JP7846571B2 - 地上子検出装置 - Google Patents
地上子検出装置Info
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Description
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡便なアルゴリズムを使用しながら、地上子検出の信頼性を高めることにある。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載の地上子検出装置は、送信処理部が車上子の1次コイルへ送信波を注入する際に、一定の電圧で送信波を注入するものである。そして、周波数弁別部は、2次コイルの受信波から抽出した離散周波数スペクトルを、各周波数成分の受信電圧に基づいてレベル変換するものである。このため、スペクトル特徴抽出部は、周波数弁別部によってレベル変換された離散周波数スペクトルに基づいて生成されるスペクトル波形から、所定形状を抽出することになる。これにより、送信波には存在しなかった周波数成分間の電圧差が、地上子との電磁結合によって受信波に現れるようになり、更に所定のレベル変換操作によって電圧差が増大する。従って、そのような電圧差がレベルで反映されたスペクトル波形からの所定形状の抽出が容易になり、地上子の検出精度が向上するものである。
本項に記載の地上子検出装置は、送信処理部によって生成される送信波の離散周波数スペクトルや、周波数弁別部によって抽出される離散周波数スペクトルが、車上子と地上子との電磁結合時の合成インピーダンスの反共振周波数を包含する帯域幅を有するものである。反共振周波数は、車上子と地上子との電磁結合時に、共振周波数よりも低域側にレベルが小さくなる形状で現れるため、地上子が有し得る複数の所定周波数の全てについて、共振周波数(所定周波数)よりも低域側の上記のような領域がカバーされるように、離散周波数スペクトルの帯域幅が設定される。そして、スペクトル特徴抽出部によって抽出される所定形状に、電磁結合時の反共振周波数の影響が現れた形状が含められることで、地上子とノイズとの識別がより明確になるため、地上子検出の信頼性がより高められるものである。
本項に記載の地上子検出装置は、スペクトル特徴抽出部によってスペクトル波形から抽出される所定形状が、以下のようにより具体的に特定されるものである。すなわち、所定形状として、比較的低レベルの反共振周波数から周波数高域側へ向かって、共振周波数までレベルが上昇した後、周波数高域側へ向かってレベルが下降する形状が設定される。これにより、レベルが反共振周波数から共振周波数まで大きく上昇した後に下降するという、地上子との電磁結合時に現れる特徴的な形状が設定されるため、ノイズとの切り分けが益々容易になり、地上子がより精度よく検出されるものである。
本項に記載の地上子検出装置は、スペクトル特徴抽出部が、離散周波数スペクトルの周波数成分のレベルによって規定されるスペクトル波形を、3種の線分のうち任意の線分を組み合わせて折れ線状に近似するものである。それら3種の線分は、周波数高域側へ向かってレベルが上昇する正勾配線分と、周波数高域側へ向かってレベルが下降する負勾配線分と、正勾配線分及び負勾配線分の何れにも該当しない平坦線分とである。これにより、スペクトル波形がそのまま取り扱われる場合と比較して、後段で処理されるデータ量が圧縮されることになるため、後段処理のプログラム実装が容易になるものである。
本項に記載の地上子検出装置は、スペクトル特徴抽出部が、上記(5)項に記載したように折れ線状に近似されたスペクトル波形の各線分について、線分1次属性群を算出するものである。この線分1次属性群には、少なくとも、各線分の周波数低域側の端点である始点の周波数及びレベルと、各線分の周波数高域側の端点である終点の周波数及びレベルとが含まれている。これにより、各線分の特徴が、より処理し易いデータ群として表現されるものである。
本項に記載の地上子検出装置は、スペクトル特徴抽出部が、上記(5)項に記載したように折れ線状に近似されたスペクトル波形の各線分について、更に、上記(6)項に記載した線分1次属性群を利用して線分2次属性群を算出するものである。この線分2次属性群には、少なくとも、各線分の始点と終点とのレベル差と、各線分の始点と終点との周波数の差である帯域幅とが含まれている。これにより、各線分の特徴が、より一層処理し易いデータ群として表現されるものである。
本項に記載の地上子検出装置は、スペクトル特徴抽出部が、上記(5)項に記載したように折れ線状に近似されたスペクトル波形から、ピーク形状を抽出するものである。このピーク形状とは、周波数高域側へ向かって正勾配線分から負勾配線分へと変化する部分、及び/又は、周波数高域側へ向かって正勾配線分から微小帯域幅の平坦線分を経て負勾配線分へと変化する部分である。
本項に記載の地上子検出装置は、スペクトル特徴抽出部が、上記(8)項に記載したように抽出されたピーク形状の各々について、更に正規化ピーク2次属性群を算出するものであり、この正規化ピーク2次属性群には、正規化ピークレベルと正規化ピーク帯域幅との比である正規化勾配が含まれている。そして、地上子検出部は、スペクトル特徴抽出部により算出された各ピーク形状の正規化勾配を利用して、そのピーク形状が地上子を示すものであるか否かを判定するものである。
本項に記載の地上子検出装置は、スペクトル特徴抽出部が、ピーク形状の各々について、正規化ピーク2次属性群として更に正規化勾配レベル分配比を算出するものである。この正規化勾配レベル分配比は、ピーク正勾配線分のレベル差の絶対値とピーク負勾配線分のレベル差の絶対値との比である。そして、地上子検出部は、スペクトル特徴抽出部により算出された各ピーク形状の正規化勾配レベル分配比を利用して、そのピーク形状が地上子を示すものであるか否かを判定するものである。
本項に記載の地上子検出装置は、スペクトル特徴抽出部により折れ線状に近似されたスペクトル波形から同時に抽出されたピーク形状の数に応じて、地上子検出部が地上子の有無を判定するものである。ここで、車両機器や軌道回路機器からのノイズは一般的に電源系から生じるパルスノイズが多く、短時間ではあるが広帯域な成分が生じるため、このような場合にピーク形状が同時に複数抽出される。従って、ピーク形状の数が地上子の検出に利用されることで、ノイズがより効率よく排除されることになるため、CPUの処理負荷が軽減されつつ、地上子の検出精度が高められるものである。
本項に記載の地上子検出方法は、上記(1)項の地上子検出装置により実行されることで、上記(1)項の地上子検出装置と同様の作用を奏するものである。
図1は、本発明の実施の形態に係る地上子検出装置10の構成の一例を、地上子検出装置10が自動列車停止装置(ATS)に用いられた場合を例にして概略的に示している。図示のように、地上子検出装置10は、鉄道車両86に設置される車上装置20及び車上子12を含み、鉄道車両86が走行して線路84の近傍に設置された地上子80に対して車上子12が近接したときに、地上子80を検出するものである。
S10(データ取得):ピーク正規化部56において抽出されたピーク形状PSの数と、各ピーク形状PSの正規化ピーク1次属性群及び正規化ピーク2次属性群とを、ピーク正規化部56から取得する。
S20(カウンタリセット):地上子80との結合が発生したことを示すピーク形状PSの候補をカウントするための地上子候補カウンタと、後述する地上子判定処理を繰り返した回数をカウントするための処理カウンタとをリセットする。ここでは、地上子候補カウンタをWCC、処理カウンタをiとして地上子候補カウンタWCCにゼロを代入し、処理カウンタiに1を代入する。
S100(地上子候補カウンタインクリメント):地上子候補カウンタWCCをインクリメントして1増加させる。
S110(地上子候補否定):抽出されたピーク形状PSのうち、i番目のピーク形状PSが地上子80との結合を示す候補ではないと判定する。
S120(処理カウンタインクリメント):処理カウンタiをインクリメントして1増加させる。そして、地上子判定処理の続行を判断するために上記S30へ復帰する。すなわち、検出された全てのピーク形状PSについての判定処理が終了するまで、上記S40~S120を繰り返し実行する。
S200(ピーク形状数判定):図7のS10で取得したピーク形状PSの数が、予め設定された所定の数以上であるか否かを判定する。ここでの所定の数とは、複数のピーク形状PSを同時に発生させるノイズと地上子結合との切り分けを行なうための適切な値であり、実験の結果などに基づいて定められるものである。そして、ピーク形状PSの数が所定の数以上であると判定した場合(YES)はS210へ移行し、ピーク形状PSの数が所定の数より小さいと判定した場合(NO)はS220へ移行する。
S220(地上子候補カウンタ第1判定):地上子候補カウンタWCCが3以上であるか否かを判定する。そして、地上子候補カウンタWCCが3以上である場合(YES)はS230へ移行し、地上子候補カウンタWCCが2以下である場合(NO)はS260へ移行する。
S250(地上子無し及び環境異常有り):地上子候補カウンタWCCが3以上の状態が長時間継続してはいないものの、地上子結合の候補とされるピーク形状PSが3つ以上あるのは、異常であると判断する。このため、ノイズなどの環境異常が発生していると判定し、また、地上子結合は検出されていないと判定する。
S270(地上子検出):図7のS90において地上子結合を示す候補としてのフラグがセットされた2つのピーク形状PSのうち、正規化ピークレベルNLが大きい方のピーク形状PSを、地上子80との結合を示すものであると判定する。
S290(地上子検出):図7のS90において地上子結合を示す候補としてのフラグがセットされた1つのピーク形状PSを、地上子80との結合を示すものであると判定する。
S310(情報送信):本ステップに至る1つ前のステップで判定された内容を、制御部70へ送信する。すなわち、地上子80が検出されたこと或いは検出されなかったこと、検出された場合はその地上子80の所定周波数、環境異常の有無、機器異常の有無、各ピーク形状PS(特にノイズや機器異常によるものとされたピーク形状PS)の正規化ピーク1次属性群や正規化ピーク2次属性群などを送信する。ここまでの処理により、地上子最終判定部64による処理が終了となる。
なお、本発明の実施の形態に係る地上子検出方法は、本発明の実施の形態に係る地上子検出装置10により実行されることで、本発明の実施の形態に係る地上子検出装置10と同様の作用効果を奏することができる。
Claims (14)
- 線路に沿って設置された、複数の所定周波数のうちの何れかの周波数を共振周波数として有する地上子を、走行中の鉄道車両から検出する地上子検出装置であって、
互いに疎結合する1次コイル及び2次コイルを有し、前記地上子に近接したときに前記地上子と電磁結合する車上子と、
前記複数の所定周波数を全て包含する複数の周波数を、前記複数の所定周波数の周波数間隔よりも小さい周波数間隔で含む離散周波数スペクトルの送信波を、前記1次コイルへ注入する送信処理部と、
前記2次コイルが受信する受信波から前記離散周波数スペクトルを抽出する周波数弁別部と、
該周波数弁別部により抽出された前記離散周波数スペクトルの各周波数成分のレベルによって規定されるスペクトル波形から、所定形状を抽出するスペクトル特徴抽出部と、
前記所定形状の有無に応じて前記地上子を検出する地上子検出部と、を含むことを特徴とする地上子検出装置。 - 前記送信処理部は、前記送信波を一定の電圧で前記1次コイルへ注入し、
前記周波数弁別部は、抽出した前記離散周波数スペクトルを、各周波数成分の受信電圧に基づいてレベル変換することを特徴とする請求項1記載の地上子検出装置。 - 前記離散周波数スペクトルは、前記車上子と前記地上子との電磁結合時の合成インピーダンスの反共振周波数を包含する帯域幅を有することを特徴とする請求項1記載の地上子検出装置。
- 前記スペクトル特徴抽出部は、前記所定形状として、前記反共振周波数から周波数高域側へ向かって、前記車上子と前記地上子との電磁結合時の共振周波数までレベルが上昇した後、周波数高域側へ向かってレベルが下降する形状を抽出することを特徴とする請求項3記載の地上子検出装置。
- 前記スペクトル特徴抽出部は、前記スペクトル波形を、周波数高域側へ向かってレベルが上昇する正勾配線分と、周波数高域側へ向かってレベルが下降する負勾配線分と、前記正勾配線分及び前記負勾配線分の何れにも該当しない平坦線分との3種の線分のうち、任意の線分を組み合わせて折れ線状に近似することを特徴とする請求項1記載の地上子検出装置。
- 前記スペクトル特徴抽出部は、前記折れ線状に近似された前記スペクトル波形の各線分について、少なくとも、周波数低域側の端点である始点の周波数及びレベルと、周波数高域側の端点である終点の周波数及びレベルとを、線分1次属性群として算出することを特徴とする請求項5記載の地上子検出装置。
- 前記スペクトル特徴抽出部は、前記折れ線状に近似された前記スペクトル波形の各線分について、少なくとも、前記始点と前記終点とのレベル差と、前記始点と前記終点との周波数の差である帯域幅とを、線分2次属性群として算出することを特徴とする請求項6記載の地上子検出装置。
- 前記スペクトル特徴抽出部は、前記折れ線状に近似された前記スペクトル波形から、周波数高域側へ向かって前記正勾配線分から前記負勾配線分へと変化する、及び/又は、周波数高域側へ向かって前記正勾配線分から微小帯域幅の前記平坦線分を経て前記負勾配線分へと変化する、ピーク形状を抽出することを特徴とする請求項7記載の地上子検出装置。
- 前記スペクトル特徴抽出部は、前記ピーク形状を構成する前記正勾配線分をピーク正勾配線分とし、前記ピーク形状を構成する前記負勾配線分をピーク負勾配線分としたときに、前記ピーク形状の各々について、少なくとも、前記ピーク正勾配線分の前記レベル差の絶対値と前記ピーク負勾配線分の前記レベル差の絶対値との合計である正規化ピークレベルと、前記ピーク正勾配線分の前記帯域幅と前記ピーク負勾配線分の前記帯域幅との合計である正規化ピーク帯域幅と、前記ピーク正勾配線分の前記終点の周波数と前記ピーク負勾配線分の前記始点の周波数との平均である正規化ピーク周波数とを、正規化ピーク1次属性群として算出し、
前記地上子検出部は、前記正規化ピーク1次属性群を利用して、前記ピーク形状が前記地上子を示すものであるか否かを判定することを特徴とする請求項8記載の地上子検出装置。 - 前記スペクトル特徴抽出部は、前記ピーク形状の各々について、前記正規化ピークレベルと前記正規化ピーク帯域幅との比である正規化勾配を、正規化ピーク2次属性群として算出し、
前記地上子検出部は、前記正規化勾配を利用して、前記ピーク形状が前記地上子を示すものであるか否かを判定することを特徴とする請求項9記載の地上子検出装置。 - 前記スペクトル特徴抽出部は、前記ピーク形状の各々について、前記ピーク正勾配線分の前記レベル差の絶対値と前記ピーク負勾配線分の前記レベル差の絶対値との比である正規化勾配レベル分配比を、更に前記正規化ピーク2次属性群として算出し、
前記地上子検出部は、前記正規化勾配レベル分配比を利用して、前記ピーク形状が前記地上子を示すものであるか否かを判定することを特徴とする請求項10記載の地上子検出装置。 - 前記地上子検出部は、前記折れ線状に近似された前記スペクトル波形から同時に抽出された前記ピーク形状の数に応じて、前記地上子の有無を判定することを特徴とする請求項8記載の地上子検出装置。
- 前記地上子検出部は、前記折れ線状に近似された前記スペクトル波形から同時に抽出された前記ピーク形状の数と、前記同時に抽出された前記ピーク形状の中から、前記正規化ピーク1次属性群及び前記正規化ピーク2次属性群を利用して判定される、前記地上子の候補としてカウントされた前記ピーク形状の数とに応じて、当該地上子検出装置の機器異常の発生及び環境異常の発生を推定することを特徴とする請求項11記載の地上子検出装置。
- 線路に沿って設置された、複数の所定周波数のうちの何れかの周波数を共振周波数として有する地上子を、走行中の鉄道車両から検出する地上子検出方法であって、
互いに疎結合する1次コイル及び2次コイルを有し、前記地上子に近接したときに前記地上子と電磁結合する車上子を、前記鉄道車両へ設置し、
前記複数の所定周波数を全て包含する複数の周波数を、前記複数の所定周波数の周波数間隔よりも小さい周波数間隔で含む離散周波数スペクトルの送信波を、前記1次コイルへ注入し、
前記2次コイルが受信する受信波から前記離散周波数スペクトルを抽出し、
抽出した前記離散周波数スペクトルの各周波数成分のレベルによって規定されるスペクトル波形から、所定形状を抽出し、
前記所定形状の有無に応じて前記地上子を検出することを特徴とする地上子検出方法。
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