JPS6335758B2 - - Google Patents
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- JPS6335758B2 JPS6335758B2 JP25705684A JP25705684A JPS6335758B2 JP S6335758 B2 JPS6335758 B2 JP S6335758B2 JP 25705684 A JP25705684 A JP 25705684A JP 25705684 A JP25705684 A JP 25705684A JP S6335758 B2 JPS6335758 B2 JP S6335758B2
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Landscapes
- Paper (AREA)
Description
〔技術分野〕
本発明は難蒸解針葉樹材を硫黄をまつたく使用
せずにパルプ化し、パルプから含塩素漂白剤をほ
んの僅かの量用いて高白色度の晒パルプを製造す
る方法に関するものである。 〔従来技術〕 従来、杉で代表される難蒸解針葉樹材は、AP
法(アルカリ法)及びKP法(クラフト法)でも
容易にパルプ化しなかつた。しかし、これら針葉
樹から得らるKP(クラフト法パルプ)は長繊維パ
ルプであり、引裂強さが大きいため、紙テープ及
び紙紐用のパルプとして一部では製造されたこと
がある。 しかし、これら難蒸解材から得られるAP(アル
カリ法パルプ)及びKP(クラフト法パルプ)は極
めて漂白が困難なため、これら原料材は単味で利
用されず、また一般材への混入も嫌われて来た。 最近では、木材の不足から、杉林の間伐で大量
に産出される難蒸解材を利用しようとする研究が
多く発表されるようになつた。 しかし、AP法で得られるパルプ(AP)は白色
度は低く(ハンター白色度17.1%)、リグニン含
有量の指標であるカツパー価は極めて高く、155
にも達することが報告されている〔御田、柏原
他;紙パ技協誌37644(1983)〕。この未晒APを従
来一般に行われているような多段漂白法で漂白し
て晒パルプを得ようとするならば、第1段でカツ
パー価の0.2倍の塩素を加えるとしても、対未晒
AP1トン当り310Kgもの塩素を使用することとな
る。これでは環境対策のうえからも到底工業的に
実施することは困難である。 一方、KP法でパルプ化した場合、カツパー価
は41程度まで下げられるが、このようにして得ら
れる未晒KPは極めて難漂白性であつた。しかし
最近では、10数%の塩素使用を含む7段漂白や、
酸素/アルカリ処理段を含む6段漂白で白色度80
に近い晒パルプが得られるようになつたとの報告
も見られる〔布田純;第51回紙パルプ研究発表会
(東京1984年6月)、大谷、住本;紙パ技協誌
37829(1983)〕。 本発明者らは、木材及び非木材にかかわらず広
くセルロース原料から良質で易漂白性のパルプを
高収率かつ無公害で得られる方法を求めて多年研
究を続けて来た。そして、過酸化水素のアルカリ
溶液に助剤としてEDTAやDTPA等のキレート
剤と、アントラキノン系安定剤を添加して蒸解液
とし、セルロース原料を加温処理する方法(以下
PA法と略称)を開発することにより、所期の目
的に近いパルプを得ることに成功した。なお同法
によれば、杉のようにもつとも難蒸解とされて来
た材からでもカツパー価の低いパルプ(以下
PAPと略称)が、無硫黄蒸解で得られた。しか
も同パルプは同程度のカツパー価を示す未晒の
KPに比べ、はるかに漂白が容易で、次亜塩素酸
塩1段漂白でもかなりの度までは晒せることが分
かつた〔御田、柏原他;紙パ技協誌37644
(1983)〕。しかし、高白色度まで晒そうとして有
効塩素を対未晒PAP20%と極めて大量に加えて
もハンター白色度は60%までしか上がらなかつ
た。 〔目的〕 本発明は、従来のKP法とは異なり、杉で代表
されるような難蒸解材でも無硫黄で蒸解でき、か
つ従来のAP法、PA法と異なり、極めて少ない塩
素系漂白剤を用いて3段漂白で高白色度の晒パル
プを製造する方法を提供することを目的とする。 〔構成〕 本発明者らは、PA法における蒸解条件を限定
することにより、易漂白性の未晒パルプを得ると
ともに、塩素系漂白剤による上記パルプの漂白の
前処理に過酸化水素のアルカリ溶液による処理
(以下Pa処理と略称)を2回繰返すことにより、
難蒸解針葉樹材から無硫黄かつ省塩素で高白色度
の晒パルプを製造しうることを見出し、本発明を
完成するに至つた。 即ち、本発明者らは、従来針葉樹材としては最
も難蒸解とされて来た杉100%のチツプを、今回
過酸化水素のアルカリ溶液に助剤としてアントラ
キノン系安定剤及びEDTA等のキレート剤を添
加した薬液を用いて180℃で1時間処理すること
により、カツパー価36.7、ハンター白色度30.1%
の未晒パルプを42.5%の精選収率で得ることが出
来た。同パルプは後記第1表に示すように、使用
アルカリ量を適宜に調整した過酸化水素の溶液で
の処理(Pa処理)を2回繰返すことにより、1
段処理では求められない効果が得られた。すなわ
ち、カツパー価は12程度まで低下し、一方ハンタ
ー白色度は60%にまで上昇させることが出来、か
つアルカリの節約が可能となつた。2段のPa処
理を行つたパルプは、後記第2表に示すように1
段処理または未処理のパルプに比べてはるかに少
ない次亜塩素酸塩を(有効塩素として2%)用い
て処理するだけで、ハンター白色度は75%以上に
まで上昇させることが出来た。なお2段Pa処理
パルプは二酸化塩素5%を用いて処理することに
より、ハンター白色度を80%までに上昇させるこ
とに成功した。 本発明の実施に当つては、使用しうる木材は、
杉、から松等のいわゆる難蒸解材100%でもよく、
当然易蒸解材を任意の割合で混合した材でも使用
可能である。パルプ原料として使用しうる形態は
通常の工場サイズのチツプが適用可能で、特にか
んな屑状の薄片にしたり、鋸屑状の細片にする必
要はない。 蒸解薬液の液比の範囲は広いが、通常、液相蒸
解であれば3.5〜10/Kg、好ましくは4.0〜5.0
/Kgであり、気相蒸解であれば1〜3.5/Kg、
好ましくは1.5〜3/Kgであり、このような液
比は、製造操作を安定かつ容易に行うのに便利で
ある。このことは同時にパルプ廃液を濃縮燃焼し
てエネルギーと薬品を回収するのを経済的に行う
うえからも好ましい。 蒸解薬液として使用する薬品は(以下対絶乾チ
ツプとして表示)、水酸化ナトリウム(以下
Na2Oとして表示)は、17〜28%、好ましくは18
〜23%であり、過酸化水素は1〜5%、好ましく
は2〜3%で、EDTA、DTPA等のキレート剤
は0.1〜1.0%、好ましくは0.2〜0.5%でアントラ
キノン系安定剤(例えば、アントラキノン、アル
キルアントラキノン等)は0.05〜1.5%好ましく
は0.2〜0.7%である。 蒸解温度は175〜200℃で好ましくは175〜190℃
で、同温度における保持時間は、液相蒸解では30
〜120分、好ましくは45〜90分、気相蒸解では15
〜60分、好ましくは25〜45分で、その間にカツパ
ー価を40以下の未晒パルプが得られるように蒸解
することを必要とする。 本発明の漂白工程で用いる塩素系漂白剤として
は、次亜塩素酸塩や、亜塩素酸塩、二酸化塩素等
が挙げられる。 未晒パルプの第1段及び第2段のPa処理にお
いて、使用する水酸化ナトリウムは第1段では2
〜5%で、好ましくは2〜4%でハンター白色度
が45%以上になるようその使用量を調整する。第
2段では1〜5%で、好ましくは1〜3%でハン
ター白色度が55%以上になるようその使用量を調
整する。各段で使用する過酸化水素は0.5〜5%、
好ましくは1〜3%である。処理温度は50〜110
℃、特に70〜90℃であれば耐圧装置を必要とせ
ず、かつ処理を迅速に行うことが出来るので望ま
しい。各段における処理時間は15〜150分で好ま
しくは45〜90分である。 第3段の処理に次亜塩素酸塩を用いる場合は、
その使用量は(以下有効塩素として表示)0.5〜
5%、好ましくは1〜3%で、処理温度は10〜70
℃、好ましくは30〜50℃で、処理時間は30〜210
分、好ましくは45〜90分である。また、二酸化塩
素を用いる場合は、その使用量は1〜10%、好ま
しくは2〜5%で、処理温度は40〜100℃、好ま
しくは60〜90℃で、処理時間は30〜300分、好ま
しくは60〜210分である。 〔効果〕 本発明の適用範囲は広く、実施は容易であり、
その効果は著しいものがある。すなわち、従来難
蒸解とされて来た杉がパルプ化可能となることに
より、従来杉の混入することによつて難蒸解とな
つていた針葉樹材が蒸解及び漂白可能となつた。
そして杉との混交林の間伐材や、杉を含む製材屑
が選別しないでもパルプ原料チツプとして利用し
うるようになつた。そのため大幅の集材コストの
引下げと、集荷量の拡大が可能となる。またパル
プ工業における多年の夢であつたノンサルフアク
ツキング(無硫黄蒸解)を可能とし、漂白におい
ても従来必要とされた塩素量を1/3〜1/10へと減
少させ、クローリンフリーブリーチング(無塩素
漂白)に大幅に近づけ低公害化も可能となつた。 本方法の実施に当つては装置簡便で、操作が容
易かつ短時間ですみ操業に伴う環境負荷も極めて
小さいことは工業化を有利に導くものである。す
なわち、未晒パルプの製造用の装置はステンレス
製またはステンレスが内張りしてあれば、バツチ
釜でも連続釜でも使用可能で蒸解時間は1時間前
後ですむためバツチではチツプの釜詰からブロー
までの1サイクルの4時間位ですむ。このこと
は、SP法では12〜20時間に及ぶのに比べ、パル
プの生産性を極めて大きいものにする。また漂白
は3段以内ですみ、いずれも平圧ですむ(特に
Pa処理及び次亜塩素漂白では有害ガスも発生し
ない)ので、従来のKP法の漂白が塩素や二酸化
塩素及び高圧酸素等を用いる5〜7段漂白装置に
よらなければならず、重装備であるのに比べて、
工場の建設が経済的で極めて有利である。 本発明は従来のKP法からの変換も容易である
が、特にSP法からの変換が容易なことは、特筆
に値する。すなわち、現在人絹、スフ工業の衰退
により需要が激減した溶解用のSPの工場は、KP
法に転換するのには巨額の費用を必要とし、かつ
国内においてはパルプの生産量が減少しているた
め、経済的にも転換が容易でなかつたが、本方法
への転換であれば蒸解釜はそのまま使用でき蒸解
サイクルが本方法では1/3〜1/4と短かいため未晒
パルプの生産性は3〜4倍に上がり、かつ漂白装
置が3段以内ですむため殆んどそのまま転用が可
能である。また晒排水も1〜2段目では晒薬品と
してアルカリ性の過酸化水素溶液を用いているの
で、この排水に水酸化ナトリウムと過酸化水素等
を補給すめばパルプの蒸解薬液となるし、パルプ
の蒸解廃液は濃縮燃焼すればアルカリと蒸気及び
電力の回収が可能となる。従つて廃棄される有機
炭素の量は極限まで抑えられる。そして、本法を
実施することにより未利用資源のパルプ化による
大幅な省資源化、省力化と同時に省エネルギー化
及び無公害化をも同時に推進することが期待でき
る。 以下、実施例をもつて本発明を更に詳細に説明
する。 実施例 1 杉チツプ(絶乾量として)1000gに対し水酸化
ナトリウム200g、過酸化水素30g、アントラキ
ノン(AQ)3g、EDTA3gを含む蒸解薬液を
液比5/Kgとなるよう注加し、180℃まで加熱
し、同温度で1時間保持して蒸解を行つた。蒸解
物は水洗後8/1000カツトフラツトスクリーンで精
選し、精選パルプ(カツパー価36.7、ハンター白
色度30.1%)42.5%と粕0.9%を取得した。 この工程を第1工程とし、第1工程で得た精選
パルプに対し水酸化ナトリウム30g、過酸化水素
30gを加え、90℃で1時間Pa処理することによ
り、パルプのカツパー価は15.2に低下し、ハンタ
ー白色度は48%に上昇した。以上の工程を第2工
程の第1段とし、さらに第2工程の第2段として
Pa処理を繰返すことにより、カツパー価はさら
に11まで低下し、ハンター白色度は60%に上昇し
た。 次に、Pa2段処理を行つて得られたパルプに対
し、第3工程として次亜塩素酸ナトリウムを3%
加え50℃で1時間処理することにより、ハンター
白色度78%の高白色度のパルプを対未晒パルプを
92%の晒歩留で得た。前記結果を第1表及び第2
表に示す。
せずにパルプ化し、パルプから含塩素漂白剤をほ
んの僅かの量用いて高白色度の晒パルプを製造す
る方法に関するものである。 〔従来技術〕 従来、杉で代表される難蒸解針葉樹材は、AP
法(アルカリ法)及びKP法(クラフト法)でも
容易にパルプ化しなかつた。しかし、これら針葉
樹から得らるKP(クラフト法パルプ)は長繊維パ
ルプであり、引裂強さが大きいため、紙テープ及
び紙紐用のパルプとして一部では製造されたこと
がある。 しかし、これら難蒸解材から得られるAP(アル
カリ法パルプ)及びKP(クラフト法パルプ)は極
めて漂白が困難なため、これら原料材は単味で利
用されず、また一般材への混入も嫌われて来た。 最近では、木材の不足から、杉林の間伐で大量
に産出される難蒸解材を利用しようとする研究が
多く発表されるようになつた。 しかし、AP法で得られるパルプ(AP)は白色
度は低く(ハンター白色度17.1%)、リグニン含
有量の指標であるカツパー価は極めて高く、155
にも達することが報告されている〔御田、柏原
他;紙パ技協誌37644(1983)〕。この未晒APを従
来一般に行われているような多段漂白法で漂白し
て晒パルプを得ようとするならば、第1段でカツ
パー価の0.2倍の塩素を加えるとしても、対未晒
AP1トン当り310Kgもの塩素を使用することとな
る。これでは環境対策のうえからも到底工業的に
実施することは困難である。 一方、KP法でパルプ化した場合、カツパー価
は41程度まで下げられるが、このようにして得ら
れる未晒KPは極めて難漂白性であつた。しかし
最近では、10数%の塩素使用を含む7段漂白や、
酸素/アルカリ処理段を含む6段漂白で白色度80
に近い晒パルプが得られるようになつたとの報告
も見られる〔布田純;第51回紙パルプ研究発表会
(東京1984年6月)、大谷、住本;紙パ技協誌
37829(1983)〕。 本発明者らは、木材及び非木材にかかわらず広
くセルロース原料から良質で易漂白性のパルプを
高収率かつ無公害で得られる方法を求めて多年研
究を続けて来た。そして、過酸化水素のアルカリ
溶液に助剤としてEDTAやDTPA等のキレート
剤と、アントラキノン系安定剤を添加して蒸解液
とし、セルロース原料を加温処理する方法(以下
PA法と略称)を開発することにより、所期の目
的に近いパルプを得ることに成功した。なお同法
によれば、杉のようにもつとも難蒸解とされて来
た材からでもカツパー価の低いパルプ(以下
PAPと略称)が、無硫黄蒸解で得られた。しか
も同パルプは同程度のカツパー価を示す未晒の
KPに比べ、はるかに漂白が容易で、次亜塩素酸
塩1段漂白でもかなりの度までは晒せることが分
かつた〔御田、柏原他;紙パ技協誌37644
(1983)〕。しかし、高白色度まで晒そうとして有
効塩素を対未晒PAP20%と極めて大量に加えて
もハンター白色度は60%までしか上がらなかつ
た。 〔目的〕 本発明は、従来のKP法とは異なり、杉で代表
されるような難蒸解材でも無硫黄で蒸解でき、か
つ従来のAP法、PA法と異なり、極めて少ない塩
素系漂白剤を用いて3段漂白で高白色度の晒パル
プを製造する方法を提供することを目的とする。 〔構成〕 本発明者らは、PA法における蒸解条件を限定
することにより、易漂白性の未晒パルプを得ると
ともに、塩素系漂白剤による上記パルプの漂白の
前処理に過酸化水素のアルカリ溶液による処理
(以下Pa処理と略称)を2回繰返すことにより、
難蒸解針葉樹材から無硫黄かつ省塩素で高白色度
の晒パルプを製造しうることを見出し、本発明を
完成するに至つた。 即ち、本発明者らは、従来針葉樹材としては最
も難蒸解とされて来た杉100%のチツプを、今回
過酸化水素のアルカリ溶液に助剤としてアントラ
キノン系安定剤及びEDTA等のキレート剤を添
加した薬液を用いて180℃で1時間処理すること
により、カツパー価36.7、ハンター白色度30.1%
の未晒パルプを42.5%の精選収率で得ることが出
来た。同パルプは後記第1表に示すように、使用
アルカリ量を適宜に調整した過酸化水素の溶液で
の処理(Pa処理)を2回繰返すことにより、1
段処理では求められない効果が得られた。すなわ
ち、カツパー価は12程度まで低下し、一方ハンタ
ー白色度は60%にまで上昇させることが出来、か
つアルカリの節約が可能となつた。2段のPa処
理を行つたパルプは、後記第2表に示すように1
段処理または未処理のパルプに比べてはるかに少
ない次亜塩素酸塩を(有効塩素として2%)用い
て処理するだけで、ハンター白色度は75%以上に
まで上昇させることが出来た。なお2段Pa処理
パルプは二酸化塩素5%を用いて処理することに
より、ハンター白色度を80%までに上昇させるこ
とに成功した。 本発明の実施に当つては、使用しうる木材は、
杉、から松等のいわゆる難蒸解材100%でもよく、
当然易蒸解材を任意の割合で混合した材でも使用
可能である。パルプ原料として使用しうる形態は
通常の工場サイズのチツプが適用可能で、特にか
んな屑状の薄片にしたり、鋸屑状の細片にする必
要はない。 蒸解薬液の液比の範囲は広いが、通常、液相蒸
解であれば3.5〜10/Kg、好ましくは4.0〜5.0
/Kgであり、気相蒸解であれば1〜3.5/Kg、
好ましくは1.5〜3/Kgであり、このような液
比は、製造操作を安定かつ容易に行うのに便利で
ある。このことは同時にパルプ廃液を濃縮燃焼し
てエネルギーと薬品を回収するのを経済的に行う
うえからも好ましい。 蒸解薬液として使用する薬品は(以下対絶乾チ
ツプとして表示)、水酸化ナトリウム(以下
Na2Oとして表示)は、17〜28%、好ましくは18
〜23%であり、過酸化水素は1〜5%、好ましく
は2〜3%で、EDTA、DTPA等のキレート剤
は0.1〜1.0%、好ましくは0.2〜0.5%でアントラ
キノン系安定剤(例えば、アントラキノン、アル
キルアントラキノン等)は0.05〜1.5%好ましく
は0.2〜0.7%である。 蒸解温度は175〜200℃で好ましくは175〜190℃
で、同温度における保持時間は、液相蒸解では30
〜120分、好ましくは45〜90分、気相蒸解では15
〜60分、好ましくは25〜45分で、その間にカツパ
ー価を40以下の未晒パルプが得られるように蒸解
することを必要とする。 本発明の漂白工程で用いる塩素系漂白剤として
は、次亜塩素酸塩や、亜塩素酸塩、二酸化塩素等
が挙げられる。 未晒パルプの第1段及び第2段のPa処理にお
いて、使用する水酸化ナトリウムは第1段では2
〜5%で、好ましくは2〜4%でハンター白色度
が45%以上になるようその使用量を調整する。第
2段では1〜5%で、好ましくは1〜3%でハン
ター白色度が55%以上になるようその使用量を調
整する。各段で使用する過酸化水素は0.5〜5%、
好ましくは1〜3%である。処理温度は50〜110
℃、特に70〜90℃であれば耐圧装置を必要とせ
ず、かつ処理を迅速に行うことが出来るので望ま
しい。各段における処理時間は15〜150分で好ま
しくは45〜90分である。 第3段の処理に次亜塩素酸塩を用いる場合は、
その使用量は(以下有効塩素として表示)0.5〜
5%、好ましくは1〜3%で、処理温度は10〜70
℃、好ましくは30〜50℃で、処理時間は30〜210
分、好ましくは45〜90分である。また、二酸化塩
素を用いる場合は、その使用量は1〜10%、好ま
しくは2〜5%で、処理温度は40〜100℃、好ま
しくは60〜90℃で、処理時間は30〜300分、好ま
しくは60〜210分である。 〔効果〕 本発明の適用範囲は広く、実施は容易であり、
その効果は著しいものがある。すなわち、従来難
蒸解とされて来た杉がパルプ化可能となることに
より、従来杉の混入することによつて難蒸解とな
つていた針葉樹材が蒸解及び漂白可能となつた。
そして杉との混交林の間伐材や、杉を含む製材屑
が選別しないでもパルプ原料チツプとして利用し
うるようになつた。そのため大幅の集材コストの
引下げと、集荷量の拡大が可能となる。またパル
プ工業における多年の夢であつたノンサルフアク
ツキング(無硫黄蒸解)を可能とし、漂白におい
ても従来必要とされた塩素量を1/3〜1/10へと減
少させ、クローリンフリーブリーチング(無塩素
漂白)に大幅に近づけ低公害化も可能となつた。 本方法の実施に当つては装置簡便で、操作が容
易かつ短時間ですみ操業に伴う環境負荷も極めて
小さいことは工業化を有利に導くものである。す
なわち、未晒パルプの製造用の装置はステンレス
製またはステンレスが内張りしてあれば、バツチ
釜でも連続釜でも使用可能で蒸解時間は1時間前
後ですむためバツチではチツプの釜詰からブロー
までの1サイクルの4時間位ですむ。このこと
は、SP法では12〜20時間に及ぶのに比べ、パル
プの生産性を極めて大きいものにする。また漂白
は3段以内ですみ、いずれも平圧ですむ(特に
Pa処理及び次亜塩素漂白では有害ガスも発生し
ない)ので、従来のKP法の漂白が塩素や二酸化
塩素及び高圧酸素等を用いる5〜7段漂白装置に
よらなければならず、重装備であるのに比べて、
工場の建設が経済的で極めて有利である。 本発明は従来のKP法からの変換も容易である
が、特にSP法からの変換が容易なことは、特筆
に値する。すなわち、現在人絹、スフ工業の衰退
により需要が激減した溶解用のSPの工場は、KP
法に転換するのには巨額の費用を必要とし、かつ
国内においてはパルプの生産量が減少しているた
め、経済的にも転換が容易でなかつたが、本方法
への転換であれば蒸解釜はそのまま使用でき蒸解
サイクルが本方法では1/3〜1/4と短かいため未晒
パルプの生産性は3〜4倍に上がり、かつ漂白装
置が3段以内ですむため殆んどそのまま転用が可
能である。また晒排水も1〜2段目では晒薬品と
してアルカリ性の過酸化水素溶液を用いているの
で、この排水に水酸化ナトリウムと過酸化水素等
を補給すめばパルプの蒸解薬液となるし、パルプ
の蒸解廃液は濃縮燃焼すればアルカリと蒸気及び
電力の回収が可能となる。従つて廃棄される有機
炭素の量は極限まで抑えられる。そして、本法を
実施することにより未利用資源のパルプ化による
大幅な省資源化、省力化と同時に省エネルギー化
及び無公害化をも同時に推進することが期待でき
る。 以下、実施例をもつて本発明を更に詳細に説明
する。 実施例 1 杉チツプ(絶乾量として)1000gに対し水酸化
ナトリウム200g、過酸化水素30g、アントラキ
ノン(AQ)3g、EDTA3gを含む蒸解薬液を
液比5/Kgとなるよう注加し、180℃まで加熱
し、同温度で1時間保持して蒸解を行つた。蒸解
物は水洗後8/1000カツトフラツトスクリーンで精
選し、精選パルプ(カツパー価36.7、ハンター白
色度30.1%)42.5%と粕0.9%を取得した。 この工程を第1工程とし、第1工程で得た精選
パルプに対し水酸化ナトリウム30g、過酸化水素
30gを加え、90℃で1時間Pa処理することによ
り、パルプのカツパー価は15.2に低下し、ハンタ
ー白色度は48%に上昇した。以上の工程を第2工
程の第1段とし、さらに第2工程の第2段として
Pa処理を繰返すことにより、カツパー価はさら
に11まで低下し、ハンター白色度は60%に上昇し
た。 次に、Pa2段処理を行つて得られたパルプに対
し、第3工程として次亜塩素酸ナトリウムを3%
加え50℃で1時間処理することにより、ハンター
白色度78%の高白色度のパルプを対未晒パルプを
92%の晒歩留で得た。前記結果を第1表及び第2
表に示す。
【表】
【表】
第1表は過酸化水素のアルカリ溶液による処理
(Pa処理)の効果、特にアルカリの使用量とパル
プのカツパー価、ハンターの白色度及び晒歩留と
の関係を示す。第2表は次亜塩素酸塩漂白におけ
るPa段の前処理の効果、特に晒歩留及びハンタ
ー白色度と有効塩素量との関係を示す。 実施例 2 実施例1で示したPa2段処理によつて得られた
カツパー価11、ハンター白色度60%の杉のパルプ
に対し二酸化塩素を5%加え75℃で3時間処理す
ることによりハンター白色度82%のパルプを対未
晒パルプ91%の晒歩留で得た。
(Pa処理)の効果、特にアルカリの使用量とパル
プのカツパー価、ハンターの白色度及び晒歩留と
の関係を示す。第2表は次亜塩素酸塩漂白におけ
るPa段の前処理の効果、特に晒歩留及びハンタ
ー白色度と有効塩素量との関係を示す。 実施例 2 実施例1で示したPa2段処理によつて得られた
カツパー価11、ハンター白色度60%の杉のパルプ
に対し二酸化塩素を5%加え75℃で3時間処理す
ることによりハンター白色度82%のパルプを対未
晒パルプ91%の晒歩留で得た。
Claims (1)
- 1 過酸化水素のアルカリ溶液に助剤としてアン
トラキノン系安定剤及びキレート剤を添加したも
のを蒸解薬液とし、針葉樹難蒸解材を175〜200℃
で処理し、カツパー価40以下の未晒パルプを得る
のを第1工程とし、第1工程で得られた未晒パル
プを過酸化水素のアルカリ溶液で2段処理し、カ
ツパー価15以下、ハンター白色度60%以上のパル
プを得るのを第2工程とし、カツパー価15以下の
パルプを塩素系漂白剤で高白色度になるまで処理
することを第3工程とし、第1工程、第2工程及
び第3工程の順で処理することを特徴とする針葉
樹難蒸解材から高白色度の晒パルプの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25705684A JPS61138790A (ja) | 1984-12-05 | 1984-12-05 | 針葉樹難蒸解材から高白色度の晒パルプの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25705684A JPS61138790A (ja) | 1984-12-05 | 1984-12-05 | 針葉樹難蒸解材から高白色度の晒パルプの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61138790A JPS61138790A (ja) | 1986-06-26 |
| JPS6335758B2 true JPS6335758B2 (ja) | 1988-07-15 |
Family
ID=17301123
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25705684A Granted JPS61138790A (ja) | 1984-12-05 | 1984-12-05 | 針葉樹難蒸解材から高白色度の晒パルプの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61138790A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63264991A (ja) * | 1987-04-22 | 1988-11-01 | 工業技術院長 | 無漂白で靭皮から高白色度の未晒化学パルプを高収率で製造する方法 |
| JPH01139887A (ja) * | 1987-11-19 | 1989-06-01 | Agency Of Ind Science & Technol | 靭皮を常圧下で高速蒸解し高白色度の長繊維パルプを製造する方法 |
| JPH02104788A (ja) * | 1988-10-12 | 1990-04-17 | Agency Of Ind Science & Technol | 非木材セルロース原料から白色度の高い未晒パルプを製造する方法及び装置 |
-
1984
- 1984-12-05 JP JP25705684A patent/JPS61138790A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61138790A (ja) | 1986-06-26 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |