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JPS6338072B2 - - Google Patents
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JPS6338072B2 - - Google Patents

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JPS6338072B2
JPS6338072B2 JP60051523A JP5152385A JPS6338072B2 JP S6338072 B2 JPS6338072 B2 JP S6338072B2 JP 60051523 A JP60051523 A JP 60051523A JP 5152385 A JP5152385 A JP 5152385A JP S6338072 B2 JPS6338072 B2 JP S6338072B2
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water
weight
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resin
mountain
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JP60051523A
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JPS61211373A (ja
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Hiroaki Hayashi
Ryusuke Tsuji
Koji Sakano
Masahiro Sugiura
Mitsumasa Horii
Takeshi Kiku
Yukie Okumura
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Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Chemical Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車、電気・電子部品、土木・建
築物、家庭用品等およびそれらの金属製部品に用
いられる防錆塗料組成物に関し、更に詳しくは、
水性塗料に山皮およびクロム酸塩顔料を含有せし
めた水性塗料組成物およびその塗膜形成方法に関
するものである。 〔従来の技術および問題点〕 自動車輛、建築物、電気・電子部品、家庭用品
等、或いはそれらの部品の金属表面には、金属腐
食の防止や、美観を与えるために、塗装が施され
ている。この塗装用塗料の一種として水性塗料が
ある。水性塗料は、水溶き塗料の総称であり、水
溶性又は水分散性の塗膜形成要素を用いて作るも
のである(JIS塗料用語K5500―1068)。この水性
塗料は、塗料中に人体に有害な有機溶剤成分を含
む量が少ない上、塗料を扱う作業中においても火
気に対して引火性が無く安全衛生の面からも有用
な塗料である。しかしながら、この水性塗料組成
物は、その主成分の1つである樹脂が多くの親水
性の官能基を持つため、一般には塗膜が形成され
た後も水分が塗膜中へ浸入しやすく、結果として
耐水性、耐水密着性に劣り、更には、金属面に塗
布した際の防錆性に問題がある。 防錆性を向上させる手段として、防錆顔料を配
合する方法がある(特開昭57−141465号公報)。
しかし、一般に防錆顔料は重金属を主成分とする
顔料がほとんどで、これらの顔料は塗料中で沈降
しやすく、特に水性塗料組成物へ防錆顔料を加え
ても顔料の分散安定性が低下し、防錆性の向上も
あまり期待できない。 従つて水性塗料の従来の利点である乾燥性、光
択、硬度、耐酸性、耐アルカリ性などは可久的に
保持することはもちろん、これに加えて耐水性、
耐水密着性、防錆性が向上し、且つ顔料の分散安
定性の良好な水性塗料組成物および該組成物によ
る塗膜形成方法の開発がまたれていた。 そこで、本発明者等は、これら従来技術の問題
点を解決すべく鋭意・研究し、各種の系統的実験
を重ねた結果、本発明を成すに至つたものであ
る。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、防錆性能に優れた水性塗料組
成物および該組成物による塗膜形成方法を提供す
るにある。 また、本発明の他の目的は、水性塗料の乾燥
性、光択、硬度、耐酸性、耐アルカリ性等を可久
的に保持し、かつこれに加えて耐水性および耐水
密着性に優れた水性塗料組成物および該組成物に
よる塗膜形成方法を提供するにある。 〔発明の構成〕 本発明の水性塗料組成物は、水性塗料用樹脂と
溶剤と山皮とクロム酸塩顔料とを主成分とする水
性塗料組成物であり、水性塗料用樹脂100重量部
に対して0.5ないし30重量部の山皮と0.05ないし
10重量部のクロム酸塩顔料とを含有し、しかも該
山皮は直径が0.002ないし0.1μmに繊維状態化し
て不定形三次元方向に均一に分散して成り、防錆
性能に優れたことを特徴とするものである(以
下、本第一発明とする)。 次に、本発明の水性塗料組成物の塗膜形成方法
は、水性塗料用樹脂と、該水性塗料用樹脂100重
量部に対して0.5ないし30重量部の山皮と0.05な
いし10重量部のクロム酸塩顔料とを混合し、かつ
該混合物中の山皮を直径が0.02ないし0.1μmとな
るまで繊維状態化するとともに、該繊維状態の山
皮とクロム酸塩顔料とが樹脂中に均一に分散した
混合物とする破砕混合工程と、該混合物に適宜量
の溶剤を混合して水性塗料組成物とする混合工程
と、該組成物を被塗物に塗布し、60ないし180℃
の温度で10ないし60分間焼付・乾燥して塗膜中の
水分含有率を硬化乾燥後の塗膜重量の5%以下に
する塗装工程とから成ることを特徴とするもので
ある(以下、本第二発明とする)。 以下、本発明の構成をより詳細に説明する。 本第一発明において用いる水性塗料用樹脂は、
アルキツド樹脂、アクリル樹脂、エポキシエステ
ル樹脂、オイルフリーアルキツド樹脂等の一種ま
たは二種以上、またはこれら樹脂とアミノ樹脂等
の硬化剤との混合樹脂である。 また、本第一発明において用いる山皮は、マグ
ネシウム含有粘土鉱物であり、その表面に反応性
に富む水酸基を有する鉱物で、具体的には、含水
マグネシウムシリケートを主成分とするセピオラ
イト(Sepiolite)、含水マグネシウムアルミニウ
ムシリケートを主成分とするアタパルジヤイト
(Attapulgite)であり、これらの一種または二種
以上を用いる。 本発明における山皮は通称、マウンテンコルク
(Mountain cork)、マウンテンレザー
(Mountain leather)、マウンテンウツド
(Mountain wood)等とも呼ばれている鉱物であ
り、日本における海泡石もこの一種である。該マ
グネシウム含有粘土性鉱物は、それ自身多量の水
を吸収する性質がある。 上記粘土性鉱物の結晶は、一辺が約0.1μmの四
辺形断面を有する長繊維の集合体で、該集合体内
には、繊維の長さ方向に多数の孔を有している。 本第一発明でいう繊維状態化された山皮は、直
径が0.002〜0.1μm程度で、長さが0.1〜数μm程
度のものであり、水性塗料用樹脂中に不定形三次
元方向に、しかも均一に分散している。 山皮は、通常鉱山から採掘したものをクラツシ
ヤー等通常の方法によつて粉砕されるが、通常の
粉砕では、0.5〜200μmの粒子である。すなわち、
本第一発明にいう繊維状態化された山皮は、従来
から一般に言われている山皮粒子とは異なり、さ
らに細く、細くほぐした細長比の大きな繊維形状
を有するものである。 ここで、繊維状態化された山皮と樹脂の混合量
は、水性塗料用樹脂100重量部に対して、山皮が
0.5〜30重量部であり、この範囲において、水性
塗料の長所を損なうことなく、得られる塗膜の耐
水性、金属板への耐水密着性が向上する。さらに
良好な効果を得るには、山皮の混合量は、3〜20
重量部であることが最も好ましい。 これは、山皮の混合量が0.5重量部未満の場合
には、塗膜に対しての耐水性、耐水密着性の効果
が得られず、また、30重量部を越えると、水性塗
料組成物の粘度が高くなりすぎ、塗装作業性が低
下するとともに、塗布後、焼付けて得られる塗膜
のつやがなくなり美観を損うからである。 また、本第一発明におけるクロム酸塩顔料は、
可溶性顔料として現在使用に供されているもの
で、これらの顔料は水分と接触するとクロム酸イ
オンを溶出し、その強い酸化作用によつて金属面
を不働態化し、防錆性を発揮すると言われてい
る。具体的には、ストロンチウムクロメート、バ
リウムクロメート、カドミウムクロメート、カド
ミウムモノオキシクロメート、ジンクテトラオキ
シクロメート、ジンクモノオキシクロメート、ナ
トリウムジンククロメート、ポタシウムカドミウ
ムクロメート、ポタシウムジンククロメート、ク
ロム酸第一鉛、クロム酸第二鉛、塩基性クロム酸
鉛等がある。 ここで、クロム酸塩顔料と樹脂の配合量は、水
性塗料用樹脂100重量部に対してクロム酸塩顔料
0.05〜10重量部であり、この範囲において水性塗
料の長所を損うことなく、得られる塗膜の金属板
への耐水密着性および防錆性が向上する。 これは、クロム酸塩顔料の配合量が0.05重量部
未満の場合には、塗膜に対しての耐水密着性およ
び防錆性の効果が得られず、また、10重量部を越
えると、それ以上添加しても耐水密着性および防
錆性の向上がそれ以上左程期待できず、また、ク
ロム酸イオンの溶出が増大して塗膜のふくれを誘
発し易くなり、更には、安全衛生上好ましくない
からである。 また、溶剤は、水の他、ブチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、イソプロピルアルコール、ブチ
ルカルビトール等を用いる。 本第一発明における水性塗料組成物には、顔料
添加剤が含まれていてもよい。顔料としては、カ
ーボンブラツク、ベンガラ、チタン白等の無機顔
料、フタ口シヤニン、キナクリドン等の有機顔料
及び炭酸カルシウム、タルク、クレイ、炭酸マグ
ネシウム、硫酸バリウム等の体質顔料等が使用で
きる。また、添加剤としては、ドライヤー、消泡
剤、レベリング剤、色分れ防止剤等が適宜使用で
きる。 本第一発明の水性塗料組成物は、水性塗料用樹
脂と溶剤と山皮とクロム酸塩顔料とを主成分と
し、必要に応じて顔料、添加剤等を含み、樹脂中
に繊維状態化した山皮が不定形三次元方向に均一
に分散しており、これらは上記溶剤により塗装作
業に適した粘度に調節されている。 本第1発明にかかる水性塗料組成物は、周知の
塗装方法によつて、例えば静電塗装、エアスプレ
ー塗装、浸漬塗装等によつて、被塗物表面に塗
布、乾燥して塗膜とする。第1図に、本発明によ
つて得られた塗料を試験板に塗布しその塗膜を透
過型電子顕微鏡により観察した結果を示す。同図
中から、繊維状態化した山皮1が不定形三次元方
向に均一に分散しているのが分る。 次に、本第二発明の水性塗料組成物の塗膜形成
方法は以下の様である。 この第二発明は、前述した第一発明にかかる水
性塗料組成物による塗膜形成方法である。 即ち、先ず、本第一発明で述べた水性塗料樹脂
と山皮とクロム酸塩顔料とを混合し、かつ該混合
物中の山皮を直径が0.002ないし0.1μmとなるま
で繊維状態化するとともに、該繊維状態の山皮と
クロム酸塩顔料とが樹脂中に均一に分散した混合
物とする(破砕混合工程)。 これらの原料を混合する順番は、特に限定する
ものではないが、まず、水性塗料用樹脂を用意
し、該樹脂分100重量部に対して0.05〜10重量部
の割合でクロム酸塩顔料を該樹脂に加え均一に分
散する。このとき、必要に応じて、樹脂には適量
の溶剤を加え、また、樹脂分が樹脂溶液中で15〜
65%であるのが望ましい。水性塗料用樹脂に加え
るクロム酸塩顔料は、通常の市販品でよく、粒子
径は0.5〜200μm程度のものが好ましい。このク
ロム酸塩顔料の混合、分散に当つては、通常用い
る塗料用顔料の分散機を用い、具体的には、サン
ドグラインダー、ペイントシエーカー、ボールミ
ル等の分散機がある。 次に、クロム酸塩顔料を分散した樹脂に、該樹
脂分100重量部に対して0.5〜30重量部の割合で山
皮を該樹脂に加え、樹脂の存在下で山皮をほぐ
し、繊維状態化するとともに、これを樹脂中に分
散し、樹脂中に山皮とクロム酸塩顔料が均一に分
散した混合物を得る。この山皮は通常の方法で粉
砕したものでよく、その粒子径は、0.5〜200μm
程度であることが好ましい。これは、0.5μm以下
であつても、また200μm以上であつてもよいが、
粒子が大きいと山皮の破砕混合工程での作業性が
悪く、長時間を必要とするからである。 この山皮の破砕混合では、通常の方法で粉砕し
て得た山皮の繊維構造をさらに微細化し、繊維の
直径が0.002〜0.1μmとなるまで破砕し、繊維状
態化することを特徴とする。 これは、繊維の直径が0.002〜0.1μmより大き
い場合には、塗膜の耐水性、耐水密着性および防
錆性に効果が得られないばかりか場合によつては
逆効果をもたらすおそれがあるからである。 この破砕混合は、樹脂と山皮の混合物に大きな
せん断力を加えて行なうものである。このとき、
山皮は繊維状態化するとともに樹脂と強く接触し
て樹脂中に不定形三次元方向に均一に分散する。
この破砕混合は、サンドグライダー、ペイントシ
エーカー、ボールミル等の分散機を用いて行な
う。 以上、樹脂中に先ずクロム酸塩顔料を混合・分
散し、次に山皮を添加し破砕する方法を具体的に
述べたが、本破砕混合工程では、クロム酸塩顔料
と山皮とを同時に樹脂中に混合・分散してもよ
く、また、山皮を混合する際に、予め山皮の樹脂
分散液を作製し、該分散液を混合してもよい。 次に、破砕混合工程で得られた混合物に、溶剤
を混合し、更に、必要に応じて顔料、添加剤を混
合し、水性塗料組成物を得る(混合工程)。この
混合に際しては、上述の破砕混合工程で述べた分
散機を用いることができる。 次に、得られた水性塗料組成物を被塗物に塗布
し、60〜180℃の温度で10〜60分間焼付・乾燥し
て塗膜中の水分含有率を硬化乾燥後の塗膜重量の
5%以下にすることにより塗膜を形成する(塗装
工程)。 ここで、焼付・乾燥温度を60〜180℃としたの
は、該温度が60℃未満の場合、塗膜乾燥までに長
時間を要し生産性が悪い上に塗膜に必要な硬度が
得られにくく不都合であり、180℃を越えると温
度が高すぎて水分が急激に蒸発し塗膜表面が荒れ
るからである。また、焼付・乾燥時間を10〜60分
としたのは、10分未満の場合は温度を高くしなけ
ばならず、塗膜表面が荒れるからであり、また、
180分を越えると生産性が低下するので好ましく
ないからである。 また、水性塗料組成物の硬化乾燥後の塗膜内の
水分含有率が、硬化乾燥後の塗膜重量の5%以下
としたのは、5%以上の場合には塗膜硬度が低く
塗膜の機械的性質が低下すると同時に塗膜外部よ
り新たに浸入する水分に対する塗膜の耐久性が低
下するため、たとえクロム酸塩顔料が分散し、か
つ山皮が繊維状態化して、不定形三次元方向に均
一に分散させたものでも耐水性、耐水密着性およ
び防錆性の本発明の所期の効果は期待できないお
それがあるからである。 〔発明の作用および効果〕 本第一発明にかかる水性塗料組成物は、優れた
防錆性能を有する。 該組成物が、この様に優れた防錆性能を発揮す
るメカニズムについては、未だ必ずしも明らかで
はないが、次の様に考えられる。 即ち、該組成物により得られる乾燥塗膜中に
は、山皮が繊維状態化して不定形三次元方向に分
散しているので、塗膜外部からの水の浸入を防止
し、また、該乾燥塗膜中に分散せしめたクロム酸
塩顔料は、水分と接触した場合クロム酸イオンを
溶出し、その強い酸化作用によつて被塗装物であ
る金属表面を不動態化し、これら山皮による効果
とクロム酸塩顔料による効果が相補的に作用し、
相乗されて優れた防錆効果を発揮するものと思わ
れる。 また、本第一発明にかかる水性塗料組成物は、
繊維状態化された山皮が均一に分散しているので
適度の揺変性が得られる。このため、塗装作業性
がよくなる。例えば、スプレー塗装の場合、スプ
レー時には塗料にせん断力が加わり塗料の粘度が
下がるため、塗料の微粒化が良く、被塗装物に対
し塗装しやすく、塗膜の仕上りも向上する。ま
た、塗装直後にはせん断力がなくなるため、塗料
の粘度が高くなり、タレ等が防止できる。また、
塗料中では、山皮が繊維状態化して安定に均一分
散しているため、クロム酸塩顔料その他の添加剤
の沈降防止に効果がある。 さらに、該組成物により得られる乾燥塗膜中に
も山皮が繊維状態化して不定形三次元方向に分散
しているので、塗膜の補強効果と塗膜外部からの
水の浸入防止に効果がある。従つて、被塗装物を
長期間水中に浸漬しても、塗膜が被塗装物からは
がれることのなく、所 謂、耐水性、耐水密着性
が向上する。 また、本第一発明にかかる水性塗料組成物は、
山皮の効果とクロム酸塩顔料の効果が相補的に発
揮されるだけではなく、山皮とクロム酸塩顔料の
各々単独では達し得ない高レベルの耐水性、耐水
密着性が発揮される。 本第二発明にかかる水性塗料組成物の塗膜形成
方法によれば、山皮を樹脂の存在下で繊維状態化
したこと、およびクロム酸塩顔料を均一に分散し
たこと、さらには硬化乾燥後の塗膜内の水分含有
率を塗膜重量の5%以下としたことにより、塗膜
の強度向上および塗膜外部より浸入する水分が被
塗物と塗膜との界面にまで到達することを抑止
し、塗膜の密着力を持続させるとともに、被塗物
表面を不動態化することにより耐水性、耐水密着
性および防錆性に優れた効果を呈する。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を説明する。 まず、各実施例において行つた、塗膜の耐水
性、耐水密着性および防錆性を確めるための方法
は、次のようである。 被塗装板は、大きさ150m/m×70m/m、厚
さ0.8m/mの軟鋼板(SPCC)で、塗装前にその
表面を有機溶剤で脱脂処理したものである。これ
らに塗装を行ない塗膜を形成したのち、40℃の純
水に浸漬し、ブリスターの発生するまでの時間を
測定し、これを耐水性判断の基準とした。 耐水密着性の判断は、先ず塗膜を40℃の純水に
一定時間浸漬した後、該塗膜に1m/m間隔の切
れ目をカツターナイフで縦と横の方向に入れ、1
m/m四方のマス目を100個作る。そしてマス目
の上にセロハンテープを直接貼着し、その後該セ
ロハンテープを剥離したときマス目の塗膜が剥離
したか否かを調べた。剥離しなかつた場合には、
さらに、純水に浸漬し、上記セロハンテープによ
る剥離試験をくり返す。そして、塗膜が剥離する
までに要した純水浸漬時間を求めることにより行
なつた。純水浸漬時間が長いぼど耐水密着性が優
れていることになる。 防錆性の判断は、塗装板表面の塗装膜にカツタ
ーナイフで基材に達する切り傷を付け、JIS・
K5400に準拠した塩水噴霧試験法(SS試験)に
よつて切り傷からの腐食の進行速度を調べた。こ
のSS試験では、切り傷からの腐食によるフクレ
が6mmに達するまでのSS試験時間を求めること
により行なつた。SS試験時間が長いほど防錆性
が優れていることになる。 本発明の実施例中に採用した水性塗料の製法に
ついて詳しく説明すれば、一般的に行なわれてい
る水性塗料の代表的な製法を取り入れて作製する
とともに、他の例では市販に供されている樹脂を
購入し、これに山皮およびクロム酸塩顔料を配し
て得た。 実施例 1〜8 撹拌機、還流冷却器、温度計、加熱設備を装備
するステンレス製反応容器にサフラワー油43.90
重量部を入れ、150℃に加熱し、トリメチロール
プロパン16.44重量部を加え、温度を220℃まで上
昇させた後、さらに、リサージ0.02重量部を加え
反応させた。次に、得られた生成物にメタノール
を添加し、該生成物1重量部がメタノール5重量
部に溶解するまでこの温度に保ち、反応を継続し
た。反応終了後、生成物を166℃まで冷却し、ブ
チルカルビトール12.54重量部を加え均一に分散
するまで撹拌した。その後、無水トリメリツト酸
23.60重量部を加えたのち、反応混合物を再び166
℃に加熱し、この温度に20分間保持した。その
後、さらに190℃で4時間加熱し反応させた。反
応生成物の酸価が35に達した時、温度を170℃に
下げ、これに無水フタル酸3.5重量部を加え、酸
価が45になるまで反応を続けた。得られた反応生
成物100重量部を、純水55重量部、イソプロピル
アルコール6重量部、28%アンモニア水5重量部
の混合物で希釈して水性塗料用樹脂溶液を得た。
この水性塗料用樹脂溶液の樹脂含有量は60%、粘
度(ガードナー)はZ4,PHは8であつた。 この得られた水性塗料用樹脂溶液を樹脂分換算
で92重量部および硬化剤としてメチル化メチロー
ルメラミン樹脂(スミマールM―40W、住友化学
工業株式会社製、不揮発分80%)10重量部に対し
てクロム酸ストロンチウム1.5重量部、顔料とし
てのカーボンブラツクを4重量部、炭酸カルシウ
ムを6重量部、消泡剤0.5重量部を加え、分散機
であるサンドグラインダーにて1時間混合した。
ひきつづいて、粒子径約0.1〜150μmの山皮を10
重量部加え、該サンドグラインダーにて2時間山
皮を破砕混合することにより、クロム酸塩顔料お
よび山皮を分散した水性塗料用樹脂を得た。分散
後、すみやかに該水性塗料用樹脂分100重量部に
対しイソプロピルアルコール40重量部および純水
29重量部を順次配合混入させて本発明にかかる水
性塗料用組成物を得た。 この水性塗料用組成物中には、繊維状態化され
た直径0.002〜0.1μm、長さ0.1〜数μmの山皮が
均一に不定形三次元方向に分散していた。 次に、該塗料組成物を、被塗装板にエアスプレ
ーにて塗装し、120℃にて20分間焼付・乾燥した
のち、耐水性、耐水密着性および防錆性を調査し
た。その結果を、第1表の実施例番号1の欄に塗
膜硬度(JIS K5400に準拠)、塗膜光沢(JIS
K5400に準拠)と合せて示す。また、塗膜を電子
顕微鏡で観察したところ、第1図に示すように、
山皮は、繊維状態化して、不定形三次元方向に分
散していた。 さらに、実施例1で得たものと同組成の水性塗
料用樹脂溶液に同様の硬化剤、顔料、添加剤を加
え、山皮とクロム酸ストロンチウムの量を種々変
化させた水性塗料組成物を本実施例1と同様の方
法で作製し、これを塗布後焼付けて得られた塗膜
の耐水性、耐水密着性および防錆性を調査した。
その結果を、第1表の実施例番号2〜8に示す。 また、比較のために、クロム酸ストロンチウム
を加えず山皮を10または40重量部加えたもの、山
皮を加えずクロム酸ストロンチウムを1.5または
15重量部を加えたもの、および山皮とクロム酸ス
トロンチウムを全く加えないものについても調査
した。その結果を比較例C1〜C5に併わせて示す。 また、前記のサンドグラインダーによる混合時
間を30分間に短縮して行い、その他は実施例1と
同様の方法で分散を行い、山皮を繊維状態化させ
ず、一部が粒状のまま残つている水性塗料組成物
を得、塗布後焼付けて得られた塗膜の耐水性、耐
水密着性および防錆性を調査した。その結果を、
第1表の比較例C6に併わせて示す。
【表】
【表】 第1表から明らかな如く、本発明にかかるもの
は、比較例C5に示す山皮、クロム酸ストロンチ
ウムを全く含まないものと比較してて、耐水性、
耐水密着性および防錆性(耐SS)が著しく向上
していることが分る。 また、比較例C1〜C4に示す山皮またはクロム
酸ストロンチウムのいずれか一方を含むものと比
較しても、耐水性、耐水密着性は言うまでもな
く、特に、防錆性が著しく向上していることが分
る。 水性塗料用樹脂100重量部に対し、山皮の量を
0.5重量部から30重量部まで添加して行つた実施
例の試験結果から、塗膜の硬さ、光沢をも勘案す
ると、山皮混合量の最も好ましい範囲は3〜20重
量部である。山皮に加えて添加するクロム酸スト
ロンチウムは、水性塗料用樹脂100重量部に対し、
0.1〜10重量部まで添加して行つた実施例の試験
結果から、0.1重量部の添加で防錆性に効果が認
められ、10重量部までの添加で著しい効果が認め
られる。しかしながら、10重量部以上の添加は、
安全衛生を考慮すると好ましくない。また、比較
例C6の結果は、効果が上がるとされる山皮とク
ロム酸ストロンチウムを配合しても、なお、工程
混合技術の相違によつては効果が上がらないこと
を示すもので、水性塗料組成物の組成物確認とし
て、山皮が不定形三次元方向に均一に分散されて
いなかつたために耐水性、耐水密着性および防錆
性の効果につながらなかつたことを示すもので、
その理由は水性塗料用樹脂溶液と山皮との混合工
程で、混合時間が短かかつたためである。 第2図に、該塗膜の透過電子顕微鏡観察結果を
示す。この結果から、粒子状山皮2がほぼそのま
ま分散していることがわかる。すなわち、水性塗
料用樹脂中の山皮が繊維状態化して均一に分散し
ている必要があることを示している。 実施例 9〜11 撹拌機、還流冷却器、加熱設備を装備するガラ
スライニングの反応溶器にアクリル酸3.55重量
部、N―Xチロールアクリルアミド7.53重量部、
アクリル酸エチル16.6重量部、メタクリル酸メチ
ル16.6重量部、イソプロピルアルコール55.5重量
部、過酸化カプリリル0.22重量部を入れ、16時間
還流下に撹拌した。その後、純水230重量部と、
28%アンモニア水10重量部を加え、水性塗料用樹
脂溶液を得た。該樹脂溶液の不揮発分は30%、粘
度(ガードナー)はV―W,PHは8.8であつた。
この得られた樹脂溶液を樹脂分換算で92重量部お
よび硬化剤としてメチル化メチロールメラミン樹
脂(スミマールM―40W、住友化学工業株式会社
製、不揮発分80%)10重量部に対してクロム酸ス
トロンチウム1.5重量部、顔料としてのカーボン
ブラツクを4重量部、炭酸カルシウムを6重量
部、消泡剤0.5重量部を加え、分散機であるサン
ドグラインダーにて1時間混合した。ひきつづい
て、粒子径約0.1〜200μmの山皮を10重量部加え、
該サンドグラインダーにて2時間山皮を破砕混合
することによりクロム酸塩顔料および山皮を分散
した水性塗料用樹脂を得た。分散後、すみやかに
該水性塗料用樹脂100重量部に対してイソプロピ
ルアルコール40重量部、および純水29重量部を順
次配合混入させて本発明にかかる水性塗料用組成
物を得た。 この水性塗料組成物中には、繊維状態化された
直径0.002〜0.1μm、長さ0.1〜数μmの山皮が均
一に不定形三次元方向に分散していた。 次に、該塗料組成物を被塗装板にエアスプレー
にて塗装し、焼付・乾燥した後、耐水性、耐水密
着性および防錆性を調査した。その結果を、第2
表の実施例番号9の欄に焼付条件、塗膜硬度
(JIS K5400に準拠)、塗膜光沢(JIS K5400に準
拠)、硬化乾燥後の塗膜内の水分含有率を合わせ
て示す。また、焼付・乾燥条件を種々変化させた
塗膜の試験結果を、第2表の実施例番号10,11の
欄に示す。なお、塗膜内の水分含有率の測定に当
つては、水分気化装置(ADP―341、京都電子工
業株式会社製)にカールフイツシヤ水分計(京都
電子工業株式会社製)を付設した装置を用いて行
つた。 実施例 12 撹拌機と還流冷却器と加熱設備を装備するステ
ンレス製反応容器に、純水46.5重量部、亜硫酸水
素ナトリウム0.0425重量部、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.00425重量部を入れ180℃まで加熱し、スチ
レン23.4重量部、メタクリル酸2.12重量部、アク
リル酸エチル17.0重量部、過硫酸カリウム0.17重
量部、純水7.45重量部を順次滴下混合した。混合
物を30分間66℃に加熱した後、さらに2.5時間65
〜66℃で反応を続け、エマルジヨン塗料用樹脂溶
液を得た。得られたエマルジヨン塗料用樹脂溶液
の樹脂分100重量部に対して、カーボンブラツク
3重量部、炭酸カルシウム4.5重量部、消泡剤0.7
重量部、ブチルセロソルブ7.5重量部、純水13.5
重量部を順次配合してエマルジヨン塗料を得た。 このエマルジヨン塗料100重量部に実施例9で
得られた水性塗料組成物100重量部およびコバル
トドライヤー3重量部を加えて混合し、コロイド
エマルジヨン型の塗料組成物を得た。 このコロイドエマルジヨン型の塗料組成物を、
実施例9と同様の方法で塗装し、耐水性、耐水密
着性および防錆性を調査した。その結果を、第2
表の実施例番号12の欄に示す。すなわち、良好な
耐水性、耐水密着性および防錆性を示した。 〈比較例 7〜9〉 実施例9と同様の製法を用い、相違する点はク
ロム酸ストロンチウムを配合しないで山皮を配合
したもの、山皮を配合しないでクロム酸ストロン
チウムを配合したもの、および山皮とクロム酸ス
トロンチウムを全く配合しないで水性塗料組成物
を得た。 これらの各水性塗料100重量部と実施例12で得
られたエマルジヨン塗料100重量部を加えて混合
し、コロイドエマルジヨン型の塗料を得た。 これらのコロイドエマルジヨン型の塗料を実施
例9と同様の方法で塗装し、耐水性、耐水密着性
および防錆性を調査した。その結果を、第2表の
比較例C7〜C9に併わせて示す。同表から明らか
のごとく、比較例C7〜C9のものは、耐水性、耐
水密着性および防錆性のいずれも低いものであつ
た。 第2表から明らかなごとく、水性塗料組成物の
硬化乾燥後の塗膜内の水分含有率が硬化乾燥後の
塗膜重量の5%以下の場合、塗膜の耐水性、耐水
密着性および防錆性は水分含有率が5%以上の塗
膜を比べて著しく優れていることが分かる。ま
た、水性塗料用樹脂100重量部に対して山皮10重
量部とクロム酸ストロンチウム1.5重量部を均一
に分散して得た水性塗料組成物とエマルジヨン塗
料を混合して得られたコロイドエマルジヨン型の
塗料を焼付けて得られた塗膜の耐水性、耐水密着
性および防錆性は、クロム酸ストロンチウムを配
合しないで山皮を配合したもの、山皮を配合しな
いでクロム酸ストロンチウムを配合したものおよ
び山皮とクロム酸ストロンチウムを全く配合しな
いものの各コロイドエマルジヨン型の塗料に比べ
で数段優れていた。 実施例 13 水性アルキツド樹脂(ウオーターゾールS―
123、大日本インキ化学工業株式会社製、不揮発
分50%)の樹脂100重量部および硬化剤と
【表】 してのメチル化メチロールメラミン樹脂(スミマ
ールM―40W、住友化学工業株式会社製、不揮発
分80%)の樹脂10重量部に対しカーボンブラツク
4重量部、炭酸カルシウム6重量部、消泡剤0.5
重量部クロム酸ストロンチウム1.5重量部を加え
サンドグラインダーにて1時間混合した。ひきつ
づいて粒子径約0.1〜150μmの山皮を10重量部加
え該サンドグラインダーにて2時間山皮を破砕混
合することによりクロム酸塩顔料および山皮を分
散した水性塗料用樹脂を得た。分散後すみやかに
該水性塗料用樹脂分100重量部に対しブチルセロ
ソルブ40重量部および純水29重量部を順次配合さ
せて水性塗料組成物を得た。 該塗料組成物を実施例1と同様の方法で塗装
し、塗膜の耐水性、耐水密着性および防錆性を調
査し、その結果を第3表、実施例番号13の欄に示
した。また、比較例として、クロム酸ストロンチ
ウムを配合しないで山皮を配合したもの、山皮を
配合しないでクロム酸ストロンチウムを配合した
ものおよび山皮とクロム酸ストロンチウムを全く
配合しないものについても調査した。その結果を
第3表の比較例C10〜C12の欄に併わせて示す。 実施例13および比較例C10〜C12の試験結果よ
り、本願発明で使用する樹脂は、一般市販の樹脂
を用いてもほぼ同等の効果が得られることが確認
できた。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
図は、本発明の実施例を示し、第1図は塗膜中
に繊維状化した山皮が均一に分散している様子を
示す図、第2図は塗膜中に粒子状山皮が分散して
いる様子を示す図である。 1……繊維状化した山皮、2……粒子状の山
皮。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水性塗料用樹脂と溶剤と山皮とクロム酸塩顔
    料とを主成分とする水性塗料組成物であり、水性
    塗料用樹脂100重量部に対して0.5ないし30重量部
    の山皮と0.05ないし10重量部のクロム酸塩顔料と
    を含有し、しかも該山皮は直径が0.002ないし
    0.1μmに繊維状態化して不定形三次元方向に均一
    に分散してなり、防錆性能に優れたことを特徴と
    する水性塗料組成物。 2 水性塗料用樹脂と、該水性塗料用樹脂100重
    量部に対して0.5ないし30重量部の山皮と0.05な
    いし10重量部のクロム酸塩顔料とを混合し、かつ
    該混合物中の山皮を直径が0.002ないし0.1μmと
    なるまで繊維状態化するとともに、該繊維状態の
    山皮とクロム酸塩顔料とが樹脂中に均一に分散し
    た混合物とする破砕混合工程と、該混合物に適宜
    量の溶剤を混合して水性塗料組成物とする混合工
    程と、該組成物を被塗物に塗布し、60ないし180
    ℃の温度で10ないし60分間焼付・乾燥して、塗膜
    中の水分含有率を硬化乾燥後の塗膜重量の5%以
    下にする塗装工程とから成ることを特徴とする水
    性塗料組成物の塗膜形成方法。
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