、たとえば少なくとも約25%、たとえば少なくとも約30%、またはそれ以上である。
当業者は、上記に列挙した実施形態が任意の方法で組み合わせられ得ることを理解している。単に簡単にするため、ここでは様々な組み合わせを個別に列挙していないが、列A、B、およびCを有する表において本明細書中に表されている。列Aおよび/またはBのいずれかの値(行)は、本明細書中開示される一実施形態に到達するために、列Cのいずれかの値(行)と組み合わせられ得ることが理解される。列A、B、およびCからの値の選択は、無関係な選択である。よって、上記実施形態は、上記集められた集団が、アッセイした個々のドナーに由来するMSC集団の[列Aからの値]および/または集めるために選択された個々のドナーに由来するMSC集団の[列Bからの値]と比較して高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性を呈し得るように表すことができ、ここで上記亢進は、[列Cの値]である。非限定的な例示的な例として、上記集めた集団が、アッセイした個々のドナーに由来するMSC集団の少なくとも約50%と比較して高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性を呈し、ここで上記亢進は、少なくとも約10%である一実施形態、ならびに上記集めた集団が、集めるために選択された個々のドナーに由来するMSC集団の少なくとも約75%と比較して高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性を呈し、上記亢進が少なくとも約5%である一実施形態が挙げられる。
1つの特定の実施形態では、上記高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性は、刺激されていないMSCによるIDOの発現として測定される。別の実施形態では、上記高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性は、刺激されていないMSCによるPGE2の発現として測定される。
一実施形態では、上記本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、少なくとも3、たとえば少なくとも4、たとえば少なくとも5、たとえば少なくとも6、たとえば少なくとも7、たとえば少なくとも8、たとえば少なくとも9、たとえば少なくとも10名の個々のドナーに由来するMSCを含む。たとえば、上記集団は、3-10、たとえば4-10、たとえば5-10、たとえば5-9、たとえば5-8、たとえば5、6、または7名の個々のドナーに由来するMSCを含み得る。さらに、一実施形態では、上記本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、統計上有意なバッチ間のばらつきを呈さない。本方法は、好適な特性を呈する単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を得ることを可能にする。大きなバッチのMSCが、細胞を集めるステップにより得られ得ることが好適であるとみなされ、さらにこれは、製造コストの低下を可能にする。個々のドナーに由来するMSC集団を集めることにより、上述のように低い継代数で細胞を維持することが可能であり、これにより得られた単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、効力が高く、遺伝子が不安定になるリスクが低い。よって、高い効力を有する大きなバッチの遺伝的に安定した細胞を得ることができる。さらに、本明細書中開示される方法により入手可能な単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、使用される本方法のステップにより、統計上有意なバッチ間のばらつきを呈さない。
本明細書中使用される場合、用語「バッチ」は、本明細書中開示される方法により得られる単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を表す。
本明細書中使用される場合、用語「バッチ間のばらつき」は、本明細書中開示される方法により得られる単離され、集められたアロジェニックなMSC集団と、別の本明細書中開示される方法により得られる単離され、集められたアロジェニックなMSC集団との間の特性の差異を表す。
上記バッチ間のばらつきは、個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするために使用した上記少なくとも3つのアッセイのうちの1つまたはいくつかからの結果を比較することにより定量化され得る。あるいは、1つまたはいくつかの異なるアッセイが使用され得る。
本明細書中使用される場合、用語「統計上有意ではないバッチ間のばらつき」は、1つのバッチからのアッセイ結果と異なるバッチからのアッセイ結果との間の差異が統計上有意ではない(たとえばP>0.05の確率値を使用)と解釈される。上記統計上有意性は、バッチ間の分散の係数が、分散のアッセイ内および/またはアッセイ間の係数以下であると判断され得る。当業者は、適切な統計計算に精通している。
よって、一実施形態では、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団であって、集団が、統計上有意なバッチ間のばらつきを呈さない、MSC集団が提供される。一実施形態では、統計上有意ではないバッチ間のばらつきは、2つの連続してもたらされるバッチ間のばらつきである。一実施形態では、上記統計上有意ではないバッチ間のばらつきは、任意の2つのバッチ間、たとえば、2つの連続してもたらされるバッチ間、またはたとえば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のバッチだけ離れてもたらされるいずれか2つのバッチ間のばらつきである。一実施形態では、統計上有意ではないバッチ間のばらつきは、もたらされるバッチと参照バッチとの間のばらつきであり、ここで上記参照バッチは、本明細書中開示される方法により以前にもたらされる単離され、集められたアロジェニックなMSC集団である。
一実施形態では、統計上有意ではないバッチ間のばらつきは、確率値(P)>0.05、たとえばP>0.04、たとえばP>0.03、たとえばP>0.02、たとえばP>0.01、たとえばP>0.005、たとえばP>0.001に関連している。一実施形態では、上記バッチ間のばらつきは、本明細書中記載されるIDOアッセイ、本明細書中記載されるPGEアッセイ、および本明細書中記載される増殖アッセイからなる群から選択される上記3つのアッセイのうちの少なくとも2つからのアッセイ結果に基づき定量化され、少なくとも1つのアッセイは、本明細書中記載されるTregアッセイ、本明細書中記載されるDCアッセイ、本明細書中記載される単球アッセイ、および本明細書中記載されるミクログリアアッセイからなる群、たとえば、本明細書中記載されるIDOアッセイ、本明細書中記載されるPGEアッセイ、および本明細書中記載される増殖アッセイ、および本明細書中記載されるミクログリアアッセイのうち3つ全てから選択される。任意選択で、バッチ間のばらつきは、1つ以上のさらなるアッセイに基づき定量化され得る。
本明細書中説明されるように、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、たとえばエピジェネティックなメモリーのため、分化形質転換または脱分化したMSC供給源とは対照的なネイティブなMSC供給源に由来することが有用であり得る。さらに、ネイティブなMSC供給源に由来する本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、安全性、たとえば腫瘍形成能または異所性組織の形成のリスクが低いため、有用であり得る。最終的に分化しない限り、細胞は形質転換でき、in vivoで、たとえば腫瘍または異所性組織の形成を介して悪性となり得ることが知られている。対照的に、ネイティブなヒトMSC供給源由来のMSCでは、これは観察されなかった。よって、本発明の態様の一実施形態では、本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団のMSCは、ネイティブなMSC供給源から得られる。このようなネイティブな供給源は、本明細書中開示される第1の態様に関連して開示されており、単に簡潔にするため反復されていない。
本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、望ましい機能的および形態学的な特性、高い効力、統計上有意ではないバッチ間のばらつきを呈し、また、大きなバッチで入手可能である。これは、上記集団が医薬として使用される場合の予測可能性および低いばらつきを可能にする。よって、本発明の本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、標準化された薬学的な処置手法で使用され得る。本明細書中開示される方法により入手可能な単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、上記集団が医薬として、特に製剤および投与レジメンに関連して使用される場合、ロジスティックかつ投与に好適であることが想定される。ロジスティクスチェーンは、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を低温で保存し続けなければならず、よって、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の特性を維持することを確実にし、従来技術により「本発明者らが何とか増殖させた細胞数を患者に提供すること」とは対照的に、医薬として所定の細胞数を患者に投与することを可能にしている。よって、本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、治療効果および安全性の観点から予測可能性を提供する、「すぐに購入可能な(off the shelf)」標準化された医薬製品として適切である。
本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、炎症性疾患または病態、自己免疫疾患、移植拒絶反応、およびCNS障害からなる群から選択される疾患または病態の処置および/または予防に有用であることが想定されている。特に、上記本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、それを必要とする対象への投与の前に、1つまたは複数の刺激因子、たとえば炎症誘発性因子、および/または上記集団の免疫抑制能を刺激する因子へ曝露され得る。たとえば、上記刺激因子は、IFNγおよび/または腫瘍壊死因子α、および/またはアラムであり得る。
一実施形態では、上記本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、投与の数時間前、たとえば投与の直前に、IFNγまたは/および腫瘍壊死因子α、および/またはアラムへ曝露される。たとえば、上記曝露は、投与前、たとえば投与の直前の約1~約24時間の期間であり得る。たとえば、上記曝露期間は、最大約1時間、または約1、2、4、5、または24時間であり得る。上記期間は、約24時間以下のいずれかの期間であり得る。たとえば、一部の実施形態では、上記期間は、約1時間未満(言い換えると最大約1時間)であり得る。上記期間は、最大約1時間(言い換えると約1時間未満)~約24時間、または約1時間~約24時間のいずれかの期間であり得る。一部の実施形態では、上記曝露は、投与の約12時間前までに、たとえば11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1時間前に終了する。当業者は、上記曝露が、それを必要とする患者への細胞の投与の前に起こり、集めた後の、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団のさらなる培養と同等ではないことを理解している。上記曝露の目的は、患者の障害の処置に有用な因子の発現を誘導することであり、より大きな細胞集団を得るために細胞を増殖するためではない。上記曝露は、バッチ間のばらつきに影響しないことが理解されるであろう。上記集めた後の、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を集めた後に凍結(たとえば集めるステップの後にさらなる培養を全くせずに集めた直後に凍結)する場合、本明細書中論述される曝露は、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を解凍した後であるが、患者へ投与する前である。当業者は、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を曝露するステップが、細胞集団の増殖のための細胞培養とは異なることを理解している。よって、この状況での曝露は、細胞の平均倍加時間よりも短い期間である。
理論により拘束されるものではないが、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、自然免疫細胞および適応免疫細胞による応答を調節でき、未成熟な状態の樹状細胞を保持し、樹状細胞の分化およびそれらの炎症誘発性サイトカイン産生の抑制を阻害することが想定されている。よって、本発明の、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、炎症および自己免疫疾患または病態、移植片拒絶、ならびにCNS障害、たとえば筋萎縮性側索硬化症(ALS)、原発性側索硬化症(PLS)、進行性筋萎縮症(PMA)、多発性硬化症(MS)、脳性麻痺(CP)、低酸素関連の脳損傷、びまん性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、急性出血性白質脳炎、横断性脊髄炎および/または視神経脊髄炎、特にたとえば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、原発性側索硬化症(PLS)、進行性筋萎縮症(PMA)、多発性硬化症(MS)、脳性麻痺(CP)および/または低酸素関連の脳損傷;たとえば筋萎縮性側索硬化症(ALS)、原発性側索硬化症(PLS)、および/または進行性筋萎縮症(PMA)の処置および/または予防に有用であると想定されている。
COVID-19感染症は、ある範囲の神経性の症状を誘導し得、SARS-CoV-2およびコロナウイルス科の他のメンバーが中枢神経系を標的とする可能性を表している。コロナウイルス感染症に関するより徹底的な研究は、熱性けいれん、けいれん、および脳炎などの神経性の徴候を示している。現在の研究は、このウイルスが、嗅球を介してCNSに入り、炎症および脱髄をもたらし得ることを表している。理論により拘束されるものではないが、本発明者らは、免疫細胞区画の調節および免疫寛容の誘導を介して炎症プロセスを標的とするMSC療法の特性が、COVID-19の処置、およびCOVIDまたはコロナウイルスの感染症に関連する長期の神経性合併症の処置において有望な間質細胞療法の可能性を表していると想定している(Heneka et al., 2020)。同様に、多発性硬化症などの神経性障害におけるMSC療法の現在の使用は、COVID-19のなどの脱髄性病態の標的化における間質性の治療法の可能性を表している。
よって、本明細書中記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の一実施形態では、COVID-19感染症の処置および/または予防は、COVID-19感染症に関連する神経性症状、たとえば、COVID-19感染症に関連する炎症または脱髄の処置および/または予防である。
COVID-19に関する処置選択肢は、デキサメタゾン、回復期血漿、免疫グロブリンベースの処置などの別の目的で使用される薬物を含む選択肢を伴い、常に進化している。増え続ける処置選択肢にもかかわらず、長期のCOVIDの負荷、ウイルスが系を離れた後に続く疾患症状の兆候は広範囲にわたる。これら長期COVID患者の多くは、記憶の喪失、集中および睡眠に関連する問題を含む神経性の症状を呈する。COVID感染症の神経性の作用は、呼吸器関連の症状と同様に徹底的に調査されてはいない。しかしながら、多発性硬化症で見られる、せん妄、脳の腫脹および炎症、ならびにミエリンの変質を経た感染した患者が報告されている。以来、神経性作用は、脳卒中および脳出血、末梢神経の損傷、不安および外傷後ストレス障害を含み拡大している(Marshall. 2020 Nature. 585; 342-343)。一実施形態では、上記使用はCOVID-19感染症に関連する神経性症状の処置および/または予防における、COVID-19感染症に関連する炎症の処置および/または予防での使用である。一実施形態では、上記使用は、COVID-19感染症に関連する神経性症状の処置および/または予防における、COVID-19感染症に関連する脱髄の処置および/または予防における使用である。一実施形態では、長期COVID-19感染症に関連する症状の処置および/または予防での使用のため、たとえば長期COVID-19感染症に関連する神経性症状の処置および/または予防での使用のための、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が提供される。
本明細書中使用される場合、「長期COVID-19」は、ウイルス感染症の回復後のCOVID-19感染症に関連する症状の持続を表す。本明細書中使用される倍、用語「長期COVID-19感染症に関連する神経性症状」は、ウイルス感染症の回復後のCOVID-19感染症に関連する神経性症状の持続を表す。
本明細書中使用される場合、用語「注入」は、注入および注射を包有すると解釈することを意味する。よって、たとえば、用語「髄腔内注入」は、「髄腔内注射」を包有する。
一実施形態では、上記使用は、それを必要とされる患者への注入としての、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の投与を含む。一実施形態では、上記注入/注射は、静脈内、腹腔内、またはリンパ内(intralymphatically)、静脈内、髄腔内、脳内投与であるか、かつ/またはOmmayaリザーバーを介してか、動脈内、もしくは皮下にて投与される。一実施形態では、上記注入/注射は、静脈内、腹腔内、リンパ内(intralymphatically)、静脈内、髄腔内、脳内、Ommayaリザーバーを介してか、動脈内、または皮下にて投与される。一実施形態では、上記注入/注射は、静脈内、腹腔内、またはリンパ内(intralymphatically)、静脈内、髄腔内、脳内、Ommayaリザーバーを介してか、動脈内、皮下、または筋肉内にて投与される。一実施形態では、上記注入または注射は、筋肉内に投与される。一実施形態では、上記注入は、静脈内、腹腔内、またはリンパ内(intralymphatically)、たとえば静脈内にて投与される。一実施形態では、上記投与は、静脈内注入または静脈内注射である。
MSCを使用した神経性疾患に対して提案されている再生手法は、細胞が脳内または髄腔内注入/注射を介して送達される細胞療法を含む。よって、一実施形態では、上記使用は、髄腔内または脳内注入/注射、たとえば髄腔内注入/注射としての、上記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の投与を含む。MSCの脳への移植後の関連する作用機構は、主にパラクリンの作用を介して、MSCが神経発生を促進し、アポトーシスおよびネクローシスを減少させ、フリーラジカルのレベルを低減し、損傷したニューロンからのシナプス結合を奨励し、多様な神経栄養因子を放出し、炎症を制御し、血管損傷を低減することを含む(Joyce, 2010, Regen Med. Nov;5(6):933-46;Lima et al., 2020, Stem Cell Res Ther. 11:367)。
別の実施形態では、上記使用は、静脈内注入/注射としての、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の投与を含む。別の実施形態では、上記使用は、筋肉内注入/注射としての、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の投与を含む。
MSCの調節の性質およびHLA-DRの低い発現は、MSCのアロジェニックな移植がドナーとレシピエントとの間でHLAが一致することなく受け入れられ得ると想定するための2つの理由である。上記注入/注射が、患者の治療上の必要性に応じて、反復してまたは1回のみ行われ得ることが想定されている。理論により拘束されるものではないが、1回の注入/注射または反復した注入/注射による上記投与は、処置した患者に抗HLA抗体の臨床的に関連するレベルをもたらさないことが想定されている。よって、上記患者は、本明細書中記載されるいくつかの注入/注射の処置に適格がある。よって、一実施形態では、上記注入/注射は、1回のみ行われる。別の実施形態では、上記注入/注射は、反復して行われる。たとえば、上記注入/注射は、2回、3回、4回、またはそれ以上行われ得る。上記注入/注射は、たとえば、1カ月ごと、2カ月ごと、3カ月ごと、4カ月ごと、5カ月ごと、または6カ月ごと、またはそれ以上の間隔で行われ得る。
特に、上記本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が本明細書中開示されるCNS障害の処置および/または予防での使用のためのものである実施形態では、注入/注射は、1カ月ごと、2カ月ごと、2カ月ごと、3カ月ごと、4カ月ごと、5カ月ごと、または6カ月ごと、またはそれ以上の間隔で行われ得る。上記処置は、それを必要とする患者の寿命の間続行され得ることが想定され得る。
よって、一実施形態では、上記投与は、上記患者に抗HLA抗体の力価を誘導しないか、低いレベルで誘導する。本明細書中使用される場合、「抗HLA抗体力価が低いまたはない」との文言は、臨床上無関係であるとみなされる力価を表す。固相マルチプレックス技術による抗体分析は、より正確な、HLA抗体の幅および強度の定義を可能にした。これら結果を、実際の細胞ベースのクロスマッチにより得た結果、および最終的なグラフトのアウトカムと相関させることにより、臨床上関連する抗体が、中心に特異的な方法(center specific manner)で定義され得る(Zachary et al. Hum Immunol 2009; 70: 574-579)。当業者は、臨床上無関係な抗HLA抗体の力価が、1000より高いドナーに特異的な抗体の平均蛍光強度(MFI)(DSA MFI>1000)でのLABScreen single antigenビーズ試験により定義され得ることを理解している。
本明細書中記載される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団は、治療上有効用量で投与される。一実施形態では、本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団であって、上記使用が、およそ少なくとも3×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも5×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも10×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも15×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも20×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも25×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも30×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも50×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約60×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約75×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約100×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約150×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約200×106個の細胞の用量での上記患者への投与を含む、MSC集団が提供される。一実施形態では、上記使用は、およそ少なくとも0.1×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,3×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,5×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,75×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも1×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも1,2×106個の細胞/kg体重の用量での上記患者への投与を含む。一実施形態では、上記使用は、約0.1×106個の細胞/kg体重~約10×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.15×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.20×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.3×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約3×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約2×106個の細胞/kg体重、または約0.3×106個の細胞/kg体重~約1.2×106個の細胞/kg体重の用量で上記患者へ投与するステップを含む。
本明細書中開示される使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、医薬組成物として有用であることが想定されている。
よって、本開示の第2の態様では、本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団と、少なくとも薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物が提供される。上記医薬組成物は、たとえばCOVID-19感染症、たとえばCOVID-19感染症に関連する神経性の症状、たとえばCOVID-19感染症に関連する炎症または脱髄の処置および/または予防のための、医薬として有用であり得る。
本医薬組成物は、本開示の第4の態様に関連して列挙された疾患または病態のいずれか1つの処置および/または予防に有用であり得ることが理解されるであろう。疾患または病態は、簡便性のためここでは反復していない。一実施形態では、上記医薬組成物は、およそ少なくとも3×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも5×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも10×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも15×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも20×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも25×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも30×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも50×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約60×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約75×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約100×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約150×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約200×106個の細胞を含む。よって、上記組成物の1つの用量は、上述の数の細胞を含む。
一実施形態では、上記医薬組成物は、本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団であって、上記集団が、集められた後にさらなる培養に供されていない、MSC集団を含む。
別の実施形態では、上記医薬組成物は、本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団であって、上記集団が、投与の前、たとえば投与の直前の期間の間、IFN-γまたは/および腫瘍壊死因子α、および/またはアラムに曝露されている、MSC集団を含む。上記集団は、約24時間以下の期間の間、曝露され得る。たとえば、一部の実施形態では、上記期間は、約1時間未満(言い換えると最大約1時間)であり得る。たとえば、上記集団は、投与の前、たとえば投与の直前に、最大約1時間(言い換えると約1時間未満)~約24時間、または約1~約24時間、曝露され得る。たとえば、上記曝露期間は、最大約1時間、約1時間、4時間、6時間、12時間、または約24時間であり得る。上記期間は、約12時間~約24時間のうちのいずれかの期間であり得る。一部の実施形態では、上記培養は、投与の約12時間前までに、たとえば約11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1時間前に終了する。
一実施形態では、上記医薬組成物は、注入/注射;たとえば静脈内注入/注射、腹腔内注入/注射、リンパ内(intralymphatical)注入/注射、静脈内注入/注射、脳内注入/注射、髄腔内注入/注射、脳内注入/注射、動脈内注入/注射、皮下注入/注射、Ommayaリザーバーを介した注入/注射;たとえば脳内または髄腔内注入/注射のために製剤化されている。一実施形態では、上記医薬組成物は、静脈内注入/注射のために製剤化されている。一実施形態では、上記医薬組成物は、静脈内注入または静脈内注射のために製剤化されている。
本開示の第3の態様では、COVID-19感染症であるかまたはこれに関連する疾患または病態の処置および/または予防のための方法であって、
本明細書中定義される方法を使用して、単離され、集められたアロジェニックな間葉系幹細胞/間質細胞(MSC)集団を得るステップと、
本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団または前記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を含む医薬組成物の治療上有効量を、それを必要とする患者に投与するステップと、
を含む、方法が提供される。
一実施形態では、上記疾患または病態は、COVID-19感染症であるかまたはCOVID-19感染症に関連している。一実施形態では、上記疾患または病態は、COVID-19感染症であるかまたはCOVID-19感染症に関連する炎症である。一実施形態では、上記疾患または病態は、COVID-19感染症であるかまたはCOVID-19感染症に関連する脱髄である。
当業者は、本開示の第1の態様に関連して言及された全ての実施形態が、等しく本発明の処置および/または予防の方法に適用可能であることを理解している。簡便性のため、上記実施形態は、ここでは反復されておらず、簡潔にのみ言及されている。上記方法の一実施形態では、上記MSC集団の投与は、注入/注射、たとえば静脈内注入/注射、腹腔内注入/注射、リンパ内(intralymphatical)注入/注射、静脈内注入/注射、髄腔内注入/注射、脳内注入/注射、動脈内注入/注射、皮下注入/注射、またはOmmayaリザーバーを介した注入/注射によるものである。上記方法の一実施形態では、投与は、静脈内、腹腔内、またはリンパ内注入/注射によるものである。上記方法の一実施形態では、投与は、髄腔内注入/注射、または脳内注入/注射によるものである。上記方法の一実施形態では、投与は、静脈区内注入/注射によるものである。上記方法の一実施形態では、投与は、静脈内注入または静脈内注射によるものである。
一実施形態では、上記注入は、反復して行われる。別の実施形態では、上記注入/注射は、1回のみ行われる。本明細書中開示される処置および/または予防のための方法の一実施形態では、上記方法は、患者に抗HLA抗体力価を誘導しないかまたは低いレベルで誘導する。一実施形態では、上記方法は、上記患者に、およそ少なくとも3×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも5×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも10×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも15×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも20×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも25×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも30×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも50×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約60×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約75×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約100×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約150×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約200×106個の細胞の用量を投与するステップを含む。一実施形態では、上記方法は、上記患者に、およそ少なくとも0.1×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,3×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,5×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,75×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも1×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも1,2×106個の細胞/kg体重の用量を投与するステップを含む。一実施形態では、上記方法は、上記患者に、約0.1×106個の細胞/kg体重~約10×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.15×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.20×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.3×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約3×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約2×106個の細胞/kg体重、または約0.3×106個の細胞/kg体重~約1.2×106個の細胞/kg体重の用量を投与するステップを含む。
本開示のさらなる別の態様では、COVID-19感染症またはCOVID-19感染症に関連する症状の処置および/または予防のための医薬の製造における、本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の使用が提供される。
この態様の一実施形態では、上記使用は、COVID-19感染症に関連する神経性症状の処置および/または予防のための医薬の製造における使用である。この態様の一実施形態では、上記使用は、COVID-19感染症に関連する炎症の処置および/または予防のための医薬の製造における使用である。この態様の一実施形態では、上記使用は、COVID-19感染症に関連する脱髄の処置および/または予防のための医薬の製造における使用である。この態様の一実施形態では、上記使用は、長期COVID-19感染症に関連する症状、たとえば長期COVID-19感染症に関連する神経性症状の処置および/または予防のための医薬の製造における使用である。本明細書中開示される第1の態様に関連して列挙される全ての実施形態は、等しく、この態様に関連しており、単に簡便性のためここで反復されていないことが理解されるであろう。
本開示の別の態様では、MSC集団の効力を評価するための方法であって、
MSC集団を培養または準備するステップと、
少なくとも3つのアッセイを使用して上記MSC集団をアッセイして、上記少なくとも3つのアッセイの結果を得るステップと、
各アッセイで、前記アッセイ結果に基づき、スコアの値を上記MSC集団に割り当てるステップであって、高いスコアの値が、より望ましいアッセイ結果を表すか、または低いスコアの値が、より望ましいアッセイ結果を表す、ステップと、
各アッセイに割り当てたスコアの値に基づき、総スコアの値を上記MSC集団に割り当てるステップであって、高いスコアがより望ましいアッセイ結果を表す場合、高い総スコアの値がより望ましい集団特性を表し、または、低いスコアの値がより望ましいアッセイ結果を表す場合、低い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す、ステップと、
上記総スコアの値が、高いスコアがより望ましい結果を表す場合に所定の値よりも高い場合MSC集団を強力であるとみなすか、または上記総スコアの値が、低いスコアの値がより望ましいアッセイ結果をあらわす場合に所定の閾値未満である場合、MSC集団を強力であるとみなすステップと
を含む方法が、提供される。一実施形態では、上記少なくとも3つのアッセイのうちの2つは、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ;および末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択され、
上記少なくとも3つのアッセイのうちの1つは、免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ;単球に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、ならびにミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞に及ぼす上記MSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択される。一実施形態では、本方法は、本明細書中記載される第1の態様の文脈で開示されるアッセイを使用する。
単離され、集められたアロジェニックなMSC集団はさらに、ex vivoでの治療に使用される細胞の培養に有用であり得、たとえば、MSC集団は、フィーダー細胞として、または目的の因子またはシグナルの提供に使用され得る。よって、本開示のさらなる別の態様では、免疫細胞の共培養のための本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が提供される。たとえば、上記MSC集団は、免疫細胞、たとえば限定するものではないが樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、リンパ球(B細胞またはT細胞など)、単球、およびマスト細胞のex vivoでの増殖および/または刺激のための培養におけるフィーダー細胞として使用され得る。上記MSC集団は、エキソソーム産生細胞および/またはパラクリン因子産生細胞として、ならびにまたは培養物におけるMSCと免疫細胞との間の細胞間の刺激のために、使用され得る。一実施形態では、免疫細胞の共培養のためのフィーダー細胞としての本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の使用が提供される。一実施形態では、上記集団と共培養した免疫細胞の刺激のための本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の使用が提供される。本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団と共培養した免疫細胞が、治療に有用であることが想定されている。
試験の定義
本明細書中使用される場合、以下の試験は、開示される臨床試験で行われており、当業者は、上記試験に精通している。
MAS(Modified Ashworth Spasticity scale)は、受動的な軟組織の伸展の間の抵抗を測定し、痙縮の単純な測定値として使用される。両肘および両膝の筋緊張は、MASを使用して定量化される(Bohannon and Smith, 1987, Physical Therapy, 67(2), 206-207);
クオリティオブライフ(QoL)は、個体の福祉または欠陥の評価である。個体の日常生活で知覚する質を表す;
HAD 不安および抑うつは、病院での不安および抑うつの尺度である。
FVC(努力肺活量)は、可能な限り深く呼吸した後に肺から強制的に吐き出され得る空気の量を表す。
本発明を、様々な例示的な態様および実施形態を参照して記載してきたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ得ることおよび均等物がその要素と置換され得ることを理解している。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況、MSC集団、または組成物を、本発明の教示に適合するために、多くの修正がなされ得る。よって、本発明は、企図されるいずれの特定の実施形態にも限定されないが、本発明は、添付の特許請求の範囲内にある全ての実施形態を含むことが意図されている。以下の非限定的な実施例により、本発明をさらに例示する。
実施例
本発明の非限定的な実施例は、in vitroで増殖した間葉系幹細胞である本発明のアロジェニックなMSC組成物の作製であって、細胞の性質決定、適切なドナーに由来する細胞集団の選択、および上記ドナーに由来する細胞集団を集めて上記組成物を得ることを含む、作製を記載する。実施例1~5は、本発明の集めたアロジェニックなMSC組成物を得るプロセスを記載する。実施例6~9は、COVID-19および/またはCOVID-19に関連する症状の処置および/または予防に関する、上記集めたアロジェニックなMSC組成物を使用する臨床試験を記載する。
実施例のセクションで使用される場合、以下の用語は、以下で説明される意味を有する。
マスターセルストック(Master Cell Stock)-特定の継代の薬物物質中間体(Drug Substance Intermediate)を定義するために使用される用語。本明細書中提示される実施例では、マスターセルストックは、継代0の薬物物質中間体である。当業者は、マスターセルストックが、継代1または2の薬物物質中間体であり得ることを理解している。
薬物物質中間体-産生中であり、よって増殖している単一のドナー由来のMSCを定義するために使用される用語。プロセスにおいて質の基準を満たしているが、未だ選択アルゴリズムで評価されていない。薬物物質中間体は、本明細書中開示される個々のドナーに由来するMSC集団に対応しており、個々のドナーに由来するMSC集団は、未だ集めるために選択されていない。
薬物物質-製造における質の基準に一致しており、選択アルゴリズムにより望ましい特徴を有すると同定されている単一のドナー由来のMSCを定義するために使用される用語。よって、さらなる培養または増殖に供されない。よって薬物物質は、本明細書中開示される個々のドナーに由来するMSC集団に対応し、個々のドナーに由来するMSC集団は、集めるために選択されている。
薬物産物-用語薬物産物は、選択アルゴリズムにより望ましい特徴を有すると同定された複数のドナーに由来するex vivoで増殖したホウォートンゼリー由来の間葉系幹細胞(WJMSC)の細胞懸濁物を表す。薬物産物は、本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団に対応する。
最終産物-用語最終産物は、薬物産物と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物を表す。
明確にするため、用語「抗原X-抗体」および「抗抗原X-抗体」は、本明細書中使用される場合、両方とも、抗原Xに対して親和性を有する抗体を表す。上記用語は、互換可能に使用される。
実施例1
本発明の実施例は、ホウォートンゼリーに由来するMSCの回収、輸送、ex vivoでの増殖、および凍結保存のプロセスを記載する。さらに、感染病原体に関して母系の血液が試験される。さらに、培養条件が記載されている。
材料および方法
ホウォートンゼリー由来のMSCのマスターセルストックのための製造は、ドナー認定からの連続的なプロセスおよびゼノフリー培養系でのその後の増殖である。
臍帯(UC)サンプルを、(感染病原体のスクリーニングのため)胎盤の娩出および臍帯血の回収の後に自然分娩の後および帝王切開の後に回収する。また、母体の末梢血サンプルを回収する。
コンタミネーションのリスクを最小限にするために、使い捨ての無菌のはさみおよび鉗子を使用し、臍帯のフラグメントを、1%の抗生剤/抗真菌剤溶液(Gibco Cat.no:15240-062)を補充した輸送液(99%の塩化ナトリウム(0.9%sol.)(Fresenius Cat.no:PK03XE050PL)で満たした無菌の輸送コンテナに入れる。サンプルは、保護ボックスの中に入れて製造社の研究室へ輸送する。輸送状態はモニタリングされ、UC組織は、小児分娩の72時間以内に処理される。ホウォートンゼリー組織の単離および細胞単離のための外植片の培養は、ゼノフリー、血清フリーの培地および化合物を使用してGMPラボで行う。
UC組織を供給源物質として認定することは、医学的なアンケートに対する完全な応答および感染病原体の試験のためUC回収から7日以内に回収した母系の末梢血サンプルの提出を必要とする。ドナーのサンプリング、試験、およびスクリーニング(医学的な健康のアンケート)は、Annex II of Directive 2006/17/ECに従うものである。全てのドナーの試験キットは、意図した使用のためバリデートされている。臍帯の認定前に行う感染病原体の試験は、表1に列挙されている。回収したサンプルの約10~25%は、さらなる産生に関して認定される。
製造社の研究室に到着した後、UCフラグメントを輸送容器から取り出し、無菌の輸送液で洗浄する。UCを解剖し、血管を除去する。ホウォートンゼリー組織を、無菌のランセットで1~2mm3に細分化し、初代外植片培養のため接着用溶液(1%のMSC Attachment Solution Stock 99% D-PBS)でコーティングした培養フラスコの中のゼノフリー血清フリー培地の中へ入れる。フラスコを、5%のCO2において37℃でインキュベートする。1~2週間後、培養物を、接着性線維芽細胞様細胞の存在に関して試験する。培養物における非接着性細胞の存在は全て洗い出される。細胞培養培地は、94%のNutriStem(登録商標)XF(Biological Science, Cat no: 05-200-1A)、5%のNutriStem(登録商標)XF Supplement Mix(Biological Science, Cat no:05-201-1U)、および1%の抗生剤/抗真菌剤溶液(Gibco Cat.no:15240-062)を含む。90%のコンフルエンスに達した後、初代由来の接着性細胞を継代培養(培養物の酵素の消化を制御)し、P0のマスターセルストックを作製し、
(i)液体窒素保存の気相で凍結保護物質溶液(70-80%のヒト血清アルブミン(5%sol.)(CSL Behring Cat.no:Alburex 5)および20-30%のジメチルスルホキシド(WAK Chemie, Cat.no: WAK-DMSO-50))の存在下で凍結保存するか、または
(ii)さらなる増殖のためすぐに再播種する。
細胞を、継代1での増殖のため解凍する場合、マスターセルストックは、数時間のみ存在する。この短いマスターセルストックの寿命にかかわらず、図1に記載される全ての試験を行う。
臍帯組織の回収から薬物産物の放出までの製造プロセスで使用される動物起源の原材料は存在しない。
外植片の初代培養の間および各細胞継代のマスターセルストックの製造の終了時に、サンプルを採取して、細菌および真菌のコンタミネーション、マイコプラズマおよびエンドトキシンの存在を判定する。細胞の数およびバイアビリティを、マスターセルストックおよび薬物産物において評価する。微生物培養、マイコプラズマ、およびエンドトキシンは、最終産物から評価する。さらに、薬物産物の1つの参照産物を解凍することができ、試験する細胞培養物が確立される。この試験培養物は、産物の安全純度(微生物の培養およびマイコプラズマおよびエンドトキシンの試験、核型などによる)、効力(細胞数、接着効率、およびバイアビリティ)、ならびに同一性(サイトメトリーによる免疫表現型検査)のさらなる最終的な確認のための物質の供給源として機能する。表3に列挙される承認の基準を満たす培養物は、次のステップの処理または凍結保存に適切であり、培養物の評価のための分析手法は、実施例2に説明されている、不純物に関する質の基準は、全体で細胞の5%未満が陰性細胞表面マーカーのいずれかを発現し得(まとめて分析される)および細胞の少なくとも70%が陽性細胞表面マーカーに対して陽性でなければならないこと(別々に分析される)である。
結果
製造社は、自然分娩の後に得た臍帯に由来するWJMSCの微生物学的な安全性を示した。製造の次のステップの間の輸送液に対する抗生剤/抗真菌剤溶液の添加は、マスターセルストックおよび薬物産物における微生物(細菌および真菌)の不存在をもたらした。
異なるドナーから得た細胞の特徴のレトロスペクティブな分析は、表4に記載されるように、同等の薬物産物を製造するため全てのMSCが一致する基準を得ることを可能にする。
本発明の手法は、必要とされる安全性の基準を満たす著しく均質なMSC集団を提供する。
実施例2
本発明の実施例は、ISCTの基準に一致したMSCに関する形態、増殖能、およびマーカーの発現に基づくドナー由来のMSCの性質決定を記載する。さらに、細胞は、マイコプラズマ、エンドトキシン、細菌性混入物、真菌性混入物、ウイルス性混入物、および/またはエンドトキシンの存在に関してスクリーニングされ、核型の試験が行われる。記載される性質決定は、薬物物質中間体に由来するMSC集団の同定をもたらし、MSCは、集めるための質の基準を満たしている。
材料および物質
まず、MSCは、標準的な培養条件で維持される場合、プラスチックに接着していなければならない。プラスチック接着細胞は、以下に記載される分析手法に供される。培養物は、以下に提供される分析手法によりスクリーニングされる。
分析手法
感染病原体
サンプリング.WJ-MSCの製造のための供給源の物質(臍帯の胎盤の一部)は、胎盤の娩出から数分以内に得られる。よって、感染病原体の感染の唯一の方法は、胎盤を介した母体血からである。ドナーの母親の末梢血の2つのサンプルは、分娩および供給源組織を回収した日に回収する。
分析.化学発光のイムノアッセイではABBOTT ARCHITECT 2000およびNATアッセイではProcleix PANTHER Systemを、製造社の指示にしたがい使用する。化学発光のイムノアッセイのためABBOTT ARCHITECT 2000を使用して以下の試験を行う:HIV Ag/Ab Combo;HBsAg Qualitative II;抗-HBc II;抗-HCV;CMV IgM;CMV IgG;Toxo IgM;Toxo IgG;および梅毒 TP。さらに、Proclex Utrio Plus Assayを使用して、ヒトドナーに由来する血漿および血清の検体におけるHIV-1 RNA、C型肝炎ウイルス(HCV)RNAおよびB型肝炎ウイルス(HBV)DNAのin vitroでの核酸の増幅を定性的にスクリーニングする。
受け入れ基準.試験の結果は、感染病原体に対して「陰性」、「反応なし」、または「検出せず」でなければならない(CMV IgGを除く:この試験の正の結果を有する場合、製造社は、リアルタイムPCR試験により産物におけるCMV DNAの欠損の確認を行う)。
無菌性
サンプリング.酵素的回収の後の培養物に由来する細胞および上清のサンプル(10mL)。
分析.サンプルを、嫌気性菌および好気性菌の増殖、ならびに真菌のコンタミネーションの検出を意図した2つのBACTECビンに播種する。ビンを、BACTEC FX400微生物分析器に14日間置く。
受け入れ基準.試験の結果は、14日間のインキュベーションの後に、好気性嫌気性菌および真菌性微生物に関して「陰性」または「検出せず」でなければならない。
マイコプラズマ
サンプリング.酵素的回収の後の培養物由来の細胞および上清のサンプル(0.1mL)。
分析.Venor(登録商標)GeM Classic Assay(Merck KGaA, cat no MP0025)は、PCR増幅に基づくものであり、製造社の指示にしたがい使用する。
受け入れ基準.試験の結果は、ゲルスロットにおける増幅で「検出せず」でなければならない。
エンドトキシン
サンプリング.酵素的回収の後の培養物由来の細胞および上清のサンプル(0.5mL)。
分析.Endosafe(登録商標)-PTS(商標),(Charles River Laboratories, cat no PTS2005F)のリアルタイムのエンドトキシン試験システムを、製造社の推奨にしたがい使用する。
受け入れ基準.試験結果は、「検出せず」でなければならない。
細胞計数
サンプリング.酵素的回収後の培養物由来の細胞のサンプル(0.5mL)。
分析.Malassezチャンバーを用いた細胞数の光学顕微鏡での分析
受け入れ基準.必要とされる細胞数の98%以下。
細胞のバイアビリティ
サンプリング.酵素的回収の後の培養物由来の細胞のサンプル(0.5mL)。
分析.7-AAD(Becton, Dickinson and Company, Cat.no. 559925)で染色した細胞懸濁物のフローサイトメトリーによる分析を、FACS Caliburフローサイトメーターを使用して行う。
受け入れ基準.80%超の生細胞
免疫表現型検査
サンプリング.酵素的回収後の培養物由来の細胞のサンプル(0.5mL)
分析.モノクローナル抗体で以前に標識した細胞のフローサイトメトリーによる分析を、FACS Caliburフローサイトメーターを使用して行う。試験される抗体は、表4に列挙されている。
受け入れ基準-細胞の70%超でのCD73、CD90、およびCD105の発現。系列抗原(CD45、CD34、CD14、またはCD11b、CD79α、またはCD19、およびHLA-DR表面分子)の発現の欠如。
核学
サンプリング.このアッセイで特に行われる細胞培養物
分析.培養物を、コルセミドでブロッキングし、ギムザ染色する。染色体および構造異常の数を評価する。
受け入れ基準.46の染色体、XY、またはXX;目に見える異常なし。
分化アッセイ
細胞を、分化に供する。
分析.分化アッセイを、製造社の指示にしたがい使用する。Human Mesenchymal Stem Cell functional Identification Kit、Catalog Number SC006, R&D Systems, Inc(複数の間葉系統へと分化するそれらの特性に基づくヒトMSCの同定のため設計)。このキットは、脂肪生成系統、軟骨形成系統、または骨形成系統へとMSCを効率的に分化するために使用できる、特に製剤化された脂肪生成、および軟骨形成、および骨形成の培地のサプリメントを含む。抗-mFABP4、抗-hAggrecan、および抗-hOsteocalcinからなる抗体のパネルは、脂肪細胞、軟骨細胞、および骨細胞のそれぞれの成熟した表現型を定義するために含まれる。StemPro(登録商標)Chondrogenesis Differentiation Kit, Catalogue number: A1007101, Thermo Fisher Scientific Inc.(組織-培養物の血管における間葉系幹細胞(MSC)の軟骨形成の分化のために開発)。このキットは、軟骨形成経路に専心しており、軟骨細胞を作製するMSCを誘導するために必要な全ての試薬を含む。
受け入れ基準.in vitroでの骨芽細胞、脂肪細胞、および軟骨眼細胞へ分化する特性。
結果
得られたMSC集団は、標準的な培養条件で維持される場合プラスチックに接着性である。MSCは、実施例3に提供されるように、CD105、CD73、およびCD90を発現し、CD45、CD34、CD14、またはCD11b、CD79α、またはCD19およびHLA-DRの表面分子の発現を欠いており、in vitroで骨芽細胞、脂肪細胞、および軟骨眼細胞へ分化できる。よって、集めることに適格のあるMSC集団が同定される。
これら基準が現在使用されているが、これらは、たとえばISCTの基準によりMSCの定義の変更をもたらす新規の知識が明らかとなる場合、修正を必要とし得、本発明者らは、上記の標準的な基準の最小限のセットがMSCのより均一な性質決定を提供すると信じている。本明細書中使用される場合、MSCは、ISCT由来の基準により定義される。
実施例3
本実施例は、集められるMSC集団を選択するための形態、増殖、および機能の特徴に関して薬物物質中間体由来のMSC集団を性質決定するために使用されるスクリーニングアッセイを記載する。
材料および方法
以下は、MSC集団を性質決定するために使用される6つのアッセイの記載をたどる。
アッセイ1-IDO:IDOアッセイは、薬物物質中間体または薬物物質、すなわち間葉系幹細胞/間質細胞(MSC)の免疫抑制能を分析するために使用される。
UC-MSCの免疫調節の可能性は、培養物の上清におけるトリプトファンおよびキヌレニンを測定することにより決定されるインドールアミン 2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の活性の測定値として報告される。インドールアミン-ピロール2,3-ジオキシゲナーゼ(IDOまたはINDO EC 1.13.11.52)は、ヒトにおいてIDO1遺伝子によりコードされるヘム含有酵素である。IDO酵素は、L-トリプトファンを、T細胞を含む免疫細胞の増殖の阻害剤として作用し、抗細菌性および抗ウイルス性の機能を呈する免疫抑制分子である、N-ホルミルキヌレニン(またはキヌレニン)に変換する。IDO活性は、キヌレニン/トリプトファンの比率であり、ELISAキットを使用して細胞培養物の上清に存在するトリプトファンおよびキヌレニンの量を計算することにより決定され得る。腫瘍壊死因子αの存在下または不存在下にてインターフェロンγ(IFNγ)で刺激した場合、間葉系幹細胞/間質細胞(MSC)は、刺激しない場合よりも多くのIDOを分泌する。
誘導性IDO活性は、放出される細胞が、免疫調節に関連した機能的な効力を有することを表す。
MSCの培養:100μlのアッセイ培地(DMEM、低グルコース、GlutaMAX(商標)補助剤、ピルビン酸塩(ThermoFisher Scientific, cat no. 21885025)+10%のウシ胎仔血清、適格、熱不活性化(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071))において48ウェル培養プレートに10 000 MSC/ウェルを播種する。ストックからIFNγを1mg/mlに希釈する(ThermoFisher Scientific, cat no. PHC4033)。IFNγ/ウェルの最終濃度は、100ng/mlである。200ng/mlのIFNγ100μlをウェルに添加する。100μlのアッセイ培地を刺激していない細胞(IFNγなし)に添加する。細胞培養プレートを、37℃、5%のCO2にて72時間インキュベートする。各ウェルから上清を除去し、ELISA分析のためのさらなる処理まで、-20℃でマイクロチューブに保存する。
トリプトファンおよびキヌレニンの測定は、ELISAキットの製造社により提供されるマニュアル(Immundiagnostik AG, cat no. K 3730およびK 3728)により行われる。トリプトファンおよびキヌレニンのELISAは両方とも、同日ではあるが別の状況で行われる。2つのELISAは、製造社の指示にしたがい行われる;各ELISAのマニュアルを参照されたい。
620nmでのバックグラウンド減算を伴う450nmでの吸収を、Spectramax マイクロプレートリーダー(Molecular Devices, Spectramax 190)で測定する。
分析結果:測定した吸光度の量は、サンプルに存在するアミノ酸の量に逆比例しており、すなわちOD450が低いほど、キヌレニンまたはトリプトファンが多い。4PL-アルゴリズム(Four Parameter Logistic Regression)が、結果を計算するためキットの製造社により推奨されるように使用される(software SoftMax Pro 7.0.2, Molecular Devices)。濃度は、標準曲線から直接決定される。キットと共に提供される対照サンプルは、認容性に関して評価される。キットの製造社により許容可能な範囲の外にある場合、サンプルは再度アッセイする必要がある。
結果
薬物物質中間体由来のIFNγで処置した細胞の相対的なIDO生体活性は、選択アルゴリズムによるサンプルのランク付けのために使用される(実施例4)。生体活性が最も高いドナーは、最も高いランキングスコアを得る。ランキングスコア(表5)は、後に、ドナーの最終的な選択で使用される(実施例4参照)。
アッセイ2:増殖アッセイ
この方法は、薬物物質中間体および/または薬物物質の免疫抑制作用、すなわち臍帯由来のMSCが、末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす免疫抑制作用を定量的に測定するために使用される。MSCは、Tリンパ球の増殖を抑制することが示されている。MSCと混合リンパ球の反応は、MSCの免疫抑制活性を示すために高頻度で使用される。
フィトヘマグルチニン(PHA)は、Tリンパ球の増殖を活性化するマイトジェンとして使用される。薬物物質中間体および/または薬物物質の免疫抑制活性は、PHAで刺激したTリンパ球の増殖の減少として定量化される。
培養およびCFSEのプライミング:MSC(2×105個の細胞/ウェル)を含む500μlの作業培地(RPMI1640(ThermoFisher Scientific, cat no. 12633012)+2mMのGlutamax(ThermoFisher Scientific, cat no. 35050061)+100U/mlのPest(ThermoFisher Scientific, cat no. 15140122)+10%のFBS(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071)を、12ウェルの細胞培養プレートに播種する。プレートは、細胞のプラスチック接着のため、37℃、5%のCO2で2時間インキュベートする。Lymphoprep(商標)キットは、製造社の指示(Stem Cell Technologies, cat no. 07801)にしたがい、中心の血液(blood central)から回収した提供された末梢血由来の単核細胞の単離のために使用する。PBMCは、RPMI 1640に22×106個の細胞/mlで懸濁される。CellTrace(商標)CFSE Cell Proliferation Kit(ThermoFisher Scientific, cat no. C34554)は、増殖を分析するために製造社の指示にしたがい使用される。CFSEでプライミングしたPBMC(1×106個の細胞/ウェル)を、12ウェル細胞培養プレートに播種し、PHAを、マイトジェンとして添加する。
分析:CFSE陽性細胞を、Accuri C6 plusフローサイトメーターにより分析する。CFSEヒストグラムは、3または4つのピークを含み、右から1番目の上部は、分割していない細胞(G0)を表す。以下の上部は、異なる世代(G1~G4)を示す。
増殖指数(PI)は、細胞分裂に入った親細胞の数で除算した全世代の全細胞数として計算される。
結果
各薬物物質中間体の平均増殖指数は、ドナーの相対的な比較に使用される。最も小さなPIを有するドナーは、最も高いランキングスコアを得る。ランキングスコア(表6)は、後に、ドナーの最終的な選択に使用される(実施例4参照)。
アッセイ3:プロスタグランジンE2
プロスタグランジンE2(PGE2)アッセイは、フィトヘマグルチニン(PHA)で活性化した末梢血単核球(PBMC)と共培養した場合の薬物物質および/または薬物物質のPGE2の分泌を評価する。
細胞培養:細胞は、PHA(Merck, cat no. 11082132001)の存在下および不存在下にて、MSC-PBMC 1:5の共培養細胞比率にて、アッセイ培地(DMEM、低グルコース、GlutaMAX(商標)補助剤、ピルビン酸塩(ThermoFisher Scientific, cat no. 21885025)+10%のウシ胎仔血清、適格、熱不活性化(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071))において3日間培養する。12ウェル細胞培養プレートにおいてウェルあたり4000個のMSCを播種する。細胞培養プレートは、37℃、5%のCO2にて2時間インキュベートして細胞を接着させる。
Lymphoprep(商標)キットは、製造社の指示(Stem Cell Technologies, cat no. 07801)にしたがい、中心の血液から回収した提供された末梢血由来の単核細胞の単離のために使用する。PBMCは、0.5×106個の細胞/mlにてアッセイ培地に懸濁し、400μlを、PBMCのため意図されたウェルへ播種する。500μlのアッセイ培地を、PBMCを含まないウェルに添加する。100μg/mlの100μl/ウェルを、PHA~PBMC含有ウェルに添加し、細胞培養プレートを、37℃、5%のCO2にて72時間インキュベートする。上清を各ウェルから除去し、500gで5分間遠心分離して微粒子を除去する。上清を凍結し、ELISA分析のためのさらなる処理まで-20℃で保存する。
Parameter(商標)プロスタグランジンE2イムノアッセイキットは、製造社の指示(Bio-Techne, cat no. KGE004B)に従い、PGE2発現の検出のために使用され、Spectramaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices, Spectramax 190)で分析される。結果を計算するために、4PL-アルゴリズム(Four Parameter Logistic Regression)が使用される(software SoftMax Pro 7.0.2, Molecular Devices)。
結果
各薬物物質中間体のpg/mlでのPGE2の発現の平均は、ドナーの相対的な比較のために使用される。最も高い発現レベルを有するドナーは、最も高いランキングスコアを得る。ランキングスコア(表7)は、後に、ドナーの最終的な選択で使用される(実施例4参照)。
アッセイ4:HLA-G
HLA-Gアッセイは、薬物物質中間体および/または薬物物質の、IFNγ、IL-10、および/またはPHAに応答した可溶性および/または細胞内HLA-Gの発現を評価する。
細胞培養:ウェルあたり50000個のMSCおよび25000個のJEG-3細胞(陽性対照細胞、ATCC, cat no. ATCC(登録商標)HTB-36(商標))を、12ウェル細胞培養プレートの中の、最終濃度10~50ng/mlのIL-10(Miltenyi Biotec, cat no. 130-108-985)または25~100ng/mlのIFNγ(ThermoFisher Scientific, cat no. PHC4033)を伴うかまたは刺激を伴わない、1mlのアッセイ培地(DMEM、低グルコース、GlutaMAX(商標)補助剤、ピルビン酸塩(ThermoFisher Scientific, cat no. 21885025)+10%のウシ胎仔血清、適格、熱不活性化(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071))に播種する。細胞を、37℃、5%のCO2で48~72時間インキュベートする。この上清を各ウェルから除去し、可溶性HLA-GのELISA分析のため-20℃に保存する。
細胞内HLA-G:接着細胞を、DPBSで2回洗浄し、TrypLE Express(Thermo Scientific, cat no. 12604021)で細胞を解離する。BD Cytofix/Cytoperm(商標)は、細胞の固定および透過処理のために、製造社の指示(Becton, Dickinson and Company, cat no. 554714)にしたがい使用される。細胞を、HLA-G(PE)抗体(EXBIO Praha, cat no. 1P-431-C100)を用いて製造社の指示にしたがい染色し、フローサイトメトリー(Merck, Guava easyCyte 5HT)により分析する。
可溶性HLA-G:上清におけるHLA-Gの濃度を、sHLA-G ELISA kit(Enzo Life Sciences, cat no. ALX-850-309-KI01)を用いて製造社の指示にしたがい分析する。
結果
薬物物質中間体および/または薬物物質は、細胞内HLA-Gおよび可溶性HLA-Gの発現の両方に関して分析され、分析された他のサンプルと比較した相対的な発現に基づくスコアを受領する。細胞内HLA-Gおよび可溶性HLA-Gの発現からの総スコアがまとめられており、薬物物質中間体は、ドナーの最終的な選択で使用されるランキングスコア(表8)を受領する(実施例4参照)。
アッセイ5:形態
薬物物質中間体および/または薬物物質の培養物の細胞の形態を、継続的に調査する。細胞を、増殖の間および回収の前に目視検査し、
細胞の大きさ 正常/大きい
核の大きさ 正常/大きい
細胞の形状 正常/異常
細胞の大きさと核の大きさとの間の比率 正常/異常
に基づき評価する。
結果
薬物物質中間体細胞を、上記の基準に基づき目視で評価する。90%超の正常細胞を含むサンプルのみを認容する。異常な細胞の出現頻度は、薬物中間体のランキング(表9)で使用される(実施例4参照)。
アッセイ6:Fluorospot
薬物物質中間体および/または薬物物質を、抗体で予めコーティングしたFluorospotに特異的な96ウェルプレート(MabTechにより提供されるサービス)で培養する。ウェルあたり1000~3000個の細胞を、100μlのアッセイ培地(DMEM、低グルコース、GlutaMAX(商標)補助剤、ピルビン酸塩(ThermoFisher Scientific, cat no. 21885025)+10%のウシ胎仔血清、適格、熱不活性化(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071))に播種し、刺激の存在下または不存在下で48時間インキュベートする。使用される刺激は、Poly I:C(Invivogen, cat no. tlrl-pic)、r848(Invivogen, cat no. tlrl-r848)、GABA(Diamyd Medical)、およびIFNγ(ThermoFisher Scientific, cat no. PHC4033)である。IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-12、IL-12/13、IL17A、IL-21、IL-22、IL-29、IL-31、TGFβ1、GM-CFS、IFNα、IFNγ、apoE、およびTNFαの発現は、Fluorospot(MabTech)により分析される。集められたアロジェニックMSC組成物、すなわち薬物産物の早期のバッチは、参照として使用する。このアッセイは、望ましいとされるタンパク質およびサイトカインならびに望ましくないとされるタンパク質およびサイトカインの両方を含む。たとえば、細胞が、IL-6を発現する場合は陽性とされ、これらがIFNγを発現する場合は陰性とされる。
結果
結果は、Fluorspotリーダーと共に提供されるソフトウェアで分析する。このプログラムは、視覚的な出力および数値の出力の両方を作製する(図3参照)。
薬物物質中間体サンプルは、参照サンプルに関連してスコア付けされる(数値)。陽性対陰性の閾値は、各マーカーで予め定義されており、薬物物質中間体は、表12に従ってスコア付けされる。
薬物物質中間体の最終的なランキングは、刺激を伴いかつ/または伴わないで分析される全てのマーカーからまとめられたスコアに基づく(表12)。
薬物物質中間体のランキングは、Fluorospotアッセイのランキングスコアであるスコアに基づく。後に、このランキングスコアは、実施例4に記載されるドナーの総合的な選択で使用される。最も高いスコアを有する薬物物質中間体サンプルはまた、最も高いランキングスコアを得る(表13参照)。さらにまた、選択アルゴリズムにおける入力、すなわち選択アルゴリズムにおける別々の要素としてそれぞれ分析されるタンパク質由来のデータとしての、Fluorospotの結果の一部または全てを使用することが可能である。
アッセイ7:ミクログリア増殖アッセイ
本方法は、ミクログリア細胞の増殖に及ぼす、薬物物質中間体および/または薬物物質、すなわち本明細書中記載のMSCの免疫抑制効果を定量的に測定するために使用される。MSCは、ミクログリアの増殖を抑制することが示されている。ミクログリアおよびMSCの共培養は、MSCの免疫抑制活性を示すために使用される。リポ多糖(LPS)は、ミクログリアの増殖を活性化するマイトジェンとして使用される。薬物物質中間体および/または薬物物質の免疫抑制活性は、LPSで刺激されたミクログリア細胞の増殖の減少として定量化される。
MSCとCFSEでプライミングしたミクログリアの共培養:ミクログリア細胞(1×106個の細胞/ml)を、DPBS+2%のFBSに懸濁し、CellTrace(商標)CFSE Cell Proliferation Kit(ThermoFisher Scientific, cat no. C34554)を用いて製造社の指示にしたがい染色する。MSC(5000個の細胞/ウェル)を含む100μlの作業培地(DMEM、低グルコース、GlutaMAX(商標)補助剤、ピルビン酸塩(ThermoFisher Scientific, cat no. 21885025)+10%のウシ胎仔血清、適格、熱不活性化(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071))を、48ウェル細胞培養プレートに播種する。同時に、200μlのCFSEでプライミングしたミクログリア細胞(25000個の細胞/ウェル)を含むDMEM+10%のFBSを、48ウェル細胞培養プレートに播種する。24時間後に、37℃、5%のCO2において、最終濃度1μg/mlのLPS(E.coli由来、Sigma Aldrich Cat No;10900010L4391)を添加し、48ウェル細胞培養プレートをさらに48時間インキュベートし、次に培地を除去し、接着細胞をDPBSで2回洗浄し、25μlのTrypLE Express(Thermo Scientific, cat no. 12604021)で脱離させる。1mlの作業培地をウェルに添加し、細胞をチューブに移し、300gで5分間遠心分離する。この上清を除去し、細胞を、200μlのDPBS+2%のFBSに再懸濁し、Accuri C6 Plusフローサイトメーターにかける。
分析:各サンプルの総細胞数は、細胞/μlのCFSEで染色した細胞した細胞×200μlを乗算することにより計算する。増殖指標は、アッセイの染色時の細胞量に対し72時間後の総細胞を除算することにより計算する。
結果
各薬物物質中間体の平均増殖指標は、ドナーの相対比較のために使用される。最小のGIを有するドナーは、最も高いランキングスコアを得る。後に、このランキングスコアは、ドナーの最終的な選択で使用される(実施例5参照)。
アッセイ8:ミクログリアのCD183発現
ケモカイン受容体CXCR3は、CXCケモカイン受容体ファミリーの受容体である。CXCR3の他の名称は、Gタンパク質共役型受容体9(GPR9)およびCD183である。CXCR3は、活性化したTリンパ球およびN細胞および一部の上皮細胞、ならびにミクログリア細胞で主に発現する。
MSCとミクログリア細胞の共培養:ミクログリア細胞を、血清フリー培地に再懸濁し、CellBIND培養フラスコに播種する(1×106個の細胞/T75)。2時間後37℃、5%のCO2において、MSC(0.2×106個の細胞/T75)およびIFNγ(10ng/ml)をミクログリア細胞に添加する。この比率は、5:1のミクログリア細胞:MSCである。細胞を、48時間インキュベートした後、DPBSで洗浄し、500μlのTrypLE Express(Thermo Scientific, cat no. 12604021)で細胞を脱離する。血清フリー培地を添加し、細胞をチューブに移し、200gで5分間遠心分離する。この上清を除去し、3mlの作業培地(DMEM、低グルコース、GlutaMAX(商標)補助剤、ピルビン酸塩(ThermoFisher Scientific, cat no. 21885025)+10%のウシ胎仔血清、適格、熱不活性化(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071))を添加する。細胞を計測し、フローサイトメトリー染色チューブに等しく分ける。細胞を、BD Pharmingen製の抗ヒトCD18316μl(Product no; 557185; PE mouse Anti human CD183)を用いて、光から保護しながらRTで30分間染色する。染色は、2mlのDPBS+2%のFBSを各チューブに添加することにより停止させる。細胞を、200gで5分間遠心分離し、上清を廃棄し、細胞ペレットを、200μlのDPBS+2%のFBSに再懸濁する。各サンプル150μlを、フローサイトメトリーにかけるために使用する。最小30000のイベントが記録される。
結果:
FACSの結果は、Flow-Joソフトウェアで分析される。ミクログリアの不活性化は、
として計算される、薬物物質中間体によりもたらされるCD183陽性ミクログリア細胞の減少として計算される。
最も高い抑制パーセントを有するドナーは、最も高いランキングスコアを得る。後に、このランキングスコアは、ドナーの最終的な選択で使用される。
アッセイ9:ミクログリアのCD200R発現
CD200膜貫通型糖タンパク質は、ほとんどがニューロンで発現し、その受容体であるCD200Rと相互作用する。これは、ミクログリアのプライミングを阻害するために、ミクログリアおよび他のCNSマクロファージにおいてほぼ独占的に発現され、ミクログリアを無活動状態に保持する。MSCによるミクログリア細胞でのCD200Rの倍数増加を分析して、免疫抑制またはM2表現型への移行を測定する。
MSCとミクログリア細胞の共培養:ミクログリア細胞を、血清フリー培地に再懸濁し、CellBIND培養フラスコ(0.6×106個の細胞/T75)に播種する。2時間後に、37℃、5%のCO2にて、MSC(0.6×106個の細胞/T75)およびIFNγ(10ng/ml)をミクログリアに添加する。この比率は、1:1のミクログリア細胞:MSCである。細胞を48時間培養した後、DPBSで洗浄し、500μlのTrypLE Express(Thermo Scientific, cat no. 12604021)で細胞を脱離させる。血清フリー培地を添加し、細胞をチューブに移し、200gで5分間遠心分離する。この上清を除去し、3mlの作業培地(DMEM、低グルコース、GlutaMAX(商標)補助剤、ピルビン酸塩(ThermoFisher Scientific, cat no. 21885025)+10%のウシ胎仔血清、適格、熱不活性化(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071))を添加する。細胞を計測し、フローサイトメトリー染色チューブへと均等に分ける。細胞を、Abcam製の10μlの抗ヒトCD200R(Product no;ab33366;PEマウス抗ヒトCD200R)を用いて、光から保護しながらRTで30分間染色する。染色は、2mlのDPBS+2%のFBSを各チューブに添加することにより停止させる。細胞を、200gで5分間遠心分離し、上清を廃棄し、細胞ペレットを、DPBS+2%のFBSに再懸濁する。各サンプル150μlを、フローサイトメトリーにかけるために使用する。最小30000のイベントが記録される。
結果
FACSの結果は、Flow-Joソフトウェアで分析される。ミクログリアの不活性化は、
として計算される、薬物物質中間体によりもたらされるCD200R陽性ミクログリア細胞の倍数増加として計算される(図3)。
最も高いCD200Rの倍数増加を有するドナーは、最も高いランキングスコアを得る。後に、このランキングスコアは、ドナーの最終的な選択で使用される。
アッセイ10:M1からM2へのミクログリアの表現型の移行
アッセイ8および9は、それぞれM1表現型を失い、M2表現型を得たミクログリア細胞のフラクションを測定している。このアッセイは、M1からM2への移行を反映するため、M1表現型のマーカーの喪失およびM2表現型のマーカーの獲得を組み合わせる。これは、同じアッセイで組み合わせられ、相乗的な値、たとえばCD200Rの増加およびCD183の減少を得る。この実施例では、同じ条件が、アッセイ8および9で使用されるが、HMC3:MSCの比率は、CD200RおよびCD183の両方での比率である。
結果
M1からM2への移行は、
として計算される。
最も高い移行スコアを有するドナーは、最も高いランキングスコアを得る。後に、このランキングスコアは、ドナーの最終的な選択で使用される。
M1からM2への表現型の移行に関する代替的なマーカーは、以下である:
B7-2/CD86、インテグリンα V β 3、MFG-E8、NO、ROS、RNS、CCL2/MCP-1、CCL3/MIP-1α、CCL4/MIP-1β、CCL5/RANTES、CCL8/MCP-2、CCL11/エオタキシン、CCL12/MCP-5、CCL15/MIP-1δ、CCL19/MIP-3β、CCL20/MIP-3α、CXCL1/GROα/KC/CINC-1、CXCL9/MIG、CXCL10/IP-10、CXCL11/I-TAC、CXCL13/BLC/BCA-1、CX3CL1/フラクタルカイン、MMP-3、MMP-9、グルタメート、IL-1β/IL-1F2、IL-2、IL-6、IL-12、IL-15、IL-17/IL-17A、IL-18/IL-1F4、IL-23、IFNγ、TNF-α、FcγRIII/CD16、FcγRII/CD32、CD36/SR-B3、CD40、CD68/SR-D1、B7-1/CD80、MHCII、iNOS、COX-2を減少させるM1マーカー;
L-1Ra/IL-1F3、IL-4、IL-10、IL-13、TGF-β、CCL13/MCP-4、CCL14、CCL17/TARC、CCL18/PARC、CCL22/MDC、CCL23/MPIF-1、CCL24/エオタキシン-2/MPIF-2、CCL26/エオタキシン-3、FIZZ1/RELMα、YM1/キチナーゼ3--様3、CLEC10A/CD301、MMR/CD206、SR-AI/MSR、CD163、アルギナーゼ1/ARG1、トランスグルタミナーゼ2/TGM2、PPAR γ/NR1C3を増大させるM2マーカー。
アッセイ11:樹状細胞
Fms関連チロシンキナーゼ3リガンド(FLT3L)は、造血におけるDCの関与の鍵となる調節因子であり、FLT3への結合を介して造血性細胞の増殖、分化およびアポトーシスを制御する。MSCは、免疫寛容原性CD1c+DCの増殖を促進しアポトーシスを阻害するために、CD1c+DC上のFLT3に結合するFLT3Lを発現する。刺激、たとえばPHAまたはLPSでの刺激を伴うかまたは伴わない、アッセイ2による、PBMCと共培養物におけるELISAにより測定したFLT3LのMSC発現。
CD1c+である細胞のフラクションは、薬物物質中間体および/または薬物物質として増大し、すなわち本明細書中記載されるMSCはフローサイトメトリーにより分析され得る寛容性を誘導する。
PBMCとMSCの共培養:MSC(2×105個の細胞/ウェル)を含む500μlの作業培地(RPMI1640(ThermoFisher Scientific, cat no. 12633012)+2mMのGlutamax(ThermoFisher Scientific, cat no. 35050061)+100U/mlのPest(ThermoFisher Scientific, cat no. 15140122)+10%のFBS(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071)を、12ウェル細胞培養プレートに播種する。細胞のプラスチックへの接着のため、プレートを、37℃、5%のCO2で2時間インキュベートする。Lymphoprep(商標)キットは、製造社の指示(Stem Cell Technologies, cat no. 07801)にしたがい、中心の血液から回収した、提供された末梢血由来の単核細胞の単離のために使用する。PBMC(1×106個の細胞/ウェル)+マイトジェンとして添加されるPHAまたはLPSを、12ウェル細胞培養プレートに播種し、この共培養物を、37℃、5%のCO2で72時間インキュベートする。
分析:上清を、ELISAのため抗FLT3L抗体(MyBioSource, Inc. cat no MBS2035709)を用いて製造社の指示にしたがい標識し、可溶性FLT3Lの存在を、Spectramax マイクロプレートリーダー(Molecular Devices, Spectramax 190)で定量化する。
樹状細胞のCD1c+フラクションは、PBMCのCD11c+およびCD1c+として定義され、これはフローサイトメトリー(Becton, Dickinson and Company, Accuri C6 plus)により分析される。懸濁物中の細胞を、抗CD11c抗体および抗CD1c抗体(ThermoFisher Scientific それぞれcat no 12-0116-42および12-0015-42)を用いて製造社の指示にしたがい標識する。
結果:
薬物物質中間体および/または薬物物質を、FLT3L発現に関して分析し、分析した他のサンプルと比較した相対発現に基づくスコアを受領する。薬物物質中間体および/または薬物物質との共培養の後の上清由来のCD1c+細胞のフラクションおよびCD11c+細胞のフラクションを分析し、分析した他のサンプルと比較した相対発現に基づくスコアを受領する。
後にドナーの最終的な選択に使用されるスコアは、FLT3Lおよび/またはCD1c+、またはDCスコアとして提示される組み合わせたスコアであり得る。
アッセイ11:FLT3L
Fms関連チロシンキナーゼ3リガンド(FLT3L)は、造血におけるDCの関与の鍵となる調節因子であり、FLT3への結合を介して造血性細胞の増殖、分化およびアポトーシスを制御する。MSCは、免疫寛容原性CD1c+DCの増殖を促進しアポトーシスを阻害するために、CD1c+DC上のFLT3に結合するFLT3Lを発現する。刺激、たとえばPHAまたはLPSでの刺激を伴うかまたは伴わない、アッセイ2による、PBMCと共培養物におけるELISAにより測定したFLT3LのMSC発現。
PBMCとMSCの共培養:PBMC:MSC(2×105個の細胞/ウェル)を含む500μlの作業培地(RPMI1640(ThermoFisher Scientific, cat no. 12633012)+2mMのGlutamax(ThermoFisher Scientific, cat no. 35050061)+100U/mlのPest(ThermoFisher Scientific, cat no. 15140122)+10%のFBS(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071)を、12ウェル細胞培養プレートに播種する。細胞のプラスチックへの接着のため、このプレートを、37℃、5%のCO2にて2時間インキュベートする。Lymphoprep(商標)キットは、製造社の指示(Stem Cell Technologies, cat no. 07801)にしたがい、中心の血液から回収した提供された末梢血由来の単核細胞の単離のために使用する。PBMC(1×106個の細胞/ウェル)+マイトジェンとして添加されるPHAまたはLPSを、12ウェル細胞培養プレートに播種し、共培養物を、37℃、5%のCO2で72時間インキュベートする。
分析:上清を、抗FLT3L抗体(MyBioSource, Inc. cat no MBS2035709)をELISAのため製造社の指示にしたがい用いて標識し、可溶性FLT3の存在を、Spectramax マイクロプレートリーダー(Molecular Devices, Spectramax 190)で定量化する。
結果:
薬物物質中間体および/または薬物物質は、FLT3発現に関して分析され、分析した他のサンプルと比較した相対発現に基づくスコアを受領する。このスコアは、後にドナーの最終的な選択で使用される。
アッセイ12:CD1c
樹状細胞に及ぼすMSCの免疫抑制作用は、MSCが免疫寛容原性CD1c+DCの増殖を促進し、アポトーシスを阻害するため、CD1c陽性細胞へと向けた表現型の移行として分析され得る。
CD1c+である細胞のフラクションは、薬物物質中間体および/または薬物物質として増大し、すなわち臍帯由来のMSCは、フローサイトメトリーにより分析され得る寛容性を誘導する。
PBMCとMSCの共培養:MSC(2×105個の細胞/ウェル)を含む500μlの作業培地(RPMI1640(ThermoFisher Scientific, cat no. 12633012)+2mMのGlutamax(ThermoFisher Scientific, cat no. 35050061)+100U/mlのPest(ThermoFisher Scientific, cat no. 15140122)+10%のFBS(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071)を、12ウェル細胞培養プレートに播種する。細胞のプラスチックへの接着のため、このプレートを、37℃、5%のCO2にて2時間インキュベートする。Lymphoprep(商標)キットは、製造社の指示(Stem Cell Technologies, cat no. 07801)にしたがい、中心の血液から回収した提供された末梢血由来の単核細胞の単離のために使用する。PBMC(1×106個の細胞/ウェル)+マイトジェンとして添加されるPHAまたはLPSを、12ウェル細胞培養プレートに播種し、共培養物を、37℃、5%のCO2で48時間インキュベートする。
分析:
樹状細胞のCD1c+フラクションは、PBMCのCD11c+およびCD1c+として定義され、これは、フローサイトメトリー(Becton, Dickinson and Company, Accuri C6 plus)により分析される。懸濁物中の細胞は、抗CD11c抗体および抗CD1c抗体(ThermoFisher Scientific それぞれcat no 12-0116-42および12-0015-42)を用いて製造社の指示にしたがい標識する。
結果
樹状細胞に及ぼす薬物物質中間体および/または薬物物質の作用を、共培養後の上清由来のCD1c+細胞およびCD11c+細胞のフラクションとして定量化する。薬物物質中間体および/または薬物物質と培養した樹状細胞が分析され、分析した他のサンプルと比較したCD1c+発現の相対的な誘導に基づくスコアを受領する。後にドナーの最終的な選択に使用されるスコアは、FLT3Lおよび/またはCD1c+またはDCスコアとして提示される組み合わせたスコアであり得る。
アッセイ13:樹状細胞
薬物物質中間体および/または薬物物質のFms関連チロシンキナーゼ3リガンド(FLT3L)の発現(アッセイ13)、ならびに薬物物質中間体および/または薬物物質との共培養後のCD1c+樹状細胞のフラクション(アッセイ12)の組み合わせた結果を組み合わせて、樹状細胞スコアを提供する。
結果
薬物物質中間体および/または薬物物質は、FLT3L発現に関して分析され、分析した他のサンプルと比較した相対発現に基づくスコアを受領する。薬物物質中間体および/または薬物物質との共培養後の上清由来のCD11c+細胞のCD1c+細胞のフラクションが分析され、分析した他のサンプルと比較した相対発現に基づくスコアを受領する。
後にドナーの最終的な選択に使用されるスコアは、FLT3Lおよび/またはCD1c+、またはDCスコアとして提示される組み合わせたスコアであり得る。
アッセイ14:制御性T細胞
T制御性細胞は、免疫応答を抑制する特性を有するCD4+CD25+T細胞集団の下位集団として同定されている。この下位集団は、CD127の発現の欠損またはFoxP3の陽性発現によりさらに特徴づけられ得る。この細胞のフラクションは、薬物物質中間体および/または薬物物質、すなわち臍帯由来のMSCに曝露される場合に増大し、これはフローサイトメトリーにより分析され得る。
PBMCとMSCの共培養:MSC(2×105個の細胞/ウェル)を含む500μlの作業培地(RPMI1640(ThermoFisher Scientific, cat no. 12633012)+2mMのGlutamax(ThermoFisher Scientific, cat no. 35050061)+100U/mlのPest(ThermoFisher Scientific, cat no. 15140122)+10%のFBS(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071)を、12ウェル細胞培養プレートに播種する。細胞のプラスチックへの接着のため、このプレートを、37℃、5%のCO2にて2時間インキュベートする。Lymphoprep(商標)キットは、製造社の指示(Stem Cell Technologies, cat no. 07801)にしたがい、中心の血液から回収した提供された末梢血由来の単核細胞の単離のために使用する。PBMC(1×106個の細胞/ウェル=500μl)を、作業培地に懸濁し、12ウェルプレートに添加し、共培養を、37℃、5%のCO2にて24時間続行する。
分析:
懸濁物中の細胞を、CD4抗体およびCD25抗体(ThermoFisher Scientific それぞれcat no 15-0041-82および48-0259-42)を用いて製造社の指示にしたがい標識する。この細胞は、CD127の発現の欠損またはFoxP3の陽性発現によりさらに特徴づけられ得る。
結果:
薬物物質中間体および/または薬物物質との共培養後の上清由来のCD25陽性(任意選択でCD127陰性またはFoxP3陽性)CD4+細胞のフラクションが分析され、分析した他のサンプルと比較したCD25+細胞のフラクションに基づく相対的なスコアを受領する。このスコアは、後にドナーの最終的な選択に使用される。
アッセイ15:単球表現型の変更
単球は、骨髄において骨髄前駆体から生じ、これらは炎症の間CNSに入り得る。従来より、単球は、CD14++CD16-である。これらの古典的な単球は、著しく可塑性であり、炎症性組織への動員の後、これらはマクロファージまたは樹状細胞へと変化し得る。非古典的な単球は、CD14+CD16++であり、組織のホメオスタシスおよび局所的な再生に関与する。MSCは、古典的から非古典的への単球の表現型を変更し得る。
PBMCとMSCの共培養:MSC(5×104個の細胞/チューブ)を含む500μlの作業培地(RPMI1640(ThermoFisher Scientific, cat no. 12633012)+2mMのGlutamax(ThermoFisher Scientific, cat no. 35050061)+100U/mlのPest(ThermoFisher Scientific, cat no. 15140122)+10%のFBS(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071)を、ポリプロピレン培養チューブに播種する。Lymphoprep(商標)キットは、製造社の指示(Stem Cell Technologies, cat no. 07801)にしたがい、中心の血液から回収した提供された末梢血由来の単核細胞の単離のために使用する。Miltenyi Biotec製のモノクローナル抗ヒトCD14抗体に結合した磁性ビーズ(Germany # 130-050-201)で正に選択した、単核細胞由来の単球を、製造社の指示にしたがい単離する。2×105個の単球を含む500μlの作業培地を、MSC含有ポリプロピレンチューブに播種する。この共培養物を、37℃、5%のCO2にて24時間インキュベートする。
分析:
細胞を回収し、DPBS+2%のFBS+2μMのEDTAで2回洗浄し、抗CD14PE(Thermofisher, Catalog # 12-0149-42)および抗CD16 FITC(Thermofisher Catalog # 11-0168-42)で標識する。薬物物質中間体および/または薬物物質を伴う共培養物ならびに伴わない共培養物において、CD16の増大する発現およびCD14++CD16-の減少するパーセンテージを、比較する。最も高いCD16発現の倍数誘導および最も高いCD14++CD16-の抑制を有するドナーは、最終的なドナーの選択で最も高いスコアを得る。
ドナーの最終的な選択で後に使用されるスコアは、CD16++および/またはCD14++抑制のパーセンテージ、または単球ランキングスコアとして提示される組み合わせたスコアであり得る。
アッセイ16:WJMSCおよびProTransにおけるACE2受容体およびTMPRSS2のmRNAの発現
ACE2受容体は、コロナウイルススパイクタンパク質による感染症の標的細胞の表面上の進入点である。標的細胞によるセリンプロテアーゼTMPRSS2の共発現は、コロナウイルススパイクタンパク質のプライミングを可能にする。
ACE2受容体およびTMPRSS2のmRNA発現の評価
総RNAを、RNeasy mini kit(QIAGEN)を使用して対照WJMSCおよびProTrans産物(CB1、CB2、およびTB1)から単離した。cDNAを、高容量cDNA逆転写酵素キットを使用して各サンプルから作製した。RTサンプルを、各実験サンプルの対照として作製した。定量PCR(QPCR)を、ヒトACE2受容体(F 5’TTCTGTCACCCGATTTTCAA 3’(SEQ ID NO:1;R 5’TCCCAACAATCGTGAGTGC 3’(SEQ ID NO:2))、ヒトTMPRSS2(F 5’CGCTGGCCTACTCTGGAA 3’(SEQ ID NO:3);R 5’CTGAGGAGTCGCACTCTATCC 3’(SEQ ID NO:4))およびヒトRPL13A(ハウスキーピング遺伝子;F 5’CCTGGAGGAGAAGAGGAAAGAGA 3’(SEQ ID NO:5);R 5’TTGAGGACCTCTGTGTATTTGTCAA 3’(SEQ ID NO:6))を標的とするように設計されたプライマーを用いてFast SYBR Green Master Mix(Applied Biosystems)を使用して行った。Fast Sybr Green増幅のためサイクリングを、製造社の指示の通りにおこなった。合計40サイクルを行った。
分析:3回の実行の技術的な反復からの平均Cq値を、同等の逆転写(RT)陰性対照の平均Cq値と比較した。値が各RT-サンプルよりも高い場合、遺伝子は、発現していないとみなされた。値が各RTサンプルよりも低い場合、遺伝子は、発現しているとみなされた。全ての試験したサンプルは、ACE2受容体およびTMPRSS2に対し陰性であった。全てのサンプルは、ハウスキーピング遺伝子RPL13Aに対し陽性であった。
結果:図8は、WJ-MSC対照細胞およびProTrans産物(CB1、CB2、およびTB1)におけるACE2受容体、TMPRSS2、およびハウスキーピング遺伝子RPL13AのmRNA発現に関する分析からの結果を示す。
実施例4
本実施例は、本発明の集められたアロジェニックな組成物を得るために集めるための細胞集団のサブセットをもたらす実施例4に記載の特徴に基づくドナーに由来するMSC集団の選択のプロセスを記載する。
材料および方法:
分析およびランク付け:薬物物質中間体を、上述のアッセイ(IDO、増殖、PGE2、HLA-G、形態、およびFluorospot)で分析する。サンプルのランク付けを、後述のように行う。
1.上述のIDOアッセイは、二連の細胞培養サンプルで2回行い、各サンプルを、ELISAにて3連で分析する。アロジェニックなMSCを集めた早期のバッチを、参照サンプルとして使用する。IDOアッセイは、対照サンプルを含み、各実験で分析し、対照サンプルの分析から作製した結果は、適切な統計的方法を使用して認容性に関して評価する。認容可能な2つの対照の範囲は、製造社の仕様によるものである。認容可能な範囲の一例は、キヌレニン(μmol/L)対照1:0.53-1,33および対照2:1.78-4.15;トリプトファン(μmol/L)対照1:15.0-35.0および対照2:31.2-72.8である。アッセイで使用される質の基準は、以下の通りである:IDO対照は、明記された範囲内にあり、IDO活性(参照サンプル)>60倍、すなわち、刺激していない参照サンプルと比較したインターフェロンγ(IFNγ)参照サンプルの間のIDO活性の倍数誘導。
薬物物質中間体は、これらの相対的なIDO発現に基づきランク付けされる。
2.上述の増殖アッセイは、二連の細胞培養サンプルで2回行い、各サンプルを、FACSにて3連で分析する。PBMC増殖に及ぼすサンプルの影響は、増殖指数として提示される。アロジェニックなMSCを集めた早期のバッチを、参照サンプルとして使用し、MSCの不存在下にてPHAで刺激したPBMCを、陽性対照として使用する。アッセイで使用される質の基準は、以下の通りである:増殖指数(陽性対照)>1.5および増殖指数(参照)0.9~1.3。
薬物物質中間体は、これらの相対的な増殖指数に基づきランク付けされる。
3.PGEアッセイは、二連の細胞培養サンプルで2回行い、各サンプルを、ELISAにて3連で分析する。このキットは、各実験で標準曲線を確立するための標準物質を含む。アロジェニックなMSCを集めた早期のバッチを、参照サンプルとして使用し、サンプルを、PHAにより活性化したPBMCの存在下でのPGE2発現のレベルに基づき比較する。アッセイで使用される質の基準は、以下の通りである:PGE2発現(参照)5~15ng/mlおよび標準曲線R2>0.95。
薬物物質中間体は、これらの相対的なPGE2発現に基づきランク付けされる。
4.HLA-Gアッセイは、二連の細胞培養サンプルで2回行い、各サンプルを、ELISAまたはFACSにて3連で分析する。アロジェニックなMSCを集めた早期のバッチを、参照サンプルとして使用し、サンプルを、PHAにより活性化したPBMCの存在下でのHLA-G発現のレベルに基づき比較する。ELISAキットは、各実験で標準曲線を確立するための標準物質を含む。アッセイで使用される質の基準は、以下の通りである:可溶性HLA-G発現(参照)>3U/ml、標準曲線R2>0.95、および細胞内HLA-G発現(参照)>5%、薬物物質中間体は、HLA-Gの相対的な細胞内および/または可溶性の発現に基づきランク付けされる。
5.形態評価は、MSC培養の経験が長い研究の専門家により行われる。アロジェニックなMSCを集めた早期のバッチを、参照サンプルとして使用し、サンプルを、細胞の大きさ(正常または大きい);核の大きさ(正常または大きい);細胞の形状(正常または異常);および細胞の大きさと核の大きさとの間の比率(正常または異常)に基づき評価する。アッセイで使用される質の基準は、以下の通りである:4つ全ての基準により90%超の正常な細胞。参照サンプルは、90%超の正常な細胞を有する。10%超の異常な細胞を有する薬物物質中間体は、失格となる。薬物物質中間体は、異常な細胞の出現頻度に基づきランク付けされる。
6.Fluorospotアッセイは、三連の細胞培養サンプルで2回行う。アロジェニックなMSCを集めた早期のバッチを、参照サンプルとして使用する。薬物物質中間体は、特異的なタンパク質の相対的な発現または抑制に基づきランク付けされる。
7.ミクログリア増殖アッセイは、少なくとも二連の細胞培養サンプルで二回行う。アロジェニックなMSCを集めた早期のバッチを、参照サンプルとして使用し、マイトジェンの存在下およびMSCの不存在下でのミクログリアの増殖を、陰性対照として使用する。薬物物質中間体は、増殖指標、増殖指数、または増殖パーセンテージにより測定される、ミクログリア増殖を抑制するそれらの相対的な特性に基づきランク付けされる。
8-10.ミクログリア発現アッセイを、少なくとも二連の細胞培養サンプルで二回行う。アロジェニックなMSCを集めた早期のバッチを、参照サンプルとして使用する。MSCを伴わず培養した、マイトジェンで刺激したミクログリアを陰性対照として使用する。薬物物質中間体は、M2マーカーの相対的な増加および/またはM1マーカーの発現の減少、および/またはM1からM2へのコンビナトリアルな移行に基づきランク付けされる。
11.樹状細胞アッセイは、少なくとも二連の細胞培養サンプルで二回行う。アロジェニックなMSCを集めた早期のバッチを、参照サンプルとして使用する。
サンプルの外れ値および失格:ELISAおよびFACSを、各細胞培養物のウェルから3連で分析する。3つの3連のうちの1つのみが、外れ値とみなされ得る。細胞培養物のウェルからの測定値は、分散の係数(CV)が10%超である場合外れ値に関して分析される。平均値からほとんど逸脱している反復は、分析から除かれる場合に、反復の排除が3%超でCVを減少する場合、外れ値とみなされる。このような外れ値は、さらに判断することなく分析から除外される。
単一細胞培養物のウェルの分析は、外れ値の分析を行った後にCV>20%である場合、失格となる。同じ実験において3回以上の失格となった細胞培養物のウェルは、実験を不適格とする。
総合的な評価:薬物物質中間体の選択は、以下の表21に提示されるポイントシステムによるアッセイの総合的な評価である。各アッセイは、ランキングスコアを作製し、この最終的なセクションで、全てのアッセイのランキングスコアは、追加によりまとめられる。
10名のドナーから5名のドナーを選択することは、実施例3に記載される、IDO、PGE2、および増殖アッセイのうちの少なくとも2つ、ならびにミクログリア増殖、ミクログリアM1抑制、ミクログリアM2倍数増加、樹状細胞の免疫寛容原性、または制御性T細胞のアッセイのうちの少なくとも1つを行うことにより達成され得る。追加された値の選択を伴う例示的な最小限の選択アルゴリズムを、表21および22に提示する。ここで、各アッセイのランキングの値は、追加の総スコアを得るために、追加されている。
あるいは、10名のドナーのうち5名を選択することは、重みをアッセイに割り当てることにより行われ、よって、分析が多かれ少なかれドナーの選択に影響することを可能にする。表21のミクログリアアッセイに係数2を適用し、末梢血リンパ球の増殖の重要性を半分に減少させる例がある。重み付けされたランキングスコアは、重み付けした総スコアを得るために追加される。重み付けされた総スコアに基づく表21からの結果を、表23に示す。
あるいは、10名のドナーのうち5名を選択することは、重みをアッセイに割り当てることにより行われ、よって、分析が多かれ少なかれドナーの選択に影響することを可能にする。表15のIDOアッセイに係数3を適用し、係数2により単球アッセイの重要性を増加させる一例がある。重み付けされたランキングスコアは、重み付けした総スコアを得るために追加される。重み付けされた総スコアに基づく表22からの結果を、表24に示す。
11のアッセイに基づく選択アルゴリズムの一例を、表25に提示する。
結果
最も高い総スコア(追加/単純または重み付けされた)を有する5つの薬物物質中間体(DX)が、本明細書中開示される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団、すなわち薬物産物の製造のため選択される。よって、単離され、集められたアロジェニックな集団は、5名の異なるドナー由来のMSCを含み、MSCは、本明細書中開示される、機能、形態、および安全性の基準を満たす。
実施例5
本実施例は、以下に記載の賦形剤を含む単一細胞懸濁物である、最終産物を製造するプロセスを記載する。上記最終産物は、凍結保存に適した移送バッグに充填され、以下に記載の所定の温度曲線により凍結される。
材料および方法
ドナーを集める
全ての受け入れ基準を通過したドナーサンプルのみを、集める対象とみなす。使用される薬物物質は、実施例4および5により選択される。継代2または3の薬物物質を、集めた直後に、凍結保存する。このようにして薬物産物が得られる。重要なことに、薬物産物は、さらなる培養または増殖に全く供されない。
薬物産物の製剤化およびパッケージング
最終産物は、5mlの細胞懸濁物であり、cryobagの中に提示される。薬物産物を含む凍結保存した最終産物の組成は、表26に示されている。
結果
よって、得られた最終産物は、本明細書中開示されるように得られる。
実施例6
本実施例は、凍結保存後の最終産物の安定性の評価を記載する。これは、最終産物が解凍後少なくとも2時間安定していることを示す。
材料および方法
バッグあたり3000万、5000万、60000万、または1億個の細胞を含む5mlの細胞懸濁物を含む本発明の組成物を、cryobagの中の液体窒素またはドライアイス上に輸送する。cryobagを、ウォーターバス(37℃)で解凍し、通常10mlの自家脊髄液またはラクトリンゲル液で直接希釈する。次に、15mlの注射溶液を、注入のため準備する。この細胞のバイアビリティを、サンプルを異なる時点で注入バッグから採取することにより分析する。
薬物産物の安定性を、アポトーシス性マーカー7AADに対するフローサイトメトリー分析により調査する。薬物産物は、希釈しない場合解凍から2時間超安定している(図2a)。薬物産物をCryobagから生理食塩水注入バッグ(Baxter)へ移すことにより塩化ナトリウム注入溶液に希釈する。アリコートを、室温に保ちながら異なる時点で採取する(図2b)。
結果
バイアビリティ:薬物産物は、バイアビリティが解凍の直後に測定されるバイアビリティの80%に減少した際の時点まで、安定しているとみなされている。薬物産物は、MSCに特異的な細胞表面マーカーおよび培養効力に関して、2時間の安定性の制限時間で試験されている。薬物産物は、希釈した場合および希釈してない場合の両方で、2時間後に特徴を継続していることならびに認容可能なバイアビリティを示している。
結論:分析された本発明の組成物のバッチは、細胞のバイアビリティの質の基準を満たす。
実施例7:
本実施例は、本発明の集められたアロジェニックなMSC組成物のCOVID-19と診断された患者への静脈内投与の臨床試験設計の概略を提供する。24カ月にわたりCOVID-19と診断された成年患者への本発明の集められたアロジェニックなMSC組成物の静脈内注入の安全性および寛容性。全ての有害事象は記録され、最終産物との潜在的な因果関係が調査される。
試験目的:この試験の主目的は、成年のCOVID-19患者における本発明の集められたアロジェニックなMSC組成物の静脈内注入の安全性および寛容性を調査することである。副次的目的は、9ポイントの順序尺度(0.臨床症状なしまたは感染のウイルス学的エビデンスなし、1.活動の制限なし。2.歩行可能、活動の制限。3.入院、酸素補給の必要なし。4.入院、酸素補給を必要とする。5.入院、非侵襲的換気または高流量酸素装置を使用。6.入院、挿管、機械的人工呼吸を使用。7.入院、換気+さらなる酸素の支援-昇圧薬、RRT、ECMO、8.死亡)で評価される、7、15、および30日までの死亡率;9ポイントの順序尺度に関する1つのカテゴリーの入院からの臨床上の改善までの時間;イメージング技術を使用した肺損傷に及ぼす最終産物の効果;入院および集中治療室にとどまる期間;最終産物の注入後のCOVID-19のウイルス量の動態;最終産物を注入した後の、肝臓、心筋、および炎症の生体マーカーの発展;重篤なCOVID-19呼吸系病態に関する最終産物の寛容性を含む患者の臨床状態に及ぼす最終産物の効果を評価することを含む。
試験設計:これは、オープンな用量漸増するフェーズIB臨床試験である。3名の患者の第1のコホートに、患者あたり2500万個のMSCの用量を投与する。第1のコホートにおいて毒性がない場合、3名の患者の第2のコホートに、患者あたり1億個のMSCを投与する。第1の患者が、試験薬物に関連するグレード3または4の1つの毒性を経る場合、試験のDSMBは、スポンサーに、進行方法に関する勧告を提供する。次に、スポンサーは、試験を中止する決定をとる。AEグレード3または4が、第1の患者の投与後に観察される場合、次の患者は、計画通りに投与される。合計3名の患者が、2500万個のMSCで処置される。第1のコホートで重篤なAEが観察されない場合、試験は進行し、3名の患者の第2のコホートの投与が、患者あたり1億個のMSCの用量で続行される。第3のコホートの規則は、同じである。第1のコホートおよび第2のコホートならびに各コホートの中の個体の中で試験薬物に関連するグレード3または4の毒性がない場合、3名の患者の第3のコホートに、患者あたり2億個のMSCの用量を投与する。
スクリーニングおよびインフォームドコンセント:インフォームドコンセントへの署名の後、以下の評価を行い、包含基準および除外基準に明記されるように適格性の必要条件を決定する。これは、試験への患者の包含の前に予定が決定されている。
・人口統計、病歴(処置、併存症、およびアレルギー)
・包含前の全ての検体のPCRによる陽性SARS-CoV-2試験結果の確認
・SpO2測定および酸素補給の必要性により評価される肺炎の分類
・最後の結果が包含日から72時間超である場合、研究評価をスクリーニングするための血液検査:
血液学(WBC、ヘモグロビン、血小板の計測)
生化学(AST、ALT総ビリルビン、血清クレアチニン、血中電解質(カリウム血を含む)、CPK、NT-proBNP、CK-Mb、ハプトグロビン、トロポニンI、プロカルシトニン、LDH、フェリチン血症、CRP)
止血マーカー(D-ダイマーのレベル、INR、フィブリノーゲン、抗トロンビン、および抗Xa活性)
HIV、梅毒、HEP B、HEP Cの血清学的なプロファイル
・結核感染または以前の曝露の調査
・最後の結果が包含日から72時間超である場合、サイトバクテリアの評価に関する尿検査
・尿または血清妊娠検査(妊娠する可能性のある女性)
処置-WJMSCの静脈内投与および急性モニタリング:スクリーニングおよび試験包含の後に、対象に、WJMSCの静脈内注射を行う。
本発明の集められたアロジェニックなMSC組成物は、液体窒素において試験クリニックへ送達される。薬物産物をウォーターバスで3~5分間解凍する。最終産物を100mlの生理食塩水に希釈した後に投与する。
入院の間、対象を、本発明の集められたアロジェニックなMSC組成物の静脈内注射の間および直後の全ての有害事象に関して、治験コーディネーター(research nurse)により観察する。
経過観察:患者を、表27に従い処置後に評価する。
最終的な経過観察訪問:全ての試験対象は、MSC組成物の処置から24カ月後に最終的な経過観察訪問を行う。この訪問時に、患者は、表27に示される以下の手法を経る。
1.インフォームドコンセントは、全ての試験手法の前に署名されなければならない
2.全ての手法は、最大D8までに表にしたがい行われる必要がある。このプロトコルは、30日目まで患者を経過観察するように設計されている。しかしながら、患者がD30より前に退院する場合、有害事象を除き、30日目の経過観察の訪問に関連する実験は、退院時に行われる。これは、患者が、D15までまたは(退院がD15より後に行われる場合は)退院時点まで経過観察されることを意味する。有害事象は、患者がこの時点より前に退院した場合、週に1度の患者への電話の呼び出しで30日目まで経過観察される。
3.2回の毎日の測定のうち最も悪い値/必要条件が保存される。
4.これらの検査は、試験により必要とされないが、臨床上の必要性のためMSC注入の前および後に行われる場合利用され得る。
5.MSC注入の直前
試験の終了:試験の終了は、最後の患者の最後の経過観察として定義される。主任研究者は、臨床的または投与上の理由のため試験をいずれの時点でも終了する権利を有する。この試験は、ATMPに関連する多くの深刻な有害事象のため、または登録プロセスが合理的な時間枠の中で完了できない場合、通常より早く終了し得る。
通常より早い試験の終了に関する決定は、スポンサー/主任研究者によりなされる。試験の終了は、90日内または試験が通常より早く終了する場合は15日以内にMPAに報告される。研究者は、参加者に通知し、関与した全てに適切な経過観察が配置されることを確約する。試験の概要報告は、試験終了から1年以内に、MPA(Medical Products Agency)に提出される。全ての患者は、試験処置後2週間経過観察される。患者は、全ての経過観察訪問にて、試験研究者により評価される安全性の態様に関して経過観察される。
あるいは、髄腔内送達が、臨床試験で使用される。この臨床試験の設計は、最終産物が10~50mlの容量で送達されることを除き、髄腔内投与を含む試験と同じである。
あるいは、最終産物の静脈内注入は、以下に定義されるように最終産物:プラセボの1:1の無作為化の戦略を使用したフェーズIIの無作為化二重盲検試験を続行し得る。
試験目的:4L/分のO2にて96%超を飽和できず、「非侵襲的」換気も侵襲的人工呼吸もECMOも使用していない患者として定義される「重篤な」COVID-19肺炎の処置における一定用量の最終産物(患者あたり1億個のMSC)の単回注入の効力を評価すること。複合的なプリマリーエンドポイントは、包含から15日後の人工呼吸の使用(すなわち挿管の必要性)または死亡の比率である。試験のセカンダリーエンドポイントは、
9ポイントの順序尺度により評価される7、15、および30日目での臨床状態の発展
7、15、および30日目での生存率
無作為化から9ポイントの順序尺度に関する1ポイントの改善または病院からの退院のいずれかまでの時間として定義される、臨床的な改善までの時間
入院およびICU入室の期間
である。
探索的(研究)エンドポイント:
定量PCR 鼻咽頭サンプルにおけるSARS-CoV-2ウイルス(時間枠:D0のMSC注入前および臨床適応によりMSC注入後)
末梢血で評価した白血球、ヘモグロビン、血小板の計数、および標準的な止血マーカー(D-ダイマーのレベル、プロトロンビン時間、国際標準化比(INR)、フィブリノーゲン、および抗Xa活性)(時間枠、0日目のMSC注入前ならびに1、3、5、8、15、および30日目のMSC注入後またはそれ以前の場合は退院日のMSC注入後)
炎症および心筋の損傷の標準的な生体マーカー:
末梢血で評価した、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(glutamic oxaloacetic)およびアラニンアミノトランスフェラーゼ、総ビリルビン、血清クレアチニン、血中電解質、クレアチンホスホキナーゼ、NT-proBNP、ミオグロビン、ハプトグロビン、トロポニンT、プロカルシトニン、LDH、フェリチン、CRP(時間枠、0日目のMSC注入前ならびに1、3、5、8、15、および30日目のMSC注入後またはそれ以前の場合は退院日のMSC注入後)
臨床的に必要である場合、イメージング技術(胸部X線/CTスキャン/またはドプラ超音波検査)により評価される肺損傷
MECL(multiplex electrochemiluminescence)ベースの技術を使用して評価される、アンジオポエチン2、IL-1β、IL-6、IL-8、IL-10、TNFα、VEGF、RAGE、および抗SARS-CoV2 IgGおよびIgAを含む研究バイオマーカー。ベースラインからの変化(時間枠:0日目のMSC注入の直前、ならびに3時間目、および1、8、15、および30日目でのMSC注入後またはそれ以前の場合は退院日のMSC注入後)
単一細胞のRNAシーケンシングおよび/またはフローサイトメトリーのための末梢血単核球(時間枠:0日目のMSC注入の直前、ならびに3時間目、および1、8、および30日目でのMSC注入後またはそれ以前の場合は退院日のMSC注入後)
試験設計
これは、無作為化二重盲検プラセボ対照のフェーズIIの臨床試験である。合計48名の患者を、最終産物:使用するプラセボの1:1の無作為化にて、登録する。試験集団の各処置アームへの階層化は、年齢および性別に基づく。登録された各患者に、最終産物またはプラセボを静脈内注入し、処置後12か月間評価する。
スクリーニングおよびインフォームドコンセント:インフォームドコンセントの署名の後、以下の評価を行い、包含に明記される適格性の必要条件および除外基準を判定する。これは、試験へ患者を包含する前にスケジュール化されている。
・人口統計、病歴(処置、併存症、およびアレルギー)
・無作為化前の全ての検体のPCRによる陽性SARS-CoV-2試験結果の確認
・SpO2の測定および酸素補給の必要性により評価される肺炎の分類
・最後の結果が無作為化からから72時間未満である場合、研究評価をスクリーニングするための血液検査:
絶対好中球数
血小板
ALTまたはAST
クレアチニン
HIV、梅毒、HEP B、HEP Cの血清学的なプロファイル
・進行中の結核感染症の調査
・最後の結果が包含日から72時間未満である場合、尿検査
・尿または血清妊娠検査(妊娠する可能性のある女性)
以下の評価は、すでに得られたスクリーニングの測定値に加え、ベースラインのデータで必要に応じて行われる:
0日目、MSC注入の前:
9ポイントの順序尺度(0.臨床症状なしまたは感染のウイルス学的エビデンスなし、1.活動の制限なし。2.歩行可能、活動の制限。3.入院、酸素補給の必要なし。4.入院、酸素補給を必要とする。5.入院、非侵襲的換気または高流量酸素装置を使用。6.入院、挿管、機械的人工呼吸を使用。7.入院、換気+さらなる酸素の支援-昇圧薬、RRT、ECMO、8.死亡)
定量PCR 鼻咽頭スワブにおけるSARS-CoV-2ウイルス
O2飽和度およびO2要求量
末梢血における白血球、ヘモグロビン、血小板の計数、および標準的な止血マーカー(D-ダイマーのレベル、プロトロンビン時間、INR、フィブリノーゲン、および抗Xa活性)
末梢血の中の炎症および心筋の損傷に関する標準的な生体マーカー:ALT、AST、総ビリルビン、血清クレアチニン、血中電解質、クレアチンホスホキナーゼ、NT-proBNP、ミオグロビン、ハプトグロビン、トロポニンT、プロカルシトニン、LDH、フェリチン、CRP
血漿および末梢血単核球(PBMC)のバイオバンキング
COVID-19の評価のための、MSC注入前のいずれかの時間
臨床目的で行われる場合胸部X線/CTスキャン/またはドプラ超音波検査
MSC注入:Cryobagをベッドサイドで解凍し、100mlの生理食塩水に希釈した後に投与する。細胞は、合計20分間にわたり500万個の細胞/分の速度で送達される。注入プロセスの前または間に、視認可能なクランプまたは細胞のデブリがないことを確保するために、産物は視覚的に評価される。
実験処置グループ:合計20分にわたり500万個の細胞/分の速度でのゆっくりとした静脈内注入により、単回用量100×106個のWJ-MSC/患者が投与される。
プラセボグループ:5%のヒト血清アルブミン(HAS)および10%のジメチルスルホキシド(DMS)を補充した塩化ナトリウムバッファーが、実験処置グループと同じ容量および投与形式で投与される。
経過観察訪問:以下の評価を、介入後毎日行う。
9ポイントの順序尺度で評価される臨床状態
1日2回のO2飽和度およびO2要求量。最も悪い値がとられる。
CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)バージョン5の基準による安全性の評価
以下の評価を、1、3、5、8、15、および30日目(またはそれ以前の場合は退院日)に行う。臨床ケアの一部として行われる場合、このデータは、試験に含まれ、他方でサンプルが、診査の一部として入手、保存、および試験される。
生物学的な試験は、
血液学:白血球、ヘモグロビン、血小板の計数
生化学:ALT、AST、総ビリルビン、血清クレアチニン、血中電解質、CPK、NT-proBNP、ミオグロビン、ハプトグロビン、トロポニンT、プロカルシトニン、LDH、フェリチン、CRP
止血マーカー:D-ダイマーのレベル、プロトロンビン時間、INR、フィブリノーゲン、および抗Xa活性
血漿およびPBMCのバイオバンキングを、0日目、MSC注入から3時間後、1、8、および30日目(またはそれ以前の場合は退院日)に行う
生存率の評価を、7、15、および30日目に評価する。
臨床的に必要である場合、胸部X線/CTスキャンまたはドプラ超音波検査
を含む。
最終的な試験訪問
試験の終了は、全ての包含および全ての患者がそれらの経過観察を完了した際である。この試験の最後の訪問は、30日目である。患者が30日目より前に病院から退院する場合、患者は、退院日に最後の生体評価を経るが、退院後の臨床状態および有害事象は、週間隔での患者への電話の呼び出しにより評価される。
実施例8
本実施例は、試験集団の選択基準を記載する。この試験に登録された各患者は、全ての包含基準を満たし、除外基準を満たさない必要がある。
包含基準および除外基準:対象は、COVID-19と診断された集団から動員される。
包含基準は、以下の通りである:
・18歳以上の男性または女性
包含前のいずれかの検体において逆転写PCR(RT-PCR)により決定される研究室により確認されたSARS-CoV-2を有する。
・入院患者
・5L/分の継続的な酸素補給または高流量の酸素、35%のFiO2>30l/分により定義される重篤な肺炎と分類され、「非侵襲的」換気でも侵襲的人工呼吸でもECMOの下でも96%超を飽和できない患者。
・妊娠の可能性のある女性は、試験期間の間避妊薬または許容可能な受胎調節を使用することに同意しなければならない。
除外基準は、以下の通りである:
・インフォームドコンセントを提供することができない
・24時間の生存が予測されない患者、または包含時もしくはこの入院の間に以前に人工呼吸をしている患者
・妊娠中または育児(授乳)中の女性(妊娠は、陽性のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)臨床検査により確認される、受胎後かつ妊娠の終了までの女性の状態として定義される)
・BMI30以上の患者
・既知の悪性腫瘍または以前に悪性腫瘍であった患者
・医師により禁忌とみなされる他の重篤な全身性疾患を有する患者
・スクリーニング時に後述される範囲外の以下の臨床結果のいずれかを有する患者:絶対好中球数(ANC)≦1.0×109/L、血小板(PLT)<50 109/L、ASATまたはALAT>5N、eGFR<30mL/m分
・現在論述されている細菌性感染症
・ヒト免疫不全ウイルス、梅毒トレポネーマ、B型肝炎抗原(以前のワクチン接種およびワクチン接種の履歴と一致する血清学が許容可能である)、またはC型肝炎を伴う感染症の血清学的なエビデンス
・結核に対し不顕性または以前に罹患したことがあること、および現在治療中であること、または、結核に曝露したか、または過去3カ月以内に結核もしくは真菌症のリスクが高い領域を旅行したことがある
・ProTrans(登録商標)製品の成分に対する既知のアレルギーを有する患者
・レムデシビルで現在処置中であること、
・長期間の酸素療法を必要とする既存の慢性呼吸器疾患
・Cの基底のChild and Pughを有する既存の肝硬変
・血栓塞栓症および/または血栓塞栓性の併存症のリスクが高い病歴を有する患者
・心筋梗塞の病歴を有する患者
・心機能障害の病歴1
結果
9名の個体の試験集団を、上述の基準に基づき選択する。対象は、試験介入を行う前または後に試験への関与に関する同意書を撤回してもよい。対象の中断の理由は、CRF(Case Report Form)で文書化される。対象がAEにより中断する場合、イベントの性質およびその臨床過程は、完全に文書化されなければならない。
実施例9
本実施例は、どのように臨床試験を行うかを記載する。本明細書において、本発明の集められたアロジェニックなMSC組成物は、薬物産物と呼ばれ、本医薬組成物は、最終産物と呼ばれる。よって最終産物は、薬物産物を含む。
材料および方法
薬物産物は、複数のドナー由来のアロジェニックな細胞懸濁物として定義されている。MSCは、ホウォートンゼリーから外植片を介して単離され、継代2または3まで増殖される。薬物産物は、5名のドナーから集められ、ex vivoで増殖された細胞を含む。各バッチの産生は、約20名の適格なドナー由来の組織の外植片で開始し、このうち五名のドナーを、本明細書中記載の薬物産物ドナーとして最終的に選択する。MSCの性質決定に加え、細胞を、形態、増殖能、ならびに免疫抑制および免疫調節能に関連する機能的なアッセイに基づき選択する。
細胞は、5mlの5%のHSAおよび10%のDMSOにおいて30、60、または100×106個の細胞の濃度でcryo bagに凍結する。1つのcryo bagは、1つの用量を含む。バッグを、コントロールレートフリーザーで凍結し、注入の時間まで保存のため-190℃に直接移す。凍結保存されたバッグは、製造社により液体窒素において研究者の場所へ輸送され、これをベッドの側で解凍し、薬物産物の即時希釈および髄腔内注射のため腰椎穿刺を介して吸引される自家性脊髄液に希釈する。あるいは、静脈内または動脈内注入が利用され、薬物産物は、100mlの生理食塩水に希釈した後に投与される。注射の最低24時間前に、研究者は、IPの送達のため製造社に要求書を送付する。注入日に、適用可能な最終産物が、製造社により研究者の場所へ輸送される。
最終産物は、製造社が液体窒素の輸送キャニスター中のcryobagを手渡した際に送達されたとみなされる。患者への注入の準備ができている場合、細胞を、ウォーターバスにおいてベッドサイドで解凍する。解凍された最終産物を、髄腔内送達のため合計15mlの注入容量を提供する10mlの脊髄液または静脈内もしくは動脈内送達のため100mlの生理食塩水に希釈する。最終産物は、調製から30分後以内(しかしながら調製から2時間後以下)に患者に投与すべきである。
細胞は、100mlの生理食塩水の用量で静脈内投与される。プラセボは、静脈内または動脈内試験では、同等の容量のDMSOである。フェーズIIの試験では、これは、二重盲検試験であり、ここで、安全性および効力の評価を注射後に行う試験対象および試験員の両者は、どの対象がWJMSCまたはプラセボを投与されたかを知らされていない。対象は、薬物産物またはプラセボの処置のいずれかを投与するように無作為化される。
全患者は、標準的なCOVID-19の処置を受ける。試験処置を妨げ得る併用医療を受けている試験患者は、この試験から除かれる。研究者は、試験処置が開始した際に受けている新規の全ての薬剤投与について試験場所に通知するように患者に指示する。患者が試験薬物での処置を開始する後に行われる全ての薬剤投与および有意な非薬物療法(物理的療法および輸血を含む)は、CRFおよび診療録に列挙されなければならない。
結果
試験は、薬物産物/最終産物の注入後2年間の経過観察で完了する。
上述の手法は、産物の適切な適用を保証し、産物の安全性および効力の試験を可能にする。
有害事象の回数および頻度は、登録の時間から経過観察期間の終了まで、または早期に離脱する場合は、試験の離脱の時間まで、記録される。有害事象(AEおよびSAE)は、患者の医学的な記録に書き留められ、各AE/SAEで別々のAE/SAEレポートが作製される。患者は、スクリーニング訪問による各訪問で全ての有害事象を報告するように尋ねられる。バイタルサイン、身体検査、神経試験(研究者による)、血液および尿のサンプルが、安全性のため試験を通して特定の時間に分析される。
2名の患者は、臨床試験EudraCT number:2020-002078-29(Treatment of Respiratory Complications Associated with COVID-19 Infection Using Wharton’s Jelly (WJ)-Umbilical Cord (UC) Mesenchymal Stromal Cells(ProTrans(登録商標)):非盲検フェーズIB臨床試験)において治験産物IMP(言い換えると最終産物)として製剤化された2500万個の細胞を注入される。重篤な有害な反応は登録されておらず、患者は、それぞれ注入から1日後および5日後に、退院した。1名の患者は、カナダの臨床試験プロジェクトコード番号:2021-6954(Treatment of Respiratory Complications Associated with COVID-19 Infection Using Wharton’s Jelly (WJ)-Umbilical Cord (UC) Mesenchymal Stromal Cells(ProTrans(登録商標)):無作為化フェーズII対照臨床試験においてIMPとして製剤化された1億個の細胞またはプラセボを投与される。重篤で有害な反応は登録されていない。
本実施例は、本明細書中開示される薬物産物での処置が、以下の結果:入院時間の減少、酸素補給または高流量酸素補給の必要性の減少、医療介入の必要性(たとえば人工呼吸、たとえばECMOの必要性)の減少、酸素支援の必要性の減少、および生存率の増大のうちの1つ以上を示すことが予想される。
さらに、本発明の処置は、患者において抗HLA抗体の臨床上関連する誘導を全くもたらさないことが予想される。
実施例10
本実施例は、本開示に係る、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、集めた後に培養することを必要とせずに、単一のドナーまたは骨髄MSCなどの他のMSCの供給源に由来するMSCと比較して高い、高い免疫調節分子のベースライン分泌を呈することを示す。
材料および方法
アッセイ1:IDOアッセイ.IDOアッセイを使用して、薬物中間体または薬物物質、すなわち間葉系幹細胞/間質細胞(MSC)の免疫抑制能を分析する。
WJ-MSCの免疫調節の可能性は、インドールアミン 2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の活性の測定値として報告され、培養物の上清におけるトリプトファンおよびキヌレニンを測定することにより決定される。IDO活性は、キヌレニン/トリプトファンの比率であり、ELISAキットを使用して細胞培養物の上清に存在するトリプトファンおよびキヌレニンの量を計算することにより決定され得る。本発明者らは、WJ-MSCを集めることが単一のWJ-MSCドナーまたは骨髄由来のMSCと比較して高いベースライン(非刺激の)レベルのIDO活性をもたらすことを示すデータを提示する。
MSC培養:48ウェル細胞培養プレートの中の100μlのアッセイ培地(DMEM、低グルコース、GlutaMAX(商標)補助剤、ピルビン酸塩(ThermoFisher Scientific, cat no. 21885025)+10%のウシ胎仔血清、適格、熱不活性化(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071))に1000個のMSC/ウェルを播種する。100μlのアッセイ培地を細胞に添加する。細胞培養プレートを、37℃、5%のCO2にて72時間インキュベートする。各ウェルから上清を除去し、ELISA分析でのさらなる処理まで-20℃でマイクロチューブに保存する。トリプトファンおよびキヌレニンの測定を、ELISAキットの製造社により提供されるマニュアル(Immundiagnostik AG, cat no. K 3730および K 3728)にしたがい行う。トリプトファンおよびキヌレニンのELISAの両方を、同日に別々の状況で行う。2つのELISAは、製造社の指示にしたがい行う。各ELISAのマニュアルを参照されたい。
620nmでのバックグラウンド減算を伴う450nmでの吸収を、Spectramax マイクロプレートリーダー(Molecular Devices, Spectramax 190)で測定する。
結果の分析:測定した吸光度の量は、サンプルに存在するアミノ酸の量に逆比例しており、すなわちOD450が低いほど、キヌレニンまたはトリプトファンが多い。4PL-アルゴリズム(Four Parameter Logistic Regression)が、結果を計算するためキットの製造社により推奨されるように使用される(software SoftMax Pro 7.0.2, Molecular Devices)。濃度は、標準曲線から直接決定される。キットと共に提供される対照サンプルは、認容性に関して評価される。キットの製造社により許容される範囲外にある場合、サンプルは再度アッセイする必要がある。
結果
キヌレニン/トリプトファンの比率を、集められたWJ-MSC(TB1)において、単一の細胞のWJ-MSCドナー、骨髄由来のMSC、およびヒト胎盤絨毛癌由来のJEG-3対照細胞株と比較して評価した。評価した他の全ての細胞供給源と比較して高いベースラインのIDO活性が、TB1の集められたWJ-MSCで見られた。
材料および方法
アッセイ2:プロスタグランジンE2(PGE2)アッセイは、培養培地の上清における薬物物質中間体および/または薬物物質のPGE2の分泌を評価する。
細胞培養:細胞を、アッセイ培地(DMEM、低グルコース、GlutaMAX(商標)補助剤、ピルビン酸塩(ThermoFisher Scientific, cat no. 21885025)+10%のウシ胎仔血清、適格、熱不活性化(ThermoFisher Scientific, cat no. 16140071))で3日間培養する。ウェルあたり40000個のMSCを、12ウェル細胞培養プレートに播種する。細胞培養プレートを、37℃、5%のCO2にてインキュベートする。500μlのアッセイ培地。細胞培養プレートを、37℃、5%のCO2にて72時間インキュベートする。上清を各ウェルから除去し、500gで5分間遠心分離して微粒子を除去する。この上清を凍結して、ELISA分析のさらなる処理のため-20℃で保存する。
Parameter(商標)プロスタグランジン E2イムノアッセイキットを、PGE2発現検出のため製造社の指示にしたがい使用し(Bio-Techne, cat no. KGE004B)、Spectramax マイクロプレートリーダー(Molecular Devices, Spectramax 190)で分析する。
結果を計算するために、4PL-アルゴリズム(Four Parameter Logistic Regression)が使用される(software SoftMax Pro 7.0.2, Molecular Devices)。
結果
集められたWJ-MSC(TB1)および単一のドナーによるPGE2の分泌のレベルを、72時間にわたり評価した。集められた細胞におけるPGE2の分泌のベースラインレベルは、単一のドナーと比較して高かった(図7)。
実施形態の列挙されたリスト
1.COVID-19感染症の処置および/もしくは予防に使用するため、またはCOVID-19感染症に関連する症状の処置および/もしくは予防に使用するための、単離され、集められたアロジェニックな間葉系幹細胞(MSC)集団であって、前記単離され、集められたアロジェニックな間葉系幹細胞が、少なくとも3名の個々のドナーに由来するMSCを含み、いずれか1名のドナーに由来する細胞の数が、総細胞数の50%を超えず、MSCが、最大10回の継代に供されており、前記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、
前記少なくとも3名超の個々のドナーからMSCを培養または準備して、少なくとも3名超の個々のドナーに由来するMSC集団を得るステップと、
少なくとも3つのアッセイを使用して各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイして、前記各個々のドナーに由来するMSC集団の少なくとも3つのアッセイの結果を得るステップと、
各アッセイで、前記アッセイ結果に基づき個々のランキングスコアの値を前記各個々のドナー由来のMSC集団に割り当て、よって各個々のドナー由来のMSC集団の少なくとも3つの個々のランキングスコアの値を得るステップであって、高いランキングスコアの値が、より望ましいアッセイ結果を表すか、または低いランキングスコアの値が、より望ましいアッセイ結果を表す、ステップと、
前記少なくとも3つの個々のランキングスコアの値に基づき各個々のドナーに由来するMSC集団に総スコアの値を割り当てるステップであって、高いランキングスコアの値がより望ましいアッセイ結果を表す場合、高い総スコアの値がより望ましい集団特性を表すか、または低いランキングスコアの値がより望ましいアッセイ結果を表す場合、低い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す、ステップと、
それらの総スコアの値に基づき望ましい集団特性を有する個々のドナーに由来するMSC集団のサブセットを選択するステップと、
前記選択された個々のドナーに由来するMSC集団を集めて、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を得るステップと
を含み、
前記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも2つが、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(dioxygensase)(IDO)の活性を測定する1つのアッセイ;前記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する1つのアッセイ、および末梢血単核球(PBMC)の増殖に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択され、
前記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも1つが、免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、単球に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、ならびにミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイからなる群から選択される、
方法により、入手可能である、単離され、集められたアロジェニックな間葉系幹細胞(MSC)集団。
2.前記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団が、集めるステップの後にさらに培養されていない、請求項1に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
3.前記少なくとも1つのアッセイの個々のランキングスコアの値が、前記各個々のドナーに由来するMSC集団のアッセイ結果の残りの個々のドナーに由来するMSC集団の結果との比較に基づき、前記各個々のドナーに由来するMSC集団に割り当てられている、付記項1または2に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
4.前記少なくとも1つのアッセイの個々のランキングスコアの値が、前記個々のドナーに由来するMSC集団で得られた絶対的なアッセイ結果に基づき、前記各個々のドナーに由来するMSC集団に割り当てられている、付記項1~3のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
5.前記アッセイ結果が望ましいとみなされ、前記得られた望ましいアッセイ結果を反映する個々のランキングスコアが、前記絶対的な結果が少なくとも1つの所定の値または最大で所定の値に対応する場合に、割り当てられる、付記項4に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
6.望ましい集団特性を有する個々のドナーに由来するMSC集団のサブセットを選択するステップが、高い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す場合の少なくとも1つの所定の値に対応するか、または低い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す場合の最大での所定の値に対応する総スコアの値を有する個々のドナーに由来するMSC集団を選択するステップを含む、付記項1~5のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
7.前記望ましい集団特性を有する個々のドナーに由来するMSC集団のサブセットを選択するステップが、所定の数の個々のドナーに由来するMSC集団を選択するステップを含み、ここで集団は、高い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す場合に残りの個々のドナーに由来するMSC集団と比較して高い総スコアの値を呈し、または集団は、低い総スコアの値がより望ましい集団特性を表す場合に残りの個々のドナーに由来するMSC集団と比較して低い総スコアの値を呈する、付記項1~5のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
8.前記MSCが、最大で7回の継代、たとえば最大で6回の継代、たとえば最大5回の継代、たとえば最大4回の継代、たとえば最大3回の継代、たとえば1、2、または3回の継代、たとえば2または3回の継代に供されている、付記項1~7のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
9.前記MSCが、ネイティブなMSC供給源に由来する、付記項1~8のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
10.前記MSCが、骨髄由来のMSC、末梢血由来のMSC、脂肪組織由来のMSC、歯組織由来のMSC、口腔由来のMSC、胎盤由来のMSC、臍帯由来のMSC、羊水由来のMSC、臍帯血由来のMSC、ホウォートンゼリー由来のMSC、脱落膜由来のMSC、類軟骨膜(chondrion membrane)由来のMSC、および羊膜由来のMSCからなる群;たとえば胎盤由来のMSC、臍帯由来のMSC、羊水由来のMSC、臍帯血由来のMSC、ホウォートンゼリー由来のMSC、脱落膜由来のMSC、類軟骨膜由来のMSC、歯髄由来のMSC、および羊膜由来のMSCからなる群から選択される、付記項1~9のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
11.前記MSCが、臍帯由来のMSCおよびホウォートンゼリー由来のMSCからなる群から選択され、たとえば前記MSCが、ホウォートンゼリー由来のMSCである、付記項10に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
12.前記集団が、少なくとも4名の個々のドナー、たとえば少なくとも5名の個々のドナー、たとえば少なくとも6名の個々のドナー、たとえば少なくとも7名の個々のドナー、たとえば少なくとも8名の個々のドナー、たとえば少なくとも9名の個々のドナー、たとえば少なくとも10名の個々のドナーに由来するMSCを含む、付記項1~11のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
13.前記集団が、3-20名の個々のドナー、たとえば3-15名の個々のドナー、たとえば3-10名の個々のドナー、たとえば4-8名の個々のドナー、たとえば5-7名の個々のドナー、たとえば5、6、または7名の個々のドナーに由来するMSCを含む、付記項1~12のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
14.前記個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップが、集めるステップで集めた個々のドナーに由来するMSC集団の数よりも少なくとも1~4倍、たとえば2~4倍、たとえば2~3または3~4倍多い個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップを含む、付記項1~13のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
15.前記個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップが、少なくとも3、たとえば少なくとも4、たとえば少なくとも5、たとえば少なくとも6、たとえば少なくとも7、たとえば少なくとも8、たとえば少なくとも9、たとえば少なくとも10、たとえば少なくとも11、たとえば少なくとも12、たとえば少なくとも13、たとえば少なくとも14、たとえば少なくとも15、たとえば少なくとも16、たとえば少なくとも17、たとえば少なくとも18、たとえば少なくとも19、たとえば少なくとも20名の個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップを含む、付記項1~14のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
16.前記個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップが、約3~50名の個々のドナーに由来するMSC集団、たとえば約4~約50、たとえば約5~約50、たとえば約6~約50、たとえば約6~約30、たとえば約6~約20、たとえば約6~約15、たとえば約8~約12名の個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップを含む、付記項1~14のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
17.前記少なくとも3つのアッセイを使用して各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップが、少なくとも1つの機能的なアッセイ、たとえば少なくとも2つの機能的なアッセイ、たとえば少なくとも3つの機能的なアッセイ、たとえば少なくとも4つの機能的なアッセイ、たとえば少なくとも5つの機能的なアッセイを使用するステップを含む、付記項1~16のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
18.前記IDO活性を測定する少なくとも1つのアッセイが、刺激されたPBMCまたは精製されたT細胞または活性化された単球/マクロファージもしくはミクログリアと共培養したMSCの培養物の上清の中でIDO活性を測定するステップを含む、付記項1~17のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
19.前記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定する少なくとも1つのアッセイが、PBMC、たとえばフィトヘマグルチニン(PHA)で刺激したPBMC、たとえばPHAで刺激したTリンパ球と共培養、またはインターフェロンγおよび/もしくは腫瘍壊死因子αと共培養した際の、上記MSCにより分泌されるプロスタグランジンE2を測定するステップを含む、付記項1~18のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
20.前記PBMCの増殖が、Tリンパ球の増殖、たとえばフィトヘマグルチニン(PHA)で刺激したTリンパ球の増殖である、付記項1~19のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
21.前記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも1つが、免疫応答を抑制するT細胞の特性に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイである、付記項1~20のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
22.前記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも1つが、樹状細胞の増殖および/またはアポトーシスに及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、または免疫寛容原性樹状細胞に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイである、付記項1~21のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
23.前記少なくとも3つのアッセイのうちの少なくとも1つが、ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイ、ミクログリアの増殖を測定する1つのアッセイ;ミクログリアにおけるM1表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイ;ミクログリアにおけるM2表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイ;ならびにM1ミクログリア表現型からM2ミクログリア表現型への移行を測定するアッセイからなる群から選択される、付記項1~22のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
24.前記ミクログリアの増殖を測定する1つのアッセイが、ミクログリア細胞および/またはミクログリア様細胞と前記個々のドナーに由来するMSC集団の共培養を含む、付記項23に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
25.前記ミクログリア細胞またはミクログリア様細胞が、不死化細胞株、たとえばヒトミクログリアHMC3細胞株またはCHME-5細胞株;生検から得た初代ミクログリア;臍帯血から培養した初代ミクログリア様細胞;および臍帯血由来の不死化したミクログリア様細胞、たとえばDUOC-01細胞株からなる群から選択され;たとえば不死化細胞株からなる群から選択され、たとえばHMC3細胞株、CHME-5細胞株、およびDUOC-01細胞株からなる群から選択される、付記項23または24に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
26.前記ミクログリアの増殖を測定する1つのアッセイが、ミクログリア細胞の増殖の減少が、マイトジェンでの刺激、たとえばリポ多糖での刺激後に起こるかどうかをアッセイするステップ、またはリポ多糖での刺激の後にミクログリア細胞の増殖の減少を定量化するステップを含む、付記項23~25のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
27.前記増殖が、増殖のパーセンテージとして測定されるか、増殖指数として測定されるか、または増殖指標として測定され、たとえば増殖指標として測定される、付記項23~26のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
28.前記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM1表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイが、CD183、CD11b、CD14、B7-2/CD86、インテグリンαVβ3、MFG-E8、NO、ROS、RNS、CCL2/MCP-1、CCL3/MIP-1α、CCL4/MIP-1β、CCL5/RANTES、CCL8/MCP-2、CCL11/エオタキシン、CCL12/MCP-5、CCL15/MIP-1δ、CCL19/MIP-3β、CCL20/MIP-3α、CXCL1/GROα/KC/CINC-1、CXCL9/MIG、CXCL10/IP--10、CXCL11/I-TAC、CXCL13/BLC/BCA-1、CX3CL1/フラクタルカイン、MMP-3、MMP-9、グルタメート、IL-1β/IL-1F2、IL-2、IL-6、IL-12、IL-15、IL-17/IL-17A、IL-18/IL-1F4、IL-23、IFNγ、TNF-α、FcγRIII/CD16、FcγRII/CD32、CD36/SR-B3、CD40、CD68/SR-D1、B7-1/CD80、MHCII、iNOS、およびCOX-2からなる群から選択される少なくとも1つのマーカー;たとえばCD183、CD11b、およびCD14からなる群から選択される少なくとも1つのマーカーの発現を測定するステップを含む、付記項23~27のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
29.前記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM1表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイが、少なくともCD183の発現を測定するステップを含む、付記項28に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
30.発現が前記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM1表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイにより測定されるマーカーの少なくとも1つの発現の減少が、望ましい結果を表す、付記項28~29のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
31.前記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM2表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイが、CX3CR1、CD200R、CD206、IL-1Ra/IL-1F3、IL-4、IL-10、IL-13、TGF-β、CCL13/MCP-4、CCL14、CCL17/TARC、CCL18/PARC、CCL22/MDC、CCL23/MPIF-1、CCL24/エオタキシン-2/MPIF-2、CCL26/エオタキシン-3、FIZZ1/RELMα、YM1/キチナーゼ3-様3、CLEC10A/CD301、MMR/CD206、SR-AI/MSR、CD163、アルギナーゼ1/ARG1、トランスグルタミナーゼ2/TGM2、PPAR、およびγ/NR1C3からなる群から選択される少なくとも1つのマーカー;たとえばCX3CR1、CD200R、およびCD206からなる群から選択される少なくとも1つのマーカーの発現を測定するステップを含む、付記項23~27のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
32.前記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM2表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイが、少なくともCD200Rの発現を測定するステップを含む、付記項31に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
33.発現が前記ミクログリアおよび/またはミクログリア様細胞におけるM2表現型に特有のマーカーの発現を測定する1つのアッセイにより測定されるマーカーの少なくとも1つの発現の増大が、望ましい結果を表す、付記項31~32のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
34.前記M1ミクログリア表現型からM2ミクログリア表現型への移行が、付記項28~29のいずれか1項に定義されるマーカーのうちのいずれか1つ以上の発現の減少、および付記項31~32のいずれか1項に定義されるマーカーのうちのいずれか1つ以上の発現の増大として測定される、付記項28~33のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
35.前記M1ミクログリア表現型からM2ミクログリア表現型への移行が、CD183、CD11b、およびCD14から選択されるマーカーのいずれか1つ以上の発現の減少、ならびにCX3CR1、CD200R、およびCD206から選択されるマーカーのいずれか1つ以上の発現の増大として測定され、たとえば前記M1ミクログリア表現型からM2ミクログリア表現型への移行が、CD183の発現の減少およびCD200Rの発現の増大として測定される、付記項34に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
36.前記M1ミクログリア表現型からM2ミクログリア表現型への移行が、望ましい結果を表す、付記項34~35のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
37.前記単球に及ぼす前記MSCの効果を測定する1つのアッセイが、前記MSCに応答した古典的な単球から非古典的な単球への移行を測定するステップを含み、たとえば再生表現型へ向かう単球の移行に及ぼす前記MSCの作用を測定する、付記項1~36のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
38.前記少なくとも3つのアッセイが、IFNγ、腫瘍壊死因子α、アラム、IL-10、PHA、および/またはGABAに応答、たとえばIFNγ、IL-10、および/またはPHAに応答した前記MSCのHLA-G発現を測定する少なくとも1つのアッセイをさらに含む、付記項1~37のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
39.前記少なくとも3つのアッセイが、タンパク質の発現および/またはサイトカインの発現を測定する少なくとも1つのアッセイをさらに含む、付記項1~38のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
40.前記タンパク質発現および/またはサイトカイン発現を測定する少なくとも1つのアッセイが、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-12、IL-12/13、IL17A、IL-21、IL-22、IL-29、IL-31、TGFβ、VEGF、FGF、GM-CSF、IFNα、IFNΓ、apoE、およびTNFαからなる群、たとえばIL-6、IL-8、GM-CSF、およびTGFβからなる群、たとえば少なくともIL-6からなる群から選択される1つまたはいくつかのタンパク質またはサイトカインの発現を測定し、前記タンパク質発現および/またはサイトカイン発現を測定する少なくとも1つのアッセイが、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-12、IL-12/13、IL17A、IL-21、IL-22、IL-29、IL-31、TGFβ、VEGF、FGF、GM-CSF、IFNα、IFNγ、apoE、およびTNFα、およびACE2受容体およびTMPRSS2からなる群、たとえばIL-6、IL-8、GM-CSF、TGFβ、ACE2受容体、およびTMPRSS2からなる群、たとえば少なくともACE2受容体およびTMPRSS2からなる群から選択される1つまたはいくつかのタンパク質またはサイトカインを測定する、付記項39に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
41.前記タンパク質および/またはサイトカインの少なくとも2、たとえば少なくとも3、たとえば少なくとも4、たとえば少なくとも5、たとえば少なくとも6、たとえば少なくとも7、たとえば少なくとも8、たとえば少なくとも9、たとえば少なくとも10、たとえば少なくとも11、たとえば少なくとも12、たとえば少なくとも13、たとえば少なくとも14、たとえば少なくとも15、たとえば少なくとも16、たとえば少なくとも17、たとえば少なくとも18、たとえば19全ての発現が測定される、付記項40に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
42.前記発現が、少なくとも1つの刺激の非存在下および/または存在下で測定される、付記項39~41のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
43.前記刺激が、免疫応答を改変する刺激である、付記項42に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
44.前記免疫応答を改変する刺激が、PBMC;刺激されたPBMC、たとえばPHA、IL10、γ-アミノ酪酸(GABA)、抗CD2、 抗-CD3、抗-CD28、アラム、および/またはインターフェロンγ(IFNγ)で刺激したPBMCからなる群から選択される、付記項43に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
45.前記免疫応答を改変する刺激が、γ-アミノ酪酸(GABA)であるか、または前記免疫応答を改変する刺激が、γ-アミノ酪酸(GABA)で刺激されたPBMCである、付記項43または44に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
46.前記刺激が、サイトカイン、たとえばインターフェロンγ(IFNγ)である、付記項42~44に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
47.刺激が、ポリイノシン/ポリシチジン酸(Poly I:C)、レシキモド(r848)、γ-アミノ酪酸(GABA)、およびIFNγからなる群、たとえばPoly I:CおよびIFNγからなる群から選択される、付記項42~46のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
48.刺激が、PBMC、たとえば刺激されたかまたは刺激されていないPBMC、たとえばPHAで刺激されたPBMC、たとえばPHAで刺激されたTリンパ球である、付記項42~44のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
49.前記少なくとも3つのアッセイが、少なくとも1つの形態学的なアッセイを含む、付記項1~48のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
50.前記形態学的なアッセイが、細胞および/または細胞の核の形態学的な特性をアッセイする、付記項49に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
51.前記細胞および/または細胞の核の形態学的な特性が、細胞の大きさ、核の大きさ、細胞の形状、ならびに細胞および核の大きさの間の比率からなる群から選択される1つ以上の特性である、付記項50に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
52.個々のドナーに由来するMSC集団が、90%以上、たとえば少なくとも91%、たとえば少なくとも92%、たとえば少なくとも93%、たとえば少なくとも94%、たとえば少なくとも95%、たとえば少なくとも96%、たとえば少なくとも97%、たとえば少なくとも98%、たとえば少なくとも99%の正常な細胞および/または核を呈する場合のみ、集めることに適格がある、付記項49~51のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
53.前記少なくとも3つのアッセイを使用して各個々のドナーに由来するMSC集団をアッセイするステップが、MSC集団が、継代0(p0)~継代8(p8)、たとえばp1~p5、たとえばp1~p4、たとえばp2~p4、またはp1~p4、たとえばp1、p2、および/またはp3、たとえばp2および/またはp3にある際に行われる、付記項1~52のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
54.少なくとも1つのアッセイ、たとえば少なくとも2つのアッセイ、たとえば少なくとも3つのアッセイ、たとえば全てのアッセイが、細胞が集められる際と同じ継代にある際に行われる、付記項1~53のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
55.少なくとも2つのアッセイが、異なる継代で行われる、付記項1~53のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
56.前記各個々のドナーに由来するMSC集団に割り当てられた総スコアの値が、各個々のドナーに由来するMSC集団のランキングスコアの値の加算により得られる追加の総スコアの値である、付記項1~55のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
57.前記各個々のドナーに由来するMSC集団に割り当てられた総スコアの値が、1)重みを、各アッセイのランキングスコアの値に割り当て、2)個々のドナーに由来するMSC集団の重み付けされたランキングスコアの値を加算することにより得られる、重み付けした総スコアの値である、付記項1~55のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
58.前記望ましい集団特性を有する個々のドナーに由来するMSC集団のサブセットを選択するステップが、少なくとも3、たとえば少なくとも4、たとえば少なくとも4、たとえば少なくとも5、たとえば少なくとも6、たとえば少なくとも7、たとえば少なくとも8、たとえば少なくとも9、たとえば少なくとも10名の個々のドナーに由来するMSC集団を選択するステップを含む、付記項1~57のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
59.集団において、いずれか1名のドナーに由来する細胞数が、総細胞数の45%未満、たとえば40%未満、たとえば35%未満であり、前記集団が、少なくとも3名のドナーに由来するMSCを含み;たとえば集団において、いずれか1名のドナーに由来する細胞数が、総細胞数の40%未満、たとえば35%未満、たとえば30%未満であり、前記集団が、少なくとも4名のドナーに由来するMSCを含み;たとえば集団において、いずれか1名のドナーに由来する細胞数が、総細胞数の35%未満、たとえば30%未満、たとえば25%未満であり、前記集団が、少なくとも5名のドナーに由来するMSCを含み;たとえば集団において、いずれか1名のドナーに由来する細胞数が、総細胞数の30%未満、たとえば25%未満、たとえば20%未満であり、前記集団が、少なくとも6名のドナーに由来するMSCを含み;たとえば集団において、いずれか1名のドナーに由来する細胞数が、総細胞数の25%未満、たとえば22%未満、たとえば20%未満であり、前記集団が、少なくとも7名のドナーに由来するMSCを含む、付記項1~58のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
60.集団において、いずれか1名のドナーに由来する細胞数が、他のいずれかのドナーに由来する細胞数の4倍、たとえば3倍、たとえば2倍未満である、付記項1~59のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
61.前記方法が、前記個々のドナーに由来するMSC集団のアッセイ結果が、付記項1~60のいずれか1項に定義される方法により以前に得られた集められたアロジェニックなMSC集団の対応するアッセイ結果より望ましくない場合、集めるステップから、個々のドナーに由来するMSC集団を廃棄するステップをさらに含む、付記項1~60のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
62.前記MSCが、ネイティブなMSC供給源から得られている、付記項1~61のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
63.前記集められた集団が、個々のドナーに由来するMSC集団、たとえばアッセイした各個々のドナーに由来するMSC集団、たとえば集めるため選択された各個々のドナーに由来するMSC集団と比較して、高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性を呈する、付記項1~62のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
64.前記高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性が、刺激されていないMSCによるIDOの発現として測定される、付記項63に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
65.前記高い免疫抑制および/または免疫調節の可能性が、刺激されていないMSCによるPGE2の発現として測定される、付記項63または64に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
66.前記集団が、統計上有意なバッチ間のばらつきを呈さない、付記項1または65に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
67.前記COVID-19感染症に関連する症状の処置および/または予防が、COVID-19感染症に関連する神経性症状の処置および/または予防である、付記項1~66のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
68.前記長期のCOVID-19感染症に関連する症状の処置および/または予防が、長期のCOVID-19感染症に関連する神経性症状の処置および/または予防、たとえば長期のCOVID-19感染症に関連する炎症および/または脱髄の処置および/または予防である、付記項1~66のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
69.前記COVID-19感染症に関連する神経性症状の処置および/または予防が、COVID-19感染症に関連する炎症および/または脱髄の処置および/または予防である、付記項1~67のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
70.前記使用が、それを必要とする患者への注入または注射としての前記MSC集団の投与を含む、付記項1~69のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
71.前記注入または注射が、静脈内、腹腔内、リンパ内、静脈内、髄腔内、脳内、動脈内、皮下、またはOmmayaリザーバーを介して;たとえば静脈内、腹腔内、またはリンパ内、たとえば静脈内にて投与される、付記項70に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
72.前記注入または注射が、髄腔内または脳内または静脈内にて投与される、付記項70または71に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
73.前記注入が、反復して行われる、付記項70~72のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
74.前記注入が、1回のみ行われる、付記項70~72のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
75.前記集めた後の集団が、炎症誘発性化合物、たとえばIFNγ、腫瘍壊死因子α、および/またはアラムに、投与前最大約1時間または投与前の約1~約24時間、曝露されている、付記項1~74のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
76.前記MSC集団の投与が、患者において抗HLA抗体を誘導しないかまたは抗HLA抗体の誘導が少ない、付記項1~75のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
77.前記使用が、およそ少なくとも3×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも5×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも10×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも15×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも20×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも25×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも30×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも50×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約60×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約75×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約100×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約150×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約200×106個の細胞の用量の前記患者への投与を含む、付記項1~76のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
78.前記使用が、およそ少なくとも0.1×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,3×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,5×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,75×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも1×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも1,2×106個の細胞/kg体重の用量の前記患者への投与を含む、付記項1~77のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
79.前記使用が、約0.1×106個の細胞/kg体重~約10×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.15×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.20×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.3×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約3×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約2×106個の細胞/kg体重、または約0.3×106個の細胞/kg体重~約1.2×106個の細胞/kg体重の用量の前記患者への投与を含む、付記項1~78のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団。
80.付記項1~79のいずれか1項に記載の使用のための、単離され、集められたアロジェニックなMSC集団と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む、医薬組成物。
81.およそ少なくとも3×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも5×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも10×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも15×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも20×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも25×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも30×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも50×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約60×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約75×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約100×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約150×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約200×106個の細胞を含む、付記項80に記載の医薬組成物。
82.注入のため、たとえば静脈内注入、腹腔内注入、リンパ内(intralymphatical)注入、静脈内注入、脳内注入、髄腔内注入、脳内注入、動脈内注入、皮下注入またはOmmayaリザーバーを介した注入;たとえば脳内または髄腔内注入、たとえば静脈内注入のために製剤化された、付記項79~80のいずれか1項に記載の医薬組成物。
83.COVID-19感染症であるかまたはCOVID-19感染症に関連する疾患または病態の処置および/または予防のための方法であって、付記項1~79のいずれか1項に記載の単離され、集められたアロジェニックなMSC集団または付記項80~82のいずれか1項に記載の医薬組成物の治療上有効量を、それを必要とする患者に投与するステップを含む、方法。
84.前記疾患または病態が、COVID-19感染症に関連する神経性症状である、付記項83に記載の疾患または病態の処置および/または予防のための方法。
85.前記疾患または病態が、COVID-19感染症に関連する炎症および/または脱髄である、付記項83~84のいずれか1項に記載の疾患または病態の処置および/または予防のための方法。
86.前記MSC集団の投与が、注入、たとえば静脈内注入、腹腔内注入、リンパ内(intralymphatical)注入、静脈内注入、髄腔内注入、脳内注入、動脈内注入、皮下注入またはOmmayaリザーバーを介した注入;たとえば髄腔内注入または脳内注入、たとえば静脈内注入によるものである、付記項83~85のいずれか1項に記載の処置および/または予防のための方法。
87.前記注入が、反復して行われる、付記項86に記載の処置および/または予防のための方法。
88.前記注入が、1回のみ行われる、付記項86に記載の処置および/または予防のための方法。
89.前記集めた後の集団が、炎症誘発性化合物、たとえばIFNγ、腫瘍壊死因子α、および/またはアラムに、投与前最大約1時間または投与前の約1~約24時間、曝露されている、付記項83~88のいずれか1項に記載の処置および/または予防のための方法。
90.前記投与が、患者において抗HLA抗体を誘導しないかまたは抗HLA抗体の誘導が少ない、付記項83~89のいずれか1項に記載の処置および/または予防のための方法。
91.前記方法が、およそ少なくとも3×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも5×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも10×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも15×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも20×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも25×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも30×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも50×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約60×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約75×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約100×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約150×106個の細胞、たとえばおよそ少なくとも約200×106個の細胞の用量を前記患者に投与するステップを含む、付記項83~90のいずれか1項に記載の処置および/または予防のための方法。
92.前記方法が、およそ少なくとも0.1×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,3×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,5×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも0,75×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも1×106個の細胞/kg体重、たとえばおよそ少なくとも1,2×106個の細胞/kg体重の用量を前記患者に投与するステップを含む、付記項83~91のいずれか1項に記載の処置および/または予防のための方法。
93.前記方法が、約0.1×106個の細胞/kg体重~約10×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.15×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.20×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.3×106個の細胞/kg体重~約4×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約3×106個の細胞/kg体重、たとえば約0.25×106個の細胞/kg体重~約2×106個の細胞/kg体重、または約0.3×106個の細胞/kg体重~約1.2×106個の細胞/kg体重の用量を前記患者に投与するステップを含む、付記項83~92のいずれか1項に記載の処置および/または予防のための方法。
94.COVID-19感染症およびCOVID-19感染症に関連する病態、たとえばCOVID-19感染症に関連する神経性症状、COVID-19感染症に関連する炎症および/またはCOVID-19感染症に関連する脱髄からなる群から選択される疾患または病態の処置のための医薬の製造における、付記項1~79のいずれか1項に定義される単離され、集められたアロジェニックなMSC集団の使用。
95.COVID-19感染症およびCOVID-19感染症に関連する病態、たとえばCOVID-19感染症に関連する神経性症状、COVID-19感染症に関連する炎症および/またはCOVID-19感染症に関連する脱髄からなる群から選択される疾患または病態の処置のための方法であって、
本明細書中定義される方法を使用して単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を得るステップと、
前記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団または前記単離され、集められたアロジェニックなMSC集団を含む医薬組成物の治療上有効量を、それを必要とする患者に投与するステップと
を含む、方法。