以下、モータポンプの実施形態について、図面を参照して説明する。以下の実施形態において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、モータポンプの一実施形態を示す図である。図1に示すように、モータポンプMPは、羽根車1と、羽根車1に固定された環状の回転子2と、回転子2の半径方向外側に配置された固定子3と、羽根車1を支持する軸受5と、を備えている。
図1に示す実施形態では、モータポンプMPは、永久磁石型モータを備えた回転機械であるが、モータポンプMPの種類は、本実施形態には限定されない。一実施形態では、モータポンプMPは、誘導型モータを備えてもよく、またはリラクタンス型モータを備えてもよい。モータポンプMPが永久磁石型モータを備えている場合、回転子2は永久磁石である。モータポンプMPが誘導型モータを備えている場合、回転子2はかご型ロータである。
図1に示す実施形態では、羽根車1は、遠心羽根車である。より具体的には、羽根車1は、円盤状の主板10と、主板10に対向して配置された側板11と、主板10と側板11との間に配置された複数の翼12と、を備えている。遠心羽根車としての羽根車1を備えるモータポンプMPは、軸流ポンプや斜流ポンプなどのポンプと比べて、揚圧特性に優れており、高い圧力を発生させることができる。さらに、本実施形態におけるモータポンプMPは、その内部で発生した圧力差を利用して、羽根車1の回転安定性に貢献することができる。
側板11は、その中央部分に形成された吸込部15と、吸込部15に接続された本体部16と、を備えている。吸込部15は、モータポンプMPの中心線CL方向に延びており、本体部16は、中心線CLに対して傾斜する方向(より具体的には、垂直方向)に延びている。中心線CLは、モータポンプMPの運転によって流れる液体(取り扱い液)の流れ方向と平行である。
図1に示すように、側板11は、側板11の外縁部11a(より具体的には、本体部16の端部)から吸込部15に向かって延びる環状の突起部17を備えている。図1に示す実施形態では、本体部16および突起部17は一体的に構成されているが、突起部17は本体部16とは別部材であってもよい。
回転子2は、突起部17の外径よりも大きな内径を有しており、突起部17の外周面17aに固定されている。固定子3は、回転子2を取り囲むように配置されており、固定子ケーシング20に収容されている。固定子ケーシング20は、羽根車1の半径方向外側に配置されている。
モータポンプMPは、固定子ケーシング20の両側に配置された吸込ケーシング21および吐出ケーシング22を備えている。吸込ケーシング21は、羽根車1の吸込側に配置されており、吐出ケーシング22は、羽根車1の吐出側に配置されている。羽根車1、回転子2、および軸受5は、固定子ケーシング20の半径方向内側に配置されており、吸込ケーシング21と吐出ケーシング22との間に配置されている。
吸込ケーシング21は、その中央部分に吸込口21aを有している。吐出ケーシング22は、その中央部分に吐出口22aを有している。これら吸込口21aおよび吐出口22aは、中心線CLに沿って一直線に並んで配置されている。したがって、吸込口21aから吸い込まれ、吐出口22aから吐き出される取り扱い液は、一直線に流れる。
図1に示すように、作業者は、固定子ケーシング20を吸込ケーシング21と吐出ケーシング22との間に挟んだ状態で、通しボルト25を吸込ケーシング21および吐出ケーシング22に挿入して、通しボルト25を締結する。このようにして、モータポンプMPは組み立てられる。
モータポンプMPが運転されると、取り扱い液は、吸込ケーシング21の吸込口21aから吸い込まれる(図1の黒線矢印参照)。羽根車1は、その回転によって、取り扱い液を昇圧し、取り扱い液は、羽根車1の内部において、中心線CLと垂直方向(すなわち、遠心方向)に流れる。羽根車1の外部に吐き出された取り扱い液は、固定子ケーシング20の内周面20aに衝突して、取り扱い液の方向が転換される。その後、取り扱い液は、羽根車1の背面(より具体的には、主板10)と吐出ケーシング22との間の隙間を通って、吐出口22aから吐き出される。
図1に示すように、モータポンプMPは、羽根車1の背面側に配置された戻り羽根30を備えている。図1に示す実施形態では、螺旋状に延びる複数の戻り羽根30が設けられている。これら複数の戻り羽根30は、吐出ケーシング22に固定されており、羽根車1の主板10に対向している。戻り羽根30を設けることにより、羽根車1から吐き出された取り扱い液は、スムーズに吐出口22aに案内される。戻り羽根30は、羽根車1から吐き出された取り扱い液の、速度エネルギーから圧力エネルギーへの変換に寄与する。
図1に示す実施形態では、モータポンプMPは、その領域を、吸込側領域Raと、吐出側領域Rbと、吸込側領域Raと吐出側領域Rbとの間の中間領域Rcと、に区画される。吸込側領域Raは、吸込ケーシング21(より具体的には、吸込ケーシング21の吸込口21a)と羽根車1(より具体的には、羽根車1の側板11)との間の領域である。吐出側領域Rbは、吐出ケーシング22(より具体的には、吐出ケーシング22の吐出口22a)と羽根車1(より具体的には、羽根車1の主板10)との間の領域である。中間領域Rcには、複数の翼12が配置されている。
回転子2および軸受5は、羽根車1の吸込側領域Raに配置されている。本実施形態では、羽根車1は、吸込側領域Raから吐出側領域Rbに向かって広がるテーパー形状を有する側板11を備えている。したがって、羽根車1の吸込側領域Raには、空間(デッドスペース)が形成される。本実施形態によれば、回転子2および軸受5を吸込側領域Raに配置することにより、モータポンプMPはデッドスペースを有効に活用した構造を有することができ、結果として、コンパクトな構造を有することができる。
軸受5は、側板11の突起部17に装着された回転側軸受体6と、吸込ケーシング21に装着された固定側軸受体7と、を備えている。固定側軸受体7は、回転側軸受体6の吸込側に配置されている。回転側軸受体6は、羽根車1の回転とともに回転する回転部材であり、固定側軸受体7は、羽根車1が回転しても回転しない静止部材である。
回転側軸受体6は、突起部17の内径よりも小さな外径を有する円筒部6aと、円筒部6aから外側に張り出したフランジ部6bと、を有している。したがって、回転側軸受体6の断面はL字形状を有している。突起部17の内周面17bと円筒部6aとの間には、シール部材(例えば、Oリング)31が配置されている。
回転側軸受体6は、その円筒部6aにシール部材31が装着された状態で、羽根車1の突起部17に装着される。回転側軸受体6の装着により、回転子2は回転側軸受体6のフランジ部6bに隣接して配置される。
固定側軸受体7は、回転側軸受体6の円筒部6aに対向して配置された円筒部7aと、回転側軸受体6のフランジ部6bに対向して配置されたフランジ部7bと、を備えている。固定側軸受体7の断面は、回転側軸受体6の断面と同様に、L字形状を有している。固定側軸受体7の円筒部7aと吸込ケーシング21との間には、シール部材32,33が配置されている。本実施形態では、2つのシール部材32,33が配置されているが、シール部材の数は、本実施形態には限定されない。
図2は、回転側軸受体と固定側軸受体との間の隙間を通過する取り扱い液の流れを示す図である。取り扱い液は、羽根車1の回転によって昇圧されるため、吐出側領域Rbにおける取り扱い液の圧力は、吸込側領域Raにおける取り扱い液の圧力よりも大きい。したがって、羽根車1から吐き出された取り扱い液の一部は、吸込側領域Raに逆流する(図2の黒線矢印参照)。
より具体的には、取り扱い液の一部は、固定子ケーシング20と回転子2との間の隙間を通過し、回転側軸受体6のフランジ部6bと固定側軸受体7のフランジ部7bとの間の隙間に流入する。
図3は、固定側軸受体のフランジ部に形成された複数の溝の一実施形態を示す図である。図3に示すように、固定側軸受体7は、フランジ部7bに形成された複数の溝40を有している。これら複数の溝40は、フランジ部7bの、回転側軸受体6のフランジ部6bとの対向面に形成されている。複数の溝40は、取り扱い液の動圧をフランジ部7bとフランジ部6bとの間の隙間に発生させるために形成されている。本実施形態では、複数の溝40は、螺旋状に延びる螺旋溝である。一実施形態では、複数の溝40は、放射状に延びる放射溝であってもよい。複数の溝40を形成することにより、軸受5は、羽根車1のスラスト荷重を非接触で支持することができる。
図3に示す実施形態では、複数の溝40は、フランジ部7bに形成されているが、一実施形態では、複数の溝40は、回転側軸受体6のフランジ部6bに形成されてもよい。このような形成によっても、軸受5は、羽根車1のスラスト荷重を非接触で支持することができる。
図4(a)は、固定側軸受体の円筒部に形成された複数の溝の一実施形態を示す図である。図4(a)は、中心線CL方向から見たときの複数の溝41を示している。固定側軸受体7は、円筒部7aの円周方向に沿って、円筒部7aに形成された複数の溝41を有してもよい。図4(a)に示す実施形態では、複数の溝41は、等間隔に配置されているが、不等間隔に配置されてもよい。
これら複数の溝41は、円筒部7aの、回転側軸受体6の円筒部6aとの対向面に形成されており、円筒部7a(すなわち、中心線CL方向)と平行に延びている。図4(a)に示す実施形態では、複数の溝41のそれぞれは、中心線CL方向から見たとき、円弧状に窪んだ形状を有している。複数の溝41の形状は、本実施形態には限定されない。一実施形態では、複数の溝41のそれぞれは、中心線CL方向から見たとき、凹形状に窪んだ形状を有してもよい。
図4(b)および図4(c)は、固定側軸受体の円筒部に形成された溝の他の実施形態を示す図である。図4(b)および図4(c)に示すように、固定側軸受体7は、円筒部7aの円周方向に沿って、円筒部7aに形成された環状の溝42を有している。溝42は、円筒部7aの一部に形成されており、中心線CL方向と垂直な方向から見たとき、凹形状を有している(図4(b)および図4(c)参照)。溝42の、中心線CL方向における両端42a,42aには、円筒部7aが存在している。このような構造により、羽根車1にラジアル荷重が作用しても、固定側軸受体7(より具体的には、円筒部7a)は、回転側軸受体6を介して羽根車1を確実に支持することができる。なお、中心線CL方向における溝42の長さは、特に限定されない。図4(b)および図4(c)に示す実施形態では、固定側軸受体7は、単一の溝42を有しているが、一実施形態では、固定側軸受体7は、中心線CL方向に沿って配置された複数の溝42を有してもよい。
フランジ部6bとフランジ部7bとの間の隙間を通過した取り扱い液は、円筒部6aと円筒部7aとの間の隙間に流入する。羽根車1とともに回転側軸受体6が回転すると、この隙間を流れる取り扱い液には、粘性抵抗が発生してしまう。この粘性抵抗は、モータポンプMPの運転効率に悪影響を及ぼすおそれがある。
上述した実施形態に示すように、複数の溝41(または溝42)を形成することにより、円筒部6aと円筒部7aとの間の隙間に形成された狭小領域の大きさは低減される。したがって、取り扱い液に発生する粘性抵抗を低減することができる。さらに、複数の溝41(または溝42)を形成することにより、取り扱い液の動圧が発生し、軸受5は、羽根車1のラジアル荷重を非接触で支持することができる。フランジ部6bとフランジ部7bとの間に形成された狭小領域の大きさの低減によって粘性抵抗を低減する効果は、複数の溝40(図3参照)を設けることによっても奏することができる。
図4(a)~図4(c)に示す実施形態では、溝41,42は、円筒部7aに形成されているが、一実施形態では、溝41,42は、回転側軸受体6の円筒部6aに形成されてもよい。このような形成によっても、軸受5は、羽根車1のラジアル荷重を非接触で支持することができる。
図2に示すように、回転側軸受体6の円筒部6aと固定側軸受体7の円筒部7aとの間の隙間を通過した取り扱い液は、羽根車1の側板11と吸込ケーシング21との間の隙間を通過して、モータポンプMPの吸込側に戻される。本実施形態では、軸受5は、取り扱い液の漏れ流れの進路上に配置されている。このような構成により、取り扱い液の一部は、回転側軸受体6と固定側軸受体7との間の微小な隙間に流入し、結果として、モータポンプMPは取り扱い液の漏れを抑制することができる。
上述したように、吐出側領域Rbにおける取り扱い液の圧力は、吸込側領域Raにおける取り扱い液の圧力よりも大きい。したがって、羽根車1には、吐出ケーシング22の吐出口22aから吸込ケーシング21の吸込口21aに向かってスラスト荷重が作用する(図1の白抜き矢印参照)。本実施形態に係るモータポンプMPは、スラスト荷重を低減する構造を有している。
図5(a)は、羽根車の背面に設けられたスラスト荷重低減構造の一実施形態を示す図である。図5(b)は、図5(a)をA線矢印から見た図である。図5(a)および図5(b)に示すように、モータポンプMPは、羽根車1の背面(より具体的には、主板10)に設けられたスラスト荷重低減構造45を備えている。図5(a)および図5(b)に示す実施形態では、スラスト荷重低減構造45は、主板10に取り付けられた、螺旋状に延びる複数の裏羽根46である。これら複数の裏羽根46は、羽根車1の回転により、スラスト荷重とは反対方向の荷重を発生させることができる。結果として、スラスト荷重低減構造45は、モータポンプMPに発生するスラスト荷重を低減することができる。
図6は、スラスト荷重低減構造の他の実施形態を示す図である。図6に示すように、スラスト荷重低減構造45は、羽根車1(より具体的には、主板10)の周方向に沿って形成された、羽根車1の中心側に向かって延びる複数の切り欠き構造であってもよい。図6に示す実施形態では、羽根車1の主板10には、複数の切り欠き47が形成されている。複数の切り欠き47を形成することにより、取り扱い液の、主板10との接触面積は低減される。結果として、スラスト荷重低減構造45は、モータポンプMPに発生するスラスト荷重を低減することができる。図示しないが、図5に示す実施形態と図6に示す実施形態とは組み合わされてもよい。
本実施形態では、羽根車1は、常に、吐出側から吸込側に向かって、スラスト荷重を受ける。さらに、軸受5は、回転力を発生する羽根車1を支持している。したがって、羽根車1自体の平行は保持され、羽根車1のふらつきを抑制することができる。結果として、単一の軸受5を吸込側領域Raに配置するだけの構造(すなわち、単一軸受構造)で、モータポンプMPは、その運転を安定的に継続することができる。
一実施形態では、羽根車1および軸受5のうち、少なくとも1つは、軽量材質から構成されてもよい。軽量材質として、樹脂または比重の小さな金属(例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金など)を挙げることができる。このような構造により、モータポンプMP自体の重量を軽減することができ、さらには、軸受5(および羽根車1)のさらなるコンパクト化を実現することができる。なお、羽根車1および軸受5などの、液体に接触する部材(すなわち、接液部材)の材質は、特に限定されず、液質に応じて、適宜、任意の材質に変更可能である。
さらに本実施形態では、複数の戻り羽根30(図1参照)は、羽根車1に発生するラジアル荷重を低減することができる。複数の戻り羽根30は、吐出口22aの周方向に沿って等間隔に配置されている。このような配置により、ラジアル荷重は均等に分配され、結果として、羽根車1に発生するラジアル荷重は軽減される。
本実施形態では、モータポンプMPは、永久磁石型モータを備えている。したがって、モータポンプMPの始動時には、磁力に起因する反発力を回転力に変換するための一定の荷重が軸受5に作用する。この荷重は回転子2に発生する力であり、軸受5はこの荷重を支持する。
図7(a)および図7(b)は、固定子に対してずらして配置された回転子を示す図である。図7(a)に示すように、固定子3に対して、回転子2を吐出側にずらして配置した場合、羽根車1は、回転子2と固定子3との間に発生する磁力の影響により、回転側軸受体6が固定側軸受体7に近接する方向に作用する力を受ける(図7(a)の矢印参照)。このような配置により、固定側軸受体7に作用する回転側軸受体6のスラスト荷重を調整(増加)することができる。
図7(b)に示すように、固定子3に対して、回転子2を吸込側にずらして配置した場合、羽根車1は、回転子2と固定子3との間に発生する磁力の影響により、回転側軸受体6が固定側軸受体7から離間する方向に作用する力を受ける(図7(b)参照)。このような配置により、固定側軸受体7に作用する回転側軸受体6のスラスト荷重を調整(低減)することができる。
図8は、テーパー構造を有する軸受の一実施形態を示す図である。図8に示す実施形態では、軸受5は、回転側軸受体6と固定側軸受体7との間の隙間が吸込側から吐出側に向かって中心線CL(すなわち、羽根車1の中心部分)に近接する方向に延びるテーパー構造を有している。図8に示すように、回転側軸受体6および固定側軸受体7は、互いに対向する傾斜面50,51をそれぞれ有している。このような構成により、軸受5は、回転側軸受体6および固定側軸受体7に作用するラジアル荷重およびスラスト荷重を傾斜面50,51に集約することができ、軸受5は、シンプルな構造を有することができる。
図9は、テーパー構造を有する軸受の他の実施形態を示す図である。図9に示す実施形態では、軸受5は、回転側軸受体6と固定側軸受体7との間の隙間が吸込側から吐出側に向かって中心線CL(すなわち、羽根車1の中心部分)から離間する方向に延びるテーパー構造を有している。図9に示すように、回転側軸受体6および固定側軸受体7は、互いに対向する傾斜面53,54をそれぞれ有している。
図10は、複数のモータポンプを備えるポンプユニットを示す図である。図10に示すように、ポンプユニットPUは、直列的に配置された複数のモータポンプMPと、複数のモータポンプMPのそれぞれの動作を制御するインバータ60と、を備えてもよい。図10に示す実施形態では、複数のモータポンプMPのそれぞれは、上述した実施形態で示した構造と同一の構造を有している。したがって、モータポンプMPの詳細な説明を省略する。
図10に示す実施形態では、ポンプユニットPUは、3つのモータポンプMPを備えているが、モータポンプMPの数は本実施形態には限定されない。上述したように、ポンプユニットPUの吸込口21aおよび吐出口22aは、中心線CLに沿って一直線に並んで配置されている。したがって、複数のモータポンプMPを連続的に一直線上に配置することができ、ポンプユニットPUは、容易に多段のモータポンプ構造を有することができる。
図10に示すように、1段目の羽根車1Aに隣接して配置された吸込ケーシング21と、3段目の羽根車1Cに隣接して配置された吐出ケーシング22との間には、2つの中間ケーシング61が配置されている。これら中間ケーシング61,61の間には、2段目の羽根車1Bが配置されている。中間ケーシング61,61のそれぞれは、吸込ケーシング21と共通の(すなわち、類似)構造を有している。作業者は、吸込ケーシング21と吐出ケーシング22との間に中間ケーシング61,61を挟んだ状態で、通しボルト25をこれら吸込ケーシング21、中間ケーシング61,61、および吐出ケーシング22に挿入し、締め付けることにより、ポンプユニットを組み立てることができる。
図10に示すように、複数のモータポンプMPの固定子3には、1台のインバータ60が接続されている。インバータ60は、複数のモータポンプMPのそれぞれを独立して制御することができる。したがって、作業者は、ポンプユニットの運転条件に応じて、少なくとも1台のモータポンプMPを任意のタイミングで運転することができる。
図11および図12は、ポンプユニットの他の実施形態を示す図である。図11および図12に示す実施形態では、ポンプユニットPUは、並列的に配置された複数のモータポンプMPを備えている。図11では、簡略的に描かれているが、これら複数のモータポンプMPのそれぞれは、配管65の内側に設置されている。図11では、4台のモータポンプMPが設けられているが、モータポンプMPの数は本実施形態には限定されない。図12に示すように、3台のモータポンプMPが設けられてもよい。
図13(a)は、比較例としてのモータポンプを示す図である。図13(b)および図13(c)は、モータポンプの他の実施形態を示す図である。図13(a)に示すように、比較例としてのモータポンプは、回転軸RSを備えているが、本実施形態に係るモータポンプMPは、回転軸RSを有していない。その代わりに、羽根車1は、その中心部分に配置された、丸みを帯びた凸部70を備えている。
図13(b)に示す実施形態では、羽根車1は、第1曲率半径を有する凸部70Aを有しており、図13(c)に示す実施形態では、羽根車1は、第1曲率半径とは異なる第2曲率半径を有する凸部70Bを有している。以下、凸部70A,70Bを区別せずに、単に凸部70と呼ぶことがある。
凸部70は、主板10の中心部分に配置されており、主板10と一体的に構成されている。一実施形態では、凸部70は主板10とは異なる部材であってもよい。この場合、モータポンプの運転条件に応じて、曲率半径の異なる凸部70を交換してもよい。
凸部70の先端部71は、滑らかな凸形状を有しており、羽根車1に流入する取り扱い液は、凸部70の先端部71に接触する。凸部70を設けることにより、取り扱い液は、その流れが阻害されることなく、スムーズに、かつ効率よく、翼12に案内される。その一方で、比較例としてのモータポンプでは、回転軸RSは、ナットNtにより羽根車に固定されているため、取り扱い液の流れは、ナットNt(および回転軸RS)により阻害されてしまうおそれがある。
図13(b)に示す凸部70Aは、図13(c)に示す凸部70Bの曲率半径よりも大きな曲率半径を有している。凸部70の曲率半径を大きくすることにより、凸部70と側板11との間の距離は小さくなる。逆に、凸部70の曲率半径を小さくすることにより、凸部70と側板11との間の距離は大きくなる。このように、凸部70の曲率半径を変更することにより、取り扱い液の、羽根車1の流路の大きさを調整することができる。図13(c)に示す羽根車1の流路は、図13(b)に示す羽根車1の流路よりも大きい。
本実施形態によれば、モータポンプMPは、回転軸を有していないため、部品点数を削減することができ、流路の大きさの調整も可能である。さらに、回転軸を設ける必要はないため、羽根車1は、コンパクトなサイズを有することができる。結果として、モータポンプMPの全体は、コンパクトなサイズを有することができる。
モータポンプは、その運転により、羽根車1を高速で回転させる。仮に、羽根車1の重心位置がずれていると、羽根車1は、偏心した状態で高速で回転してしまう。結果として、騒音が発生するおそれがあり、最悪の場合、モータポンプが故障してしまうおそれがある。
そこで、作業者は、羽根車1の重心位置を所望の位置に決定するバランス(ダイナミックバランス)調整方法を実行する。図13(a)に示すように、羽根車に回転軸RSが取り付けられている場合、回転軸RSを試験機に取り付けて、回転軸RSとともに羽根車を回転する必要がある。本実施形態では、羽根車1には、回転軸RSが取り付けられていないため、作業者は、以下で説明するバランス調整方法を実行することが可能である。
図14~図18は、バランス調整方法の一実施形態を示す図である。図14に示すように、まず、作業者は、羽根車1の中心(より具体的には、主板10)に貫通穴10aを形成する工程を実行する。その後、図15に示すように、作業者は、バランス調整治具75の軸体76を貫通穴10aに挿入する。バランス調整治具75の軸体76は、回転軸に相当する。
その後、図16に示すように、作業者は、羽根車1の背面側に固定体77を配置し、軸体76を固定体77に締結する。この状態で、作業者は、バランス調整治具75とともに羽根車1を回転させた状態で、羽根車1の重心位置を決定し、重心位置を調整する工程を実行する。このように、バランス調整治具75は、羽根車1の中心を支持する構造を有している。したがって、バランス調整治具75は、センターサポート調整治具と呼ばれてもよい。
作業者は、羽根車1の重心位置を所望の位置に決定した後、バランス調整治具75の軸体76を引き抜き、その後、センターキャップ80を貫通穴10aに挿入して、貫通穴10aを閉塞する(図17および図18参照)。センターキャップ80は、図13(b)および図13(c)に示す実施形態に係る凸部70と同様に、丸みを帯びた形状を有している。したがって、取り扱い液は、その流れが阻害されることなく、スムーズに、かつ効率よく、翼12に案内される。
図19は、バランス調整治具の他の実施形態を示す図である。図18に示す実施形態では、バランス調整治具75は、羽根車1の中心を支持する構造を有している。図19に示す実施形態では、バランス調整治具85は、軸受5の回転側軸受体6を支持するサポータ86と、サポータ86に固定された軸部87と、を備えている。このように、バランス調整治具85は、羽根車1の端部を支持する構造を有している。したがって、バランス調整治具85は、エッジサポート調整治具と呼ばれてもよい。
サポータ86は、回転側軸受体6の内径よりも小さな外径を有する環状形状を有しており、サポータ86を回転側軸受体6に挿入することにより、バランス調整治具85は、回転側軸受体6を介して、羽根車1を支持する。この状態で、作業者は、バランス調整治具85とともに羽根車1を回転させる工程を実行する。その後、作業者は、羽根車1を回転させた状態で、羽根車1の重心位置を決定し、重心位置を調整する工程を実行する。
図19に示す実施形態によれば、作業者は、貫通穴10aを形成する必要はない。図19に示す実施形態においても、羽根車1は、その中心位置に形成された凸部70を有してもよい(図13(a)および図13(b)参照)。
図20は、バランス調整方法の他の実施形態を示す図である。図20に示すように、回転子2は、環状の鉄心2aと、鉄心2aに埋め込まれた複数の磁石2bと、を備えている。複数の磁石2bは、回転子2(より具体的には、鉄心2a)の周方向に沿って、等間隔に配置されている。作業者は、回転子2の周方向に沿って、複数のおもり挿入穴90を形成する工程を実行する。このおもり挿入穴90を形成する工程は、鉄心2aの製造時に行われる。
おもり挿入穴90は、互いに隣接する磁石2bの間に形成されている。作業者は、羽根車1の重心位置を決定する工程を実行し、現在の羽根車1の重心位置を決定する。羽根車1の重心位置がずれている場合、作業者は、複数のおもり挿入穴90の少なくとも1つにおもり91を挿入して、重心位置を調整する工程を実行する。
一実施形態では、羽根車1の重心位置がずれている場合、作業者は、おもり挿入穴90におもり91を挿入する代わりに、羽根車1の重心位置のずれの原因となる、重さの過剰分を除去してもよい。
図21(a)は、ポンプユニットの他の実施形態を示す斜視図である。図21(b)は、図21(a)に示すポンプユニットの平面図である。図21(a)および図21(b)に示すように、ポンプユニットPUは、複数(本実施形態では、3台)のモータポンプMPと、複数のモータポンプMPを可変速運転する制御装置100と、制御装置100に電気的に接続され、かつ複数のモータポンプMPに供給される電流を検出する電流センサ101と、を備えている。
本実施形態では、2つの電流センサ101が配置されているが、少なくとも1つの電流センサ101が配置されてもよい。電流センサ101の一例として、ホール素子、CT(電流変換器)を挙げることができる。
ポンプユニットPUは、複数のモータポンプMPから延びる電力線105および信号線106と、電流センサ101、電力線105、および信号線106を保護する保護カバー107と、を備えている。電力線105および信号線106は、インバータ60に電気的に接続されている。
複数のモータポンプMPの間には、U相、V相、およびW相の銅バー(言い換えれば、通電版、銅板)108が掛け渡されており、電流センサ101は、これら銅バー108の1つに接続されている。各モータポンプMPは、端子台102を備えており、銅バー108は、端子台102に接続されている。
制御装置100は、インバータ60に電気的に接続されており、インバータ60を介して、モータポンプMPの動作を制御するように構成されている。制御装置100は、インバータ60の外部に配置されてもよく、またはインバータ60の内部に配置されてもよい。
制御装置100は、信号線106を通じて電流センサ101から信号を受信する信号受信部100aと、モータポンプMPの運転に関する情報や運転プログラムを記憶する記憶部100bと、信号受信部で受信したデータおよび記憶部に記憶されたデータに基づいて、モータポンプMPの運転を制御する制御部100cと、を備えている。
本実施形態では、ポンプユニットPUは、複数のモータポンプMPに対して1台のインバータ60を備えているが、ポンプユニットPUは、モータポンプMPの数に対応する数を有するインバータ60を備えてもよい。複数のモータポンプMPが配置されている場合、複数のインバータ60のそれぞれは、制御装置100によって複数のモータポンプMPのそれぞれの動作を制御する。
上述したように、モータポンプMPは、デッドスペースを有効に活用したコンパクトな構造を有している。したがって、これら複数のモータポンプMPを直列に接続することにより、ポンプユニットPUは、その設置面積を大きくすることなく、高揚程で運転をすることができる。
モータポンプMPは永久磁石型モータを備えた回転機械である。このようなモータは、起動時に強制的に電圧を印加することにより、無制御で回転する。インバータ60によるモータポンプMPの回転速度の制御は、即時に開始され、その後、モータポンプMPの定常運転が開始される。
本実施形態では、ポンプユニットPUは、複数のモータポンプMPを備えている。したがって、モータポンプMPの回転速度の制御を開始する前に、複数のモータポンプMPの間における回転速度差が解消されれば問題ないが、回転速度差が解消されない場合には、モータポンプMPの起動不良が発生しているおそれがある。
一般的に、回転子2の磁極数が多くなると、モータポンプMPは滑らかに回転し、複数のモータポンプMPの間における回転速度差が解消されやすくなる。本実施形態におけるモータポンプMPは、回転子2の内側に流路を形成する構造を有しており、回転子2の外径を大きく設計している。
回転子2の外径が大きい場合、回転子2の外周方向の大きさが大きくなるため、複数の磁石を容易に配置することができ、磁極数を増やすことができる。このような構成により、ポンプユニットPUは、複数のモータポンプMPの間における回転速度差を解消することができる。さらに、本実施形態では、安価な平面磁石を使用することにより、回転子2は、湾曲した磁石を用いる一般的なモータと比べて、コストを削減することができる。
さらに、本実施形態では、モータポンプMPは、固定子3が固定子ケーシング20に収容されたキャンドモータ構造を有しており、回転子2と固定子3との間の距離は、一般的なモータと比べて、大きい。したがって、モータポンプMPは、トルクの変動幅を意味するトルクリップルを軽減することができ、結果として、ポンプユニットPUは、複数のモータポンプMPの間における回転速度差を解消することができる。
このように、ポンプユニットPUは、回転速度差を解消することができるが、モータポンプMPの起動時および/または定常運転時において、モータポンプMPをさらに安定的に運転することが望ましい。
そこで、以下、モータポンプMPの制御方法について説明する。本実施形態では、複数のモータポンプMPは、直列に接続されている。この場合、取り扱い液に異物が含まれていると、異物がモータポンプMP(特に、1台目のモータポンプMP)に絡まり、結果として、異物によってポンプユニットPUの運転が阻害されるおそれがある。さらに、何らかの原因により、複数のモータポンプMPの間における回転速度差が解消されないおそれもある。
図22は、制御装置によるモータポンプの制御フローを示す図である。図22のステップS101に示すように、インバータ60に電気的に接続された制御装置100は、インバータ60の出力電流に基づいて、モータポンプMPの現在の運転時における複数のモータポンプMPの電流値(より具体的には、各モータポンプMPの電流値の合計)を測定する。
その後、制御装置100は、モータポンプMPの通常の運転時(より具体的には、起動時および定常運転時)において、想定される想定電流値に基づいて、下限電流値を算出し、測定された電流値の合計(測定電流値Amax)と所定の下限電流値とを比較する(ステップS102参照)。一実施形態では、制御装置100の記憶部100bは、各モータポンプMPの想定電流値と、複数のモータポンプMPの想定電流値と、を記憶している。記憶部100bは、各モータポンプMPの想定電流値から複数のモータポンプMPの想定電流値を算出してもよい。
制御装置100は、各モータポンプMPの定格電流値および許容電流値のうちの少なくとも1つに基づいて、「通常の運転時に想定される想定電流値」を決定してもよく、モータポンプMPの複数台運転時の電流値に基づいて「通常の運転時に想定される想定電流値」を決定してもよい。
一実施形態では、制御装置100は、複数のモータポンプMPの台数に基づいて、下限電流値を決定する。例えば、下限電流値は、次の計算式によって求められる。
下限電流値=複数のモータポンプMPの想定電流値×(1-1/モータポンプの台数n)
本実施形態では、3台のモータポンプMPが配置されているため、下限電流値は、想定電流値の2/3である。
ステップS102の後、制御装置100は、算出された下限電流値と測定電流値とを比較する(ステップS103参照)。より具体的には、制御装置100は、測定電流値が下限電流値よりも低いか否かを判断する(測定電流値Amax>下限電流値)。
測定電流値が下限電流値よりも低い場合には(ステップS103の「YES」参照)、本実施形態では、測定電流値が想定電流値の2/3(すなわち、下限電流値)を下回っている場合には、制御装置100は、複数のモータポンプMPの少なくとも1つに異常が発生していると判断する(ステップS104参照)。測定電流値が下限電流値よりも低下していない場合には(ステップS103の「NO」参照)、制御装置100は、ステップS102,S103を繰り返す。
制御装置100が異常発生を判断した場合には、制御装置100は、モータポンプMPの運転を継続しつつ、アラームを発報してもよく、モータポンプMPの運転を停止して、アラームを発報してもよい。
このような制御フローは、モータポンプMPの起動時に行ってもよく、モータポンプMPの定常運転時に行ってもよい。モータポンプMPの起動時に制御フローを行う場合には、測定電流値は、複数のモータポンプMPの起動時における起動電流値に相当し、想定電流値は、複数のモータポンプMPの通常の起動時に想定される電流値である。
モータポンプMPの定常運転時に制御フローを行う場合には、測定電流値は、複数のモータポンプMPの定常運転時における運転電流値に相当し、想定電流値は、複数のモータポンプMPの通常の定常運転時に想定される電流値である。
起動電流値および運転電流値は、同一であってもよく、異なっていてもよい。同様に、通常の起動時に想定される想定電流値および通常の定常運転時に想定される想定電流値は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
一実施形態では、制御装置100は、複数のモータポンプMPの吐出側の流量に基づいて想定電流値を決定してもよい。この場合、ポンプユニットPUは、取り扱い液の流量を検出する流量センサ(図示しない)を備えており、流量センサは、制御装置100に電気的に接続されている。
制御装置100の記憶部100bは、通常の運転時における取り扱い液の流量と、通常の運転時において複数のモータポンプMPに供給される電流との相関関係と、を示すデータを記憶している。制御装置100は、このデータに基づいて、想定電流値を決定し、決定された想定電流値に基づいて、下限電流値を算出する。下限電流値の算出式の一例として、上記計算式を挙げることができる。
制御装置100は、複数のモータポンプMPの定常運転時における測定電流値と、下限電流値と、を比較し、測定電流値が下限電流値よりも低い場合には、複数のモータポンプMPの少なくとも1つに異常が発生していると判断する。
一実施形態では、制御装置100は、複数のモータポンプMPの吐出側の圧力に基づいて、想定電流値を決定してもよい。この場合、ポンプユニットPUは、取り扱い液の圧力を検出する圧力センサ(図示しない)を備えており、圧力センサは、制御装置100に電気的に接続されている。
制御装置100の記憶部100bは、取り扱い液の圧力と、通常の運転時において複数のモータポンプMPに供給される電流との相関関係を示すデータを記憶している。制御装置100は、このデータに基づいて、想定電流値を決定し、決定された想定電流値に基づいて、下限電流値を算出する。下限電流値の算出式の一例として、上記計算式を挙げることができる。
制御装置100は、複数のモータポンプMPの定常運転時における測定電流値と、下限電流値と、を比較し、測定電流値が下限電流値よりも低い場合には、複数のモータポンプMPの少なくとも1つに異常が発生していると判断する。
図21(a)および図21(b)に示す実施形態では、ポンプユニットPUは、1台目のモータポンプMP(第1モータポンプMP)と2台目のモータポンプMP(第2モータポンプMP)との間に配置された電流センサ101(第1電流センサ101)と、第2モータポンプMPと3台目のモータポンプMP(第3モータポンプMP)との間に配置された電流センサ101(第2電流センサ101)と、を備えている。
したがって、制御装置100は、第1電流センサ101から送られる信号に基づいて、第1モータポンプMPの電流値(すなわち、測定電流値Aa1)を測定し、第2電流センサ101から送られる信号に基づいて、第1モータポンプMPの測定電流値Aa1および第2モータポンプMPの測定電流値Aa2の合計(すなわち、測定電流値Ab(=Aa1+Aa2))を測定することができる。
制御装置100は、測定電流値Aa1と、各モータポンプMPの通常の運転時(始動時、定常運転時)に想定される想定電流値と、を比較し、測定電流値Aa1が想定電流値よりも低い(Aa1<想定電流値)場合には、第1モータポンプMPに異常が発生していると判断する。
制御装置100は、測定電流値Aa1と、各モータポンプMPの通常の運転時(始動時、定常運転時)に想定される想定電流値と、を比較し、測定電流値Aa1が想定電流値よりも大きく(Aa1>想定電流値)、かつ測定電流値Abから測定電流値Aa1を減算した値(すなわち、Ab-Aa1)が想定電流値よりも小さい((Ab-Aa1)<想定電流値)場合には、第2モータポンプMPに異常が発生していると判断する。測定電流値Abから測定電流値Aa1を減算した値は、測定電流値Aa2に相当する。
制御装置100は、測定電流値Amaxが下限電流値よりも低いと判断し、かつ第1モータポンプMPおよび第2モータポンプMPに異常が発生していないと判断した場合には、第3モータポンプMPに異常が発生していると決定する。
ポンプユニットPUが直列に接続された4台のモータポンプMPを備えている場合、ポンプユニットPUは、第3モータポンプMPと4台目のモータポンプMP(第4モータポンプMP)との間に配置された電流センサ101(第3電流センサ101)を備えている。
制御装置100は、第3電流センサ101から送られる信号に基づいて第1モータポンプMPの測定電流値Aa1、第2モータポンプMPの測定電流値Aa2、および第3モータポンプMPの測定電流値Aa3の合計(すなわち、測定電流値Ac)を測定することができる。
制御装置100は、測定電流値Aa1が想定電流値よりも大きく(Aa1>想定電流値)、測定電流値Abから測定電流値Aa1を減算した値(すなわち、Ab-Aa1)が想定電流値よりも大きく((Ab-Aa1)>想定電流値)、かつ、測定電流値Acから測定電流値Abを減算した値(すなわち、Ac-Ab、ここで、Ab=Aa1+Aa2)が想定電流値よりも低い場合には、第3モータポンプMPに異常が発生していると判断する。測定電流値Acから測定電流値Abを減算した値は、想定電流値Aa3に相当する。
制御装置100は、測定電流値Amaxが下限電流値よりも低いと判断し、かつ第1モータポンプMP、第2モータポンプMP、および第3モータポンプMPに異常が発生していないと判断した場合には、第4モータポンプMPに異常が発生していると決定する。なお、ポンプユニットPUが直列に接続された5台以上のモータポンプMPを備えている場合においても、制御装置100は、上述した方法と同様の方法により、各モータポンプMPの異常を判断することができる。
上述した実施形態では、直列に接続された複数のモータポンプMPの制御方法について、説明したが、ポンプユニットPUは、並列に接続された複数のモータポンプMPを制御してもよい。並列に接続された複数のモータポンプMP(図11および図12参照)を制御する場合、制御装置100は、複数のモータポンプMPのそれぞれの起動タイミングをずらすように構成されてもよい。
起動タイミングをずらすことにより、ポンプユニットPUは、配管65内に旋回流を形成することができる。旋回流を形成することにより、配管65に付着する異物や空気を除去することができ、さらには、取り扱い液の滞留を防止することができる。
旋回流を形成するために、制御装置100は、複数のモータポンプMPのうちの1台(第1モータポンプMP)を起動した後、起動されたモータポンプMP(すなわち、第1モータポンプMP)に隣接するモータポンプMP(第2モータポンプMP)を起動してもよい。このように、隣接するモータポンプMPを連続的に起動することによって、ポンプユニットPUは、モータポンプMPの起動順に沿って旋回する旋回流を形成することができる。
例えば、3台のモータポンプMPが配置されている場合、制御装置100は、第1モータポンプMPを起動し、その後、第2モータポンプMPを起動してもよく、または第3モータポンプMPを起動した後、第3モータポンプMPに隣接する第1モータポンプMPを起動してもよい。
図23は、羽根車の他の実施形態を示す図である。本実施形態では、軸受5の図示は省略されている。上述した実施形態では、羽根車1は、側板11の外縁部11aから吸込部15に向かって延びる環状の突起部17を備えている(図1参照)。図23に示す実施形態では、羽根車1の側板11は、側板11の外縁部11aの半径方向内側に配置された環状の突起部117を有している。
回転子2は、側板11の外縁部11aと突起部117との間に形成された環状段部に配置されており、回転子2の露出部分はカバー110によって覆われている。カバー110はモータポンプMPの構成要素の1つである。カバー110の一例として、耐腐食性を有するキャン、樹脂コート、またはNiめっきコートを挙げることができる。
一実施形態では、回転子2の鉄心2aは、接着剤、圧入、焼嵌、溶接などの手段により、突起部117に接合されている。同様に、カバー110は、接着剤、圧入、焼嵌、溶接などの手段により、羽根車1に接合されている。
図24は、羽根車の他の実施形態を示す図である。本実施形態では、軸受5の図示は省略されている。図24に示すように、羽根車1は、突起部117の半径方向外側に配置された環状の装着部118を備えてもよい。装着部118と突起部117との間の環状の空間に回転子2を挿入することにより、回転子2をより確実に側板11に固定することができる。本実施形態においても、回転子2の露出部分は、カバー110で覆われている。
図25は、カバーと側板との間に配置されたシール部材を示す図である。本実施形態では、軸受5の図示は省略されている。図25に示すように、カバー110と側板11(より具体的には、側板11の外縁部11aおよび突起部117)との間にシール部材(例えば、Oリング)120,121を配置することにより、液体の、回転子2への接触を確実に防止することができる。
図1乃至図25に示す実施形態に係る羽根車1は、例えば、鋳造製造やステンレスプレス成形や樹脂成形などの手段により、製造される。以下に説明する図26乃至図34に示す実施形態に係る羽根車1も同様に、鋳造製造やステンレスプレス成形や樹脂成形などの手段により、製造されてもよい。
図26は、羽根車の他の実施形態を示す図である。本実施形態では、軸受5の図示は省略されている。図26に示すように、回転子2は、主板10と側板11との間に形成された羽根車1の流路(すなわち、出口流路)を遮るように、側板11の外縁部11aに固定されている。本実施形態においても、回転子2は、吸込側領域Raに配置されている。
図26に示す実施形態では、回転子2は、カバー110で覆われておらず、回転子2は、耐腐食性を有する材質から構成されている。上述した実施形態においても、回転子2は、必ずしもカバー110で覆われる必要はなく、耐腐食性を有する材質から構成されてもよい。一実施形態では、回転子2はカバー110で覆われてもよい。
このような構成により、出口流路を通過する取り扱い液は、回転子2の内周面に衝突して、取り扱い液の方向が転換される。その後、取り扱い液は、主板10と吐出ケーシング22との間の隙間を通って、吐出口22aから吐き出される。
図23乃至図26に示す実施形態においても、回転子2および軸受5は、羽根車1の吸込側領域Raに配置されているため、モータポンプMPは、コンパクトな構造を有している。
図27は、モータポンプの他の実施形態を示す図である。図27に示すように、モータポンプMPは、吸込口21a側に配置された第1羽根車1Aと、吐出口22a側に配置された第2羽根車1Bと、第1羽根車1Aおよび第2羽根車1Bに接続された連通軸126と、を備えている。回転子2は、第1羽根車1Aに固定されており、固定子3は回転子2の半径方向外側に配置されている。軸受5は第1羽根車1Aを支持しており、第2羽根車1Bは、連通軸126を介して軸受5によって支持されている。
図27に示す実施形態では、モータポンプMPは、第1羽根車1Aと第2羽根車1Bとの間に配置された中間ケーシング125を備えている。中間ケーシング125は、第1羽根車1Aの吐出側と第2羽根車1Bの吸込側とを隔離する環状の隔壁である。本実施形態では、中間ケーシング125は、固定子ケーシング20に固定されている。
図27に示す実施形態では、モータポンプMPは、2枚の羽根車1を備えているが、羽根車1の数は本実施形態には限定されない。モータポンプMPは、羽根車1の数に応じて、複数の中間ケーシング125を備えてもよい。言い換えれば、モータポンプMPは、第1羽根車1Aおよび第2羽根車1Bを少なくとも含む、複数の羽根車1を備えてもよい。
図28は、モータポンプの他の実施形態を示す図である。図28に示すように、モータポンプMPは、連通軸126を回転自在に支持し、かつ第2羽根車1Bの吐出側に配置された吐出側軸受128をさらに備えている。吐出側軸受128は、吐出ケーシング22に装着されており、吐出側軸受128と吐出ケーシング22との間の隙間には、シール部材(例えば、Oリング)127A,127Bが配置されている。なお、図28に示す実施形態においても、モータポンプMPは、2枚の羽根車1を備えているが、羽根車1の数は本実施形態には限定されない。モータポンプMPは、第1羽根車1Aおよび第2羽根車1Bを少なくとも含む、複数の羽根車1を備えてもよい。
図28に示すように、吐出ケーシング22は、吐出口22aに連通する流路129を有している。流路129は、連通軸126の半径方向外側に配置されている。第2羽根車1Bから吐き出された取り扱い液は流路129および吐出口22aを通じて外部に吐き出される。
図28に示す実施形態では、第1羽根車1Aおよび第2羽根車1Bは、軸受5のみならず、吐出側軸受128によっても支持されている。吐出側軸受128は、ラジアル軸受である。このような構造により、モータポンプMPは、第1羽根車1Aおよび第2羽根車1Bの、ラジアル方向への変位を抑制することができる。
図29は、モータポンプの他の実施形態を示す図である。図29に示すように、モータポンプMPは、1枚の羽根車1が固定された連通軸126と、連通軸126を回転自在に支持する吐出側軸受128と、を備えてもよい。
図30は、運転条件に応じて、様々な構成部品を選択可能なモータポンプを示す図である。図30において、横軸は流量を示しており、縦軸は揚程を示している。図30に示すように、モータポンプMPは、様々な運転条件(すなわち、流量の大きさおよび揚程の大きさ)に応じて、最適な構成部品を選択可能に構成されている。
図30に示す実施形態では、モータポンプMPは、揚程の大きさおよび流量の大きさに応じて、複数(本実施形態では、4つ)の異なる構成から選択可能である(図30のMPA~MPD参照)。本実施形態において、モータポンプMPは、異なるサイズを有する複数の羽根車1と、複数の羽根車1に固定され、かつ異なる長さを有する複数の回転子2と、複数の回転子2の長さに対応する長さを有する複数の固定子3と、複数の固定子3を収容し、かつ複数の固定子3の長さに対応する長さを有する複数の固定子ケーシング20と、を備えている。
モータポンプMPのモータ容量の大きさは、固定子3の長さLgの長さに依存している。モータポンプMPの揚程の大きさは、羽根車1の直径D1の大きさに依存している。モータポンプMPの流量の大きさは、羽根車1の出口流路B2の大きさに依存している。
複数の羽根車1は、同一の直径を有する複数の側板11と異なる直径を有する複数の主板10と、を備えている。本明細書において、羽根車1の直径D1は、主板10の直径に相当する。
モータポンプMPAおよびモータポンプMPBの関係性について説明する。図30に示すように、モータポンプMPAおよびモータポンプMPBは、同一のモータ容量を有している(すなわち、LgA=LgB)。モータポンプMPAは、モータポンプMPBよりも高い揚程能力を有している(すなわち、D1A>D1B)。モータポンプMPBは、モータポンプMPAよりも高い流量能力を有している(すなわち、B2B>B2A)。
モータポンプMPAおよびモータポンプMPCの関係性について説明する。モータポンプMPCは、モータポンプMPAよりも大きなモータ容量を有している(すなわち、LgC>LgA)。モータポンプMPCは、モータポンプMPAと同一の揚程能力を有している(すなわち、D1A=D1C)。モータポンプMPCは、モータポンプMPAよりも高い流量能力を有している(すなわち、B2C>B2A)。
モータポンプMPBおよびモータポンプMPCの関係性について説明する。モータポンプMPCは、モータポンプMPBよりも大きなモータ容量を有している(すなわち、LgC>LgB)。モータポンプMPCは、モータポンプMPBよりも高い揚程能力を有している(すなわち、D1C>D1B)。モータポンプMPBの羽根車1の出口流路B2Bは、モータポンプMPCの羽根車1の出口流路B2Cと同じ、または出口流路B2Cよりも大きな大きさを有している(すなわち、B2B≧B2C)。
モータポンプMPCおよびモータポンプMPDの関係性について説明する。モータポンプMPCは、モータポンプMPDと同一のモータ容量を有している(すなわち、LgC=LgD)。モータポンプMPCは、モータポンプMPDよりも高い揚程能力を有している(すなわち、D1C>D1D)。モータポンプMPDは、モータポンプMPCよりも高い流量能力を有している(すなわち、B2D>B2C)。
モータポンプMPBおよびモータポンプMPDの関係性について説明する。モータポンプMPDは、モータポンプMPBよりも大きなモータ容量を有している(すなわち、LgD>LgB)。モータポンプMPDは、モータポンプMPBよりも高い流量能力を有している(すなわち、B2D>B2B)。モータポンプMPBは、モータポンプMPDと同一の揚程能力を有している(すなわち、D1B=D1D)。
図30に示すように、すべてのモータポンプMPにおいて、固定子ケーシング20の内径D2および外径D3は、同一である。したがって、作業者は、揚程能力および流量能力に応じて、異なるサイズを有する構成部品を用意しておき、モータポンプMPの運転条件に基づいて、複数の構成部品から最適な構成部品を選択することができる。
固定子ケーシング20の内径D2および外径D3を同一にすることにより、揚程能力や流量能力に依存しない構成部品(例えば、軸受5、吸込ケーシング21、および吐出ケーシング22)のサイズを変更することなく、ポンプユニットPUは、その性能を容易に変更することができる。
図31(a)は他の実施形態に係るモータポンプの断面図であり、図31(b)は図31(a)に示すモータポンプを軸線方向から見たときの図である。図31(a)および図31(b)に示すように、モータポンプMPは、羽根車1の背面側に配置された旋回止め(言い換えれば、ファールストップ)130を備えてもよい。
図31(b)に示す実施形態では、1つの旋回止め130が配置されているが、少なくとも1つの旋回止め130が配置されてもよい。旋回止め130は、吐出ケーシング22に固定されており、羽根車1の主板10に対向している。旋回止め130は、羽根車1から吐き出された取り扱い液の、羽根車1と吐出ケーシング22との間での旋回を防止することができる。
図32(a)は他の実施形態に係るモータポンプの断面図であり、図32(b)は図32(a)に示すモータポンプの吸込ケーシングの正面図である。図32(a)および図32(b)に示すように、モータポンプMPは、平坦なフランジ形状を有する吸込ケーシング141および吐出ケーシング142を備えている。
上述した実施形態では、吸込ケーシング21の吸込口21aは、吸込ケーシング21の外面から突出しており、同様に、吐出ケーシング22の吐出口22aは、吐出ケーシング22の外面から突出している。本実施形態では、吸込ケーシング141は平坦なフランジ形状を有しているため、吸込口141aは、吸込ケーシング141の外面と同一平面上に形成されている。同様に、吐出ケーシング142は平坦なフランジ形状を有しているため、吐出口142aは、吐出ケーシング142の外面と同一平面上に形成されている。
このような構造により、モータポンプMPに接続された接続管140を吸込ケーシング141に直接接続することができる。図示しないが、接続管140を平坦なフランジ形状を有する吐出ケーシング142に直接接続してもよい。
このような構成により、接続管140および吸込ケーシング141を連結する部材(連結部材)を配置する必要はなく、配管(図示しない)をモータポンプMPに接続するための部品点数を削減することができる。
連結部材は液体の漏洩が想定される部材であるため、連結部材を排除することにより、液体の漏洩を確実に防止することができる。本実施形態では、図示しないが、接続管140と吸込ケーシング141との間には、シール部材(例えば、Oリングまたはガスケット)が配置されている。
吸込ケーシング141の吸込口141aの半径方向外側には、接続管140と吸込ケーシング141とを締結するための締結具150が挿入される挿入孔141bが形成されている。接続管140は、挿入孔141bに連通する貫通孔140aを有している。作業者は、締結具150を貫通孔140aおよび挿入孔141bに挿入することにより、接続管140および吸込ケーシング141を互いに締結することができる。
吐出ケーシング142の吐出口142aの半径方向外側には、通しボルト25の頭部25aを収容するボルト収容部142bが形成されている。ボルト収容部142bに通しボルト25の頭部25aを収容することにより、頭部25aが吐出ケーシング22から突出することを防止することができる。
一実施形態では、吸込ケーシング141は、ボルト収容部142bに相当するボルト収容部を有してもよい。すなわち、吸込ケーシング141および吐出ケーシング142の少なくとも1つは、通しボルト25の頭部25aを収容するボルト収容部を有している。
図33は、直列に接続されたモータポンプを備えるポンプユニットを示す図である。図33に示すように、図32(a)および図32(b)に示すモータポンプMPは、平坦なフランジ形状を有する吸込ケーシング141および吐出ケーシング142を備えているため、互いに隣接して配置された吸込ケーシング141および吐出ケーシング142は、互いに面接触することができる。互いに面接触する吸込ケーシング141および吐出ケーシング142は、中間ケーシングに相当する。
図示しないが、互いに面接触する吸込ケーシング141と吐出ケーシング142との間には、シール部材(例えば、Oリングまたはガスケット)が配置されている。
本実施形態によれば、中間ケーシング61(図10参照)を配置する必要はなく、同一構造を有する複数のモータポンプMPを直接、直列に接続するだけの簡単な作業により、複数のモータポンプMPを備えるポンプユニットPUを構成することができる。
本実施形態に係るモータポンプMPは、シンプルな主要な構成部品(すなわち、羽根車1と、回転子2および固定子3と、軸受5)を備えており、小型軽量化が図られている。したがって、通しボルト25を用いることにより、直列に配置された複数のモータポンプMPを、容易に一体的に締結することができる。
さらに、吸込ケーシング141および吐出ケーシング142を互いに面接触することにより、ポンプユニットPUの熱伝導率を向上させることができ、複数のモータポンプMPの間における温度平衡を図ることができる。結果として、ポンプユニットPUは、安定的に運転することができる。
図34は、羽根車の他の実施形態を示す図である。上述した実施形態では、羽根車1は、遠心羽根車である。より具体的には、羽根車1は、中心線CL方向と垂直に延びる主板10を備えており、羽根車1によって昇圧された液体は、中心線CLに対して垂直に吐き出される。図34に示す実施形態では、羽根車1は、斜流羽根車である。より具体的には、羽根車1は、中心線CL方向に対して所定の角度で傾斜する主板160を備えている。主板160は、吸込側から吐出側に向かって傾斜しており、羽根車1によって昇圧された液体は、中心線CLに対して斜め方向外側に吐き出される。
図35は、モータポンプの他の実施形態を示す図である。図35に示す実施形態では、モータポンプMPは、モータポンプMPの中心線CL方向に対して垂直な鉛直方向に延びる吐出ポート322を有する吐出ケーシング22を備えている。吐出ポート322は、上方を向いて開口する吐出口322aを有しており、吸込口21aおよび吐出口322aは、互いに直交している。
図35に示す実施形態では、モータポンプMPは、吸込口21aおよび吐出口322aが直交する、いわゆるエンドトップ型モータポンプである。このようなモータポンプMPは、コンパクトな構造を有する。例えば、モータポンプMPの設置環境によっては、吸込口21aおよび吐出口22aが一直線上に並ぶように配置された構造を有するモータポンプMPを設置することができない場合がある。このような場合であっても、エンドトップ型のモータポンプMPは、設置可能である。このように、本実施形態では、モータポンプMPを、あらゆる設置環境に対応して設置することができる。
図35に示すように、モータポンプMPは、羽根車1によって昇圧された液体(取り扱い液)の、吐出ポート322への流出を制限するサイドプレート300をさらに備えてもよい。図35に示す実施形態では、サイドプレート300は、円盤形状を有しており、戻り羽根30に固定されている。
サイドプレート300は、羽根車1の主板10と戻り羽根30との間に配置されている。羽根車1によって昇圧された液体の一部は、戻り羽根30を介してサイドプレート300と吐出ケーシング22との間の隙間を通って、吐出ポート322に流れ込み、吐出口322aから吐き出される。羽根車1によって昇圧された液体の他の部分は、サイドプレート300と羽根車1の主板10との間の隙間に流れ込む。
羽根車1が回転すると、羽根車1には、羽根車1を吐出ケーシング22側に押す液体の力(すなわち、流体力)が作用する。サイドプレート300と主板10との間の隙間に流れ込んだ液体の流れは、サイドプレート300によって制限されるため、昇圧された液体は、サイドプレート300と主板10との間の隙間に滞留する。サイドプレート300と主板10との間の隙間に滞留する液体は、羽根車1に作用する流体力を受け止めるため、羽根車1の、吐出ケーシング22側への移動は制限される。
モータポンプMPが定常的に運転されると、羽根車1には、吐出ケーシング22側から吸込ケーシング21側へのスラスト力が作用する。したがって、羽根車1に流体力が作用しても、羽根車1は、軸受5に安定的に保持される。
図36は、上述した実施形態に係るモータポンプに設けられたサイドプレートを示す図である。図36に示すように、サイドプレート300は、エンドトップ型のモータポンプのみならず、上述した実施形態に係るモータポンプMPにも適用可能である。
図37は、サイドプレートの他の実施形態である。図37に示すように、サイドプレート300は、その中央に形成された開口300aを有してもよい。上述したように、サイドプレート300と主板10との間の隙間に流れ込んだ液体は、サイドプレート300と主板10との間の隙間に滞留する場合がある。
この場合、羽根車1の回転によって、滞留する液体は、旋回し、やがて、発熱するおそれがある。開口300aをサイドプレート300に形成することにより、サイドプレート300と吐出ケーシング22との間の隙間と、サイドプレート300と羽根車1との間の隙間と、の間における、液体の循環流が形成される。したがって、サイドプレート300と羽根車1との間に存在する液体は、吐出ケーシング22側に流れ込み、液体の発熱が防止され、液体の温度を一定に保つことができる。さらに、開口300aは、滞留する液体に含まれる空気を吐出ケーシング22側に排出する役割を果たすことができる。
図37に示す実施形態では、サイドプレート300の開口300aは、中心線CL上に形成された単一の開口であるが、開口300aの数は本実施形態には限定されない。サイドプレート300は、羽根車1の、吐出ケーシング22側への移動を制限する限度において、複数の開口300aを有してもよい。
さらに、開口300aは、液体の循環流を形成することができれば、必ずしも中心線CL上に形成される必要はない。例えば、サイドプレート300は、中心線CLを中心に同心円状に配置された少なくとも1つの開口300aを有してもよい。
開口300aの形状も特に限定されず、円形状を有してもよく、多角形状(例えば、三角形状または四角形状)を有してもよい。開口300aの大きさ(すなわち、面積)も同様に、サイドプレート300が吐出ケーシング22側への移動を制限する限度において、特に限定されない。
図38は、ポンプユニットの他の実施形態を示す図である。図38に示すように、ポンプユニットPUは、直列的に配置された複数のモータポンプMPと、これら複数のモータポンプMPを接続するコネクタ400と、を備えてもよい。図38に示す実施形態では、複数のモータポンプMPのそれぞれは、上述した実施形態で示した構造と同一の構造を有している。したがって、モータポンプMPの詳細な説明を省略する。
図38に示す実施形態では、ポンプユニットPUは、2つのモータポンプMP(すなわち、前段側モータポンプMPおよび後段側モータポンプMP)を備えているが、モータポンプMPの数は本実施形態には限定されない。
コネクタ400は、前段側モータポンプMPの前段側吐出ケーシング22と、後段側モータポンプMPの後段側吸込ケーシング21と、を接続する接続部材である。コネクタ400は、全体的に円筒形状を有している。より具体的には、コネクタ400は、前段側吐出ケーシング22と後段側吸込ケーシング21との間に配置されたフランジ部400aと、フランジ部400aから前段側吐出ケーシング22に延びる前段側接続部400bと、フランジ部400aから後段側吸込ケーシング21に延びる後段側接続部400cと、を備えている。
本実施形態では、前段側接続部400bおよび後段側接続部400cのそれぞれは、円筒形状を有している。一実施形態では、前段側接続部400bおよび後段側接続部400cのそれぞれは、多角筒形状を有してもよい。前段側接続部400bは前段側吐出ケーシング22に装着されており、後段側接続部400cは後段側吸込ケーシング21に装着されている。より具体的には、前段側接続部400bは前段側吐出ケーシング22の吐出口22aに挿入されており、後段側接続部400cは後段側吸込ケーシング21の吸込口21aに挿入されている。
コネクタ400は、前段側モータポンプMPおよび後段側モータポンプMPにねじ込まれるねじ込み構造を有している。前段側接続部400bは、その外面に形成された雄ねじ部401Aを有しており、前段側吐出ケーシング22は、雄ねじ部401Aに対応する雌ねじ部402を有している。同様に、後段側接続部400cは、その外面に形成された雄ねじ部401Bを有しており、後段側吸込ケーシング21は、雄ねじ部401Bに対応する雌ねじ部403を有している。コネクタ400を前段側吐出ケーシング22および後段側吸込ケーシング21にねじ込むことにより、前段側モータポンプMPおよび後段側モータポンプMPは、コネクタ400を介して互いに、液密的に連結される。
本実施形態によれば、ポンプユニットPUは、コンパクトな構造を有するモータポンプMPを互いに連結するコネクタ400を有している。コネクタ400は簡単な構造を有しているため、モータポンプMP同士を複雑な構造により連結する必要はない。モータポンプMP同士を簡単な構造を有するコネクタ400で接続することにより、ポンプユニットPUは、コンパクトな構造を有することができる。
図39は、コネクタに装着されたシール部材を示す図である。図39に示すように、コネクタ400は、前段側吐出ケーシング22に密着する第1シール部材405と、後段側吸込ケーシング21に密着する第2シール部材406と、を備えている。より具体的には、コネクタ400のフランジ部400aは、前段側吐出ケーシング22に隣接する第1隣接面407と、後段側吸込ケーシング21に隣接する第2隣接面408と、を有している。
フランジ部400aは、第1隣接面407に形成された第1環状シール溝407aを有しており、第1シール部材405は、第1環状シール溝407aに装着されている。同様に、フランジ部400aは、第2隣接面408に形成された第2環状シール溝408aを有しており、第2シール部材406は第2環状シール溝408aに装着されている。このような構成により、液体の、コネクタ400からの漏洩をより確実に防止することができる。本実施形態においても、コネクタ400は、ねじ込み構造を有してもよい。
図40は、ポンプユニットの他の実施形態を示す図である。図40に示すように、コネクタ400は、後段側吸込ケーシング21と一体的に構成された吸込ケーシングコネクタ410を備えてもよい。言い換えれば、後段側モータポンプMPは、コネクタ400と後段側吸込ケーシング21とが一体的に構成された吸込ケーシングコネクタ410を備えている。
吸込ケーシングコネクタ410は、前段側吐出ケーシング22に装着される筒状装着部413を備えている。筒状装着部413は前段側吐出ケーシング22の吐出口22aに挿入されている。吸込ケーシングコネクタ410は、筒状装着部413の外面に装着されたシール部材412を有している。筒状装着部413は、その外面に形成された環状シール溝413aを有しており、シール部材412は環状シール溝413aに装着されている。このような構成により、液体の、吸込ケーシングコネクタ410からの漏洩をより確実に防止することができる。
図41は、吸込ケーシングコネクタの他の実施形態を示す図である。図41に示す実施形態では、筒状装着部413は、前段側吐出ケーシング22の吐出口22aに挿入されていない。図41に示すように、吸込ケーシングコネクタ410は、筒状装着部413に形成された端面414を有している。吸込ケーシングコネクタ410は、筒状装着部413の端面414に装着されたシール部材415を備えており、シール部材415は、端面414に形成された環状シール溝414aに装着されている。シール部材415を吸込ケーシングコネクタ410と前段側吐出ケーシング22との間に配置することにより、液体の、吸込ケーシングコネクタ410からの漏洩をより確実に防止することができる。
図42は、ポンプユニットの他の実施形態を示す図である。図42に示す実施形態では、コネクタ400は、前段側吐出ケーシング22と、後段側吸込ケーシング21と、を一体的に構成する中間ケーシングコネクタ461を備えている。中間ケーシングコネクタ461は、図10に示す中間ケーシング61と同様の構成を有している。
作業者は、吸込ケーシング21と吐出ケーシング22との間に中間ケーシングコネクタ461を挟んだ状態で、通しボルト25をこれら吸込ケーシング21、中間ケーシングコネクタ461、および吐出ケーシング22に挿入し、締め付けることにより、ポンプユニットPUを組み立てることができる。
図43は、ポンプユニットの他の実施形態を示す図である。図43に示す実施形態では、前段側吐出ケーシング22は、第1直径を有する吐出口22aを有しており、後段側吸込ケーシング21は、第1直径とは異なる第2直径を有する吸込口21aを有している。より具体的には、吸込口21aの直径は、吐出口22aの直径よりも小さい。一実施形態では、吸込口21aの直径は、吐出口22aの直径よりも大きくてもよい。
図43に示す実施形態では、前段側モータポンプMPの羽根車1Aは、後段側モータポンプMPの羽根車1Bよりも大きなサイズを有している。前段側モータポンプMPは、低速で駆動する低速モータポンプであり、後段側モータポンプMPは、高速で駆動する高速モータポンプである。
コネクタ400は、前段側吐出ケーシング22の吐出口22aに接続される前段側接続部400bと、後段側吸込ケーシング21の吸込口21aに接続される後段側接続部400cと、を備えている。前段側接続部400bおよび後段側接続部400cは、フランジ部400aの両側に延びている。
図43に示すように、後段側接続部400cは、前段側接続部400bとは異なるサイズ(直径)を有している。後段側接続部400cのサイズは、前段側接続部400bのサイズよりも小さく、後段側吸込ケーシング21の吸込口21aのサイズに対応している。同様に、前段側接続部400bのサイズは、前段側吐出ケーシング22の吐出口22aのサイズに対応している。
前段側接続部400bは、その外面に形成された雄ねじ部401Aを有しており、前段側吐出ケーシング22は、雄ねじ部401Aに対応する雌ねじ部402を有している。同様に、後段側接続部400cは、その外面に形成された雄ねじ部401Bを有しており、後段側吸込ケーシング21は、雄ねじ部401Bに対応する雌ねじ部403を有している。
コネクタ400を前段側吐出ケーシング22および後段側吸込ケーシング21にねじ込むことにより、前段側モータポンプMPおよび後段側モータポンプMPは、コネクタ400を介して互いに、液密的に連結される。本実施形態では、コネクタ400は、互いにサイズの異なるモータポンプMPを連結することができる。
図43に示す実施形態では、前段側吐出ケーシング22のサイズと後段側吸込ケーシング21のサイズとは異なる。したがって、前段側モータポンプMPの吸込ケーシング21および吐出ケーシング22は通しボルト25で締結されており、後段側モータポンプMPの吸込ケーシング21および吐出ケーシング22は通しボルト25で締結されている。
図44は、コネクタに装着されたシール部材を示す図である。図44に示すように、コネクタ400は、前段側吐出ケーシング22に密着する第1シール部材422と、後段側吸込ケーシング21に密着する第2シール部材423と、を備えている。より具体的には、コネクタ400のフランジ部400aは、前段側吐出ケーシング22に隣接する第1隣接面420と、後段側吸込ケーシング21に隣接する第2隣接面421と、を有している。
フランジ部400aは、第1隣接面420に形成された第1環状シール溝420aを有しており、第1シール部材422は、第1環状シール溝420aに装着されている。同様に、フランジ部400aは、第2隣接面421に形成された第2環状シール溝421aを有しており、第2シール部材423は第2環状シール溝421aに装着されている。このような構成により、液体の、コネクタ400からの漏洩をより確実に防止することができる。
図45は、ポンプユニットの他の実施形態を示す図である。図45に示すように、前段側吐出ケーシング22のサイズおよび後段側吸込ケーシング21のサイズは、同一であってもよい。この場合、前段側モータポンプMPの吸込ケーシング21および吐出ケーシング22と、後段側モータポンプMPの吸込ケーシング21および吐出ケーシング22と、は、同一の通しボルト25で締結されている。
図46は、ポンプユニットの他の実施形態を示す図である。図46に示すように、図35に示す実施形態と、図38に示す実施形態と、を組み合わせてもよい。より具体的には、前段側モータポンプMPの前段側吐出ケーシング22は、中心線CL方向に対して垂直な方向に延びる吐出ポート322を有しており、コネクタ400は、吐出ポート322と、後段側モータポンプMPの後段側吸込ケーシング21と、を接続している。
図示しないが、コネクタ400は、吐出ポート322に密着する第1シール部材と、後段側吸込ケーシング21に密着する第2シール部材と、を備えてもよい(図39参照)。
図47は、ポンプユニットの他の実施形態を示す図である。図47に示すように、図35に示す実施形態と、図40に示す実施形態と、を組み合わせてもよい。より具体的には、前段側モータポンプMPの前段側吐出ケーシング22は、中心線CL方向に対して垂直な方向に延びる吐出ポート322を有しており、コネクタ400は、後段側吸込ケーシング21と一体的に構成された吸込ケーシングコネクタ410を備えており、吸込ケーシングコネクタ410は、吐出ポート322に装着される筒状装着部413を備えている。
図48は、ポンプユニットの他の実施形態を示す図である。図48に示すように、図35に示す実施形態と、図42に示す実施形態と、を組み合わせてもよい。より具体的には、コネクタ400は、吐出ポート322と、後段側吸込ケーシング21と、を一体的に構成する中間ケーシングコネクタ461を備えている。
図49は、ポンプユニットの他の実施形態を示す図である。図49に示すように、図35に示す実施形態と、図43に示す実施形態と、を組み合わせてもよい。より具体的には、吐出ポート322は、第1直径を有する吐出口322aを有しており、後段側吸込ケーシング21は、第1直径とは異なる第2直径を有する吸込口21aを有している。図49に示す実施形態では、吐出口322aは、吸込口21aよりも大きなサイズを有しているが、一実施形態では、吐出口322aは、吸込口21aよりも小さなサイズを有してもよい。
コネクタ400は、吐出口322aに接続される前段側接続部400bと、吸込口21aに接続される、前段側接続部400bとは異なるサイズを有する後段側接続部400cと、を備えている。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。