JP7836959B2 - 全固体電池およびその製造方法 - Google Patents
全固体電池およびその製造方法Info
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Description
本発明者らは、「背景技術」の欄において記載した従来の全固体電池に関し、以下の問題が生じることを見出した。
本開示の一様態の概要は以下の通りである。
<構成>
[A.全固体電池]
まず、本実施の形態における全固体電池の概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態における全固体電池100の断面を示す模式図である。本実施の形態における全固体電池100は、正極集電体7と、負極集電体8と、正極集電体7の負極集電体8に近い面上に形成され、正極活物質2と固体電解質1とを含む正極層20と、負極集電体8の正極集電体7に近い面上に形成され、負極活物質3と固体電解質4とを含む負極層30と、正極層20と負極層30との間に配置され、固体電解質5を含む固体電解質層10と、を備える。つまり、全固体電池100は、正極集電体7と、正極層20と、固体電解質層10と、負極層30と、負極集電体8とが、この順で積層された構造を有する。
まず、固体電解質層10について説明する。本実施の形態における固体電解質層10は、固体電解質5を含み、さらに、バインダーを含んでいてもよい。
本実施の形態における固体電解質5について説明する。固体電解質5に用いられる固体電解質材料としては、一般的な公知材料である硫化物系固体電解質、ハロゲン化物系固体電解質および酸化物系固体電解質等の無機固体電解質が挙げられる。固体電解質材料は、例えば、リチウムイオン伝導性を有する。固体電解質材料としては、硫化物系固体電解質、ハロゲン化物系固体電解質および酸化物系固体電解質のいずれが用いられてもよい。本実施の形態における硫化物系固体電解質の種類は、特に限定されない。硫化物系固体電解質としては、Li2S-SiS2、LiI-Li2S-SiS2、LiI-Li2S-P2S5、LiI-Li2S-P2O5、LiI-Li3PO4-P2S5、Li2S-P2S5等が挙げられる。特に、リチウムイオン伝導性が優れている観点から、硫化物系固体電解質は、Li、PおよびSを含んでいてもよい。また、バインダーとの反応性が高く、バインダーとの結合性が高いため、硫化物系固体電解質は、P2S5を含んでいてもよい。なお、上記「Li2S-P2S5」の記載は、Li2SおよびP2S5を含む原料組成を用いてなる硫化物系固体電解質を意味し、他の記載についても同様である。
本実施の形態におけるバインダーについて説明する。バインダーは、リチウムイオン伝導および電子伝導を有せず、固体電解質層10内の材料同士および固体電解質層10と他の層とを接着させる役割を担う接着材である。本実施の形態におけるバインダーは、密着強度を向上させる官能基が導入された熱可塑性エラストマーを含んでもよく、官能基がカルボニル基であってもよく、密着強度を向上させる観点から、カルボニル基が無水マレイン酸であることであってもよい。無水マレイン酸の酸素原子が、固体電解質5と反応して、固体電解質5同士を、バインダーを介して結合させ、固体電解質5と固体電解質5との間にバインダーが配置された構造をつくり、その結果、密着強度が向上する。
次に、本実施の形態における正極層20について説明する。本実施の形態における正極層20は、固体電解質1と正極活物質2とを含む。正極層20は、さらに、必要に応じて、電子伝導度を確保するためアセチレンブラックおよびケッチェンブラック(登録商標)などの導電助剤ならびにバインダーを添加してもよいが、添加量が多い場合には電池性能へ影響するため、電池性能に影響がない程度に少量であることが望ましい。
固体電解質1に用いられる固体電解質材料は、例えば、上述した[B-1.固体電解質]にて挙げた固体電解質材料から少なくとも1つ以上任意に選択される。また材料の選択について特に限定されるものではないが、例えば、正極活物質2と固体電解質1とが接触する界面、および、固体電解質1と固体電解質5とが接触する界面のそれぞれにおいてリチウムイオン伝導性を大きく損なわない範囲で材料の組み合わせが選択される。固体電解質1は、例えば、複数の粒子で構成される。
上述したバインダーと同じであるため、省略する。
本実施の形態における正極活物質2について説明する。本実施の形態における正極活物質2の材料としては、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物が用いられる。リチウム含有遷移金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiCoPO4、LiNiPO4、LiFePO4、LiMnPO4、これらの化合物の遷移金属を1または2の異種元素で置換することによって得られる化合物などが挙げられる。上記化合物の遷移金属を1または2の異種元素で置換することによって得られる化合物としては、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、LiNi0.5Mn1.5O2など、公知の材料が用いられる。正極活物質2の材料は、1種で使用されてもよく、または2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
次に、本実施の形態における負極層30について説明する。本実施の形態の負極層30は、固体電解質4と負極活物質3とを含む。負極層30は、さらに、必要に応じて、電子伝導度を確保するためアセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどの導電助剤ならびにバインダーを添加してもよいが、添加量が多い場合には電池性能へ影響するため、電池性能に影響がない程度に少量であることが望ましい。負極活物質3と固体電解質4との割合は、例えば、重量換算で負極活物質:固体電解質が95:5から40:60の範囲内であり、70:30から50:50の範囲内であってもよい。また、負極活物質3と固体電解質4との割合は、例えば、体積換算で負極活物質:固体電解質が96:4から46:54の範囲内であり、75:25から56:44の範囲内であってもよい。言い換えると、負極活物質3と固体電解質4との合計体積に対する負極活物質3の体積割合は、例えば、46%以上96%以下であり、56%以上75%以下であってもよい。当該体積比率であることにより、負極層30内における固体電解質4が担うリチウムイオン伝導経路と負極活物質3が担う電子伝導経路との両方が確保されやすい。
固体電解質4に用いられる固体電解質材料は、特に限定されず、例えば、上述した[B-1.固体電解質]にて挙げた固体電解質材料から少なくとも1つ以上任意に選択される。後述する凝集体13を容易に形成する観点から、固体電解質4に用いられる固体電解質材料は、硫化物系固体電解質またはハロゲン化物系固体電解質であってもよい。固体電解質4は、例えば、複数の粒子で構成される。
上述したバインダーと同じであるため、省略する。
本実施の形態における負極活物質3について説明する。本実施の形態における負極活物質3の材料としては、グラファイトの小片が複数折り重なった状態で造粒化されたカーボン材料(活物質粒子)を用いる。つまり、負極活物質3は、造粒化された複数の活物質粒子を含む。造粒化された活物質粒子としては、公知の材料および造粒化方法が用いられる。造粒化された活物質粒子は、例えば、長軸方向と短軸方向とを有する非真球形状である。詳細は後述するが、造粒化された活物質粒子は、全固体電池100の製造過程でプレスされることで扁平状活物質粒子となる。
次に、本実施の形態における全固体電池100の製造方法について図2を用いて説明する。具体的には、固体電解質層10、正極層20および負極層30を備える全固体電池100の製造方法について説明する。図2は、全固体電池100の製造方法を説明するための断面模式図である。
本実施の形態における負極層30の成膜工程(負極層成膜工程)としては、例えば、以下の方法(1)および方法(2)の2つの方法が挙げられる。
本実施の形態の正極層20の成膜工程(正極層成膜工程)は、使用する材料を正極層20用に変更した以外は、基本的な成膜方法が上記[E.負極層成膜工程]に記載の負極層30の成膜工程と同様である。
本実施の形態における固体電解質層10は、例えば、固体電解質5および必要に応じてバインダーを有機溶剤に分散させてスラリーを作製し、得られたスラリーを上記で作製した正極層20、および/または、負極層30の上に塗布する点以外は、上述の[E.負極層成膜工程]と同様の方法で作製することができる。また、方法(2)と同様に粉体状態の固体電解質層10の材料を用いて成膜してもよい。
積層工程およびプレス工程では、各成膜工程により得られた正極集電体7上に形成された正極層20、負極集電体8上に形成された負極層30、および固体電解質層10を、正極層20と負極層30との間に固体電解質層10が配置されるように積層した(積層工程)後、正極集電体7および負極集電体8の外側からプレスを行い(プレス工程)、全固体電池100を得る。
以下に本実施の形態に係る全固体電池100の負極層30に関する詳細な製造方法例について説明するが、これらの製造方法例に限定されない。なお、特別の断りがない限り、各工程は、例えば、露点が-45℃以下に管理されたグローブボックス内、または、ドライルーム内で実施される。また、以下では、上記の方法(2)を用いて負極層30を製造する方法について説明するが、方法(1)を用いた場合でも同様の負極層30を製造可能である。
まず、実施の形態における負極層30の作製方法について説明する。図3Aは、実施の形態における負極合剤の製造方法を示すフローチャートである。図3Bは、実施の形態における負極合剤の別の製造方法を示すフローチャートである。
次に、比較例における負極層の作製方法について説明する。図4は比較例における負極合剤の製造方法を示すフローチャートである。
次に、実施の形態および比較例における負極合剤、および、負極合剤を用いて形成される負極層30の構造について説明する。具体的には、負極活物質3、固体電解質4および凝集体13の状態について、図5および図6を用いて説明する。図5は、比較例における負極活物質3および固体電解質4の状態の変化を説明するための模式図である。図6は、実施の形態における負極活物質3および固体電解質4の状態の変化を説明するための模式図である。詳細には、図5の(a)および図6の(a)はそれぞれ、粉体プレス工程直前における、混合または攪拌混合後の負極合剤の負極活物質3の粒子数個分の範囲における模式図である。図5の(b)および図6の(b)はそれぞれ、図5の(a)および図6の(a)で示された負極合剤の、粉体プレス工程におけるプレス過程での模式図である。図5の(c)および図6の(c)はそれぞれ、粉体プレス工程後の負極層30内における負極活物質3の様子を示す模式図である。
次に、実施例にて本開示における全固体電池100の電池特性を評価した結果について説明するが、本開示は実施例のみに限定されるものではない。具体的には、実施例1および比較例1における全固体電池を作製し、作製した全固体電池の電池特性を評価した。
(I)実施例1
上述の「(I)実施の形態における負極層の作製方法」に記載の方法のうち、図3Bに示される混合工程により作製した負極合剤を用いた方法で負極層30を形成した。この際、形成した負極層30における負極活物質3と固体電解質4との混合割合は、体積比で70:30であった。
上述の「(II)比較例における負極層の作製方法」に記載の方法を用いて負極層を形成した以外は、上述の実施例1における全固体電池と同様の方法で、比較例1における全固体電池を製造した。この際、負極活物質3と固体電解質4との混合割合は、体積比で70:30であった。
次に、上記で作製した実施例1および比較例1における全固体電池の電池特性を評価した。具体的には、電池容量の指標となる電池特性として充放電効率を評価した結果を表1に示す。充放電効率の評価では、低レート放電および高レート放電の2通りの条件で実施した。また、充放電効率の評価において、充電は、終止電圧3.7V、電流レート0.05C、および、温度25℃の条件で実施した。また、放電は、終止電圧1.9V、低レートの場合の充電レート0.05C、高レートの場合の充電レート1C、および、温度25℃の条件で実施した。また、充放電効率の評価では、充電から開始し、充電容量に対する放電容量の比率(%)を充放電効率として算出した。
以上、本開示に係る全固体電池について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したもの、および、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
2 正極活物質
3 負極活物質
7 正極集電体
8 負極集電体
10 固体電解質層
13 凝集体
20 正極層
30 負極層
100 全固体電池
Claims (9)
- 正極集電体と、
正極活物質および第1固体電解質を含む正極層と、
第3固体電解質を含む固体電解質層と、
負極活物質および第2固体電解質を含む負極層と、
負極集電体とが、この順で積層された構造を有し、
前記負極活物質は、グラファイトの小片が複数積層された構造を有する複数の扁平状活物質粒子を含み、
前記負極層の厚み方向に沿って前記負極層を切断した断面において、前記第2固体電解質を構成する複数の粒子のうちの一部の粒子は、前記複数の扁平状活物質粒子のうちの少なくとも1つの扁平状活物質粒子に埋まっている
全固体電池。 - 前記断面において、前記少なくとも1つの扁平状活物質粒子に前記一部の粒子が埋まる深さは、前記第2固体電解質の平均粒子径の1/2以上である
請求項1に記載の全固体電池。 - 前記断面において、前記少なくとも1つの扁平状活物質粒子のうち少なくとも一部の、扁平状活物質粒子の短軸方向の長さに対する長軸方向の長さの比であるアスペクト比は、3倍以上である
請求項1または2に記載の全固体電池。 - 前記負極層における、前記負極活物質と前記第2固体電解質との合計体積に対する前記負極活物質の体積割合は、46%以上96%以下である
請求項1から3のいずれか1項に記載の全固体電池。 - 前記負極層における、前記負極活物質と前記第2固体電解質との合計体積に対する前記負極活物質の体積割合は、56%以上75%以下である
請求項4に記載の全固体電池。 - 前記負極層が含有する溶媒の濃度は、50ppm以下である
請求項1から5のいずれか1項に記載の全固体電池。 - 前記第2固体電解質の材料は、硫化物系固体電解質またはハロゲン化物系固体電解質である
請求項1から6のいずれか1項に記載の全固体電池。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の全固体電池の製造方法であって、
前記負極層の製造工程は、
グラファイトの小片が複数折り重ねられて造粒化された活物質粒子を含む負極活物質を使用し、圧縮力とせん断力とをかけながら混合する攪拌混合により第2固体電解質を構成する粒子が複数個凝集した凝集体を前記活物質粒子の表面に配置することを含む、前記負極活物質と前記第2固体電解質との混合工程を含む
全固体電池の製造方法。 - 前記混合工程において、前記負極層に用いられる前記第2固体電解質のうちの一部のみを攪拌混合した後、前記負極層に用いられる前記第2固体電解質のうちの残りの一部と前記負極活物質とを添加してさらに攪拌混合することで、前記凝集体を前記活物質粒子の表面に配置する、
請求項8に記載の全固体電池の製造方法。
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| JP2016024916A (ja) | 2014-07-17 | 2016-02-08 | トヨタ自動車株式会社 | 全固体電池用電極及びその製造方法 |
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