JPS6353966B2 - - Google Patents
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- JPS6353966B2 JPS6353966B2 JP12019382A JP12019382A JPS6353966B2 JP S6353966 B2 JPS6353966 B2 JP S6353966B2 JP 12019382 A JP12019382 A JP 12019382A JP 12019382 A JP12019382 A JP 12019382A JP S6353966 B2 JPS6353966 B2 JP S6353966B2
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本発明は新規徐放性マイクロカプセルおよびそ
の製法に関する。 近年、医薬品製剤については投与した薬物の副
作用発現を避け、かつ生体内で薬物の薬理作用が
長く発現されて望ましい治療効果が得られるよう
徐放性医薬品製剤が考案されている。かかる医薬
品製剤としては例えばスルフアメチゾールを水不
溶性高分子たる酢酸セルロースでマトリツクス化
したものを芯物質とし、エチルセルロースでマイ
クロカプセルとした製剤〔Chem.Pharm.Bull.
vol.28 2816〜1819(1980)〕が知られているが、
該製剤においては薬剤の徐放効果は得られるもの
のマトリツクス自体が水不溶性であるため腸管内
に至つてもマトリツクス中の薬物がなお十分に放
出されないという難点があつた。 本発明者らはかかる状況に鑑み、鋭意研究を重
ねた結果、胃および腸内部において薬物の徐放効
果を示し、併せてこれら消化管内で確実に薬物を
放出させ得る新規徐放性マイクロカプセルを完成
するに至つた。 即ち、本発明は医薬物質と腸溶性高分子物質と
が造粒されて成る粒子を芯物質とし、該芯物質上
にエチルセルロース壁膜の形成された芯物質含有
エチルセルロースマイクロカプセルである。 本発明によれば、かかるマイクロカプセルは腸
溶性高分子物質溶液と医薬物質とを造粒して得ら
れる粒子をエチルセルロース含有溶液に分散させ
た後、腸溶性高分子物質の存在もしくは非存在下
に該エチルセルロースの相分離によつて芯物質上
にエチルセルロース壁膜を形成させることにより
製することができる。 本発明のマイクロカプセルにおいて芯物質成分
の一つである腸溶性高分子物質としてはPH5以上
の水に溶解する腸溶性高分子物質であればいずれ
も用いることができる。具体的には例えばPH5以
上の水に溶解する(i)多糖類アセテート、アルキル
化多糖類もしくはヒドロキシアルキル化多糖類の
有機二塩基酸エステル、(ii)カルボキシアルキル化
多糖類のアルキルエーテル、(iii)ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアセテートもしくはポリビニル
アセタールの有機二塩基酸エステル、又は(iv)アク
リル酸、メタクリル酸もしくはそれらのエステル
から選ばれる2乃至3成分系共重合体があげられ
る。(i)において多糖類アセテートの有機二塩基酸
エステルとしては具体的には例えばセルロース・
アセテート・フタレート、セルロース・アセテー
ト・サクシネート、セルロース・アセテート・マ
レエート、スターチ・アセテート・フタレート、
アミロース・アセテート・フタレートがあげら
れ、アルキル化多糖類の有機二塩基酸エステルと
しては具体的には例えばメチルセルロース・フタ
レートがあげられる。更にヒドロキシアルキル化
多糖類の有機二塩基酸エステルとしては具体的に
は例えばヒドロキシエチル・エチルセルロース・
フタレート、ヒドロキシプロピル・メチルセルロ
ース・フタレートがあげられる。(ii)のカルボキシ
アルキル化多糖類のアルキルエーテルとしては例
えばカルボキシメチルエチルセルロースがあげら
れる。(iii)においてポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアセテートもしくはポリビニルアセタールの
有機二塩基酸エステルとしては具体的には例えば
ポリビニルアルコール・フタレート、ポリビニル
アセテート・フタレート、ポリビニルアセター
ル・フタレート、ポリビニルブチレート・フタレ
ートがあげられる。更に(iv)においてアクリル酸、
メタクリル酸もしくはそれらのエステルから選ば
れる2乃至3成分系共重合体としては具体的には
例えばメチルアクリレート・メタクリル酸コポリ
マー、メチルアクリレート・メタクリル酸・オク
チルアクリレートコポリマー、メチルアクリレー
ト・メタクリル酸・メチルメタクリレートコポリ
マー、メチルメタクリレート・メタクリル酸コポ
リマー、エチルアクリレート・メタクリル酸コポ
リマーがあげられる。これらのうち好ましいもの
としてはPH5.0以上の水に溶解するヒドロキシプ
ロピル・メチルセルロース・フタレート、メタク
リル酸・メチルメタクリレートコポリマー、メタ
クリル酸・エチルアクリレートコポリマー、メチ
ルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、メチ
ルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、メチ
ルアクリレート・メタクリル酸・メチルメタクリ
レート、カルボキシメチル・エチルセルロース、
セルロース・アセテート・フタレートを挙げるこ
とができる。 一方、これらの腸溶性高分子物質と共に芯物質
を形成する医薬物質としては特に限定されず経口
投与に適した医薬物質であればいずれも用いるこ
とができ、固体であつてもゲル状物質であつても
よい。さらには泥状物質であつても用いることが
できる。これら医薬物質は固体の場合は約5〜
1000μmとりわけ約50〜500μmの粒子径のものを
用いるのが好ましい。 上記の如き医薬物質と腸溶性高分子物質からな
る芯物質粒子はこれら2成分を不活性溶媒を助剤
として造粒することにより製することができ、具
体的には不活性溶媒に腸溶性高分子物質を溶解あ
るいは膨潤せしめた溶液あるいはゲルに医薬物質
を加えて溶解もしくは分散し、該混合物を造粒せ
しめることにより製することができる。又造粒に
際しては賦形剤等を用いることもできる。芯物質
粒子中におけるこれら各成分の含有率は本発明の
マイクロカプセルの用途、目的に応じ任意に変化
させることができるが、とりわけ腸溶性高分子物
質の含有率は芯物質中において約15〜70%が好ま
しく、更には約20〜60%であるのがより好まし
く、約25〜50%が最も好ましい。造粒に際して用
いられる溶媒としては例えばメタノール、エタノ
ールの如き低級アルカノール、アセトン、メチル
アセトン、メチルエチルケトンの如き低級アルカ
ノンもしくはこれらと水との混合物を用いること
ができ、とりわけメタノール、エタノール、アセ
トンもしくはこれらと水との混合物が好ましい。
溶媒の使用量は特に限定されないが腸溶性高分子
物質を完溶、または膨潤させ得る量を用いるのが
好ましい。造粒は例えば湿式造粒法、流動層造粒
法、噴霧造粒法等を採用することにより好適に実
施することができる。具体的には腸溶性高分子物
質溶液もしくはゲル中に医薬物質を溶解もしくは
均一に分散せしめた後上記の造粒法に応じた市販
造粒機を用いるか、又は上記造粒法の常法に従つ
て実施できる。ついで得られる粒子を乾燥し、整
粒することにより所望のサイズの粒子を得ること
ができる。又、賦形剤を用いる場合には賦形剤
(例えば乳糖、デンプン、クエン酸カルシウム、
マンニツト等)を医薬物質と共に腸溶性高分子物
質溶液中に加え上記同様に実施することにより芯
物質粒子を得ることができる。かくして得られた
芯物質粒子は医薬物質を腸溶性高分子物質中に均
一に含有し、とりわけ芯物質中における腸溶性高
分子物質の含量が、15%以上であるときは当該高
分子物質がマトリツクス構造を形成し医薬物質が
この高分子物質のマトリツクスに包括されること
になるので、医薬物質の的確な徐放効果を得るこ
とができる。 芯物質粒子はその粒径には特に制限はないが、
一般的には概ね約5〜1000μ、とりわけ約50〜
500μの粒度のものを用いるのが好ましい。 ついで得られた粒子を壁膜剤たるエチルセルロ
ース含有溶液に分散させた後、エチルセルロース
の相分離により該粒子上にエチルセルロース壁膜
を形成せしめることによりマイクロカプセルを製
することができる。 エチルセルロースとしてはエトキシ含有率が約
46.5〜55%であつて粘度(本発明においてエチル
セルロースの粘度はトルエン・エタノール(4:
1)混液にエチルセルロースを5%濃度となるよ
うに溶解し、該溶液の25℃における粘度として表
わす。)約3〜500cPのものを用いるのが好まし
い。エチルセルロースの使用量は芯物質に対し約
0.05〜5倍量であるのが適当である。エチルセル
ロースを溶解するための溶媒としては、前記芯物
質を溶解せず壁膜剤エチルセルロースを熱時溶
解、冷時不溶化するものであればいずれも用いる
ことができる。具体的には例えばシクロヘキサ
ン、シクロヘキサンとn−ヘキサンの混液等があ
げられ、とりわけシクロヘキサンが好適に用いら
れる。 エチルセルロースは溶液中の濃度が約0.5〜
10W/W%、とりわけ約1〜5W/W%となるよ
う用いるのが好ましい。またこの溶液に上記芯物
質を分散させる操作はかく拌下約80℃以下、とり
わけ約55〜75℃で実施するのが好ましい。 かくして得られる芯物質粒子分散液からのエチ
ルセルロースの相分離は該分散液を毎分0.05〜4
℃の速度で冷却することにより実施するのが好ま
しい。冷却は分散液が約30℃に至るまで実施すれ
ばよく、これにより芯物質粒子上に沈着したエチ
ルセルロース壁膜は固化安定化する。 また、本発明のマイクロカプセルにおいてはエ
チルセルロース壁膜中に腸溶性高分子物質を含有
させて、芯物質粒子中および壁膜の両方に腸溶性
高分子物質を含むマイクロカプセルとすることも
できる。この場合腸溶性高分子物質としては前記
した如き腸溶性高分子物質を好適に用いることが
でき、これらの微粉末のものを用いるのが好まし
く、とりわけ粒径約300μ以下の微粉末がとりわ
け好ましい。これらの腸溶性高分子物質は壁膜剤
に対し約0.01倍量以上、とりわけ約0.05〜20倍量
を用いるのが好ましい。 エチルセルロース壁膜中に腸溶性高分子物質を
含有させるには該高分子物質をエチルセルロース
含有芯物質粒子分散液に加えて前記と同様に相分
離を生ぜしめればよい。腸溶性高分子物質の添加
は前記冷却開始前或いは冷却工程のいずれの段階
で加えてもよいが、とりわけ冷却によつてエチル
セルロースが芯物質上に沈着する過程即ちエチル
セルロースのゲル状壁膜が芯物質上にほヾ完成
し、かつ未だある程度の流動性を有する時期(具
体的にはエチルセルロース壁膜の粘度が約0.05〜
50Pとりわけ0.5〜10Pの粘度を有する状態のと
き)に腸溶性高分子物質をかく拌下加えるのが好
ましい。より具体的に説明すれば、該腸溶性高分
子物質の添加時期はその実施スケール或いは冷却
速度等によつても幾分変動するが概ね分散液の温
度が約55〜75℃、とりわけ約65℃となれば芯物質
上に流動性を有するエチルセルロース壁膜が完成
するので該温度を指標として腸溶性高分子物質を
添加するのが好ましい。この様にして添加するこ
とにより腸溶性高分子物質はカプセル壁膜中に好
適に浸透・分散せしめられる。腸溶性高分子物質
の添加が終了すれば引続き冷却を続けることによ
り腸溶性高分子物質を含有するエチルセルロース
壁膜は固化安定化する。 更には、本発明のマイクロカプセルを製するに
際して壁膜形成助剤又は界面活性剤を適宜併用す
ることもできる。相分離誘起剤としては例えばポ
リエチレン、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポ
リブタジエンを用いることができ、壁膜形成助剤
としては例えばジメチルポリシロキサン、メチル
フエニルポリシロキサン等を、また界面活性剤と
しては例えばソルビタン脂肪酸エステル、大豆リ
ン脂質、卵黄リン脂質、ステアリル乳酸カルシウ
ム、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸エステル、シヨ糖脂肪酸エステルな
どを用いることができる。これらの添加はエチル
セルロースを溶解させる際に共に加えればよく、
その添加量はエチルセルロース含有溶液に対し相
分離誘起剤は約0.1〜10%、壁膜形成助剤は約
0.01〜10%、界面活性剤は約0.001〜10%とする
のが適当である。 かくして生成したマイクロカプセルの分離は通
常の分離方法によつて実施でき、例えばデカンテ
ーシヨン、ろ過、遠心分離等を採用することがで
きる。これらいずれの方法によるときもカプセル
が互いに付着したり凝集したりすることは殆どな
い。この様にして得られたマイクロカプセルは、
ついで必要に応じシクロヘキサン、石油エーテ
ル、n−ヘキサン等により洗浄し常法(熱風乾
燥、伝熱加熱乾燥等)により乾燥することができ
る。 なお上記本発明のマイクロカプセル及びその製
法を適用し得る医薬品を列挙すれば、例えばビタ
ミン類、アミノ酸、ペプチド、化学療法剤、抗生
物質、呼吸促進剤、鎮咳去たん剤、抗悪性腫瘍
剤、自律神経用薬剤、精神神経用薬剤、局所麻酔
剤、筋弛緩剤、消化器官用薬剤、抗ヒスタミン
剤、中毒治療剤、催眠鎮静剤、抗てんかん剤、解
熱鎮痛消炎剤、強心剤、不整脈治療剤、降圧利尿
剤、血管拡張剤、抗脂血剤、滋養強壮変質剤、抗
凝血剤、肝臓用薬剤、血糖降下剤、血圧降下剤な
どを広くあげることができる。 かくして得られる本発明のマイクロカプセルは
芯物質中において医薬物質が腸溶性高分子物質中
に均一に分散するか或いは溶解してマトリツクス
内に包接されているため、服用後胃内部において
カプセル壁膜を通過した胃液は腸溶性高分子物質
のマトリツクスが障壁となり芯物質内部への浸透
が緩慢となつて、その結果、カプセル内部の医薬
物質の溶解が減じ、これにより医薬物質の放出が
制御されることとなる。しかもそのようにして放
出を制御されつつ腸に至れば、芯物質中の腸溶性
高分子物質が溶解することによつて芯物質粒子が
徐々に溶解もしくは膨潤する。その結果、マイク
ロカプセルからの医薬物質の放出は胃内部より腸
内部においてより速やかとなり、かつ放出を完全
ならしめることができる。この場合医薬物質の放
出速度は芯物質中の腸溶性高分子物質と医薬物質
の比率を変化させることによつて任意に調節する
ことができる。又、芯物質中のみならずエチルセ
ルロース壁膜中にも腸溶性高分子物質を含有させ
たマイクロカプセルを投与した場合には胃内部に
おいては上記と同様に芯物質中の腸溶性高分子物
質によつてカプセルからの医薬物質の放出が抑制
されるが、腸に至れば医薬物質の放出はより促進
される。即ち、腸に至れば、エチルセルロース壁
膜中の腸溶性高分子物質が速みやかに溶解して、
壁膜がポーラス状となり芯物質内部への腸液の浸
透が一層促進され、上記同様医薬物質の溶解が加
速される。その結果、この両者が協働して腸内で
の放出が壁膜中に腸溶性高分子物質を含まないマ
イクロカプセルよりも更に促進される。従つて本
発明のマイクロカプセルはその目的と用途に応じ
て上記のいずれかの手段を選択することにより医
薬物質に応じた放出速度を適宜得ることができ
る。 以下、実験例、実施例により本発明を更に詳細
に説明する。 実験例 1 芯物質中に腸溶性高分子物質を含む塩酸ジルチ
アゼム(化学名;d−3−アセトキシ−シス−
2,3−ジヒドロ−5−〔2−(ジメチルアミノ)
エチル〕−2−(P−メトキシフエニル)1,5−
ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン塩酸塩)含有
マイクロカプセルを調製し、カプセル収量、カプ
セル中の主薬含量および第十改正日本薬局方の崩
壊試験第1液と第2液(37℃)中におけるカプセ
ルからの主薬の溶出を経時的に測定し本発明の効
果を比較した。 実験方法 (1) 芯物質 ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・フ
タレート〔メトキシル基含量:22.2%、ヒドロ
キシプロポキシル基含量:7.5%、カルボキシ
ベンゾイル基含量21.6%(以下、HPMCPと称
する)〕の微粉末a部および塩酸ジルチアゼム
の微粉末(100−a)部の混合物に30%エタノ
ール水溶液0.5a部を加える。ついで常法により
練合して造粒した後乾燥し粒径105〜350μmの
粒子に整粒した。 (2) マイクロカプセルの調製 シクロヘキサン700mlにシリコーン樹脂(第
4版食品添加物公定書の基準に適合したもの。
25℃における粘度が100〜1100cStであるジメチ
ルポリシロキサンに対して二酸化ケイ素を3〜
15%配合したもの)21g、エチルセルロース
(エトキシ基含量48.2%、粘度98.5cP)17.5gお
よび芯物質87.5gを加え80℃に加熱し溶解・分
散させる。ついで400r.p.m.でかく拌しながら
室温(約25℃)まで冷却し生成したマイクロカ
プセルを分離してn−ヘキサンで洗浄し乾燥す
る。 得られたマイクロカプセルのうち目開き
500μmのJIS標準ふるいを通過し、目開き105μ
mのJIS標準ふるい上にとどまるものを集める
ことにより第十改正日本薬局方の細粒剤基準
(以下、単に細粒剤基準と称する)に適合した
塩酸ジルチアゼム含有マイクロカプセルを得
た。 (3) 結果 結果は下記第1表および第1図に示す通りで
ある。
の製法に関する。 近年、医薬品製剤については投与した薬物の副
作用発現を避け、かつ生体内で薬物の薬理作用が
長く発現されて望ましい治療効果が得られるよう
徐放性医薬品製剤が考案されている。かかる医薬
品製剤としては例えばスルフアメチゾールを水不
溶性高分子たる酢酸セルロースでマトリツクス化
したものを芯物質とし、エチルセルロースでマイ
クロカプセルとした製剤〔Chem.Pharm.Bull.
vol.28 2816〜1819(1980)〕が知られているが、
該製剤においては薬剤の徐放効果は得られるもの
のマトリツクス自体が水不溶性であるため腸管内
に至つてもマトリツクス中の薬物がなお十分に放
出されないという難点があつた。 本発明者らはかかる状況に鑑み、鋭意研究を重
ねた結果、胃および腸内部において薬物の徐放効
果を示し、併せてこれら消化管内で確実に薬物を
放出させ得る新規徐放性マイクロカプセルを完成
するに至つた。 即ち、本発明は医薬物質と腸溶性高分子物質と
が造粒されて成る粒子を芯物質とし、該芯物質上
にエチルセルロース壁膜の形成された芯物質含有
エチルセルロースマイクロカプセルである。 本発明によれば、かかるマイクロカプセルは腸
溶性高分子物質溶液と医薬物質とを造粒して得ら
れる粒子をエチルセルロース含有溶液に分散させ
た後、腸溶性高分子物質の存在もしくは非存在下
に該エチルセルロースの相分離によつて芯物質上
にエチルセルロース壁膜を形成させることにより
製することができる。 本発明のマイクロカプセルにおいて芯物質成分
の一つである腸溶性高分子物質としてはPH5以上
の水に溶解する腸溶性高分子物質であればいずれ
も用いることができる。具体的には例えばPH5以
上の水に溶解する(i)多糖類アセテート、アルキル
化多糖類もしくはヒドロキシアルキル化多糖類の
有機二塩基酸エステル、(ii)カルボキシアルキル化
多糖類のアルキルエーテル、(iii)ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアセテートもしくはポリビニル
アセタールの有機二塩基酸エステル、又は(iv)アク
リル酸、メタクリル酸もしくはそれらのエステル
から選ばれる2乃至3成分系共重合体があげられ
る。(i)において多糖類アセテートの有機二塩基酸
エステルとしては具体的には例えばセルロース・
アセテート・フタレート、セルロース・アセテー
ト・サクシネート、セルロース・アセテート・マ
レエート、スターチ・アセテート・フタレート、
アミロース・アセテート・フタレートがあげら
れ、アルキル化多糖類の有機二塩基酸エステルと
しては具体的には例えばメチルセルロース・フタ
レートがあげられる。更にヒドロキシアルキル化
多糖類の有機二塩基酸エステルとしては具体的に
は例えばヒドロキシエチル・エチルセルロース・
フタレート、ヒドロキシプロピル・メチルセルロ
ース・フタレートがあげられる。(ii)のカルボキシ
アルキル化多糖類のアルキルエーテルとしては例
えばカルボキシメチルエチルセルロースがあげら
れる。(iii)においてポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアセテートもしくはポリビニルアセタールの
有機二塩基酸エステルとしては具体的には例えば
ポリビニルアルコール・フタレート、ポリビニル
アセテート・フタレート、ポリビニルアセター
ル・フタレート、ポリビニルブチレート・フタレ
ートがあげられる。更に(iv)においてアクリル酸、
メタクリル酸もしくはそれらのエステルから選ば
れる2乃至3成分系共重合体としては具体的には
例えばメチルアクリレート・メタクリル酸コポリ
マー、メチルアクリレート・メタクリル酸・オク
チルアクリレートコポリマー、メチルアクリレー
ト・メタクリル酸・メチルメタクリレートコポリ
マー、メチルメタクリレート・メタクリル酸コポ
リマー、エチルアクリレート・メタクリル酸コポ
リマーがあげられる。これらのうち好ましいもの
としてはPH5.0以上の水に溶解するヒドロキシプ
ロピル・メチルセルロース・フタレート、メタク
リル酸・メチルメタクリレートコポリマー、メタ
クリル酸・エチルアクリレートコポリマー、メチ
ルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、メチ
ルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、メチ
ルアクリレート・メタクリル酸・メチルメタクリ
レート、カルボキシメチル・エチルセルロース、
セルロース・アセテート・フタレートを挙げるこ
とができる。 一方、これらの腸溶性高分子物質と共に芯物質
を形成する医薬物質としては特に限定されず経口
投与に適した医薬物質であればいずれも用いるこ
とができ、固体であつてもゲル状物質であつても
よい。さらには泥状物質であつても用いることが
できる。これら医薬物質は固体の場合は約5〜
1000μmとりわけ約50〜500μmの粒子径のものを
用いるのが好ましい。 上記の如き医薬物質と腸溶性高分子物質からな
る芯物質粒子はこれら2成分を不活性溶媒を助剤
として造粒することにより製することができ、具
体的には不活性溶媒に腸溶性高分子物質を溶解あ
るいは膨潤せしめた溶液あるいはゲルに医薬物質
を加えて溶解もしくは分散し、該混合物を造粒せ
しめることにより製することができる。又造粒に
際しては賦形剤等を用いることもできる。芯物質
粒子中におけるこれら各成分の含有率は本発明の
マイクロカプセルの用途、目的に応じ任意に変化
させることができるが、とりわけ腸溶性高分子物
質の含有率は芯物質中において約15〜70%が好ま
しく、更には約20〜60%であるのがより好まし
く、約25〜50%が最も好ましい。造粒に際して用
いられる溶媒としては例えばメタノール、エタノ
ールの如き低級アルカノール、アセトン、メチル
アセトン、メチルエチルケトンの如き低級アルカ
ノンもしくはこれらと水との混合物を用いること
ができ、とりわけメタノール、エタノール、アセ
トンもしくはこれらと水との混合物が好ましい。
溶媒の使用量は特に限定されないが腸溶性高分子
物質を完溶、または膨潤させ得る量を用いるのが
好ましい。造粒は例えば湿式造粒法、流動層造粒
法、噴霧造粒法等を採用することにより好適に実
施することができる。具体的には腸溶性高分子物
質溶液もしくはゲル中に医薬物質を溶解もしくは
均一に分散せしめた後上記の造粒法に応じた市販
造粒機を用いるか、又は上記造粒法の常法に従つ
て実施できる。ついで得られる粒子を乾燥し、整
粒することにより所望のサイズの粒子を得ること
ができる。又、賦形剤を用いる場合には賦形剤
(例えば乳糖、デンプン、クエン酸カルシウム、
マンニツト等)を医薬物質と共に腸溶性高分子物
質溶液中に加え上記同様に実施することにより芯
物質粒子を得ることができる。かくして得られた
芯物質粒子は医薬物質を腸溶性高分子物質中に均
一に含有し、とりわけ芯物質中における腸溶性高
分子物質の含量が、15%以上であるときは当該高
分子物質がマトリツクス構造を形成し医薬物質が
この高分子物質のマトリツクスに包括されること
になるので、医薬物質の的確な徐放効果を得るこ
とができる。 芯物質粒子はその粒径には特に制限はないが、
一般的には概ね約5〜1000μ、とりわけ約50〜
500μの粒度のものを用いるのが好ましい。 ついで得られた粒子を壁膜剤たるエチルセルロ
ース含有溶液に分散させた後、エチルセルロース
の相分離により該粒子上にエチルセルロース壁膜
を形成せしめることによりマイクロカプセルを製
することができる。 エチルセルロースとしてはエトキシ含有率が約
46.5〜55%であつて粘度(本発明においてエチル
セルロースの粘度はトルエン・エタノール(4:
1)混液にエチルセルロースを5%濃度となるよ
うに溶解し、該溶液の25℃における粘度として表
わす。)約3〜500cPのものを用いるのが好まし
い。エチルセルロースの使用量は芯物質に対し約
0.05〜5倍量であるのが適当である。エチルセル
ロースを溶解するための溶媒としては、前記芯物
質を溶解せず壁膜剤エチルセルロースを熱時溶
解、冷時不溶化するものであればいずれも用いる
ことができる。具体的には例えばシクロヘキサ
ン、シクロヘキサンとn−ヘキサンの混液等があ
げられ、とりわけシクロヘキサンが好適に用いら
れる。 エチルセルロースは溶液中の濃度が約0.5〜
10W/W%、とりわけ約1〜5W/W%となるよ
う用いるのが好ましい。またこの溶液に上記芯物
質を分散させる操作はかく拌下約80℃以下、とり
わけ約55〜75℃で実施するのが好ましい。 かくして得られる芯物質粒子分散液からのエチ
ルセルロースの相分離は該分散液を毎分0.05〜4
℃の速度で冷却することにより実施するのが好ま
しい。冷却は分散液が約30℃に至るまで実施すれ
ばよく、これにより芯物質粒子上に沈着したエチ
ルセルロース壁膜は固化安定化する。 また、本発明のマイクロカプセルにおいてはエ
チルセルロース壁膜中に腸溶性高分子物質を含有
させて、芯物質粒子中および壁膜の両方に腸溶性
高分子物質を含むマイクロカプセルとすることも
できる。この場合腸溶性高分子物質としては前記
した如き腸溶性高分子物質を好適に用いることが
でき、これらの微粉末のものを用いるのが好まし
く、とりわけ粒径約300μ以下の微粉末がとりわ
け好ましい。これらの腸溶性高分子物質は壁膜剤
に対し約0.01倍量以上、とりわけ約0.05〜20倍量
を用いるのが好ましい。 エチルセルロース壁膜中に腸溶性高分子物質を
含有させるには該高分子物質をエチルセルロース
含有芯物質粒子分散液に加えて前記と同様に相分
離を生ぜしめればよい。腸溶性高分子物質の添加
は前記冷却開始前或いは冷却工程のいずれの段階
で加えてもよいが、とりわけ冷却によつてエチル
セルロースが芯物質上に沈着する過程即ちエチル
セルロースのゲル状壁膜が芯物質上にほヾ完成
し、かつ未だある程度の流動性を有する時期(具
体的にはエチルセルロース壁膜の粘度が約0.05〜
50Pとりわけ0.5〜10Pの粘度を有する状態のと
き)に腸溶性高分子物質をかく拌下加えるのが好
ましい。より具体的に説明すれば、該腸溶性高分
子物質の添加時期はその実施スケール或いは冷却
速度等によつても幾分変動するが概ね分散液の温
度が約55〜75℃、とりわけ約65℃となれば芯物質
上に流動性を有するエチルセルロース壁膜が完成
するので該温度を指標として腸溶性高分子物質を
添加するのが好ましい。この様にして添加するこ
とにより腸溶性高分子物質はカプセル壁膜中に好
適に浸透・分散せしめられる。腸溶性高分子物質
の添加が終了すれば引続き冷却を続けることによ
り腸溶性高分子物質を含有するエチルセルロース
壁膜は固化安定化する。 更には、本発明のマイクロカプセルを製するに
際して壁膜形成助剤又は界面活性剤を適宜併用す
ることもできる。相分離誘起剤としては例えばポ
リエチレン、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポ
リブタジエンを用いることができ、壁膜形成助剤
としては例えばジメチルポリシロキサン、メチル
フエニルポリシロキサン等を、また界面活性剤と
しては例えばソルビタン脂肪酸エステル、大豆リ
ン脂質、卵黄リン脂質、ステアリル乳酸カルシウ
ム、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸エステル、シヨ糖脂肪酸エステルな
どを用いることができる。これらの添加はエチル
セルロースを溶解させる際に共に加えればよく、
その添加量はエチルセルロース含有溶液に対し相
分離誘起剤は約0.1〜10%、壁膜形成助剤は約
0.01〜10%、界面活性剤は約0.001〜10%とする
のが適当である。 かくして生成したマイクロカプセルの分離は通
常の分離方法によつて実施でき、例えばデカンテ
ーシヨン、ろ過、遠心分離等を採用することがで
きる。これらいずれの方法によるときもカプセル
が互いに付着したり凝集したりすることは殆どな
い。この様にして得られたマイクロカプセルは、
ついで必要に応じシクロヘキサン、石油エーテ
ル、n−ヘキサン等により洗浄し常法(熱風乾
燥、伝熱加熱乾燥等)により乾燥することができ
る。 なお上記本発明のマイクロカプセル及びその製
法を適用し得る医薬品を列挙すれば、例えばビタ
ミン類、アミノ酸、ペプチド、化学療法剤、抗生
物質、呼吸促進剤、鎮咳去たん剤、抗悪性腫瘍
剤、自律神経用薬剤、精神神経用薬剤、局所麻酔
剤、筋弛緩剤、消化器官用薬剤、抗ヒスタミン
剤、中毒治療剤、催眠鎮静剤、抗てんかん剤、解
熱鎮痛消炎剤、強心剤、不整脈治療剤、降圧利尿
剤、血管拡張剤、抗脂血剤、滋養強壮変質剤、抗
凝血剤、肝臓用薬剤、血糖降下剤、血圧降下剤な
どを広くあげることができる。 かくして得られる本発明のマイクロカプセルは
芯物質中において医薬物質が腸溶性高分子物質中
に均一に分散するか或いは溶解してマトリツクス
内に包接されているため、服用後胃内部において
カプセル壁膜を通過した胃液は腸溶性高分子物質
のマトリツクスが障壁となり芯物質内部への浸透
が緩慢となつて、その結果、カプセル内部の医薬
物質の溶解が減じ、これにより医薬物質の放出が
制御されることとなる。しかもそのようにして放
出を制御されつつ腸に至れば、芯物質中の腸溶性
高分子物質が溶解することによつて芯物質粒子が
徐々に溶解もしくは膨潤する。その結果、マイク
ロカプセルからの医薬物質の放出は胃内部より腸
内部においてより速やかとなり、かつ放出を完全
ならしめることができる。この場合医薬物質の放
出速度は芯物質中の腸溶性高分子物質と医薬物質
の比率を変化させることによつて任意に調節する
ことができる。又、芯物質中のみならずエチルセ
ルロース壁膜中にも腸溶性高分子物質を含有させ
たマイクロカプセルを投与した場合には胃内部に
おいては上記と同様に芯物質中の腸溶性高分子物
質によつてカプセルからの医薬物質の放出が抑制
されるが、腸に至れば医薬物質の放出はより促進
される。即ち、腸に至れば、エチルセルロース壁
膜中の腸溶性高分子物質が速みやかに溶解して、
壁膜がポーラス状となり芯物質内部への腸液の浸
透が一層促進され、上記同様医薬物質の溶解が加
速される。その結果、この両者が協働して腸内で
の放出が壁膜中に腸溶性高分子物質を含まないマ
イクロカプセルよりも更に促進される。従つて本
発明のマイクロカプセルはその目的と用途に応じ
て上記のいずれかの手段を選択することにより医
薬物質に応じた放出速度を適宜得ることができ
る。 以下、実験例、実施例により本発明を更に詳細
に説明する。 実験例 1 芯物質中に腸溶性高分子物質を含む塩酸ジルチ
アゼム(化学名;d−3−アセトキシ−シス−
2,3−ジヒドロ−5−〔2−(ジメチルアミノ)
エチル〕−2−(P−メトキシフエニル)1,5−
ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン塩酸塩)含有
マイクロカプセルを調製し、カプセル収量、カプ
セル中の主薬含量および第十改正日本薬局方の崩
壊試験第1液と第2液(37℃)中におけるカプセ
ルからの主薬の溶出を経時的に測定し本発明の効
果を比較した。 実験方法 (1) 芯物質 ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・フ
タレート〔メトキシル基含量:22.2%、ヒドロ
キシプロポキシル基含量:7.5%、カルボキシ
ベンゾイル基含量21.6%(以下、HPMCPと称
する)〕の微粉末a部および塩酸ジルチアゼム
の微粉末(100−a)部の混合物に30%エタノ
ール水溶液0.5a部を加える。ついで常法により
練合して造粒した後乾燥し粒径105〜350μmの
粒子に整粒した。 (2) マイクロカプセルの調製 シクロヘキサン700mlにシリコーン樹脂(第
4版食品添加物公定書の基準に適合したもの。
25℃における粘度が100〜1100cStであるジメチ
ルポリシロキサンに対して二酸化ケイ素を3〜
15%配合したもの)21g、エチルセルロース
(エトキシ基含量48.2%、粘度98.5cP)17.5gお
よび芯物質87.5gを加え80℃に加熱し溶解・分
散させる。ついで400r.p.m.でかく拌しながら
室温(約25℃)まで冷却し生成したマイクロカ
プセルを分離してn−ヘキサンで洗浄し乾燥す
る。 得られたマイクロカプセルのうち目開き
500μmのJIS標準ふるいを通過し、目開き105μ
mのJIS標準ふるい上にとどまるものを集める
ことにより第十改正日本薬局方の細粒剤基準
(以下、単に細粒剤基準と称する)に適合した
塩酸ジルチアゼム含有マイクロカプセルを得
た。 (3) 結果 結果は下記第1表および第1図に示す通りで
ある。
【表】
(注);実験No.5は芯物質粒子のみとして
用いた。
実験例 2 芯物質とカプセル壁膜の両者に腸溶性高分子物
質を含む塩酸ジルチアゼム含有マイクロカプセル
を調製し、カプセル収量、カプセル中の主薬含量
および第十改正日本薬局方の崩壊試験第2液(37
℃)中におけるカプセルからの主薬の溶出を経時
的に測定し本発明の効果を比較した。 <実験方法> (1) 芯物質 塩酸ジルチアゼムの粉末50部にエタノール6
部を加えて混合した後、これに予め実験例1で
用いたヒドロキシプロピル・メチルセルロー
ス・フタレートの微粉末50部に水40部を混合し
た湿潤混合物を加え、常法により練合して造粒
する。ついで乾燥して粒径105〜350μmのマト
リツクス粒子に整粒した。 (2) マイクロカプセルの調製 シクロヘキサン700mlに実験例1で用いたシ
リコーン樹脂21g、エチルセルロース17.5gお
よび芯物質70gを加え80℃に加熱し溶解・分散
させる。ついで400r.p.mでかく拌しつつ冷却
し、約65℃に至ればヒドロキシプロピル・メチ
ルセルロース・フタレートの微粉末を下記第2
表に示す添加量加えて当該壁膜中に含有せしめ
た後室温まで冷却する。生成したマイクロカプ
セルを分離してn−ヘキサンで洗浄し乾燥す
る。得られたマイクロカプセルを目開き500μ
mと105μmのJIS標準ふるいで処理することに
より細粒剤基準に適合した塩酸ジルチアゼム含
有マイクロカプセルを得た。 (3) 結果 結果は下記第2表および第2図に示す通りで
あり、腸溶性ポリマーをカプセル壁膜に含有さ
せた場合、第2液中において主薬の溶出が一層
促進された。
用いた。
実験例 2 芯物質とカプセル壁膜の両者に腸溶性高分子物
質を含む塩酸ジルチアゼム含有マイクロカプセル
を調製し、カプセル収量、カプセル中の主薬含量
および第十改正日本薬局方の崩壊試験第2液(37
℃)中におけるカプセルからの主薬の溶出を経時
的に測定し本発明の効果を比較した。 <実験方法> (1) 芯物質 塩酸ジルチアゼムの粉末50部にエタノール6
部を加えて混合した後、これに予め実験例1で
用いたヒドロキシプロピル・メチルセルロー
ス・フタレートの微粉末50部に水40部を混合し
た湿潤混合物を加え、常法により練合して造粒
する。ついで乾燥して粒径105〜350μmのマト
リツクス粒子に整粒した。 (2) マイクロカプセルの調製 シクロヘキサン700mlに実験例1で用いたシ
リコーン樹脂21g、エチルセルロース17.5gお
よび芯物質70gを加え80℃に加熱し溶解・分散
させる。ついで400r.p.mでかく拌しつつ冷却
し、約65℃に至ればヒドロキシプロピル・メチ
ルセルロース・フタレートの微粉末を下記第2
表に示す添加量加えて当該壁膜中に含有せしめ
た後室温まで冷却する。生成したマイクロカプ
セルを分離してn−ヘキサンで洗浄し乾燥す
る。得られたマイクロカプセルを目開き500μ
mと105μmのJIS標準ふるいで処理することに
より細粒剤基準に適合した塩酸ジルチアゼム含
有マイクロカプセルを得た。 (3) 結果 結果は下記第2表および第2図に示す通りで
あり、腸溶性ポリマーをカプセル壁膜に含有さ
せた場合、第2液中において主薬の溶出が一層
促進された。
【表】
実施例 1
塩酸トリメトキノール(化学名;l−1−(3,
4,5−トリメトキシベンジル)−6,7−ジヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン・塩酸塩・1水和物)60部をメタクリル
酸・メチルメタクリレートコポリマー(モル比
1:1)40部をエタノール40部に溶解した溶液に
加え、練合してスラリーとする。これを糸状にの
ばして乾燥した後、これを破砕して粒径105〜
350μmの粒子に整粒する。シクロヘキサン700ml
にシリコーン樹脂(実験例1で用いたもの)21
g、エチルセルロース(エトキシ基含量48.2%、
粘度98.5cP)17.5gおよび先に整粒した芯物質
52.5gを加え80℃に加熱し溶解・分散させる。つ
いで400r.p.mでかき混ぜながら冷却し約65℃に至
ればメタクリル酸・メチルメタクリレートコポリ
マー(1:1)の微粉末35gを添加して壁膜に含
有させた後、室温まで冷却する。生成したマイク
ロカプセルを分離して石油エーテルで洗浄し乾燥
する。得られたマイクロカプセルを目開き500μ
mと105μmのJIS標準ふるいで処理することによ
り細粒剤基準に適合した徐放性塩酸トリメトキノ
ール含有マイクロカプセル96gを得た。本マイク
ロカプセル中の主薬含量は31.5%であつた。 実施例 2〜8 以下、芯物質として上記と同様の整粒した塩酸
トリメトキノールを用い壁膜剤および溶媒として
下記第3表中に示す腸溶性高分子物質、溶媒を用
いて実施例1と同様に実施することにより下記第
3表に示す塩酸トリメトキノール含有徐放性マイ
クロカプセルを得た。
4,5−トリメトキシベンジル)−6,7−ジヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン・塩酸塩・1水和物)60部をメタクリル
酸・メチルメタクリレートコポリマー(モル比
1:1)40部をエタノール40部に溶解した溶液に
加え、練合してスラリーとする。これを糸状にの
ばして乾燥した後、これを破砕して粒径105〜
350μmの粒子に整粒する。シクロヘキサン700ml
にシリコーン樹脂(実験例1で用いたもの)21
g、エチルセルロース(エトキシ基含量48.2%、
粘度98.5cP)17.5gおよび先に整粒した芯物質
52.5gを加え80℃に加熱し溶解・分散させる。つ
いで400r.p.mでかき混ぜながら冷却し約65℃に至
ればメタクリル酸・メチルメタクリレートコポリ
マー(1:1)の微粉末35gを添加して壁膜に含
有させた後、室温まで冷却する。生成したマイク
ロカプセルを分離して石油エーテルで洗浄し乾燥
する。得られたマイクロカプセルを目開き500μ
mと105μmのJIS標準ふるいで処理することによ
り細粒剤基準に適合した徐放性塩酸トリメトキノ
ール含有マイクロカプセル96gを得た。本マイク
ロカプセル中の主薬含量は31.5%であつた。 実施例 2〜8 以下、芯物質として上記と同様の整粒した塩酸
トリメトキノールを用い壁膜剤および溶媒として
下記第3表中に示す腸溶性高分子物質、溶媒を用
いて実施例1と同様に実施することにより下記第
3表に示す塩酸トリメトキノール含有徐放性マイ
クロカプセルを得た。
【表】
【表】
実施例 9
塩酸トリメトキノール80部をヒドロキシプロピ
ル・メチルセルロース・フタレート(実験例1で
用いたもの)20部を水・エタノール(2:8)混
液30部に溶解した溶液中に加え練合してスラリー
とする。ついで糸状に延伸して乾燥した後、破砕
して粒径105〜210μmの粒子に整粒して芯物質と
する。 シクロヘキサン700mlにエチルセルロース(エ
トキシ基含量89.5%、粘度81cP)14g、芯物質98
gおよび下記第4表に示す相分離誘起剤(又は壁
膜形成助剤)14gを加え80℃に加熱し溶解・分散
させる。ついで400r.p.mでかき混ぜながら室温ま
で冷却する。生成したマイクロカプセルを分離し
てn−ヘキサンで洗浄し乾燥する。得られたマイ
クロカプセルのうち目開き350μmのJIS標準ふる
いを通過するものを集めることにより第十改正日
本薬局方の散剤基準に適合した塩酸トリメトキノ
ール含有マイクロカプセルを得た。
ル・メチルセルロース・フタレート(実験例1で
用いたもの)20部を水・エタノール(2:8)混
液30部に溶解した溶液中に加え練合してスラリー
とする。ついで糸状に延伸して乾燥した後、破砕
して粒径105〜210μmの粒子に整粒して芯物質と
する。 シクロヘキサン700mlにエチルセルロース(エ
トキシ基含量89.5%、粘度81cP)14g、芯物質98
gおよび下記第4表に示す相分離誘起剤(又は壁
膜形成助剤)14gを加え80℃に加熱し溶解・分散
させる。ついで400r.p.mでかき混ぜながら室温ま
で冷却する。生成したマイクロカプセルを分離し
てn−ヘキサンで洗浄し乾燥する。得られたマイ
クロカプセルのうち目開き350μmのJIS標準ふる
いを通過するものを集めることにより第十改正日
本薬局方の散剤基準に適合した塩酸トリメトキノ
ール含有マイクロカプセルを得た。
【表】
実施例 10
塩酸ジルチアゼム50部とヒドロキシプロピル・
メチルセルロース・フタレート(実験例1で用い
たもの)50部を30%含水エタノール1000部に溶解
した液にタルク30部を分散させる。この分散液を
100℃にて30000r.p.mの高速回転円板で噴霧乾燥
して、粒径74〜125μmの粒子に整粒し芯物質を
得る。ついでシクロヘキサン700mlにシリコーン
樹脂(実験例1で用いたもの)14g、エチルセル
ロース(実験例1で用いたもの)21gおよび上記
で得た芯物質105gを加え80℃に加熱し分散液と
する。400r.p.mでかき混ぜながら約25℃まで冷却
する。生成したマイクロカプセルを分離しn−ヘ
キサンで洗浄した後乾燥する。得られたマイクロ
カプセルを目開き350μmのJIS標準ふるいで処理
することにより第十改正日本薬局方の散剤基準に
適合した塩酸ジルチアゼム含有マイクロカプセル
118gを得た。
メチルセルロース・フタレート(実験例1で用い
たもの)50部を30%含水エタノール1000部に溶解
した液にタルク30部を分散させる。この分散液を
100℃にて30000r.p.mの高速回転円板で噴霧乾燥
して、粒径74〜125μmの粒子に整粒し芯物質を
得る。ついでシクロヘキサン700mlにシリコーン
樹脂(実験例1で用いたもの)14g、エチルセル
ロース(実験例1で用いたもの)21gおよび上記
で得た芯物質105gを加え80℃に加熱し分散液と
する。400r.p.mでかき混ぜながら約25℃まで冷却
する。生成したマイクロカプセルを分離しn−ヘ
キサンで洗浄した後乾燥する。得られたマイクロ
カプセルを目開き350μmのJIS標準ふるいで処理
することにより第十改正日本薬局方の散剤基準に
適合した塩酸ジルチアゼム含有マイクロカプセル
118gを得た。
第1図は実験例1のNo.1〜5で得たマイクロカ
プセルの第十改正日本薬局方の崩壊試験第1液お
よび第2液(いずれも37℃)中における塩酸ジル
チアゼムの溶出率を表わしたものであり、同図面
中、実線は第1液中の、又破線は第2液中の溶出
率をそれぞれ示す。第2図は実験例2のNo.1〜4
で得たマイクロカプセルの第十改正日本薬局方の
崩壊試験第2液中(37℃)における塩酸ジルチア
ゼムの溶出率を表わしたものである。
プセルの第十改正日本薬局方の崩壊試験第1液お
よび第2液(いずれも37℃)中における塩酸ジル
チアゼムの溶出率を表わしたものであり、同図面
中、実線は第1液中の、又破線は第2液中の溶出
率をそれぞれ示す。第2図は実験例2のNo.1〜4
で得たマイクロカプセルの第十改正日本薬局方の
崩壊試験第2液中(37℃)における塩酸ジルチア
ゼムの溶出率を表わしたものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 医薬物質と腸溶性高分子物質とが造粒されて
成る粒子を芯物質とし、該芯物質上にエチルセル
ロース壁膜の形成された芯物質含有エチルセルロ
ースマイクロカプセル。 2 芯物質中の腸溶性高分子物質の含量が15〜
70W/W%である特許請求の範囲第1項記載のマ
イクロカプセル。 3 医薬物質と腸溶性高分子物質とが不活性溶媒
を助剤として造粒されてなる粒子を芯物質とする
特許請求の範囲第1項又は2項記載のマイクロカ
プセル。 4 腸溶性高分子物質をエチルセルロース壁膜中
に含有させてなる特許請求の範囲第1項、第2項
又は第3項記載のマイクロカプセル。 5 腸溶性高分子物質がPH5.0以上の水に溶解す
る(i)多糖類アセテート、アルキル化多糖類もしく
はヒドロキシアルキル化多糖類の有機二塩基酸エ
ステル、(ii)カルボキシアルキル化多糖類のアルキ
ルエーテル、(iii)ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアセテートもしくはポリビニルアセタールの有
機二塩基酸エステル又は(iv)アクリル酸、メタクリ
ル酸もしくはそれらのエステルから選ばれる2乃
至3成分系共重合体である特許請求の範囲第1項
又は第2項記載のマイクロカプセル。 6 腸溶性高分子物質がPH5.0以上の水に溶解す
るヒドロキシプロピル・メチルセルロース・フタ
レート、メタクリル酸・メチルメタクリレートコ
ポリマー、メタクリル酸・エチルアクリレートコ
ポリマー、メチルアクリレート・メタクリル酸コ
ポリマー、メチルアクリレート・メタクリル酸コ
ポリマー、メチルアクリレート・メタクリル酸・
メチルメタクリレート、カルボキシメチル・エチ
ルセルロース、セルロース・アセテート・フタレ
ートである特許請求の範囲第1項、第2項、第3
項、第4項又は第5項記載のマイクロカプセル。 7 腸溶性高分子物質溶液と医薬物質とを造粒し
て得られる粒子をエチルセルロース含有溶液に分
散させた後、腸溶性高分子物質の存在もしくは非
存在下に該エチルセルロースの相分離によつて芯
物質上にエチルセルロース壁膜を形成させること
を特徴とするマイクロカプセルの製法。 8 医薬物質を腸溶性高分子物質含有不活性溶媒
溶液に溶解もしくは分散させたのち、造粒して得
られる粒子を芯物質として用いる特許請求の範囲
第7項記載の方法。 9 不活性溶媒として低級アルカノール、低級ア
ルカノン、テトラヒドロフランもしくはそれらの
混合物、或いはそれらと水との混合物を用いる特
許請求の範囲第8項記載の方法。 10 壁膜剤たるエチルセルロース含有溶液に芯
物質を分散させた後、該エチルスルロースの相分
離により芯物質上にエチルセルロース壁膜を形成
させるに際し相分離誘起剤、壁膜形成助剤又は界
面活性剤を1種又は2種以上用いる特許請求の範
囲第7項、第8項又は第9項記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12019382A JPS5910512A (ja) | 1982-07-09 | 1982-07-09 | 徐放性マイクロカプセルおよびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12019382A JPS5910512A (ja) | 1982-07-09 | 1982-07-09 | 徐放性マイクロカプセルおよびその製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5910512A JPS5910512A (ja) | 1984-01-20 |
| JPS6353966B2 true JPS6353966B2 (ja) | 1988-10-26 |
Family
ID=14780208
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12019382A Granted JPS5910512A (ja) | 1982-07-09 | 1982-07-09 | 徐放性マイクロカプセルおよびその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5910512A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5364620A (en) * | 1983-12-22 | 1994-11-15 | Elan Corporation, Plc | Controlled absorption diltiazem formulation for once daily administration |
| IE56999B1 (en) * | 1983-12-22 | 1992-03-11 | Elan Corp Plc | Pharmaceutical formulation |
| US5000962A (en) * | 1989-08-25 | 1991-03-19 | Schering Corporation | Long acting diltiazem formulation |
| US4992277A (en) * | 1989-08-25 | 1991-02-12 | Schering Corporation | Immediate release diltiazem formulation |
| EP0653935B1 (en) * | 1992-08-05 | 2002-05-08 | F.H. FAULDING & CO. LIMITED | Pelletised pharmaceutical composition |
-
1982
- 1982-07-09 JP JP12019382A patent/JPS5910512A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5910512A (ja) | 1984-01-20 |
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|---|---|---|
| JPH0132206B2 (ja) | ||
| JPS6323823B2 (ja) | ||
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