以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
〈第1実施形態〉
本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、図1乃至図3に示すように、単一の基材フィルム1(PET基材フィルム)を折り曲げて貼り合わせた二層構造に特徴を有するものである。図1は静電容量型タッチスイッチXの正面図、図2は図1のa方向矢視図(側面図)であり、図3は後述する印刷処理完了時点における静電容量型タッチスイッチX(基材フィルム1が展開状態にある静電容量型タッチスイッチX)の正面図である。なお、図2では、説明の都合上、実際の厚みよりも分厚く誇張して示している。
本実施形態では、回路印刷の基材となるフィルムである基材フィルム1として、高い透明性を有する所定厚み(例えば100μm程度)のフレキシブルプリント基板(FPC;Flexible Printed Circuits)を適用し、折り曲げる前の展開状態にある単一の基材フィルム1のうち一方の面を印刷面2(導通面)に設定し、他方の面を非印刷面3(非導通面)に設定している。そして、展開状態にある単一の基材フィルム1のうち唯一の折り曲げ線である第1折り曲げ線4を境界にした一方の領域である第1領域A(図3における相対的に下側の領域)の印刷面2Aにタッチ電極T、回路P(給電線)、及びグランド部Gを印刷するとともに、第1折り曲げ線4を境界にした他方の領域である第2領域B(図3における相対的に上側の領域)の印刷面2Bにグランド部G及び回路P(給電線)を印刷する(印刷工程S1、図4参照)。本実施形態では印刷工程S1における印刷方法としてスクリーン印刷を適用している。
本実施形態では、印刷工程S1によって、タッチ電極Tを例えばPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)またはITO(酸化インジウムスズ)を用いて形成し、回路P(給電線)及びグランド部Gを例えば銀ペーストを用いて形成することができる。図3に示すように、タッチ電極Tは、第1領域Aの長手方向に所定ピッチで複数(図示例では4つ)設けられ、グランド部Gは、第1領域Aにおいて所定ピッチで並ぶタッチ電極Tを囲む枠状に設けられ、且つ第2領域Bにおいて各タッチ電極Tよりも一回り大きい円(図示例では4つの円)に囲まれた領域と周縁部を除く略全域にメッシュ状に設けられる。したがって、貼り合わせ工程S2後の状態では平面視においてタッチ電極Tとグランド部Gは重ならない一方、回路P(給電線)とグランド部Gは部分的に重なる。なお、タッチ電極Tの周辺にグランド部Gを配置することで電磁界ノイズによる誤動作を防止することができる一方、グランド部Gによる寄生容量でタッチ感度が低下する可能性があり、寄生容量低減のためにグランド部Gはメッシュ形状にすることが好ましい(図1及び図3参照)。グランド部Gを設けることによってノイズ低減と信号レベルの安定化を図ることができる。
本実施形態では、回路P(給電線)及びグランド部Gを同じ材料で構成しているため、単一の基材フィルム1の第1領域Aの印刷面2A及び第2領域Bの印刷面2Bに同じタイミングでこれら回路P(給電線)及びグランド部Gを印刷することができる。さらに、本実施形態では、第1領域Aと第2領域Bとを跨ぐ位置にも、各領域(第1領域A、第2領域B)の回路P(給電線)及びグランド部G同士を接続する回路P(給電線)を印刷工程S1で印刷している(図3参照)。
また、本実施形態では、印刷工程S1においてレジストインキを用いてレジスト(絶縁層)を印刷面2における適宜の箇所(タッチ電極T、回路P、グランド部Gが印刷されない箇所)に印刷するように設定している。レジストは、銀とPEDOTまたはITOの保護と絶縁を兼ねたものであり、例えばタッチ電極Tの光透過性に悪影響を与えない透明度の高い材料を用いて形成される。
本実施形態の基材フィルム1のうち第1折り曲げ線4の所定箇所にはスリット5(図3に示す小孔)を形成し、第1折り曲げ線4で折り曲げる処理を容易に行えるようにしている。本実施形態では、各領域(第1領域A、第2領域B)の回路P(給電線)及びグランド部G同士を接続する2本の回路P(給電線)をそれぞれ挟む位置にスリット5を形成している(図3参照)。
基材フィルム1は、第1領域Aにおいて第1折り曲げ線4から遠い側の縁部に端子として機能する端子部分6を先端に設定したフレキシブル部60を有し、端子部分6を含むフレキシブル部60の所定箇所にも回路P(給電線)及びグランド部Gを印刷工程S1における印刷処理によって設けている。特に、印刷工程S1における印刷処理によって端子部分6にカーボンを設け、端子部分6の導電性を確保している。端子部分6に補強板61を設けることで、コネクタに挿入可能な厚みとなるように調整することもできる。
このような基材フィルム1に対する印刷処理を実施した後(印刷工程S1後)に、第1折り曲げ線4に沿って基材フィルム1を折り曲げて貼り合わせる処理(貼り合わせ工程S2)を実施することで本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXを製造することができる。貼り合わせ工程S2では、図2に示すように、第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに外向きとなるように折り曲げて(外曲げ)、粘着材7を介して第1領域Aの非印刷面3Aと第2領域Bの非印刷面3Bが互いに向き合う状態で貼り合わせる処理を行う。粘着材7を非印刷面3に塗布する処理は、印刷処理と同時または時間差で行うことができる。本実施形態では、粘着材7としてシリコーンOCA(高透明粘着シート;Optical Clear Adhesive)を適用している。シリコーンOCA以外の糊、両面テープ等を粘着材7として用いることも可能である。粘着材7が配置される粘着層の厚みを調整することで静電容量型タッチスイッチXの厚み寸法を調整することもできる。図2では、第1領域Aの印刷面2A及び第2領域Bの印刷面2Bを含む基材フィルム1の印刷面2にそれぞれ適宜印刷処理によって形成された印刷層20(タッチ電極、回路、グランド部、レジスト)を共通の層として単純化して示している。
以上の処理工程を経て製造した本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXによれば、印刷面2Aの所定箇所にタッチ部Tを有する第1領域Aがセンサ層として機能し、印刷面2Bの大部分にグランド部Gを有する第2領域Bがグランド層として機能して、ユーザの指または手がそのタッチ電極Tに近付いたことを検出することができ、スイッチのオン/オフを検出するデジタル入力装置として利用することができる。したがって、静電容量型タッチスイッチXの適宜の箇所に例えば両面テープを設け、タッチスイッチXを実装する対象の部品に取り付けることで実用品として種々の用途で活用できる。例えば、家電製品、音響機器、自動車のカーナビゲーション等の表示パネルやキーボタンなどに用いることができる。静電容量型タッチスイッチXの使用に際しては、上述の基板フィルム1とは別パーツである適宜の基板側に実装しているコネクタ部品に、第1フレキシブル6Aの先端に設定した端子部分6を差し込めばよい。
そして、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、単一の基材フィルム1を折り曲げて成形した二層基板構造であり、折り曲げる前の展開状態にある基材フィルム1のうち同一面(印刷面2)にのみタッチ電極T、回路P(給電線)、グランド部G及びレジストを印刷し、所定の第1折り曲げ線4に沿って第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに外側を向くように折り曲げた状態(外曲げ状態)で、互いに内を向く非印刷面3同士を粘着材7(粘着層)により接着させることで外曲げ状態を維持するように構成しているため、スルーホールを設ける加工処理が不要であり、基材フィルム1に対する印刷処理回数も減らすことができる。さらに、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXによれば、第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに内を向くように折り曲げた状態(内曲げ状態)にした構成と比較して、第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bとの距離を基材フィルム1の厚み寸法の2倍分と粘着層7の厚みの合計分だけ大きく確保することができる。その結果、自己容量方式の静電容量型タッチスイッチXを構成した場合には、第1領域Aの印刷面2Aに設けたタッチ電極T(センサ層)から第2領域Bの印刷面2Bに設けたグランド部G(グランド層)までの距離を、内曲げ状態と比較して遠くすることができ、タッチ電極Tに対してグランド部Gが近いほど寄生容量が高くなって信号強度が落ちる傾向があるという不具合の防止・抑制を図ることができる。
また、このような二層構造タイプの静電容量型タッチスイッチXによれば、グランド機能を発揮する第2領域B(グランド層)はシールド効果も奏し得る。
なお、内曲げ状態の構成を採用した場合に第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bとの距離を大きくしようとする場合には、粘着材7(粘着層)の厚みを増やすことになり、タッチスイッチX全体の厚みが増大することになり、この点において本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは有利な構造である。
第1実施形態に準じた静電容量型タッチスイッチとして、図示しないが、第2領域の印刷面にグランド部ではなくシールド部を印刷処理によって形成したものを適用して、第1折り曲げ線に沿って第1領域の印刷面と第2領域の印刷面が互いに外を向くように折り曲げた状態(外曲げ状態)にした静電容量型タッチスイッチを挙げることができる。このような静電容量型タッチスイッチも本発明に含まれるものであり、スルーホールを設ける加工処理が不要である点、基材フィルムに対する印刷処理回数も減らすことができる点は第1実施形態に係る静電容量型タッチスイッチと同様であり、また、第1領域の印刷面と第2領域の印刷面が互いに内を向くように折り曲げた状態(内曲げ状態)にした構成と比較して、第1領域の印刷面に設けたタッチ電極(センサ層)から第2領域の印刷面に設けたシールド部(シールド層)までの距離を基材フィルムの厚み寸法の2倍分と粘着層の厚みの合計分だけ大きく確保することができ、シールド効果が増大する。
〈第2実施形態〉
本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、図5乃至図8に示すように、単一の基材フィルム1(PET基材フィルム)を折り曲げて貼り合わせた三層構造に特徴を有するものである。図5は本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXの正面図、図6は図5のa方向矢視図(側面図)であり、図7は図5のb方向矢視図であり、図8は後述する印刷処理完了時点における静電容量型タッチスイッチX(基材フィルム1が展開状態にある静電容量型タッチスイッチX)の正面図である。なお、図6及び図7では、説明の都合上、実際の厚みよりも分厚く誇張して示している。
本実施形態では、回路印刷の基材となるフィルムである基材フィルム1として、高い透明性を有する所定厚み(例えば100μm程度)のフレキシブルプリント基板(FPC;Flexible Printed Circuits)を適用し、折り曲げる前の展開状態にある単一の基材フィルム1のうち一方の面を印刷面2(導通面)に設定し、他方の面を非印刷面3(非導通面)に設定している。そして、展開状態にある単一の基材フィルム1において、第1領域A、第2領域B、第3領域Cがこの順で並び、第1領域Aと第2領域Bの境界に第1折り曲げ線4を設定し、第2領域Bと第3領域Cの境界に第2折り曲げ線8を設定している。第1領域Aの印刷面2Aにタッチ電極T、回路P(給電線)、及びグランド部Gを印刷するとともに、第2領域B(図8における中央部分の領域)の印刷面2Bにシールド部S及び回路P(給電線)を印刷し、第3領域Cの印刷面2Cにグランド部G及び回路P(給電線)を印刷する(印刷工程S1、図4参照)。本実施形態では印刷工程S1における印刷方法としてスクリーン印刷を適用している。
本実施形態では、印刷工程S1によって、タッチ電極T及びシールド部Sを例えばPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)またはITO(酸化インジウムスズ)を用いて形成し、回路P(給電線)及びグランド部Gを例えば銀ペーストを用いて形成することができる。図8に示すように、タッチ電極Tは、第1領域Aの長手方向に所定ピッチで複数(図示例では4つ)設けられ、シールド部Sは、第2領域Bのうち周縁部を除く略全域にべた塗り状に設けられ、グランド部Gは、第1領域Aにおいて所定ピッチで並ぶタッチ電極Tを囲む枠状に設けられ、第3領域Cにおいて各タッチ電極Tよりも一回り大きい円(図示例では4つの円)に囲まれた領域と周縁部を除く略全域にメッシュ状に設けられる。
したがって、貼り合わせ工程S2後の状態では平面視においてタッチ電極Tとグランド部Gは重ならない一方、回路P(給電線)とグランド部Gは部分的に重なる。なお、タッチ電極Tの周辺にグランド部Gを配置することで電磁界ノイズによる誤動作を防止することができる一方、グランド部Gによる寄生容量でタッチ感度が低下する可能性があり、寄生容量低減のためにグランド部Gはメッシュ形状にすることが好ましい(図8参照)。グランド部Gを設けることによってノイズ低減と信号レベルの安定化を図ることができる。本実施形態では、第1領域Aのうち各タッチ電極Tと回路P(給電線)と周縁部を除く略全域にもグランド部Gをメッシュ状に設けている。
本実施形態では、回路P(給電線)及びグランド部Gを同じ材料で構成しているため、単一の基材フィルム1の第1領域Aの印刷面2A及び第3領域Cの印刷面2Cに同じタイミングでこれら回路P(給電線)及びグランド部Gを印刷することができる。また、タッチ電極T及びシールド部Sを同じ材料で構成しているため、単一の基材フィルム1の第1領域Aの印刷面2A及び第2領域Bの印刷面2Bに同じタイミングでタッチ電極A及びシールド部Sを印刷することができる。さらに、本実施形態では、第1領域Aと第2領域Bとを跨ぐ位置、及び第2領域Bと第3領域Cとを跨ぐ位置に、それぞれ各領域(第1領域A、第2領域B、第3領域C)の回路P(給電線)及びグランド部G同士を接続する回路P(給電線)を印刷工程S1で印刷している(図8参照)。
また、本実施形態では、印刷工程S1においてレジストインキを用いてレジスト(絶縁層)を印刷面2における適宜の箇所(タッチ電極T、回路P、グランド部Gが印刷されない箇所)に印刷するように設定している。レジストは、銀とPEDOTまたはITOの保護と絶縁を兼ねたものであり、例えばタッチ電極Tの光透過性に悪影響を与えない透明度の高い材料を用いて形成される。
本実施形態の基材フィルム1のうち第1折り曲げ線4及び第2折り曲げ線8の所定箇所にはスリット5(図8に示す小孔)を形成し、第1折り曲げ線4及び第2折り曲げ線8で折り曲げる処理を容易に行えるようにしている。本実施形態では、各折り曲げ線(第1折り曲げ線4、第2折り曲げ線8)に2箇所ずつスリット5を形成している(図8参照)。
基材フィルム1は、第1領域Aの周縁部のうち一方の長辺に相当する縁部に端子として機能する端子部分6を先端に設定した第1フレキシブル部6Aを一体に有し、端子部分6を含む第1フレキシブル部6Aのうち印刷面2Aと同じ面(第1フレキシブル部6Aの印刷面)の所定箇所にも回路P(給電線)及びグランド部Gを印刷工程S1における印刷処理によって設けている。特に、印刷工程S1における印刷処理によって端子部分6にカーボンを設け、端子部分6の導電性を確保している。端子部分6に補強板61を設けることで、コネクタに挿入可能な厚みとなるように調整することもできる。また、本実施形態では、第2領域B及び第3領域Cの縁部にも第1フレキシブル部6Aに対応する第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cを一体に形成し、第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cのうち印刷面2B,2Cと同じ面(第2フレキシブル部6Bの印刷面,第3フレキシブル部6Cの印刷面)の所定箇所に回路P(給電線)、シールド部Sまたはグランド部Gを印刷工程S1における印刷処理によって設けている。なお、第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cは、第1フレキシブル部6Aと比較して端子部分6の分だけ長手方向の寸法が短く設定されている。つまり、第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cには端子部分6が設けられていない。
このような基材フィルム1に対する印刷処理を実施した後(印刷工程S1後)に、第1折り曲げ線4及び第2折り曲げ線8に沿って基材フィルム1を折り曲げて貼り合わせる処理(貼り合わせ工程S2、図4参照)を実施することで本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXを製造することができる。貼り合わせ工程S2では、図6及び図7に示すように、第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに外向きとなるように折り曲げて(外曲げ)、粘着材7を介して第1領域Aの非印刷面3Aと第2領域Bの非印刷面3Bが互いに向き合う状態で貼り合わせる第1貼り合わせ処理と、第1貼り合わせ処理に続いて、第2領域Bの印刷面3Bと第3領域Cの印刷面3Cが互いに外向きとなるように折り曲げて(外曲げ)、粘着材7を介して第3領域Cの非印刷面3Cと第1領域Aの印刷面2Aが互いに向き合う状態で貼り合わせる第2貼り合わせ処理とを行う。また、第1貼り合わせ処理では、第1フレキシブル部6Aと第2フレキシブル部6Bの印刷面同士が互いに外向きとなる状態で粘着材7を介して第1フレキシブル部6Aと第2フレキシブル部6Bを貼り合わせる処理も行い、第2貼り合わせ処理では、第2フレキシブル部6Bと第3フレキシブル部6Cの印刷面同士が互いに外向きとなる状態で粘着材7を介して第3フレキシブル部6Cの非印刷面と第1フレキシブル部6Aの印刷面とを貼り合わせる処理も行う。
粘着材7を塗布する処理は、印刷処理と同時または時間差で行うことができる。本実施形態では、粘着材7としてシリコーンOCA(高透明粘着シート;Optical Clear Adhesive)を適用している。シリコーンOCA以外の糊、両面テープ等を粘着材7として用いることも可能である。粘着材7が配置される粘着層の厚みを調整することで静電容量型タッチスイッチXの厚み寸法を調整することもできる。図6、図7には、それぞれ図5のc-c線断面、d-d線断面における各印刷面上のタッチ電極T、グランド部G、シールド部Sを単純化して模式的に示している。
以上の処理工程を経て製造した本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、第3領域C、第1領域A、第2領域Bの順に並ぶ三層基板構造をなし、印刷面2Cの大部分にグランド部Gを有する第3領域Cがグランド層として機能し、印刷面2Aの所定箇所にタッチ部Tを有する第1領域Aがセンサ層として機能し、印刷面2Bの大部分にシールド部Sを有する第2領域Bがシールド層として機能して、センシング方向Yである第3領域C側からユーザの指または手がそのタッチ電極Tに近付いたことを検出することができ、スイッチのオン/オフを検出するデジタル入力装置として利用することができる。したがって、静電容量型タッチスイッチXの適宜の箇所に例えば両面テープを設け、タッチスイッチXを実装する対象の部品に取り付けることで実用品として種々の用途で活用できる。例えば、家電製品、音響機器、自動車のカーナビゲーション等の表示パネルやキーボタンなどに用いることができる。静電容量型タッチスイッチXの使用に際しては、上述の基板フィルム1とは別パーツである適宜の基板側に実装しているコネクタ部品に、第1フレキシブル6Aの先端に設定した端子部分6を差し込めばよい。
そして、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、単一の基材フィルム1を折り曲げて成形した三層基板構造であり、折り曲げる前の展開状態にある基材フィルム1のうち同一面(印刷面2)にのみタッチ電極T、回路P(給電線)、グランド部G及びレジストを印刷し、第1折り曲げ線4に沿って第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに外側を向くように折り曲げた状態(外曲げ状態)で、互いに内を向く非印刷面3同士を粘着材7(粘着層)により接着させることで外曲げ状態を維持するとともに、第2折り曲げ線8に沿って第2領域Bの印刷面2Bと第3領域Cの印刷面2Cが互いに外側を向くように折り曲げた状態(外曲げ状態)で、相互に対面する第3領域Cの非印刷面3Cと第1領域Aの印刷面2Aとを粘着材7(粘着層)により接着させることで外曲げ状態を維持するように構成しているため、スルーホールを設ける加工処理が不要であり、基材フィルム1に対する印刷処理回数も減らすことができる。さらに、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXによれば、第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに内を向くように折り曲げた状態(内曲げ状態)にした構成と比較して、第1領域Aの印刷面2Aに設けたタッチ電極T(センサ層)と第2領域Bの印刷面2Bに設けたシールド部S(シールド層)との距離を基材フィルム1の厚み寸法の2倍分と粘着層7の厚みの合計分だけ大きく確保することができる。その結果、自己容量方式の静電容量型タッチスイッチXを構成した場合には、シールド層とセンサ層との間に基材フィルム1の厚み寸法分(厚み寸法の1倍)に相当する距離しか確保できない態様と比較してシールド効果が増大する。
さらに、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、第1領域Aの印刷面2Aに設けたタッチ電極T(センサ層)から第3領域Cの印刷面2Cに設けたグランド部G(グランド層)までの距離を、基材フィルム1の厚み寸法1倍分と粘着層7の厚み分の合計分だけ確保することができ、センサ層とグランド層との間に基材フィルム1の厚み寸法分(厚み寸法の1倍)に相当する距離しか確保できない態様や、センサ層とグランド層との間に粘着層7の厚み寸法分に相当する距離しか確保できない態様と比較して、タッチ電極Tに対してグランド部Gが近いほど寄生容量が高くなって信号強度が落ちる傾向があるという不具合を抑制し易い構成になる。
〈第3実施形態〉
本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、図9乃至図12に示すように、単一の基材フィルム1(PET基材フィルム)を折り曲げて貼り合わせた三層構造に特徴を有するものであり、上述の第2実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXと比較して、第2実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、展開状態において第1領域A(センサ層)に第1折り曲げ線4を挟んでシールド層として機能する第2領域Bが隣接し、第2折り曲げ線8を挟んで第2領域Bとグランド層として機能する第3領域Cが隣接している構成であるのに対して、展開状態において第1領域A(センサ層)に第1折り曲げ線4を挟んでグランド層として機能する第2領域Bが隣接し、第2折り曲げ線8を挟んで第2領域Bとシールド層として機能する第3領域Cが隣接する構成である点で異なる。図9は本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXの正面図、図10は図9のa方向矢視図(側面図)であり、図11は図9のb方向矢視図であり、図12は後述する印刷処理完了時点における静電容量型タッチスイッチX(基材フィルム1が展開状態にある静電容量型タッチスイッチX)の正面図である。なお、図10及び図11では、説明の都合上、実際の厚みよりも分厚く誇張して示している。
本実施形態では、回路印刷の基材となるフィルムである基材フィルム1として、高い透明性を有する所定厚み(例えば100μm程度)のフレキシブルプリント基板(FPC;Flexible Printed Circuits)を適用し、折り曲げる前の展開状態にある単一の基材フィルム1のうち一方の面を印刷面2(導通面)に設定し、他方の面を非印刷面3(非導通面)に設定している。そして、展開状態にある単一の基材フィルム1において、第1領域A、第2領域B、第3領域Cがこの順で並び、第1領域Aと第2領域Bの境界に第1折り曲げ線4を設定し、第2領域Bと第3領域Cの境界に第2折り曲げ線8を設定している。第1領域Aの印刷面2Aにタッチ電極T、回路P(給電線)、及びグランド部Gを印刷するとともに、第2領域B(図12における中央部分の領域)の印刷面2Bにグランド部G及び回路P(給電線)を印刷し、第3領域Cの印刷面2Cにシールド部S及び回路P(給電線)を印刷する(印刷工程S1、図4参照)。本実施形態では印刷工程S1における印刷方法としてスクリーン印刷を適用している。
本実施形態では、印刷工程S1によって、タッチ電極T及びシールド部Sを例えばPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)またはITO(酸化インジウムスズ)を用いて形成し、回路P(給電線)及びグランド部Gを例えば銀ペーストを用いて形成することができる。図12に示すように、タッチ電極Tは、第1領域Aの長手方向に所定ピッチで複数(図示例では4つ)設けられ、シールド部Sは、第3領域Cのうち周縁部を除く略全域にべた塗り状に設けられ、グランド部Gは、第1領域Aにおいて所定ピッチで並ぶタッチ電極Tを囲む枠状に設けられ、第2領域Bにおいて各タッチ電極Tよりも一回り大きい円(図示例では4つの円)に囲まれた領域と周縁部を除く略全域にメッシュ状に設けられる。
したがって、貼り合わせ工程S2後の状態では平面視においてタッチ電極Tとグランド部Gは重ならない一方、回路P(給電線)とグランド部Gは部分的に重なる。なお、タッチ電極Tの周辺にグランド部Gを配置することで電磁界ノイズによる誤動作を防止することができる一方、グランド部Gによる寄生容量でタッチ感度が低下する可能性があり、寄生容量低減のためにグランド部Gはメッシュ形状にすることが好ましい(図9及び図12参照)。グランド部Gを設けることによってノイズ低減と信号レベルの安定化を図ることができる。本実施形態では、第1領域Aのうち各タッチ電極Tと回路P(給電線)と周縁部を除く略全域にもグランド部Gをメッシュ状に設けている。
本実施形態では、回路P(給電線)及びグランド部Gを同じ材料で構成しているため、単一の基材フィルム1の第1領域Aの印刷面2A及び第2領域Bの印刷面2Bに同じタイミングでこれら回路P(給電線)及びグランド部Gを印刷することができる。また、タッチ電極T及びシールド部Sを同じ材料で構成しているため、単一の基材フィルム1の第1領域Aの印刷面2A及び第3領域Cの印刷面2Cに同じタイミングでタッチ電極A及びシールド部Sを印刷することができる。さらに、本実施形態では、第1領域Aと第2領域Bとを跨ぐ位置、及び第2領域Bと第3領域Cとを跨ぐ位置に、それぞれ各領域(第1領域A、第2領域B、第3領域C)の回路P(給電線)及びグランド部G同士を接続する回路P(給電線)を印刷工程S1で印刷している(図12参照)。
また、本実施形態では、印刷工程S1においてレジストインキを用いてレジスト(絶縁層)を印刷面2における適宜の箇所(タッチ電極T、回路P、グランド部Gが印刷されない箇所)に印刷するように設定している。レジストは、銀とPEDOTまたはITOの保護と絶縁を兼ねたものであり、例えばタッチ電極Tの光透過性に悪影響を与えない透明度の高い材料を用いて形成される。
本実施形態の基材フィルム1のうち第1折り曲げ線4及び第2折り曲げ線8の所定箇所にはスリット5(図13に示す小孔)を形成し、第1折り曲げ線4及び第2折り曲げ線8で折り曲げる処理を容易に行えるようにしている。本実施形態では、各折り曲げ線(第1折り曲げ線4、第2折り曲げ線8)に2箇所ずつスリット5を形成している(図13参照)。
基材フィルム1は、第1領域Aの周縁部のうち一方の長辺に相当する縁部に端子として機能する端子部分6を先端に設定した第1フレキシブル部6Aを一体に有し、端子部分6を含む第1フレキシブル部6Aのうち印刷面2Aと同じ面(第1フレキシブル部6Aの印刷面)の所定箇所にも回路P(給電線)及びグランド部Gを印刷工程S1における印刷処理によって設けている。特に、印刷工程S1における印刷処理によって端子部分6にカーボンを設け、端子部分6の導電性を確保している。端子部分6に補強板61を設けることで、コネクタに挿入可能な厚みとなるように調整することもできる。また、本実施形態では、第2領域B及び第3領域Cの縁部にも第1フレキシブル部6Aに対応する第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cを一体に形成し、第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cのうち印刷面2B,2Cと同じ面(第2フレキシブル部6Bの印刷面,第3フレキシブル部6Cの印刷面)の所定箇所に回路P(給電線)、グランド部Gまたはシールド部Sを印刷工程S1における印刷処理によって設けている。なお、第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cは、第1フレキシブル部6Aと比較して端子部分6の分だけ長手方向の長さが短く設定されている。つまり、第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cには端子部分6が設けられていない。
このような基材フィルム1に対する印刷処理を実施した後(印刷工程S1後)に、第1折り曲げ線4及び第2折り曲げ線8に沿って基材フィルム1を折り曲げて貼り合わせる処理(貼り合わせ工程S2、図4参照)を実施することで本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXを製造することができる。貼り合わせ工程S2では、図10及び図11に示すように、第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに外向きとなるように折り曲げて(外曲げ)、粘着材7を介して第1領域Aの非印刷面3Aと第2領域Bの非印刷面3Bが互いに向き合う状態で貼り合わせる第1貼り合わせ処理と、第1貼り合わせ処理に続いて、第2領域Bの印刷面3Bと第3領域Cの印刷面3Cが互いに外向きとなるように折り曲げて(外曲げ)、粘着材7を介して第3領域Cの非印刷面3Cと第1領域Aの印刷面2Aが互いに向き合う状態で貼り合わせる第2貼り合わせ処理とを行う。また、第1貼り合わせ処理では、第1フレキシブル部6Aと第2フレキシブル部6Bの印刷面同士が互いに外向きとなる状態で粘着材7を介して第1フレキシブル部6Aと第2フレキシブル部6Bを貼り合わせる処理も行い、第2貼り合わせ処理では、第2フレキシブル部6Bと第3フレキシブル部6Cの印刷面同士が互いに外向きとなる状態で粘着材7を介して第3フレキシブル部6Cの非印刷面と第1フレキシブル部6Aの印刷面とを貼り合わせる処理も行う。
粘着材7を塗布する処理は、印刷処理と同時または時間差で行うことができる。本実施形態では、粘着材7としてシリコーンOCA(高透明粘着シート;Optical Clear Adhesive)を適用している。シリコーンOCA以外の糊、両面テープ等を粘着材7として用いることも可能である。粘着材7が配置される粘着層の厚みを調整することで静電容量型タッチスイッチXの厚み寸法を調整することもできる。図10、図11には、それぞれ図9のc-c線断面、d-d線断面における各印刷面上のタッチ電極T、グランド部G、シールド部Sを単純化して模式的に示している。
以上の処理工程を経て製造した本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、第3領域C、第1領域A、第2領域Bの順に並ぶ三層基板構造をなし、印刷面2Cの大部分にグランド部Gを有する第3領域Cがグランド層として機能し、印刷面2Aの所定箇所にタッチ部Tを有する第1領域Aがセンサ層として機能し、印刷面2Bの大部分にグランド部Gを有する第2領域Bがシールド層として機能して、センシング方向Yである第3領域C(グランド層)側からユーザの指または手がそのタッチ電極Tに近付いたことを検出することができ、スイッチのオン/オフを検出するデジタル入力装置として利用することができる。したがって、静電容量型タッチスイッチXの適宜の箇所に例えば両面テープを設け、タッチスイッチXを実装する対象の部品に取り付けることで実用品として種々の用途で活用できる。例えば、家電製品、音響機器、自動車のカーナビゲーション等の表示パネルやキーボタンなどに用いることができる。静電容量型タッチスイッチXの使用に際しては、上述の基板フィルム1とは別パーツである適宜の基板側に実装しているコネクタ部品に、第1フレキシブル6Aの先端に設定した端子部分6を差し込めばよい。
そして、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、単一の基材フィルム1を折り曲げて成形した三層基板構造であり、折り曲げる前の展開状態にある基材フィルム1のうち同一面(印刷面2)にのみタッチ電極T、回路P(給電線)、グランド部G及びレジストを印刷し、所定の第1折り曲げ線4に沿って第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに外側を向くように折り曲げた状態(外曲げ状態)で、互いに内を向く非印刷面3同士を粘着材7(粘着層)により接着させることで外曲げ状態を維持するとともに、第2折り曲げ線8に沿って第2領域Bの印刷面2Bと第3領域Cの印刷面2Cが互いに外側を向くように折り曲げた状態(外曲げ状態)で、相互に対面する第3領域Cの非印刷面2Cと第1領域Aの印刷面2Aとを粘着材7(粘着層)により接着させることで外曲げ状態を維持するように構成しているため、スルーホールを設ける加工処理が不要であり、基材フィルム1に対する印刷処理回数も減らすことができる。さらに、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXによれば、第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに内を向くように折り曲げた状態(内曲げ状態)にした構成と比較して、第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bとの距離を基材フィルム1の厚み寸法の2倍分と粘着層7の厚みの合計分だけ大きく確保することができる。その結果、自己容量方式の静電容量型タッチスイッチXを構成した場合には、第1領域Aの印刷面2Aに設けたタッチ電極T(センサ層)から第2領域Bの印刷面2Bに設けたグランド部G(グランド層)までの距離を、内曲げ状態と比較して遠くすることができ、タッチ電極Tに対してグランド部Gが近いほど寄生容量が高くなって信号強度が落ちる傾向があるという不具合の防止・抑制を図ることができる。
さらに、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、第1領域Aの印刷面2Aに設けたタッチ電極T(センサ層)から第3領域Cの印刷面2Cに設けたシールド部S(シールド層)までの距離を、基材フィルム1の厚み寸法1倍分と粘着層7の厚み分の合計分だけ確保することができ、センサ層とシールド層との間に基材フィルム1の厚み寸法分(厚み寸法の1倍)に相当する距離しか確保できない態様や、センサ層とシールド層との間に粘着層7の厚み寸法に相当する距離しか確保できない態様と比較してシールド効果が増大する。
〈第4実施形態〉
本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、図13乃至図16に示すように、単一の基材フィルム1(PET基材フィルム)を折り曲げて貼り合わせた三層構造に特徴を有するものであり、上述の第2実施形態及び第3実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXと比較して、展開状態において中央に第1領域A(センサ層)が配置され、第1領域A(センサ層)を挟む一方側に第1折り曲げ線4を介して第2領域Bが隣接し、他方側に第2折り曲げ線8を介して第3領域が隣接している点で異なる。図13は本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXの正面図、図14は図13のa方向矢視図(側面図)であり、図15は図13のb方向矢視図であり、図16は印刷処理完了時点における静電容量型タッチスイッチX(基材フィルム1が展開状態にある静電容量型タッチスイッチX)の正面図である。なお、図14及び図15では、説明の都合上、実際の厚みよりも分厚く誇張して示している。
本実施形態では、回路印刷の基材となるフィルムである基材フィルム1として、高い透明性を有する所定厚み(例えば100μm程度)のフレキシブルプリント基板(FPC;Flexible Printed Circuits)を適用し、折り曲げる前の展開状態にある単一の基材フィルム1のうち一方の面を印刷面2(導通面)に設定し、他方の面を非印刷面3(非導通面)に設定している。そして、展開状態にある単一の基材フィルム1において、第2領域B、第1領域A、第3領域Cがこの順で並び、第2領域Bと第1領域Aの境界に第1折り曲げ線4を設定し、第1領域Aと第3領域Cの境界に第2折り曲げ線8を設定している。第1領域Aの印刷面2Aにタッチ電極T、回路P(給電線)、及びグランド部Gを印刷するとともに、第3領域Cの印刷面2Cにシールド部S及び回路P(給電線)を印刷し、第2領域B(図5における中央部分の領域)の印刷面2Bにグランド部G及び回路P(給電線)を印刷する(印刷工程S1、図4参照)。本実施形態では印刷工程S1における印刷方法としてスクリーン印刷を適用している。
本実施形態では、印刷工程S1によって、タッチ電極T及びシールド部Sを例えばPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)またはITO(酸化インジウムスズ)を用いて形成し、回路P(給電線)及びグランド部Gを例えば銀ペーストを用いて形成することができる。図16に示すように、タッチ電極Tは、第1領域Aの長手方向に所定ピッチで複数(図示例では4つ)設けられ、シールド部Sは、第2領域Bのうち周縁部を除く略全域にべた塗り状に設けられ、グランド部Gは、第1領域Aにおいて所定ピッチで並ぶタッチ電極Tを囲む枠状に設けられ、第3領域Cにおいて各タッチ電極Tよりも一回り大きい円(図示例では4つの円)に囲まれた領域と周縁部を除く略全域にメッシュ状に設けられる。
したがって、貼り合わせ工程S2後の状態では平面視においてタッチ電極Tとグランド部Gは重ならない一方、回路P(給電線)とグランド部Gは部分的に重なる。なお、タッチ電極Tの周辺にグランド部Gを配置することで電磁界ノイズによる誤動作を防止することができる一方、グランド部Gによる寄生容量でタッチ感度が低下する可能性があり、寄生容量低減のためにグランド部Gはメッシュ形状にすることが好ましい(図13及び図16参照)。グランド部Gを設けることによってノイズ低減と信号レベルの安定化を図ることができる。本実施形態では、第1領域Aのうち各タッチ電極Tと回路P(給電線)と周縁部を除く略全域にもグランド部Gをメッシュ状に設けている。
本実施形態では、回路P(給電線)及びグランド部Gを同じ材料で構成しているため、単一の基材フィルム1の第1領域Aの印刷面2A及び第3領域Cの印刷面2Cに同じタイミングでこれら回路P(給電線)及びグランド部Gを印刷することができる。また、タッチ電極T及びシールド部Sを同じ材料で構成しているため、単一の基材フィルム1の第1領域Aの印刷面2A及び第2領域Bの印刷面2Bに同じタイミングでタッチ電極A及びシールド部Sを印刷することができる。さらに、本実施形態では、第1領域Aと第2領域Bとを跨ぐ位置、及び第2領域Bと第3領域Cとを跨ぐ位置に、それぞれ各領域(第1領域A、第2領域B、第3領域C)の回路P(給電線)及びグランド部G同士を接続する回路P(給電線)を印刷工程S1で印刷している(図16参照)。
また、本実施形態では、印刷工程S1においてレジストインキを用いてレジスト(絶縁層)を印刷面2における適宜の箇所(タッチ電極T、回路P、グランド部Gが印刷されない箇所)に印刷するように設定している。レジストは、銀とPEDOTまたはITOの保護と絶縁を兼ねたものであり、例えばタッチ電極Tの光透過性に悪影響を与えない透明度の高い材料を用いて形成される。
本実施形態の基材フィルム1のうち第1折り曲げ線4及び第2折り曲げ線8の所定箇所にはスリット5(図16に示す小孔)を形成し、第1折り曲げ線4及び第2折り曲げ線8で折り曲げる処理を容易に行えるようにしている。本実施形態では、各折り曲げ線(第1折り曲げ線4、第2折り曲げ線8)に3箇所ずつスリット5を形成している(図16参照)。
基材フィルム1は、第1領域Aの周縁部のうち一方の長辺に相当する縁部に端子として機能する端子部分6を先端に設定した第1フレキシブル部6Aを一体に有し、端子部分6を含む第1フレキシブル部6Aのうち印刷面2Aと同じ面(第1フレキシブル部6Aの印刷面)の所定箇所にも回路P(給電線)及びグランド部Gを印刷工程S1における印刷処理によって設けている。特に、印刷工程S1における印刷処理によって端子部分6にカーボンを設け、端子部分6の導電性を確保している。端子部分6に補強板61を設けることで、コネクタに挿入可能な厚みとなるように調整することもできる。また、本実施形態では、第2領域B及び第3領域Cの縁部にも第1フレキシブル部6Aに対応する第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cを一体に形成し、第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cのうち印刷面2B,2Cと同じ面(第2フレキシブル部6Bの印刷面,第3フレキシブル部6Cの印刷面)の所定箇所に回路P(給電線)、シールド部Sまたはグランド部Gを印刷工程S1における印刷処理によって設けている。なお、第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cは、第1フレキシブル部6Aと比較して端子部分6の分だけ長手方向の長さが短く設定されている。つまり、第2フレキシブル部6B,第3フレキシブル部6Cには端子部分6が設けられていない。
このような基材フィルム1に対する印刷処理を実施した後(印刷工程S1後)に、第1折り曲げ線4及び第2折り曲げ線8に沿って基材フィルム1を折り曲げて貼り合わせる処理(貼り合わせ工程S2、図4参照)を実施することで本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXを製造することができる。貼り合わせ工程S2では、図14及び図15に示すように、第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに外向きとなるように折り曲げて(外曲げ)、粘着材7を介して第1領域Aの非印刷面3Aと第2領域Bの非印刷面3Bが互いに向き合う状態で貼り合わせる第1貼り合わせ処理と、第1貼り合わせ処理に続いて、第1領域Aの印刷面2Aと第3領域Cの印刷面2Cが互いに内向きとなるように折り曲げて(内曲げ)、粘着材7を介して第3領域Cの非印刷面3Cと第2領域Bの印刷面2Bが互いに向き合う状態で貼り合わせる第2貼り合わせ処理とを行う。また、第1貼り合わせ処理では、第1フレキシブル部6Aと第2フレキシブル部6Bの印刷面同士が互いに外向きとなる状態で粘着材7を介して第1フレキシブル部6Aと第2フレキシブル部6Bを貼り合わせる処理も行い、第2貼り合わせ処理では、第1フレキシブル部6Aと第3フレキシブル部6Cの印刷面同士が互いに内向きとなる状態で粘着材7を介して第1フレキシブル部6Aと第3フレキシブル部6Cを貼り合わせる処理も行う。
粘着材7を塗布する処理は、印刷処理と同時または時間差で行うことができる。本実施形態では、粘着材7としてシリコーンOCA(高透明粘着シート;Optical Clear Adhesive)を適用している。シリコーンOCA以外の糊、両面テープ等を粘着材7として用いることも可能である。粘着材7が配置される粘着層の厚みを調整することで静電容量型タッチスイッチXの厚み寸法を調整することもできる。図14、図15には、それぞれ図13のc-c線断面、d-d線断面における各印刷面上のタッチ電極T、グランド部G、シールド部Sを単純化して模式的に示している。
以上の処理工程を経て製造した本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、第3領域C、第1領域A、第2領域Bの順に並ぶ三層基板構造をなし、第3領域Cがグランド層として機能し、第1領域Aがセンサ層として機能し、第2領域Bがシールド層として機能して、センシング方向Yである第3領域C(グランド層)側からユーザの指または手がそのタッチ電極Tに近付いたことを検出することができ、スイッチのオン/オフを検出するデジタル入力装置として利用することができる。したがって、静電容量型タッチスイッチXの適宜の箇所に例えば両面テープを設け、タッチスイッチXを実装する対象の部品に取り付けることで実用品として種々の用途で活用できる。例えば、家電製品、音響機器、自動車のカーナビゲーション等の表示パネルやキーボタンなどに用いることができる。静電容量型タッチスイッチXの使用に際しては、上述の基板フィルム1とは別パーツである適宜の基板側に実装しているコネクタ部品に、第1フレキシブル6Aの先端に設定した端子部分6を差し込めばよい。
そして、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、単一の基材フィルム1を折り曲げて成形した三層基板構造であり、折り曲げる前の展開状態にある基材フィルム1のうち同一面(印刷面2)にのみタッチ電極T、回路P(給電線)、グランド部G及びレジストを印刷し、所定の第1折り曲げ線4に沿って第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに外側を向くように折り曲げた状態(外曲げ状態)で、互いに内を向く非印刷面3同士を粘着材7(粘着層)により接着させることで外曲げ状態を維持するとともに、第2折り曲げ線8に沿って第1領域Aの印刷面2Aと第3領域Cの印刷面2Cが互いに内を向くように折り曲げた状態(内曲げ状態)で、相互に対面する第1領域Aの印刷面2Aと第3領域Cの印刷面2Cとを粘着材7(粘着層)により接着させることで内曲げ状態を維持するように構成しているため、スルーホールを設ける加工処理が不要であり、基材フィルム1に対する印刷処理回数も減らすことができる。さらに、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXによれば、第1領域Aの印刷面2Aと第2領域Bの印刷面2Bが互いに内を向くように折り曲げた状態(内曲げ状態)にした構成と比較して、第1領域Aの印刷面2Aに設けたタッチ電極T(センサ層)と第2領域Bの印刷面2Bに設けたシールド部S(シールド層)との距離を基材フィルム1の厚み寸法の2倍分と粘着層7の厚みの合計分だけ大きく確保することができる。具体的には、本実施形態に係る静電容量型タッチスイッチXは、第2領域Bの印刷面2Bに設けたシールド部S(シールド層)と、第1領域Aの印刷面2Aに設けたタッチ電極T(センサ層)との間に基材フィルム1の厚み寸法の2倍に相当する距離を確保することができる。その結果、自己容量方式の静電容量型タッチスイッチXを構成した場合には、シールド層とセンサ層が相互に内を向くように折り曲げた内曲げ状態となる態様や、シールド層とセンサ層との間に基材フィルム1の厚み寸法分(厚み寸法の1倍)に相当する距離しか確保できない態様と比較して、第1領域Aの印刷面2Aに設けたタッチ電極T(センサ層)から第2領域Bの印刷面2Bに設けたシールド部S(シールド層)までの距離を遠くすることができ、シールド効果が増大する。
なお、第4実施形態に準じた静電容量型タッチスイッチとして、図示しないが、第2領域の印刷面にグランド部を印刷処理によって形成し、第3領域の印刷面にシールド部を印刷処理によって形成したものを適用して、第1折り曲げ線に沿って第1領域の印刷面と第2領域の印刷面が互いに外を向くように折り曲げた状態(外曲げ状態)にし、第1領域及び第2領域のうち相互に対面する部分(非印刷面)同士を貼り合わせるとともに、第2折り曲げ線に沿って第1領域の印刷面と第3領域の印刷面が互いに内を向くように折り曲げた状態(内曲げ状態)にし、第1領域及び第3領域のうち相互に対面する部分(印刷面)同士を貼り合わせた構成にすることで、グランド層として機能する第2領域、センサ層として機能する第1領域、シールド層として機能する第3領域が粘着層を介してセンシング方向にこの順で並ぶ三層基板構造の静電容量型タッチスイッチも本発明に含まれる。この場合も、スルーホールを設ける加工処理が不要であり、基材フィルムに対する印刷処理回数も減らすことができるとともに、第1領域の印刷面に設けたタッチ電極(センサ層)と第2領域の印刷面に設けたグランド部(グランド層)との距離を基材フィルムの厚み寸法の2倍分と粘着層の厚みの合計分だけ大きく確保することができ、センサ層に対してグランド層が近いほど寄生容量が高くなって信号強度が落ちる傾向があるという不具合の防止・抑制を図ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、基材フィルムの材料やサイズを変更したり、グランド部やシールド部の材料を変更してもよい。グランド部の材料としては、銀の他に、ECP(Electric Conductive paste)またはカーボンを適用することができる。また、グランド部はメッシュ状に限らず、べた塗りであってもよい。
基材フィルムの印刷面におけるタッチ電極やグランド部の印刷箇所・印刷パターンも適宜変更することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。