以下、実施形態の医用画像処理装置、治療システム、医用画像処理方法、プログラム、および記憶媒体を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の医用画像処理装置を備えた治療システムの概略構成を示すブロック図である。治療システム1は、例えば、治療装置10と、医用画像処理装置100と、を備える。治療装置10は、例えば、寝台12と、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)装置14(以下、「CT撮影装置14」という)と、治療ビーム照射門16と、を備える。
寝台12は、放射線による治療を受ける被検体(患者)Pを、例えば、固定具などによって寝かせた状態で固定する可動式の治療台である。寝台12は、医用画像処理装置100からの制御に従って、開口部を有する円環状のCT撮影装置14の中に、患者Pを固定した状態で移動する。医用画像処理装置100は、寝台12に固定された患者Pに治療ビームBを照射する方向を変えるために、寝台12に設けられた並進機構および回転機構を制御するための移動制御信号を出力する。並進機構は三軸方向に寝台12を駆動することができ、回転機構は三軸回りに寝台12を駆動することができる。このため、医用画像処理装置100は、例えば、寝台12の並進機構および回転機構を制御して寝台12を六自由度で移動させる。医用画像処理装置100が寝台12を制御する自由度は、六自由度でなくてもよく、六自由度よりも少ない自由度(例えば、四自由度など)や、六自由度よりも多い自由度(例えば、八自由度など)であってもよい。
CT撮影装置14は、三次元のコンピュータ断層撮影を行うための撮像装置である。CT撮影装置14は、円環状の開口部の内側に複数の放射線源が配置され、それぞれの放射線源から、患者Pの体内を透視するための放射線を照射する。つまり、CT撮影装置14は、患者Pの周囲の複数の位置から放射線を照射する。CT撮影装置14においてそれぞれの放射線源から照射する放射線は、例えば、X線である。CT撮影装置14は、円環状の開口部の内側に複数配置された放射線検出器によって、対応する放射線源から照射され、患者Pの体内を通過して到達した放射線を検出する。CT撮影装置14は、それぞれの放射線検出器が検出した放射線のエネルギーの大きさに基づいて、患者Pの体内を撮影したCT画像を生成する。CT撮影装置14によって生成される患者PのCT画像は、放射線のエネルギーの大きさをデジタル値で表した三次元のデジタル画像である。CT撮影装置14は、生成したCT画像を医用画像処理装置100に出力する。CT撮影装置14における患者Pの体内の三次元での撮影、つまり、それぞれの放射線源からの放射線の照射や、それぞれの放射線検出器が検出した放射線に基づいたCT画像の生成は、例えば、撮影制御部(不図示)によって制御される。CT撮影装置14は、「撮像装置」の一例である。
治療ビーム照射門16は、患者Pの体内に存在する治療対象の部位である腫瘍(病巣)を破壊するための放射線を治療ビームBとして照射する。治療ビームBは、例えば、X線、γ線、電子線、陽子線、中性子線、重粒子線などである。治療ビームBは、治療ビーム照射門16から直線的に患者P(より具体的には、患者Pの体内の腫瘍)に照射される。治療ビーム照射門16における治療ビームBの照射は、例えば、治療ビーム照射制御部(不図示)によって制御される。治療ビーム照射門16は、「照射部」の一例である。
治療システム1が設置された治療室では、図1に示したような基準位置の三次元の座標が予め設定されている。そして、患者Pに治療ビームBを照射する治療室では、予め設定された基準位置の三次元の座標に従って、治療ビーム照射門16の設置位置や、治療ビームBを照射する方向(照射方向)、寝台12の設置位置、CT撮影装置14の設置位置、患者Pの体内を撮影したCT画像の撮影位置などが把握されている。以下の説明においては、治療室において予め設定されている基準位置の三次元の座標系を、「部屋座標系」と定義する。そして、以下の説明において、「位置」とは、部屋座標系に従って表される、寝台12が備える並進機構による三軸方向(三次元)の座標のことであり、「姿勢」とは、部屋座標系に従って表される、寝台12が備える回転機構による三軸回りの回転角度のことであるものとする。例えば、寝台12の位置とは、寝台12に含まれる所定の点の位置を三次元の座標で表したものであり、寝台12の姿勢とは、寝台12の回転角度をヨー、ロール、ピッチで表したものである。
放射線治療においては、治療室を模擬した状況において治療計画が立てられる。つまり、放射線治療では、治療室において患者Pが寝台12に乗せられた状態を模擬して、治療ビームBを患者Pに照射する際の照射方向や強度などが計画される。このため、治療計画の段階(治療計画段階)のCT画像には、治療室内における寝台12の位置および姿勢を表すパラメータなどの情報が付与されている。これは、放射線治療を行う直前に撮影されたCT画像や、以前の放射線治療の際に撮影されたCT画像においても同様である。つまり、CT撮影装置14によって患者Pの体内を撮影したCT画像には、撮影したときの寝台12の位置および姿勢を表すパラメータが付与されている。
図1では、CT撮影装置14と、固定された1つの治療ビーム照射門16とを備える治療装置10の構成を示したが、治療装置10の構成は、上述した構成に限定されない。例えば、治療装置10は、CT撮影装置14に代えて、1組の放射線源と放射線検出器とが円環状の開口部の内側を回転する構成のCT撮影装置や、コーンビーム(Cone-Beam:CB)CT装置、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置、超音波診断装置など、患者Pの体内を三次元で撮影した画像を生成する撮影装置を備える構成であってもよい。例えば、治療装置10は、患者Pに水平方向から治療ビームを照射する治療ビーム照射門をさらに備えるなど、複数の治療ビーム照射門を備える構成であってもよい。例えば、治療装置10は、図1に示した1つの治療ビーム照射門16が、図1に示した水平方向Xの回転軸に対して360度回転するなど、患者Pの周辺を回転することによって様々な方向から治療ビームを患者Pに照射する構成であってもよい。例えば、治療装置10は、CT撮影装置14に代えて、放射線源と放射線検出器との組で構成される撮像装置を一つあるいは複数備え、この撮像装置が、図1に示した水平方向Xの回転軸に対して360度回転することによって、患者Pの体内を様々な方向から撮影する構成であってもよい。このような構成は、回転ガントリ型治療装置と呼ばれる。この場合、例えば、図1に示した1つの治療ビーム照射門16が、撮像装置と同じ回転軸で同時に回転する構成であってもよい。
医用画像処理装置100は、CT撮影装置14により出力されたCT画像に基づいて、放射線治療を行う際に患者Pの位置を合わせるための処理を行う。より具体的には、医用画像処理装置100は、例えば、治療計画段階など、放射線治療を行う前に撮影した患者PのCT画像と、放射線治療を行う治療の段階(治療段階)においてCT撮影装置14によって撮影された現在の患者PのCT画像とに基づいて、患者Pの体内に存在する腫瘍や組織の位置を合わせるための処理を行う。そして、医用画像処理装置100は、移動制御信号を出力して、治療ビーム照射門16から照射される治療ビームBの照射方向を治療計画段階において設定した方向に合わせるために寝台12を移動させる。つまり、医用画像処理装置100は、移動制御信号によって、放射線治療において治療を行う腫瘍や組織に治療ビームBが適切に照射させる方向に患者Pを移動させる。
医用画像処理装置100と、治療装置10が備えるCT撮影装置14とは、有線によって接続されていてもよいし、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの無線によって接続されていてもよい。
さらに、医用画像処理装置100は、患者Pの位置を合わせるための処理(以下、「位置合わせ処理」という)の結果(処理途中であってもよい)を表す情報を、医師などの放射線治療の実施者、つまり、治療システム1の利用者に提示する。図1では、医用画像処理装置100が、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)や、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)ディスプレイなどである表示装置Dに画像や情報を表示させることによって、位置合わせ処理の結果を利用者(以下、「ユーザー」という)に提示する構成を示している。表示装置Dは、例えば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)に接続された表示装置(いわゆる、PCモニター)や、タブレット端末、スマートフォンなどの端末装置(デジタル機器)に備え付けられている表示装置であってもよい。これにより、ユーザーは、表示装置Dに表示された位置合わせ処理の結果を確認し、位置合わせ処理を終了する、つまり、放射線治療を開始するか、位置合わせ処理を再度行うかを判断することができる。医用画像処理装置100は、位置合わせ処理の結果を表す情報に加えて、例えば、治療計画段階のCT画像や治療段階のCT画像を表示装置Dに表示させることによって、ユーザーに提示してもよい。ただし、CT画像は、三次元の画像であるため、二次元の表示を行う表示装置Dには直接表示させることができない。このため、医用画像処理装置100は、治療計画段階のCT画像と治療段階のCT画像とのそれぞれに対応する1つないし複数の断面画像を生成して表示装置Dに表示させる。このとき、医用画像処理装置100は、ユーザーがそれぞれのCT画像の比較を目視にて行いやすくするために、それぞれの断面画像の差分をとった差分画像を表示させてもよいし、それぞれの断面画像の差分値の大小に応じて色分けをしたカラーマップ表示をさせてもよい。
以下、第1の実施形態の医用画像処理装置100について説明する。図2は、医用画像処理装置100の概略構成を示すブロック図である。医用画像処理装置100は、例えば、第1画像取得部110と、第2画像取得部120と、治療誤差取得部130と、差分計算部140と、差分統計量計算部150と、を備える。
医用画像処理装置100が備える構成要素のうち一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、専用のLSIによって実現されてもよい。プログラムは、予め医用画像処理装置100が備えるROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が医用画像処理装置100が備えるドライブ装置に装着されることで医用画像処理装置100が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。プログラムは、他のコンピュータ装置からネットワークを介してダウンロードされて、医用画像処理装置100が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
第1画像取得部110は、治療前の患者Pに関する第1透視画像と、その第1透視画像を撮影したときの位置および姿勢を表すパラメータとを取得する。第1透視画像は、放射線治療を行う際の治療計画段階において、例えば、CT撮影装置14によって撮影された、患者Pの体内の立体形状を表す三次元のCT画像である。第1透視画像は、放射線治療において患者Pに照射する治療ビームBの方向(傾きや距離などを含む経路)や強さを決定するために用いられる。第1透視画像には、決定された治療ビームBの方向(照射方向)や強さが設定される。第1透視画像は、寝台12に固定することによって患者Pの位置および姿勢(以下、「体位」という)を一定に維持した状態で撮影される。第1透視画像を撮影したときの患者Pの体位を表すパラメータは、第1透視画像を撮影したときのCT撮影装置14の位置や姿勢(撮影方向や撮影倍率)であってもよいし、例えば、第1透視画像を撮影したときの寝台12の位置および姿勢、つまり、患者Pの体位を一定に維持するために寝台12に設けられた並進機構および回転機構に設定した設定値であってもよい。第1画像取得部110は、取得した第1透視画像およびパラメータを差分計算部140に出力する。第1透視画像は、放射線治療を行う前に撮影された画像であれば、例えば、治療室において治療を行う直前に撮影された画像や、以前の放射線治療の際に撮影された画像であってもよい。第1画像取得部110は、治療装置10が備えるCT撮影装置14と接続するためのインターフェースを備えていてもよい。
第2画像取得部120は、放射線治療を開始する直前の患者Pに関する第2透視画像と、その第2透視画像を撮影したときの位置および姿勢を表すパラメータとを取得する。第2透視画像は、放射線治療において治療ビームBを照射する際の患者Pの体位を合わせるために、例えば、CT撮影装置14によって撮影された患者Pの体内の立体形状を表す三次元のCT画像である。つまり、第2透視画像は、治療ビーム照射門16から治療ビームBを照射していない状態でCT撮影装置14によって撮影された画像である。言い換えれば、第2透視画像は、第1透視画像を撮影した時刻と異なる時刻に撮影されたCT画像である。この場合、第1透視画像と第2透視画像とは、撮影された時刻が異なるが、それぞれの画像の撮影方法は同様である。このため、第2透視画像は、第1透視画像を撮影したときの体位と同様の体位に近づけた状態で撮影される。第2透視画像を撮影したときの患者Pの体位を表すパラメータは、第2透視画像を撮影したときのCT撮影装置14の位置や姿勢(撮影方向や撮影倍率)であってもよいし、例えば、第2透視画像を撮影したときの寝台12の位置および姿勢、つまり、患者Pの体位を第1透視画像を撮影したときの体位と同様の体位に近づけるために寝台12に設けられた並進機構および回転機構に設定した設定値であってもよい。第2画像取得部120は、取得した第2透視画像およびパラメータを差分計算部140に出力する。第2画像取得部120は、治療装置10が備えるCT撮影装置14と接続するためのインターフェースを備えていてもよい。このインターフェースは、第1画像取得部110が備えるインターフェースと共通のものであってもよい。
第1透視画像および第2透視画像は、CT撮影装置14によって撮影されたCT画像に限定されるものではなく、例えば、CBCT装置、MRI装置、超音波診断装置など、CT撮影装置14とは異なる撮像装置で撮影された三次元の画像であってもよい。例えば、第1透視画像がCT画像であり、第2透視画像がMRI装置で撮影された三次元の画像であってもよい。逆に、第1透視画像がMRI装置で撮影された三次元の画像であり、第2透視画像がCT画像であってもよい。第1透視画像および第2透視画像は、三次元の画像に限定されるものではなく、例えば、動画で撮影したCT画像など、四次元の画像であってもよい。第1透視画像および第2透視画像は、一方向あるいは複数の方向から撮影された二次元のX線撮影画像であってもよい。
上述したように、第1透視画像と第2透視画像とは共に、異なる時刻に撮影された三次元のCT画像である。そして、第2透視画像を撮影する際には、患者Pの体位を、第1透視画像を撮影したときと同様の体位に近づけた状態にしている。しかしながら、第2透視画像は、患者Pの体位を、第1透視画像を撮影したときと完全に同一の体位で撮影することは困難である。つまり、患者Pの体内の状態に変化を抑えることや、固定具を用いても同一の体位に固定することは困難である。このため、第1透視画像に写された患者Pの体位と第2透視画像に写された患者Pの体位とには、それぞれを所定の三次元空間内に仮想的に同一に配置したとしても、わずかながら(例えば、数mm)のずれが生じてしまい、第2透視画像を撮影するのみでは、第1透視画像を撮影したときの患者Pの体位を再現することは困難である。所定の三次元空間とは、治療室において予め設定された部屋座標系の空間のことである。そこで、医用画像処理装置100では、位置合わせ処理によって、第1透視画像の近似画像を計算し、さらに、第1透視画像と第2透視画像との位置および姿勢のずれ量を計算して、第1透視画像に写された患者Pの体位と第2透視画像に写された患者Pの体位との位置を合わせるための寝台12の移動量を決定する。つまり、医用画像処理装置100は、位置合わせ処理によって、第1透視画像を撮影したときの患者Pの体位を再現するための寝台12の移動量を決定する。このとき、医用画像処理装置100は、第1透視画像と第2透視画像とのうち、画素数が少ない方のいずれか一方の透視画像を基準として位置合わせ処理を行いようにしてもよい。この場合、位置合わせ処理に要する時間を短縮することができる。
ここで、医用画像処理装置100における位置合わせ処理の一例について説明する。
まず、医用画像処理装置100において位置合わせ処理を行う前に行われる治療計画について説明する。治療計画では、患者Pに照射する治療ビームB(放射線)のエネルギー、照射方向、照射範囲の形状、複数回に分けて治療ビームBを照射する場合における線量の配分などを定める。より具体的には、まず、治療計画の立案者(医師など)が、治療計画段階において撮影した第1透視画像(例えば、CT撮影装置14により撮影したCT画像)に対して、腫瘍(病巣)の領域と正常な組織の領域との境界、腫瘍とその周辺にある重要な臓器との境界などを指定する。そして、治療計画では、治療計画の立案者(医師など)が指定した腫瘍に関する情報から算出した、患者Pの体表面からの腫瘍の位置までの深さや、腫瘍の大きさに基づいて、治療ビームBを照射する方向(治療ビームBが通過する経路)や強度などを決定する。
腫瘍の領域と正常な組織の領域との境界の指定は、腫瘍の位置および体積を指定することに相当する。この腫瘍の体積は、肉眼的腫瘍体積(Gross Tumor Volume:GTV)、臨床的標的体積(Clinical Target Volume:CTV)、内的標的体積(Internal Target Volume:ITV)、計画標的体積(Planning Target Volume:PTV)などと呼ばれている。GTVは、画像から肉眼で確認することができる腫瘍の体積であり、放射線治療においては、十分な線量の治療ビームBを照射する必要がある体積である。CTVは、GTVと治療すべき潜在性の腫瘍とを含む体積である。ITVは、予測される生理的な患者Pの動きなどによってCTVが移動することを考慮し、CTVに予め定めた余裕(マージン)を付加した体積である。PTVは、治療を行う際に行う患者Pの位置合わせにおける誤差を考慮して、ITVにマージンを付加した体積である。これらの体積には、下式(1)の関係が成り立っている。
一方で、放射線の感受性が高く、照射された放射線の線量の影響が強く表れる腫瘍の周辺に位置する重要な臓器の体積は、危険臓器(Organ At Risk:OAR)と呼ばれている。このOARに予め定めた余裕(マージン)を付加した体積として計画危険臓器体積(Planning Organ At Risk Volume:PRV)が指定される。PRVは、放射線によって破壊したくないOARを避けて放射線を照射させる体積(領域)をマージンとして付加して指定される。これらの体積には、下式(2)の関係がある。
治療計画段階においては、実際の治療において生じる可能性がある誤差を考慮したマージンに基づいて、患者Pに照射する治療ビームB(放射線)の方向(経路)や強さを決定する。
その後、放射線治療の治療段階において、医用画像処理装置100が位置合わせ処理を行う際、まず、第1画像取得部110は、第1透視画像とその第1透視画像の位置および姿勢を表すパラメータとを取得する。第2画像取得部120は、治療を開始する直前の患者Pの第2透視画像とその第2透視画像の位置および姿勢を表すパラメータとを取得する。医用画像処理装置100は、治療室内における方向に関する情報(以下、「方向情報」という)して位置合わせ処理を行う。方向情報は、予め設定された部屋座標系で表された情報である。方向情報には、例えば、治療ビームBの照射方向を表す情報と、寝台12の移動方向を表す情報とが含まれる。
治療ビームBの照射方向を表す情報は、治療室内において治療ビーム照射門16が患者Pに治療ビームBを照射する方向を表す情報である。治療装置10は、図1に示したように、治療ビーム照射門16が固定されている構成である場合もあるが、上述したように、例えば、垂直方向と水平方向とから治療ビームBを照射することができる構成や、治療ビーム照射門16が撮像装置と同じ回転軸で同時に回転して様々な方向から治療ビームBを照射することができる構成である場合も考えられる。さらに、治療ビームBは、放射線のビームを走査(ラスタスキャン)したり、所定の大きさの平面状の範囲内に照射したりすることによって、患者Pの体内に存在する腫瘍の領域(範囲)に照射される場合もある。つまり、治療ビームBの照射方向は、患者Pの体内の腫瘍に実際に照射されるときの経路が複数存在する場合もある。これらの場合、医用画像処理装置100は、治療室内において治療ビームBを照射することができる全ての照射方向(複数の経路を含む)を、治療ビームBの照射方向を表す情報として取得する。
寝台12の移動方向を表す情報は、治療室に設置された寝台12によって治療ビームBを照射する際に固定された患者Pを移動させることができる方向を表す情報である。寝台12の移動方向を表す情報には、寝台12によって患者Pの体位を変えることができる角度を表す情報も含む。例えば、寝台12は、上述したように、並進機構および回転機構により六自由度で位置および姿勢を移動させることができる。このため、寝台12の移動方向を表す情報は、寝台12における六自由度の方向の情報であってもよい。寝台12の移動方向を表す情報は、並進機構および回転機構に設定することができる設定値の範囲を表す情報であってもよい。前述したように、寝台12が六自由度よりも少ない自由度(例えば、四自由度など)で移動する場合、医用画像処理装置100は、寝台12が移動する自由度に応じた情報を取得する。寝台12の移動は、治療室において予め設定された部屋座標系とは異なる独自の座標系に従っている場合も考えられる。この場合、医用画像処理装置100は、寝台12が従っている独自の座標系での移動方向の情報を、寝台12の移動方向を表す情報として取得してもよい。
医用画像処理装置100は、取得した治療ビームBの照射方向を表す情報と、寝台12の移動方向を表す情報とのそれぞれの情報を用いて、位置合わせ処理を行う。医用画像処理装置100は、位置合わせ処理の結果に応じた移動制御信号を、治療装置10に出力する。これにより、治療装置10は、医用画像処理装置100により出力された移動制御信号に応じて、現在の患者Pの体位が治療計画段階における患者Pの体位に近くなるように寝台12を移動させる。
治療誤差取得部130は、治療計画段階では現れなかった放射線治療における誤差(以下、「治療誤差」という)を取得する。治療誤差取得部130は、取得した治療誤差を、差分計算部140に出力する。治療誤差は、放射線治療を実施する際に生じることが考えられる誤差である。
治療誤差は、例えば、寝台12の位置および姿勢を移動制御信号に応じて移動させた際に生じることが想定(推定)される、寝台12の移動誤差である。移動誤差は、例えば、寝台12に設けられた並進機構および回転機構が寝台12を移動させる際に生じる可能性がある機械制御の微少な誤差である。例えば、寝台12が腕(アーム)の先端部に取り付けられたロボットアーム型の寝台装置である場合、移動制御信号によってロボットアームの関節の角度や付け根の位置を移動させることで、治療室内の部屋座標系で任意の座標の位置に寝台12を移動させることができるが、この場合もロボットアームの制御は機械制御でるため、同様に機械制御の微少な誤差が生じてしまう可能性がある。このような寝台12の移動誤差は、例えば、治療室内に固定された高精度な計測が可能な距離センサを利用して寝台12の座標を計測することによって、移動制御信号によって指示された座標との差を求め、この差を寝台12の移動誤差として計測することができる。ただし、放射線治療を行う都度、距離センサによる高精度な計測を行うことが時間的な制約によって難しい場合、例えば、治療システム1の定期点検を行うときなどに計測した移動誤差の分布に基づいて、今回の放射線治療を行うときの移動誤差を定めてもよい。この移動誤差の分布は、例えば、寝台12の並進方向の三軸と、回転方向の三軸とのそれぞれ、つまり、六軸に対して別々に用意しておいてもよい。
治療誤差は、例えば、治療計画段階で計画した治療ビームBの照射と、治療段階の治療ビームBの照射とにおいて想定(推定)される、ずれである。治療ビームBを照射する際に生じるずれとは、例えば、患者Pに照射する治療ビームBの方向を含む照射位置(つまり、照射する治療ビームBの傾きや距離などを含む経路)や、強さのずれ(誤差)である。このような治療ビームBを照射する際に生じるずれの要因としては、例えば、気温や、気圧、季節などの気象条件、時間帯など経時的な変動など、治療ビームBの照射系に影響を与える種々の要因が考えられる。この治療ビームBの照射位置のずれ(誤差)の計測も、放射線治療を行う都度行うことが難しい場合には、例えば、治療システム1のユーザー(医師など)の経験値に基づいて誤差の大きさを定めておいてもよい。
治療誤差は、例えば、治療計画段階と治療段階とで異なってしまうことが想定(推定)される、患者Pを寝台12に固定する際に用いる固定具の設置誤差である。設置誤差は、例えば、患者Pの体重の増減に応じて体形が変化するなどの要因によって、患者Pと固定具との間の隙間が治療計画段階と治療段階とで異なってしまうことによって生じる可能性がある誤差である。設置誤差は、例えば、患者Pの体重や、胸囲、腹囲など、患者Pの体表面の値に応じて、予め誤差の大きさを定めておいてもよい。
治療誤差は、例えば、患者Pの体内の経時変化によって生じてしまうことが想定(推定)される、患者Pの体内の状態に関する誤差である。患者Pの体内の状態に関する誤差の要因としては、例えば、腸内ガスの位置や、脈動、呼吸、むくみ、血流量など、生理的な活動に起因するものが考えられる。この患者Pの体内の状態に関する誤差については、例えば、放射線治療中の患者Pに対して計測したこれらの数値に基づいて誤差の大きさを定めておいてもよい。
このような治療誤差は、例えば、ユーザー(医師など)が想定(推定)し、医用画像処理装置100が備えるユーザーインターフェース部(不図示)などの入力装置を操作することによって入力してもよい。ユーザーインターフェース部(入力装置)は、例えば、キーボードなどの入力デバイス、マウスやペン型のスタイラスなどのポインティングデバイス、ボタンやスイッチ類などの操作デバイスである。ユーザーインターフェース部は、入力装置として押圧センサを備え、表示装置Dと組み合わせたタッチパネルとして構成されてもよい。この場合、ユーザーは、表示装置Dに表示している画像の上で各種のタッチ(タップやフリックなど)操作をすることによって、治療誤差を入力する。ユーザーは、例えば、放射線治療を行う患者Pの部位や、治療ビームBを照射する箇所の近隣に治療ビームBを照射してはならない箇所が存在するか否か、治療ビームBを照射する深さなど、種々の条件を考慮した上で、許容範囲の治療誤差の情報を入力する。治療誤差取得部130は、ユーザーによって入力された治療誤差を取得し、取得した治療誤差を差分計算部140に出力する。
差分計算部140は、第1画像取得部110により出力された第1透視画像およびパラメータと、第2画像取得部120により出力された第2透視画像およびパラメータと、治療誤差取得部130により出力された治療誤差とに基づいて、第2透視画像のパラメータ(第2透視画像を撮影したときの位置および姿勢)を、放射線治療における治療誤差に応じて仮想的に変更しながら、第1透視画像と第2透視画像との差分画像を計算(生成)する。つまり、差分計算部140は、治療計画段階では現れなかった放射線治療における治療誤差を考慮して、仮想的に患者Pの体位をずらした差分画像を計算する。より具体的には、差分計算部140は、治療誤差に基づいて、位置合わせ処理が行われた後の第2透視画像に写された患者Pの体位に仮想的な摂動を与えて、つまり、患者Pの体位を仮想的にずらして、第1透視画像と、患者Pの体位に仮想的な摂動を与えた第2透視画像(以下、摂動を与える前の第2透視画像と区別するため、摂動を与えた第2透視画像を「第2P透視画像」という)との差分をとって差分画像を計算する。差分計算部140が計算する差分画像の大きさ(画素数)は、第1透視画像や位置合わせ処理後の第2透視画像の大きさ(画素数)と同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、差分計算部140は、後述する差分統計量計算部150が差分統計量を計算する範囲に対応する大きさ(画素数)の差分画像を計算してもよい。
差分計算部140は、治療誤差に基づいて、位置合わせ処理が行われた後の第2透視画像に写された患者Pの体位に与える仮想的な摂動を順次異なる摂動に変更しながら、つまり、患者Pの体位を異なるずれ量で順次ずらしながら、都度、第1透視画像との差分をとった差分画像を計算してもよい。つまり、差分計算部140は、位置合わせ処理後の第2透視画像に写された患者Pの体位に複数の摂動を与え、摂動を与えた回数と同じ数の差分画像を計算してもよい。差分計算部140が差分画像を計算する回数、つまり、患者Pの体位に対して仮想的な摂動を与える回数は、例えば、差分計算部140あるいは医用画像処理装置100の処理能力に応じた所定の回数であってもよいし、ユーザーによって指定された(例えば、ユーザーがユーザーインターフェース部(不図示)を操作することによって指定した)回数であってもよい。
差分計算部140における差分画像の計算は、例えば、第1透視画像と位置合わせ処理後に仮想的な摂動を与えた第2P透視画像とにおける同じ位置の画素(ボクセル)同士で画素値(CT値)の差を求めることによって行う。ところで、例えば、第1透視画像が三次元のCT画像であり、第2透視画像が二次元のX線撮影画像である場合のように、差分画像を計算する二つの透視画像の次元が異なることも考えられる。この場合、差分計算部140は、三次元のCT画像をDRR画像に変換することによって、第1透視画像と位置合わせ処理後の第2透視画像との次元を合わせてから仮想的な摂動を与えて、差分画像を計算する。この場合の差分計算部140における差分画像の計算は、例えば、第1透視画像と第2P透視画像とにおける同じ位置の画素(ピクセル)同士で画素値の差を求めることによって行う。差分計算部140は、第1透視画像と位置合わせ処理後の第2透視画像とのそれぞれの透視画像に対して、例えば、ノイズを抑えるための平滑化処理や、エッジ強調処理などの変換処理、画素値の勾配の方向に変換する処理などの種々の画像処理を施した後に仮想的な摂動を与えて、それぞれの透視画像の画素値の差を求めることによって差分画像を計算してもよい。
差分画像は、治療計画段階で定めた治療ビームBの線量を、患者Pの体内に存在する腫瘍や組織に照射することに注目して計算した(生成した)画像である。例えば、第2透視画像がCT画像である場合、差分計算部140は、治療計画段階と同様にして照射する治療ビームBの線量を計算し、第2P透視画像と第1透視画像との線量の差を画素ごとに計算することによって、差分画像を生成する。差分計算部140は、治療ビームBの線量の代わりに、第1透視画像と第2P透視画像とのそれぞれを、腫瘍における治療ビームBのエネルギー減衰量に変換して、その差を計算することによって、差分画像を生成してもよい。治療ビームBのエネルギー減衰量は、例えば、照射した治療ビームBが通過する経路上に位置する画素(ボクセル)の画素値(CT値)を積分することによって求めることができる。治療ビームBのエネルギー減衰量は、例えば、水等価厚に変換してもよい。水等価厚は、組織(物質)ごとに異なる治療ビームBのエネルギー減衰量を、同じ物質である水の厚みとして表した値であり、CT値に基づいて換算することができる。例えば、CT値が骨を表す値である場合には、治療ビームBが骨を通過する際のエネルギー減衰量は多いため、水等価厚は大きな値となる。例えば、CT値が脂肪を表す値である場合には、治療ビームBが脂肪を通過する際のエネルギー減衰量は少ないため、水等価厚は小さな値となる。例えば、CT値が空気を表す値である場合には、治療ビームBが空気を通過する際のエネルギー減衰量はないため、水等価厚は“0”となる。CT画像に含まれるそれぞれのCT値を水等価厚に変換することによって、治療ビームBの経路上に位置するそれぞれの画素によるエネルギー減衰量を、同じ基準で表すことができる。CT値を水等価厚に変換する変換式としては、例えば、実験的に求めた非線形の換算データに基づいた回帰式を用いてもよい。実験的に求めた非線形の換算データに関しては、種々の文献が発表されている。
差分計算部140は、計算した差分画像、あるいは差分画像が表す第1透視画像と第2P透視画像との差分(ずれ量)を表す情報(以下、これらを含めて「差分画像」という)を、差分統計量計算部150に出力する。
差分統計量計算部150は、差分計算部140により出力された差分画像が表す第1透視画像と第2P透視画像との差分(ずれ量)の統計量(以下、「差分統計量」という)を計算する。差分統計量とは、例えば、差分画像の画素値の絶対値の平均や、標準偏差、中間値、最大値などの数値(データ)である。差分統計量とは、例えば、差分画像の画素値の分布、またはヒストグラムなどのグラフを生成するための値(データ)のことでもある。差分統計量は、例えば、誤差の累積分布、または累積ヒストグラムなどのグラフを生成するやめの値(データ)であってもよい。差分統計量は、「統計量」の一例である。
差分統計量計算部150が差分統計量を計算する範囲は、例えば、差分画像の全体の領域である。差分統計量計算部150が差分統計量を計算する範囲は、例えば、差分画像に含まれる患者Pの腫瘍やその他臓器、治療計画段階で定められたPTVなどの指定領域などの領域に絞った範囲であってもよい。差分統計量計算部150が差分統計量を計算する範囲は、例えば、PTV内においても、特にその境界部分だけに領域を絞ってもよい。差分統計量計算部150が差分統計量を計算する範囲を絞る場合、差分計算部140も、差分画像を計算する範囲を、差分統計量計算部150が差分統計量を計算する範囲に対応する範囲にしてもよい。この場合、差分計算部140が差分画像を計算するために要する計算量を削減することができる。差分統計量計算部150が差分統計量を計算する範囲は、例えば、治療ビームBの照射方向や照射範囲に応じて変えてもよい。例えば、差分統計量計算部150は、治療ビーム照射門16から患者Pの体内の腫瘍までの距離に応じて、腫瘍の手前側(治療ビーム照射門16に近い側)の領域と、腫瘍の奥側(治療ビーム照射門16から遠い側)の領域とに絞って、差分統計量を計算するようにしてもよい。言い換えれば、差分統計量計算部150は、治療ビームBの照射方向と、治療ビームBを照射する治療ビーム照射門16と腫瘍との空間的な位置関係に基づいて、差分統計量を計算するようにしてもよい。これにより、差分統計量計算部150は、腫瘍の奥側に治療ビームBが照射されずに腫瘍が残ってしまったり、腫瘍の奥側の正常な組織の領域に治療ビームBが照射されてしまったりすることがないように、治療計画段階において、腫瘍の手前側では緩く、腫瘍の奥側では厳しく設定される、治療ビームBの線量の誤差の条件を反映した差分統計量を計算することができる。差分統計量計算部150が差分統計量を計算する範囲は、例えば、治療システム1において放射線治療の際に行われる画像処理によるセグメンテーションによって分割された領域ごとしてもよい。例えば、差分統計量計算部150は、解剖学的な組織ごとにセグメンテーションした領域に分割して、差分統計量を計算してもよい。差分統計量計算部150が計算する差分統計量は、上記を組み合わせたベクトル値としてもよい。
差分統計量計算部150は、計算した差分統計量を表すデータ(以下、単に「差分統計量」という)を出力する。差分統計量計算部150が出力した差分統計量は、医用画像処理装置100によって、例えば、ユーザーに提示され、医用画像処理装置100による位置合わせ処理が正しく行われているか否かを判断する際に参照される。このときの医用画像処理装置100における差分統計量のユーザーへの提示方法は、差分統計量を表す画像および/または数値を、例えば、表示装置Dに表示させる方法であってもよいし、医用画像処理装置100が備える液晶ディスプレイ(不図示)などに表示させる方法であってもよい。
以下、医用画像処理装置100において、差分統計量を出力する処理(以下、「差分統計量計算処理」という)の流れについて説明する。図3は、医用画像処理装置100において差分統計量を出力する処理の流れを示すフローチャートである。医用画像処理装置100が差分統計量計算処理を行う前、つまり、放射線治療を行う前(例えば1週間程度前)には、撮影した第1透視画像に基づいて治療計画が立てられる。さらに、医用画像処理装置100が差分統計量計算処理を行う直前、つまり、放射線治療を開始する直前には、第2透視画像が撮影される。放射線治療においては、同じ患者Pを治療するために、治療ビームBの照射を複数回(同日でない場合も含む)に渡って行うことがある。このため、同じ患者Pに対する放射線治療が2回目以降である場合には、前回の治療の際に患者Pの位置を合わせた第2透視画像を第1透視画像として利用して、さらに別の治療計画が立てられてもよい。そして、医用画像処理装置100が差分統計量計算処理を行う際には、位置合わせ処理が行われる。
医用画像処理装置100は、主に、ユーザーが、治療システム1において放射線治療を行う際に患者Pの位置を合わせる位置合わせ処理が正しく行われているか否かを判断する際に参照される差分統計量の計算を行うことに着目したものであるため、第1透視画像と第2透視画像とのそれぞれの画像(ここでは、CT画像)を撮影する際の処理や、位置合わせ処理に関するさらに詳細な説明については省略する。以下の説明においては、第1透視画像に基づいた治療計画が完了し、治療システム1において第2透視画像の撮影が行われ、少なくとも一回は位置合わせ処理がすでに完了しているものとする。従って、以下の説明においては、第2透視画像は、位置合わせ処理後の第2透視画像であるものとする。
まず、医用画像処理装置100が差分統計量計算処理を開始すると、第1画像取得部110が第1透視画像とその第1透視画像の位置および姿勢を表すパラメータとを取得し、第2画像取得部120が第2透視画像とその第2透視画像の位置および姿勢を表すパラメータとを取得し、治療誤差取得部130が、治療誤差を取得する(ステップS100)。第1画像取得部110は、取得した第1透視画像とその第1透視画像のパラメータとを差分計算部140に出力する。第2画像取得部120は、取得した第2透視画像とその第2透視画像のパラメータとを差分計算部140に出力する。治療誤差取得部130は、取得した治療誤差を差分計算部140に出力する。
次に、差分計算部140は、位置合わせ処理後の第2透視画像の位置および姿勢を表すパラメータを、治療誤差取得部130により治療誤差に基づいて変更する(ステップS101)。つまり、差分計算部140は、位置合わせ処理後の第2透視画像に写された患者Pの体位に仮想的な摂動を与える。
次に、差分計算部140は、第1透視画像と、患者Pの体位に仮想的な摂動を与えた第2透視画像(第2P透視画像)との差分をとった差分画像を計算する(ステップS102)。差分計算部140は、計算した差分画像を、差分統計量計算部150に出力する。
次に、差分統計量計算部150は、差分計算部140により出力された差分画像から得られる差分統計量を計算する(ステップS103)。差分統計量計算部150は、計算した差分統計量を出力する。そして、医用画像処理装置100は、差分統計量計算部150が出力した差分統計量を、ユーザーに提示する。
このような処理によって、医用画像処理装置100の差分統計量計算処理では、差分計算部140が、治療誤差に基づいて位置合わせ処理後の第2透視画像の位置および姿勢を表すパラメータを変更して(仮想的な摂動を与えて)差分画像を計算し、差分統計量計算部150が、差分画像に基づいて差分統計量を計算する。医用画像処理装置100では、上述した差分統計量計算処理を繰り返して(仮想的に摂動を与えた回数と同じ回数分繰り返して)、複数の差分画像を計算し、それぞれの差分画像に基づいた差分統計量を計算する。そして、医用画像処理装置100は、計算したそれぞれの差分統計量をユーザーに提示する。これにより、ユーザーは、提示された差分統計量を参照して、医用画像処理装置100による今回の位置合わせ処理が正しく行われているか否かを判断することができる。仮に、医用画像処理装置100による今回の位置合わせ処理が正しく行われていないと判断した場合、ユーザーは、医用画像処理装置100に、位置合わせ処理を再度行わせるように指示することができる。
ここで、医用画像処理装置100により提示される差分統計量は、例えば、従来の治療システムが備える医用画像処理装置においても提示する、第1透視画像と位置合わせ処理後の第2透視画像とのそれぞれを半透明にして重ね合わせることによって、放射線治療の対象部位が治療計画のときの位置に一致しているか否かを目視で確認するための画像に加えて、または代えて提示するものである。しかも、医用画像処理装置100により提示される差分統計量は、第1透視画像と位置合わせ処理後の第2透視画像とのずれ(誤差)、言い換えれば、患者Pの位置の一致度合いなどを定量的に表したデータである。このため、理想的には、従来の治療システムにおいても、位置合わせ処理後の患者Pの位置は一致しているが、ユーザーにとっては、第1透視画像と位置合わせ処理後の第2透視画像との二つの透視画像の重なり具合からでは判断が難しい、医用画像処理装置100による位置合わせ処理が正しく行われているか否かの判断を、より容易に、そして正確にすることができる。このことにより、医用画像処理装置100を備えた治療システム1では、例えば、医用画像処理装置100による位置合わせ処理が正しく行われているか否かをユーザーが目視で確認する従来の治療システムのように、確認を行うユーザーの力量などの影響によって効果に差が出ない放射線治療を実施することができる。
さらに、医用画像処理装置100により提示される差分統計量は、治療計画段階では現れなかった放射線治療における治療誤差を考慮し、仮に放射線治療中に患者Pの体位がずれた場合でも今回の放射線治療を継続することができるか否かを判断することができるものである。このため、ユーザーは、医用画像処理装置100による位置合わせ処理の結果が、例えば、放射線治療が進むにつれて経時変化することが想定(推定)される患者の状態の変化(体勢の変化など)や、寝台12の移動誤差などがあった場合でも対応できるものであるか否かの判断もすることができる。
上述したように、医用画像処理装置100では、第1画像取得部110が、治療前に撮影された患者Pの第1透視画像と、その第1透視画像を撮影したときの位置および姿勢を表すパラメータとを取得し、第2画像取得部120が、治療を開始する直前に撮影された患者Pの第2透視画像と、その第2透視画像を撮影したときの位置および姿勢を表すパラメータとを取得する。さらに、医用画像処理装置100では、治療誤差取得部130が、治療計画段階では現れなかった放射線治療における治療誤差を取得する。そして、医用画像処理装置100では、差分計算部140が、治療誤差に基づいて位置合わせ処理後の第2透視画像の位置および姿勢を表すパラメータを変更して(仮想的な摂動を与えて)、差分画像を計算する。その後、医用画像処理装置100では、差分統計量計算部150が、差分画像に基づいて差分統計量を計算する。そして、医用画像処理装置100は、計算した差分統計量をユーザーに提示する。これにより、医用画像処理装置100を備えた治療システム1では、ユーザーが、提示された差分統計量を参照して、医用画像処理装置100による今回の位置合わせ処理が正しく行われているか否かを判断することができる。
上記説明したように、医用画像処理装置100は、患者Pの体内を撮影した第1透視画像を取得する第1画像取得部110と、第1透視画像とは異なる時刻に撮影された患者Pの体内の第2透視画像を取得する第2画像取得部120と、第1透視画像と第2透視画像とに基づいて第2透視画像に写された患者Pの位置を第1透視画像に写された患者Pの位置に合わせる位置合わせ処理を実施する際に発生する、あるいは放射線治療において発生する治療誤差を取得する治療誤差取得部130と、治療誤差に基づいて第2透視画像に写された患者Pの位置に仮想的な摂動を与え、摂動を与えた第2透視画像と第1透視画像との間の差分画像を計算する差分計算部140と、差分画像に基づいて、第1透視画像と摂動を与えた第2透視画像との間の差分の差分統計量を計算する差分統計量計算部150と、を備える。これによって、医用画像処理装置100は、差分統計量計算部150が計算した差分統計量をユーザーに提示することができる。
上記説明したように、差分計算部140は、第2透視画像に写された患者Pの位置に複数段階の摂動を与え、与えたそれぞれの摂動ごとの差分画像を計算し、差分統計量計算部150は、それぞれの差分画像に基づいて、摂動のそれぞれに対応する差分統計量を計算してもよい。これによって、医用画像処理装置100は、複数段階に仮想的な摂動を与えて計算したそれぞれの差分統計量をユーザーに提示することができる。
上記説明したように、治療システム1は、医用画像処理装置100と、患者Pに治療ビームBを照射する治療ビーム照射門16と、第1透視画像および第2透視画像を撮影するCT撮影装置14と、患者Pを乗せて固定する寝台12と、を具備した治療装置10と、を備える。これによって、治療システム1では、医用画像処理装置100によって提示された差分統計量を参照してユーザーが判断した患者Pの位置で、ユーザーによる放射線治療を行うことができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、差分統計量計算部150が計算した差分統計量をユーザーに提示する構成について説明した。つまり、医用画像処理装置100による位置合わせ処理が正しく行われているか否かの判断をユーザーが行う構成について説明した。第2の実施形態では、ユーザーによる判断の支援として、位置合わせ処理後の患者Pの位置を調整する必要があるか否かを自動で判定することができる構成および方法について説明する。
第2の実施形態の医用画像処理装置を備えた治療システムの構成は、図1に示した第1の実施形態の医用画像処理装置100を備えた治療システム1の構成において、医用画像処理装置100が第2の実施形態の医用画像処理装置200に代わった構成である。以下の説明においては、医用画像処理装置200を備えた治療システムを、「治療システム2」という。
以下の説明においては、医用画像処理装置200を備えた治療システム2の構成要素において、医用画像処理装置100を備えた治療システム1の構成要素と同様の構成要素に同一の符号を付与して再度の詳細な説明は省略する。
医用画像処理装置200は、医用画像処理装置100と同様に、差分統計量計算処理によって差分統計量を計算し、差分統計量をユーザーに提示する。さらに、医用画像処理装置200は、計算した差分統計量に基づいて、患者Pの位置の調整をする必要があるか否かを判定し、判定結果をユーザーに提示する。
以下、治療システム2を構成する医用画像処理装置200の構成について説明する。図4は、第2の実施形態の医用画像処理装置200の概略構成を示すブロック図である。医用画像処理装置200は、例えば、第1画像取得部110と、第2画像取得部120と、治療誤差取得部130と、差分計算部140と、差分統計量計算部150と、判定部260と、を備える。医用画像処理装置200は、医用画像処理装置100に、判定部260が追加された構成である。
判定部260は、差分統計量計算部150により出力された差分統計量に基づいて、医用画像処理装置200における位置合わせ処理において患者Pの位置の調整をする必要があるか否かを判定する。判定部260における患者Pの位置調整の要否の判定は、例えば、差分統計量と所定の閾値との大小関係を比較することによって行う。判定部260における患者Pの位置調整の要否の判定は、例えば、複数の差分統計量の重み付き和などのモデル式の出力値と、所定の閾値との大小関係を比較することによって行ってもよい。判定部260における患者Pの位置調整の要否の判定は、例えば、差分画像の画素値の分布に対して、所定の差分値以上の画素値の割合を計算し、この計算値と所定の閾値との大小関係を比較することによって行ってもよい。所定の閾値は、例えば、ユーザーがユーザーインターフェース部(不図示)を操作して、医用画像処理装置200、あるいは判定部260に入力する。
判定部260は、患者Pの位置調整の要否を判定した結果(判定結果)を出力する。判定部260が出力した判定結果は、医用画像処理装置200によって、例えば、ユーザーに提示され、ユーザーが位置合わせ処理を再度行うかを判断する際に参照される。このときの医用画像処理装置200における判定結果のユーザーへの提示方法は、判定結果を表す画像を、例えば、表示装置Dに表示させる方法であってもよいし、医用画像処理装置200が備える液晶ディスプレイ(不図示)などに表示させる方法であってもよいし、医用画像処理装置200が備えるLEDやランプの点灯/消灯や色の変化などによって判定結果を表す方法であってもよい。
以下、医用画像処理装置200において、患者Pの位置調整の要否を判定する処理(以下、「調整判定処理」という)の流れについて説明する。図5は、医用画像処理装置200において患者Pの位置の調整要否を判定する処理の流れを示すフローチャートである。医用画像処理装置200における調整判定処理において、差分統計量計算部150が差分統計量を計算するまでの処理は、医用画像処理装置100における差分統計量計算処理と同様であるため、再度の詳細な説明は省略する。
ステップS103において差分統計量計算部150が差分統計量を計算すると、差分統計量計算部150は、計算した差分統計量を判定部260に出力する。判定部260は、差分統計量計算部150により出力された差分統計量に基づいて、患者Pの位置調整が必要であるか否かを判定する(ステップS204)。衝撃判定部206は、判定した判定結果を出力する。そして、医用画像処理装置200は、判定部260が出力した判定結果をユーザーに提示する。
このような構成、動作、および処理によって、医用画像処理装置200は、調整判定処理において、医用画像処理装置100と同様に差分統計量計算部150が計算した差分統計量に基づいて、患者Pの位置の調整をする必要があるか否かを判定する。そして、医用画像処理装置200は、計算した差分統計量と、患者Pの位置調整の要否を判定した判定結果とを、ユーザーに提示する。これにより、ユーザーは、医用画像処理装置200においても、医用画像処理装置100と同様に、患者Pの位置の一致度合いなどを定量的に判断することができるとともに、位置合わせ処理後の患者Pの位置を調整する必要があるか否かの判断の支援を受けることができる。仮に、医用画像処理装置200による今回の位置合わせ処理が正しく行われていないと判断した場合や、患者Pの位置を調整する必要があると判断した場合、ユーザーは、医用画像処理装置200に、位置合わせ処理を再度行わせたり、患者Pの位置を調整させたりするように指示することができる。このことにより、医用画像処理装置200を備えた治療システム2でも、医用画像処理装置100を備えた治療システム1と同様に、より有効な放射線治療を実施することができる。
上述したように、医用画像処理装置200でも、医用画像処理装置100と同様に、第1画像取得部110が、治療前に撮影された患者Pの第1透視画像と、その第1透視画像を撮影したときの位置および姿勢を表すパラメータとを取得し、第2画像取得部120が、治療を開始する直前に撮影された患者Pの第2透視画像と、その第2透視画像を撮影したときの位置および姿勢を表すパラメータとを取得する。さらに、医用画像処理装置200でも、医用画像処理装置100と同様に、治療誤差取得部130が、治療計画段階では現れなかった放射線治療における治療誤差を取得する。そして、医用画像処理装置200でも、医用画像処理装置100と同様に、差分計算部140が、治療誤差に基づいて位置合わせ処理後の第2透視画像の位置および姿勢を表すパラメータを変更して(仮想的な摂動を与えて)差分画像を計算する。その後、医用画像処理装置200でも、医用画像処理装置100と同様に、差分統計量計算部150が、差分画像に基づいて差分統計量を計算する。そして、医用画像処理装置200でも、医用画像処理装置100と同様に、計算した差分統計量を、ユーザーに提示する。さらに、医用画像処理装置200では、判定部260が、差分統計量計算部150が計算した差分統計量に基づいて、患者Pの位置の調整をする必要があるか否かを判定する。これにより、医用画像処理装置200を備えた治療システム2でも、医用画像処理装置100を備えた治療システム1と同様に、ユーザーが、提示された差分統計量を参照して、医用画像処理装置200による今回の位置合わせ処理が正しく行われているか否かを判定することができる。さらに、医用画像処理装置200を備えた治療システム2では、ユーザーが、判定部260による判定結果を参照して、患者Pの位置の調整をするか否かを判断することができる。
しかも、医用画像処理装置200では、判定部260が、患者Pの位置の調整をする必要があるか否かを定量的に自動で判定するため、ユーザーが判断して指示するよりも早く、患者Pの位置の調整を自動で開始する治療システムを実現することもできるようになる。言い換えれば、自動で位置合わせ処理を行って、放射線治療に好適な位置に患者Pを位置合わせする治療システムを実現することもできるようになる。
上記説明したように、医用画像処理装置200は、第1の実施形態の医用画像処理装置100に対して、差分統計量に基づいて位置合わせ処理の結果を判定する判定部260、をさらに備える。これによって、医用画像処理装置200は、判定部260が患者Pの位置の調整をする必要があるか否かを判定した判定結果をユーザーに提示することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について説明する。第1の実施形態および第2の実施形態では、少なくとも一回は位置合わせ処理がすでに完了しているものとして、医用画像処理装置100または医用画像処理装置200の構成、動作、および処理について説明した。第3の実施形態では、位置合わせ処理を行う構成も含めた医用画像処理装置について説明する。
第3の実施形態の医用画像処理装置を備えた治療システムの構成は、図1に示した第1の実施形態の医用画像処理装置100を備えた治療システム1の構成において、医用画像処理装置100が第3の実施形態の医用画像処理装置300に代わった構成である。以下の説明においては、医用画像処理装置300を備えた治療システムを、「治療システム3」という。
以下の説明においては、医用画像処理装置300を備えた治療システム3の構成要素において、医用画像処理装置100を備えた治療システム1、あるいは第2の実施形態の医用画像処理装置200を備えた治療システム2の構成要素と同様の構成要素に同一の符号を付与して再度の詳細な説明は省略する。
医用画像処理装置300は、医用画像処理装置100や医用画像処理装置200と同様に、CT撮影装置14により出力されたCT画像に基づいて、放射線治療を行う際に患者Pの位置を合わせるための位置合わせ処理を行い、治療ビーム照射門16から照射する治療ビームBの照射方向を治療計画段階において設定した方向に合わせるために寝台12を移動させる移動制御信号を出力する。そして、医用画像処理装置300は、医用画像処理装置100や医用画像処理装置200と同様に、差分統計量計算処理によって差分統計量を計算し、差分統計量をユーザーに提示する。さらに、医用画像処理装置300は、医用画像処理装置200と同様に、計算した差分統計量に基づいて、患者Pの位置の調整をする必要があるか否かを判定し、判定結果をユーザーに提示する。
以下、治療システム3を構成する医用画像処理装置300の構成について説明する。図6は、第3の実施形態の医用画像処理装置300の概略構成を示すブロック図である。医用画像処理装置300は、第1画像取得部110と、第2画像取得部120と、治療誤差取得部130と、差分計算部140と、差分統計量計算部150と、判定部260と、位置誤差計算部370と、寝台制御部380と、提示データ処理部390と、を備える。医用画像処理装置300は、医用画像処理装置200に、位置誤差計算部370、寝台制御部380、および提示データ処理部390が追加された構成である。これに伴って、医用画像処理装置200が備える差分計算部140が、差分計算部140aに代わっている。
位置誤差計算部370は、第1画像取得部110により出力された第1透視画像およびパラメータと、第2画像取得部120により出力された第2透視画像およびパラメータとに基づいて、位置合わせ処理を行う。より具体的には、位置誤差計算部370は、第1透視画像とその第1透視画像の位置および姿勢を表すパラメータを取得し、第2透視画像とその第2透視画像の位置および姿勢を表すパラメータとを取得する。そして、位置誤差計算部370は、取得した第1透視画像が撮影されたときの患者位置に対して、第2透視画像に撮影されたときの患者位置が合うように、第2透視画像の位置および姿勢の移動量を計算する。
ここで、第1透視画像が撮影されたときの患者位置に対して第2透視画像に撮影されたときの患者位置を合わせるとは、第2透視画像の位置および姿勢を表すパラメータを様々に変えながら、第1透視画像と第2透視画像との類似度を計算し、類似度が最も高くなるパラメータを求める問題を解くことである。このため、位置誤差計算部370における位置合わせ処理では、類似度の選択と、パラメータの探索との効率化が、患者Pの位置合わせの精度と、計算時間(処理時間)に大きく影響することになる。類似度は、例えば、差分計算部140と同様に、第2透視画像のパラメータを変えながら差分画像を計算し、計算した差分画像が表す第1透視画像とパラメータを変えた第2透視画像との差分(ずれ量)を求めたスカラー値である。パラメータの探索方法としては、勾配法や、ニュートン法、Lucas-Kanade法(LK法)などの最適化方法を利用する。
位置誤差計算部370は、計算した第2透視画像の位置および姿勢の移動量を、位置合わせ処理の結果として、差分計算部140aおよび寝台制御部380に出力する。
これにより、差分計算部140aは、位置誤差計算部370により出力された処理の結果が表す移動量に基づいて第2透視画像のパラメータを移動させ、この第2透視画像を位置合わせ処理後の第2透視画像として仮想的な摂動を与えて、差分計算部140と同様に差分画像を計算する。
寝台制御部380は、位置誤差計算部370により出力された処理の結果が表す移動量と、判定部260により出力された患者Pの位置調整の要否の判定結果とに基づいて、寝台12に設けられた並進機構および回転機構を制御するための移動制御信号を生成する。寝台制御部380は、生成した移動制御信号を治療装置10に出力する。これにより、治療装置10は、寝台制御部380により出力された移動制御信号に応じて並進機構および回転機構を制御して、寝台12に固定された現在の患者Pの体位が治療計画段階における患者Pの体位に近くなるように寝台12を移動させる。これにより、医用画像処理装置300を備えた治療システム3では、治療ビーム照射門16から患者Pに照射される治療ビームBの照射方向が、治療計画段階において設定した方向に合わされ、放射線治療を行うことができる。
提示データ処理部390は、医用画像処理装置300において計算した結果や情報をユーザーに提示するための提示データを生成する。提示データは、例えば、第1画像取得部110により出力された第1透視画像およびパラメータや、第2画像取得部120により出力された第2透視画像およびパラメータ、治療誤差取得部130により出力された治療誤差、差分計算部140により出力された差分画像(差分画像が表す第1透視画像と第2P透視画像との差分(ずれ量)を表す情報を含む)、差分統計量計算部150により出力された差分統計量、判定部260により出力された判定結果である。提示データ処理部390は、これらの情報を表す画像を提示データとして生成し、この提示データを表示装置Dに表示させることによって、ユーザーに情報を提示する。
ここで、提示データ処理部390が生成して表示装置Dに表示させる提示データの一例について説明する。提示データ処理部390は、上述したように、第1透視画像、第2透視画像、治療誤差、差分画像、差分統計量、判定結果などの情報を表示装置Dに表示させる。以下、これらの情報を代表して、提示データ処理部390が、差分統計量をユーザーに提示する場合の一例について説明する。
図7は、医用画像処理装置300が備える提示データ処理部390が生成する提示データの一例を示す図である。図7には、差分統計量計算部150が計算した差分統計量をグラフで表した提示データの一例を示している。図7においては、説明のために、寝台12の移動誤差(治療誤差)を誇張した一例を示している。より具体的には、図7の(a)~(c)には、差分計算部140aが、並進機構の三軸方向のそれぞれに対して、±0.5mm、および±1.0mmの治療誤差(寝台12の移動誤差)を仮想的な摂動として与えて差分画像を計算し、差分統計量計算部150が、差分画像のそれぞれの画素における水等価厚(Water Equivalent Path Length:WEL)の誤差を計算した差分統計量を、誤差の分布を表すヒストグラムとした場合の一例を示している。図7の(d)~(f)には、図7の(a)~(c)と同じ差分統計量を、誤差の累積分布を表す累積ヒストグラムとした場合の一例を示している。図7の(a)および(d)はX軸方向(図1参照)に仮想的な摂動を与え、図7の(b)および(e)はY軸方向(図1参照)に仮想的な摂動を与え、図7の(c)および(f)はZ軸方向(図1参照)に仮想的な摂動を与えた場合の一例である。図7の(a)~(c)のそれぞれにおいて、横軸は水等価厚の差分値(絶対値)であり、縦軸は同じ差分値の画素数である。図7の(d)~(f)のそれぞれにおいて、横軸は水等価厚の差分値(絶対値)であり、縦軸は同じ差分値の画素の割合である。図7の(a)~(f)には、位置合わせ処理が完了した状態、つまり、摂動が0.0mmである場合の差分統計量も併せて表している。
例えば、図7の(d)~(f)に示した累積ヒストグラムから、位置合わせ処理が完了した状態では、水等価厚の差分値は、並進機構の三軸方向の全てで約1.0mm以内に収まっており、その約90%が約0.5mm以内であることがわかる。そして、図7の(a)~(c)に示したヒストグラムや、図7の(d)~(f)に示した累積ヒストグラムから、並進機構のいずれかの軸の方向に治療誤差が生じた場合に、水等価厚の差分値が大きくなるのかがわかる。より具体的には、並進機構のX軸方向に治療誤差が生じた場合、Y軸方向やZ軸方向に治療誤差が生じた場合よりも水等価厚の差分値が大きくなることがわかる。一方、並進機構のZ軸方向に治療誤差が生じた場合では、治療誤差による水等価厚の差分値の変化は少ないことがわかる。
図7の(a)~(f)には、並進機構の三軸方向(X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向)のそれぞれに対応するグラフの一例を示したが、治療装置10は、並進機構および回転機構によって寝台12を六自由度で移動させることができる。つまり、治療装置10は、並進機構の三軸方向に加えて、回転機構の三軸回りのそれぞれの回転角度(ヨー、ロール、およびピッチ)で移動させることができる。従って、提示データ処理部390は、回転機構の三軸回りのそれぞれの回転角度に対応するグラフを、図7の(a)~(f)と同様に生成してもよい。図7の(a)~(f)に示したそれぞれのグラフでは、位置合わせ処理が完了した状態(摂動が0.0mm)の差分統計量と、仮想的な摂動を与えた場合の差分統計量とを合わせて表している。つまり、図7の(a)~(f)に示したそれぞれのグラフでは、複数の差分統計量を同時に示している。しかし、図7の(a)~(f)に示したそれぞれのグラフは、いずれか一つの差分統計量を示すものであってもよい。
提示データ処理部390は、このような情報を表す画像(表示画像)を生成して、表示装置Dに表示させる。図8は、医用画像処理装置300が備える提示データ処理部390が表示装置Dに提示データを表示させた表示画面の一例を示す図である。図8には、提示データ処理部390が提示データの画像を表示させた表示装置Dの表示画面DS1の一例を示している。
図8に示した「coronal」、「sagittal」、「axial」は、患者Pの断面像を表している。より具体的には、「coronal」は、患者Pを前側(胸側)と後ろ側(背中側)との二つに左右方向に分ける冠状断面(前額断面)、言い換えれば、患者Pを真正面あるいは真後ろから見た断面(図1に示した部屋座標系ではX-Y断面)を表している。「sagittal」は、患者Pを左右の二つに前後方向に分ける矢状断面、言い換えれば、患者Pを真横から見た断面(図1に示した部屋座標系ではX-Z断面)を表している。「axial」は、患者Pを上側(頭側)と下側(足側)との二つに左右方向に分ける水平断面(軸位断面)、言い換えれば、患者Pを頭側から見下ろす、あるいは、患者Pを足側から見上げるように見た断面(図1に示した部屋座標系ではY-Z断面)を表している。提示データ処理部390は、表示画面DS1に配置した冠状断面画像IM-C、矢状断面画像IM-S、および水平断面画像IM-Aにおいて、「coronal」、「sagittal」、または「axial」と表示した中央の領域に、対応する断面像(対応する断面の差分画像であってもよい)を配置してもよい。
冠状断面画像IM-C、矢状断面画像IM-S、および水平断面画像IM-Aにおいて、「X+」、「X-」、「Y+」、「Y-」、「Z+」、および「Z-」として配置した累積ヒストグラムは、例えば、図7に示した差分統計量の累積ヒストグラムと同様の累積ヒストグラムである。ただし、冠状断面画像IM-C、矢状断面画像IM-S、および水平断面画像IM-Aに配置した累積ヒストグラムは、並進機構の三軸方向のそれぞれに対して与えている仮想的な摂動を、+方向と-方向とに分けているため、図7に示した累積ヒストグラムとは異なり、横軸の水等価厚の差分値は絶対値ではなく、対応する方向の値である。つまり、冠状断面画像IM-C、矢状断面画像IM-S、および水平断面画像IM-Aに配置したそれぞれの累積ヒストグラムは、差分計算部140aが、治療誤差(寝台12の移動誤差)を仮想的な摂動として、並進機構の三軸のそれぞれに対して+方向と-方向とに別々に与えて差分画像を計算し、差分統計量計算部150が、差分画像のそれぞれの画素における水等価厚の誤差を計算した差分統計量の累積ヒストグラムである。
提示データ処理部390は、図8に示したように、それぞれの断面像と、その断面像のそれぞれの方向(軸方向)に対応する累積ヒストグラムとを、ユーザーが直感的に確認しやすい位置関係で示す断面画像IMを配置した画像を生成して、表示装置Dに表示させる。これにより、ユーザーは、表示画面DS1に配置されたそれぞれの画像IMから、位置合わせ処理が完了した実際の寝台12の位置に、仮に移動誤差によるずれが生じた場合における水等価厚の誤差の変化量を定量的に確認することができる。そして、ユーザーは、確認した変化量に基づいて、放射線治療を開始するか否かを判断することができる。より具体的には、ユーザーは、冠状断面画像IM-C、矢状断面画像IM-S、および水平断面画像IM-Aに示されたそれぞれの方向における水等価厚の差分値の最大値が許容範囲内である場合には、現在の寝台12の位置で放射線治療を開始し、許容範囲外である場合には、例えば、寝台12の位置を微調整してから放射線治療を開始するなどの判断をすることができる。寝台12の位置の微調整は、例えば、ユーザーがユーザーインターフェース部(不図示)を操作することによって行う。
図9は、医用画像処理装置300が備える提示データ処理部390が表示装置Dに提示データを表示させた別の表示画面の一例を示す図である。図9には、例えば、ユーザーによるユーザーインターフェース部IFの操作に応じて表示画面DS2を切り替える場合の一例を示している。より具体的には、ユーザーによるユーザーインターフェース部IF(図9では、十字キー)の操作に応じて、表示画面DS2-1と、表示画面DS2-2とを切り替える場合の一例を示している。
表示画面DS2-1は、CT画像を水等価厚に変換し、治療ビームBの照射方向(ここでは、上方向)を考慮した線積分によって、腫瘍付近(PTV)までの水等価厚を計算したときの第1透視画像と第2透視画像の差分画像である断面画像IM-Wを配置した表示画面DS2である。提示データ処理部390は、断面画像IM-Wに、例えば、腫瘍(GTV)の輪郭線などの治療計画段階の情報を重畳させてもよい。表示画面DS2-2は、差分統計量計算部150が断面画像IM-Wに対して計算した差分統計量の一つである誤差の分布のグラフ(ここでは、図7に示したヒストグラムおよび累積ヒストグラムと同様のグラフ)を表すグラフ画像IM-Gを配置した表示画面DS2である。提示データ処理部390は、例えば、ユーザーによってユーザーインターフェース部IFの上側の操作ボタンが押下された場合、表示装置Dに表示させる表示画面DS2を表示画面DS2-1に切り替え、ユーザーインターフェース部IFの下側の操作ボタンが押下された場合、表示装置Dに表示させる表示画面DS2を表示画面DS2-2に切り替える。これにより、ユーザーは、表示画面DS2に配置されたそれぞれの画像IMから、患者Pの現在の位置合わせの状態や、この状態から仮に移動誤差によるずれが生じた場合における水等価厚の誤差の変化量を定量的に確認することができる。そして、ユーザーは、確認した状態に基づいて、放射線治療を開始するか否かを判断することができる。
図8および図9を示すことによって、提示データ処理部390がユーザーに情報を提示する際の表示画面DSの一例を示したが、ユーザーに情報を提示する表示画面DSは、図8や図9に示したような表示画面DSに限定されるものではない。つまり、提示データ処理部390は、ユーザーに提供する情報に基づいて種々の表示画面DSを生成して、表示装置Dに表示させることができる。
例えば、提示データ処理部390は、図9に示したような表示画面DS2-2を表示装置Dに表示させている状態において、ユーザーによってユーザーインターフェース部IFの右側あるいは左側の操作ボタンが押下された場合、グラフ画像IM-Gに配置するグラフを変更するようにしてもよい。より具体的には、例えば、ユーザーインターフェース部IFの右側あるいは左側の操作ボタンが押下された場合、提示データ処理部390は、現在のグラフ画像IM-Gに配置している並進機構の三軸方向(X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向)のそれぞれのグラフを、回転機構の三軸回りのそれぞれの回転角度(ヨー、ロール、およびピッチ)のグラフに変更する(全てのグラフを切り替える、あるいはグラフを一つずつ順次スクロールさせる)ようにしてもよい。
例えば、提示データ処理部390は、図9に示したような表示画面DS2-1を表示装置Dに表示させている状態において、ユーザーによってユーザーインターフェース部IFのいずれかの操作ボタンが押下されて場合、断面画像IM-W内の腫瘍の位置を拡大させるようにしてもよい。例えば、提示データ処理部390は、拡大させた断面画像IM-W上にさらにカーソル(不図示)を表示させ、ユーザーが操作ボタンによって移動させたカーソルの位置に対応する画素の画素値の平均や、標準偏差、中間値、最大値などの数値(データ)を表すポップアップ画像を現在の表示に重畳させるようにしてもよい。例えば、提示データ処理部390は、図9に示したような表示画面DS2-2を表示装置Dに表示させている状態において、カーソル(不図示)を表示させ、ユーザーが操作ボタンによって移動させたグラフ上のカーソルの位置に対応する差分画像の画素値の絶対値の平均や、標準偏差、中間値、最大値などの数値(データ)を表すポップアップ画像を現在の表示に重畳させるようにしてもよい。
例えば、提示データ処理部390は、図9に示したような表示画面DS2-2のように、三つの軸に対応するグラフを表示させる場合、表示させるグラフをユーザーが選択することができるようにしてもよいし、誤差が大きい方から三つの軸に対応するグラフを表示させるようにしてもよい。例えば、提示データ処理部390は、図9に示したような表示画面DS2-2に配置したグラフ画像IM-Gにおいて、上段のグラフ(ヒストグラム)の代わりに、回転機構の三軸回りのそれぞれの回転角度のグラフを同時に表示させるようにしてもよい。つまり、例えば、提示データ処理部390は、寝台12を移動させることができる六自由度の全ての軸に対応する累積ヒストグラムを同時に表示させるようにしてもよい。
例えば、提示データ処理部390は、図8や図9に示したグラフ(ヒストグラムや累積ヒストグラム)に加えて、または代えて、差分画像の画素値の絶対値の平均や、標準偏差、中間値、最大値などの数値(データ)を表示させるようにしてもよい。
このような構成、動作、および処理によって、医用画像処理装置300は、位置誤差計算部370が位置合わせ処理を行い、寝台制御部380が移動制御信号を生成して、治療装置10に寝台12を移動させる。さらに、医用画像処理装置300では、提示データ処理部390が、ユーザーに提示するための提示データ(例えば、図8や図9に示したような表示画面DS)を生成して表示装置Dに表示させる。これにより、ユーザーは、医用画像処理装置300においても、医用画像処理装置100や医用画像処理装置200と同様に、患者Pの位置の一致度合いなどを定量的に判断することができるとともに、位置合わせ処理後の患者Pの位置を調整する必要があるか否かの判断の支援を受けることができる。仮に、医用画像処理装置300による今回の位置合わせ処理が正しく行われていないと判断した場合や、患者Pの位置を調整する必要があると判断した場合、ユーザーは、医用画像処理装置300に、位置合わせ処理を再度行わせたり、患者Pの位置を調整させたりするように指示することができる。このことにより、医用画像処理装置300を備えた治療システム3でも、医用画像処理装置100を備えた治療システム1や医用画像処理装置200を備えた治療システム2と同様に、より有効な放射線治療を実施することができる。
上述したように、医用画像処理装置300でも、医用画像処理装置100や医用画像処理装置200と同様に、第1画像取得部110が、治療前に撮影された患者Pの第1透視画像と、その第1透視画像を撮影したときの位置および姿勢を表すパラメータとを取得し、第2画像取得部120が、治療を開始する直前に撮影された患者Pの第2透視画像と、その第2透視画像を撮影したときの位置および姿勢を表すパラメータとを取得する。さらに、医用画像処理装置300でも、医用画像処理装置100や医用画像処理装置200と同様に、治療誤差取得部130が、治療計画段階では現れなかった放射線治療における治療誤差を取得する。そして、医用画像処理装置300でも、医用画像処理装置100や医用画像処理装置200と同様に、差分計算部140が、治療誤差に基づいて位置合わせ処理後の第2透視画像の位置および姿勢を表すパラメータを変更して(仮想的な摂動を与えて)差分画像を計算する。その後、医用画像処理装置300でも、医用画像処理装置100や医用画像処理装置200と同様に、差分統計量計算部150が、差分画像に基づいて差分統計量を計算する。そして、医用画像処理装置300でも、医用画像処理装置200と同様に、判定部260が、差分統計量計算部150が計算した差分統計量に基づいて、患者Pの位置の調整をする必要があるか否かを判定する。そして、医用画像処理装置300では、寝台制御部380が、位置誤差計算部370が行った位置合わせ処理の結果に応じた移動制御信号を生成して、治療装置10に、寝台12を移動させる。そして、医用画像処理装置300では、提示データ処理部390が、医用画像処理装置100や医用画像処理装置200と同様に、計算した差分統計量などの情報をユーザーに提示するための提示データ(表示画面DS)を生成して表示装置Dに表示させる。これにより、医用画像処理装置300を備えた治療システム3でも、医用画像処理装置100を備えた治療システム1や医用画像処理装置200を備えた治療システム2と同様に、ユーザーが、表示装置Dに表示された提示データ(表示画面DS)を参照して、医用画像処理装置200による今回の位置合わせ処理が正しく行われているか否かを判定することができる。さらに、医用画像処理装置300を備えた治療システム3でも、ユーザーが、提示データとして提示された判定部260による判定結果を参照して、患者Pの位置の調整をするか否かを判断することができる。
上記説明したように、医用画像処理装置300は、第2の実施形態の医用画像処理装置200に対して、位置合わせ処理を行う位置誤差計算部370と、位置合わせ処理の結果に基づいて、放射線治療を行う治療装置10が備える寝台12の移動を制御する移動制御信号を生成して、寝台12を移動させる寝台制御部380と、をさらに備え、差分計算部140aは、位置合わせ処理の結果に基づいて第2透視画像に写された患者Pの位置に摂動を与えた差分画像を計算する。これによって、医用画像処理装置300は、位置誤差計算部370が位置合わせ処理した結果が表す移動量に基づいて、寝台制御部380が治療装置10に寝台12を移動させることができる。
上記説明したように、医用画像処理装置300は、第1透視画像、第2透視画像、および/または差分統計量に基づいたグラフあるいは数値を提示するための提示データを生成する提示データ処理部390、をさらに備える。これによって、医用画像処理装置300は、提示データ処理部390が生成した提示データをユーザーに提示することができる。
第2の実施形態では、第1の実施形態の医用画像処理装置100に対して第2の実施形態において特徴となる構成要素(判定部260)を追加し、第3の実施形態では、第2の実施形態の医用画像処理装置200に対して第3の実施形態において特徴となる構成要素(位置誤差計算部370、寝台制御部380、および提示データ処理部390)を追加した構成を説明した。しかし、それぞれの実施形態において追加した構成要素は、必ずしも追加される必要がある構成要素でなくてもよい。例えば、第3の実施形態の医用画像処理装置300は、第2の実施形態の医用画像処理装置200で追加した判定部260が省略された構成であってもよい。この場合には、医用画像処理装置が備えるそれぞれの構成要素の機能を実現する医用画像処理装置となる。
各実施形態では、医用画像処理装置と治療装置10とのそれぞれが別体の装置である構成を説明した。しかし、医用画像処理装置と治療装置10とは、別体の装置である構成に限定されるものではなく、医用画像処理装置と治療装置10とが一体になった構成であってもよい。
上記説明したように、例えば、医用画像処理装置100が実行する医用画像処理方法は、コンピュータ(プロセッサなど)が、患者Pの体内を撮影した第1透視画像を取得し、第1透視画像とは異なる時刻に撮影された患者Pの体内の第2透視画像を取得し、第1透視画像と第2透視画像とに基づいて第2透視画像に写された患者Pの位置を第1透視画像に写された患者Pの位置に合わせる位置合わせ処理を実施する際に発生する、あるいは放射線治療において発生する治療誤差を取得し、治療誤差に基づいて第2透視画像に写された患者Pの位置に仮想的な摂動を与え、摂動を与えた第2透視画像と第1透視画像との間の差分画像を計算し、差分画像に基づいて、第1透視画像と摂動を与えた第2透視画像との間の差分の差分統計量を計算する、医用画像処理方法である。
上記説明したように、例えば、医用画像処理装置100が実行するプログラムは、コンピュータ(プロセッサなど)に、患者Pの体内を撮影した第1透視画像を取得させ、第1透視画像とは異なる時刻に撮影された患者Pの体内の第2透視画像を取得させ、第1透視画像と第2透視画像とに基づいて第2透視画像に写された患者Pの位置を第1透視画像に写された患者Pの位置に合わせる位置合わせ処理を実施する際に発生する、あるいは放射線治療において発生する治療誤差を取得させ、治療誤差に基づいて第2透視画像に写された患者Pの位置に仮想的な摂動を与え、摂動を与えた第2透視画像と第1透視画像との間の差分画像を計算させ、差分画像に基づいて、第1透視画像と摂動を与えた第2透視画像との間の差分の差分統計量を計算させる、プログラムである。
上記説明したように、例えば、医用画像処理装置100が実行するプログラムを記憶した記憶媒体は、コンピュータ(プロセッサなど)に、患者Pの体内を撮影した第1透視画像を取得させ、第1透視画像とは異なる時刻に撮影された患者Pの体内の第2透視画像を取得させ、第1透視画像と第2透視画像とに基づいて第2透視画像に写された患者Pの位置を第1透視画像に写された患者Pの位置に合わせる位置合わせ処理を実施する際に発生する、あるいは放射線治療において発生する治療誤差を取得させ、治療誤差に基づいて第2透視画像に写された患者Pの位置に仮想的な摂動を与え、摂動を与えた第2透視画像と第1透視画像との間の差分画像を計算させ、差分画像に基づいて、第1透視画像と摂動を与えた第2透視画像との間の差分の差分統計量を計算させる、プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体である。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、患者(P)の体内を撮影した第1透視画像を取得する第1画像取得部(110)と、第1透視画像とは異なる時刻に撮影された患者(P)の体内の第2透視画像を取得する第2画像取得部(120)と、第1透視画像と第2透視画像とに基づいて第2透視画像に写された患者(P)の位置を第1透視画像に写された患者(P)の位置に合わせる位置合わせ処理を実施する際に発生する、あるいは治療(放射線治療)において発生する治療誤差を取得する治療誤差取得部(130)と、治療誤差に基づいて第2透視画像に写された患者(P)の位置に仮想的な摂動を与え、摂動を与えた第2透視画像(第2P透視画像)と第1透視画像との間の差分画像を計算する差分計算部(140)と、差分画像に基づいて、第1透視画像と摂動を与えた第2透視画像(第2P透視画像)との間の差分の統計量(差分統計量)を計算する差分統計量計算部(150)と、を持つことにより、医師などの放射線治療の実施者(ユーザー)が、治療計画のときと治療段階とにおいて撮影されたCT画像(第1透視画像および第2透視画像)同士の画像照合による患者(P)の位置合わせ結果を定量的に確認することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。