以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
図1は、実施の形態1に係るドラム式乾燥機の構成を概略的に示す概略縦断面図である。本実施の形態のドラム式乾燥機60は、衣類などの乾燥対象物を乾燥する機能を有している。図1の左方向がドラム式乾燥機60の前面側である。なお、図示しないが、乾燥を促進するための空気循環装置を備えてもよい。
ドラム式乾燥機60は、電磁波の一種であるマイクロ波をドラム内の乾燥対象物に照射する機能を有する。まず、ドラム式乾燥機60の基本的な構成および動作について説明する。その後、ドラム式乾燥機60において生じたスパークを検知するための技術について説明する。
ドラム式乾燥機60の筐体1の内部に、衣類などの乾燥対象物が収容される収容部の一例であるドラム3が回転可能に回転体として設けられている。ドラム3は、有底円筒形状に形成される。ドラム3は、回転軸14が水平になるように設けられる。別の例では、ドラム3は、回転軸14が水平に対して前上がりに傾斜するように設けられてもよいし、回転軸14が鉛直になるように設けられてもよい。
ドラム3の下方に、ドラム駆動部6が取り付けられる。ドラム駆動部6は、乾燥対象物の乾燥中に、ベルト15を回転させる。これにより、ドラム3が回転軸14の周りに正方向または逆方向に回転される。
筐体1の前面の、ドラム3の開口端に対向する位置に、開口部19と、開口部19を開閉する扉体5が設けられる。使用者は、扉体5を開くことによって、ドラム3に対して乾燥対象物を出し入れすることができる。筐体1と扉体5との間の隙間に図示しないシール部が設けられ、筐体1と扉体5との間を封止する。これにより、ドラム3内の乾燥用空気が外部と流通するのを抑制することができる。シール部の材料は、フェルト、樹脂およびゴムなど特に限定されない。
ドラム3は、ドラム前部3aと、ドラム後部3bとを有する。ドラム前部3aは、筐体1の開口部19に対向する位置に設けられたドラム開口部3cを有する。ドラム後部3bは、ドラム前部3aより後方に設けられる。ドラム前部3aは、有底円筒形状に形成されたドラム3の頂面部分であってもよい。その場合、ドラム後部3bは、円筒の側面部分および底面部分であってもよい。ドラム前部3aは、円筒の頂面部分に加えて側面部分の前方の一部を含んでもよい。その場合、ドラム後部3bは、円筒の側面部分の後方の残りの部分と底面部分であってもよい。ドラム後部3bは、ドラム3の側面部分および底面部分に加えて頂面部分の側面側の一部を含んでもよい。その場合、ドラム前部3aは、円筒の頂面部分のドラム開口部3c側の残りの部分であってもよい。ドラム前部3aとドラム後部3bとは、一体的に製造されてもよいし、別個に製造され、それらが連結されることによりドラム3が形成されてもよい。
ドラム3と扉体5との間に、筒状の連通部26が設けられる。連通部26は、筐体1に固定された固定部であり、ドラム3とともに回転しない。
連通部26に、マイクロ波照射部30と、導波管34と、マイクロ波照射口32とが設けられる。乾燥対象物を加熱する加熱部を構成するマイクロ波照射部30は、導波管34を介してマイクロ波照射口32からマイクロ波をドラム3内に照射し、ドラム3内の乾燥対象物に含有される水分を加熱する。マイクロ波照射部30および導波管34を連通部26に設けるので、乾燥中にドラム3を回転させても、マイクロ波照射部30および導波管34の振動を抑えることができる。これにより、マイクロ波の照射の安定性および安全性を向上させることができる。
マイクロ波照射部30は、マグネトロンなどのマイクロ波発振器であってもよく、例えば2.45GHz帯の周波数の電磁波を発振する。なお、ISM(Industry Science Medical)バンドとして割り当てられた2.45GHz帯に限られるものではなく、同様に割り当てられた915MHz帯などの周波数の電磁波でもよい。
ドラム3内に照射されたマイクロ波のうち、乾燥対象物に含有される水分により吸収されなかったマイクロ波の一部は、反射波として、ドラム3からマイクロ波照射口32および導波管34を介してマイクロ波照射部30に戻る。ドラム3から反射されてマイクロ波照射部30に戻る方向へ進む反射波の一部または全部を反射して、マイクロ波照射部30から照射されたマイクロ波と共に、再度、ドラム3内へ入射させるための反射部が設けられてもよい。これにより、エネルギーロスを低減し、乾燥時間を短縮することができる。
乾燥対象物を加熱する加熱部として、ヒータが更に設けられてもよい。マイクロ波照射部30とヒータは、同時に双方に、またはいずれか一方に通電されてもよい。乾燥対象物の衣類などにボタンやファスナーなどの金属がついていてスパークが発生する可能性が高い場合には、マイクロ波照射部30からドラム3内に照射するマイクロ波の出力を低減させ、または停止して、ヒータによる乾燥に切り替えてもよい。
制御装置20が筐体1内に備えられている。制御装置20は、ドラム駆動部6およびマイクロ波照射部30等を制御する。制御装置20は、使用者による指示入力にしたがって、乾燥運転を制御する。
本実施の形態のドラム式乾燥機60では、ドラム3内にマイクロ波が照射されるので、ドラム式乾燥機60の外部に漏洩する電磁波の強度が、使用される地域において定められた基準値以下になるように構成する必要がある。そのため、本実施の形態のドラム式乾燥機60は、マイクロ波照射口32から照射された電磁波の漏洩を抑えるためのシールド部を備える。
漏洩電磁波に関する規格として、例えば、周波数が2.45GHz帯の電磁波(マイクロ波)によって食品の加熱を行う定格高周波出力2kW以下の電子レンジおよびそれに付加装置をもつ電子レンジについて規定した日本工業規格「JIS C9250」がある。同規格の5.8には、「同規格の8.2.12に規定される漏れ電波の電力密度試験により測定された漏れ電波の電力密度が、(1)扉を閉めているときは、1mW/cm2以下であること、(2)発振管の発振停止装置が動作する直前の最大の位置まで扉を開いて固定したときは、5mW/cm2以下であること、(3)主たる発振停止装置以外の発振停止装置を拘束した状態で5mW/cm2以下であること」と規定されている。また、電気用品安全法第八条第一項に規定された、経済産業省令で定める技術上の基準を定める「電気用品の技術上の基準を定める省令」の解釈についての通達の別表第八の2(95)ト項にも、ほぼ同様の内容が規定されている。洗濯乾燥機についても、電子レンジと同様の基準が妥当すると考えられる。
また、各国の専門家による科学的根拠に基づいて作成された国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインを人体防護の暴露限度値として採用することがWHO(世界保健機関)により推奨されている。このガイドラインでは、曝露制限値が0.08W/kg(1mW/cm2)と規定されている。国際電気標準会議(IEC)により制定された国際規格「IEC62233」およびそれに基づいて制定された日本工業規格「JIS 1912」には、家庭用電気機器および類似機器からの人体ばく露に関する電磁界の測定方法が規定されている。同規格に規定された測定方法において、電磁界を検知するセンサの信号に対して重みづけを行うことにより、曝露制限値に対する割合として電磁界が測定され、ICNIRPのガイドラインに規定された曝露制限値を超えていなければ、ICNIRPのガイドラインに適合すると判定される。シールド部は、これらの規格に準拠するように構成される。
電子レンジでは、加熱対象物が収容される収容庫は固定され、マイクロ波の照射中に大きな振動が発生することはないが、本実施の形態のドラム式乾燥機60では、乾燥効率の向上のために乾燥中にドラム3が回転するとともに振動する。したがって、本実施の形態のドラム式乾燥機60のシールド部は、ドラム3が回転しているときにマイクロ波を照射しても、固定部との隙間から漏洩するマイクロ波を抑えることが可能な構造を有する。
図1に示した実施の形態1に係るドラム式乾燥機60の構成のうち、シールド部を構成する部材は太実線で示している。実施の形態1のドラム式乾燥機60では、シールド部は、扉体5と、連通部26と、ドラム3と、連通部26とドラム3との間の隙間に設けられた隙間シールド部の一例である第1のチョーク部25と、扉体5と連通部26との間の隙間に設けられた隙間シールド部の一例である第2のチョーク部27と、を含んで構成される。
扉体5、連通部26、およびドラム3は、マイクロ波を反射または吸収することが可能な金属などの導電性材料を含む。例えば、扉体5、連通部26、またはドラム3は、全体が導電性材料などの電磁波遮蔽材料で形成されてもよい。扉体5、連通部26、またはドラム3は、樹脂などの材料で形成され、内表面または外表面に導電性材料のメッキ層が設けられてもよい。扉体5、連通部26、またはドラム3は、樹脂などの材料で形成され、内表面、外表面、または内部に電磁波遮蔽材料の層が設けられてもよい。ドラム3には、水蒸気および空気が通過可能な孔が設けられてもよいが、この場合、これらの孔は、マイクロ波が漏洩しない程度の大きさで形成される。
第1のチョーク部25および第2のチョーク部27は、電子レンジなどの技術分野において知られている任意のチョーク構造であってもよい。例えば、第1のチョーク部25または第2のチョーク部27は、複数チョークで構成されてもよい。複数チョークによれば、マイクロ波の漏洩を複数段で抑制することができ、漏洩を防止する性能が向上する。また、複数チョークは、各チョークの寸法または形状を変更したものでもよく、例えば、段差チョークで構成されてもよい。
第1のチョーク部25は、連通部26に設けられてもよいし、ドラム前部3aに設けられてもよい。第2のチョーク部27は、扉体5に設けられてもよいし、連通部26に設けられてもよい。
ドラム式乾燥機60の場合、乾燥対象物の量および重量はさまざまであるとともに、乾燥運転初期と終了間際とでは重量が変化する。そして、乾燥運転時にドラム3が回転するとともに振動し、第1のチョーク部25を構成する連通部26とドラム前部3aとの隙間の寸法が変化する可能性がある。また、構造上、製造時の寸法バラツキが避けられない。さらに、マイクロ波の周波数が運転状況により変化する可能性もある。段差チョークの寸法または形状の変更において、運転時の寸法変化および製造バラツキが考慮されてもよい。また、マイクロ波の周波数が運転状況により変化する場合が考慮されてもよい。したがって、段差チョークによれば、マイクロ波の漏洩を防止する性能が、より向上する。このように、ドラム式乾燥機60において、複数段による漏洩防止構造はきわめて有効である。
また、チョーク構造は、反射波を生じさせる溝の空間の少なくとも一部に樹脂を充填して構成されてもよい。これにより、チョーク構造を薄型化および小型化できるので、第1のチョーク部25を構成する連通部26とドラム前部3aとの隙間の寸法を小さくでき、第1のチョーク部25によってドラム3の容積が減少することを抑制できる。
扉体5と連通部26との間の隙間に全周にわたって設けられる隙間シールド部、または、連通部26とドラム3との間の隙間に全周にわたって設けられる隙間シールド部として、チョーク構造などの反射型のマイクロ波シールドに代えて、または加えて、誘電体などの吸収型のマイクロ波シールドが設けられてもよい。この構成によれば、ドラム3および扉体5の気密性も向上する。その他、任意の方式の非接触型のマイクロ波シールドが隙間シールド部として設けられてもよい。
隙間シールド部として、チョーク構造などの反射型のマイクロ波シールドに代えて、または加えて、任意の方式の接触型のマイクロ波シールドが設けられてもよい。例えば、隙間シールド部は、玉軸受などの点接触のマイクロ波シールドであってもよいし、転がり軸受などの線接触のマイクロ波シールドであってもよい。この場合、接触間隔が遮蔽すべきマイクロ波の波長の半分以下となるように構成してもよい。これにより、マイクロ波の漏洩を更に抑えることができる。また、隙間シールド部は、滑り軸受などの面接触のマイクロ波シールドであってもよい。この場合、柔軟性を有するマイクロ波シールドが隙間シールド部として設けられてもよい。これにより、ドラム3の回転中に隙間の寸法が変化しても、マイクロ波の漏洩を抑えることができる。軸受の潤滑油として、導電性を有する潤滑剤が使用されてもよい。これにより、マイクロ波の漏洩を更に抑えることができる。接触型のマイクロ波シールドにより隙間シールド部を構成することにより、組み立て時における隙間の寸法公差や、ドラム3の回転中における隙間の寸法変化があっても、マイクロ波の漏洩を抑えることができるので、隙間シールド部のマイクロ波漏洩抑制性能の信頼性を向上させることができる。
隙間シールド部は複数段で構成されてもよい。例えば、連通部26とドラム前部3aとの間の隙間に、第1のチョーク部25に加えて第2の隙間シールド部が設けられてもよい。第2の隙間シールド部は、反射型のマイクロ波シールドであってもよいし、吸収型のマイクロ波シールドであってもよい。第2の隙間シールド部として吸収型のマイクロ波シールドを設ける場合、第2の隙間シールド部は、第1のチョーク部25の外側に設けるのが好ましい。これにより、第2の隙間シールド部がマイクロ波により加熱されて損傷したり劣化したりするのを抑えることができる。連通部26とドラム前部3aとの間の隙間に、3以上の隙間シールド部が設けられてもよい。この場合も、最も内側の隙間シールド部は、反射型のマイクロ波シールドとするのが好ましい。これにより、2段目よりも外側の隙間シールド部として吸収型のマイクロ波シールドを設ける場合であっても、マイクロ波シールドがマイクロ波により加熱されて損傷したり劣化したりするのを抑えることができる。2段目よりも外側の隙間シールド部は、反射型のマイクロ波シールドであってもよいし、吸収型のマイクロ波シールドであってもよい。
検知部39は、ドラム3の内部で発生したスパークに起因する電磁波(以下、「スパーク電磁波」という)を検知する。検知部39は、マイクロ波の筐体1からの漏洩を抑えるためのシールド部を構成する部材間の接点または隙間の近傍に設けられる。検知部39は、スパーク電磁波を受信可能なアンテナなどであってもよい。
検知部39は、ドラム3に対して乾燥対象物を出し入れするために筐体1に設けられた開口部19を開閉する扉体5の近傍に設けられてもよい。より具体的には、検知部39は、扉体5と連通部26との間の隙間に設けられた第2のチョーク部27の近傍の領域41aまたは41b内に設けられてもよい。検知部39は、連通部26とドラム3との間の隙間に設けられた第1のチョーク部25の近傍の領域42aまたは42b内に設けられてもよい。
スパーク電磁波は、マイクロ波照射部30により照射されるマイクロ波の周波数とは異なり、例えば100MHz以上の周波数を有している。第1のチョーク部25および第2のチョーク部27は、マイクロ波照射部30により照射されるマイクロ波の漏洩を防止するように設計されているので、ドラム3の内部で発生したスパーク電磁波の一部は、第1のチョーク部25または第2のチョーク部27を通過して、ドラム3の外側に漏洩する。ドラム3の外側に漏洩したスパーク電磁波は、漏洩箇所のチョーク部から拡散していくので、漏洩箇所のチョーク部から遠ざかるほど強度が低下する。本実施の形態のドラム式乾燥機60では、第1のチョーク部25または第2のチョーク部27の近傍に検知部39を設けるので、スパーク電磁波が拡散して強度が低下する前にスパーク電磁波を検知することができる。これにより、スパーク電磁波を迅速かつ高い精度で検知することができるので、スパークによる影響を軽減させるための適切な対策を迅速に講じることができる。したがって、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。また、ドラム3内に照射されるマイクロ波から検知部39を保護することができるので、検知部39の劣化や損傷を抑え、耐久性を向上させることができる。
ドラム3内に照射されるマイクロ波もわずかながら第1のチョーク部25または第2のチョーク部27からドラム3の外側に漏洩する。したがって、検知部39と第1のチョーク部25または第2のチョーク部27との間に、ドラム3から漏洩したマイクロ波を遮断または減衰するための第1の遮断部が設けられてもよい。これにより、スパークの検知精度を高めることができる。ドラム3から漏洩するマイクロ波が、スパーク電磁波よりも周波数が高い場合、第1の遮断部は、スパーク電磁波を通過させドラム3から漏洩するマイクロ波を遮断するローパスフィルタなどであってもよい。
ドラム式乾燥機60は、ドラム式乾燥機60の外部から内部に侵入するノイズの電磁波を遮断または減衰するための第2の遮断部を備えてもよい。これにより、スパークの検知精度を高めることができる。第2の遮断部は、筐体1を含んで構成されてもよい。筐体1は、電磁波を反射または吸収することが可能な金属などの導電性材料を含んでもよい。例えば、筐体1は、全体が導電性材料などの電磁波遮蔽材料で形成されてもよい。筐体1は、樹脂などの材料で形成され、内表面または外表面に導電性材料のメッキ層が設けられてもよい。筐体1は、樹脂などの材料で形成され、内表面、外表面、または内部に電磁波遮蔽材料の層が設けられてもよい。この場合、検知部39は、筐体1とドラム3との間の空間に設けられる。第2の遮断部は、筐体1に代えて、または加えて、電磁波を遮断または減衰するための構成を含んでもよい。ドラム式乾燥機60の外部から侵入するノイズは例えば、携帯電話やコードレス電話などで使用される周波数の電磁波であり、スパーク電磁波よりも周波数が低い場合、第2の遮断部は、スパーク電磁波を通過させ外部から侵入するノイズを遮断するハイパスフィルタなどであってもよい。また、ドラム式乾燥機60の外部から侵入するノイズがスパーク電磁波よりも周波数が高い場合、第2の遮断部は、スパーク電磁波を通過させ外部から侵入するノイズを遮断するローパスフィルタや、ローパスフィルタとハイパスフィルタとの組み合わせであるバンドパスフィルタなどであってもよい。
複数の検知部39が複数の位置に設けられてもよい。例えば、第2のチョーク部27の近傍の領域41aまたは41bに複数の検知部39が設けられてもよいし、第1のチョーク部25の近傍の領域42aまたは42bに複数の検知部39が設けられてもよい。また、複数の隙間シールド部のそれぞれに検知部39が設けられてもよい。例えば、第2のチョーク部27の近傍の領域41aまたは41bと第1のチョーク部25の近傍の領域42aまたは42bとの双方に、それぞれ1つまたは複数の検知部39が設けられてもよい。スパークの発生個所は、衣類に付属する金属の位置や、乾燥運転時のタンブリングなどによる衣類の動きなどによって、ランダムに変化しうる。そのため、スパークにより生じて隙間シールド部から漏洩するスパーク電磁波の強度分布はランダムに変化しうる。検知部39を複数個所に設けることにより、スパーク電磁波の強度が強い箇所でスパーク電磁波を検知できる確率を高めることができるので、スパークの検知精度を向上させることができる。
電界分布と同様に、スパーク電磁波が発生してから隙間シールド部の外部へ漏洩するまでの時間も各箇所で異なり、ランダムに変化しうる。検知部39を複数個所に設けることにより、早期に漏洩したスパーク電磁波を検知できる確率を高めることができるので、スパークの検知速度を向上させることができる。スパークによる衣類への悪影響は、スパークが生じている時間と相関がある。本実施の形態の技術によれば、スパークをより迅速に検知することができるので、スパークによる悪影響を低減させることができる。
検知部39がアンテナである場合、複数の検知部39で受信したスパーク電磁波を受信回路内で合成させて受信強度を強めることにより、検知精度を更に向上させてもよい。
検知部39は、ドラム3の下側の近傍に設けられてもよい。乾燥運転時のタンブリング中であっても、重力の影響により、乾燥対象物は概ね回転するドラム3内の下部で撹拌されるため、ドラム3内の下部に存在する割合が高い。また、スパークは衣類に付属する金属や衣類のポケットなどに混入した異物などから発生する。とくに、タンブリングにより落下した衣類に付属する金属が金属製のドラム3の内面に接する際にスパークが発生しやすい。以上から、ドラム3内の下側の近傍でスパークの発生する確率が高い。したがって、検知部39をドラム3の下側の近傍に設けることにより、発生したスパーク電磁波が拡散により減衰する前に検知することができるので、スパークの検知精度を向上させることができる。検知部39は、ドラム3の下方に設けられてもよい。検知部39は、ドラム式乾燥機60において推奨される量の乾燥対象物がドラム3に収容されたときに乾燥対象物が占める部分、例えばドラム3の高さ方向の中央より下側の部分の近傍に設けられてもよい。
[1-2.動作]
以上のように構成されたドラム式乾燥機60について、以下その動作、作用を説明する。
使用者が扉体5を開き、乾燥対象物をドラム3に収容して、乾燥の開始を指示すると、制御装置20は、乾燥運転を開始する。制御装置20は、ドラム駆動部6を駆動してドラム3を回転させる。なお、図示しない空気循環装置を動作させてもよい。制御装置20は、マイクロ波照射部30を制御して、マイクロ波を発生させる。マイクロ波は、導波管34およびマイクロ波照射口32を介してドラム3内に照射される。これにより、ドラム3内の乾燥対象物に含まれる水分が加熱されて蒸発する。制御装置20は、所定の時間が経過すると、ドラム駆動部6の駆動と、マイクロ波照射部30からのマイクロ波の照射を停止し、乾燥運転を終了する。制御装置20は、乾燥対象物に含まれる水分の量を推定し、水分の量が所定量未満となったときに乾燥運転を終了してもよい。マイクロ波の照射中に検知部39によりスパーク電磁波が検知されると、制御装置20は、マイクロ波照射部30を制御してマイクロ波の出力を低下または停止させる。制御装置20は、金属が付属する乾燥対象物をドラム3から取り出すよう使用者に指示してもよい。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、ドラム式乾燥機60は、筐体1と、筐体1の内部に設けられ、乾燥対象物を収容するドラム3(収容部)と、ドラム3の内部の乾燥対象物にマイクロ波を照射するマイクロ波照射部30と、ドラム3の内部で発生したスパークに起因する電磁波を検知するための検知部39と、を備え、検知部39は、マイクロ波の筐体1からの漏洩を抑えるためのシールド部を構成する部材間の接点または隙間の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
また、本実施の形態において、ドラム3は、筐体1の内部に回転可能に設けられた回転体である。これにより、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。
また、本実施の形態において、ドラム式乾燥機60は、ドラム3に対して乾燥対象物を出し入れするために筐体1に設けられた開口部19を開閉する扉体5を備え、検知部39は、扉体5の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
また、本実施の形態において、シールド部は、扉体5と、ドラム3と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、扉体5とドラム3との間に設けられ筐体1に固定された連通部26(固定部)と扉体5との間の隙間、ドラム3と連通部26との間の隙間、および筐体1と扉体5との間の隙間のうちの少なくとも1つに設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
また、本実施の形態において、複数の検知部39が複数の位置に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
また、本実施の形態において、検知部39は、ドラム3の下側の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態2)
以下、図2を用いて、実施の形態2を説明する。
図2は、実施の形態2に係るドラム式乾燥機の構成を概略的に示す概略縦断面図である。実施の形態2のドラム式乾燥機60では、検知部39は、複数の隙間シールド部の間の領域43aまたは43bに設けられる。その他の構成、動作、および効果は、実施の形態1と同様である。実施の形態1と異なる点について主に説明する。
ドラム式乾燥機60に、第1のチョーク部25、第2のチョーク部27など、複数の隙間シールド部が設けられる場合、それぞれから放射されたスパーク電磁波は、空間内で重なりあった箇所で合成波となる。スパーク電磁波は、連続波ではなく、突発的、非連続的、短時間のみ発生する。複数の隙間シールド部から放射されるそれぞれのスパーク電磁波の進行速度は同じであるため、放射源となる隙間シールド部からの距離が等しくなる箇所で合成波が形成される。その箇所に検知部39を設けることにより、合成されて電界強度が強まったスパーク電磁波を検知することができる。したがって、スパークの検知精度を更に向上させることができる。図2においては、第1のチョーク部25と第2のチョーク部27の2つの隙間シールド部の間の領域43aまたは43bに検知部39が設けられる例を示しているが、3つ以上の隙間シールド部が設けられる場合も同様に、それらの隙間シールド部のうちの少なくとも2つからの距離が等しくなる箇所に検知部39が設けられればよい。
このように、実施の形態2のドラム式乾燥機60では、隙間シールド部は、複数の位置に設けられ、検知部39は、複数の隙間シールド部の間に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態3)
以下、図3を用いて、実施の形態3を説明する。
図3は、実施の形態3に係るドラム式乾燥機の構成を概略的に示す概略縦断面図である。実施の形態3のドラム式乾燥機60では、検知部39は、マイクロ波照射部30からドラム3の内部にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射口32の近傍に設けられる。その他の構成、動作、および効果は、実施の形態1または2と同様である。実施の形態1または2と異なる点について主に説明する。
マイクロ波照射口32の近傍は、電界強度が高いため、スパークが発生する確率が高い。ドラム式乾燥機60では、マイクロ波を吸収する負荷量(水など)が電子レンジなどのマイクロ波加熱製品と比較して多い。例えば、6kgの衣類を乾かす場合、乾燥運転開始時に衣類は約4Lの水を含む。そのため、マイクロ波照射口32の近傍とその他の箇所との間の電界強度の差が大きくなり、マイクロ波照射口32の近傍でスパークが発生する確率がより高くなる。したがって、スパークが発生する確率が高いマイクロ波照射口32の近傍に検知部39を設けることにより、発生したスパーク電磁波が拡散により減衰する前にスパーク電磁波を検知することができるので、スパークの検知精度を向上させることができる。
図3に示した例では、ドラム3の上部付近に設けられたマイクロ波照射口32の近傍に検知部39が設けられる。衣類が多い場合、または、衣類が少なくても撹拌による回転で上部に持ち上げられた場合には、ドラム3内の上部近傍でスパークが発生する可能性がある。このため、ドラム3の上部のマイクロ波照射口32の近傍に検知部39を設けることにより、発生したスパーク電磁波が拡散により減衰する前に検知することができるので、スパークの検知精度を向上させることができる。
マイクロ波照射口32は、ドラム3の下部、側部、底部などの付近に設けられてもよい。この場合、検知部39は、ドラム3の下部、側部、底部などの付近に設けられたマイクロ波照射口32の近傍に設けられてもよい。
このように、実施の形態3のドラム式乾燥機60において、検知部39は、マイクロ波照射部30からドラム3の内部にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射口32の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態4)
以下、図4を用いて、実施の形態4を説明する。
図4は、実施の形態4に係るドラム式乾燥機の構成を概略的に示す概略縦断面図である。実施の形態4のドラム式乾燥機60は、図1に示した実施の形態1のドラム式乾燥機60の構成に加えて、反射部37を更に備える。その他の構成、動作、および効果は、実施の形態1~3のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~3と異なる点について主に説明する。
反射部37は、検知部39から見て、スパーク電磁波の放射源となる隙間シールド部と対向する位置に設けられる。隙間シールド部から拡散したスパーク電磁波は、反射部37により検知部39に向けて反射される。これにより、検知部39の近傍のスパーク電磁波を増幅し、強度を高めて検知することができるので、スパークの検知精度を向上させることができる。検知部39と反射部37との間の距離は、スパーク電磁波の波長を考慮して、検知部39の近傍のスパーク電磁波の強度が高められるように設定される。
このように、実施の形態4のドラム式乾燥機60は、スパーク電磁波を検知部39に向けて反射する反射部37を備える。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態5)
以下、図5を用いて、実施の形態5を説明する。
図5は、実施の形態5に係るドラム式乾燥機の構成を概略的に示す概略縦断面図である。実施の形態5のドラム式乾燥機60は、図1に示した実施の形態1のドラム式乾燥機60の構成に加えて、共振部38を更に備える。その他の構成、動作、および効果は、実施の形態1~4のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~4と異なる点について主に説明する。
共振部38は、検知部39の近傍に設けられ、検知部39の近傍に拡散するスパーク電磁波に共振を発生させる。これにより、検知部39の近傍のスパーク電磁波を増幅し、強度を高めて検知することができるので、スパークの検知精度を向上させることができる。検知部39と共振部38との間の距離は、スパーク電磁波の波長を考慮して、検知部39の近傍のスパーク電磁波の強度が高められるように設定される。
共振部38は、金属などの導電体や樹脂などの誘電体で構成されてもよい。金属などの導電体で共振部38を構成する場合、導電体が電磁波を反射する作用を利用し、内部に空洞を有する空洞共振器として共振部38を構成してもよい。樹脂などの誘電体で共振部38を構成する場合は、誘電体が電磁波を透過させる作用を利用し、誘電体の内部で共振を発生させる誘電体共振器として共振部38を構成してもよい。この場合、誘電体の誘電率による波長短縮効果により、共振部38を小型化することができる。導電体と誘電体とを組み合わせて共振部38を構成してもよい。
このように、実施の形態4のドラム式乾燥機60は、検知部39の近傍に設けられ、スパーク電磁波により共振する共振部38を備える。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態6)
以下、図6を用いて、実施の形態6を説明する。
図6は、実施の形態6に係るドラム式乾燥機の構成を概略的に示す概略縦断面図である。実施の形態6のドラム式乾燥機60は、図1に示した実施の形態1のドラム式乾燥機60の構成において、第1のチョーク部25が連通部26とドラム3の側面との間に設けられる。その他の構成、動作、および効果は、実施の形態1~5のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~5と異なる点について主に説明する。
連通部26のドラム3側が、ドラム前部3aを覆うように構成される。連通部26のドラム3側と、ドラム3の側面との間の隙間に、隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部が設けられる。隙間シールド部は、連通部26に設けられてもよいし、ドラム3の側面に設けられてもよい。隙間シールド部は、第1のチョーク部25などの反射型のマイクロ波シールドであってもよいし、吸収型のマイクロ波シールドであってもよい。隙間シールド部は、第1のチョーク部25などの非接触型のマイクロ波シールドであってもよいし、ボールベアリングなどの接触型のマイクロ波シールドであってもよい。隙間シールド部は、1段のマイクロ波シールドで構成されてもよいし、複数段のマイクロ波シールドで構成されてもよい。
実施の形態6のドラム式乾燥機60は、側面に移動させた隙間シールド分だけドラム3の奥行き方向の寸法を拡大し、内容積を大きくできる。また、ドラム前部3aを樹脂などで形成することができるので、製造コストを低減させることができる。
検知部39は、扉体5の近傍に設けられてもよい。より具体的には、検知部39は、扉体5と連通部26との間の隙間に設けられた第2のチョーク部27の近傍の領域41aまたは41b内に設けられてもよい。検知部39は、連通部26とドラム3との間の隙間に設けられた第1のチョーク部25の近傍の領域45aまたは45b内に設けられてもよい。複数の検知部39が複数の位置に設けられてもよい。複数の隙間シールド部のそれぞれに検知部39が設けられてもよい。
このように、実施の形態6のドラム式乾燥機60において、シールド部は、扉体5と、ドラム3と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、連通部26と扉体5との間の隙間、およびドラム3と連通部26との間の隙間のうちの少なくとも1つに設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態7)
以下、図7を用いて、実施の形態7を説明する。
図7は、実施の形態7に係るドラム式乾燥機の構成を概略的に示す概略縦断面図である。実施の形態7のドラム式乾燥機60は、図1に示した実施の形態1のドラム式乾燥機60の構成において、連通部26が省略される。これにより、回転体のドラム3に対して、扉体5が固定部として機能する。また、マイクロ波照射部30がドラム3の回転軸またはドラム開口部3cの前方の扉体5などに設けられる。マイクロ波照射部30は、マイクロ波照射口32からマイクロ波をドラム3内に照射し、ドラム3内の乾燥対象物に含有される水分を加熱する。その他の構成、動作、および効果は、実施の形態1~6のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~6と異なる点について主に説明する。
扉体5とドラム前部3aとの間の隙間に、隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部が設けられる。隙間シールド部は、扉体5に設けられてもよいし、ドラム前部3aに設けられてもよい。隙間シールド部は、第1のチョーク部25または第2のチョーク部27などの反射型のマイクロ波シールドであってもよいし、吸収型のマイクロ波シールドであってもよい。隙間シールド部は、第1のチョーク部25または第2のチョーク部27などの非接触型のマイクロ波シールドであってもよいし、ボールベアリングなどの接触型のマイクロ波シールドであってもよい。隙間シールド部は、1段のマイクロ波シールドで構成されてもよいし、複数段のマイクロ波シールドで構成されてもよい。
実施の形態7のドラム式乾燥機60は、省略された連通部26の分だけドラム3の奥行き方向の寸法を拡大し、内容積を大きくできる。
検知部39は、扉体5の近傍に設けられる。より具体的には、検知部39は、扉体5とドラム3との間の隙間に設けられた隙間シールド部である第1のチョーク部25または第2のチョーク部27の近傍の領域41aまたは41b内に設けられる。
このように、実施の形態7のドラム式乾燥機60において、シールド部は、扉体5と、ドラム3と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、ドラム3と扉体5との間の隙間に設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態8)
以下、図8を用いて、実施の形態8を説明する。
図8は、実施の形態8に係るドラム式乾燥機の構成を概略的に示す概略縦断面図である。実施の形態8のドラム式乾燥機60は、図6に示した実施の形態6のドラム式乾燥機60の構成に加えて、ドラム扉体36を備える。ドラム扉体36は、ドラム扉体36とドラム3との間の隙間に全周にわたって設けられる隙間シールド部の一例である第2のチョーク部27を備える。その他の構成は、実施の形態1~7のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~7と異なる点について主に説明する。
実施の形態8のドラム式乾燥機60では、ドラム扉体36をドラム3に固定し、ドラム3の回転とともに回転するように構成する。筐体1の開口部19には、扉体5が設けられる。扉体5は、シールド部を構成してもよいし、シールド部を構成しなくてもよい。前者の場合、使用者のマイクロ波の曝露量を更に低減させることができる。後者の場合、扉体5を樹脂などにより形成することができるので、ドラム式乾燥機60の製造コストを低減させることができる。
実施の形態8のドラム式乾燥機60は、回転体と固定部との隙間をシールドする必要がなく、ドラム扉体36に第2のチョーク部27を設けるだけでよい。これにより、隙間シールド部の構成を簡略化して、筐体1の外部へのマイクロ波の漏洩を抑えることができる。
検知部39は、ドラム扉体36とドラム3との間の隙間に設けられた隙間シールド部である第2のチョーク部27の近傍の領域46aまたは46b内に設けられる。検知部39は、扉体5の近傍に設けられてもよい。
このように、実施の形態8のドラム式乾燥機60は、ドラム3に対して乾燥対象物を出し入れするために筐体1に設けられた開口部19(第1の開口部)を開閉する扉体5(第1の扉体)と、筐体1の内部で扉体5と対向する位置に設けられたドラム開口部3c(第2の開口部)を開閉するドラム扉体36(第2の扉体)と、を備え、検知部39は、扉体5またはドラム扉体36の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式乾燥機60の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態9)
以下、図9および図10を用いて、実施の形態9を説明する。
図9は、実施の形態9に係るドラム式洗濯乾燥機の構成を概略的に示す縦断面図である。本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機61は、衣類などの洗濯物を洗濯して乾燥する機能を有しており、洗濯機能のみを実行する洗濯機としても、乾燥機能のみを実行する乾燥機としても、洗濯機能と乾燥機能を実行する洗濯乾燥機としても機能する。
ドラム式洗濯乾燥機61は、実施の形態1~8のドラム式乾燥機60と同様に、電磁波の一種であるマイクロ波をドラム内の洗濯物に照射する機能を有する。実施の形態1~8のドラム式乾燥機60と共通または類似する部材には、同じ符号を付している。実施の形態1~8と異なる点について主に説明する。
ドラム式洗濯乾燥機61は、外槽としての水槽2、および、回転槽としてのドラム3、の2つの槽を備える。水槽2は、有底円筒形状に形成され、洗浄水が溜められる。水槽2は、その下方に設けられたダンパ4によって筐体1(本体)内に揺動自在に支持されている。ドラム3は、有底円筒形状に形成され、衣類などの洗濯物(乾燥機能に言及するときは「乾燥対象物」ともいう)が収容される。ドラム3は、水槽2内に回転可能に設けられ、回転軸が水平になるように設けられる。別の例では、ドラム3は、回転軸が水平に対して前上がりに傾斜するように設けられてもよいし、回転軸が鉛直になるように設けられてもよい。
筐体1の背面に対向する水槽2の底面には、駆動モータ6aが取り付けられている。この駆動モータ6aは、ドラム3を回転軸まわりに正方向および逆方向に回転させる。ドラム式洗濯乾燥機61は、駆動モータ6aの駆動によるドラム3の回転によって、ドラム3内に収容された洗濯物に対し、撹拌たたき洗浄、すすぎ、脱水、および乾燥を行う。
筐体1の前面の、ドラム3および水槽2の開口端に対向する位置に、開口部19と、開口部19を開閉する扉体5が設けられる。使用者は、扉体5を開くことによって、ドラム3に対して洗濯物を出し入れすることができる。
水槽2は、筐体1の開口部19に対向する位置に設けられた水槽開口部2cを有する水槽前部2aと、水槽前部2aより後方に設けられた水槽後部2bとを有する。水槽前部2aの水槽開口部2cの縁部と開口部19の縁部とを、全周にわたって接続するように、弾性を有する筒状の水封部材23が設けられている。使用者が扉体5を閉じると、水封部材23が扉体5によって押圧され、弾性変形することによって、水槽2の機外に対する水密性が確保される。水槽前部2aは、有底円筒形状に形成された水槽2の頂面部分であってもよい。その場合、水槽後部2bは、円筒の側面部分および底面部分であってもよい。水槽前部2aは、円筒の頂面部分に加えて側面部分の前方の一部を含んでもよい。その場合、水槽後部2bは、円筒の側面部分の後方の残りの部分と底面部分であってもよい。水槽後部2bは、水槽2の側面部分および底面部分に加えて頂面部分の側面側の一部を含んでもよい。その場合、水槽前部2aは、円筒の頂面部分の水槽開口部2c側の残りの部分であってもよい。水槽前部2aと水槽後部2bとは、一体的に製造されてもよいし、別個に製造され、それらが連結されることにより水槽2が形成されてもよい。後者の場合は、水槽前部2aと水槽後部2bの連結部にも同様に水封部材が設けられる。
水槽2の上部には、給水管13が接続されている。給水管13の途中に、給水弁12が設けられている。給水弁12は、給水管13を経由して水槽2内に水を供給する。また、水槽2の最下部には、排水管11が接続されている。排水管11の途中に、排水弁10が設けられている。排水弁10は、水槽2内の水を排水管11を経由して機外に排出する。
水槽2の下方には、ダンパ4が設けられている。ダンパ4は、水槽2を支えるとともに、脱水時等に、ドラム3内の洗濯物の偏りなどに起因して発生する水槽2の振動を減衰させる。このダンパ4には、布量検知部(図示せず)が取り付けられている。布量検知部は、ドラム3内の衣類などによる重量変化によって、ダンパ4の軸が上下に変位する変位量を検知する。ドラム式洗濯乾燥機61は、この布量検知部によって検知された変位量に基づいて、ドラム3内の衣類の量を検知する。
ドラム3は、筐体1の開口部19に対向する位置に設けられたドラム開口部3cを有するドラム前部3aと、ドラム前部3aより後方に設けられたドラム後部3bとを有する。ドラム前部3aは、有底円筒形状に形成されたドラム3の頂面部分であってもよい。その場合、ドラム後部3bは、円筒の側面部分および底面部分であってもよい。ドラム前部3aは、円筒の頂面部分に加えて側面部分の前方の一部を含んでもよい。その場合、ドラム後部3bは、円筒の側面部分の後方の残りの部分と底面部分であってもよい。ドラム後部3bは、ドラム3の側面部分および底面部分に加えて頂面部分の側面側の一部を含んでもよい。その場合、ドラム前部3aは、円筒の頂面部分のドラム開口部3c側の残りの部分であってもよい。ドラム前部3aとドラム後部3bとは、一体的に製造されてもよいし、別個に製造され、それらが連結されることによりドラム3が形成されてもよい。
ドラム式洗濯乾燥機61は、水槽2およびドラム3内の空気を循環させる循環風路7と、ドラム3内の乾燥対象物にマイクロ波を照射するマイクロ波照射部30とを備えている。
乾燥対象物を加熱する加熱部を構成するマイクロ波照射部30は、水槽2の水槽開口部2cと筐体1の開口部19の間に設けられたマイクロ波照射口32からマイクロ波をドラム3内に照射し、ドラム3内の乾燥対象物に含有される水分を加熱する。
循環風路7は、乾燥工程において乾燥対象物を乾燥させるための空気循環風路として構成されている。空気循環風路には、水槽2およびドラム3が含まれる。循環風路7は、水槽2の底面に設けられた吹出口8(乾燥用空気吹出口)と水槽2の側面前方に設けられた排出口9(乾燥用空気排出口)とを接続させて設けられている。
循環風路7には、排出口9側から、リントフィルタ22、除湿部21、ヒータ17、および送風ファン16が設けられている。リントフィルタ22は、ナイロンメッシュを有するフィルタであり、循環風路7を流れる空気に含まれるリントを捕捉する。除湿部21は、循環風路7を流れる空気を除湿する。除湿部21は、水冷式、空冷式のいずれでもよい。ヒータ17は、循環風路7を流れる空気を加熱する。除湿部21およびヒータ17は、ヒートポンプ装置の蒸発部および凝縮部で構成されてもよい。送風ファン16は、水槽2およびドラム3内の空気を循環風路7内に循環させる。
ヒータ17およびマイクロ波照射部30は、乾燥対象物を加熱する加熱部を構成し、同時に双方に、またはいずれか一方に通電される。なお、加熱部により乾燥対象物を加熱する方法としては、マイクロ波により直接加熱する方法、ヒータなどにより循環する空気を加熱したり、ドラム3の内壁を加熱したりして間接的に加熱する方法などがあり、特に限定するものではない。乾燥対象物の衣類などにボタンやファスナーなどの金属がついていてスパークが発生する可能性が高い場合には、マイクロ波照射部30からドラム3内に照射するマイクロ波の出力を低減させ、または停止して、ヒータ17による乾燥に切り替える。
流入温度検知部18が、循環風路7内に設けられている。流入温度検知部18は、ドラム3に流入する空気の温度を検知する。流入温度検知部18は、例えばサーミスタ等によって構成される。
制御装置20が筐体1内に備えられている。制御装置20は、送風ファン16、ヒータ17、およびマイクロ波照射部30等を制御する。制御装置20は、また、駆動モータ6a、給水弁12、排水弁10等を制御し、洗浄、すすぎ、脱水、乾燥の各工程を逐次実行する。
次に乾燥空気の流れについて説明する。ドラム3内にマイクロ波が照射されると、乾燥対象物に含まれる水分が加熱されて蒸発する。送風ファン16が駆動されると、蒸発した水分によって多湿状態となった空気は、水槽2に設けられた排出口9を通って、循環風路7に流入する。循環風路7に流入した空気は、送風ファン16によって除湿部21およびヒータ17に向けて送られる。除湿部21を通過する空気は冷却されて除湿される。冷却されて乾燥した空気は、ヒータ17によって加熱される。
ヒータ17を通過した空気は、吹出口8を通過して、再びドラム3内に吹き出される。なお、洗濯機能を有しない衣類乾燥機においては、洗浄水を溜める水槽2、給水弁12、給水管13、排水弁10、および排水管11は備えられていない。そして、回転するドラム3と循環風路7との接続は、フェルトなどのシール部材にドラム3が摺動するように構成されている。
図10は、実施の形態9に係るドラム式洗濯乾燥機61のシールド部の構成を示す。図10は、図9に示した実施の形態9に係るドラム式洗濯乾燥機61の構成のうち、一部の構成を省略した図である。また、検知部39を説明する図である。図10において、シールド部を構成する部材をハッチングで示している。実施の形態9のドラム式洗濯乾燥機61では、シールド部は、扉体5と、開口部19と、水槽前部2aと、カバー部24と、水槽後部2bを含んで構成される。筐体1の開口部19と扉体5との間の隙間には、図示しない隙間シールド部が設けられる。カバー部24は、開口部19と水槽前部2aの間の空間を覆う部材である。カバー部24は、扉体5と水槽2との間の隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部として機能する。
扉体5、開口部19、水槽前部2a、および水槽後部2bは、マイクロ波を反射または吸収することが可能な金属などの導電性材料を含む。扉体5、開口部19、水槽前部2a、または水槽後部2bは、全体が導電性材料などの電磁波遮蔽材料で形成されてもよい。扉体5、開口部19、水槽前部2a、または水槽後部2bは、樹脂などの材料で形成され、内表面または外表面に導電性材料のメッキ層が設けられてもよい。扉体5、開口部19、水槽前部2a、または水槽後部2bは、樹脂などの材料で形成され、内表面、外表面、または内部に電磁波遮蔽材料の層が設けられてもよい。
本実施の形態では、筐体1の開口部19と水槽2の水槽前部2aとは分離され、水封部材23で水密性が確保されるとともに、それらの間の空間が電磁波遮蔽材料で形成されたカバー部24により覆われる。つまり、導電性および柔軟性を有するカバー部24が設けられることによって、ドラム3が回転するとともに振動し、これにより水槽2が振動しても、電磁波を照射することにより乾燥対象物を乾燥する際の電磁波の漏洩を抑えることが可能なドラム式洗濯乾燥機61を提供することができる。
カバー部24は、柔軟性を有する面材で構成される。これにより、筐体1の開口部19および扉体5は、ドラム3の回転により振動する水槽2から分離され、水槽2の振動が伝達しにくいようにすることができる。したがって、水槽2と開口部19の間が振動により広がって隙間からマイクロ波が漏洩するのを抑えることができる。また、マイクロ波照射部30を、振動が大きい水槽2またはドラム3に設置するのではなく、振動が小さい筐体1に設置することができるので、マグネトロンなどのマイクロ波発振器を振動から保護することができ、マイクロ波の発振性能や耐久性を向上させることができる。マイクロ波照射部30の構成のうち、マイクロ波発振器、導波管など、一部の構成が筐体1に設置されてもよい。
カバー部24は、柔軟性を有する面材で構成される。これにより、加工および取り付けを容易にすることができるので、製造コストを低減させることができる。面材の一端は筐体1の開口部19に固定され、他端は水槽2の水槽前部2aに固定される。面材は、ベルトなどの別の面材により固定されてもよいし、ワイヤーなどの線材により固定されてもよい。この場合、面材の外側からベルトやワイヤーなどにより面材を押さえることにより面材を固定してもよい。これにより、面材を固定するための構成を簡素化し、製造コストを低減させることができる。また、面材の端を袋状に形成し、その袋の中にベルトやワイヤーなどを通すことにより面材を固定してもよい。これにより、面材を固定するための作業を簡素化し、製造コストを低減させることができるとともに、接点の安定性を向上させることができる。
カバー部24は、伸縮性を有する材料により筒状に構成されてもよい。この場合、カバー部24を構成する面材は、導電性の布またはメッシュ材であってもよい。また、面材は、ひも状の布を編んで形成されてもよい。これにより、水槽2の振動が筐体1の開口部19および扉体5により伝達しにくいようにすることができる。また、加工および取り付けを容易にすることができるので、製造コストを低減させることができる。
カバー部24は、面材により蛇腹筒状または網目状に構成されてもよい。この場合、カバー部24を構成する面材は、伸縮性を有しない導電性の材料で構成されてもよい。伸縮性を有しない材料であっても、蛇腹筒状または網目状に構成することにより伸縮可能とすることができるので、水槽2の振動が筐体1の開口部19および扉体5により伝達しにくいようにすることができる。また、カバー部24として使用可能な面材の選択肢を広げることができるので、製造コストを低減させることができる。この場合も、面材は、導電性の布またはメッシュ材であってもよいし、ひも状の布を編んで形成されてもよい。
カバー部24は、図9に示すように、水封部材23の外側に設けられてもよい。洗濯の際に塩素系漂白剤が使用される場合、塩素を含有する洗浄水がカバー部24に付着すると、塩素によって導電性材料が腐食してしまう可能性がある。しかし、カバー部24を水封部材23の外側に設けることにより、カバー部24に水分が付着するのを防ぐことができるので、カバー部24の電磁波遮蔽性能や耐久性が低下するのを抑えることができる。また、カバー部24の組み込みが容易になるので、製造コストを低減させることができる。
別の例では、カバー部24は、水封部材23の内側に設けられてもよい。これにより、水封部材23に対する電磁波の曝露を抑えることができるので、水封部材23の水密性および気密性や耐久性が低下するのを抑えることができる。例えば、水封部材23の特定の箇所に電磁波が集中して異常過熱が発生する事態を低減させることができる。
さらに別の例では、カバー部24は、水封部材23と兼用されてもよい。この場合、カバー部24を構成する面材は、導電性を有するエラストマーで形成されてもよい。これにより、従来のドラム式洗濯乾燥機と同様に水封部材23のみを組み込むだけで本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機61を製造することができるので、部品点数および作業工数を削減し、製造コストを低減させることができる。
なお、水槽2の構成において、水槽前部2aおよび水槽後部2bは、これらが一体に形成されていても、別々に製造されて連結されてもよい。本実施の形態のように、シールド部に水槽後部2bが含まれると、水槽2全体を導電性材料で形成すればよく、ドラム式洗濯乾燥機61の構成を簡素化することができるので、製造コストを低減することができる。
水槽前部2aと水槽後部2bとが別々に製造されて連結される場合、水槽前部2aと水槽後部2bの連結部も、水密性を確保しつつ、マイクロ波の漏洩を抑える必要がある。このため、水槽2は、水槽前部2aと水槽後部2bの間に防水部材および導電性部材を挟んで固着される。この構成により、水密性を確保しつつ電磁波の漏洩を抑えることができる。
検知部39は、扉体5の近傍に設けられる。より具体的には、検知部39は、扉体5と水槽2との間の隙間に設けられた隙間シールド部であるカバー部24の近傍の領域47aまたは47b内に設けられる。本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機61においても、ドラム3内でスパークが発生した場合、スパーク電磁波の一部がカバー部24から外部に漏洩して拡散する。したがって、検知部39をカバー部24の近傍の領域47aまたは47bに設けることにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができる。
このように、実施の形態9のドラム式洗濯乾燥機61は、シールド部は、扉体5と、ドラム3と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、扉体5とドラム3との間に設けられ筐体1(開口部19)と扉体との間の隙間に設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式洗濯乾燥機61の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
また、実施の形態9のドラム式洗濯乾燥機61は、筐体1に固定され、ドラム3を内包する水槽2(外槽)を備え、シールド部は、扉体5と、水槽2と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、水槽2と扉体5との間の隙間に設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式洗濯乾燥機61の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態10)
図11は、実施の形態10に係るドラム式洗濯乾燥機61のシールド部の構成を概略的に示す縦断面図である。実施の形態10に係るドラム式洗濯乾燥機61は、図9に示した実施の形態9に係るドラム式洗濯乾燥機61の構成に加えて、第1のチョーク部25を備える。その他の構成および動作は、実施の形態1~9のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~9と異なる点について主に説明する。
実施の形態10のドラム式洗濯乾燥機61では、シールド部は、扉体5と、開口部19と、水槽前部2aと、カバー部24と、ドラム3と、第1のチョーク部25を含んで構成される。
ドラム3は、マイクロ波を反射または吸収することが可能な金属などの導電性材料を含む。第1のチョーク部25は、水槽前部2aとドラム前部3aとの間の隙間からマイクロ波が漏洩するのを防ぐための隙間シールド部として機能する。
検知部39は、扉体5の近傍に設けられてもよい。より具体的には、検知部39は、扉体5と水槽2との間の隙間に設けられたカバー部24の近傍の領域47aまたは47b内に設けられてもよい。検知部39は、水槽2とドラム3との間の隙間に設けられた第1のチョーク部25の近傍の領域48aまたは48b内に設けられてもよい。本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機61においても、ドラム3内でスパークが発生した場合、スパーク電磁波の一部がカバー部24または第1のチョーク部25から外部に漏洩して拡散する。したがって、検知部39をカバー部24の近傍の領域47aまたは47b、または第1のチョーク部25の近傍の領域48aまたは48bに設けることにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができる。
このように、実施の形態10のドラム式洗濯乾燥機61は、筐体1に固定され、ドラム3を内包する水槽2を備え、シールド部は、扉体5と、ドラム3と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、水槽2と扉体5との間の隙間、および水槽2とドラム3との間の隙間のうち少なくとも1つに設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式洗濯乾燥機61の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態11)
図12は、実施の形態11に係るドラム式洗濯乾燥機のシールド部の構成を概略的に示す縦断面図である。実施の形態11に係るドラム式洗濯乾燥機61は、図9に示した実施の形態9に係るドラム式洗濯乾燥機61と比較して、カバー部24を省略し、水槽蓋28を備える。水槽蓋28は、外槽である水槽2の蓋であり、外槽蓋の一例である。その他の構成および動作は、実施の形態1~10のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~10と異なる点について主に説明する。
水槽蓋28は、水槽2の水槽開口部2cに設けられる。図示しないが、水槽蓋28は、扉体5の開閉に連動して開閉動作を行うように構成されてもよい。例えば、水槽蓋28と扉体5との接続部など、連動させるためのリンク機構などが必要になるが、使用者は、扉体5を開けるだけでドラム3に対して洗濯物を出し入れすることができるため、使い勝手が向上する。
水槽開口部2cの開口縁には、全周にわたって水槽蓋28が密着するように、弾性を有する筒状の水封部材23が設けられている。使用者が水槽蓋28を閉じると、水封部材23が水槽蓋28によって押圧され、弾性変形することによって、水槽2の機外に対する水密性が確保される。
実施の形態11のドラム式洗濯乾燥機61では、シールド部は、水槽2の扉体である水槽蓋28と、水槽開口部2cを含む水槽前部2aと、水槽後部2bを含んで構成される。水槽蓋28、水槽前部2a、および水槽後部2bは、マイクロ波を反射または吸収することが可能な金属などの導電性材料を含む。水槽2と水槽蓋28との間の水封部材23は、導電体や誘電体で構成され、水槽2と水槽蓋28との間の隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部として機能する。
本実施の形態では、筐体1の開口部19と水槽2の水槽前部2aとは分離され、水槽前部2aに水槽蓋28が設けられ、水槽2は、水封部材23で水密性を確保される。これにより、筐体1の開口部19および扉体5は、ドラム3の回転により振動する水槽2から分離され、水槽2の振動が伝達しにくいようにすることができる。また、筐体1と開口部19および扉体5においては、マイクロ波の漏洩を防止するための構成は必要とされない。すなわち、この構成により、ドラム3が回転して水槽2が振動しても、電磁波の漏洩を抑えることが可能なドラム式洗濯乾燥機61を提供することができる。本実施の形態では、振動する部分と振動しない部分との隙間からのマイクロ波の漏洩に配慮する必要がないので、電磁波の漏洩を抑えることが可能なドラム式洗濯乾燥機61を低コストで製造することができる。
なお、水槽蓋28においても、マイクロ波が漏洩しない程度の隙間であれば、寸法誤差や振動などにより隙間が生じてもよい。
筐体1の扉体5は、必ずしも設けられる必要はない。水槽2の振動が使用者に悪影響を与えないように筐体1の開口部19が構成されていればよい。また、水槽開口部2cに設けられた水槽蓋28に代えて、ドラム3のドラム開口部3cに扉体が設けられてもよい。この場合、マイクロ波は、ドラム3の回転軸の内部を通してドラム3内に照射され、ドラム開口部3cに設けられた扉体を含むドラム3全体がシールド部を構成してもよい。このとき、ドラム開口部3cに設けられた扉体は、ドラム3とともに回転するので、回転を停止したときに扉体の開閉方向がまちまちになって使用者の使い勝手が悪化することが考えられる。これを防止するために、制御装置20は、ドラム3を所定の位置で回転停止させ、そのときの扉体の開閉方向がほぼ一様となるように構成されることが望ましい。
検知部39は、水槽蓋28と水槽2との間の接点の近傍の領域49aまたは49b内に設けられる。本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機61においても、ドラム3内でスパークが発生した場合、スパーク電磁波の一部が水槽蓋28と水槽2との間の接点から外部に漏洩して拡散する。したがって、検知部39を水槽蓋28と水槽2との間の接点の近傍の領域49aまたは49bに設けることにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができる。
このように、実施の形態11のドラム式洗濯乾燥機61は、筐体1に固定され、ドラム3を内包する水槽2を備え、シールド部は、水槽蓋28(扉体)と、水槽2と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、水槽2と水槽蓋28との間の隙間に設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式洗濯乾燥機61の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態12)
図13は、実施の形態12に係るドラム式洗濯乾燥機61のシールド部の構成を概略的に示す縦断面図である。実施の形態12に係るドラム式洗濯乾燥機61は、図11に示した実施の形態10に係るドラム式洗濯乾燥機61の構成と比較して、カバー部24を省略し、水槽蓋28を備える。あるいは、図12に示した実施の形態11に係るドラム式洗濯乾燥機61の構成に加えて、第1のチョーク部25を備える。その他の構成および動作は、実施の形態1~11のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~11と異なる点について主に説明する。
実施の形態12のドラム式洗濯乾燥機61では、シールド部は、水槽蓋28と、水槽前部2aと、ドラム3と、第1のチョーク部25を含んで構成される。ドラム3は、マイクロ波を反射または吸収することが可能な金属などの導電性材料を含む。第1のチョーク部25は、水槽前部2aとドラム前部3aとの間に隙間からマイクロ波が漏洩するのを防ぐための隙間シールド部として機能する。
検知部39は、水槽蓋28と水槽2との間の接点の近傍の領域49aまたは49b内に設けられてもよい。検知部39は、水槽2とドラム3との間の隙間に設けられた第1のチョーク部25の近傍の領域48aまたは48b内に設けられてもよい。本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機61においても、ドラム3内でスパークが発生した場合、スパーク電磁波の一部が水槽蓋28と水槽2との間の接点または第1のチョーク部25から外部に漏洩して拡散する。したがって、検知部39を水槽蓋28と水槽2との間の接点の近傍の領域49aまたは49b、または第1のチョーク部25の近傍の領域48aまたは48bに設けることにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができる。
このように、実施の形態12のドラム式洗濯乾燥機61は、筐体1に固定され、ドラム3を内包する水槽2を備え、シールド部は、水槽蓋28と、ドラム3と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、水槽2と水槽蓋28との間の隙間、および水槽2とドラム3との間の隙間のうち少なくとも1つに設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式洗濯乾燥機61の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態13)
図14は、実施の形態13に係る縦型洗濯乾燥機70の構成を概略的に示す縦断面図である。本実施の形態の縦型洗濯乾燥機70は、ドラム3の回転軸が縦方向に構成され、ドラム3の底位置に、洗濯物と洗浄水を攪拌するためのパルセータ44を備える。その他の構成および動作は、実施の形態1~12のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~12と異なる点について主に説明する。
なお、本実施の形態の縦型洗濯乾燥機70では、ドラム3の回転軸が鉛直になるので、実施の形態9~12で説明したドラム式洗濯乾燥機61の水槽2およびドラム3の「前」方向は「上」方向になり、「後、背」方向は「下、底」方向になる。図9~13に示した実施の形態9~12のドラム式洗濯乾燥機61の水槽2およびドラム3を右方向に90度回転すれば、縦型洗濯乾燥機70に適用できる。
本実施の形態の縦型洗濯乾燥機70においては、ドラム3は回転せずに、パルセータ44が正方向および逆方向に回転することによって、ドラム3内に収容された洗濯物に対し、撹拌もみ洗浄、すすぎ、および乾燥を行う。
実施の形態13の縦型洗濯乾燥機70では、シールド部は、水槽蓋28と、水槽開口部2cを含む水槽前部2aと、水槽後部2bを含んで構成される。本実施の形態の縦型洗濯乾燥機70も、実施の形態9~12のドラム式洗濯乾燥機61と同様に、水槽2が振動しても、マイクロ波の漏洩を抑えることができる。水槽2と水槽蓋28との間の水封部材23は、導電体や誘電体で構成され、水槽2と水槽蓋28との間の隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部として機能する。
検知部39は、水槽蓋28と水槽2との間の接点の近傍の領域50aまたは50b内に設けられる。本実施の形態の縦型洗濯乾燥機70においても、ドラム3内でスパークが発生した場合、スパーク電磁波の一部が水槽蓋28と水槽2との間の接点から外部に漏洩して拡散する。したがって、検知部39を水槽蓋28と水槽2との間の接点の近傍の領域50aまたは50bに設けることにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができる。
このように、実施の形態13の縦型洗濯乾燥機70は、筐体1に固定され、ドラム3を内包する水槽2を備え、シールド部は、水槽蓋28と、水槽2と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、水槽2と水槽蓋28との間の隙間に設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、縦型洗濯乾燥機70の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
なお、検知部39は、ドラム3の底面の近傍に設けられてもよい。乾燥運転時のタンブリング中であっても、重力の影響により、乾燥対象物は概ね回転するドラム3内の底面で撹拌されるため、ドラム3内の底面に存在する割合が高い。また、スパークは衣類に付属する金属や衣類のポケットなどに混入した異物などから発生する。とくに、タンブリングにより落下した衣類に付属する金属が金属製のドラム3の底面に接する際にスパークが発生しやすい。以上から、ドラム3内の底面の近傍でスパークの発生する確率が高い。したがって、検知部39をドラム3の底面の近傍に設けることにより、発生したスパーク電磁波が拡散により減衰する前に検知することができるので、スパークの検知精度を向上させることができる。
(実施の形態14)
図15は、実施の形態14に係るドラム式洗濯乾燥機61のシールド部の構成を概略的に示す縦断面図である。本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機61は、筐体1およびドラム3の振動を抑制するための防振機構、カバー部24および水封部材23の構成が実施の形態9~12のドラム式洗濯乾燥機61と異なる。その他の構成および動作は、実施の形態1~13のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~13と異なる点について主に説明する。
実施の形態14のドラム式洗濯乾燥機61では、筐体1の前面に、開口部19と、開口部19を開閉する扉体5が設けられる。洗浄水が溜められる有底円筒形状に構成された水槽2を筐体1の内部に備える。水槽2は、筐体1の開口部19に対向する位置に設けられた水槽開口部2cと開口部19とが固着されることによって筐体1に固定される。なお、水槽2の底面(図15において筐体1の背面に対向する面)は、複数の部材で構成される。この詳細については、後述する。
筐体1の開口部19の内側全周にわたって、弾性を有する筒状のドアパッキン23aが設けられている。使用者は、扉体5を開くことによって、ドラム3に対して洗濯物を出し入れすることができる。使用者が扉体5を閉じると、ドアパッキン23aが扉体5によって押圧され、弾性変形することによって、水槽2の機外に対する水密性が確保される。
水槽2は、水槽開口部2cを有する水槽前部2aと、水槽前部2aより後方に設けられた水槽後部2bとを有する。水槽前部2aは、円筒の頂面部分および側面部分に加えて底面部分の側面側の一部を含んでもよい。その場合、水槽後部2bは、底面部分の中央側の残りの部分であってもよい。
ドラム前部3aは、ドラム3の頂面部分および側面部分に加えて底面部分の側面側の一部を含んでもよい。その場合、ドラム後部3bは、底面部分の回転軸側の残りの部分であってもよい。
ドラム3の底面には、ドラム3を回転駆動するドラム駆動部6が取り付けられている。ドラム駆動部6は、駆動モータ6aと、ドラム3と駆動モータ6aとを連結する回転シャフト6bと、回転シャフト6bを支持するベアリング部6cと、を有する。ベアリング部6cは、複数のベアリングで回転シャフト6bを支持するように構成される。駆動モータ6aは、ドラム3を回転軸まわりに正方向および逆方向に回転させる。ドラム式洗濯乾燥機61は、駆動モータ6aの駆動によるドラム3の回転によって、ドラム3内に収容された洗濯物に対し、撹拌たたき洗浄、すすぎ、脱水、および乾燥を行う。
次に、水槽後部2bに含まれる水槽2の底面の構成、および、ドラム3および筐体1の振動を抑制する防振機構40について説明する。まず、水槽2の底面は、前述したように、複数の部材により構成される。つまり、水槽2の底面そのものは、側面側を残して中央側は開口され、その開口部分に防振機構40の一部が組み込まれる。防振機構40は、モータ支持部33と、モータ支持部33と筐体1との間に設けられる複数のダンパ(下ダンパ4aと上ダンパ4b)と、柔軟性を有する水封部材23と、を含む。モータ支持部33には、ドラム駆動部6が固定される。モータ支持部33は、水槽2の底面の開口部分に位置するとともに、柔軟性を有し水密的に設けられる水封部材23を介して開口を塞ぐように設けられる。このように、水槽2の底面は、モータ支持部33および水封部材23を含んで構成される。
複数のダンパは、筐体1からモータ支持部33を介して、ドラム駆動部6およびドラム3を支持する。複数のダンパは、モータ支持部33の左右下部を筐体1の底部から支持する2本の下ダンパ4aと、モータ支持部33の上部を筐体1の後部から支持する上ダンパ4bと、が設けられる。ドラム3は、特に高速で回転するとき、ドラム3内の洗濯物の偏りなどに起因して複雑な振れ回り現象を発生する。それにより発生する振動は、ドラム駆動部6を介してモータ支持部33に伝わる。このとき、下ダンパ4aは、モータ支持部33の主に上下および左右の振動を吸収し、上ダンパ4bは、モータ支持部33の主に前後の振動を吸収する。これによって、ドラム3の振動を減衰させるとともに、筐体1への振動伝達を抑制する。
このように構成される防振機構40により、洗濯物を収容して回転するドラム3の振動は、モータ支持部33まで伝わるが、筐体1への振動伝達は、下ダンパ4aおよび上ダンパ4bにより抑制され、筐体1に固定される水槽2への振動伝達は、水封部材23により抑制される。
なお、この下ダンパ4aには、布量検知部(図示せず)が取り付けられてもよい。布量検知部は、ドラム3内の衣類などによる重量変化によって、下ダンパ4aの軸が上下に変位する変位量を検知する。ドラム式洗濯乾燥機61は、この布量検知部によって検知された変位量に基づいて、ドラム3内の衣類の量を検知する。
また、ダンパの位置および本数、並びにモータ支持部33の形状は、特に限定されるものではない。要するに、回転するドラム3等の荷重を確実に支え、あらゆる方向の振動を的確に減衰することができればよい。
実施の形態14のドラム式洗濯乾燥機61では、シールド部は、扉体5と、開口部19と、水槽前部2aと、カバー部24と、水槽後部2bを含んで構成される。カバー部24は、水槽後部2bに含まれてもよい。カバー部24は、水封部材23より水槽2の外側で水封部材23に並行して、水封部材23を覆うように設けられる。カバー部24は、水槽2の隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部として機能してもよい。水槽2と扉体5との間のドアパッキン23aは、導電体や誘電体で構成され、水槽2と扉体5との間の隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部として機能してもよい。
本実施の形態では、水槽2の底面は、モータ支持部33および水封部材23を含んで構成され、水封部材23が水密性を確保するとともに、水封部材23は、電磁波遮蔽材料で形成されたカバー部24により覆われる。カバー部24は、導電性および柔軟性を有する面材で構成される。これにより、筐体1および少なくとも水槽前部2aを、ドラム3の回転により振動するモータ支持部33から分離して、ドラム3の振動が筐体1に伝達しにくいようにすることができる。したがって、水封部材23が設けられる水槽2の底面の隙間が振動により広がって、その隙間からマイクロ波が漏洩するのを抑えることができる。つまり、導電性および柔軟性を有するカバー部24が設けられることによって、ドラム3が回転するとともに振動し、これによりモータ支持部33および水槽2が振動しても、電磁波を照射することにより乾燥対象物を乾燥する際の電磁波の漏洩を抑えることが可能なドラム式洗濯乾燥機61を提供することができる。
また、マイクロ波照射部30を、振動が小さい筐体1または水槽2に設置することができるので、マグネトロンなどのマイクロ波発振器を振動から保護することができ、マイクロ波の発振性能や耐久性を向上させることができる。マイクロ波照射部30の構成のうち、マイクロ波発振器、導波管など、一部の構成が筐体1または水槽2に設置されてもよい。
カバー部24は、柔軟性を有する面材で構成される。これにより、加工および取り付けを容易にすることができるので、製造コストを低減させることができる。面材の一端は水槽2の底面の開口全周に固定され、他端はモータ支持部33に固定される。面材は、ベルトなどの別の面材により固定されてもよいし、ワイヤーなどの線材により固定されてもよい。この場合、面材の外側からベルトやワイヤーなどにより面材を押さえることにより面材を固定してもよい。これにより、面材を固定するための構成を簡素化し、製造コストを低減させることができる。また、面材の端を袋状に形成し、その袋の中にベルトやワイヤーなどを通すことにより面材を固定してもよい。これにより、面材を固定するための作業を簡素化し、製造コストを低減させることができるとともに、接点の安定性を向上させることができる。
カバー部24は、伸縮性を有する材料により中心側に空間を有するドーナツ状に構成されてもよい。この場合、カバー部24を構成する面材は、導電性の布またはメッシュ材であってもよい。また、面材は、ひも状の布を編んで形成されてもよい。これにより、ドラム3の振動が筐体1により伝達しにくいようにすることができる。また、加工および取り付けを容易にすることができるので、製造コストを低減させることができる。
カバー部24は、図15に示すように、水封部材23の外側に設けられてもよい。洗濯の際に塩素系漂白剤が使用される場合、塩素を含有する洗浄水がカバー部24に付着すると、塩素によって導電性材料が腐食してしまう可能性がある。しかし、カバー部24を水封部材23の外側に設けることにより、カバー部24に水分が付着するのを防ぐことができるので、カバー部24の電磁波遮蔽性能や耐久性が低下するのを抑えることができる。また、カバー部24の組み込みが容易になるので、製造コストを低減させることができる。
別の例では、カバー部24は、水封部材23の内側に設けられてもよい。これにより、水封部材23に対する電磁波の曝露を抑えることができるので、水封部材23の水密性および気密性や耐久性が低下するのを抑えることができる。例えば、水封部材23の特定の箇所に電磁波が集中して異常過熱が発生する事態を低減させることができる。
さらに別の例では、カバー部24は、水封部材23と兼用されてもよい。この場合、カバー部24を構成する面材は、導電性を有するエラストマーで形成されてもよい。これにより、従来のドラム式洗濯乾燥機と同様に水封部材23のみを組み込むだけで本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機61を製造することができるので、部品点数および作業工数を削減し、製造コストを低減させることができる。
つまり、カバー部24は、水封部材23と実質的に同じ位置に設けられていればよく、水封部材23の柔軟性に追随して電磁波が漏洩しないように設けられればよい。
水槽前部2aと水槽後部2bとが別々に製造されて連結される場合、水槽前部2aと水槽後部2bの連結部も、水密性を確保しつつ、マイクロ波の漏洩を抑える必要がある。したがって、この場合、水槽2は、水槽前部2aと水槽後部2bの間に防水部材および導電性部材を挟んで固着されるように構成される。
なお、実施の形態14では、シールド部に水槽後部2bが含まれる場合、水槽2の底面の水封部材23と実質的に同じ位置に柔軟性を有するカバー部24が設けられる構成を説明した。この変形例として、カバー部24に代えて、実施の形態2で説明したようなチョーク構造が設けられてもよい。また、カバー部24に加えてチョーク構造が設けられてもよい。
検知部39は、扉体5と水槽2との間の接点の近傍の領域51aまたは51b内に設けられてもよい。検知部39は、カバー部24の近傍の領域52aまたは52b内に設けられてもよい。本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機61においても、ドラム3内でスパークが発生した場合、スパーク電磁波の一部が扉体5と水槽2との間の接点またはカバー部24から外部に漏洩して拡散する。したがって、検知部39を扉体5と水槽2との間の接点の近傍の領域51aまたは51b、またはカバー部24の近傍の領域52aまたは52bに設けることにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができる。
このように、実施の形態14のドラム式洗濯乾燥機61は、筐体1に固定され、ドラム3を内包する水槽2を備え、シールド部は、扉体5と、ドラム3と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、水槽2と扉体5との間の隙間に設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式洗濯乾燥機61の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態15)
図16は、実施の形態15に係るドラム式洗濯乾燥機61のシールド部の構成を概略的に示す縦断面図である。実施の形態15に係るドラム式洗濯乾燥機61は、図15に示した実施の形態14に係るドラム式洗濯乾燥機61の構成に加えて、第1のチョーク部25を備える。その他の構成および動作は、実施の形態1~14のいずれか1以上と同様である。実施の形態1~14と異なる点について主に説明する。
実施の形態15のドラム式洗濯乾燥機61では、シールド部は、扉体5と、開口部19と、水槽前部2aと、ドラム3と、第1のチョーク部25を含んで構成される。
ドラム3は、マイクロ波を反射または吸収することが可能な金属などの導電性材料を含む。第1のチョーク部25は、水槽前部2aとドラム前部3aとの間の隙間からマイクロ波が漏洩するのを防ぐための隙間シールド部として機能する。
検知部39は、扉体5と水槽2との間の接点の近傍の領域51aまたは51b内に設けられてもよい。検知部39は、水槽2とドラム3との間の隙間に設けられた第1のチョーク部25の近傍の領域53aまたは53b内に設けられてもよい。本実施の形態のドラム式洗濯乾燥機61においても、ドラム3内でスパークが発生した場合、スパーク電磁波の一部が扉体5と水槽2との間の接点または第1のチョーク部25から外部に漏洩して拡散する。したがって、検知部39を扉体5と水槽2との間の接点の近傍の領域51aまたは51b、または第1のチョーク部25の近傍の領域53aまたは53bに設けることにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができる。
このように、実施の形態15のドラム式洗濯乾燥機61は、筐体1に固定され、ドラム3を内包する水槽2を備え、シールド部は、扉体5と、ドラム3と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、水槽2と扉体5との間の隙間、および水槽2とドラム3との間の隙間のうち少なくとも1つに設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、ドラム3の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、ドラム式洗濯乾燥機61の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(実施の形態16)
図17は、実施の形態16に係る洗濯乾燥機62の概略斜視図である。実施の形態16に係る洗濯乾燥機62は、実施の形態9~15と同様に、衣類などの洗濯物を洗濯して乾燥する機能を有しており、洗濯機能のみを実行する洗濯機としても、乾燥機能のみを実行する乾燥機としても、洗濯機能と乾燥機能を実行する洗濯乾燥機としても機能する。実施の形態1~8と同様に、乾燥機能のみを実行する乾燥機としてもよい。実施の形態16に係る洗濯乾燥機62は、実施の形態1~15と同様に、電磁波の一種であるマイクロ波をドラム内の洗濯物に照射する機能を有する。実施の形態1~15と異なる点について主に説明する。
本体81は、内部空間を収容部82とし、収容部82に洗濯される衣類を収納可能に構成されている。収容部82は、実施の形態1~15におけるドラム3に相当する。収容部82は回転せず、水槽2とドラム3とを兼ねて、直方体状に形成される。本体81の前面にドア84が設けられている。ドア84は、収容部82の前面の開口を開閉する。収容部82の衣類は一着ずつハンガー85に掛けて収容される。ハンガー85が吊り下げられる懸下部86が、収容部82の天面に設けられている。懸下部86は、前後にスライド可能に構成されている。
ドア84は内側全周にわたって、収容部82の開口部と対向する位置に、弾性を有するドアパッキン95が設けられている。使用者は、ドア84を開くことによって、収容部82に対して衣類を出し入れすることができる。使用者がドア84を閉じると、ドアパッキン95が収容部82によって押圧され、弾性変形することによって、収容部82の機外に対する水密性が確保される。
使用者により洗剤が投入される洗剤投入口88が、収容部82の開口の周縁に設けられている。洗剤投入口88の下側に、洗濯された衣類を仕上げる効果剤が投入される効果剤投入口90が設けられている。更に、投入された洗剤および効果剤を取り出すための取出しボタン91が設けられている。洗剤投入口88、効果剤投入口90および取出しボタン91は、ドア84が開放された状態で見えるように配設されている。収容部82の底部には、機械室94が設けられている。機械室94より上方に、マイクロ波照射口32が設けられている。マイクロ波照射口32は、図示しないマイクロ波照射部からのマイクロ波を収容部82内に照射する。
洗浄工程において、洗浄水が衣類に噴射される。衣類を通過した洗浄水は、回収されて循環される。すすぎ工程において、すすぎ水が衣類に噴射される。すすぎ水も、回収されて循環されてもよい。乾燥工程において、マイクロ波照射口32からマイクロ波が衣類に照射される。
実施の形態16の洗濯乾燥機62では、シールド部は、ドア84と、収容部82と、を含んで構成される。ドア84と収容部82との間のドアパッキン95は、導電体や誘電体で構成され、隙間シールド部を兼ねる。
検知部39は、ドア84の近傍に設けられる。より具体的には、検知部39は、ドア84と収容部82との間の隙間に設けられた隙間シールド部であるドアパッキン95の近傍の領域内に設けられる。例えば、収容部82と本体81との間であって、シールド部より外側の領域である。
本実施の形態の洗濯乾燥機62においても、収容部82内でスパークが発生した場合、スパーク電磁波の一部がドア84と本体81との接点から外部に漏洩して拡散する。したがって、検知部39をドア84の近傍に設けることにより、収容部82の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができる。
このように、実施の形態16の洗濯乾燥機62は、本体81(筐体)と、本体81の内部に設けられ、乾燥対象物を収容する収容部82と、収容部82の内部の乾燥対象物にマイクロ波を照射するマイクロ波照射部と、収容部82の内部で発生したスパークに起因する電磁波を検知するための検知部39と、を備える。また、収容部82に対して乾燥対象物を出し入れするために本体81に設けられた開口部を開閉するドア84(扉体)を備え、検知部39は、ドア84の近傍に設けられる。これにより、収容部82の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、洗濯乾燥機62の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
また、本実施の形態において、シールド部は、ドア84と、収容部82と、部材間の接点または隙間からのマイクロ波の漏洩を抑えるための隙間シールド部と、を含んで構成され、隙間シールド部は、ドア84と収容部82との間の隙間に設けられ、検知部39は、隙間シールド部の近傍に設けられる。これにより、収容部82の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、洗濯乾燥機62の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
検知部39は、マイクロ波照射口32の近傍に設けられてもよい。マイクロ波照射口32は、収容部82の上部、下部、底部などの付近に設けられてもよい。この場合、検知部39は、収容部82の上部、下部、底部などの付近に設けられたマイクロ波照射口32の近傍に設けられてもよい。この場合も、収容部82の内部で発生したスパークを迅速かつ高精度で検知することができるので、洗濯乾燥機62の安全性および耐久性を向上させることができる。また、スパークに起因する乾燥対象物の損傷などを抑えることができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1~16を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1~16で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1~8では、乾燥機の一例として、ドラム式乾燥機60を説明した。乾燥機は、ドラム式以外の乾燥機や洗濯乾燥機等であってもよい。例えば、縦型乾燥機等に適用されてもよい。
実施の形態9~15では、乾燥機の一例として、ドラム式洗濯乾燥機61および縦型洗濯乾燥機70を説明した。乾燥機は、その他の形式の洗濯乾燥機であってもよい。また、乾燥機は、洗濯機能を有しない乾燥専用機であってもよい。この場合、水槽2に代えて、ドラム3の外側に外槽が設けられてもよい。また、本開示の技術は、衣類以外の乾燥対象物を乾燥する乾燥機にも適用可能である。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。