JPS6155883B2 - - Google Patents
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- JPS6155883B2 JPS6155883B2 JP8012682A JP8012682A JPS6155883B2 JP S6155883 B2 JPS6155883 B2 JP S6155883B2 JP 8012682 A JP8012682 A JP 8012682A JP 8012682 A JP8012682 A JP 8012682A JP S6155883 B2 JPS6155883 B2 JP S6155883B2
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Description
本発明は摘出した臓器の保存装置に関し、さら
に詳細には重炭酸系のPH緩衝剤を含有する液体を
摘出臓器に潅流させることにより臓器の活性を維
持しつつ臓器を保存する摘出臓器の保存装置に関
するものである。 従来、摘出した臓器を潅流液の循環により活性
維持しつつ保存することが知られており、またこ
の潅流液のPHを重炭酸系のPH緩衝剤によりPH調整
することも知られている。潅流液を保存臓器に潅
流させると、この潅流液のPHは経時的に変化し、
最終的に臓器保存に適さなくなる。このため、摘
出臓器をその活性を維持しつつ保存するには、潅
流液のPHを監視すると共に、臓器保存に適するよ
う適宜調整する必要がある。この目的で、従来は
潅流液を経時的にサンプリングしてPH測定を行な
い、その測定値に応じて吹込み炭酸ガスの量を増
減させて潅流液のPHを手動制御する方法、或いは
潅流液中にPH電極を常時浸漬して潅流液のPHが設
定範囲内に保持されるように炭酸ガスを間欠的に
吹込む方法が行なわれていた。しかしながら、前
者はPHの変動幅が大きくかつ手間がかかるという
欠点を有し、後者は操作が煩雑なPH電極を必要と
し、しばしば電極の汚れによりPH測定値に誤まり
を生ずるなどの欠点を有する。 そこで、上記の従来技術に伴なう諸欠点を解消
し、簡便かつ信頼性高く潅流液のPHを制御しうる
ような臓器保存方式が熱望されている。 潅流液により摘出臓器を保存する場合、この潅
流液に重炭酸系のPH緩衝剤を使用すれば、そのPH
は下式(A) PH=6.1+log〔HCO3 -〕/〔CO2〕 ……(A) のヘンダーソン・ハツセルバツハ式に従うことが
知られている。 今回、発明者等は、式(A)において〔HCO3 -〕の
値は潅流液中において殆んど変化せず、したがつ
て潅流液のPHが上記式(A)における〔CO2〕の値
(すなわち、潅流液中のCO2ガス分圧)により一
義的に定まることに着目し、種々検討を重ねた結
果潅流初期〔HCO3 -〕を測定しておけばその後は
潅流液中のCO2ガス分圧を制御するだけで潅流液
のPHを所望する任意の値に設定することができる
ことを突き止め、さらにこの目的で潅流液の回路
中にCO2ガス交換能の高い人工肺、すなわちこの
人工肺のガス側におけるCO2ガス分圧と潅流液中
のCO2ガス分圧とをほぼ等しくしうるような高い
CO2ガス交換能を有する人工肺を配置し、人工肺
ガス側のCO2ガス分圧をCO2ガスと空気との混合
比により調整すれば潅流液のPHを任意所望の値に
簡便かつ信頼性高く制御しうることを突き止め
た。 したがつて、本発明の目的は、摘出臓器に重炭
酸系のPH緩衝剤を含有する液体を潅流させること
により臓器の活性を維持しつつ臓器を保存する簡
便かつ信頼性高い臓器保存装置を提供することに
ある。 この目的は、本発明によれば、重炭酸系のPH緩
衝剤を含有する液体の潅流回路中にCO2ガス交換
能の高い人工肺を設け、この人工肺のガス側にお
けるCO2と空気との混合比を調整することにより
前記液体のPHをオープンループにより制御するよ
う構成することにより達成される。 なお、人工肺のCO2ガス交換能は、潅流液100
ml/min.、当り1cm3/S以上とすべきであり、この
ような交換能を有する限り人工肺は如何なる型式
(たとえば、膜型、コイル型またはホローフアイ
バー型)でもよく、またその材質も適宜選択する
ことができる。 また、本発明の臓器保存装置は、潅流液回路中
に上記構成の人工肺を設ける以外は、当業者に周
知された装置を使用することができる。 以下、添付図面を参照して本発明を実施例につ
きさらに説明する。 本発明による臓器保存装置は潅流液リザーバ1
0と、潅流ポンプ(たとえばローラポンプ)12
と、熱交換器14と、本発明の要部である人工肺
(たとえば膜型肺)16と、フイルタ18を付設
したエアトラツプ20と、動脈カニユーレ部22
と、摘出臓器を保存する臓器保存室24とを順次
配置してなり、これらを閉回路として形成する配
管系を備える。さらに、前記人工肺16には、オ
ープンループとして、CO2と空気との混合ガスを
人工肺に供給する系と人工肺からの排気系(詳細
には図示せず)とを備え、前記供給系は炭酸ガス
源26とエアポンプ(空気供給用)28とをそれ
ぞれガス流量計30,32を介して接続してな
り、これらガス流量計30,32の設定により所
望の混合比に混合されたCO2と空気との混合ガス
を人工肺に供給する配管を備える。なお、潅流液
の温度を制御するには、臓器保存室24内に温度
センサ(図示せず)を設け、熱交換器14に冷水
ジヤケツト34からの冷水を冷却水循環装置36
により循環させることができる。さらに、潅流ポ
ンプ12にポンプ制御部38を設ける一方、エア
トラツプ20に圧力トランジユーサ40を付設す
ると共に増幅器42を設けて、これら検知部およ
び制御部の連携により、潅流液の温度、流量など
を制御することもでき、これらの数値を増幅器4
2を介して表示器44および記録計46にそれぞ
れ表示記録することもできる。 本発明の臓器保存装置を操作するに際し、重炭
酸系のPH緩衝剤を含有する潅流液は、リザーバ1
0から潅流ポンプ12により熱交換器14を介し
て人工肺16に供給される。熱交換器14におい
ては、冷却水循環装置36により循環される冷水
との熱交換により潅流液を所望温度に冷却する。
炭酸ガスと空気との混合ガスが人工肺16に供給
されて、潅流液の酸素加とPH調整とが行なわれた
後、潅流液はフイルタ18、エアートラツプ20
を介して動脈カニユーレ22により摘出保存臓器
に潅流され、次いで臓器からリザーバ10へ還流
される。 本発明の主要部は、上記のように構成した潅流
液回路中に人工肺16(たとえば膜型肺)を配置
し、それにより酸素加を行なうだけでなく、CO2
ガス分圧の制御により潅流液のPH調整をも行なう
点にある。 前記したように、潅流液中に重炭酸系のPH緩衝
剤が含有される場合、潅流液のPHは下式(A) PH=6.1+log〔HCO3 -〕/〔CO2〕 ……(A) のヘンダーソン・ハツセルバツハ式に従つて変化
し、〔HCO3 -〕の値は潅流中において殆んど変化
しないため、PHは潅流液中の〔CO2)の値により
一義的に定まることが判るであろう。したがつ
て、潅流期間の初期にのみ潅流液中の
〔HCO3 -〕値を測定すれば、その後は潅流液中の
CO2ガス分圧だけを制御することによりPHを決定
しうることも判るであろう。この観点から、人工
肺のガス供給側におけるCO2ガス分圧と潅流液中
におけるCO2ガス分圧とがほぼ等しくなりうるよ
うなCO2ガス交換能の高い人工肺を用い、CO2と
空気との混合比(すなわち混合ガス中のCO2ガス
分圧)を調整することにより潅流液のPHを所望値
に設定するよう構成したものが本発明の臓器保存
装置である。 ここで、本発明を理論的に考察すれば次の通り
である。 先ず、潅流液中のCO2ガス分圧(以下、Pco2で
表わす)は、 (1) 人工肺でガス交換されるCO2量:V1 (2) 潅流回路中の臓器保存室およびリザーバから
の大気中に放散されるCO2量:V2 (3) 保存臓器より産出されるCO2量:V3 によつて影響される。この場合、潅流液は循環さ
れているので或る値において平衡に達する。これ
らの関係を式で示せば次の通りである: V1=k1×S1×(PG−PL)/760×α ……(B) V2=k2×S2×(−PL)/760×α ……(C) V3=微小であるため無視しうる。 〔式中、k1は人工肺におけるCO2交換係数(cm/
S)、 k2は液と大気との間のCO2交換係数(約5×
10-4cm/S以下)、 S1は人工肺の膜面積(cm2) S2は潅流液と大気との接触面積(潅流液は通常
1程度であり、接触面積は最大200cm2程度であ
る)、 PLは潅流液中のPco2が平衡状態に達した時の
CO2ガス分圧〔mmHg〕、 PGは人工肺のガス側におけるPco2〔mmHg〕、 αはCO2溶解度〔ml/ml.atom〕(8℃の時、
1.18ml/ml.atom)である〕。 さらに、潅流液のPco2が平衡に達した後は次式
(D) V1+V2+V3=0 ……(D) の関係が成立し、ここでV3は上記したように微
小で無視しうるため、 V1+V2≒0 ……(D′) となる。上記式(D′)におけるV1およびV2にそ
れぞれ上記式(B)および(C)を代入すると、下式(B)が
得られる: k1×S1×(PG−PL)/760×1.18 −5×10-4×200×PL/760×1.18=0 ∴PG/PL=(10-1×k1S1)/k1S1 ……(E) ここで、PL(人工肺液側CO2分圧)は、人工
肺ガス交換能が高くなるほどPG(人工肺ガス側
CO2分圧)の値に近づくが、全く同じ値になるこ
とはない。もしPLがPGに等しくなつたと仮定
し、その時のCO2モル濃度を〔CO2〕′とすれ
ば、潅流液のPH′はヘンダーソン・ハツセルバツ
ハの式(A)に従つて PH′=6.1+log〔HCO3 -〕/〔CO2〕′ 〔PG=PLの時のPH目標値〕 で表わされる。また、実際の人工肺液側CO2分圧
がPLである時のCO2モル濃度を〔CO2〕″とすれ
ば、その時の潅流液のPH″は同様にヘンダーソ
ン・ハツセルバツハ式に従つて PH″=6.1+log〔HCO3 -〕/〔CO2〕″ 〔潅流液の実際のPH値〕 で表わされる。 潅流液のPHは、生理的な観点から、PH目標値に
対し僅少の偏差内に収めることが望ましい。そこ
でPH目標値と実際のPH値との間の偏差をεとすれ
ば、 |PH″−PH′|=ε PH″およびPH′にそれぞれ上記両ヘンダーソン・
ハツセルバツハ式を代入して、式 log〔CO2〕′/〔CO2〕″=±ε を得る。かくして、式 logPG/PL=±ε ∴PG/PL=10±〓 となる。もし偏差εを0.05以内に収めるとすれ
ば、すなわちPHの誤差を0.05以内とするには、上
記式においてε0.05であるから PG/PL100.05 ∴PG/PL1.1 ……(F) とすればよい。したがつて、式(E)および(F)から、 10-1+k1S11.1×k1S1 ∴k1S11 となる。ここで、k1S1は本発明に使用する人工肺
のガス交換能に他ならない。 以上の理論的考察から判るように、潅流液のPH
を0.05以内の精度で設定するには、人工肺のCO2
ガス交換能を潅流液100ml/min当り1cm3/Sとすべ
きである。 このように本発明によれば、潅流液のPHを、煩
雑なPH電極を使用したり或いは経時的にPHを測定
することなくCO2と空気との混合比(すなわち人
工肺のガス側におけるCO2ガス分圧)を調整する
だけで、任意所望の値に設定することができるの
で、潅流液による摘出臓器の保存において極めて
有利である。 上記の構成による本発明は次のように実施する
ことができる。 先ず、前記ヘンダーソン・ハツセルバツハ式に
よれば、 PH=6.1+log〔HCO3 -〕/〔CO2〕 ……(A) であり、この式(A)から式 〔CO2〕=〔HCO3 -〕 ×10(6.1-PH)〔mol/〕 ……(A′) が誘導される。この式(A′)の〔CO2〕を温度t
℃の時のガス分圧に換算すると、下式(G) Pco2(t℃)=〔CO2〕〔mol/l〕×10−3〔/ml〕/αt〔ml(G)/ml(L).atm〕 ×22.4×103〔ml(G)/mol〕×760〔mmHg/atm〕 ……(G) 〔式中、ml(L)は水溶液の体積、 ml(G)はCO2の体積、 αtはt℃におけるCO2の溶解度である〕 が得られる。さらに人工肺のガス側におけるCO2
ガス分圧(Pco2)と空気および炭酸ガスの流量
(Qair、Qco2)については次の関係式(H)および
(H′)が成立する。 Qair:Qco2=(760−Pco2):Pco2 ……(H) Qco2=Qair×Pco2/(760−Pco2) ……(H′) 上記式(A′)、(G)および(H′)より下式(I) Qco2(t℃)=〔HCO3 −〕×10(6.1−PH)×22.4×760/αt/760−〔HCO3 −〕×10(
6.1−PH)×22.4×760/αt(ml/min.〕……(I) が誘導される。上記式(I)に目標PH値、〔HCO3 -〕
値および各温度における溶解度αをそれぞれ代入
して下記の第1表が得られた。
に詳細には重炭酸系のPH緩衝剤を含有する液体を
摘出臓器に潅流させることにより臓器の活性を維
持しつつ臓器を保存する摘出臓器の保存装置に関
するものである。 従来、摘出した臓器を潅流液の循環により活性
維持しつつ保存することが知られており、またこ
の潅流液のPHを重炭酸系のPH緩衝剤によりPH調整
することも知られている。潅流液を保存臓器に潅
流させると、この潅流液のPHは経時的に変化し、
最終的に臓器保存に適さなくなる。このため、摘
出臓器をその活性を維持しつつ保存するには、潅
流液のPHを監視すると共に、臓器保存に適するよ
う適宜調整する必要がある。この目的で、従来は
潅流液を経時的にサンプリングしてPH測定を行な
い、その測定値に応じて吹込み炭酸ガスの量を増
減させて潅流液のPHを手動制御する方法、或いは
潅流液中にPH電極を常時浸漬して潅流液のPHが設
定範囲内に保持されるように炭酸ガスを間欠的に
吹込む方法が行なわれていた。しかしながら、前
者はPHの変動幅が大きくかつ手間がかかるという
欠点を有し、後者は操作が煩雑なPH電極を必要と
し、しばしば電極の汚れによりPH測定値に誤まり
を生ずるなどの欠点を有する。 そこで、上記の従来技術に伴なう諸欠点を解消
し、簡便かつ信頼性高く潅流液のPHを制御しうる
ような臓器保存方式が熱望されている。 潅流液により摘出臓器を保存する場合、この潅
流液に重炭酸系のPH緩衝剤を使用すれば、そのPH
は下式(A) PH=6.1+log〔HCO3 -〕/〔CO2〕 ……(A) のヘンダーソン・ハツセルバツハ式に従うことが
知られている。 今回、発明者等は、式(A)において〔HCO3 -〕の
値は潅流液中において殆んど変化せず、したがつ
て潅流液のPHが上記式(A)における〔CO2〕の値
(すなわち、潅流液中のCO2ガス分圧)により一
義的に定まることに着目し、種々検討を重ねた結
果潅流初期〔HCO3 -〕を測定しておけばその後は
潅流液中のCO2ガス分圧を制御するだけで潅流液
のPHを所望する任意の値に設定することができる
ことを突き止め、さらにこの目的で潅流液の回路
中にCO2ガス交換能の高い人工肺、すなわちこの
人工肺のガス側におけるCO2ガス分圧と潅流液中
のCO2ガス分圧とをほぼ等しくしうるような高い
CO2ガス交換能を有する人工肺を配置し、人工肺
ガス側のCO2ガス分圧をCO2ガスと空気との混合
比により調整すれば潅流液のPHを任意所望の値に
簡便かつ信頼性高く制御しうることを突き止め
た。 したがつて、本発明の目的は、摘出臓器に重炭
酸系のPH緩衝剤を含有する液体を潅流させること
により臓器の活性を維持しつつ臓器を保存する簡
便かつ信頼性高い臓器保存装置を提供することに
ある。 この目的は、本発明によれば、重炭酸系のPH緩
衝剤を含有する液体の潅流回路中にCO2ガス交換
能の高い人工肺を設け、この人工肺のガス側にお
けるCO2と空気との混合比を調整することにより
前記液体のPHをオープンループにより制御するよ
う構成することにより達成される。 なお、人工肺のCO2ガス交換能は、潅流液100
ml/min.、当り1cm3/S以上とすべきであり、この
ような交換能を有する限り人工肺は如何なる型式
(たとえば、膜型、コイル型またはホローフアイ
バー型)でもよく、またその材質も適宜選択する
ことができる。 また、本発明の臓器保存装置は、潅流液回路中
に上記構成の人工肺を設ける以外は、当業者に周
知された装置を使用することができる。 以下、添付図面を参照して本発明を実施例につ
きさらに説明する。 本発明による臓器保存装置は潅流液リザーバ1
0と、潅流ポンプ(たとえばローラポンプ)12
と、熱交換器14と、本発明の要部である人工肺
(たとえば膜型肺)16と、フイルタ18を付設
したエアトラツプ20と、動脈カニユーレ部22
と、摘出臓器を保存する臓器保存室24とを順次
配置してなり、これらを閉回路として形成する配
管系を備える。さらに、前記人工肺16には、オ
ープンループとして、CO2と空気との混合ガスを
人工肺に供給する系と人工肺からの排気系(詳細
には図示せず)とを備え、前記供給系は炭酸ガス
源26とエアポンプ(空気供給用)28とをそれ
ぞれガス流量計30,32を介して接続してな
り、これらガス流量計30,32の設定により所
望の混合比に混合されたCO2と空気との混合ガス
を人工肺に供給する配管を備える。なお、潅流液
の温度を制御するには、臓器保存室24内に温度
センサ(図示せず)を設け、熱交換器14に冷水
ジヤケツト34からの冷水を冷却水循環装置36
により循環させることができる。さらに、潅流ポ
ンプ12にポンプ制御部38を設ける一方、エア
トラツプ20に圧力トランジユーサ40を付設す
ると共に増幅器42を設けて、これら検知部およ
び制御部の連携により、潅流液の温度、流量など
を制御することもでき、これらの数値を増幅器4
2を介して表示器44および記録計46にそれぞ
れ表示記録することもできる。 本発明の臓器保存装置を操作するに際し、重炭
酸系のPH緩衝剤を含有する潅流液は、リザーバ1
0から潅流ポンプ12により熱交換器14を介し
て人工肺16に供給される。熱交換器14におい
ては、冷却水循環装置36により循環される冷水
との熱交換により潅流液を所望温度に冷却する。
炭酸ガスと空気との混合ガスが人工肺16に供給
されて、潅流液の酸素加とPH調整とが行なわれた
後、潅流液はフイルタ18、エアートラツプ20
を介して動脈カニユーレ22により摘出保存臓器
に潅流され、次いで臓器からリザーバ10へ還流
される。 本発明の主要部は、上記のように構成した潅流
液回路中に人工肺16(たとえば膜型肺)を配置
し、それにより酸素加を行なうだけでなく、CO2
ガス分圧の制御により潅流液のPH調整をも行なう
点にある。 前記したように、潅流液中に重炭酸系のPH緩衝
剤が含有される場合、潅流液のPHは下式(A) PH=6.1+log〔HCO3 -〕/〔CO2〕 ……(A) のヘンダーソン・ハツセルバツハ式に従つて変化
し、〔HCO3 -〕の値は潅流中において殆んど変化
しないため、PHは潅流液中の〔CO2)の値により
一義的に定まることが判るであろう。したがつ
て、潅流期間の初期にのみ潅流液中の
〔HCO3 -〕値を測定すれば、その後は潅流液中の
CO2ガス分圧だけを制御することによりPHを決定
しうることも判るであろう。この観点から、人工
肺のガス供給側におけるCO2ガス分圧と潅流液中
におけるCO2ガス分圧とがほぼ等しくなりうるよ
うなCO2ガス交換能の高い人工肺を用い、CO2と
空気との混合比(すなわち混合ガス中のCO2ガス
分圧)を調整することにより潅流液のPHを所望値
に設定するよう構成したものが本発明の臓器保存
装置である。 ここで、本発明を理論的に考察すれば次の通り
である。 先ず、潅流液中のCO2ガス分圧(以下、Pco2で
表わす)は、 (1) 人工肺でガス交換されるCO2量:V1 (2) 潅流回路中の臓器保存室およびリザーバから
の大気中に放散されるCO2量:V2 (3) 保存臓器より産出されるCO2量:V3 によつて影響される。この場合、潅流液は循環さ
れているので或る値において平衡に達する。これ
らの関係を式で示せば次の通りである: V1=k1×S1×(PG−PL)/760×α ……(B) V2=k2×S2×(−PL)/760×α ……(C) V3=微小であるため無視しうる。 〔式中、k1は人工肺におけるCO2交換係数(cm/
S)、 k2は液と大気との間のCO2交換係数(約5×
10-4cm/S以下)、 S1は人工肺の膜面積(cm2) S2は潅流液と大気との接触面積(潅流液は通常
1程度であり、接触面積は最大200cm2程度であ
る)、 PLは潅流液中のPco2が平衡状態に達した時の
CO2ガス分圧〔mmHg〕、 PGは人工肺のガス側におけるPco2〔mmHg〕、 αはCO2溶解度〔ml/ml.atom〕(8℃の時、
1.18ml/ml.atom)である〕。 さらに、潅流液のPco2が平衡に達した後は次式
(D) V1+V2+V3=0 ……(D) の関係が成立し、ここでV3は上記したように微
小で無視しうるため、 V1+V2≒0 ……(D′) となる。上記式(D′)におけるV1およびV2にそ
れぞれ上記式(B)および(C)を代入すると、下式(B)が
得られる: k1×S1×(PG−PL)/760×1.18 −5×10-4×200×PL/760×1.18=0 ∴PG/PL=(10-1×k1S1)/k1S1 ……(E) ここで、PL(人工肺液側CO2分圧)は、人工
肺ガス交換能が高くなるほどPG(人工肺ガス側
CO2分圧)の値に近づくが、全く同じ値になるこ
とはない。もしPLがPGに等しくなつたと仮定
し、その時のCO2モル濃度を〔CO2〕′とすれ
ば、潅流液のPH′はヘンダーソン・ハツセルバツ
ハの式(A)に従つて PH′=6.1+log〔HCO3 -〕/〔CO2〕′ 〔PG=PLの時のPH目標値〕 で表わされる。また、実際の人工肺液側CO2分圧
がPLである時のCO2モル濃度を〔CO2〕″とすれ
ば、その時の潅流液のPH″は同様にヘンダーソ
ン・ハツセルバツハ式に従つて PH″=6.1+log〔HCO3 -〕/〔CO2〕″ 〔潅流液の実際のPH値〕 で表わされる。 潅流液のPHは、生理的な観点から、PH目標値に
対し僅少の偏差内に収めることが望ましい。そこ
でPH目標値と実際のPH値との間の偏差をεとすれ
ば、 |PH″−PH′|=ε PH″およびPH′にそれぞれ上記両ヘンダーソン・
ハツセルバツハ式を代入して、式 log〔CO2〕′/〔CO2〕″=±ε を得る。かくして、式 logPG/PL=±ε ∴PG/PL=10±〓 となる。もし偏差εを0.05以内に収めるとすれ
ば、すなわちPHの誤差を0.05以内とするには、上
記式においてε0.05であるから PG/PL100.05 ∴PG/PL1.1 ……(F) とすればよい。したがつて、式(E)および(F)から、 10-1+k1S11.1×k1S1 ∴k1S11 となる。ここで、k1S1は本発明に使用する人工肺
のガス交換能に他ならない。 以上の理論的考察から判るように、潅流液のPH
を0.05以内の精度で設定するには、人工肺のCO2
ガス交換能を潅流液100ml/min当り1cm3/Sとすべ
きである。 このように本発明によれば、潅流液のPHを、煩
雑なPH電極を使用したり或いは経時的にPHを測定
することなくCO2と空気との混合比(すなわち人
工肺のガス側におけるCO2ガス分圧)を調整する
だけで、任意所望の値に設定することができるの
で、潅流液による摘出臓器の保存において極めて
有利である。 上記の構成による本発明は次のように実施する
ことができる。 先ず、前記ヘンダーソン・ハツセルバツハ式に
よれば、 PH=6.1+log〔HCO3 -〕/〔CO2〕 ……(A) であり、この式(A)から式 〔CO2〕=〔HCO3 -〕 ×10(6.1-PH)〔mol/〕 ……(A′) が誘導される。この式(A′)の〔CO2〕を温度t
℃の時のガス分圧に換算すると、下式(G) Pco2(t℃)=〔CO2〕〔mol/l〕×10−3〔/ml〕/αt〔ml(G)/ml(L).atm〕 ×22.4×103〔ml(G)/mol〕×760〔mmHg/atm〕 ……(G) 〔式中、ml(L)は水溶液の体積、 ml(G)はCO2の体積、 αtはt℃におけるCO2の溶解度である〕 が得られる。さらに人工肺のガス側におけるCO2
ガス分圧(Pco2)と空気および炭酸ガスの流量
(Qair、Qco2)については次の関係式(H)および
(H′)が成立する。 Qair:Qco2=(760−Pco2):Pco2 ……(H) Qco2=Qair×Pco2/(760−Pco2) ……(H′) 上記式(A′)、(G)および(H′)より下式(I) Qco2(t℃)=〔HCO3 −〕×10(6.1−PH)×22.4×760/αt/760−〔HCO3 −〕×10(
6.1−PH)×22.4×760/αt(ml/min.〕……(I) が誘導される。上記式(I)に目標PH値、〔HCO3 -〕
値および各温度における溶解度αをそれぞれ代入
して下記の第1表が得られた。
【表】
【表】
この第1表を使用することにより、潅流液のPH
を正確に設定しうることを確認した。 なお、第1表には目標PHを7.0〜7.5、潅流液温
度を4゜〜12℃、〔HCO3 -〕濃度を5〜25meqと
してCO2と空気との混合比を求めたが、上記各範
囲外においても前記諸式から同様な表を作成し、
それに従つて空気とCO2とを混合することにより
潅流液のPHを任意所望の値に設定しうることが了
解されよう。 また、図面に示した潅流液循環回路は、保存臓
器を収納する臓器保存室とリザーバとにおいて直
接大気に接触していることが了解されよう。
を正確に設定しうることを確認した。 なお、第1表には目標PHを7.0〜7.5、潅流液温
度を4゜〜12℃、〔HCO3 -〕濃度を5〜25meqと
してCO2と空気との混合比を求めたが、上記各範
囲外においても前記諸式から同様な表を作成し、
それに従つて空気とCO2とを混合することにより
潅流液のPHを任意所望の値に設定しうることが了
解されよう。 また、図面に示した潅流液循環回路は、保存臓
器を収納する臓器保存室とリザーバとにおいて直
接大気に接触していることが了解されよう。
第1図は本発明による臓器保存装置のブロツク
図である。 10……リザーバ、12……潅流ポンプ、14
……熱交換器、16……人工肺、18……フイル
タ、20……エアトラツプ、22……動脈カニユ
ーレ、24……臓器保存室、26……炭酸ガス
源、28……エアポンプ、30,32……ガス流
量計、34……冷水ジヤケツト、36……冷却水
循環装置、38……ポンプ制御部、40……圧力
トランスジユーサ、42……増幅器、44……表
示器、46……記録計。
図である。 10……リザーバ、12……潅流ポンプ、14
……熱交換器、16……人工肺、18……フイル
タ、20……エアトラツプ、22……動脈カニユ
ーレ、24……臓器保存室、26……炭酸ガス
源、28……エアポンプ、30,32……ガス流
量計、34……冷水ジヤケツト、36……冷却水
循環装置、38……ポンプ制御部、40……圧力
トランスジユーサ、42……増幅器、44……表
示器、46……記録計。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 摘出した臓器に、重炭酸系のPH緩衝剤を含有
する液体を潅流させて臓器の活性を維持しつつ臓
器を保存する摘出臓器の保存装置において、前記
液体の潅流回路中にCO2ガス交換能の高い人工肺
を設け、この人工肺のガス側におけるCO2と空気
との混合比を調整することにより前記液体のPHを
オープンループにより制御するよう構成したこと
を特徴とする臓器保存装置。 2 人工肺のCO2ガス交換能が潅流液100ml/min.
当り1cm3/S以上であることを特徴とする特許請
求の範囲第1項記載の臓器保存装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8012682A JPS58198401A (ja) | 1982-05-14 | 1982-05-14 | 臓器保存装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8012682A JPS58198401A (ja) | 1982-05-14 | 1982-05-14 | 臓器保存装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58198401A JPS58198401A (ja) | 1983-11-18 |
| JPS6155883B2 true JPS6155883B2 (ja) | 1986-11-29 |
Family
ID=13709519
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8012682A Granted JPS58198401A (ja) | 1982-05-14 | 1982-05-14 | 臓器保存装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58198401A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0333562U (ja) * | 1989-08-10 | 1991-04-02 |
-
1982
- 1982-05-14 JP JP8012682A patent/JPS58198401A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0333562U (ja) * | 1989-08-10 | 1991-04-02 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58198401A (ja) | 1983-11-18 |
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