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JP7836734B2 - 無給油式圧縮機 - Google Patents
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JP7836734B2 - 無給油式圧縮機 - Google Patents

無給油式圧縮機

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Description

本発明は、無給油式圧縮機に関する。
圧縮作動室(作動空間)に油や水の供給を必要としない無給油式圧縮機が知られている。無給油式圧縮機として、例えば、非接触且つ無給油で回転可能な雌雄一対のスクリューロータを有し、このロータによって空気等の気体を圧縮するスクリュー圧縮機が知られている。無給油式圧縮機は、一般的に、ロータの軸受、ギヤ及び圧縮機本体等を潤滑及び冷却する潤滑油を循環させる潤滑油系統を備えている。
圧縮回転体であるロータの軸受の潤滑及び冷却に必要な潤滑油の供給量は、例えば、軸受の仕様による定数と、軸受の目標温度と、ロータの回転速度、圧縮気体の吐出圧力及びギヤによる荷重とによって定義される。圧縮機は、運転中、回転速度若しくは吐出圧力が変数となり、そのどちらか一方によって、潤滑油の供給量を変化させる。運転状態の変化により、ロータの回転速度と圧縮気体の吐出圧力との関係が変化すると、潤滑油の軸受への必要供給量も変化する。
特許文献1には、低圧増風運転時の潤滑油の供給量を定格運転時に比べて低減する制御装置を備えた気体圧縮機が開示されている。特許文献1に記載の制御装置は、圧力センサにより検出された圧縮機本体の吐出圧力に対応する軸受の荷重と、インバータの出力する回転周波数に対応するロータの回転速度とから軸受への潤滑油の必要供給量を演算し、必要供給量に基づいて潤滑油の流量制御を行う。特許文献1に記載の制御装置は、インバータの出力周波数に対応するオイルポンプからの潤滑油の流量が、必要供給量を超える場合には、排油電磁弁を開いて、軸受に供給する潤滑油の流量を制限する。
WO2015/198647A1
特許文献1に記載の気体圧縮機では、複数のパラメータ(吐出圧力、回転周波数)に基づいて必要供給量を演算し、実際の潤滑油量が必要供給量となるように、排油電磁弁の開閉制御を行う構成である。このため、運転状態が変化したときに、軸受への潤滑油の供給量を必要供給量とするために時間がかかるおそれがあり、応答性の観点で改善の余地があった。
本発明は、運転状態が変化したときに、応答性よく軸受に必要な潤滑油流量を供給することが可能な無給油式圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の一態様による無給油式圧縮機は、ロータと軸受を有する圧縮機本体と、前記圧縮機本体から吐出される気体の温度である吐出温度を検出する吐出温度センサと、潤滑油を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留されている潤滑油を吐出するオイルポンプと、前記オイルポンプから前記軸受に供給される潤滑油の流量を制御する流量制御装置と、前記軸受に供給される潤滑油の圧力を検出する圧力センサと、制御装置と、を備える無給油式圧縮機であって、前記制御装置は、前記吐出温度センサにより検出された吐出温度に基づき、第一の制御と第二の制御を切り替え、前記第一の制御は、前記流量制御装置により前記軸受に供給される潤滑油の流量を所定の流量に維持する制御であり、前記第二の制御は、前記圧力センサにより検出された潤滑油の圧力に基づき、前記流量制御装置により、前記軸受に供給される潤滑油の流量を調整する制御である。
本発明によれば、運転状態が変化したときに、応答性よく軸受に必要な潤滑油流量を供給することが可能な無給油式圧縮機を提供することができる。
図1は、無給油式圧縮機の全体構成図である。 図2は、圧縮機の潤滑油系統を示す図である。 図3は、軸受に供給される潤滑油の圧力(検出圧力)と目標圧力の圧力差と、排油調整弁の目標開度との関係を規定する制御テーブルの一例を示す図である。 図4は、制御装置により実行される弁制御の処理の流れの一例について示すフローチャートである。 図5は、フラグ設定処理の流れの一例について示すフローチャートである。
以下、図面を用いて、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る無給油式圧縮機(以下、単に「圧縮機」とも記す)100の全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る圧縮機100は、二段スクリュー圧縮機であり、低圧段圧縮機本体1Lと、低圧段圧縮機本体1Lで圧縮された空気をさらに圧縮する高圧段圧縮機本体1Hと、を備える。低圧段圧縮機本体1L及び高圧段圧縮機本体1Hは、同様の構成であるため、以下、総称して圧縮機本体1とも記す。圧縮機本体1は、タイミングギヤにより非接触且つ無給油で回転可能な雌雄一対のスクリューロータ(ロータ)3と、ロータ3を収容するロータケーシング4と、ロータ3を回転可能に支持する軸受6と、を有する。軸受6は、圧縮機本体1の吸気側及び吐出側において、ロータ3のシャフト端部を支持する。
圧縮機100は、圧縮機本体1を駆動するモータ2と、モータ2の動力を圧縮機本体1のロータ3に伝達する動力伝達機構と、を備える。この動力伝達機構は、モータ2の出力軸に設けられるブルギヤ7と、圧縮機本体1のロータ3のシャフト端部に設けられるピニオンギヤ8と、を有している。モータ2の動力は、互いに噛み合うブルギヤ7及びピニオンギヤ8を介して、圧縮機本体1のロータ3に伝達される。ブルギヤ7及びピニオンギヤ8は、ギヤケース11内に収容される。ギヤケース11は、ロータケーシング4に接続されている。モータ2により、ロータ3が回転することにより、圧縮機本体1の吸気部から取り入れた空気は、ロータ3とロータケーシング4とによって形成される作動空間内で圧縮され、圧縮機本体1の吐出部から吐出される。
圧縮機100は、低圧段圧縮機本体1Lから吐出される圧縮空気を冷却する圧縮空気用熱交換器であるインタークーラ14bLと、高圧段圧縮機本体1Hから吐出される圧縮空気を冷却する圧縮空気用熱交換器であるアフタークーラ14bHと、を備える。圧縮空気用熱交換器14b(14bL,14bH)は、チューブ式やプレート式の熱交換器である。圧縮空気用熱交換器14bは、図示しない冷却液(水やクーラント)の供給を受け、圧縮空気を冷却液との熱交換によって所望の温度に冷却する。
圧縮機100は、圧縮機本体1の軸受6に潤滑油を供給する潤滑油系統60と、圧縮機100の運転を制御する制御装置40と、備える。潤滑油は、軸受6の潤滑及び冷却の他、ギヤケース11内のギヤの潤滑、圧縮機本体1の冷却等に用いられる。潤滑油系統60の詳細については後述する。
制御装置40は、演算装置41、揮発性メモリ42及び不揮発性メモリ43を含むプログラマブルコンピュータである。不揮発性メモリ43には、各種演算が実行可能なプログラム、設定値及び閾値等が記憶されている。すなわち、不揮発性メモリ43は、本実施形態の機能を実現するプログラムを読み取り可能な記憶媒体(記憶装置)である。揮発性メモリ42は、演算装置41による演算結果及び入力された信号を一時的に記憶する記憶媒体(記憶装置)である。演算装置41は、不揮発性メモリ43に記憶されたプログラムを揮発性メモリ42に展開して演算処理を行う処理装置であって、プログラムに従って、各種センサ、不揮発性メモリ43及び揮発性メモリ42から取り入れたデータに対して所定の演算処理を行う。
制御装置40は、ソフトウェアと演算装置41との協働によって、複数の機能を実現し、圧縮機100の各部と制御信号の入出力を行う。制御装置40には入力装置(不図示)が接続されている。入力装置は、例えば、筐体50の外郭に設置された入力パネルであり、ユーザ(利用者)により操作される。ユーザにより入力装置が操作されると、入力装置から制御装置40に対して、ユーザの操作に応じた操作信号が出力される。制御装置40は、入力装置からの操作信号に応じて、各種設定値の変更、設定値の新規登録等を行う。なお、制御装置40は、ネットワークを介して制御機器(ノートPC、タブレットPC、サーバ等)と接続可能であり、制御機器からの信号に応じて設定値を不揮発性メモリ43に記憶する。
制御装置40には、種々のセンサ及び装置が接続されている。例えば、制御装置40には、圧縮機100からユーザ側に供給される圧縮空気の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ18が接続されている。また、制御装置40には、潤滑油系統60の圧力を検出する潤滑油圧力センサ21が接続されている。
さらに、制御装置40には、低圧段圧縮機本体1Lに吸い込まれる空気の温度(第1吸気温度)Ti1を検出する第1吸気温度センサ31と、低圧段圧縮機本体1Lから吐出される圧縮空気の温度(第1吐出温度)To1を検出する第1吐出温度センサ32と、高圧段圧縮機本体1Hに吸い込まれる空気の温度(第2吸気温度)Ti2を検出する第2吸気温度センサ33と、高圧段圧縮機本体1Hから吐出される圧縮空気の温度(第2吐出温度)To2を検出する第2吐出温度センサ34と、が接続されている。
各装置を収容する筐体50には、筐体50外から空気(外気)を筐体50内に取り入れる吸気口51、及び、筐体50内の空気を筐体50外に排出する排気口52が設けられている。吸気口51は、筐体内気流の上流側に位置するモータ2に対向する位置に設けられている。筐体50内の排気口52の近傍には冷却ファン20が設けられている。冷却ファン20が回転することにより吸気口51から筐体50内に空気が取り入れられ、筐体50内に取り入れられた空気は、冷却風として、主に、モータ2、圧縮機本体1、熱交換器14a,14bの順に流れ、排気口52から筐体50外に排出される。なお、冷却ファン20の回転速度は、制御装置40によって制御される。制御装置40は、吐出圧力センサ18によって検出される圧縮空気の吐出圧力と、モータ温度センサ(不図示)によって検出されるモータ2の温度等に基づき、筐体50内の温度を一定範囲に維持するように、冷却ファン20の回転速度を制御する。
モータ2は、制御装置40を介してインバータ19から任意の周波数の電力を受け、可変速に回転可能となっている。
圧縮機本体1は、ロータ3の回転により、吸気部から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を圧縮して吐出する。圧縮機本体1により生成された圧縮空気は、吐出配管25に吐出される。なお、本実施形態に係る圧縮機100は、上述したように二段圧縮行う。低圧段圧縮機本体1Lは、エアフィルタ5を通じて吸い込んだ空気(外気)を圧縮し、第1吐出配管25Lに圧縮空気を吐出する。第1吐出配管25Lに吐出された圧縮空気はインタークーラ14bLを通じて、高圧段圧縮機本体1Hの吸気部に導かれる。高圧段圧縮機本体1Hは、低圧段圧縮機本体1Lから吐出された圧縮空気をさらに圧縮して第2吐出配管25Hに圧縮空気を吐出する。
第2吐出配管25Hには、高圧段圧縮機本体1Hからアフタークーラ14bHに向かって空気が流れることを許容し、アフタークーラ14bHから高圧段圧縮機本体1Hに向かって空気が流れることを禁止する逆止弁29が設けられている。第2吐出配管25Hの逆止弁29の上流側には放気経路26が接続されている。放気経路26の下流側には、放気経路26を開閉可能な電磁弁である放気弁27が設けられている。
制御装置40は、吐出圧力センサ18により検出される圧縮空気の吐出圧力Paが設定圧力Pa0未満である場合には圧縮機本体1の負荷運転(通常運転)を行い、吐出圧力センサ18により検出される圧縮空気の吐出圧力Paが設定圧力Pa0以上である場合には無負荷運転を行う。
制御装置40は、負荷運転において、放気弁27に閉信号を出力し、放気弁27を全閉にする。したがって、負荷運転では、高圧段圧縮機本体1Hから吐出された圧縮空気は、逆止弁29を通じてアフタークーラ14bHに流れる。制御装置40は、無負荷運転において、放気弁27に開信号を出力し、放気弁27を全開にする。したがって、ユーザ側の圧縮空気の消費量が減少し、吐出圧力センサ18により検出される吐出圧力Paが設定圧力Pa0以上になると、放気弁27が開かれ、圧縮空気が放気経路26及び放気サイレンサ28を通じて大気に放出される。無負荷運転では、圧縮機本体1の負荷が軽減されるため、負荷運転時に比べて消費電力が低減する。なお、無負荷運転において、制御装置40は、モータ2の回転速度を負荷運転のときに比べて低減させてもよい。
図1及び図2を参照して、圧縮機100の潤滑油系統60について詳しく説明する。図2は、圧縮機100の潤滑油系統60を示す図である。図1に示すように、モータ2の出力軸の端部には、ポンプ駆動用ギヤ9が設けられている。ポンプ駆動用ギヤ9は、オイルポンプ10に接続された被駆動用ギヤ(不図示)と歯合している。モータ2の動力は、ポンプ駆動用ギヤ9及び被駆動用ギヤを介してオイルポンプ10に伝達される。オイルポンプ10がモータ2により回転することで、潤滑油系統60内で潤滑油が循環する。本実施形態に係るオイルポンプ10は、一定の押しのけ容積を有する固定容量式のポンプである。
図1及び図2に示すように、潤滑油系統60は、潤滑油を貯留する貯留部12を有するギヤケース11と、貯留部12に貯留されている潤滑油を吸い込んで吐出するオイルポンプ10と、潤滑油を冷却する潤滑油用熱交換器14aと、潤滑油系統60内の塵芥を捕捉するオイルフィルタ15と、潤滑油系統60に設けられる各機器を接続する潤滑油配管(13a,13b,13c)と、を備える。
潤滑油配管には、例えば、オイルポンプ10から吐出された潤滑油を軸受6に導く主配管13aと、主配管13aから分岐して、潤滑油用熱交換器14aをバイパスするバイパス配管13bと、主配管13aから分岐して、オイルポンプ10から吐出された潤滑油の一部を軸受6に導くことなくギヤケース11の貯留部12に戻す戻り配管13cと、がある。主配管13aは、オイルフィルタ15の下流側で、低圧段圧縮機本体1Lのロータケーシング4に接続される第1分岐管13a1と、高圧段圧縮機本体1Hのロータケーシング4に接続される第2分岐管13a2とに分岐する。低圧段圧縮機本体1Lの軸受6に供給された潤滑油と、高圧段圧縮機本体1Hの軸受6に供給された潤滑油とは、低圧段圧縮機本体1L及び高圧段圧縮機本体1Hのロータケーシング4に接続されるギヤケース11内で合流する。
オイルポンプ10は、主配管13aを通じて、ギヤケース11の貯留部12に貯留された潤滑油を潤滑油用熱交換器14aに圧送する。潤滑油用熱交換器14aで所定の温度以下に冷却された潤滑油は、オイルフィルタ15を通じて、高圧段圧縮機本体1Hの軸受6及び低圧段圧縮機本体1Lの軸受6に導かれ、ギヤケース11で回収される。本実施形態では、第2分岐管13a2に、潤滑油圧力センサ21が取り付けられている。なお、潤滑油圧力センサ21は、軸受6に供給される潤滑油の圧力を検出可能であればよく、取付箇所は限定されない。例えば、潤滑油圧力センサ21は、第1分岐管13a1に取り付けられていてもよいし、ロータケーシング4に取り付けられていてもよい。
本実施形態では、オイルポンプ10及び圧縮機本体1が、単一のモータ2によって駆動される(図1参照)。このため、圧縮機本体1のロータ3の回転速度が上昇するにしたがって、オイルポンプ10から吐出される潤滑油の量が増加する。
戻り配管13cには、オイルポンプ10から貯留部12に戻す潤滑油の流量を制御する流量制御装置としての電磁弁(以下、排油調整弁とも記す)17が設けられている。
制御装置40は、排油調整弁17の開度を調整する。排油調整弁17の開度が大きくなるほど、排油調整弁17を通じてオイルポンプ10から貯留部12に戻る潤滑油の流量が増加する。その結果、オイルポンプ10から軸受6に導かれる潤滑油の流量が減少する。このように、本実施形態に係る制御装置40は、排油調整弁17の開度を制御することにより、オイルポンプ10から軸受6に供給される潤滑油の流量(以下、供給量とも記す)を制御する。制御装置40は、運転状態に応じて設定される目標圧力に基づいて、排油調整弁17の開度を調整することで、軸受6に必要な潤滑油の供給量を確保し、不要な潤滑油を戻り配管13cを通じて貯留部12に還流させる。
なお、潤滑油の供給量を制御する流量制御装置の構成は、排油調整弁17に限られない。圧縮機100は、例えば、排油調整弁17に代えて、オイルポンプ10を駆動する自律型の発動機(電気モータ等)を流量制御装置として備えていてもよい。この場合、制御装置40は、発動機を制御して、オイルポンプ10の回転速度を調整することにより、オイルポンプ10から軸受6に供給される潤滑油の流量を制御する。なお、圧縮機100は、流量制御装置として、排油調整弁17及び発動機の双方を備えていてもよい。また、排油調整弁17は、制御装置40からの制御電流に応じて、開度を連続的に調整可能な電磁比例弁としてもよいし、「開」「閉」の2位置に切り換え可能な電磁切換弁としてもよい。本実施形態では、排油調整弁17は、開度を多段階調整可能な電磁弁である例について説明する。
制御装置40の不揮発性メモリ43には、複数の運転状態ごとの目標圧力が予め記憶されている。運転状態ごとの目標圧力は、実験等により、軸受6に必要供給量の潤滑油が流れる場合の潤滑油圧力の実測値に基づいて定められる。なお、必要供給量は、軸受6を適切に潤滑及び冷却することが可能な油量である。制御装置40は、現在の運転状態に応じた目標圧力を不揮発性メモリ43から読み出して設定する。制御装置40は、潤滑油圧力センサ21により検出される圧力(以下、検出圧力とも記す)が、設定した目標圧力となるように排油調整弁17を制御する。
制御装置40は、潤滑油圧力センサ21の運転状態別の目標圧力Potを設定する。制御装置40は、運転状態が負荷運転状態であるときには、目標圧力Potを第1目標圧力Pot1に設定する(Pot=Pot1)。第1目標圧力Pot1は、実験において、圧縮機100が負荷運転状態であるときに、軸受6に必要供給量の潤滑油が供給されているときに潤滑油圧力センサ21により検出された圧力を用いることができる。制御装置40は、運転状態が無負荷運転状態であるときには、目標圧力Potを第2目標圧力Pot2に設定する(Pot=Pot2)。第2目標圧力Pot2は、実験において、圧縮機100が無負荷運転状態であるときに、軸受6に必要供給量の潤滑油が供給されているときに潤滑油圧力センサ21により検出された圧力を用いることができる。無負荷運転状態では、負荷運転状態に比べて圧縮機本体1に作用する負荷が小さい。このため、無負荷運転状態では、負荷運転状態に対して軸受6に供給される潤滑油の必要供給量は小さくてよい。したがって、第2目標圧力Pot2は、第1目標圧力Pot1よりも低い(Pot2<Pot1)。
制御装置40は、潤滑油圧力センサ21により検出された実際の圧力(検出圧力)Poaと、設定された目標圧力Potとの圧力差ΔPoを演算し、演算された圧力差ΔPoと、予め不揮発性メモリ43に記憶された制御テーブル(図3参照)と、に基づいて、排油調整弁17の目標開度Votを決定する。制御テーブルは、軸受6に供給される潤滑油の圧力と目標圧力の圧力差と、排油調整弁17の目標開度とが紐付けられた開度情報であり、実験等により予め定められる。
図3は、軸受6に供給される潤滑油の圧力(検出圧力)と目標圧力の圧力差と、排油調整弁17の目標開度との関係を規定する制御テーブルの一例を示す図である。制御テーブルの圧力差ΔPa,ΔPb,ΔPc,ΔPd,ΔPeの大小関係は、ΔPa<ΔPb<ΔPc<ΔPd<ΔPeであり、例えば、ΔPcは0であり、ΔPa,ΔPbは負の値であり、ΔPd,ΔPeは正の値である。制御テーブルは、圧力差ΔPoが大きいほど、排油調整弁17の目標開度Votが大きくなるように規定されている。
制御装置40は、演算した圧力差ΔPoと不揮発性メモリ43に記憶されている制御テーブルに基づき、排油調整弁17の目標開度Votを設定する。制御装置40は、演算した圧力差ΔPo(以下、演算値ΔPocとも記す)と制御テーブルに記憶されている圧力差ΔPo(以下、記憶値ΔPomとも記す)とを比較し、演算値ΔPocに最も近い記憶値ΔPomに対応する目標開度Votを設定する。例えば、演算値ΔPocに最も近い記憶値ΔPomがΔPaである場合、制御装置40は、排油調整弁17の目標開度Votを0[%](すなわち全閉)に設定する。また、演算値ΔPocに最も近い記憶値ΔPomがΔPeである場合、制御装置40は、排油調整弁の目標開度Votを100[%](すなわち全開)に設定する。
制御装置40は、排油調整弁17の開度が、設定された目標開度Votとなるように、排油調整弁17を制御することで、検出圧力Poaを目標圧力Potに近づける。制御装置40は、目標圧力Potが検出圧力Poaよりも高い場合には、目標開度Votを50[%]よりも小さくして、排油調整弁17を通じて貯留部12に戻す潤滑油の流量を減少させる。これにより、軸受6に導かれる潤滑油の流量が増加し、検出圧力Poaが目標圧力Potに近づくように増加する。制御装置40は、目標圧力Potが検出圧力Poaよりも低い場合には、目標開度Votを50[%]よりも大きくして、排油調整弁17を通じて貯留部12に戻す潤滑油の流量を増加させる。これにより、軸受6に導かれる潤滑油の流量が減少し、検出圧力Poaが目標圧力Potに近づくように低減する。
このように、制御装置40は、検出圧力Poaと目標圧力Potの圧力差ΔPoに基づいて排油調整弁17の開度を制御することで、検出圧力Poaを目標圧力Potに近づける。しかしながら、何らかの異常により圧縮機100から吐出される圧縮空気の温度が高くなると、軸受6の温度も高くなるため、圧力差ΔPoに応じた排油調整弁17の開度制御を無効として、常に、排油調整弁17を全閉にしておくことが好ましい。
そこで、本実施形態に係る制御装置40は、後述する無効条件が成立しているか否かを判定し、無効条件が成立している場合には、圧力差ΔPoに応じた排油調整弁17の開度制御を実行せず、排油調整弁17を強制的に全閉にする。これにより、オイルポンプ10から吐出された潤滑油の全流量が、低圧段圧縮機本体1Lと高圧段圧縮機本体1Hに分配される。
無効条件は、圧縮機本体1から吐出される空気の温度Toと圧縮機本体1に吸い込まれる空気の温度Tiの温度差の現在値ΔTaと基準値ΔTbとの差ΔTdが、所定値(以下、温度差閾値とも記す)ΔTtよりも大きい場合に成立する。無効条件は、差ΔTdが温度差閾値ΔTt以下の場合には成立しない。温度差閾値ΔTtは、圧縮機本体1から吐出される空気の温度が異常に上昇していることを判定するための閾値であり、予め不揮発性メモリ43に記憶されている。
図4は、制御装置40により実行される弁制御の処理の流れの一例について示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、例えば、入力装置の起動スイッチがオンされ、圧縮機100が起動されることにより開始され、図示しない初期設定が行われた後、ステップS110以降の処理が所定の制御周期で繰り返し実行される。
図示しない初期設定において、制御装置40は、圧縮機本体1から吐出される空気の温度Toと圧縮機本体1に吸い込まれる空気の温度Tiの温度差の基準値(基準温度差とも記す)ΔTbを設定する。本実施形態に係る圧縮機100は二段圧縮を行う構成であるため、制御装置40は、低圧段圧縮機本体1L用の第1基準温度差ΔTb1と、高圧段圧縮機本体1H用の第2基準温度差ΔTb2を以下のようにして決定する。
制御装置40は、圧縮機100の起動時(運転開始時)に第1吐出温度センサ32により検出される第1吐出温度To1から圧縮機100の起動時(運転開始時)に第1吸気温度センサ31により検出される第1吸気温度Ti1を減算することにより、第1吐出温度To1と第1吸気温度Ti1との温度差(以下、第1温度差とも記す)を演算する。制御装置40は、運転開始時に演算した第1温度差を、第1基準温度差ΔTb1として不揮発性メモリ43に記憶する。
制御装置40は、圧縮機100の起動時(運転開始時)に第2吐出温度センサ34により検出される第2吐出温度To2から圧縮機100の起動時(運転開始時)に第1吸気温度センサ31により検出される第1吸気温度Ti1を減算することにより、第2吐出温度To2と第1吸気温度Ti1との温度差(以下、第2温度差とも記す)を演算する。制御装置40は、運転開始時に演算した第2温度差を、第2基準温度差ΔTb2として不揮発性メモリ43に記憶する。
なお、基準温度差ΔTb(ΔTb1,ΔTb2)の決定方法はこれに限られない。例えば、圧縮機100が起動されてから所定時間経過後に検出された各温度センサの検出結果に基づいて、基準温度差ΔTbを決定してもよい。また、圧縮機100が起動されてから所定期間内に検出された各温度センサの検出結果の平均値に基づいて、基準温度差ΔTbを決定してもよい。
初期設定が完了すると、処理が図4に示すステップS110に進む。ステップS110において、制御装置40は、フラグ設定処理を実行する。図5は、フラグ設定処理の流れの一例について示すフローチャートである。図5に示すように、フラグ設定処理が開始されると、ステップS113において、制御装置40は、各温度センサ31~34から温度情報(検出結果)を取得してステップS116に進む。
ステップS116において、制御装置40は、ステップS113で取得された第1吐出温度To1からステップS113で取得された第1吸気温度Ti1を減算することにより、第1温度差の現在値ΔTa1を演算する。また、ステップS116において、制御装置40は、ステップS113で取得された第2吐出温度To2からステップS113で取得された第1吸気温度Ti1を減算することにより、第2温度差の現在値ΔTa2を演算する。
さらに、制御装置40は、本ステップで演算された第1温度差の現在値ΔTa1から不揮発性メモリ43に記憶されている第1温度差の基準値ΔTb1を減算することにより、第1温度差の現在値と基準値の差ΔTd1を演算する。また、制御装置40は、本ステップで演算された第2温度差の現在値ΔTa2から不揮発性メモリ43に記憶されている第2温度差の基準値ΔTb2を減算することにより、第2温度差の現在値と基準値の差ΔTd2を演算する。ステップS116の温度差の演算処理が完了すると、処理がステップS119に進む。
ステップS119において、制御装置40は、無効条件が成立しているか否かを判定する。制御装置40は、ステップS116で演算された第1温度差の現在値ΔTa1と基準値ΔTb1との差ΔTd1が第1温度差閾値ΔTt1よりも大きい場合、あるいは、ステップS116で演算された第2温度差の現在値ΔTa2と基準値ΔTb2との差ΔTd2が第2温度差閾値ΔTt2よりも大きい場合には、無効条件が成立したと判定し、処理をステップS122に進める。
ステップS119において、制御装置40は、ステップS116で演算された第1温度差の現在値ΔTa1と基準値Tb1との差ΔTd1が第1温度差閾値ΔTt1以下であり、かつ、ステップS116で演算された第2温度差の現在値ΔTa2と基準値Tb2との差ΔTd2が第2温度差閾値ΔTt2以下である場合には、無効条件は成立していないと判定し、処理をステップS125に進める。
ステップS122において、制御装置40は、無効フラグをオンに設定して、図4のステップS130に処理を進める。ステップS125において、制御装置40は、無効フラグをオフに設定して、図4のステップS130に処理を進める。
図4に示すように、ステップS130において、制御装置40は、圧力センサ18,21から圧力情報(検出結果)を取得して、処理をステップS135に進める。ステップS135において、制御装置40は、ステップS130で取得した圧縮機100の吐出圧力Paが設定圧力Pa0未満であるか否かを判定する。ステップS135において、吐出圧力Paが設定圧力Pa0未満であると判定された場合には、処理がステップS140に進む。ステップS135において、吐出圧力Paが設定圧力Pa0以上であると判定された場合には、処理がステップS160に進む。
ステップS140において、制御装置40は、放気弁27に閉信号を出力し、負荷運転制御を開始して、処理をステップS143に進める。ステップS143において、制御装置40は、無効フラグがオンに設定されているか否かを判定する。ステップS143において、無効フラグがオフに設定されていると判定された場合には、処理がステップS147に進む。ステップS143において、無効フラグがオンに設定されていると判定された場合には、処理がステップS180に進む。
ステップS147において、制御装置40は、潤滑油の目標圧力Potに第1目標圧力Pot1を設定し(Pot=Pot1)、処理をステップS150に進める。ステップS150において、制御装置40は、ステップS130で取得した潤滑油圧力センサ21の検出圧力PoaからステップS147で設定した第1目標圧力Pot1を減算して、圧力差ΔPoを演算する。次ステップS155において、制御装置40は、制御テーブル(図3参照)を参照し、ステップS150で演算した圧力差ΔPoに基づき、排油調整弁17の目標開度Votを決定し、処理をステップS158に進める。ステップS158において、制御装置40は、排油調整弁17に制御信号を出力し、排油調整弁17の開度をステップS155で決定した目標開度Votに調整する。
ステップS160において、制御装置40は、放気弁27に開信号を出力し、無負荷運転制御を開始して、処理をステップS163に進める。ステップS163において、制御装置40は、無効フラグがオンに設定されているか否かを判定する。ステップS163において、無効フラグがオフに設定されていると判定された場合には、処理がステップS167に進む。ステップS163において、無効フラグがオンに設定されていると判定された場合には、処理がステップS180に進む。
ステップS167において、制御装置40は、潤滑油の目標圧力Potに第2目標圧力Pot2を設定し(Pot=Pot2)、処理をステップS170に進める。ステップS170において、制御装置40は、ステップS130で取得した潤滑油圧力センサ21の検出圧力PoaからステップS167で設定した第2目標圧力Pot2を減算して、圧力差ΔPoを演算する。次ステップS175において、制御装置40は、制御テーブル(図3参照)を参照し、ステップS170で演算した圧力差ΔPoに基づき、排油調整弁17の目標開度Votを決定し、処理をステップS178に進める。ステップS178において、制御装置40は、排油調整弁17に制御信号を出力し、排油調整弁17の開度をステップS175で決定した目標開度Votに調整する。
ステップS180において、制御装置40は、圧力差ΔPoに関わらず、排油調整弁17に制御信号を出力し、排油調整弁17を全閉にする。ステップS158,S178,S180のいずれかの処理により排油調整弁17の制御が完了すると、本制御周期における図4のフローチャートに示す処理が終了する。
このように、本実施形態では、無負荷運転時に、負荷運転時よりも低い目標圧力が設定され、目標圧力と潤滑油圧力センサ21により検出される圧力(検出圧力)との圧力差に応じて排油調整弁17の開度が制御される。負荷運転から無負荷運転に切り替わった場合には、目標圧力が第2目標圧力(<第1目標圧力)に切り替わるため、排油調整弁17の開度が大きくなる。これにより、軸受6に供給される潤滑油の流量が低減する。一方、無負荷運転から負荷運転に切り替わった場合には、目標圧力が第1目標圧力(>第2目標圧力)に切り替わるため、排油調整弁17の開度が小さくなる。これにより、軸受6に供給される潤滑油の流量が増加する。
このように、運転状態ごとに設定される目標圧力と検出圧力の圧力差に応じて、排油調整弁17の開度が調整されるため、速やかにロータケーシング4内の潤滑油の実際の圧力を目標圧力に近づけることができる。すなわち、運転状態の変化に応じて、軸受6に供給される潤滑油の流量を速やかに必要供給量に近づけることができる。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)圧縮機100は、空気(気体)を圧縮するロータ3と、ロータ3を回転可能に支持する軸受6と、を有する圧縮機本体1と、軸受6に潤滑油を供給する潤滑油系統60と、制御装置40と、を備えた無給油式圧縮機である。潤滑油系統60は、潤滑油を貯留する貯留部12と、貯留部12に貯留されている潤滑油を吐出するオイルポンプ10と、オイルポンプ10から軸受6に供給される潤滑油の流量を制御する排油調整弁(流量制御装置)17と、軸受6に供給される潤滑油の圧力を検出する潤滑油圧力センサ(圧力センサ)21と、を有する。制御装置40は、複数の運転状態ごとの目標圧力Potを記憶する不揮発性メモリ43(記憶装置)を有する。制御装置40は、運転状態に応じて目標圧力を不揮発性メモリ43から読み出して設定し、潤滑油圧力センサ21により検出された圧力(検出圧力)が設定した目標圧力Potとなるように、排油調整弁17を制御する。
この構成では、運転状態に応じて、目標圧力が直ちに設定され、目標圧力と検出圧力に応じて排油調整弁17の制御が実行される。したがって、本実施形態によれば、運転状態が変化したときに、応答性よく軸受6に必要な潤滑油流量を供給することが可能な圧縮機100を提供することができる。
(2)潤滑油系統60は、オイルポンプ10から吐出された潤滑油を軸受6に導く主配管13aと、オイルポンプ10から吐出された潤滑油の一部を軸受6に導くことなく貯留部12に戻す戻り配管13cと、戻り配管13cに設けられる流量制御装置としての排油調整弁17と、を有する。このように、本実施形態に係る圧縮機100は、排油調整弁17を制御することにより、軸受6に供給される潤滑油の流量を制御する構成とされている。この構成によれば、発動機によってオイルポンプ10の回転速度を制御することにより、軸受6に供給される潤滑油の流量を制御する構成とする場合に比べて、圧縮機100のコストの低減を図ることができる。
(3)不揮発性メモリ43には、軸受6に供給される潤滑油の圧力と目標圧力の圧力差と、排油調整弁17の目標開度Votとが紐付けられた開度情報としての制御テーブル(図3参照)が記憶されている。制御装置40は、潤滑油圧力センサ21により検出された圧力(検出圧力)Poaと、運転状態に応じて設定された目標圧力Potとの圧力差ΔPoを演算する。制御装置40は、演算された圧力差ΔPoと制御テーブル(図3参照)に基づいて、排油調整弁17の目標開度Votを決定する。制御装置40は、排油調整弁17の開度が、決定した目標開度Votとなるように、排油調整弁17を制御することで、潤滑油圧力センサ21により検出された圧力(検出圧力)Poaを目標圧力Potに近づける。
この構成によれば、検出圧力Poaと目標圧力Potとの圧力差ΔPoに応じて、排油調整弁17の開度が適切に制御され、検出圧力Poaを目標圧力Potに速やかに近づけることができるとともに、検出圧力Poaが目標圧力Potを超えるオーバーシュートの量を低く抑えることができる。
(4)制御装置40は、運転状態が無負荷運転状態であるときには、運転状態が負荷運転状態であるときよりも低い目標圧力Potを設定する。この構成によれば、無負荷運転状態であるときには、軸受6に供給される潤滑油の流量が低減されるため、撹拌ロス及び消費電力の低減を図ることができる。さらに、軸受6への潤滑油の流量の供給過多に起因する軸受6の損傷(スミアリング)の発生を防止できる。
(5)制御装置40は、圧縮機本体1から吐出される空気の温度に基づき、無効条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態において、制御装置40は、圧縮機本体1から吐出される空気の温度(例えば、第1吐出温度To1)と圧縮機本体1に吸い込まれる空気の温度(例えば、第1吸気温度Ti1)の温度差(例えば、第1温度差)の現在値(例えば、ΔTa1)と基準値(例えば、ΔTb1)との差(例えば、ΔTd1)が温度差閾値(例えば、所定値ΔTt1)よりも大きい場合には、無効条件が成立したと判定する。無効条件が成立した場合、制御装置40は、検出圧力及び目標圧力に基づく排油調整弁17の開度制御を行わない。すなわち、制御装置40は、検出圧力及び目標圧力に基づくオイルポンプ10から軸受6に供給される潤滑油の流量制御を行わない。本実施形態では、無効条件が成立した場合、検出圧力と目標圧力の圧力差に関わらず、排油調整弁17を全閉にすることにより、オイルポンプ10から吐出された潤滑油の全量を圧縮機本体1の軸受6に供給する。
例えば、運転状態が負荷運転状態から無負荷運転状態に切り替わった場合であって、無効条件が成立していないときには、制御装置40は、排油調整弁17の開度を開き側に制御することによりオイルポンプ10から軸受6に供給される潤滑油の流量を低減することで潤滑油圧力センサ21により検出された圧力を、設定した目標圧力Pot(=Pot2)に近づける。また、例えば、運転状態が無負荷運転状態であるときに無効条件が成立した場合には、制御装置40は、設定した目標圧力Pot(=Pot2)に関わらず、排油調整弁17の開度を閉じ側に制御することによりオイルポンプ10から軸受6に供給される潤滑油の流量を増加させる。
この構成によれば、何らかの原因により無効条件が成立した場合に、軸受6に供給される潤滑油の流量を十分に確保することができる。その結果、軸受6の温度を使用温度範囲内の温度に維持することができ、軸受6の損傷を防止することができる。なお、流量制御装置として、排油調整弁17に代えてオイルポンプ10の回転速度を調整可能な発動機を設ける場合には、制御装置40は、無効条件が成立した場合、検出圧力と目標圧力の圧力差に関わらず発動機の回転速度を所定値に設定する。ここで、所定値とは、例えば、無効条件が成立していない場合の回転速度範囲における最大値である。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、5通りの開度調整が可能な排油調整弁17を流量制御装置として用いる例について説明したが、6通り以上あるいは4通り以下の開度調整が可能な排油調整弁17を流量制御装置として用いてもよい。
<変形例2>
上記実施形態では、制御装置40は、負荷運状態のときと無負荷運転状態のときとで、同じ制御テーブル(図3)を用いて排油調整弁17を制御する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。制御装置40は、負荷運転状態と無負荷運転状態とで異なる制御テーブルを用いて排油調整弁17を制御してもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、運転状態の例として、負荷運転状態と無負荷運転状態について説明したが、本発明はこれに限定されない。負荷運転状態をさらに細分化し、細分化された運転状態ごとに目標圧力が設定されるようにしてもよい。複数の運転状態ごとに、目標圧力が設定されることにより、運転状態の変化にともない目標圧力が切り替わることで、圧縮機本体1の軸受6に必要な供給量を時々刻々リアルタイムで調整することができる。
<変形例4>
上記実施形態では、無効フラグの設定処理を実行する例について説明したが、無効フラグの設定処理は実行しなくてもよい。この場合、無効条件が成立した場合に、表示装置や音出力装置などを用いて、ユーザに対して警告を行うことが好ましい。
<変形例5>
上記実施形態では、圧縮機100の起動時の吐出温度と吸気温度の温度差を基準温度差として不揮発性メモリ43に記憶する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。基準温度差は、製品出荷時等に不揮発性メモリ43に記憶される固定値としてもよい。
<変形例6>
無効条件は、上記実施形態で説明した例に限定されない。例えば、無効条件は、以下のように定めてもよい。
無効条件の変形例1:圧縮機本体1から吐出される空気の温度の現在値と基準値との差が所定値よりも大きいこと
なお、無効条件の変形例1における基準値は、圧縮機100の起動時(運転開始時)の値としてもよいし、予め定められた固定値としてもよい。
無効条件の変形例2:圧縮機本体1から吐出される空気の温度が、上限値よりも大きいこと
なお、無効条件の変形例2における上限値は、予め定められた固定値である。
<変形例7>
上記実施形態では、圧縮機100が二段圧縮機である例について説明したが、三段以上の多段圧縮機としてもよいし、単段圧縮機であってもよい。さらには、ツインロータ型のスクリューロータ圧縮機を例に説明したが、本発明は、シングルロータ型やトリプルロータ型等のツインロータ型以外のスクリュー圧縮機に適用することもできる。また、本発明は、圧縮回転体としてのロータ3の軸受6に潤滑油を供給する種々の無給油式圧縮機に適用することができる。また、圧縮機本体1のロータ3により圧縮する気体は、空気に限定されることもない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1…圧縮機本体、1H…高圧段圧縮機本体、1L…低圧段圧縮機本体、2…モータ、3…ロータ、4…ロータケーシング、6…軸受、10…オイルポンプ、11…ギヤケース、12…貯留部、13a…主配管、潤滑油配管、13a1…第1分岐管、13a2…第2分岐管、13b…バイパス配管、潤滑油配管、13c…戻り配管、潤滑油配管、14a…潤滑油用熱交換器、14b…圧縮空気用熱交換器、14bH…アフタークーラ、14bL…インタークーラ、17…排油調整弁(流量制御装置)、18…吐出圧力センサ(圧力センサ)、19…インバータ、20…冷却ファン、21…潤滑油圧力センサ(圧力センサ)、25…吐出配管、25H…第2吐出配管、25L…第1吐出配管、26…放気経路、27…放気弁、29…逆止弁、31…第1吸気温度センサ、32…第1吐出温度センサ、33…第2吸気温度センサ、34…第2吐出温度センサ、40…制御装置、41…演算装置、42…揮発性メモリ(記憶装置)、43…不揮発性メモリ(記憶装置)、60…潤滑油系統、100…圧縮機(無給油式圧縮機)、Pa…吐出圧力、Pa0…設定圧力、Poa…検出圧力、Pot…目標圧力、Pot1…第1目標圧力、Pot2…第2目標圧力、Tb1…第1温度差の基準値、Tb2…第2温度差の基準値、Ti…圧縮機本体に吸い込まれる気体の温度、Ti1…第1吸気温度、To…圧縮機本体から吐出される気体の温度、To1…第1吐出温度、To2…第2吐出温度、Vot…目標開度、ΔPo…圧力差、ΔPoc…圧力差の演算値、ΔPom…圧力差の記憶値、ΔTa…温度差の現在値、ΔTa1…第1温度差の現在値、ΔTa2…第2温度差の現在値、ΔTb…基準温度差(温度差の基準値)、ΔTb1…第1基準温度差(第1温度差の基準値)、ΔTb2…第2基準温度差(第2温度差の基準値)、ΔTd…温度差の現在値と基準値の差、ΔTd1…第1温度差の現在値と基準値の差、ΔTd2…第2温度差の現在値と基準値の差、ΔTt…温度差閾値(所定値)、ΔTt1…第1温度差閾値、ΔTt2…第2温度差閾値

Claims (6)

  1. ロータと軸受を有する圧縮機本体と、
    前記圧縮機本体から吐出される気体の温度である吐出温度を検出する吐出温度センサと、
    潤滑油を貯留する貯留部と、
    前記貯留部に貯留されている潤滑油を吐出するオイルポンプと、
    前記オイルポンプから前記軸受に供給される潤滑油の流量を制御する流量制御装置と、
    前記軸受に供給される潤滑油の圧力を検出する圧力センサと、
    制御装置と、を備える無給油式圧縮機であって、
    前記制御装置は、
    前記吐出温度センサにより検出され吐出温度に基づき、第一の制御と第二の制御を切り替え、
    前記第一の制御は、前記吐出温度センサにより検出される吐出温度が、閾値よりも大きい場合に、前記軸受に供給される潤滑油の流量を所定の流量に維持するように、前記流量制御装置を制御し、
    前記第二の制御は、前記吐出温度センサにより検出される吐出温度が、閾値よりも小さい場合に、前記圧力センサにより検出され潤滑油の圧力に基づき、前記軸受に供給される潤滑油の流量を調整するように、前記流量制御装置を制御する無給油式圧縮機。
  2. 前記制御装置は、
    目標圧力を記憶する記憶装置を有し、
    前記第二の制御は、
    前記圧力センサにより検出された潤滑油の圧力が、前記目標圧力となるように、前記流量制御装置を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無給油式圧縮機。
  3. 前記目標圧力は前記無給油式圧縮機の運転状態ごとに記憶され、
    前記第二の制御は、
    前記圧力センサにより検出された潤滑油の圧力が、現在の運転状態に対応する前記目標圧力となるように、前記流量制御装置を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の無給油式圧縮機。
  4. 負荷運転時の目標圧力は、無負荷運転時の目標圧力よりも高い圧力である
    ことを特徴とする請求項3に記載の無給油式圧縮機。
  5. 前記無給油式圧縮機は、
    前記流量制御装置として、排油調整弁を有し、
    前記記憶装置は、
    前記軸受に供給される潤滑油の圧力と、前記目標圧力との圧力差と、前記排油調整弁の開度とが紐付けられた開度情報を記憶し、
    前記第二の制御は、
    前記圧力センサにより検出された潤滑油の圧力と、前記目標圧力との圧力差を演算し、
    演算により算出された圧力差と、前記開度情報に基づき、前記排油調整弁の目標開度を決定し、
    前記排油調整弁の開度が、前記目標開度となるように、前記排油調整弁を調整する制御である
    ことを特徴とする請求項2に記載の無給油式圧縮機。
  6. 前記無給油式圧縮機は、
    前記圧縮機本体に吸い込まれる気体の温度である吸気温度を検出する吸気温度センサを備え、
    前記吸気温度センサにより検出される吸気温度と、前記吐出温度センサにより検出される吐出温度に基づき、前記第一の制御と前記第二の制御を切り替え、
    前記第一の制御は、
    前記吸気温度センサにより検出される吸気温度と、前記吐出温度センサにより検出される吐出温度との温度差を算出し、
    算出された温度差と基準値との差が閾値よりも大きい場合に、前記軸受に供給される潤滑油の流量を所定の流量に維持するように、前記流量制御装置を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無給油式圧縮機。
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