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JPS6141876B2 - - Google Patents
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JPS6141876B2 - - Google Patents

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JPS6141876B2
JPS6141876B2 JP57167013A JP16701382A JPS6141876B2 JP S6141876 B2 JPS6141876 B2 JP S6141876B2 JP 57167013 A JP57167013 A JP 57167013A JP 16701382 A JP16701382 A JP 16701382A JP S6141876 B2 JPS6141876 B2 JP S6141876B2
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apatite
carbon fiber
fiber material
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、炭素繊維−アパタイト系焼成複合体
に関する。詳しくは、有効量の炭素繊維材料とマ
トリツクス量のアパタイト(好ましくは水酸系ア
パタイト)とを含む焼成複合体およびその製法に
関する。
本発明による焼成複合体は、必須原料として、
本質的に補強材としての炭素繊維材料およびマト
リツクス材としての低温度にて焼成した焼結アパ
タイトから構成されたものである。該原料に関し
て、炭素繊維は工業原料として各種のものが開発
されそして市販されている。従来、複合材の強化
材としての炭素繊維の用途は、特殊な有機合成樹
脂材料との重(縮)合硬化複合材に主に指向され
てきた。アパタイト原料としては、水酸アパタイ
ト、炭酸アパタイト、フツ素アパタイトおよび塩
素アパタイトが代表的に挙げられる。これらのア
パタイトそして特に水酸アパタイトの高温度焼成
法が提案されてきた。しかし、一般に従来の高温
単独焼結体は、それらの焼結体結晶構造等に原因
して、各強度(特に衝撃および曲げ)および粗大
な空孔等に問題があつた。例えば、水酸アパタイ
トの単独焼結法として、湿式または乾式法によつ
て製造した水酸アパタイトを、非加圧または加圧
下に1200℃±100℃程度で焼結する各方法が知ら
れている。しかし、水酸アパタイトを本発明にお
けるようにマトリツクス材として比較的低温度に
て焼成して使用することには、本質的に成功して
いないようである。また、別途に単独焼成したア
パタイトを骨材として有機樹脂マトリツクス中に
分散硬化せしめた非焼成複合材が提案されている
(例えば特開昭55−50349号)。
従来、主に合成樹脂系複合材の分野にて優れた
強化材としてガラス繊維およびスチール繊維等が
広く採用されている。しかし、これらの耐熱性は
一般に約800℃未満であり、従来の酸化性アパタ
イトの高温度焼結の技術常織からは対象外であつ
た。ちなみに、本発明にて使用される炭素繊維材
料は、酸素含囲気下またはアパタイト等の高温酸
化性物質の共存下のその耐熱性が一般に約500℃
程度であるので、全く対象外の存在であつた。
前記のように従来の単独焼成アパタイトには各
強度、靭性、均質多孔性等に問題があるので、本
発明者はこれをマトリツクス材とした低温度焼成
複合体について研究開発を行つた。すなわち、従
来から合成樹脂複合材用として優れた性能を有す
る強化用繊維材料を用いて、アパタイトを特定の
焼成条件にて該強化材料の耐熱性温度範囲で焼結
して、焼成複合体を製造することに指向した。従
来の単独アパタイト焼結体の技術常識によれば、
焼成温度を低下させると焼結困難であるかまた
は、仮に可能としても焼結体の強度等が必然的に
低下すると考えられていた。これに関連して、本
発明者はアパタイトの結晶水そして望ましくは更
に附着水等に由来する水蒸気の存在下の加圧下で
アパタイトを低温度にて焼成することによつて、
充分な強度等を有するマトリツクス材としてのア
パタイト焼結体を製造し得る可能性を見出した。
当初は、補強材料として優れているが比較的入
手し易いガラス繊維および比較的安価な卑金属の
繊維等を用いる焼成複合材について検討したが、
約700℃の焼成温度では予期した程の物性は認め
られない(なお、卑金属繊維は使用中の腐蝕およ
び金属の流出の問題もある)。当然、炭素繊維材
料を使用しても大差がないものと予想されたが、
念のため炭素繊維を補強材として、そしてアパタ
イトをマトリツクス材として使用して500℃未満
の焼成温度で研究した結果、全く、意外にも、優
れた物性を有する複合体の開発に成功した。
この理由については充分には解明されていない
が、ガラス繊維または卑金属繊維等はアパタイト
に対して物理的かつ化学的に親和性を有するた
め、両者の複合材の焼成時に変性すると共に両者
が充分に密着して両者間に外力に対する滑りの余
裕がなくなるためと思考される。これに反して、
炭素繊維類はアパタイトに対して物理的には充分
な親和性を有するが、本発明の複合体の焼成条件
にて化学的には全く、もしくは実質的に不活性で
ある。従つて、本発明による焼成複合体において
は両成分間に滑りの余裕が若干存在するために、
特に衝撃および曲げ等の強度に優れた複合体が予
想外にも得られるものと思料される。なお、この
ことは従来の繊維材料と合成樹脂との樹脂複合材
において両成分の密着親和性が重視されている事
実から意外であるが、マトリツクスが樹脂の場合
には該樹脂自体が若干の可撓性等を有するので、
上記のような問題はなかつたものと思考される。
本発明の一目的は、各種の強度および必要に応
じて適度の微孔性を有する炭素繊維−アパタイト
系焼成複合体ならびにその製法を提供することで
ある。本発明の別の目的は、本発明の複合体の優
れた物性を有利に利用した後記の広い用途に適合
した焼成複合体材料を提供することである。その
他の目的は、以下の記述から明らかとなるであろ
う。
従つて、本発明の焼成複合体は、有効量の炭素
繊維材料および該材料と密接して焼成されたマト
リツクス量の焼成アパタイトを含むことを特徴と
する、炭素繊維−アパタイト系焼成複合体(コン
ポジツト)である。該焼成複合体中の炭素繊維材
料は、実質的に非変性の状態にて存在することを
更に特徴とする。
ここに、有効量の炭素繊維材料とは、焼成複合
体を補強するために有効な量でありかつマトリツ
クスである焼成アパタイトによつて複合体として
結合され得る範囲の量の該材料を意味する。マト
リツクス量のアパタイトとは、該炭素繊維材料を
結合させて複合体となし得る範囲の量のアパタイ
トを意味する。該炭素繊維材料とアパタイトとの
有効量対マトリツクス量の関係は、該炭素繊維の
密度にも依存するが重量%にてほぼ、一般的に
0.5〜70%対99.5〜30%、通常は1〜50%対99〜
50%、好ましくは2〜40%対98〜60%、更に好ま
しくは5〜30%対95〜70%、そして典型的には7
〜25%対93〜75%程度である。なお、本発明の焼
成複合体は、その物性を実質的にそこなわない限
り、焼成、加工および使用の諸条件にて実質的に
不活性な小量の任意材料(例えば着色剤、充填材
等)を当然含有することができる。
本発明にて本質的に補強材として使用する炭素
繊維材料(生体用等の用途によつては別の効果も
発揮し得る)は、殆んど炭素元素から構成されて
いる炭素および/または黒鉛の繊維材料を包含す
る。例えば、炭素アーク法による炭素繊維、炭化
水素からの熱分解炭素繊維および有機繊維(セル
ロース、レーヨン、ポリアクリロニトリル等)の
焼成繊維等の各材料が代表的である。複合体の焼
成および使用時における熱安定性等の立場から
は、熱分解法による炭素繊維材料、および他の炭
素繊維材料の表面を熱分解炭素にて被覆した材料
が特に好ましい。該炭素繊維材料の形態および寸
法に関して、従来のガラス繊維−合成樹脂複合材
等の技術常識を適用することができる。例えば、
該炭素繊維材料は、短繊維、長繊維、繊維糸、繊
維束、ウール状繊維、不織布および/または織布
等の形態であることができる。なお、短繊維の場
合、繊維長が焼結アパタイトの結晶よりも長いこ
とが望ましい。
本発明の焼成複合体における該炭素繊維材料の
方向性は、目的および用途に応じて、マトリツク
スである焼成アパタイト中に実質的に一ないし三
軸方向に配向させるか、または実質的に無配向無
秩序の状態に存在させることができる。同様に該
材料の分布状態は、該複合体マトリツクス中にて
炭素繊維材料が実質的に均一に分散しているか、
または炭素繊維材料が芯部方向に密(または疎)
で表面方向に疎(または密)であることができ
る。
本発明において本質的にマトリツクス材として
使用するアパタイトには、代表的に水酸アパタイ
ト、炭酸アパタイト、フツ素アパタイトおよび塩
素アパタイトおよびこれらの混合物、ならびに複
合体の焼成過程にてこれらのアパタイトに転化さ
れる下位単位原料混合物(本明細書ではアパタイ
ト前駆体材料という)が含まれる。
広義にアパタイトは下式()にて定義される
が A10(XO46Zm ………… (こゝにA=Ca、Pb、Mn、Na、K等;×=P、
As、V、Si等;Z=OH、CO3、F、Cl)、 本発明にて使用するアパタイトは更に限定され
たものであり、その鉱物学定義である基本組成が
下式()で表わされるものでかつそのカルシウ
ム対リンの原子比(以下にCa/P比という)が
特定の範囲にあるものを意味する、 Ca10(PO46Zm ………… 〔こゝにZはOH、CO3、F、Clの一または二以上
から選ばれ、そしてmは原子価を実質的にみたす
数(例えば2または1)である〕。すなわち、上
式()において、該Ca/Pは必ずしも化学量
論量(5/3)である必要はなく非化学量論量で
あつてもよく、通常は該Ca/P比が約4/3〜
約11/6の範囲そして好ましくは約9/6〜約
5/3の範囲にあればよい。必要に応じて、
Ca/P比が5/3未満のアパタイトに非リン系
無機カルシウム化合物を均一混合して、該Ca/
P比を基本組成である5/3に近づけることがで
きる。
また、式()で表わされるアパタイトのCa
およびPが不純物量または小量の他の原子(例え
ば式()の定義に示すような)で置換されてい
てもよい。本明細書において、上記の式()の
ZはOH、CO3、FおよびClの一または二以上で
あり得るが、この場合の置換量が最も多いものに
従つて、それぞれ水酸アパタイト、炭酸アパタイ
ト、フツ素アパタイトおよび塩素アパタイトとい
う。これらのアパタイトはいづれも、同じ六方晶
系、空間群C63/mおよび単位格子中の化学式数
に属し、そして実質的に同等の焼結性および近似
した物性を有する。なお、これらのアパタイト
は、当業者が化学的に合成、または製品として入
手(必要に応じて精製)することが可能である。
用途等の観点から、本発明にて使用するアパタ
イトは、上式()においてZが本質的にOH基
である水酸アパタイトおよび/またはZの過半量
以上がOH基であり、そして残量(好ましくは10
%未満の小量)がCO3基である水酸系アパタイト
であることが、一般にそして特に生体用の用途に
好ましい。
本発明の炭素繊維−アパタイト系焼成複合体
は、有効量の上記の炭素繊維材料およびマトリツ
クス量の上記のアパタイトを混合して、必要に応
じて適当量の水分を存在させて、両者が実質的に
密接した状態にて該炭素繊維材料の実質的に変性
温度未満の温度で水分の逃失を実質的に防止して
加圧下に焼成して該アパタイトを実質的に焼結せ
しめることによつて製造できる。なお、焼成前に
両成分の混合物を圧縮等によつて所望の形状に予
備成形することもできる。上記の水分量は、焼成
時にアパタイトと共存する結晶水以外の附着水分
がアパタイト量に対して実質的に0〜約20重量%
そして好ましくは約0.01〜約15重量%程度の量で
ある。水分量が多くなるに従つて焼成物の空隙量
が大となるが、焼結が促進される傾向もある。約
20%より多いと空隙量が一般に過大となる。しか
し、ホツトプレス法のような開放式加熱の場合
は、仕込みの水分量はより多くともよい。
アパタイトの焼結機構については充分には解明
されていないが、焼成温度によつてアパタイトが
溶解析出し次いでこれがからみ合つて焼結するこ
とによるようである。この際、圧力が高い程、上
記の溶解析出が促進される傾向がある。また、密
封状態にて水分が存在すると、該溶解析出が促進
される傾向もある。この観点から、焼成工程にお
いて高圧の採用および適当量の水分の存在によつ
て、焼成温度を大巾に低下させることができる。
なおこれとは別途に、本発明においては両成分を
密接させるために、焼成前および/または焼成中
に少くもある程度の加圧が望ましい。
本発明における焼成工程においては、焼成また
は焼結の業界にて既知の技術を採用し得る。例え
ば、ホツトプレス法、オートクレーブ式等の密封
加圧式焼成法、加圧下の高周波加熱法、等圧(ア
イソタクチツク)圧縮加熱法等が有利に使用でき
る。代表的な焼成法の適用について以下に概説す
る。
(イ) ホツトプレス法による場合、上記のような両
材料の混合物またはその予備成形物を、水蒸気
もしくは水蒸気含有不活性気体の加圧雰囲気を
適用して、約150℃から炭素繊維材料の変性温
度未満の温度(該繊維の性質に依存するが例え
ば約800℃未満)そして好ましくは約150℃〜約
500℃程度の温度で約10Kg/cm2以上、例えば約10
〜1000気圧程度の加圧下に0.5時間以上焼成す
る。予備成形物を焼成する場合は、既に圧縮さ
れているので特に高加圧しなくとも(例えば5
Kg/cm2以上にて)焼成可能である。なお、ホツ
トプレス法による圧縮加圧は原則として軸方向
となる。
(ロ) オートクレープ法等による密封加圧式焼成法
による場合、例えば超耐圧容器を使用して、数
十〜数千気圧の圧力下に炭素繊維の変性温度未
満の温度にて0.5時間以上焼成する。この際、
温度および圧力が低いと焼成に長時間を要する
が、圧力を例えば1000気圧以上とすると約150
℃程度の温度でも焼成が有利に達成される。従
つて焼成条件は約10Kg/cm2以上好ましくは約20
Kg/cm2以上、例えば約20〜約2000気圧(耐圧性
が許せば3000気圧程度まで)にて約150℃〜約
800℃(好ましくは約150゜〜約500℃)にて0.5
時間以上と要約できる。なお、この態様での加
圧は、実質的に無軸性の加圧となる。
(ハ) 上記の密封加圧式焼成法ならびに前記の加圧
高周波加熱法および等圧圧縮加熱法等におい
て、複合物原料の混合物または予備成形物を実
質的に不活性な加圧変形性容器に封入して焼成
する場合、一そう効果的に本発明を達成でき
る。この場合の焼成条件は、上記(ロ)と同等であ
るが、好ましくは約40〜約3000Kg/cm2、約150゜
〜約500℃未満にて約0.5時間以上である。この
ような封入容器を採用すると、原料成分および
水分、気体等が不変に保持される長所もある。
なお、この態様の圧縮加圧は実質的に等圧圧縮
である。
本発明による炭素繊維−アパタイト系焼成複合
体は、アパタイト結晶のからみあつた焼結体マト
リツクス中に本質的に補強材である炭素繊維材料
が密接して未変性の状態にて存在し、かつ必要に
応じて該焼結アパタイトが適当な微孔性を有する
焼成複合体である。上記の焼結アパタイト結晶
は、本発明における焼成条件に原因して、微細な
直線状および/または曲線状の針状結晶を含みか
つ該結晶がからみあつた微細構造で、強度が増加
する。すなわち、焼成温度が800℃以下で低温度
である程、微細な結晶そして特に微細な針状結晶
が生成して強度が増大する傾向がある。〔なお、
従来技術のように焼成温度が高いと(例えば1100
℃)、六方晶形の比較的大きい結晶群からなる組
識となり強度が低下する。〕また、空隙量が過大
となると当然に強度が低下する。従つて、優れた
強度を有しかつ微細孔性の充分な空隙を有する該
複合体を得るためには、上記の焼成条件において
比較的に高圧力低温度の条件下に、好ましくは上
記の範囲の水分を共存させて、焼成するのが望ま
しい。
本発明による焼成複合体の物性は、その複合体
原料の組成および焼成条件等によつて変化し得る
が、例示的に下記の範囲内の数値を有する。
(i) 焼結アパタイト結晶の平均巾 0.01〜5μm
○| (ii) 焼結アパタイト結晶の平均長 1〜1000μm (iii) 焼結アパタイトの平均細孔半径 5〜1000μ
m (iv) 焼結アパタイト結晶の空隙率 0〜40体積% (v) 焼成複合体の圧縮強度 500〜800Kg/cm2 (vi) 焼成複合体の曲げ強度 1200〜2400Kg/cm2 (vii) 焼成複合体の衝撃強度 50〜120Kg・cm/cm2 (viii) 焼成複合体の引張強度 70〜100Kg/cm2 本発明による焼成複合体は、その固有の優れた
物性に依存して広範な用途に、そして特に種々の
強度が要求される分野に有利に適用できる。代表
的には、強度を必要とするセラミツクス材料、電
気電子機器材料、濾材、クロマトグラフイ用坦
体、センサー(特に生体用)素子、生体用セラミ
ツクス(人工骨、人工歯、人工関節)等ならびに
従来のフアインセラミツクスが適用される他の用
途が例示される。上記の種々の用途は大別して産
業用のセラミツクス材料および生体用のセラミツ
クスに分類し得るが、生体用セラミツクスについ
ては、強度および微孔性のほかに生体との適合性
が必要である。従つて、生体適合性について以下
に検討する。
哺乳動物そして特に人体に硬体組識(骨、歯
等)は、本質的に水酸基のみを含む水酸アパタイ
ト(特定的には小量の炭酸基を含むアパタイト)
を主成分とすることが知られている。そのため、
水酸アパタイト単独焼結体を人工骨および人工歯
に使用する研究がかなり報告されている。特に多
孔性の単独焼結体は、生体との適合性に関して一
応満足であることがこの業界にて認識されてい
る。しかし、水酸アパタイト単独焼結体は、前記
のように主に衝撃強度および曲げ強度等に問題が
あるため、現状では直ちに実用化されにくいよう
である。一方、本発明における他の原料である炭
素繊維材料は、優れた強度および弾性率および化
学的無刺激性等の長所を有し、しかも一応満足な
生体適合性を有することがこの業界にて認識され
ている。しかし、これらの炭素繊維材料単独また
は該材料と炭素との混合材の場合、微細炭素材の
離脱、非多孔性およびX線透過性等の問題があつ
た。
本発明に使用する両成分はいづれも満足な生体
適合性を有するものであり、かつ必要とされる強
度および空隙率約5%〜40%程度の微孔性は本発
明によつて充分に確保されるので、本発明による
炭素繊維−水酸アパタイト系焼成複合体によつ
て、上記の問題点を解消した上に満足な生体適合
性を有する硬体組識用材料が得られる。更に、本
発明の焼成複合体は、炭素繊維材料による滑性等
も併有するので、従来の焼結アパタイトでは適用
困難であつた人工関節にも使用可能である。
因みに、本発明による焼成複合体において、こ
れから炭素繊維材料を除いて焼成したアパタイト
単独焼結体の中に、特許性を有する単独焼結体お
よびその製法が含まれることを附記する。なお、
この場合の焼成温度は約1000℃またはそれ以上ま
で可能である。
以下に、典型的な例をあげて本発明を更に説明
するが、本発明にて使用するアパタイトはすべて
実質的に同等な化学的構造、結晶系および焼結性
等を有するので、本発明はこれらの例に限定され
るものではない。すなわち、当業者は必要に応じ
て、本発明の開示に従つて下記に例に使用したア
パタイト以外のアパタイト原料を使用して、同様
な焼成複合体を容易に製造することが可能であ
る。
なお、下記の例において%はすべて重量によ
る。
例 1(比較例) 本質的に水酸基のみを含む水酸アパタイト
(Ca/P比95/60)の粉末85%および熱分解炭素
繊維(平均長9mm)15%を均質混合し、約5×10
mm(径)の円柱に予備成形する。次いで含有水分
を5%に予備乾燥する。この試料をホツトプレス
機にて1100℃そして200Kg/cm2の条件にて2時間圧
縮焼成する。放置冷却後の焼成複合体の物性を下
記に示す。
圧縮強度 310Kg/cm2 曲げ強度 320Kg/cm2 引張り強度 40Kg/cm2 シヤルピー衝撃強度 8 Kg・cm/cm2 なお、曲げ試験における試料の破断面を観察す
ると、破断面上にて該繊維が切断されている。
例 2(比較例) 上記の例1において、炭素繊維材料を使用せず
アパタイト粉末だけを使用して、同様にして単独
焼結体を製造する。冷却後の該焼結体の物性を下
記に示す(単位は上記と同じ)。
圧縮強度 320 曲げ強度 310 引張り強度 35 シヤルピー衝撃強度 7 得られた従来法によるアパタイト焼結体の結晶
を第2図(倍率×7500)に示す。該結晶は、粗大
な六方晶系の構造であることが注目される。
例 3(比較例) 上記の例1において、炭素繊維のかわりにガラ
ス繊維(平均長9mm)15%を使用し、予備成型、
乾燥、そして同条件にて焼成する。
冷却後の複合体の物性を下記に示す(単位は上
記と同じ)。
圧縮強度 305 曲げ強度 310 引張り強度 45 シヤルピー衝撃強度 8 なお曲げ試験における破断面では、同様に該繊
維が該面上で切断されている。
上記の例1および3(比較例)において曲げ強
度における破断面で繊維が切断されていること
は、該繊維が劣化していることを示す。更に、例
1〜3(比較例)におけるホツトプレス機による
焼結工程は、加圧水蒸気を適用せずに実施された
ことに注目すべきである。例1〜3の工程におい
てアパタイト中に存在する水分の実質的に全量が
ホツトプレス機の金型から迅速に遵発除去される
ので、この焼成工程は水の不在におけるアパタイ
トの焼成に相当するものである。
例 4(実施例) 上記の例1における均質混合物を予備成形せず
に水分5%に予備乾燥する。これを銀製の加圧変
形性の管に封入し、耐圧加熱容器に入れて300℃
そして1000Kg/cm2の条件下に5時間焼成する。放
置冷却後の焼成複合体の物性を下記に示す。
圧縮強度(Kg/cm2) 580 曲げ強度(Kg/cm2) 1285 引張り強度(Kg/cm2) 100 シヤルピー衝撃強度(Kg・cm/cm2) 95 なお、曲げ試験における破断面では、炭素繊維
が該破断面から若干引出されて切断されている。
例 5(実施例) 本質的に水酸基のみを含む水酸アパタイト粉末
(Ca/P比=95/60)の粉末に炭酸カルシウム粉
末を混合して、Ca/P比を約5/3とする。こ
の混合粉末85%および熱分解炭素繊維(平均長9
mm)15%を均質混合し、そして水分を5%に乾燥
する。これを例4と同様に封入し同条件にて加圧
焼成する。冷却後の焼成複合体の物性を下記に示
す(単位は上記と同じ)。なお、この複合体中に
炭酸基が含有されていることは、生体適合性の観
点から特に好ましい。
圧縮強度 560 曲げ強度 1270 引張り強度 95 例 6(参考例) 本質的に水酸基のみを含む水酸アパタイト
(Ca/P比=95/60)を、5%の水分に調整す
る。この水酸アパタイト粉末を加圧変形性の銀の
管に封入し、そして耐圧加熱容器を用いて500℃
にて1000Kg/cm2の圧力下で3時間焼成する。得ら
れたアパタイト焼結体は下記に物性を示す。
圧縮強度 520Kg/cm2 曲げ強度 710Kg/cm2 引張り強度 55Kg/cm2 衝撃強度(シヤルビー) 16Kg・cm/cm2 空隙率(開放微細孔) 約24体積% このアパタイト焼結体の結晶を第1図(倍率
30000)に示す。従つて、本発明におけるマトリ
ツクス材である焼結アパタイトの結晶は、微細な
針状結晶からなりそして該結晶が相互にからみ合
つた微細構造であることが認識される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による水酸アパタイト焼結体
の走査式電子顕微鏡写真(倍率×30000)であ
り、該焼結体の相互にからみ合つた微細な針状結
晶構造を示す。第2図は、従来の高温度焼結方法
によるアパタイト焼結体の走査式電子顕微鏡写真
(倍率×7500)であり、従来のアパタイト焼結体
の粗大な六方晶系結晶構造を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 補強有効量の炭素繊維材料、および該繊維材
    料と密接して加圧下に800℃以下の低温度にて水
    分の逃失を実質的に防止する条件下で焼成され
    た、マトリツクス量の水酸アパタイト、炭酸アパ
    タイト、フツ素アパタイト、塩素アパタイトおよ
    びこれらの混合物から選ばれる焼結アパタイトか
    ら本質的になり、該焼結アパタイトは充分な強度
    を有する微細な結晶構造のマトリツクス材を形成
    し、かつ該炭素繊維材料が実質的に非変性である
    ことを特徴とする、炭素繊維−アパタイト系焼成
    複合体。 2 炭素繊維材料が1〜50重量%そして該アパタ
    イトが99〜50重量%の範囲である、特許請求の範
    囲第1項の複合体。 3 該アパタイトがその基本組成は下式で表わさ
    れそしてカルシウム対リンの原子比(Ca/P
    比)は4/3〜11/6の範囲にあるアパタイトま
    たはこれらの混合物である、特許請求の範囲第1
    または2項の複合体、 Ca10(PO46Zm こゝに、ZはOH、CO1、F、Clの一または二
    以上から選ばれ、そしてmは原子価をみたす数で
    ある。 4 該炭素繊維材料が、短繊維、長繊維、繊維
    糸、繊維束、ウール状繊維、不織布および/また
    は織布の形態である、特許請求の範囲第1〜3項
    のいづれかの複合体。 5 該炭素繊維材料が熱分解炭素繊維の材料およ
    び/または他の炭素繊維材料の表面を熱分解炭素
    にて被覆した材料である、特許請求の範囲第1〜
    4項のいづれかの複合体。 6 該炭素繊維材料が実質的に一ないし三軸方向
    に配向している、特許請求の範囲第1〜5項のい
    づれかの複合体。 7 該炭素繊維材料がマトリツクス中に実質的に
    均一に分散している、特許請求の範囲第1〜6項
    のいづれかの複合体。 8 マトリツクス材である該焼結アパタイトが40
    体積%以下の空隙率の微細孔を有する、特許請求
    の範囲第1〜7項のいづれかの複合体。 9 該アパタイトが水酸アパタイトおよび/また
    は小量のCO3基にて置換されている水酸系アパタ
    イトである、特許請求の範囲第1〜8項のいづれ
    かの複合体。 10 生体用セラミツクスである、特許請求の範
    囲第9項の複合体。 11 水酸アパタイト、炭酸アパタイト、フツ素
    アパタイト、塩素アパタイト、これらの混合物お
    よびこれらのアパタイト前駆体材料からなる群か
    ら選ばれるマトリツクス量のアパタイト原料と補
    強有効量の炭素繊維材料とから本質的になる複合
    体材料を、実質的に密接した状態で800℃以下か
    つ該炭素繊維材料の変性温度未満の温度にて加圧
    下に、少くも該アパタイトの結晶水に相当する水
    分の存在下で焼成して該アパタイトを焼結せしめ
    ることを特徴とする、マトリツクス材である焼結
    アパタイトは充分な強度を有する微細な結晶構造
    でありそして該炭素繊維材料は実質的に非変性で
    ある炭素繊維−アパタイト系焼成複合体の製法。 12 焼成工程を150℃から該焼成条件での該炭
    素繊維材料の変性温度未満の温度範囲で10Kg/cm2
    以上の加圧下にて実施する、特許請求の範囲第1
    1項の複合体の製法。 13 アパタイトの結晶水以外に更に水分を存在
    させて焼成を実施する、特許請求の範囲第11ま
    たは12項の複合体の製法。 14 該混合材料を加圧変形性容器中に封入して
    焼成を実施する、特許請求の範囲第11〜13項
    のいづれかの複合体の製法。 15 炭素繊維材料が1〜50重量%そして該アパ
    タイトが99〜50重量%の範囲である、特許請求の
    範囲第11〜14項のいづれかの複合体の製法。 16 該アパタイトがその基本組成は下式で表わ
    されそしてカルシウム対リンの原子比(Ca/P
    比)は4/3〜11/6の範囲にあるアパタイトまたは
    これらの混合物である、特許請求の範囲第11〜
    15のいづれかの複合体の製法。 Ca10(PO46Zm こゝに、ZはOH、CO3、F、Clの一または二
    以上から選ばれ、そしてmは原子価をみたす数で
    ある。 17 該炭素繊維材料が、短繊維、長繊維、繊維
    糸、繊維束、ウール状繊維、不織布および/また
    は織布の形態である、特許請求の範囲第11〜1
    6項のいづれかの複合体の製法。 18 該炭素繊維材料が熱分解炭素繊維の材料お
    よび/または他の炭素繊維材料の表面を熱分解炭
    素にて被覆した材料である、特許請求の範囲第1
    1〜17項のいづれかの複合体の製法。 19 該アパタイトが水酸アパタイトおよび/ま
    たは小量のCO3基にて置換されている水酸系アパ
    タイトである、特許請求の範囲第11〜18項の
    いづれかの複合体の製法。 20 該複合体が生体用セラミツクスである、特
    許請求の範囲第19項の複合体の製法。
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