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JP7841583B2 - パターン形成方法及びインクジェット印刷装置 - Google Patents
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JP7841583B2 - パターン形成方法及びインクジェット印刷装置 - Google Patents

パターン形成方法及びインクジェット印刷装置

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Description

本発明は、パターン形成方法及びインクジェット印刷装置に関する。より詳しくは、スジがなく、再現性が良好であるパターンを形成するパターン形成方法、及び当該パターンを形成するインクジェット印刷装置に関する。
近年、機能性材料を含むインクを用いたインクジェット印刷方式(以下において、単に「インクジェット方式」ともいう。)により、電子デバイスのパターンを形成する技術の研究開発が進められている。
特許文献1では、液滴吐出方式(インクジェット方式)による層間絶縁膜を有する多層配線基板の製造方法が開示されているが、基板とインクの組み合わせによってはバルジが発生するといった問題や、異なる基板に跨ってパターン形成を行う場合に、各基板のインクに対する濡れ性の違いにより、インクが濡れ性の高い基板側に流れてしまうといった問題が生じた。
そこで、特許文献2では、絶縁膜形成材料の液滴を基板上の下地の濡れ特性に基づいて、周縁部からの距離を異ならせて塗布する方法が開示されている。しかし、各下地の濡れ特性が大きく異なると、インクが流れてしまうといった問題が生じた。また、凹凸のある基板に跨ってパターン形成を行う場合においても、インクが流れてしまうといった問題が生じた。
これを受けて、本発明者の発明を開示した特許文献3では、インクジェット法による絶縁層のパターン形成における、出射時及び着弾後のインクの粘度を規定することにより上記問題の解決を図ったが、用いた相変化機構を有する絶縁層形成インクは、着弾後のドット固定性が高いため、スキャン方向でスジ状のムラの発生については、更なる改善の余地があると考えられる。
また、特許文献4では、インクジェット方式のワンパスプリンタにおいて、隣接する複数の画素を一組のグループとし、グループ内のある一画素で吐出する液滴量を調整することにより、一組のグループ内の吐出する画素数を減らし、搬送方向の光沢スジを抑制することができると記載されている。しかし、この方法をマルチパス方式において適用すると、搬送方向と直交する方向のスジが見られることが、本発明者の検討でわかった。
高精細なパターン印刷を目的として高解像度にする場合、主にマルチパス方式が用いられるが、マルチパス方式での印刷はパス間の時間が長く、スジ状のムラが起こりやすい。
なお、スジ状のムラは、外観だけでなく、絶縁膜や導電膜を形成する際には、絶縁ムラや導電ムラとなってしまうため、大きな問題となる。
特開2003-309369号公報 特開2010-231287号公報 国際公開第2015/002316号 特開2012-162057号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、スジがなく、再現性が良好であるパターン形成方法、及び当該パターンを形成するインクジェット印刷装置提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、液滴を着弾させるドットの位置について、境界部を除くパターン部では、ランダム(全体的な同一性又は周期性等の規則性が無い無作為性又は予測不可能性が認識される状態)とし、境界部では、連続性又は周期性を有するように制御することにより、スジがなく、再現性が良好なパターンを形成することができることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.パターンの画像データに基づくインクジェット印刷方式によるパターン形成方法であって、
複数のノズル孔を有するインク吐出装置又は印刷媒体としての基板が複数回移動し、前記インク吐出装置のノズルから前記印刷媒体としての基板にインクの液滴を吐出して前記パターンを形成する方式において、
前記基板上に形成する前記パターンを構成するドットの塗膜の形成に用いる前記インクの液滴の着弾が複数回にわたり、かつ、
前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、境界部を除くパターン部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、かつ一定の周期性を有さないように制御し、
前記境界部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御し、
前記インクとして、吐出時の温度における粘度η1と着弾時の温度における粘度η2との比率η2/η1が、100以上であるインクを用い、かつ
前記インクとして、ソルダーレジストインクを用いる
ことを特徴とするパターン形成方法。
2.パターンの画像データに基づくインクジェット印刷方式によるパターン形成方法であって、
複数のノズル孔を有するインク吐出装置又は印刷媒体としての基板が複数回移動し、前記インク吐出装置のノズルから前記印刷媒体としての基板にインクの液滴を吐出して前記パターンを形成する方式において、
前記基板上に形成する前記パターンを構成するドットの塗膜の形成に用いる前記インクの液滴の着弾が複数回にわたり、かつ、
前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、境界部を除くパターン部においては、前記インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように制御し、
前記境界部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御し、
前記インクとして、吐出時の温度における粘度η1と着弾時の温度における粘度η2との比率η2/η1が、100以上であるインクを用い、かつ
前記インクとして、ソルダーレジストインクを用いる
ことを特徴とするパターン形成方法。
3.前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、前記境界部を除く前記パターン部においては、更に前記インク吐出装置の副走査方向においても連続性又は周期性を有さないように制御する
ことを特徴とする第2項に記載のパターン形成方法。
4.前記境界部における前記ドットの塗膜の形成を、前記境界部を除く前記パターン部における前記ドットの塗膜の形成よりも先に完了させる
ことを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のパターン形成方法。
5.前記パターンの前記画像データを、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、前記液滴を着弾させる前記ドットの位置が、前記インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように、複数に分割し、
前記分割した前記画像データを順次重ねて印刷する
ことを特徴とする第2項から第4項までのいずれか一項に記載のパターン形成方法。
6.前記インク吐出装置が、相対的に主走査方向に往復移動し、
往路及び復路どちらにおいてもインクの液滴を吐出する
ことを特徴とする第2項から第5項までのいずれか一項に記載のパターン形成方法。
.前記インクとして、ホットメルトタイプ、ゲル化タイプ又はチキソトロピータイプのいずれかのタイプのインクを用いる
ことを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載のパターン形成方法。
.パターンの画像データに基づきパターンを形成するインクジェット印刷装置であって、
第1項から第項までのいずれか一項に記載のパターン形成方法によりパターンを形成する
ことを特徴とするインクジェット印刷装置。
本発明の上記手段により、スジがなく、再現性が良好であるパターンを形成するパターン形成方法、及び当該パターンを形成するインクジェット印刷装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明者が検討を重ねたところ、複数のノズル孔を有するインク吐出装置又は印刷媒体としての基板が複数回移動し、前記インク吐出装置のノズルから前記印刷媒体としての基板にインクの液滴を吐出してパターンを形成するマルチパス方式において、液滴を着弾させるドットの位置を、
(I)画像データを構成する各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、かつ一定の周期性を有さないように制御する、
(II)前記インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように制御する、
すなわち、ランダムマルチパス方式とすることにより、高解像度で高精細なパターンを印刷することができることがわかった。
本発明に係るインクジェット印刷方式によるパターン形成方法について、従来のパターン形成方法と対比して説明する。
例えば、画像データを解像度600dpiのインクジェットヘッドを用いて、出力解像度が1200dpiとなるように、インクジェットヘッドをノズル列方向に移動して、複数回の移動(パス)で印刷する方法について説明する。
図1に示すインクジェット印刷方式は、ブロック方式といわれるもので、1回目の搬送方向のスキャンで、同一ノズルで印刷し、ヘッドを1200dpiの出力解像度の距離(21.2μm)だけノズル列方向に移動し2回目のスキャンで1200dpiの印刷が完了する。
この場合、図1のとおり、液滴の着弾は図示するように「1スキャン」及び「2スキャン」と連続で行われ、搬送方向にスジが発生しやすくなる。
図2に示すインクジェット印刷方式は、インターリーブ方式といわれるもので、1回目の搬送方向のスキャンで、同一ノズルにより1画素とばしで印刷し、2回目の搬送方向のスキャンで1回目のスキャンで印刷された部分の間の画素を印刷し、その後ヘッドを1200dpiの解像度の距離(21.2μm)だけノズル列方向に移動し、同様に3回目、4回目と印刷して出力解像度1200dpiの印刷が完了する。
この場合も図示するように着弾順が「1スキャン」~「4スキャン」のように周期的になり、スジが発生しやすくなる。
図3に示すインクジェット印刷方式は、本発明に係るいわゆる「ランダム」な着弾である「ランダムマルチパス方式」である。着弾順がランダムになるように合計8回のパスで1200dpiの印刷を完了している。なお、パス回数は更に多くしてもよい。また、搬送方向を更に間引いてパス回数を増やしてもよい。
ランダムマルチパス方式を用いることにより、液滴の着弾がランダムに行われるため、スジが目立ちにくくなる。
なお、本発明において、「ランダム」とは、後述する条件範囲内に制御することを前提としたパターンの形成方法において、ドットの相互の位置関係について、全体的な同一性又は周期性等の規則性が無い無作為性又は予測不可能性が認識される状態のことをいう。具体的には、例えば、図3に示されている状態のことをいう。
以上の、対比例から推察されるように、インク液滴の着弾箇所及び順序をランダムにすることにより、印刷された画像における隣接する各画素又はドット間で周期性が無く全体的にスジやムラが発生しにくくなるものと考えられる。
本発明者が更に検討を重ねたところ、当該ランダムマルチパス方式を用いることにより、パターン部におけるスジやムラを発生しにくくすることはできるが、パターン部と非パターン部との境界においては画像データどおりのパターンを再現するのが難しい、すなわち、例えば、画像データにおけるパターンの境界が直線であっても、実際には、パターンの境界において高精細な直線を形成するのが難しく、更に改良の余地があることがわかった。
これに対して、本発明者が検討を重ねたところ、主にパターン部については、上記のランダムマルチパス方式を用い、パターン部と非パターン部の境界付近については、ドットの相互の位置関係について、連続性又は周期性を有するよう制御することにより、パターンの再現性が向上することがわかった。
ブロック方式によるパターン形成方法を示す模式図 インターリーブ方式によるパターン形成方法を示す模式図 本発明に係るランダムマルチパス方式によるパターン形成方法を示す模式図 ランダムマルチパス方式(A)に用いられる画像データを示す図 四角の中に抜き四角を配置した本発明に係るパターンの一例を示す図 隣接する画素と一定の周期性を有さない256階調のグレー画像を示す図 画像データにおける画素の列及び行の方向と、インク吐出装置における主走査方向及び副走査方向が、非平行である場合の一例を示す図 マルチパス方式によるインクジェット印刷装置を示す模式図(正面図) マルチパス方式によるインクジェット印刷装置を示す模式図(上面図) 本発明に係るパターンの一例を示す図 本発明に係る境界部の一例を示す図 解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて1200dpiの印刷をランダムな着弾で行う方法を示す図 本発明に係る境界部の形成に用いられる画像データの一例を示す図 境界部が、境界形成部に加えて、パターン部と非パターン部の境界付近に位置するドットの塗膜を含む場合の一例を示す図 境界部が、境界形成部に加えて、パターン部と非パターン部の境界付近に位置するドットの塗膜を含む場合の、境界部の形成に用いられる画像データを示す図 パターンとその境界部の一例を示す図 境界部におけるパターン例(長方形)を示す図 境界部におけるパターン例(長方形)に対応する画像データを示す図 境界部におけるパターン例(長方形)の印刷方法(ブロック方式)の一例を示す図 境界部におけるパターン例(長方形)の印刷方法(ブロック方式)の一例(異なるノズル使用)を示す図 境界部におけるパターン例(長方形)の印刷方法(ブロック方式)の一例(異なるノズル使用)で使用するインク吐出装置のノズルの模式図 境界部におけるパターン例(長方形)の印刷方法(インターリーブ方式)の一例を示す図 境界部におけるパターン例(長方形)の印刷方法(インターリーブ方式)の一例を示す図 境界部におけるパターン例(長方形)の印刷方法(ランダムマルチパス方式)の一例を示す図 境界部におけるパターン例(ひし形)の印刷方法(ブロック方式)の一例を示す図 境界部におけるパターン例(ひし形)の印刷方法(ランダムマルチパス方式)の一例を示す図 分割印刷によるパターン形成方法に用いられる画像データを示す図 先に、境界部におけるパターン形成を完了させ、次いで、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を行う方法(パターン形成方法A)を示す図(1スキャン~8スキャン) 先に、境界部におけるパターン形成を完了させ、次いで、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を行う方法(パターン形成方法A)を示す図(9スキャン~12スキャン) 境界部におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に開始し、境界部におけるパターン形成を先に完了させる方法(パターン形成方法B)を示す図 ノズル解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて解像度2400dpiの印刷をランダムな着弾かつ分割印刷(画像分割数2)で行う方法を示す図 ノズル解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて解像度2400dpiの印刷をランダムな着弾かつ分割印刷(画像分割数4)で行う方法を示す図(1スキャン~8スキャン) ノズル解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて解像度2400dpiの印刷をランダムな着弾かつ分割印刷(画像分割数4)で行う方法を示す図(9スキャン~16スキャン) ノズル解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて解像度2400dpiの印刷をランダムな着弾で行う方法を示す図 ノズル解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて解像度2400dpiの印刷をランダムな着弾かつ分割印刷(画像分割数2)で行う方法のうち、1スキャン及び5スキャンにおいて、左端のノズルと真ん中のノズルからそれぞれ吐出された、液滴を着弾させるドットの位置を同一とする場合について示す図 マルチパス方式によるインクジェット印刷装置100を示す上面図 インクジェット印刷装置1(ヘッドがX方向に移動し、基板がY方向に移動する)で印刷を行う方法を示す図 インクジェット印刷装置100(ヘッドがY方向に移動し、基板がX方向に移動する)で印刷を行う方法を示す図 基板がX方向にもY方向にも移動するインクジェット印刷装置で印刷を行う方法を示す図 ヘッドがX方向にもY方向にも移動するインクジェット印刷装置で印刷を行う方法を示す図 インク吐出装置が、相対的に主走査方向に往復移動し、往路及び復路どちらにおいてもインクの液滴を吐出する双方向印刷を行う方法を示す図 インク吐出装置が、相対的に副走査方向に対して正方向及び逆方向の組み合わせで移動する正逆混合印刷を行う方法を示す図 ノズル解像度600dpiのインクジェットヘッドを4個用いて、解像度2400dpiの印刷を分割印刷で行う方法を示す図 ノズル列の方向が、X方向及びY方向どちらとも垂直又は平行でなく、斜めである場合の印刷方法を示す図 インク吐出装置自体の方向が、X方向及びY方向どちらとも垂直又は平行でなく、斜めである場合の印刷方法を示す図 境界部を除くパターン部におけるパターン形成を先に開始し、境界部におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に完了させる方法(パターン形成方法C)を示す図 境界部におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に開始し、同時に完了させる方法(パターン形成方法D)を示す図 境界部におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に開始し、同時に完了させる方法(パターン形成方法D)を示す図 境界部と、境界部を除くパターン部とで、パターン形成方法を変更せず、全てランダムマルチパス方式で形成する方法を示す図 境界部(ひし形)におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に開始し、境界部におけるパターン形成を先に完了させる方法(パターン形成方法B)を示す図 境界部(幅ドット数2)におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に開始し、境界部におけるパターン形成を先に完了させる方法(パターン形成方法B)を示す図 パターン形成を双方向印刷で行い、境界部におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に開始し、境界部におけるパターン形成を先に完了させる方法(パターン形成方法B)を示す図 パターン部を、境界部と境界部を除くパターン部とで区別をせず、用いる画像データを一つの画像データとし、全てブロック方式により印刷する方法を示す図。 境界部におけるパターン例(ひょうたん形)の印刷方法(ブロック方式)の一例 境界部におけるパターン例(ひょうたん形)の印刷方法(ブロック方式、分割印刷)の一例 印刷物2及び12とそれぞれ同様の印刷条件で作製した主走査方向と副走査方向に平行な抜き四角を配置した印刷物A及びBの100倍での光学顕微鏡観察写真
本発明のパターン形成方法は、パターンの画像データに基づくインクジェット印刷方式によるパターン形成方法であって、
複数のノズル孔を有するインク吐出装置又は印刷媒体としての基板が複数回移動し、前記インク吐出装置のノズルから前記印刷媒体としての基板にインクの液滴を吐出して前記パターンを形成する方式において、
前記基板上に形成する前記パターンを構成するドットの塗膜の形成に用いる前記インクの液滴の着弾が複数回にわたり、かつ、
前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、境界部を除くパターン部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、かつ一定の周期性を有さないように制御し、
前記境界部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御する
ことを特徴とする。
また、パターンの画像データに基づくインクジェット印刷方式によるパターン形成方法であって、
複数のノズル孔を有するインク吐出装置又は印刷媒体としての基板が複数回移動し、前記インク吐出装置のノズルから前記印刷媒体としての基板にインクの液滴を吐出して前記パターンを形成する方式において、
前記基板上に形成する前記パターンを構成するドットの塗膜の形成に用いる前記インクの液滴の着弾が複数回にわたり、かつ、
前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、境界部を除くパターン部においては、前記インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように制御し、
前記境界部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御する
ことを特徴とする。
この特徴は、下記実施形態に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施形態としては、パターンにおけるスジの発生を抑制する観点から、前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、前記境界部を除く前記パターン部においては、更に前記インク吐出装置の副走査方向においても連続性又は周期性を有さないように制御することが好ましい。
良好なパターン再現性が得られる観点から、前記境界部における前記ドットの塗膜の形成を、前記境界部を除く前記パターン部における前記ドットの塗膜の形成よりも先に完了させることが好ましい。
パターンにおけるスジの発生を抑制する観点から、前記パターンの前記画像データを、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、前記液滴を着弾させる前記ドットの位置が、前記インク吐出装置の前記主走査方向において連続性又は周期性を有さないように、複数に分割し、前記分割した前記画像データを順次重ねて印刷することが好ましい。
パターン形成の時間を短縮できる観点から、前記インク吐出装置が、相対的に前記主走査方向に往復移動し、往路及び復路どちらにおいてもインクの液滴を吐出することが好ましい。
パターン形成性が向上する観点から、前記インクとして、吐出時の温度における粘度η1と着弾時の温度における粘度η2との比率η2/η1が、100以上であるインクを用いることが好ましい。
パターン形成性が向上する観点から、前記インクとして、ホットメルトタイプ、ゲル化タイプ又はチキソトロピータイプのいずれかのタイプのインクを用いることが好ましい。
発明の目的にあったアプリケーションの観点から、例えば、回路パターンを絶縁膜で保護する場合の問題点を解決できる観点から、前記インクとして、ソルダーレジストインクを用いることが好ましい。
本発明のインクジェット印刷装置は、本発明のパターン形成方法により、パターンを形成することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪本発明のパターン形成方法の概要≫
本発明のパターン形成方法は、パターンの画像データに基づくインクジェット印刷方式によるパターン形成方法であって、
複数のノズル孔を有するインク吐出装置又は印刷媒体としての基板が複数回移動し、前記インク吐出装置のノズルから前記印刷媒体としての基板にインクの液滴を吐出してパターンを形成する方式において、
前記基板上に形成する前記パターンを構成するドットの塗膜の形成に用いる前記インクの液滴の着弾が複数回にわたり、かつ、
前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、
境界部を除くパターン部においては、
(I)前記画像データを構成する各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、かつ一定の周期性を有さないように制御し、
(II)前記インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように制御し、
前記境界部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御する
ことを特徴とする。
すなわち、液滴を着弾させるドットの位置について、境界部を除くパターン部では、ランダム(全体的な同一性又は周期性等の規則性が無い無作為性又は予測不可能性が認識される状態)とし、境界部では、連続性又は周期性を有するように制御することにより、高精細でスジやまだらムラがなく、再現性が良好なパターンを形成することができる。そして、絶縁体や導電体といった機能性材料を含むインクを用いた場合には、絶縁特性や導電特性が均一であり、かつ、塗膜の密着が良好であるパターンを形成することができる。
なお、本発明において、「連続性又は周期性を有する」とは、液滴を着弾させてドットの塗膜を形成させた際に目視できる程度に連続性を有することをいう。ドットの位置が間隔を空けずに広範囲にわたって連続している場合には、その位置に液滴を着弾させて形成されるドットの塗膜は、その連続性を目視できる。また、間隔を空けていても、その間隔が極めて狭く(例えば1~2ドット)、広範囲にわたって周期的であれば、その位置に液滴を着弾させて形成されるドットの塗膜は、目視できる程度に連続性が発現する。逆に、その間隔が広い場合には、周期的であっても、目視できる程度に連続性が発現しない。
したがって、境界部を除くパターン部においては、液滴を着弾させるドットの位置が、例えば2~5ドット程度の範囲内で間隔を空けずに連続していても、その位置に液滴を着弾させて形成されるドットの塗膜は、その連続性を目視することは難しい。そのため、目視できない程度に狭い範囲であれば、液滴を着弾させるドットの位置が、部分的に連続性有していても、十分なランダム性が得られる。
ただし、ここでのドット数は例であり、必ずしもこの限りではない。
本発明において、「パターン部」とは、パターン(下記で示す狭義の意)が形成されている箇所のことをいい、「非パターン部」とは、パターンが形成されていない箇所のことをいう。
なお、本発明において、「パターン」とは、狭義には、インクを用いて基板上に形成される塗膜のことをいい、広義には、基板上に形成される複数の塗膜全体のことをいう。
また、「境界部」とは、パターン部を構成するドットの塗膜のうち、パターン部と非パターン部の境界付近に位置するドットの塗膜の集合体のことをいい、少なくとも、パターン部と非パターン部の境界の形成に寄与するドットの塗膜(以下、「境界形成部」ともいう。)を含む。
図を用いて詳しく説明する。
図5は、四角の中に抜き四角を配置した本発明に係るパターンの一例を示す図であり、マス一つ分がドットの塗膜一つ分に対応する。
11で示される領域は、パターンが形成されていない「非パターン部」を、12、13及び14で示される領域は、パターンが形成されている「パターン部」を、15で示される線は、「パターン部と非パターン部の境界」を表す。ただし、実際には、パターン部と非パターン部の境界15は領域を有さない。
パターン部と非パターン部の境界15付近に位置する12及び13で示される領域(16で示される領域)は、上記で定義する「境界部」を表し、14で示される領域は、「境界部を除くパターン部」を表す。
12で示される領域は、パターン部と非パターン部の境界の形成に寄与するドットの塗膜の集合体である「境界形成部」を表し、境界部16に必須で含まれる。一方、13で示される領域は、「境界形成部を除く境界部」を表すが、境界部16に必須で含まれる必要はなく、あってもなくてもよい。境界形成部を除く境界部13は、境界形成部12に隣接して位置する。
また、本発明において、「ドット」とは、インクジェット印刷法によって印刷媒体に形成されるインク画像を構成する最小単位の画素のことをいい、インク液の1液滴で形成される塗膜部分のことをいう。したがって、印刷対象の画像データにおける1画素に対応するインク画像における画素は、複数のドット(液滴)で形成される場合もあり得る。
[1 境界部を除くパターン部におけるパターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、本発明に係る境界部を除くパターン部においては、
(I)前記画像データを構成する各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、かつ一定の周期性を有さないように制御する
(II)前記インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように制御する
ことを特徴とする。
前述のとおり、境界部を除くパターン部では、液滴を着弾させるドットの位置を、ランダム(全体的な同一性又は周期性等の規則性が無い無作為性又は予測不可能性が認識される状態)とすることにより、すなわち、ランダムマルチパス方式を用いることにより、高精細でスジやまだらムラがないパターンを形成することができる。
本発明では、上記制御条件(I)を満たす方式を、「ランダムマルチパス方式(A)」、上記制御条件(II)を満たす方式を「ランダムマルチパス方式(B)」と称することにする。
上記制御条件(I)は、画像データを構成する各画素の配列の観点から、液滴を着弾させるドットの位置をランダムとする条件を規定している。また、上記制御条件(II)は、インク吐出装置の走査方向の観点から、液滴を着弾させるドットの位置をランダムとする条件を規定している。
すなわち、上記制御条件(I)及び(II)は、液滴を着弾させるドットの位置をランダムとする条件について、異なる観点から規定したものである。
以下、ランダムマルチパス方式(A)及び(B)について詳しく説明する。
[1.1 ランダムマルチパス方式(A)]
ランダムマルチパス方式(A)では、液滴を着弾させるドットの位置を、画像データを構成する各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、かつ一定の周期性を有さないように制御する。
以下、本発明に係るランダムマルチパス方式(A)によるパターン形成方法の実施形態の一例について説明するが、下記例の実施形態・態様に限られず、上記制御条件(I)を満たしていれば、本発明の技術的範囲に含まれる。
図4は、ランダムマルチパス方式(A)に用いられる画像データを示す図であり、各ドットが均一な液量で形成される。また、図6のような多階調のランダムな画像データを用いて、異なる液量で各ドットを形成してもよい。この場合、各画素の階調又は濃度に対応させてドットの液量を変化させる。
なお、後述のランダムマルチパス(B)においても、同様の画像データを用いることができる。
本実施形態におけるインクの着弾について、ランダムマルチパス方式(A)の観点から説明する。
1回のスキャンにおいて、画像データを構成する各画素が配列された行及び列の方向に連続せず、間隔をあけて着弾し、その間隔が一定でないようにドットを形成する。2回目以降のスキャンについては、ドットが形成されていない位置に、同様にしてドットを形成し、ドットが重複しないようにする。各回のスキャンにおいて、形成するドットの数は一定でなくてもよい。なお、スキャンの回数は更に増やしてもよい。
以下、本実施形態における印刷方法について、ランダムマルチパス方式(A)の観点から説明する。
図11は、解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて1200dpiの印刷をランダムな着弾で行う方法を示す。
図3に示す本実施形態におけるランダムマルチパス方式(A)によるパターン形成は、図11に示すように、インクジェットヘッドがY方向(搬送方向)に4回のスキャンによる印刷をした後、X方向に21.2μm(1200dpiの1画素相当)移動し、再度Y方向に4回のスキャンによる印刷をすることにより、合計8回の移動(パス)で印刷が完了する(装置については、図8A及び図8B参照。)。
[1.2 ランダムマルチパス方式(B)]
ランダムマルチパス方式(B)では、液滴を着弾させるドットの位置を、インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように制御する。
以下、本発明に係るランダムマルチパス方式(B)によるパターン形成方法の実施形態の一例について説明するが、下記例の実施形態・態様に限られず、上記制御条件(II)を満たしていれば、本発明の技術的範囲に含まれる。
画像データについては、前述のとおり、ランダムマルチパス方式(A)に用いられる画像データを用いることができる。
本実施形態におけるインクの着弾について、ランダムマルチパス方式(B)の観点から説明する。
1回のスキャンにおいて、主走査方向に連続性又は周期性を有さないように、間隔をあけて着弾し、その間隔が一定でないようにドットを形成する。2回目以降のスキャンについては、ドットが形成されていない位置に、同様にしてドットを形成し、ドットが重複しないようにする。各回のスキャンにおいて、形成するドットの数は一定でなくてもよい。なお、スキャンの回数は更に増やしてもよい。
以下、本実施形態における印刷方法について、ランダムマルチパス方式(B)の観点から説明する。
図11は、解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて1200dpiの印刷をランダムな着弾で行う方法を示す。ここでは、Y方向を主走査方向、X方向を副走査方向とする。
図3に示す本実施形態におけるランダムマルチパス方式(B)によるパターン形成は、図11に示すように、インクジェットヘッドがY方向に4回のスキャンによる印刷をした後、X方向に21.2μm(1200dpiの1画素相当)移動し、再度Y方向に4回のスキャンによる印刷をすることにより、合計8回の移動(パス)で印刷が完了する(装置については、図8A及び図8B参照。)。
上記方法では、画像データにおける画素の列及び行の方向と、インク吐出装置における主走査方向及び副走査方向が、平行であるが、必ずしも、平行である必要はなく、非平行である場合も考えられる。
図7に、画像データにおける画素の列及び行の方向と、インク吐出装置における主走査方向及び副走査方向が、非平行である場合の一例を示す。
例えば、図7の楕円で示す部分は、画像データにおける画素の列及び行の方向においては連続性を有していないが、インク吐出装置における主走査方向においては連続性を有しているといえるため、図7の楕円で示す部分の印刷方法は、ランダムマルチパス方式(A)に該当し、ランダムマルチパス方式(B)には該当しない。
なお、高精細でスジやまだらムラがないパターンを形成する観点から、ランダムマルチパス方式(A)及び(B)どちらにも該当する印刷方法であることが好ましい。
また、ランダムマルチパス方式(B)では、副走査方向においても連続性又は周期性を有さないように制御することが好ましい。
上記印刷方法において述べたように、マルチパス方式では、インク吐出装置が主走査方向に移動して複数回にわたって主走査方向に液滴を着弾させた後、副走査方向に移動し、次いで、主走査方向に移動して複数回にわたって液滴を着弾させる。そのため、主走査方向に隣接する二つのドットの位置に連続的に液滴を着弾させると、当該二つのドットの塗膜が形成される時間差は極めて短くなる。
一方、副走査方向に隣接する二つのドットの位置に連続的に液滴を着弾させるとすると、インク吐出装置は、一つ目のドットの位置に液滴を着弾させた後、主走査方向に移動して主走査方向における液滴の着弾を完了させた後、副走査方向に移動し、次いで、主走査方向に移動して二つ目のドットの位置に液滴を着弾させることになるため、当該二つのドットの塗膜が形成される時間差は主走査方向と比較して長くなる。そのため、液滴を着弾させるドットの位置が主走査方向に連続性を有する場合は、副走査方向に連続性を有する場合と比較して、スジやまだらムラが発生しやすい。
したがって、ランダムマルチパス方式(B)においては、液滴を着弾させるドットの位置を、インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように制御することにより、高精細でスジやまだらムラがないパターンを形成することができるが、さらに、副走査方向においても連続性又は周期性を有さないように制御することにより、その効果を高めることができる。
[1.3 分割印刷]
本発明の実施形態としては、前記パターンの前記画像データを、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、前記液滴を着弾させる前記ドットの位置が、前記インク吐出装置の前記主走査方向において連続性又は周期性を有さないように、複数に分割し、前記分割した前記画像データを順次重ねて印刷することも好ましい。
本発明では、上記制御条件を満たす印刷方法を「分割印刷」と称することにする。
以下、本発明に係る分割印刷によるパターン形成方法の実施形態の一例について説明するが、下記例の実施形態・態様に限られず、上記制御条件を満たしていれば、本発明の技術的範囲に含まれる。なお、以下の図示による説明では、本発明に係る境界部を除くパターン部において分割印刷を適用する例を示しているが、境界部における上記制御条件を満たしていれば、本発明に係る境界部においても適用することができる。
図29は、ノズル解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて解像度2400dpiの印刷をランダムな着弾かつ分割印刷で行う方法を示す。図29では、各ドットが均一な液量で形成されている元画像データを用いるが、図6のような多階調のランダムな元画像データを用いて、異なる液量で各ドットを形成してもよい。
分割印刷では、この元画像データを二つに分割し、分割画像データを作製したのち、分割画像データごとに順次重ねて印刷する。そのため、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないように分割画像データを作製する。また、液滴を着弾させるドットの位置が、インク吐出装置の主走査方向において連続性及び周期性を有さないように分割画像データを作製する。
分割画像データは、アドビ社の画像処理ソフトPhotoshop 2020などの画像処理ソフトで作製することができる。例えば、グレー画像を、Photoshopを用いて誤差拡散法などでモノクロ2階調化し、白と黒のランダムな画像を作製する。次にその画像を色調反転させて白と黒の反転した画像を作製する。得られた2枚の画像は着弾がランダムで重なり合わない黒ベタデータの分割画像となる。
以下、分割印刷について、図29、30A、30B及び31を比較して説明する。
図31は、ノズル解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて解像度2400dpiの印刷をランダムな着弾で行う方法を示す。この方法では、主走査方向ごとに印刷を完了させる。
図31では、主走査方向の印刷を、例えば1スキャン及び2スキャンの連続する2回のスキャンで完了している。一方、分割印刷では、図29で示す通り、1スキャン及び5スキャンの連続しない2回のスキャンで完了している。
このように、分割印刷では、主走査方向の印刷を完了するまでの時間が比較的長くなるため、インクが固定しやすく、インクの流動を抑制でき、スジやムラが発生しにくくなる。
図30A及びBは、元画像データを四つに分割し、図29と同様の分割印刷を行う方法を示す。この場合、主走査方向の印刷を1スキャン、5スキャン、9スキャン及び13スキャンの連続しない4回のスキャンで完了している。
このように、元画像データの分割数を増やすことにより、主走査方向の印刷を完了するまでのスキャン数が増えるため、印刷を完了するまでの時間が更に長くなり、よりスジやムラが発生しにくくなり、表面粗さを低減できる。
また、主走査方向の印刷が完了するまでに、副走査方向にも印刷が行われるため、着弾時の粘度が比較的高いインクや相転移時間の比較的早いインクを用いる場合であっても、主走査方向の線状にインクが固定化されにくく、スジやムラが発生しにくい。さらに、スキャン数が増えることで、隣接する着弾で、先に着弾したインク液滴(ドット)との相互作用で着弾ずれが起きることを低減でき、パターン形成性が向上する。
本実施形態において、「ランダムな着弾」とは、液滴を着弾させるドットの位置が、インク吐出装置の主走査方向において連続性及び周期性を有さないように制御することをいう。
図32は、図29と同様の分割印刷を行う方法を示しているが、1スキャン及び5スキャンにおいて、左端のノズルと真ん中のノズルからそれぞれ吐出された、液滴を着弾させるドットの位置が同一である。
本発明の解決課題であるスジやムラは、液滴を着弾させるドットの位置が、主走査方向において連続的又は周期的であると発生しやすいが、副走査方向において連続的又は周期的であっても発生しづらい。そのため、図32に示すように、一部のスキャンにおいて、異なるノズルからそれぞれ吐出された液滴を着弾させるドットの位置を同一としても、スジやムラの発生を十分に抑制できる。
[1.4 双方向印刷]
本発明の実施形態としては、インク吐出装置が、相対的に前記主走査方向に往復移動し、往路及び復路どちらにおいても前記インクの液滴を吐出することも好ましい。
本発明では、上記制御条件を満たす印刷方法を「双方向印刷」と称することにする。
以下、本発明に係る双方向印刷によるパターン形成方法の実施形態の一例について説明するが、下記例の実施形態・態様に限られず、上記制御条件を満たしていれば、本発明の技術的範囲に含まれる。なお、以下の図示による説明では、本発明に係る境界部を除くパターン部において双方向印刷を適用する例を示しているが、境界部における上記制御条件を満たしていれば、本発明に係る境界部においても適用することができる。
図38は、インク吐出装置が、相対的に主走査方向に往復移動し、往路及び復路どちらにおいてもインクの液滴を吐出する双方向印刷を行う方法を示す。なお、図38では、分割印刷を行っているが、必ずしも分割印刷を行う必要はない。
1スキャンにおいて、インク吐出装置は、インクの液滴を吐出しながら矢印の方向に相対的に移動(往路移動)する。次に、2スキャンにおいて、1スキャンで形成したドットの列の隣接する右側にドットの列が形成されるよう、インク吐出装置は矢印方向に相対的に移動し、インクの液滴を吐出しながら矢印の方向に相対的に移動(復路移動)する。これを繰り返し、合計8回のスキャンで印刷が完了する。
なお、「相対的に移動する」とは、本実施形態においては、インク吐出装置及び印刷媒体としての基板は、どちらか一方のみが移動しても、両方が移動してもよく、インク吐出装置と印刷媒体としての基板との二者の位置関係において、相対的にインク吐出装置が移動することをいう。
したがって、図38の1スキャンにおいては、基板を固定して、インク吐出装置を矢印の方向に移動させてもよいし、インク吐出装置を固定して、基板を矢印とは逆の方向に移動させてもよい。
図29で示すような、片方向印刷では、インク吐出装置は相対的に主走査方向に往復移動するが、往路においてのみインクの液滴を吐出し、復路は移動するのみである。よって、双方向印刷を行うことにより、印刷時間を短縮でき、生産性が向上する。
[1.5 正逆混合印刷]
本発明の実施形態としては、インク吐出装置が、相対的に副走査方向に対して正方向及び逆方向の組み合わせで移動することも好ましい。
本発明では、上記制御条件を満たす印刷方法を「正逆混合印刷」と称することにする。
以下、本発明に係る正逆混合印刷によるパターン形成方法の実施形態の一例について説明するが、下記例の実施形態・態様に限られず、上記制御条件を満たしていれば、本発明の技術的範囲に含まれる。なお、以下の図示による説明では、本発明に係る境界部を除くパターン部において正逆混合印刷を適用する例を示しているが、境界部における上記制御条件を満たしていれば、本発明に係る境界部においても適用することができる。
図39は、インク吐出装置が、相対的に副走査方向に対して正方向及び逆方向の組み合わせで移動する正逆混合印刷を行う方法を示す。なお、図39では、分割印刷を行っているが、必ずしも分割印刷を行う必要はない。
1スキャンで、インク吐出装置は、相対的に主走査方向に移動し、インクの液滴を吐出する。次に、2スキャンにおいて、1スキャンで形成したドットの列の右側にドット一つ分の間隔を開けてドットの列が形成されるよう、インク吐出装置は矢印方向に相対的に移動し、更に主走査方向に移動し、インクの液滴を吐出する。そして、3スキャンにおいて、1スキャンで形成したドットの列と2スキャンで形成したドットの列の間にドットの列が形成されるよう、インク吐出装置は矢印方向に相対的に移動し、更に主走査方向に移動し、インクの液滴を吐出する。これを繰り返し、合計8回のスキャンで印刷が完了する。
図29で示すような、インク吐出装置の相対的な移動の方向が、一方向のみである正方向印刷では、場合によっては形成したドットに隣接するように更にドットが形成されるため、ドットのインクが固定化する前に隣接するドットが形成され、スジやムラの原因となる。一方、正逆混合印刷では、形成されたドットと間隔を空けてドットが形成されるため、ドットのインクが固定化した後に隣接するドットが形成され、スジやムラが発生しにくくなる。また、正逆混合印刷では、形成されたドットと間隔を空けてドットが形成されるため、隣接する着弾で、先に着弾したインク(ドット)との相互作用で着弾ずれの発生を低減でき、パターン形成性が向上する。
[2 境界部におけるパターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、本発明に係る境界部においては、
前記画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御する
ことを特徴とする。
前述のとおり、境界部では、連続性又は周期性を有するように制御することにより、再現性が良好なパターンを形成することができる。
以下、本発明に係る境界部におけるパターン形成方法の実施形態の一例について説明するが、下記例の実施形態・態様に限られず、上記制御条件を満たしていれば、本発明の技術的範囲に含まれる。
前述のとおり、本発明において、「境界部」とは、パターン部を構成するドットの塗膜のうち、パターン部と非パターン部の境界付近に位置するドットの塗膜の集合体のことをいい、少なくとも、パターン部と非パターン部の境界の形成に寄与するドットの塗膜(以下、「境界形成部」ともいう。)を含む。
図9は、本発明に係るパターンの一例を示し、図10は、その境界部の一例を示す。非パターン部11が、複数個のドット分に対応する面積を有する場合には、境界部16は、非パターン部とパターン部の境界に沿って、線状に形成される。図12は、図10で示す境界部の形成に用いられる画像データを示す。ここでは、ドット一つ分が画像データを構成する画素一つ分に対応する。
境界部16に対応する画像データにおいても、各画素は線状に配列される。
本発明において、「画像データを構成する各画素が配列された長手方向」とは、配列された各画素間を結んで形成される線に沿う方向のことであり、図12において矢印の方向で示される。
また、図12で示すように、非パターン部11が有する面積が極めて小さい場合には、境界部16は、線状に形成されない場合がある。この場合、対応する画像データにおいて、各画素が隣接する方向を、「画像データを構成する各画素が配列された長手方向」とし、各画素が隣接する順に連続性又は周期性を有するように制御する。
図9では、非パターン部を取り囲むように周囲にパターンを形成する例を示しており、図10で示される境界部16、及び図12で示される境界部16に対応する画像データは、線状であり、かつ線の端と端が閉じた形となっているが、境界部及びそれに対応する画像データは、必ずしもこのような形には限定されず、線の端と端が閉じていない形であってもよい。
上記境界部の一例では、境界部が、境界形成部のみで構成される場合を示したが、境界部は、更にパターン部と非パターン部の境界付近に位置するドットの塗膜を含んでもよい。図13にその一例を示す。
図13は、境界部16が、境界形成部12に加えて、パターン部と非パターン部の境界付近に位置するドットの塗膜(境界形成部を除く境界部)13を含む場合の一例を示し、図14は、図13で示す境界部の形成に用いられる画像データを示す。ここでは、ドット一つ分が画像データを構成する画素一つ分に対応する。
境界部は、均一な幅で、パターン部と非パターン部の境界に沿う領域であることが好ましい。ここでの「幅」とは、パターン部と非パターン部の境界に対して垂直方向の長さ(ドット数)のことをいう。
例えば、図10で示される境界部16については、幅がドット一つ分、図13で示される境界部16については、幅がドット二つ分とすることができる。
図15に、パターンとその境界部の一例を示す。図15において、左端は、各パターンを示し、真ん中は、そのパターンにおける幅ドット一つ分の境界部を示し、右端は、そのパターンにおける幅ドット二つ分の境界部を示す。
境界部の幅は、特に制限されないが、パターン再現性の観点から、境界部はスジを発生させることが好ましく、幅のドット数は、1~3の範囲内であることが好ましい。
以下、境界部におけるパターン形成方法について、図16に示すパターン例(長方形)を用いて説明する。図17は、図16に示すパターン例(長方形)に対応する画像データを示す。
当該画像データを構成する各画素は、行及び列の方向に対して平行に配列されており、かつ、当該画像データにおける画素の列及び行の方向と、インク吐出装置における主走査方向及び副走査方向は平行である。そのため、以下に示すパターン形成方法については、インク吐出装置の主走査方向及び副走査方向に連続的又は周期的にインクの液滴を着弾させることにより、液滴を着弾させるドットの位置を、画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御することができる。
なお、必ずしも、画像データを構成する各画素は、行及び列の方向に対して平行に配列される必要はなく、また、画像データにおける画素の列及び行の方向と、インク吐出装置における主走査方向及び副走査方向は平行である必要はない。
図18は、境界部におけるパターン例(長方形)の印刷方法(ブロック方式)の一例を示す。なお、インク吐出装置の主走査方向及び副走査方向に連続(ブロック方式)してインクの液滴を着弾させることにより、液滴を着弾させるドットの位置を、画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性を有するように制御する。
1スキャンで主走査方向に連続的にインクの液滴を着弾させた後、副走査方向に移動し、2スキャン及び3スキャンで副走査方向に連続的にインクの液滴を着弾させた後、4スキャンで主走査方向に連続的にインクの液滴を着弾させ、印刷が完了する。
当該印刷方法では、主走査方向においては連続性を有し、副走査方向においては連続性及び周期性を有するため、高精細な直線を形成することができる。
当該印刷方法では、副走査方向に隣接するドットの位置への液滴の着弾は、同一のノズルで行っているが、異なるノズルで行ってもよい。
図19は、境界部におけるパターン例(長方形)の印刷方法(ブロック方式)の一例(異なるノズル使用)を示す。同じく、インク吐出装置の主走査方向及び副走査方向に連続(ブロック方式)してインクの液滴を着弾させることにより、液滴を着弾させるドットの位置を、画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性を有するように制御する。ただし、図19で示す方法では、副走査方向に隣接するドットの位置への液滴の着弾は、異なるノズルで行っている。
図19で示す方法では、1スキャンにおいては、ノズル26、27及び28(図20参照。)からインクの液滴を吐出し、副走査方向に移動した後、2スキャンにおいては、ノズル25、26及び27からインクの液滴を吐出している。このようにして、副走査方向に各ノズルから吐出されたインクの液滴が順に着弾していく。
当該印刷方法を用いることにより、パス数が増え、印刷時間が長くなる場合があるが、ノズルに着弾曲がり等の不具合があっても、その影響を小さくすることができる。
図21及び図22は、境界部におけるパターン例(長方形)の印刷方法(インターリーブ方式)の一例を示す。なお、インク吐出装置の主走査方向及び副走査方向に周期的(インターリーブ方式)にインクの液滴を着弾させることにより、液滴を着弾させるドットの位置を、画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、周期性を有するように制御する。
どちらの印刷方法も、画像データを二つに分割し、前述の分割印刷を行う。
図21で示す方法では、一つ目の分割画像データに基づいて印刷を完了させた後、二つ目の分割画像データに基づいて印刷を完了させる。
図22で示す方法では、一つ目の分割画像データに基づく印刷と二つ目の分割画像データに基づく印刷を並行して行う。詳しくは、一つ目の分割画像データに基づいて、1回のスキャンを行った後、二つ目の分割画像データに基づいて、1回のスキャンを行う。これを繰り返して印刷を完了させる。
どちらの印刷方法においても、主走査方向及び副走査方向において、周期性を有するため、高精細な直線を形成することができるが、図22で示す方法の方が、隣接するドットの塗膜が形成されるまでの時間をより短くすることができるため、より高精細な直線を形成することができる。
詳しくは、例えば、左端に形成される直線状のパターン部分において、図21で示す方法では、1スキャン及び5スキャンにより印刷が完了するが、図22で示す方法では、1スキャン及び2スキャンにより印刷が完了する。したがって、図22で示す方法の方が、隣接するドットの塗膜が形成されるまでの時間をより短くすることができる
本発明において、境界部における印刷方式は、ブロック方式であってもインターリーブ方式であってもどちらでもよい。ブロック方式を用いることにより、主走査方向において、極めて高精細な直線を形成することができ、インターリーブ方式を用いることにより、主走査方向及び副走査方向どちらにおいても高精細な直線を形成することができる。
比較として、図23は、境界部におけるパターン例(長方形)の印刷方法(前述のランダムマルチパス方式)の一例を示す。言い換えれば、図23では、境界部と、境界部を除くパターン部とで、パターン形成方法を変更せず、全てランダムマルチパス方式で形成することを表す。
図23で示す方法においても、実用上問題のない直線を形成することができるが、上記ブロック方式又はインターリーブ方式を用いる方が、高精細な直線を形成することができる。
次に、画像データを構成する各画素が、行及び列の方向に対して平行に配列されていない場合について説明する。ただし、画像データにおける画素の列及び行の方向と、インク吐出装置における主走査方向及び副走査方向は平行であるとする。
図24は、境界部におけるパターン例(ひし形)の印刷方法(ブロック方式)の一例を示す。なお、画像データを構成する各画素が、行及び列の方向に対して平行に配列されていない場合においても、液滴を着弾させるドットの位置を、画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御する。
1スキャンで主走査方向にインクの液滴を着弾させた後、副走査方向に移動し、2スキャンで主走査方向にインクの液滴を着弾させる。このとき、1スキャン目に液滴を着弾させたドットの位置に隣接する位置に、液滴を着弾させる。3スキャン及び4スキャンについても、一つ前のスキャンで液滴を着弾させたドットの位置に隣接する位置に、液滴を着弾させる。
図51は、境界部におけるパターン例(ひょうたん形)の印刷方法(ブロック方式)の一例を示す。このように、境界部における画像データを構成する各画素が、行及び列の方向に対して平行に配列されておらず、目視では曲線として認識されるような場合についても、一つ前のスキャンで液滴を着弾させたドットの位置に隣接する位置に、液滴を着弾させることにより、画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御することができる。
また、図52は、境界部におけるパターン例(ひょうたん形)の印刷方法(ブロック方式、分割印刷)の一例を示す。このように、境界部における画像データを構成する各画素が、行及び列の方向に対して平行に配列されておらず、目視では曲線として認識されるような場合についても、分割印刷を用いることができる。
このようにして、画像データを構成する各画素が、行及び列の方向に対して平行に配列されていない場合においても、液滴を着弾させたドットの位置に隣接する位置に液滴を着弾させることにより、画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性を有するように制御することができる。
比較として、図25は、境界部におけるパターン例(ひし形)の印刷方法(ランダムマルチパス方式)の一例を示す。なお、液滴を着弾させるドットの位置を、画像データを構成する各画素が配列された長手方向にランダムとする。図25で示す方法においても、実用上問題のない直線を形成することが可能であるが、図24で示す方法を用いることにより、高精細な直線を形成することができる。
[3 パターン形成方法]
以下、境界部を除くパターン部におけるパターン形成方法、及び境界部におけるパターン形成方法を組み合わせて行うパターン形成方法について説明する。
本発明のパターン形成方法は、前記境界部における前記ドットの塗膜の形成を、前記境界部を除く前記パターン部における前記ドットの塗膜の形成よりも先に完了させることが好ましい。
このようなパターン形成方法としては、
先に、境界部におけるパターン形成を完了させ、次いで、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を行う方法(パターン形成方法A)
境界部におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に開始し、境界部におけるパターン形成を先に完了させる方法(パターン形成方法B)
の二つの方法が挙げられる。
本発明においては、境界部において高精細な直線を形成することができ、パターン再現性が良好である観点から、先に、境界部におけるパターン形成を完了させ、次いで、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を行う方法(パターン形成方法A)であることが好ましい。
以下、図26に示す画像データを用い、分割印刷によるパターン形成方法について説明する。なお、前述のとおり、境界部を除くパターン部については、分割数を多くする(増やす)ことが好ましいが、境界部については、分割数を少なくすることが好ましい。
図26において、分割画像データαは、境界部におけるパターン形成に対応する画像データであり、分割画像データβ及びγは、境界部を除くパターン部におけるパターン形成に対応する画像データを二つに分割した画像データである。
図27A及びBは、先に、境界部におけるパターン形成を完了させ、次いで、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を行う方法(パターン形成方法A)を示す。分割画像データNo.1~No.3が、上記分割画像データα~γに相当し、分割画像データNo.1~No.3の順に、印刷を完了させる。
図28は、境界部におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に開始し、境界部におけるパターン形成を先に完了させる方法(パターン形成方法B)を示す。上記分割データαとβを一つの分割画像データNo.1、上記分割画像データγを分割画像データNo.2とし、分割画像データNo.1~No.2の順に、印刷を完了させる。
比較として、図43は、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を先に開始し、境界部におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に完了させる方法(パターン形成方法C)を示す。上記分割画像データβを分割画像データNo.1、上記分割画像データαとγを一つの分割画像データNo.2とし、分割画像データNo.1~No.2の順に、印刷を完了させる。
その他、図44及び図45は、境界部におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に開始し、同時に完了させる方法(パターン形成方法D)を示す。
パターン形成方法A~Dのいずれにおいても、境界部において高精細な直線を形成することができ、パターン再現性が良好であるが、より高い効果が得られる観点から、パターン形成方法A又はBを用いることが好ましく、パターン形成方法Aを用いることがより好ましい。
この他に、先に、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を完了させ、次いで、境界部におけるパターン形成を行う方法も考えられる。当該方法においても、高精細な直線を形成することができ、パターン再現性が良好であるが、より高い効果が得られる観点から、パターン形成方法A又はBを用いる方が好ましく、パターン形成方法Aを用いることがより好ましい。
また、比較として、図46は、境界部と、境界部を除くパターン部とで、パターン形成方法を変更せず、全てランダムマルチパス方式で形成する方法を示す。当該方法においても、境界部において実用上問題のない直線を形成することができるが、本発明のパターン形成方法を用いる方が、より高い効果が得られる。
上記で説明したパターン形成方法において、境界部におけるパターン形成に用いられる画像データ(分割画像データα)は、画像データを構成する各画素が、行及び列の方向に対して平行に配列されているが、必ずしもこの限りではない。境界部におけるパターン形成に対応する画像データを構成する各画素が、行及び列の方向に対して平行に配列されていない場合のパターン形成方法について図47に示す。
図47は、境界部(ひし形)におけるパターン形成と、境界部を除くパターン部におけるパターン形成を同時に開始し、境界部におけるパターン形成を先に完了させる方法(パターン形成方法B)を示す。図47で示すとおり、境界部におけるパターン形成に対応する画像データを構成する各画素が、行及び列の方向に対して平行に配列されていない場合においても、上記で説明したパターン形成方法を用いてパターンを形成することができる。
なお、本発明のパターン形成方法において、着弾させる液滴の液量は同一であっても異なっていてもよく、境界部と境界部を除くパターン部とで、着弾させる液滴の液量を変化させてもよい。
例えば、凹凸のある基板にパターンを形成する場合、凹部又は凹部を含む周辺に着弾させる液滴の液量を増やすことにより、基板上に形成されるパターンを平滑化することができ、導電性や絶縁性等の機能性のばらつきを抑制することができる。
[4 インク]
本発明に係るインクは、インクの吐出時の温度における粘度η1と着弾時の温度における粘度η2の比率η2/η1が100以上であることが好ましい。
η2/η1を100以上とすることにより、バルジの発生を抑制でき、高精細なパターンを形成することができる。また、η2/η1を200以上、更には500以上とすることにより、異種部材や凹凸のある基板にも高精細なパターンを形成することができる。
また、本発明においては、後述するようなホットメルトタイプ、ゲル化タイプ又はチキソトロピータイプのいずれかのタイプのインクを用いることが好ましい。
<粘度>
インク吐出時及び着弾時の粘度は、上記比率を満たす範囲内であれば、特に限定されないが、例えば、吐出時の温度を75℃とするときの粘度(η1)は、インクジェットヘッドの吐出性の観点から、3~15mPa・sの範囲内であることが好ましい。
一方、着弾時の温度を室温(25℃)とするときの粘度(η2)は、着弾時にインクが基板上で固定化され、バルジなどの発生が抑制できる観点から、1×10~1×10mPa・sの範囲内であることが好ましい。
「着弾時の温度における粘度η2」とは、基板上におけるインクの濡れ広がりに起因するインクの流動(着弾の衝撃に起因するものではない。)が実質的に生起される前に到達するインクの粘度ということができ、具体的には、インクが基板に着弾してから1秒以内で到達する粘度であるが、本発明では、インクが着弾される際の基板の温度とする。
一方、「吐出時の温度における粘度η1」については、インクがヘッドから吐出された時点のヘッドの温度をとする。
粘度測定は、温度制御可能なストレス制御型レオメータ(例えばPhysicaMCR300、AntonPaar社製)に前記インクをセットして100℃に加熱し、降温速度0.1℃/sの条件で、25℃まで冷却し、粘度測定を行う。測定は直径75.033mm、コーン角1.017°のコーンプレート(例えばCP75-1、Anton Paar社製)を用いて行うことができる。
また、温度制御は、温度制御装置を用いて、例えば、PhysicaMCR300に付属のペルチェ素子型温度制御装置(TEK150P/MC1)により行うことができる。
<粘度比率η2/η1の制御方法>
本発明に係るインクの粘度比率η2/η1の条件は、例えば、インクの組成、インク着弾時における温度や湿度等の物理的条件の設定などにより、適宜満たすことができる。
本発明に係るインクとしては、例えば、ホットメルト、チクソトロピー又はゲル化の何れかの相変化機構により粘度が変化する性能を有することが好ましい。上記性能を有することにより、インクの吐出時から着弾時にかけて、インクが相変化機能を発現することによって、本発明に係る粘度比率η2/η1の条件を満たすことができる。
本発明において、「ホットメルト」とは、熱をかけて融かすことをいい、「ホットメルトによる相変化機構」とは、加熱(溶融)され粘度が低い状態(吐出時)から、冷却されることにより粘度が高い状態(着弾時)へ移行する機構のことをいう。
ホットメルトによる相変化機構を好適に発現させる観点から、吐出時と、着弾時とで、インクの温度を変化させることが好ましい。例えば、吐出時においてはインクを加熱、着弾時においてはインクを冷却する方法が挙げられ、このうちどちらか一方又は両方を行うことが好ましい。
本発明において、吐出時と、着弾時とで、インクの温度を変化させる場合には、インクジェットヘッドに充填されたインクを加熱するためのヒーター(加熱手段)や、基板を冷却するための冷却手段などのような温度調整手段を適宜用いることが好ましい。
本発明において、「チクソトロピー」とは、ゲルのような塑性固体とゾルのような非ニュートン液体との中間的性質であり、粘度が時間経過とともに変化するもののことをいう。
また、「チクソトロピーによる相変化機構」とは、撹拌や振動などによるせん断応力の作用下での粘度が低い状態(吐出時)から、せん断応力の作用が減少される又は静止されることにより粘度が高い状態(着弾後)へ移行する相変化機構のことをいう。
例えば、インクジェットヘッドに充填されたインクに撹拌や振動(微振動)を加えるせん断応力付与手段を適宜用いてチクソトロピーによる相変化機構を発現させることができる。
本発明において、「ゲル化による相変化機構」とは、溶質の独立した運動性により粘度が低い状態(吐出時)から、化学的又は物理的な凝集によって形成される高分子網目、微粒子の凝集構造などの相互作用により、溶質が独立した運動性を失って集合した構造を形成し、粘度が高い状態(着弾時)へ移行する相変化機構のことをいう。この場合、インク中に、オイルゲル化剤(詳しくは後述する。)などのようなゲル化剤を含むことが好ましい。
ゲル化による相変化機構を好適に発現させる観点から、吐出時と、着弾時とで、インクの温度を変化させることが好ましい。例えば、吐出時にインクをゾル-ゲル相転移温度(ゲル化温度)以上に加熱してゾル化させておき、着弾時にインクがゾル-ゲル相転移温度(ゲル化温度)以下に冷却されることでゲル化させる方法が好ましい。
[4.1 熱硬化性インクジェットインク]
本発明に用いられるインクは、熱硬化性官能基を有する化合物とゲル化剤を含有し、温度によるゾル・ゲル相転移する熱硬化性インクジェットインクであることが好ましい。また、熱硬化性インクジェットインクは、光重合性官能基を有する化合物と光重合開始剤を含有することが更に好ましい。
<熱硬化性官能基>
熱硬化性官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、イソシアネート基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、マレイミド基、メルカプト基、アルコキシ基等が挙げられる。これらを一種単独で用いても、二種以上併用してもよい。
<ゲル化剤>
ゲル化剤は、光及び熱により硬化した硬化膜中に均一に分散した状態で保持されることが好ましく、これにより硬化膜中への水分の浸透を防ぐことができる。
ゲル化剤としては、下記一般式(G1)又は(G2)で表される化合物うちの少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。これにより、インクの硬化性を阻害せずに、硬化膜中に均一にゲル化剤を分散することができる。また、インクジェット印刷において、ピニング性が良好で、細線と膜厚が両立した描画ができ、細線再現性に優れる。
一般式(G1):R-CO-R
一般式(G2):R-COO-R
[式中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数12以上の直鎖部分を持ち、かつ分岐を持ってもよいアルキル鎖を表す。]
一般式(G1)で表されるケトンワックス又は一般式(G2)で表されるエステルワックスは、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(アルキル鎖)の炭素数が12以上であるため、ゲル化剤の結晶性がより高まり、耐水性が向上する、かつ、下記カードハウス構造においてより十分な空間が生ずる。そのため、溶媒、光重合性化合物等のインク媒体が上記空間内に十分に内包されやすくなり、インクのピニング性がより高くなる。
また、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(アルキル鎖)の炭素数は26以下であることが好ましく、26以下であると、ゲル化剤の融点が過度に高まらないため、インクを吐出するときにインクを過度に加熱する必要がない。
上記観点からは、R及びR、又は、R及びRは炭素原子数12以上23以下の直鎖状の炭化水素基であることが特に好ましい。また、インクのゲル化温度を高くして、着弾後により急速にインクをゲル化させる観点からは、R若しくはRのいずれか、又はR若しくはRのいずれかが飽和している炭素原子数12以上23以下の炭化水素基であることが好ましい。
上記観点からは、R及びRの双方、又は、R及びRの双方が飽和している炭素原子数11以上23未満の炭化水素基であることがより好ましい。
ゲル化剤の含有量は、インクの全質量に対して0.5~5.0質量%の範囲内であることが好ましい。ゲル化剤の含有量を上記範囲内とすることで、ゲル化剤の溶媒成分に対する溶解性及びピニング性効果が良好となり、さらに、硬化膜としたときの耐水性が良好になる。また、上記観点からは、インクジェットインク中のゲル化剤の含有量は、0.5~2.5質量%の範囲内であることがより好ましい。
また、以下の観点から、ゲル化剤は、インクのゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化することが好ましい。ゲル化温度とは、加熱によりゾル化又は液体化したインクを冷却していったときに、ゲル化剤がゾルからゲルに相転移し、インクの粘度が急変する温度をいう。具体的には、ゾル化又は液体化したインクを、粘弾性測定装置(例えば、MCR300、Physica社製)で粘度を測定しながら冷却していき、粘度が急激に上昇した温度を、そのインクのゲル化温度とすることができる。
<光重合性官能基を有する化合物>
光重合性官能基を有する化合物(光重合性化合物ともいう。)は、活性光線の照射によって反応が生じて重合又は架橋し、インクを硬化させる作用を有する化合物であればよい。光重合性化合物の例には、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物が含まれる。光重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマー又はこれらの混合物のいずれであってもよい。光重合性化合物は、インクジェットインク中に一種のみが含まれていてもよく、二種以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。そのような化合物としては、前記の(メタ)アクリル基を有する化合物が挙げられる。
カチオン重合性化合物は、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、及びオキセタン化合物などでありうる。カチオン重合性化合物は、インクジェットインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種以上が含まれていてもよい。
<光重合開始剤>
光重合開始剤は、光重合性化合物がラジカル重合性化合物であるときは、光ラジカル開始剤を用い、前記光重合性化合物がカチオン重合性化合物であるときは、光酸発生剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤は、本発明のインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種以上が含まれていてもよい。光重合開始剤は、光ラジカル開始剤と光酸発生剤の両方の組み合わせであってもよい。光ラジカル開始剤には、開裂型ラジカル開始剤及び水素引き抜き型ラジカル開始剤が含まれる。
<着色剤>
本発明に用いられるインクは、必要に応じて着色剤を更に含有してもよい。着色剤は、染料又は顔料でありうるが、インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料が好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の体積平均粒径が、好ましくは0.08~0.5μmの範囲内、最大粒径が好ましくは0.3~10μmの範囲内、より好ましくは0.3~3μmの範囲内となるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料、分散剤、及び分散媒体の選定、分散条件、及び濾過条件等によって、調整される。
なお、顔料の分散性を高めるために、分散剤及び分散助剤を更に含んでもよい。分散剤及び分散助剤の合計量は、顔料に対して1~50質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられるインクは、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体を更に含んでもよい。分散媒体として溶剤をインクに含ませてもよいが、形成された印刷物における溶剤の残留を抑制するためには、前述のような光重合性化合物(特に粘度の低いモノマー)を分散媒体として用いることが好ましい。
染料を用いる場合には、油溶性染料等が挙げられる。
着色剤はインク中に、一種又は二種以上を含み、所望の色に調色してもよい。着色剤の含有量は、インク全量に対して0.1~20質量%の範囲内であることが好ましく、0.4~10質量%の範囲内であることがより好ましい。
<その他の成分>
本発明に用いられるインクは、本発明の効果が得られる範囲において、重合禁止剤、界面活性剤、硬化促進剤、カップリング剤、イオン捕捉剤等のその他の成分を更に含んでいてもよい。これらの成分は、当該インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種以上が含まれていてもよい。また、硬化性の観点から本来は無溶剤が好ましいが、インク粘度の調整のために溶剤を添加することもできる。
<物性>
本発明に用いられるインクは、40℃以上100℃未満の範囲内に相転移点を有することが好ましい。相転移点が40℃以上であると、印刷媒体に着弾後、インクが速やかにゲル化するため、ピニング性がより高くなる。また、相転移点が100℃未満であると、インク取り扱い性が良好になり吐出安定性が高くなる。より低温でインクを吐出可能にし、画像形成装置への負荷を低減させる観点からは、当該インクの相転移点は、40~60℃の範囲内であることがより好ましい。
インクのインクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点から、本発明に係る顔料粒子の平均分散粒径は、50~150nmの範囲内であることが好ましく、80~130nmの範囲内であることがより好ましい。また、最大粒径は、300~1000nmの範囲内であることが好ましい。
なお、本発明において、顔料粒子の「平均分散粒径」は、データサイザーナノZSP、Malvern社製を使用して動的光散乱法によって求めた値のことをいう。着色剤を含むインクについては、濃度が高く、当該測定機器では光が透過しないため、インクを200倍で希釈し測定する。測定温度は常温(25℃)とする。
[5 ソルダーレジストパターンの形成方法]
本発明に用いられるインクは、プリント回路基板に用いられるソルダーレジストパターンを形成するためのソルダーレジストインクであることが好ましい。当該インクを用いて、ソルダーレジストパターンを形成することにより、ソルダーレジストパターンへの水分の浸透を防ぐことができ、その結果、プリント回路基板における銅箔とソルダーレジストパターン界面の密着性が良好となる。また、銅のマイグレーションを防止し、絶縁性の低下を抑制できる。
本発明に用いられるインクを用いたソルダーレジストパターンの形成方法は、下記(1)インクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して、回路形成されたプリント回路基板上に着弾させる工程と、下記(3)インクを加熱して本硬化する工程とを含むことが好ましい。
本発明に用いられるインクが、光重合性官能基を有する化合物及び光重合開始剤を含有する場合は、上記(1)と(3)の工程の間に、着弾したインクに活性光線を照射してインクを仮硬化させる工程((2)の工程)を含むことが好ましい。
(1)の工程:
(1)の工程では、本発明のインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、印刷媒体であるプリント回路基板上の、形成すべきソルダーレジストパターンに応じた位置に着弾させて、パターニングする。インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式又はコンティニュアス方式のどちらでもよい。
インクの液滴を加熱した状態で、インクジェットヘッドから吐出することにより、吐出安定性を高めることができる。吐出時のインクの温度は、40~100℃の範囲内であることが好ましく、吐出安定性をより高めるためには、40~90℃の範囲内であることがより好ましい。特に、インクの粘度が7~15mPa・sの範囲内、より好ましくは8~13mPa・sの範囲内となるようなインク温度において吐出を行うことが好ましい。
ゾル・ゲル相転移型のインクは、インクジェットヘッドからのインクの吐出性を高めるために、インクジェットヘッドに充填されたときのインクの温度が、当該インクの(ゲル化温度+10)℃~(ゲル化温度+30)℃に設定されることが好ましい。インクジェットヘッド内のインクの温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、インクジェットヘッド内又はノズル表面でインクがゲル化して、インクの吐出性が低下しやすい。一方、インクジェットヘッド内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
インクの加熱方法は、特に制限されない。例えば、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプ及びヘッド直前の前室インクタンク等のインク供給系、フィルター付き配管並びにピエゾヘッド等の少なくともいずれかをパネルヒーター、リボンヒーター又は保温水等によって加熱することができる。吐出される際のインクの液滴量は、印刷速度及び画質の面から、2~20pLの範囲内であることが好ましい。
プリント回路基板は、特に限定されないが、例えば、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素・ポリエチレン・PPO・シアネートエステル等を用いた高周波回路用銅張積層版等の材質を用いたもので全てのグレード(FR-4等)の銅張積層版、その他ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板、ステンレス鋼板等であることが好ましい。
(2)の工程:
(2)の工程では、(1)の工程で着弾させたインクに活性光線を照射して、該インクを仮硬化する。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、及びエックス線等から選択することができるが、好ましくは紫外線である。紫外線の照射は、例えばPhoseon Technology社製の水冷LEDを用いて、波長395nmの条件下で行うことができる。LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってインクが溶けることによるインクの硬化不良を抑制することができる。
紫外線の照射は、370~410nmの範囲内の波長を有する紫外線のソルダーレジストパターン表面におけるピーク照度が、好ましくは0.5~10W/cmの範囲内、より好ましくは1~5W/cmの範囲内となるように行う。輻射熱がインクに照射されることを抑制する観点からは、ソルダーレジストパターンに照射される光量は500mJ/cm未満であることが好ましい。活性光線の照射は、インク着弾後0.001~300秒の間に行うことが好ましく、高精細なソルダーレジストパターンを形成するためには、0.001~60秒の間に行うことがより好ましい。
(3)の工程:
(3)の工程では、(2)の仮硬化後、更にインクを加熱して本硬化する。加熱方法は、例えば、110~180℃の範囲内で設定したオーブンに10~60分の範囲内で投入することが好ましい。
なお、本発明に用いられるインクは、前記したソルダーレジストパターン形成用のインクとして用いる他、電子部品用の接着剤や封止剤、回路保護剤などとして用いることもできる。
本発明において、ソルダーレジストパターンが設けられる部位は、格別限定されるものではないが、上述したように、異なる部材に跨って形成される場合や、凹凸のある部材に跨って形成される場合は、本発明の効果が特に有意となる。
≪インクジェット印刷装置≫
以下において、本発明において用いることができるマルチパス方式のインクジェット印刷装置(「インクジェットプリント装置」又は「インクジェット記録装置」ともいう。)が備える基本的構成部品の機能について説明する。
図8に示す図は、マルチパス方式によるインクジェット印刷装置1を示す模式図であり、A正面図、B上面図である。
このインクジェット印刷装置1は、基本的には、ヘッド3が往復して重ね印刷を行うマルチパス方式でインクの吐出を行う印刷装置であり、ヘッドを取り付けたキャリッジ2、前記キャリッジ2を移動させるX方向リニアステージ4、基板を設置するテーブル5、前記テーブル5を移動させるY方向リニアステージ6などを備える。
インクジェット印刷装置1は、X方向にはヘッド3が移動し、Y方向には基板を設置するテーブル5が移動することによって印刷を行う。
また、図示しないが、インクジェット印刷装置1は、ヘッド3からのインクの吐出を制御する装置、及び、XYステージを制御するコンピュータを備える。XYステージを制御するコンピュータは画像データに基づき、XYステージの動作を制御する。
なお、上記コンピュータは、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備えている。
X方向の印刷方法としては、ヘッド3を取り付けたキャリッジ2がX方向のリニアステージ4に搭載され、XYステージを制御するコンピュータにより所望の位置に移動されることにより行われる。
また、Y方向の印刷方法としては、基板を設置したテーブル5がY方向に移動し、基板がヘッドの下を通過する際にヘッドからインクが吐出されることにより行われる。Y方向のリニアステージ6に設置されたエンコーダーと、ヘッド3からのインクの吐出を制御する装置とが連動し、エンコーダー信号に応じて、画像データの解像度でインクを吐出する。
X方向についてヘッドの解像度より高い解像度で印刷する場合は、X方向に複数回ヘッドを移動して印刷する。
例えば、解像度600dpiのインクジェットヘッド1個で2400dpiを印刷する場合は、ヘッドがY方向に1スキャン目の印刷をした後、X方向に10.6μm(2400dpiの1画素相当)移動し、Y方向に2スキャン目の印刷をする。さらに、ヘッドがX方向に10.6μm移動して、Y方向に3スキャン目の印刷をした後、X方向に10.6μm移動し、Y方向に4スキャン目の印刷をし、完了する。
上記では、搬送方向を一方向のみで印刷する場合であるが、往復で印刷する場合(「双方向印刷」ともいう。)もある。
また、印刷領域がヘッド幅より大きい場合は、ヘッド幅分X方向に移動して印刷を行う。
また、インク吐出装置の主走査方向及び副走査方向は、ノズル列と垂直又は平行でなくてもよく、インク吐出装置及び印刷媒体としての基板は、どちらか一方のみが移動してパターンを形成しても、両方が移動してパターンを形成してもスジやムラが発生しづらい。
以下、本発明において使用できる上記以外のマルチパス方式インクジェット印刷装置について、説明する。
インク吐出装置(上記「ヘッド」と同義である。)は、インクを吐出するための複数のノズル孔を有する。このノズル孔は、一列に並んでいることが好ましいが、ノズル列と、ヘッドの主走査方向(上記「Y方向」と同義である。)及び副走査方向(上記「X方向」と同義である。)は、垂直又は平行でなくてもよく、特に限定されない。
図41は、ノズル列の方向が、X方向及びY方向どちらとも垂直又は平行でなく、斜めである場合の印刷方法を示している。ノズル列が斜めであるインクジェット印刷装置についても、本発明のパターン形成方法に用いることができる。
図42は、インク吐出装置自体の方向が、X方向及びY方向どちらとも垂直又は平行でなく、斜めである場合の印刷方法を示している。インク吐出装置と主走査方向の角度を適宜変更することにより、形成するドットの間隔を変更することができるため、インク吐出装置を増設することなくノズル解像度を上げることができる。このようなインクジェット印刷装置についても、本発明のパターン形成方法に用いることができる。
また、上記インクジェット印刷装置1では、ヘッドがX方向に移動し、基板がY方向に移動することにより印刷を行っているが、ヘッドがY方向に移動し、基板がX方向に移動するインクジェット印刷装置、基板がX方向にもY方向にも移動するインクジェット印刷装置、及び、ヘッドがX方向にもY方向にも移動するインクジェット印刷装置についても、本発明のパターン形成方法に用いることができる。
図34は、上記インクジェット印刷装置1で印刷を行う方法を示す。1スキャンでは、ヘッドが固定されており、基板が矢印方向に移動してヘッドの下を通過する際に、ヘッドからインクの液滴が吐出されることにより、基板とヘッドの位置関係において、相対的にヘッドが主走査方向に移動する。ヘッドの解像度より高い解像度で印刷する場合には、2スキャンにおいて、ヘッドが矢印方向に移動し、再度基板が矢印方向に移動してインクの液滴を吐出する。これを繰り返し、印刷が完了する。
図33に示すインクジェット印刷装置100では、ヘッド3を取り付けたキャリッジ2がY方向のリニアステージ6に搭載され、XYステージを制御するコンピュータにより所望の位置に移動されることにより行われる。
また、X方向の印刷方法としては、Y方向の主走査方向の印刷を行った後、基板を設置したテーブル5が、X方向に移動し、次のY方向の主走査方向の印刷を行う。
インクジェット印刷装置1と同様に、X方向のリニアステージ4に設置されたエンコーダーと、ヘッド3からのインクの吐出を制御する装置とが連動し、エンコーダー信号に応じて、画像データの解像度でインクを吐出する。
図35は、インクジェット印刷装置100で印刷を行う方法を示す。1スキャンでは、固定された基板上をヘッドが主走査方向に移動してインクの液滴を吐出する。次に、2スキャンでは、基板が矢印方向に移動することにより、基板とヘッドの位置関係において、相対的にヘッドが副走査方向に移動する。そして、再度固定された基板上をインク吐出装置が主走査方向に移動してインクの液滴を吐出する。これを繰り返し、印刷が完了する。
図36は、基板がX方向にもY方向にも移動するインクジェット印刷装置で印刷を行う方法を示す。1スキャンでは、ヘッドが固定されており、基板が矢印方向に移動してヘッドの下を通過する際に、ヘッドからインクの液滴が吐出されることにより、基板とヘッドの位置関係において、相対的にヘッドが主走査方向に移動する。次に、2スキャンでは、基板が矢印方向に移動することにより、基板とヘッドの位置関係において、相対的にヘッドが副走査方向に移動する。そして、再度固定された基板上をインク吐出装置が主走査方向に移動してインクの液滴を吐出する。これを繰り返し、印刷が完了する。
図37は、ヘッドがX方向にもY方向にも移動するインクジェット印刷装置で印刷を行う方法を示す。1スキャンでは、固定された基板上をヘッドが主走査方向に移動してインクの液滴を吐出する。次に、2スキャンにおいて、ヘッドが矢印方向に移動し、再度基板を矢印方向に移動してインクの液滴を吐出する。これを繰り返し、印刷が完了する。
また、ヘッドを複数並べてキャリッジに取り付けることにより、スキャン回数を減らし、印刷時間を短縮できる。
図40は、ノズル解像度600dpiのインクジェットヘッドを4個用いて、解像度2400dpiの印刷を分割印刷で行う方法を示す。4個のインクジェットヘッドは、解像度2400dpiのピッチになるように、ずらしてキャリッジに取り付ける。
図30A及びBで示すように、ノズル解像度600dpiのインクジェットヘッドを1個用いて、解像度2400dpiの印刷を、四つの分割画像データを用いて行う場合には、16回のスキャンを行う必要がある。しかし、図40で示すように、インクジェットヘッドをずらして4個取り付けた場合には、図30Aにおける1スキャン~4スキャンの工程を、1回のスキャンで行うことができるため、合計4回のスキャンで印刷を完了することができ、印刷時間を短縮できる。
本発明においては、前述のとおり、多階調のランダムなグレー画像を用い、各画素の階調又は濃度に対応させて液量を制御してもよい。例えば、凹凸のある基板にパターンを形成する場合、凹部又は凹部を含む周辺に着弾させる液滴の液量を増やすことにより、基板上に形成されるパターンを平滑化することができ、導電性や絶縁性等の機能性のばらつきを抑制することができる。
例えば、256階調の30%グレー画像をアドビ社のPhotoshopでノイズフィルターをかけることで図16のようなランダムの多階調グレーの画像データを作製できる。この画像データをもとに、例えば、0~86階調の黒部分は7pL、87~172階調のグレー部分は3.5pL、173~255階調の白部分は0pLのようにインクの液量を配分する。
各画素に対応する異なる液量によるドットの形成は、ノズルからインクが吐出する際の吐出波形を変える、若しくは、同一の画素に対して複数のドットを形成することによって可能である。
例えば、上記の液量配分の場合、3.5pLの液量のインクジェットヘッドを用いて、0~86階調の黒部分は2滴打ち、87~172階調のグレー部分は1滴打ち、173~255階調の白部分は吐出なしと規定することにより、異なる液量によるドットの形成が可能である。
本発明におけるランダムマルチパス方式で印刷する方法としては、元画像をランダムな複数の重なり合わない画像に分割して印刷する方法や、着弾を乱数のような関数を用いてインクジェット吐出制御システムでランダムにする方法などがある。
分割画像データは、以下の方法で作製できる。アドビ社の画像処理ソフトPhotoshop 2020などの画像処理ソフトで作製することができ、例えば、グレー画像を、Photoshopを用いて誤差拡散法などでモノクロ2階調化し、白と黒のランダムな画像を作製する。次にその画像を色調反転させて白と黒の反転した画像を作製する。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
また、下記実施例において、特記しない限り操作は室温(25℃)で行われた。
≪実施例1≫
[インク1の調製]
<顔料分散液の調製>
下記に示す分散剤と分散媒をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解し、室温まで冷却した後、これに顔料を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓した。これをペイントシェーカーにて、所望の粒径になるまで分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
(イエロー顔料分散体)
分散剤1:EFKA7701(BASF社製) 5.6質量部
分散剤2:Solsperse22000(日本ルーブリゾール社製)
0.4質量部
分散媒:ジプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV-10含有)
80.6質量部
顔料:PY185(BASF社製、パリオトールイエローD1155)
13.4質量部
(シアン顔料分散体)
分散剤:EFKA7701(BASF社製) 7.0質量部
分散媒:ジプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV-10含有)
70.0質量部
顔料:PB15:4(大日精化製、クロモファインブルー6332JC)
23.0質量部
調製した分散体を下記の配合で混合した後、ADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過をし、インク1を調製した。なお、インク吐出時の温度が75℃での粘度(η1)は8.5mPa・sであり、着弾時温度である室温(25℃)での粘度(η2)は9.2mPa・sであった。
イエロー顔料分散体 3.0質量部
シアン顔料分散体 1.0質量部
エポキシエステル(M-600A:共栄化学社製) 30.0質量部
TrixeneBI7961(LANXESS社製) 10.0質量部
ウレタンアクリレート(AH-600:共栄化学社製)10.0質量部
M222(Miwon社製) 27.7質量部
EM2382(長興化学社製) 10.0質量部
光開始剤:ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)
3.0質量部
光開始助剤:2-イソプロピルチオキサントン(ITX)3.0質量部
[パターンの印刷]
インクジェットヘッド(KM1800iSHC-C:コニカミノルタ社製:解像度600dpi)1個を取り付けたリニアXYステージとコントロールシステム(IJCS-1:コニカミノルタ社製)を用いて、基板である光学用PETフィルムに下記条件で印刷パターンを印刷し、波長395nmのUV-LED光源にて500mJ/cmの照射エネルギーで露光・硬化して印刷物1を作製した。
[分割印刷(画像分割数2)]
画像データについて、図28に示すとおり、境界部を除くパターン部の画像データにおいては、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、一定の周期性を有さないように、画像処理ソフトによって分割し、境界部の画像データにおいては、ブロック方式に対応するよう、分割画像データNo.1及びNo.2を作製した。そして、下記条件で、分割画像データごとに順次重ねて印刷した。
印刷パターン:70mm×70mmの四角の中に主走査方向と副走査方向に平行な3mm×2mmの抜き四角を配置
画像分割数:2
分割画像データ:図28、分割画像データ参照
解像度:2400dpi×2400dpi(搬送方向)
パス回数:8回(600dpi×8)
印刷方向(主走査方向):片方向印刷
印刷方向(副走査方向):正方向印刷
パス間ヘッドノズル列方向移動距離:10.6μm
境界部を除くパターン部印刷方式:ランダムマルチパス方式、図28参照
境界部印刷方式:ブロック方式、図18参照
境界部幅ドット数:1
印刷順:パターン形成方法B
液量配分:全面3.5pL
ヘッド温度(インク吐出時温度):室温(25℃)
基板温度(インク着弾時温度):室温(25℃)
≪実施例2≫
インク1をインク2にし、ヘッド温度(インク吐出時)を75℃に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2の印刷物2を作製した。
[インク2の調製]
インク1で調製した分散体を下記の配合で混合した後、ADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過をし、インクを調製した。なお、インク吐出時の温度が75℃での粘度(η1)は10mPa・sであり、着弾時温度である室温(25℃)での粘度(η2)は1×10mPa・sであった。すなわち粘度比率η2/η1が1000であった。
イエロー顔料分散体 3.0質量部
シアン顔料分散体 1.0質量部
ジステアリルケトン 1.1質量部
ベヘニン酸ベヘニル 1.2質量部
エポキシエステル(M-600A:共栄化学社製) 30.0質量部
TrixeneBI7961(LANXESS社製) 10.0質量部
ウレタンアクリレート(AH-600:共栄化学社製)10.0質量部
M222(Miwon社製) 27.7質量部
EM2382(長興化学社製) 10.0質量部
光開始剤:ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)
3.0質量部
光開始助剤:2-イソプロピルチオキサントン(ITX)3.0質量部
≪実施例3≫
印刷条件を下記条件に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物3を作製した。
[分割印刷(画像分割数2)]
画像データについて、図44に示すとおり、境界部を除くパターン部の画像データにおいては、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、一定の周期性を有さないように、画像処理ソフトによって分割し、境界部の画像データにおいては、インターリーブ方式に対応するよう、分割画像データNo.1及びNo.2を作製した。そして、下記条件で、分割画像データごとに順次重ねて印刷した。
印刷パターン:70mm×70mmの四角の中に主走査方向と副走査方向に平行な3mm×2mmの抜き四角を配置
画像分割数:2
分割画像データ:図44、分割画像データ参照
解像度:2400dpi×2400dpi(搬送方向)
パス回数:8回(600dpi×8)
印刷方向(主走査方向):片方向印刷
印刷方向(副走査方向):正方向印刷
パス間ヘッドノズル列方向移動距離:10.6μm
境界部を除くパターン部印刷方式:ランダムマルチパス方式、図44参照
境界部印刷方式:インターリーブ方式、図21参照
境界部幅ドット数:1
印刷順:パターン形成方法D
液量配分:全面3.5pL
ヘッド温度(インク吐出時温度):75℃
基板温度(インク着弾時温度):室温(25℃)
≪実施例4≫
印刷条件を下記条件に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物4を作製した。
[分割印刷(画像分割数2)]
画像データについて、図45に示すとおり、境界部を除くパターン部の画像データにおいては、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、一定の周期性を有さないように、画像処理ソフトによって分割し、境界部の画像データにおいては、インターリーブ方式に対応するよう、分割画像データNo.1及びNo.2を作製した。そして、下記条件で、分割画像データごとに順次重ねて印刷した。
印刷パターン:70mm×70mmの四角の中に主走査方向と副走査方向に平行な2mm×2mmの抜き四角を配置
画像分割数:2
分割画像データ:図45、分割画像データ参照
解像度:2400dpi×2400dpi(搬送方向)
パス回数:8回(600dpi×8)
印刷方向(主走査方向):片方向印刷
印刷方向(副走査方向):正方向印刷
パス間ヘッドノズル列方向移動距離:10.6μm
境界部を除くパターン部印刷方式:ランダムマルチパス方式、図45参照
境界部印刷方式:インターリーブ方式、図22参照
境界部幅ドット数:1
印刷順:パターン形成方法D
液量配分:全面3.5pL
ヘッド温度(インク吐出時温度):75℃
基板温度(インク着弾時温度):室温(25℃)
≪実施例5≫
印刷条件を下記条件に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物5を作製した。
[分割印刷(画像分割数2)]
画像データについて、図43に示すとおり、境界部を除くパターン部の画像データにおいては、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、一定の周期性を有さないように、画像処理ソフトによって分割し、境界部の画像データにおいては、ブロック方式に対応するよう、分割画像データNo.1及びNo.2を作製した。そして、下記条件で、分割画像データごとに順次重ねて印刷した。
印刷パターン:70mm×70mmの四角の中に主走査方向と副走査方向に平行な3mm×2mmの抜き四角を配置
画像分割数:2
分割画像データ:図43、分割画像データ参照
解像度:2400dpi×2400dpi(搬送方向)
パス回数:8回(600dpi×8)
印刷方向(主走査方向):片方向印刷
印刷方向(副走査方向):正方向印刷
パス間ヘッドノズル列方向移動距離:10.6μm
境界部を除くパターン部印刷方式:ランダムマルチパス方式、図43参照
境界部印刷方式:ブロック方式、図18参照
境界部幅ドット数:1
印刷順:パターン形成方法C
液量配分:全面3.5pL
ヘッド温度(インク吐出時温度):75℃
基板温度(インク着弾時温度):室温(25℃)
≪実施例6≫
印刷条件を下記条件に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物6を作製した。
[分割印刷(画像分割数3)]
画像データについて、図27A及びBに示すとおり、境界部と境界部を除くパターン部とで画像データを分割した。そして、境界部を除くパターン部の画像データにおいては、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、一定の周期性を有さないように、画像処理ソフトによって分割し、境界部の画像データにおいては、ブロック方式に対応するよう、分割画像データNo.1~No.3を作製した。そして、下記条件で、分割画像データごとに順次重ねて印刷した。
印刷パターン:70mm×70mmの四角の中に主走査方向と副走査方向に平行な3mm×2mmの抜き四角を配置
画像分割数:3
分割画像データ:図27A及びB、分割画像データ参照
解像度:2400dpi×2400dpi(搬送方向)
パス回数:12回(600dpi×8)
印刷方向(主走査方向):片方向印刷
印刷方向(副走査方向):正方向印刷
パス間ヘッドノズル列方向移動距離:10.6μm
境界部を除くパターン部印刷方式:ランダムマルチパス方式、図27参照
境界部印刷方式:ブロック方式、図18参照
境界部幅ドット数:1
印刷順:パターン形成方法A
液量配分:全面3.5pL
ヘッド温度(インク吐出時温度):75℃
基板温度(インク着弾時温度):室温(25℃)
≪実施例7≫
印刷条件を下記条件に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物7を作製した。
[分割印刷(画像分割数2)]
画像データについて、図47に示すとおり、境界部を除くパターン部の画像データにおいては、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、一定の周期性を有さないように、画像処理ソフトによって分割し、境界部の画像データにおいては、ブロック方式に対応するよう、分割画像データNo.1及びNo.2を作製した。そして、下記条件で、分割画像データごとに順次重ねて印刷した。
印刷パターン:70mm×70mmの四角の中に主走査方向と副走査方向に非平行な2mm×2mmの抜き四角(ひし形)を配置
画像分割数:2
分割画像データ:図47、分割画像データ参照
解像度:2400dpi×2400dpi(搬送方向)
パス回数:8回(600dpi×8)
印刷方向(主走査方向):片方向印刷
印刷方向(副走査方向):正方向印刷
パス間ヘッドノズル列方向移動距離:10.6μm
境界部を除くパターン部印刷方式:ランダムマルチパス方式、図47参照
境界部印刷方式:ブロック方式、図24参照
境界部幅ドット数:1
印刷順:パターン形成方法B
液量配分:全面3.5pL
ヘッド温度(インク吐出時温度):75℃
基板温度(インク着弾時温度):室温(25℃)
≪実施例8≫
印刷条件を下記条件に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物8を作製した。
[分割印刷(画像分割数2)]
画像データについて、図48に示すとおり、境界部を除くパターン部の画像データにおいては、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、一定の周期性を有さないように、画像処理ソフトによって分割し、境界部の画像データにおいては、ブロック方式に対応するよう、分割画像データNo.1及びNo.2を作製した。そして、下記条件で、分割画像データごとに順次重ねて印刷した。ただし、境界部における幅ドット数を二つ分とした。
印刷パターン:70mm×70mmの四角の中に主走査方向と副走査方向に平行な3mm×2mmの抜き四角を配置
画像分割数:2
分割画像データ:図48、分割画像データ参照
解像度:2400dpi×2400dpi(搬送方向)
パス回数:8回(600dpi×8)
印刷方向(主走査方向):片方向印刷
印刷方向(副走査方向):正方向印刷
パス間ヘッドノズル列方向移動距離:10.6μm
境界部を除くパターン部印刷方式:ランダムマルチパス方式、図48参照
境界部印刷方式:ブロック方式
境界部幅ドット数:2
印刷順:パターン形成方法B
液量配分:全面3.5pL
ヘッド温度(インク吐出時温度):75℃
基板温度(インク着弾時温度):室温(25℃)
≪実施例9≫
印刷条件を下記条件に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物9を作製した。
[分割印刷(画像分割数2)]
画像データについて、図49に示すとおり、境界部を除くパターン部の画像データにおいては、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、一定の周期性を有さないように、画像処理ソフトによって分割し、境界部の画像データにおいては、ブロック方式に対応するよう、分割画像データNo.1及びNo.2を作製した。そして、下記条件で、分割画像データごとに順次重ねて印刷した。ただし、印刷方向を双方向とした。
印刷パターン:70mm×70mmの四角の中に主走査方向と副走査方向に平行な3mm×2mmの抜き四角を配置
画像分割数:2
分割画像データ:図49、分割画像データ参照
解像度:2400dpi×2400dpi(搬送方向)
パス回数:8回(600dpi×8)
印刷方向(主走査方向):双方向印刷
印刷方向(副走査方向):正方向印刷
パス間ヘッドノズル列方向移動距離:10.6μm
境界部を除くパターン部印刷方式:ランダムマルチパス方式、図49参照
境界部印刷方式:ブロック方式
境界部幅ドット数:1
印刷順:パターン形成方法B
液量配分:全面3.5pL
ヘッド温度(インク吐出時温度):75℃
基板温度(インク着弾時温度):室温(25℃)
≪比較例1≫
印刷条件を下記条件に変更した以外は、実施例1と同様にして印刷物10を作製した。
画像データについて、図50に示すとおり、パターン部を、境界部と境界部を除くパターン部とで区別をせず、用いる画像データを一つの画像データとし(分割印刷を行わず)、全てブロック方式により印刷した。
印刷パターン:70mm×70mmの四角の中に主走査方向と副走査方向に平行な3mm×2mmの抜き四角を配置
解像度:2400dpi×2400dpi(搬送方向)
パス回数:4回(600dpi×4)
印刷方向(主走査方向):片方向印刷
印刷方向(副走査方向):正方向印刷
パス間ヘッドノズル列方向移動距離:10.6μm
パターン部印刷方式:ブロック方式、図50参照
液量配分:全面3.5pL
ヘッド温度(インク吐出時温度):室温(25℃)
基板温度(インク着弾時温度):室温(25℃)
≪比較例2≫
インク1をインク2にし、ヘッド温度(インク吐出時)を75℃に、変更した以外は、比較例1と同様にして印刷物11を作製した。
≪参考例1≫
印刷条件を下記条件に変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物12を作製した。
[分割印刷(画像分割数2)]
画像データについて、図46に示すとおり、パターン部を、境界部と境界部を除くパターン部とで区別をせず、パターン部全体において、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、一定の周期性を有さないように、画像処理ソフトによって分割し、分割画像データNo.1及びNo.2を作製した。そして、下記条件で、分割画像データごとに順次重ねて印刷した。
印刷パターン:70mm×70mmの四角の中に主走査方向と副走査方向に平行な3mm×2mmの抜き四角を配置
画像分割数:2
分割画像データ:図46、分割画像データ参照
解像度:2400dpi×2400dpi(搬送方向)
パス回数:8回(600dpi×8)
印刷方向(主走査方向):片方向印刷
印刷方向(副走査方向):正方向印刷
パス間ヘッドノズル列方向移動距離:10.6μm
パターン部印刷方式:ランダムマルチパス方式、図46参照
液量配分:全面3.5pL
ヘッド温度(インク吐出時温度):75℃
基板温度(インク着弾時温度):室温(25℃)
[評価]
<スジの評価>
得られた印刷物におけるパターンを目視で確認し、スジの発生を評価した。
◎:スジの発生が見られない。
〇:スジ感がわずかに感じられるが、気にならないレベルである。
×:スジ感が感じられるため、実用は好ましくない。
××:スジが目立って感じられ、実用は難しい。
なお、〇以上は、実用上問題がないとした。
<境界部直線性(パターン再現性)>
得られた印刷物におけるパターンの抜き四角(非パターン部)の対向する各辺間の距離を20点測定し、その算術平均値からのずれに基づいて、直線性を評価した。
◎◎:最大ずれ量が、2μm以下である。
◎:最大ずれ量が、2μm超、3μm以下である。
〇:最大ずれ量が、3μm超、5μm以下である。
△:最大ずれ量が、5μm超、10μm以下である。
×:最大ずれ量が、10μm超である。
なお、△以上は、実用上問題がないとした。
評価結果を表Iに示す。表中、「-」は該当するデータがないことを示す。実施例1を参考例とする。
また、図53に、印刷物2及び12とそれぞれ同様の印刷条件で作製した主走査方向と副走査方向に平行な抜き四角を配置した印刷物A及びBの100倍での光学顕微鏡観察写真を示す。なお、100倍での光学顕微鏡観察写真では、印刷物A(印刷物2と同様の印刷条件)及びB(印刷物12と同様の印刷条件)どちらにおいても、境界部を除くパターン部にスジが多少見受けられるが、目視では、スジは見受けられなかった。
実施例1及び比較例1の比較、また、実施例2及び比較例2の比較から、境界部を除くパターン部においては、ランダムマルチパス方式を用いる((I)前記画像データを構成する各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、かつ一定の周期性を有さないように制御する、(II)前記インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように制御する)ことにより、スジの発生を抑制することができることがわかる。
また、実施例2及び参考例1の比較及び図53から、境界部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御することにより、境界部における直線性が向上することがわかる。
実施例2~6の比較から、パターン形成方法A又はBを用いる(境界部におけるドットの塗膜の形成を、境界部を除くパターン部における前記ドットの塗膜の形成よりも先に完了させる)ことにより、境界部における直線性が更に向上することがわかる。
実施例2と9の比較から、双方向印刷を用いる(インク吐出装置が、相対的に主走査方向に往復移動し、往路及び復路どちらにおいてもインクの液滴を吐出する)ことにより、境界部における直線性はやや低下することがわかるが、実用上問題はなく、主走査方向の移動動作を減らして印刷時間を短縮でき、生産性が向上する利点がある。
インク1は、25℃(室温)における粘度が、インクの吐出時の好適な粘度の範囲内であるため、実施例1及び比較例1では、インクを加熱せず室温のままで吐出した。また、前述のとおり、インク1の、25℃(室温)における粘度と75℃における粘度とは大差がないため、ヘッド温度を75℃に変更し、実施例1と同様にして作製した印刷物においても、実施例1(印刷物1)と同様の結果が得られた。これと実施例2の比較から、吐出時の温度における粘度η1と着弾時の温度における粘度η2との比率η2/η1が、100以上であるインクを用いることにより、境界部における直線性が更に向上することがわかる。
本発明のパターン形成方法を用いることにより、スジがなく、再現性が良好であるパターンを形成することができる。そのため、絶縁体や導電体といった機能性材料を含むインクを用いた場合において、絶縁特性や導電特性が均一であるパターンを形成することができ、電子デバイスのプリント回路基板等のパターン形成に、本発明のパターン形成方法を好適に用いることができる。
1 インクジェット印刷装置
2 キャリッジ
3 ヘッド
4 X方向リニアステージ
5 テーブル
6 Y方向リニアステージ
9 インク吐出装置
11 非パターン部
12 境界形成部
13 境界形成部を除く境界部
14 境界部を除くパターン部
15 パターン部と非パターン部の境界
16 境界部
17 パターン部
21~28 ノズル21~28
100 インクジェット印刷装置

Claims (8)

  1. パターンの画像データに基づくインクジェット印刷方式によるパターン形成方法であって、
    複数のノズル孔を有するインク吐出装置又は印刷媒体としての基板が複数回移動し、前記インク吐出装置のノズルから前記印刷媒体としての基板にインクの液滴を吐出して前記パターンを形成する方式において、
    前記基板上に形成する前記パターンを構成するドットの塗膜の形成に用いる前記インクの液滴の着弾が複数回にわたり、かつ、
    前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、境界部を除くパターン部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された行及び列の順番のとおりでなく、かつ一定の周期性を有さないように制御し、
    前記境界部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御し、
    前記インクとして、吐出時の温度における粘度η1と着弾時の温度における粘度η2との比率η2/η1が、100以上であるインクを用い、かつ
    前記インクとして、ソルダーレジストインクを用いる
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  2. パターンの画像データに基づくインクジェット印刷方式によるパターン形成方法であって、
    複数のノズル孔を有するインク吐出装置又は印刷媒体としての基板が複数回移動し、前記インク吐出装置のノズルから前記印刷媒体としての基板にインクの液滴を吐出して前記パターンを形成する方式において、
    前記基板上に形成する前記パターンを構成するドットの塗膜の形成に用いる前記インクの液滴の着弾が複数回にわたり、かつ、
    前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、境界部を除くパターン部においては、前記インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように制御し、
    前記境界部においては、前記画像データを構成する各画素が配列された長手方向の順番のとおりに、連続性又は周期性を有するように制御し、
    前記インクとして、吐出時の温度における粘度η1と着弾時の温度における粘度η2との比率η2/η1が、100以上であるインクを用い、かつ
    前記インクとして、ソルダーレジストインクを用いる
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  3. 前記液滴を着弾させる前記ドットの位置を、前記境界部を除く前記パターン部においては、更に前記インク吐出装置の副走査方向においても連続性又は周期性を有さないように制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記境界部における前記ドットの塗膜の形成を、前記境界部を除く前記パターン部における前記ドットの塗膜の形成よりも先に完了させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  5. 前記パターンの前記画像データを、重ねて印刷した場合に各画素が重ならないよう、かつ、前記液滴を着弾させる前記ドットの位置が、前記インク吐出装置の主走査方向において連続性又は周期性を有さないように、複数に分割し、
    前記分割した前記画像データを順次重ねて印刷する
    ことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  6. 前記インク吐出装置が、相対的に主走査方向に往復移動し、
    往路及び復路どちらにおいてもインクの液滴を吐出する
    ことを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  7. 前記インクとして、ホットメルトタイプ、ゲル化タイプ又はチキソトロピータイプのいずれかのタイプのインクを用いる
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  8. パターンの画像データに基づきパターンを形成するインクジェット印刷装置であって、
    請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のパターン形成方法によりパターンを形成する
    ことを特徴とするインクジェット印刷装置。
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