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JP7840824B2 - 予兆検知システム及び予兆検知方法 - Google Patents
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JP7840824B2 - 予兆検知システム及び予兆検知方法 - Google Patents

予兆検知システム及び予兆検知方法

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Description

本発明は、予兆検知システム及び予兆検知方法に関する。
油冷却装置は冷却対象装置内に設けられ、冷却対象装置の定格範囲内の稼働状況であれば、冷却対象装置内のオイルを適正範囲内に冷却する。このため、冷却対象装置が異常状態に至ることはない。ただし、油冷却装置の冷却性能劣化が発生すると、冷却対象装置内のオイル温度は上昇して、冷却対象装置が異常状態に至り、冷却対象装置の安全な安定稼働が困難になる。通常、オイル温度が上昇して異常状態に至ると、油冷却装置のチェック機構が働き、冷却対象装置の稼働が停止する。
また、下記特許文献1は、診断実行部と、配置部と、診断対象機器と、診断サーバと、ネットワークにより構成される故障予兆診断システムを開示する。この故障予兆診断システムでは、診断実行部は、センサ入力処理、前処理、診断処理、後処理の処理モジュールと、処理モジュールを接続する共通インターフェースを有し、配置部が、処理モジュールを、診断対象機器又は診断サーバに配置及び実行する。
特開2016-12157号公報
油冷却装置の冷却性能劣化の要因には、オイルクーラの目詰まり、オイルフィルタの目詰まり、オイル品質劣化、オイル配管劣化等が挙げられる。油冷却装置の冷却性能劣化は、冷却対象装置の同一負荷に対するオイル温度の差として現れる。しかし、負荷が高いとオイル温度に顕著な差として現れるが、負荷が低いとオイル温度の差は顕著に現れず、冷却性能劣化の予兆検知は困難である。
本発明は、冷却性能劣化の予兆検知の高精度化を図ることを目的とする。
本願において開示される発明の一側面となる予兆検知システムは、温度上昇源と前記温度上昇源を冷却媒体で冷却する冷却部とを有する冷却対象装置の時系列な稼働データを取得し、該稼働データから特徴量を抽出する前処理部と、訓練用の前記稼働データから前記前処理部によって抽出された前記特徴量と、前記冷却部による冷却性能の状態を示すラベルと、に基づいて生成された訓練データを用いて構築された予兆検知モデルに対して、診断用の前記稼働データから前記前処理部によって抽出された前記特徴量を前記予兆検知モデルに入力して得られた出力に基づいて前記冷却性能を診断する予兆検知部と、を有し、前記稼働データは、前記冷却対象装置が稼働中又は待機中を示す稼働状態を有し、前記予兆検知モデルは、前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから抽出された前記特徴量に基づいて生成された前記訓練データを用いて構築されたものであり、前記予兆検知部は、前記冷却性能を診断する際に、前記予兆検知モデルに対して、前記稼働中のみに該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから抽出された前記特徴量を入力する、ことを特徴とする。
本発明の代表的な実施の形態によれば、冷却性能劣化の予兆検知の高精度化を図ることができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施形態1に係る予兆検知システムのシステム構成例を示すブロック図。 実施形態1に係る予兆検知システムの詳細なシステム構成例1を示すブロック図。 実施形態1に係る予兆検知システムの詳細なシステム構成例2を示すブロック図。 冷却対象装置の構成例を示すブロック図。 コンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図。 実施形態1に係るセンサデータテーブルの一例を示す説明図。 実施形態1に係る訓練データの作成方法の一例を示す説明図。 実施形態1に係る訓練データテーブルの一例を示す図。 吐出温度及び周囲温度の時系列データを示すグラフ。 実施形態1に係る予兆検知モデルの構築処理を示すフローチャート。 実施形態1に係る診断処理を示すフローチャート。 実施形態2に係る訓練データテーブルの一例を示す図。 実施形態2に係る予兆検知モデルの構築処理を示すフローチャート。 実施形態2に係る診断処理を示すフローチャート。 実施形態3に係る記述的特徴量を説明するための図。 実施形態3に係る訓練データテーブルの一例を示す図。 実施形態3に係る予兆検知モデルの生成処理を示すフローチャート。 実施形態3に係る診断処理を示すフローチャート。
[実施形態1]
(実施形態1の予兆検知システム100のシステム構成)
図1は、実施形態1に係る予兆検知システム100のシステム構成例を示すブロック図である。予兆検知システム100は、冷却対象装置101と、サンプリング処理部102と、データ前処理部103と、構築部104と、予兆検知部105と、を有する。
冷却対象装置101は、温度上昇源111と、センサ112と、油冷却部113と、を有する。温度上昇源111は、冷却対象装置101内での熱の発生、並びに空気圧縮等の物質への仕事により、温度上昇を引き起こす源であり、冷却対象装置101が、例えば、空気圧縮機であれば、圧縮部、モータである。センサ112は、冷却対象装置101内の各種稼働状況を検知する。センサ112は、例えば、温度センサや電流計、圧力センサである。
油冷却部113は、冷却対象装置101内を循環するオイルを冷却する機構である。本実施形態では、冷却媒体としてオイルを例に挙げて説明するが、どのような冷却媒体を使用するかは冷却対象装置101の種類に依存するため、水やフロンのようなオイル以外の冷却媒体であってもよい。
サンプリング処理部102は、センサ112からのアナログデータをデジタル変換してセンサデータ114として出力する。
データ前処理部103は、センサデータ114の外れ値の除外、センサデータ114の補間、各時刻から所定時間を遡る期間のセンサデータ114の統計量の算出等により特徴量115を算出して出力する前処理ステップを実行する。
構築部104は、特徴量115と陽性陰性ラベル116とを訓練データ115Dとし、予兆検知モデル117を構築する。具体的には、構築部104は、訓練データ115Dを用いて、例えば、決定木、ランダムフォレスト、深層学習により、予兆検知モデル117を生成する。陽性陰性ラベル116は、油冷却部113の冷却能力の正常又は異常を例えば二値のフラグ情報で示すラベルである。または、陽性陰性ラベル116は、油冷却部113の冷却能力の正常又は複数の異常の要因の中から該当する異常の要因を示す多値のフラグ情報であってもよい。
予兆検知部は、特徴量115を予兆検知モデル117に入力することにより、油冷却部113の冷却性能劣化の予兆を示す診断結果118を出力する予兆検知ステップを実行する。
図2は、実施形態1に係る予兆検知システム100の詳細なシステム構成例1を示すブロック図である。予兆検知システム100は、ユーザサイト201と、運用サイト202と、クラウドサイト203と、を有する。ユーザサイト201とクラウドサイト203、及び運用サイト202とクラウドサイト203は、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して通信可能に接続される。
ユーザサイト201は、冷却対象装置101と、第1通信制御部210と、を有する。図2では、サンプリング処理部102は、冷却対象装置101に含まれるが、ユーザサイト201内であれば、冷却対象装置101外でもよい。
運用サイト202は、データ前処理部103と、構築部104と、第2通信制御部220と、を有する。
クラウドサイト203は、データ前処理部103と、予兆検知部105と、第3通信制御部230と、を有する。
先ず、システム構成例1における予兆検知モデル117の構築処理について説明する。ユーザサイト201において、冷却対象装置101は、センサ112で検出されたアナログデータをサンプリング処理部102に出力し、サンプリング処理部102は、センサデータ114を第1通信制御部210に出力する。ユーザサイト201は、第1通信制御部210により、センサデータ114をクラウドサイト203の第3通信制御部230に送信する。
クラウドサイト203は、第3通信制御部230により、ユーザサイトからのセンサデータ114を運用サイト202の第2通信制御部220に転送する。
運用サイト202において、データ前処理部103は、第2通信制御部220によって受信されたセンサデータ114を取得して特徴量115を構築部104に出力する。構築部104は、訓練データ115D(特徴量115及び陽性陰性ラベル116)を用いて、予兆検知モデル117を構築し、第2通信制御部220に出力する。第2通信制御部220は、予兆検知モデル117をクラウドサイト203の第3通信制御部230に送信する。
クラウドサイト203において、第3通信制御部230は、運用サイト202からの予兆検知モデル117を予兆検知部105に出力する。
次に、システム構成例1における予兆検知モデル117による予兆検知処理について説明する。ユーザサイト201において、冷却対象装置101は、センサ112で検出されたアナログデータをサンプリング処理部102に出力し、サンプリング処理部102は、センサデータ114を第1通信制御部210に出力する。ユーザサイト201は、第1通信制御部210により、センサデータ114をクラウドサイト203の第3通信制御部230に送信する。
クラウドサイト203において、第3通信制御部230は、ユーザサイト201からのセンサデータ114をデータ前処理部103に出力する。データ前処理部103は、センサデータ114の外れ値を除外したり、欠損した時刻におけるセンサデータ114を補間したりすることで、特徴量115を予兆検知部105に出力する。予兆検知部105は、特徴量115を予兆検知モデル117に入力して、油冷却部113の冷却性能劣化の予兆を示す診断結果118を出力する。
図3は、予兆検知システム100の詳細なシステム構成例2を示すブロック図である。図2のシステム構成例1との相違点を中心に説明する。
ユーザサイト201は、冷却対象装置101と、第1通信制御部210と、を有する。図3では、サンプリング処理部102及びデータ前処理部103は、冷却対象装置101に含まれるが、ユーザサイト201内であれば、冷却対象装置101外でもよい。
運用サイト202は、構築部104と、第2通信制御部220と、を有する。
クラウドサイト203は、予兆検知部105と、第3通信制御部230と、を有する。
システム構成例2では、データ前処理部103は、ユーザサイト201にのみ存在する。すなわち、ユーザサイト201で特徴量115を生成することで、システム構成例1におけるセンサデータ114のサンプリング周期よりも短いサンプリング周期のセンサデータ114を用いて、予兆検知モデル117の構築及び予兆検知が可能になる。
先ず、システム構成例2における予兆検知モデル117の構築処理について説明する。ユーザサイト201において、冷却対象装置101は、センサ112で検出されたアナログデータをサンプリング処理部102に出力し、サンプリング処理部102は、センサデータ114をデータ前処理部103に出力する。データ前処理部103は、センサデータ114の外れ値を除外したり、欠損した時刻におけるセンサデータ114を補間したりすることで、特徴量115を第1通信制御部210に出力する。ユーザサイト201は、第1通信制御部210により、特徴量115をクラウドサイト203の第3通信制御部230に送信する。
クラウドサイト203は、第3通信制御部230により、ユーザサイトからの特徴量115を運用サイト202の第2通信制御部220に転送する。
運用サイト202において、第2通信制御部220は、ユーザサイト201からの特徴量115を構築部104に出力する。構築部104は、訓練データ115D(特徴量115及び陽性陰性ラベル116)を用いて、予兆検知モデル117を構築し、第2通信制御部220に出力する。第2通信制御部220は、予兆検知モデル117をクラウドサイト203の第3通信制御部230に送信する。
クラウドサイト203において、第3通信制御部230は、運用サイト202からの予兆検知モデル117を予兆検知部105に出力する。
次に、システム構成例2における予兆検知モデル117による予兆検知処理について説明する。ユーザサイト201において、冷却対象装置101は、センサ112で検出されたアナログデータをサンプリング処理部102に出力し、サンプリング処理部102は、センサデータ114をデータ前処理部103に出力する。データ前処理部103は、センサデータ114の外れ値を除外したり、欠損した時刻におけるセンサデータ114を補間したりすることで、特徴量115を第1通信制御部210に出力する。ユーザサイト201は、第1通信制御部210により、特徴量115をクラウドサイト203の第3通信制御部230に送信する。
クラウドサイト203において、第3通信制御部230は、ユーザサイト201からの特徴量115を予兆検知部105に出力する。予兆検知部105は、特徴量115を予兆検知モデル117に入力して、油冷却部113の冷却性能劣化の予兆を示す診断結果118を出力する。
(冷却対象装置101の構成)
図4は、冷却対象装置101の構成例を示すブロック図である。図4では、冷却対象装置101として、空気圧縮機を例に挙げて説明する。冷却対象装置101は、インバータ400と、モータ412と、圧縮部401と、オイルセパレータ402と、逆止弁403と、オイルクーラ404と、オイルフィルタ406と、アフタークーラ407と、エアクーラ408と、を有する。温度上昇源は、例えばモータ412、圧縮部401である。
インバータ400は、モータ412を回転制御する。インバータ400によって変換された交流電圧の周波数が高くなるとモータの負荷が高くなりモータが高速回転して、圧縮部401により圧縮空気がより多く生成される。また、冷却対象装置101は、第1吸気口410と、第2吸気口461と、排気口463と、圧縮空気出口480と、を有する。
また、冷却対象装置101は、センサ112として、電流計411と、吐出圧力計451と、吐出温度計452と、周囲温度計462と、を有する。電流計411は、モータ412の電流値を検出する。吐出圧力計451は、圧縮空気の吐出圧力を検出する。吐出温度計452は、圧縮部401から吐出される、オイルと混合した圧縮空気の吐出温度を検出する。オイルセパレータ402は、オイルと混合した圧縮空気をオイルと圧縮空気とに分離する。周囲温度計462は、第2吸気口461からの空気で冷却対象装置101の周囲温度を検出する。なお、センサ112は、インバータ400の電圧周波数も検出する。また、各センサ112から出力されるアナログデータは、サンプリング処理部102により同一タイミングでサンプリングされる。
圧縮部401⇒オイルセパレータ402⇒逆止弁403⇒オイルクーラ404⇒オイルフィルタ406⇒圧縮部401⇒…という経路が、油冷却部113によるオイルの循環経路である。
また、第1吸気口410⇒圧縮部401⇒セパレータ402⇒アフタークーラ407⇒エアクーラ408⇒圧縮空気出口480という経路が空気の流れであり、圧縮部401で生成された圧縮空気が、圧縮空気出口480から排出される。また、第2吸気口461から取り込まれた空気は、オイルクーラ404、アフタークーラ407、並びに圧縮部401、モータ412を冷却し、排気口463から排出される。
(コンピュータ500のハードウェア構成)
図5は、コンピュータ500のハードウェア構成例を示すブロック図である。コンピュータ500は、ユーザサイト201、運用サイト202、及びクラウドサイト203のそれぞれのサーバ装置を構成する。コンピュータ500は、プロセッサ501と、記憶デバイス502と、入力デバイス503と、出力デバイス504と、通信インターフェース(通信IF)505と、を有する。プロセッサ501、記憶デバイス502、入力デバイス503、出力デバイス504、及び通信IF505は、バス506により接続される。プロセッサ501は、コンピュータ500を制御する。
記憶デバイス502は、プロセッサ501の作業エリアとなる。また、記憶デバイス502は、各種プログラムやデータを記憶する非一時的な又は一時的な記録媒体である。記憶デバイス502としては、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリがある。
入力デバイス503は、データを入力する。入力デバイス503としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、テンキー、スキャナ、マイク、センサがある。出力デバイス504は、データを出力する。出力デバイス504としては、例えば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカがある。通信IF505は、ネットワークと接続し、データを送受信する。
(データ前処理)
次に、データ前処理部103によるデータ前処理例について説明する。
図6は、センサデータテーブルの一例を示す説明図である。センサデータテーブル600は、センサデータ114を保持するコンピュータ500に存在する。センサデータテーブル600は、センサデータ114をエントリとするテーブルであり、フィールドとして、日時601、吐出圧力602、吐出温度603、周囲温度604、負荷率605、電流値606、電源607、及び稼働状態608を含む。
日時601は、センサ112からのアナログデータをサンプリング処理部102がサンプリングした日付時刻である。吐出圧力602は、吐出圧力計451からのアナログデータをサンプリング処理部102がサンプリングした日付時刻での圧縮空気の吐出圧力値である。吐出温度603は、吐出温度計452からのアナログデータをサンプリング処理部102がサンプリングした日付時刻でのオイルと混合した圧縮空気の吐出温度である。周囲温度604は、周囲温度計462からのアナログデータをサンプリング処理部102がサンプリングした日付時刻での冷却対象装置101の周囲温度である。
負荷率605は、インバータ400からのアナログデータ(交流電圧の周波数)をサンプリング処理部102がサンプリングした日付時刻でのモータ412にかかる稼働負荷の割合を示す値である。負荷率605は、インバータ400によって変換された交流電圧の周波数に応じて増減する。
電流値606は、電流計411からのアナログデータをサンプリング処理部102がサンプリングした日付時刻でのモータ412に印加した電流の値である。電源607は、センサ112からのアナログデータをサンプリング処理部102がサンプリングした日付時刻での冷却対象装置101の電源がON又はOFFのいずれであるかを示す値である。
電源607は、電源ONで“1”、電源OFFで“0”の値を取る。稼働状態608は、センサ112からのアナログデータをサンプリング処理部102がサンプリングした日付時刻で冷却対象装置101が稼働中であるかアイドル中(待機中)であるかを示す値である。稼働状態608は、冷却対象装置101が稼働中で“1”、アイドル中で“0”の値を取る。
(予兆検知モデル構築)
次に、構築部104による予兆検知モデル構築例について説明する。構築部104は、訓練データ115D(特徴量115及び陽性陰性ラベル116)の生成と、訓練データ115Dのデータセットを用いた予兆検知モデル117の生成と、を実行する。先ず、訓練データ115Dの生成について説明する。
図7Aは、実施形態1に係る訓練データ115Dの作成方法の一例を示す説明図である。図7Bは、実施形態1に係る訓練データテーブル700の一例を示す図である。図7Bに示す訓練データテーブル700は、特徴量115を保持するコンピュータ500に存在する。
訓練データテーブル700は、訓練データ115D(特徴量115及び陽性陰性ラベル116)をエントリとするテーブルである。訓練データテーブル700は、フィールドとして、日時601、吐出圧力602、吐出温度603、周囲温度604、負荷率605、及び電流値606を含む。さらに訓練データテーブル700は、フィールドとして、吐出圧力StF702、吐出温度StF703、周囲温度StF704、負荷率StF705、電流値StF706、及び陽性陰性ラベル116を含む。特徴量115は、吐出圧力602、吐出温度603、周囲温度604、負荷率605、電流値606、吐出圧力StF702、吐出温度StF703、周囲温度StF704、負荷率StF705、及び電流値StF706を含む。StFは、Statistical Featureの略である。
なお、稼働状態608及び対応する稼働状態の統計的特徴量が、訓練データテーブル700から除外されている。また電源607及び対応する電源の統計的特徴量も、油冷却部113の冷却性能の異常の予兆検出に対して寄与度が低い項目として、訓練データテーブル700から除外されている。寄与度が低いとして除外される項目は、電源607及び対応する電源の統計的特徴量StF(t)に限らず、例えば構築された予兆検知モデル117のモデル評価によって決定されてもよい。
構築部104は、運用サイト202の運用者からの操作入力により、冷却性能の異常発生日時の入力を受け付ける。構築部104は、図7Aに示すように、異常発生の日時601をt1とすると、異常発生日時t1から所定時間T1(第1統計期間)だけさかのぼった日時(t1-T1)から日時t1までの期間を陽性期間に設定する。構築部104は、陽性期間の特徴量115の陽性陰性ラベル116を、陽性を示す「1」に設定する。また、構築部104は、日時(t1-T1)以前の陽性陰性ラベル116が付与されていない期間を陰性期間に設定して、陰性期間の特徴量115の陽性陰性ラベル116を、陰性を示す「0」に設定する。
図7Aに示すように、ある日時601(時刻t)のセンサデータ114を稼働データD(t)とする。この時刻tに対する第1統計期間に含まれる稼働データD(t)の集合を稼働データEvD(t1)とする。稼働データD(t),EvD(t)は、稼働状態608と油冷却部113の冷却性能の異常の予兆検出に対して寄与度が低い項目(本実施形態では電源607)が除外される。
稼働データD(t)と稼働データEvD(t1)の和集合の各項目値の統計量を時刻tの統計的特徴量StF(t)とする。統計量は、最大値、最小値、平均値、分散、標準偏差、自己共分散、自己相関等である。稼働データD(t)と統計的特徴量StF(t)を結合したデータが時刻tの特徴量115である。この特徴量115と陽性陰性ラベル116を結合したデータが訓練データ115Dである。
例えば、サンプリング処理部102のサンプリング周期が30分であったとする。日時t1をある年月日の12:30とし、所定時間T1を12時間とすると、日時t0は、当該ある日時の0:30となる。この場合、データ前処理部103は、0:30(日時t0)から12:30(日時t1)までの30分毎のセンサデータ114の統計量を算出する。データ前処理部103は、12:30(日時t1)のセンサデータ114と、0:30(日時t0)から12:30(日時t1)の1つ前の日時である12:00までの30分毎のセンサデータ114の統計量とを、日時t1の特徴量115として出力する。
上述の処理を各日時601について実行することで、図7Bに示すように、複数の訓練データ115Dを含んだ訓練データテーブル700が生成される。
なお、サンプリング周期が所定周期以下の場合、センサデータ114が膨大になる。特に、図3に示したシステム構成例2の場合、第1通信制御部210から第3通信制御部230への送信データ量が増大する。よって、ユーザサイト201とクラウドサイト203との間の通信データ量に制限がある場合、ユーザサイト201からクラウドサイト203へのデータ送信ができないことになる。このような場合に備えて、データ前処理部103は、高速フーリエ変換により、センサデータ114を周波数成分に変換する。
例えば、サンプリング処理部102のサンプリング周期が10msecであったとする。日時t1をある年月日の12:30とし、所定時間T1を30分とすると、日時t0は、当該ある日時の12:00となる。この場合、データ前処理部103は、12:00(日時t0)から12:30(日時t1)までの10msec毎のセンサデータ114を高速フーリエ変換により周波数成分に変換し、当該周波数成分を12:30(日時t1)の特徴量115として出力する。なお、周波数成分の特徴量115は、運用サイト202においてそのまま予兆検知モデル117の構築に用いられてもよく、運用サイト202で逆高速フーリエ変換することにより、時系列な特徴量115に変換されてもよい。
また、データ前処理部103は、例えば、センサデータ114の負荷率605がしきい値以上であれば特徴量115として出力し、しきい値未満であれば特徴量115として出力しない、としてもよい。
また、データ前処理部103は、第1しきい値以上のセンサデータ114を第1特徴量115として出力し、第1しきい値よりも低い第2しきい値未満のセンサデータ114を第2特徴量115として出力してもよい。なおこの場合、構築部104は、第1特徴量115を用いて第1予兆検知モデル117を構築してもよく、第2特徴量115を用いて第2予兆検知モデル117を構築してもよい。
また、データ前処理部103は、時系列なセンサデータ114の集合のうち、オイルの吐出温度603の時系列データについて、日時601ごとに所定時間幅の移動平均値を算出する。そして、データ前処理部103は、日時601毎に算出した移動平均値の最大値と最小値との範囲において、上位p%以上の移動平均値となるセンサデータ114を特徴量115に決定して出力してもよい。そして、データ前処理部103は、上位p%未満の移動平均値となるセンサデータ114を特徴量115として出力しないとしてもよい。
また、構築部104は、時系列なセンサデータ114の集合において、吐出温度603の上昇開始から上昇終了までの温度上昇期間を特定することにより、特徴量115ごとに訓練データ115Dのデータセットを生成してもよい。
図8は、吐出温度603及び周囲温度604の時系列データを示すグラフである。グラフ800において、構築部104は、吐出温度603が所定以上の勾配で連続的に上昇する上昇傾向な期間を特定する。当該期間の開始日時は、吐出温度603の最低値となる日時であり、上昇開始の日時となる。また、ある日時の吐出温度603が次の日時で所定温度以上下降した場合(例えば、上昇開始の日時の吐出温度603以下)、当該ある日時を上昇終了日時となる。構築部104は、上昇開始の日時から上昇終了の日時までの期間を温度上昇期間として特定する。
そして、構築部104は、温度上昇期間に冷却性能の異常発生日時が含まれていれば温度上昇期間を陽性期間に設定して、陽性期間の特徴量115の陽性陰性ラベル116を、陽性を示す「1」に設定する。一方、構築部104は、温度上昇期間に冷却性能の異常発生日時が含まれていなければ陰性期間に設定して、陰性期間の特徴量115の陽性陰性ラベル116を、陰性を示す「0」に設定する。また、構築部104は、温度上昇期間外についてもの陰性期間に設定して、陰性期間の特徴量115の陽性陰性ラベル116を、陰性を示す「0」に設定してもよい。
(実施形態1に係る予兆検知モデル117の構築処理)
図9は、実施形態1に係る予兆検知モデル117の構築処理を示すフローチャートである。予兆検知モデル117の構築処理は、ユーザ指示によるセンサデータテーブル600(図6)の入力を契機として構築部104によって実行される。
先ずステップS11では、構築部104は、時刻のインデックスであるtにセンサデータテーブル600の処理対象の先頭レコードに該当する初期値をセットする。
次にステップS12では、構築部104は、センサデータテーブル600からステップS11でセットした時刻tのエントリ(訓練用の稼働データD(t))を読み込む。次にステップS13では、構築部104は、センサデータテーブル600から時刻tに対する第1統計期間のエントリ(訓練用の稼働データEvD(t))を読み込む。
次にステップS14では、構築部104は、稼働データD(t),EvD(t)から、稼働状態608、及び、油冷却部113の冷却性能の異常の予兆検出に対して寄与度が低い項目(本実施形態では電源607)を除外する。
次にステップS15では、構築部104は、稼働データD(t)と稼働データEvD(t)の和集合のデータセットから時刻tの統計的特徴量StF(t)を算出する。具体的には、稼働データD(t)と稼働データEvD(t)の和集合のデータセットの各データの項目毎に、既述のように統計量を算出する。次にステップS16では、構築部104は、時刻(t)の稼働データD(t)と統計的特徴量StF(t)と結合して、時刻tの特徴量F(t)(特徴量115)とする。
次にステップS17では、構築部104は、時刻tをインクリメントする。次にステップS18では、構築部104は、時刻tがセンサデータ114の最後のエントリに該当する時刻を超えたか否かを判定する。構築部104は、時刻tがセンサデータ114の最後のエントリに該当する時刻を超えた(ステップS18Yes)場合にステップS19に処理を移し、超えていない(ステップS18No)場合にステップS12に処理を戻す。
ステップS19では、構築部104は、ステップS11~S18によって作成された訓練データテーブル700に基づいて、「正常期間」と「予兆期間」を分類する予兆検知モデルを学習する。
(実施形態1に係る予兆検知処理)
図10は、実施形態1に係る診断処理を示すフローチャートである。診断処理は、ユーザ指示による診断用稼働データ(センサデータテーブル600(図6))の入力を契機として予兆検知部105によって実行される。
先ずステップS21では、予兆検知部105は、現在時刻cの稼働データD(c)(診断用の稼働データ)を読み込む。次にステップS22では、予兆検知部105は、稼働データD(c)の「稼働状態」の値が“1”(稼働中)か否かを判定する。予兆検知部105は、稼働データD(c)の「稼働状態」の値が“1”(稼働中)である場合(ステップS22Yes)にステップS23に処理を移し、“0”(アイドル中)である場合にステップS29に処理を移す。
ステップS23では、予兆検知部105は、診断用稼働データから現在時刻cに対する第1統計期間の稼働データEvD(c)(診断用の稼働データ)を読み込む。次にステップS24では、予兆検知部105は、稼働データD(c),EvD(c)から「稼働状態」及び寄与度が低い項目を除外する。
次にステップS25では、予兆検知部105は、ステップS15(図9)と同様に、稼働データD(t),EvD(c)から現在時刻cの統計的特徴量StF(c)を算出する。次にステップS26では、予兆検知部105は、稼働データD(c)と統計的特徴量StF(c)を結合して現在時刻cの特徴量F(c)を生成する。
次にステップS27では、予兆検知部105は、特徴量F(c)を予兆検知モデル117に入力し、予兆検知モデル117が出力する陽性又は陰性のラベルに基づいて、油冷却部113の冷却能力の診断(「予兆期間」「平常期間」の算出)を行う。次にステップS28では、予兆検知部105は、ステップS26の診断結果を出力する。
一方ステップS29では、予兆検知部105は、診断をキャンセルする。
(実施形態1の効果)
本実施形態では、予兆検知モデル117は、稼働中及びアイドル中に該当する稼働状態608を有する稼働データD(t)から稼働状態608を除外して抽出された特徴量115に基づいて生成された訓練データ115Dを用いて構築されたものである。一方、予兆検知部105は、油冷却部113の冷却性能を診断する際に、予兆検知モデル117に対して、稼働中のみに該当する稼働状態608を有する稼働データD(t)から稼働状態608を除外して抽出された特徴量115を入力する。よって、診断時において稼働状態608が待機中の稼働データD(t)を診断対象から除外することで、直近で待機中が連続した場合に、正常(陰性)であるにもかかわらず異常(陽性)と診断してしまう偽陽性の発生を回避し、予兆診断の精度を向上させる。すなわち、冷却対象装置101の異常発生による性能劣化、冷却対象装置101の停止、及び冷却対象装置101の故障を適切に予測し、未然に回避できる。
また本実施形態では、特徴量115は、時系列の各時刻以前の第1統計期間に含まれるそれぞれの時刻tにおける稼働データEvD(t)の統計量である統計的特徴量StF(t)を含む。よって、直近の一定期間における吐出圧力、吐出温度、周囲温度、負荷率等に関する冷却対象装置101の内部状態の特徴に応じて、障害を適切に予測することができる。
また本実施形態では、予兆検知モデル117は、稼働中及び待機中に該当する稼働状態608を有する稼働データD(t),EvD(t)から稼働状態608を除外した上で抽出された特徴量115に基づいて生成された訓練データ115Dを用いて構築されている。予兆検知部105は、冷却性能を診断する際に、予兆検知モデル117に対して、稼働中のみに該当する稼働状態608を有する稼働データD(t),EvD(t)から稼働状態608を除外した上で抽出された特徴量115を入力する。よって、モデル構築時及び診断時において稼働状態608を対象から除外することで、上述の偽陽性の発生を回避できる。
(実施形態1の変形例)
実施形態1では、モデル構築時及び診断時において特徴量115に統計的特徴量StF(t)を含めている(図7B)が、特徴量115から統計的特徴量StF(t)を除外してもよい。
[実施形態2]
実施形態1では、予兆検知システム100は、予兆検知モデル117の構築処理の際に、稼働状態608が冷却対象装置101の稼働中及びアイドル中の何れを示す稼働データ(センサデータ114)であっても、訓練データとして用いる。その一方で、予兆検知システム100は、予兆検知処理の際には、稼働状態608が冷却対象装置101のアイドル中を示す稼働データを診断対象から除外する。すなわち実施形態1では、稼働状態608が冷却対象装置101のアイドル中を示す稼働データの場合に予兆検知を行うことができない。
そこで実施形態2では、実施形態1で予兆検知処理の際に除外した稼働状態608が冷却対象装置101のアイドル中を示す稼働データも診断対象とし、稼働状態608が稼働中及びアイドル中の何れを示す稼働データであっても、予兆検知を行えるようにした。
すなわち実施形態2では、予兆検知システム100は、予兆検知モデル117の構築処理及び予兆検知処理の際に、稼働状態608が冷却対象装置101の稼働中及びアイドル中の何れを示す稼働データであっても用いる。このため、特徴量F(t)及び統計的特徴量StF(t)に「待機状態」の項目を含めた。
以下、実施形態2の説明では、実施形態1との差異部分を中心に説明する。実施形態2は、実施形態1との差異分以外は、実施形態1と同様である。
(実施形態2に係る訓練データテーブル700B)
図11は、実施形態2に係る訓練データテーブル700Bの一例を示す図である。訓練データテーブル700Bは、実施形態1の訓練データテーブル700と比較して、稼働状態608及び対応する稼働状態StF708が訓練データテーブル700Bから除外されず、訓練データテーブル700Bに含まれている。その他の点では、訓練データテーブル700Bは、訓練データテーブル700と同様である。実施形態2では、訓練データテーブル700Bの各特徴量115Bを、実施形態1の特徴量115に代えて、訓練データ115Dとして用いる。
図11を、実施形態1の図7Bと対比すると、実施形態2では、統計的特徴量StFの算出の際に、稼働状態608に基づく稼働状態StF708を算出し、稼働状態608と稼働状態StF708を特徴量115Bに含めている。すなわち実施形態2では、訓練データ115Dの特徴量115Bは、稼働状態608と、稼働状態608の統計的特徴量StFである稼働状態StF708を含んでいる。
(実施形態2に係る予兆検知モデル117の構築処理)
図12は、実施形態2に係る予兆検知モデル117の構築処理を示すフローチャートである。実施形態2に係る予兆検知モデル117の構築処理は、実施形態1と比較して、ステップS14に代えてステップS14Bが実行される点が異なり、その他は同様である。
ステップS14Bでは、構築部104は、稼働データD(t),EvD(t)から、稼働状態608以外の油冷却部113の冷却性能の異常の予兆検出に対して寄与度が低い項目を除外する。すなわち、ステップS14Bでは、稼働状態608は除外されない。
(実施形態2に係る予兆検知処理)
図13は、実施形態2に係る予兆検知処理を示すフローチャートである。実施形態2に係る予兆検知処理は、実施形態1と比較して、ステップS22,S29が省略され、ステップS24に代えてステップS24Bが実行される点が異なり、その他は同様である。
ステップS24Bでは、予兆検知部105は、稼働データD(t),EvD(t)から、稼働状態608以外の油冷却部113の冷却性能の異常の予兆検出に対して寄与度が低い項目を除外する。すなわち、ステップS24Bでは、稼働状態608は除外されない。
(実施形態2の効果)
本実施形態では、予兆検知部105は、冷却性能を診断する際に、予兆検知モデルに対して、稼働中及び待機中に該当する稼働状態608を有する稼働データD(t),EvD(t)から稼働状態608を含めて抽出された特徴量115Bを入力する。よって、直近で待機中が連続した場合に、正常(陰性)であるにもかかわらず異常(陽性)と診断してしまう偽陽性の発生を回避できる上、待機中も冷却性能を診断することができる。
(実施形態2の変形例)
実施形態2では、診断処理(図13)において、特徴量115Bの生成時に、稼働データD(c),EvD(c)には稼働状態608が“1”(稼働中)及び“0”(アイドル中)の何れのデータも含めている。しかしこれに限らず、実施形態1と同様に、稼働データD(c),EvD(c)から稼働状態608が“0”(アイドル中)のデータを除外してもよい。すなわち、図13において、ステップS21とS23の間でステップS22(図10)が実行され、ステップS22:Yesの場合にステップS23に処理を移し、ステップS22:Noの場合に診断をキャンセルする(ステップS29)としてもよい。
また実施形態2では、特徴量115Bに統計的特徴量StF(t)を含めている(図11)が、特徴量115から統計的特徴量StF(t)を除外してもよい。
[実施形態3]
冷却対象装置101は、内部状態を持つため、直近の一定期間における吐出圧力、吐出温度、周囲温度、負荷率等に関して、それぞれの高低の時系列的な変化のパターンに応じて障害予兆が出る特徴が変わる場合がある。例えば、直近の一定期間において、吐出圧力、周囲温度、負荷率が一定にもかかわらず、吐出温度に上昇傾向が見られると、実施形態1及び2では障害予兆が現れなくても、実際には障害に至る場合がある。
そこで実施形態3では、直近の一定期間において、この直近の一定期間を等間隔に区分した区間毎に稼働データの項目毎に算出した統計量の時系列的な変化のパターンを、予兆検知モデル生成及び予兆検知処理で用いる特徴量に含めるようにした。この“直近の一定期間を等間隔に区分した区間毎に稼働データの項目毎に算出した統計量の時系列的な変化のパターン”を、記述的統計量(PAA:Piecewise Aggregate Approximation)という。
(記述的特徴量)
図14は、実施形態3に係る記述的特徴量を説明するための図である。図14を参照して記述的特徴量を説明する。センサデータ114の各項目値である稼働データの値が瞬時値を取ったある時刻tから時間を遡った所定期間T2(第2統計期間)をk個の等間隔の区間に区分し、区間毎の稼働データの値の統計量を各区間の代表値として算出する。このk個の区間毎の代表値を時刻tのk個の特徴量としたものが、時刻tの記述的特徴量である。
この“k”は、第2統計期間と、第2統計期間を区分した各区間の区間長に応じて決まる。区間毎の稼働データの推移値の統計量は、平均値、最大値、最小値、中央値、標準偏差、歪度、尖度等である。また、k個の等間隔の各区間の長さは、30分、1時間、1日、1週間、1ヶ月等である。各時刻についてこの処理を行うことで、瞬時値の推移TR1が、区間毎の代表値の時系列TS2となる。
なお、本実施形態では、第2統計期間は、実施形態1の第1統計区間と同一長として説明する。しかし、第2統計期間は、第1統計区間と同一長とは限らない。第2統計期間は、例えば第1統計区間の区間長よりも長くてもよい。
(実施形態3に係る訓練データテーブル700C)
図15は、実施形態3に係る訓練データテーブル700Cの一例を示す図である。訓練データテーブル700Cは、実施形態1の訓練データテーブル700と同様に、稼働状態608及び対応する稼働状態StF708が訓練データテーブル700Cから除外されている。また、訓練データテーブル700Cは、実施形態1の訓練データテーブル700と同様に、油冷却部113の冷却性能の異常の予兆検出に対して寄与度が低い項目(本実施形態では電源607)が除外されている。
訓練データテーブル700Cには、吐出圧力602、吐出温度603、周囲温度604、負荷率605、及び電流値606が格納されている。また、訓練データテーブル700Cには、吐出圧力602、吐出温度603、周囲温度604、負荷率605、及び電流値606の各統計的特徴量StF(t)が、StF_70Xのフィールドに格納されている。図15では、StF_70Xの各項目の図示を省略している。
さらに訓練データテーブル700Cには、統計的特徴量StF(t)を算出した日時“ymdt1”~“ymdt8”の第2統計期間を4等分した日時601の区間毎に各項目の統計量を算出した時系列な記述的特徴量PAA(t)を格納するフィールドがある。第2統計期間を4等分した4つの日時601の区間は、“ymdt1”~“ymdt2”、“ymdt3”~“ymdt4”、“ymdt5”~“ymdt6”、“ymdt7”~“ymdt8”である。また、PAA(t)={PAA1(t),PAA2(t),PAA3(t),PAA4(t)}である。記述的特徴量PAA(t)を格納する訓練データテーブル700Cのフィールドは、PAA1_7Y1,PAA2_7Y2,PAA3_7Y3,及びPAA4_7Y4である。
図15では、記述的特徴量PAA1(t),PAA2(t),PAA3(t),PAA4(t)の各項目の表示を省略している。なお、統計的特徴量StF(t)を算出した期間の分割方法は4分割に限られない。
すなわち実施形態3では、訓練データ115D及び診断用データの特徴量115Cは、統計的特徴量StF(t)及び記述的特徴量PAA(t)を含んでいる。その他の点では、訓練データテーブル700Cは、訓練データテーブル700と同様である。
(実施形態3に係る予兆検知モデル117の構築処理)
図16は、実施形態3に係る予兆検知モデル117の構築処理を示すフローチャートである。実施形態3に係る予兆検知モデル117の構築処理は、実施形態1と比較して、ステップS15に代えてステップS15Cが実行され、ステップS16に代えてステップS16Cが実行される点が異なり、その他は同様である。
ステップS15Cでは、構築部104は、稼働データD(t),EvD(t)から統計的特徴量StF(t)と、記述的特徴量PAA(t)を算出する。ステップS16Cでは、構築部104は、稼働データD(t)、統計的特徴量StF(t)、及び記述的特徴量PAA(t)を結合して特徴量F(t)を生成する。
(実施形態3に係る予兆検知処理)
図17は、実施形態3に係る予兆検知処理を示すフローチャートである。実施形態3に係る予兆検知処理は、実施形態1と比較して、ステップS22,S29が省略され、ステップS25に代えてステップS25C、ステップS26に代えてステップS26Cがそれぞれ実行される点が異なり、その他は同様である。
ステップS25Cでは、予兆検知部105は、既述のように稼働データEvD(c)から現在時刻cの統計的特徴量StF(c)と共に記述的特徴量PAA(t)を算出する。次にステップS26Cでは、予兆検知部105は、稼働データD(c)と統計的特徴量StF(c)と記述的特徴量PAA(t)とを結合して現在時刻cの特徴量F(c)を生成する。
なお、記述的特徴量PAA(t)の算出を行う機能部は、クラウドサイト203のサーバに設けても、ユーザサイト201のエッジに設けても、何れでもよい。記述的特徴量PAA(t)の算出をクラウドサイト203のサーバで行うと、ユーザサイト201のエッジに計算負荷を掛けることがないので、エッジの限られたリソースを記述的特徴量PAA(t)の算出に消費してしまうことを回避できる。一方、記述的特徴量PAA(t)の算出をユーザサイト201のエッジで行うと、クラウドサイト203のサーバへの負荷集中を回避し、負荷分散を図ることができる。
(実施形態3の効果)
本実施形態では、モデル構築時及び診断時に用いる特徴量115Cは、時系列の各時刻以前の第2統計期間を分割した複数の区間毎に算出された各区間に含まれるそれぞれの時刻tにおける稼働データD(t),EvD(t)の統計量である記述的特徴量を含む。よって、直近の一定期間における吐出圧力、吐出温度、周囲温度、負荷率等に関する冷却対象装置101の内部状態の変化のパターンの特徴に応じて、障害を適切に予測することができる。
また第2統計期間の長さや特徴量115Cに含める稼働データD(t),EvD(t)の項目(センサデータ114の項目)を最適化することで、センサデータ114の変動に係る冷却対象装置101を稼働させる現場のノウハウを診断に導入することができる。すなわち、現場のノウハウを予兆診断モデル117に機械的に組み込むことができ、現場技術者の判断が必要でなくなるため、現場技術者の作業工数を削減できる。
また、第2統計期間を、実施形態1の第1統計期間以上に長く取ることができるため、異常(陽性)と診断される予兆期間を延ばすことができ、予兆診断のリードタイムの長期化への対応が可能となる。例えば、産業機械の稼働状態は、一般的には日次の変動パターンを示すが、例えば、統計的特徴量の第2統計期間を1日未満、記述的特徴量の第1統計期間を1日より長くすることで、日次以外の変動パターンを発見でき、予兆診断の精度が上がる場合がある。また、予兆診断のリードタイムが長くなることで、余裕を持って障害対応を準備できるので、障害対応の実施計画の立案を容易にすることができる。
(実施形態3の変形例)
実施形態3では、予診断処理(図17)において、特徴量115Cの生成時に、稼働データD(c),EvD(c)には稼働状態608が“1”(稼働中)及び“0”(アイドル中)の何れのデータも含めている。しかしこれに限らず、実施形態1と同様に、稼働データD(c),EvD(c)から稼働状態608が“0”(アイドル中)のデータを除外してもよい。すなわち、図17において、ステップS21とS23の間でステップS22(図10)が実行され、ステップS22:Yesの場合にステップS23に処理を移し、ステップS22:Noの場合に診断をキャンセルする(ステップS29)としてもよい。
また、実施形態3では、冷却対象装置101の稼働繁忙期(日中等)は第2統計期間をより細かい区間に区分し、稼働閑散期(夜間等)は第2統計期間をより粗い区間に区分してもよい。冷却対象装置101の稼働状況が異なる時間帯に応じて第2統計期間を区分する区間の長さを変えることで、冷却対象装置101の内部状態の変化が発生しやすい期間の内部状態の変化のパターンをより的確に捉えることができる。
また、実施形態3では、特徴量115Cに統計的特徴量StF(t)を含めている(図15)が、特徴量115から統計的特徴量StF(t)を除外してもよい。
なお、上述した実施形態1~3では、冷却対象装置101として空気圧縮機を例に挙げて説明したが、冷却対象装置101は、圧延機やエンジンでもよい。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えてもよい。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えてもよい。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、又は置換をしてもよい。
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよく、あるいはプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)といったコンピュータ可読の非一時的な記録媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
100:予兆検知システム、101:冷却対象装置、102:サンプリング処理部、103:データ前処理部、104:構築部、105:予兆検知部、111:温度上昇源、112:センサ、113:油冷却部、114:センサデータ、115,115B,115C:特徴量、117:予兆検知モデル。

Claims (18)

  1. 温度上昇源と前記温度上昇源を冷却媒体で冷却する冷却部とを有する冷却対象装置の時系列な稼働データを取得し、該稼働データから特徴量を抽出する前処理部と、
    訓練用の前記稼働データから前記前処理部によって抽出された前記特徴量と、前記冷却部による冷却性能の状態を示すラベルと、に基づいて生成された訓練データを用いて構築された予兆検知モデルに対して、診断用の前記稼働データから前記前処理部によって抽出された前記特徴量を前記予兆検知モデルに入力して得られた出力に基づいて前記冷却性能を診断する予兆検知部と、を有し、
    前記稼働データは、
    前記冷却対象装置が稼働中又は待機中を示す稼働状態を有し、
    前記予兆検知モデルは、
    前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから抽出された前記特徴量に基づいて生成された前記訓練データを用いて構築されたものであり、
    前記予兆検知部は、
    前記冷却性能を診断する際に、前記予兆検知モデルに対して、前記稼働中のみに該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから抽出された前記特徴量を入力する、ことを特徴とする予兆検知システム。
  2. 請求項1に記載の予兆検知システムであって、
    前記冷却部による前記冷却性能の状態を示すラベルは、正常又は異常を示すラベルである、ことを特徴とする予兆検知システム。
  3. 請求項1に記載の予兆検知システムであって、
    前記冷却部による前記冷却性能の状態を示すラベルは、複数の異常の要因がある中で、正常又は該異常の要因を示すラベルである、ことを特徴とする予兆検知システム。
  4. 請求項1に記載の予兆検知システムであって、
    前記特徴量は、
    前記時系列の各時刻以前の第1統計期間に含まれるそれぞれの時刻における前記稼働データの統計量である統計的特徴量を含む、ことを特徴とする予兆検知システム。
  5. 請求項1に記載の予兆検知システムであって、
    前記予兆検知モデルは、
    前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を除外した上で抽出された前記特徴量に基づいて生成された前記訓練データを用いて構築されたものであり、
    前記予兆検知部は、
    前記冷却性能を診断する際に、前記予兆検知モデルに対して、前記稼働中のみに該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を除外した上で抽出された前記特徴量を入力する、ことを特徴とする予兆検知システム。
  6. 請求項1に記載の予兆検知システムであって、
    前記予兆検知モデルは、
    前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を含めて抽出された前記特徴量に基づいて生成された前記訓練データを用いて構築されたものであり、
    前記予兆検知部は、
    前記冷却性能を診断する際に、前記予兆検知モデルに対して、前記稼働中のみに該当する前記稼働状態を有する前記稼働データに代えて、前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を含めて抽出された前記特徴量を入力する、ことを特徴とする予兆検知システム。
  7. 請求項4に記載の予兆検知システムであって、
    前記特徴量は、
    前記時系列の各時刻以前の第2統計期間を分割した複数の区間毎に算出された各区間に含まれるそれぞれの時刻における前記稼働データの統計量である記述的特徴量を含む、ことを特徴とする予兆検知システム。
  8. 請求項7に記載の予兆検知システムであって、
    前記予兆検知モデルは、
    前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を除外した上で抽出された前記特徴量に基づいて生成された前記訓練データを用いて構築されたものであり、
    前記予兆検知部は、
    前記冷却性能を診断する際に、前記予兆検知モデルに対して、前記稼働中のみに該当する前記稼働状態を有する前記稼働データに代えて、前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を除外した上で抽出された前記特徴量を入力する、ことを特徴とする予兆検知システム。
  9. 請求項7に記載の予兆検知システムであって、
    前記第2統計期間は、前記第1統計期間以上の長さである、ことを特徴とする予兆検知システム。
  10. 請求項7に記載の予兆検知システムであって、
    前記複数の区間は、前記第2統計期間を等間隔に分割した区間である、ことを特徴とする予兆検知システム。
  11. 請求項7に記載の予兆検知システムであって、
    前記複数の区間は、前記冷却対象装置が稼働する時間帯に応じた間隔となるように前記第2統計期間を分割した区間である、ことを特徴とする予兆検知システム。
  12. 請求項1~11の何れか1項に記載の予兆検知システムであって、
    前記訓練データを用いて前記予兆検知モデルを構築する構築部を有することを特徴とする予兆検知システム。
  13. 予兆検知システムが実行する予兆検知方法であって、
    温度上昇源と前記温度上昇源を冷却媒体で冷却する冷却部とを有する冷却対象装置の時系列な稼働データを取得し、該稼働データから特徴量を抽出する前処理ステップと、
    訓練用の前記稼働データから前記前処理ステップによって抽出された前記特徴量と、前記冷却部による冷却性能の状態を示すラベルと、に基づいて生成された訓練データを用いて構築された予兆検知モデルに対して、診断用の前記稼働データから前記前処理ステップによって抽出された前記特徴量を前記予兆検知モデルに入力して得られた出力に基づいて前記冷却性能を診断する予兆検知ステップと、を有し、
    前記稼働データは、
    前記冷却対象装置が稼働中又は待機中を示す稼働状態を有し、
    前記予兆検知モデルは、
    前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから抽出された前記特徴量に基づいて生成された前記訓練データを用いて構築されたものであり、
    前記予兆検知ステップでは、
    前記冷却性能を診断する際に、前記予兆検知モデルに対して、前記稼働中のみに該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから抽出された前記特徴量を入力する、ことを特徴とする予兆検知方法。
  14. 請求項13に記載の予兆検知方法であって、
    前記特徴量は、
    前記時系列の各時刻以前の第1統計期間に含まれるそれぞれの時刻における前記稼働データの統計量である統計的特徴量を含む、ことを特徴とする予兆検知方法。
  15. 請求項13に記載の予兆検知方法であって、
    前記予兆検知モデルは、
    前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を除外した上で抽出された前記特徴量に基づいて生成された前記訓練データを用いて構築されたものであり、
    前記予兆検知ステップでは、
    前記冷却性能を診断する際に、前記予兆検知モデルに対して、前記稼働中のみに該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を除外した上で抽出された前記特徴量を入力する、ことを特徴とする予兆検知方法。
  16. 請求項13に記載の予兆検知方法であって、
    前記予兆検知モデルは、
    前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を含めて抽出された前記特徴量に基づいて生成された前記訓練データを用いて構築されたものであり、
    前記予兆検知ステップでは、
    前記冷却性能を診断する際に、前記予兆検知モデルに対して、前記稼働中のみに該当する前記稼働状態を有する前記稼働データに代えて、前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を含めて抽出された前記特徴量を入力する、ことを特徴とする予兆検知方法。
  17. 請求項14に記載の予兆検知方法であって、
    前記特徴量は、
    前記時系列の各時刻以前の第2統計期間を分割した複数の区間毎に算出された各区間に含まれるそれぞれの時刻における前記稼働データの統計量である記述的特徴量を含む、ことを特徴とする予兆検知方法。
  18. 請求項17に記載の予兆検知方法であって、
    前記予兆検知モデルは、
    前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を除外した上で抽出された前記特徴量に基づいて生成された前記訓練データを用いて構築されたものであり、
    前記予兆検知ステップでは、
    前記冷却性能を診断する際に、前記予兆検知モデルに対して、前記稼働中のみに該当する前記稼働状態を有する前記稼働データに代えて、前記稼働中及び前記待機中に該当する前記稼働状態を有する前記稼働データから前記稼働状態を除外した上で抽出された前記特徴量を入力する、ことを特徴とする予兆検知方法。
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