JPS6131179B2 - - Google Patents
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- JPS6131179B2 JPS6131179B2 JP55100876A JP10087680A JPS6131179B2 JP S6131179 B2 JPS6131179 B2 JP S6131179B2 JP 55100876 A JP55100876 A JP 55100876A JP 10087680 A JP10087680 A JP 10087680A JP S6131179 B2 JPS6131179 B2 JP S6131179B2
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Description
この発明はニツケル基超合金の熱処理方法に係
り、例えばジエツトエンジンタービンデイスク
や、原子炉内に使用される材料に適したニツケル
基超合金の処理方法に関する。 ニツケル基超合金のうち主に合金元素である
Ti(チタン),Nb(ニオブ),Al(アルミニウ
ム)とのNi(ニツケル)の金属間化合物〔Ti,
Nb,Al)3Ni:以下γ′と称す〕で強化されたニツ
ケル基超合金(以下Ni基合金と称す)として例
えばインコネル750(インコ社商品名)がある。
これは重量%にてCrが14〜17%、Feが5〜9
%、Tiが2.25〜2.75%、Alが0.4〜1.0%、Nbが
0.7〜1.2%、Cが0.08%以下、Mn,Coが1%以
下、Si,Cuが0.5%以下、Niおよび不可避的不純
物からなつている。このNi基合金は優れた耐食
性と高強度を合わせ持つており、従来ガスタービ
ン材料として使用されてきた。一方、近年になつ
て原子炉内材料としての用途も広まつて来てい
る。このNi基合金は種々の熱処理を施すことに
よつて、目的の強度を得ているが、現在行なわれ
ている熱処理は500℃以上の高温での耐酸化性お
よび耐クリープ特性を向上させることを目的とし
ており、原子炉炉用材料として使用するためには
最適な熱処理とはなつていない。なぜならば、原
子炉での使用環境は300〜500℃程度の高圧水ある
いは高圧蒸気中であり、本質的にガスタービン環
境とは異なつており、腐食の形態が異なるので、
現行の熱処理を行なつたのでは、Ni基合金の優
れた耐食性を発揮出来るとはいえない。 以下従来のNi基合金における水中腐食につい
て熱処理を施した場合を例にして説明する。第1
図はNi基合金の従来熱処理例による金属組織の
変化を模式的に示したものである。第1工程は、
溶体化熱処理Aであり、980〜1150℃で15分から
4時間保持するものであるが、第1図の場合には
1150℃で4時間保持し、その後Bのように水中で
急冷したものである。この第1工程の溶体化熱処
理Aにより組織は析出物の全く無いものとなり、
合金元素は母相であるNi中に完全に固溶してい
る。図中1は結晶粒、2は結晶粒界を示してい
る。第2工程は時効熱処理Cであり、704℃近傍
で約20時間程度行い、その後Dのように空気中で
冷却する。前記効熱処理Cによつて結晶粒界2上
にCr炭化物3が析出し、さらに結晶粒1内に
γ′相4が分散して析出する。この時結晶粒界2
以外には析出物のない領域(Precipitate Free
Zoneを以下P.F.Z.と略称する)5が同時に形成さ
れる。 以上のように処理を施したNi基合金に対し、
JISG0572に規定される腐食試験を行なつた後の
金属組織表面の模式図を第2図a,bに示してい
る。第2図aの17は粒界腐食部を示すもので、
これは第2図b(第2図aのA―A線に沿う断面
図)に示されるように、前記のように処理した
Ni基合金にあつては、腐食試験により図の様な
形状の結晶粒界2に沿つて優先的な腐食を起す傾
向にある。この様な腐食部17は外部応力存在下
では容易に粒界き裂に発展する恐れがあり、ひい
てはNi基合金を用いた部材の信頼性を著しく下
げることになる。 ここで上記熱処理合金が、結晶粒界2に沿つて
腐食を起こした理由についてさらに説明をする。 (イ) Cr欠乏説:Crは合金の耐性を高める為に含
まれているもので、14%未満ではその効果が不
充分なものとなる。前記の処理例においては第
1工程の溶体化熱処理時Cr濃度は第3図aの
ようになるが、第2工程の時効熱処理時に結晶
粒界2にCr炭化物3が出来る為、第3図bに
示すように粒界近傍のCr濃度が結晶粒界2に
近い程少なくなつてしまう。よつて結晶粒界2
近傍における耐食性が損なわれ粒界腐食を起
す。 (ロ) P.F.Z.の影響:γ′相4が析出している結晶
粒中心部と析出物のないP.F.Z.5では合金組成
に差が生じる為に電解波中に晒された場合P.F.
Z.5と結晶粒内部とで局部電池が形成され、結
晶粒界近傍が電気化学的に優先的な腐食を起
す。 (ハ) その他種々の理由が考えられるが、いずれの
場合も、結晶粒界析出物、P.F.Z.5、合金元素
濃度の不均一等金属組織内の不均一性に起因す
るものと考えられる。 この発明はこのような事情にかんがみてなされ
たもので、Ni基合金における腐食に基づく欠点
を無くし、信頼性の高い材料となる熱処理方法を
提供することを目的とする。 以下この発明の実施例について図面を参照して
説明するが、はじめに第4図および第5図を参照
して第一の実施例について説明する。第4図の下
半部は処理工程例を示すとともに上半部は処理に
伴なう組織変化例を模式的に示している。第4図
から明らかなように熱処理は次の第1〜第4工程
からなつている。 第1工程(溶体化熱処理)E:通常行なわれて
いるのと同様に1150℃で4時間保持し、その後、
水中又は空中で室温に急冷する。 第2工程(塑性加工)F:第1工程で室温に冷
却したNi基超合金を室温から500℃程の間での圧
延、鍛造等の塑性加工。 第3工程(第一段目時効処理)G:Cr炭化物
が析出される温度700〜850℃、4〜30時間時効処
理を行う。ここでは830℃で10時間行つた場合で
ある。 第4工程(第二段目時効処理)H:γ′が結晶
粒内に析出される温度600〜704℃で2〜100時間
時効硬化を行う。ここでは704℃で16時間行つた
場合である。 以下このような各工程の作用について説明す
る。 第1工程の溶体化熱処理Eは通常行なわれてい
る溶体化熱処理と同じで、結晶粒1内の析出物等
をNi母相中に固溶化することを目的しており、
熱処理後水中あるいは空気中急冷を行なうことに
よつて、Ni基合金は過飽和固溶体の状態とな
る。なお1は結晶粒、2は結晶粒界を示してい
る。 続いて、第2工程の塑性加工によつて結晶粒1
は塑性加工方向aに伸ばされた形状となり、かつ
結晶粒1内には塑性加工により導入された転位8
が網状組織となつて存在する。次に第3工程の第
一段目時効処理Gを行なう。この第一段目時効処
理の目的はCr炭化物3を優先析出させ、充分に
成長させることによつて第3図cのように炭化物
近傍のCr濃度の落ち込みを緩和することにあ
る。この時Cr炭化物3は従来例の様に結晶粒界
2上への析出だけでなく第2工程の塑性加工によ
り導入された転位8線上にも優先析出する。よつ
て結晶粒界2上の炭化物は従来の処理方法により
析出した炭化物よりも微細であるため、結晶粒界
2近傍でのCr欠乏はさらに緩和されることにな
る。この状態では強度が充分では無いので、次に
第4工程の第二段目時効処理Hを行なう。この第
二段目時効処理により、結晶粒1内にはγ′相4
が微細に分散する。この時、従来の処理方法では
結晶粒界2近傍に、P.F.Z.(第1図の5)が形成
されたが、この場合の時効処理ではγ′相4が転
位8の影響で、結晶粒界2近傍にも均一に析出す
るため、P.F.Z.の形成は起らない。 以上述べたように、この発明の第1の実施例に
よつて得られた合金組織は、微細な粒界上Cr炭
化物3は存在するが、Cr欠乏層おびP.F.Z.の形
成が無く、耐食性に対して極めて優れた性質を示
す。さらに結晶粒1内に分散したCr炭化物3が
転位8の運動に対して大きな障害として働くた
め、疲労強さが上昇し、機械的強度も優れたもの
となる。このことは第5図の実験結果からも明ら
かであり、横軸には破断までの繰り返し数、縦軸
には応力振幅を示し、曲線eは従来の処理方法に
よるNi基超合金であり、曲線fはこの発明方法
によるNi基超合金である。又、この発明の処理
方法と従来の処理方法によつて得られるNi基超
合金の性質を比較すると第1表のようになる。な
お、粒界腐食深さ(後述する第2表も同じ)は、
粒界の耐食性を試験する簡便な方法である
JISG0572で用いて従来の方法によるニツケル基
合金と本発明方法によるニツケル基合金を較した
例である。
り、例えばジエツトエンジンタービンデイスク
や、原子炉内に使用される材料に適したニツケル
基超合金の処理方法に関する。 ニツケル基超合金のうち主に合金元素である
Ti(チタン),Nb(ニオブ),Al(アルミニウ
ム)とのNi(ニツケル)の金属間化合物〔Ti,
Nb,Al)3Ni:以下γ′と称す〕で強化されたニツ
ケル基超合金(以下Ni基合金と称す)として例
えばインコネル750(インコ社商品名)がある。
これは重量%にてCrが14〜17%、Feが5〜9
%、Tiが2.25〜2.75%、Alが0.4〜1.0%、Nbが
0.7〜1.2%、Cが0.08%以下、Mn,Coが1%以
下、Si,Cuが0.5%以下、Niおよび不可避的不純
物からなつている。このNi基合金は優れた耐食
性と高強度を合わせ持つており、従来ガスタービ
ン材料として使用されてきた。一方、近年になつ
て原子炉内材料としての用途も広まつて来てい
る。このNi基合金は種々の熱処理を施すことに
よつて、目的の強度を得ているが、現在行なわれ
ている熱処理は500℃以上の高温での耐酸化性お
よび耐クリープ特性を向上させることを目的とし
ており、原子炉炉用材料として使用するためには
最適な熱処理とはなつていない。なぜならば、原
子炉での使用環境は300〜500℃程度の高圧水ある
いは高圧蒸気中であり、本質的にガスタービン環
境とは異なつており、腐食の形態が異なるので、
現行の熱処理を行なつたのでは、Ni基合金の優
れた耐食性を発揮出来るとはいえない。 以下従来のNi基合金における水中腐食につい
て熱処理を施した場合を例にして説明する。第1
図はNi基合金の従来熱処理例による金属組織の
変化を模式的に示したものである。第1工程は、
溶体化熱処理Aであり、980〜1150℃で15分から
4時間保持するものであるが、第1図の場合には
1150℃で4時間保持し、その後Bのように水中で
急冷したものである。この第1工程の溶体化熱処
理Aにより組織は析出物の全く無いものとなり、
合金元素は母相であるNi中に完全に固溶してい
る。図中1は結晶粒、2は結晶粒界を示してい
る。第2工程は時効熱処理Cであり、704℃近傍
で約20時間程度行い、その後Dのように空気中で
冷却する。前記効熱処理Cによつて結晶粒界2上
にCr炭化物3が析出し、さらに結晶粒1内に
γ′相4が分散して析出する。この時結晶粒界2
以外には析出物のない領域(Precipitate Free
Zoneを以下P.F.Z.と略称する)5が同時に形成さ
れる。 以上のように処理を施したNi基合金に対し、
JISG0572に規定される腐食試験を行なつた後の
金属組織表面の模式図を第2図a,bに示してい
る。第2図aの17は粒界腐食部を示すもので、
これは第2図b(第2図aのA―A線に沿う断面
図)に示されるように、前記のように処理した
Ni基合金にあつては、腐食試験により図の様な
形状の結晶粒界2に沿つて優先的な腐食を起す傾
向にある。この様な腐食部17は外部応力存在下
では容易に粒界き裂に発展する恐れがあり、ひい
てはNi基合金を用いた部材の信頼性を著しく下
げることになる。 ここで上記熱処理合金が、結晶粒界2に沿つて
腐食を起こした理由についてさらに説明をする。 (イ) Cr欠乏説:Crは合金の耐性を高める為に含
まれているもので、14%未満ではその効果が不
充分なものとなる。前記の処理例においては第
1工程の溶体化熱処理時Cr濃度は第3図aの
ようになるが、第2工程の時効熱処理時に結晶
粒界2にCr炭化物3が出来る為、第3図bに
示すように粒界近傍のCr濃度が結晶粒界2に
近い程少なくなつてしまう。よつて結晶粒界2
近傍における耐食性が損なわれ粒界腐食を起
す。 (ロ) P.F.Z.の影響:γ′相4が析出している結晶
粒中心部と析出物のないP.F.Z.5では合金組成
に差が生じる為に電解波中に晒された場合P.F.
Z.5と結晶粒内部とで局部電池が形成され、結
晶粒界近傍が電気化学的に優先的な腐食を起
す。 (ハ) その他種々の理由が考えられるが、いずれの
場合も、結晶粒界析出物、P.F.Z.5、合金元素
濃度の不均一等金属組織内の不均一性に起因す
るものと考えられる。 この発明はこのような事情にかんがみてなされ
たもので、Ni基合金における腐食に基づく欠点
を無くし、信頼性の高い材料となる熱処理方法を
提供することを目的とする。 以下この発明の実施例について図面を参照して
説明するが、はじめに第4図および第5図を参照
して第一の実施例について説明する。第4図の下
半部は処理工程例を示すとともに上半部は処理に
伴なう組織変化例を模式的に示している。第4図
から明らかなように熱処理は次の第1〜第4工程
からなつている。 第1工程(溶体化熱処理)E:通常行なわれて
いるのと同様に1150℃で4時間保持し、その後、
水中又は空中で室温に急冷する。 第2工程(塑性加工)F:第1工程で室温に冷
却したNi基超合金を室温から500℃程の間での圧
延、鍛造等の塑性加工。 第3工程(第一段目時効処理)G:Cr炭化物
が析出される温度700〜850℃、4〜30時間時効処
理を行う。ここでは830℃で10時間行つた場合で
ある。 第4工程(第二段目時効処理)H:γ′が結晶
粒内に析出される温度600〜704℃で2〜100時間
時効硬化を行う。ここでは704℃で16時間行つた
場合である。 以下このような各工程の作用について説明す
る。 第1工程の溶体化熱処理Eは通常行なわれてい
る溶体化熱処理と同じで、結晶粒1内の析出物等
をNi母相中に固溶化することを目的しており、
熱処理後水中あるいは空気中急冷を行なうことに
よつて、Ni基合金は過飽和固溶体の状態とな
る。なお1は結晶粒、2は結晶粒界を示してい
る。 続いて、第2工程の塑性加工によつて結晶粒1
は塑性加工方向aに伸ばされた形状となり、かつ
結晶粒1内には塑性加工により導入された転位8
が網状組織となつて存在する。次に第3工程の第
一段目時効処理Gを行なう。この第一段目時効処
理の目的はCr炭化物3を優先析出させ、充分に
成長させることによつて第3図cのように炭化物
近傍のCr濃度の落ち込みを緩和することにあ
る。この時Cr炭化物3は従来例の様に結晶粒界
2上への析出だけでなく第2工程の塑性加工によ
り導入された転位8線上にも優先析出する。よつ
て結晶粒界2上の炭化物は従来の処理方法により
析出した炭化物よりも微細であるため、結晶粒界
2近傍でのCr欠乏はさらに緩和されることにな
る。この状態では強度が充分では無いので、次に
第4工程の第二段目時効処理Hを行なう。この第
二段目時効処理により、結晶粒1内にはγ′相4
が微細に分散する。この時、従来の処理方法では
結晶粒界2近傍に、P.F.Z.(第1図の5)が形成
されたが、この場合の時効処理ではγ′相4が転
位8の影響で、結晶粒界2近傍にも均一に析出す
るため、P.F.Z.の形成は起らない。 以上述べたように、この発明の第1の実施例に
よつて得られた合金組織は、微細な粒界上Cr炭
化物3は存在するが、Cr欠乏層おびP.F.Z.の形
成が無く、耐食性に対して極めて優れた性質を示
す。さらに結晶粒1内に分散したCr炭化物3が
転位8の運動に対して大きな障害として働くた
め、疲労強さが上昇し、機械的強度も優れたもの
となる。このことは第5図の実験結果からも明ら
かであり、横軸には破断までの繰り返し数、縦軸
には応力振幅を示し、曲線eは従来の処理方法に
よるNi基超合金であり、曲線fはこの発明方法
によるNi基超合金である。又、この発明の処理
方法と従来の処理方法によつて得られるNi基超
合金の性質を比較すると第1表のようになる。な
お、粒界腐食深さ(後述する第2表も同じ)は、
粒界の耐食性を試験する簡便な方法である
JISG0572で用いて従来の方法によるニツケル基
合金と本発明方法によるニツケル基合金を較した
例である。
【表】
以上述べたこの第1の実施例による処理を施す
ことにより、Ni基合金の耐食性は向上し、機械
的特性も向上する。 次にこの発明の第2の実施例について第6図〜
第8図を参照して説明するが、第6図の下半部は
処理工程例を示すとともに、上半部は処理工程に
伴なう組織変化例を模式的に示している。まず第
1工程で通常行なわれていると同様に1150℃で4
時間の溶体化熱処理Mを行なうとともに例えば水
中においてmのように室温に急冷する。この急冷
ののち第2工程で室温から500℃程度で圧延ある
いは鍛造等の塑性加工Nを施す。次に第3工程O
でCr炭化物およびγ′相が析出される温度600〜
800℃(ここでは700℃)で例えば10時間第1段目
の時効処理Oを行ないnのように空中で室温に急
冷する。続いて、第4工程で再び室温から500℃
程度で圧延あるいは鍛造等の塑性加工Pを行な
う。さらに第5工程でCr炭化物およびγ′相が析
出される温度600〜800℃で(ここでは700℃)2
〜100時間例えば10時間第2段目の時効処理Qを
行いOのように空中で室温に急冷する。このよう
な塑性加工および時効処理を必要回数くり返して
目的とする機械的性質を得る。 以下このような各工程の作用について説明す
る。第1工程の溶体化処理Mによつて、金属組織
は完全固溶体となりこれを室温に急冷することに
よつてNi基合金は過飽和固溶体となる。そして
続く第2工程の塑性加工によつて結晶粒1は塑性
加工方向に伸ばされかつ結晶粒1中には結晶粒内
に分散転位8が導入される。結晶粒内に分散転位
8が導入されたことにより、次の第3工程の第1
段目の時効処理Oにおいて析出物が加速されさら
にCr炭化物3およびγ′相4が結晶粒界2のみな
らず転位8上に不均一析出(結晶粒内に分散)す
る。この時効時間は1〜10時間と一般の時効時間
よりも短かい。この段階での析出組織には加工の
影響によりP.F.Z.は形成されない。さらに塑性加
工Pを施した後、第4工程の第2段目の時効処理
Qを施すことにより、Cr炭化物3およびγ′相4
はさらに微細にまたより球状になり、時効時間を
調整することによつて目的とする機械的性質を得
ることができる。 上記のように処理した後の組織は第7図のよう
に塑性加工方向に伸ばされた結晶粒1内に大小の
γ′相4,14とCr炭化物3が析出しており、結
晶粒界2にもCr炭化物3が析出している。この
場合大小の析出物4,14が析出するのは2段の
時効処理を行つたからである。さらに結晶粒1内
には2段の塑性加工によつて導入された転位8も
残つている。この様な組織は機械的性質、特に疲
労に対して優れた特性を持つている。このことは
第8図の従来の処理方法とこの発明の処理方法に
よつて得られるNi基合金の疲労特性の比較から
も明らかであり、曲線sは従来の方法によつて得
られるNi基合金の疲労特性を示し、曲線rはこ
の発明方法によつて得られるNi基合金の疲労特
性を示している。またこの発明方法によつて得ら
れるNi基合金は従来の処理時に見られるようなP.
F.Z.やCr欠乏層の形成はないので、耐結晶粒界
腐食割れ性も向上している。さらにこの発明方法
の処理後のNi基合金の諸性質は第2表のように
従来の方法のものよりすぐれている。
ことにより、Ni基合金の耐食性は向上し、機械
的特性も向上する。 次にこの発明の第2の実施例について第6図〜
第8図を参照して説明するが、第6図の下半部は
処理工程例を示すとともに、上半部は処理工程に
伴なう組織変化例を模式的に示している。まず第
1工程で通常行なわれていると同様に1150℃で4
時間の溶体化熱処理Mを行なうとともに例えば水
中においてmのように室温に急冷する。この急冷
ののち第2工程で室温から500℃程度で圧延ある
いは鍛造等の塑性加工Nを施す。次に第3工程O
でCr炭化物およびγ′相が析出される温度600〜
800℃(ここでは700℃)で例えば10時間第1段目
の時効処理Oを行ないnのように空中で室温に急
冷する。続いて、第4工程で再び室温から500℃
程度で圧延あるいは鍛造等の塑性加工Pを行な
う。さらに第5工程でCr炭化物およびγ′相が析
出される温度600〜800℃で(ここでは700℃)2
〜100時間例えば10時間第2段目の時効処理Qを
行いOのように空中で室温に急冷する。このよう
な塑性加工および時効処理を必要回数くり返して
目的とする機械的性質を得る。 以下このような各工程の作用について説明す
る。第1工程の溶体化処理Mによつて、金属組織
は完全固溶体となりこれを室温に急冷することに
よつてNi基合金は過飽和固溶体となる。そして
続く第2工程の塑性加工によつて結晶粒1は塑性
加工方向に伸ばされかつ結晶粒1中には結晶粒内
に分散転位8が導入される。結晶粒内に分散転位
8が導入されたことにより、次の第3工程の第1
段目の時効処理Oにおいて析出物が加速されさら
にCr炭化物3およびγ′相4が結晶粒界2のみな
らず転位8上に不均一析出(結晶粒内に分散)す
る。この時効時間は1〜10時間と一般の時効時間
よりも短かい。この段階での析出組織には加工の
影響によりP.F.Z.は形成されない。さらに塑性加
工Pを施した後、第4工程の第2段目の時効処理
Qを施すことにより、Cr炭化物3およびγ′相4
はさらに微細にまたより球状になり、時効時間を
調整することによつて目的とする機械的性質を得
ることができる。 上記のように処理した後の組織は第7図のよう
に塑性加工方向に伸ばされた結晶粒1内に大小の
γ′相4,14とCr炭化物3が析出しており、結
晶粒界2にもCr炭化物3が析出している。この
場合大小の析出物4,14が析出するのは2段の
時効処理を行つたからである。さらに結晶粒1内
には2段の塑性加工によつて導入された転位8も
残つている。この様な組織は機械的性質、特に疲
労に対して優れた特性を持つている。このことは
第8図の従来の処理方法とこの発明の処理方法に
よつて得られるNi基合金の疲労特性の比較から
も明らかであり、曲線sは従来の方法によつて得
られるNi基合金の疲労特性を示し、曲線rはこ
の発明方法によつて得られるNi基合金の疲労特
性を示している。またこの発明方法によつて得ら
れるNi基合金は従来の処理時に見られるようなP.
F.Z.やCr欠乏層の形成はないので、耐結晶粒界
腐食割れ性も向上している。さらにこの発明方法
の処理後のNi基合金の諸性質は第2表のように
従来の方法のものよりすぐれている。
【表】
【表】
以上述べたこの第2の実施例による処理を実施
することによつて、Ni基合金の機械的性質およ
び耐粒界腐食割れ性が向上し、原子炉等の腐食環
境下における本合金の信頼性が向上する。 この発明は前記した第2の実施例において、塑
性加工および時効処理の繰り返しは2度に限らず
何度行なつてもよく、目的の機械的性質を得るま
で行なう。また溶体化処理後、塑性加工の前に時
効処理を入れてもよいが、時効条件が700℃以上
で時効時間が10時間以上になると、粒界上析出物
が粗大化するため加工性が悪くなるので、700℃
以上で3時間以内が適当であり、また700℃未満
では最大10時間未満とする必要がある。 以上述べたこの発明によればNi基合金におけ
る腐食に基づく欠点を無くすることができ、信頼
性の高いニツケル基超合金の処理方法を提供でき
る。
することによつて、Ni基合金の機械的性質およ
び耐粒界腐食割れ性が向上し、原子炉等の腐食環
境下における本合金の信頼性が向上する。 この発明は前記した第2の実施例において、塑
性加工および時効処理の繰り返しは2度に限らず
何度行なつてもよく、目的の機械的性質を得るま
で行なう。また溶体化処理後、塑性加工の前に時
効処理を入れてもよいが、時効条件が700℃以上
で時効時間が10時間以上になると、粒界上析出物
が粗大化するため加工性が悪くなるので、700℃
以上で3時間以内が適当であり、また700℃未満
では最大10時間未満とする必要がある。 以上述べたこの発明によればNi基合金におけ
る腐食に基づく欠点を無くすることができ、信頼
性の高いニツケル基超合金の処理方法を提供でき
る。
第1図はNi基合金の従来の熱処理例および金
属組織を示す模式図、第2図aは従来の熱処理を
施したNi基超合金にJIS GO572腐食試験を行つた
後の表面図、第2図bは第2図aのA―A線に沿
つて切断した断面の模式図、第3図は主として従
来の方法におけるNi基超合金の結晶粒界上のCr
炭化物形成に伴うCr濃度変化を示す説明図、第
4図はこの発明による第1の実施例を説明するた
めの処理工程例とこれに伴う金属組織変化例を示
す模式図、第5図は従来の処理方法を施した場合
とこの発明による第1の実施例処理方法を施した
場合の疲労特性を比較した特性図、第6図はこの
発明の第2の実施例を説明するための処理工程例
とこれに伴う金属組織変化例を示す模式図、第7
図は第6図の金属組織変化の一部を拡大して示す
図、第8図は従来の熱処理を施した場合とこの発
明による第2の実施例の処理方法を施した場合の
疲労特性を比較した特性図である。 1……結晶粒、2……結晶粒界、3……Cr炭
化物、4……γ′相、5……析出物のない領域、
8……転位、14……γ′相、17……粒界腐
食。
属組織を示す模式図、第2図aは従来の熱処理を
施したNi基超合金にJIS GO572腐食試験を行つた
後の表面図、第2図bは第2図aのA―A線に沿
つて切断した断面の模式図、第3図は主として従
来の方法におけるNi基超合金の結晶粒界上のCr
炭化物形成に伴うCr濃度変化を示す説明図、第
4図はこの発明による第1の実施例を説明するた
めの処理工程例とこれに伴う金属組織変化例を示
す模式図、第5図は従来の処理方法を施した場合
とこの発明による第1の実施例処理方法を施した
場合の疲労特性を比較した特性図、第6図はこの
発明の第2の実施例を説明するための処理工程例
とこれに伴う金属組織変化例を示す模式図、第7
図は第6図の金属組織変化の一部を拡大して示す
図、第8図は従来の熱処理を施した場合とこの発
明による第2の実施例の処理方法を施した場合の
疲労特性を比較した特性図である。 1……結晶粒、2……結晶粒界、3……Cr炭
化物、4……γ′相、5……析出物のない領域、
8……転位、14……γ′相、17……粒界腐
食。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%にてCrが14〜17%、Feが5〜9%、
Tiが2.25〜2.75%、Alが0.4〜1.0%、Nbが0.7〜
1.2%、Cが0.08%以下、Mn,Coが1%以下、
Si,Cuが0.5%以下、Niおよび不可避的不純物か
らなるニツケル基超合金を、溶体化熱処理後、
Cr炭化物およびγ′相を結晶粒内に析出させる方
法であつて、前記ニツケル基超合金を室温〜500
℃で塑性加工後、Cr炭化物が析出される温度700
〜850℃で4〜30時間時効処理し、次にγ′相が結
晶粒内に析出される温度600〜704℃で2〜100時
間時効処理するようにしたニツケル基超合金の処
理方法。 2 重量%にてCrが14〜17%、Feが5〜9%、
Tiが2.25〜2.75%、Alが0.4〜1.0%、Nbが0.7〜
1.2%、Cが0.08%以下、Mn,Coが1%以下、
Si,Cuが0.5%以下、Niおび不可避的不純物から
なるニツケル基超合金を、溶体化熱処理後、Cr
炭化物およびγ′相を結晶粒界および結晶粒内に
析出させる方法であつて、前記ニツケル基超合金
を室温〜500℃で塑性加工後、Cr炭化物および
γ′相が析出される温度600〜800℃で2〜100時間
時効処理し、前記塑性加工および前記時効処理を
複数回繰返すようにしたニツケル基超合金の処理
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10087680A JPS5726153A (en) | 1980-07-23 | 1980-07-23 | Heat treatment of nickel superalloy |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10087680A JPS5726153A (en) | 1980-07-23 | 1980-07-23 | Heat treatment of nickel superalloy |
Related Child Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19713085A Division JPS6169954A (ja) | 1985-09-06 | 1985-09-06 | ニツケル基超合金の処理方法 |
| JP3666986A Division JPS61223171A (ja) | 1986-02-21 | 1986-02-21 | ニツケル基超合金の処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5726153A JPS5726153A (en) | 1982-02-12 |
| JPS6131179B2 true JPS6131179B2 (ja) | 1986-07-18 |
Family
ID=14285517
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10087680A Granted JPS5726153A (en) | 1980-07-23 | 1980-07-23 | Heat treatment of nickel superalloy |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5726153A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58174538A (ja) * | 1982-04-02 | 1983-10-13 | Hitachi Ltd | 原子炉用隙間構造部材に用いられる耐応力腐食割れ性に優れたNi基合金製部材 |
| JPS6046356A (ja) * | 1983-08-22 | 1985-03-13 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 析出硬化型合金部材の製造法 |
| JPS61223171A (ja) * | 1986-02-21 | 1986-10-03 | Toshiba Corp | ニツケル基超合金の処理方法 |
| JP4512299B2 (ja) * | 2001-09-18 | 2010-07-28 | 本田技研工業株式会社 | Ni基合金の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5856747B2 (ja) * | 1978-08-25 | 1983-12-16 | 日立金属株式会社 | 温水中で使用されるガンマプライム析出強化型Ni基合金の耐粒界応力腐食割れ性を改善した熱処理方法 |
-
1980
- 1980-07-23 JP JP10087680A patent/JPS5726153A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5726153A (en) | 1982-02-12 |
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