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JP7849566B2 - 制動力制御装置、および、鞍乗り型車両 - Google Patents
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JP7849566B2 - 制動力制御装置、および、鞍乗り型車両 - Google Patents

制動力制御装置、および、鞍乗り型車両

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Description

本発明は、制動力制御装置に関する。
従来、移動体において、運転者が緊急ブレーキ操作をした際に、ブレーキの制動力を高めるブレーキアシストの技術が知られている。特許文献1では、ブレーキ機構が有するマスタシリンダの圧力、及び、その圧力の増加率が、予め設定されたアシスト開始条件を満たす場合に、緊急ブレーキ操作がなされたと判断して、ブレーキアシスト制御を実行する技術が開示されている。
特開平9-272418号公報
移動体の運転者は、急停止を意図したブレーキ操作ではない場面でも、走行中にブレーキの制動力を瞬間的に高める操作をすることがある。特に鞍乗り型車両の場合には、ブレーキ操作によって姿勢制御等、車両挙動のコントロールをする場合が多く、運転者が急停止を意図していない状態でブレーキアシスト制御が行われると、運転者としては運転に違和感を持つ可能性がある。
この明細書には、2023年3月30日に出願された日本国特許出願・特願2023-056502の全ての内容が含まれる。
移動体において、ブレーキアシストのアシスト開始条件が成立した場合に、ブレーキ操作子の操作に対応する制動力以上の大きさの制動力を制動装置に発生させるブレーキアシスト制御を実行する制動力制御装置であって、前記制動装置に係る所定の値の増加率と、予め定められた前記増加率に対応する閾値と、を比較する判定部を備え、前記アシスト開始条件は、前記判定部が前記閾値以上になったと判定した頻度に基づいて決定され、前記移動体は、前輪と後輪を備えた鞍乗り型車両であり、前記前輪と、前記後輪にはそれぞれ前輪制動装置と、後輪制動装置とが、設けられ、前記アシスト開始条件には、前記前輪制動装置に対する前記ブレーキアシスト制御を開始する第1アシスト開始条件と、前記後輪制動装置に対する前記ブレーキアシスト制御を開始する第2アシスト開始条件とが含まれ、前記第1アシスト開始条件と、前記第2アシスト開始条件とは異なる条件である、
ことを特徴とする制動力制御装置を提供する。
また、本発明における他の一態様として、上記の制動力制御装置を備える鞍乗り型車両を提供する。
運転者が急停止を意図していない場合には、ブレーキアシスト制御が実行され難く、運転者が急停止を必要とするときにはブレーキアシスト制御が行われる制動力制御が可能になる。
図1は、第1の実施の形態に係る制動制御装置が設けられた鞍乗り型車両の説明図である。 図2は、鞍乗り型車両の制動装置の構成を示すブロック図である。 図3は、制動力制御装置の構成を示すブロック図である。 図4は、マスタシリンダ圧の時間変化の一例を示すグラフである。 図5は、カウンタの計数の時間変化の一例を示すグラフである。 図6は、ブレーキアシストについてのフローチャートである。 図7は、第2の実施の形態におけるマスタシリンダ圧の時間変化の一例を示すグラフである。 図8は、ブレーキアシストについてのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
スイングアーム16は、車体フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12の燃料噴射等を制御する制御装置32は、シート17の下方に設けられる。制御装置32は、制動制御装置59を含むコンピュータであり、図3にて後述するように記憶装置71と、記憶装置71が記憶するプログラムを実行することで各種機能を発揮するプロセッサ69とを備える。
またシート17の下方には、内部に6軸センサを含むIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測ユニット)34が設けられる。
ブレーキペダル36(49A)はピボット軸22の下方に設けられる。運転者は、ブレーキペダル36を右脚部で操作することにより、後輪15の制動力を調整することができる。言い換えれば、運転者はブレーキペダル36を操作することにより、リアブレーキ53の制動力を調整できる(後述する図2参照)。また、ブレーキペダル36の近傍には、ペダル踏力をブレーキ液の液圧に変換し、後輪15のブレーキキャリパ62にブレーキ液を圧送するリアブレーキマスタシリンダ31が設けられる。
ハンドル21には、ブレーキレバー38(49B)が設けられる。運転者は、ブレーキレバー38を手指部で操作することにより、前輪13の制動力を調整することができる。言い換えれば、運転者はブレーキレバー38を操作することにより、フロントブレーキ51の制動力を調整できる(後述する図2参照)。また、ブレーキレバー38の近傍には、レバーを握る力を液圧に変換し、前輪13のブレーキキャリパ63にブレーキ液を圧送するフロントブレーキマスタシリンダ30が設けられる。
図2は、鞍乗り型車両10の制動装置41の構成を示すブロック図である。
フロントブレーキ51とリアブレーキ53は制動装置41の一例である。
制動装置41を制御する制動制御装置59は、リアブレーキマスタシリンダ31内のブレーキ液の液圧を計測する液圧センサ57と接続される。制動制御装置59は、フロントブレーキマスタシリンダ30内のブレーキ液の液圧を計測する液圧センサ55と接続される。また制動制御装置59は、リアブレーキのブレーキキャリパ62における液圧を測定する液圧センサ64と、フロントブレーキのブレーキキャリパ63における液圧を測定する液圧センサ65と接続される。
制動制御装置59は、後輪15の車輪速を計測するリア車輪速センサ45と接続される。リア車輪速センサ45で計測された後輪15の車輪速情報は、運転者が、ブレーキ操作子49Aであるブレーキペダル36を踏み込んだ際に、後輪15がロックしないためのABS(Anti-lock-Brake System)機能や、トラクションコントロールを実行するとき等にも用いられる。
制動制御装置59は、前輪13の車輪速を計測するフロント車輪速センサ43と接続される。
また制動制御装置59は、パワーユニット12における燃料噴射量を調整するスロットルの開閉度を検出するスロットル開度センサ47と接続される。
加圧モジュール61とリアブレーキマスタシリンダ31は、ブレーキ液の油圧を伝達する配管で接続されている。同様に加圧モジュール61とフロントブレーキマスタシリンダ30は、ブレーキ液の油圧を伝達する配管で接続されている。また加圧モジュール61とリアブレーキのブレーキキャリパ62はブレーキ液の油圧を伝達する配管で接続されている。同様に、加圧モジュール61とフロントブレーキのブレーキキャリパ63はブレーキ液の油圧を伝達する配管で接続されている。
また制動制御装置59は、IMU34にも接続される。制動制御装置59は加圧モジュール61に接続され、加圧モジュール61の制御をおこなう。
制動制御装置59は、制御装置32に含まれる。もちろん制動制御装置59と制御装置32は、別体の装置であってもよい。
図3は、制動制御装置59の機能ブロック図である。制動制御装置59はコンピュータであり、ECU(Electronic Control Unit)である。制動制御装置59は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ69、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備え、各種制御を実行する。RAMはCPUの作業領域、記憶領域として使用され、ROMはCPUで実行されるオペレーティングシステムやプログラムを記憶する。
プロセッサ69は、記憶装置71の制御プログラム記憶領域72に記憶されたプログラムを実行することで、後述する各種機能を実現する。記憶装置71は、SSD(Solid State Drive)等であってよい。
プロセッサ69は、フロントブレーキ51、及びリアブレーキ53を含む制動装置41に係る所定の値を測定する測定部73の機能を実現する。本実施形態において測定部73は、所定の値としてフロントブレーキマスタシリンダ30、及びリアブレーキマスタシリンダ31の液圧を測定する。
フロントブレーキマスタシリンダ30、及びリアブレーキマスタシリンダ31の液圧は、制動装置のマスタシリンダ圧の一例である。
プロセッサ69は、さらに他のセンサの値を測定する測定部73の機能を実現する。センサとしては、フロント車輪速センサ43と、リア車輪速センサ45と、スロットル開度センサ47等が例としてあげられるが、これらに限られない。
なお制動制御装置59は、それぞれのセンサからの信号についての入力インターフェース回路を備えてよい。
なお、測定部73が測定するフロントブレーキ51、及びリアブレーキ53を含む制動装置41に係る所定の値としては、ブレーキレバー38、及びブレーキペダル36を含むブレーキ操作子49の操作量であってもよい。
プロセッサ69は、フロントブレーキ51、及びリアブレーキ53を含む制動装置41に係る所定の値について、予め定められた演算を行う演算部75の機能を実現する。本実施形態においては、フロントブレーキマスタシリンダ30、及びリアブレーキマスタシリンダ31の液圧の増加率を演算にて求める。
プロセッサ69は、フロントブレーキマスタシリンダ30、及びリアブレーキマスタシリンダ31の液圧の増加率と、予め定められて記憶装置71に記憶されている第1閾値の大小関係を比較する判定部77の機能を実現する。
また判定部77は、後述するカウンタ79がカウントした結果である計数と、予め定められて記憶装置71に記憶されているアシスト開始条件との大小関係を判定する。
プロセッサ69は、所定期間内にマスタシリンダ圧が第1閾値以上になったと判定部77が判定した頻度を計るカウンタ79の機能を実現する。
カウンタ79は、前述の頻度を計る計数部の一例である。またカウンタ79の計数は、前述の頻度の一例である。カウンタ79は、所定期間内の単位時間においてマスタシリンダ圧が第1閾値以上になったときに、カウンタ79の計数の初期値に1を加算し、所定期間内の単位時間においてマスタシリンダ圧が第1閾値未満になったときに、カウンタ79の計数の初期値から1を減算する。単位時間は、例えば数ミリ秒である。言い換えれば、所定期間内に制動装置に係る所定の値が第1閾値以上になったと判定部77が判定した頻度を計る計数部を備え、アシスト開始は前述の頻度に基づいて決定される。
プロセッサ69は、制動装置41に対してブレーキアシスト制御を行う加圧モジュール制御部81の機能を実現する。具体的には、加圧モジュール61内の液圧を変化させるピストンを移動させるモーターの制御を行う。上記カウンタ79がアシスト開始条件を満たした場合に、加圧モジュール61は、マスタシリンダに対して加圧を行い、ブレーキアシスト、すなわち制動力の増大をおこなう。
図4は、マスタシリンダ圧の時間変化を示すグラフの一例である。縦軸がマスタシリンダ圧を表し、横軸が時間を表す。本例示においてマスタシリンダと呼ぶのは、フロントブレーキマスタシリンダ30、又はリアブレーキマスタシリンダ31のいずれかである。実線はマスタシリンダ圧の時間変化100であり、実線の傾きは、マスタシリンダ圧の増加率に相当する。点線の傾きは、予め定められた第1閾値150に相当する。すなわち、グラフ上で実線の傾きが、点線の傾き以上になるということは、マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値以上であるということを意味する。逆にグラフ上で実線の傾きが、点線の傾き未満になるということは、マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値未満であるということを意味する。
具体的には、グラフ上の時刻B、時刻Dでは、マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値未満であり、時刻A、時刻C、時刻E、時刻F、時刻Gではマスタシリンダ圧の増加率が第1閾値以上である。
図5は、カウンタ79が計る計数の時間変化の一例を示すグラフである。縦軸がカウンタ79の計数を表し、横軸が時間を表す。カウンタ79は、本例示においては、計数の初期値が0であり、マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値以上の時にカウントアップして、計数に1を加算する処理を行い、マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値未満の時には、カウントダウンして、計数から1を減算する処理を行う。
ここで、カウンタ79のアシスト開始条件を、計数が満たした場合に、マスタシリンダに対して加圧モジュール61が加圧を行い、ブレーキアシスト、すなわち制動力の増大を生じさせる。アシスト開始条件を計数が3になることだとすると、時刻Gでブレーキアシストが開始されることになる。言い換えればアシスト開始条件に係る第1頻度は、この場合3である。アシスト開始条件を変更することで、ブレーキアシストの感度を調整することができる。すなわち、第1頻度を大きな値にすれば、ブレーキアシストは開始し難くなり、第1頻度を小さな値にすれば、ブレーキアシストは開始し易くなる。
図6は、ブレーキアシストの動作についてのフローチャートである。ここでマスタシリンダは、フロントブレーキマスタシリンダ30である。このときアシスト開始条件は第1アシスト開始条件である。
まず測定部73が、マスタシリンダ圧を検出する(ステップSA1)。そして演算部75が、マスタシリンダ圧の増加率を演算する(ステップSA2)。次に判定部77が、求められたマスタシリンダ圧の増加率と、予め定められて記憶装置71に記憶されていた第1閾値とを比較判定し、マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値以上か否かを判定する(ステップSA3)。マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値以上である場合(ステップSA3:YES)、カウンタ79は計数に1を加算する(ステップSA4)。判定部77は、カウンタ79の計数が予め定められて記憶装置71に記憶されたアシスト開始条件を満たしたか否かを判定する(ステップSA5)。カウンタ79の計数がアシスト開始条件を満たした場合(ステップSA5:YES)、加圧モジュール制御部81が加圧モジュール61を制御して、ブレーキアシストを行う(ステップSA6)。
ステップSA3の説明に戻って、マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値未満である場合(ステップSA3:NO)、カウンタ79の計数を減算する(ステップSA7)。そしてステップSA1に戻る。
ステップSA5の説明に戻って、カウンタ79の計数がアシスト開始条件を満たしていなかった場合(ステップSA5:NO)、ステップSA1に戻る。
ここで、フローチャートにおいて、マスタシリンダは、リアブレーキマスタシリンダ31であってもよい。このときアシスト開始条件は第2アシスト開始条件である。第1アシスト条件と第2アシスト条件は、同じでも異なっていてもよい。第1アシスト条件と第2アシスト条件が異なる場合、第1アシスト開始条件である第1頻度と、第2アシスト開始条件である第2頻度を比較すると、第1頻度が第2頻度よりも大きいことが望ましい。これは、フロントブレーキ51とリアブレーキ53を比較したときに、フロントブレーキ51による前輪13の制動のために加圧モジュール61が制動力を増加させるタイミングがリアブレーキ53による後輪15の制動のために加圧モジュール61が制動力を増加させるタイミングより早いと、FR方向につんのめる形で車両が停止することになり、車両挙動が不自然になる可能性があるからである。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る制動制御装置59が設けられた鞍乗り型車両10について、以下で説明する。なお前述の実施の形態を第1の実施の形態とよび、以下の実施の形態を第2の実施の形態と呼ぶ。
第2の実施の形態に係る制動制御装置59が設けられた鞍乗り型車両10における機器の構成は、前述した実施の形態を表す図1、図2、及び図3と同様なので記載を省略する。
図7は、本実施の形態におけるマスタシリンダ圧の時間変化の一例を示すグラフである。ここで、第1の実施の形態と異なるのは、アシスト開始条件との比較に関わる、マスタシリンダ圧について、下限閾値Pと上限閾値Pを設けていることである。マスタシリンダ圧が下限閾値Pよりも小さい場合には、マスタシリンダ圧と第1閾値の比較はおこなわず、マスタシリンダ圧はカウンタ79の計数の変化には寄与しない。またマスタシリンダ圧が上限閾値Pよりも大きい場合には、マスタシリンダ圧と第1閾値の比較はおこなわず、マスタシリンダ圧はカウンタ79の計数の変化には寄与しない。
言い換えれば、アシスト開始は、マスタシリンダ圧が予め定められた下限閾値から、予め定められた上限閾値までの間にある場合に生じた、マスタシリンダ圧が第1閾値以上になる頻度に基づいて決定される。
図8は、本実施の形態におけるブレーキアシストの動作についてのフローチャートである。ここでマスタシリンダは、フロントブレーキマスタシリンダ30である。このときアシスト開始条件は第1アシスト開始条件である。
まず測定部73が、マスタシリンダ圧を検出する(ステップSB1)。マスタシリンダ圧が下限閾値P以上か否かを、判定部77が判定する(ステップSB2)。マスタシリンダ圧が下限閾値P以上である場合(ステップSB2:YES)、判定部77は、マスタシリンダ圧が上限閾値P未満であるか否かを判定する(ステップSB3)。マスタシリンダ圧が上限閾値P未満である場合(ステップSB3:YES)、演算部75が、マスタシリンダ圧の増加率を演算する(ステップSB4)。次に判定部77が、求められたマスタシリンダ圧の増加率と、予め定められて記憶装置71に記憶されていた第1閾値とを比較判定し、マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値以上か否かを判定する(ステップSB5)。マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値以上である場合(ステップSB5:YES)、カウンタ79は計数に1を加算する(ステップSB6)。判定部77は、カウンタ79の計数が予め定められて記憶装置71に記憶されたアシスト開始条件を満たしたか否かを判定する(ステップSB7)。カウンタ79の計数がアシスト開始条件を満たした場合(ステップSB7:YES)、加圧モジュール制御部81が加圧モジュール61を制御して、ブレーキアシストを行う(ステップSB8)。
ステップSB2の説明に戻って、マスタシリンダ圧はP以上でない場合(ステップSB2:NO)、ステップSB1に戻る。
ステップSB3の説明に戻って、マスタシリンダ圧がP未満でない場合(ステップSB3:NO)、処理を終了する。
ステップSB5の説明に戻って、マスタシリンダ圧の増加率が第1閾値以上ではない場合(ステップSB5:NO)、カウンタ79の計数を減算する(ステップSB9)。そしてステップSB1に戻る。
ステップSB7の説明に戻って、カウンタ79の計数がアシスト開始条件を満たしていなかった場合(ステップSB7:NO)、ステップSB1に戻る。
ここで、フローチャートにおいて、マスタシリンダは、リアブレーキマスタシリンダ31であってもよい。このときアシスト開始条件は第2アシスト開始条件である。第1アシスト条件と第2アシスト条件は、同じでも異なっていてもよい。第1アシスト条件と第2アシスト条件が異なる場合、第1アシスト開始条件である第1頻度と、第2アシスト開始条件である第2頻度を比較すると、第1頻度が第2頻度よりも大きいことが望ましい。
なお、上述の実施形態は本発明の一態様を示すものである。本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、細部等の構成は適宜に変更してもよい。図6および図8に示すフローチャートの処理単位は、制動制御装置59の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって本発明が制限されることはない。図6および図8の動作は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)移動体において、ブレーキアシストのアシスト開始条件が成立した場合に、ブレーキ操作子の操作に対応する制動力以上の大きさの制動力を制動装置に発生させるブレーキアシスト制御を実行する制動力制御装置であって、前記制動装置に係る所定の値の増加率と、予め定められた第1閾値と、を比較する判定部を備え、前記アシスト開始条件は、前記判定部が前記第1閾値以上になったと判定した頻度に基づいて決定される、ことを特徴とする制動力制御装置。
これによれば、運転者が急停止を意図していない場合には、ブレーキアシスト制御が実行され難く、運転者が急停止を必要とするときにはブレーキアシスト制御が実行される制動力制御が可能になる。
(構成2)前記制動装置に係る所定の値を測定する測定部と、前記所定の値の増加率を演算して求める演算部と、前記測定部で測定された前記所定の値の前記増加率と予め定められた第1閾値を比較する判定部と、所定期間内に前記所定の値の前記増加率が前記第1閾値以上になったと前記判定部が判定した頻度を計る計数部と、を備える、ことを特徴とする構成1に記載の制動力制御装置。
これによれば、運転者が急停止を意図していない場合には、ブレーキアシスト制御が実行され難く、運転者が急停止を必要とするときにはブレーキアシスト制御が実行される制動力制御が可能になる。
(構成3)前記制動装置に係る前記所定の値は、前記制動装置のマスタシリンダ圧であることを特徴とする構成1、又は構成2に記載の制動力制御装置。
これによれば、運転者が急停止を意図していない場合のマスタシリンダ圧の増加と、運転者が急停止を必要とするときのマスタシリンダ圧の増加とを区別しやすくなり、運転者にとって適切なタイミングでブレーキアシスト制御が実行されやすくなる。
(構成4)前記所定の値は、前記ブレーキ操作子の操作量であることを特徴とする構成1、又は構成2に記載の制動力制御装置。
これによれば、運転者が停止を意図していない場合のブレーキ操作子の操作量の増加と、運転者が急停止を必要とするときのブレーキ操作子の操作量の増加とを区別しやすくなり、運転者にとって適切なタイミングでブレーキアシスト制御が実行されやすくなる。
(構成5)前記アシスト開始条件は、前記マスタシリンダ圧が予め定められた下限閾値から、予め定められた上限閾値までの間にある場合に生じた前記頻度に基づいて決定されることを特徴とする構成3記載の制動力制御装置。
これによれば、運転者が急停止を意図していない場合には、ブレーキアシスト制御が実行され難く、運転者が急停止を必要とするときにはブレーキアシスト制御が実行される制動力制御が可能になる。
(構成6)前記移動体は、前輪と後輪を備えた鞍乗り型車両であり、前記前輪と、前記後輪にはそれぞれ前輪制動装置と、後輪制動装置とが、設けられ、前記前輪制動装置に対する前記ブレーキアシスト制御を開始する第1アシスト開始条件と、前記後輪制動装置とでは前記ブレーキアシスト制御を開始する第2アシスト開始条件とは異なることを特徴とする構成1に記載の制動力制御装置。
これによれば、ブレーキアシストが開始される条件を前輪制動装置と後輪制御装置で異ならせることで、運転者の使い勝手に合わせたブレーキアシスト制御が可能になる。
(構成7)前記第1アシスト開始条件である第1頻度と、前記第2アシスト開始条件である第2頻度を比較すると、前記第1頻度が前記第2頻度よりも大きいことを特徴とする構成6に記載の制動力制御装置。
運転者が姿勢制御のためのブレーキ操作をするのは後輪制動装置であることが多い。これによれば、後輪制動装置の方がブレーキアシスト制御は行われ難いので、姿勢制御に伴うブレーキ操作時にブレーキアシスト制御が行われ難く、運転者に違和感を与えにくい。
(構成8)前記前輪制動装置は、運転者の手部で操作されるブレーキレバーにより制動力を指示され、前記後輪制動装置は、前記運転者の脚部で操作されるブレーキペダルにより制動力を指示されることを特徴とする構成6、又は構成7に記載の制動力制御装置。
緊急停止を運転者が意図する場合には、ブレーキレバーを強く握る可能性が高い。これによれば、緊急停止時のブレーキ操作と考えられる操作と、ブレーキペダルを使用する姿勢制御のためのブレーキ操作を判別しやすい。
(構成9)構成1、又は構成2に記載された制動力制御装置を備える鞍乗り型車両。
これによれば、運転者が急停止を意図していない場合には、ブレーキアシスト制御が実行され難く、運転者が急停止を必要とするときにはブレーキアシスト制御が実行される鞍乗り型車両が実現される。
10 鞍乗り型車両(移動体)
13 前輪
15 後輪
36、49A ブレーキペダル
38、49B ブレーキレバー
41 制動装置
49 ブレーキ操作子
51 フロントブレーキ(前輪制動装置)
53 リアブレーキ(後輪制動装置)
59 制動制御装置
61 加圧モジュール
73 測定部
75 演算部
77 判定部
79 カウンタ(計数部)
81 加圧モジュール制御部
100 マスタシリンダ圧の時間変化
150 第1閾値

Claims (8)

  1. 移動体において、ブレーキアシストのアシスト開始条件が成立した場合に、ブレーキ操作子(49)の操作に対応する制動力以上の大きさの制動力を制動装置(41)に発生させるブレーキアシスト制御を実行する制動力制御装置(59)であって、
    前記制動装置(41)に係る所定の値の増加率と、予め定められた前記増加率に対応する閾値と、を比較する判定部(77)を備え、前記アシスト開始条件は、前記判定部(77)が前記閾値以上になったと判定した頻度に基づいて決定され、
    前記移動体は、前輪(13)と後輪(15)を備えた鞍乗り型車両(10)であり、前記前輪(13)と、前記後輪(15)にはそれぞれ前輪制動装置(51)と、後輪制動装置(53)とが、設けられ、
    前記アシスト開始条件には、前記前輪制動装置(51)に対する前記ブレーキアシスト制御を開始する第1アシスト開始条件と、前記後輪制動装置(53)に対する前記ブレーキアシスト制御を開始する第2アシスト開始条件とが含まれ、
    前記第1アシスト開始条件と、前記第2アシスト開始条件とは異なる条件である、
    ことを特徴とする制動力制御装置。
  2. 前記制動装置に係る所定の値を測定する測定部(73)と、
    前記所定の値の増加率を演算して求める演算部(75)と、
    前記測定部(73)で測定された前記所定の値の前記増加率と予め定められた閾値を比較する判定部(77)と、
    所定期間内に前記所定の値の前記増加率が前記閾値以上になったと前記判定部(77)が判定した頻度を計る計数部(79)と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の制動力制御装置。
  3. 前記制動装置(41)に係る前記所定の値は、前記制動装置(41)のマスタシリンダ圧であることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の制動力制御装置。
  4. 前記所定の値は、前記ブレーキ操作子(49)の操作量であることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の制動力制御装置。
  5. 前記アシスト開始条件は、前記マスタシリンダ圧が予め定められた下限閾値から、予め定められた上限閾値までの間にある場合に生じた前記頻度に基づいて決定されることを特徴とする請求項3に記載の制動力制御装置。
  6. 前記第1アシスト開始条件である第1頻度と、前記第2アシスト開始条件である第2頻度を比較すると、前記第1頻度が前記第2頻度よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の制動力制御装置。
  7. 前記前輪制動装置(51)は、運転者の手部で操作されるブレーキレバー(38)により制動力を指示され、前記後輪制動装置(53)は、前記運転者の脚部で操作されるブレーキペダル(36)により制動力を指示される
    ことを特徴とする請求項1、又は請求項6に記載の制動力制御装置。
  8. 請求項1または2に記載された制動力制御装置(59)を備える鞍乗り型車両。
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