JPS6155580B2 - - Google Patents
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- JPS6155580B2 JPS6155580B2 JP56209989A JP20998981A JPS6155580B2 JP S6155580 B2 JPS6155580 B2 JP S6155580B2 JP 56209989 A JP56209989 A JP 56209989A JP 20998981 A JP20998981 A JP 20998981A JP S6155580 B2 JPS6155580 B2 JP S6155580B2
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- amorphous
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- Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
Description
本発明は超高耐食性アモルフアス合金に関する
ものであり、特に本発明は6NHCl程度あるいはそ
れ以上の腐食環境において耐食性をもつ超高耐食
性Fe―Cr―Mo系アモルフアス合金に関するもの
である。 従来、広く使われている通常の耐食性合金はス
テンレス合金、たとえば13%クロム鋼、18―8テ
ンレス鋼(304鋼)、17―14―2.5Moステンレス鋼
(316鋼)とか、ニツケル基合金などがあり、耐侯
性、耐食性に優れている。しかし更に高腐食性の
環境たとえば、1N塩酸水溶液では不動態膜が壊
れて、従来の耐食性合金はほとんどすべてが、孔
食を受ける。 一方、本発明者らの一人はさきに特願昭49―
74246(特開昭51―4017)により、高強度,耐疲
労耐全面腐食,耐孔食,耐隙間腐食,耐応力腐食
割れ,耐水素脆性用アモルフアス鉄合金,ならび
に特願昭53―10397(特開昭54―103730)によ
り、炭素系非晶質鉄合金を発明して特許出願した
が、これらのアモルフアス鉄合金は1N塩酸,1N
硫酸又は1N食塩水溶液中でも高度の耐食性を示
し、全面腐食および孔食が全く起こらないことを
開示した。 前記特開昭51―4017により開示したアモルフア
ス鉄合金は、原子%として、Cr1〜40%とP,C
及びBのうち何れか1種または2種以上7〜35%
を主成分として含み、かつ副成分として、 (1) Ni及びCoの何れか1種または2種0.01〜40
%。 (2) Mo,Zr,Ti,Si,A1,Pt,Mn及びPdの何
れか1種または2種以上0.01〜20%。 (3) V,Nb,Ta,W,Ge,及びBeの何れか1種
または2種以上0.01〜10%。 (4) Au,Cu,Zn,Cd,Sn,As,Sb,Bi及びS
の何れか1種または2種以上0.01〜5%。 の群のうちから選ばれた何れか1群または2群以
上を合計量で0.01〜75%を含有し、残部は実質的
にFeの組成からなるものである。 また、前記特開昭54―103730により開示した炭
素系非晶質鉄合金は、 Fea Crb Mc Qd (式中Fe aはFeがa原子%,Cr bはCrがb
原子%,McはCr,Mo,Wのうちからえらばれる
何れか1種または2種以上がc原子%、QdはC
がd原子%含有されていることを示す。) の式で示される成分組成よりなるものであつて、
そのうち耐食性に優れたるものは、aが28〜82,
bが2〜20,cが4〜26,dが12〜26の範囲内に
ある炭素系非晶質鉄合金であることを開示した。 上記発明からわかるように、アモルフアス鉄合
金においては、結晶質の合金と同様に、耐食性を
向上させるためにもつと効率的な合金添加物はク
ロムであり、クロムのほかにモリブデンの添加が
クロムを含む鉄基アモルフアス合金の耐食性を改
善する。 ところで、本発明者らは前記2つの発明合金に
ついて、さらに耐食性を調べた結果、1N塩酸水
溶液より高濃度の塩酸水溶液に対して、整分組成
範囲の違いにより極めて強い耐食性を示す成分組
成範囲と、比較的弱い耐食性を示す成分組成範囲
があることを見出し、さらにまた前記1N塩酸水
溶液以上の場合に見られる強腐食環境にあつて
は、前記発明合金では十分な耐食性を発揮するこ
とができないことを知つた。その一例として6N
塩酸水溶液(室温),6N硝酸水溶液(室温)及び
18N硫酸水溶液(80℃)などで腐食速度を実験し
た結果を第1表に示す。
ものであり、特に本発明は6NHCl程度あるいはそ
れ以上の腐食環境において耐食性をもつ超高耐食
性Fe―Cr―Mo系アモルフアス合金に関するもの
である。 従来、広く使われている通常の耐食性合金はス
テンレス合金、たとえば13%クロム鋼、18―8テ
ンレス鋼(304鋼)、17―14―2.5Moステンレス鋼
(316鋼)とか、ニツケル基合金などがあり、耐侯
性、耐食性に優れている。しかし更に高腐食性の
環境たとえば、1N塩酸水溶液では不動態膜が壊
れて、従来の耐食性合金はほとんどすべてが、孔
食を受ける。 一方、本発明者らの一人はさきに特願昭49―
74246(特開昭51―4017)により、高強度,耐疲
労耐全面腐食,耐孔食,耐隙間腐食,耐応力腐食
割れ,耐水素脆性用アモルフアス鉄合金,ならび
に特願昭53―10397(特開昭54―103730)によ
り、炭素系非晶質鉄合金を発明して特許出願した
が、これらのアモルフアス鉄合金は1N塩酸,1N
硫酸又は1N食塩水溶液中でも高度の耐食性を示
し、全面腐食および孔食が全く起こらないことを
開示した。 前記特開昭51―4017により開示したアモルフア
ス鉄合金は、原子%として、Cr1〜40%とP,C
及びBのうち何れか1種または2種以上7〜35%
を主成分として含み、かつ副成分として、 (1) Ni及びCoの何れか1種または2種0.01〜40
%。 (2) Mo,Zr,Ti,Si,A1,Pt,Mn及びPdの何
れか1種または2種以上0.01〜20%。 (3) V,Nb,Ta,W,Ge,及びBeの何れか1種
または2種以上0.01〜10%。 (4) Au,Cu,Zn,Cd,Sn,As,Sb,Bi及びS
の何れか1種または2種以上0.01〜5%。 の群のうちから選ばれた何れか1群または2群以
上を合計量で0.01〜75%を含有し、残部は実質的
にFeの組成からなるものである。 また、前記特開昭54―103730により開示した炭
素系非晶質鉄合金は、 Fea Crb Mc Qd (式中Fe aはFeがa原子%,Cr bはCrがb
原子%,McはCr,Mo,Wのうちからえらばれる
何れか1種または2種以上がc原子%、QdはC
がd原子%含有されていることを示す。) の式で示される成分組成よりなるものであつて、
そのうち耐食性に優れたるものは、aが28〜82,
bが2〜20,cが4〜26,dが12〜26の範囲内に
ある炭素系非晶質鉄合金であることを開示した。 上記発明からわかるように、アモルフアス鉄合
金においては、結晶質の合金と同様に、耐食性を
向上させるためにもつと効率的な合金添加物はク
ロムであり、クロムのほかにモリブデンの添加が
クロムを含む鉄基アモルフアス合金の耐食性を改
善する。 ところで、本発明者らは前記2つの発明合金に
ついて、さらに耐食性を調べた結果、1N塩酸水
溶液より高濃度の塩酸水溶液に対して、整分組成
範囲の違いにより極めて強い耐食性を示す成分組
成範囲と、比較的弱い耐食性を示す成分組成範囲
があることを見出し、さらにまた前記1N塩酸水
溶液以上の場合に見られる強腐食環境にあつて
は、前記発明合金では十分な耐食性を発揮するこ
とができないことを知つた。その一例として6N
塩酸水溶液(室温),6N硝酸水溶液(室温)及び
18N硫酸水溶液(80℃)などで腐食速度を実験し
た結果を第1表に示す。
【表】
【表】
よつて本発明者らはよりきびしい腐食環境とし
て、6N塩酸水溶液を選定し、前記発明合金に耐
食性について改めて種々検討を重ね、ようやく本
発明のアモルフアス合金の成分組成範囲がもつと
も優れた耐食性を有することを新規に知見して本
発明を完成した。 本発明はこのような理由からなされたもので、
その目的とするところは6N塩酸あるいは熱塩酸
のような強腐食性環境下で耐食性を維持すること
のできる超高耐食性Fe―Cr―Mo系アモルフアス
合金を提供することにある。 すなわち、本発明はFe,Cr及びMoと半金属か
らなるアモルフアス合金において、Cr5原子%以
上、Mo20原子%以下で、CrとMoの合計が15〜35
原子%の範囲内にあり、半金属元素はP―C系か
らなり、PとCがおのおの5原子%以上で、その
合計が20〜25原子%の範囲内にある超高耐食性
Fe―Cr―Mo系アモルフアス合金である。 以下本発明を詳細に説明する。 まず本発明に係る合金の成分元素の添加理由お
よび添加範囲の限定理由について説明する。 アモルフアス合金は通常同組成の結晶質合金よ
り高活性のため腐食を受けやすいものであること
が一般に知られているが、クロムを含む鉄基アモ
ルフアス合金は同一成分組成の結晶質合金ならび
に従来の耐食性合金よりも高度な耐食性を示すこ
とが知られている。本発明者らは前記クロムを含
む鉄基アモルフアス合金が耐食性を有する原因に
ついて考究し、その原因はアモルフアス合金自体
の化学的均一性と高活性によるものであり、前記
化学的均一性は均一な不動態膜を形成するために
役立ち、前記高活性は前記不動態膜を急速に生成
し、かつ強固緻密にするのに役立つていることを
知見した。前記不動態膜は主としてクロム水酸化
物の水和物からなり、その不動態膜中のクロム水
酸化物の富化が不動態膜の高度な保護特性のため
の大切な要因である。モリブデンは前記不動態膜
の富化に大きな効果をもつている。したがつて、
クロムの添加は耐食性にとつて不可欠のものであ
り、またモリブデンの添加は不動態膜の生成を助
長するものである。 そこで合金系としてFe―Cr―Mo系を選定し、
室温,あるいは80℃の6N塩酸水溶液などの種々
の強腐食環境の中で、ポテンシオスタツト法(動
電位法)により分極曲線を測定して自己不動態化
する成分組成範囲を調べた。 つぎに上記自己不動態化する成分組成範囲を研
究データについて説明する。 第1図に示すようにFe―Cr―Mo―13P―7Cア
モルフアス合金において、室温6N塩酸では、Cr5
原子%あるいはそれ以上含むものはMo10原子%
以上で自己不動態化し、Cr10原子%あるいはそ
れ以上含むものはMo5原子%の添加で十分自己不
動態化する。第1図において、それぞれの点を結
ぶ一連の線の上方に施した斜線領域は6NHClに対
する自己不動態化領域であり、上記それぞれの一
連の線の下方は活性領域である。したがつて、
Crの含有量を5原子%以上とし、CrとMoの合計
を15原子%以上とする必要がある。Cr含有量を
増加すると、自己不動態化するために必要なMo
添加量は減少し、たとえば、Fe―20Cr―2Mo―
13P―7C合金は室温6N塩酸水溶液中で自己不動
態化することが同図よりわかる。また大量のMo
の添加は腐食電位を上昇させる効果はあるが、第
2図から判るように一定量のMo以上では腐食速
度が一定となり、特に効果が見出されない。した
がつてMo添加量を20原子%以上とするのはとく
にMoが高価な元素であることもあり得策ではな
い。なお、Moが20原子%以上あるいはCrとMoの
合計が35原子%以上になるとアモルフアス形成能
が悪くなる。 つぎにさらにきびしい腐食条件では、第1図か
ら判るように6N塩酸水溶液(80℃)中での分極
曲線測定の結果、13P―7C系合金ではCr5原子%
でMo15原子%あるいはそれ以上のとき、または
Cr10原子%でMo10原子%あるいはそれ以上のと
き自己不動態化するが、Crが10原子%以上に増
加しても自己不動態化に必要なMo量は減少しな
いことが判明した。 つぎに半金属の選定理由およびその濃度範囲に
ついて説明する。 アモルフアス合金を製造するために半金属元素
の添加が必要であり、一般にP,C,B,Siが使
用され、これら元素の添加によりおのおの製造さ
れるアモルフアス鉄合金の性質にそれぞれ異なつ
た特徴が見られる。その効果は特開昭54―103730
に原料費,溶解性,非晶質形成能,結晶化温度,
硬さ,強さ,耐食性,脆化について詳細に示した
が、その結果からP―C系,P―B系,P―Si
系,Si―B系,C系について実験した結果、その
一部を第1表に示したようにBならびにBとB以
外の半金属を含むものは耐食性がおとり、そのう
え原料費が高いこともあり、半金属系としてP―
C系,P―Si,C系を選定した。 これらの半金属元素の添加量については第3図
に示すように、Fe―10Cr―5Mo―P―C系にお
いてPとCの合計が20原子%以上のとき室温、
6N塩酸水溶液中で自己不動態化する。さらにP
とCの合計を増加することによつてCrとMoが節
約できる。たとえば第1図に示したようにPとC
の合計が22原子%(P10原子%,C12原子%)で
はCrとMoの合計が10原子%以上で室温6N塩酸水
溶液中で自己不動態化するようになる。このこと
はMoが高価であるため、実用合金として考えた
場合経済的に非常に大切なことであるが、PとC
の合計が25原子%を超えると、合金のアモルフア
ス形成能が悪くなるのでPとCの合計は25原子%
以下にする必要がある。 Crの含有量が25原子%以上になると、Fe―Cr
―Mo系アモルフアス合金の場合、P―C系より
もC系の方がアモルフアス合金の製造が容易にな
る。またP―C系よりもC系の方が安価な原料を
使用できることもあり、Fe―(25〜35)Cr―Mo
―18C系について、その耐食性を80℃、6N塩酸水
溶液中で測定した。その結果第1図に示したよう
にMoを10原子%あるいはそれ以上含むものが自
己不動態化することが判つた。しかし、同じ量の
CrとMoを含むP―C系と比較すると腐食電位が
低く、陽極電流密度が高いため耐食性において劣
る。 すなわち、Fe―10Cr―5Mo系において、非金
属元素としてCのみでは目的とする高耐食性が得
られず、Pを共存させることが必要であり、その
量は5原子%以上で安定した高耐食性が得られ
る。又同様にPのみでも耐食性が劣るため、Cは
5原子%以上とする必要がある。 本発明に係るFe―Cr―Mo系アモルフアス合金
の製造方法は通常行なわれる液体金属の超急冷法
によるものである。すなわち配合素材は、鉄源と
して銑鉄あるいは純鉄,合金元素であるクロムま
たはモリブデンは市販純金属あるいはフエロクロ
ムまたはフエロモリブデン,半金属源として市販
純物質あるいはフエロボロン,フエロホスホル,
フエロシリコン,セメンタイトを使用し、配合後
加熱溶解し、冷却体の移動冷却面上にノズルから
前記溶解合金溶湯を射出、急冷凝固させて本発明
合金を製造することができる。 本発明合金において、合金元素源としてフエロ
アロイを使用できることはその経済性、生産性に
おいて極めて大きな利点である。すなわち、クロ
ムまたはモリブデン源としてフエロクロム,また
はフエロモリブデンは今日もつとも安価な原料で
あること、またフエロクロムはすでにFe―Cr―
C系合金であり、融点が低いこと、フエロモリブ
デンも純モリプデンに比較して著るしく低融点で
あり、均一な溶融合金を大量に製造するために好
適である。さらにこれらのフエロアロイ中の不純
物は主として、P,Siであることから、本発明合
金を製造するにはむしろ好影響を及ぼす元素であ
る。 つぎに本発明を実施例について説明する。 実施例 1 Cr10原子%,Mo0,2,5,7,10,15原子
%,P13原子%,C7原子%,残部Feよりなるア
モルフアス合金を片ロール法(ロール直径30cm
φ,回転数2000〜3000rpm)によつて製造し、こ
のアモルフアス合金を室温で6NHCl中に浸漬して
腐食速度を調べた。上記Fe―10Cr―Mo―13P―
7Cアモルフアス合金は分極曲線測定結果から
Mo5原子%以上で自己不動態化するが、腐食速度
測定結果、第2図に示したようにMo5原子%以上
で著しく腐食速度が減少し、耐食性が極めて優秀
であつた。 実施例 2 上記、Fe―10Cr―Mo―13P―7Cアモルフアス
合金を80℃の6NHCl中に浸漬して同様に腐食速度
を測定した。この条件下では、Mo10原子%以上
で自己不動態化するが、第2図に示したように著
しい腐食速度の減少が見られ、耐食性に優れてい
る。 実施例 3 Cr25原子%,Mo0,2,5,7,10,15原子
%,P13原子%,C7原子%,残部Feよりなるア
モルフアス合金を実施例1と同一方法により製造
した。それを80℃で6NHCl中に浸漬して腐食速度
を測定した。その結果第2図に示したように
Mo10原子%以上において著しく腐食速度が減少
し、耐食性に優れている。 また実施例1,2,3からMoは必要以上増加
しても腐食速度はかわらないこと、およびCrを
増加することは、腐食速度を減少させ耐食性を増
すことがわかる。 比較例として、18―8ステンレス鋼,純チタ
ン、および純タンタルを用いて80℃で6NHClへの
浸漬試験を行つた結果を第2図に示したが、室温
あるいは高温たとえば80℃の6NHClのような高腐
食性環境下で、本発明によるFe―Cr―Mo系アモ
ルフアス合金は純タンタルに若干劣るが、18―8
ステンレス鋼およびチタンなどにより数段優れた
耐食合金であることが判つた。 以上、本発明のアモルフアス合金は細い条、薄
板として製造可能であり、従来の実用材料では得
られない耐食性を有し、かつ従来の実用材料に比
し、極めて安価な材料である。また本発明の組成
のアモルフアス合金はすでに開示した如く、破壊
強度380Kg/mm2、硬さHV950程度と高強度、高硬
度である。したがつて本発明のアモルフアス合金
は化学プラント、原子炉、耐海水性機器などの強
度ならびに高耐食性が必要とされる構造用材なら
びに部品材料として従来の耐食性材料に比し、優
れた特徴を有する。
て、6N塩酸水溶液を選定し、前記発明合金に耐
食性について改めて種々検討を重ね、ようやく本
発明のアモルフアス合金の成分組成範囲がもつと
も優れた耐食性を有することを新規に知見して本
発明を完成した。 本発明はこのような理由からなされたもので、
その目的とするところは6N塩酸あるいは熱塩酸
のような強腐食性環境下で耐食性を維持すること
のできる超高耐食性Fe―Cr―Mo系アモルフアス
合金を提供することにある。 すなわち、本発明はFe,Cr及びMoと半金属か
らなるアモルフアス合金において、Cr5原子%以
上、Mo20原子%以下で、CrとMoの合計が15〜35
原子%の範囲内にあり、半金属元素はP―C系か
らなり、PとCがおのおの5原子%以上で、その
合計が20〜25原子%の範囲内にある超高耐食性
Fe―Cr―Mo系アモルフアス合金である。 以下本発明を詳細に説明する。 まず本発明に係る合金の成分元素の添加理由お
よび添加範囲の限定理由について説明する。 アモルフアス合金は通常同組成の結晶質合金よ
り高活性のため腐食を受けやすいものであること
が一般に知られているが、クロムを含む鉄基アモ
ルフアス合金は同一成分組成の結晶質合金ならび
に従来の耐食性合金よりも高度な耐食性を示すこ
とが知られている。本発明者らは前記クロムを含
む鉄基アモルフアス合金が耐食性を有する原因に
ついて考究し、その原因はアモルフアス合金自体
の化学的均一性と高活性によるものであり、前記
化学的均一性は均一な不動態膜を形成するために
役立ち、前記高活性は前記不動態膜を急速に生成
し、かつ強固緻密にするのに役立つていることを
知見した。前記不動態膜は主としてクロム水酸化
物の水和物からなり、その不動態膜中のクロム水
酸化物の富化が不動態膜の高度な保護特性のため
の大切な要因である。モリブデンは前記不動態膜
の富化に大きな効果をもつている。したがつて、
クロムの添加は耐食性にとつて不可欠のものであ
り、またモリブデンの添加は不動態膜の生成を助
長するものである。 そこで合金系としてFe―Cr―Mo系を選定し、
室温,あるいは80℃の6N塩酸水溶液などの種々
の強腐食環境の中で、ポテンシオスタツト法(動
電位法)により分極曲線を測定して自己不動態化
する成分組成範囲を調べた。 つぎに上記自己不動態化する成分組成範囲を研
究データについて説明する。 第1図に示すようにFe―Cr―Mo―13P―7Cア
モルフアス合金において、室温6N塩酸では、Cr5
原子%あるいはそれ以上含むものはMo10原子%
以上で自己不動態化し、Cr10原子%あるいはそ
れ以上含むものはMo5原子%の添加で十分自己不
動態化する。第1図において、それぞれの点を結
ぶ一連の線の上方に施した斜線領域は6NHClに対
する自己不動態化領域であり、上記それぞれの一
連の線の下方は活性領域である。したがつて、
Crの含有量を5原子%以上とし、CrとMoの合計
を15原子%以上とする必要がある。Cr含有量を
増加すると、自己不動態化するために必要なMo
添加量は減少し、たとえば、Fe―20Cr―2Mo―
13P―7C合金は室温6N塩酸水溶液中で自己不動
態化することが同図よりわかる。また大量のMo
の添加は腐食電位を上昇させる効果はあるが、第
2図から判るように一定量のMo以上では腐食速
度が一定となり、特に効果が見出されない。した
がつてMo添加量を20原子%以上とするのはとく
にMoが高価な元素であることもあり得策ではな
い。なお、Moが20原子%以上あるいはCrとMoの
合計が35原子%以上になるとアモルフアス形成能
が悪くなる。 つぎにさらにきびしい腐食条件では、第1図か
ら判るように6N塩酸水溶液(80℃)中での分極
曲線測定の結果、13P―7C系合金ではCr5原子%
でMo15原子%あるいはそれ以上のとき、または
Cr10原子%でMo10原子%あるいはそれ以上のと
き自己不動態化するが、Crが10原子%以上に増
加しても自己不動態化に必要なMo量は減少しな
いことが判明した。 つぎに半金属の選定理由およびその濃度範囲に
ついて説明する。 アモルフアス合金を製造するために半金属元素
の添加が必要であり、一般にP,C,B,Siが使
用され、これら元素の添加によりおのおの製造さ
れるアモルフアス鉄合金の性質にそれぞれ異なつ
た特徴が見られる。その効果は特開昭54―103730
に原料費,溶解性,非晶質形成能,結晶化温度,
硬さ,強さ,耐食性,脆化について詳細に示した
が、その結果からP―C系,P―B系,P―Si
系,Si―B系,C系について実験した結果、その
一部を第1表に示したようにBならびにBとB以
外の半金属を含むものは耐食性がおとり、そのう
え原料費が高いこともあり、半金属系としてP―
C系,P―Si,C系を選定した。 これらの半金属元素の添加量については第3図
に示すように、Fe―10Cr―5Mo―P―C系にお
いてPとCの合計が20原子%以上のとき室温、
6N塩酸水溶液中で自己不動態化する。さらにP
とCの合計を増加することによつてCrとMoが節
約できる。たとえば第1図に示したようにPとC
の合計が22原子%(P10原子%,C12原子%)で
はCrとMoの合計が10原子%以上で室温6N塩酸水
溶液中で自己不動態化するようになる。このこと
はMoが高価であるため、実用合金として考えた
場合経済的に非常に大切なことであるが、PとC
の合計が25原子%を超えると、合金のアモルフア
ス形成能が悪くなるのでPとCの合計は25原子%
以下にする必要がある。 Crの含有量が25原子%以上になると、Fe―Cr
―Mo系アモルフアス合金の場合、P―C系より
もC系の方がアモルフアス合金の製造が容易にな
る。またP―C系よりもC系の方が安価な原料を
使用できることもあり、Fe―(25〜35)Cr―Mo
―18C系について、その耐食性を80℃、6N塩酸水
溶液中で測定した。その結果第1図に示したよう
にMoを10原子%あるいはそれ以上含むものが自
己不動態化することが判つた。しかし、同じ量の
CrとMoを含むP―C系と比較すると腐食電位が
低く、陽極電流密度が高いため耐食性において劣
る。 すなわち、Fe―10Cr―5Mo系において、非金
属元素としてCのみでは目的とする高耐食性が得
られず、Pを共存させることが必要であり、その
量は5原子%以上で安定した高耐食性が得られ
る。又同様にPのみでも耐食性が劣るため、Cは
5原子%以上とする必要がある。 本発明に係るFe―Cr―Mo系アモルフアス合金
の製造方法は通常行なわれる液体金属の超急冷法
によるものである。すなわち配合素材は、鉄源と
して銑鉄あるいは純鉄,合金元素であるクロムま
たはモリブデンは市販純金属あるいはフエロクロ
ムまたはフエロモリブデン,半金属源として市販
純物質あるいはフエロボロン,フエロホスホル,
フエロシリコン,セメンタイトを使用し、配合後
加熱溶解し、冷却体の移動冷却面上にノズルから
前記溶解合金溶湯を射出、急冷凝固させて本発明
合金を製造することができる。 本発明合金において、合金元素源としてフエロ
アロイを使用できることはその経済性、生産性に
おいて極めて大きな利点である。すなわち、クロ
ムまたはモリブデン源としてフエロクロム,また
はフエロモリブデンは今日もつとも安価な原料で
あること、またフエロクロムはすでにFe―Cr―
C系合金であり、融点が低いこと、フエロモリブ
デンも純モリプデンに比較して著るしく低融点で
あり、均一な溶融合金を大量に製造するために好
適である。さらにこれらのフエロアロイ中の不純
物は主として、P,Siであることから、本発明合
金を製造するにはむしろ好影響を及ぼす元素であ
る。 つぎに本発明を実施例について説明する。 実施例 1 Cr10原子%,Mo0,2,5,7,10,15原子
%,P13原子%,C7原子%,残部Feよりなるア
モルフアス合金を片ロール法(ロール直径30cm
φ,回転数2000〜3000rpm)によつて製造し、こ
のアモルフアス合金を室温で6NHCl中に浸漬して
腐食速度を調べた。上記Fe―10Cr―Mo―13P―
7Cアモルフアス合金は分極曲線測定結果から
Mo5原子%以上で自己不動態化するが、腐食速度
測定結果、第2図に示したようにMo5原子%以上
で著しく腐食速度が減少し、耐食性が極めて優秀
であつた。 実施例 2 上記、Fe―10Cr―Mo―13P―7Cアモルフアス
合金を80℃の6NHCl中に浸漬して同様に腐食速度
を測定した。この条件下では、Mo10原子%以上
で自己不動態化するが、第2図に示したように著
しい腐食速度の減少が見られ、耐食性に優れてい
る。 実施例 3 Cr25原子%,Mo0,2,5,7,10,15原子
%,P13原子%,C7原子%,残部Feよりなるア
モルフアス合金を実施例1と同一方法により製造
した。それを80℃で6NHCl中に浸漬して腐食速度
を測定した。その結果第2図に示したように
Mo10原子%以上において著しく腐食速度が減少
し、耐食性に優れている。 また実施例1,2,3からMoは必要以上増加
しても腐食速度はかわらないこと、およびCrを
増加することは、腐食速度を減少させ耐食性を増
すことがわかる。 比較例として、18―8ステンレス鋼,純チタ
ン、および純タンタルを用いて80℃で6NHClへの
浸漬試験を行つた結果を第2図に示したが、室温
あるいは高温たとえば80℃の6NHClのような高腐
食性環境下で、本発明によるFe―Cr―Mo系アモ
ルフアス合金は純タンタルに若干劣るが、18―8
ステンレス鋼およびチタンなどにより数段優れた
耐食合金であることが判つた。 以上、本発明のアモルフアス合金は細い条、薄
板として製造可能であり、従来の実用材料では得
られない耐食性を有し、かつ従来の実用材料に比
し、極めて安価な材料である。また本発明の組成
のアモルフアス合金はすでに開示した如く、破壊
強度380Kg/mm2、硬さHV950程度と高強度、高硬
度である。したがつて本発明のアモルフアス合金
は化学プラント、原子炉、耐海水性機器などの強
度ならびに高耐食性が必要とされる構造用材なら
びに部品材料として従来の耐食性材料に比し、優
れた特徴を有する。
第1図は不動態膜生成に及ぼすCrとMoの量の
影響を示す図、第2図はCr,Mo含有量と腐食速
度の関係を示す図、第3図は不動態膜生成に及ぼ
すPとC、ならびにPとSiの影響を示す図であ
る。
影響を示す図、第2図はCr,Mo含有量と腐食速
度の関係を示す図、第3図は不動態膜生成に及ぼ
すPとC、ならびにPとSiの影響を示す図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Fe,CrおよびMoと半金属からなるアモルフ
アス合金において、Cr5原子%以上、Mo20原子
%以下で、CrとMoの合計が15〜35原子%の範囲
内にあり、半金属元素はP―C系からなり、Pと
Cがおのおの5原子%以上でその合計が20〜25原
子%の範囲内にあることを特徴とする超高耐食性
Fe―Cr―Mo系アモルフアス合金。 2 Cr5原子%以上、Mo10〜20原子%の範囲内
で、CrとMoの合計が20〜35原子%の範囲内にあ
る特許請求の範囲第1項に記載の超高耐食性Fe
―Cr―Mo系アモルフアス合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56209989A JPS58113354A (ja) | 1981-12-28 | 1981-12-28 | 超高耐食性Fe‐Cr‐Mo系アモルフアス合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56209989A JPS58113354A (ja) | 1981-12-28 | 1981-12-28 | 超高耐食性Fe‐Cr‐Mo系アモルフアス合金 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11092786A Division JPS6244557A (ja) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | 超高耐食性Fe−Cr−Mo系アモルフアス合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58113354A JPS58113354A (ja) | 1983-07-06 |
| JPS6155580B2 true JPS6155580B2 (ja) | 1986-11-28 |
Family
ID=16582011
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56209989A Granted JPS58113354A (ja) | 1981-12-28 | 1981-12-28 | 超高耐食性Fe‐Cr‐Mo系アモルフアス合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58113354A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61288835A (ja) * | 1985-06-18 | 1986-12-19 | フクダ電子株式会社 | 生体用アモルフアス電極 |
| JP5213511B2 (ja) * | 2008-05-07 | 2013-06-19 | 株式会社中山製鋼所 | 高耐食性アモルファス合金 |
| CN106636979B (zh) * | 2016-12-05 | 2018-01-23 | 大连理工大学 | 一种具有优异耐蚀性能的Cr‑Fe‑Ni基块体非晶合金及其制备方法 |
-
1981
- 1981-12-28 JP JP56209989A patent/JPS58113354A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58113354A (ja) | 1983-07-06 |
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