JPS632465B2 - - Google Patents
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- JPS632465B2 JPS632465B2 JP9487981A JP9487981A JPS632465B2 JP S632465 B2 JPS632465 B2 JP S632465B2 JP 9487981 A JP9487981 A JP 9487981A JP 9487981 A JP9487981 A JP 9487981A JP S632465 B2 JPS632465 B2 JP S632465B2
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- curve
- value
- sample solution
- acid
- titration
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/416—Systems
- G01N27/4166—Systems measuring a particular property of an electrolyte
- G01N27/4167—Systems measuring a particular property of an electrolyte pH
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Immunology (AREA)
- Pathology (AREA)
- Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、アイオノジエン含有試料液の緩衝能
滴定法及びその装置に関するものである。更に詳
細には本発明は、アイオノジエンを含有する試料
液を強酸又は強塩基で滴定しつつ液中のPH電極の
応答を電気的に処理して緩衝能βの値を求め、該
βの値を試料液のPHに対して自記せしめることに
よりβ−PH曲線を得る方法及びその装置に関する
ものである。
滴定法及びその装置に関するものである。更に詳
細には本発明は、アイオノジエンを含有する試料
液を強酸又は強塩基で滴定しつつ液中のPH電極の
応答を電気的に処理して緩衝能βの値を求め、該
βの値を試料液のPHに対して自記せしめることに
よりβ−PH曲線を得る方法及びその装置に関する
ものである。
ここに「アイオノジエン」とは、水を媒体とし
た場合そのプロトン解離指数が0〜14の範囲にあ
るがごとき強電解質を総称する(「アイオノジエ
ン」とはイオンを生ずるものの意)。この中には
一般に云う弱酸、弱塩基、両性電解質(アミノ
酸、ペプタイド、タン白質を含む)、ある種の不
溶性解理物質を含む。我々の自然及び生活環境、
動植物体等の大部分はアイオノジエン含有物質で
ある。
た場合そのプロトン解離指数が0〜14の範囲にあ
るがごとき強電解質を総称する(「アイオノジエ
ン」とはイオンを生ずるものの意)。この中には
一般に云う弱酸、弱塩基、両性電解質(アミノ
酸、ペプタイド、タン白質を含む)、ある種の不
溶性解理物質を含む。我々の自然及び生活環境、
動植物体等の大部分はアイオノジエン含有物質で
ある。
物理化学的見地よりすればアイオノジエンは媒
体中での次のプロトン解離を行なう。たとえば HAH++A- (1) その平衡定数はKaと呼ばれる。
体中での次のプロトン解離を行なう。たとえば HAH++A- (1) その平衡定数はKaと呼ばれる。
Ka=〔H+〕〔A-〕/〔HA〕
(〔 〕は濃度又は活量)(2)
又
pKa=−log Ka (3)
である。アイオノジエンにおいてはpKa値は0〜
14の間に分布し、化学構造における特性基によつ
ておよその範囲が定まつている。
14の間に分布し、化学構造における特性基によつ
ておよその範囲が定まつている。
塩基もまた、たとえば
RNH+ 3H++RNH2 (4)
とあらわすことにより同様にKa、pKaが定義さ
れる。アイオノジエンの特徴の一つは、液のPHが
pKa±1の範囲において、強酸又は強アルカリの
添加によつて起るPH変化に対し抵抗性をもつこと
である。たとえばPH7の純水1に1mlの1規定
水酸化ナトリウムを加えればPHは直ちに11に上昇
するが、0.1Mのイミダゾール(pKa=6.95)を塩
酸でほゞ半ばを中和して得たPH7の液は、同量の
水酸化ナトリウムを添加してもPHは約0.02上昇す
るのみである。この作用を緩衝作用と呼び、この
作用を有する溶液が緩衝液として広い方面に用い
られていることは周知のとおりである。
れる。アイオノジエンの特徴の一つは、液のPHが
pKa±1の範囲において、強酸又は強アルカリの
添加によつて起るPH変化に対し抵抗性をもつこと
である。たとえばPH7の純水1に1mlの1規定
水酸化ナトリウムを加えればPHは直ちに11に上昇
するが、0.1Mのイミダゾール(pKa=6.95)を塩
酸でほゞ半ばを中和して得たPH7の液は、同量の
水酸化ナトリウムを添加してもPHは約0.02上昇す
るのみである。この作用を緩衝作用と呼び、この
作用を有する溶液が緩衝液として広い方面に用い
られていることは周知のとおりである。
この作用の理論はすでに確立されており、pKa
値、濃度その他を与えて、緩衝能力を計算するこ
とが可能である。この理論では緩衝能βは次のよ
うに定義される。
値、濃度その他を与えて、緩衝能力を計算するこ
とが可能である。この理論では緩衝能βは次のよ
うに定義される。
β=dB/dpH (5)
ここにBは強アルカリの添加による濃度(グラ
ム当量/)である。βはPH=pKaの場合に最大
値をとり、1塩基酸の場合にはその時の値は β=0.576CA (6) で与えられる。CAは酸の分析濃度である。PHが
pKaよりへだたればPHは急激に減少し、PH=pKa
±1において上記の値の1/10、PH=pKa±2にお
いて1/100となる。多塩基酸においては計算は複
雑となるが類似の関係がある。
ム当量/)である。βはPH=pKaの場合に最大
値をとり、1塩基酸の場合にはその時の値は β=0.576CA (6) で与えられる。CAは酸の分析濃度である。PHが
pKaよりへだたればPHは急激に減少し、PH=pKa
±1において上記の値の1/10、PH=pKa±2にお
いて1/100となる。多塩基酸においては計算は複
雑となるが類似の関係がある。
以上から判明するごとく、βはCに比例すると
共に、PHを水平軸とした場合そのpKa値によつて
それぞれ特有の位置をその上に占める値である。
理論式によつてコンピユーター計算して得られた
種々の酸(0.05M)のβ−PH曲線の例を第1図a
〜gに示す。これらの図中、PH<2、PH>12にお
いてβの急激な上昇が見られる。これは溶媒であ
る水の、両性電解質として示す緩衝能があらわれ
たものであり、アイオノジエン濃度が低ければ相
対的に大となる。このために上記の範囲では本来
のβ値は測定困難である。したがつてβ−PH曲線
の適用は実用的にはpKa2〜12のアイオノジエ
ンに限られる。
共に、PHを水平軸とした場合そのpKa値によつて
それぞれ特有の位置をその上に占める値である。
理論式によつてコンピユーター計算して得られた
種々の酸(0.05M)のβ−PH曲線の例を第1図a
〜gに示す。これらの図中、PH<2、PH>12にお
いてβの急激な上昇が見られる。これは溶媒であ
る水の、両性電解質として示す緩衝能があらわれ
たものであり、アイオノジエン濃度が低ければ相
対的に大となる。このために上記の範囲では本来
のβ値は測定困難である。したがつてβ−PH曲線
の適用は実用的にはpKa2〜12のアイオノジエ
ンに限られる。
βはCに比例するのみならず、混合物において
も加成的である。それ故β−PH曲線は、ランバー
ト−ベール(Lambert−Beer)の法則が成立す
る場合の、吸収スペクトルと同様に考えることが
できる。すなわちPH軸は波長軸、β軸は吸光度に
対応するものである。
も加成的である。それ故β−PH曲線は、ランバー
ト−ベール(Lambert−Beer)の法則が成立す
る場合の、吸収スペクトルと同様に考えることが
できる。すなわちPH軸は波長軸、β軸は吸光度に
対応するものである。
このような特質にかかわらず、未知物質のβ−
PH曲線がスペクトル測定のごとく分析等に利用さ
れることがなかつた一つの理由は、未知試料につ
いて簡便にβを実測する方法が知られていなかつ
たことである。もちろん、(5)式から推定されるご
とく、βは通常の滴定曲線(Volume−PH曲線)
の傾斜の逆数に等しいから、未知試料の滴定曲線
のデータから計算は可能であるが、これにはかな
りの労力を要しルーチンワークとして用いること
はできない。コンピユータによるデータ処理によ
れば労力は節減されるが一方かなりの準備と設備
を要する。
PH曲線がスペクトル測定のごとく分析等に利用さ
れることがなかつた一つの理由は、未知試料につ
いて簡便にβを実測する方法が知られていなかつ
たことである。もちろん、(5)式から推定されるご
とく、βは通常の滴定曲線(Volume−PH曲線)
の傾斜の逆数に等しいから、未知試料の滴定曲線
のデータから計算は可能であるが、これにはかな
りの労力を要しルーチンワークとして用いること
はできない。コンピユータによるデータ処理によ
れば労力は節減されるが一方かなりの準備と設備
を要する。
本発明者は、アイオノジエンを含む試料につい
て、通常の滴定操作と同等の簡便さをもつて同時
的にβ−PH曲線を得る方法につき鋭意研究を進め
本発明を完成するに至つた。本願明細書中、「緩
衝能滴定」とは、上記の如くアイオノジエン含有
試料を強酸又は強塩基で滴定し同時的にβ−PH曲
線を得ることをいう。
て、通常の滴定操作と同等の簡便さをもつて同時
的にβ−PH曲線を得る方法につき鋭意研究を進め
本発明を完成するに至つた。本願明細書中、「緩
衝能滴定」とは、上記の如くアイオノジエン含有
試料を強酸又は強塩基で滴定し同時的にβ−PH曲
線を得ることをいう。
β−PH曲線を、滴定と同時的に記録する方法と
しては種々のものが考えられる。原理的に最も単
純であるのは、PHと滴定液容量データをデイジタ
ル的に記憶し、再生と共にβ−PH関係を計算する
方法であるが、これは原理的に新規性を欠くと共
にかなりの設備と準備を必要とし少なくとも現在
は簡便とは云い難い。
しては種々のものが考えられる。原理的に最も単
純であるのは、PHと滴定液容量データをデイジタ
ル的に記憶し、再生と共にβ−PH関係を計算する
方法であるが、これは原理的に新規性を欠くと共
にかなりの設備と準備を必要とし少なくとも現在
は簡便とは云い難い。
上記の方法によらず、β−PH関係の近似的な値
を簡便に得る方法の一つは次の通りである。すな
わち、一定流速で滴定液を試料液に注加し、その
際生ずるPH変化を電圧として検出し、微分回路で
処理後その逆数をとり、β=dB/dpHに比例す
る量を出力として得てPHに対してプロツトする方
法である。その基礎原理を次に述べる。
を簡便に得る方法の一つは次の通りである。すな
わち、一定流速で滴定液を試料液に注加し、その
際生ずるPH変化を電圧として検出し、微分回路で
処理後その逆数をとり、β=dB/dpHに比例す
る量を出力として得てPHに対してプロツトする方
法である。その基礎原理を次に述べる。
弱酸HAの、濃度CAの溶液Vmlに、強アルカリ
MOHの濃度CBの溶液を注加するとする。被滴定
液中の物質収支は Ca=〔HA〕+〔A-〕=CAV/V+v (1) Cb=〔M+〕=CBv/V+v (2) Ca、Cbは被滴定液中の酸と強アルカリの分析
濃度、vは加えたアルカリ液の容量である。電荷
収支は、水の解離を含めて 〔M+〕+〔H+〕=〔OH-〕+〔A-〕 (3) これより 〔A-〕=CBv/V+v+〔H+〕−〔OH-〕(4) HAの解離度αは次式で与えられる。
MOHの濃度CBの溶液を注加するとする。被滴定
液中の物質収支は Ca=〔HA〕+〔A-〕=CAV/V+v (1) Cb=〔M+〕=CBv/V+v (2) Ca、Cbは被滴定液中の酸と強アルカリの分析
濃度、vは加えたアルカリ液の容量である。電荷
収支は、水の解離を含めて 〔M+〕+〔H+〕=〔OH-〕+〔A-〕 (3) これより 〔A-〕=CBv/V+v+〔H+〕−〔OH-〕(4) HAの解離度αは次式で与えられる。
α=〔A-〕/Ca=〔A-〕/〔HA〕+〔A-〕 (5)
又HAが滴定された割合φは
φ=CBv/CAV=mB/mA (6)
mA、mBは、液中の〔HA〕+〔A-〕とアルカリ
それぞれのモル数である。
それぞれのモル数である。
以上の関係から
φ=α+V+v/mA(〔OH-〕−〔H+〕)(7)
あるいは
mB=mAα+(V+v)(〔OH-〕−〔H+〕) (8)
(7)式は滴定曲線(PH−φ曲線)の理論式の一つで
ある。
ある。
(8)式に、酸の解離式
Ka=〔H+〕〔A-〕/〔HA〕=〔H+〕α/1−α
(9) より求めたαを入れると mB=KamA/Ka+〔H+〕+(V+v)(〔OH-〕−〔H+〕
) (10) 〔OH-〕=Kw/〔H+〕であることを考慮しつつ
(10)式をPHについて微分する。
(9) より求めたαを入れると mB=KamA/Ka+〔H+〕+(V+v)(〔OH-〕−〔H+〕
) (10) 〔OH-〕=Kw/〔H+〕であることを考慮しつつ
(10)式をPHについて微分する。
dmB/dpH=dmB/d〔H+〕×d〔H+〕/dpH=dmB/d〔H
+〕×〔H+〕 ×2.303=2.303{mAKa〔H+〕/(Ka+〔H+〕)2 +(V+v)(〔H+〕+〔OH-〕)} (11) アルカリ液を一定速度r(ml・S-1)で加えると
すると mB=CBrtにより dmB/dpH=dmB/dt×dt/dpH=CBr×dt/dpH(
12) 故に dt/dpH=2.303/CBr{mAKa〔H+〕/(Ka+〔H+〕)2 +(V+v)(〔H+〕+〔OH-〕)} (13) =2.303V/CBr{CAKa〔H+〕/(Ka+〔H+〕)2 +V+v/V(〔H+〕+〔OH-〕)} (14) 一方、滴定前の緩衝能βiは βi=2.303{CAKa〔H+〕/(Ka+〔H+〕)2+(〔H+〕 +〔OH-〕)} (15) で与えられるから、(14)式と組合せて dt/dpH=V/CBr{βi+2.303×v/V(〔H+〕 +〔OH-〕)} (16) が得られる。すなわち、dt/dpHは、βiに直接比例 する部分に加えて、加えた液量vに比例する量の
部分より成るが、その後者は、β−PH曲線の両端
にのみ影響を及ぼすものであり、又濃厚なアルカ
リ液を用いてvを小とすることにより無視できる
程度に止めることができ、更に必要であれば同容
積の液を用いたブランクテストの結果を差引くこ
とにより容易に消去することができる。すなわ
ち、この原理によれば、電気的にPH計出力を処理
することにより、被検液の固有のβ−PH曲線の好
い近似値を得、それによつてアイオノジエン分布
を知ることができる。
+〕×〔H+〕 ×2.303=2.303{mAKa〔H+〕/(Ka+〔H+〕)2 +(V+v)(〔H+〕+〔OH-〕)} (11) アルカリ液を一定速度r(ml・S-1)で加えると
すると mB=CBrtにより dmB/dpH=dmB/dt×dt/dpH=CBr×dt/dpH(
12) 故に dt/dpH=2.303/CBr{mAKa〔H+〕/(Ka+〔H+〕)2 +(V+v)(〔H+〕+〔OH-〕)} (13) =2.303V/CBr{CAKa〔H+〕/(Ka+〔H+〕)2 +V+v/V(〔H+〕+〔OH-〕)} (14) 一方、滴定前の緩衝能βiは βi=2.303{CAKa〔H+〕/(Ka+〔H+〕)2+(〔H+〕 +〔OH-〕)} (15) で与えられるから、(14)式と組合せて dt/dpH=V/CBr{βi+2.303×v/V(〔H+〕 +〔OH-〕)} (16) が得られる。すなわち、dt/dpHは、βiに直接比例 する部分に加えて、加えた液量vに比例する量の
部分より成るが、その後者は、β−PH曲線の両端
にのみ影響を及ぼすものであり、又濃厚なアルカ
リ液を用いてvを小とすることにより無視できる
程度に止めることができ、更に必要であれば同容
積の液を用いたブランクテストの結果を差引くこ
とにより容易に消去することができる。すなわ
ち、この原理によれば、電気的にPH計出力を処理
することにより、被検液の固有のβ−PH曲線の好
い近似値を得、それによつてアイオノジエン分布
を知ることができる。
β−PH曲線によるアイオノジエン分布図を簡便
に得る方法の更に一つを例示する。すなわち、強
塩基による滴定の場合をとれば、試料液のPHを微
小量△PH、たとえば0.1上昇させるように強塩基
液(溶量△v)を注加し、必要とした液量を電気
信号として得、その値より△v/△PHを計算して、設 定PHに対して記録すればよい。この場合の理論
は、前記(11)式までは全く同様であるが、mB=CB
vであるから dmB/dpH=dmB/dv×dv/dpH=CB×dv/dpH(17
) 故に dv/dpH=2.303/CB{CAKa〔H+〕/(Ka+〔H+〕)2 +V+v/V(〔H+〕+〔OH-〕)}=V/cB{βi +2.303×v/V(〔H+〕+〔OH-〕)}(18) 故に、△v及び△PHは有限の値であるが、それら
が十分小であれば、得られた曲線は、dt/dpHにつ いて上記にのべた条件下においてβiの良い近似を
与える。しかし、これらをあまり小とすることは
測定上の誤差をまねくから、経験的に可及的小な
値をえらべばよい。これらの操作及び計算は、電
子量的装置により連続的に実行することができ、
β−PH曲線が得られる。
に得る方法の更に一つを例示する。すなわち、強
塩基による滴定の場合をとれば、試料液のPHを微
小量△PH、たとえば0.1上昇させるように強塩基
液(溶量△v)を注加し、必要とした液量を電気
信号として得、その値より△v/△PHを計算して、設 定PHに対して記録すればよい。この場合の理論
は、前記(11)式までは全く同様であるが、mB=CB
vであるから dmB/dpH=dmB/dv×dv/dpH=CB×dv/dpH(17
) 故に dv/dpH=2.303/CB{CAKa〔H+〕/(Ka+〔H+〕)2 +V+v/V(〔H+〕+〔OH-〕)}=V/cB{βi +2.303×v/V(〔H+〕+〔OH-〕)}(18) 故に、△v及び△PHは有限の値であるが、それら
が十分小であれば、得られた曲線は、dt/dpHにつ いて上記にのべた条件下においてβiの良い近似を
与える。しかし、これらをあまり小とすることは
測定上の誤差をまねくから、経験的に可及的小な
値をえらべばよい。これらの操作及び計算は、電
子量的装置により連続的に実行することができ、
β−PH曲線が得られる。
すなわち本発明は、
アイオノジエンを含有する試料液を強酸又は強
塩基で滴定しつつ液中のPH電極の応答を電気的に
処理して緩衝能βの値を求め、該βの値を試料液
のPHに対して自記せしめることによりβ−PH曲線
を得ることを特徴とする緩衝能滴定法を提供する
ものである。
塩基で滴定しつつ液中のPH電極の応答を電気的に
処理して緩衝能βの値を求め、該βの値を試料液
のPHに対して自記せしめることによりβ−PH曲線
を得ることを特徴とする緩衝能滴定法を提供する
ものである。
本発明方法は未知試料のアイオノジエン分布に
関する全く新規な測定法であるから、その応用は
今後の開発適用にまつ所が多いが、学術研究のみ
ならず実用的応用に期するところが大きいこと
は、今までに得られた結果から見てかなり確実と
思われる。以下に説明を加える。
関する全く新規な測定法であるから、その応用は
今後の開発適用にまつ所が多いが、学術研究のみ
ならず実用的応用に期するところが大きいこと
は、今までに得られた結果から見てかなり確実と
思われる。以下に説明を加える。
前記のごとくアイオノジエンは我等の環境に広
く分布している。その中で、食品について見れ
ば、食品の大多数は有機酸、有機塩基、アミノ
酸、タン白質等より成るアイオノジエンの混合物
であり、これらの分布はその呈味、栄養価、商品
価値等と密接に関係している。
く分布している。その中で、食品について見れ
ば、食品の大多数は有機酸、有機塩基、アミノ
酸、タン白質等より成るアイオノジエンの混合物
であり、これらの分布はその呈味、栄養価、商品
価値等と密接に関係している。
本発明方法は、アイオノジエン分布を、一つの
全体像としてとらえうるという特徴があり、キヤ
ラクタリゼーシヨンの新しい方法を提供するもの
である。又一つの特徴は、従来の多くの化学分析
において必要とされる試料の前処理を、多くの場
合必要としないことで、そのために起りうる成分
の逸失や見落しを避けることができる。もちろん
本発明方法によつて、ピーク位置から定性分析
を、又ピークの高さから定量分析を行なうことも
可能であるが、本発明方法の特徴は食品のごとき
混合物にあつてはむしろアイオノジエン分布の全
体像をとらえることにある。
全体像としてとらえうるという特徴があり、キヤ
ラクタリゼーシヨンの新しい方法を提供するもの
である。又一つの特徴は、従来の多くの化学分析
において必要とされる試料の前処理を、多くの場
合必要としないことで、そのために起りうる成分
の逸失や見落しを避けることができる。もちろん
本発明方法によつて、ピーク位置から定性分析
を、又ピークの高さから定量分析を行なうことも
可能であるが、本発明方法の特徴は食品のごとき
混合物にあつてはむしろアイオノジエン分布の全
体像をとらえることにある。
したがつて本発明の好ましい態様によれば、試
料液にあらかじめ強酸又は強塩基を添加し試料液
のPHを所期のβ−PH曲線のPH範囲の限界にまで調
節した後に、緩衝能滴定が行われる。このような
操作をすることにより、最大限PH2〜PH12の範囲
内で任意にβ−PH曲線を得ることができる。
料液にあらかじめ強酸又は強塩基を添加し試料液
のPHを所期のβ−PH曲線のPH範囲の限界にまで調
節した後に、緩衝能滴定が行われる。このような
操作をすることにより、最大限PH2〜PH12の範囲
内で任意にβ−PH曲線を得ることができる。
本発明の具体例においては、強酸又は強塩基の
注加速度を一定の条件下に制御しつつ試料液に加
え、PHの微小変化に対応する滴定液の容量の比を
電気信号として取り出し記録が行われる。更に具
体的には、 強酸又は強塩基を一定流速で試料液に撹拌下に
注加し、液中のPH電極の応答電気信号を微分回路
次いで逆数回路において処理して得られる緩衝能
βに比例する信号を垂直軸信号とし、測定したPH
を水平軸として記録することによりβ−PH曲線が
得られる。
注加速度を一定の条件下に制御しつつ試料液に加
え、PHの微小変化に対応する滴定液の容量の比を
電気信号として取り出し記録が行われる。更に具
体的には、 強酸又は強塩基を一定流速で試料液に撹拌下に
注加し、液中のPH電極の応答電気信号を微分回路
次いで逆数回路において処理して得られる緩衝能
βに比例する信号を垂直軸信号とし、測定したPH
を水平軸として記録することによりβ−PH曲線が
得られる。
本発明は又、上記本発明方法を実施するための
装置を提供するものである。本発明の装置はPH測
定手段と、PH電極の応答を電気的に処理して緩衝
能βの値を求める手段と、該βの値を試料液のPH
に対して自記記録する手段とを備えている。
装置を提供するものである。本発明の装置はPH測
定手段と、PH電極の応答を電気的に処理して緩衝
能βの値を求める手段と、該βの値を試料液のPH
に対して自記記録する手段とを備えている。
上記緩衝能βの値を求める手段は、微分回路及
び逆数回路を備えているのが好ましい。
び逆数回路を備えているのが好ましい。
上記の理論にもとづく、β−PH曲線を自動記録
するための装置の一例について更に詳細に説明す
る。
するための装置の一例について更に詳細に説明す
る。
第2図より明らかなごとく、この装置の原理
は、ガラス電極と基準電極をそなえたPH計の電圧
出力を増幅し、微分回路によりその時間変化の微
分dE/dtに比例する出力を得、更に増幅後、乗除算 用モジユールによつてその逆数であるdt/dEに比例 する出力を得るものである。dEはdpHに比例す
る量であるから、dt/dEはdt/dpHに比例する。この 出力を、XY記録計のY軸に入力し、又PH計の出
力をそのまゝX軸に入力する。ビユーレツトを始
動後記録を開始すれば、PHを横軸に、βに比例す
る量を縦軸とするβ−PH曲線が得られる。
は、ガラス電極と基準電極をそなえたPH計の電圧
出力を増幅し、微分回路によりその時間変化の微
分dE/dtに比例する出力を得、更に増幅後、乗除算 用モジユールによつてその逆数であるdt/dEに比例 する出力を得るものである。dEはdpHに比例す
る量であるから、dt/dEはdt/dpHに比例する。この 出力を、XY記録計のY軸に入力し、又PH計の出
力をそのまゝX軸に入力する。ビユーレツトを始
動後記録を開始すれば、PHを横軸に、βに比例す
る量を縦軸とするβ−PH曲線が得られる。
この装置は、市販のタイトレーターを利用すれ
ば極めて小型軽量に製作し得又廉価である。操作
の難易は通常の滴定曲線の記録とほとんど変ると
ころがない。この種装置の難点というべきは、時
間微分を得るという操作のために、反応自身が長
時間を要する場合、又ガラス電極の応答が極めて
おそくなる場合には適用しがたく、したがつてあ
る種の懸濁液、又はある種の非水溶媒中の滴定等
には適当でないことである。又アルカリ液の混和
が速やかに行なわれないと、PH変化がスムーズに
行なわれず望ましくないノイズを生ずる。
ば極めて小型軽量に製作し得又廉価である。操作
の難易は通常の滴定曲線の記録とほとんど変ると
ころがない。この種装置の難点というべきは、時
間微分を得るという操作のために、反応自身が長
時間を要する場合、又ガラス電極の応答が極めて
おそくなる場合には適用しがたく、したがつてあ
る種の懸濁液、又はある種の非水溶媒中の滴定等
には適当でないことである。又アルカリ液の混和
が速やかに行なわれないと、PH変化がスムーズに
行なわれず望ましくないノイズを生ずる。
しかしこれらはかなりの程度まで技術的な改良
によつてたとえばノイズの発生源を極力へらすよ
うな混和装置を考案すると共に添加速度を小さく
するか、又は計算器制御による方法を用いること
により克服しうるものである。
によつてたとえばノイズの発生源を極力へらすよ
うな混和装置を考案すると共に添加速度を小さく
するか、又は計算器制御による方法を用いること
により克服しうるものである。
この装置に関数発生器の出力を入力し、正常に
動作することを確認した。又種々の濃度、容量の
液のβ−PH曲線を記録し、(14)、(16)式の関係が満足
されることを確認した。
動作することを確認した。又種々の濃度、容量の
液のβ−PH曲線を記録し、(14)、(16)式の関係が満足
されることを確認した。
更に、上記のアナログ的方法によらず、デイジ
タルコンピユーターによる信号処理と記録を行な
えば、曲線のスムージング、又バツクグラウンド
の自動補正等を行なう可能性が開けることとな
る。その一例の略図を第3図に示す。滴定装置は
第2図に示されているものと同じである。
タルコンピユーターによる信号処理と記録を行な
えば、曲線のスムージング、又バツクグラウンド
の自動補正等を行なう可能性が開けることとな
る。その一例の略図を第3図に示す。滴定装置は
第2図に示されているものと同じである。
図のa点において、ある調節可能な量の滴定液
の一定量がビユーレツトより添加される(たとえ
ば10μ)。調節可能な待ち時間t(たとえば1
秒)を経た後に、PH計出力がデイジタル信号とし
てメモリーされる(メモリー)。再び同様のこ
とが行なわれ第2のメモリー(メモリー)が入
ると、デイジタル化してメモリー化されている注
液量(一回の)を用いて 注 加 量/(メモリー)−(メモリリー
) が計算され結果がメモリーされる(メモリーA)。
再びサイクルが行なわれると第3のPHメモリーは
メモリーとなり、メモリーに入つていた第2
のPHメモリーはメモリーとなり、再び上記の計
算とメモリー(メモリーB)が行なわれる。以下
同様の操作が繰り返される。
の一定量がビユーレツトより添加される(たとえ
ば10μ)。調節可能な待ち時間t(たとえば1
秒)を経た後に、PH計出力がデイジタル信号とし
てメモリーされる(メモリー)。再び同様のこ
とが行なわれ第2のメモリー(メモリー)が入
ると、デイジタル化してメモリー化されている注
液量(一回の)を用いて 注 加 量/(メモリー)−(メモリリー
) が計算され結果がメモリーされる(メモリーA)。
再びサイクルが行なわれると第3のPHメモリーは
メモリーとなり、メモリーに入つていた第2
のPHメモリーはメモリーとなり、再び上記の計
算とメモリー(メモリーB)が行なわれる。以下
同様の操作が繰り返される。
メモリーA,B………以下は次々にアナログ化
されてXY記録計のY軸に入る。X軸はPH計出力
に連絡されている。
されてXY記録計のY軸に入る。X軸はPH計出力
に連絡されている。
この方法によれば、アナログ式でdt/dpHを記録
するのに対してdv/dpHを記録することになるので、
tを延長することにより、応答のおそい系につい
てもPHに比例する量を安定に記録できるはずであ
る。又メモリーA,B………により高度な演算処
理を行なつて、スムージング等を行なうこと又、
メモリーA,B………より、別に記憶しておいた
ブランク値(カーブ両端の上昇)を差引き、観測
範囲をひろげることも可能である。又tを不必要
に長くしないため、dv/dpH値をフイードバツクし てtを調節すれば便である。これらはすべて技術
的に困難はない。
てもPHに比例する量を安定に記録できるはずであ
る。又メモリーA,B………により高度な演算処
理を行なつて、スムージング等を行なうこと又、
メモリーA,B………より、別に記憶しておいた
ブランク値(カーブ両端の上昇)を差引き、観測
範囲をひろげることも可能である。又tを不必要
に長くしないため、dv/dpH値をフイードバツクし てtを調節すれば便である。これらはすべて技術
的に困難はない。
しかしこの装置は、少なくとも現在ではやゝ大
がかりなものとなり、高価格となるのはやむを得
ない。
がかりなものとなり、高価格となるのはやむを得
ない。
これらの装置は、緩衝能のPH分布の測定のため
のものであるが、他の利用法も考えられる。すな
わち、緩衝能の基礎はHenderson式 PH=pKa+log〔塩〕/〔酸〕 にあり、PHがガラス電極において電圧に変換され
るものであるが、たとえば白金などの不活性物質
を電極とするレドツクス滴定においては E=Eo+RT/nFln〔酸化体〕/〔還元体〕 =Eo+0.059/nlog〔酸化体〕/〔還元体〕 n=電子数 がその基礎であつて、この二つは完全に対応す
る。すなわちレドツクス滴定においてもPH滴定と
同様、可逆レドツクス系の存在によるレドツクス
緩衝能を規定することが可能である。これは、た
とえば生体物質等の複雑なレドツクス系を含む系
の研究にこの装置を利用する可能性を開くもので
あることを附言する。
のものであるが、他の利用法も考えられる。すな
わち、緩衝能の基礎はHenderson式 PH=pKa+log〔塩〕/〔酸〕 にあり、PHがガラス電極において電圧に変換され
るものであるが、たとえば白金などの不活性物質
を電極とするレドツクス滴定においては E=Eo+RT/nFln〔酸化体〕/〔還元体〕 =Eo+0.059/nlog〔酸化体〕/〔還元体〕 n=電子数 がその基礎であつて、この二つは完全に対応す
る。すなわちレドツクス滴定においてもPH滴定と
同様、可逆レドツクス系の存在によるレドツクス
緩衝能を規定することが可能である。これは、た
とえば生体物質等の複雑なレドツクス系を含む系
の研究にこの装置を利用する可能性を開くもので
あることを附言する。
以下本発明を具体例により説明するが、これら
はいかなる意味においても本発明を限定しようと
するものではない。
はいかなる意味においても本発明を限定しようと
するものではない。
以下の具体例において使用した装置は、第2図
に概略的に示されているものである。
に概略的に示されているものである。
PH計:東亜電波製、HM−5A型
記録計:理研電子製、D8−CP型
滴定は、1.00Nの苛性ソーダを約10μ/秒の
一定速度で加えて行つた。マグネチツクスターラ
ー(約1300rpm)で撹拌し、液は25℃の水槽中に
保つた。
一定速度で加えて行つた。マグネチツクスターラ
ー(約1300rpm)で撹拌し、液は25℃の水槽中に
保つた。
まず一例として既知溶液についての実測と計算
の比較を第4図に示す。液は0.053M酢酸(pKa
=4.76)及び0.053Mトリス(トリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン)塩酸塩(pKa=8.06)
に、低PHより観測が可能であるようにあらかじめ
少量の塩酸を添加し、PHを2以下としてから滴定
したものである。実測値と計算値はよく一致して
いる。
の比較を第4図に示す。液は0.053M酢酸(pKa
=4.76)及び0.053Mトリス(トリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン)塩酸塩(pKa=8.06)
に、低PHより観測が可能であるようにあらかじめ
少量の塩酸を添加し、PHを2以下としてから滴定
したものである。実測値と計算値はよく一致して
いる。
次に、本発明方法により得られるβ−PH曲線
を、各種の食品等の品質判定に利用できることを
次の具体例により示す。
を、各種の食品等の品質判定に利用できることを
次の具体例により示す。
白菜漬物の熟成過程
一例として、塩蔵やさいの醗酵熟成による成分
変化を本発明方法によつて得られるβ−PH曲線の
変化を観察することにより食味との関係を考察す
ると共に、従来この種の食品に用いられて来たと
ころの、PH測定及び酸度滴定との差異と優劣につ
いて述べる。
変化を本発明方法によつて得られるβ−PH曲線の
変化を観察することにより食味との関係を考察す
ると共に、従来この種の食品に用いられて来たと
ころの、PH測定及び酸度滴定との差異と優劣につ
いて述べる。
はくさい500gを約7mm巾に横方向にきざみ、
食塩20gと混和し、市販つけもの器で加圧下に室
温で貯蔵する。この食塩量はいわゆる一夜漬のそ
れに相当する。〓文献によれば、やさいの塩蔵に
よつて起る変化は複雑であるが、おゝむね次のよ
うにまとめられる。すなわち原料その他より移行
する好気性細菌群(Pseudomonas、
Flavobacterium、Achromobacter、大腸菌、
Bacillus類)が最初に増殖するが、数日中に乳酸
生産菌類(Leuc.mesenteroides、Sc.Faccalis、
Pediococcus等)が増殖をはじめると好気性菌の
増殖はPHの低下によつて抑制され、乳酸がかなり
増加すると全く停止する。その後乳酸菌のFlora
も変化し、後期にはL.plantarum又はL.brevisが
主となる。(「食品微生物学」.好井、金子、山口
著、技報堂.1980)。もちろん乳酸が生成する有
機酸のすべてではなく、多数の脂肪酸が検出され
ている例もある〔高波その他.日本食品工業学会
誌.25、9(1978)〕.〓圧搾した野菜からは水分
が速やかに浸出され、上澄汁と野菜内部の液分は
均等となる。上澄汁を、開始後3、5、6、8日
目に各20mlを採取し、本発明の緩衝能滴定及びPH
測定、酸度滴定を行なつた。
食塩20gと混和し、市販つけもの器で加圧下に室
温で貯蔵する。この食塩量はいわゆる一夜漬のそ
れに相当する。〓文献によれば、やさいの塩蔵に
よつて起る変化は複雑であるが、おゝむね次のよ
うにまとめられる。すなわち原料その他より移行
する好気性細菌群(Pseudomonas、
Flavobacterium、Achromobacter、大腸菌、
Bacillus類)が最初に増殖するが、数日中に乳酸
生産菌類(Leuc.mesenteroides、Sc.Faccalis、
Pediococcus等)が増殖をはじめると好気性菌の
増殖はPHの低下によつて抑制され、乳酸がかなり
増加すると全く停止する。その後乳酸菌のFlora
も変化し、後期にはL.plantarum又はL.brevisが
主となる。(「食品微生物学」.好井、金子、山口
著、技報堂.1980)。もちろん乳酸が生成する有
機酸のすべてではなく、多数の脂肪酸が検出され
ている例もある〔高波その他.日本食品工業学会
誌.25、9(1978)〕.〓圧搾した野菜からは水分
が速やかに浸出され、上澄汁と野菜内部の液分は
均等となる。上澄汁を、開始後3、5、6、8日
目に各20mlを採取し、本発明の緩衝能滴定及びPH
測定、酸度滴定を行なつた。
第5図bに示したβ−PH曲線には次の特徴が認
められる。
められる。
(1) PH約3.8を中心とする緩衝能帯
(2) PH約9.5を中心とする緩衝能帯
(3) PH7付近の弱い緩衝能帯
この三者の高さはいずれも日数と共にいちじる
しく増加している。標準試料液(酢酸+トリス)
の同容積の滴定を行なうことによりβの値を計算
すれば、8日後に(1)のβ=0.032、(2)のそれも約
0.032となる。それぞれが単一のアイオノジエン
に起因するものと仮定すれば、これはいずれも
0.056モル/Lに相当する。(1)を乳酸による緩衝
能であると見なし乳酸の分子量(90.1)より乳酸
濃度を計算すれば約0.5%に相当する。しかし(2)
のピークは、従来の文献には相当する成分の記載
を見出し得ない。ピーク値がPH〜9.5にあること
よりすれば、この物質は(a)アミノ酸−NH2基、
(b)ヘテロ芳香族−OH、(c)フエノール類(d)プリン
類(e)飽和ヘテロ環のN(f)脂肪族アミンのいずれか
である可能性があるが、原料その他より考えて(a)
又は(f)であろうと思われる。しかし(a)であるなら
ば、α−アミノ酸の−COOH基によるPH2〜3
における緩衝能がより強く現われる筈であるの
で、現在のところ(f)と考えるのが妥当であろう。
注目すべきことはこのような情報は従来の試験法
(PH測定、酸度滴定)においては全く得られず、
本発明方法においてはじめて明らかとなつたとい
う事実である。
しく増加している。標準試料液(酢酸+トリス)
の同容積の滴定を行なうことによりβの値を計算
すれば、8日後に(1)のβ=0.032、(2)のそれも約
0.032となる。それぞれが単一のアイオノジエン
に起因するものと仮定すれば、これはいずれも
0.056モル/Lに相当する。(1)を乳酸による緩衝
能であると見なし乳酸の分子量(90.1)より乳酸
濃度を計算すれば約0.5%に相当する。しかし(2)
のピークは、従来の文献には相当する成分の記載
を見出し得ない。ピーク値がPH〜9.5にあること
よりすれば、この物質は(a)アミノ酸−NH2基、
(b)ヘテロ芳香族−OH、(c)フエノール類(d)プリン
類(e)飽和ヘテロ環のN(f)脂肪族アミンのいずれか
である可能性があるが、原料その他より考えて(a)
又は(f)であろうと思われる。しかし(a)であるなら
ば、α−アミノ酸の−COOH基によるPH2〜3
における緩衝能がより強く現われる筈であるの
で、現在のところ(f)と考えるのが妥当であろう。
注目すべきことはこのような情報は従来の試験法
(PH測定、酸度滴定)においては全く得られず、
本発明方法においてはじめて明らかとなつたとい
う事実である。
なお、(2)に記したPH7付近の弱い緩衝能帯に相
当する物質ついても従来記載がない。推論すれ
ば、二塩基性酸の第二解離、又は不飽和アミンで
ある可能性がある。いずれにせよ物質の確認には
化学的手法を必要とするが、このように各種アイ
オノジエンのpK分布を一目で見てとることがで
きるのが本発明方法の大きな一つの特徴である。
当する物質ついても従来記載がない。推論すれ
ば、二塩基性酸の第二解離、又は不飽和アミンで
ある可能性がある。いずれにせよ物質の確認には
化学的手法を必要とするが、このように各種アイ
オノジエンのpK分布を一目で見てとることがで
きるのが本発明方法の大きな一つの特徴である。
食味との関係について述べれば、この実験にお
いては3〜5日間の場合ほどよい酸味を持ち歯切
れも良い漬物であり、その後は酸味が勝ちやゝ不
味となつた。したがつて、β−PH曲線における
(1)、(2)のβのピークが0.01〜0.02に達する時を最
適とする。又仮に異常醗酵が起つた場合にはおそ
らくβ−PH曲線によつて容易に検知しうると思わ
れる。
いては3〜5日間の場合ほどよい酸味を持ち歯切
れも良い漬物であり、その後は酸味が勝ちやゝ不
味となつた。したがつて、β−PH曲線における
(1)、(2)のβのピークが0.01〜0.02に達する時を最
適とする。又仮に異常醗酵が起つた場合にはおそ
らくβ−PH曲線によつて容易に検知しうると思わ
れる。
従来の方法によつて、単にPH変化を測定すれ
ば、第5図bの曲線上に、黒丸で示されている滴
定前のPH値から明らかなように、3〜5日の間に
急激な降下を示すがその後の変化はわずかであ
る。これはあたかも、醗酵による有機酸の生成が
その後停止したかのように見え、そのように解釈
を加えた論文も見られるが実はこれを正しくしな
い。すなわち、β−PH曲線に見るように、有機酸
等のアイオノジエンの総量は8日後もまだ増加を
続けているのが実情である。PHがほゞ一定である
のは、おそらく乳酸と同時に生成される塩基性物
質(β−PH曲線においてPH9.5にピークを与える
物質と思われる)との割合のバランスが保たれて
いるためであろう。
ば、第5図bの曲線上に、黒丸で示されている滴
定前のPH値から明らかなように、3〜5日の間に
急激な降下を示すがその後の変化はわずかであ
る。これはあたかも、醗酵による有機酸の生成が
その後停止したかのように見え、そのように解釈
を加えた論文も見られるが実はこれを正しくしな
い。すなわち、β−PH曲線に見るように、有機酸
等のアイオノジエンの総量は8日後もまだ増加を
続けているのが実情である。PHがほゞ一定である
のは、おそらく乳酸と同時に生成される塩基性物
質(β−PH曲線においてPH9.5にピークを与える
物質と思われる)との割合のバランスが保たれて
いるためであろう。
アルカリ滴定による通常の酸度測定は、前記の
ごとく指示薬を用いて一定のPHに達するようにア
ルカリ液を注加しその容積を知る方法である。こ
の方法は、いわゆる「有機酸の定量法」として広
く用いられている(たとえば小原編「食品、栄養
化学実験書」、建帛社.昭55.参照)ものである。
この方法はしかしながら、たとえば漬物汁の乳酸
の量という意味での有機酸量を与えるものではな
い。滴定値が有機酸量と等しくなるのは特殊な場
合のみである。すなわち (1) 有機酸のすべてが遊離状態で存在する。
ごとく指示薬を用いて一定のPHに達するようにア
ルカリ液を注加しその容積を知る方法である。こ
の方法は、いわゆる「有機酸の定量法」として広
く用いられている(たとえば小原編「食品、栄養
化学実験書」、建帛社.昭55.参照)ものである。
この方法はしかしながら、たとえば漬物汁の乳酸
の量という意味での有機酸量を与えるものではな
い。滴定値が有機酸量と等しくなるのは特殊な場
合のみである。すなわち (1) 有機酸のすべてが遊離状態で存在する。
(2) 指示薬の変色点においてすべての有機酸のプ
ロトン解離が完全である。
ロトン解離が完全である。
ことが必要である。たとえば第6図bに示すとこ
ろの単純な乳酸水溶液の滴定ではこの二つは満足
され、どちらの指示薬を用いても正確に終点が得
られ、乳酸の定量を行なうことができる。しかし
ながら、第5図a及び第6図aに示すような漬物
汁の滴定曲線から見れば、上記の2条件は共に充
されない(これらの曲線は、低PHでの挙動を知る
ためにあらかじめ少量のHClを添加したものの滴
定曲線である。)すなわち、β−PH曲線より見れ
ば、ブランク差を引くことにより、pKa約3.5で
あるカルボキシル基と思われるアイオノジエンの
存在が認められるが、漬物汁のPHは8日後におい
て4.1であり、その60%がすでに中和された状態
で存在していることが明らかである。更に、混合
指示薬を用いたとしても、PH7付近の緩衝能帯の
存在のためにその終点は不明瞭とならざるを得
ず、もしフエノールフタレインを用いるならば、
終点がいちじるしく不明瞭となるばかりでなく、
β−PH曲線にあらわれている、pKa約9.5のアイ
オノジエンの約半分をも滴定することとなり、結
果として有機酸の定量としての意味は全く失なわ
れる。
ろの単純な乳酸水溶液の滴定ではこの二つは満足
され、どちらの指示薬を用いても正確に終点が得
られ、乳酸の定量を行なうことができる。しかし
ながら、第5図a及び第6図aに示すような漬物
汁の滴定曲線から見れば、上記の2条件は共に充
されない(これらの曲線は、低PHでの挙動を知る
ためにあらかじめ少量のHClを添加したものの滴
定曲線である。)すなわち、β−PH曲線より見れ
ば、ブランク差を引くことにより、pKa約3.5で
あるカルボキシル基と思われるアイオノジエンの
存在が認められるが、漬物汁のPHは8日後におい
て4.1であり、その60%がすでに中和された状態
で存在していることが明らかである。更に、混合
指示薬を用いたとしても、PH7付近の緩衝能帯の
存在のためにその終点は不明瞭とならざるを得
ず、もしフエノールフタレインを用いるならば、
終点がいちじるしく不明瞭となるばかりでなく、
β−PH曲線にあらわれている、pKa約9.5のアイ
オノジエンの約半分をも滴定することとなり、結
果として有機酸の定量としての意味は全く失なわ
れる。
これに反し、β−PH曲線をよりどころとするな
らば、上記のごとく、二つの主要なアイオノジエ
ンが存在すること、そのpKaが約3.5と9.5にある
こと、又その量の概略値(8日目において共に約
0.056M)、又pKa7付近の少量のアイオノジエン
の存在が明らかとされ、従来法では全く知ること
のできなかつた情報を得ることができる。もとよ
りこれらのアイオノジエンの同定には化学的手法
を必要とするが、通常の滴定と同程度の容易さを
もつてアイオノジエン分布を一目で知ることがで
きるのは、特に食品等の複雑な混合物においては
極めて有利であろう。
らば、上記のごとく、二つの主要なアイオノジエ
ンが存在すること、そのpKaが約3.5と9.5にある
こと、又その量の概略値(8日目において共に約
0.056M)、又pKa7付近の少量のアイオノジエン
の存在が明らかとされ、従来法では全く知ること
のできなかつた情報を得ることができる。もとよ
りこれらのアイオノジエンの同定には化学的手法
を必要とするが、通常の滴定と同程度の容易さを
もつてアイオノジエン分布を一目で知ることがで
きるのは、特に食品等の複雑な混合物においては
極めて有利であろう。
以下に、他の食品類について本発明方法を適用
して得た観察結果を簡単に記す。
して得た観察結果を簡単に記す。
滴定は、N−NaOHを用い、注加速度2×
9.74μ/秒、Eref=1.0Vで行つた。Erefは割算
器の×入力のことであり、PH変化の予想される大
小に応じて出力を調整するものである。
9.74μ/秒、Eref=1.0Vで行つた。Erefは割算
器の×入力のことであり、PH変化の予想される大
小に応じて出力を調整するものである。
煎茶(第7図a)
20倍量の熱水で抽出
PH6.0 20ml
N−HCl 1.5ml
アミノ酸混合物の形が明瞭に現われているが、
後から添加されている可能性もある。
後から添加されている可能性もある。
ほうじ茶(第7図b)
10倍量の熱水(80℃)で抽出
PH5.43 20ml
N−HCl 1.0ml
煎茶よりはるかにアミノ酸含量が低い。
紅茶(第7図c)
リプトン・テイーバツグ(10g)、20倍量の熱水
で抽出 20ml N−HCl 1ml ほうじ茶と類似したアミノ酸型であるが、−
COOHと−NH2に相当する部分の比が異なつて
いるようで、更に精査を要する。
で抽出 20ml N−HCl 1ml ほうじ茶と類似したアミノ酸型であるが、−
COOHと−NH2に相当する部分の比が異なつて
いるようで、更に精査を要する。
食酢(第8図a)
サミツト醸造酢(酸度4.2%) PH2.75試料液
酢 2ml
N−HCl 1ml
水 18ml
全く純粋な酢酸(第8図b)と同一な曲線が得
られている。
られている。
アミノ酸飲料(第9図)
アルギンZ(味の素(株)、PH3.80、L−アルギニン、
L−アスパラギン酸ナトリウム、フルクトース、
グルコース、クエン酸、dl−マレイン酸、ハチミ
ツ、ビタミンC、ナイアシン、カラメル、フレー
バ) 5ml N−HCl 1ml 水 15ml アミノ酸飲料であるが、−NH2によるPH9附近
のピークが、低PHピークより低いのは、有機酸
(クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸)の添加
による。
L−アスパラギン酸ナトリウム、フルクトース、
グルコース、クエン酸、dl−マレイン酸、ハチミ
ツ、ビタミンC、ナイアシン、カラメル、フレー
バ) 5ml N−HCl 1ml 水 15ml アミノ酸飲料であるが、−NH2によるPH9附近
のピークが、低PHピークより低いのは、有機酸
(クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸)の添加
による。
化学調味料(第10図a)
「ほんだし」(味の素(株)、)
2%溶液(遠心処理)(PH6.02) 20ml
N−HCl 2ml
グルタミン酸(0.05M)(第10図b)の形に極
めて近い。
めて近い。
日本酒(第11図a)
ワンカツプ大関(大関酒造(株)) PH4.30
A 試 料 20ml
N−HCl 1ml
PH 1.60
B 試料100mlを20mlに濃縮
N−HCl 3ml
PH 1.45
アミノ酸混合物の形が現われている。
ワイン(第11図b)
サントリー“デリカ”赤 PH3.30
試 料 20ml
N−HCl 1ml
酒石酸のそれに近いが、PH−11に緩衝能帯があ
るのはフエノール酸又はアミノ基を持つ化合物に
よるものであろう。
るのはフエノール酸又はアミノ基を持つ化合物に
よるものであろう。
コーヒー(第12図a)
Hills Brothers Med.fine grind10g 250ml。
PH5.13 上記試料 20ml N−HCl 1.5ml インスタントコーヒー(第12図b) MJB 2%、PH5.00 試 料 20ml N−HCl 1ml 有機酸によると思われるPH4付近の緩衝能と、
起因不明のPH9付近のピークが、真正のコーヒー
とインスタントコーヒーに共に現われている。
PH5.13 上記試料 20ml N−HCl 1.5ml インスタントコーヒー(第12図b) MJB 2%、PH5.00 試 料 20ml N−HCl 1ml 有機酸によると思われるPH4付近の緩衝能と、
起因不明のPH9付近のピークが、真正のコーヒー
とインスタントコーヒーに共に現われている。
グレープフルーツ(第13図)
フロリダ、ジユース PH3.07
試 料 5ml
N−HCl 1ml
水 15ml
主としてクエン酸と思われるピークを示すが、
PH10付近でも緩衝能を示す、クエン酸のピーク
は、第1図fの計算によるものと位置がずれてい
るが、これは三塩基酸のイオンによる強いイオン
強度のためであり、計算により補正可能である。
PH10付近でも緩衝能を示す、クエン酸のピーク
は、第1図fの計算によるものと位置がずれてい
るが、これは三塩基酸のイオンによる強いイオン
強度のためであり、計算により補正可能である。
レモン(第14図)
レモンジユース(10倍希釈) 2ml
N−HCl 11ml
水 17ml
同じくクエン酸によると思われるが、濃度が高
いため希釈してあるためか、グレープフルーツに
見られたPH10付近の緩衝能帯は見られない。
いため希釈してあるためか、グレープフルーツに
見られたPH10付近の緩衝能帯は見られない。
みかん(第15図)
みかんジユース(2倍希釈) 10ml
N−HCl 2ml
水 18ml
滴定スピード 2
Eref−1.00V
クエン酸以外の酸が含まれているようであり、
PH10付近の緩衝能帯が見られる。
PH10付近の緩衝能帯が見られる。
リンゴジユース(第16図)
かごめ(株) 100%、PH3.76
試 料 5ml(A)、20ml(B)
N−HCl 1ml
水 10ml
りんご酸が主成分であることが明らかである
が、PH10以上に強い緩衝能をもつ物質がかなり存
在する、ジユース飲料でも同様である。
が、PH10以上に強い緩衝能をもつ物質がかなり存
在する、ジユース飲料でも同様である。
ぶどうジユース(第17図)
かごめ果汁 100%、PH3.73
試 料 10ml
N−HCl 1ml
水 10ml
酒石酸のパターンが見られる。
パイナツプル(第18図)
パイナツプルジユース 10ml PH3.10
N−HCl 1ml
水 10ml
文献によればクエン酸とリンゴ酸が有機酸の主
体であるが、クエン酸の方の特徴が強く現われて
いるのでこの方が多量であろう。
体であるが、クエン酸の方の特徴が強く現われて
いるのでこの方が多量であろう。
しよう油(第19図a)
キツコーマン PH4.72
試 料 2ml
N−HCl 2ml
水 17ml
しよう油は多数のアミン酸の混合物であり、β
−PH曲線は個々のアミノ酸の緩衝能の総和となる
はずである。実測の曲線は図のごとく独特のパタ
ーンを示す。試みに、しよう油の既知のアミノ酸
組成(「日本食品成分表」医歯薬出版昭51)によ
り、18種のアミノ酸のpKaと含量にもとづきβ−
PH曲線の計算値を算出した結果(第19図b)
は、実測値と良い一致を示している。
−PH曲線は個々のアミノ酸の緩衝能の総和となる
はずである。実測の曲線は図のごとく独特のパタ
ーンを示す。試みに、しよう油の既知のアミノ酸
組成(「日本食品成分表」医歯薬出版昭51)によ
り、18種のアミノ酸のpKaと含量にもとづきβ−
PH曲線の計算値を算出した結果(第19図b)
は、実測値と良い一致を示している。
上記のごとく、食品についての結果では、既知
の成分から予想される結果が確認されるのみなら
ず、それに付随した帰属不明のアイオノジエンの
存在もかなり見出された。これらの実用上持つ意
味は、より多くの経験的事項のつみ重ねによつて
更に大きくなるであろう。品質管理においてもそ
の利用が期待される。
の成分から予想される結果が確認されるのみなら
ず、それに付随した帰属不明のアイオノジエンの
存在もかなり見出された。これらの実用上持つ意
味は、より多くの経験的事項のつみ重ねによつて
更に大きくなるであろう。品質管理においてもそ
の利用が期待される。
他方、土壌肥料学において有機成分は極めて重
要な部門であり、実用的にもその多用が指導され
堆肥(コンポスト)が大量に製造されている。し
かし、この種のいわゆる腐植物質は、その構造と
組成の複雑さのために研究はほとんど進んでいな
い。又コンポストの製造においてもその腐熱度の
判定は極めてあいまいである。腐植酸は、主とし
てカルボキシル基による酸性を呈する有色の高分
子物質であるので、その定性、定量に本方法の適
用が考えられる。その一例を第20図に示す。図
は、40gのイネワラ完熟堆肥を100mlの水で抽出
した液から不溶物を除いた液(PH8.60)の緩衝能
曲線であり、予測のごとく多数のアイオノジエン
の混合物であることが知られる。その分布は、
pKa約4〜6と、9〜11との二つのグループに分
けられるようである。現在の段階ではこの意味す
るところ、又実用的な意味は不明であるが、多数
のサンプルを比較することによつて明らかとなる
であろう。
要な部門であり、実用的にもその多用が指導され
堆肥(コンポスト)が大量に製造されている。し
かし、この種のいわゆる腐植物質は、その構造と
組成の複雑さのために研究はほとんど進んでいな
い。又コンポストの製造においてもその腐熱度の
判定は極めてあいまいである。腐植酸は、主とし
てカルボキシル基による酸性を呈する有色の高分
子物質であるので、その定性、定量に本方法の適
用が考えられる。その一例を第20図に示す。図
は、40gのイネワラ完熟堆肥を100mlの水で抽出
した液から不溶物を除いた液(PH8.60)の緩衝能
曲線であり、予測のごとく多数のアイオノジエン
の混合物であることが知られる。その分布は、
pKa約4〜6と、9〜11との二つのグループに分
けられるようである。現在の段階ではこの意味す
るところ、又実用的な意味は不明であるが、多数
のサンプルを比較することによつて明らかとなる
であろう。
人尿への応用
尿の組成は極めて変動が多い。尿はある意味で
生活状態のすべてを反映している筈であるが、実
際にその全体像をとらえることはむづかしく、臨
床的にはその少数の結果のみをとらえて診断の助
けとしているにすぎない。その成分は複雑であ
り、極めて多数の無機物、有機物を含むが、後者
の中又多くはここに云うところのアイオノジエン
である。その例としては、フエノール、有機酸
類、イミダゾール、インドール類、アミノ酸等が
ある。無機体のアンモニアもアイオノジエンに属
する。したがつて人尿の緩衝能曲線はこれらの成
分の量とバランスを忠実に反映し、医学、臨床上
極めて有用に用いられる可能性がある。以下に、
成人男子(40−60才)3名(いずれも健康体)に
ついての例を示す。
生活状態のすべてを反映している筈であるが、実
際にその全体像をとらえることはむづかしく、臨
床的にはその少数の結果のみをとらえて診断の助
けとしているにすぎない。その成分は複雑であ
り、極めて多数の無機物、有機物を含むが、後者
の中又多くはここに云うところのアイオノジエン
である。その例としては、フエノール、有機酸
類、イミダゾール、インドール類、アミノ酸等が
ある。無機体のアンモニアもアイオノジエンに属
する。したがつて人尿の緩衝能曲線はこれらの成
分の量とバランスを忠実に反映し、医学、臨床上
極めて有用に用いられる可能性がある。以下に、
成人男子(40−60才)3名(いずれも健康体)に
ついての例を示す。
検体A(第21図a)
尿(PH6.70) 10ml
N−HCl 1ml
検体B(第21図b)
尿(PH5.37) 10ml
N−HCl 0.5ml
検体C(第21図c)
尿(PH6.0) 10ml
N−HCl 1.5ml
A、B、Cの三例を比較すると大きな差がみと
められる。AとBは定性的にも量的にも似ている
が、各ピーク(pKa約4.9、6.3−6.7、9.3)の相対
値は微妙に異なる。前2者はおそらく有機酸類、
最後のものはアンモニア又は有機アミンによるも
のであろう。検体Cにおいてはアイオノジエン類
がいちじるしく多量、濃厚であり、特に9.3のも
のが高いのがみとめられる。A、B、C三者につ
いて、更にpKa2〜3付近のアイオノジエンの存
在が認められ、やはりCでは特に高い、Cにおい
て高いピークに乱れが見られるのは、アルカリ添
加により少量の固形物を生じたためである。βの
大きさから推算すれば、C検体における各ピーク
の物質のモル濃度は、pKa6.2のもの約0.06M、
pKa9.3のもの約0.12Mである。
められる。AとBは定性的にも量的にも似ている
が、各ピーク(pKa約4.9、6.3−6.7、9.3)の相対
値は微妙に異なる。前2者はおそらく有機酸類、
最後のものはアンモニア又は有機アミンによるも
のであろう。検体Cにおいてはアイオノジエン類
がいちじるしく多量、濃厚であり、特に9.3のも
のが高いのがみとめられる。A、B、C三者につ
いて、更にpKa2〜3付近のアイオノジエンの存
在が認められ、やはりCでは特に高い、Cにおい
て高いピークに乱れが見られるのは、アルカリ添
加により少量の固形物を生じたためである。βの
大きさから推算すれば、C検体における各ピーク
の物質のモル濃度は、pKa6.2のもの約0.06M、
pKa9.3のもの約0.12Mである。
これらの知見が臨床的に持つ意味は、より多数
の経験による他ないが、いずれも健康で生活状態
も類似した3名にこれだけの差が見られること
は、その臨床的応用が有望であることを示唆する
ものである。
の経験による他ないが、いずれも健康で生活状態
も類似した3名にこれだけの差が見られること
は、その臨床的応用が有望であることを示唆する
ものである。
もちろん本発明方法は更に他方面に、たとえ
ば、タン白質、ペプタイド研究への応用も期待さ
れている。
ば、タン白質、ペプタイド研究への応用も期待さ
れている。
この分野においてはPH滴定曲線が古くより重要
な手段となつているが(たとえば、林勝哉「蛋白
質の電気的性質、東大出版会 1971)、この方面
にβ−PH曲線は有力な手段となるであろう。
な手段となつているが(たとえば、林勝哉「蛋白
質の電気的性質、東大出版会 1971)、この方面
にβ−PH曲線は有力な手段となるであろう。
第1図は、計算によつて求められた種々の酸の
β−PH曲線の例を示す図面であり、第2図は本発
明のβ−PH曲線自動記録装置の一例を示す概略図
であり、第3図は、計算機制御によるβ−PH曲線
自動記録の一方法を示す概略図であり、第4図は
本発明方法により得られるβ−PH曲線と計算によ
つて得られるβ−PH曲線がよく一致することを例
示する図面であり、第5図a,bは白菜塩漬汁の
滴定曲線とβ−PH曲線の経日変化を示す図面であ
り、第6図a,bはそれぞれ、前記塩漬汁と乳酸
の滴定曲線を示す図面である。第7〜第19図
は、本発明方法により得られた各種食品のβ−PH
曲線を示す図面である。第7図a:煎茶、b:ほ
うじ茶、c:紅茶、第8図a:食酢、b:酢酸+
トリス塩酸、第9図:アミノ酸飲料、第10図
a:化学調味料、b:グルタミン酸、第11図
a:日本酒、b:ワイン、第12図a:コーヒ
ー、b:インスタントコーヒー、第13図:グレ
ープフルーツジユース、第14図:レモンジユー
ス、第15図:みかんジユース、第16図:りん
ごジユース、第17図:ぶどうジユース、第18
図:パイナツプルジユース、第19図a:しよう
油、第19図b:しよう油のアミノ酸組成からの
計算値。第20図は、イネワラ完熟堆肥抽出液の
β−PH曲線、第21図a,b,cは尿のβ−PH曲
線を示す図面である。 図面番号の説明、1……ビユーレツト、2……
ガラス電極、3……基準電極、4……試料、5…
…スターラー、6……XY記録計。
β−PH曲線の例を示す図面であり、第2図は本発
明のβ−PH曲線自動記録装置の一例を示す概略図
であり、第3図は、計算機制御によるβ−PH曲線
自動記録の一方法を示す概略図であり、第4図は
本発明方法により得られるβ−PH曲線と計算によ
つて得られるβ−PH曲線がよく一致することを例
示する図面であり、第5図a,bは白菜塩漬汁の
滴定曲線とβ−PH曲線の経日変化を示す図面であ
り、第6図a,bはそれぞれ、前記塩漬汁と乳酸
の滴定曲線を示す図面である。第7〜第19図
は、本発明方法により得られた各種食品のβ−PH
曲線を示す図面である。第7図a:煎茶、b:ほ
うじ茶、c:紅茶、第8図a:食酢、b:酢酸+
トリス塩酸、第9図:アミノ酸飲料、第10図
a:化学調味料、b:グルタミン酸、第11図
a:日本酒、b:ワイン、第12図a:コーヒ
ー、b:インスタントコーヒー、第13図:グレ
ープフルーツジユース、第14図:レモンジユー
ス、第15図:みかんジユース、第16図:りん
ごジユース、第17図:ぶどうジユース、第18
図:パイナツプルジユース、第19図a:しよう
油、第19図b:しよう油のアミノ酸組成からの
計算値。第20図は、イネワラ完熟堆肥抽出液の
β−PH曲線、第21図a,b,cは尿のβ−PH曲
線を示す図面である。 図面番号の説明、1……ビユーレツト、2……
ガラス電極、3……基準電極、4……試料、5…
…スターラー、6……XY記録計。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アイオノジエンを含有する試料液を強酸又は
強塩基で滴定しつつ液中のPH電極の応答を電気的
に処理して緩衝能βの値を求め、該βの値を試料
液のPHに対して自記せしめることによりβ−PH曲
線を得ることを特徴とする緩衝能滴定法。 2 試料液にあらかじめ強酸又は強塩基を添加
し、試料液のPHを所期のβ−PH曲線のPH範囲の限
界にまで調節した後、緩衝能滴定を行うことを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 強酸又は強塩基の注加速度を一定の条件下に
制御しつつ試料液に加え、PHの微小変化に対応す
る滴定液の容量の比を電気信号として取り出し記
録することを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載の方法。 4 強酸又は強塩基を一定流速で試料液に撹拌下
に注加し、液中のPH電極の応答電気信号を微分回
路次いで逆数回路において処理して得られる緩衝
能βに比例する信号を垂直軸信号とし、測定した
PHを水平軸として記録することを特徴とする特許
請求の範囲第1〜第3項のいずれか1項記載の方
法。 5 PH測定手段と、PH電極の応答を電気的に処理
して緩衝能βの値を求める手段と、該βの値を試
料液のPHに対して自記記録する手段とを備えてい
る、アイオノジエンを含有する試料液の緩衝能測
定装置。 6 緩衝能βの値を求める手段が、微分回路及び
逆数回路を備えている特許請求の範囲第5項記載
の装置。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9487981A JPS57208445A (en) | 1981-06-19 | 1981-06-19 | Buffer power titration method and apparatus therefor |
| DK275982A DK162064C (da) | 1981-06-19 | 1982-06-18 | Fremgangsmaade til frembringelse af en bufferkapacitetskurve af en ionogen proeveoploesning samt apparat til brug herved |
| CH379882A CH650863A5 (en) | 1981-06-19 | 1982-06-21 | Method and apparatus for recording buffer capacity curves |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9487981A JPS57208445A (en) | 1981-06-19 | 1981-06-19 | Buffer power titration method and apparatus therefor |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57208445A JPS57208445A (en) | 1982-12-21 |
| JPS632465B2 true JPS632465B2 (ja) | 1988-01-19 |
Family
ID=14122332
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9487981A Granted JPS57208445A (en) | 1981-06-19 | 1981-06-19 | Buffer power titration method and apparatus therefor |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57208445A (ja) |
| CH (1) | CH650863A5 (ja) |
| DK (1) | DK162064C (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5132916A (en) * | 1990-05-21 | 1992-07-21 | Elsag International B.V. | Methodology for ph titration curve estimation for adaptive control |
| FR2748112B1 (fr) * | 1996-04-30 | 1998-06-26 | Tlti Toute La Telephonie Ind | Procede pour determiner une proportion de reactant dans un liquide et appareil automatique correspondant |
| JP5261848B2 (ja) * | 2009-08-19 | 2013-08-14 | 社団法人 おいしさの科学研究所 | 電気化学的緩衝能測定装置 |
| CN111766277B (zh) * | 2020-06-09 | 2022-06-28 | 安徽大学 | 一种区分金属离子Fe3+及Cu2+的方法 |
-
1981
- 1981-06-19 JP JP9487981A patent/JPS57208445A/ja active Granted
-
1982
- 1982-06-18 DK DK275982A patent/DK162064C/da not_active IP Right Cessation
- 1982-06-21 CH CH379882A patent/CH650863A5/fr not_active IP Right Cessation
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| DK162064B (da) | 1991-09-09 |
| JPS57208445A (en) | 1982-12-21 |
| CH650863A5 (en) | 1985-08-15 |
| DK162064C (da) | 1992-02-17 |
| DK275982A (da) | 1982-12-20 |
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