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JPS589801B2 - 低酸素、低炭素鉄系粉末の製造方法 - Google Patents
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JPS589801B2 - 低酸素、低炭素鉄系粉末の製造方法 - Google Patents

低酸素、低炭素鉄系粉末の製造方法

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JPS589801B2
JPS589801B2 JP51016525A JP1652576A JPS589801B2 JP S589801 B2 JPS589801 B2 JP S589801B2 JP 51016525 A JP51016525 A JP 51016525A JP 1652576 A JP1652576 A JP 1652576A JP S589801 B2 JPS589801 B2 JP S589801B2
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reduction
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weight
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一哉 遠藤
重彰 高城
俊治 伊藤
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、とくに粉末冶金用の粉末原料に適する低炭素
、低酸素鉄系粉末の製造方法に関する。
粉末冶金用の鉄系粉末の製造においては、非金属介在物
を含めて含有酸素量および炭素量を極力少なくすること
が非常に重要である。
すなわち、鉄系粉末に酸化物を多く含むと、焼結部品を
製造する際にそれが原因で圧粉体および焼結体の密度が
向上しないばかりでなく、成形時に金型を傷めたり、部
品に切削を施す場合には被削性を低下させる等の種々の
問題を発生する。
また、焼結鍛造用鉄系粉末にあっては、高密度化および
高強度化した部品においても、この酸化物の存在のため
に疲労強度や衝撃靭性等の機械的特性が著しく低下する
一方、鉄系粉末に炭化物を多く含むと、含有酸素量が多
い場合と同様に部品を成形する際に圧粉体の密度が向上
しないばかりでなく、圧粉体の成形性が著しく低下し、
極端な場合にはこれら圧粉体の角が欠ける等の大きな問
題を発生する。
そのため、含有酸素量および炭素量の低い鉄系粉末の製
造方法の開発が要求されている。
一般に、従来から知られている粉末冶金用の鉄系粉末を
製造する方法としては、還元法、噴霧法、機械的粉砕法
および電解法などがある。
これらの製造方法においては、含有酸素量および炭素量
の少ない鉄系粉末とするために、いずれも仕上還元工程
を取り入れ、脱酸または脱炭もしくはこれらの両者の処
理を施さなければならない。
ところが合金成分を含まない純鉄粉の製造においては前
記仕上還元は比較的容易であるが、Cr,Mn,Si等
の合金成分を含む鉄系粉末においては、製造方法の違い
にもよるが、多少なりともこれら合金成分の酸化物が原
料粉に含有されるので仕上還元が非常に困難となる。
そこで、従来技術における仕上還元工程においては、低
酸素粉末とするために、原料粉を露点(D.P.)が非
常に低い(−50℃以下)水素を含む還元性雰囲気か、
またはCO2ガス分圧が非常に低いCOガスを含む還元
性雰囲気中で750〜1400℃の温度範囲内で仕上還
元を行う必要があった。
しかし、このように露点またはCO2ガス分圧の低い還
元性雰囲気を工業的に得ることは困難でもあるし,また
、これら還元性雰囲気は水素ガスあるいはCOガスを含
むものであるから還元後のガスには必ず幾分かの水蒸気
またはCO2ガスを含むことになり、結局,露点または
CO2ガス分圧が上昇する還元性雰囲気となる。
従って、工業的には難還元性酸化物,とくにCr,Mn
,Si等からなる金属酸化物またはこれら金属の複合酸
化物を含む原料粉の脱酸には多量の水素ガス又はCOガ
スを含む露点またはCO2ガス分圧の低い還元ガスを用
いることが必要となる。
また、仕上還元温度を高くすることにより露点を低くお
さえながら脱酸する方法も可能であるが,高温還元のた
め後工程の半焼結した脱酸ケーキの粉砕が困難となるの
で、このような方法も採用できない。
さらにこのような露点の低い還元性雰囲気下では、原料
粉の脱炭が困難であり,従来方法ではとくに難還元性酸
化物を含む原料粉から低酸素かつ低炭素の鉄系粉末を製
造することは非常に困難とされている。
一方、前記した低酸素、低炭素の鉄系粉末を得る目的で
、原料粉にあらかじめ炭素を合金化させるかまたは黒鉛
粉、油もしくは炭化水素化合物等の炭素源となる物質を
混合し、中性雰囲気または減圧下で加熱し、脱酸および
脱炭させる方法も考えられる。
この場合、脱酸速度および脱炭速度を大きくするために
は、熱力学から推定されるように高温かつ高真空下での
加熱が必要であるが、この場合には含有酸素モル量より
も添加炭素モル量を多くしなければならない。
なぜならば、炭素による直接還元反応のみが進行してい
るために炭素の消費量が多いからである。
このように直接還元反応のみにより粉末に要求される含
有炭素量、酸素量がそれぞれ0.30重量係未満、0.
20重量%未満となる制約条件を満たす脱酸を行うには
種々の試、験の結果から明らかになったのであるが、原
料粉の含有炭素量と酸素量とのモル比(C/Oモル比)
が2.0を超える必要がある。
理想的な直接還元ではこの比は1.0であるが、実際に
は、混粉法又は母合金法により添加した炭素が減圧開始
時および加熱時に遊離し、炭素のロスが発生するからで
ある。
特に、高真空及び高温下での加熱ほどこのロス量は多い
また、後述するように高真空下で高周波により直接粉末
を誘導加熱する場合には鉄系粉末粒子間にアークが飛び
、このためカーボン蒸着現象に見られる如く炭素のロス
が発生し、このロス量は非常に多い。
これ故に炭素の直接還元反応のみにより脱酸することは
好ましいことではない。
さらに、直接還元反応のみにより脱酸させる場合には、
添加すべき炭素量はC/Oモル比で2.0を超える必要
があるから、水噴霧前の溶湯に炭素を添加するいわゆる
母合金法により粉末を得る場合、このように炭素が多い
水噴霧粉は中空球体状となり粉末冶金用に適する粉末と
はならない。
それでは、混合法により黒鉛粉等の炭素粉を混合すれば
よいと考えられるが、C/Oモル比が2.0を超えると
混合すべき炭素粉の量は多くなり比重の大きい鉄粉と比
重の小さい炭素粉の均一混合は非常に困難となる。
この場合、たとえ両者が均一に混合されたように見えて
もミクロ的には不均一となり、高温加熱の下では、この
ミクロ的不均一が原因で局部的に粉末原料粉の融点が低
下し、得られた脱酸ケーキは液相焼結の発生した半溶融
状態となり、後の粉砕が困難となる故に粉末製造には不
適当である。
さらに、C/Oモル比が大きいためにどうしても脱酸さ
れた粉末中の残留炭素量及び酸素量を調整することが難
しくなる。
従って、このように炭素の直接還元のみによる脱酸を行
わせるには種々の欠点がある。
それ故、粉末治金用鉄系粉末の仕上還元に要求される低
酸素含有量および低炭素含有量を実現することが困難で
ある。
一方、実際に減圧状態を得る場合には、油回転ポンプ、
メカニカルブースター、またはこれら排気装置と油もし
くは水銀拡散ポンプ等の併用で行われるのが常である。
このような装置により排気を行うと容易に0.05To
rr程度の高真空度が得られ、このような減圧下では酸
化物の還元はMxOy+ycO→xM+ycO2
(1)の炭素による間接還元は進行しずらく、 MxOy+yC→xM+ycO (2)
の直接還元が支配的となる。
ここで、Mは金属元素である。
従って、前記難還元性酸化物の還元が可能となるが、直
接還元のみにより還元速度を増大させるには高温加熱は
勿論のこと、原料粉中のC/Oモル比を前記した理由の
ため2.0を超えるようにしなければ還元率の向上すな
わち所望の低酸素とすることは極めて困難である。
この直接還元により含有炭素量も同時に低減されるが、
前記したように残留炭素および酸素のコントロールが難
しいことから、還元された粉末の酸素量が所望の目的を
満足しても、逆に炭素量が好ましい含有量までに低下せ
ず、炭化物の形で残留する場合が多い。
この結果、これら従来法により得られた製品粉末の硬さ
が増し、粉末の成形性が低下するばかりでなく、圧粉体
の密度も低下する等の理由により粉末治金用鉄系粉末に
は適さない。
本発明の目的は、上述した従来の欠点を解消し、純鉄粉
あるいは鉄合金元素や酸化物とくにCr,Mn,Si等
の難還元性の酸化物またはこれら金属の隼合酸化物を含
む鉄合金粉の鉄系原料粉から、とくに粉末治金世に適し
た低酸素、低炭素鉄系粉末を得ることができる製造方法
を提案することにある。
本発明者等は従来法の欠点を解決するため、純鉄粉並び
に前記とくに難還元性酸化物を含む鉄系粉末素材の脱炭
を伴った脱酸方法につき各種の研究を重ねた結果、つぎ
のことを見い出した。
即ち海綿鉄粉砕粉、噴霧粉、機械的粉砕粉等の原料粉の
表面および内部には合金元素及び鉄の酸化物が形成され
ている。
これら酸化物の還元においては原料粉に予め炭素を合金
化(母合金法)させるか、原料粉に炭素源となる物質を
添加混合(混合法)するかして、これら原料粉を直接減
圧下又は少量の中性ガスもしくは還元性ガスをキャリャ
ーガスとして注入した減圧下で加熱し、加熱中の真空度
を適切な範囲内に調整して前記直接還元および間接還元
を同時に進行させると、鉄系原料粉の脱酸および脱炭を
効率よく行うことができるのである。
つまり、本発明の低酸素、低炭素鉄系粉末の製造方法は
、純鉄系粉末あるいは鉄合金元素の酸化物たとえばSi
の酸化物を含めこれよりも熱力学的に還元されやすい金
属酸化物およびこれら酸化物を構成する金属の複合酸化
物のうちの1種または2種以上を含む鉄合金系粉末の鉄
系原料粉に、あらかじめ炭素を合金化させるかまたは黒
鉛粉、油その他液体状もしくは粉末状の炭化水素等の炭
素源を添加混合するかして、仕上還元前のこれら原料粉
の含有酸素量を4.0重量%以下かっこの原料粉のC/
Oモル比を0. 7−2. 0の範囲内とし、これら原
料粉を平均圧力が100Torr以下の高真空度(本明
細書では1 0 0 Torr以下の真空度と略称する
)下に保ち、仕上還元温度750〜1400℃の範囲内
で加熱することにより脱炭と同時に脱酸を行い、含有酸
素量が0.20重量%未満でかつ含有炭素量が0.30
重量係未満の鉄系粉末を得ることを特徴とする。
なお上記100Torr以下の真空度下での加熱に際し
て、還元保持温度の8割までは大気中、中性または還元
性雰囲気中にて予備加熱した後、直ちに前記の平均真空
度下および仕上げ還元温度その他の条件下で仕上還元す
る方法も本発明法に属する。
本発明法において、鉄系原料粉の仕上還元加熱中の平均
真空度を1 0 0 Torr以下の範囲に限定したの
は次の理由による。
すなわち,100Torrを超える低真空中では原料粉
の脱酸および脱炭が十分に行われないからである。
これは、直接還元に引続き起こる間接還元が活発になり
(前記(I)(2)式参照),発生したC02ガスの分
圧が高くなる閣係上相対的にCOガス分圧が低くなる結
果、粉末表面または内部め酸化物がもはや還元されない
ためと考えられる。
これに対し、本発明における加熱中の.平均真空度が1
00Torr以下の範囲の真空度下では、直接および間
接還元が同時に進行する領域であり、仕.上還元工程と
して有効となるに十分な原料粉の脱酸率および脱炭率を
得ることができることがわかった。
ここに脱酸率及び脱炭率はつぎの(3) , (4)式
により定義する。
また、前記の如く加熱中に少量の中性ガス又は還元性ガ
スをキャリャニガスとして注入し、平均真空度を100
Torr以下の範囲内に保つことによっても本発明法は
有効に適用されることについて説明を加える。
まず、中性ガスとしては99%以上の純度の良いヘリウ
ム(He)、アルゴン(Ar),窒素(N2)等のガス
が考えられる。
これらのガスの注入によってCOガス分圧が低くおさえ
られる結果、直接還元による脱酸が進行すると考えられ
る。
しかし、これら中性ガスを注入して還元する場合には注
入しない時よりも脱酸率および脱炭率が向上することは
ない。
だが、真空排気装置の能力が低く、又は排気系の容積が
大きい場合には、中性ガスを注入して排気系の能力の許
す範囲で加熱中の平均真空度を1 0 0 Torr以
下に適宜調整して直接還元と間接還元とを同時{こ進行
させることができる利点がある。
次に示す還元性ガスの注入は中性ガスの場合よりももつ
と有効である。
この場合には、露点が−30℃以下の水素ガスを注入す
る。
これにより炭素の直接還元と間接還元及び水素による還
元の相乗作用により脱酸は効率よく進行する。
ここで、注意せねばならないことは注入水素の露点を−
30℃以下にとどめることである。
このようにしないと、真空系内の露点を上昇させる原因
となるからである。
次に、仕上還元前の原料粉の含有酸素量を4.0重量%
以下かつこの原料粉のC/Oモル比を0.7〜2.0の
範囲内に限定した根拠について詳しく説明する。
先ず、原料粉のC/Oモル比の下限については、一つに
は減圧を開始する時におよび加熱中に、フリーの炭素が
舞い上ってロスを生ずること、特に高周波加熱によると
きは粉末粒子同志のアーク放電によって炭素の蒸着現象
が起り炭素のロスが多いこと、二つには母合金法により
原料粉中に合金化した炭素(原子)は加熱中に原料粉末
粒子の表面にまで拡散し、1 0 0 Torr以下の
真空度といっても系内には若干の酸素が存在するため、
この酸素と直接反応してガス化すること、また、混合法
により原料粉に炭素源を混合した炭素粉についても同様
な現象を生じて炭素のロスを生ずること、などから定め
られる。
このような状況により脱酸に関与する以外の炭素のロス
が発生するので(1)式および(2)式の還元が理想的
に進行する場合のC/Oモル比の下限は0.5の値より
も大きくする必要がある。
この点に関し、本発明者等が海綿鉄粉砕粉、機械的粉砕
粉、低合金および高合金の噴霧粉の鉄系原料粉を用いて
、加熱中の平均真空度1 0 0 Torrでの種々の
試験を重ねた結果、C/Oモル比の下限は0.7であり
、これ未満では含有酸素量が0.20重量%未満の所望
の低酸素鉄系粉末が得られないことを確認した。
また、C/Oモル比の上限については、鉄系原料粉の表
面または内部に存在する金属酸化物の還元が前記(2)
式の直接還元のみにより進行すること、すなわち、CO
ガスの生成と同時にこのCOガスが排気されるとすれば
、理論上は還元に必要な炭素量は原料粉に含有する酸素
量に等しいモル数となる。
すなわち、原料粉のC/Oモル比が1.0となるときで
ある。
しかし、実際には前記の如く炭素のロスが発生するので
現実に炭素の直接還元のみにより脱酸する場合のC/O
モル比についても理論的な値である1.0より大きくせ
ねばならず、本発明者等が平均真空度0.05Torr
において種種の実験を行った結果、現実の粉末充填層に
おけるC/Oモル比の上限を20とする必要があること
がわかった。
つまり,C/Oモル比が2.0を超えると、製品鉄系粉
末中の残留炭素量が増加し、所望の含有炭素量が0.3
0重量係未満の低炭素鉄系粉末が得られないためである
したがって、加熱中の平均真空度が1 0 0 Tor
r以下の範囲内において炭素による直接還元および間接
還元を同時に進行させるためには、仕上還元処理すなわ
ち脱酸前の鉄系原料粉末のC/Oモル比を0.7〜2.
0の範囲内とする必要がある。
次に、脱酸前の原料粉の含有酸素量を4.0重量係以下
に限定する理由ζこついて詳記する。
実際には、含有酸素量が4.0重量係を超えても、脱酸
および脱炭は可能であるが、本発明法の目的は鉄系原料
粉の二次還元とも言うべき仕上還元にあり、所定の低酸
素と低炭素の鉄系粉末を安価にしかも犬量に製造すると
ころにあること、および含有酸素量が4.0重量係を超
えると炭素のロス分をも含めて添加すべき炭素量が多く
なり、還元時間を長く要するほか製品粉末に残留する酸
素および炭素量が一定とならず、粉末治金用の鉄系粉末
に要求される残留酸素量および炭素量を所定量に容易に
制御するのが困難になり、従って、事前に設定した還元
条件から脱炭率および脱酸率を想定するのが困難になる
こと、などの理由により、含有酸素量を4.0重量係以
下に制限するのである。
ここで、鉄系原料粉に含有する酸素とは、この粉末粒子
表面の酸化物、水酸化物の皮膜のほかに鉄系粉末粒子内
に介在する酸化物および合金金属の酸化物、水酸化物と
なっているものをすべて指す。
また、酸化鉄や水酸化鉄の形態もFeO ,Fe3O
4,Fe2O3,Fe(OH)2,Fe(OH)3など
その如何を問わず、これと他の合金金属の酸化物、水酸
化物と複合した化合物や混合物もここでの含有酸素量の
範ちゅうに入る。
もちろん、酸洗により酸化被膜が一部除去された鉄系原
料粉にも本発明は適用される。
一方,鉄系原料粉に含有する炭素とはこの形態が如何な
るものであっても差支えない。
つまり、黒鉛粉の如き粉体状のものを混合してもよく、
油の如き液体を添加してもよく、また、炭化水素、炭化
物等の炭素源となるものであってもよい。
たとえば、噴霧法で製造される粉末にあっては予め炭素
を噴霧前の溶湯中に合金化しておいて粉末化せしめたと
きの合金化炭素およびコークス等による鉄酸化物の粗還
元によって製造された海綿鉄に浸炭した炭素等などでも
よい。
要するに本発明法では混合法又は母合金法もしくはこの
両方法により含有せしめられた合計の炭素量と前記含有
酸素量とのモル比すなわちC/Oモル比が0.7〜2.
0の範囲内にあればよいのである。
次に、加熱保持温度(還元保持温度)については750
〜1400°Cの範囲が適切である。
すなわち、上限温度が1400゜Cを越えると、とくに
添加炭素量が多い場合には液相が発生し、脱酸後のケー
キの粉砕が困難となる。
特に、黒鉛粉等を混粉した場合には炭素の混合がマクロ
的に均一になされても、ミクロ的には均一とならず、炭
素の偏折が多い部分から液相が発生し、液相焼結が進み
、後工程の粉砕が非常に困難となる。
また、750℃未満の温度では所望の脱酸率および脱炭
率を得るには長時間加熱が必要となり、生産能力が非常
に低下する。
また、予備加熱として酸素含有量が4.0重量係以下か
つC/Oモル比が0.7〜2.0の範囲内にある鉄系原
料粉末を、還元保持温度の8割までの温度の間は排気系
を閉じて大気圧もしくは1気圧の中性または還元性雰囲
気中で昇温し、その後直ちに仕上温度において平均真空
度が100Torr以下の範囲内になるようにして所定
の仕上還元条件下で還元しても所望の目的である低酸素
かつ低炭素の粉末製品が得られる。
この理由として、還元保持温度の8割を越える温度域か
ら残りの保持温度までの温度の区域は脱酸及び脱炭速度
が大きいので予備加熱の影響が打消されるからである。
それ故に、加熱開始を平均真空度が1 0 0 Tor
r以下の範囲内となるまで待つ必要はなく、原料粉の装
入が完了した後、直ちに真空排気と昇温とを同時に開始
することが可能となり、仕上還元工程に費やされる時間
が短縮される長所がある。
還元温度750〜1400°Cの範囲に保持する時間は
、粉末中の酸素量に応じて任意に設定すればよいが、保
持時間が従来法に比べて短いにも拘らず所望の脱酸が行
われる。
なぜならば、従来の還元法はH2,CO等のガス還元で
行っているのに対し、本発明法によればCOガスの間接
還元すなわちガス還元も伴うが、炭素による直接還元も
起るのである。
また、加熱手段として、炭化珪素発熱体等による真空系
の外部から加熱する所謂電気炉加熱よりも、高周波誘導
加熱ζこよる昇温手段を採用すれば保持温度までの昇温
時間が短縮できる。
この場合自己発熱を伴うので表面酸化物を還元する場合
粒子内炭素の拡散を促進しさらに都合がよい。
要するに脱酸後のケーキの粉砕が困難とならない程度の
保持時間および所望の脱酸率および脱炭率が得られる程
度の時間があればよい。
そのためには、750℃程度の低温では比較的長時間、
1400℃程度の高温では短時間でよい。
この加熱保持時間について種々の試験を行った結果、4
時間以下とするが適当であることが判明した。
前記外部からの電気炉加熱による場合には昇温時間が長
いため、保持時間が4時間程度としても全体としての加
熱時間は比較的長くなる。
これに反し、高周波誘導加熱の場合には粉末そのものが
加熱されるので所定の温度までの昇温時間は非常に短く
できる。
加熱手段については750〜1400℃までの昇温が可
能となる方式であればよく、電気、ガス等からの熱エネ
ルギーにより外部から加熱してもよいし、前記した高周
波誘導加熱により鉄系原料粉末そのものを加熱してもま
ったく同様な結果が得られる。
鉄系原料粉に添加する炭素源としては、灰分や硫黄分等
の粉末治金用鉄系粉末に好ましくない成分が少ないこと
、およびその添加混合が炭素の偏析を極力おさえるため
ミクロ的にも均一となるものほど望ましい。
また、油等の炭化水素化合物を添加する場合には原料粉
末をまんべんなく濡らすものがよい。
本発明法により目的が達せられる鉄系原料粉末素材の種
類と合金成分の種類および添加量について記すと、まず
、本発明法に使用される鉄系粉末素材としては海綿鉄の
粉砕粉、切削等で発生した切粉の機械的粉砕粉、噴霧粉
、さらに脱酸を必要とする場合には市販鉄系粉末等も含
まれすべての鉄系粉末が対象となる。
要は、酸素含有量が4.0重量係以下かつC/Oモル比
が0.7〜2. 0 の範囲内にすればよい。
合金成分の種類については、種々の合金鋼粉を製造し、
脱酸、脱炭試験を行った結果、純鉄系粉末並びにCu,
Pb,Ni,Co,W,Moおよび難還元性酸化物を構
成するNb,B,Cr,V,Mn,Siの1種類または
2種類以上の合金元素を含む鉄合金系粉末が本発明によ
り処理されうる。
さらに、これら金属酸化物の還元の難易度の順序は熱力
学から推定されるものと一致する。
これらの中でも、最も難還元性のSi02が一部還元さ
れることから、本発明法により還元可能な金属酸化物の
種類はSi02を含め、Si02より還元されやすいす
べての金属酸化物およびこれらの金属の複合酸化物に有
効である。
これら合金元素の添加量は低合金および高合金鋼粉、フ
エロアロイ粉等に及んでおり非常に広範囲の鉄系金属粉
末を対象とすることが出来る。
前記の諸条件を満たす本発明法によると、Si02を含
む低合金および高合金鋼粉の脱酸率および脱炭率は共に
64.0〜99.4%の範囲内となり、含有酸素量が4
.0重量%,含有炭素量が6.0重量%(C/Oモル比
が2.0)と最高の水準にある場合にも鉄系粉末として
市販されている製品の含有酸素量および炭素量の上限値
未満となる。
従って、本発明法は粉末冶金用鉄系粉末の仕上還元に適
した方法であるといえる。
以下、実施例により本発明法が如何に有効かを具体的に
説明する。
まず、第1表は仕上還元に使用した鉄系粉末素材(原料
粉)の化学組成と非金属介在物量などを示すものであり
、第2表はこれら粉末素材の本発明法および従来法によ
る仕上還元条件を示すものである。
第3表は本発明法を実施した場合および従来法lこよっ
て仕上還元して得られた鉄系粉末に残留する炭素量(以
下C量と略す)、酸素量(以下O量と略す)、非金属介
在物量および脱炭率、脱酸率を示すものである。
第1表において素材Aは鋼板の圧延で発生するリムド鋼
ミルスケールを原料として製造した市販還元鉄粉であり
素材Bはキルド鋼ミルスケールを原料としてコークスで
粗還元して得られた海綿鉄を粉砕し、粒度を100メッ
シュ以下としたものである。
Bは合金成分としてSi,Mnを比較的多く含むので、
非金属介在物の分析は行わなかったがSi,Mnの酸化
物を多く含んでいると推定される。
素材Cは鋼板の塩酸酸洗での廃酸を噴霧焙焼して製造さ
れた副生へマタイトを原料とし、Bと同様に粗還元した
粒度100メッシュ以下の粗還元粉である。
これらのうち、A,Bでは黒鉛粉を混合してC/Oモル
比をそれぞれ0.76,1.62とした、、Cでは菜種
油を添加してC/Oモル比を0.94とした。
素材Dは水噴霧純鉄系原料粉末であり、素材Eは合金成
分としてMnO.39,Ni2.09,Mo0.50各
重量%を含む水噴霧低合金鋼原料粉である。
素材Fは同様に水噴霧原料粉末であり、合金成分として
MnO.23,NiO、51,Cr0.54,Mo0.
53各重量係を含有する低合金鋼原料粉である。
素材Gも水噴霧粉であり、合金成分としてMnO.73
,Cr1.08,Mo0.33各重量%を含み、かつ非
金属介在物としてS1020.186,Mn00.33
7,Cr2030.0503,Fe06.24各重量%
を含む低合金鋼原料粉である。
これらのうちD.E.Fでは黒鉛粉を混合してC/Oモ
ル比をすべて1.00とし、Gでは同様にして1.50
とした。
素材H,Iは水噴霧のままの状態であり、混合法により
黒鉛粉を添加せず、水噴霧直前の溶湯中に炭素を約1.
0重量%合金化せしめ水噴霧したものすなわち母合金法
により予め炭素を固溶せしめた低合金鋼原料粉である。
H.I粉末の特徴は合金成分としてMnを約1.3重量
%と多く、このほかCrを約0.5重量%、Moを約0
.5重量%とし、■においてはさらにNiを約0.5重
量%含有するところにある。
これらの粉末ではMnO,FeOの非金属介在物量が比
較的多くなっている。
これら粉末のC/Oモル比はほぼ1.5程度である。
素材Jは■にSiを多く添加した粉末に相当するもので
あり、母合金法による炭素量は0.228重量%であり
、これに菜種油を0.8重量%添加してC/Oモル比を
0.82とした低合金鋼原料粉である。
素材KはSiのみを合金成分とした水噴霧低合金鋼原料
粉であり、H,Iと同様に水噴霧のままのものであり、
C/Oモル比は1.66である。
素材Lは溶湯中の炭素量を多くして噴霧した高速度鋼S
KH−9相当の水噴霧のままの高合金鋼原料粉であり、
合金成分としてSi,Mn,Cr,MoのほかにW,■
を含み、このC/Oモル比は1.64である。
このようにC/Oモル比はすべて0.7〜2.0の範囲
内におさまるようにした。
以上のA−Lの素材に第2表に示す条件の仕上還元処理
を施すのであるが以下これらの条件について簡単に説明
を加える。
まず、素材B,G,H,I,J,KおよびLを高周波に
より直接加熱する場合には、それぞれ約230gを取り
出し、内径30mmφの石英管に充填する。
このときの充填高さは約100mmであった。
この充填層管を真空系内に装入し、油回転ポンプで減圧
する。
その後、周波数380KHz、出力5KWの高周波発生
装置で徐々に誘導加熱する。
ただし、素材Hの一部については後述する如く減圧開始
と加熱開始の順序を逆とした。
高周波誘導加熱の場合には、所定の還元温度までの昇温
時間はすべて40分以内とした。
また、昇温を含めた加熱中に所定の平均真空度を得るに
は油回転ポンプの排気量をコックにより調整した。
次に、素材A,C,D,EおよびFを電気炉により外部
から加熱する場合にはそれぞれ約230gの粉末を取り
、巾50mm、高さ20mm、長さ200mmの石英製
角形ボートに自由落下により充填し、これらを耐火物の
炉芯管に装入し、油回転ポンプおよび油拡散ポンプの2
段の排気装置で減圧する。
その後、炭化珪素発熱体の出力20KWの電気炉で炉芯
管の外部から加熱する。
所定の還元温度までの昇温時間はすべてほぼ3時間とし
た。
また、所定の平均真空度を得るには高周波加熱の場合と
まったく同様にコックにより排気量を訓療した。
これら高周波および電気炉による加熱後の冷却において
は、所定の還元保持時間に達した後、加熱用の電源を切
り、100℃になるまで所定の平均真空度に保ちながら
炉冷した。
従来法の水素ガスによる仕上還元においてはA−L素材
を前記石英ボートにそれぞれ約230gを自由落下によ
り充填し、これらをステンレス炉芯管に装入し、市販ボ
ンベの水素ガスを純化装置により高純度かつ低露点(D
.P.−50℃)として用い、その流量を2l/min
と比較的大きくした。
この場合にも前記と同様に炭化珪素発熱体電気炉により
外部から加熱した。
所定の還元温度までの昇温時間はほぼ3時間とした。
冷却は炉冷とし、100℃以下になるまで還元状態のま
まとし、D.P.の低い水素ガスを流し続けた。
このときの還元温度、還元時間および加熱雰囲気等の還
元条件は第2表に示すとおりである。
このような3種類の方法により仕上還元して得られた半
焼結した粉末ケーキをハンマーミルで粉砕し、炭素、酸
素および非金属介在物の分析を行った。
素材A−Lの本発明法および従来法の仕上還元によって
製造された後の結果を示す第3表の粉末性状につき、第
2表を参照しながら具体的(こ説明する。
第2表で実施例1と2は素材Aの仕上還元例であるが、
A−1は本発明法によったもの、A−2は従来法の水素
還元によったものである。
A−1は素材Aを8〜10Torrの平均真空度下で電
気炉により加熱し、1100℃×2hrの還元条件で脱
酸したものである。
A−1で得られた粉末のCおよびO量は第3表に示す如
くそれぞれ0.040,0.095各重量%であった。
また、脱炭率および脱酸率はそれぞれ93.3%,64
.0%であった。
1方、従来法のA−2ではCおよびO量はそれぞれ0.
065,0.102各重量%でA−1のものに比べて多
かった。
従来法では用いた水素ガスが高純度かつそのD.P.が
−50゜Cと低いため、還元に5時間かけても脱炭は不
充分で高々53%の脱炭率であった。
しかし脱酸率はD.P.が低いため脱酸はA−1のもの
ほど進行しないが比較的高くなり、61.4%となった
なお、従来法で1100℃を超える温度を使用しなかっ
た理由は、純鉄粉系ではこのような高温を用いると、粉
末粒子間の焼結が進み後工程のケーキの粉砕が困難とな
るためである。
さて前述A−1の如く、本発明法の適用により低酸素か
つ低炭素粉末を得ることができるが、この理由は混粉し
た黒鉛が脱酸剤として作用したからである。
これを確かめるために、素材Aから黒鉛粉を除いたもの
をA−1とまったく同様に8〜10Torrの平均真空
度で加熱したところ、得られた粉末のO量は0.30重
量%で、加熱前のO量よりも多くなった。
このように炭素をほとんど含有しない粉末素材では、単
に真空中で加熱しても脱酸することはできなかった。
また、A−1の脱酸率がA−2のものより大きい理由は
、加熱中の平均真空度を8〜10Torrに保ち炭素の
直接還元および間接還元により脱酸したからである。
だが、A−2のものでは還元は水素によるから混合した
炭素はA−1に比べて消費される量が少なかったためで
ある。
実施例3と4は粗還元粉Bを仕上還元した場合であって
、B−1は本発明法、B−2は従来の水素還元法を適用
したものである。
素材Aに比べてBのO量およびC量は多く、C/Oモル
比は1.62とAより大きい。
B−1では電気炉により外部から加熱し、加熱中の平均
真空度を0.05Torrとし、仕上還元条件は130
0℃×15mmとした。
B−2ではD.P.−50℃の水素雰囲気で従来法によ
り1100°C×3hrの条件で還元した。
この結果、粉末のCおよびO量はB−1でそれぞれ0.
202,0.114各重量%、B−2でそれぞれ2.1
3,0.195各重量%となり、本発明法での脱炭率お
よび脱酸率が共に従来法に比べて大きくなる。
B−1のように高温で加熱したものでも、保持時間が短
いので粉末粒子間の焼結はそれほど進行せず、比較的簡
単に粉砕できた。
実施例5と6は素材Bと同様粗還元粉末の仕上還元例で
ある。
素材Cは粗還元後の海綿鉄のC量が0.21重量%、O
量が1.72重量%の粉末に菜種油を2重量%添加混合
し、C/Oモル比を0.94としたものである。
C−1は電気炉により外部から加熱し、加熱中の平均真
空度を8〜10Torrに保ち、1100℃×1hrの
仕上還元を行った本発明法のものである。
C−2は従来法Cこ属する水素還元(D.P.−50℃
)の例である。
C−2の仕上還元条件は1100℃×3hrとした。
C−1粉末のCおよびO量はそれぞれ0.012,0.
198各重量%、C−2粉末のそれらはそれぞれ0.3
43,0.370各重量%であった。
この例の如く、本発明法では還元剤として例えば油のよ
うな液状のものも使用でき、固体および気体の還元剤と
併せて使用可能であり、要するに炭素源となる物質が添
加されればよく、この還元剤の種類は極めて多い。
実施例7と8は水噴霧した純鉄粉系原料粉D(黒鉛粉を
混合してC/Oモル比を1.00としたもの)の仕上還
元で、D−1は本発明法に属し、D−2は従来法によっ
たものである。
D−1は平均真空度8〜10Torr中(こおける例で
ある。
還元条件は電気炉加熱により1100’C×2hrとし
た。
D−2では水素(D.P.−50°G)を用い、110
0゜C×5hrの還元を行った。
還元後の粉末のCおよびO量は、D−1がそれぞれ0.
101,0.198各重量%であるのに対し、D−2で
はCおよび0量がそれぞれ0.969,0.390各重
量%で、これまで示した例と同様に、本発明法では脱炭
率および脱酸率がそれぞれ95.7%,93.7%とな
り優れていることが判る。
実施例9と10はNi添加量の多いMn−Ni−Mo系
低合金鋼原料粉Eに対する本発明法(E−1)と従来法
(E−2)の適用例である。
還元条件としてはE−1では平均真空度8〜10Tor
r中で電気炉により1100℃×2hrとし、これに対
してE−2では水素中(D.P.−50°G)、110
0゜C×5hrの長時間還元を行った。
その結果、E−1粉末のCおよびO量はそれぞれ0.0
10,0.085各重量%、E−2のこれらはそれぞれ
0.534,0.170各重量%の値が得られ、低合金
鋼粉の脱酸に対しても本発明法が優れでいることがわか
る。
この素材Eの場合にはMnの酸化物を除いては比較的還
元されやすいFe,Ni,Mo等の酸化物であると推定
されるため、本発明法および従来法では比較的低酸素粉
末が得られたのである。
しかし、脱炭に関しては本発明法が優れていることが明
らかである。
従来法により脱炭が進行しないとなれば炭素の混粉は不
要と考えられるが、水噴霧前の溶湯に適量の炭素を添加
すればFeC系状態図から明らかなように溶解温度が低
くなり、水噴霧原料粉の製造が比較的低温で行われ得る
という利点がある。
その結果、どうしてもC量の多い水噴霧原料粉末が得ら
れるから、C量の多いこれら粉末を脱炭および脱酸する
本発明法が有効となるのである。
次に、実施例11と12は水噴霧された粉末に黒鉛粉を
混合し、C/Oモル比が1.0となル粉末素材Fに対す
る本発明法(F−1)および従来法(F−2)の例であ
る。
素材Fは素材Eに合金成分としてCrを0.54重量%
添加しかつNiを0.51重量%としたMn−Ni−C
r−Mo系低合金鋼原料粉である。
還元条件としてはF−1では電気炉にて平均真空度0.
05Torr中で1100°C×2hrでありF−2で
は水素中(D.P.−50℃)で1100℃×3hrと
した。
仕上還元後の粉末F−1ではCおよびO量がそれぞれ0
.0320、196各重量%,F−2ではこれらの値が
それぞれ0.870,0.399各重量%となった。
素材Fの0量はA〜Lの12種類の素材の内でも最も多
く、3.56重量%となっていることおよび難還元性酸
化物を構成する合金成分としてCrが添加されているこ
となどにもかかわらず、杢発明法(F−1)のO量は従
来法(F−2)のものより少なくなった。
またFのC量が多いためにF−2では残留するC量は多
くなった。
実施例13から19までは水噴霧されたままの粉末に黒
鉛粉を混合し、C/Oモル比を1.50と比較的大きく
した場合の素材Gに対する適用例である。
GはMn−Cr−Mo系低合金鋼原料粉であるこの素材
には第1表に示す如く非金属介在物St02,MnO,
Cr203,FeOがそれぞれ0.186,0.337
,0.0503,6.24各重量%含むものである。
従来法G−7は電気炉により加熱し,還元条件は水素中
(D.P.−50℃)で1100℃×5hrとした。
本発明法G−1からG−6までは高周波誘導加熱により
、平均真空度8〜10Torr中で1300℃×15m
m還元したものである。
この内、G−1では昇温開始前から平均真空度を8〜1
0Torr}こ保ちながら加熱した場合の例であり、G
−2,G−3,.G−4,G−5ではそれぞれ400,
600,800.1000℃まで排気できるようセット
してあるが減圧にせず,排気コックを閉じ大気中1気圧
に保ち、それぞれこれらの温度に達した後、平均真空度
を前記の8〜10Torrに保ちながら、それぞれこれ
らの温度以上に昇温を続けそれぞれl300’C×15
mで加熱還元した例である。
G−6は(Ar+3%H2)をキャリャーガスとし少量
注入し、平均真空度が80〜100Torrになるよう
にして室温から1300℃まで昇温し、15分間保持し
て還元した例である。
本発明法G71からG−6までは残留CおよびO量がそ
れぞれ0.1重量%以下、0.06重量%以下となり、
脱炭および脱酸が進行している。
しかし、従来法G−7では残留CおよびO量は多くなっ
ている。
これらの例から昇温開始するときの真空度は必ずしも1
00Torr以下に保つ必要はなく、減圧が得られる状
態にセットできたら直ちに加熱を開始して還元温度の8
割に達するまでに排気し、所定の平均真空度に保てばよ
い。
従って、所定の平均真空度が得られるまで昇温を待つこ
ともなく、それだけ仕上還元時間が短縮されることにな
る。
ただしこの場合、1気圧下での加熱が可能となる温度は
仕上還元を行おうとする750〜1400℃の範囲の8
割以下の温度までである。
それ以上の温度まで1気圧下で加熱すると、この後のよ
り高温の還元でも所望の残留CおよびO量は得られなく
なる。
このように仕上還元温度の8割以下の温度まで1気圧下
に保っても所望の目的が達せられる理由は8割を超える
温度での還元能力が非常に大きいためによるものである
つぎに、G粉における還元前後の粉末中の非金属介在物
分析値の変化について見ると、素材GではSiO2,M
nO,Cr203,FeOがそれぞれ0.186,0.
337,0.0503,6.24各重量%のものが、本
発明法を実施すると第3表に示す如くG−1〜G−5で
はこれらの介在物量はそれぞれ0.0332,0.03
55,0.0009,0.0686各重量%以下となり
、本発明法は如何に還元能力が大きいかが分かるはずで
ある。
このように、本発明法では難還元性金属酸化物であるS
102,MnO,Cr203なども速かに還元されるこ
とが明らかとなった。
このように難還元性物質が還元可能となる理由は前記し
たように、炭素による直接還元が進行しているからであ
り、かっ残留O量が少ナくナることはCOガスによる還
元(すなわち間接還元)も含まれていることによる。
実施例20から27までは水噴霧したままの粉末でC/
Oモル比が1.46である低合金鋼素材Hについての例
である。
HはSi−Mn−Cr−Mo系鉄系原料粉末である。
この素材Hは第1表に示す如<Si02,MnO,Cr
203,FeO等の非金属介在物をそれぞれ0.038
2,0.298,0.0064,3.45各重量%含む
ものである。
H−1〜H−7は高周波により誘導加熱した例(H−1
〜H−4およびH−7は本発明法、H−5およびH−6
は従来法)であり、還元条件は1300℃×15min
(ただし、H−1のみ5mm)である。
H−8は水素(D.P.−50°℃)による従来法のも
のであり、この還元条件は1100℃×5hrである。
H−1〜H−7は加熱中の平均真空度の影響について調
べたものであり、H−1とH−2では8〜10Torr
,H−3,H−4,H−5,H−6,H一7では平均真
空度がそれぞれ0.05,30〜50,200〜300
,600〜700.80〜100Torrで仕上還元し
たものである。
ただし、H−7では中性ガス(Ar)をキャリャーガス
とした例である。
H−2の仕上還元時間は15分間であり、H−1のもの
は5分間であるため、H−2のように還元時間をより長
くすれば脱炭率および脱酸率が向上し、本発明法はより
有効となる。
また、本発明法による仕上還元後の粉末の非金属介在物
量は第3表に示す如く、還元前の素材Hのものより低下
していることがわかり、特に、MnO,FeOの還元が
著しい。
さらに、SiO2の還元もわずかではあるが認められ、
Si02の還元が可能となることについては素材℃およ
び後述する素材I,Jについて見ればより明らかとなる
だろう。
第1図は素材Hを本発明法および従来法により仕上還元
した場合の脱炭率、脱酸率、残留Cおよび残留O量と加
熱中の平均真空度との関%(1300’C×15mm保
持)を示すグラフである。
この図において脱炭率、脱酸率は平均真空度が数+To
rrを超える低真空度に保つと急激(こ低下することが
認められる。
また、残留C量が所望の0.30重量%未満となるとき
の平均真空度は100Torr以下の高真空度のときで
ある。
一方、素材Hに適用した本発明法および従来法での残留
O量は所望の値0.20重量%未満が得られた。
また、第2図は素材Hを本発明法により仕上げ還元した
場合のSiO2量、MnO量、FeO量と加熱中の平均
真空度との関%(1300℃×15min保持)を示す
グラフである。
従って,本発明法が有効に実施されるには100Tor
r以下の高真空度が必要になる。
実施例28から34までは水噴霧したままの粉末でC/
Oモル比が1.48である低合金鋼粉素材■についての
ものである。
■には素材Fと同様な種類の合金成分を有するが、Fに
比較して、Mn量がより多く含有する粉末であるMn−
Ni−Cr−Mo系低合金鋼原料粉である。
この素材にはSi02,MnO,Cr203,FeO等
の非金属介在物がそれぞれ0.0050,0.380,
0.0238,3.74各重量%含むものであり、I−
1からI−6までは本発明法に属するものであり、加熱
手段として高周波を用い、加熱中の平均真空度を8〜1
0Torrとしたときの例である。
これらの実施例は還元保持温度と還元保持時間とが異な
る例である。
I−1からI−4までは還元保持温度が1300℃で還
元保持時間がそれぞれ0,5,15.60minである
I−5,I−6はそれぞれ1250°C×5min,1
350℃×5minの仕上還元条件で行ったものである
従来法であるI−7においてはD.P.−50℃の水素
により1100°C×5hrの還元を行った例である。
これらの本発明法では残留CおよびO量がそれぞれ0.
075,0.130各重量%以下となり、従来法のそれ
ぞれ0.624,0.176各重量%よりともに低くな
る。
しかるに、当然本発明法では高い脱炭率および脱酸率が
得られる。
また、本発明法の粉末中のMnO,Cr203,FeO
等の非金属介在物においても素材■に比べて低い値とな
る。
さらに、Si02についても素材の0.0050重量%
から還元後には0.0039重量%以下となり、SiO
2の1還元が可能となることが判明した。
還元後の残留C,O量および非金属介在物量は高温度、
長時間の還元ほど低下し、本発明法が非常(こ有効であ
ることが認められる。
高周波加熱によると粉末そのものの発熱により昇温する
から炭化珪素発熱体等による外部からの加熱よりは短時
間で高温度が得られ、このような場合Cこは特に本発明
法が有利である。
高温では還元速度が大きくなるので60min以下の保
持時間でも十分に脱酸が進行する。
しかし、電気炉による加熱の場合には比較的低温還元と
なるため2〜5hrの還元時間が必要である。
これを超える長時間加熱では仕上還元ケーキの粉砕が困
難となり粉末を得る目的には合致しない。
実施例35と36は水噴霧したままの粉末に炭素源とし
て菜糧油を0.8重量%添加し、加熱前のC/Oモル比
を0.82とした素材Jの例である。
JはSi−■−Ni−Cr−Mo系低合金鋼原料粉であ
り、素材■に比べて、Si,Cr,Mo等の合金成分の
量を矛<含宥するものである。
J−1は高周波により1300℃×15minの仕上還
元を行った本発明法に属し,J−2は電気炉により水素
中(D.P.一50°C)で1100℃×5hrの仕上
還元を行った従来法のものである。
素材JにはSi02,MnO,Cr203,FeOの非
金属介在物が0.1680.194,0.0084,1
.96各重量%含有していたが、本発明法による仕上還
元後のJ−1ではそれぞれ0.125,0.030,0
.0004,0.0054各重量%となり、難還元性酸
化物Si02,MnO,Cr203,等9還元が可能と
なっている。
このときの残留CおよびO量も従来法のものよりも低い
値となり、本発明法の有効性が明らかとなった。
また,1.3Mn−0.5Ni−0.5Cr−0.5M
o系低合金鋼原料粉(素材H,I,Jに粕当するもの。
しかし、HにはNi成分がなく、JにはSiを0.38
重量%含んでいる)において、水素ガスによる仕上還元
ではH−8,1−7,J−2などの従±法から推定され
るように、1還元保持時間が5時間程一の従来法では残
留O量がせいぜい0.15重量%止りであることがわか
る。
しかし、本発明によるとI−4に示す如<0.055重
量%程度であり、このと今の残留C量も0.007重量
%となり、粉末に関する限りこれらの値は現在達成でき
る最低の値であり、他のとんな従来法でもこの類の実施
例は見られない。
実施例37と38はこれまでの例とは導って、Si含有
量の多い水噴霧したままの原料粉であり、母合金法によ
りC/0モル在を1.66とした訂どの素材Kは合金成
分としてSiのみ0.94重量%含むSi系低合金鋼原
料粉である。
K−1,K−2はそれぞれ本発明法、従来法により仕上
還元したものである。
K−1は加熱中の平均真空度を8〜10Torrとし、
高周波により×300℃×15min,K−2は水素中
(D.P.−50°C)で電気炉により1100℃×5
hr仕上還元したものである。
素材KにはSiO2が0.0908重量%存在していた
が、本発明法(K−1)によるとこの値が0.0201
重量%となり、また、残留CおよびO量はそれぞれ0.
076,0.045各重量%となり、本発明法の有効性
が著しい。
このことは、大変意義深く、Siを合金化した合金鋼原
料粉の脱酸が本発明法によりのみ可能となることが裏付
けられる。
実施例39と40は高合金鋼原料粉の脱酸例であり、高
速度鋼SKH−9に相当する水噴霧原料粉末(C/Oモ
ル比1.64)を本発明法(L−1)と従来法(L−2
)で仕上還在したものである。
L=1は、平均真空度0.05Torr中で高周波によ
り加熱し、1300℃×15minの還元を行った。
L−2は水素中(D.P.−50℃)で1100°C×
3hrの還元例で、これらの結果、粉末L−1のCおよ
びO量はそれぞれ0.271,0.105各重量%であ
ったのに対して、L−2の粉末ではそれそれ1.18,
0.347各重量%であり、高合金鋼粉の場合において
も本発明法が有効であることが分かった。
第4表は△C/△Oモル比(還元前後のCモル量の減量
(△C)と還元前後の0モル量の減量(△O)との.比
)と粉末素材のC/Oモル比との関%を示すものである
第3図は△C/△Oモル比と粉本素材のC/0モル比と
の関%を示すものである。
誠5表は加熱中の平均真空度とC02を生成する一元反
応形式の比率との関%を示すものである。
本発明法の還元機構が従来法のものと異ぴる点は第4表
に示す如く△C/△Oモル比と粉末素材のC/Oモル比
との関係にある。
すなわち、.これらの表からわかるように本発明法では
△C/△Oが常に1.0より大きくなることおよび△C
/△OとC/Oとの間には正の相関があることである。
これに対して、水素ガスによる従来法では△C/△Oが
常に1.0より小さくなることおよび△C/△OとC/
Oとの間には負の相関があることである。
けれども実施例(従来法)のH−5およびH−6におい
てはC/Oモル比が1.46と太きいにもかかわらず、
△C/△Oが1.08〜1.18となっていることはこ
の実施例が加熱中の平均真空度が200Torr以上の
低真空度下で行ったことを除いては本発明法と同様に還
元したからである。
△C/△Oが1.0を超えることは(1)および(2)
式の還元反応以外に炭素のロスが発生したことを意味す
る。
このロスとなる原因としては粉末に付着していたフリー
の炭素が減圧開始時にどうしても飛散することが考えら
れ、特に炭素粉を混合する場合にこの飛散が激しい。
また減圧雰囲気中でもこの雰囲気にはわずかではあるが
空気を含む場合があって、この酸素分と反応してロスす
ることがあり、特に排気速度の大きい真空ポンプで排気
する場合には少々の真空もれがあっても所望の圧力10
0Torr以下が得られるので、この種のロスが大きい
さらに粉末累材のC/Oモル比が大きくなると粉末に合
金化した炭素が加熱中に表面まで拡散し、粉末表面の酸
化物と反応せずフリーとなったカーボンの蒸発すなわち
減圧下であるからカーボン蒸着の現象によるロスがある
特に高周波加熱の場合には鉄系粉末粒子間にアークが飛
ぶのでこのロスが助長され、第4表に示す如く本発明法
の実施例では高周波加熱を行っているのでB−1,G−
1〜G−6,H−1〜H−4,H−7,I−1〜I−6
,K−1,L−1のように△C/△Oが1.0より大き
くなり1.12〜1.60の範囲内となり、炭素のロス
が大きくなる。
しかし、本発明法の実施例(、A−1,C−1,D−1
,E−1,F−1)の電気炉加熱では前記のアーク発生
は認められないので△C/△Oの値が1.0よりは大き
くなるが1.02〜1.10の範囲内となり、炭素のロ
スは少ない。
これに対し、水素ガスで還元する従来法の実施例(H−
5,H−6を除くすべての従来法の実施例)では△C/
△Oの値は0.44〜0.77の範囲内にある。
けれども、H−5,H−6では低真空度中の加熱であり
、本発明法ではないが高周波加熱を行ったために△C/
△Oは1.0より大きくなり、1.08〜1.18であ
る。
要するに減圧加熱では△C/△Oは1.0より大きくな
り、水素等のガス還元では1.0より小さくなることで
ある。
しかし、減圧加熱でも100Torrを超える低真空度
での還元は本発明法に含まれない。
この結果、すなわち△C/△Oと粉末素材のC/Oとの
関係を示したものが第3図である。
本発明法の減圧加熱ではC/Oモル比が大きくなると△
C/△Oは1.0を超え、ますます大きくなる。
減圧加熱でも100Torr以上の低真空加熱ではC/
Oモル比が大きくなっても第3図に示すH−5,H−6
の如く△C/△Oは高々1.18となり本発明法の傾向
からはずれる。
更に、粉末素材Hを例にとって加熱中の平均真空度が変
ると脱酸形式(還元形式)が如何に変化するかを説明す
る。
まず第5表に示すCO2を生成する還元形式の比率を求
める方法(こついて記す。
(1)式と(2)式とから(5)式が得られる。
(2)式,(5)式の反応が進行する比率をそれぞれm
,n%とすると、一般の還元反応では(2)式と(5)
式との混合で進行するから(6)式が成立する。
m+n−=100 (6) このときの還元操作で失われるCの変化量△Cモル数は
(7)式で表わされる。
(6)式を用いて(7)式から(8)式が得られる。
ここで,△Clとは粉末素材中の炭素分が還元反応に関
与しないでロスするモル量である。
(8)式からn値は(9)式のように表現される。
真空ポンプで、常時排気しながら素材Hを加熱する場合
には、真空度は0.01Torr以下の高真1.50と
なる。
ここで、素材HのC/Oモル比がは1.50程度となっ
た。
また、このような高真空度下では(1)式の反応は進行
せず、(2)式の直接還元のみにより還元が進行すると
考えられるからn=なる。
それ故に0.01Torr以上での低真空度でのn。
は(10)式により計算で求められる。ように表現でき
る。
従って、任意の平均真空度でこる比率npが求められ、
これらを第5表に示した。
この表によるとH−5,H−6の従来法では(5)式の
反応が進行する比率は50%以上となり、CO2ガスが
発生する間接還元が支配的となる。
このような場合には真空系内は(5)式の反応により生
成したCO2ガスで満たされることになり、CO2分圧
が高くなるので還元は進行しずらくなる。
また水素ガスによる従来法での還元のn 値が168%
となっているがこの還元の本質は水素が△Cに比べ大き
くなり、脱炭は起こりにくいことを示唆するものである
それ故、このときのnpは見掛上の値であって100%
を超えるのである。
要するに本発明法が従来法と異なる点は昇温および降温
中も含めて加熱中の真空度を100Torr以下の範囲
内めある一定の値に常に保つため、(2)式による炭素
の直接還元と(5)式によるCO2が発生する還元が適
度に進行し、(5)式による還元反応が50%を超えな
いことにある。
すなわち、本発明法ではCOガスまたはH2ガスの平衡
に近い状態での還元が支配的でなく、ガス還元の伺倍も
還元能力のある炭素による非平衡状態での直接還元とC
OガスまたはキャリャーガスとしたH2ガスの還元が適
度に進行しているからである。
このことを別な面から見ると、(2)式および(5)式
が同時に進行する本発明去では高真空中での直接還元の
みのときよりも同一C量でより多くの酸素量が脱酸でき
ること、すなわち最終的に同一O量の粉末を得るのに添
加C量(母合金法、混合法など総ての方法を含む)を少
なくできるということ、及び本発明法では炭素の直接還
元反応が伴っているので100Torrを超える低真空
度中での仕上還元および1気圧のCOまたはH2ガス中
での還元の従来法に比べてCr,V,Mn,Si等から
成る難還元性金属酸化物が還元できることなどの特徴が
ある。
これが本発明法が従来法に比較して優れる点である。
以上、本発明法の適用範囲は純鉄粉、低合金鋼粉、高合
金鋼粉、フエロアロイ粉なと非常に広範囲の鉄系金属粉
末の仕上還元に及ぶもので、低酸素、低炭素鉄系粉末を
得ることが出来る。
さて、このような実施例から本発明法が鉄系粉末素材(
原料粉)の仕上還元方法として如何に有力かつ有効な方
法であるかが理解されるであろうが、これはひとえに鉄
系粉末素材を脱酸力の非常に強い炭素による直接還元と
COガスによる間接還元とが適度に重なって起こる相乗
作用によるものである。
このように本発明法により粉末治金用の低酸素、低炭素
鉄系粉末の製造が可能となった。
従来技術ではこの目的が達せられなかったため、Cr,
Mn,Si等を合金化した焼入性およびその他の機械的
特性の優れる粉末治金用、特に焼結鍛造用鉄系粉末の製
造が不可能とされていた。
仮に製造されても含有酸素量が0.20重量%以上とな
り、所望の目的は達成できなかった。
しかし露点の非常に低い還元性雰囲気中での還元では0
.20重量%未満の含有酸素量となるが、工業的にこの
種の還元性雰囲気を得ることは極めて困難であった。
従って従来はMnを0.3重量%未満を含む純鉄粉及び
Ni,Moの合金成分を主体とする低合金鋼粉のみが製
造販売されていたと申しても過言ではない。
だが、このうち、Ni,Moを含む鉄系粉末は高価であ
るばかりでなく、これら合金成分を主体とする低合金鋼
粉からの焼結部品は前記機械的特性にそれほど優れるも
のではない。
そこで、本発明法が実施されるとNi,Moを主体とす
る低合金鋼粉に代り、Cr,Mn,Si等を合金化した
比較的安価でかつ特性の優れる粉末治金用、特に焼結鍛
造用低合金鋼粉を製造され得る。
また、本発明法は低合金鋼粉ばかりでなく、0.3重量
%程度のMnを含む純鉄声の仕上還元にも応用でき、脱
酸かつ脱炭が迅速に進行することおよびH2,CO等の
還元ガスを必ずしも必要としないことなどの理由のため
コスト的にも安価であるから実用化した場合には利点が
多い。
さらに、実施例にも示した如く、高合金鋼粉の仕上還元
にも適用でき、本発明の用途は実に広範囲となる。
特に高周波誘導加熱による方法を採用する場合には高温
、短時間の処理で難還元性酸化物が脱酸され、かつ粉末
の炭素量は低減できるから、いかなる鉄系粉末の仕上還
元にも適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一例における脱炭率、脱酸率、残留C
量および残留O量と加熱中の平均真空度との関係を示す
グラフ、第2図は同じくSiO2量、MnO、,FeO
量と加熱中の平均真空度との関係を示すグラフ、第3図
は同じく△C/△Oモル比と粉末素材のC/Oモル比と
の関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 純鉄系粉末あるいは鉄合金元素の酸化物を含む鉄合
    金系粉末の鉄系原料粉に、あらかじめ炭素を合金化させ
    るかまたは液体状もしくは粉末状の炭素源を添加混合す
    るかして、これら原料粉の含有酸素量を4.0重量係以
    下かつこの原料粉のC/Oモル比を0.7〜2.0の範
    囲内とし、これら原料粉を平均圧力が100Torr以
    下の真空度下でかつ仕上還元温度750〜1400℃の
    範囲内で加熱することにより脱炭と同時に脱酸を行い、
    含有酸素量が0.20重量%未満でかつ含有炭素量が0
    .30重量%未満の鉄系粉末を得ることを特徴とする低
    酸素、低炭素鉄系粉末の製造方法。
JP51016525A 1976-02-19 1976-02-19 低酸素、低炭素鉄系粉末の製造方法 Expired JPS589801B2 (ja)

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