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JP7833804B2 - 水硬性成形体の製造方法 - Google Patents
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JP7833804B2 - 水硬性成形体の製造方法 - Google Patents

水硬性成形体の製造方法

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特許法第30条第2項適用 令和5年11月23日に宗教法人光明院のウェブサイト(https://koumyouin.net/)にて公開、令和5年11月23日に動画投稿サイト(https://www.youtube.com/watch?v=fy7D-OZmY-E&t=4940s)にて公開、令和5年11月23日に宗教法人光明院内にて公開、令和5年11月23日に宗教法人光明院発行の「光明院 御骨仏 感謝仏」にて公開
本発明は、セメントを用いた水硬性成形体の製造方法に関する。
従来、焼骨後の骨粉から仏像、墓石、位牌、灯篭、動物などの造形物を成形し、これを祀ることが行われている(例えば、特許文献1を参照。)。例えば、遺骨から造立される骨仏は、仏様の崇拝と先祖供養の思想とがひとつになることから、多くの人の信仰を集めることができる。また、骨仏は、遺骨を含有することで遺族やゆかりの人にとって慰めにもなり得る。
しかしながら、従来の骨粉を含む造形物は、強度を保つために骨粉含有量が少ない傾向にあり、出来るだけ多くの骨粉を含有させることが望まれる。また、少子高齢化や多死社会、無縁墓の増加といった社会背景から、一定の期間が経過した骨や無縁者の骨などを集めて骨仏とし、多くの人の参拝対象とすることも考えられている。一方、骨仏は寺社等の建物内に設置されることも多いことから、強度を保ちつつ限られた大きさの骨仏に出来るだけ多くの骨粉を含有させることが望まれる。
特開平9-300896号公報
本技術は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、骨粉含有量を多くしても、優れた強度を得ることができる水硬性成形体の製造方法を提供する。
本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、下記水硬性成形体の製造方法により上記目的を達成できることを見出し、本技術を完成した。
[1]
ポルトランドセメントと、骨粉とを含み、水を除く前記骨粉の含有量が、30~60wt%である水硬性組成物を型枠内に打設し、硬化させ、脱型して水硬性成形体を取り出す水硬性成形体の製造方法。
[2]
前記骨粉の含有量が、前記ポルトランドセメント100質量部に対し、40~150質量部である[1]記載の水硬性成形体の製造方法。
[3]
前記水硬性組成物の水セメント質量比が、0.30~0.50である[2]記載の水硬性成形体の製造方法。
[4]
前記ポルトランドセメントが、白色ポルトランドセメントである[1]乃至[3]のいずれかに記載の水硬性成形体の製造方法。
[5]
前記水硬性組成物が、モルタル組成物である[1]乃至[3]のいずれかに記載の水硬性成形体の製造方法。
[6]
前記骨粉の大きさが、2mm以下である[1]乃至[3]のいずれかに記載の水硬性成形体の製造方法。
[7]
前記型枠が、底部から上部まで鉛直方向に段階的に複数のパーツで構成され、複数のパーツが着脱可能である[1]乃至[3]のいずれかに記載の水硬性成形体の製造方法。
[8]
前記型枠の底部から上部まで段階的にパーツを取り除き、水硬性成形体を取り出す[7]記載の水硬性成形体の製造方法。
[9]
前記水硬性成形体が、仏像の一部又は全部である[1]乃至[3]のいずれかに記載の水硬性成形体の製造方法。
[10]
前記[1]乃至[9]のいずれかに記載の製造方法により製造された水硬性成形体。
本技術によれば、ポルトランドセメントと、所定量の骨粉とを含む水硬性組成物を用いることにより、優れた強度を得ることができる。
図1は、本技術を適用させた水硬性成形体の製造方法を示すフローチャートである。 図2は、骨仏を模式的に示す正面図である。 図3は、骨仏における御本尊部を模式的に示す正面図である。 図4は、骨仏における上蓮華部を模式的に示す正面図である。 図5は、骨仏における下蓮華部を模式的に示す正面図である。 図6は、骨仏における光背部を模式的に示す正面図である。 図7は、本技術を用いて造立した骨仏を示す写真である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.水硬性成形体の製造方法
2.実施例
<1.水硬性成形体の製造方法>
図1は、本技術を適用させた水硬性成形体の製造方法を示すフローチャートである。図1に示すように、水硬性成形体の製造方法は、水硬性組成物の調製する調製工程(A)と、水硬性組成物を型枠内に打設する打設工程(B)と、水硬性組成物を硬化させる硬化工程(C)と、型枠内から水硬性成形体を脱型する脱型工程(D)と、水硬性成形体を組立・着色等する仕上工程(E)とを有する。
水硬性成形体は、例えば、仏像、墓石、位牌、灯篭、動物などの造形物の全部であっても一部であってもよい。骨粉は、焼骨を粉砕したものであることが好ましく、殺菌、乾燥、加熱等の処理をしたものであることが好ましい。
以下、水硬性成形体の製造方法の具体例として骨仏の製造方法を挙げて、調製工程(A)、打設工程(B)、硬化工程(C)、脱型工程(D)、及び仕上工程(E)について具体的に説明する。
図2は、骨仏を模式的に示す正面図であり、図3~図6は、それぞれ骨仏における御本尊部、上蓮華部、下蓮華部、及び光背部を模式的に示す正面図である。図2~図6に示すように、具体例として示す骨仏の製造方法は、骨仏を御本尊部11、上蓮華部12、下蓮華部13、及び光背部14の4つの部位に分けてそれぞれ造形し、これを組み立てて骨仏を造立するものである。
[調製工程(A)]
調製工程(A)では、ポルトランドセメントと、骨粉とを含む水硬性組成物を調製する。水硬性組成物は、細骨材を含むモルタル組成物、粗骨材を含むコンクリート組成物であってもよい。ここで、細骨材は、10mmのふるいを通過し、かつ質量で全体の85%以上が5mm未満のサイズのものをいう。また、粗骨材は、5mmのふるいに溜まり、かつ質量で全体の85%以上が5mm以上のサイズのものをいう。骨仏製造の観点から、水硬性組成物は、細骨材として骨粉を含むモルタル組成物であることが好ましい。これにより、粗骨材を含むコンクリート組成物に比べ、表面を平滑にすることができる。
ポルトランドセメントとしては、JIS R 5210に規定するポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、低熱、耐硫酸塩)、酸化第二鉄の含有量を低減した白色ポルトランドセメントなどを用いることができる。骨仏製造の観点から、ポルトランドセメントは、白色ポルトランドセメントであることが好ましい。これにより、骨粉の色合いを見せることができ、また、彩色を容易にすることができる。
骨粉としては、ヒト、動物などの骨を粉砕したものを用いることができる。また、骨仏で使用される骨粉は、焼骨を粉砕したものを用いることができる。焼骨の主成分は、リン酸カルシウムであり、細骨材として焼骨の骨粉を含むモルタル組成物は、セメントペーストと同等以上の強度を得ることができる。
骨粉の大きさは、2mm以下であることが好ましい。ここで、2mm以下の大きさとは、5mmのふるいを通過し、かつ質量で全体の85%以上が2mm以下のサイズのものをいう。骨粉の大きさが小さいことにより、水硬性成形体の強度を向上させ、また、水硬性成形体の表面を平滑にすることができる。
骨粉の含有量は、水を除く水硬性組成物中に好ましくは30wt%以上、より好ましくは35wt%以上、さらに好ましくは40wt%以上である。また、骨粉の含有量は、水を除く水硬性組成物中に好ましくは60wt%以下、より好ましくは55wt%以下、さらに好ましくは50wt%以下である。これにより、骨粉含有量を多くしても、水硬性成形体の優れた強度を得ることができる。
また、骨粉の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対し、好ましくは40質量部以上、より好ましくは50質量部以上、さらに好ましくは60質量部以上、よりさらに好ましくは60質量部以上である。また、骨粉の含有量は、ポルトランドセメント100質量部に対し、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下、よりさらに好ましくは80質量部以下である。
水硬性組成物の水セメント質量比は、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.32以上、さらに好ましくは0.35以上である。また、水硬性組成物の水セメント質量比は、好ましくは0.60以下、より好ましくは0.50以下、さらに好ましくは0.45以下である。これにより、骨粉含有量を多くしても、水硬性成形体の優れた強度を得ることができる。
[打設工程(B)]
打設工程(B)では、水硬性組成物を造形物の原型の型枠内に打設する。原型の型枠は、特に限定されるのではないが、3Dプリンターを用いて原型をスキャンして作製することが好ましい。これにより、原型にFRP(Fiber Reinforced Plastics 繊維強化プラスチック)などを塗布して型枠を作製するのに比べ、原型と型との癒着を考慮せずに、複雑な形状の型を作製することができる。
原型の型枠は、例えば、水を含む水硬性組成物の打設量が50kg~200kgの範囲であることが好ましい。例えば、骨仏製造の場合、図2~図6に示すように、原型モデルの骨仏を上記打設量の範囲で御本尊部11、上蓮華部12、下蓮華部13、及び光背部14の4つの部位に分けて型枠を作製することが好ましい。
また、原型の型枠は、底部から上部まで鉛直方向に段階的に複数のパーツで構成され、複数のパーツが着脱可能であることが好ましい。例えば、原型の型枠は、鉛直方向に50mm~200mmの間隔でパーツが着脱可能であることが好ましい。これにより、打設工程(B)、反応工程(C)及び脱型工程(D)を、型枠の底部から上部まで鉛直方向に段階的に繰り返し行うことができる。
また、水硬性組成物を流し込むパーツの内側には予め剥離剤を塗布し、乾燥させておくことが好ましい。これにより、型枠の底部から上部まで段階的に水硬性組成物を流し込んで固めることができるとともに、型枠の底部から上部まで段階的に型のパーツを取り除くことができ、後述するように水抜け不足による亀裂の発生を防ぐことができる。
[硬化工程(C)]
硬化工程(C)では、型枠内に打設された水硬性組成物を硬化させ、水硬性成形体を形成する。水硬性組成物中のポルトランドセメントは、水と反応(水和反応)して固い水和物を生成する。水和物は、骨粉を繋ぎとめながら、水和反応が終わるまで次々に生成され続け、強度を増していく。
[脱型工程(D)]
脱型工程(D)では、型枠内から水硬性成形体を脱型する。脱型は、打設から1日~3日後であることが好ましい。また、原型の型枠が底部から上部まで鉛直方向に段階的に複数のパーツで構成され、複数のパーツが着脱可能である場合、打設から1日~3日の硬化箇所の底部から上部まで段階的にパーツを取り除き、水硬性成形体を取り出すことが好ましい。これにより、水抜け不足による亀裂の発生を防ぐことができる。
型枠内から脱型した水硬性成形体は、好ましくは3ヶ月以上、より好ましくは4ヶ月以上、さらに好ましくは5ヶ月以上、自然乾燥させることが好ましい。ここで、自然乾燥とは、常温(5℃以上35℃以下)の空気中で乾燥させることをいう。また、型枠内から脱型した水硬性成形体は、15℃以上25℃以下の室温で乾燥させてもよく、恒温室で乾燥させてもよい。型枠内から脱型した水硬性成形体を恒温室で乾燥させる場合、好ましくは10℃以上45℃以下、より好ましくは20℃以上45℃以下、さらに好ましくは30℃以上45℃以下、よりさらに好ましくは35℃以上45℃以下である。
[仕上工程(E)]
仕上工程(E)では、水硬性成形体を組立・着色等する。仕上工程(E)では、例えば、図3~図6にそれぞれ示す御本尊部11、上蓮華部12、下蓮華部13、及び光背部14の4つの部位を組み立てて彩色し、図2に示す骨仏を造立する。
<2.実施例>
以下、本技術の実施例について詳細に説明する。本実施例では、水硬性組成物を調製し、これを用いて供試体を作製した。そして、供試体の圧縮強度ついて評価した。また、水硬性組成物を用いて骨仏を作製した。なお、本技術は、これらの実施例に限定されるものではない。
[試験1-試験11]
表1に示す配合(質量部)で、水硬性成分、骨粉、及び水を混合し、水硬性組成物を調製した。
白セメント:太平洋セメント(株)、ホワイトセメント
樹脂石膏吉野石膏販売(株)、樹脂入り硬質石膏ハイストーンHLPホワイト
石膏:家庭化学工業(株)、高級工作石こう
骨粉:焼骨を粉砕し、最大サイズを2mm以下としたもの
水溶性組成物を供試体用型に打設し、7日間自然乾燥させ、脱型して直径66mm×高さ47mmの円柱の供試体(断面積:3420mm)を得た。そして、JISA 1108に準拠し、万能材料試験機((株)島津製作所、AG20kND)を用いて、供与体に1mm/minの速度で圧縮荷重を加え、最大試験力を測定し、圧縮強度を算出した(埼玉県産業技術総合センター:第I22-1613号)。
表1に、試験1-試験11における最大試験力の測定結果及び圧縮強度の算出結果を示す。
試験2-4は、白セメントと骨粉とを配合したため、白セメントペーストのみの試験1と同等以上の圧縮強度を得ることができた。特に、試験3-4は、試験1よりも優れた圧縮強度を得ることができた。
試験5-7は、樹脂石膏を配合し、骨粉を配合した試験6-7は、樹脂石膏ペーストのみの試験5に比べて圧縮強度が低下した。試験8-11は、石膏を配合し、骨粉を配合した試験10-11は、石膏ペーストのみの試験8に比べて圧縮強度が低下した。
試験1-11から、水硬性結合剤として、白セメントを用いることにより、骨粉含有量を多くしても、優れた強度を得ることができることが分かった。特に、水を除く骨粉の含有量が30~60wt%であることにより、白セメントペーストと同等以上の優れた強度を得ることができることが分かった。
[骨仏の作製]
試験3に示すように、白セメント120質量部、骨粉80質量部、及び水45質量部を混合し、水硬性組成物を調整した。骨粉は、永代供養墓である「感謝の塔」に平成25年4月から令和5年3月までの十年間に収められた729体のご遺骨を使用した。
型は、大日如来石仏をモデル原型として、御本尊部、上蓮華部、下蓮華部、及び光背部の4つの部位に分割した。また、型は、3Dプリンターを用いて底部から上部まで鉛直方向に段階的に100以上のパーツで構成し、各パーツを着脱可能に構成した。御本尊部、上蓮華部、下蓮華部、及び光背部の型への水硬性組成物の打設量(水を含む)は、それぞれ96.5kg、183.7kg、172.8kg、62.4kgであった。
打設は、型の底部から上部まで段階的に水硬性組成物を流し込み、脱型は、打設から1日~3日の硬化箇所から順次パーツを取り除き、脱型した各部位の水硬性成形体を約5ヶ月自然乾燥させた。自然乾燥後、御本尊部、上蓮華部、下蓮華部、及び光背部を組み立て、彩色し、骨仏を造立した。
図7は、本技術を用いて造立した骨仏を示す写真である。図7に示すように、亀裂が入ることなく、優れた強度を有する骨仏を造立することができた。
11 御本尊部、12 上蓮華部、13 下蓮華部、14 光背部

Claims (7)

  1. ポルトランドセメントと、骨粉とを含み、水を除く前記骨粉の含有量が、30~60wt%である水硬性組成物を型枠内に打設し、硬化させ、脱型して水硬性成形体を取り出す水硬性成形体の製造方法であって、
    前記型枠が、底部から上部まで鉛直方向に段階的に複数のパーツで構成され、複数のパーツが着脱可能であり、
    前記型枠の底部から上部まで段階的にパーツを取り除き、水硬性成形体を取り出す、
    水硬性成形体の製造方法。
  2. 前記骨粉の含有量が、前記ポルトランドセメント100質量部に対し、40~150質量部である請求項1記載の水硬性成形体の製造方法。
  3. 前記水硬性組成物の水セメント質量比が、0.30~0.60である請求項2記載の水硬性成形体の製造方法。
  4. 前記ポルトランドセメントが、白色ポルトランドセメントである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水硬性成形体の製造方法。
  5. 前記水硬性組成物が、モルタル組成物である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水硬性成形体の製造方法。
  6. 前記骨粉の大きさが、2mm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水硬性成形体の製造方法。
  7. 前記水硬性成形体が、仏像の一部又は全部である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水硬性成形体の製造方法。

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