JP7849048B2 - Cd25偏向抗il-2抗体 - Google Patents
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Description
本発明は、IL-2cx形成性IL-2抗体のCD25への結合に基づく選択と、その後のCD122-CD132二量体IL-2RへのIL-2の送達とを可能にする新規の細胞ベースのin vitroスクリーニング法の結果に基づき、高い存在量のCD25(IL-2Rαとも呼ぶ)を発現する細胞へのIL-2の送達において特に有効な、抗ヒトIL-2(hIL-2)mAbを提供する:ここで、これらの細胞は、細胞内シグナル伝達経路を開始するために、CD122(IL-2Rβとも呼ばれる)及びCD132(IL-2Rγとも呼ばれる)もまた保持している必要がある。ヒトインターロイキン-2(hIL-2)特異的モノクローナル抗体(mAb)との複合体であるヒトIL-2の投与は、マウス及びサル(macaque)のin vivoでのTreg細胞の優先的な増大をもたらす。
用語と定義
本明細書の解釈のために、以下の定義が適用され、適切な場合には、単数形で使用される用語は複数形も含み、その逆もまた然りである。以下に定める定義が、参照により本書に組み込まれた文書と矛盾する場合、定められた定義が優先されるものとする。
- プロテインAドメイン、
- フィブロネクチンドメイン FN3、
- コンセンサスフィブロネクチンドメイン、
- リポカリン(Skerra,Biochim.Biophys.Acta 2000,1482(1-2):337-50)、
- ジンクフィンガータンパク質由来のポリペプチド(Kwan,Structure 2003,11(7):803-813)、
- Srcホモロジードメイン2(SH2)又はSrcホモロジードメイン3(SH3)、
- PDZドメイン、
- γ-クリスタリン、
- ユビキチン、
- システインノットポリペプチド又はノッティン、
- シスタチン、
- Sac7d、
- 三重らせんコイルドコイル(アルファボディ(alphabody)とも呼ばれる)、
- クニッツドメイン又はクニッツ型プロテアーゼ阻害剤、及び
- 炭水化物結合モジュール32-2。
- αヘリックスのH16、D20;
- B及びB’ヘリックスのQ57、E60、E61、L63、K64、E67、E68;及び
- CヘリックスとC-DループのL80、R81、R83、D84、I86、S87、N88、N90、V91、L94、E95、K97、T101、T102、M104。
- H16、D20;
- Q57、E60、E61、L63、K64、E67、E68;及び
- L80、R81、R83、D84、I86、S87、N88、N90、V91、L94、E95、K97、T101、T102、M104。
- H16;
- Q57、E60、E61、K64、及び
- L80、R81、R83、D84、I86、S87、N88、N90、V91、L94、K97、T101、M104。
- 解離定数(KD)≦5.51×10-9molL-1、特にKD≦5.13×10-9molL -1(クローンUFKA-22-00のKD);
- オンレート(Kon)≧4.12×105Lmol-1s-1(クローンUFKA-22-02のKon)、特にKon≧4.66×105Lmol-1s-1(クローンUFKA-22-00のKon);
- オフレート(Koff)≦2.83×10-3s-1(クローンUFKA-22-10のKoff)、特にKoff≦2.39×10-3s-1(クローンUFKA-22-00のKoff)。
a. 配列番号007、配列番号008、配列番号009、配列番号010、配列番号011、配列番号012、配列番号013、又は配列番号014から選択されるVH配列に含まれるCDRH1,CDRH2、及びCDRH3、並びに、
b. 配列番号015、又は配列番号016から選択されるVL配列に含まれるCDRL1,CDRL2、及びCDRL3。特にここで、前記CDRLは、配列番号015に含まれる。
- 74位及び/又は84位がセリンであり、及び/又は
- 93位がメチオニンであり、及び/又は
- 122位がアラニンである、
配列番号007と(≧)96%以上同一のVH領域配列によって特徴づけられる抗hIL-2 mAbである。
- 69位はイソロイシンである、
配列番号015と(≧)99%以上同一のVL領域により特徴づけられる。
I. グリシン(G)とアラニン(A)とは入れ替え可能であり;バリン(V)、ロイシン(L)、及びイソロイシン(I)は入れ替え可能であり、AとVとは入れ替え可能であり;
II. トリプトファン(W)とフェニルアラニン(F)とは入れ替え可能であり、チロシン(Y)とFとは入れ替え可能であり;
III. セリン(S)とスレオニン(T)とは入れ替え可能であり;
IV. アスパラギン酸(D)とグルタミン酸(E)とは入れ替え可能であり;
V. アスパラギン(N)とグルタミン(Q)とは入れ替え可能であり、NとSとは入れ替え可能であり、NとDとは入れ替え可能であり、EとQとは入れ替え可能であり;
VI. メチオニン(M)とQとは入れ替え可能であり;
VII. システイン(C)、A、及びSは入れ替え可能であり;
VIII. プロリン(P)、G、及びAは入れ替え可能であり;
IX. アルギニン(R)とリジン(K)とは入れ替え可能である;
a. 配列番号007(VH1)、配列番号008(VH2)、配列番号009(VH3)、配列番号010(VH4)、配列番号011(VH5)、配列番号012(VH6)、配列番号013(VH7)、配列番号014(VH8)、又は配列番号017(HC)、のうちの少なくとも1つと、(≧)90%以上同一、特に(≧)94%以上、(≧)96%以上、又はさらに(≧)98%以上同一である、第1の配列;及び
b. 配列番号015(VL1)、配列番号016(VL2)、又は配列番号018(LC)、のうちの少なくとも1つと、(≧)90%以上同一、特に(≧)94%以上、(≧)96%以上、又はさらに(≧)98%以上同一である第2の配列。
a. 上記の本発明の態様又は実施形態のいずれか1つに記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片、及び
b. hIL-2、
を含む。
- mTOR阻害剤、特にラパマイシン(シロリムス)、エベロリムスから選択されるmTOR阻害剤、
- 抗炎症性mAb、特に抗TNF、抗IL-6、又は抗OX40L遮断剤から選択されるmAb、
- コルチコステロイド薬、
- スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)経路阻害剤、特にFTY720又はS1P受容体遮断剤から選択されるS1P経路阻害剤、
- 抗炎症性抗酸化薬、特にメトホルミン又はN-アセチルシステインから選択される抗炎症性抗酸化薬、
- カルモジュリンキナーゼII型又はIV型阻害剤、
- PI3K阻害剤、又はピラゾピラミジン誘導体、
- HDAC6などのTreg細胞特異的ヒストン脱アセチル化酵素、
- Treg細胞療法、例えば、キメラ抗原受容体又はトランスジェニックT細胞受容体Treg療法、及び/又は
- 低用量IL-2、Ig融合IL-2、又はペグ化IL-2。
i. 有害な炎症、特に同種移植関連障害、慢性炎症、アレルギー、又は自己免疫、によって特徴づけられる症状であると診断された患者を選択すること、及び
ii. 請求項1~8のいずれか一項に記載の抗hIL-2 mAbと、hIL-2とを、2:1又は1:2の複合体、特に1:1の割合で組み合わせた複合体で投与すること。
同様に、本発明の範囲内には、上記の説明によるhIL-2及び抗hIL-2 mAbを含む医薬組成物を患者に投与することを含む、それを必要とする患者における炎症性障害を治療すること、又はその方法が含まれる。
本発明の別の態様は、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。さらなる実施形態では、該組成物は、本明細書に記載されるものなどの少なくとも2つの薬学的に許容される担体を含む。
項目1. ヒトインターロイキン-2(hIL-2)特異的モノクローナル抗体(mAb)、又はその抗原結合断片であって、前記hIL-2特異的mAbは、エピトープを提供するhIL-2のアミノ酸残基と相互作用し、かつ
前記エピトープは、hIL-2残基の:
- H16、D20、
- Q57、E60、E61、L63、K64、E67、E68、及び
- L80、R81、R83、D84、I86、S87、N88、N90、V91、L94、E95、K97、T101、T102、M104、
を含む、
前記ヒトインターロイキン-2(hIL-2)特異的モノクローナル抗体(mAb)、又はその抗原結合断片。
項目2. 前記hIL-2特異的mAbのhIL-2への結合は:
- 解離定数(KD)は、(≦)4.3×10-9以下であり、特にKDは(≦)5.13×10-9以下であること、
- オンレート(結合速度)(Kon)は、(≧)4.12×105Ms-1以上であり、特にKonは、(≧)4.66×105Ms-1以上であること、及び
- オフレート(解離速度)(Koff)は、(≦)2.20×10-3s-1以下であり、特にKoffは、(≦)2.39×10-3s-1以下であること、
によって特徴づけられる、
hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片、特に項目1に記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片。
項目3. 前記hIL-2特異的mAbとhIL-2とを、2:1~1:2の間の比率で組み合わせた複合体、特に1:1の比率で組み合わせた複合体は:
- 中間親和性hIL-2受容体と比較した高親和性hIL-2受容体への結合の比率は、20~121の間であること、特に比率は71~121の間であること、及び/又は
- 中間親和性hIL-2受容体と比較したCD25単独の結合親和性の比率は、277~483の間であること、特に比率は380~483の間であること、及び/又は
- 高親和性hIL-2受容体への複合体の結合におけるhIL-2からのhIL-2 mAbの解離、及び/又は
- ヒトCD3+CD4+CD127lowFoxp3+Treg細胞を、EC50が(≦)0.154以下で、かつヒトCD8+T細胞を、EC50が(≧)442.9以上で活性化させること、
によって特徴づけられる、項目1又は2に記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片。
項目4. VH相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変(VH)領域と、VL相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む可変軽鎖(VL)領域とを含み、かつここで
a. CDRH1は、配列番号001を含むか、又はそれと同一であり;及び
b. CDRH2は、配列番号002を含むか、又はそれと同一であり、及び
c. CDRH3は、配列番号003を含むか、又はそれと同一であり;及び
d. CDRL1は、配列番号004を含むか、又はそれと同一であり;及び
e. CDRL2は、配列番号005を含むか、又はそれと同一であり;及び
f. CDRL3は、配列番号006を含むか、又はそれと同一である、
hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片、特に項目1~3のいずれか一項に記載の前記hIL-2特異的mAb。
項目5.
a. CDRH1、CDRH2、及びCDRH3は、配列番号007、配列番号008、配列番号009、配列番号010、配列番号011、配列番号012、配列番号013、及び配列番号014から選択されるVH配列に含まれ、特に前記CDRHは、配列番号007に含まれ、かつ
b. CDRL1、CDRL2、及びCDRL3は、配列番号015、及び配列番号016から選択されるVL配列に含まれ、特に前記CDRLは、配列番号015に含まれる、
hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片、特に項目1~4のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb。
項目6.
a.
- 74位及び/又は84位がセリンであり、及び/又は
- 93位がメチオニンであり、及び/又は
- 122位がアラニンである;
配列番号007と(≧)96%以上同一であるVH領域配列、
及び
b.
- 69位がイソロイシンである、
配列番号015と(≧)99%以上同一であるVL領域、
を含む、
hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片、特に項目1~5のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb。
項目7.
a. VH領域は、配列番号007、配列番号008、配列番号009、配列番号010、配列番号011、配列番号012、配列番号013、及び配列番号014から選択される配列、又は以下に示す置換規則によってこれらの参照配列のいずれか1つから導かれる機能的に類似する配列を含み;かつ
b. VL領域は、配列番号015及び配列番号016から選択される配列、又は以下に示す置換規則によってこれらの参照配列のいずれか1つから導かれる機能的に類似する配列を含み、
それぞれの参照配列から機能的に類似する配列を導く前記置換規則は:
i. グリシン(G)とアラニン(A)とは入れ替え可能であり;バリン(V)と、ロイシン(L)と、イソロイシン(I)とは入れ替え可能であり、AとVとは入れ替え可能であり;
ii. トリプトファン(W)とフェニルアラニン(F)とは入れ替え可能であり、チロシン(Y)とFとは入れ替え可能であり;
iii. セリン(S)とスレオニン(T)とは入れ替え可能であり;
iv. アスパラギン酸(D)とグルタミン酸(E)とは入れ替え可能であり;
v. アスパラギン(N)とグルタミン(Q)とは入れ替え可能であり、NとSとは入れ替え可能であり、NとDとは入れ替え可能であり、EとQとは入れ替え可能であり;
vi. メチオニン(M)とQとは入れ替え可能であり;
vii. システイン(C)と、Aと、Sとは入れ替え可能であり;
viii. プロリン(P)と、Gと、Aとは入れ替え可能であり;
ix. アルギニン(R)とリジン(K)とは入れ替え可能であり;
特に、上記の置換規則によって多くとも2つのアミノ酸が交換され、より特に多くとも1つのアミノ酸が交換される、
hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片、特に項目1~5のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb。
項目8.
a. 配列番号007、配列番号008、配列番号009、配列番号010、配列番号011、配列番号012、配列番号013、配列番号014、及び配列番号017のうちの少なくとも1つと(≧)90%以上同一、特に(≧)94%以上、(≧)96%以上、又はさらに(≧)98%以上同一の第1の配列;及び
b. 配列番号015、配列番号016、及び配列番号018のうちの少なくとも1つに(≧)90%以上同一、特に(≧)94%以上、(≧)96%以上、又はさらに(≧)98%以上同一である第2の配列、
をさらに含む、項目1~3のいずれか一項に記載の特徴を有する、
hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片。
項目9. 前記hIL-2特異的mAbは:
a. 重鎖であり、配列番号017を含むか、又はそれからなる前記重鎖;及び
b. 軽鎖であり、配列番号018を含むか、又はそれからなる前記軽鎖、
を含む、
項目1~8のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb。
項目10. hIL-2融合タンパク質であって:
a.
i. 抗体重鎖;及び
ii. 抗体軽鎖;
を含むか、それからなる項目1~9のいずれか一項に記載のヒトインターロイキン-2(hIL-2)特異的モノクローナル抗体(mAb);及び
b. hIL-2ポリペプチド;
c. 25~50の間のアミノ酸長のペプチドリンカー、特に25~35アミノ酸長、より特に30アミノ酸長のペプチドリンカー、
を含む、hIL-2融合タンパク質であって、
前記ペプチドリンカーは、前記hIL-2ポリペプチドのC末端を前記抗体重鎖のN末端、又は前記抗体軽鎖のN末端のいずれかに接合しており、特に前記ペプチドリンカーは、前記hIL-2ポリペプチドのC末端を前記抗体軽鎖のN末端に接合している、
前記hIL-2融合タンパク質。
項目11. 前記ペプチドリンカーは、約85%のグリシン及び約15%のセリンから構成され、特に前記ペプチドリンカーは、配列番号026の配列を有する、項目10に記載のhIL-2融合タンパク質。
項目12. 請求項1~9のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片、あるいは項目10又は11に記載のhIL-2融合タンパク質、をコードする核酸分子。
項目13.
a. 項目1~9のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片、及び
b. hIL-2、
を含む、医薬品としての使用のための医薬組成物、特にIL-2免疫療法に適している免疫介在性疾患の治療における使用のための医薬組成物、より特に同種移植関連障害、慢性炎症、アレルギー、自己免疫性及び代謝性疾患から選択される、免疫介在性疾患の治療における使用のための医薬組成物。
項目14. 前記IL-2及び前記hIL-2特異的mAbが共有結合的に会合しており、特に項目10又は11に記載のhIL-2融合タンパク質内に前記IL-2及び前記hIL-2特異的mAbが含まれている、項目13に記載の使用のための医薬組成物。
項目15. 前記自己免疫性疾患は、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、強直性脊椎炎、自己免疫肝炎、筋萎縮性側索硬化症、1型真性糖尿病、2型真性糖尿病、動脈硬化症、多発性硬化症、炎症性及び自己免疫性ミオパシー、円形脱毛症、乾癬、又は炎症性腸疾患から選択される、項目13又は14に記載の使用のためのhIL-2特異的mAbを含む医薬組成物。
項目16. 前記同種移植片関連障害は、固形臓器移植処置を受ける(受けている)患者において診断される、項目13~15のいずれか一項に記載の使用のためのhIL-2特異的mAbを含む医薬組成物。
項目17. hIL-2残基のH16、D20、Q57、E60、E61、L63、K64、E67、E68 L80、R81、R83、D84、I86、S87、N88、N90、V91、L94、E95、K97、T101、T102、M104を含むhIL-2エピトープに結合する、単離抗体、又はその抗原結合断片であって、前記エピトープは、hIL-2残基のM23、G27、N71、Q74、S75、K76、N77、F78、P82を含まない、前記単離抗体、又はその抗原結合断片。
項目18. 項目1~11のいずれか一項に記載の抗体又は分子と同等のエピトープ認識特性を有する抗原認識表面を含む、単離抗体、又はその抗原結合断片。
樹状細胞(DC:Dendritic cell)は、細胞内病原体及び腫瘍に対するT細胞応答の編成に不可欠と考えられている、プロフェッショナル抗原提示細胞の亜群である(Mildner A.ら,Immunity,2014,30:1;Durei V.及びMurphy K.M.Immunity 2014,40:642)。ヒトの血中DCは従来、従来型DC(cDC:conventional DC)と形質細胞様DC(pDC:plasmacytoid DC)に細分化されていたが、単細胞RNA及びタンパク質解析の結果、マウスとヒトにおいてインターフェロン調節因子8(IRF8:interferon-regulatory factor 8)と塩基性ロイシンジッパー転写因子ATF様3(BATF3:basic leucine zipper transcriptional factor ATF-like 3)によって制御されている1型cDC(cDC1)とIRF4によって制御されている2型cDC(cDC2)への分化が特定された(Villani A.C.ら、Science 2017,356:6335;Dutertre C.A.ら、Immunity 2019,51:573,Schraml B.U.及びReis e Souse C.Curr Opin Immunol 2015,32:13)。腫瘍微小環境(TME)を含む非リンパ系組織におけるDCサブセットは、表現型及び機能的特性の点で非常に異なる(Worbs T.ら,Nat.Rev.Immunol 2017,17:30;Broz M.L.ら,Cancer Cell 2014,26:638)。しかし、抗腫瘍反応におけるcDCの必要に応じた生成及び増大を促進する上流の分子及び細胞の因子は未解明である。
実施例5は、免疫寛容を誘導するためにIL-2療法を受ける全身性エリテマトーデス患者の免疫応答を研究する臨床試験に関するもので、本発明者らは、複数のDCサブセットの顕著な増加を観察したことは予想外であった。マウスとヒトとの両方で行われたIL-2免疫療法の研究では、IL-2と、三量体IL-2R偏向mAb若しくはIL-2Rα偏向mAbとを含む複合体によるDCの増大及び活性化が実証された。この経路はIL-2によって駆動され、DC集団とDCプロセスとの両方の増大を刺激する。
本明細書の解釈にあたっては、「用語と定義」の項に記載された定義が引き続き適用され、適宜、単数形で使用される用語は複数形も含み、逆もまた然りである。
CDRH1は、配列番号001を含むか、又はそれと同一であり;及び
CDRH2は、配列番号002を含むか、又はそれと同一であり;及び
CDRH3は、配列番号003を含むか、又はそれと同一であり;及び
CDRL1は、配列番号004を含むか、又はそれと同一であり;及び
CDRL2は、配列番号005を含むか、又はそれと同一であり;及び
CDRL3は、配列番号006を含むか、又はそれと同一である。
項目A. 樹状細胞(DC)機能の強化により恩恵を受ける症状を有する患者における使用のための、IL-2複合体を含む医薬組成物であって、
前記IL-2複合体は、hIL-2特異的モノクローナル抗体(mAb)に会合したヒトIL-2(hIL-2)ポリペプチドを含み、かつ
前記IL-2複合体は、CD25に、及び/又はCD122、CD132及びCD25を含む高親和性IL-2受容体に、CD122及びCD132を含む中間親和性IL-2受容体と比較して、優先的に結合する、
前記医薬組成物。
項目B. 前記IL-2複合体は、
a. CD8+T細胞におけるSTAT5リン酸化を増大させるよりも、制御性T(Treg)細胞におけるSTAT5リン酸化をより大幅に増大させ、及び/又は
b. CD8+T細胞の増殖を増大させるよりも、Treg細胞の増殖を大幅に増加させ、及び/又は
c. CD8+T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、自然リンパ球(ILC)、及び/又はB細胞に対するTreg細胞の比率を増加させる、
項目Aに記載の使用のためのIL-2複合体を含む医薬組成物。
項目C. 前記hIL-2特異的mAbは、VH相補性決定領域(CDRH)CDRH1、CDRH2及びCDRH3を含む重鎖可変(VH)領域、並びにVL相補性決定領域(CDRL)CDRL1、CDRL2及びCDRL3を含む軽鎖可変(VL)領域を含み、ここで:
a. CDRH1は、配列番号001を含むか、又はそれと同一であり;及び
b. CDRH2は、配列番号002を含むか、又はそれと同一であり;及び
c. CDRH3は、配列番号003を含むか、又はそれと同一であり;及び
d. CDRL1は、配列番号004を含むか、又はそれと同一であり;及び
e. CDRL2は、配列番号005を含むか、又はそれと同一であり;及び
f. CDRL3は、配列番号006を含むか、又はそれと同一である、
項目A又はBに記載の使用のためのIL-2複合体を含む医薬組成物。
項目D.
c. 前記hIL-2 mAbのCDRH1、CDRH2及びCDRH3は、配列番号007、配列番号008、配列番号009、配列番号010、配列番号011、配列番号012、配列番号013、又は配列番号014から選択されるVH配列に含まれており、特に前記CDRHは、配列番号007に含まれており、かつ
d. 前記hIL-2 mAbのCDRL1、CDRL2及びCDRL3は、配列番号015、又は配列番号016から選択されるVL配列に含まれており、特に前記CDRLは、配列番号015に含まれている、
項目A~Cのいずれか一項に記載の使用のためのIL-2複合体を含む医薬組成物。
項目E. 前記医薬組成物は、患者におけるDCの増殖及び/又は活性化を促進する、項目A~Dのいずれか一項に記載の使用のためのIL-2複合体を含む医薬組成物。
項目F. 前記医薬組成物は、免疫介在性症状と診断された患者に投与される、項目A~Eのいずれか一項に記載の使用のためのIL-2複合体を含む医薬組成物。
項目G. 前記医薬組成物は、同種組織移植片若しくは臓器移植の処置の前に患者に、又は組織移植片若しくは臓器移植の処置を以前に受けたことのある患者に投与される、項目A~Fのいずれか一項に記載の使用のためのIL-2複合体を含む医薬組成物。
項目H. 項目A~Gのいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAbと会合しているhIL-2ポリペプチドを含む医薬組成物の有効量を投与することを含む、がん、自己免疫疾患、炎症疾患、又は同種移植関連疾患を有する患者を治療するための方法。
細胞株と初代細胞
アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から入手したHEK293T細胞は、子牛胎児血清(10%v/v,Thermo Scientific)及びペニシリン-ストレプトマイシン(100U/ml,Thermo Scientific)を補充したダルベッコ改変イーグル培地で維持した。末梢血単核細胞(PBMC)は、事前のインフォームドコンセントの後、チューリッヒ州倫理委員会の承認(BASEC番号2016-01440)を得て、健常者から採取したヒト末梢血からFicoll-Paque PLUS(GEヘルスケア)勾配遠心分離により単離した。
IL-2Rサブユニットは、柔軟な15個のアミノ酸(GGGGS)3スペーサー(モチーフ配列番号021)を有する蛍光タンパク質にC末端で連結した。CyPet、YPet、又はRFP657(RFP)をコードする配列は、プラスミドであるpCEP4CyPet-MAMM及びpCEP4yPET-MAMM(それぞれP.Daughertyから贈与された、Addgeneプラスミド14033及び14032)及びpSG4OC-RFP657(ハノーファー医科大学のD.Heckiからの贈与)から誘導した。CyPetは、以下の特定のプライマーを用いて増幅した:フォワード5’-CGTCTCGTGGTGGTGGTTCTGGTGGTGGTGGTTC-TGTGACAAGG-3’(配列番号022)及びリバース5’-GGTGGTCTCGAGTTATTTGTACA-GTTCGTCCATGCCG TG-3’(配列番号023)。ヒトCD25の遺伝子配列を、ヒトPBMC RNAから増幅し(RNeasy Plusミニキット、Qiagen)、ヒトCD25の特異的プライマー対を用いてPCR増幅した後にQuantiTect逆転写キット(Qiagen)を用いて、相補DNA(cDNA)に転写した:フォワード5’-CTAGGAAGCTTATCTATGGATTCATACCTGCTG-3’(配列番号024)及びリバース5’-ACCAGAACCACCACCACCAGAACCACCACCACCGATTGTTCTTCTA-CTCTTCCTCTG-3’(配列番号025)。PCR産物をゲル抽出(New England BioLabs)により0.5~1%アガロースゲルにより精製し、断片を、オーバーラップ伸長PCRを用いてアニールし、哺乳類発現ベクターpCSCMV(Addgeneプラスミド30530、G.Ryffelによる贈与)にクローニングした。ヒトCD122-CyPet及びヒトCD132-RFP657(CD132-RFPと呼ぶ)を、GeneArtサービス(Thermo Scientific)により合成し、哺乳類発現ベクターpcDNA3.1へクローニングした。
0.75×106個のHEK293T細胞を、Opti-MEM(Thermo Scientific)中で、DNA:ViaFect(Promega)が1:3の比率を用いて、各々1.3μgのpCD25-CyPet、pCD122-YPet及びpCD132-RFPを用いて6ウェルプレートで共トランスフェクションした。1つ又は2つのIL-2Rサブユニットをトランスフェクトし、37℃、5%CO2で培養する場合、空ベクターpcDNA3.1を用いて総DNA量を3.9μgに調整した。トランスフェクション後48時間に酵素フリーの細胞解離バッファー(Thermo Scientific)を用いて細胞を剥離し、FACSバッファー(2%FBSと2mM EDTAとを含むPBS)中で回収した。ローダミン標識IL-2(IL-2Rhod)と抗IL-2 mAbを1:1のモル比で混合し、室温(RT)で15分間インキュベートした。IL-2Rhodを生成するために、ヒトIL-2を滅菌水で再構成し、50mM リン酸バッファー(pH=6.5)で透析して好ましいN末端ローダミン結合を最適化し、続いてN-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS:N-hydroxy-succinimidyl)-ローダミン(Thermo Scientific)と氷上で2時間インキュベートした。非反応のNHS-ローダミンはゲルろ過(Zeba Spin脱塩カラム、7K MWCO、Thermo Scientific)により除去した。IL-2Rhod/抗IL-2 mAb複合体は、V底、96ウェルプレート中で0.3×106のHEK293T細胞(IL-2Rサブユニット又はモック対照を発現)と37℃で10分間インキュベートし、冷FACSバッファーで2回洗浄し、冷蔵庫でBV605ラット抗マウスIgG1(BD Biosciences、クローンX56)と20分間インキュベートした。表面染色後、細胞をPBSで洗浄し、2%パラホルムアルデヒドで固定し、BD LSRFortessaで取得し、FlowJoソフトウェアで解析した(いずれもBD Biosciences)。
C57Bl/6JマウスはCharles River Laboratoriesから購入した。雌マウスは2~5ヶ月齢で実験に使用した。実験はチューリッヒ州獣医局の承認(ライセンス246/2016)を受け、スイス連邦及び州の法律に従って実施した。マウスは非盲検の治験責任医師によって無作為化され、機関ガイドラインに従ってチューリッヒ大学病院の特定の無菌施設で飼育した。
アカゲザル(Macaca mulatta)を用いた試験は、生物医学霊長類研究センター(Biomedical Primate Research Centre)(BPRC)で、4~15歳、体重5~15kgの15匹の健常な雌の成体を対象に実施した。動物はSTLV又はSRVに特異的な循環抗体を示さず、試験前に免疫抑制療法又は抗体療法を受けていなかった。すべての手順とプロトコルは、BPRCの動物実験委員会の動物実験に関するすべての関連倫理規定を遵守した。動物を3匹ずつの5群に無作為に分けた:群1:LD IL-2(10μg/kg);群2:HD IL-2(33μg/kg);群3:LD IL-2/UFKA-22cx(10/100μg/kg);群4:HD IL-2/UFKA-22cx(33/330μg/kg);及び群5:UFKA-22(330μg/kg)。IL-2を毎日皮下注入で投与し、IL-2/UFKA-22cx及びUFKA-22は0日目及び3日目に静脈注入した。注入及び出血時には、動物を鎮静化した。
ヒト試料は、臨床試験「インターロイキン2治療性全身性エリテマトーデスにおける免疫学的パラメーターの公正な特性評価に関するオープンラベル、モノセントリック、第II相、治験責任医師主導の臨床試験」(Charact-IL-2、臨床試験識別子:NCT03312335)及び「健康個体及び疾患個体の異なる白血球サブセットの表現型及び機能の特性評価に関する基礎研究プロジェクト」(PFCL-1、BASEC番号2016-01440)において収集した。両プロジェクトは、スイスの管轄当局による審査と承認を受け、ヘルシンキ宣言の最新版、Good Clinical Practiceのガイドライン、及びスイスの法的要件に準拠して実施した。臨床試験への登録又は試料採取の前に、書面によるインフォームドコンセントを得た。ヒト血液をEDTAバキュテナチューブ(BD Biosciences)に採取し、続いてFicoll-Paque PLUS(GE Healthcare)の勾配遠心分離により末梢血単核球(PBMC)を単離した。単離したPBMCは、10%ジメチルスルホキシド(Sigma)含有胎児子牛血清(FCS、Gibco)中で凍結し、分析前に液体窒素中で1年未満で保存した。血清は、Clot Activatorバキュテナチューブ(BD Biosciences)を用いて採取した血液から単離し、分析前に-80℃で18ヶ月未満で保存した。IL-2を介したcDC及びリンパ球の増大を評価するため、全身性エリテマトーデス(SLE:systemic lupus erythematosus)患者の血液を、試験プロトコルに従って、毎日150万国際単位(IU)のアルデスロイキン(Proleukin(登録商標)、Novartis Pharma)の5日間コースの投与前と後に採取した。
HEK細胞に基づくアッセイでは、IL-2RhodをFACSバッファー(1×PBS、2%FBS、2mM EDTA)中で抗hIL-2抗体と1:1の割合で混合し、室温で少なくとも15分間インキュベートした。in vivoでの適用には、hIL-2を、抗hIL-2抗体と滅菌PBS中で1:1の割合で混合し、室温で少なくとも15分間インキュベートした。注入容量は1回の腹腔内注入あたり200マイクロリットルであった。組換えヒトIL-2(teceleukin、Roche)は、国立衛生研究所の国立がん研究所から入手した。抗体複合体は、以前の記載のとおり(Arenas-Rameriz N.Sci Transl Med 2016,8:367ra166)、1回の注入あたり15,000IUのIL-2と15μgの抗IL-2モノクローナル抗体(mAb)とを混合することにより調製した。IL-2cx、又は200,000IUのIL-2を毎日、3日間連続して注入した。BrdU取り込み細胞は、FITC BrdUフローキット(BD Biosciences)を用いて、製造者の指示に従って測定した。
リンパ節(LN)及び脾臓の単細胞懸濁液を調製し、Foxp3/転写因子細胞内染色キット(Thermo Fisher)を用いて、表面マーカー及び細胞内Foxp3及びKi-67を製造者の指示に従って染色した。マウス又はサルのpSTAT5を検出するために、Phosflow Lyse/Fix Buffer(BD Biosciences)又は溶解液(Becton Dickinson)を用いて細胞を直ちに固定化し、さらに製造者の指示に従い細胞内染色処理を行った。in vitroでpSTAT5を測定するために、106個の磁気精製したヒトCD3+T細胞(BioLegend)を96ウェル、V底プレートに播種し、IL-2、IL-2/UFKA-20cx、又はIL-2/UFKA-22cxを使用して37℃で15分間刺激した。細胞内pSTAT5は、抗STAT5(pY694)mAb(Thermo Fisher)を用いて前述と同様に染色した。サルの細胞の表面染色には、標準的なプロトコルに従って、200μlのEDTA血液でmAbをインキュベートし、その後、赤血球の溶解、固定化、及び透過処理を行い、Foxp3及びKi-67の細胞内染色を行った。試料はBD LSRFortessaで取得し、FlowJoを使用して分析した。フローサイトメトリーに使用する抗体及び蛍光色素は、ebioscience、BD Biosciences、Biolegend、又はMiltenyiから購入した。
平底Nunc MaxiSorp 96ウェルプレート(Thermo Scientific)をNARA1抗ヒトIL-2 mAb(捕捉)で4℃にて一晩コーティングした。PBS、0.1% Tween 20(Sigma-Aldrich)でプレートを洗浄した後、ウェルをPBS、1% BSA(Sigma-Aldrich)、0.1% Tween 20溶液で450rpmにて振とうしながら、1時間超過、室温でブロッキングした。細胞上清又は精製UFKA mAbをプレート上で1~2時間インキュベートし、IL-2を直接コーティングするか、プレートコーティングしたNARA1により捕捉した。プレートを洗浄した後、抗マウスIgG(BioLegend)又はビオチン化抗IL-2検出mAb(クローン5344.111、BD Biosciences)と共に室温で450rpmにて1時間インキュベートすることによりIL-2又は競合結合を評価した。さらに洗浄後、プレートをストレプトアビジン標識ワサビペルオキシダーゼ(BD Biosciences)と共に、暗所で室温にて45分間インキュベートした。最後に、最終洗浄後、プレートをTMBペルオキシダーゼEIA基質(BioRad)で2~5分間進展させ、H2SO4(1.8M、Sigma-Aldrich)を加えて停止させた。iMarkマイクロプレートリーダー(BioRad)を使用して、450nmの吸光度を読み取った。IL-2又はIL-2/UFKA-20cxの血清半減期は、NARA1が捕捉として、ビオチン化抗IL-2 mAb(clone 5334、R&D Systems)が検出mAbとして機能するサンドイッチELISAを用いて測定し、その後上記と同様に進展させた。
SPR試験では、UFKA-20又はNARA1をCMD200チップ(XanTec bioanalytics)に直接固定し、300nMから開始して滴定したIL-2濃度を注入し、続いて2倍希釈を注入した。CD25及びCD122の結合を測定するために、IL-2(1000nM)を抗IL-2 mAbコーティングチップ上で60秒間捕捉し、続いて組換えCD25又はCD122(R&D Systems)を333nMから開始して連続注入し、続いて3倍希釈を注入した。チップ表面は、グリシンバッファーpH 1.5を用いてサイクルごとに再生した。測定値は20℃で取得し、Biacore T100(GE Healthcare)で分析した。
UFKA-20のFab断片は、全長mAbをパパインで切断した後、プロテインAで精製して作製した。1.5mlのUFKA-20(pH 7.0の90mM NaCl含有の50mMにおいて15.3mg/ml)を、ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)及びパパイン(Roche)と混合して、それぞれ最終濃度が5mM及び1.5mg/mlになるようにした。室温で16時間消化した後、56mM E64溶液(Roche)を用いてパパインを失活させ、Tris/NaClバッファー(25mM Tris、25mM NaCl、pH 8.0)で10倍希釈した。この混合物をTris/NaClバッファーで平衡化したプロテインAカラムにロードし、Fab断片を保有するフロースルー画分を回収し、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)でさらに精製した。精製したUFKA-20 Fabを水に溶かした10倍モル過剰のヒトIL-2と混合することにより形成したIL-2/UFKA-20 Fab複合体を、Akta pureクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare)のSuperdex 200 10/300 GLカラムを用いてSECにより精製した。複合体を含む画分をプールし、Tris/NaClバッファー(pH 7.4)に対して4℃で一晩透析し、Amicon超遠心フィルターユニット10-kDa、MerckMillipore)を用いて濃縮して最終タンパク質濃度を10mg/mlとし、280nmでの吸収により測定した。さまざまな結晶化バッファーをスクリーニングし、最適な結晶化条件を見出すように精製した。最後に、IL-2/UFKA-20 Fab複合体溶液を、10.86%(v/v)PEG 8000、5.76%(v/v)エチレングリコール、100mM HEPES(pH 7.48)を含む結晶化バッファーと1:1で混合した。結晶は、20℃で96ウェルプレートにシッティングドロップ蒸気拡散法で成長させ、30%(v/v)のエチレングリコールを添加したリザーバー溶液を用いて回収及び凍結保護し、直ちに液体窒素で凍結した。回折データは、Pilatus 2M検出器(Dectris、バーデン-ヴァットヴィル、スイス)を備えたビームラインX06DA(スイス光源、ポール・シェラー研究所、ウィリゲン、スイス)において、波長1Åで収集した。データ処理は、XDS及びAimlessを使用した。IL-2/UFKA-20のFab複合体構造は、最初は抗ロイコトリエン抗体のFab断片の構造(PDB:5B6F)を、その後にヒトIL-2の構造(PDB:1M47)を検索モデルとして、MOLREPを用いて分子置換により解いた(Arkin M.R.ら,PNAS 2003 100:1603)。モデル構築はCootで行い、REFMAC5、 BUSTER、及びPHENIXを用いて精密化した。各ドメインを個別のTLS群として定義するTLS精密化を使用した。最終的な構造は、非対称単位の3つのIL-2/UFKA-20複合体を含有するものであった。IL-2Rサブユニットと抗IL-2 mAbのエピトープの重複(オーバーラップ)は、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute)(http://www.ebi.ac.uk/pdbe/prot_int/pistart.html)のタンパク質界面、表面、及び集合のサービス(protein interfaces,surfaces and assemblies’ service)(PISA)を使用して定量し、さらにExcel(Microsoft)を使用して計算した。
未治療及びUFKA20複合体治療した野生型マウスから得られる4万個の脾臓マウスcDCを、1%の2-メルカプトエタノール(Sigma-Aldrich)を含有するRLT Plus溶解バッファー(Qiagen)中でFACSにより分離した。その後、RNeasy Plusマイクロキット(Qiagen)を用いてRNAを単離した。選別した細胞から抽出されたRNAは、TapeStation RNA好感度キット(Agilent)を用いて品質及び濃度を定量した。SMARTer Stranded Total RNA Seq Kit v2(Takara Bio)を用いて、ユニバーサルプライミングによりcDNAを調製し(3分間の断片化を含む)、ZapR v2及びR Probes v2を用いてリボソームcDNAを枯渇させた。このライブラリーをTapestation D1000(Agilent)測定により定量し、HiSeq 4000プラットフォームで1試料あたり約40Mリードを対象として125サイクルのシングルリードを使用して配列決定した。リードアライメントを行う前に、リードからアダプター及び低品質のテールを取り除いた。STAR aligner(v2.5.4b)を用いて、RNA-seqデータセットのEnsembl genome build GRCh38.p10(Release 91)へのアライメントを行った。遺伝子発現数は、BioconductorパッケージRsubread(v1.32.1)のfeature countで算出した。少なくとも1つの比較の群において、半数超過の試料で10カウント超過であった場合、その遺伝子を発現しているとみなした。BioconductorパッケージEdgeR(v3.20.6)を用いて差分発現遺伝子を検出した。遺伝子セットの濃縮解析は、Gene Ontology analyser for RNA-seq and other length biased data(goseq,v1.30.0)で行った。
統計検定は、Prismソフトウェア(GraphPad)を用いて実施した。図の凡例に示されているとおり、ほとんどの実験は、テューキ又はダネットの多重比較を用いた一元配置分散分析、又は両側の対応のないスチューデントのt検定によって分析した。カウント数が正規性検定には小さすぎるデータセットについては、データ分布に基づいて正規分布を仮定した。p<0.05は有意とみなした。
Balb/cマウスを完全フロイントアジュバント(Freund’s adjuvant)(Sigma-Aldrich)中のヒトIL-2で免疫し、不完全フロイントアジュバント(Sigma-Aldrich)中で乳化したIL-2で2回ブーストした。初回免疫後4~5週間にマウスを殺処分して脾臓を採取した。脾臓細胞とミエローマ細胞とをポリエチレングリコール1500(Roche)を用いて5:1の割合で混合した。クローンは、10%ウシ胎児血清(FBS)、50mMメルカプトエタノール、1:100インスリン-トランスフェリン-セレニウム、2%IL-6調整培地、ペニシリン-ストレプトマイシン、ゲンタマイシン(すべてLife Technologies)、及びヒポキサンチン-アミノプテリン-チミジン(HAT:hypoxanthine-aminopterin-thymidine)(Sigma-Aldrich)を添加したイスコフ改変ダルベッコ培地で培養した。B細胞ハイブリドーマの上清では、IL-2結合ELISAを用いたIL-2反応性についてのスクリーニングを行い、かつ競合ELISAを用いた特異性についてのスクリーニングを行い、その後、陽性ヒットをサブクローニングした。mAbを、ヒポキサンチン・チミジン(HT)培地(LifeTechnologies)中で増殖した。再試験後、プロテインGアガロース精製(Thermo Fisher)を用いて、細胞上清から抗IL-2 mAbを精製した。抗体は、一過性にトランスフェクトしたHEK293F細胞により産生し、Protein A MabSelect SuRe樹脂(GE Healthcare)を用いてアフィニティー精製し、分画した。純度は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。
競合酵素結合免疫吸着法(ELISA)を用いて、実施例1で生成したもの、特許抗体、及びマウスハイブリドーマライブラリーから公的に入手できるクローンを含む、1万以上の抗ヒトIL-2 mAbについて、IL-2とIL-2Rとの結合特性を評価した。特に指定がない限り、実施例中のすべてのIL-2及びIL-2Rのサブユニットはヒト分子を指す。CD25偏向性抗IL-2mAbを同定及び比較するために、単量体CD25、二量体CD122+CD132、及び三量体CD25+CD122+CD132をヒト細胞上に発現させた新規細胞ベースのin vitroスクリーニングプラットフォームを開発した。蛍光タグ付きIL-2Rサブユニットを生成し、ヒト胚性腎臓(HEK:human embryonic kidney)293T細胞で一過性に発現させて、これによりフローサイトメトリーにより定義した、IL-2Rサブセットを発現する細胞を正確に同定し、かつ単独又は抗IL-2 mAbとの複合体のいずれかでローダミン標識化IL-2(IL-2Rhod)の結合を定量することが可能になる。CD25偏向IL-2複合体(cx)はCD25と会合するがCD122+CD132とは会合せず、一方でCD122偏向IL-2cxは逆のパターンを示した(図1A)。5種の抗IL-2 mAbをその結合パターンの違いから選択し、UFKA-10、UFKA-20(重鎖配列番号019、軽鎖配列番号020)、UFKA-30、UFKA-40、及びUFKA-50と称し、これらは大きく3つのカテゴリーに分けられる:非偏向(UFKA-10)、CD25偏向(UFKA-20、UFKA-30、及びUFKA-40)、及びCD122偏向(UFKA-50)(図1B)。予想のとおり、IL-2Rhod単独ではCD25との結合は低く、CD122+CD132との結合は中間であり、CD25+CD122+CD132とは強い結合を示した(図1C)。次に、IL-2Rhodを本発明者らのさまざまな抗IL-2 mAbと1:1の比率で複合化し、IL-2Rサブユニット発現HEK293T細胞で試験した。IL-2Rhodと比較して、UFKA-10とIL-2Rhodの複合体はCD25及びCD122+CD132への結合がわずかな減少を示したことは、UFKA-10のこれらの受容体サブユニットとの軽度の干渉を示唆しており、一方で、CD25+CD122+CD132とのIL-2Rhodの会合はこのmAbにより変化しなかった(図1C)。mAbであるUFKA-20、UFKA-30、及びUFKA-40を試験すると、これらのmAb間には別個の違いがあるが、CD25偏向の明確なパターンが明らかに現れた(図1C及び図1D)。このように、IL-2Rhod/UFKA-30cx及びIL-2Rhod/UFKA-40cxは、CD25及びCD25+CD122+CD132に優先的に結合し、複合体としてそれぞれ74.5%及び93.2%結合したままであり、一方でCD122+CD132との会合はわずかに減少するか(UFKA-30と同様)又は変化しないか(UFKA-40と同様)のいずれかであった(図1C~1E)。特に、IL-2Rhod/UFKA-20cxはCD25と優先的に会合し、測定された相互作用の約3分の2はIL-2Rhod/UFKA-20cxによってなされ、IL-2Rhod単独がCD25で検出されるのは3分の1未満であった。しかしながら、IL-2Rhod/UFKA-20cxは三量体CD25+CD122+CD132と相互作用すると急速に解離するようであり、これは、IL-2Rhod/UFKA-20cxが形成するこの相互作用が8.4%未満であり、CD25+CD122+CD132に結合している複合体でない遊離IL-2Rhodが形成する相互作用がと91%になることから明らかである(Fig.1C~1E);しかし、IL-2Rhod/UFKA-20cxのCD122+CD132への結合は、IL-2Rhodと比較してUFKA-20の存在によって損なわれ(図1C)、このことは、UFKA-20がIL-2Rhodに「CD25偏向」を付与し、それと同時に、IL-2RhodがUFKA-20から解離して三量体CD25+CD122+CD132に結合することを可能にし、それによりシグナル伝達するIL-2R複合体への「IL-2送達」を可能にすることを示唆した(図1F~1H)。逆に、UFKA-30及びUFKA-40は、IL-2Rhodにさらに強いCD25偏向をもたらしたが、IL-2を三量体IL-2Rから解離し送達することはできなかった(図1F~1H)。前述のCD25偏向性抗IL-2 mAbとは異なり、IL-2Rhod/UFKA-50cxは、CD25結合が減少し、かつ二量体CD122+CD132及び三量体CD25+CD122+CD132のIL-2Rとの会合を明らかに有利にし(図1C-1H)、十分に特性評価されたCD122偏向性のNARA1 mAb(Arena-Ramirezら,Sci.Transl.Med.2006 8:367)によるIL-2cxと類似している。以上のことから、CD25偏向性mAbのメカニズムにおいて、CD25偏向、及びシグナルを伝達するIL-2RへのIL-2送達という2つの特徴の観点で明確な違いを観察した。
次に、本発明者らのCD25偏向性mAbのマウスにおけるin vivo活性を評価した。C57BL/6野生型(WT)マウスにIL-2単独又はUFKA-10、UFKA-20、UFKA-30、UFKA-40及びNARA1との複合体のものを3日間毎日注入し、続いて治療した動物のリンパ節(LN)及び脾臓のCD4+CD25+Foxp3+Treg細胞、CD8+CD44hiCD122+メモリーT細胞、及びCD3-NK1.1+CD122+NK細胞のフローサイトメトリー解析を行った(図2A、図3A、及び図3B)。生理食塩水を投与した対照では、LNに平均8.7%のCD4+CD25+Foxp3+Treg細胞及び7%のCD8+CD44hiCD122+メモリーT細胞、並びに脾臓に8.6%のCD4+CD25+Foxp3+Treg細胞、13.4%のCD8+CD44hiCD122+メモリーT細胞、2.8%のNK細胞が認められた(図2A、図3A、及び図3B)。低用量(LD:low-dose)IL-2治療(マウス1匹につき毎日1.5μg)により、CD4+CD25+Foxp3+Treg細胞及びCD8+CD122+メモリーT細胞の割合及び数は、LNと脾臓との両方で約2~3倍増加した(図2A、図2B及び図3A)。UFKA-10、UFKA-30、及びUFKA-40で作成したIL-2cxは、CD4+CD25+Foxp3+Treg細胞の刺激を、LD IL-2で観察されたものよりもわずかに改善しただけであったが(図2A及び図2B)、これらのIL-2cxはCD8+CD44hiCD122+メモリーT細胞の増大を抑制できた(図2A~図2C)。しかしながら、IL-2/UFKA-20cxは、CD4+CD25+Foxp3+Treg細胞の活発な増大を誘導し、LNと脾臓のTreg細胞の合計がほぼ20×106に達したのに対し、生理食塩水処理動物では1.5×106、LD IL-2治療動物では3×106であり、一方で、CD8+CD44hiCD122+メモリーT細胞の割合及び数はIL-2単独と比較して変化しないままであった(図2A~図2C)。予想のとおり、CD122偏向IL-2/NARA1cxは、CD8+CD44hiCD122+メモリーT細胞の優先的な刺激を誘導したが、おそらくIL-2のNARA1からの解離に起因する、一部のCD4+CD25+Foxp3+Treg細胞の増大が観察された(図2A~図2C)(Arenas-Ramirez N.ら,Trends Immunol.2015 36:763)。総合すると、これらのデータは、in vitroでIL-2/UFKA-30cx及びIL-2/UFKA-40cxで見られたようなCD25偏向だけでは、in vivoでTreg細胞を刺激するには不十分であることを実証する。むしろ、IL-2/UFKA-20cxのように、軽度のCD25偏向を付与し、IL-2を三量体IL-2Rに効率的に送達するIL-2cxの能力が、in vivoでの選択性及び有効性に必要な特徴であると考えられる。したがって、これらのスクリーニングアッセイにより、炎症を抑制するTreg細胞へのIL-2シグナル伝達を増加させる改善した方法として、さらなる特性評価のための候補mAbとしてUFKA-20を同定した。
タイムコース実験では、マウスの脾臓のCD4+CD25+T細胞、CD8+T細胞、及びNK細胞におけるリン酸化STAT5(pSTAT5)の細胞内染色により測定されるとおり、シグナル伝達を誘導する、LD IL-2(1μg)対IL-2/UFKA-20cx(1μg/10μg)の単回腹腔内注入の能力を比較した(図4)。LD IL-2を投与したマウスでは、注入後2時間でCD4+CD25+T細胞の優先的な刺激を観察したが、この効果は1日目には既に消失した(図4A)。CD8+T細胞及びNK細胞は、LD IL-2に応答してSTAT5をリン酸化しなかったが、HD IL-2(30μg)の単回注入を用いると、CD8+T細胞及びNK細胞を含む3つのリンパ球サブセットすべてで強固なシグナル伝達が生じた(図4A)。IL-2/UFKA-20cxは、CD4+CD25+T細胞に対して高い選択性を示し、この選択性は注入後2時間で明らかになり、少なくとも2日間持続したが、CD8+T細胞及びNK細胞のpSTAT5レベルはこの治療による影響を受けないままであった(図4A)。結果として、CD4+CD25+T細胞の細胞数は、IL-2/UFKA-20cxの単回注入後、2日目に増加し、4日目にピークに達し、8日目にベースラインに戻ったが、CD8+T細胞及びNK細胞の数は、IL-2と比較して、実験期間中に有意な変化はおこらなかった(図4B)。pSTAT5シグナル伝達のプロファイルは、IL-2/UFKA-20cxのCD4+CD25+T細胞に対する選択性を確認するだけでなく、IL-2/UFKA-20cxがIL-2よりはるかに長いin vivo半減期を有することも示唆した。これを検証するために、IL-2又はIL-2/UFKA-20cxをマウスに単回注入し、その後、NARA1を捕捉mAbとして、及びMAB202を検出mAbとして用いたサンドイッチELISAによって遊離IL-2又はUFKA-20複合化IL-2を測定した。IL-2は注入後30分で検出され、4時間以内に消失しただけであったが、IL-2/UFKA-20cxは注入後4時間でピークに達し、注入後24時間以上存在した(図5)。in vivo半減期は、IL-2が約30分であるのに対し、IL-2/UFKA-20cxは30時間であると推定した。IL-2/UFKA-22cxの血清半減期は約21時間であった。
IL-2/UFKA-20cxの活性は、以前の記載のとおり、三量体IL-2Rを保持するCD4+CD25+T細胞及び二量体(CD122+CD132)IL-2Rを備えるCD8+T細胞を含む、新たに単離した休止ヒトT細胞サブセットで評価した(Arena-Ramirez,2006)。健康なヒトドナーの末梢血からCD3+T細胞を精製し、滴定したIL-2及びIL-2/UFKA-20cx(IL-2とUFKA-20とのモル比は1:1にて)で15分間刺激した後、ゲートしたCD4+CD25+CD127loFoxp3+Treg細胞及びCD8+T細胞について細胞内pSTAT5のフローサイトメーター評価を行った。0.1ng/mlという低濃度のIL-2は、CD4+Treg細胞において最大半量のSTAT5活性化を誘導できたが、CD8+T細胞において同等のSTAT5活性化を達成するには約1000倍高い濃度が必要であり(図6)、このことは以前の公表と一致している(Yu,Diabetes 2015 64:2172)。IL-2/UFKA-20cxは、ヒトCD4+Treg細胞におけるpSTAT5の刺激において、IL-2と同等の効率を示した(図6)。反対に、50%のpSTAT5+CD8+T細胞を達成するためには、半数効果濃度(EC50)に基づき、およそ17倍高い濃度のIL-2/UFKA-20cxが必要であった(図6)。UFKA-20のCD25偏向の選択性及び有効性の向上を、ヒトIL-2R保有細胞株を使用するin vitroでの測定、マウスでのさまざまなin vivo実験、及びさまざまな健康なドナーから新たに単離された初代T細胞サブセットを使用するin vitroでの測定において実証し、その後にUFKA-20のいくつかのヒト化バージョンを生成した。UFKA-20のVL(配列番号020)及びVH(配列番号019)のフレームワーク配列と最高レベルの同一性を共有するヒト生殖細胞系列遺伝子を同定し、コドン最適化し、GeneScript Custom Gene Synthesisにより合成して、Fc-silent(N297A)ヒトIgG1を含有する発現ベクターへクローニングした。UFKA-20の相補性決定領域(CDR)を、N297A変異を有するヒト免疫グロブリンG1(IgG1)骨格に転写し、これにより、この部位でのグリコシル化を防ぎ、したがってFc γ受容体結合及びエフェクター機能を大きく低下させる(Park H.I.ら,Trends Biotenchol 2016 34:895;Arnold J.N.ら,Annu.Rev.Immunol.2007 25:21)。最良のヒト化候補は、配列番号017の重鎖と配列番号018の軽鎖とを保有するUFKA-22-00と名付けられ、短くはUFKA-22と称する。IL-2/UFKA-22cx、及び同じCDRを共有するがフレームワーク変異を持つ類似のクローンは、新たに単離したヒトT細胞を用いたin vitro(図6)でのIL-2、又はマウスに注入(図7)したIL-2の速度論的結合解析(表2)において、IL-2/UFKA-20cxと同等の刺激活性及び選択性を示した。総じて、IL-2とUFKA-20及びそのヒト化バージョンUFKA-22との複合体は、ヒトTreg細胞に対して強いin vitro活性を示すが、ヒトCD8+T細胞に対する活性は、複合化されていない遊離IL-2と比較して著しく低下した。
IL-2Rサブユニットは、ヒトとアカゲザルとの間で高度の相同性を有する。したがって、Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)を用いてアメリカ国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)の相同性検索を行ったところ、CD25、CD122、CD132の同一性は、この2種間でそれぞれ91.9%(アクセッション番号 NP 001028089.1)、94.2%(NP 001244989.1)、97.3%(NP001030606.1)であることがわかった。マウス抗体UFKA-20とヒト化UFKA-22クローンは、いずれも、in vitroにおけるサル又はヒトのいずれのIL-2への結合が類似することがわかった(データは示さず)。IL-2とIL-2/UFKA-22cxとの間のin vivo半減期の差を補償するために、動物に10μg/kg(LD)又は33μg/kg(HD)のIL-2(アルデスロイキン)を0~6日目に毎日注入し、一方で、10μg/kg IL-2と100μg/kg mAb(LD)又は33μg/kg IL-2と330μg/kg mAb(HD)のIL-2/UFKA-22cxを0及び3日目に投与した(図8A)。0日目と3日目に330μg/kgのUFKA-22(IL-2なし)の注入により、これが内因性サルIL-2と結合するかどうかを評価した。-8日目のパラメーターの評価は、ベースライン及び未治療の対照として機能させた。最初の注入後1日にpSTAT5レベルを測定し、HDのIL-2、並びにLD及びHDのIL-2/UFKA-22cxの後にCD4+CD25+T細胞でpSTAT5レベルの有意な増加を観察し(図8B)、一方でLDのIL-2又はUFKA-22単独では、CD4+CD25+T細胞のpSTAT5レベルは、-8日のベースラインで測定された値を超えて変化しなかった(図8B)。全体として、CD4+CD25+T細胞におけるpSTAT5レベルの増加は、IL-2よりもIL-2/UFKA-22cxでより顕著であった。CD4+CD25+T細胞とは対照的に、CD4+CD25-T細胞、CD8+CD25+T細胞、及びCD8+CD25-T細胞におけるpSTAT5レベルは、ベースラインと比較してIL-2、IL-2/UFKA-22cx又はUFKA-22によって有意に変化しなかった(図8B)。IL-2/UFKA-22cxのTreg細胞に対する選択性を評価するために、サルの血液中のTreg細胞の用量及び時間依存的な変化を定量した。6日目に最も強い変化を観察し、ここではCD4+CD25+Foxp3+T細胞及びCD4+CD25+T細胞の割合が、LD IL-2/UFKA-22cxを受けた動物においてLD IL-2と比較して有意に高かった(図8C)。CD4+CD25+Foxp3+T細胞は、LD IL-2/UFKA-22cxを2回注入の後、CD4+T細胞全体の平均29%まで増加したが、低用量(LD)IL-2を毎日7回注入しても、CD4+CD25+Foxp3+T細胞は4.8%のみの結果となった(図8C)。HD IL-2及びHD IL-2/UFKA-22cxは、LD IL-2/UFKA-22cxで見られた効果を上回ることはなかったものの、同等のTreg細胞応答をもたらした(図8C)。LDのIL-2/UFKA-22cxの注入後3日目及び6日目のCD4+CD25+T細胞において、Foxp3と細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)のレベルはLD IL-2と比較して著しく増加したが、HD IL-2/UFKA-22cx及びHD IL-2ではそれ以上の利点はなかった(図8D)。同様に、CD4+CD25+T細胞は2日目からKi-67+となり、Ki-67レベルは3日目と6日目にピークに達し(図8D)、これはIL-2シグナル伝達が誘導される細胞周期及び増殖を反映している可能性が最も高い。IL-2を含まないUFKA-22の注入は、CD4+CD25+T細胞の頻度の、小さいが明確な減少をもたらし(図8C)、これはおそらくUFKA-22による内因性のサルIL-2の穏やかな中和によって引き起こされたと考えられる。Foxp3、CTLA-4、及びKi-67の発現量は、UFKA-22群で変化がないままであった(図8D)。CD4+CD25+Foxp3+Treg細胞のCD8+T細胞、NK細胞、及びB細胞に対する比率を計算すると、LD IL-2/UFKA-22cxが最良のTreg細胞選択性を達成した(図8E)。アカゲザルのヒト化IL-2/UFKA-22cxでは、CD4+CD25+Foxp3+Treg細胞に対するこれらのIL-2cxの選択性、及びIL-2に対する優位性を確認した。
IL-2/UFKA-20の相互作用の構造的及びさらに機構的な洞察を得るために、UFKA-20の断片抗原結合(Fab)バリアントを作成し、IL-2と複合化した。その後、IL-2/UFKA-20 Fab複合体を結晶化し、構造解析を行った。生理的pH(pH 7.48)で結晶を成長させ、2.89Åの分解能で回折させた。この構造は分子置換法によって解かれ、3つのIL-2/UFKA-20 Fab複合体が非対称ユニットで含まれた。UFKA-20は、ヒトIL-2四元系の結晶構造と比較して、IL-2を背側に、縦軸に対して反時計回りに約55°の角度で結合しており、IL-2と、F5111(国際タンパク質構造データバンク(worldwide protein databank)PDB:5UTZ)、JES6-1(PDB:4YQX)、又はNARA1(PDB:5LQB)との複合体のものとは著しく異なっていた(図9A)。次に、CD25結合部位、CD122結合部位、及びCD132結合部位の綿密な解析を行った。抗IL-2 mAbとIL-2Rサブユニットとの間のエピトープのオーバーラップ(重なり)を評価し、タンパク質界面、表面、及び集合のソフトウェアツールを用いてIL-2cx及び四元IL-2R複合体内の埋没表面積に基づいて定量した。UFKA-20はIL-2のCD122結合部位と強く重なり、オーバーラップは40%と計算されたが、UFKA-20のIL-2のCD25結合部位への干渉はむしろ軽度で、わずか6.3%であった(図9B)。UFKA-20とIL-2のCD132結合部位とのオーバーラップは明らかではなかった。このように、UFKA-20は、可変重鎖(VH)のCDR1~3、及び可変軽鎖(VL)のCDR1及びCDR3を介して、主にIL-2のCへリックス及びBへリックスに接触し、Cへリックスの周りに「クランプ」を形成していた(図9B)。通常CD122の相互作用に関与するIL-2残基D84、N88、及びV91は、UFKA-20と密接に係合していた(図9A)。これらの相互作用は、表面プラズモン共鳴(SPR)測定で示されるとおり、IL-2のCD122への結合を阻止する可能性が非常に高い(図9C)。さらに、UFKA-20のVH鎖は、IL-2-CD25界面に位置するIL-2残基E60、E61、及びK64と密接に接触することにより、CD25と小さいが有意な程度でぶつかっていた(図9B)。しかしながら、SPRにより測定したところ、IL-2/UFKA-20cxは用量依存的に組換えヒトCD25と効率的に結合していた(図9C)。その複数の接触の結果として、UFKA-20はIL-2と高い親和性で会合し、約10-9MのKdであった(表1)。F5111はUFKA-20とは異なる角度でIL-2に結合し、F5111とCD122のエピトープが有意にオーバーラップしたのに対し(48.5%と計算)、CD132エピトープについてはこのオーバーラップは非常に軽度(2.5%)で、CD25エピトープとの有意なオーバーラップはなかった(0.85%)(図9A及び図9B)。JES6-1は、UFKA-20及びF5111とは全く異なる様式で、マウスIL-2と相互作用した。UFKA-20と比較して、JES6-1はIL-2の反対側に結合し、CD132(18%)、次いでCD25(16%)、及びCD122(8%)を主に干渉した(図9A及び図9B)。マウスIL-2R四元複合体は入手できないため、マウスIL-2/JES6-1cxのIL-2Rオーバーラップは、四元ヒトIL-2R結晶を用いて計算した。IL-2/NARA1はCD25と完全にオーバーラップし、したがって、これはCD25のIL-2との結合を「模倣」している。詳細な観察では、NARA1は、IL-2のCD25結合部位と大部分オーバーラップしていたが(52.5%)、CD122結合部位及びCD132結合部位は完全にアクセス可能なままであった(0%)(図9A及び図9B)。結果、SPRでは、IL-2/NARA1cxは非常に効率よく組換えヒトCD122に結合したが、CD25には結合しなかった(図9C)。
H16、D20を含むエピトープA。
Q57、E60、E61、L63、K64、E67、E68を含むエピトープB。
L80、R81、R83、D84、I86、S87、N88、N90、V91、L94、E95、K97、T101、T102、M104を含むエピトープC。
VH鎖(配列番号019)及びVL鎖(配列番号020)に特定のアミノ酸置換を含有するUFKA-20バリアントを作成し、特定のCDRループとhIL-2の提案エピトープとの間の極性及び非極性相互作用を弱めたり、強めたりする効果を調査した(表3及び表4)。7種のVH鎖バリアントには、2~4個のアミノ酸置換を有する1~3及び~4種の間のVL鎖バリアントが含まれた。まとめて、元のUFKA-20 mAbを含む12種のUFKA-20バリアントを発現させ、精製し、その後、親和性とin vivo活性(図12)を測定した。バリアント抗体の親和性は6.403×10-8M~1.856×10-10Mの範囲で、試験したバリアントの中で2+9が最も低く、5+9が最も高かった。ほとんどの抗体バリアントは10-10Mの範囲で結合し、未修飾の元の1+6(UFKA-20)の抗体の親和性の周辺にクラスタ化している。C57BL/6野生型マウスに、UFKA-20バリアントのIL-2/抗IL-2cxを単回投与した。CD4+CD25+Foxp3+細胞の頻度は、バリアント5+9;4+9;4+10;2+9を含む抗体によって有意に変化せず(図12B)、これは、これらのバリアントがこれらのバリアントの鎖における残基の置換によって影響を受けるhIL-2エピトープB(例えばE61、Q57、R83)及びC(L94及びE95)の残基との最適相互作用を欠いており(表4)、両方との相互作用が本発明による抗体と形成されるhIL-2複合体の高い有効性に必須であることを示している。注目すべきことに、エピトープBは、CD25標的複合体を形成する能力を持つ既知のクローンと比較して、UFKA-20由来の抗体によって固有に標的される(図10)。105+6、105+9、2+9、103+6、及び103+9を含む試験抗体のほとんどは、CD4+CD25+Foxp3+Treg細胞刺激に関してUFKA-20(1+6)と非常に類似していたことから、配列は、CDR領域における特定のアミノ酸変化に対して寛容であることが示され、ただし、配列番号019に由来するヒト化抗体の残基S56、M100、Y102、及び配列番号020のK36、F56、S32、A33、及びA100が、IL-2エピトープB及びCと相互作用するためにそれらの最適な配向を維持することを条件とする。
CD25偏向免疫複合体は優れた免疫調節の可能性を有しているが、いくつかの生物学的な側面が問題を引き起こして臨床開発を妨げているため、ヒトの炎症反応を阻害する使用としてはまだ承認されていない。第1に、IL-2と抗IL-2抗体とを37度でインキュベートすることにより形成されたIL-2抗体複合体は、別々の成分に分解されないように、投与直前に調製する必要がある。これは臨床の場では不便であり、ロット間のわずかな活性差につながる可能性がある。さらに、in vivoでこの複合体が解離し、可溶性IL-2が生成され、望ましくないオフターゲットのシグナル伝達を生成する可能性がある。これらの問題を解決するために、IL-2/UFKA-22cx療法(組換えヒトIL-2とヒト化CD25偏向抗IL-2抗体UFKA-22からなる2成分免疫療法)を、CD25を介する最適なシグナル伝達を保持し、安定性が改善された組み合わされたIL-2/UFKA-22融合タンパク質(UFKA-22FP)に置き換える単剤薬物化合物を開発した。
DCは、系統(Lin:lineage)マーカーがなく、CD11cが中間(int:intermediate)又は高(hi)であることによって特徴づけられ、かつCD11cintB220hipDC、CD11chi主要組織適合遺伝子複合体クラスII(MHC-II)hicDC、CD11blowXCR1+CD8α+DNGR-1(CLEC9A)+cDC1、CD11bhiXCR1-cDC2にさらに細分化できる(図15A)。組換えヒトIL-2(IL-2;テセロイキン)を3回注入する短期コースは、野生型(WT)成体マウスの脾臓におけるcDCの総カウント数を増加させた(図15B)。この増大は、cDCへのチミジンアナログであるブロモデオキシウリジン(BrdU)の取り込みの増加によって明らかなように、cDCの活発な増殖に起因していた(図15C)。このIL-2効果がCD25hi又はCD122hi細胞へのIL-2の結合によって引き起こされたかどうかを評価するために、CD25偏向IL-2/抗IL-2(5344)抗体複合体(IL-2/5344)及びCD122偏向IL-2/抗IL-2(NARA1)抗体複合体(IL-2/NARA1)を試験した(Letourneau E.M.PNAS 2010,107:11906;Krieg C.PNAS 2010,107:11906,Arenas-Ramirez N.Sci Transl Med 2016)。IL-2/5344及びIL-2/NARA1のマウスIL-2/抗体複合体の両方は、偏向なしのIL-2と定量的に同等の脾臓DCの増大及び増殖を刺激した(図15B、C):炎症性CD122標的IL-2抗体を含むIL-2cxでのマウスの治療は、cDC上のCD40、CD80、CD86、及びMHCクラスI(MHC-I)のアップレギュレーションを誘導したが、MHC-IIは誘導せず(図15D)、これは、T細胞活性化のための交差提示及び共刺激の可能性が増加したcDCの成熟を示している。
Claims (14)
- ヒトインターロイキン-2(hIL-2)特異的モノクローナル抗体(mAb)、又はその抗原結合断片であって、前記hIL-2特異的mAbは、エピトープを提供するhIL-2のアミノ酸残基と相互作用し、かつ
前記エピトープは、前記hIL-2残基の:
- H16、D20、
- Q57、E60、E61、L63、K64、E67、E68、及び
- L80、R81、R83、D84、I86、S87、N88、N90、V91、L94、E95、K97、T101、T102、M104、
からなり、
前記hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片は、VH相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変(VH)領域と、VL相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む可変軽鎖(VL)領域とを含み、かつここで
a. CDRH1は、配列番号001に示すアミノ酸配列を含むか、又はそれと同一であり;及び
b. CDRH2は、配列番号002に示すアミノ酸配列を含むか、又はそれと同一であり;及び
c. CDRH3は、配列番号003に示すアミノ酸配列を含むか、又はそれと同一であり;及び
d. CDRL1は、配列番号004に示すアミノ酸配列を含むか、又はそれと同一であり;及び
e. CDRL2は、配列番号005に示すアミノ酸配列を含むか、又はそれと同一であり;及び
f. CDRL3は、配列番号006に示すアミノ酸配列を含むか、又はそれと同一であり、
前記エピトープの前記hIL-2アミノ酸残基は、hIL-2ポリペプチドと複合体を形成したhIL-2特異的mAbのFab断片の結晶構造に対する埋没表面積解析により測定された埋没表面積が5平方オングストローム(Å2)超過のものとして定義される、
前記ヒトインターロイキン-2(hIL-2)特異的モノクローナル抗体(mAb)、又はその抗原結合断片。 - 前記hIL-2特異的mAbのhIL-2への結合は:
- (≦)4.3×10-9以下の解離定数(KD)、
- (≧)4.12×105Ms-1以上のオンレート(Kon)、及び
- (≦)2.20×10-3s-1以下のオフレート(Koff)、
によって特徴づけられる、
請求項1に記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片。 - 前記hIL-2特異的mAbとhIL-2とを、2:1~1:2の間の比率で組み合わせた複合体は:
- 中間親和性hIL-2受容体と比較した、高親和性hIL-2受容体への結合の比率は、20~121の間であること、及び/又は
- 中間親和性hIL-2受容体と比較した、CD25単独の結合親和性の比率は、277~483の間であること、及び/又は
- 高親和性hIL-2受容体への複合体の結合におけるhIL-2からのhIL-2 mAbの解離、及び/又は
- ヒトCD3+CD4+CD127lowFoxp3+Treg細胞をEC50が(≦)0.154以下で、かつヒトCD8+T細胞をEC50が(≧)442.9以上で活性化させること、
によって特徴づけられる、請求項1又は2に記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片。 - hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片であって、VH相補性決定領域CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含む重鎖可変(VH)領域と、VL相補性決定領域CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含む可変軽鎖(VL)領域とを含み、かつここで
a. CDRH1は、配列番号001に示すアミノ酸配列と同一であり;及び
b. CDRH2は、配列番号002に示すアミノ酸配列と同一であり;及び
c. CDRH3は、配列番号003に示すアミノ酸配列と同一であり;及び
d. CDRL1は、配列番号004に示すアミノ酸配列と同一であり;及び
e. CDRL2は、配列番号005に示すアミノ酸配列と同一であり;及び
f. CDRL3は、配列番号006に示すアミノ酸配列と同一である、
前記hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片。 - a. 前記VH配列は、配列番号007、配列番号008、配列番号009、配列番号010、配列番号011、配列番号012、配列番号013、及び配列番号014に示すアミノ酸配列から選択され、かつ
b. 前記VL配列は、配列番号015、及び配列番号016に示すアミノ酸配列から選択される、
請求項1~4のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片。 - a.
- 74位及び/又は84位がセリンであり、及び/又は
- 93位がメチオニンであり、及び/又は
- 122位がアラニンである;
配列番号007に示すアミノ酸配列と(≧)96%以上同一であるVH領域配列、
及び
b.
- 69位がイソロイシンである、
配列番号015に示すアミノ酸配列と(≧)99%以上同一であるVH領域配列、
を含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片。 - a. VH領域は、配列番号007、配列番号008、配列番号009、配列番号010、配列番号011、配列番号012、配列番号013、及び配列番号014に示すアミノ酸配列から選択される配列、又は以下に示す置換規則によってこれらの参照配列のいずれか1つから導かれる機能的に類似する配列を含み;かつ
b. VL領域は、配列番号015及び配列番号016に示すアミノ酸配列から選択される配列、又は以下に示す置換規則によってこれらの参照配列のいずれか1つから導かれる機能的に類似する配列を含み、
ここで、それぞれの参照配列から機能的に類似する配列を導く前記置換規則は:
i. グリシン(G)とアラニン(A)とは入れ替え可能であり;バリン(V)と、ロイシン(L)と、イソロイシン(I)とは入れ替え可能であり、AとVとは入れ替え可能であり;
ii. トリプトファン(W)とフェニルアラニン(F)とは入れ替え可能であり、チロシン(Y)とFとは入れ替え可能であり;
iii. セリン(S)とスレオニン(T)とは入れ替え可能であり;
iv. アスパラギン酸(D)とグルタミン酸(E)とは入れ替え可能であり;
v. アスパラギン(N)とグルタミン(Q)とは入れ替え可能であり、NとSとは入れ替え可能であり、NとDとは入れ替え可能であり、EとQとは入れ替え可能であり;
vi. メチオニン(M)とQとは入れ替え可能であり;
vii. システイン(C)と、Aと、Sとは入れ替え可能であり;
viii. プロリン(P)と、Gと、Aとは入れ替え可能であり;
ix. アルギニン(R)とリジン(K)とは入れ替え可能である;
請求項1~5のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片。 - a. 配列番号007、配列番号008、配列番号009、配列番号010、配列番号011、配列番号012、配列番号013、配列番号014、及び配列番号017に示すアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと(≧)90%以上同一の第1の配列;及び
b. 配列番号015、配列番号016、及び配列番号018に示すアミノ酸配列のうちの少なくとも1つと(≧)90%以上同一の第2の配列、
をさらに含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の特徴を有する、
hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片。 - 前記hIL-2特異的mAbは:
a. 重鎖であり、配列番号017に示すアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる前記重鎖;及び
b. 軽鎖であり、配列番号018に示すアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる前記軽鎖、
を含む、
請求項1~8のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb。 - 請求項1~9のいずれか一項に記載の、hIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片をコードする核酸分子。
- c. 請求項1~9のいずれか一項に記載のhIL-2特異的mAb、又はその抗原結合断片、及び
d. hIL-2、
を含む、医薬品としての使用のための医薬組成物。 - 前記IL-2と前記hIL-2特異的mAbとが共有結合的に会合している、請求項11に記載の使用のための医薬組成物。
- 全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、強直性脊椎炎、自己免疫肝炎、筋萎縮性側索硬化症、1型真性糖尿病、2型真性糖尿病、動脈硬化症、多発性硬化症、炎症性及び自己免疫性ミオパシー、円形脱毛症、乾癬、又は炎症性腸疾患から選択される自己免疫疾患の治療における、請求項11又は12に記載の使用のためのhIL-2特異的mAbを含む医薬組成物。
- 固形臓器移植処置を受ける患者において診断される同種移植片関連障害の治療における、請求項11~13のいずれか一項に記載の使用のためのhIL-2特異的mAbを含む医薬組成物。
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