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JP7848858B2 - ウェハ容器及びウェハ支持体 - Google Patents
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JP7848858B2 - ウェハ容器及びウェハ支持体 - Google Patents

ウェハ容器及びウェハ支持体

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Description

本開示は、ウェハを貯蔵するためのウェハ容器、及び、そのウェハ容器の構成要素であるウェハ支持体に関する。
従来、ウェハを貯蔵するためのウェハ容器が知られている。国際公開第2014/107818号は、複数のウェハ支持体が積層されて形成されたウェハ容器を開示する。ウェハ容器内には、複数のウェハが上下方向に対面すると共に間隙をあけた状態で収納される。ウェハの清浄度を維持するため、ウェハ容器内には窒素ガス等の不活性ガスが流される。不活性ガスは、ウェハ支持体(セル)の一端から他端に向けて、ウェハ間の間隙を流れる。
国際公開第2014/107818号
従来の容器では、不活性ガスの一部が、セルの一端から他端に向けて流れる途中でウェハ間の間隙からウェハ周縁の領域へと逸脱する傾向にある。その結果、不活性ガスの濃度が不十分になり、ウェハ近傍の酸素濃度が高くなるおそれがある。
本開示は、ウェハ近傍の酸素濃度を低く保つことができるウェハ容器及びウェハ支持体を説明する。
本開示の一態様に係るウェハ容器は、上下方向に積層された複数のウェハ支持体によって形成され、ウェハを収納する容器本体と、容器本体の上に設けられた天板と、容器本体の下に設けられ、不活性ガスの流入孔が形成された底板と、を備える。ウェハ支持体のそれぞれは、容器本体の側面を形成する外枠と、外枠から内方に向けて突出しウェハを支持する支持部と、外枠内に設けられ、上下方向に直交する第1方向において対向して配置された第1案内部材及び第2案内部材と、外枠内に設けられ、上下方向及び第1方向の両方に直交する第2方向において対向して配置された一対の第3案内部材と、を含む。容器本体は、第1案内部材によって形成され、流入孔からの不活性ガスを上方向に案内する第1流路と、第1流路からの不活性ガスを水平方向に案内する水平流路と、第2案内部材によって形成され、水平流路からの不活性ガスを下方向に案内する第2流路と、を有する。容器本体において、一対の第3案内部材は、水平流路内の不活性ガスが第2方向に逸脱することを規制する。
このウェハ容器によれば、不活性ガスが水平流路を流れる際、第3案内部材によって、不活性ガスが第2方向に逸脱することが規制される。よって、ウェハ近傍の不活性ガスの濃度が維持される。その結果として、ウェハ近傍の酸素濃度を低く保つことができる。
上下方向に積層された2つのウェハ支持体において、下の第1案内部材と上の第1案内部材との間には第1隙間が形成されており、下の第2案内部材と上の第2案内部材との間には第2隙間が形成されていてもよい。第1隙間を通じて不活性ガスが水平流路に流入し、水平流路を流れた不活性ガスは第2隙間を通じて逸脱する。第3案内部材による第2方向への逸脱規制と、第1隙間及び第2隙間とにより、第1方向へ向かう流れ、及び、ウェハ間の全体に行き渡る流れが生み出される。
上下方向に積層された2つのウェハ支持体において、下の第3案内部材と上の第3案内部材との間にはそれぞれ第3隙間が形成されていてもよい。第3隙間は、第1隙間より小さく且つ第2隙間より小さくてもよい。この場合、第1隙間を通じて流入した不活性ガスは、第2方向の両側に位置する一対の第3隙間からは流出しにくく、第2隙間を通じて流出しやすい。よって、水平流路において、より好適な不活性ガスの流れが生み出される。
一対の第3案内部材は、上方から見て、支持部によって支持されたウェハの外周縁に沿って延びる一対の内端縁を含んでもよい。この場合、ウェハの外周縁まで確実に不活性ガスを導入することができると共に、第2方向への不活性ガスの逸脱も確実に防止される。
一対の第3案内部材は、上方から見て、支持部によって支持されたウェハの外周縁に沿って延びる一対の内端縁を含んでもよい。複数のウェハ支持体が積層された容器本体において、一対の内端縁の集合体は、水平流路内の不活性ガスの第2方向への逸脱を規制する規制壁面を形成していてもよい。この場合、ウェハの外周縁まで確実に不活性ガスを導入することができると共に、第2方向への不活性ガスの逸脱も確実に防止される。容器本体に形成された規制壁面は、ウェハの清浄度を維持するための領域に不活性ガスを案内又は保持する。
本開示の別の態様は、ウェハを支持するウェハ支持体であって、ウェハを包囲する大きさに形成される外枠と、外枠から内方に向けて突出しウェハを支持する複数の支持部と、外枠内に設けられ、上下方向に直交する第1方向において対向して配置された第1案内部材及び第2案内部材と、外枠内に設けられ、上下方向及び第1方向の両方に直交する第2方向において対向して配置された一対の第3案内部材と、を含む。ウェハ支持体が積層された場合に、外枠の第1枠部材と第1案内部材によって第1流路が形成され、外枠の第2枠部材と第2案内部材によって第2流路が形成される。第1案内部材及び第2案内部材と、一対の第3案内部材との間に支持部が配置されている。
このウェハ支持体は、複数用意されて上下方向に積層され、容器本体を形成することができる。支持部にはウェハが支持される。第3案内部材によって、不活性ガスが第2方向に逸脱するのを規制することも可能となる。よって、容器本体にウェハが保管されている間、ウェハ近傍の不活性ガスの濃度が維持される。その結果として、ウェハ近傍の酸素濃度を低く保つことができる。
第1案内部材及び第2案内部材と一対の第3案内部材とは、上方から見て、支持部によって支持されたウェハの外周縁を包囲する円形状をなしていてもよい。この場合、ウェハ支持体が積層されてなる容器本体において、ウェハの清浄度を維持するための領域にのみ、不活性ガスが案内又は保持される。
本開示のいくつかの態様によれば、ウェハW近傍の酸素濃度を低く保つことができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るウェハ貯蔵システムを示す概略側面図である。 図2は、本開示の一実施形態に係るウェハ容器を示す概略斜視図である。 図3は、図2中の容器本体を示す斜視図である。 図4は、図3中の1枚のウェハ支持体を示す斜視図である。 図5は、ウェハ支持体の平面図である。 図6は、ウェハ支持体において第3案内部材付近を拡大して示す平面図である。 図7は、ウェハ容器の容器本体、天板及び底板を示す分解斜視図である。 図8は、容器本体に形成される流路を説明するための図である。 図9は、第1案内部材及び第2案内部材の断面図である。 図10は、図2のX-X線に沿っての断面図である。 図11は、一対の第3案内部材の断面図である。 図12は、本開示のウェハ容器内における酸素濃度(分布)の解析結果を示す図である。 図13は、従来のウェハ容器内における酸素濃度(分布)の解析結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、ウェハ貯蔵システム1は、ウェハ受渡装置100と、ストッカ2と、クレーン3と、ポート4と、システム制御部9と、を備える。以下の説明では、「上」の語は鉛直方向の上方に対応し、「下」の語は鉛直方向の下方に対応する。X方向は一の水平方向であり、Y方向はX方向に直交する他の水平方向であり、Z方向は上下方向(鉛直方向)である。
ストッカ2は、ウェハ容器5を保管する装置である。ストッカ2は、X方向及びZ方向に配列されウェハ容器5が載置される複数の棚2aを有する。ストッカ2は、例えばY方向に対向して複数列(ここでは、2列)設けられている。図示する例では、一方のストッカ2は、例えば、ウェハ受渡装置100のリングオープナ120の上方に設けられている。クレーン3は、ウェハ容器5を搬送する搬送装置である。クレーン3は、棚2aとリングオープナ120との間でウェハ容器5を移載する。クレーン3は、対向するストッカ2の間の領域に配置されている。クレーン3は、床面にX方向に沿って配置された走行レール(図示せず)上を移動する。クレーン3は、Z方向に延びるガイドレール3aと、ガイドレール3aに沿って昇降可能な荷台3bと、を有する。
ウェハ受渡装置100は、ウェハ容器5に半導体素子の材料である円板状のウェハを受け渡す。ウェハ受渡装置100は、ウェハハンドリングロボット110と、リングオープナ120と、を備える。ポート4は、搬送車又は作業者とウェハ貯蔵システム1との間でFOUP(Front Opening Unified Pod)8を受け渡す部分である。搬送車は、半導体工場の天井に設けられた軌道に沿って走行し、FOUP8を搬送する。搬送車は、FOUP8を移載可能に構成されている天井走行式無人搬送車である。搬送車は、例えば台車(搬送台車)、天井走行車(天井搬送車)、又は、走行車とも称される。作業者が持ち運んできたFOUP8をウェハ貯蔵システム1に搬入すること、及び、ウェハ貯蔵システム1から搬出されたFOUP8を作業者が受け取ることも可能である。FOUP8は、搬送車又は作業者の搬送によりポート4上に載置されている。FOUP8は、開口部を有する箱状の筐体、及び、開口部を覆う蓋を有する。蓋は、筐体に対し取り外し可能に設けられている。FOUP8には、1又は複数のウェハが収容される。
ウェハ貯蔵システム1の各動作を制御するシステム制御部9は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random AccessMemory)等からなる電子制御ユニットである。システム制御部9は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェア制御又は、電子回路等の組み合わせによるハードウェア制御の実装として構成されてもよい。また、システム制御部9は、一つの装置でもよいし、複数の装置がインターネット又はイントラネット等の通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つのシステム制御部9が構築されるように構成されてもよい。
ウェハ貯蔵システム1では、ストッカ2に収納されたウェハ容器5からウェハをFOUP8に移載する処理が行われる。例えば、搬送車又は作業者により空のFOUP8をポート4上に載置する。クレーン3は、ウェハ容器5をストッカ2の棚2aからリングオープナ120へ移動する。リングオープナ120は、ウェハ容器5を開き、ウェハ容器5からウェハを取出可能とする一方、FOUP8の蓋を開放する。ウェハハンドリングロボット110は、ウェハ容器5からウェハを取り出し、当該ウェハをFOUP8の内部に格納する。所定枚数のウェハをFOUP8の内部に格納した後、FOUP8の蓋が閉鎖される。以上により、ウェハ容器5からFOUP8へのウェハの移載が完了する。なお、FOUP8からウェハ容器5へのウェハの移載は、上述の処理を逆の手順で実施することで実現できる。ウェハ貯蔵システム1は、ウェハ容器5及びFOUP8からのウェハの移載を自動で実行することが可能となる。
ウェハ容器5は、ウェハ受渡装置100がウェハを受け渡すために使用される容器である。図2~図5に示されるように、ウェハ容器5は、ウェハWを保持(支持)するための複数のセルリング(ウェハ支持体)40を有する。セルリング40は、例えば樹脂製の成形品である。ウェハWは、例えば円板状である。なお、ウェハWは円板状でなくてもよい。ウェハWは、円板の一部が欠けた形状(例えば、弦に相当する直線に沿って切り欠かれたフラット形状の切欠き、又は周縁の一部が三角形状に切り欠かれたノッチ形状の切欠き等)を有してもよい。ウェハWは、少なくとも、円弧部を有している。ウェハWの中心は、当該円弧部を基準にして定められる。
各セルリング40の隅部には、例えば孔48及び突起49が設けられている(図5参照)。ある1つのセルリング40に、そのセルリング40に対して180度回転させた他の1つのセルリング40が積み重ねられる。このとき、ある1つのセルリング40の突起49が他の1つのセルリング40の孔48に挿入されることで、複数のセルリング40が位置決めされる。図3に示されるように、複数のセルリング40は、同一の外形を有しており、上下方向にぴったりと重ねられる。複数のセルリング40によって、ウェハWを収納する容器本体10が形成されている。複数のセルリング40の積層構造、及び、リングオープナ120によるウェハ容器5の開閉機構は、例えば国際公開第2021/044791に開示されるように、公知の構造、機構、及び/又は方法によって実現され得る。
図2及び図7に示されるように、ウェハ容器5は、ほぼ隙間なく上下方向に積層されて積層体をなす複数のセルリング40と、複数のセルリング40の積層体の上に設けられた天板20と、複数のセルリング40の積層体の下に設けられた底板30とを備えている。「上下方向」と「積層方向」は同じ意味を有する。複数のセルリング40によって、ウェハWを収納する容器本体10が形成されている。複数のセルリング40は、容器本体10をできる限り気密にするように、上下方向に隣り合う外枠41同士が接触した状態で積層されている。より詳細には、外枠41は、外枠41の外周縁よりも少し小さな角丸四角形状の膨出枠部42を含む。上下方向に隣り合う外枠41において、膨出枠部42の径方向における内側の端部同士が接触する。天板20及び底板30は、例えば板状の部材である。ストッカ2の棚2a上に底板30が載置される。積層された複数のセルリング40は、例えば、天板20の重さを利用して下方へ押さえ付けられている。ウェハ容器5は、例えば、棚2a上に水平な姿勢で載置される。ウェハ容器5に関して、第1方向D1及び第2方向D2が定義される(詳しくは後述)。例えば、第1方向D1がY方向に一致し、第2方向D2がX方向に一致してもよい。或いは、第1方向D1がX方向に一致し、第2方向D2がY方向に一致してもよい。ウェハ容器5は、棚2aに設置されたノズルがウェハ容器5の流入孔31の位置に一致するよう、棚2aに載置される。ノズルの配置には種々のバリエーションがあり、それに応じて、ウェハ容器5の向きも変わり得る。
続いて、図4及び図5を参照して、セルリング40の構造について詳細に説明する。図4及び図5に示されるように、各セルリング40は、矩形の外枠41を備えている。外枠41は、例えば長方形状又は正方形状をなす。外枠41内には、ウェハWが配置され、支持される。本明細書において、外枠41に支持されたウェハWの中心を通る中心軸線Lが定義される。中心軸線Lは、ウェハWの中心を通り、ウェハWに直交する。ウェハ容器5において、中心軸線Lの方向は、Z方向すなわち上下方向に等しい。外枠41は、中心軸線Lに直交する第1方向D1に離間すると共に第1方向D1の両端に配置された第1枠部材45及び第2枠部材46と、中心軸線L及び第1方向D1の両方に直交する第2方向D2に離間すると共に第2方向D2の両端に配置された一対の第3枠部材47とを含む。平行に延びる第1枠部材45及び第2枠部材46と、平行に延びる一対の第3枠部材47とによって、矩形の外枠41が形成されている。複数のセルリング40が積層されて容器本体10が形成された場合に、外枠41は容器本体10の4つの側面を形成する。
各セルリング40は、外枠41から内方に向けて突出し、ウェハWを支持する複数の(例えば4つの)支持部43を含む。支持部43は、例えば、外枠41よりも上方に突出しており、外枠41よりも上方でウェハWを保持する。複数の支持部43は、ウェハWの直径に等しい仮想の円周上に位置するように配置されており、支持部43の水平な先端片の上に、ウェハWが載置される。なお、上下方向で隣り合う2つのセルリング40において、周方向のある部分に設けられた支持部43,43の位置が周方向で若干ずれるように(図3参照)、セルリング40が設計されていてもよい。
各セルリング40は、外枠41内に設けられ、第1方向D1において対向して配置された第1案内部材51及び第2案内部材52を含む。第1案内部材51は、第1枠部材45と一対の第3枠部材47の端部(第1枠部材45寄りの隅部)とに対応する範囲に設けられ、外枠41の内方に突出している。第2案内部材52は、第2枠部材46と一対の第3枠部材47の端部(第2枠部材46寄りの隅部)とに対応する範囲に設けられ、外枠41の内方に突出している。第1枠部材45及び第2枠部材46は、例えば、外枠41の最外周縁よりも内方にむけて上方に若干膨出するように形成されてもよい(図9も参照)。第1案内部材51及び第2案内部材52は、第1枠部材45及び第2枠部材46と同程度の高さで水平に延びていてもよい。
第1案内部材51及び第2案内部材52は、中心軸線Lに関して線対称であってもよい。第1案内部材51及び第2案内部材52は、中心軸線Lを含み且つ第2方向D2に平行な平面に関して面対称であってもよい。セルリング40は、上記したように180度回転させて積み重ねられる。外枠41が対称性を有するため、図5に示されるセルリング40と、中心軸線L周りに180度回転させたセルリング40は、概ね等しい形状を有する。ただし、上下方向に隣り合うセルリング40において、外周縁の形状も完全には重ならない。また下のセルリング40の突起49の位置と、上のセルリング40の孔48の位置が一致する。本明細書においては、セルリング40に向きに関わらず、容器本体10の第1流路P1(後述する)の側に位置する案内部材を第1案内部材51と言い、容器本体10の第2流路P2の側に位置する案内部材を第2案内部材52と言う。
第1案内部材51は、支持部43によって支持されるウェハWの外周縁に沿って延びる第1弧状部51aと、第1枠部材45と一対の第3枠部材47との間の隅部から外枠41の内方に延びて第1弧状部51aの両端を支持する一対の第1端サポート部51bと、第1枠部材45の中央部に設けられて第1弧状部51aの中央部を支持する第1中央サポート部51cとを含む。第1弧状部51aが設けられる範囲は、中心軸線L周りの中心角として、90度以上であってもよい。
第2案内部材52は、支持部43によって支持されるウェハWの外周縁に沿って延びる第2弧状部52aと、第2枠部材46と一対の第3枠部材47との間の隅部から外枠41の内方に延びて第2弧状部52aの両端を支持する一対の第2端サポート部52bと、第2枠部材46の中央部に設けられて第2弧状部52aの中央部を支持する第2中央サポート部52cとを含む。第2中央サポート部52cが設けられる範囲は、中心軸線L周りの中心角として、90度以上であってもよい。
これらの第1案内部材51及び第2案内部材52は、容器本体10における不活性ガスの流路を形成する。容器本体10の流路構成につき、図7及び図8を参照してより詳細に説明する。図7に示されるように、底板30には、底板30を上下方向に貫通する流入孔31が形成されている。流入孔31は、平面視において外枠41の第2枠部材46に近くに位置する。また底板30の上面(容器本体10の内部に向けられた内面)には、不活性ガスの通流を許容する円形の導入流路用凹部32が形成されている。底板30には、導入流路用凹部32を覆う円形の樹脂チャンバー35が設けられる。円板部から垂下する円筒部の一部に、2つの開口36が形成されている。底板30には、2つの開口36に対応する位置に、2つの開口33及び2つのガス導入空間34が形成されている。これらの開口36、開口33及びガス導入空間34を通じて、不活性ガスの導入流F0(図8参照)が、第1流路P1へと案内されて上昇流F1になる。なお、底板30の構成は、特に上記構成に限定されない。底板30は、外部の配管等から流入孔31を通じて不活性ガスを導入し、導入流路用凹部32に不活性ガスを流す。容器本体10において第1案内部材51は、第1方向D1において流入孔31とは反対側に位置する。図8には、導入流路用凹部32において水平方向に流れる不活性ガス導入流F0が示されている。
複数のセルリング40が積層されて容器本体10が形成された場合に、第1案内部材51と第1枠部材45によって、第1流路P1が形成される(図9も参照)。第1流路P1は、第1枠部材45と第1案内部材51との間の第1開口51eが複数集まって形成された空間であると言える。第1流路P1は、流入孔31からの不活性ガスを上方向に案内する。また容器本体10の収容空間S(図3参照)には、何れか2つのセルリング40に支持された2枚のウェハWの間に、水平流路PHが形成される。水平流路PHは、第1流路P1からの不活性ガスを水平方向に案内する。複数のセルリング40が積層されて容器本体10が形成された場合に、第2案内部材52と第2枠部材46とによって、第2流路P2が形成される(図9も参照)。第2流路P2は、第2枠部材46と第2案内部材52との間の第2開口52eが複数集まって形成された空間であると言える。第2流路P2は、水平流路PHからの不活性ガスを下方向に案内する。図8には、第1流路P1において上方向に流れる不活性ガスの上昇流F1、水平流路PHにおいて水平方向に流れる不活性ガスの水平流FH、及び、第2流路P2において下方向に流れる不活性ガスの下降流F2が示されている。
第1流路P1と水平流路PHとの間を連絡させる構造(間隙)は、上下方向に隣り合う第1案内部材51によって形成される。水平流路PHと第2流路P2との間を連絡させる構造(間隙)は、上下方向に隣り合う第2案内部材52によって形成される。図9を参照して、これらの連絡構造について説明する。図9は、第1枠部材45、第2枠部材46、第1案内部材51、及び第2案内部材52を切断して示す断面図である。図9に示されるように、上下方向に積層された2つのセルリング40において、下の第1案内部材51と上の第1案内部材51との間には、上下方向における第1隙間C1が形成されている。すなわち、上下に並ぶ第1弧状部51a(第1内端縁)の間に、第1隙間C1が形成されている。また下の第2案内部材52と上の第2案内部材52との間には、上下方向における第2隙間C2が形成されている。すなわち、上下に並ぶ第2弧状部52a(第1内端縁)の間に、第2隙間C2が形成されている。ここで、例えば、第2隙間C2は第1隙間C1に等しい。容器本体10では、隣り合う2つの第1枠部材45の第1枠内端45aと、隣り合う2つの第2枠部材46の第2枠内端46aと、隣り合う2つの第3枠部材47の第3枠内端47a(図11参照)とがそれぞれ上下方向で線状に接触(線接触)することで、容器本体10における気密性(密閉性)がある程度確保されている。第1枠内端45a、第2枠内端46a、及び第3枠内端47aは、四角形枠状の膨出枠部42の一部である。一方、第1案内部材51及び第2案内部材52には第1隙間C1及び第2隙間C2がそれぞれ形成されている。
続いて、図4~図8、図10及び図11を参照して、ウェハ容器5に備わっている酸素濃度上昇防止対策について説明する。図4及び図5に示されるように、各セルリング40は、外枠41内に設けられ、第2方向D2において対向して配置された一対の第3案内部材53を含む。図5及び図6に示されるように、第3案内部材53は、第3枠部材47上の中央部を含む一部分のみに対応する範囲に設けられ、外枠41の内方に突出している。第3枠部材47は、例えば、外枠41の最外周縁よりも内方にむけて上方に若干膨出するように形成されてもよい(図11も参照)。第3案内部材53は、第3枠部材47と同程度の高さで水平に延びていてもよい。
一対の第3案内部材53は、中心軸線Lに関して線対称であってもよい。一対の第3案内部材53は、中心軸線Lを含み且つ第1方向D1に平行な平面に関して面対称であってもよい。
各第3案内部材53は、支持部43によって支持されるウェハWの外周縁に沿って延びる第3弧状部53aと、第3枠部材47から外枠41の内方に延びて第3弧状部53aの両端を支持する一対の第3端サポート部53bと、第3枠部材47の中央部に設けられて第3弧状部53aの中央部を支持する第3中央サポート部53cとを含む。
第3案内部材53は、中心軸線Lの方向から見て、支持部43によって支持されたウェハWの外周縁に沿って延びる第3弧状部53a(第3内端縁)を含む。上記した第1案内部材51及び第2案内部材52と、一対の第3案内部材53との間に、支持部43が配置されている。第1案内部材51及び第2案内部材52と、一対の第3案内部材53とは、中心軸線Lの方向から見て、支持部43によって支持されたウェハWの外周縁を包囲する円形状をなしている。より詳細には、第1弧状部51a及び第2弧状部52aと、一対の第3弧状部53aとは、中心軸線Lの方向から見て、支持部43によって支持されたウェハWの外周縁を包囲する円形状をなしている。本明細書において、「中心軸線Lの方向から見て」との語は、「(上下方向のうちの)上方から見て」と同じ意味を有する。
図6に示されるように、第3案内部材53が設けられる範囲は、中心軸線L周りの中心角として、角度θである。角度θは、例えば60度以下であってもよく、45度以下であってもよい。支持部43の配置を考慮して、角度θの範囲が決められてもよい。第3案内部材53は、1つの第3枠部材47に設けられた一対の支持部43を避けた位置に配置される。また第1方向D1の長さで見た場合には、第3案内部材53が設けられる範囲は、外枠41の第1方向D1における全体の長さL1に対して、その一部である長さLaに留まる。長さL1に対する長さLaの比は、60%以下であってもよく、50%(半分)以下であってもよい。
図7、図8、及び図10に示されるように、複数のセルリング40が積層されて容器本体10が形成された場合に、一対の第3案内部材53によって、一対の流れ規制空間P3が形成される。流れ規制空間P3は、第3枠部材47と第3案内部材53との間の第3開口53eが複数集まって形成された空間であると言える。図11に示されるように、上下方向に積層された2つのセルリング40において、下の第3案内部材53と上の第3案内部材53との間には、上下方向における第3隙間C3が形成されている。第3隙間C3は、膨出枠部42における外枠41同士の接触(詳細には第1枠内端45a同士、第2枠内端46a同士、第3枠内端47a同士の接触)を確保しつつ外枠41の浮き上がりを防止するために設けられている。すなわち、上下に並ぶ第3弧状部53a(第3内端縁)の間に、第3隙間C3が形成されている。この第3隙間C3は、第1案内部材51における第1隙間C1より小さく、且つ、第2案内部材52における第2隙間C2より小さい。第3隙間C3の第1隙間C1に対する比は、50%(半分)以下であってもよい。また第3隙間C3の第2隙間C2に対する比は、50%(半分)以下であってもよい。よって、水平流路PHを流れる不活性ガスは、第3隙間C3に侵入しにくくなっている。容器本体10において、第3弧状部53aの集合体は、水平流路PH内の不活性ガスの第2方向D2への逸脱を規制する規制壁面19を形成している。一方、第1弧状部51aの集合体は、水平流路PHへの不活性ガスの流入を許容する流入壁面11を形成している。第2弧状部52aの集合体は、水平流路PHからの不活性ガスの流出を許容する流出壁面12を形成している。
以上説明したように、ウェハ容器5の容器本体10では、一対の第3案内部材53によって、水平流路PH内の不活性ガスが第2方向D2に逸脱することが規制されている。図10に示されるウェハ容器5において、水平流路PHを流れる不活性ガスは、紙面垂直方向又は紙面を横切る方向に流れやすくなっているが、不活性ガスの図示左右方向への逸脱(流れ規制空間P3への逸脱)は生じにくくなっている。
本実施形態のウェハ容器5によれば、不活性ガスが水平流路PHを流れる際、第3案内部材53によって、不活性ガスが第2方向D2に逸脱することが規制される。よって、ウェハW近傍の不活性ガスの濃度が維持される。その結果として、ウェハW近傍の酸素濃度を低く保つことができる。
ウェハ容器5では、第1隙間C1を通じて不活性ガスが水平流路PHに流入し、水平流路PHを流れた不活性ガスは第2隙間C2を通じて流出する。第3案内部材53による第2方向D2への逸脱規制と、第1隙間C1及び第2隙間C2とにより、第1方向D1へ向かう流れ、及び、ウェハW間の全体に行き渡る流れが生み出される。
第3案内部材53における第3隙間C3は、第1隙間C1より小さく且つ第2隙間C2より小さい。第1隙間C1を通じて流入した不活性ガスは、第2方向D2の両側に位置する一対の第3隙間C3からは逸脱しにくく、第2隙間C2を通じて流出しやすい。よって、水平流路PHにおいて、より好適な不活性ガスの流れが生み出される。
一対の第3案内部材53は、中心軸線Lの方向から見て、ウェハWの外周縁に沿って延びる一対の第3弧状部53aを含む。よって、ウェハWの外周縁まで確実に不活性ガスを導入することができると共に、第2方向D2への不活性ガスの逸脱も確実に防止される。
また一対の第3弧状部53aの集合体は、水平流路PH内の不活性ガスの第2方向D2への逸脱を規制する規制壁面19を形成する。よって、ウェハWの外周縁まで確実に不活性ガスを導入することができると共に、第2方向D2への不活性ガスの逸脱も確実に防止される。容器本体10に形成された規制壁面19は、ウェハWの清浄度を維持するための領域にのみ、不活性ガスを案内又は保持する。
本実施形態のセルリング40は、複数用意されて上下方向に積層され、容器本体10を形成することができる。支持部43にはウェハWが支持される。第3案内部材53によって、不活性ガスが第2方向D2に逸脱することを規制することも可能となる。よって、容器本体10にウェハWが保管されている間、ウェハW近傍の不活性ガスの濃度が維持される。その結果として、ウェハW近傍の酸素濃度を低く保つことができる。
第1案内部材51及び第2案内部材52と一対の第3案内部材53とは、中心軸線Lの方向から見て、ウェハWの外周縁を包囲する円形状をなしている。よって、セルリング40が積層されてなる容器本体10において、ウェハWの清浄度を維持するための領域にのみ、不活性ガスが案内又は保持される。
図12は、本開示のウェハ容器5内における酸素濃度(分布)の解析結果を示す図である。また図13は、従来のウェハ容器200内における酸素濃度(分布)の解析結果を示す図である。この解析では、酸素が存在する雰囲気下で両容器内に不活性ガスを流すシミュレーションを行った。図12及び図13に示されるように、ウェハ容器5では、第3案内部材53の設置によって低酸素濃度域が拡大している。一方、第3案内部材53を備えないウェハ容器200では、低酸素濃度域が狭くなっている。これは、不活性ガスの第2方向D2への逸脱(拡散)に起因すると思われる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、第1案内部材51、第2案内部材52、及び第3案内部材53の各形状及び大きさは、適宜に変更可能である。底板30における流入孔31の位置等も、変更可能である。積層されるセルリング40の枚数は、特に限定されない。
5…ウェハ容器、10…容器本体、11…流入壁面、12…流出壁面、19…規制壁面、20…天板、30…底板、31…流入孔、40…セルリング(ウェハ支持体)、41…外枠、43…支持部、45…第1枠部材、46…第2枠部材、47…第3枠部材、51…第1案内部材、52…第2案内部材、53…第3案内部材、53a…第3弧状部(第3内端縁)、C1…第1隙間、C2…第2隙間、C3…第3隙間、D1…第1方向、D2…第2方向、L…中心軸線、P1…第1流路、P2…第2流路、P3…流れ規制空間、PH…水平流路、W…ウェハ。

Claims (5)

  1. 上下方向に積層された複数のウェハ支持体によって形成され、ウェハを収納する容器本体と、
    前記容器本体の上に設けられた天板と、
    前記容器本体の下に設けられ、不活性ガスの流入孔が形成された底板と、を備え、
    前記ウェハ支持体のそれぞれは、
    前記容器本体の側面を形成する外枠と、
    前記外枠から内方に向けて突出し前記ウェハを支持する支持部と、
    前記外枠内に設けられ、前記上下方向に直交する第1方向において対向して配置された第1案内部材及び第2案内部材と、
    前記外枠内に設けられ、前記上下方向及び前記第1方向の両方に直交する第2方向において対向して配置された一対の第3案内部材と、を含み、
    前記容器本体は、
    前記第1案内部材によって形成され、前記流入孔からの前記不活性ガスを上方向に案内する第1流路と、
    前記第1流路からの前記不活性ガスを水平方向に案内する水平流路と、
    前記第2案内部材によって形成され、前記水平流路からの前記不活性ガスを下方向に案内する第2流路と、を有し、
    前記容器本体において、前記一対の第3案内部材は、前記水平流路内の前記不活性ガスが前記第2方向に逸脱することを規制し、
    前記上下方向に積層された2つの前記ウェハ支持体において、下の前記第1案内部材と上の前記第1案内部材との間には第1隙間が形成されており、下の前記第2案内部材と上の前記第2案内部材との間には第2隙間が形成されており、
    前記上下方向に積層された2つの前記ウェハ支持体において、下の前記第3案内部材と上の前記第3案内部材との間にはそれぞれ第3隙間が形成されており、
    前記第3隙間は、前記第1隙間より小さく且つ前記第2隙間より小さい、ウェハ容器。
  2. 前記一対の第3案内部材は、上方から見て、前記支持部によって支持された前記ウェハの外周縁に沿って延びる一対の内端縁を含む、請求項に記載のウェハ容器。
  3. 前記一対の第3案内部材は、上方から見て、前記支持部によって支持された前記ウェハの外周縁に沿って延びる一対の内端縁を含み、
    前記複数のウェハ支持体が積層された前記容器本体において、前記一対の内端縁の集合体は、前記水平流路内の前記不活性ガスの前記第2方向への逸脱を規制する規制壁面を形成している、請求項1又は2に記載のウェハ容器。
  4. ウェハを支持するウェハ支持体であって、
    前記ウェハを包囲する大きさに形成される外枠と、
    前記外枠から内方に向けて突出し前記ウェハを支持する複数の支持部と、
    前記外枠内に設けられ、上下方向に直交する第1方向において対向して配置された第1案内部材及び第2案内部材と、
    前記外枠内に設けられ、前記上下方向及び前記第1方向の両方に直交する第2方向において対向して配置された一対の第3案内部材と、を含み、
    前記ウェハ支持体が積層された場合に、前記外枠の第1枠部材と前記第1案内部材によって第1流路が形成され、前記外枠の第2枠部材と前記第2案内部材によって第2流路が形成され、
    前記第1案内部材及び前記第2案内部材と、前記一対の第3案内部材との間に前記支持部が配置されており、
    前記上下方向に積層された2つの前記ウェハ支持体において、下の前記第1案内部材と上の前記第1案内部材との間には第1隙間が形成されており、下の前記第2案内部材と上の前記第2案内部材との間には第2隙間が形成されており、
    前記上下方向に積層された2つの前記ウェハ支持体において、下の前記第3案内部材と上の前記第3案内部材との間にはそれぞれ第3隙間が形成されており、
    前記第3隙間は、前記第1隙間より小さく且つ前記第2隙間より小さい、ウェハ支持体。
  5. 前記第1案内部材及び前記第2案内部材と前記一対の第3案内部材とは、上方から見て、前記支持部によって支持された前記ウェハの外周縁を包囲する円形状をなしている、請求項に記載のウェハ支持体。
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