JP7852425B2 - 梁の設計方法 - Google Patents
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Description
本発明は、梁の設計方法に関する。
梁と柱との接合部(以下、梁端仕口部ともいう)は、地震などの外力により大きな応力が発生して破断するおそれがあるため、梁のフランジの梁端部の幅を拡幅して梁端仕口部の応力を低減させるようにしたものが知られている。通常は、左右同幅の拡幅部を設けた梁(以下、同幅ハンチ梁ともいう)を、柱との軸心を揃えて接合している。
また、構造計画上の理由により、梁を柱に対して偏心させて接合する場合がある。この場合、同幅ハンチ梁を適用すると、梁の両側に拡幅部を設けているため、梁を偏心させても、例えば、梁と外壁との間に多くのスペースが必要になり、意匠上好ましくない。そこで、拡幅部を片側のみに設けた梁(以下、片側ハンチ梁ともいう)が提案されている(例えば特許文献1参照)。
片側ハンチ梁は、捩じれやすいため、梁の寸法によっては、降伏耐力が顕著に低下する。同幅ハンチ梁と同じ降伏耐力を確保するためには、同幅ハンチ梁よりもフランジの断面を大きくする必要があり、多くの鉄骨を必要とする。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、意匠性の向上及び耐力の低下の抑制を図ることにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、柱に接合されるフランジを有する梁の設計方法であって、前記フランジは、前記柱との接合部から前記梁の長手方向に沿った所定範囲に、前記長手方向と交差する幅方向の一方側のフランジ幅を拡幅した第1拡幅部と、前記幅方向の他方側のフランジ幅を拡幅した第2拡幅部と、を有しており、せん断スパンと梁せいとの比であるせん断スパン比が或る値の場合に、前記第1拡幅部の幅と前記第2拡幅部の幅との加算値に対する前記第1拡幅部の幅の割合と、前記梁の降伏耐力との関係を解析により求め、前記梁の降伏耐力の解析値が、前記所定範囲の前記接合部とは反対側の端部を危険断面とした降伏耐力の設計値を上回る前記割合を求める、ことを特徴とする梁の設計方である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、意匠性の向上及び耐力の低下の抑制を図ることができる。
本明細書及び添付図面により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
柱に接合されるフランジを有する梁の設計方法であって、前記フランジは、前記柱との接合部から前記梁の長手方向に沿った所定範囲に、前記長手方向と交差する幅方向の一方側のフランジ幅を拡幅した第1拡幅部と、前記幅方向の他方側のフランジ幅を拡幅した第2拡幅部と、を有しており、せん断スパンと梁せいとの比であるせん断スパン比が或る値の場合に、前記第1拡幅部の幅と前記第2拡幅部の幅との加算値に対する前記第1拡幅部の幅の割合と、前記梁の降伏耐力との関係を解析により求め、前記梁の降伏耐力の解析値が、前記所定範囲の前記接合部とは反対側の端部を危険断面とした降伏耐力の設計値を上回る前記割合を求める、ことを特徴とする梁の設計方法。
このような梁の設計方法によれば、意匠性の向上及び耐力の低下の抑制を図ることができる。
かかる梁の設計方法であって、前記せん断スパン比が前記或る値とは異なる別の値の場合に、前記割合と、前記梁の降伏耐力との関係を解析により求め、前記梁の降伏耐力の解析値が、前記設計値を上回る前記割合を求めることが望ましい。
このような梁の設計方法によれば、せん断スパン比ごとに降伏耐力の設計値を上回る割合を求めることができる。
かかる梁の設計方法であって、前記せん断スパン比が前記或る値と前記別の値との間の値における前記割合を、前記或る値のときの前記割合と、前記別の値のときの前記割合との補間により求めることが望ましい。
このような梁の設計方法によれば、せん断スパン比が或る値と別の値との間にあるときの割合を求めることができる。
かかる梁の設計方法であって、前記梁の降伏耐力は、荷重-変形関係の接線剛性が、初期剛性の1/3に低下した時の荷重であることが望ましい。
このような梁の設計方法によれば、荷重-変形関係が得られれば降伏耐力を決定できるので、統一的な評価ができる。
かかる梁の設計方法であって、前記端部が降伏した後に、前記接合部が降伏するように設計することが望ましい。
このような梁の設計方法によれば、接合部を保護することができる。
かかる梁の設計方法であって、前記接合部の全塑性曲げ耐力に到達するときの荷重が、前記端部の全塑性曲げ耐力に到達するときの荷重の1.2倍以上となるように設計することが望ましい。
このような梁の設計方法によれば、端部が降伏後、そのときの荷重の1.2倍以上の大きな荷重で接合部が降伏するようにできる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
===本実施形態===
<柱梁接合構造について>
図1Aは、本実施形態の柱梁接合構造の上面図、図1Bは、柱梁接合構造の斜視図であり、いずれも柱と梁からなる架構の一部を取り出した状態を示す。
<柱梁接合構造について>
図1Aは、本実施形態の柱梁接合構造の上面図、図1Bは、柱梁接合構造の斜視図であり、いずれも柱と梁からなる架構の一部を取り出した状態を示す。
本実施形態の柱梁接合構造は、柱10と梁20とを備えて構成されている。なお、鉛直方向と交差する方向(水平方向)のうち、梁20の長手方向に沿った方向を梁長手方向(長手方向に相当)とし、梁20の幅方向に沿った方向を梁幅方向(幅方向に相当)とする。
柱10は、構造建物において床や梁などを支える鉛直構造部材である。図に示すように、本実施形態の柱10は角型鋼管である。また、柱10は、ダイアフラム12を有している。
ダイアフラム12は、柱10の仕口の剛性を高める鋼板である。本実施形態のダイアフラム12は、所謂、通しダイアフラムであり、柱10を構成する角型鋼管を切断して、その間に挟まれて溶接により一体化されている。また、ダイアフラム12は、柱10の周囲において外側に突出している。換言すると、ダイアフラム12は、柱10の幅(柱幅)を拡幅している。ダイアフラム12は、梁20のフランジ24に対応する位置に上下一対設けられている。
梁20は、構造建物において柱同士を水平方向につなぐ構造部材である。また、本実施形態において梁20は、柱10の中心に対して梁幅方向の一方側(具体的には、後述する拡幅部24aが形成された側)に偏心して接合されている。
図1A、図1Bに示すように、梁20の梁長手方向の長さ(せん断スパン)をLとし、梁20の梁せいをDとする。また、以下の説明において、せん断スパンLと梁せいDとの比をせん断スパン比L/Dという。
なお、せん断スパンLとは、せん断力が一定とみなすことができる部材の長さであり、梁端仕口部から梁20の反曲点(不図示)までの距離とする。
図に示すように梁20は、梁長手方向に垂直な断面がH形の鉄製の鋼材(いわゆるH形鋼)であり、ウェブ22とフランジ24を有している。
ウェブ22は、上下のフランジ24を結ぶ板状部材であり、上下のフランジ24と直交している。また、ウェブ22は柱10に接合されている。なお、柱10にガセットプレート(不図示)を設けて、ボルトとナットによってガセットプレートとウェブ22を接合してもよい。ウェブ22により、せん断力を負担することができる。また、ウェブ22は、フランジ24のフランジ幅(後述するフランジ幅B)の中央に設けられている。これにより、後述する拡幅部24aと拡幅部24bによる影響を評価しやすくなる。また、ウェブ22の厚さをtwとする。
フランジ24は、梁20の上縁と下縁にそれぞれ配置された板状部材である。フランジ24の梁長手方向の端は、柱10のダイアフラム12の小口面に溶接により接合されている。この接合部(ここではダイアフラム12との接合部)のことを梁端仕口部(またはハンチ元端)ともいう。前述したように、ダイアフラム12は、柱10の柱幅を拡幅している。よって、フランジ24をダイアフラム12に接合することにより、柱10本体に接合する場合と比べて、より偏心させることができる。
また、フランジ24は、梁端仕口部から梁長手方向に沿った所定範囲(図1AにおいてLhで示す範囲)に、拡幅部24aと拡幅部24bを有している。なお、フランジ24に拡幅部24a,24bが設けられる範囲(長さLhの範囲:所定範囲に相当)のうち、ハンチ元端とは反対側の端部に相当する位置(拡幅開始位置)のことをハンチ先端ともいう。
図1Aに示すように、上記所定範囲以外(L-Lh)の部位ではフランジ24の幅は一定であり、そのフランジ24の幅(フランジ幅に相当)をBとする。また、フランジ24の厚さをtfとする。
拡幅部24a(第1拡幅部に相当)は、上記所定範囲において、フランジ24の梁幅方向の一方側に設けられており、フランジ24の上記一方側のフランジ幅を拡幅している。図1Aに示すように、拡幅部24aの幅(最大幅)はBh1である。具体的には、ハンチ先端から、柱10に向かうにつれて、拡幅部24aの幅が広くなり、幅Bh1となっている。
拡幅部24b(第2拡幅部に相当)は、上記所定範囲において、フランジ24の梁幅方向の他方側に設けられており、フランジ24の上記他方側のフランジ幅を拡幅している。図1Aに示すように、拡幅部24bの幅(最大幅)はBh2である。具体的には、ハンチ先端から、柱10に向かうにつれて、拡幅部24bの幅が広くなり、幅Bh2となっている。
図1Aに示すように、本実施形態の梁20(フランジ24)では、拡幅部24bの幅Bh2と、拡幅部24aの幅Bh1とが異なっており、拡幅部24aの幅Bh1は、拡幅部24bの幅Bh2よりも小さい(Bh1<Bh2)。また、拡幅部の全幅(以下、拡幅部幅ともいう)をBh(=Bh1+Bh2)とすると、フランジ24のハンチ元端の幅BHは、フランジ幅Bと拡幅部幅Bhを用いて、BH=B+Bhとなる。
なお、拡幅部幅Bh(加算値に相当)に対する、拡幅部24aの幅の幅Bh1の割合のことを、ハンチ分担率x(%)ともいい、本実施形態では、次のように条件を定めている。
せん断スパン比L/Dが3以上4.5未満の場合、
{-10×(L/D)+45}≦x<50
せん断スパン比L/Dが4.5以上の場合、
0<x<50
これにより、後述するように、意匠性の向上及び耐力の低下の抑制を図ることができる。
{-10×(L/D)+45}≦x<50
せん断スパン比L/Dが4.5以上の場合、
0<x<50
これにより、後述するように、意匠性の向上及び耐力の低下の抑制を図ることができる。
===梁20の設計及び評価について===
次に、本実施形態の梁20の設計及び評価について説明する。
次に、本実施形態の梁20の設計及び評価について説明する。
<<拡幅部の形状(ハンチ分担率)について>>
図2は拡幅部の形状(ハンチ分担率)の説明図である。
図2は拡幅部の形状(ハンチ分担率)の説明図である。
図2の左側に示す梁は、フランジ両側の拡幅部の幅が等しい(片側50%)。以下、このような梁(フランジ両側の拡幅部の幅が等しい梁)を同幅ハンチ梁と称し、単に同幅ハンチともいう。また、図2の右側に示す梁は、拡幅部がフランジの片側のみに設けられている(片側0%)。以下、このような梁を片側ハンチ梁と称し、単に片側ハンチともいう。
本実施形態では、図2の中央に示すようにフランジ24の両側の拡幅部(拡幅部24a,24b)の幅を異ならせている。以下の説明において、このような梁を異幅ハンチ梁と称し、単に異幅ハンチともいう。
なお、図2に示す同幅ハンチ、異幅ハンチ、片側ハンチにおいて、柱10とウェブ22との接合位置は全て同じである(柱10の中心に対して偏心している)。ただし、フランジ24(具体的には拡幅部24a,24b)とダイアフラム12との接合部は、それぞれ異なっている。具体的には、同幅ハンチ、異幅ハンチ、片側ハンチでは拡幅部24a,24bの幅が異なるため、ダイアフラム12の幅(梁幅方向の長さ)を変えることにより、フランジ全体と接合できるようにしている。例えば、同幅ハンチでは、ダイアフラム12の梁幅方向の幅(柱10からの突出量)が最も大きく、片側ハンチでは、ダイアフラム12の幅(柱10からの突出量)が最も小さくなっている。
図2のように梁を柱に対して偏心させて、例えば、外壁近くに配置するようにした場合、同幅ハンチでは、両側に拡幅部が設けられているため、例えば、梁と外壁との間に多くのスペースを要することになり意匠上好ましくない。一方、片側ハンチでは、コンパクトな納まりを実現できるが、捩じれやすいため、降伏耐力が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、異幅ハンチとすることにより、意匠性の向上及び耐力の低下の抑制を図っている。
図2に示すように拡幅部24aの幅Bh1をx%とすると、拡幅部24bの幅Bh2は(100-x)%となる。例えば、幅Bh1が20%の場合、拡幅部24bの幅Bh2は80%となり、幅Bh1と幅Bh2との加算値(拡幅部幅Bh)に対する幅Bh1の割合は、20/(20+80)=1/5となる。
以下、拡幅部幅Bhに対する幅Bh1の割合(ハンチ分担率x%)をパラメータとした解析(FEM解析)を行い、ハンチ分担率が耐力に及ぼす影響を確認した。
<<解析条件について>>
解析における条件を以下に示す。なお、長さ(幅、厚さ等を含む)の単位はmmである。
・梁形状 :水平ハンチ梁(図2参照)
・柱断面 :□-600×600×32
・梁断面(梁せいD、フランジ幅B、ウェブ厚さtw、フランジ厚さtf)
断面a:H-600×200×19×25(SN490B)
断面b:H-600×200×12×25(SN490B)
断面c:H-600×200×7.5×25(SN490B)
・梁偏心 :あり(偏心量0.33Dc(Dc:柱径))
・ハンチ分担率(x%):0(片側)、5、10、15、20、30、40、50(同幅)
・拡幅部長さLh:300(=0.5D)
・拡幅部幅Bh:ハンチ先端を危険断面(最初に降伏する部位)として、ハンチ先端の全塑性曲げ耐力に対し、モーメント勾配を考慮したハンチ元端の全塑性耐力が1.2倍となるように拡幅部幅Bhを設計した。ハンチ元端の全塑性曲げ耐力をハンチ先端の1.2倍とするのは、一般的に490N/mm2級鋼材(SN490B等)を使用した鉄骨梁は1.2倍の耐力上昇を見込むため(「国土交通省国土技術政策総合研究所、他:2020年版建築物の構造関係技術基準解説書」参照)である。なお、ハンチ元端の全塑性曲げ耐力に到達するときの荷重が、ハンチ先端の全塑性曲げ耐力に到達するとき荷重の1.2倍以上となるように設計することが望ましい。これにより、ハンチ先端が降伏後、そのときの荷重の1.2倍以上の大きな荷重でハンチ元端の降伏を防ぐことができる。よって、ハンチ元端の破壊を防ぐ(ハンチ元端を保護する)ことができる。
解析における条件を以下に示す。なお、長さ(幅、厚さ等を含む)の単位はmmである。
・梁形状 :水平ハンチ梁(図2参照)
・柱断面 :□-600×600×32
・梁断面(梁せいD、フランジ幅B、ウェブ厚さtw、フランジ厚さtf)
断面a:H-600×200×19×25(SN490B)
断面b:H-600×200×12×25(SN490B)
断面c:H-600×200×7.5×25(SN490B)
・梁偏心 :あり(偏心量0.33Dc(Dc:柱径))
・ハンチ分担率(x%):0(片側)、5、10、15、20、30、40、50(同幅)
・拡幅部長さLh:300(=0.5D)
・拡幅部幅Bh:ハンチ先端を危険断面(最初に降伏する部位)として、ハンチ先端の全塑性曲げ耐力に対し、モーメント勾配を考慮したハンチ元端の全塑性耐力が1.2倍となるように拡幅部幅Bhを設計した。ハンチ元端の全塑性曲げ耐力をハンチ先端の1.2倍とするのは、一般的に490N/mm2級鋼材(SN490B等)を使用した鉄骨梁は1.2倍の耐力上昇を見込むため(「国土交通省国土技術政策総合研究所、他:2020年版建築物の構造関係技術基準解説書」参照)である。なお、ハンチ元端の全塑性曲げ耐力に到達するときの荷重が、ハンチ先端の全塑性曲げ耐力に到達するとき荷重の1.2倍以上となるように設計することが望ましい。これにより、ハンチ先端が降伏後、そのときの荷重の1.2倍以上の大きな荷重でハンチ元端の降伏を防ぐことができる。よって、ハンチ元端の破壊を防ぐ(ハンチ元端を保護する)ことができる。
以下、拡幅部幅Bhの具体的な設計手順を示す。
ハンチ元端のフランジのみの全塑性曲げ耐力Mfは、次式(1)で表される。
Mf=BH×tf×(D-tf)×σy ・・・・・(1)
ここで、BH:ハンチ元端幅
tf:フランジ厚さ
σy:降伏点または耐力
Mf=BH×tf×(D-tf)×σy ・・・・・(1)
ここで、BH:ハンチ元端幅
tf:フランジ厚さ
σy:降伏点または耐力
また、ハンチ元端の必要曲げ耐力Mfdは、次式(2)で表される。
Mfd=α×Mp×L/(L-Lh)×σy ・・・・・(2)
ここで、α:耐力上昇率(=1.2)
Mp:ハンチ先端の全塑性曲げ耐力Zp×σy
Zp:ハンチ先端の塑性係数
Mfd=α×Mp×L/(L-Lh)×σy ・・・・・(2)
ここで、α:耐力上昇率(=1.2)
Mp:ハンチ先端の全塑性曲げ耐力Zp×σy
Zp:ハンチ先端の塑性係数
式(1)、(2)より、ハンチ元端のフランジのみの全塑性曲げ耐力Mfと、ハンチ元端の必要曲げ耐力Mfdとの比Mf/Mfdが1.0前後となるように、拡幅部幅Bhを決定した。
<<解析モデルについて>>
図3は解析モデルの概略図である。図では異幅ハンチ梁(本実施形態)が示されているが、同幅ハンチ梁、片側ハンチ梁についても同様のモデルを用いた。
図3は解析モデルの概略図である。図では異幅ハンチ梁(本実施形態)が示されているが、同幅ハンチ梁、片側ハンチ梁についても同様のモデルを用いた。
<解析モデル>
・ト字型骨組(柱材長:3000mm、梁材長:スパンL)
・ト字型骨組(柱材長:3000mm、梁材長:スパンL)
<断面諸量>
・梁せいD(mm):600
・せん断スパンL(mm):1800、2400、2700、3000、3600
・せん断スパン比L/D:3、4、4.5、5、6
・ダイアフラム:板厚32mm(出寸法25mm)
・梁せいD(mm):600
・せん断スパンL(mm):1800、2400、2700、3000、3600
・せん断スパン比L/D:3、4、4.5、5、6
・ダイアフラム:板厚32mm(出寸法25mm)
<解析要素>
・1次の四辺形シェル要素とし、梁端仕口部から1200mmの範囲の梁フランジは10mmピッチでメッシュ分割、その他は50mmピッチで分割。
・1次の四辺形シェル要素とし、梁端仕口部から1200mmの範囲の梁フランジは10mmピッチでメッシュ分割、その他は50mmピッチで分割。
<境界条件>
・柱:上下端は、変位とz軸廻りの回転を拘束する。
・梁:y方向端(梁端)は、y軸とz軸廻りの回転を拘束し、z方向に強制変位を与える。なお、梁が横座屈しないように、梁端仕口部から1200mmの位置で、梁のx方向の変位を拘束した。
・柱:上下端は、変位とz軸廻りの回転を拘束する。
・梁:y方向端(梁端)は、y軸とz軸廻りの回転を拘束し、z方向に強制変位を与える。なお、梁が横座屈しないように、梁端仕口部から1200mmの位置で、梁のx方向の変位を拘束した。
なお、x方向は、図1の梁幅方向に相当し、y方向は、図1の梁長手方向に相当し、z方向は、図1の鉛直方向に相当する。
<<解析結果について>>
図4A~図4Cは、解析による応力分布の一例を示す図である。各図は、断面b(H-600×200×12×25)の降伏耐力の解析値aQyにおけるミーゼス応力分布である。図4Aは、x=50%、図4Bは、x=20%、図4Cは、x=0%の結果をそれぞれ示している。
図4A~図4Cは、解析による応力分布の一例を示す図である。各図は、断面b(H-600×200×12×25)の降伏耐力の解析値aQyにおけるミーゼス応力分布である。図4Aは、x=50%、図4Bは、x=20%、図4Cは、x=0%の結果をそれぞれ示している。
図4A~図4Cより以下のことが確認できる。
・x=50%(同幅ハンチ梁)では、梁の左右に均等に応力が生じる。
・x=0%(片側ハンチ梁)では、梁の左右いずれかに応力が集中する。
・0<x<50(異幅ハンチ梁)では、同幅ハンチ梁と片幅ハンチ梁の中間的傾向を示す。
・x=50%(同幅ハンチ梁)では、梁の左右に均等に応力が生じる。
・x=0%(片側ハンチ梁)では、梁の左右いずれかに応力が集中する。
・0<x<50(異幅ハンチ梁)では、同幅ハンチ梁と片幅ハンチ梁の中間的傾向を示す。
図5A~図5Eは、荷重Qと変形δとの関係を示す図である。図5A~図5Eは、それぞれ、せん断スパン比L/Dが3、4、4.5、5、6の場合を示している。ここでも、断面b(H-600×200×12×25)についての解析結果を示し、断面aおよび断面cの結果の図示は省略する。
なお、降伏耐力の解析値aQyは、荷重Q-変形δ関係における接線剛性が初期剛性の1/3に低下した時の荷重とした(「建築研究所、日本鉄鋼連盟:鋼構造建築物の構造性能評価試験法に関する研究委員会報告書,2002.4」参照)。この方法では、荷重-変形関係が得られれば降伏耐力を決定できるので、統一的な評価を行うことができる。ただし、降伏耐力の求め方は、上記のものには限られない。
また、図中の破線は、ハンチ先端を危険断面とした場合の降伏耐力計算値cQy(設計値に相当)を表しており、次式(3)で算出した。
cQy=cMy/(L-Lh) ・・・・・(3)
ここで、
cMy:梁の一様断面部の降伏曲げモーメント計算値
L:梁のせん断スパン
Lh:拡幅部長さ
なお、梁の一様断面部とは、梁長手方向に垂直な断面形状が同じ部位(本実施形態ではフランジに拡幅部が形成されていない部位)である。
cQy=cMy/(L-Lh) ・・・・・(3)
ここで、
cMy:梁の一様断面部の降伏曲げモーメント計算値
L:梁のせん断スパン
Lh:拡幅部長さ
なお、梁の一様断面部とは、梁長手方向に垂直な断面形状が同じ部位(本実施形態ではフランジに拡幅部が形成されていない部位)である。
図5A~図5Eより以下のことを確認できる。
・ハンチ分担率xが小さいほど、荷重Q-変形δ関係の降伏耐力が小さくなる。
・せん断スパン比L/Dの小さい方が、ハンチ分担率xの違いによる荷重Q-変形δ関係の差が大きくなる。
・ハンチ分担率xが小さいほど、荷重Q-変形δ関係の降伏耐力が小さくなる。
・せん断スパン比L/Dの小さい方が、ハンチ分担率xの違いによる荷重Q-変形δ関係の差が大きくなる。
各せん断スパン比L/Dについて、荷重Q-変形δ関係から、ハンチ分担率の割合xと、梁の降伏耐力(解析値aQy:接線剛性が初期剛性の1/3に低下した時の荷重)との関係を求めた。
図6A~図6Eは、降伏耐力の解析値aQyと計算値cQyとの比(aQy/cQy)と、ハンチ分担率xとの関係を示す図である。なお、各図の横軸は、ハンチ分担率x%であり、縦軸は、解析値aQyと計算値cQyとの比(aQy/cQy)である。
図6A~図6Eは、それぞれ、せん断スパン比L/Dが3、4、4.5、5、6の場合の結果を示している。また、各図には、それぞれ、断面a,b,cについての結果を示している。縦軸(aQy/cQy)が1より大きければ(すなわち降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを上回れば)、計算上の耐力の低減は必要ないといえる。
図6A~図6Eより以下のことを確認できる。
・ハンチ分担率xが小さいほど、解析値aQyと計算値cQyとの比(aQy/cQy)は小さくなり、降伏耐力は低下する。
・せん断スパン比L/D=3の場合、x=10%では降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを下回る。一方、x=15%以上では、降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを上回る。
・せん断スパン比L/D=4の場合、x=0%では降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを下回る。一方、x=5%以上では、降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを上回る。
・せん断スパン比L/D=4.5、5、6の場合、x=0%でも、降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを上回る。
・ハンチ分担率xが小さいほど、解析値aQyと計算値cQyとの比(aQy/cQy)は小さくなり、降伏耐力は低下する。
・せん断スパン比L/D=3の場合、x=10%では降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを下回る。一方、x=15%以上では、降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを上回る。
・せん断スパン比L/D=4の場合、x=0%では降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを下回る。一方、x=5%以上では、降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを上回る。
・せん断スパン比L/D=4.5、5、6の場合、x=0%でも、降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを上回る。
なお、せん断スパン比L/Dが、本実施形態の条件の間にある場合のハンチ分担率x%(下限値)は、その近くのせん断スパン比L/Dについての結果の補間(例えば線形補間)により求めることができる。例えば、せん断スパン比L/Dが3.5の場合、せん断スパン比L/Dが3の場合のハンチ分担率xの下限値と、せん断スパン比L/Dが4の場合のハンチ分担率xの下限値との線形補間により求めることができる。
図7は、降伏耐力の解析値aQyが計算値cQyを上回る範囲の説明図である。図の横軸は、せん断スパン比L/Dであり、縦軸は、ハンチ分担率x(%)である。計算上の耐力の低減が必要ないと確認された領域を斜線でハッチングしている。ハッチングしていない領域は、計算上の耐力の低減が必要と確認された領域(L/D≧3)、もしくは未検討の領域(L/D<3)である。
図7より、計算上の耐力の低減が不要な条件は、
・せん断スパン比L/Dが3以上4.5未満(3≦L/D<4.5)の場合、
{-10×(L/D)+45}≦x<50
・せん断スパン比L/Dが4.5以上(L/D≧4.5)の場合、
0<x<50
となった。
・せん断スパン比L/Dが3以上4.5未満(3≦L/D<4.5)の場合、
{-10×(L/D)+45}≦x<50
・せん断スパン比L/Dが4.5以上(L/D≧4.5)の場合、
0<x<50
となった。
すなわち、上記の関係を満たすように、せん断スパン比L/Dとハンチ分担率xを定めることにより、意匠性の向上及び耐力の低下の抑制を図ることができる。
===その他の実施形態について===
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、柱10は角形鋼管であったが、これには限られない、例えば、丸型鋼管やH型鋼であってもよい。
また、前述の実施形態では、ダイアフラム12は、通しダイアフラムであったがこれには限られない。例えば、柱内側(内部)に設けられる内ダイアフラム、あるいは、柱外側に設けられる外ダイアフラムであってもよい。なお、内ダイアフラムの場合、梁20のフランジ24は、ダイアフラムではなく柱本体に接合されることになる。
10 柱
12 ダイアフラム
20 梁
22 ウェブ
24 フランジ
24a 拡幅部(第1拡幅部)
24b 拡幅部(第2拡幅部)
12 ダイアフラム
20 梁
22 ウェブ
24 フランジ
24a 拡幅部(第1拡幅部)
24b 拡幅部(第2拡幅部)
Claims (6)
- 柱に接合されるフランジを有する梁の設計方法であって、
前記フランジは、前記柱との接合部から前記梁の長手方向に沿った所定範囲に、前記長手方向と交差する幅方向の一方側のフランジ幅を拡幅した第1拡幅部と、前記幅方向の他方側のフランジ幅を拡幅した第2拡幅部と、を有しており、
せん断スパンと梁せいとの比であるせん断スパン比が或る値の場合に、前記第1拡幅部の幅と前記第2拡幅部の幅との加算値に対する前記第1拡幅部の幅の割合と、前記梁の降伏耐力との関係を解析により求め、
前記梁の降伏耐力の解析値が、前記所定範囲の前記接合部とは反対側の端部を危険断面とした降伏耐力の設計値を上回る前記割合を求める、
ことを特徴とする梁の設計方法。 - 請求項1に記載の梁の設計方法であって、
前記せん断スパン比が前記或る値とは異なる別の値の場合に、前記割合と、前記梁の降伏耐力との関係を解析により求め、
前記梁の降伏耐力の解析値が、前記設計値を上回る前記割合を求める、
ことを特徴とする梁の設計方法。 - 請求項2に記載の梁の設計方法であって、
前記せん断スパン比が前記或る値と前記別の値との間の値における前記割合を、前記或る値のときの前記割合と、前記別の値のときの前記割合との補間により求める、
ことを特徴とする梁の設計方法。 - 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の梁の設計方法であって、
前記梁の降伏耐力は、荷重-変形関係の接線剛性が、初期剛性の1/3に低下した時の荷重である、
ことを特徴とする梁の設計方法。 - 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の梁の設計方法であって、
前記端部が降伏した後に、前記接合部が降伏するように設計する、
ことを特徴とする梁の設計方法。 - 請求項5に記載の梁の設計方法であって、
前記接合部の全塑性曲げ耐力に到達するときの荷重が、前記端部の全塑性曲げ耐力に到達するときの荷重の1.2倍以上となるように設計する、
ことを特徴とする梁の設計方法。
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| JP2015190258A (ja) | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 株式会社大林組 | 柱梁接合構造 |
| JP2015206229A (ja) | 2014-04-22 | 2015-11-19 | 株式会社大林組 | 柱梁接合構造 |
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