JPS6144973B2 - - Google Patents
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Description
本発明は、アクリル系合成繊維からなる連続繊
維の束、例えばトウやマルチフイラメントから紡
績糸を製造する為の中間製品である不連続繊維の
束を製造する方法に関する。更に詳しくは、アク
リル系合成繊維からなる連続繊維の束を、捲縮を
維持した状態で、−20℃以下の媒体に接触させた
後直ちに、連続繊維の束に延伸力あるいは延伸力
と補助的な剪断力を与えて各単繊維を切断して捲
縮を有する不連続繊維の束を製造する方法に関す
るものである。 従来、紡績糸の製造方法として、短繊維群をカ
ード工程→ギル工程又は練条工程→粗紡工程→精
紡工程により製造する方法が知られている。しか
し、この方法はカード工程を経る為 生産性が低い。 紡績工程で紡績糸に収縮性を付与できない 繊維製造工程において、紡績目的に応じた繊
維長に切断し短繊維を製造する工程が必要であ
る。 カード工程でネツプ(単繊維どうしのからま
り)、フツク(単繊維先端が湾曲する)が発生
する。更に、平行度が悪い為ギル工程を長くす
る等の対策が必要である。 といつた問題点がある。 一方、トウ、フイラメントのような連続繊維の
束を不連続繊維の束に変換した後、紡績糸を製造
する方法として、室温近辺の温度においてパーロ
ツク方式、ターボ方式等により不連続繊維の束を
製造する方法が知られている。 パーロツク方式は、連続繊維の束を、ローラー
より延伸して各単繊維を切断して、平行度の高い
不連続繊維の束を高速にて得ようとする方法であ
る。切断に際して、第7図のアクリル系合成繊維
(商品名 カシミロン)の強伸度曲線Cに示す
ように、繊維を伸度0〜約5%の弾性変形域を経
て、5%以上の塑性変形域において、破断伸度迄
延伸して切断を行う為に (i) 通常の紡績条件下では、延伸に伴ない繊維に
大きな残留ひずみが存在する為、低収縮率紡績
糸の製造に限度がある。 (ii) 強伸度、殊にループ強伸度が大きく低下する
為、紡績糸の製造工程で繊維の切断やフライが
多発する。 (iii) 高伸度の繊維を延伸して切断する場合、予備
延伸を行つた後、パーロツク方式で延伸切断す
る為、(ii)の欠点が助長される。 (iv) 切断された繊維先端がチヂレる為、これが紡
績糸の糸斑をひきおこす。 という問題点がある。 ターボ方式には、連続繊維の束を延伸しつつ、
剪断力を与えて切断する方法である。この方式で
は、必ずしも繊維を破断伸度延伸する必要はない
が、切断された繊維のステープルダイヤグラムが
悪くなる。即ち過長繊維及び短繊維含有割合が多
くなる。 本発明は、このような従来法の欠点を解決する
方法を提供するものである。即ち紡績工程におけ
る前記欠点を解決した上、不連続繊維の束を製造
する場合に、極めて少ないエネルギーで行うこと
ができると共に低収縮率から高収縮率のアクリル
系合成繊維からなる紡績糸を自由に製造でき、繊
維切断やフライの発生が極めて少なく、極めて優
れた品質の紡績糸を高速で製造することのできる
不連続繊維束の製造方法を提供するものである。 本発明の連続繊維の束としては、トウ、マルチ
フイラメントが一般に用いられる。 繊維の束としては、単繊維デニール0.1〜60dか
ら構成されるトータル・デニール30d〜200万d
のフイラメント、ラージ・フイラメントおよび、
トウ等に適用される。 更に、上記連続繊維の束と短繊維からなる繊維
束との混合体、他種繊維との混合体にも適用でき
る。 本発明における1つの発明は、捲縮を有するア
クリル系合成繊維からなる連続繊維の束を冷却域
において、捲縮を維持した状態で−20℃以下の媒
体、好ましくは−40℃以下、より好ましくは−80
℃以下の媒体に接触させた後直ちに、単繊維を切
断する方法である。 もう1つの発明は、捲縮を有するアクリル系合
成繊維からなる連続繊維の束を、冷却域にオーバ
ーフイードすることによつて、捲縮を維持した状
態で上記温度の冷却媒体に接触させ後直ちに単繊
維を切断して捲縮を有する不連続繊維の束を製造
する方法である。 第7図Aは、アクリル系合成繊維(商品名:カ
シミロン)の単繊維が捲縮を有する状態で−
100℃の窒素ガスに45秒間接触させた状態で延伸
した時の強伸度曲線、Bは張力を与え、捲縮のな
い状態で同様の媒体に接触させた状態で延伸した
時の強伸度曲線である。 第8図は、捲縮を維持した状態で各温度1分
間放置後の破断強力を示す曲線、は、捲縮を充
分伸ばした状態で同様の処理をした後の破断強力
を示す曲線である。第7,8図からわかるよう
に、捲縮を有する状態で、−20℃以下の媒体に接
触させて、捲縮の固定化を行うと、捲縮を伸ばし
た状態で冷却して切断する場合に比べて、約10%
の切断に要する張力が減少する。そして、従来の
ストレツチ・ブレーキング方式に対しても同等の
張力で切断できる。−40℃以下の媒体に接触させ
ることによつて、連続繊維の束より繊維損傷が少
なく、同様にフライ、収縮の発現の少ない、物理
的性能、ならびに、平行度、斑、ネツプ等の品質
に優れた不連続繊維の束がえられる。−80℃以下
の媒体に接触することによつて、従来のストレツ
チ・ブレーキング方式に比べて、半分以下という
少ない張力で切断することが可能となる。 この捲縮の状態を第4図によつて説明すると、
連続繊維の束21を構成している単繊維22の長
さ方向の捲縮23はイの如く連続的に存在した状
態でもよいが、ロの如く少なくとも切断ゾーンの
長さLの範囲内に1ケの捲縮23を有していても
よい。連続繊維の束21としてみた場合、長さ方
向にランダムに在存することが望ましい。そし
て、この捲縮を有する連続繊維の束を一定の巾に
均一に単繊維を分繊するとともに厚みを整えた状
態で冷却域に供給するのが好ましい。 本発明において、冷却域への連続繊維の束を供
給するに際して、オーバーフイードしつつ行うこ
とが破断エネルギーを減少させる上で一層好まし
い。即ち、オーバーフイードして、元の繊維の捲
縮をできるだけ維持しつつ、冷却域で−20℃以下
の媒体に接触させた後直ちに切断する。 第10図は、捲縮を有するアクリル系合成繊維
(単繊維デニール3d×100本)からなる連続繊維
の束を、−100℃の冷却域へ、45秒間、各種のオー
バー・フイード率で供給した時の破断強力を示す
図であるが、オーバーフイード率の増加と共に破
断強力が減少していることがよく理解される。 本発明において冷却域に供給するときの単繊維
の捲縮は切断ゾーンの長さL内において、少なく
とも1ケの捲縮の角度θが第5図の如く0゜<θ
≦120℃であることが好ましい。 尚、角度θは2mg/dの荷重を付与した状態で
測定したものである。 この捲縮の維持は冷却域へ繊維束を供給するに
際して、繊維束をリラツクスさせた状態で供給し
てもよいし、繊維束を一旦、緊張した後、オーバ
ー・フイードしてもよい。 このように、本発明において捲縮を有する繊維
束を用いるのが好ましく、ローラー又はスリツト
シールをするとともに圧搾し各単繊維間に含有す
る外気を追い出した後、冷却槽内にオーバー・フ
イードすることによつて、捲縮を発現させ繊維束
に嵩高性をもたせることにより冷気を各単繊間に
通過又は含有させることよつて冷却効率を高める
ことが可能となる。また、切断に要するエネルギ
ーが減少するとともに、切断後も元の捲縮を有し
嵩高性があり、かつ低収縮で平行性の良好な不連
続繊維の束を得ることが可能となつた。この結
果、従来法、即ち、パーロツク方式、ターボ方式
で低収縮でかつ捲縮を有する不連続繊維の束を得
る場合、大きく塑性変形させ破断伸度にまで延伸
することにより切断し、一旦高収縮で元の捲縮が
なく、ほとんど残留伸度のない不連続繊維の束を
紡出した後、クリンパー工程にて再度捲縮を付与
し、次にセツター工程にて収縮を緩和させるとと
もに捲縮の固定を行なう必要があつた。更に、こ
うして得られたセツト後の不連続繊維の束は固く
しまり開繊性が悪い為、開繊して嵩高性のある不
連続繊維の束にするドラフター工程が必要であつ
た、のに対して、本発明は従来法で用いられたク
リンパー工程、セツター工程、開繊用のドラフタ
ー工程が不要となり連続化を可能にするとともに
大巾に工程を短縮できるのに加えて、繊維を大き
く塑性変形させたり、残留伸度のないもろい状態
でクリンパー工程にて座屈変形させたりすること
による繊維の損傷が少なくなるという作用効果を
もつ。 また、本発明方法はコンジユゲート繊維につい
ても、従来法においては大きく塑性変形させて切
断した後、発現した高い収縮を取り除く為、セツ
ター工程にて乾熱及び湿熱を与えると、繊維収縮
に加えてコンジユゲート繊維の構造に起因する捲
縮が発現し、より不連続繊維の束が固くなり引抜
抵抗の増加、開繊性、糸斑が悪くなるといつた問
題があるのに対して、非常に効果がある。 冷却媒体としては、−20℃以下のものであれば
使用可能であるがアンモニア、二酸化炭素、空
気、酸素、窒素等の気化ガスまたは液体および寒
剤として、アルコールもしくは、エーテルと固体
無水炭酸との混合物のほか、氷と塩化亜鉛、塩化
ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等
の塩酸、硝酸、硫酸化合物との混合物等を使用す
ることができる。また、電気的に冷却する方法を
使用することもできる。 この冷却媒体に接触させる時間は、繊維の種
類、供給方法、媒体の種類や温度等により異なる
が、一般には1〜100秒程度が用いられる。 冷却媒体との接触方法は特に限定されないが、
気体雰囲気中、液体中に連続繊維の束を通過させ
る方法、冷却媒体を連続繊維の束に適下させる方
法、冷却物体の表面に連続繊維の束を接触させる
方法等がある。 オーバー・フイード率は繊維の種類、冷却温度
によつて異なるが、繊維束の緊張を緩和すればよ
く0%より大きくすればよい。一般には1〜50%
程度が用いられる。好ましくは3〜10%である。 特に、繊維束を低温槽に長時間滞留させる場
合、オーバー・フイード率を更に大きくすること
ができるがその限度はオーバー・フイードされた
繊維束の各単繊維間を冷媒が通過できる程度とす
る。また、送りローラを充填密度に応じて可変さ
せてもよい。連続繊維の束の切断は、−20℃以下
の媒体に接触後直ちに行う。 本発明によれば、低温にするに従つて繊維の粘
性抵抗が増し、伸度が極めて低い状態となる為切
断後も原綿の捲縮を有する不連続繊維の束を得る
ことが可能である。 更に、本発明においては捲縮を有した状態で冷
却した後直ちに、繊維束に延伸力あるいは延伸力
と補助的な剪断力を与えて切断するのが好まし
く、捲縮を維持した状態で冷却することによつて
繊維の冷却効率を高めるとともに捲縮の固定化を
行う。次に固定化された捲縮部に延伸力等を与え
ると捲縮部に発生する剪断応力、または屈曲部内
側に発生する応力によつて小さい張力で切断する
ことができる。 これらの他に別の切断力を併用しても差しつか
えない。かくして、えられた不連続繊維の束は良
好なステープルダイヤグラムを有することにな
る。このようにして製造された不連続繊維の束と
しては、具体的には、スライバー、粗糸直紡用等
の繊維束がある。 第9図はアクリル系合成繊維(商品名:カシミ
ロン)について捲縮を維持した状態で切断を行
つた場合、冷却媒体の温度と、不連続繊維の束を
構成する単繊維の収縮率の関係を示す図である
が、これからわかるように本発明の方法によれ
ば、低収縮率から中収縮率の不連続繊維束の製造
迄達成が可能である。 また、切断に際して、所要の媒体温度が設定さ
れた場合、第9図に示す如く、その温度に対応し
た単繊維の収縮率が決定される。その場合−20℃
以下の媒体に接触させる前に、前以つて延伸、好
ましくは熱延伸を行うことにより延伸倍率に対応
して所望の収縮率が得られる。第6図Cはアクリ
ル系合成繊維(商品名:カシミロン)を、前以
つて熱延伸した後、−100℃の媒体に接触させつつ
切断した場合の収縮率変化に示す図である。熱延
伸しない場合の収縮率は4%であるが、熱延伸倍
率が増加すると共に、収縮率が4〜28%まで変化
する。 一方、Dはパーロツク方式で20℃で切断した場
合の収縮率である。この場合、収縮率は23%〜28
%の範囲でしか変化しない。 本発明は、このように、−20℃以下という冷却
媒体に接触させて不連続繊維の束を製造するもの
であるから、 (イ) 捲縮を維持した状態で切断して不連続繊維の
束を製造する場合、切断に伴うエネルギーが極
めて少なくてすむ。 (ロ) 冷却媒体の温度を変えることにより低収縮か
ら高収縮に至る任意の収縮率をもつ紡績糸の製
造が可能となる。 (ハ) 切断に先立つて、延伸処理を行うことによ
り、収縮率を任意にすることが可能となる。 (ニ) 紡績工程におけるフライ、繊維切断の発生が
極めて減少する。 (ホ) 本発明の方法による不連続繊維の束からつく
られた紡績糸は糸斑が極めて少なく、糸強力は
大きい。 という顕著な作用効果を示す。 次に、本発明の例を図面により説明する。 第1図は、捲縮を維持した状態で切断する方法
の一実施態様例を示す工程図である。一定の巾に
均一に単繊維を分繊しながら厚みを整えた捲縮を
有する単繊維からなる連続繊維の束31をバツク
ローラー36にてオーバーフイードすることによ
つて、元の捲縮32を回復発現させながら低温槽
33内に供給する。そして、低温槽33内におい
て−20℃以下の低温媒体に接触させることによつ
て、繊維の剛性を増し、伸度のほとんどない状態
にするとともに、その捲縮の固定化を行う。次
に、ミドル・ローラー37とブレイク・ローラー
38の間で若干のブレーク・ドラフトを与えて、
固定化された捲縮部に剪断応力または集中応力を
発生せしめ、単繊維を切断して不連続繊維の束3
4としフロント・ローラー39でドラフトした
後、ケンス35に収納するものである。 第2図は、バツク・ローラー36とミドル・ロ
ーラー37の間にクリンパー40を設けて、捲縮
のない、または、捲縮の弱い連続繊維の束31に
適当な捲縮32を与えて、低温槽33内に供給し
た後、ミドル・ローラー37とブレイク・ローラ
ー38の間でブレーク・ドラフトを与えて切断し
不連続繊維の束34を製造する工程図である。 第3図は、任意の収縮をもつ不連続繊維の束3
4を製造するに適した工程図であり、連続繊維の
束31をバツク・ローラー36と、延伸・ローラ
ー41との間に上下1対の熱板42を設け、連続
繊維の束31を加熱軟化させると同時に、所定の
収縮を得るに適した延伸倍率にて延伸する。次
に、クリンパー40で捲縮32を与え、低温槽3
3内に供給した後、ミドル・ローラー37とブレ
イク・ローラー38の間で若干のブレーク・ドラ
フトを与えて、固定化された捲縮部32に剪断応
力または集中応力を発生せしめ、単繊維を切断し
て不連続繊維の束34としてケンス35に収納す
るものである。 次に実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例 1 アクリル系合成繊維3dで構成される50万デニ
ールのトウを第1図の装置に仕掛けて下記条件に
紡出した。 捲縮数 12(ケ/インチ) トウ捲縮状態 捲縮度 13(%) 捲縮角度60゜≦θ≦120゜ オーバーフイード率 10(%) 冷却媒体 窒素ガス 低温槽内雰囲気温度 −100(℃) 滞留時間 45(sec) ブレーク・ドラフト 1.15(付加倍率) 紡出速度 100(m/min) 次に、上記トウをOMトウリアクター(OM製
作所社製)に仕掛け下記条件で紡出を行い、その
結果について比較した。 熱板温度 120(℃) 熱延伸倍率 1.281 滞留時間 6(sec) トータル・ドラフト 6.51 (ブレーク・ドラフト) (2.53) 牽切域雰囲気温度 20(℃) 紡出速度 100(m/min) 更に、梳毛紡績工程において、ローラー・カー
ドに同じく3dを70〜127(mm)のバイアスにカツ
トしたステープル・フアイバーを供給し下記条件
で紡出したものについてもその工程性能・スライ
バー物性について比較した。 紡出速度 30(m/min)
維の束、例えばトウやマルチフイラメントから紡
績糸を製造する為の中間製品である不連続繊維の
束を製造する方法に関する。更に詳しくは、アク
リル系合成繊維からなる連続繊維の束を、捲縮を
維持した状態で、−20℃以下の媒体に接触させた
後直ちに、連続繊維の束に延伸力あるいは延伸力
と補助的な剪断力を与えて各単繊維を切断して捲
縮を有する不連続繊維の束を製造する方法に関す
るものである。 従来、紡績糸の製造方法として、短繊維群をカ
ード工程→ギル工程又は練条工程→粗紡工程→精
紡工程により製造する方法が知られている。しか
し、この方法はカード工程を経る為 生産性が低い。 紡績工程で紡績糸に収縮性を付与できない 繊維製造工程において、紡績目的に応じた繊
維長に切断し短繊維を製造する工程が必要であ
る。 カード工程でネツプ(単繊維どうしのからま
り)、フツク(単繊維先端が湾曲する)が発生
する。更に、平行度が悪い為ギル工程を長くす
る等の対策が必要である。 といつた問題点がある。 一方、トウ、フイラメントのような連続繊維の
束を不連続繊維の束に変換した後、紡績糸を製造
する方法として、室温近辺の温度においてパーロ
ツク方式、ターボ方式等により不連続繊維の束を
製造する方法が知られている。 パーロツク方式は、連続繊維の束を、ローラー
より延伸して各単繊維を切断して、平行度の高い
不連続繊維の束を高速にて得ようとする方法であ
る。切断に際して、第7図のアクリル系合成繊維
(商品名 カシミロン)の強伸度曲線Cに示す
ように、繊維を伸度0〜約5%の弾性変形域を経
て、5%以上の塑性変形域において、破断伸度迄
延伸して切断を行う為に (i) 通常の紡績条件下では、延伸に伴ない繊維に
大きな残留ひずみが存在する為、低収縮率紡績
糸の製造に限度がある。 (ii) 強伸度、殊にループ強伸度が大きく低下する
為、紡績糸の製造工程で繊維の切断やフライが
多発する。 (iii) 高伸度の繊維を延伸して切断する場合、予備
延伸を行つた後、パーロツク方式で延伸切断す
る為、(ii)の欠点が助長される。 (iv) 切断された繊維先端がチヂレる為、これが紡
績糸の糸斑をひきおこす。 という問題点がある。 ターボ方式には、連続繊維の束を延伸しつつ、
剪断力を与えて切断する方法である。この方式で
は、必ずしも繊維を破断伸度延伸する必要はない
が、切断された繊維のステープルダイヤグラムが
悪くなる。即ち過長繊維及び短繊維含有割合が多
くなる。 本発明は、このような従来法の欠点を解決する
方法を提供するものである。即ち紡績工程におけ
る前記欠点を解決した上、不連続繊維の束を製造
する場合に、極めて少ないエネルギーで行うこと
ができると共に低収縮率から高収縮率のアクリル
系合成繊維からなる紡績糸を自由に製造でき、繊
維切断やフライの発生が極めて少なく、極めて優
れた品質の紡績糸を高速で製造することのできる
不連続繊維束の製造方法を提供するものである。 本発明の連続繊維の束としては、トウ、マルチ
フイラメントが一般に用いられる。 繊維の束としては、単繊維デニール0.1〜60dか
ら構成されるトータル・デニール30d〜200万d
のフイラメント、ラージ・フイラメントおよび、
トウ等に適用される。 更に、上記連続繊維の束と短繊維からなる繊維
束との混合体、他種繊維との混合体にも適用でき
る。 本発明における1つの発明は、捲縮を有するア
クリル系合成繊維からなる連続繊維の束を冷却域
において、捲縮を維持した状態で−20℃以下の媒
体、好ましくは−40℃以下、より好ましくは−80
℃以下の媒体に接触させた後直ちに、単繊維を切
断する方法である。 もう1つの発明は、捲縮を有するアクリル系合
成繊維からなる連続繊維の束を、冷却域にオーバ
ーフイードすることによつて、捲縮を維持した状
態で上記温度の冷却媒体に接触させ後直ちに単繊
維を切断して捲縮を有する不連続繊維の束を製造
する方法である。 第7図Aは、アクリル系合成繊維(商品名:カ
シミロン)の単繊維が捲縮を有する状態で−
100℃の窒素ガスに45秒間接触させた状態で延伸
した時の強伸度曲線、Bは張力を与え、捲縮のな
い状態で同様の媒体に接触させた状態で延伸した
時の強伸度曲線である。 第8図は、捲縮を維持した状態で各温度1分
間放置後の破断強力を示す曲線、は、捲縮を充
分伸ばした状態で同様の処理をした後の破断強力
を示す曲線である。第7,8図からわかるよう
に、捲縮を有する状態で、−20℃以下の媒体に接
触させて、捲縮の固定化を行うと、捲縮を伸ばし
た状態で冷却して切断する場合に比べて、約10%
の切断に要する張力が減少する。そして、従来の
ストレツチ・ブレーキング方式に対しても同等の
張力で切断できる。−40℃以下の媒体に接触させ
ることによつて、連続繊維の束より繊維損傷が少
なく、同様にフライ、収縮の発現の少ない、物理
的性能、ならびに、平行度、斑、ネツプ等の品質
に優れた不連続繊維の束がえられる。−80℃以下
の媒体に接触することによつて、従来のストレツ
チ・ブレーキング方式に比べて、半分以下という
少ない張力で切断することが可能となる。 この捲縮の状態を第4図によつて説明すると、
連続繊維の束21を構成している単繊維22の長
さ方向の捲縮23はイの如く連続的に存在した状
態でもよいが、ロの如く少なくとも切断ゾーンの
長さLの範囲内に1ケの捲縮23を有していても
よい。連続繊維の束21としてみた場合、長さ方
向にランダムに在存することが望ましい。そし
て、この捲縮を有する連続繊維の束を一定の巾に
均一に単繊維を分繊するとともに厚みを整えた状
態で冷却域に供給するのが好ましい。 本発明において、冷却域への連続繊維の束を供
給するに際して、オーバーフイードしつつ行うこ
とが破断エネルギーを減少させる上で一層好まし
い。即ち、オーバーフイードして、元の繊維の捲
縮をできるだけ維持しつつ、冷却域で−20℃以下
の媒体に接触させた後直ちに切断する。 第10図は、捲縮を有するアクリル系合成繊維
(単繊維デニール3d×100本)からなる連続繊維
の束を、−100℃の冷却域へ、45秒間、各種のオー
バー・フイード率で供給した時の破断強力を示す
図であるが、オーバーフイード率の増加と共に破
断強力が減少していることがよく理解される。 本発明において冷却域に供給するときの単繊維
の捲縮は切断ゾーンの長さL内において、少なく
とも1ケの捲縮の角度θが第5図の如く0゜<θ
≦120℃であることが好ましい。 尚、角度θは2mg/dの荷重を付与した状態で
測定したものである。 この捲縮の維持は冷却域へ繊維束を供給するに
際して、繊維束をリラツクスさせた状態で供給し
てもよいし、繊維束を一旦、緊張した後、オーバ
ー・フイードしてもよい。 このように、本発明において捲縮を有する繊維
束を用いるのが好ましく、ローラー又はスリツト
シールをするとともに圧搾し各単繊維間に含有す
る外気を追い出した後、冷却槽内にオーバー・フ
イードすることによつて、捲縮を発現させ繊維束
に嵩高性をもたせることにより冷気を各単繊間に
通過又は含有させることよつて冷却効率を高める
ことが可能となる。また、切断に要するエネルギ
ーが減少するとともに、切断後も元の捲縮を有し
嵩高性があり、かつ低収縮で平行性の良好な不連
続繊維の束を得ることが可能となつた。この結
果、従来法、即ち、パーロツク方式、ターボ方式
で低収縮でかつ捲縮を有する不連続繊維の束を得
る場合、大きく塑性変形させ破断伸度にまで延伸
することにより切断し、一旦高収縮で元の捲縮が
なく、ほとんど残留伸度のない不連続繊維の束を
紡出した後、クリンパー工程にて再度捲縮を付与
し、次にセツター工程にて収縮を緩和させるとと
もに捲縮の固定を行なう必要があつた。更に、こ
うして得られたセツト後の不連続繊維の束は固く
しまり開繊性が悪い為、開繊して嵩高性のある不
連続繊維の束にするドラフター工程が必要であつ
た、のに対して、本発明は従来法で用いられたク
リンパー工程、セツター工程、開繊用のドラフタ
ー工程が不要となり連続化を可能にするとともに
大巾に工程を短縮できるのに加えて、繊維を大き
く塑性変形させたり、残留伸度のないもろい状態
でクリンパー工程にて座屈変形させたりすること
による繊維の損傷が少なくなるという作用効果を
もつ。 また、本発明方法はコンジユゲート繊維につい
ても、従来法においては大きく塑性変形させて切
断した後、発現した高い収縮を取り除く為、セツ
ター工程にて乾熱及び湿熱を与えると、繊維収縮
に加えてコンジユゲート繊維の構造に起因する捲
縮が発現し、より不連続繊維の束が固くなり引抜
抵抗の増加、開繊性、糸斑が悪くなるといつた問
題があるのに対して、非常に効果がある。 冷却媒体としては、−20℃以下のものであれば
使用可能であるがアンモニア、二酸化炭素、空
気、酸素、窒素等の気化ガスまたは液体および寒
剤として、アルコールもしくは、エーテルと固体
無水炭酸との混合物のほか、氷と塩化亜鉛、塩化
ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等
の塩酸、硝酸、硫酸化合物との混合物等を使用す
ることができる。また、電気的に冷却する方法を
使用することもできる。 この冷却媒体に接触させる時間は、繊維の種
類、供給方法、媒体の種類や温度等により異なる
が、一般には1〜100秒程度が用いられる。 冷却媒体との接触方法は特に限定されないが、
気体雰囲気中、液体中に連続繊維の束を通過させ
る方法、冷却媒体を連続繊維の束に適下させる方
法、冷却物体の表面に連続繊維の束を接触させる
方法等がある。 オーバー・フイード率は繊維の種類、冷却温度
によつて異なるが、繊維束の緊張を緩和すればよ
く0%より大きくすればよい。一般には1〜50%
程度が用いられる。好ましくは3〜10%である。 特に、繊維束を低温槽に長時間滞留させる場
合、オーバー・フイード率を更に大きくすること
ができるがその限度はオーバー・フイードされた
繊維束の各単繊維間を冷媒が通過できる程度とす
る。また、送りローラを充填密度に応じて可変さ
せてもよい。連続繊維の束の切断は、−20℃以下
の媒体に接触後直ちに行う。 本発明によれば、低温にするに従つて繊維の粘
性抵抗が増し、伸度が極めて低い状態となる為切
断後も原綿の捲縮を有する不連続繊維の束を得る
ことが可能である。 更に、本発明においては捲縮を有した状態で冷
却した後直ちに、繊維束に延伸力あるいは延伸力
と補助的な剪断力を与えて切断するのが好まし
く、捲縮を維持した状態で冷却することによつて
繊維の冷却効率を高めるとともに捲縮の固定化を
行う。次に固定化された捲縮部に延伸力等を与え
ると捲縮部に発生する剪断応力、または屈曲部内
側に発生する応力によつて小さい張力で切断する
ことができる。 これらの他に別の切断力を併用しても差しつか
えない。かくして、えられた不連続繊維の束は良
好なステープルダイヤグラムを有することにな
る。このようにして製造された不連続繊維の束と
しては、具体的には、スライバー、粗糸直紡用等
の繊維束がある。 第9図はアクリル系合成繊維(商品名:カシミ
ロン)について捲縮を維持した状態で切断を行
つた場合、冷却媒体の温度と、不連続繊維の束を
構成する単繊維の収縮率の関係を示す図である
が、これからわかるように本発明の方法によれ
ば、低収縮率から中収縮率の不連続繊維束の製造
迄達成が可能である。 また、切断に際して、所要の媒体温度が設定さ
れた場合、第9図に示す如く、その温度に対応し
た単繊維の収縮率が決定される。その場合−20℃
以下の媒体に接触させる前に、前以つて延伸、好
ましくは熱延伸を行うことにより延伸倍率に対応
して所望の収縮率が得られる。第6図Cはアクリ
ル系合成繊維(商品名:カシミロン)を、前以
つて熱延伸した後、−100℃の媒体に接触させつつ
切断した場合の収縮率変化に示す図である。熱延
伸しない場合の収縮率は4%であるが、熱延伸倍
率が増加すると共に、収縮率が4〜28%まで変化
する。 一方、Dはパーロツク方式で20℃で切断した場
合の収縮率である。この場合、収縮率は23%〜28
%の範囲でしか変化しない。 本発明は、このように、−20℃以下という冷却
媒体に接触させて不連続繊維の束を製造するもの
であるから、 (イ) 捲縮を維持した状態で切断して不連続繊維の
束を製造する場合、切断に伴うエネルギーが極
めて少なくてすむ。 (ロ) 冷却媒体の温度を変えることにより低収縮か
ら高収縮に至る任意の収縮率をもつ紡績糸の製
造が可能となる。 (ハ) 切断に先立つて、延伸処理を行うことによ
り、収縮率を任意にすることが可能となる。 (ニ) 紡績工程におけるフライ、繊維切断の発生が
極めて減少する。 (ホ) 本発明の方法による不連続繊維の束からつく
られた紡績糸は糸斑が極めて少なく、糸強力は
大きい。 という顕著な作用効果を示す。 次に、本発明の例を図面により説明する。 第1図は、捲縮を維持した状態で切断する方法
の一実施態様例を示す工程図である。一定の巾に
均一に単繊維を分繊しながら厚みを整えた捲縮を
有する単繊維からなる連続繊維の束31をバツク
ローラー36にてオーバーフイードすることによ
つて、元の捲縮32を回復発現させながら低温槽
33内に供給する。そして、低温槽33内におい
て−20℃以下の低温媒体に接触させることによつ
て、繊維の剛性を増し、伸度のほとんどない状態
にするとともに、その捲縮の固定化を行う。次
に、ミドル・ローラー37とブレイク・ローラー
38の間で若干のブレーク・ドラフトを与えて、
固定化された捲縮部に剪断応力または集中応力を
発生せしめ、単繊維を切断して不連続繊維の束3
4としフロント・ローラー39でドラフトした
後、ケンス35に収納するものである。 第2図は、バツク・ローラー36とミドル・ロ
ーラー37の間にクリンパー40を設けて、捲縮
のない、または、捲縮の弱い連続繊維の束31に
適当な捲縮32を与えて、低温槽33内に供給し
た後、ミドル・ローラー37とブレイク・ローラ
ー38の間でブレーク・ドラフトを与えて切断し
不連続繊維の束34を製造する工程図である。 第3図は、任意の収縮をもつ不連続繊維の束3
4を製造するに適した工程図であり、連続繊維の
束31をバツク・ローラー36と、延伸・ローラ
ー41との間に上下1対の熱板42を設け、連続
繊維の束31を加熱軟化させると同時に、所定の
収縮を得るに適した延伸倍率にて延伸する。次
に、クリンパー40で捲縮32を与え、低温槽3
3内に供給した後、ミドル・ローラー37とブレ
イク・ローラー38の間で若干のブレーク・ドラ
フトを与えて、固定化された捲縮部32に剪断応
力または集中応力を発生せしめ、単繊維を切断し
て不連続繊維の束34としてケンス35に収納す
るものである。 次に実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例 1 アクリル系合成繊維3dで構成される50万デニ
ールのトウを第1図の装置に仕掛けて下記条件に
紡出した。 捲縮数 12(ケ/インチ) トウ捲縮状態 捲縮度 13(%) 捲縮角度60゜≦θ≦120゜ オーバーフイード率 10(%) 冷却媒体 窒素ガス 低温槽内雰囲気温度 −100(℃) 滞留時間 45(sec) ブレーク・ドラフト 1.15(付加倍率) 紡出速度 100(m/min) 次に、上記トウをOMトウリアクター(OM製
作所社製)に仕掛け下記条件で紡出を行い、その
結果について比較した。 熱板温度 120(℃) 熱延伸倍率 1.281 滞留時間 6(sec) トータル・ドラフト 6.51 (ブレーク・ドラフト) (2.53) 牽切域雰囲気温度 20(℃) 紡出速度 100(m/min) 更に、梳毛紡績工程において、ローラー・カー
ドに同じく3dを70〜127(mm)のバイアスにカツ
トしたステープル・フアイバーを供給し下記条件
で紡出したものについてもその工程性能・スライ
バー物性について比較した。 紡出速度 30(m/min)
【表】
【表】
また、上記スライバー(トウリアクター・スラ
イバーはリラツクス・セツトを行つた。)より、
通常の紡績工程を経て得られた、リング紡績糸お
よび、その製品についても比較した。
イバーはリラツクス・セツトを行つた。)より、
通常の紡績工程を経て得られた、リング紡績糸お
よび、その製品についても比較した。
【表】
トータル・デニール50万のトウを−100℃の冷
却媒体に接触させることによつて、従来のトウリ
アクターでは2.1倍以下のブレーク・ドラフトで
牽切できなかつたのに対して本発明では10%のオ
ーバーフイードをした後でも、1.15倍という低い
ブレーク・ドラフトで切断することができ、フラ
イおよび落綿の発生も少なく、従来法のカード方
式と比べても良好であつた。得られたスライバー
は収縮率が少ないうえに、元の捲縮が維持されて
いるので、トウリアクター方式のようにリラツク
スを行うとともに、牽切後に付与された捲縮を固
定するためのセツター工程が必要でなくなつた。
また、同じく収縮発現のないカード・スライバー
に比べて、平行度・ネツプ・U%とも優れた品質
をもつスライバーを高速にて製造することができ
た。 糸物性においても、本発明法では従来法のトウ
リアクターのものに比べ、繊維損傷はほとんどな
く番手強力積が良好であるとともに、カード方式
に比べて、U%糸欠点等の品質にすぐれている。 また、製品においても、カード方式と同様に、
反撥性がありかつ、染色性、熱ポリツシヤー性と
も良好であつた。 実施例 2 本発明法と従来法とで、切断に要する引張張力
を比較する為に、アクリル系合成繊維3dからな
る300デニールの繊維束(捲縮数10/インチ/捲
縮角度60゜≦θ≦120゜)を下記条件にてテンシ
ロンで引張り、それぞれのS−Sカーブについて
比較した。結果は第7図に示す。 従来法 20℃の雰囲気温度にて延伸切断した。(グラフ
C) 本発明法 単繊維の束を長さ方向に10%たるませ、捲縮を
発現させた状態において−100℃の窒素ガスで45
秒間冷却した後、延伸切断した。(グラフA) また、張力を与え、捲縮を伸ばした状態で−
100℃に45sec冷却した後、延伸切断した時のS−
Sカーブについても検討した(グラフB) 実施例 3 実施例2と同じサンプルにて、−100℃の窒素ガ
スで捲縮を冷却固定した場合と捲縮を伸ばして冷
却した場合の切断に要する引張強力の温度分散並
びに、その温度による収縮率を検討した。(第
8,9図) 本発明法 捲縮を長さ方向に10%たるませることによつて
発現させた状態で45sec冷却した後、延伸・切断
した。(グラフA) 比較法 捲縮を伸ばした状態で45sec冷却した後、延
伸・切断した。(グラフB) このように、冷却媒体に接触させることによつ
て、非常に低いブレーク・ドラフトで切断するこ
とが可能となるとともに、収縮率の発現もほとん
どなくなることがわかつた。更に、捲縮を固定し
てブレーク・ドラフトを与えることによつて、非
常に小さな引張張力によつて切断できるととも
に、収縮率の発現もより小さなものとなることが
わかつた。 実施例 4 実施例2、と同じサンプルにて−100℃の窒素
ガスでオーバーフイードした捲縮を45秒冷却固定
した場合の切断に要する引張強力とオーバー・フ
イード率の関係を示した。(第10図) 実施例 5 ポリアクリロニトリル繊維3dで構成される50
万デニールのトウを第3図の装置に下記条件にて
仕掛け、熱板での熱延伸倍率と得られたスライバ
ーの収縮率を従来法のトウリアクター方式で紡出
したものについて比較した。 1 本発明条件 熱板温度 120(℃) 滞留時間 約6(sec) トウの捲縮状態 捲縮数 12ケ/インチ 捲縮角度 60゜≦θ≦120゜ オーバー・フイード率 10(%) 冷却媒体 窒素ガス 低温槽内雰囲気温度 −100(℃) 滞留時間 45(ee) ブレーク・ドラフト 1.15 紡出速度 100(m/min) 2 トウリアクター条件 熱板温度 120(℃) 滞留時間 約6(sec) トータル・ドラフト 6.51 (ブレーク・ドラフト) (2.53) 紡出速度 100(m/min) 結果は第6図に示した如く、従来法では熱延伸
した後に牽切するために、破断伸度にまで単繊維
を延伸しなくてはならず、熱延伸による収縮以外
に、牽切による収縮が付加される。そこで収縮率
は熱延伸倍率が比較的に高い領域においては比例
関係にあるが、熱延伸倍率の低い領域においては
牽切による付加収縮のため、ある一定値以下の低
い収縮率は得られなかつた。つまり、従来法では
通常に得られる収縮の巾は狭かつた。それに対し
て、本発明法では熱延伸倍率に応じて、その繊維
のもつ最高収縮まではほぼ直線的に比例して、収
縮カーブを得ることができるので、任意の収縮率
をもつスライバーを容易に紡出することができる
ことがわかつた。
却媒体に接触させることによつて、従来のトウリ
アクターでは2.1倍以下のブレーク・ドラフトで
牽切できなかつたのに対して本発明では10%のオ
ーバーフイードをした後でも、1.15倍という低い
ブレーク・ドラフトで切断することができ、フラ
イおよび落綿の発生も少なく、従来法のカード方
式と比べても良好であつた。得られたスライバー
は収縮率が少ないうえに、元の捲縮が維持されて
いるので、トウリアクター方式のようにリラツク
スを行うとともに、牽切後に付与された捲縮を固
定するためのセツター工程が必要でなくなつた。
また、同じく収縮発現のないカード・スライバー
に比べて、平行度・ネツプ・U%とも優れた品質
をもつスライバーを高速にて製造することができ
た。 糸物性においても、本発明法では従来法のトウ
リアクターのものに比べ、繊維損傷はほとんどな
く番手強力積が良好であるとともに、カード方式
に比べて、U%糸欠点等の品質にすぐれている。 また、製品においても、カード方式と同様に、
反撥性がありかつ、染色性、熱ポリツシヤー性と
も良好であつた。 実施例 2 本発明法と従来法とで、切断に要する引張張力
を比較する為に、アクリル系合成繊維3dからな
る300デニールの繊維束(捲縮数10/インチ/捲
縮角度60゜≦θ≦120゜)を下記条件にてテンシ
ロンで引張り、それぞれのS−Sカーブについて
比較した。結果は第7図に示す。 従来法 20℃の雰囲気温度にて延伸切断した。(グラフ
C) 本発明法 単繊維の束を長さ方向に10%たるませ、捲縮を
発現させた状態において−100℃の窒素ガスで45
秒間冷却した後、延伸切断した。(グラフA) また、張力を与え、捲縮を伸ばした状態で−
100℃に45sec冷却した後、延伸切断した時のS−
Sカーブについても検討した(グラフB) 実施例 3 実施例2と同じサンプルにて、−100℃の窒素ガ
スで捲縮を冷却固定した場合と捲縮を伸ばして冷
却した場合の切断に要する引張強力の温度分散並
びに、その温度による収縮率を検討した。(第
8,9図) 本発明法 捲縮を長さ方向に10%たるませることによつて
発現させた状態で45sec冷却した後、延伸・切断
した。(グラフA) 比較法 捲縮を伸ばした状態で45sec冷却した後、延
伸・切断した。(グラフB) このように、冷却媒体に接触させることによつ
て、非常に低いブレーク・ドラフトで切断するこ
とが可能となるとともに、収縮率の発現もほとん
どなくなることがわかつた。更に、捲縮を固定し
てブレーク・ドラフトを与えることによつて、非
常に小さな引張張力によつて切断できるととも
に、収縮率の発現もより小さなものとなることが
わかつた。 実施例 4 実施例2、と同じサンプルにて−100℃の窒素
ガスでオーバーフイードした捲縮を45秒冷却固定
した場合の切断に要する引張強力とオーバー・フ
イード率の関係を示した。(第10図) 実施例 5 ポリアクリロニトリル繊維3dで構成される50
万デニールのトウを第3図の装置に下記条件にて
仕掛け、熱板での熱延伸倍率と得られたスライバ
ーの収縮率を従来法のトウリアクター方式で紡出
したものについて比較した。 1 本発明条件 熱板温度 120(℃) 滞留時間 約6(sec) トウの捲縮状態 捲縮数 12ケ/インチ 捲縮角度 60゜≦θ≦120゜ オーバー・フイード率 10(%) 冷却媒体 窒素ガス 低温槽内雰囲気温度 −100(℃) 滞留時間 45(ee) ブレーク・ドラフト 1.15 紡出速度 100(m/min) 2 トウリアクター条件 熱板温度 120(℃) 滞留時間 約6(sec) トータル・ドラフト 6.51 (ブレーク・ドラフト) (2.53) 紡出速度 100(m/min) 結果は第6図に示した如く、従来法では熱延伸
した後に牽切するために、破断伸度にまで単繊維
を延伸しなくてはならず、熱延伸による収縮以外
に、牽切による収縮が付加される。そこで収縮率
は熱延伸倍率が比較的に高い領域においては比例
関係にあるが、熱延伸倍率の低い領域においては
牽切による付加収縮のため、ある一定値以下の低
い収縮率は得られなかつた。つまり、従来法では
通常に得られる収縮の巾は狭かつた。それに対し
て、本発明法では熱延伸倍率に応じて、その繊維
のもつ最高収縮まではほぼ直線的に比例して、収
縮カーブを得ることができるので、任意の収縮率
をもつスライバーを容易に紡出することができる
ことがわかつた。
第1〜3図は、本発明を実施する工程の例を示
す図、第4図イ,ロは捲縮の状態を示す模式図、
第5図は捲縮角度を示す図、第6図は熱延伸倍率
と煮沸後の収縮率の関係を示す図、第7図はアク
リル系合成繊維(商品名:カシミロン)の引張
伸度と引張強力の関係を示す図、第8図は切断に
際しての冷却媒体の温度と破断強力との関係を示
す図、第9図は切断に際しての冷却媒体の温度と
切断された単繊維の煮沸後の収縮率との関係を示
す図、第10図はオーバーフイード率と破断強力
との関係を示す図である。
す図、第4図イ,ロは捲縮の状態を示す模式図、
第5図は捲縮角度を示す図、第6図は熱延伸倍率
と煮沸後の収縮率の関係を示す図、第7図はアク
リル系合成繊維(商品名:カシミロン)の引張
伸度と引張強力の関係を示す図、第8図は切断に
際しての冷却媒体の温度と破断強力との関係を示
す図、第9図は切断に際しての冷却媒体の温度と
切断された単繊維の煮沸後の収縮率との関係を示
す図、第10図はオーバーフイード率と破断強力
との関係を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 捲縮を有するアクリル系合成繊維からなる連
続繊維の束を冷却域において、捲縮を維持した状
態で−20℃以下の媒体に接触させた後直ちに、連
続繊維の束に延伸力あるいは延伸力と補助的な剪
断力を与えて連続繊維の束を構成する各単繊維を
切断することによつてアクリル系合成繊維からな
る捲縮を有する不連続繊維の束を製造する方法。 2 捲縮を有するアクリル系合成繊維からなる連
続繊維の束を、冷却域に、オーバーフイードする
ことによつて、捲縮を維持した状態で、−20℃以
下の媒体に接触させた後直ちに、連続繊維の束に
延伸力あるいは延伸力と補助的な剪断力を与え
て、連続繊維の束を構成する各単繊維を切断する
ことによつてアクリル系合成繊維からなる捲縮を
有する不連続繊維の束を製造する方法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15819681A JPS5860022A (ja) | 1981-10-06 | 1981-10-06 | アクリル系合成繊維からなる捲縮を有する不連続繊維の束を製造する方法 |
| DE19823236555 DE3236555A1 (de) | 1981-10-05 | 1982-10-02 | Verfahren zur herstellung unterbrochener filamentbuendel und spitz endender filamente |
| BE0/209176A BE894606A (fr) | 1981-10-05 | 1982-10-05 | Procede de fabrication d'un paquet de filaments discontinus et de filaments a extremite effilee |
| IT23618/82A IT1152693B (it) | 1981-10-05 | 1982-10-05 | Procedimento per la preparazione di fasci discontinui di filamenti e filamenti ad estremita' appuntita |
| US06/774,852 US4583266A (en) | 1981-10-05 | 1985-09-09 | Process for preparation of discontinuous filament bundles and sharp-ended filaments |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15819681A JPS5860022A (ja) | 1981-10-06 | 1981-10-06 | アクリル系合成繊維からなる捲縮を有する不連続繊維の束を製造する方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5860022A JPS5860022A (ja) | 1983-04-09 |
| JPS6144973B2 true JPS6144973B2 (ja) | 1986-10-06 |
Family
ID=15666366
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15819681A Granted JPS5860022A (ja) | 1981-10-05 | 1981-10-06 | アクリル系合成繊維からなる捲縮を有する不連続繊維の束を製造する方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5860022A (ja) |
-
1981
- 1981-10-06 JP JP15819681A patent/JPS5860022A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5860022A (ja) | 1983-04-09 |
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