JP7853109B2 - 水中油型日焼け止め化粧料 - Google Patents
水中油型日焼け止め化粧料Info
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よって、日焼け止め化粧料において、高い紫外線防御効果(高SPF)を実現するためには、紫外線吸収剤および紫外線散乱剤のそれぞれの利点を活かしながら、バランス良く組み合わせて配合することが一般的である。
また、高極性の紫外線吸収剤を用いる際には、安定性を良くするためにシリコーン油を組み合わせて配合することが行われる。しかしながら、シリコーンナノディスクを用いた水中油型乳化化粧料においては、シリコーン系原料を配合するとシリコーンナノディスクの安定性を悪くする傾向があるので、シリコーン系原料の使用をできる限り避ける必要がある。
すなわち、本発明は、日焼け止め化粧料において高SPFを達成するために紫外線吸収剤と紫外線散乱剤を組み合わせて配合するという一般的な方法とは異なり、特定の親水性粉末または特定の油相増粘剤が、紫外線防御力の向上剤または増幅剤として機能することを見出したことに基づく発明である。
(A)1価アルコールおよび2価アルコールから選択される水性成分、
(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーン、
(C)紫外線吸収剤、および
(D)以下から選択される少なくとも1種の紫外線防御力向上剤
(D-1)比表面積が190m2/g以上の親水性粉末
(D-2)デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、固形または半固形の炭化水素油、有機変性粘土鉱物および脂肪酸またはその塩から選択される油相増粘剤
を含み、
前記(A)水性成分が、1価アルコール単独の場合には化粧料全量に対して1~15質量%であり、2価アルコール単独の場合には化粧料全量に対して1~20質量%であり、1価アルコールと2価アルコールとの組み合わせである場合にはその合計量が化粧料全量に対して1~45質量%である、水中油型日焼け止め化粧料を提供する。
また、特定の親水性粉末または特定の油相増粘剤を配合することによって得られる紫外線防御向上効果はそれぞれ互いに干渉しないため、高SPFを得るうえで本発明の親水性粉末と油相増粘剤とを組み合わせる利点がある。
本発明に係る化粧料に配合される(A)水性成分(以下、単に「(A)成分」と称する場合がある)は、1価アルコールおよび2価アルコールから選択される1種または2種以上を指す。
1価アルコールとしては、化粧料に通常用いられるものであれば特に限定されないが、エチルアルコール(エタノール)、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、本発明においては、エチルアルコールが好ましい。
2価アルコールとしては、化粧料に通常用いられるものであれば特に限定されないが、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられ、本発明においては、1,3-ブチレングリコールが好ましい。
水相中1価アルコール濃度(%)/15+水相中2価アルコール濃度(質量%)/20≦1 (1)
本発明に係る化粧料に配合される(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーン(以下、単に「(B)成分」と称する場合がある)は、疎水性基としてポリシロキサン構造、親水基としてポリオキシアルキレン構造を有する界面活性剤であり、ジメチコンのメチル基の一部をポリエチレングリコールで置換した水溶性のシリコーン系界面活性剤であることが好ましい。具体的には下記式(2)で表される。
-(CH2)a-(C2H4O)b-(C3H6O)c-R2 (3)
で示されるポリオキシアルキレン基であり、その他のAは水素または炭素数1~6のアルキル基であり、それぞれ同一でも独立に異なっていてもよい。式(3)中のR2は水素または炭素数1~6のアルキル基であり、aは1~6、bは0~50、cは0~50の整数であり、b+cは少なくとも5以上である。前記式(2)のmは1~200の整数であり、nは0~50の整数である。
本発明の(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーンとしては、グリフィンの式によるHLB計算においてHLBが10未満であることが好ましい。
本発明に係る化粧料に配合される(C)紫外線吸収剤(以下、単に「(C)成分」と称する場合がある)は、日焼け止め化粧料に通常配合されるものを使用することができる。例えば、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ケイヒ酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンズイミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、4,4-ジアリールブタジエン誘導体等が例示される。以下に具体例および商品名などを列挙するが、これらに限定されるものではない。
(C)紫外線吸収剤の配合量は、化粧料全量に対して、3~40質量%であり、好ましくは3~30質量%、さらに好ましくは3~20質量%である。(A)紫外線吸収剤の配合量が3質量%未満では十分な紫外線防御効果が得られにくく、40質量%を超えて配合しても配合量に見合った紫外線防御効果の増加を期待できず、却って安定性や使用性が悪くなるなどの点から好ましくない。
本発明の日焼け止め化粧料においては、後述の(D)紫外線防御力向上剤を配合することにより高SPFを達成することができるため、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルの配合量が化粧料全量に対して3質量%以下あるいは1質量%以下であってもよく、さらには、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルを含まなくとも高いSPFを得ることができる。
本発明の化粧料においては、紫外線散乱剤の配合量を少なくする、あるいは、紫外線散乱剤を配合しないことにより、肌に塗布した際に白浮きせず透明な日焼け止め化粧料とすることができる。
本発明の(D)紫外線防御力向上剤(以下、単に「(D)成分」と称する場合がある)とは、本発明に係る化粧料に配合される紫外線吸収剤が有する紫外線防御力を向上させるまたは増幅する機能を有する化合物を指す。具体的には、以下の(D-1)成分および(D-2)成分から選択される化合物である。
本発明に係る化粧料に配合される(D-1)親水性粉末(以下、単に「(D-1)成分」と称する場合がある)は、化粧料に通常配合されるものであって、粒子表面が親水性であり、比表面積が190m2/g以上、好ましくは190~800m2/gである粉末成分を指す。
(D-1)成分を構成する粉末としては、シリカ(無水ケイ酸)、セルロース、スターチ、タルク、マイカ等を挙げることができる。なかでも、シリカが好ましい。
(D-1)成分の配合量は、化粧料全量に対して、1~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましく、1.5~6質量%がさらに好ましい。(D-1)成分の配合量が1質量%未満では(D-1)成分による紫外線防御力向上効果を十分に発揮できない傾向があり、10質量%を超えて配合すると使用性が悪くなる場合がある。
本発明に係る化粧料に配合される(D-2)油相増粘剤(以下、単に「(D-2)成分」と称する場合がある)は、通常の乳化型化粧料等において油分に溶解または油分で膨潤することにより油相を増粘する効果を発揮する成分として使用されている物質から適宜選択できる。具体例としては、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、固形または半固形の炭化水素油、有機変性粘土鉱物、あるいは脂肪酸またはその塩等が挙げられる。
(X,Y)2-3(Si,Al)4O10(OH)2Z1/3・nH2O (4)
ただし、X=Al、Fe(III)、Mn(III)、Cr(III)、Y=Mg、Fe(II)、Ni、Zn、Li、Z=K、Na、Caである。
本発明の(D-2)油相増粘剤として、上記物質から選択される1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
よって、本発明に係る水中油型乳化化粧料は、(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーンからなるナノディスクが油水界面、つまり油相からなる油滴の周りに付着(局在)していることを特徴とする。前記ナノディスクは、その長径が20nm~1000nmである。
したがって、本発明に係る水中油型乳化化粧料の製造方法は、(A)水性成分と(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーンとを混合してベシクルを形成するベシクル形成工程と、場合によってベシクル形成工程で得られたベシクル分散液に、(E)アニオン性界面活性剤を添加する工程と、前記工程によって得られた混合液に別途混合溶解した油性成分を攪拌およびせん断力を加えながら乳化させる乳化工程と、を備える。
測定プレート(Sプレート)(5×5cmのV溝PMMA板、SPFMASTER-PA01)に各例の化粧料(サンプル)を2mg/cm2の量で滴下し、60秒間指で塗布し、15分間乾燥した後に、形成された塗膜の吸光度をU-3500型自記録分光光度計(日立製作所製)にて測定した。無塗布のプレートをコントロールとし、吸光度(Abs)を以下の式で算出し、280nm~400nmにおける測定値を積算し、310nmにおける吸光度を求めた。
Abs=-log(T/To)
T:サンプルの透過率、To:無塗布の透過率
[紫外線防御力の向上率(%)]=[各サンプルの310nmにおける吸光度-対照試料の310nmにおける吸光度]/[対照試料の310nmにおける吸光度]×100
向上率0%とは、紫外線防御力の増減に変化がなかったことを表し、向上率100%および200%とは、サンプルでの紫外線防御力がそれぞれ対象試料の紫外線防御力の100%分および200%分増加した、つまり紫外線防御力がそれぞれ2倍および3倍になったことを表す。
表1に掲げた組成を有する日焼け止め化粧料を調製した。具体的には、攪拌下で(B)成分を(A)成分へ滴下混合した後、アニオン性界面活性剤と他の水性成分を混合して水相溶液を得、油性成分および粉末成分を別途混合して得た油相溶液を、前記水相溶液に攪拌しながら混合することによって、水中油型乳化化粧料を得た。調製した試料について、紫外線防御力の向上率を評価した。結果は表中に示す。なお、表中の評価結果の欄における「×」の表記は、化粧料が調製できなかったことを表す。
*2:ゴッドボールE-6C(鈴木油脂工業社製)
*3:TMS-10(テイカ社製)
*4:サティニアM5(日揮触媒化成社製)
*5:シフォンシルP-3R(日揮触媒化成社製)
なかでも、平均粒子径4~15μmかつ吸油量120~250ml/100gのシリカを配合した化粧料(実施例1)では、紫外線防御力向上効果が特に優れていた。
一方、比表面積が190m2/g未満のシリカを配合した比較例2の化粧料では紫外線防御力向上効果は確認できず、比較例3の化粧料では紫外線防御力向上効果はほとんど確認できなかった。
一方、一般的には油相増粘剤と分類される化合物であっても、シリコーンワックスやロウ類は、本発明の化粧料には適さず(比較例5および比較例6)、アミノ酸ゲル化剤を配合した比較例4の化粧料では、紫外線防御力向上効果はほとんど確認できなかった。
実施例4および実施例5に示されるように、本発明の化粧料においては、(D)成分として(D-1)成分と(D-2)成分を組み合わせて配合するとそれぞれの紫外線防御力向上効果が発揮され、紫外線散乱剤を配合しなくとも、参考例の化粧料と同程度の高いSPFを有する化粧料を得ることができる。
Claims (5)
- (A)1価アルコールおよび2価アルコールから選択される水性成分、
(B)ポリオキシアルキレン変性シリコーン、
(C)紫外線吸収剤、および
(D)以下から選択される少なくとも1種の紫外線防御力向上剤
(D-1)比表面積が190m2/g以上の親水性粉末
(D-2)デキストリン脂肪酸エステルである油相増粘剤
を含み、
前記(A)水性成分が、1価アルコール単独の場合には化粧料全量に対して1~15質量%であり、2価アルコール単独の場合には化粧料全量に対して1~20質量%であり、1価アルコールと2価アルコールとの組み合わせである場合にはその合計量が化粧料全量に対して1~45質量%であり、
紫外線散乱剤を含む場合には、その配合量が化粧料全量に対して3質量%以下であり、
前記(B)成分からなるナノディスクが油水界面に付着している、水中油型日焼け止め化粧料。 - さらに、(E)アニオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の水中油型日焼け止め化粧料。
- 前記(B)成分が、PEG-12ジメチコンである、請求項1または2に記載の水中油型日焼け止め化粧料。
- 前記(D-1)親水性粉末がシリカである、請求項1から3のいずれか一項に記載の水中油型日焼け止め化粧料。
- 前記(D)成分として、(D-1)比表面積が190m 2 /g以上の親水性粉末と、(D-2)デキストリン脂肪酸エステルである油相増粘剤とを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の水中油型日焼け止め化粧料。
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