JPS6213082B2 - - Google Patents
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- JPS6213082B2 JPS6213082B2 JP9297778A JP9297778A JPS6213082B2 JP S6213082 B2 JPS6213082 B2 JP S6213082B2 JP 9297778 A JP9297778 A JP 9297778A JP 9297778 A JP9297778 A JP 9297778A JP S6213082 B2 JPS6213082 B2 JP S6213082B2
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Description
本発明は従来の冷延鋼板の製造における熱延鋼
板を酸洗後に冷間圧延する方式の酸洗過程を省略
して、熱延鋼板をスケールがついたまま直接冷間
圧延する新方式を実用可能にならしめるための冷
延鋼板の製造方法に関するものである。 従来の冷延鋼板の製造においてはそのほとんど
が熱延鋼板を硫酸や塩酸で酸洗を行い、熱間仕上
げ及び巻取り時に発生したスケールをほぼ完全に
除去した後に冷間圧延が行なわれる。この方式は
鉄鋼製造における永い歴史を持ち、冷間圧延前に
熱延鋼板の黒皮スケールを除去する事は常識とな
つていた。 しかるに最近に至りスケールがついたままの熱
延鋼板を直接冷間圧延する新方式が提案され研究
されている。例えば特開昭52―21245号、特開昭
52―21246号、特開昭52―52157号、特開昭52―
52158号公報等において提案された方法がこれに
相当するものである。 この無酸洗でスケールがついたまま直接冷間圧
延する新方式(以後直接冷延法と呼ぶ)は、酸洗
を省略する事によつて鋼板の製造設備の短縮化、
省力、省エネルギー、作業環境の向上をはかれる
と共に、廃酸設備が不要になる、等大きな利点が
ある。 一方直接冷延法については圧延時の圧延油の汚
染が著しい事、冷間圧延中あるいは圧延以後の過
程でいかにしてスケールを簡易に除去するかとい
う事、スケールを酸洗除去した場合に比べて圧延
時の荷重が増大する事及び圧延用ロールの摩耗量
が増大してしかも疵が発生しやすい事、などの問
題点が残されている。 本発明は上述の問題点において圧延荷重の軽
減、ロール摩耗量及びロール疵の軽減を計る事を
目的にしている。 前記した如く直接冷延法ではスケールが付着し
たままで冷間圧延するのであるが、このスケール
層は鋼板の地鉄より摩耗係数が大きいため酸洗鋼
板を圧延する場合に比べて圧延荷重が増大する。
さらにスケールの硬度が鋼板地鉄より高いためロ
ールの摩耗量が増大し、ロール疵も発生しやす
い。 これらの問題を解決するために本発明者等は圧
延潤滑方法について研究したところ、これらの問
題を一挙に解決する方法を見い出した。 圧延潤滑法について説明する。 従来、酸洗鋼板を冷間圧延する場合には一般に
高度の潤滑性が要求される極薄鋼板の圧延では動
植物油等の油脂を熱水と強制撹拌して乳化した10
〜20%の高濃度エマルジヨン油をスプレーするダ
イレクト適用法が多い。一方それほど高度の潤滑
性が要求されない板厚が比較的厚い場合の圧延に
は鉱物油と油脂の混合物を主成分としてこれに乳
化剤を配合したものを熱水で乳化した5%以下の
低濃度のエマルジヨン圧延油をリサーキユレート
適用する方式が多い。 そこで直接冷延法についても従来方式による潤
滑法で圧延を行つたところ以下の問題点がある事
がわかつた。即ち乳化剤を配合した低濃度エマル
ジヨン圧延油によるリサーキユレート圧延を行つ
たところ、酸洗鋼板の圧延の場合に比べて圧延荷
重が大巾に上昇する事、又圧延ロールの表面が荒
れて摩耗が大きい事、ロール表面に疵が発生しや
すい事、などが明らかになつた。又動植物油の高
濃度エマルジヨン圧延油によるダイレクト圧延を
行つた場合でも、乳化剤を含む低濃度エマルジヨ
ン油ほどではないが圧延荷重の上昇が認められ又
ロール表面の荒れ及び疵も発生する事が明らかに
なつた。 これらの問題点を解決するために圧延潤滑方法
を研究した結果、冷間圧延前又は冷間圧延中の熱
延鋼板の表面に有機極性化合物を主成分としか
つ、乳化剤を含有しない組成物を供給しておい
て、従来のエマルジヨン圧延油を用いて圧延する
とエマルジヨン圧延油だけで圧延した場合に比べ
て圧延潤滑性が大巾に向上し、しかもロール摩耗
の軽減とロール疵の軽減にも有効である事がわか
つた。さらに有機極性化合物を上述したように供
給する事によつて水単独及び水に溶解若しくは分
散する潤滑液を使用しても圧延が可能である事が
判つた。 これらの効果の1例を圧延荷重測定結果につい
て第1図に示した。第1図の結果から有機極性化
合物を塗布する事によつて圧延潤滑性が向上する
事が明らかである。 乳化剤を含有しない有機極性化合物を適用する
事によつて潤滑性が向上する理由は次の様に考え
られる。先ず有機極性化合物自体が鋼板表面に対
する吸着力が強く潤滑性が良い事と、乳化剤が含
まれていないので圧延時に乳化除去される心配が
ない事があげられる。従つて鋼板表面に圧延潤滑
に必要な量が存在すれば従来のエマルジヨン油に
比べて潤滑性が劣る水単独又は水に溶解若しくは
分散する潤滑液を用いても圧延する事が出来る。
而して、有機極性化合物を含む組成物は、圧延用
潤滑剤、例えばエマルジヨン圧延油を適用する以
前に鋼ストリツプ表面に適用されていなければな
らない。 次にエマルジヨン油による圧延の場合には次の
ように考えられる。乳化剤を含む低濃度エマルジ
ヨン圧延油を使用する場合には圧延油濃度が低い
事と、エマルジヨンが比較的安定なため圧延時の
スプレーによつて鋼板表面にぶつかつても破壊さ
れ難い事、によつて鋼板への圧延油の付着量が少
ないので潤滑性がやや劣る。そこで本発明による
極性化合物が存在する表面に対しては安定なエマ
ルジヨンでも吸着しやすいので圧延油の付着量が
多くなる事と極性化合物自体の潤滑性が良い事の
相乗効果により圧延潤滑性が向上するものと考え
られる。一方乳化剤を含まない動植物油等のの高
濃度エマルジヨン圧延油を使用する場合には圧延
油濃度が高い事とエマルジヨンが比較的不安定な
ためスプレーによつて鋼板にぶつかつた場合に破
壊されやすいので圧延油の付着量は多くなり潤滑
性は比較的優れている。しかしこの場合には鋼板
に対するスプレーパタンによる不均一塗布、及び
原料油脂成分の変動により乳化性が微秒に変化す
る事によつて付着量が変化するので潤滑性が不安
定になりやすくしかも潤滑性も十分とはいえな
い。そこで本発明による極性化合物が存在すると
潤滑性が向上するので、乳化性の変動による影響
も少なくなるものと考えられる。 以上説明したように本発明ではいずれも圧延前
又は、圧延中に乳化剤を含有しない非水溶性の有
機極性化合物を主成分とする組成物を供給する事
を主な要件としている。 本発明で使用する有機極性化合物について具体
的に説明する。 (イ) 脂肪酸: 牛脂、ナタネ油、等の動植物油の脂肪酸及びこ
れらの水素添加脂肪酸;ラウリン酸、その他の直
鎖飽和脂肪酸;オレイン酸、その他の不飽和脂肪
酸、ダイマー酸及びトリマー酸のような多塩基脂
肪酸;オキシ脂肪酸;アミノ脂肪酸;イソ脂肪
酸;合成脂肪酸;等が適当である。 (ロ) アミン: ラウリルアミン、オレイルアミン、その他の飽
和又は不飽和の脂肪族アミン;この他ベンジルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン等の芳香族アミ
ン、環状アミンも使用できる。さらにこれらのア
ミンと脂肪酸の反応で生成するアミンの脂肪酸塩
も使用できる。 (ハ) アルコール: ラウリルアルコール、オレイルアルコール、そ
の他の飽和又は不飽和の脂肪族アルコール;及び
ベンジルアルコールのような芳香族のアルコール
も使用できる。この他脂肪族又は環状の多価アル
コールも使用できる。 (ニ) モノオールの脂肪酸エステル: 密ロウ、その他の天然ワツクスが適当である。
又高級一級アルコールと脂肪酸により合成したワ
ツクスも使用できる。 (ホ) ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステ
ル: ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及びポ
リプロピレングリコール脂肪酸エステルが適当で
ある。 (ヘ) ネオペンチル核を有するポリオールの脂肪酸
エステル: ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン等の脂肪酸部分エ
ステル又は脂肪酸飽和エステルの単味及び2種以
上の混合物が適当である。エステル化に使用する
脂肪酸としては(イ)で説明したものが適当である。 (ト) 1分子中にOH基を3ケ以上有し且つネオペ
ンチル核を有しないポリオールの脂肪酸エステ
ル: グリセリン、ポリグリセリン、マンニトール、
アンヒドロソルビトール、などの脂肪酸部分エス
テル又は脂肪酸飽和エステルの単味及び2種以上
の混合物が適当である。エステル化に使用する脂
肪酸としては(イ)で説明したものが適当である。 (チ) 燐酸エステル: アルキル燐酸エステル、アルキルアリル燐酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テルの燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルの燐酸エステル、ポリオキシエチレン
脂肪酸の燐酸エステル等が適当である。 (リ) 硼酸エステル: 硼酸とモノアルコール又は多価アルコールより
生成される硼酸部分エステル、飽和エステル、及
びこれらの混合物が適当である。以上9種に大別
したがこれら以外の有機極性化合物でも潤滑性が
優れた化合物であれば同様に使用する事ができ
る。 極性化合物は100%に近い純度で使用する場合
に潤滑性は最も良いが、コストを下げるために、
他の非極性化合物で希釈することもできる。希釈
剤としてはたとえば鉱物油が最も実用的である。
塗布量は、極性化合物として、0.05g/m2以上で
あれば潤滑性の向上に効果が認められ、塗布量が
多いほど好ましいが経済的には0.05g〜3g/m2
が適当である。 又極性化合物を供給する方法としては圧延前に
供給する場合にはスプレー塗布、静電スプレー塗
布、ロールコーター塗布、圧延前にスキンパスを
行う際に塗布する等のような方法でも良く冷間圧
延前の鋼板に塗布されておれば良い。 一方冷間圧延中に供給する場合には圧延ロール
にスプレー又はその他の方法で塗布する事によつ
て鋼板へ転写する方法、圧延中にスタンド間で直
接鋼板にスプレー又はその他の方法で塗布する事
もできる。圧延中に供給する場合には全パスでの
適用、又は特定のパスで適用しても良いが潤滑性
と作業性の点では第1パス前面でロールに供給す
るか第1パス後に鋼板表面に供給するのが最も好
ましい。 本発明を実施例について説明する。 試験条件を以下に説明する。 (イ) 供試鋼板 JISに規定するSPCC冷延鋼板製造用の熱延鋼
板を生産工場で採取して圧延試験用に2.3mm(板
厚)×50mm(巾)×100mm(長さ)の寸法で剪断し
たものを使用した。酸洗鋼板は工場採取材を実験
室で酸洗してスケールを除去した。 (ロ) 圧延条件 1 圧延機 ;11スタンド、レバーシングミル 2 ロール寸法;460mm(直径) ×100mm(胴長) 3 圧延速度 ;250m/分 4 極性化合物の供給法 圧延前に供給する方法としては塗装用のスプレ
ーガンを用いて鋼板表面に直接スプレー塗布し
た。一方圧延中に供給する方法としては第1パス
の前面でロール面にスプレーガンを用いて塗布し
て圧延する事によつて鋼板面に転写させた。なお
極性化合物の中で常温で固形のものについては加
熱溶融しておいてスプレーした。 5 圧延潤滑剤 (a) 水単独 工業用水を20〜25℃で使用して圧延ロールの材
料吸込み口にスプレーした。 (b) 水溶性、水分散性の潤滑剤 工業用水に溶解又は分散させて20〜25℃で使用
して圧延ロールの材料吸込み口にスプレーした。 (c) 低濃度エマルジヨン油 鉱物油を60%含有し、乳化剤を配合した市販の
乳化タイプの圧延油を3%エマルジヨンにして50
℃で使用。エマルジヨン油を循環させながら圧延
ロールの材料吸込み口にスプレーした。 (d) 高濃度エマルジヨン 市販の牛脂を強力に撹拌して20%エマルジヨン
油にして80℃で使用。エマルジヨン油を圧延前面
で鋼板にスプレーして非循環使用した。 (ハ) 圧延荷重の測定 各々の潤滑条件に応じて1パスでの圧下率が30
%になるようにロール間隙を設定しておいて圧延
時の全荷重をロードセルで測定した。次いでこの
荷重を圧延試験片巾50mmで除したKg/mmで表示し
た。 (ニ) ロール摩耗の測定 次の第1表の圧延スケジユールで各々の潤滑条
件ごとに100枚の試験片を圧延した後ロールの表
面レプリカを採取し、顕微鏡観察して表面の肌荒
れおよび摩耗状況を判定した。
板を酸洗後に冷間圧延する方式の酸洗過程を省略
して、熱延鋼板をスケールがついたまま直接冷間
圧延する新方式を実用可能にならしめるための冷
延鋼板の製造方法に関するものである。 従来の冷延鋼板の製造においてはそのほとんど
が熱延鋼板を硫酸や塩酸で酸洗を行い、熱間仕上
げ及び巻取り時に発生したスケールをほぼ完全に
除去した後に冷間圧延が行なわれる。この方式は
鉄鋼製造における永い歴史を持ち、冷間圧延前に
熱延鋼板の黒皮スケールを除去する事は常識とな
つていた。 しかるに最近に至りスケールがついたままの熱
延鋼板を直接冷間圧延する新方式が提案され研究
されている。例えば特開昭52―21245号、特開昭
52―21246号、特開昭52―52157号、特開昭52―
52158号公報等において提案された方法がこれに
相当するものである。 この無酸洗でスケールがついたまま直接冷間圧
延する新方式(以後直接冷延法と呼ぶ)は、酸洗
を省略する事によつて鋼板の製造設備の短縮化、
省力、省エネルギー、作業環境の向上をはかれる
と共に、廃酸設備が不要になる、等大きな利点が
ある。 一方直接冷延法については圧延時の圧延油の汚
染が著しい事、冷間圧延中あるいは圧延以後の過
程でいかにしてスケールを簡易に除去するかとい
う事、スケールを酸洗除去した場合に比べて圧延
時の荷重が増大する事及び圧延用ロールの摩耗量
が増大してしかも疵が発生しやすい事、などの問
題点が残されている。 本発明は上述の問題点において圧延荷重の軽
減、ロール摩耗量及びロール疵の軽減を計る事を
目的にしている。 前記した如く直接冷延法ではスケールが付着し
たままで冷間圧延するのであるが、このスケール
層は鋼板の地鉄より摩耗係数が大きいため酸洗鋼
板を圧延する場合に比べて圧延荷重が増大する。
さらにスケールの硬度が鋼板地鉄より高いためロ
ールの摩耗量が増大し、ロール疵も発生しやす
い。 これらの問題を解決するために本発明者等は圧
延潤滑方法について研究したところ、これらの問
題を一挙に解決する方法を見い出した。 圧延潤滑法について説明する。 従来、酸洗鋼板を冷間圧延する場合には一般に
高度の潤滑性が要求される極薄鋼板の圧延では動
植物油等の油脂を熱水と強制撹拌して乳化した10
〜20%の高濃度エマルジヨン油をスプレーするダ
イレクト適用法が多い。一方それほど高度の潤滑
性が要求されない板厚が比較的厚い場合の圧延に
は鉱物油と油脂の混合物を主成分としてこれに乳
化剤を配合したものを熱水で乳化した5%以下の
低濃度のエマルジヨン圧延油をリサーキユレート
適用する方式が多い。 そこで直接冷延法についても従来方式による潤
滑法で圧延を行つたところ以下の問題点がある事
がわかつた。即ち乳化剤を配合した低濃度エマル
ジヨン圧延油によるリサーキユレート圧延を行つ
たところ、酸洗鋼板の圧延の場合に比べて圧延荷
重が大巾に上昇する事、又圧延ロールの表面が荒
れて摩耗が大きい事、ロール表面に疵が発生しや
すい事、などが明らかになつた。又動植物油の高
濃度エマルジヨン圧延油によるダイレクト圧延を
行つた場合でも、乳化剤を含む低濃度エマルジヨ
ン油ほどではないが圧延荷重の上昇が認められ又
ロール表面の荒れ及び疵も発生する事が明らかに
なつた。 これらの問題点を解決するために圧延潤滑方法
を研究した結果、冷間圧延前又は冷間圧延中の熱
延鋼板の表面に有機極性化合物を主成分としか
つ、乳化剤を含有しない組成物を供給しておい
て、従来のエマルジヨン圧延油を用いて圧延する
とエマルジヨン圧延油だけで圧延した場合に比べ
て圧延潤滑性が大巾に向上し、しかもロール摩耗
の軽減とロール疵の軽減にも有効である事がわか
つた。さらに有機極性化合物を上述したように供
給する事によつて水単独及び水に溶解若しくは分
散する潤滑液を使用しても圧延が可能である事が
判つた。 これらの効果の1例を圧延荷重測定結果につい
て第1図に示した。第1図の結果から有機極性化
合物を塗布する事によつて圧延潤滑性が向上する
事が明らかである。 乳化剤を含有しない有機極性化合物を適用する
事によつて潤滑性が向上する理由は次の様に考え
られる。先ず有機極性化合物自体が鋼板表面に対
する吸着力が強く潤滑性が良い事と、乳化剤が含
まれていないので圧延時に乳化除去される心配が
ない事があげられる。従つて鋼板表面に圧延潤滑
に必要な量が存在すれば従来のエマルジヨン油に
比べて潤滑性が劣る水単独又は水に溶解若しくは
分散する潤滑液を用いても圧延する事が出来る。
而して、有機極性化合物を含む組成物は、圧延用
潤滑剤、例えばエマルジヨン圧延油を適用する以
前に鋼ストリツプ表面に適用されていなければな
らない。 次にエマルジヨン油による圧延の場合には次の
ように考えられる。乳化剤を含む低濃度エマルジ
ヨン圧延油を使用する場合には圧延油濃度が低い
事と、エマルジヨンが比較的安定なため圧延時の
スプレーによつて鋼板表面にぶつかつても破壊さ
れ難い事、によつて鋼板への圧延油の付着量が少
ないので潤滑性がやや劣る。そこで本発明による
極性化合物が存在する表面に対しては安定なエマ
ルジヨンでも吸着しやすいので圧延油の付着量が
多くなる事と極性化合物自体の潤滑性が良い事の
相乗効果により圧延潤滑性が向上するものと考え
られる。一方乳化剤を含まない動植物油等のの高
濃度エマルジヨン圧延油を使用する場合には圧延
油濃度が高い事とエマルジヨンが比較的不安定な
ためスプレーによつて鋼板にぶつかつた場合に破
壊されやすいので圧延油の付着量は多くなり潤滑
性は比較的優れている。しかしこの場合には鋼板
に対するスプレーパタンによる不均一塗布、及び
原料油脂成分の変動により乳化性が微秒に変化す
る事によつて付着量が変化するので潤滑性が不安
定になりやすくしかも潤滑性も十分とはいえな
い。そこで本発明による極性化合物が存在すると
潤滑性が向上するので、乳化性の変動による影響
も少なくなるものと考えられる。 以上説明したように本発明ではいずれも圧延前
又は、圧延中に乳化剤を含有しない非水溶性の有
機極性化合物を主成分とする組成物を供給する事
を主な要件としている。 本発明で使用する有機極性化合物について具体
的に説明する。 (イ) 脂肪酸: 牛脂、ナタネ油、等の動植物油の脂肪酸及びこ
れらの水素添加脂肪酸;ラウリン酸、その他の直
鎖飽和脂肪酸;オレイン酸、その他の不飽和脂肪
酸、ダイマー酸及びトリマー酸のような多塩基脂
肪酸;オキシ脂肪酸;アミノ脂肪酸;イソ脂肪
酸;合成脂肪酸;等が適当である。 (ロ) アミン: ラウリルアミン、オレイルアミン、その他の飽
和又は不飽和の脂肪族アミン;この他ベンジルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン等の芳香族アミ
ン、環状アミンも使用できる。さらにこれらのア
ミンと脂肪酸の反応で生成するアミンの脂肪酸塩
も使用できる。 (ハ) アルコール: ラウリルアルコール、オレイルアルコール、そ
の他の飽和又は不飽和の脂肪族アルコール;及び
ベンジルアルコールのような芳香族のアルコール
も使用できる。この他脂肪族又は環状の多価アル
コールも使用できる。 (ニ) モノオールの脂肪酸エステル: 密ロウ、その他の天然ワツクスが適当である。
又高級一級アルコールと脂肪酸により合成したワ
ツクスも使用できる。 (ホ) ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステ
ル: ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及びポ
リプロピレングリコール脂肪酸エステルが適当で
ある。 (ヘ) ネオペンチル核を有するポリオールの脂肪酸
エステル: ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン等の脂肪酸部分エ
ステル又は脂肪酸飽和エステルの単味及び2種以
上の混合物が適当である。エステル化に使用する
脂肪酸としては(イ)で説明したものが適当である。 (ト) 1分子中にOH基を3ケ以上有し且つネオペ
ンチル核を有しないポリオールの脂肪酸エステ
ル: グリセリン、ポリグリセリン、マンニトール、
アンヒドロソルビトール、などの脂肪酸部分エス
テル又は脂肪酸飽和エステルの単味及び2種以上
の混合物が適当である。エステル化に使用する脂
肪酸としては(イ)で説明したものが適当である。 (チ) 燐酸エステル: アルキル燐酸エステル、アルキルアリル燐酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テルの燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルの燐酸エステル、ポリオキシエチレン
脂肪酸の燐酸エステル等が適当である。 (リ) 硼酸エステル: 硼酸とモノアルコール又は多価アルコールより
生成される硼酸部分エステル、飽和エステル、及
びこれらの混合物が適当である。以上9種に大別
したがこれら以外の有機極性化合物でも潤滑性が
優れた化合物であれば同様に使用する事ができ
る。 極性化合物は100%に近い純度で使用する場合
に潤滑性は最も良いが、コストを下げるために、
他の非極性化合物で希釈することもできる。希釈
剤としてはたとえば鉱物油が最も実用的である。
塗布量は、極性化合物として、0.05g/m2以上で
あれば潤滑性の向上に効果が認められ、塗布量が
多いほど好ましいが経済的には0.05g〜3g/m2
が適当である。 又極性化合物を供給する方法としては圧延前に
供給する場合にはスプレー塗布、静電スプレー塗
布、ロールコーター塗布、圧延前にスキンパスを
行う際に塗布する等のような方法でも良く冷間圧
延前の鋼板に塗布されておれば良い。 一方冷間圧延中に供給する場合には圧延ロール
にスプレー又はその他の方法で塗布する事によつ
て鋼板へ転写する方法、圧延中にスタンド間で直
接鋼板にスプレー又はその他の方法で塗布する事
もできる。圧延中に供給する場合には全パスでの
適用、又は特定のパスで適用しても良いが潤滑性
と作業性の点では第1パス前面でロールに供給す
るか第1パス後に鋼板表面に供給するのが最も好
ましい。 本発明を実施例について説明する。 試験条件を以下に説明する。 (イ) 供試鋼板 JISに規定するSPCC冷延鋼板製造用の熱延鋼
板を生産工場で採取して圧延試験用に2.3mm(板
厚)×50mm(巾)×100mm(長さ)の寸法で剪断し
たものを使用した。酸洗鋼板は工場採取材を実験
室で酸洗してスケールを除去した。 (ロ) 圧延条件 1 圧延機 ;11スタンド、レバーシングミル 2 ロール寸法;460mm(直径) ×100mm(胴長) 3 圧延速度 ;250m/分 4 極性化合物の供給法 圧延前に供給する方法としては塗装用のスプレ
ーガンを用いて鋼板表面に直接スプレー塗布し
た。一方圧延中に供給する方法としては第1パス
の前面でロール面にスプレーガンを用いて塗布し
て圧延する事によつて鋼板面に転写させた。なお
極性化合物の中で常温で固形のものについては加
熱溶融しておいてスプレーした。 5 圧延潤滑剤 (a) 水単独 工業用水を20〜25℃で使用して圧延ロールの材
料吸込み口にスプレーした。 (b) 水溶性、水分散性の潤滑剤 工業用水に溶解又は分散させて20〜25℃で使用
して圧延ロールの材料吸込み口にスプレーした。 (c) 低濃度エマルジヨン油 鉱物油を60%含有し、乳化剤を配合した市販の
乳化タイプの圧延油を3%エマルジヨンにして50
℃で使用。エマルジヨン油を循環させながら圧延
ロールの材料吸込み口にスプレーした。 (d) 高濃度エマルジヨン 市販の牛脂を強力に撹拌して20%エマルジヨン
油にして80℃で使用。エマルジヨン油を圧延前面
で鋼板にスプレーして非循環使用した。 (ハ) 圧延荷重の測定 各々の潤滑条件に応じて1パスでの圧下率が30
%になるようにロール間隙を設定しておいて圧延
時の全荷重をロードセルで測定した。次いでこの
荷重を圧延試験片巾50mmで除したKg/mmで表示し
た。 (ニ) ロール摩耗の測定 次の第1表の圧延スケジユールで各々の潤滑条
件ごとに100枚の試験片を圧延した後ロールの表
面レプリカを採取し、顕微鏡観察して表面の肌荒
れおよび摩耗状況を判定した。
【表】
(ホ) ロール表面の疵発生度測定
前述の摩耗測定法で圧延した後のロール面につ
いて疵の発生程度を肉眼で観察して判定した。 以上の条件で実験した結果を第2表に実施例と
して示した。第2表からわかるように本発明によ
りスケール付きの熱延鋼板のまま直接圧延しても
酸洗鋼板と同様に圧延できロール摩耗及びロール
疵もほとんど問題ない。
いて疵の発生程度を肉眼で観察して判定した。 以上の条件で実験した結果を第2表に実施例と
して示した。第2表からわかるように本発明によ
りスケール付きの熱延鋼板のまま直接圧延しても
酸洗鋼板と同様に圧延できロール摩耗及びロール
疵もほとんど問題ない。
【表】
第1図は、本発明による極性化合物をスケール
付きの熱延鋼板(2.3mm(厚)×50mm(巾)×100mm
(長))にプレコートしておいて、水またはエマル
ジヨン圧延油を用いて冷間圧延を行ない、その際
の圧延荷重を測定した1例を、従来の酸洗工程を
経た鋼板の場合と比較図示したものである。 圧延条件 ロール寸法:460φ×100mm(胴長) 圧延速度 :250m/分 スケール付き熱延鋼板:3%エマルジヨン油によ
る圧延 …図中の符号1 醸洗熱延鋼板:3%エマルジヨン油による圧延
…図中の符号2 スケール付き熱延鋼板:ラウリン酸0.5g/m2塗
布後に水による圧延 …図中の符号3 スケール付き熱延鋼板:ラウリン酸0.5g/m2塗
布後3%エマルジヨン油による圧延
…図中の符号4
付きの熱延鋼板(2.3mm(厚)×50mm(巾)×100mm
(長))にプレコートしておいて、水またはエマル
ジヨン圧延油を用いて冷間圧延を行ない、その際
の圧延荷重を測定した1例を、従来の酸洗工程を
経た鋼板の場合と比較図示したものである。 圧延条件 ロール寸法:460φ×100mm(胴長) 圧延速度 :250m/分 スケール付き熱延鋼板:3%エマルジヨン油によ
る圧延 …図中の符号1 醸洗熱延鋼板:3%エマルジヨン油による圧延
…図中の符号2 スケール付き熱延鋼板:ラウリン酸0.5g/m2塗
布後に水による圧延 …図中の符号3 スケール付き熱延鋼板:ラウリン酸0.5g/m2塗
布後3%エマルジヨン油による圧延
…図中の符号4
Claims (1)
- 1 スケールが付着したままの熱延鋼板を冷間圧
延するに際し、有機極性化合物を主成分とし、且
つ乳化剤を含有しない非水溶性の組成物を冷間圧
延に先立つて塗布し、次いで、エマルジヨン圧延
油、水溶性若しくは水分散性潤滑剤および水のう
ちの少なくとも1種以上を供給して冷間圧延する
ことを特徴とする冷延鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9297778A JPS5519483A (en) | 1978-07-29 | 1978-07-29 | Production of cold rolled steel plate |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9297778A JPS5519483A (en) | 1978-07-29 | 1978-07-29 | Production of cold rolled steel plate |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5519483A JPS5519483A (en) | 1980-02-12 |
| JPS6213082B2 true JPS6213082B2 (ja) | 1987-03-24 |
Family
ID=14069445
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9297778A Granted JPS5519483A (en) | 1978-07-29 | 1978-07-29 | Production of cold rolled steel plate |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5519483A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105414179B (zh) * | 2015-12-09 | 2017-06-16 | 安徽工业大学 | 改善铁素体不锈钢板带组织性能的冷轧方法及其分析方法 |
| JP7316883B2 (ja) * | 2019-08-30 | 2023-07-28 | 日本パーカライジング株式会社 | 冷間圧延油組成物およびそれを用いた圧延鋼板の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5221245A (en) * | 1975-08-13 | 1977-02-17 | Nippon Steel Corp | Method for colddrolling of steel |
-
1978
- 1978-07-29 JP JP9297778A patent/JPS5519483A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5519483A (en) | 1980-02-12 |
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