JPS633259B2 - - Google Patents
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- JPS633259B2 JPS633259B2 JP53143571A JP14357178A JPS633259B2 JP S633259 B2 JPS633259 B2 JP S633259B2 JP 53143571 A JP53143571 A JP 53143571A JP 14357178 A JP14357178 A JP 14357178A JP S633259 B2 JPS633259 B2 JP S633259B2
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Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R33/00—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
- G01R33/20—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
- G01R33/44—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
- G01R33/46—NMR spectroscopy
- G01R33/4633—Sequences for multi-dimensional NMR
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Description
〔説明の要約〕
後続の混合パルスに対して特定の位相を持つ磁
気回転共鳴子の集合の統計的非平衡状態を予め作
ることによつて、特定の次数の多重量子遷移を検
出することが出来る。進展時間t1の後に90゜混合
パルスが印加され、自由誘導減衰が時間t2の関数
として標本化される。t1とφi(位相角)の関数と
なる信号関数Siを得る。信号関数Siの線形結合
は、フーリエ変換の後に、位相及び線形結合の選
択によつて限定される多重量子遷移の2次元スペ
クトルを作り出す。一実施例においては、進展時
間の間に磁界傾斜パルスが印加され、その結果生
ずる多重量子遷移は、このような遷移の次数に依
存する巾を持つスペクトル・ピークを生ずる。特
に、零次遷移だけを残して総てのスペクトル・ピ
ークを、結果として得られるスペクトルから除去
することが出来る。 本発明は磁気回転共鳴の検出方法に関するもの
であり、詳しく言えば、多重量子遷移の選択的検
出に関するものである。 大ていの磁気回転共鳴実験は、Mを共鳴系の全
磁気量子数として、 ΔM=±1 という選択法則に従う単一量子遷移の観測に局限
されている。この選択法則は、一次時間依存摂動
理論の結果として、総ての低パワー実験に対して
当てはまる。磁気量子数の変化が±1以外の遷移
は、一次時間依存摂動理論で計算されたこのよう
な遷移確率が消失するので、『禁止されている』
と言われる。勿論このような計算は単に一次近似
に過ぎず、より普通の単一量子遷移に対して著し
く強度を減ぜられているとは言え、このような遷
移が起ることは認められている。このような高次
の遷移は、複数の放射線量子の同時吸収を必要と
する場合に付随するものである。 無線周波照射の存在しない状態で自由誘導減衰
が記録されるフーリエ変換実験においては、多重
量子遷移(MQT)を直接に検出することは不可
能であり、それはこれらの遷移の対応するマトリ
ツクス素子がその遷移を説明する観測可能な演算
子の中に存在しないからである。他の或る実験的
立場からは、多重量子遷移を励起し観測すること
は可能である。例えば、緩変化実験においては、
印加無線周波電磁界が充分に強い時には何時で
も、高次の遷移が誘導されることが知られてい
る。その時、p量子遷移の強度は(γH1)2p-1の形
の項に依存し、ここでγは結合定数、H1は摂動
を表わす項である。このようにして、装置の実験
感度が与えられるならば、特定の次数の遷移に対
して或る粗い弁別を行うことができる。 オー(Aue)、バーソルデイ(Bartholdi)及び
エルンスト(Ernst)は、J.Chem.Phys.、Vol.64
pp22−29 22−46(1976)において、多次元フー
リエ・スペクトロスコピー技術は間接的手段によ
つて多重(0次を含む)量子遷移を観測可能にし
得ることを示した。然しながら、彼等のこの技術
は、このような遷移の内の特定の選ばれた次数の
ものを観測する技術を示すものではない。 多重量子遷移の観測は、極めて複雑になるスペ
クトルの簡単化を実現するのに有利である。非縮
退多重量子遷移は指数的緩和現象を示し、それに
対する緩和パラメータは簡単な方法で極めて精度
高く得ることが出来る。その上、零次量子遷移の
観測という特殊な場合は、磁界不均一性による影
響がないことが知られており、そのために、不均
一磁界の中で高分解能スペクトルを記録すること
が可能になる。 MQTは特定のMQT若しくはMQT群を励起す
るように設計された強い選択的な無線周波パルス
によつて励起することが出来て、このような遷移
のマトリツクス要素は理論的には単一量子遷移の
マトリツクス要素と類似の方法で発生されること
が、知られている。この手法は重水素二重量子ス
ペクトロスコピーに広く用いられて来た。然しな
がら、この方法は、このような選択的励起を可能
とするために、調べられる系についての或る予備
知識を必要とする。 MQTの励起のために非平衡状態を使用すると
都合よい事も、知られている。第1種又は第2種
の非平衡状態は、一般に、考えられる総ての次数
のMQTの0でないマトリツクス要素を導き出
す。このような非平衡状態は、系のエネルギー準
位のボルツマン分布から偏つた占有比率によつて
特徴づけられる。第1種の非平衡状態とは、系の
密度演算子が摂動のないハミルトニアンと交換す
る状態、即ち 〔σ、H〕=0 という状態である。これに対して第2種の非平衡
状態とは、密度演算子と摂動のないハミルトニア
ンとが交換不能でその結果として、零とならない
非対角要素を持つ密度マトリツクスを生ずるよう
な状態である。オー、バーソルデイ及びエルンス
トは、磁気共鳴実験については、選択的180゜パル
スと或る時間後にそれに続く非選択90゜パルスと
により単一量子遷移を逆転することによつて第1
種の非平衡状態が作られることを示した。同じ著
者は又、非選択90゜パルスを印加して、それに続
て関連する歳差運動周波数差の逆数に相当する
(Δω〜1/τ)或る歳差運動時間τをあけ、その後 に第2の90゜パルスを印加することによつて、第
2種の非平衡状態を作り出すことも述べている。 ここで使用されている選択的又は非選択的パル
スの言葉は、次の意味で用いられている。すなわ
ち、選択的パルスは、磁化ベクトルをZ軸から
180゜回転させるものであり、非選択的パルスは磁
化ベクトルをZ軸から90゜回転させるものである。
そのため、各々のパルスを選択的180゜パルス又及
び非選択的90゜パルスをいう。そして、非選択的
180゜パルスは同位体の全てを一様に励起し、した
がつて同種の磁気モーメントの全て同じに回転さ
せる。これに対して選択的90゜パルスは全ての範
囲について励起させるものではない。何れかの種
類の非平衡状態を作る技術は、通常その結果とし
て種々のMQTマトリツクス要素の不均一分布を
生じ、またその結果最終的MQTスペクトル中の
不均一な強度を生ずるという事を注意すべきであ
る。 詳しく言えば、オー、バーソルデイ及びエルン
ストは、2次元スペクトロスコピーの技術を利用
して禁止された遷移の検出のための概略的内容が
記載されている。すなわち準備時間t<0は、そ
の間に密度演算子が種々の遷移の対応する非対角
マトリツクス要素の分布を規定する時間として定
義される。それに続いて進展時間0<t<t1があ
り、その時間の間ではMQTマトリツクス要素が
摂動のないハミルトニアンHの影響下に時間的に
進展することを許される。時刻t=t1において
は、回転角90゜によつて特徴づけられる混合パル
スt(α)が印加されて、観測不可能なMQTマ
トリツクス要素を観測可能な単一量子遷移マトリ
ツクス要素に変換する。すなわち、混合パルスは
進展時間を終了させ、いろいろな磁化成分を混合
し、次の観測時間の間それら成分の測定を可能に
させる。そして、観測時間t2>t1の間に、t1にお
ける混合パルスの発生に対して相対的に測られた
時間t2の関数として横方向磁化が観測される。進
展時間の長さを系統的に変化しながらこの実験が
繰返される。その結果、2次元信号関数S(t1、
t2)が得られ、周波数領域へ2次元的にフーリエ
変換され、その結果として2次元関数S(ω1、
ω2)を得る。このようにして、所望の多重量子
遷移データはω1軸に沿つて分布される。1次元
多重量子遷移スペクトルを得るためには、その2
次元スペクトルをω1軸上に射影するのである。
しかし、この技術は前述したように多重量子遷移
内の特定の選ばれた次数のものを観測することが
できなかつた。 本発明の一目的は、全磁気量子数が1以外の値
だけ異る副準位の間の多重量子遷移のスペクト
ル・データを選択的に得ることである。 他の一目的は、磁気共鳴スペクトルを得る際に
所望の次数の多重量子遷移を選択的に得ることで
ある。 本発明の一特色は、第1の特定の位相を持つ無
線周波エネルギーを印加してその結果非平衡状態
を作り出し、続いてこのような非平衡状態の準備
が完了した後時間t1において基準位相によつて特
徴づけられる無線周波エネルギーの90゜混合パル
スを印加し、次にこのような共鳴の自由誘導減衰
を検出して2次元データS(t1、t2)が得られる
ようにすることによつて、多重量子遷移のスペク
トルを選択的に得ることである。 本発明の別の一特色は、累進的磁界不均一性に
対する多重量子遷移の応答特性によつて遷移の次
数を弁別することである。 特定の次数若しくは特定の次数群の多重量子遷
移の選択は、本発明によれば、密度演算子σ(0)
によつて表わされる初期非平衡状態を作り出すた
めに使用された無線周波パルスのσ(0、φ)に
よつて表わされる初期条件を位相変移することに
よつて遂行される。 これらの特色は、本発明に依れば、準備時間無
線周波パルス・エネルギーを混合パルスに対して
φという大きさだけ位相変換することによつて実
現され、その位相は、位相変数φの関数としての
観測された磁化のフーリエ分析に従つて、検出さ
れるべき遷移の次数若しくは次数群を一部決定す
る。φの近似的に選ばれた値に対するデータS
(t1、t2、φ)の線形結合は、多重量子遷移の次
数が都合良く拘束された2次元スペクトルを作り
出す。 零量子遷移は、磁界が不均一な状態の下におけ
る共鳴パラメータを直接比較することによつて、
より高次の遷移から弁別される。 本発明の方法は第1図に示されたパルス系列に
より端的に表示される。これらのパルス系列は、
それぞれa及びbと記された第2種及び第1種の
非平衡な統計的状態の生成を説明する。t=0に
おいて作り出されるように、第1実施例における
状態は混合パルスの位相に対して位相角φだけの
位相変移によつて特徴づけられる。90゜混合パル
スは、MQTの時間に依存するマトリツクス要素
がt1と記された時間の間進展することを許した後
に印加される。この進展時間に続いて、自由誘導
減衰が、t1に対して相対的に測られた時間t2の関
数として標本化される。この手順がt1の系統的変
化に対して繰返され、それにより3変数応答関数
S(t1、t2、φ)が得られる。以下に述べるよう
にしてこれらのデータに対して選ばれた位相φiに
ついての適当な線形結合が作られ、周波数領域へ
2重フーリエ変換される。2次元スペクトルが作
り出れる類似のパルス印加磁気共鳴実験の過程
は、米国特許第4045723号に詳細に説明されてい
る。 或る次数のMQTに相当するスペクトルの選択
的検出のための適当な位相選択を確実にするため
に、検出過程に課せられる選択性に対する理論的
根拠を説明する。 スピン系の統計的状態は、一般に、時間に依存
する密度演算子の形で記述できる。その演算子
は、各項が特定の次数pの遷移に対応する密度演
算子の項の和で表わすことができる。 総和は、考慮中のスピン系についての全量子数
の起こり得る最大の変化について行なわれる。従
つて、最大となるためには、総てのスピンが互い
に平行な姿勢で並ぶように結合した場合であり、
N個のスピン1/2粒子の系ではΔは、Δ=N×|
1|となる。総和中の各項は無限小生成作用素
F2=Σk Iz.kを有する1次元回転群の既約表現に相
当する。定義により、既約演算子δpは角φの回
転の下に次のように変換される。 e-i〓Fzδp ei〓Fz=δp e-ip〓 (式2) 2次元磁気共鳴実験において観測される磁化
My(t1、t2)はこの形式において、 として表わすことが出来るが、こゝでp(α)は
観測不可能なMQT素要を観測可能な単一量子遷
移要素に変換する回転角αの混合パルスの効果の
演算子表示である。 本発明においては、初期条件は位相拘束によつ
てパラメータ化され、それにより次のようにな
る。 位相変移された初期条件密度演算子が式3のσp
(0)と置換されると次のようになる。 式5は位相変数φでのフーリエ級数展開とみな
される。その時、フーリエ係数は、 M(p) y(t1、t2)=Tr{Fye-iHt2P(α)e-iHt1σp
(0)eiHt1P(α)-1eiHt2} と定義され、これらのフーリエ係数は種々の次数
の応答信号を表わす。式5に戻ると、その式の実
数部分と虚数部分とを分けることが出来て、次の
ようになる。 ここでR(p) y及びI(p) yは横断方向磁化Myの実数振
巾及び虚数振巾をそれぞれ表わす。位相角φでの
フーリエ分析によつて次の関係が得られる。 φ=0、π/Δ、…π(2Δ−1)/Δの値に対して2
Δ 個の完全な応答配列My(t1、t2、φ)が得られる
ならば、適当な線形結合を行う時に種々の次数が
完全に分離される。項の数(そして対応するφの
値の数)が完全な一組よりも著しく少くて、一方
では限られてはいるがなお役に立つ選択性を得る
という事もあり得る。表は位相と項数の選択に
ついての幾つかの例を示す。
気回転共鳴子の集合の統計的非平衡状態を予め作
ることによつて、特定の次数の多重量子遷移を検
出することが出来る。進展時間t1の後に90゜混合
パルスが印加され、自由誘導減衰が時間t2の関数
として標本化される。t1とφi(位相角)の関数と
なる信号関数Siを得る。信号関数Siの線形結合
は、フーリエ変換の後に、位相及び線形結合の選
択によつて限定される多重量子遷移の2次元スペ
クトルを作り出す。一実施例においては、進展時
間の間に磁界傾斜パルスが印加され、その結果生
ずる多重量子遷移は、このような遷移の次数に依
存する巾を持つスペクトル・ピークを生ずる。特
に、零次遷移だけを残して総てのスペクトル・ピ
ークを、結果として得られるスペクトルから除去
することが出来る。 本発明は磁気回転共鳴の検出方法に関するもの
であり、詳しく言えば、多重量子遷移の選択的検
出に関するものである。 大ていの磁気回転共鳴実験は、Mを共鳴系の全
磁気量子数として、 ΔM=±1 という選択法則に従う単一量子遷移の観測に局限
されている。この選択法則は、一次時間依存摂動
理論の結果として、総ての低パワー実験に対して
当てはまる。磁気量子数の変化が±1以外の遷移
は、一次時間依存摂動理論で計算されたこのよう
な遷移確率が消失するので、『禁止されている』
と言われる。勿論このような計算は単に一次近似
に過ぎず、より普通の単一量子遷移に対して著し
く強度を減ぜられているとは言え、このような遷
移が起ることは認められている。このような高次
の遷移は、複数の放射線量子の同時吸収を必要と
する場合に付随するものである。 無線周波照射の存在しない状態で自由誘導減衰
が記録されるフーリエ変換実験においては、多重
量子遷移(MQT)を直接に検出することは不可
能であり、それはこれらの遷移の対応するマトリ
ツクス素子がその遷移を説明する観測可能な演算
子の中に存在しないからである。他の或る実験的
立場からは、多重量子遷移を励起し観測すること
は可能である。例えば、緩変化実験においては、
印加無線周波電磁界が充分に強い時には何時で
も、高次の遷移が誘導されることが知られてい
る。その時、p量子遷移の強度は(γH1)2p-1の形
の項に依存し、ここでγは結合定数、H1は摂動
を表わす項である。このようにして、装置の実験
感度が与えられるならば、特定の次数の遷移に対
して或る粗い弁別を行うことができる。 オー(Aue)、バーソルデイ(Bartholdi)及び
エルンスト(Ernst)は、J.Chem.Phys.、Vol.64
pp22−29 22−46(1976)において、多次元フー
リエ・スペクトロスコピー技術は間接的手段によ
つて多重(0次を含む)量子遷移を観測可能にし
得ることを示した。然しながら、彼等のこの技術
は、このような遷移の内の特定の選ばれた次数の
ものを観測する技術を示すものではない。 多重量子遷移の観測は、極めて複雑になるスペ
クトルの簡単化を実現するのに有利である。非縮
退多重量子遷移は指数的緩和現象を示し、それに
対する緩和パラメータは簡単な方法で極めて精度
高く得ることが出来る。その上、零次量子遷移の
観測という特殊な場合は、磁界不均一性による影
響がないことが知られており、そのために、不均
一磁界の中で高分解能スペクトルを記録すること
が可能になる。 MQTは特定のMQT若しくはMQT群を励起す
るように設計された強い選択的な無線周波パルス
によつて励起することが出来て、このような遷移
のマトリツクス要素は理論的には単一量子遷移の
マトリツクス要素と類似の方法で発生されること
が、知られている。この手法は重水素二重量子ス
ペクトロスコピーに広く用いられて来た。然しな
がら、この方法は、このような選択的励起を可能
とするために、調べられる系についての或る予備
知識を必要とする。 MQTの励起のために非平衡状態を使用すると
都合よい事も、知られている。第1種又は第2種
の非平衡状態は、一般に、考えられる総ての次数
のMQTの0でないマトリツクス要素を導き出
す。このような非平衡状態は、系のエネルギー準
位のボルツマン分布から偏つた占有比率によつて
特徴づけられる。第1種の非平衡状態とは、系の
密度演算子が摂動のないハミルトニアンと交換す
る状態、即ち 〔σ、H〕=0 という状態である。これに対して第2種の非平衡
状態とは、密度演算子と摂動のないハミルトニア
ンとが交換不能でその結果として、零とならない
非対角要素を持つ密度マトリツクスを生ずるよう
な状態である。オー、バーソルデイ及びエルンス
トは、磁気共鳴実験については、選択的180゜パル
スと或る時間後にそれに続く非選択90゜パルスと
により単一量子遷移を逆転することによつて第1
種の非平衡状態が作られることを示した。同じ著
者は又、非選択90゜パルスを印加して、それに続
て関連する歳差運動周波数差の逆数に相当する
(Δω〜1/τ)或る歳差運動時間τをあけ、その後 に第2の90゜パルスを印加することによつて、第
2種の非平衡状態を作り出すことも述べている。 ここで使用されている選択的又は非選択的パル
スの言葉は、次の意味で用いられている。すなわ
ち、選択的パルスは、磁化ベクトルをZ軸から
180゜回転させるものであり、非選択的パルスは磁
化ベクトルをZ軸から90゜回転させるものである。
そのため、各々のパルスを選択的180゜パルス又及
び非選択的90゜パルスをいう。そして、非選択的
180゜パルスは同位体の全てを一様に励起し、した
がつて同種の磁気モーメントの全て同じに回転さ
せる。これに対して選択的90゜パルスは全ての範
囲について励起させるものではない。何れかの種
類の非平衡状態を作る技術は、通常その結果とし
て種々のMQTマトリツクス要素の不均一分布を
生じ、またその結果最終的MQTスペクトル中の
不均一な強度を生ずるという事を注意すべきであ
る。 詳しく言えば、オー、バーソルデイ及びエルン
ストは、2次元スペクトロスコピーの技術を利用
して禁止された遷移の検出のための概略的内容が
記載されている。すなわち準備時間t<0は、そ
の間に密度演算子が種々の遷移の対応する非対角
マトリツクス要素の分布を規定する時間として定
義される。それに続いて進展時間0<t<t1があ
り、その時間の間ではMQTマトリツクス要素が
摂動のないハミルトニアンHの影響下に時間的に
進展することを許される。時刻t=t1において
は、回転角90゜によつて特徴づけられる混合パル
スt(α)が印加されて、観測不可能なMQTマ
トリツクス要素を観測可能な単一量子遷移マトリ
ツクス要素に変換する。すなわち、混合パルスは
進展時間を終了させ、いろいろな磁化成分を混合
し、次の観測時間の間それら成分の測定を可能に
させる。そして、観測時間t2>t1の間に、t1にお
ける混合パルスの発生に対して相対的に測られた
時間t2の関数として横方向磁化が観測される。進
展時間の長さを系統的に変化しながらこの実験が
繰返される。その結果、2次元信号関数S(t1、
t2)が得られ、周波数領域へ2次元的にフーリエ
変換され、その結果として2次元関数S(ω1、
ω2)を得る。このようにして、所望の多重量子
遷移データはω1軸に沿つて分布される。1次元
多重量子遷移スペクトルを得るためには、その2
次元スペクトルをω1軸上に射影するのである。
しかし、この技術は前述したように多重量子遷移
内の特定の選ばれた次数のものを観測することが
できなかつた。 本発明の一目的は、全磁気量子数が1以外の値
だけ異る副準位の間の多重量子遷移のスペクト
ル・データを選択的に得ることである。 他の一目的は、磁気共鳴スペクトルを得る際に
所望の次数の多重量子遷移を選択的に得ることで
ある。 本発明の一特色は、第1の特定の位相を持つ無
線周波エネルギーを印加してその結果非平衡状態
を作り出し、続いてこのような非平衡状態の準備
が完了した後時間t1において基準位相によつて特
徴づけられる無線周波エネルギーの90゜混合パル
スを印加し、次にこのような共鳴の自由誘導減衰
を検出して2次元データS(t1、t2)が得られる
ようにすることによつて、多重量子遷移のスペク
トルを選択的に得ることである。 本発明の別の一特色は、累進的磁界不均一性に
対する多重量子遷移の応答特性によつて遷移の次
数を弁別することである。 特定の次数若しくは特定の次数群の多重量子遷
移の選択は、本発明によれば、密度演算子σ(0)
によつて表わされる初期非平衡状態を作り出すた
めに使用された無線周波パルスのσ(0、φ)に
よつて表わされる初期条件を位相変移することに
よつて遂行される。 これらの特色は、本発明に依れば、準備時間無
線周波パルス・エネルギーを混合パルスに対して
φという大きさだけ位相変換することによつて実
現され、その位相は、位相変数φの関数としての
観測された磁化のフーリエ分析に従つて、検出さ
れるべき遷移の次数若しくは次数群を一部決定す
る。φの近似的に選ばれた値に対するデータS
(t1、t2、φ)の線形結合は、多重量子遷移の次
数が都合良く拘束された2次元スペクトルを作り
出す。 零量子遷移は、磁界が不均一な状態の下におけ
る共鳴パラメータを直接比較することによつて、
より高次の遷移から弁別される。 本発明の方法は第1図に示されたパルス系列に
より端的に表示される。これらのパルス系列は、
それぞれa及びbと記された第2種及び第1種の
非平衡な統計的状態の生成を説明する。t=0に
おいて作り出されるように、第1実施例における
状態は混合パルスの位相に対して位相角φだけの
位相変移によつて特徴づけられる。90゜混合パル
スは、MQTの時間に依存するマトリツクス要素
がt1と記された時間の間進展することを許した後
に印加される。この進展時間に続いて、自由誘導
減衰が、t1に対して相対的に測られた時間t2の関
数として標本化される。この手順がt1の系統的変
化に対して繰返され、それにより3変数応答関数
S(t1、t2、φ)が得られる。以下に述べるよう
にしてこれらのデータに対して選ばれた位相φiに
ついての適当な線形結合が作られ、周波数領域へ
2重フーリエ変換される。2次元スペクトルが作
り出れる類似のパルス印加磁気共鳴実験の過程
は、米国特許第4045723号に詳細に説明されてい
る。 或る次数のMQTに相当するスペクトルの選択
的検出のための適当な位相選択を確実にするため
に、検出過程に課せられる選択性に対する理論的
根拠を説明する。 スピン系の統計的状態は、一般に、時間に依存
する密度演算子の形で記述できる。その演算子
は、各項が特定の次数pの遷移に対応する密度演
算子の項の和で表わすことができる。 総和は、考慮中のスピン系についての全量子数
の起こり得る最大の変化について行なわれる。従
つて、最大となるためには、総てのスピンが互い
に平行な姿勢で並ぶように結合した場合であり、
N個のスピン1/2粒子の系ではΔは、Δ=N×|
1|となる。総和中の各項は無限小生成作用素
F2=Σk Iz.kを有する1次元回転群の既約表現に相
当する。定義により、既約演算子δpは角φの回
転の下に次のように変換される。 e-i〓Fzδp ei〓Fz=δp e-ip〓 (式2) 2次元磁気共鳴実験において観測される磁化
My(t1、t2)はこの形式において、 として表わすことが出来るが、こゝでp(α)は
観測不可能なMQT素要を観測可能な単一量子遷
移要素に変換する回転角αの混合パルスの効果の
演算子表示である。 本発明においては、初期条件は位相拘束によつ
てパラメータ化され、それにより次のようにな
る。 位相変移された初期条件密度演算子が式3のσp
(0)と置換されると次のようになる。 式5は位相変数φでのフーリエ級数展開とみな
される。その時、フーリエ係数は、 M(p) y(t1、t2)=Tr{Fye-iHt2P(α)e-iHt1σp
(0)eiHt1P(α)-1eiHt2} と定義され、これらのフーリエ係数は種々の次数
の応答信号を表わす。式5に戻ると、その式の実
数部分と虚数部分とを分けることが出来て、次の
ようになる。 ここでR(p) y及びI(p) yは横断方向磁化Myの実数振
巾及び虚数振巾をそれぞれ表わす。位相角φでの
フーリエ分析によつて次の関係が得られる。 φ=0、π/Δ、…π(2Δ−1)/Δの値に対して2
Δ 個の完全な応答配列My(t1、t2、φ)が得られる
ならば、適当な線形結合を行う時に種々の次数が
完全に分離される。項の数(そして対応するφの
値の数)が完全な一組よりも著しく少くて、一方
では限られてはいるがなお役に立つ選択性を得る
という事もあり得る。表は位相と項数の選択に
ついての幾つかの例を示す。
【表】
詳しく言えば、不特定数の信号関数S(t1、t2、
φ)が位相変数の値について無秩序的に分布して
いる場合には、これらの信号関数を加え合わせる
ことによつて零量子遷移が一義的に選択できると
いう事が解る。異る信号関数の数は、零次以外の
次数が消失する程度に影響を与える。このように
して、比較的高次の遷移を抑制するために必要と
される無秩序的に分布された位相の数は、特定の
実験条件と、背景雑音より上に出るスペクトル・
ピークの所望の振巾とを離れては、評価すること
が出来ない。 位相変移された初期条件の線形結合による選択
方法は、2−フラン・カルボン酸メチル・エステ
ルの芳香族陽子から成る弱く結合された3スピン
1/2系について試験された。この系についてはΔ
=3であり、各次数の遷移を完全に分離するに
は、φ=0゜、60゜、120゜、180゜、240゜及び300゜に
対
するM(t1、t2、φ)を作り出す実験の適当な線
形結合が必要となる。その代りに2つの位相0゜及
び180゜だけを利用し、その結果得られたデータを
相加的に処理して、第2図の2次元スペクトルが
得られた。実験の便宜上、2量子遷移の中央の二
重線はナイキスト周波数(この場合88.2Hz)にお
いて折り重ねられている。 第2図のスペクトルは、(a)組のパルス・パラメ
ータを持つた第1図のパルス系列に続いて第2種
の統計的非平衡状態を結果として生ずるような励
起技術を用いて得られた。第1の非選択90゜パル
ス1に続いてτ=520msの遅延の後に第2の非
選択90゜パルス2を印加する。パルス2と90゜混合
パルス3との間の時間t1は、0乃至2.9sの範囲の
漸増的値を取り、この間隔は512の均等な増分に
分けてデイジタル化された。自由誘導減衰は、t1
と同じ精度及び同じ範囲でデイジタル化された時
間間隔t2中で記録された。第2の『項』は、準備
パルス1及び2の位相を除いては正確に同じよう
にして得られ、それらのパルス1及び2は今度は
270゜の位相を与えられ、それによりパルス3に対
して相対的に必要とする180゜位相変移を生ずる。
2つの位相のデータの加算は、検討中の試料につ
いては表に従つて、零量子遷移及び2量子遷移
のみを生ずる。このデータの重ね合わせは、t1の
512の値の各々に対応する512対のデータM(t1、
t2、90゜)及びM(t1、t2、180゜)を必要とする。周
波数領域への2次元フーリエ変換の後に、所望の
MQTの2次元スペクトルを結果として生ずる。
データは各位相について別々に獲得し処理して、
次に第2図の結果を得るために変換され結合され
ても良いという事は明らかである。 第2図のデータについて、選択法則M=0及び
ΔM=±2に相当する遷移は、時間t1の間その特
性周波数で時間的に振動しそれから混合パルス3
によつて観測可能な磁化に変換され時間t1の間に
単一量子遷移周波数で検出される処の、密度演算
子の非対角要素によつて記述される。このように
して2次元スペクトル中のピークの座標は、ω1
軸に沿つて零量子遷移周波数及び2量子遷移周波
数によつて与えられ、ω2軸に沿つて許された単
一量子遷移周波数によつて与えられる。この場合
には零量子遷移周波数及び2量子遷移周波数だけ
が必要であり、これらは最も便利な方法としては
ω1軸上に射影することにより選択される。第2
図の2次元スペクトルの上部に見える射影は、3
スピン系について予期される処の、6個の零量子
遷移周波数と6個の2量子遷移周波数とを明らか
に示している。零量子遷移は2量子遷移よりも著
しく巾が狭いことも観察される。 上述の実験は表の第2行のものに相当する。
表の第3行のものに相当する選択も容易に得ら
れ、その場合には、上述の実験は2つの『項』の
減算的重ね合わせにより変更されるだけである。
即ち、表に従つて単一量子遷移及び3量子遷移
を得るために、180゜位相変移されたデータが0゜デ
ータから減算される。その結果得られる2次元ス
ペクトルは、ω1軸上の射影と共に第3図に示さ
れている。考え得る15個の単一量子遷移の総てが
射影中に観測されるが、これに対して通常の1次
元スペクトルは12本の線だけを示すという事が明
らかである。これらの対応する12個のスペクト
ル・ピークは第3図の射影において番号1を附さ
れており、Cという記号を附された3個の追加の
スペクトル・ピークが此処では分離されている。
これら3個の追加の周波数は、 ααβ→ββα αβα→βαβ βαα→αββ という結合線に相当し、これらの遷移は通常の単
一パラメータ実験では消失する強度を持つが、こ
の場合には上述の2パルス準備によつて比較的強
い強度で励起される。番号3を附された射影スペ
クトルのピークは3量子遷移に相当し、以下の討
論から予期されるように3倍の不均一な線巾を示
している。 磁界不均一性に対する多重量子遷移の感度 本発明の他の一実施例は、多重量子遷移の種々
の次数を弁別する。この実施例は、このようなマ
トリツクス要素の磁界不均一性に対する感度が異
ることに基いている。局部磁界をB(x)=Bp+
ΔBx〜によつて表わすと、同一核ピン系の密度演
算子の進展に対して次のような表現が得られる。 ΔBx〜≪Bpの場合には、良い近似でσkを無視し
て次のような表現を得ることが可能である。 この表現は、多重量子遷移の磁界不均一性に対す
る感度が特定の多重量子遷移の次数pに対する依
存性を示すことを示唆している。対照的に、p=
0によつて特徴づけられる零量子遷移は磁界不均
一性に対して事実上不感である。それ故、不均一
磁界中で零量子遷移を高分解で観測し、進展時間
の間に磁界傾斜を印加することによつて他の総て
の歳差運動磁化成分をぼかす(defocus)ことが
可能である。これらの遷移の磁界不均一性に対す
る不感性に基く零量子遷移の選択的記録に対する
特に簡単な実験の結果は、第4図に示されてい
る。試料は第2図及び第3図のものと同じであ
る。磁界傾斜パルスは進展時間の始めに印加さ
れ、それによりp≠0の次数の密度演算子の総て
の非対角要素を破壊し、このような効果は100ミ
リ秒より短い時間内に得られる。このようにして
得られた2次元スペクトルはω1軸上に射影され
て、第4図の零量子遷移スペクトルを生ずる。こ
のスペクトルはAMX系の6個の零量子遷移を含
むことが解り、一方他の総ての遷移は効果的に除
去されている。 当該分野の技術の専門家には、上述の方法に対
する種々の変形が思いつかれるであろう。例え
ば、磁界不均一性が数次の多重量子遷移の比較識
別のために使用できる。2次元スペクトルの全部
を記録する代りに、特に関心を持つ1次元スペク
トルを選択し記録し表示するために射影即ち集計
が用いられる。 上述の方法には多くの変更を行い得るものであ
り、一見異るように見える本発明の多数の実施例
がその発明の範囲から外れることなく実施できる
から、上述の説明に含まれ添附図面に図示された
総ての事項は例示的なものであつて限定的な意味
を持たないものと解釈されたい。
φ)が位相変数の値について無秩序的に分布して
いる場合には、これらの信号関数を加え合わせる
ことによつて零量子遷移が一義的に選択できると
いう事が解る。異る信号関数の数は、零次以外の
次数が消失する程度に影響を与える。このように
して、比較的高次の遷移を抑制するために必要と
される無秩序的に分布された位相の数は、特定の
実験条件と、背景雑音より上に出るスペクトル・
ピークの所望の振巾とを離れては、評価すること
が出来ない。 位相変移された初期条件の線形結合による選択
方法は、2−フラン・カルボン酸メチル・エステ
ルの芳香族陽子から成る弱く結合された3スピン
1/2系について試験された。この系についてはΔ
=3であり、各次数の遷移を完全に分離するに
は、φ=0゜、60゜、120゜、180゜、240゜及び300゜に
対
するM(t1、t2、φ)を作り出す実験の適当な線
形結合が必要となる。その代りに2つの位相0゜及
び180゜だけを利用し、その結果得られたデータを
相加的に処理して、第2図の2次元スペクトルが
得られた。実験の便宜上、2量子遷移の中央の二
重線はナイキスト周波数(この場合88.2Hz)にお
いて折り重ねられている。 第2図のスペクトルは、(a)組のパルス・パラメ
ータを持つた第1図のパルス系列に続いて第2種
の統計的非平衡状態を結果として生ずるような励
起技術を用いて得られた。第1の非選択90゜パル
ス1に続いてτ=520msの遅延の後に第2の非
選択90゜パルス2を印加する。パルス2と90゜混合
パルス3との間の時間t1は、0乃至2.9sの範囲の
漸増的値を取り、この間隔は512の均等な増分に
分けてデイジタル化された。自由誘導減衰は、t1
と同じ精度及び同じ範囲でデイジタル化された時
間間隔t2中で記録された。第2の『項』は、準備
パルス1及び2の位相を除いては正確に同じよう
にして得られ、それらのパルス1及び2は今度は
270゜の位相を与えられ、それによりパルス3に対
して相対的に必要とする180゜位相変移を生ずる。
2つの位相のデータの加算は、検討中の試料につ
いては表に従つて、零量子遷移及び2量子遷移
のみを生ずる。このデータの重ね合わせは、t1の
512の値の各々に対応する512対のデータM(t1、
t2、90゜)及びM(t1、t2、180゜)を必要とする。周
波数領域への2次元フーリエ変換の後に、所望の
MQTの2次元スペクトルを結果として生ずる。
データは各位相について別々に獲得し処理して、
次に第2図の結果を得るために変換され結合され
ても良いという事は明らかである。 第2図のデータについて、選択法則M=0及び
ΔM=±2に相当する遷移は、時間t1の間その特
性周波数で時間的に振動しそれから混合パルス3
によつて観測可能な磁化に変換され時間t1の間に
単一量子遷移周波数で検出される処の、密度演算
子の非対角要素によつて記述される。このように
して2次元スペクトル中のピークの座標は、ω1
軸に沿つて零量子遷移周波数及び2量子遷移周波
数によつて与えられ、ω2軸に沿つて許された単
一量子遷移周波数によつて与えられる。この場合
には零量子遷移周波数及び2量子遷移周波数だけ
が必要であり、これらは最も便利な方法としては
ω1軸上に射影することにより選択される。第2
図の2次元スペクトルの上部に見える射影は、3
スピン系について予期される処の、6個の零量子
遷移周波数と6個の2量子遷移周波数とを明らか
に示している。零量子遷移は2量子遷移よりも著
しく巾が狭いことも観察される。 上述の実験は表の第2行のものに相当する。
表の第3行のものに相当する選択も容易に得ら
れ、その場合には、上述の実験は2つの『項』の
減算的重ね合わせにより変更されるだけである。
即ち、表に従つて単一量子遷移及び3量子遷移
を得るために、180゜位相変移されたデータが0゜デ
ータから減算される。その結果得られる2次元ス
ペクトルは、ω1軸上の射影と共に第3図に示さ
れている。考え得る15個の単一量子遷移の総てが
射影中に観測されるが、これに対して通常の1次
元スペクトルは12本の線だけを示すという事が明
らかである。これらの対応する12個のスペクト
ル・ピークは第3図の射影において番号1を附さ
れており、Cという記号を附された3個の追加の
スペクトル・ピークが此処では分離されている。
これら3個の追加の周波数は、 ααβ→ββα αβα→βαβ βαα→αββ という結合線に相当し、これらの遷移は通常の単
一パラメータ実験では消失する強度を持つが、こ
の場合には上述の2パルス準備によつて比較的強
い強度で励起される。番号3を附された射影スペ
クトルのピークは3量子遷移に相当し、以下の討
論から予期されるように3倍の不均一な線巾を示
している。 磁界不均一性に対する多重量子遷移の感度 本発明の他の一実施例は、多重量子遷移の種々
の次数を弁別する。この実施例は、このようなマ
トリツクス要素の磁界不均一性に対する感度が異
ることに基いている。局部磁界をB(x)=Bp+
ΔBx〜によつて表わすと、同一核ピン系の密度演
算子の進展に対して次のような表現が得られる。 ΔBx〜≪Bpの場合には、良い近似でσkを無視し
て次のような表現を得ることが可能である。 この表現は、多重量子遷移の磁界不均一性に対す
る感度が特定の多重量子遷移の次数pに対する依
存性を示すことを示唆している。対照的に、p=
0によつて特徴づけられる零量子遷移は磁界不均
一性に対して事実上不感である。それ故、不均一
磁界中で零量子遷移を高分解で観測し、進展時間
の間に磁界傾斜を印加することによつて他の総て
の歳差運動磁化成分をぼかす(defocus)ことが
可能である。これらの遷移の磁界不均一性に対す
る不感性に基く零量子遷移の選択的記録に対する
特に簡単な実験の結果は、第4図に示されてい
る。試料は第2図及び第3図のものと同じであ
る。磁界傾斜パルスは進展時間の始めに印加さ
れ、それによりp≠0の次数の密度演算子の総て
の非対角要素を破壊し、このような効果は100ミ
リ秒より短い時間内に得られる。このようにして
得られた2次元スペクトルはω1軸上に射影され
て、第4図の零量子遷移スペクトルを生ずる。こ
のスペクトルはAMX系の6個の零量子遷移を含
むことが解り、一方他の総ての遷移は効果的に除
去されている。 当該分野の技術の専門家には、上述の方法に対
する種々の変形が思いつかれるであろう。例え
ば、磁界不均一性が数次の多重量子遷移の比較識
別のために使用できる。2次元スペクトルの全部
を記録する代りに、特に関心を持つ1次元スペク
トルを選択し記録し表示するために射影即ち集計
が用いられる。 上述の方法には多くの変更を行い得るものであ
り、一見異るように見える本発明の多数の実施例
がその発明の範囲から外れることなく実施できる
から、上述の説明に含まれ添附図面に図示された
総ての事項は例示的なものであつて限定的な意味
を持たないものと解釈されたい。
第1図は非平衡の統計的状態からMQTを観測
するためのパルス系列を示し、第2図は2フラ
ン・カルボン酸メチル・エステルのAMX系中の
零量子遷移及び2量子遷移の2次元スペクトル及
び射影を示し、第3図は第1図のAMX系中の単
一量子遷移及び3量子遷移の2次元スペクトルを
示し、第4図は第1図のAMX系の零量子遷移ス
ペクトルを示す。 1……第1パルス、2……第2パルス、3……
混合パルス。
するためのパルス系列を示し、第2図は2フラ
ン・カルボン酸メチル・エステルのAMX系中の
零量子遷移及び2量子遷移の2次元スペクトル及
び射影を示し、第3図は第1図のAMX系中の単
一量子遷移及び3量子遷移の2次元スペクトルを
示し、第4図は第1図のAMX系の零量子遷移ス
ペクトルを示す。 1……第1パルス、2……第2パルス、3……
混合パルス。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 磁気回転共鳴体系を含む試料について、特定
の次数の多重量子遷移を選択的に検出する磁気回
転共鳴スペクトロスコピーの方法であつて、 (a) 前記共鳴体の集合を、ある位相の無線周波エ
ネルギーを印加して非平衡の統計的状態に予め
作る工程と、 (b) t1という時間の間、前記非平衡状態を進展さ
せる工程と、 (c) 前記共鳴体を非平衡の統計的状態に予め作る
無線周波エネルギーの位相に対して位相角φだ
け位相変位した混合パルスの無線周波エネルギ
ーを印加する工程と、 (d) 前記混合パルスの印加後、t2という時間にわ
たつて前記共鳴体の自由誘導減衰を検出し記録
する工程と、 (e) 前記進展時間をその一増分だけ変化して、前
記工程(a)乃至(d)を繰り返し、時間t1及びt2並び
に位相角φの関数となる信号関数を得る工程
と、 (f) 特定の次数の多重量子遷移を選択的に検出す
るために、前記位相変位の値を変化させ、前記
工程(a)乃至(d)を繰り返す工程と、 (g) 前記最初の時間の与えられた値と前記位相を
変えたときの値に対応する記録された自由誘導
減衰の線形結合を作る工程と、 (h) 前記線形結合された自由誘導減衰を周波数領
域へ2重フーリエ変換する工程と、 から成る方法。 2 特許請求の範囲第1項に記載された方法であ
つて、 前記共鳴体の非平衡の統計的状態を予め作る前
記工程が、代表的な多重量子遷移の間の歳差運動
周波数差の逆数と関係づけられた或る時間だけ時
間的に分離された無線周波エネルギーの第1及び
第2の90゜パルスで前記共鳴体を照射し、それに
より第2種の非平衡状態が作り出されるようにす
る、ところの方法。 3 特許請求の範囲第1項に記載された方法であ
つて、 前記共鳴体の非平衡の統計的状態を予め作る前
記工程が、前記共鳴体を無線周波エネルギーの選
択的180゜パルスで照射し、且つ前記共鳴体を非選
択的90゜パルスで照射し、それにより第1種の非
平衡状態が作り出されるようにする、ところの方
法。 4 特許請求の範囲第1項に記載された方法であ
つて、 前記共鳴体を非平衡の統計的状態に予め作る無
線周波エネルギーの位相に対してなす混合パルス
の位相変位が、 Δを前記共鳴体系に対する磁気量子数の最大の
変化とし、pを前記多重量子遷移の次数として、
近似的に、 という級数展開に従つて前記2次元スペクトル中
のフーリエ分解を再成するように選択されるとこ
ろの方法。 5 特許請求の範囲第4項に記載された方法であ
つて、 前記近似が、前記総和インデツクスが少なくと
も1より大となつたときに前記級数展開を終止す
る、ところの方法。 6 磁気回転共鳴体を含む試料の磁気回転共鳴ス
ペクトロスコピーに生ずる多重量子遷移の次数を
識別する方法であつて、 (a) 前記共鳴体の集合を非平衡の統計的状態に予
め作る工程と、 (b) ある時間の間、前記非平衡状態を進展させる
工程と、 (c) 前記進展時間の少なくとも一部の間、磁界傾
斜パルスを印加する工程と、 (d) 混合パルスを前記共鳴体に印加する工程と、 (e) 前記共鳴の自由誘導減衰信号を前記混合パル
スの後少なくとも1回標本化し、記録する工程
と、 (f) 前記進展時間の長さをその一増分だけ変化し
て前記工程(a)乃至(e)を繰り返し、それにより、
前記進展時間の長さと前記混合パルス及び前記
標本の間の標本化時間間隔との関数となる信号
関数を得る工程と、 (g) 前記信号関数を少なくとも前記進展時間パラ
メータでフーリエ変換し、それにより少なくと
も前記進展時間領域に対応する周波数領域にお
いてスペクトル分布関数を得る工程と、 から成る方法。 7 特許請求の範囲第6項に記載された方法であ
つて、 複数の標本が得られて記録され、前記標本化時
間の関数である信号関数が周波数領域へフーリエ
変換され、前記変換された信号関数は2次元的に
表示されるところの方法。 8 特許請求の範囲第6項に記載された方法であ
つて、 磁界不均一性の程度を特徴づけるパラメータが
系統的に変化され、それにより前記信号関数が前
記パラメータに対する依存性を示すところの方
法。 9 特許請求の範囲第8項に記載された方法であ
つて、 前記変換された信号関数が2次元分布として表
示され、前記2次元分布の一方の軸は前記磁界不
均一性のパラメータを表わすところの方法。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US05/855,508 US4134058A (en) | 1977-11-28 | 1977-11-28 | Selective detection of multiple quantum transitions in nuclear magnetic resonance |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5483890A JPS5483890A (en) | 1979-07-04 |
| JPS633259B2 true JPS633259B2 (ja) | 1988-01-22 |
Family
ID=25321429
Family Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
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| JP61006629A Granted JPS61221637A (ja) | 1977-11-28 | 1986-01-17 | 核磁気共鳴における多重量子遷移の選択的検出装置 |
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