JP7840191B2 - 非水系二次電池及びその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
正極と負極と非水系電解液とを備える非水系二次電池であって、
前記非水系電解液が、アセトニトリルを含む非水系溶媒と、リチウム塩と、
下記一般式(1):
前記スルホン化合物の含有量が前記非水系電解液の全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下であり、
25℃における前記非水系電解液のイオン伝導度が12mS/cm以上30mS/cm以下でありであり、
下記式(1-1):
10秒放電DCIR=(放電開始後10秒間の電圧変化)/(放電開始後10秒間の放電電流値) ・・・式(1-1)
で表される10秒放電DCIRについて、85℃及び12時間の貯蔵前後での下記式(1-2):
10秒放電DCIR変化率=(85℃貯蔵後10秒放電DCIR)/(85℃貯蔵前10秒放電DCIR) ・・・式(1-2)
で表される10秒放電DCIR変化率が0超え1.3以下である、
非水系二次電池。
[2]
前記非水系溶媒の全量に対してビニレンカーボネートが2体積%未満である、[1]に記載の非水系二次電池。
[3]
前記非水系電解液中の非水系溶媒の全量に対して、前記アセトニトリルの含有量が20~60体積%である、[1]又は[2]に記載の非水系二次電池。
[4]
前記リチウム塩がリチウム含有イミド塩と六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)からなる群から選ばれる少なくとも一種である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
[5]
前記一般式(1)で示されるスルホン化合物としてジフェニルスルホンを含む、[1]~[4]のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
[6]
前記正極は、正極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料からなる群より選ばれる1種以上の材料を含有し、前記負極は、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料と、金属リチウムと、からなる群より選ばれる1種以上の材料を含有する、[1]~[5]のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
[7]
前記正極活物質がリチウムと遷移金属の複合酸化物であり、負極活物質が黒鉛である、[6]に記載の非水系二次電池。
[8]
[1]~[7]のいずれか1項に記載の非水系二次電池の製造方法であって、
1時間で設定容量を放電できる電流量を1Cとした時に、0.1C以上の充電速度で初回充電を行う工程を有する、非水系二次電池の製造方法。
また、本発明の好ましい態様によれば、ジフェニルスルホン置換体の添加によって高温下でも十分な負極保護機能があり、高温貯蔵後の50℃サイクル試験においてサイクル初期の容量維持率が安定しており、かつ容量維持率の高い非水系二次電池及びその製造方法を提供することができる。
正極と負極と非水系電解液とを備える非水系二次電池であって、
非水系電解液が、アセトニトリルを含む非水系溶媒と、リチウム塩と、
下記一般式(1):
スルホン化合物の含有量が非水系電解液の全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下であり、
25℃における非水系電解液のイオン伝導度が12mS/cm以上30mS/cm以下であり、
下記式(1-1):
10秒放電DCIR=(放電開始後10秒間の電圧変化)/(放電開始後10秒間の放電電流値) ・・・式(1-1)
で表される10秒放電DCIRについて、85℃及び12時間の貯蔵前後での下記式(1-2):
10秒放電DCIR変化率=(85℃貯蔵後10秒放電DCIR)/(85℃貯蔵前10秒放電DCIR) ・・・式(1-2)
で表される10秒放電DCIR変化率が0超え1.3以下である、非水系二次電池である。
これによれば、50℃サイクル試験後の容量維持率の高いアセトニトリル含有非水系二次電池を提供することができる。
<非水系二次電池>
本実施形態の非水系二次電池は、正極及び負極と共に上記非水系電解液を備える二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池であってよく、より具体的には、図1に概略的に平面図を、かつ図2に概略的に断面図を示すリチウムイオン電池であってよい。図1、2に示されるリチウムイオン電池100は、セパレータ170と、そのセパレータ170を両側から挟む正極150と負極160と、更にそれら(セパレータ170、正極150及び負極160)の積層体を挟む正極リード体130(正極150に接続)と、負極リード体140(負極160に接続)と、それらを収容する電池外装110とを備える。正極150とセパレータ170と負極160とを積層した積層体は、本実施形態に係る非水系電解液に含浸されている。
本実施形態における「非水系電解液」とは、アセトニトリルを含む非水系溶媒と、リチウム塩と、所定のスルホン化合物と、を含有する非水系電解液を指す。本実施形態に係る非水系電解液は、水分を極力含まないことが好ましいが、本発明の課題解決を阻害しない範囲であれば、ごく微量の水分を含有してよい。そのような水分の含有量は、非水系電解液の全量当たりの量として水が1質量%以下であり、また、300質量ppm以下であり、好ましくは200質量ppm以下である。非水系電解液については、本発明の課題解決を達成するための構成を具備していれば、その他の構成要素については、リチウムイオン電池に用いられる既知の非水系電解液における構成材料を、適宜選択して適用することができる。
本実施形態でいう「非水系溶媒」とは、非水系電解液中から、リチウム塩、所定のスルホン化合物及び各種添加剤を除いた要素をいう。非水系電解液に電極保護用添加剤が含まれている場合、「非水系溶媒」とは、非水系電解液中から、リチウム塩と、所定のスルホン化合物と、電極保護用添加剤以外の添加剤とを除いた要素をいう。非水系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;非プロトン性溶媒等が挙げられる。中でも、非水系溶媒としては、非プロトン性溶媒が好ましい。本発明の課題解決を阻害しない範囲であれば、非水系溶媒は、非プロトン性溶媒以外の溶媒を含有してよい。
アセトニトリルを含有しないカーボネート系溶媒の場合、アセトニトリルのような高イオン伝導性の溶媒を含まないことからイオン伝導度が十分でなく、充放電速度はリチウムイオンの移動が追随できる範囲に限られる。
特許文献1~3のようなアセトニトリル含有電解液では、従来フルオロエチレンカーボネート(FEC)又はビニレンカーボネート(VC)を用いたSEI形成が行われている。他方、これらの電解液では高温状態においてSEIが熱分解し、負極保護効果を失うため、条件によっては、高温条件後のサイクル特性が不安定化するという可能性が生じる。またVC自体も高温時に電池内で分解してしまう場合、電池性能を低下させる課題が生じる可能性がある。よって、非水系溶媒の全量に対してビニレンカーボネートが2体積%未満であることが好ましく、例えば、前記非水系電解液中にビニレンカーボネートを含まないことが好ましい。
を挙げることができる。
R7-O-C(O)O-R8
{式中、R7及びR8は、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、及びCH2Rf9から成る群より選択される少なくとも一つであり、Rf9は、少なくとも1つのフッ素原子で水素原子が置換された炭素数1~3のアルキル基であり、そしてR7及び/又はR8は、少なくとも1つのフッ素原子を含有する。}
で表すことができる。
R10-C(O)O-R11
{式中、R10は、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CF3CF2H、CFH2、CF2Rf12、CFHRf12、及びCH2Rf13から成る群より選択される少なくとも一つであり、R11は、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、及びCH2Rf13から成る群より選択される少なくとも一つであり、Rf12は、少なくとも1つのフッ素原子で水素原子が置換されてよい炭素数1~3のアルキル基であり、Rf13は、少なくとも1つのフッ素原子で水素原子が置換された炭素数1~3のアルキル基であり、そしてR10及び/又はR11は、少なくとも1つのフッ素原子を含有し、R10がCF2Hである場合、R11はCH3ではない。}
で表すことができる。
本実施形態の非水系電解液はLiPF6を含むことが好ましく、その他のリチウム塩について特に限定するものではない。例えば、リチウム塩として、LiPF6及びリチウム含有イミド塩からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。これによれば、本発明の効果を奏し易い。
下記式(a):
LiC(SO2RA)(SO2RB)(SO2RC) (a)
{式中、RA、RB、及びRCは、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1~8のパーフルオロアルキル基を示す。}、
下記式(b):
LiN(SO2ORD)(SO2ORE) (b)
{式中、RD、及びREは、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1~8のパーフルオロアルキル基を示す。}、及び
下記式(c)
LiN(SO2RF)(SO2ORG) (c)
{式中、RF、及びRGは、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1~8のパーフルオロアルキル基を示す。}
のそれぞれで表される有機リチウム塩等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を、フッ素含有無機リチウム塩と共に使用することができる。
本実施形態に係る非水系電解液は、上記で説明された非水系溶媒及びリチウム塩以外に
下記一般式(1):
本実施形態の非水系電解液は、25℃におけるイオン伝導度が12mS/cm以上である。イオン伝導度が12mS/cm以上であることで、高出力特性を十分に発現できる。イオン伝導度は、実施例表に記載の各種の原料、及びその含有量等を調整することで制御でき、その上限は、例えば30mS/cmでよい。イオン伝導度は、例えば、下記手法:
TOADKK(株)製電気伝導計CM-41M(商品名)にTOADKK(株)製白金電気伝導率セルCT-58101B(商品名)を接続し、25℃条件下で電解液5mLに電気伝導セルを漬け、その時の伝導度を確認することによって測定可能である。
本実施形態の非水系電解液は、下記式(1-1):
10秒放電DCIR=(放電開始後10秒間の電圧変化)/(放電開始後10秒間の放電電流値) ・・・式(1-1)
で表される10秒放電DCIRについて、85℃及び12時間の貯蔵前後での下記式(1-2):
10秒放電DCIR変化率=(85℃貯蔵後10秒放電DCIR)/(85℃貯蔵前10秒放電DCIR) ・・・式(1-2)
で表される10秒放電DCIR変化率が0超え1.3以下である。
その他の電極保護用添加剤としては、本発明による課題解決を阻害しないものであれば特に制限はなく、リチウム塩を溶解する溶媒としての役割を担う物質(すなわち上述の非水系溶媒)と実質的に重複してもよい(但し、アセトニトリル、及びスルホン化合物を除く)。電極保護用添加剤は、本実施形態における非水系電解液及び非水系二次電池の性能向上に寄与する物質であることが好ましいが、電気化学的な反応には直接関与しない物質をも包含する。
本実施形態においては、非水系二次電池の充放電サイクル特性の改善、高温貯蔵性、安全性の向上(例えば過充電防止等)等の目的で、非水系電解液に、例えば、スルホン酸エステル、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、tert-ブチルベンゼン、リン酸エステル〔エチルジエチルホスホノアセテート(EDPA):(C2H5O)2(P=O)-CH2(C=O)OC2H5、リン酸トリス(トリフルオロエチル)(TFEP):(CF3CH2O)3P=O、リン酸トリフェニル(TPP):(C6H5O)3P=O:(CH2=CHCH2O)3P=O、リン酸トリアリル等〕、非共有電子対周辺に立体障害のない窒素含有環状化合物〔ピリジン、1-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、1-メチルピラゾール等〕等、及びこれらの化合物の誘導体等から選択される任意的添加剤を、適宜含有させることもできる。特にリン酸エステルは、貯蔵時の副反応を抑制する作用があり、効果的である。
図1,2に示される正極150は、正極合剤から作製した正極活物質層と、正極集電体とから構成される。正極150は、非水系二次電池の正極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものであってもよい。本発明における正極活物質は、リチウムと遷移金属の複合酸化物であることが好ましく、好ましくはニッケル(Ni)を相対的に高い比率で含有する。
LipNiqCorMnsMtOu ・・・(a)
{式中、Mはアルミニウム(Al)、スズ(Sn)、インジウム(In)、鉄(Fe)、バナジウム(V)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ストロンチウム(Sr)、及びバリウム(Ba)から成る群から選ばれる少なくとも1種の金属であり、且つ、0<p<1.3、0<q<1.2、0<r<1.2、0≦s<0.5、0≦t<0.3、0.7≦q+r+s+t≦1.2、1.8<u<2.2の範囲であり、そしてpは、電池の充放電状態により決まる値である。}
で表されるリチウム(Li)含有金属酸化物から選ばれる少なくとも1種のLi含有金属酸化物が好適である。
リチウム含有化合物として、より具体的には、以下の式(Xa):
LivMID2 (Xa)
{式中、Dはカルコゲン元素を示し、MIは少なくとも1種の遷移金属元素を含む1種以上の遷移金属元素を示し、vの値は、電池の充放電状態により決まり、0.05~1.10の数を示す。}、
以下の式(Xb):
LiwMIIPO4 (Xb)
{式中、MIIは、少なくとも1種の遷移金属元素を含む1種以上の遷移金属元素を示し、wの値は、電池の充放電状態により決まり、0.05~1.10の数を示す。}、及び
以下の式(Xc):
LitMIII uSiO4 (Xc)
{式中、MIIIは、少なくとも1種の遷移金属元素を含む1種以上の遷移金属元素を示し、tの値は、電池の充放電状態により決まり、0.05~1.10の数を示し、そしてuは0~2の数を示す。}
のそれぞれで表される化合物が挙げられる。
図1,2に示される負極160は、負極合剤から作製した負極活物質層と、負極集電体とから構成される。負極160は、非水系二次電池の負極として作用することができる。
図2に示されるとおり、本実施形態における非水系二次電池100は、正極150及び負極160の短絡防止、シャットダウン等の安全性付与の観点から、正極150と負極160との間にセパレータ170を備えることが好ましい。セパレータ170としては、限定されるものではないが、公知の非水系二次電池に備えられるものと同様のものを用いてもよく、イオン透過性が大きく、機械的強度に優れる絶縁性の薄膜が好ましい。セパレータ170としては、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜等が挙げられ、これらの中でも、合成樹脂製微多孔膜が好ましい。
図1,2に示される非水系二次電池100の電池外装110の構成は、特に限定されないが、例えば、電池缶及びラミネートフィルム外装体のいずれかの電池外装を用いることができる。電池缶としては、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウム、又はクラッド材等から成る角型、角筒型、円筒型、楕円型、扁平型、コイン型、又はボタン型等の金属缶を用いることができる。ラミネートフィルム外装体としては、例えば、熱溶融樹脂/金属フィルム/樹脂の3層構成から成るラミネートフィルムを用いることができる。
本実施形態における非水系二次電池100は、上述の非水系電解液、集電体の片面又は両面に正極活物質層を有する正極150、集電体の片面又は両面に負極活物質層を有する負極160、及び電池外装110、並びに必要に応じてセパレータ170を用いて、公知の方法により作製される。
長尺の正極150と負極160とを、正極150と負極160との間に該長尺のセパレータを介在させた積層状態で巻回して巻回構造の積層体を形成する態様;
正極150及び負極160を一定の面積と形状とを有する複数枚のシートに切断して得た正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して交互に積層した積層構造の積層体を形成する態様;
長尺のセパレータをつづら折りにして、該つづら折りになったセパレータ同士の間に交互に正極体シートと負極体シートとを挿入した積層構造の積層体を形成する態様;
等が可能である。
不活性雰囲気下において、アセトニトリル(AcN),エチルメチルカーボネート(EMC),エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネート(VC)、エチレンサルファイト(ES)を、表1に示す体積容量で加え、各化合物が所定の濃度となるように非水系溶媒を混合した。更に非水系溶媒1Lに対してヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を0.3mol,リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを1molとなるように混合することで非水系電解液(S01~S09)を調製した。更にスルホン化合物を、それぞれが表1に示す所定の濃度になるよう添加することにより、電解液(S01)~(S09)を調製した。表1における添加剤の略称は、それぞれ以下の意味である。また、表1におけるスルホン化合物の質量%は、前記非水系電解液の全量に対する割合を示している。
(スルホン化合物)
ジフェニルスルホン:DPS
フェニルビニルスルホン:PVS
(2-1)正極の作製
(A)正極活物質としてリチウム、ニッケル、マンガン、及びコバルトの複合酸化物(LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2)と、(B)導電助剤として、アセチレンブラック粉末と、(C)バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、94:3:3の質量比で混合し、正極合剤を得た。
(a)負極活物質として、グラファイト粉末と、(b)導電助剤としてカーボンブラック粉末(Super-P)と、(c)バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、90:3:7の固形分質量比で混合し、負極合剤を得た。
CR2032タイプの電池ケース(SUS304/Alクラッド)にポリプロピレン製ガスケットをセットし、その中央に上述のようにして得られた正極を直径15.958mmの円盤状に打ち抜いたものを、正極活物質層を上向きにしてセットした。その上からガラス繊維濾紙(アドバンテック社製、GA-100)を直径16.156mmの円盤状に打ち抜いたものをセットして、非水系電解液を150μL注入した後、上述のようにして得られた負極を直径16.156mmの円盤状に打ち抜いたものを、負極活物質層を下向きにしてセットした。更にスペーサーとスプリングをセットした後に電池キャップをはめ込み、カシメ機でかしめた。あふれた電解液はウエスできれいにふきとった。25℃で12時間保持し、積層体に非水系電解液を十分馴染ませてコイン型非水系二次電池を得た。
上述のようにして得られたコイン型非水系二次電池について、まず、下記(3-1)の手順に従って初回充放電処理を行った。次に(3-2)の手順に従ってそれぞれのコイン型非水系二次電池を評価した。なお、充放電はアスカ電子(株)製の充放電装置ACD-M01A(商品名)及びヤマト科学(株)製のプログラム恒温槽IN804(商品名)を用いて行った。
ここで、1Cとは満充電状態の電池を定電流で放電して1時間で放電終了となることが期待される電流値を意味する。
非水系二次電池の周囲温度を25℃に設定し、0.1Cに相当する0.3mAの定電流で初回充電を行い4.2Vに到達した後、0.03Cに相当する0.09mAの定電流で3.0Vまで放電した。その後0.1Cに相当する定電流で充電し、4.2Vの定電圧で電流が0.025Cに減衰するまで充電を行った。
次に、充放電装置から非水系二次電池を取り出し、85℃に設定した恒温槽に入れ12時間静置した。
上記(3-1)に記載の方法で初回充放電処理を行った小型非水系二次電池について、25℃条件下で0.1Cに相当する0.3mAの定電流で4.2Vまで充電し、25℃条件下で0.3C放電における10秒放電DCIRを測定した。(3-2)に記載の方法で貯蔵後、50℃条件下で0.3C放電における10秒放電DCIRを測定した。下記式(1-2)を用いて、貯蔵前後での変化率を調べた。なお、放電開始後10秒間の電圧変化は、アスカ電子(株)製の充放電装置ACD-M01Aで得られる充放電の電圧の値より求めた。
式(1-1):10秒放電DCIR=(放電開始後10秒間の電圧変化)/(放電開始後10秒間の放電電流値)
式(1-2):10秒放電DCIR変化率=(85℃貯蔵後10秒放電DCIR)/(85℃貯蔵前10秒放電DCIR)
[実施例1~2及び比較例1~5]
表1に示される各電解液を用いて、イオン伝導度および上記のとおりに、非水系二次電池を組み立てて初回充放電処理と10秒DCIR変化率の測定を行なった。ここで、各試験結果の解釈について述べる。
上記(3-1)に記載の方法で初回充放電処理を行った非水系二次電池について、周囲温度を50℃に設定し、2Cに相当する6mAの定電流で4.2Vに到達した後、4.2Vの定電圧で電流が0.025Cに減衰するまで充電を行い、0.3Cに相当する0.9mAの電流値で3Vまで一度放電した。その後、上記と同様の充電を行い、2Cに相当する6mAの電流値で3Vまで電池を放電する充放電試験を100サイクル行った。
[実施例3~5及び比較例6~11]
表1に示される各電解液を用いて、上記のとおりに、非水系二次電池を組み立てて初回充放電処理とサイクル試験を行なった。ここで、各試験結果の解釈について述べる。
電解液S1~S3をそれぞれ含有するコイン型非水電池について、(3-1)よりも低いレートでの初回充電を検討した(比較例12~14)。非水系二次電池の周囲温度を25℃に設定し、0.025Cに相当する0.075mAの定電流で初回充電を行い、4.2Vに到達した後、0.03Cに相当する0.09mAの定電流で放電して3.0Vに到達した後、0.1Cに相当する定電流で充電して4.2Vの定電圧で電流が0.025Cに減衰するまで充電を行った。その後(3-2)、(3-4)に記載の方法で高温貯蔵及びサイクル試験を行いそれぞれの容量維持率を評価した。
110 電池外装
120 電池外装の空間
130 正極リード体
140 負極リード体
150 正極
160 負極
170 セパレータ
Claims (8)
- 正極と負極と非水系電解液とを備える非水系二次電池であって、
前記非水系電解液が、アセトニトリルを含む非水系溶媒と、リチウム塩と、
下記一般式(1):
{式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン基、又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を示す。)で表されるスルホン化合物と、を含み、
前記スルホン化合物の含有量が前記非水系電解液の全量に対して、0.5質量%以上2質量%以下であり、
25℃における前記非水系電解液のイオン伝導度が12mS/cm以上30mS/cm以下であり、
下記式(1-1):
10秒放電DCIR=(放電開始後10秒間の電圧変化)/(放電開始後10秒間の放電電流値) ・・・式(1-1)
で表される10秒放電DCIRについて、85℃及び12時間の貯蔵前後での下記式(1-2):
10秒放電DCIR変化率=(85℃貯蔵後10秒放電DCIR)/(85℃貯蔵前10秒放電DCIR) ・・・式(1-2)
で表される10秒放電DCIR変化率が0超え1.3以下である、
非水系二次電池。 - 前記非水系溶媒の全量に対してビニレンカーボネートが2体積%未満である、請求項1に記載の非水系二次電池。
- 前記非水系電解液中の非水系溶媒の全量に対して、前記アセトニトリルの含有量が10~60体積%である、請求項1又は2に記載の非水系二次電池。
- 前記リチウム塩がリチウム含有イミド塩と六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1~3のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
- 前記一般式(1)で示されるスルホン化合物としてジフェニルスルホンを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
- 前記正極は、正極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料からなる群より選ばれる1種以上の材料を含有し、前記負極は、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料と、金属リチウムと、からなる群より選ばれる1種以上の材料を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の非水系二次電池。
- 前記正極活物質がリチウムと遷移金属の複合酸化物であり、負極活物質が黒鉛である、請求項6に記載の非水系二次電池。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の非水系二次電池の製造方法であって、
1時間で設定容量を放電できる電流量を1Cとした時に、0.1C以上の充電速度で初回充電を行う工程を有する、非水系二次電池の製造方法。
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| JP2022054437A JP7840191B2 (ja) | 2022-03-29 | 2022-03-29 | 非水系二次電池及びその製造方法 |
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