JP7848596B2 - 尿素系化合物を含む、水性フレキソインキ組成物 - Google Patents
尿素系化合物を含む、水性フレキソインキ組成物Info
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Description
前記水性アクリル樹脂(A)が、水溶性アクリル樹脂(a1)及び水性アクリル樹脂エマルジョン(a2)を含み、
前記水性アクリル樹脂(A)の含有量が、水性フレキソインキ組成物の総質量中、10~45質量%であって、
前記尿素系化合物(B)が、下記一般式(1)で表される化合物である、水性フレキソインキ組成物に関する。
一般式(1)
[一般式(1)中、R1は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~4のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6~9のアリール基を表す。
ただし、R2とR3とが、炭素数1~3のアルキレン基を介して環を形成してもよい。]
本発明において、水性アクリル樹脂(A)とは、水に溶解または分散可能なアクリル樹脂をいい、水溶性アクリル樹脂(a1)及び水性アクリル樹脂エマルジョン(a2)を含む。
水溶性アクリル樹脂(a1)の中でも水溶性スチレン-アクリル共重合樹脂が好ましく、水性アクリル樹脂エマルジョン(a2)の中でもスチレン-アクリル共重合樹脂エマルジョンが好ましい。
本発明における水溶性アクリル樹脂は、アクリルモノマーを含むモノマーを有機溶剤中で溶液重合した後、脱溶剤をして固形樹脂をアルカリ条件下で溶解させたアクリル樹脂を指す。
また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのカルボン酸含有モノマー、又はそれらの無水物やハーフエステルも用いることができる。
これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、スチレンモノマーは、α-メチルスチレンを含むことが好ましい。
本発明における水性アクリル樹脂エマルジョン(a2)は、水系において不溶あるいは難溶であるが、界面活性剤などで分散安定化されているアクリル樹脂を指す。水性アクリル樹脂エマルジョン(a2)の平均粒子径は10~500nmであることが好ましく、30~200nmであることがより好ましい。
本発明の水性フレキソインキ組成物は、液状媒体を含むことが好ましい。液状媒体の主成分は水であることが好ましいが、水に加えて、水溶性有機溶剤を使用できる。具体的には、印刷条件(スピード、版深、デザイン、乾燥温度)に応じて、アルコール系有機溶剤、グリコール系有機溶剤等を含有することができる。水溶性有機溶剤の含有量は、インキ全量に対して30質量%以下であることが好ましい。
ここで、本発明において、主成分が水であるとは、液状媒体中、水の含有量が最も多いことをいう。また、水溶性有機溶剤とは、25℃で液体であり、かつ、25℃の水に対する溶解度が1質量%以上であるものを指す。
グリコール系有機溶剤としては、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジピロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジブチルグリコール等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の水性フレキソインキ組成物に使用される顔料としては、従来から水性フレキソ印刷インキ組成物で使用されているものを使用できる。具体的には、無機顔料として、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム等の体質顔料を挙げることができる。また、有機顔料として、油溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記顔料の含有量は、水性フレキソインキ組成物の総質量中、1~60質量%であることが好ましい。
本発明の水性フレキソインキ組成物には、必要に応じて各種添加剤を使用することができる。例えば、分散剤、ワックス、体質顔料、レベリング剤、消泡剤、造膜助剤等である。
具体的には、耐摩擦性を向上させるために、ポリエチレンワックス等のワックス樹脂微粒子分散体、乾燥性や塗膜隠蔽性を向上させるために、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク等の体質顔料、防滑性を付与するために無機系微粒子および粘着性樹脂(アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂)、レベリング性を向上させるためにレベリング剤、消泡性を付与するために消泡剤、再溶解性を付与するために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性化合物、造膜助剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明の水性フレキソインキ組成物には、前記水性アクリル樹脂エマルジョン(a2)の分散に用いられることのある分散剤以外に、必要に応じて分散剤を含有させることができる。分散剤としては、ポリエーテル系化合物、アセチレングリコール系化合物などの界面活性剤を使用することが好ましい。
本発明の水性フレキソインキ組成物は、下記一般式(1)で表される尿素系化合物(B)を含有する。これにより、版およびアニロックスローラー上の乾きを抑制し、版の洗浄性を向上させることができる。この効果は、尿素系化合物(B)が、水性フレキソインキ組成物における液状媒体中の水と水和することに由来すると考えられる。
[一般式(1)中、R1は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~4のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6~9のアリール基を表す。
ただし、R2とR3とが、炭素数1~3のアルキレン基を介して環を形成してもよい。]
本発明の水性フレキソインキ組成物の製造方法について説明する。本発明の水性フレキソインキ組成物を製造する方法としては、例えば、水、顔料、分散剤および水溶性樹脂等を撹拌混合した後に、各種練肉機、例えば、ビーズミル、パールミル、サンドミル、ボールミル、アトライター、ロールミル等を利用して顔料分散し、更に、樹脂エマルジョン、水溶性樹脂、ロジン系樹脂等の所定の材料および添加剤を添加、撹拌混合することで得られる。顔料分散には、ビーズミルを使用することが好ましい。
フレキソ印刷方式としては、2ロール方式、ドクター方式、ドクターチャンバー方式が挙げられる。ドクター方式、ドクターチャンバー方式にも表面にセルが形成されたアニロックスロールに水性フレキソインキ組成物組成物を供給し、ドクターブレードによりアニロックスロール表面の余分な水性フレキソインキを掻き落とす工程を経て、樹脂版を通して、最終的に被印刷体に印刷される。本発明の水性フレキソインキ組成物をフレキソ印刷方式で印刷すると、表面の粗い紙基材に対しても、美粧性に優れた印刷物が得られる。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法に使用されるフレキソ印刷に使用されるアニロックスとしては、セル彫刻が施されたセラミックアニロックスロール、クロムメッキアニロックスロール等を使用することができる。セルの形状は、ハニカムパターン、ダイヤパターン、ヘリカルパターン等があり、いずれのパターンを使用することができる。また、アニロックスの役割は、ドクターチャンバー(またはファウンテンロール)から供給されるインキを、均質に定量受け取った後に刷版に受け渡すことである。アニロックスロールのスクリーン線数は、好ましくは50~2000線/インチであり、更に好ましくは100~1200線/インチである。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法に使用されるフレキソ印刷に使用される版としてはUV光源による紫外線硬化を利用する感光性樹脂版またはダイレクトレーザー彫刻方式を使用するエラストマー素材版が挙げられる。版を貼るスリーブやクッションテープについては任意のものを使用することができる。フレキソ版のスクリーン線数は、好ましくは80~200線/インチであり、更に好ましくは125~175線/インチである。
フレキソ印刷機としてはCI型多色フレキソ印刷機、ユニット型多色フレキソ印刷機等があり、インキ供給方式についてはチャンバー方式、2ロール方式が挙げることが出来、適宜の印刷機を使用することができる。印刷速度は好ましくは50~500m/分であり、更に好ましくは100~300m/分である。
水性フレキソインキ組成物により形成された印刷層を有する印刷物の製造方法としては、紙や樹脂の表面への印刷、特に、紙コップ、紙皿等の紙製容器等の紙器、又は表面が樹脂層で被覆された紙製容器、食品パッケージの薄紙又はそれらの材料に、上記水性フレキソインキ組成物を用いてフレキソ印刷機で印刷する方法が例示できる。
このとき、被印刷物としては、包み紙や紙袋等の食品パッケージ、表面にラミネートによるポリオレフィン等の樹脂層を有する紙製容器等の紙製品、表面にポリオレフィン等の樹脂コート層等の樹脂層を有する紙製容器等の紙製品、および表面に樹脂層を有しない未コートの紙製容器等の紙製品等の何れでもよい。
印刷用の基材(被印刷体)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチックフィルム、セロハン、紙、アルミニウム箔等、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム、シート等が挙げられる。本発明においては、特に紙基材が好ましい。紙基材としては、ノンコート紙、基材の片側が処理されている片艶クラフト紙、晒しクラフト紙、未晒しクラフト紙等から選ばれる紙基材であることが好ましい。
JISK0070に従って求めた。
水28部、PigmentBlack7 18部、尿素化合物5部、PEG-PPG(ポリエチレングリコール(PEG)とポリプロピレングリコール(PPG)の共重合樹脂 重量平均分子量2800;PEG:PPG=40:60;固形分100%)2部、アセチレングリコール(日信化学工業社製サーフィノールSE固形分80%)1部、水溶性アクリル樹脂(酸価240mgKOH/g、固形分28%)15部の混合物をビーズミルで混練分散後、水性アクリル樹脂エマルジョン(水酸価50mgKOH/g、固形分47%)を27部、ポリエチレンワックス3部、トリエタノールアミン1部となるように添加、撹拌混合して水性フレキソインキ組成物S1を得た。
上記で得られた水性フレキソインキ組成物S1を200線/インチのアニロックスロール、および感光性樹脂製のベタ版を備えた小型フレキシプルファー印刷機により、未晒クラフト紙:未漂白のクラフトパルプを使用したクラフト紙(日本製紙社製両更クラフトK坪量70g/m2)の基材表面に、印刷速度50m/sで印刷を行い、印刷物を得た。
表1に記載した原料および配合を変更した以外は、実施例1と同様の方法により、水性フレキソインキ組成物を得た。表中、単位の標記のない数値は、部を表し、空欄は配合していないことを表す。
表1に記載された水性フレキソインキ組成物S2~S15について、実施例1と同様に印刷を行い、フレキシプルファー印刷機による印刷物をそれぞれ得た。
表1に記載された原料および配合を変更した以外は、実施例1と同様の方法により、水性フレキソインキ組成物を得た。表中、単位の表記のない数値は、部を表し、空欄は配合していないことを表す。
表1に記載された水性フレキソインキ組成物T1~T3について、実施例1と同様に印刷を行い、フレキシプルファー印刷機による印刷物を得た。
上記実施例および比較例にて得られたインキおよび印刷物を用いて以下の評価を行った。なお評価結果は表1に示した。
実施例および比較例で得られたインキをフレキシプルファー印刷機により、未晒クラフト紙:未漂白のクラフトパルプを使用したクラフト紙(日本製紙社製両更クラフトK;坪量70g/m2)に展色、塗膜を形成し、耐折り曲げ性の評価を行った。印刷面が内側になるよう基材を折り曲げ、次に印刷面が外側になるよう基材を折り曲げたのちの、印刷面のインキ塗膜の割れ具合を評価した。基準は以下の通りである。
5:印刷された面において折り目を生じないもの。
4:5と3の中間のレベルである耐折り曲げ性を持つもの。
3:印刷された面のうち、折り目部分にのみ印刷層の割れが生じるもの。
2:3と1の中間のレベルである耐折り曲げ性を持つもの。
1:印刷された面のうち、折り目部位以外の印刷層の割れ、欠けを生じるもの。
上記で産業上利用できるレベルの評価は3、4および5である。
実施例および比較例で得られたインキをバーコーターにより片面コロナ放電処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製E5100;厚さ12μm)へ展色、塗膜を形成し、乾燥塗膜の同一のインキ組成物への再溶解性を評価した。
5:拭き取り後、基材に対するインキ塗膜付着面積比率が1%未満であるもの。
4:拭き取り後、基材に対するインキ塗膜付着面積比率が1%以上5%未満であるもの。
3:拭き取り後、基材に対するインキ塗膜付着面積比率が5%以上10%未満であるもの。
2:拭き取り後、基材に対するインキ塗膜付着面積比率が10%以上30%未満であるもの。
1:拭き取り後、基材に対するインキ塗膜付着面積比率が30%以上であるもの。
上記で産業上利用できるレベルの評価は3、4および5である。
実施例および比較例で得られたインキをミヤバー(#4)によりフレキソ樹脂版へ展色、塗膜を形成し、室温にて1分間後に指触してインキの乾燥具合を目視評価した。基準は以下の通りである。
5:指触した範囲において、フレキソ樹脂版に対するインキ塗膜付着面積比率が30%以上であるもの。
4:指触した範囲において、フレキソ樹脂版に対するインキ塗膜付着面積比率が10%以上30%未満であるもの。
3:指触した範囲において、フレキソ樹脂版に対するインキ塗膜付着面積比率が5%以上10%未満であるもの。
2:指触した範囲において、フレキソ樹脂版に対するインキ塗膜付着面積比率が1%以上5%未満であるもの。
1:指触した範囲において、フレキソ樹脂版に対するインキ塗膜付着面積比率が1%未満であるもの。
上記で産業上利用できるレベルの評価は3、4および5である。
実施例および比較例で得られたインキをバーコーターにより片面コロナ放電処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製E5100;厚さ12μm)へ展色して塗膜を形成し、乾燥塗膜に水を滴下して拭き取り、乾燥塗膜の水への溶解性を評価することで、版洗浄性の評価を行った。基準は以下の通りである。
5:拭き取り後、基材に対するインキ塗膜付着面積比率が1%未満であるもの。
4:拭き取り後、基材に対するインキ塗膜付着面積比率が1%以上5%未満であるもの。
3:拭き取り後、基材に対するインキ塗膜付着面積比率が5%以上10%未満であるもの。
2:拭き取り後、基材に対するインキ塗膜付着面積比率が10%以上30%未満であるもの。
1:拭き取り後、基材に対するインキ塗膜付着面積比率が30%以上であるもの。
上記で産業上利用できるレベルの評価は3、4および5である。
Claims (4)
- 水性アクリル樹脂(A)及び尿素系化合物(B)を含む、水性フレキソインキ組成物であって、
前記水性アクリル樹脂(A)が、水溶性アクリル樹脂(a1)及び水性アクリル樹脂エマルジョン(a2)を含み、
前記水性アクリル樹脂(A)の含有量が、水性フレキソインキ組成物の総質量中、10~45質量%であって、
前記尿素系化合物(B)が、下記一般式(1)で表される化合物であり、
水性フレキソインキ組成物全質量中の前記尿素系化合物(B)の含有量が、0.5~12質量%である、水性フレキソインキ組成物。
一般式(1)
[一般式(1)中、R1は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~4のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6~9のアリール基を表す。
ただし、R2とR3とが、炭素数1~3のアルキレン基を介して環を形成してもよい。] - 尿素系化合物(B)と水性アクリル樹脂(A)との質量比率が、5:95~40:60である、請求項1に記載の水性フレキソインキ組成物。
- 水溶性アクリル樹脂(a1)の酸価が、150~350mgKOH/gである、請求項1に記載の水性フレキソインキ組成物。
- 基材上に、請求項1~3のいずれか一項に記載の水性フレキソインキ組成物により形成された印刷層を有する印刷物。
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